説明

画像取込装置

【課題】多様な計測内容に操作性よく対応することができる画像取込装置を提供することを目的とする。
【解決手段】スクリーニング対象の液状試料を保持したマイクロプレート10を撮像して液状試料の画像を取り込む画像取込装置において、第1の光軸A1を有する撮像ユニット3と第2の光軸A2を有する照明ユニット4とを上下に重なる位置関係で収納し、第1の光軸A1の上下に設定された第1の観察位置[P1]、第2の観察位置[P2]のうち、選択されたいずれかの観察位置においてマイクロプレート10を水平な姿勢で保持し、中間位置[PM]に配設された光路切替部7によって第1の光軸A1に沿う光の光路を下側の光路1または上側の光路2のいずれかに折り曲げる構成とする。これにより、マイクロプレート10の上側および下側のいずれからも撮像が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状試料などの観察対象物を保持した板状の容器を撮像して観察対象物の画像を取り込む画像取込装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製薬業界等で行われる創薬スクリーニング分野では、近年スクリーニング規模の急激な拡大に伴い、大量の検体試料を自動化されたシステムを用いて短時間で効率よく評価して目標とする化合物を見いだす、高速大量スクリーニング(HTS)の手法が導入されるようになっている。このような高速大量スクリーニングにおいては、マイクロプレートなどの容器に収納された検体試料を対象として分注操作や培養を行った後、目的に応じて蛍光計測や、発光計測、吸光計測など各種の計測が行われる。
【0003】
これらの計測はいずれも検体試料を保持した容器をカメラで撮像して画像を取り込むことによって行われ、このための専用の画像取込装置が用いられるようになっている(例えば特許文献1参照)。この特許文献に示す例においては、撮像方向を下向きにして配設されたカメラの下方にマイクロプレートを水平姿勢で保持させ、マイクロプレートを上面側からカメラによって撮像して画像を取り込むようにしている。
【特許文献1】米国特許第6,377,346号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでマイクロプレートなどの容器中の検体試料を対象とした計測においては、計測対象部位によって撮像方向を変える必要が生じる場合がある。例えば、マイクロプレートのウェル中の検体試料を対象として計測を行う場合は、通常はウェルの開口側から撮像して画像を取り込むが、ウェルの底面に付着した培地に存在する細胞などを計測の対象とする場合には、マイクロプレートの下面側から撮像する必要がある。しかしながら、上述の特許文献例に示す先行技術では、このように撮像方向を変える場合には装置全体を反転した状態で計測を行う必要があり、同一の装置で多様な計測内容に操作性よく対応することが困難であった。
【0005】
そこで本発明は、多様な計測内容に操作性よく対応することができる画像取込装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像取込装置は、観察対象物を保持した板状の容器を撮像して前記観察対象物の画像を取り込む画像取込装置であって、水平な第1の光軸を撮像光軸とする撮像ユニットと、前記第1の光軸の下方においてこの第1の光軸に平行して設定された第2の光軸を照明光軸とする照明ユニットと、前記撮像ユニットと前記照明ユニットとを上下に重なる位置関係で収納する筐体部と、前記撮像ユニットの被撮像物側であって前記第1の光軸と前記第2の光軸との中間の高さ位置に設定された第1の観察位置およびこの第1の観察位置の上方であって前記第1の光軸よりも高い位置に設定された第2の観察位置のうち、選択されたいずれかの観察位置において前記板状の容器を水平な姿勢で保持する容器保持部と、前記第1の観察位置と前記第2の観察位置とに挟まれた中間位置に配設され、前記第1の光軸に沿う光の光路を第1の観察位置側または第2の観察位置側のいずれかに折り曲げる光路切替部と、前記撮像ユニットと前記中間位置との間に配設され、前記第1の光軸に沿って前記撮像ユニットへ入射する方向の光のうち所定の波長領域の光を透過させて撮像ユニットへ入射させ、他の波長領域の光を下方へ反射する光学部材と、前記第1の光軸
と前記光学部材とを交差させまた交差状態から離脱するように前記光学部材を移動させる光学部材移動機構と、前記第1の光軸と交差する前記光学部材の下方に配置されて前記照明ユニットから前記第2の光軸に沿って照射された照明光を前記光学部材へ向かって反射し、さらにこの光学部材に入射した照明光の反射光を前記光路切替部へ入射させる照明光反射ミラーとを備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1の光軸を有する撮像ユニットと第2の光軸を有する照明ユニットとを上下に重なる位置関係で収納し、撮像ユニットの被撮像物側であって第1の光軸の上下に設定された第1の観察位置および第2の観察位置のうち、選択されたいずれかの観察位置において板状の容器を水平な姿勢で保持し、第1の観察位置と第2の観察位置とに挟まれた中間位置に配設された光路切替部によって第1の光軸に沿う光の光路を第1の観察位置側または第2の観察位置側のいずれかに折り曲げる構成とすることにより、容器保持部の上側および下側のいずれからも観察が可能となり、同一の装置で多様な計測内容に操作性よく対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の画像取込装置の全体構成を示す側面図、図2,図3、図4,図5は本発明の一実施の形態の画像取込装置の部分断面図、図6は本発明の一実施の形態の画像取込装置における容器搬送部の動作説明図、図7,図8,図9,図10,図11,図12は本発明の一実施の形態の画像取込装置による計測処理の説明図である。
