説明

画像形成システムおよび後処理装置

【課題】後処理を行う際に生じ得る不具合を防止しつつ、画像形成装置の生産性の低下を抑制できるようにする。
【解決手段】画像形成装置2において画像形成に用いられる用紙の種類、画像形成装置2から出力される用紙間隔、画像形成装置2において画像形成を行う際の印刷モード、および、後処理装置3で行う後処理の内容のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、中間搬送ユニット4での用紙の2枚重ね搬送が可能か否かを判断し、用紙の2枚重ね搬送が可能である場合には中間搬送ユニット4における搬送形態を2枚重ね搬送として特定する一方、用紙の2枚重ね搬送が可能でない場合には中間搬送ユニット4における搬送形態を1枚ずつの搬送として特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置から出力される用紙に対してステープルやパンチなどの後処理を行うための後処理装置が設けられた画像形成システムおよびその後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと称される画像形成装置が知られている。このような画像形成装置は、ユーザによって指定された印刷モードに従って用紙に画像形成を行い出力する。近年、このような画像形成装置には、画像形成装置から出力される用紙に対してステープルやパンチなどの後処理を行う後処理装置を組み付けることができるようになっている(例えば、特許文献1)。
【0003】
例えば、後処理装置は、画像形成装置から出力される複数枚の用紙を印刷部数ごとに束にしてステープルやパンチなどの後処理を行うようになっている。このような後処理を行う場合には、その後処理の内容に応じて一定の処理時間がかかる。そのため、後処理装置における後処理が完了していない状態で次の用紙が後処理装置に搬送されてくると、後処理装置は正常な後処理を行うことができなくなる。一方、後処理装置での処理時間に合わせて画像形成装置から出力する用紙の用紙間隔を広げてしまうと、画像形成装置の生産性が低下する。
【0004】
これを防止するため、例えば特許文献1では、後処理装置の後処理部に導く経路中に第1の経路と第2の経路とを設け、画像形成装置から出力される1枚目の用紙を第1の経路に案内して保持しておき、2枚目の用紙を第2の経路に案内して保持し、その後、1枚目の用紙と2枚目の用紙とを重ね合わせた状態で後処理部へ搬送するようにしている。このような従来技術によれば、画像形成装置から1部目の最終の用紙が出力された後、2部目の1枚目と2枚目の用紙が出力されてもそれらの用紙は直ぐには後処理部へ搬送されず、1部目の用紙束に後処理を施す処理時間を確保することができるようになっている。またこの従来技術によれば、画像形成装置から出力される用紙の用紙間隔を広げる必要がないため、画像形成装置の生産性を落とすことなく後処理を行うことができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−1711395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、厚紙などのように比較的坪量の大きい用紙の場合、2枚の用紙を重ね合わせた状態で搬送することは困難である。すなわち、坪量の大きい用紙を2枚重ね合わせた状態で搬送すると、後処理部に搬送されるまでに紙詰まりが発生したり、搬送ローラに不具合が発生したりするので、画像形成装置の生産性を却って低下させる要因となる。
【0007】
また、2枚の用紙を重ね合わせるための第1の経路と第2の経路のうち、一方の経路を画像形成装置における用紙反転路の一部として兼用できるように実現しようとすると、画像形成装置で両面印刷が行われる場合、その経路で重ね合わせのために保持している先の用紙と、用紙反転が行われる次の用紙とが接触して不具合が発生する可能性がある。これを防止するためには、両面印刷の場合に2枚の用紙の重ね合わせを行わないように予め設定しておくことも可能であるが、そうすると両面印刷時には画像形成装置の生産性が毎回低下してしまうという問題もある。
【0008】
さらに、1枚目の用紙と2枚目の用紙とを重ね合わせた状態で搬送する場合、1枚目の用紙と2枚目の用紙を重ね合わせるために用紙の搬送が一時的に停止するため、例えば1部当たりの用紙枚数が2枚の場合はシステム全体としてみたときに生産性が低下することもある。
