説明

画像形成システムおよびプログラム

【課題】印刷された連続紙の先頭頁を印刷状態の確認が可能な印刷結果確認位置に容易に停止させることを可能とする。
【解決手段】定着器81には、印刷結果確認スイッチ61が設けられている。この印刷結果確認スイッチ61は、連続紙の最初のページに対する印刷状態を確認してから後続の印刷を実行したい場合に、印刷状態を確認するために押下するスイッチである。印刷ジョブの印刷準備ができた際に、この印刷結果確認スイッチ61を押下することにより印刷モードが印刷結果確認モードとなり、印刷が開始された後に印刷された連続紙の先頭ページが印刷結果確認位置で停止するような制御が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ジョブのページ数を認識して、そのページ数で印刷を停止するようにしたプリンタシステムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、印字結果を確認する場合に、逆改行を行って印字結果が見やすい位置まで用紙を移動するようにしたプリンタが開示されている。
【0004】
特許文献3には、連続紙に印刷を行う連続紙プリンタにおいて、最終ページを印字後に、この最終ページを本体の外部から見える位置まで搬送して待機するような搬送処理を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−113791号公報
【特許文献2】特開平9−174981号公報
【特許文献3】特許第3861660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、印刷された連続紙の先頭頁を印刷状態の確認が可能な印刷結果確認位置に容易に停止させることが可能な画像形成システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[画像形成システム]
請求項1に係る本発明は、連続紙に対して画像を出力する画像出力装置と、
前記画像出力装置の印刷動作を制御する制御装置とを有し、
前記画像出力装置は、
印刷状態を確認するための印刷結果確認釦と、
印刷開始後に印刷された連続紙が印刷結果確認位置までに到達するために必要な印刷結果確認頁数を算出する算出手段と、
前記印刷結果確認釦が押下された場合、印刷開始から前記算出手段により算出された印刷結果確認頁数分の印刷処理が行われると前記制御装置に対して印刷停止を要求する印刷停止要求手段とを備えた画像形成システムである。
【0008】
請求項2に係る本発明は、前記画像出力装置が、印刷停止状態からさらに所定頁数分の印刷処理を実行させるための印刷追加釦をさらに備えた請求項1記載の画像形成システムである。
【0009】
請求項3に係る本発明は、連続紙に対して画像を出力する画像出力装置と、
前記画像出力装置の印刷動作を制御する制御装置とを有し、
前記画像出力装置は、
印刷状態を確認するための印刷結果確認釦と、
印刷開始後に印刷された連続紙が印刷結果確認位置までに到達するために必要な印刷結果確認頁数を算出する算出手段と、
前記印刷結果確認釦が押下された場合、印刷開始から前記算出手段により算出された印刷結果確認頁数分の印刷処理が行われると前記制御装置に対して印刷停止を要求した後、所定時間が経過すると前記制御装置に対して印刷開始を要求する処理を繰り返すことにより間欠印刷を実行する間欠印刷実行手段とを備えた画像形成システムである。
【0010】
請求項4に係る本発明は、前記算出手段が、転写位置から印刷結果確認位置までの距離を1頁あたりの印刷長で除算することにより、印刷された連続紙が印刷結果確認位置までに到達するために必要な印刷結果確認頁数を算出する請求項1から3のいずれか1項記載の画像形成システムである。
【0011】
請求項5に係る本発明は、前記画像出力装置が、前記算出手段が印刷結果確認頁数を算出する際に使用する転写位置から印刷結果確認位置までの距離を変更するための変更手段をさらに備えた請求項4記載の画像形成システムである。
【0012】
請求項6に係る本発明は、前記画像出力装置が、前記算出手段により算出された印刷結果確認頁数に対して、指定された頁数を加算する加算手段をさらに備えた請求項4記載の画像形成システムである。
【0013】
請求項7に係る本発明は、前記印刷結果確認釦が、前記画像出力装置の定着器に配置されている請求項1から6のいずれか1項記載の画像形成システムである。