【0009】
まず図1を参照して画像取込装置1の全体構成を説明する。画像取込装置1は、観察対象物を保持した板状の容器を撮像して、観察対象物の画像を取り込む機能を有するものである。本実施の形態においては、観察対象物である液状試料を板状の容器であるマイクロプレートの複数のウェルに保持させ、これらの液状試料をカメラによって撮像して画像を取り込むようにしている。そして取り込まれた画像情報に基づき、液状試料を対象とした蛍光計測、吸光計測、発光計測などの各種の計測処理が実行される。
【0010】
図1において、画像取込装置1は矩形断面形状の筐体部2の内部に、撮像ユニット3、照明ユニット4、容器昇降部5、容器搬送部6、光路切替部7、ダイクロイックミラーユニット8および照明光反射部9を配設した構成となっている。以下、各部の構成および機能を、図2〜図6を参照して説明する。なお、図2および図3は、筐体部2の内部を上面側から見た水平断面を示しており、図4はこの水平断面から光路切替部7およびダイクロイックミラーユニット8を除去した水平断面を示している。さらに図5は、図4から照明光反射部9を除去した水平断面を示しており、図6は、容器昇降部5、容器搬送部6の詳細構成および動作を説明するための拡大図である。
【0011】
撮像ユニット3の構成を説明する。筐体部2の内部の右半部にはベースプレート11が水平に配設されており、ベースプレート11に立設されたブラケット12、14には、それぞれカメラ13、撮像光学系15が、水平に設定された第1の光軸A1にそれぞれの光軸を合わせた水平姿勢で保持されている。カメラ13はCCDなどの撮像素子を備えており、筐体部2の内部の左半部に位置する被撮像物からの撮像光を撮像光学系15を介して受光して、画像信号を出力する。
【0012】
撮像ユニット3は光チョッパ16および回転フィルタ18を備えている。光チョッパ16は、透光用開口部(図示省略)が設けられた回転ディスク16aをモータ17によって回転駆動する形態となっている。回転ディスク16aを回転させて投光用開口部を第1の光軸A1と一致させた状態においてのみ、撮像光学系15を介して入射した撮像光はカメ
ラ13に受光され、それ以外の状態では撮像光は回転ディスク16aによって遮断される。モータ17の回転を制御することにより、所定のタイミングにて所定時間だけカメラ13を露光させることができるようになっている。
【0013】
回転フィルタ18は、複数のフィルタ20aが装着された回転ディスク20をモータ19によって回転駆動する構成となっており、フィルタ20aを第1の光軸A1に一致させることにより、撮像光学系15を介して入射する撮像光は装着されたフィルタ20aのフィルタ特性に応じてフィルタリングされた状態でカメラ13に受光される。すなわち、被撮像物からの撮像光のうち特定光のみをカメラ13に入射させ、あるいは特定光を除去した状態でカメラ13に入射させることができる。本実施の形態においては、蛍光計測が対象とする計測方法に含まれることから、回転ディスク20に装着される複数のフィルタ20aには、蛍光を透過し光源からの励起光を遮断する特性を有するものが含まれる。
【0014】
次に、撮像ユニット3の下方に配設された照明ユニット4の構造を説明する。筐体部2の内部においてベースプレート11の下方には、ベースプレート21が水平に配設されており、ベースプレート21にはブラケット22、24が立設されている。ブラケット22、ブラケット24は、それぞれそれぞれLED光源部23、照明光学系25が、水平に設定された第2の光軸A2にそれぞれの光軸を合わせた水平姿勢で保持されている。LED光源部23はLED(発光ダイオード)を光源として内蔵しており、LED光源部23から発光される照明光は照明光学系25を介して被撮像物に対して第2の光軸A2に沿う方向に照射される。
【0015】
照明ユニット4は、LED光源部23からの照明光をフィルタリングするための回転フィルタ26を備えている。回転フィルタ26は、フィルタ28aが装着された回転ディスク28をモータ27によって回転駆動する構成となっており、フィルタ28aを第2の光軸A2に一致させることにより、LED光源部23によって発光された照明光は、装着されたフィルタ28aのフィルタ特性に応じてフィルタリングされた状態で照明光学系25を介して照射される。本実施の形態においては、蛍光計測が対象とする計測方法に含まれることから、回転ディスク28に装着される複数のフィルタ28aには、対象とする蛍光物質の励起に必要な波長の光をLED光源部23が発光する照明光から抽出する機能を有する励起フィルタが含まれる。上記のような構成・機能の撮像ユニット3および照明ユニット4を用いることにより、励起光を計測対象物に照射した後、計測対象物が発する蛍光の強度の時間推移を観測する時間分解蛍光法を、画像取込装置1によって実行することが可能となっている。