【0009】
そこで本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、後処理を行う際に生じ得る不具合を防止しつつ、画像形成装置の生産性の低下を抑制できるようにした画像形成システムおよび後処理装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、用紙に画像形成を行って出力する画像形成装置と、前記画像形成装置から出力される用紙に対して後処理を行う後処理装置とを有する画像形成システムであって、前記画像形成装置から出力される用紙を前記後処理装置に搬送するように構成され、前記画像形成装置から連続して出力される2枚の用紙を重ねてから前記後処理装置に搬送可能な中間搬送手段と、前記画像形成装置において画像形成に用いられる用紙の種類、前記画像形成装置から出力される用紙間隔、前記画像形成装置において画像形成を行う際の印刷モード、および、前記後処理装置で行う後処理の内容のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、前記中間搬送手段での用紙の2枚重ね搬送が可能か否かを判断し、用紙の2枚重ね搬送が可能である場合には前記中間搬送手段における搬送形態を2枚重ね搬送として特定する一方、用紙の2枚重ね搬送が可能でない場合には前記中間搬送手段における搬送形態を1枚ずつの搬送として特定する搬送形態判定手段と、前記搬送形態判定手段によって特定された搬送形態に基づいて前記中間搬送手段における用紙の搬送を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0011】
かかる構成によれば、搬送形態判定手段が中間搬送手段における搬送形態を特定する際、用紙の種類、用紙間隔、印刷モード、および、後処理の内容といった各種の情報に基づいて、中間搬送手段での用紙の2枚重ね搬送が可能か否かを判断し、搬送形態を特定する。そのため、2枚重ね搬送を行ったときに不具合が発生するか否かを各種の情報に基づいて判断した上で、搬送形態を特定することができる。その結果、画像形成装置の生産性の低下を抑制しつつ、後処理を行う際に不具合が発生することを防止することが可能である。
【0012】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記中間搬送手段は、前記画像形成装置から出力される用紙を前記後処理装置に搬送するための経路として、所定経路長の第1の経路と、前記第1の経路よりも経路長が長く前記後処理装置の近傍で前記第1の経路に合流する第2の経路とを有し、用紙の2枚重ね搬送を行う際には前記画像形成装置から連続して出力される2枚の用紙を前記第1の経路と前記第2の経路とに分けて搬送し、前記第1の経路にある用紙と前記第2の経路にある用紙とを前記後処理装置に対して同時に搬送することを特徴とする構成である。
【0013】
かかる構成によれば、用紙の2枚重ね搬送を行う場合、第1の経路と第2の経路とを活用することにより、2枚の用紙を良好に重ね合わせた状態で後処理装置に搬送することができる。
【0014】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は、画像形成された用紙を出力するための第1の排出口と、両面印刷時に用紙を反転させるために設けられた第2の排出口とを有し、前記中間搬送手段における前記第1の経路は、前記第1の排出口から出力される用紙のみを導入可能であり、前記第2の経路は、前記第1の排出口から出力される用紙を導入可能であると共に、前記第2の排出口から出力される用紙を導入して前記画像形成装置における用紙反転路の一部として機能することを特徴とする構成である。
【0015】
かかる構成によれば、用紙の2枚重ね搬送を行う際に活用する第2の経路を用紙反転路の一部としても活用することができるので、効率的な経路配置が可能となり、装置の小型化を図ることもできる。
【0016】
請求項4にかかる発明は、請求項2又は3に記載の画像形成システムにおいて、前記中間搬送手段は、用紙の2枚重ね搬送を行う場合、前記画像形成装置から連続して出力される1枚目の用紙を前記第2の経路に搬送し、2枚目の用紙を前記第1の経路に搬送することを特徴とする構成である。
【0017】
かかる構成によれば、経路長の長い第2の経路に対して1枚目の用紙を先に搬送しておくことで、2枚目の用紙の搬送時間が短縮され、2枚の用紙を重ね合わせる際に余分な時間をなるべく使わないにすることができる。