【0014】
[プログラム]
請求項8に係る本発明は、連続紙に対して画像を出力する画像出力装置において、印刷開始後に印刷された連続紙が印刷結果確認位置までに到達するために必要な印刷結果確認頁数を算出するステップと、
印刷状態を確認するための印刷結果確認釦が押下された場合、印刷開始から算出された印刷結果確認頁数分の印刷処理が行われると、前記画像出力装置の印刷動作を制御する制御装置に対して印刷停止を要求するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0015】
請求項9に係る本発明は、連続紙に対して画像を出力する画像出力装置において、印刷開始後に印刷された連続紙が印刷結果確認位置までに到達するために必要な印刷結果確認頁数を算出するステップと、
印刷状態を確認するための印刷結果確認釦が押下された場合、印刷開始から算出された印刷結果確認頁数分の印刷処理が行われると、前記画像出力装置の印刷動作を制御する制御装置に対して印刷停止を要求した後、所定時間が経過すると前記制御装置に対して印刷開始の要求と印刷停止の要求を行う処理を繰り返すことにより間欠印刷を実行するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る本発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、印刷された連続紙の先頭頁を印刷状態の確認が可能な印刷結果確認位置に容易に停止させることが可能な画像形成システムを提供することができる。
【0017】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明により得られる効果に加えて、先頭頁以外の頁の印刷状態も確認することが可能な画像形成システムを提供することができる。
【0018】
請求項3に係る本発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、印刷された連続紙の先頭頁を印刷状態の確認が可能な印刷結果確認位置に容易に停止させるとともに、後続頁の印刷状態を順次確認することが可能な画像形成システムを提供することができる。
【0019】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1から3のいずれか1項に係る本発明により得られる効果に加えて、1頁あたりの印刷長が異なる場合でも印刷された連続紙の先頭頁を印刷結果確認位置に停止させるための印刷結果確認頁数を算出することが可能な画像形成システムを提供することができる。
【0020】
請求項5に係る本発明によれば、請求項1から4のいずれか1項に係る本発明により得られる効果に加えて、印刷された連続紙の先頭頁が停止する位置を調整することが可能な画像形成システムを提供することができる。
【0021】
請求項6に係る本発明によれば、請求項1から5のいずれか1項に係る本発明により得られる効果に加えて、印刷された連続紙の先頭頁以外の印刷状態を確認することが可能な画像形成システムを提供することができる。
【0022】
請求項7に係る本発明によれば、請求項1から6のいずれか1項に係る本発明により得られる効果に加えて、定着処理が行われる前の印刷状態を確認することが可能な画像形成システムを提供することができる。
【0023】
請求項8に係る本発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、印刷された連続紙の先頭頁を印刷状態の確認が可能な印刷結果確認位置に容易に停止させることが可能なプログラムを提供することができる。
【0024】
請求項9に係る本発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、印刷された連続紙の先頭頁を印刷状態の確認が可能な印刷結果確認位置に容易に停止させるとともに、後続頁の印刷状態を順次確認することが可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態の連続紙印刷システム10のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態の連続紙印刷システム10の外観を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態の連続紙印刷システム10のカバーを開いた状態での外観を示す図である。