【0016】
また上記構成において画像取込装置1は、水平な第1の光軸A1を撮像光軸とする撮像ユニット3と、第1の光軸A1の下方においてこの第1の光軸A1に平行して設定された第2の光軸A2を照明光軸とする照明ユニット4とを筐体部2の内部に備えた形態となっており、さらに筐体部2は撮像ユニット3と照明ユニット4とを上下に重なる位置関係で収納する配置形態となっている。撮像ユニット3と照明ユニット4とをこのような位置関係で配置することにより、後述するように、計測対象部位に応じて観察方向を変える必要が生じた場合においても、同一の装置で操作性よく対応することが可能となっている。
【0017】
次に液状試料(観察対象物)を保持した板状の容器であるマイクロプレート10を保持して昇降させるための容器昇降部5について説明する。なお板状の容器として、ここではウェルが設けられたマイクロプレート10の例を示しているが、板状の容器として単にガラス板に液状試料を保持させる形態であってもよい。筐体部2の内部の左端部には、昇降テーブル31が立姿勢で配設されており、昇降テーブル31の昇降部材31aには、結合ブラケット32を介して略平板状の容器保持部33(図6参照)が結合されている。容器保持部33にはマイクロプレート10を定位置に載置するための位置保持部材33aが設
けられており、さらに容器保持部33の4つのコーナ部はカットされて、コーナカット部33bとなっている。容器保持部33にマイクロプレート10を載置した状態で昇降テーブル31を駆動することにより、マイクロプレート10は容器保持部33とともに昇降する(矢印a)。
【0018】
昇降テーブル31による容器保持部33の昇降ストローク範囲には、撮像ユニット3によってマイクロプレート10を撮像して観察するための第1の観察位置[P1]、第2の観察位置[P2]が設定されている。第1の観察位置[P1]は、撮像ユニット3の被撮像物側、すなわち筐体部2の内部の左半部側であって第1の光軸A1と第2の光軸A2との中間の高さ位置に設定されており、第2の観察位置[P2]は、第1の観察位置[P1]の上方であって第1の光軸A1よりも高い位置に設定されている。昇降テーブル31を駆動することにより、マイクロプレート10を載置した容器保持部33を第1の観察位置[P1]、第2の観察位置[P2]のいずれかに位置させることができ、これにより容器保持部33によって保持されたマイクロプレート10は、第1の観察位置[P1]、第2の観察位置[P2]のいずれかに保持される。
【0019】
すなわち上記構成において、容器保持部33は昇降テーブル31によって昇降し、第1の観察位置[P1]、第2の観察位置[P2]のうち選択されたいずれかの観察位置において、板状の容器であるマイクロプレート10を水平な姿勢で保持する。そして昇降テーブル31は容器保持部33を昇降させる昇降機構であり、この昇降機構によって容器保持部33を第1の観察位置[P1]または第2の観察位置[P2]へ移動させるようになっている。
【0020】
次に光路切替部7について説明する。第1の光軸A1の左側の延長線上において、第1の観察位置[P1]と第2の観察位置[P2]との中間位置[PM]には、光路切替部7が配設されている。光路切替部7は、第1の光軸A1と同一の高さ位置においてY方向に水平に配設された移動テーブル41(図2参照)によって、第1ミラー44A、第2ミラー44Bの2つのミラーを、Y方向に移動自在に設けた構成となっている。
【0021】
移動テーブル41の移動部材41aには、結合ブラケット42を介してミラー保持部材43A、43Bが結合されており、ミラー保持部材43A、43Bは、第1ミラー44A、第2ミラー44Bを、それぞれ反射面が45°下向き、45°上向きとなった傾斜姿勢で保持している。移動テーブル41を駆動することにより、第1ミラー44A、第2ミラー44BはY方向に移動して(図2に示す矢印b参照)、いずれか1つを第1の光軸A1と交差する位置に移動させることができる。移動テーブル41は、第1ミラー44Aおよび第2ミラー44Bを水平移動させるミラー移動機構となっている。
【0022】
すなわち移動テーブル41を駆動して、移動部材41aを図2に示す矢印bの位置に移動させることにより、第2ミラー44Bが第1の光軸A1と交差する位置に移動する。また移動部材41aをさらにY方向(図2において上側)に移動させることにより、第1ミラー44Aは第1の光軸A1と交差する位置に移動する。さらに、移動部材41aを図3に示す矢印eの位置に移動させることにより、第1ミラー44A、第2ミラー44Bのいずれをも、第1の光軸A1と交差する位置から離脱させることができる。これにより、容器保持部33の上方の空間がクリアな状態となり、容器昇降部5においてマイクロプレート10を保持した容器保持部33の昇降が可能となる。
【0023】
第1ミラー44Aが第1の光軸A1と交差する位置にある状態において、第1の光軸A1に沿って第1ミラー44Aに入射した光は、第1の光軸A1を垂直下方に第1の観察位置[P1]側に折り曲げた光路L1に沿って進む。またこの光の方向と逆に、光路L1に沿って垂直下方から第1ミラー44Aに入射した光は、第1の光軸A1に沿って撮像ユニ
ット3の方向へ進む。同様に、第2ミラー44Bが第1の光軸A1と交差する位置にある状態において、第1の光軸A1に沿って第2ミラー44Bに入射した光は、第1の光軸A1を垂直上方に第2の観察位置[P2]側に折り曲げた光路L2に沿って進む。またこの光の方向と逆に、光路L2に沿って垂直上方から第2ミラー44Bに入射した光は、第1の光軸A1に沿って撮像ユニット3の方向へ進む。