【0018】
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は、前記中間搬送手段において用紙の2枚重ね搬送が行われる場合、印刷部数ごとの1枚目と2枚目との印刷順序を入れ替えることを特徴とする構成である。
【0019】
かかる構成によれば、用紙の2枚重ね搬送を行った場合でも、後処理が行われた後の用紙束において1枚目の用紙に印刷すべき画像と2枚目の用紙に印刷すべき画像とが適切な順序で印刷されるようになる。
【0020】
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成システムにおいて、前記搬送形態判定手段は、印刷モードおよび用紙の種類に基づいて前記中間搬送手段での用紙の2枚重ね搬送が可能か否かを判断し、用紙の2枚重ね搬送が可能である場合には後処理の内容に基づいて算出される前記後処理装置での処理時間と、前記画像形成装置から出力される用紙間隔とを対比し、用紙間隔が処理時間よりも小さい場合に前記中間搬送手段における搬送形態を2枚重ね搬送として特定する一方、用紙間隔が処理時間よりも大きい場合に前記中間搬送手段における搬送形態を1枚ずつの搬送として特定することを特徴とする構成である。
【0021】
かかる構成によれば、画像形成装置の生産性の低下を抑制するだけでなく、システム全体としての生産性の低下を抑制することができるようになる。
【0022】
請求項7にかかる発明は、用紙に画像形成を行って出力する画像形成装置に接続され、前記画像形成装置から出力される用紙に対して後処理を行う後処理装置であって、用紙に対する後処理を行う後処理ユニットと、前記画像形成装置から出力される用紙を前記後処理ユニットに搬送するように構成され、前記画像形成装置から連続して出力される2枚の用紙を重ねてから前記後処理ユニットに搬送可能な中間搬送ユニットと、前記画像形成装置において画像形成に用いられる用紙の種類、前記画像形成装置から出力される用紙間隔、前記画像形成装置において画像形成が行われる際の印刷モード、および、前記後処理ユニットで行う後処理の内容のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、前記中間搬送ユニットでの用紙の2枚重ね搬送が可能か否かを判断し、用紙の2枚重ね搬送が可能である場合には前記中間搬送ユニットにおける搬送形態を2枚重ね搬送として特定する一方、用紙の2枚重ね搬送が可能でない場合には前記中間搬送ユニットにおける搬送形態を1枚ずつの搬送として特定する搬送形態判定手段と、前記搬送形態判定手段によって特定された搬送形態に基づいて前記中間搬送ユニットにおける用紙の搬送を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0023】
請求項8にかかる発明は、請求項7に記載の後処理装置において、前記中間搬送ユニットは、前記画像形成装置から出力される用紙を前記後処理ユニットに搬送するための経路として、所定経路長の第1の経路と、前記第1の経路よりも経路長が長く前記後処理ユニットの近傍で前記第1の経路に合流する第2の経路とを有し、用紙の2枚重ね搬送を行う際には前記画像形成装置から連続して出力される2枚の用紙を前記第1の経路と前記第2の経路とに分けて搬送し、前記第1の経路にある用紙と前記第2の経路にある用紙とを前記後処理ユニットに対して同時に搬送することを特徴とする構成である。
【0024】
請求項9にかかる発明は、請求項8に記載の後処理装置において、前記画像形成装置は、画像形成された用紙を出力するための第1の排出口と、両面印刷時に用紙を反転させるために設けられた第2の排出口とを有しており、前記中間搬送ユニットにおける前記第1の経路は、前記第1の排出口から出力される用紙のみを導入可能であり、前記第2の経路は、前記第1の排出口から出力される用紙を導入可能であると共に、前記第2の排出口から出力される用紙を導入して前記画像形成装置における用紙反転路の一部として機能することを特徴とする構成である。
【0025】
請求項10にかかる発明は、請求項8又は9に記載の後処理装置において、前記中間搬送ユニットは、用紙の2枚重ね搬送を行う場合、前記画像形成装置から連続して出力される1枚目の用紙を前記第2の経路に搬送し、2枚目の用紙を前記第1の経路に搬送することを特徴とする構成である。