【図4】図3に示したサブ操作パネル52の拡大図である。
【図5】本発明の一実施形態の連続紙印刷システム10の定着器81周辺の拡大図である。
【図6】本発明の一実施形態の連続紙印刷システム10の印刷機構の概略を説明するための図である。
【図7】画像出力装置1、コントローラ2、メイン操作パネル51、サブ操作パネル52および印刷結果確認スイッチ61の関係を説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態における連続紙印刷システム10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態における連続紙印刷システム10の機能構成を示すブロック図である。
【図10】画像出力装置1において印刷結果確認スイッチ61が押された場合の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】画像出力装置1において印刷結果確認スイッチ61が押された場合の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】画像出力装置1がコントローラ2から印刷指示を受信した際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】画像出力装置1がコントローラ2から印刷指示を受信した際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】印刷結果確認スイッチ61を使用せずに印刷された連続紙の先頭ページを印刷結果確認位置で停止させる場合の、画像出力装置1とコントローラ2との間で行われる動作を説明するためのシーケンスチャートである。
【図15】印刷結果確認スイッチ61を使用して印刷された連続紙の先頭ページを印刷結果確認位置で停止させる場合の、画像出力装置1とコントローラ2との間で行われる動作を説明するためのシーケンスチャートである。
【図16】印刷追加スイッチ62が設けられた場合の定着器81周辺の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態の連続紙印刷システム10のシステム構成図である。
【0027】
本発明の一実施形態の連続紙印刷システム10は、ネットワーク30を介して端末装置20と接続されている。また、本実施形態の連続紙印刷システム10は、連続紙に対して画像を出力する画像出力装置1と、この画像出力装置1の印刷動作を制御するためのコントローラ(制御装置)2とにより構成されている。
【0028】
次に、本実施形態の連続紙印刷システム10の外観を図2を参照して説明する。本実施形態の連続紙印刷システム10には、図2に示すようにメイン操作パネル51が設けられている。このメイン操作パネル51は図1に示したコントローラ2に接続されており、メイン操作パネル51を操作することにより、コントローラ2に対して印刷動作の開始/停止等の各種指示を行うことができるようになっている。
【0029】
次に、本実施形態の連続紙印刷システム10のカバーを開いた状態での外観を図3に示す。図3に示されるように、本実施形態の連続紙印刷システム10の上カバー82を開くと定着器81が現れ、この定着器81を通過する前の連続紙の印刷状態が確認可能なようになっている。この印刷状態が確認可能な位置を印刷結果確認位置として表現する。
【0030】
このような構成により、印刷異常があったときに定着前に確認できるので、連続紙の掛け直しが容易になる、無駄な電力消費を防止するといった効果がある。
【0031】
また、本実施形態の連続紙印刷システム10において左前カバー83を開くとサブ操作パネル52が現れる。このサブ操作パネル52を拡大したものを図4に示す。図4に示されるように、サブ操作パネル52には、印刷開始スイッチ71および印刷停止スイッチ72が設けられている。このサブ操作パネル52は、図1に示した画像出力装置1に接続されている。
【0032】
印刷開始スイッチ71は、画像出力装置1に対して印刷開始を指示するためのスイッチであり、印刷停止スイッチ72は、画像出力装置1に対して印刷停止を指示するためのスイッチである。この印刷開始スイッチ71または印刷停止スイッチ72が押下されると、画像出力装置1は、印刷開始要求または印刷停止要求をコントローラ2に送信し、コントローラ2による制御に基づいて印刷動作の開始または停止を行う。
【0033】