【0024】
すなわち上記構成において、光路切替部7は第1の観察位置[P1]と第2の観察位置[P2]とに挟まれた中間位置[PM]に配設されており、第1の光軸A1に沿う光の光路を、第1の観察位置[P1]側(光路L1)または第2の観察位置[P2]側(光路L2)のいずれかに折り曲げる機能を有している。そして光路切替部7は、第1の光軸A1に沿う光路の向きをそれぞれ第1の観察位置[P1]側および第2の観察位置[P2]側へ折り曲げる第1ミラー44Aおよび第2ミラ44Bーと、第1ミラー44Aおよび第2ミラー44Bを水平移動させるミラー移動機構とを備えた形態となっている。
【0025】
このような構成を採用することにより、容器保持部33に保持されたマイクロプレート10内の液状試料を対象とした計測において、マイクロプレート10の観察方向、すなわちマイクロプレート10を上面側から観察する上面観察と下面側から観察する下面観察とを容易に切り換えることが可能となっている。またこの観察方向の切替において、光路切替部7は第1の観察位置[P1]と第2の観察位置[P2]との中間位置[PM]に位置していることから、上面観察の場合の光路長と下面観察の場合の光路長が同一となる。これにより、観察位置を変更した場合においても、照明ユニット4による照明光の照射や撮像ユニット3による撮像光の受光に際しては同一の光学的取扱いが可能となり、装置製作面や計測作業の迅速化の面から望ましい構成となっている。
【0026】
次にマイクロプレート10を筐体部2内に搬入・搬出する容器搬送部6について説明する。図1、図2に示すように、筐体部2の側面において容器保持部33の昇降下限位置の近傍には外部と連通した開口部2aが開口しており、開口部2aにはシャッタ2bが開閉自在に設けられている。図5に示すように、筐体部2の内部には移動テーブル34がY方向に配設されており、移動テーブル34の移動部材(図示省略)には、X方向に水平に延出した結合ブラケット35が結合されている。移動テーブル34を駆動することにより、結合ブラケット35はY方向に移動する(矢印i参照)。
【0027】
結合ブラケット35の先端部には、マイクロプレート10を保持するプレート受渡部36が設けられており、移動テーブル34を駆動して結合ブラケット35を開口部2a側に移動させることにより、プレート受渡部36は開口部2aを介して筐体部2の外部に突出する。図6に示すように、プレート受渡部36は外方に突出した2つのフォーク状の保持アーム36aを備えており、2つの保持アーム36aの間には、容器昇降部5の容器保持部33が上下に挿通可能な開口サイズの受渡空間36bが形成されている。
【0028】
保持アーム36aには、マイクロプレート10の4つのコーナ位置に対応してプレート保持部36cが設けられており、マイクロプレート10の各コーナ部をプレート保持部36cに位置合わせすることにより、マイクロプレート10はプレート受渡部36によって保持される。プレート受渡部36へのマイクロプレート10の供給・取出しは、プレート受渡部36が開口部2aを介して筐体部2の外部に突出した状態で行われる。
【0029】
すなわち筐体部2の外部でマイクロプレート10が供給されたプレート受渡部36が筐体部2の内部に移動して容器昇降部5の容器保持部33との間でプレート受渡動作を行うことにより、マイクロプレート10は容器保持部33に受け渡される。そして計測処理が終了した後のマイクロプレート10は、容器保持部33からプレート受渡部36に受け渡されたのち、開口部2aを介して筐体部2の外部へ搬出される。移動テーブル34,結合
ブラケット35およびプレート受渡部36は、マイクロプレート10を昇降テーブル31による容器保持部33の移動経路まで搬入する容器搬送部6を構成する。
【0030】
上述のプレート受渡動作は、以下のようにして行われる。まずプレート受渡部36から容器保持部33にマイクロプレート10を渡す際には、容器保持部33をプレート受渡部36の下方に位置合わせした状態で、容器保持部33を受渡空間36bを介して上昇させる。これにより、容器保持部33に設けられた位置保持部材33aがマイクロプレート10に下面側から当接し、マイクロプレート10は容器保持部33によって持ち上げられ、プレート保持部36cによって保持されたマイクロプレート10の容器保持部33への受渡が完了する。また容器保持部33からプレート受渡部36にマイクロプレート10を渡す際には、上述のプレート受渡動作と逆順の動作を行う。
【0031】
このプレート受渡動作において、容器保持部33の各コーナ部にはコーナカット部33bが設けられていることから、プレート保持部36cと容器保持部33との干渉が生じることなく、マイクロプレート10の受渡しを行うことができる。すなわち上記構成において、筐体部2の側面には容器搬入口としての開口部2aが開口されており、さらに開口部2aからマイクロプレート10を搬入して、昇降テーブル31による容器保持部33の移動経路まで搬入する容器搬送部6を備えた形態となっている。
【0032】