【0026】
請求項11にかかる発明は、請求項7乃至10のいずれかに記載の後処理装置において、前記搬送形態判定手段は、印刷モードおよび用紙の種類に基づいて前記中間搬送ユニットでの用紙の2枚重ね搬送が可能か否かを判断し、用紙の2枚重ね搬送が可能である場合には後処理の内容に基づいて算出される前記後処理ユニットでの処理時間と、前記画像形成装置から出力される用紙間隔とを対比し、用紙間隔が処理時間よりも小さい場合に前記中間搬送ユニットにおける搬送形態を2枚重ね搬送として特定する一方、用紙間隔が処理時間よりも大きい場合に前記中間搬送ユニットにおける搬送形態を1枚ずつの搬送として特定することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、画像形成装置から出力される用紙に対し、後処理を行う際に生じ得る不具合を防止しつつ、画像形成装置の生産性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】画像形成システムの一構成例を示す図である。
【図2】画像形成システムの画像形成装置と後処理装置とを切り離した状態を示す図である。
【図3】画像形成装置、中間搬送ユニットおよび後処理ユニットにおける用紙の搬送経路の一例を示す図である。
【図4】画像形成システムにおける制御機構の一例を示すブロック図である。
【図5】画像形成装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】後処理装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】後処理装置で行われる搬送形態特定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】中間搬送ユニットにおいて2枚重ね搬送を行う場合の時間経過に伴う各用紙の搬送位置を示す図である。
【図9】中間搬送ユニットにおいて2枚重ね搬送を行わない場合の時間経過に伴う各用紙の搬送位置を示す図である。
【図10】図9に対する比較例であり、用紙間隔が後処理装置での処理時間よりも大きいときに2枚重ね搬送を行った場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0030】
図1は、本実施形態における画像形成システム1の一構成例を示す図である。この画像形成システム1は、デジタル複合機やMFPなどと称される画像形成装置2に対し、後処理装置3が組み付けられた構成である。また図2は、画像形成システム1の画像形成装置2と後処理装置3とを切り離した状態を示す図である。
【0031】
画像形成装置2は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能などの複数の機能を備えている。この画像形成装置2は、その正面側に、ユーザが操作する際のユーザインタフェースとなる操作パネル11が設けられている。ユーザは、画像形成システム1を使用する場合、この操作パネル11に対して操作を行うことにより、上記複数の機能のうちから使用する機能を選択することができる。またユーザは、操作パネル11を操作することにより、片面印刷と両面印刷とのいずれかを指定する印刷モードの設定操作を行ったり、印刷に使用する用紙の選択操作を行ったり、或いは、後処理装置3で行う後処理の内容を指定したりすることができる。
【0032】
このような画像形成装置2は、その上部に、原稿の画像を光学的に読み取る画像読取部6と、その画像読取部6に対して読取対象となる原稿を1枚ずつ搬送する自動原稿搬送装置(ADF)7とを備えている。また画像形成装置2は、その下部に、用紙を給紙する給紙部8を備えている。この給紙部8の上部には、給紙部8から供給される用紙に対して画像形成を行って印刷する画像形成部9が設けられている。このような画像形成装置2の内部には、用紙を搬送するための搬送機構10が設けられている。搬送機構10は、給紙部8から画像形成部9に対して用紙を搬送すると共に、画像形成部9において電子写真方式で画像形成された用紙を出力搬送するように構成される。尚、搬送機構10には、後述するように両面印刷時に用紙を反転させるための用紙反転路が含まれている。
【0033】