なお、サブ操作パネル52には、この印刷開始スイッチ71および印刷停止スイッチ72以外の各種スイッチが設けられているが、ここでは説明を簡単にするために省略する。
【0034】
次に、本実施形態の連続紙印刷システム10の定着器81周辺の拡大図を図5に示す。この定着器81には、印刷結果確認スイッチ(印刷結果確認釦)61が設けられている。なお、この印刷結果確認スイッチ61は、定着器81に直接設けられていなくても、定着器81の近傍に設けるようにしても良い。
【0035】
この印刷結果確認スイッチ61は、連続紙の最初のページに対する印刷状態を確認してから後続の印刷を実行したい場合に、印刷状態を確認するために押下するスイッチである。
【0036】
印刷ジョブの印刷準備ができた際に、この印刷結果確認スイッチ61を押下することにより印刷モードが通常印刷モードから印刷結果確認モードとなり、印刷が開始された後に印刷された連続紙の先頭ページが印刷結果確認位置で停止するような制御が行われる。
【0037】
次に、本実施形態の連続紙印刷システム10の印刷機構の概略を図6を参照して説明する。
この図6に示した連続紙印刷システム10では、感光ドラム84は矢印方向に所定の回転速度で回転している。そして、感光ドラム84は、帯電器85により帯電された後に、LEDやレーザ光等により静電潜像が形成される。そして、感光ドラム84上に形成された静電潜像はトナーにより現像され、図示する転写位置において連続紙上に転写される。そして、連続紙上に転写されたトナー画像は印刷結果確認位置を通過した後に定着器81により連続紙に定着される。その後、印刷された連続紙は外部の後処理装置に搬送されたり、スイングスタッカ86により処理されて内部のスタッカ等に収納される。
【0038】
次に、画像出力装置1、コントローラ2、メイン操作パネル51、サブ操作パネル52および印刷結果確認スイッチ61の関係を図7を参照して説明する。
【0039】
本実施形態の連続紙印刷システム10では、メイン操作パネル51はコントローラ2に接続され、サブ操作パネル52および印刷結果確認スイッチ61は画像出力装置2に接続されている。そして、上記では説明していないが、メイン操作パネル51にも、タッチパネル上の操作スイッチとして印刷開始スイッチおよび印刷停止スイッチが設けられている。また、サブ操作パネル52には、図4に示したように、印刷開始スイッチ71および印刷停止スイッチ72が設けられている。
【0040】
そして、コントローラ2から画像出力装置1に対する指示として、印刷開始を予告するための通知である印刷開始指示や、印刷データの準備が整ったため印刷の準備を行うよう指示するための印刷準備指示や、1ページ分の印刷処理を指示するための印刷指示が行われる。
【0041】
また、画像出力装置1からコントローラ2に対しては、印刷開始を要求するための印刷開始要求や、印刷停止を要求するための印刷停止要求が送信される。さらに、画像出力装置1からコントローラ2に対しては、コントローラ2の印刷準備指示に対応して、印刷準備が完了して印刷が可能になったことを通知するための印刷準備完了通知や、印刷指示に対応して、指示された1ページ分の印刷が完了したことを通知するための印刷完了通知が送信される。さらに、画像出力装置1からコントローラ2に対しては、追加の印刷指示が無いため印刷動作を停止し始めたことを通知するための印刷停止開始通知や、印刷停止が完了して待機状態となったことを通知するための印刷停止完了通知が送信される。
【0042】
次に、本実施形態の画像出力装置1のハードウェア構成を図8に示す。
画像出力装置1は、図8に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、コントローラ2との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14、ユーザインタフェース(UI)装置15、プリントエンジン16を有する。これらの構成要素は、制御バス17を介して互いに接続されている。
【0043】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像出力装置1の動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0044】
図9は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像出力装置1の機能構成を示すブロック図である。
【0045】