次にダイクロイックミラーユニット(光学部材ユニット)8について説明する。図1において撮像ユニット3と光路切替部7が位置する中間位置[PM]との間には、ダイクロイックミラーユニット8が配設されている。図1、図2に示すように、ダイクロイックミラーユニット8はY方向に配設された2つの第1移動テーブル51A、第2移動テーブル51Bを備えており、第1移動テーブル51A、第2移動テーブル51Bには、それぞれ移動部材51aを介して結合ブラケット52A、結合ブラケット52Bが下方に延出して装着されている。
【0033】
結合ブラケット52Aにはミラー保持部材53Aを介して2つのダイクロイックミラー54A、54Bが結合されており、結合ブラケット52Bにはミラー保持部材53Bを介して2つのダイクロイックミラー54C、54Dが結合されている。ダイクロイックミラー54A、54B、54C、54Dはいずれも特定の波長領域の光を透過させ、他の波長領域の光を反射する特性を有する光学部材である。本実施の形態においては、蛍光計測や吸光計測など異なる種類の計測を同一の装置によって行うため、ダイクロイックミラーユニット8はそれぞれ異る波長特性を有する複数のダイクロイックミラーを備えている。なお、本実施の形態では、特定の波長領域の光を透過させ、他の波長領域の光を反射する光学部材としてダイクロイックミラーを用いているが、ダイクロイックミラーに代えてダイクロイックプリズムなど、同等の機能を有するものを前述の光学部材として用いてもよい。
【0034】
図2に示すように、第1移動テーブル51Aを駆動することにより(矢印c参照)、ダイクロイックミラー54A、54BがY方向に移動し、いずれか1つを第1の光軸A1と交差させる位置に移動させることができる。また第2移動テーブル51Bを駆動することにより(矢印d参照)ダイクロイックミラー54C、54DがY方向に移動し、いずれか1つを第1の光軸A1と交差させる位置に移動させることができる。さらに、図3に示すように、第1移動テーブル51A、第2移動テーブル51Bを駆動して、それぞれの移動部材51aを矢印f、gの位置まで移動させることにより、ダイクロイックミラー54A、54B、54C、54Dはいずれも第1の光軸A1と交差する位置から離脱する。これにより、計測の種類・形態によりダイクロイックミラーの機能を必要としない場合には、ダイクロイックミラー54A、54B、54C、54Dの全てを第1の光軸A1と交差する位置から退避させることが可能となっている。
【0035】
すなわち上記構成において、ダイクロイックミラー54A、54B、54C、54Dは、撮像ユニット3と光路切替部7が位置する中間位置[PM]との間に配設され、第1の光軸A1に沿って撮像ユニット3へ入射する方向の光のうち、所定の波長領域の光を透過させて撮像ユニット3へ入射させ、他の波長領域の光を下方へ反射する機能を有している。また第1移動テーブル51A、第2移動テーブル51Bは、第1の光軸A1とダイクロイックミラー54A、54B、54C、54Dとを交差させまた交差状態から離脱するように、これらのダイクロイックミラーを移動させる光学部材移動機構としての機能を有している。そして本実施の形態においては、特性の異なる複数のダイクロイックミラーを備え、光学部材移動機構によってこれらの複数のダイクロイックミラーを、第1の光軸A1と交差する位置に選択的に位置させるようにしている。
【0036】
次に光路切替部7、ダイクロイックミラーユニット8の下方に設けられた照明光反射部9について説明する。図1において光路切替部7、ダイクロイックミラーユニット8の下方には、第2の光軸A2の下方に平行してミラー移動機構61がX方向に配設されている。ミラー移動機構61に装着された移動部材61aには、ミラー保持部材62を介して照明光反射ミラー63が45°の傾斜角で結合されている。照明光反射ミラー63の中点の高さ位置は第2の光軸A2と一致しており、第2の光軸A2に沿って照明ユニット4から照射された照明光は、照明光反射ミラー63に水平方向から入射する。
【0037】
ミラー移動機構61を駆動することにより、照明光反射ミラー63はX方向に移動する。したがってミラー移動機構61は、照明光反射ミラー移動機構となっている。これにより照明光反射ミラー63を、ダイクロイックミラーユニット8の直下に照明光反射ミラー63が位置する第1の反射位置[P3]と、光路切替部7の直下に照明光反射ミラー63が位置する第2の反射位置[P4]とに、選択的に位置させることができる。照明光反射ミラー63が第1の反射位置[P3]に位置した状態では、照明ユニット4によって第2の光軸A2に沿って入射した照明光は、照明光反射ミラー63によって垂直上方に光路L3に沿って反射され、ダイクロイックミラーユニット8のダイクロイックミラー54Aに入射する。そしてダイクロイックミラー54Aに入射した光の反射光は、第1の光軸A1に沿って光路切替部7の第1ミラー44A、第2ミラー44Bのいずれかに入射する。
【0038】
すなわち、照明光反射部9の照明光反射ミラー63は、ダイクロイックミラーユニット8において第1の光軸A1と交差するダイクロイックミラーの下方に配置されて、照明ユニット4から第2の光軸A2に沿って照射された照明光をダイクロイックミラーへ向かって反射し、さらにこのダイクロイックミラーに入射した照明光の反射光を光路切替部7へ入射させる機能を有している。そして照明光反射部9は、照明光反射ミラー63を第2の光軸A2に沿って移動させることにより、ダイクロイックミラーユニット8の下方と第1の観察位置[P1]の下方とに、照明光反射ミラー63を選択的に位置させる照明光反射ミラー移動機構を備えた構成となっている。