図2に示すように、画像形成装置2において画像形成部9の上部には、2つの排出口12,13が上下2段構成で設けられている。これら2つの排出口12,13のうち、下側に設けられる第1の排出口12は、画像形成部9において画像形成された用紙を排紙出力するための排出口であり、例えば後処理装置3が組み付けられていない状態では排出口12から排出される用紙は排出トレイ14上に出力される。また上側に設けられる第2の排出口13は、画像形成部9において画像形成された用紙を排紙出力するためのものではなく、両面印刷時に用紙を反転させる際、用紙の搬送方向を切り替えるために用紙端部を出入りさせるための排出口である。
【0034】
一方、後処理装置3は、中間搬送ユニット4と、後処理ユニット5とを備えている。中間搬送ユニット4は、画像形成装置2の上述した2つの排出口12,13に接続するように排出トレイ14の上部に配置され、画像形成装置2から出力される画像形成された用紙を後処理ユニット5に搬送するためのものである。後処理ユニット5は、ステープルやパンチなどの後処理を行うためのものであり、画像形成装置2の本体に隣接するように配置され、中間搬送ユニット4から搬送されてくる用紙に対して後処理を施すように構成される。この後処理装置3には、2箇所の位置に後処理を施した用紙を排出する排出口21,23が設けられており、それぞれの排出口21,23の下方に排出トレイ22,24が設けられている。尚、後処理装置3に設けられる排出口の数は、必ずしも2つに限られない。尚、本実施形態では、後処理ユニット5が行う後処理として、ステープルやパンチを例示するが、この他にも用紙の中折りや裁断などを後処理として行うことが可能である。
【0035】
図3は、画像形成装置2、中間搬送ユニット4および後処理ユニット5における用紙の搬送経路の一例を示す図である。画像形成装置2において給紙部8から給紙された用紙は図中矢印Fで示すように画像形成装置2の下部から上部に搬送される。この用紙は、搬送ローラ31によって画像形成部9に搬送され、画像形成部9においてその一面に画像形成が行われる。
【0036】
片面印刷の場合、画像形成部9で画像形成された用紙は、搬送ローラ32および排出ローラ33を介して排出口12から排出される。排出口12から排出される用紙は、その下面に画像が形成された状態で排出される。
【0037】
一方、両面印刷の場合、画像形成部9で一方の面に画像形成された用紙は、搬送ローラ32および反転ローラ34を介して排出口13からその用紙の先端が一定量排出される。このとき、用紙の後端は反転ローラ34に挟持された状態である。そして反転ローラ34が反転駆動されることにより、用紙の先端と後端とが入れ替わる。そして用紙は、搬送ローラ35,36,37,38で構成される用紙反転路へと導かれる。そして再び画像形成部9へと導かれ、他方の面に画像形成が行われる。尚、画像形成部9において一方の面に画像形成を行う際には先に2ページ目の画像を印刷しておき、他方の面に画像形成を行う際に1ページ目の画像を印刷することで、他方の面に画像形成が行われた後はそのままの状態で用紙を排出口12から排出しても表裏反転を生じない。
【0038】
中間搬送ユニット4は、画像形成装置2から出力される用紙を後処理ユニット5へ搬送するための経路として2つの経路R1とR2とを有している。第1の経路R1は、搬送ローラ41,42,43で構成され、画像形成装置2の排出口12と、後処理ユニット5への導入口50とをほぼ直線状に結んだ最短経路長の経路となっている。この第1の経路R1は、排出口12から排出される用紙を導入可能である。
【0039】
また第2の経路R2は、第1の経路R1の上側に設けられ、搬送ローラ44,45,46とで構成される。この第2の経路R2は、排出口12から排出される用紙を導入可能である。また第2の経路R2は、その下流側で第1の経路R1と合流している。そのため、第2の経路R2は、画像形成装置2から出力される用紙を導入して後処理ユニット5に搬送可能であるが、その経路長は第1の経路R1よりも長くなっている。さらに、この第2の経路R2は、用紙反転のための排出口13から出力される用紙の端部を導入することも可能となっており、画像形成装置2において両面印刷が行われる場合には用紙反転路の一部として機能する。
【0040】
また中間搬送ユニット4には、排出口12から出力される用紙を第1の経路R1と第2の経路R2とのいずれか一方に切り替えて案内するためのガイド部材47が設けられている。このガイド部材47は、例えば所定の回動軸周りに回動可能であり、その回動軸周りに回動して第1の経路R1に進入した状態になると、排出口12から出力される用紙を第2の経路R2に案内する。また第1の経路R1から退避した状態になると、排出口12から出力される用紙を第1の経路R1に案内する。