本実施形態の画像出力装置1は、図9に示されるように、通信IF14と、プリントエンジン16と、サブ操作パネル52と、印刷結果確認スイッチ61と、印刷結果確認ページ数算出部31と、設定部32と、印刷処理部33とを備えている。
【0046】
印刷結果確認ページ数算出部31は、印刷開始後に印刷された連続紙が印刷結果確認位置までに到達するために必要な印刷結果確認ページ(頁)数を算出する。具体的には、印刷結果確認ページ数算出部31は、転写位置から印刷結果確認位置までの距離を1ページあたりの印刷長で除算することにより、印刷された連続紙が印刷結果確認位置までに到達するために必要な印刷結果確認ページ数を算出する。
【0047】
設定部32は、印刷結果確認ページ数算出部31に対して、印刷結果確認ページ数を算出する際に使用する転写位置から印刷結果確認位置までの距離を変更するような設定を行う。また、設定部32は、印刷結果確認ページ数算出部31に対して、算出された印刷結果確認ページ数に指定されたページ数を加算するような設定を行う。例えば、設定部32は、算出された印刷結果確認ページ数に対して常に1ページ加算するような設定を行う。
【0048】
印刷処理部33は、通信IF14を介してコントローラ2との間でデータの送受信を行い、コントローラ2から指示された印刷データが連続紙上に印刷されるようにプリントエンジン16を制御して印刷処理を実行する。
【0049】
また、印刷処理部33は、通常印刷モードでは、コントローラ2からの印刷指示がなくなるまで印刷処理を継続する。しかし、所定条件下で印刷結果確認スイッチ61が押下され印刷結果確認モードになった場合、印刷処理部33は、印刷開始から印刷結果確認ページ算出部31により算出された印刷結果確認ページ数分の印刷処理が行われるとコントロール2に対して印刷停止を要求する。
【0050】
つまり、印刷処理部33は、印刷結果確認モードとなった場合には、印刷開始から印刷結果確認ページ数分の印刷処理が行われると、コントローラ2に対してサブ操作パネル52の印刷停止スイッチ72が押されたのと同様の通知を行う。
【0051】
次に、本実施形態の連続紙印刷システム10の動作を図面を参照して詳細に説明する。
【0052】
先ず、画像出力装置1において印刷結果確認スイッチ61が押された場合の動作について図10、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0053】
図10に示すように、印刷結果確認スイッチ61が押下されると、印刷処理部33では、予め設定されたタイマ値をセットする(ステップS101)。このタイマ値は時間経過に伴って減算される。そして、印刷処理部33は、通信IF14を介して印刷開始要求をコントローラ2に送信する(ステップS102)。すると、この印刷開始要求を受信したコントローラ2では、印刷開始を予告するための印刷開始指示を画像出力装置1に返信する。
【0054】
そして、図11に示すように、画像出力装置1がコントローラ2からの印刷開始指示を受信した際のタイマ値が0になっている場合には(ステップS201においてyes)、印刷処理部33は、通常印刷モードとなる(ステップS202)。また、ステップS201においてタイマ値が0でない場合、つまり印刷処理部33がタイマ値をセットしてから一定の時間経過する前に印刷指示が返信されてきた場合、印刷処理部33は、印刷結果確認モードとなる(ステップS203)。
【0055】
次に、実際の印刷動作において画像出力装置1がコントローラ2から印刷指示を受信した際の動作を図12、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0056】
図12に示すように、画像出力装置1がコントローラ2から1ページ目の印刷指示を受信した際に、画像出力装置1が印刷結果確認モードとなっている場合(ステップS301においてyes)、印刷処理部33では、印刷結果確認ページ数算出部31により算出された印刷結果確認ページ数をセットする(ステップS302)。また、印刷確認結果確認モードではなく通常印刷モードの場合(ステップS301においてno)、印刷処理部33では、印刷結果確認ページ数はクリアされる(ステップS302)。そして、図13のフローチャートに示すような印刷実行処理が開始される。
【0057】