【0039】
この画像取込装置1は上記の様に構成されており、以下、画像取込装置1を用いてマイクロプレート10を対象として行なわれる各種の計測処理の実際例について説明する。まず図7を参照して最も基本的な蛍光計測、すなわちマイクロプレート10のウェル10aの開口部側を計測対象面として蛍光計測を行う場合について説明する。この場合には、ウェル10a内に液状試料を収容したマイクロプレート10を容器保持部33に保持させて、第1の観察位置[P1]に位置させる。
【0040】
また照明光反射部9においては、照明光反射ミラー63を第1の反射位置[P3]に位置させ、さらにダイクロイックミラーユニット8においては、蛍光計測用の特性、すなわち蛍光を透過させて励起光を反射する特性を有するダイクロイックミラー54Aを第1の
光軸A1と交差する位置に移動させ、光路切替部7においては第1の光軸A1を下方に折り曲げる方向(光路L1)に配設された第1ミラー44Aを、第1の光軸A1と交差する位置に位置させる。
【0041】
この状態で、照明ユニット4を作動させて照明光学系25を介して特定の波長領域の照明光、すなわち対象となる蛍光物質を励起させる励起光を、第2の光軸A2に沿って照明光反射ミラー63に入射させる(矢印j1)。これにより励起光は垂直上方に反射され(矢印j2)、下方からダイクロイックミラーユニット8のダイクロイックミラー54Aに入射する。次いでこの入射光はダイクロイックミラー54Aによって水平方向に反射されて第1の光軸A1に沿って進んで第1ミラー44Aに入射し(矢印j3)、さらに第1ミラー44Aによって下方に光路L1に沿って反射されて(矢印j4)、ウェル10a内の液状試料に上方から入射する。
【0042】
そして励起光が入射して液状試料中の蛍光物質が励起されることにより、固有の蛍光が発生する。この蛍光を含む撮像光は、光路L1に沿って第1ミラー44Aに入射し(矢印j5)、次いで第1ミラー44Aによって水平方向に反射された撮像光は第1の光軸A1に沿って進み、ダイクロイックミラー54Aに入射する。ダイクロイックミラー54Aは蛍光を透過させて励起光を反射する特性を有していることから、マイクロプレート10から発生した蛍光のみがダイクロイックミラー54Aを透過する(矢印j6)。そしてこの透過光は、撮像ユニット3によって撮像される。すなわちこの透過光が撮像光学系15を介してカメラ13(図1参照)に入射することにより画像情報が取得され、この画像情報に基づいて液状試料中の蛍光物質が発した蛍光の強度が計測される。
【0043】
次にウェル10aの底面に検出対象物がある場合などに実行される蛍光計測の例を、図8を参照して説明する。この場合には、液状試料を収納したマイクロプレート10を、第2の観察位置[P2]に位置させる。また照明光反射部9においては照明光反射ミラー63を第1の反射位置[P3]に位置させ、さらにダイクロイックミラーユニット8においては、蛍光計測用のダイクロイックミラー54Aを第1の光軸A1に交差する位置に移動させ、光路切替部7においては、第1の光軸A1を上方に折り曲げる方向(光路L2)に配設された第2ミラー44Bを、第1の光軸A1に交差させる。
【0044】
この状態で照明ユニット4を作動させて、照明光学系25を介して励起光を第2の光軸A2に沿って照明光反射ミラー63に入射させる(矢印k1)。これにより励起光は垂直上方に反射され(矢印k2)、下方からダイクロイックミラーユニット8のダイクロイックミラー54Aに入射し、ダイクロイックミラー54Aによって第1の光軸A1に沿って水平方向に反射され(矢印k3)、さらに第2ミラー44Bによって上方に光路L2に沿って反射されて(矢印k4)、ウェル10a内の液状試料に底面側から入射する。
【0045】
そして励起光がウェル10aの底面に存在する細胞などの検出対象物に入射すると、検出対象物は蛍光物質が励起されることにより固有の蛍光を発生する。この蛍光を含む撮像光は、光路L2に沿って第2ミラー44Bに入射し(矢印k5)、次いで第2ミラー44Bによって水平方向に反射された撮像光は第1の光軸A1に沿って進み、ダイクロイックミラー54Aに入射する。ダイクロイックミラー54Aは蛍光を透過させて励起光を反射する特性を有していることから、マイクロプレート10から発生した蛍光のみがダイクロイックミラー54Aを透過する(矢印k6)。そしてこの透過光は、図7に示す例と同様に撮像ユニット3によって撮像される。
【0046】
次にウェル10aに収容された液状試料に照明光を吸光させた状態で、検出対象物から蛍光を発生させる蛍光計測の例について、図9を参照して説明する。この場合には液状試料を収容したマイクロプレート10を、第1の観察位置[P1]に位置させ、照明光反射
部9においては、照明光反射ミラー63をマイクロプレート10の下方の第2の反射位置[P4]に位置させる。また光路切替部7においては、第1の光軸A1を下方に折り曲げる方向に配置された第1ミラー44Aを第1の光軸A1に交差させ、さらにダイクロイックミラーユニット8においては、蛍光計測用のダイクロイックミラー54Aを、第1の光軸A1に交差する位置に移動させる。
【0047】