【0041】
さらに中間搬送ユニット4には、排出口12から出力される用紙を検出するセンサ48と、排出口12から出力される用紙を検出するセンサ49とを備えており、これらのセンサ48,49が用紙を検出すると、中間搬送ユニット4の各部が動作するようになっている。
【0042】
後処理ユニット5は、中間搬送ユニット4から搬送されてくる用紙を導入口50からその内側に導入する。導入口50の内側近傍には、用紙を検出するセンサ51と、そのセンサ51の直近下流側にレジストローラ52とが設けられている。センサ51は、中間搬送ユニット4から搬送されてくる用紙の先端を検出するセンサである。このセンサ51が用紙の先端を検出することにより、その用紙の先端をレジストローラ52に突き当てた状態で一時停止させるようにしている。レジストローラ52は用紙の先端を搬送方向に対して傾きがないように整列させ、後段下流側の後処理部へと用紙を搬送するためのローラである。
【0043】
レジストローラ52に突き当てられた用紙は、後処理ユニット5における先の後処理が完了し、次の後処理を行うことが可能となったタイミングでレジストローラ52により、さらに下流側へと搬送されていく。この用紙が通る経路として2つの経路がある。一方の経路は、搬送ローラ53から排出ローラ56に導かれ、排出口21から排出トレイ22の排出される経路である。他方の経路は、搬送ローラ53から搬送ローラ57に導かれ、さらに排出ローラ58によって排出口23から排出トレイ24に排出される経路である。後処理ユニット5には、用紙をそれら2つの経路のうちのいずれか一方に切り替えて案内するためのガイド部材55が設けられている。このガイド部材55は、上述したガイド部材47と同様に、例えば所定の回動軸周りに回動可能であり、その回動軸周りに回動することにより用紙を搬送する経路を切り替えるようになっている。
【0044】
後処理ユニット5には、後処理を行う後処理部として、パンチ部54aとステープル部54bとを有している。パンチ部54aは、レジストローラ52と搬送ローラ53との間の所定位置に設けられており、その所定位置を用紙が通過する際に用紙を一時停止させてパンチ孔を形成する。ステープル部54bは、排出ローラ58の上流側下方に傾斜した状態で設けられ、排出ローラ58が反転することによって案内される用紙が所定枚数に到達するまで用紙を保持したまま待機し、所定枚数に到達するとそれら複数の用紙に対してステープルを打設する。ステープル部54bの上部には搬送ベルト59が設けられている。この搬送ベルト59は、ステープルが打設された用紙束を排出ローラ58に向けて搬送するためのものであり、搬送ベルト59によって搬送される用紙束は排出ローラ58を経て排出口23から排出トレイ24に排出される。
【0045】
このように後処理ユニット5では、画像形成装置2から出力される用紙に対する後処理として、パンチとステープルとを行うことが可能である。後処理ユニット5において、このような後処理を行う場合には、その後処理の内容に応じた一定の後処理時間を要すると共に、その後処理が施された用紙を後処理ユニット5から排出するために一定の用紙排出時間を要する。そのため、後処理ユニット5が印刷部数ごとに後処理を行う場合において、例えば1部目の用紙束に対する後処理が完了しておらず、また、1部目の用紙束の排出動作が完了していない状態のときは、2部目の1枚目の用紙を後処理部に搬送しないようにすることが必要とある。
【0046】
そこで本実施形態では、画像形成装置2から各印刷部数の1枚目の用紙が出力されたときにその用紙を中間搬送ユニット4で保持しておき、2枚目の用紙が出力されることに伴って中間搬送ユニット4においてそれら2枚の用紙を重ね合わせることにより、後処理ユニット5に対して1枚目と2枚目の用紙を重ね合わせた状態で搬送することが可能なように構成される。ただし、中間搬送ユニット4は、画像形成装置2から出力される用紙を1枚ずつ後処理ユニット5に搬送することも可能である。
【0047】
中間搬送ユニット4は、用紙を1枚ずつ後処理ユニット5へ搬送する場合、その用紙を搬送ローラ41,42,43で構成される第1の経路R1に案内することにより、最短経路を通って後処理ユニット5へと搬送する。これにより、中間搬送ユニット4での用紙搬送によるタイムロスが少なくなる。