印刷実行処理では、画像出力装置1では、コントローラ2からの印刷指示を受信すると(ステップS402)、その印刷指示に基づいて1ページ分の印刷処理が実行される(ステップS403)。なお、印刷指示が無い状態で所定期間が経過すると(ステップS401においてyes)、画像出力装置1では、印刷動作を停止し(ステップS407)、その後待機状態となる(ステップS408)。
【0058】
また、印刷処理部33では、1ページ分の印刷処理を実行後に、現在の状態が印刷結果確認モードであるか否かを判定し(ステップS404)、印刷結果確認モードである場合には、印刷結果確認ページ数分の印刷が行われた否かを判定する(ステップS405)。そして、印刷結果確認ページ数分の印刷が未だ完了していない場合には、印刷処理部33では、コントローラ2からの印刷指示に基づく印刷実行処理を継続する。ステップS405において印刷結果確認ページ数分の印刷が完了したと判定した場合には、印刷処理部33は、コントローラ2に対して印刷停止要求を送信する(ステップS406)。
【0059】
この印刷処理部33からの印刷停止要求を受信したコントローラ2では、次ページの印刷指示の送信を中止する。そのため、コントローラ2から画像出力装置1に対して印刷指示が送信されなくなる。その状態で所定期間が経過すると(ステップS401においてyes)、画像出力装置1では、印刷動作を停止し(ステップS407)、その後待機状態となる(ステップS408)。
【0060】
次に、画像出力装置1とコントローラ2との間で行われる動作を図14、図15のシーケンスチャートを参照して説明する。図14は、印刷結果確認スイッチ61を使用せずに印刷された連続紙の先頭ページを印刷結果確認位置で停止させる場合の動作を説明するためのシーケンスチャートである。また、図15は、印刷結果確認スイッチ61を使用して印刷された連続紙の先頭ページを印刷結果確認位置で停止させる場合の動作を説明するためのシーケンスチャートである。なお、以下の記載では、説明を簡単にするために2ページ分の印刷が行われた時点で印刷動作を停止させることにより、印刷済みの先頭ページが印刷結果確認位置に到達するものとして説明を行なう。
【0061】
先ず、図14を参照して、印刷結果確認スイッチ61を使用せずに、サブ操作パネル52の印刷開始スイッチ71および印刷停止スイッチ72を使用して、印刷された連続紙の先頭ページを印刷結果確認位置で停止させる場合の動作を説明する。
【0062】
先ず、サブ操作パネル52の印刷開始スイッチ71が押下されると(ステップS501)、画像出力装置1からコントローラ2に印刷開始要求が送信される(ステップS502)。すると、コントローラ2では、印刷開始を予告する印刷開始指示を画像出力装置1に送信する(ステップS503)。そして、コントローラ2は、続けて印刷動作の準備を指示する印刷準備指示を画像出力装置1に送信する(ステップS504)。すると、画像出力装置1では、印刷動作を開始するための準備を行い、印刷準備が完了すると印刷準備完了通知をコントローラ2に返信する(ステップS505)。
【0063】
この印刷準備完了通知を受信したコントローラ2では、先ず1ページ目の印刷を指示するための印刷指示を画像出力装置1に送信する(ステップS506)。すると、画像出力装置1では、受信した印刷指示に基づいて1ページ目の印刷処理を実行し、印刷処理が終了すると印刷完了通知をコントローラ2に送信する(ステップS507)。
【0064】
そして、コントローラ2では、2ページ目の印刷を指示するための印刷指示を画像出力装置1に送信する(ステップS508)。すると、画像出力装置1では、受信した印刷指示に基づいて2ページ目の印刷処理を開始するが、印刷処理が完了する前に印刷停止スイッチ72が押下される(ステップS509)。そのため、画像出力装置1からコントローラ2には印刷停止要求が送信される(ステップS510)。
【0065】
そのため、2ページ目の印刷が完了して印刷完了通知が画像出力装置1からコントローラ2に送信された場合でも(ステップS511)、コントローラ2は、3ページ目の印刷を指示する印刷指示を画像出力装置1に送信しなくなる(ステップS512)。その結果、画像出力装置1では、印刷結果確認位置に先頭ページが到達した状態で印刷動作が停止することとなる。
【0066】
この状態でユーザが印刷状態を目視にて確認して印刷位置ずれ等の問題が無ければ、印刷開始スイッチ71を押すことにより印刷処理動作は再開される。
【0067】
また、この印刷動作が停止した状態で所定時間が経過すると、印刷停止開始通知が画像出力装置1からコントローラ2に送信され(ステップS513)。その後画像出力装置1は、印刷停止完了通知をコントローラ2に送信して待機状態となる(ステップS514)。