この状態で照明ユニット4を作動させて、照明光学系25を介して励起光を第2の光軸A2に沿って照明光反射ミラー63に入射させる(矢印l1)。これにより励起光は垂直に上方に反射され(矢印l2)、下方からマイクロプレート10のウェル10aに入射して液状試料に吸収される。励起光が液状試料に吸収されると、検出対象物は蛍光物質が励起されることにより固有の蛍光を発生する。この蛍光を含む撮像光は、光路L2に沿って第1ミラー44Aに入射し(矢印l3)、第1ミラー44Aによって反射された撮像光は第1の光軸A1に沿って水平方向に進み、ダイクロイックミラー54Aに入射する。ダイクロイックミラー54Aは蛍光を透過させて励起光を反射する特性を有していることから、マイクロプレート10から発生した蛍光のみがダイクロイックミラー54Aを透過する(矢印l4)。そしてこの透過光は、図7、図8に示す例と同様に撮像ユニット3によって撮像される。
【0048】
次に、ウェル10a内の液状試料によって光が吸収される吸光度を計測する場合の計測例について、図10を参照して説明する。この場合には、計測に際して用いられる測定光をマイクロプレート10の下方から照射するため、図9に示す計測例と同様に、液状試料を収容したマイクロプレート10を第1の観察位置[P1]に位置させる。そして照明光反射部9においては、照明光反射ミラー63をマイクロプレート10の下方の第2の反射位置[P4]に位置させ、また光路切替部7においては、第1ミラー44Aを第1の光軸A1に交差させる。なお、この計測例ではダイクロイックミラーは使用しないため、ダイクロイックミラーユニット8においては全てのダイクロイックミラー54Aを第1の光軸A1と交差する位置から退避させる。
【0049】
この吸光計測に際しては、照明ユニット4を作動させて吸光計測用の測定光を第2の光軸A2に沿って照射し(矢印m1)、照明光反射ミラー63に入射させて垂直上方に反射させて(矢印m2)、マイクロプレート10のウェル10aに収容された液状試料に下方から入射させる。この入射光のうちウェル10a内の液状試料に吸収されてさらに液状試料を透過した光は垂直上方に進み(矢印m3)、第1ミラー44Aに入射する。そしてこの入射光の反射光は、第1の光軸A1に沿って水平方向に進んで撮像ユニット3によって受光される。これにより、ウェル10a中の液状試料の吸光度が計測される。
【0050】
次にウェル10a内の液状試料自体の化学反応により発生する光を受光することにより行われる発光計測の例について、図11、図12を参照して説明する。図11は、ウェル10a内の液状試料から上方に向って発光される光を計測対象とする例を示している。この場合には、液状試料を収容したマイクロプレート10を第1の観察位置[P1]に位置させ、光路切替部7においては第1ミラー44Aを第1の光軸A1と交差する位置に移動させる。
【0051】
この状態において、ウェル10a内の液状試料から発生したは上方に進んで第1ミラー44Aに入射し(矢印n1)、第1ミラー44Aによって水平方向に反射されて第1の光軸A1に沿って進み(矢印n1)、撮像ユニット3によって受光される。この発光計測においては照明光を必要としないため、照明ユニット4、ダイクロイックミラーユニット8、照明光反射部9の機能は使用されず、ダイクロイックミラーユニット8においては、全てのダイクロイックミラーを退避させた状態となっている。
【0052】
図12は、同様の発光計測においてウェル10a内の液状試料から下方に向って発光する光を計測対象とする例を示している。この場合は液状試料を収容したマイクロプレート10を第2の観察位置[P2]に位置させ、光路切替部7においては第2ミラー44Bを第1の光軸A1と交差する位置に移動させる。この状態において、ウェル10a内の液状試料から発光された光は下方に進んで第2ミラー44Bに入射し(矢印o1)、第2ミラー44Bによって水平方向に反射されて第1の光軸A1に沿って進み(矢印o2)、撮像ユニット3によって受光される。この発光計測においても図11に示す側と同様に、照明ユニット4、ダイクロイックミラーユニット8、照明光反射部9の機能は使用されない。
【0053】
上記説明したように、本発明の画像取込装置は、第1の光軸A1を有する撮像ユニット3と第2の光軸A2を有する照明ユニット4とを上下に重なる位置関係で収納し、撮像ユニット3の被撮像物側であって第1の光軸A1の上下に設定された第1の観察位置[P1]および第2の観察位置[P2]のうち、選択されたいずれかの観察位置において板状の容器であるマイクロプレート10を水平な姿勢で保持し、第1の観察位置[P1]と第2の観察位置[P2]とに挟まれた中間位置[PM]に配設された光路切替部7によって、第1の光軸A1に沿う光の光路を第1の観察位置[P1]側または第2の観察位置[P2]側のいずれかに折り曲げる構成としたものである。
【0054】
これにより、マイクロプレート10を対象とした画像による計測において、マイクロプレート10の観察方向を容易に切り換えて、上面側および下面側のいずれからも画像を取り込むことが可能となっている。これにより、先行技術において画像取込み方向を変える場合に必要とされた装置全体を反転する操作を必要とすることなく、マイクロプレート10の上側および下側のいずれからも計測を実行することが可能となり、同一の装置で多様な計測内容に操作性よく対応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の画像取込装置は、同一の装置で多様な計測内容に操作性よく対応することができるという利点を有し、製薬業界などで大量の検体試料を評価する高速大量スクリーニングにおいて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施の形態の画像取込装置の全体構成を示す側面図