【0048】
また中間搬送ユニット4が2枚重ね搬送を行う場合、画像形成装置2の排出口12から出力される1枚目の用紙を第2の経路R2に搬送し、その用紙先端がレジストローラ52に到達する位置で用紙搬送を停止させ、第2の経路R2で1枚目の用紙を保持しておく。その後、画像形成装置2の排出口12から2枚目の用紙が出力されると、中間搬送ユニット4は、その用紙を第1の経路R1に搬送し、その用紙先端がレジストローラ52に到達する位置で用紙搬送を一旦停止させる。これにより、1枚目の用紙先端と2枚目の用紙先端とがレジストローラ52によって整列された状態となり、しかもそれら2枚の用紙の先端がレジストローラ52によって挟持された状態となる。そしてレジストローラ52と、第1の経路R1を構成する搬送ローラ41,42,43と、第2の経路R2を構成する搬送ローラ44,45,46とを同時に駆動することにより、2枚の用紙を重ね合わせた状態で後処理ユニット5へと搬送する。
【0049】
このように中間搬送ユニット4が2枚重ね搬送を行う場合には、1枚目の用紙を第2の経路R2に案内し、2枚目の用紙を第1の経路R1に案内することにより、2枚目の用紙は最短経路を通ることになる。そのため、画像形成装置2から2枚目の用紙が出力されてから1枚目の用紙と2枚目の用紙とが重ね合わせられた状態となるまでに要する時間を短縮することができ、効率的に2枚の重ね合わせ状態を実現することができる。
【0050】
次に、図4は画像形成システム1における制御機構の一例を示すブロック図である。画像形成装置2は、上述した操作パネル11の他、制御機構として、全体制御部60と、画像読取制御部64と、画像処理部65と、画像形成制御部66と、用紙搬送制御部67とを備えている。
【0051】
画像読取制御部64は、上述した画像読取部6を駆動すると共に、ADF7にそれと同期した動作を行わせるためにADF7との通信を行い、1枚ずつの原稿から画像を読み取って画像データを生成するための動作を行わせる制御部である。画像処理部65は、原稿を読み取って得られた画像データに対し、様々な画像処理を行う処理部である。画像形成制御部66は、上述した画像形成部9を駆動し、用紙への画像形成を行う動作を行わせる制御部である。用紙搬送制御部67は、上述した搬送機構10に含まれる各種ローラを駆動し、画像形成装置2の内部における用紙の搬送動作を行わせる制御部である。
【0052】
全体制御部60は、図示しないCPUとメモリとを備えており、操作パネル11、画像読取制御部64、画像処理部65、画像形成制御部66および用紙搬送制御部67を統括的に制御することにより、画像形成装置2におけるジョブの実行を制御する。また、この全体制御部60は、後処理装置3に設けられる全体制御部70とデータ通信を行うように構成され、ジョブの実行時には後処理装置3と連携した動作制御を行うようになっている。このような全体制御部60は、ジョブ設定部61と、データ通信部62と、ジョブ制御部63とを備えている。
【0053】
ジョブ設定部61は、操作パネル11に対して行われるユーザの指示操作に基づき、ジョブを設定する処理部である。例えば、ユーザにより設定される印刷モードに基づいて片面印刷と両面印刷とのいずれか一方をジョブの設定に反映する。また、ユーザによる用紙の選択操作に基づいて、用紙の種類(用紙サイズ、用紙厚さ等)をジョブの設定に反映する。さらにユーザによる指定操作に基づいて後処理装置3で行う後処理の内容をジョブの設定に反映する。そしてジョブ設定部61は、それらの設定情報に基づいて、用紙を搬送する際の搬送速度を算出すると共に、画像形成装置2から中間搬送ユニット4に対して出力する用紙の用紙間隔を算出し、それらの算出結果をジョブの設定に反映する。尚、用紙の搬送速度は、用紙の厚さに応じて変化し、用紙の厚さが厚くなる程、搬送速度が遅くなる。
【0054】
データ通信部62は、後処理装置3の全体制御部70とデータ通信を行うことにより、実行対象であるジョブの詳細な情報を通知する。このとき、データ通信部62から後処理装置3に送信される情報には、印刷モード、用紙の種類、後処理の内容、および、画像形成装置2から出力される用紙間隔などの情報が含まれる。データ通信部62は、後処理装置3に対してジョブの詳細な情報を通知した後、後処理装置3から応答データを受信すると、ジョブ制御部63を機能させる。
【0055】