【0068】
このように印刷結果確認スイッチ61を使用せずに2ページ分の印刷処理が完了した時点て印刷動作を停止させようとすると、画像出力装置1が2ページ目の印刷指示を受信してから、印刷完了通知をコントローラ2に返信するまでという限られた時間に印刷停止スイッチ72を押下する必要がある。
【0069】
次に、図15を参照して、印刷結果確認スイッチ61を使用して、サブ操作パネル52の印刷開始スイッチ71および印刷停止スイッチ72を使用せずに、印刷された連続紙の先頭ページを印刷結果確認位置で停止させる場合の動作を説明する。
【0070】
この図15に示したシーケンスチャートでは、図14に示したシーケンスチャートに対して、印刷開始スイッチ71を押下するステップであるステップS501と、印刷停止スイッチ72を押下するステップであるステップS509の処理を削除し、印刷結果確認スイッチ61を押下するステップS601に置き換えたものである。そのため、以下の説明では、図14のシーケンスチャートと異なる処理についてのみ説明を行なう。
【0071】
印刷結果確認スイッチ61を使用して印刷結果確認を行う場合、ユーザは、印刷開始スイッチ71の替わりに印刷結果確認スイッチ61を押下する(ステップS601)。すると、印刷開始要求が画像出力装置1からコントローラ2に送信される(ステップS502)。そして、ステップS503〜S508までの動作は、図14に示したシーケンスチャートの動作と同様であるため、説明は省略する。
【0072】
しかし、この図15に示した場合では、画像出力装置1は、印刷結果確認スイッチ61が押下されたことにより印刷結果確認モードとなっている。そのため、1ページ分の印刷指示を受信する毎に、印刷結果確認ページ数から1を減ずる処理が行われる。そして、2ページ目の印刷指示を画像出力装置1が受信するとこの印刷結果確認ページ数が0となり、画像出力装置1では、印刷停止スイッチ72が押されていないにもかかわらず、印刷停止要求をコントローラ2に送信する(ステップS510)。このようにユーザが印刷結果確認スイッチ61を印刷開始時に操作するだけで、印刷済みの連続紙の先頭ページは印刷結果確認位置に停止する。
【0073】
なお、この印刷停止要求がコントローラ2に送信された後のステップS511〜S514の動作は、図14に示した場合と同様であるため説明は省略する。
【0074】
[変形例]
上記実施形態では、印刷結果確認スイッチ61が押下されて印刷結果確認モードとなった場合、印刷されたページの先頭ページが印刷結果確認位置に停止して、その後印刷開始スイッチが押下されると後続の印刷処理が行われるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、印刷されたページの先頭ページが印刷結果確認位置に停止した後、所定時間が経過する毎に1ページ分の印刷処理が行われるような間欠(間歇)印刷が行われるようにしてもよい。
【0075】
このような間欠印刷を行う場合には、印刷処理部33は、印刷結果確認スイッチ61が押下されて印刷結果確認モードとなった場合、印刷開始から算出された印刷結果確認ページ数分の印刷処理が行われるとコントローラ2に対して印刷停止要求を送信した後、所定時間が経過するとコントローラ2に対して印刷開始要求および印刷停止要求を送信する処理を繰り返せばよい。
【0076】
また、図16に示すように、印刷結果確認スイッチ61の近傍に印刷追加スイッチ62を設けるようにしても良い。この印刷追加スイッチ62は、先頭ページが印刷結果確認位置に停止した印刷停止状態からさらに所定頁数分の印刷処理を実行させるためのスイッチである。例えば、この印刷追加スイッチ62を操作する毎に1ページ分の追加印刷が行われるような場合、印刷停止状態で印刷追加スイッチ62を操作する毎に1ページ分の印刷が行われ、先頭ページ以外の後続ページが印刷結果確認位置に停止することとなる。
【符号の説明】
【0077】
1 画像出力装置
2 コントローラ
10 連続紙印刷システム
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース(IF)
15 ユーザインタフェース(UI)装置
16 プリントエンジン
17 制御バス
20 端末装置
30 ネットワーク
31 印刷結果確認ページ数算出部
32 設定部
33 印刷処理部
51 メイン操作パネル