【図2】本発明の一実施の形態の画像取込装置の部分断面図
【図3】本発明の一実施の形態の画像取込装置の部分断面図
【図4】本発明の一実施の形態の画像取込装置の部分断面図
【図5】本発明の一実施の形態の画像取込装置の部分断面図
【図6】本発明の一実施の形態の画像取込装置における容器搬送部の動作説明図
【図7】本発明の一実施の形態の画像取込装置による計測処理の説明図
【図8】本発明の一実施の形態の画像取込装置による計測処理の説明図
【図9】本発明の一実施の形態の画像取込装置による計測処理の説明図
【図10】本発明の一実施の形態の画像取込装置による計測処理の説明図
【図11】本発明の一実施の形態の画像取込装置による計測処理の説明図
【図12】本発明の一実施の形態の画像取込装置による計測処理の説明図
【符号の説明】
【0057】
1 画像取込装置
2 筐体部
3 撮像ユニット
4 照明ユニット
5 容器昇降部
6 容器搬送部
7 光路切替部
8 ダイクロイックミラーユニット
9 照明光反射部
10 マイクロプレート
10a ウェル
13 カメラ
23 LED光源部
31 昇降テーブル
33 容器保持部
34 移動テーブル
36 プレート受渡部
44A 第1ミラー
44B 第2ミラー
51A 第1移動テーブル
51B 第2移動テーブル
54A、54B、54C、54D ダイクロイックミラー(光学部材)
[P1] 第1の観察位置
[P2] 第2の観察位置
[P3] 第1の反射位置
[P4] 第2の反射位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察対象物を保持した板状の容器を撮像して前記観察対象物の画像を取り込む画像取込装置であって、
水平な第1の光軸を撮像光軸とする撮像ユニットと、前記第1の光軸の下方においてこの第1の光軸に平行して設定された第2の光軸を照明光軸とする照明ユニットと、前記撮像ユニットと前記照明ユニットとを上下に重なる位置関係で収納する筐体部と、
前記撮像ユニットの被撮像物側であって前記第1の光軸と前記第2の光軸との中間の高さ位置に設定された第1の観察位置およびこの第1の観察位置の上方であって前記第1の光軸よりも高い位置に設定された第2の観察位置のうち、選択されたいずれかの観察位置において前記板状の容器を水平な姿勢で保持する容器保持部と、
前記第1の観察位置と前記第2の観察位置とに挟まれた中間位置に配設され、前記第1の光軸に沿う光の光路を第1の観察位置側または第2の観察位置側のいずれかに折り曲げる光路切替部と、
前記撮像ユニットと前記中間位置との間に配設され、前記第1の光軸に沿って前記撮像ユニットへ入射する方向の光のうち所定の波長領域の光を透過させて撮像ユニットへ入射させ、他の波長領域の光を下方へ反射する光学部材と、前記第1の光軸と前記光学部材とを交差させまた交差状態から離脱するように前記光学部材を移動させる光学部材移動機構と、
前記第1の光軸と交差する前記光学部材の下方に配置されて前記照明ユニットから前記第2の光軸に沿って照射された照明光を前記光学部材へ向かって反射し、さらにこの光学部材に入射した照明光の反射光を前記光路切替部へ入射させる照明光反射ミラーとを備えたことを特徴とする画像取込装置。
【請求項2】
前記容器保持部を昇降させる昇降機構を備え、この昇降機構によって前記容器保持部を前記第1の観察位置または第2の観察位置へ移動させることを特徴とする請求項1記載の画像取込装置。
【請求項3】
前記光路切替部が、前記光路の向きをそれぞれ第1の観察位置側および第2の観察位置側へ折り曲げる第1ミラーおよび第2ミラーと、前記第1ミラーおよび第2ミラーを水平移動させるミラー移動機構とを備えたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の画像取込装置。
【請求項4】
特性の異なる複数の光学部材を備え、前記光学部材移動機構によって前記複数の光学部材を、前記第1の光軸と交差する位置に選択的に位置させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像取込装置。
【請求項5】
前記筐体部の側面には容器搬入口が開口されており、さらに前記容器搬入口から容器を搬入して前記昇降機構による前記容器保持部の移動経路まで搬入する容器搬送部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像取込装置。
【請求項6】
前記照明光反射ミラーを前記第2の光軸に沿って移動させることにより、前記光学部材の下方と前記第1の観察位置の下方とに選択的に位置させる照明光反射ミラー移動機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像取込装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−222473(P2009−222473A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65374(P2008−65374)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】