52 サブ操作パネル
61 印刷結果確認スイッチ
62 印刷追加スイッチ
71 印刷開始スイッチ
72 印刷停止スイッチ
81 定着器
82 上カバー
83 左前カバー
84 感光ドラム
85 帯電器
86 スイングスタッカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続紙に対して画像を出力する画像出力装置と、
前記画像出力装置の印刷動作を制御する制御装置とを有し、
前記画像出力装置は、
印刷状態を確認するための印刷結果確認釦と、
印刷開始後に印刷された連続紙が印刷結果確認位置までに到達するために必要な印刷結果確認頁数を算出する算出手段と、
前記印刷結果確認釦が押下された場合、印刷開始から前記算出手段により算出された印刷結果確認頁数分の印刷処理が行われると前記制御装置に対して印刷停止を要求する印刷停止要求手段とを備えた、
画像形成システム。
【請求項2】
前記画像出力装置は、印刷停止状態からさらに所定頁数分の印刷処理を実行させるための印刷追加釦をさらに備えた請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
連続紙に対して画像を出力する画像出力装置と、
前記画像出力装置の印刷動作を制御する制御装置とを有し、
前記画像出力装置は、
印刷状態を確認するための印刷結果確認釦と、
印刷開始後に印刷された連続紙が印刷結果確認位置までに到達するために必要な印刷結果確認頁数を算出する算出手段と、
前記印刷結果確認釦が押下された場合、印刷開始から前記算出手段により算出された印刷結果確認頁数分の印刷処理が行われると前記制御装置に対して印刷停止を要求した後、所定時間が経過すると前記制御装置に対して印刷開始の要求と印刷停止の要求を行う処理を繰り返すことにより間欠印刷を実行する間欠印刷実行手段とを備えた、
画像形成システム。
【請求項4】
前記算出手段は、転写位置から印刷結果確認位置までの距離を1頁あたりの印刷長で除算することにより、印刷された連続紙が印刷結果確認位置までに到達するために必要な印刷結果確認頁数を算出する請求項1から3のいずれか1項記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像出力装置は、前記算出手段が印刷結果確認頁数を算出する際に使用する転写位置から印刷結果確認位置までの距離を変更するための変更手段をさらに備えた請求項4記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像出力装置は、前記算出手段により算出された印刷結果確認頁数に対して、指定された頁数を加算する加算手段をさらに備えた請求項4記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記印刷結果確認釦が、前記画像出力装置の定着器に配置されている請求項1から6のいずれか1項記載の画像形成システム。
【請求項8】
連続紙に対して画像を出力する画像出力装置において、印刷開始後に印刷された連続紙が印刷結果確認位置までに到達するために必要な印刷結果確認頁数を算出するステップと、
印刷状態を確認するための印刷結果確認釦が押下された場合、印刷開始から算出された印刷結果確認頁数分の印刷処理が行われると、前記画像出力装置の印刷動作を制御する制御装置に対して印刷停止を要求するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
連続紙に対して画像を出力する画像出力装置において、印刷開始後に印刷された連続紙が印刷結果確認位置までに到達するために必要な印刷結果確認頁数を算出するステップと、
印刷状態を確認するための印刷結果確認釦が押下された場合、印刷開始から算出された印刷結果確認頁数分の印刷処理が行われると、前記画像出力装置の印刷動作を制御する制御装置に対して印刷停止を要求した後、所定時間が経過すると前記制御装置に対して印刷開始の要求と印刷停止の要求を行う処理を繰り返すことにより間欠印刷を実行するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−145768(P2012−145768A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4011(P2011−4011)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】