ジョブ制御部63は、画像読取制御部64、画像処理部65、画像形成制御部66および用紙搬送制御部67を統括的に制御することにより、ジョブ設定部61で設定されたジョブの実行を制御する。これにより、用紙搬送制御部67は、ユーザによって選択された用紙をジョブ設定部61で算出された搬送速度で搬送するようになり、その用紙が画像形成部9を通過する際に画像形成が行われる。
【0056】
このようなジョブ制御部63は、後処理装置3の中間搬送ユニット4において2枚重ね搬送が行われる場合、印刷部数ごとの1枚目の用紙に印刷する画像データと、2枚目の用紙に印刷する画像データを入れ替える。すなわち、画像形成装置2は、画像形成された用紙を排出口12から出力する際、画像形成された面を下面にして出力するため、2枚重ね搬送時に1枚目の用紙を第2の経路R2に導き、2枚目の用紙を第1の経路R1に導くと、1枚目の用紙が2枚目の用紙の上に位置する状態となり、1枚目と2枚目の位置が逆転する。そのため、ジョブ制御部63は、1枚目の用紙に印刷する画像データとして、2枚目の用紙に印刷する画像データをセットし、2枚目の用紙に印刷する画像データとして、1枚目の用紙に印刷する画像データをセットする。
【0057】
具体的に説明すると、片面印刷の場合には、1枚目の用紙に印刷する画像データとして2ページ目の画像データをセットし、2枚目の用紙に印刷する画像データとして1ページ目の画像データをセットする。また両面印刷の場合には、1枚目の用紙の両面に印刷する画像データとして3ページ目と4ページ目の画像データをセットし、2枚目の用紙の両面に印刷する画像データとして1ページ目と2ページ目の画像データをセットする。このようにすることで、2枚重ね搬送時に1枚目と2枚目の位置が入れ替わった場合でも後処理装置3から出力される用紙束においては各ページの画像を正確な順序に配置することができる。
【0058】
次に、後処理装置3は、図4に示すように、全体制御部70と、中間搬送ユニット制御部74と、パンチ制御部75と、ステープル制御部76と、用紙搬送制御部77とを備えている。
【0059】
中間搬送ユニット制御部74は、中間搬送ユニット4に設けられた各種ローラを駆動することにより、画像形成装置2から出力される用紙を後処理ユニット5に対して搬送する動作を制御する。中間搬送ユニット4において2枚重ね搬送を行う場合、中間搬送ユニット制御部74は、画像形成装置2から出力される印刷部数ごとの1枚目の用紙を第2の経路R2に導き、2枚目の用紙を第1の経路R1に導く。そしてそれら2枚の用紙を重ね合わせた状態で後処理ユニット5に搬送させるように制御する。尚、この場合、3枚目以降の用紙は1枚ずつの搬送となる。また中間搬送ユニット4において2枚重ね搬送を行わない場合、中間搬送ユニット制御部74は、画像形成装置2から出力される印刷部数ごとの1枚目の用紙および2枚目の用紙をそれぞれ1枚ずつ第1の経路R1を通して搬送する。尚、この場合も、3枚目以降の用紙は1枚ずつの搬送である。
【0060】
パンチ制御部75は、ユーザにより後処理としてパンチが指定されている場合に機能し、後処理ユニット5に搬送されてきた用紙が所定位置を通過する際にパンチ部54aを作動させて用紙にパンチ孔を形成する。
【0061】
ステープル制御部76は、ユーザにより後処理としてステープルが指定されている場合に機能し、ステープル部54bに1部を構成する用紙束が揃ったタイミングでステープル部54bを作動させ、その用紙束にステープルを打設する。
【0062】
用紙搬送制御部77は、後処理ユニット5に設けられた各種ローラやベルトを駆動することにより、中間搬送ユニット4から搬送されてくる用紙をパンチ部54aやステープル部54bなどの後処理部に搬送させると共に、後処理の施された用紙束を排出トレイ22,24に排出させる動作を制御する。
【0063】
全体制御部70は、図示しないCPUとメモリとを備えており、中間搬送ユニット制御部74、パンチ制御部75、ステープル制御部76および用紙搬送制御部77を統括的に制御することにより、画像形成装置2から出力される用紙に対して後処理を行う動作を制御する。この全体制御部70は、画像形成装置2に設けられる全体制御部60とデータ通信を行うように構成され、ジョブの実行時には画像形成装置2と連携した動作制御を行うように構成されている。このような全体制御部70は、データ通信部71と、搬送形態判定部72と、後処理制御部73とを備えている。
【0064】
データ通信部71は、画像形成装置2の全体制御部60とデータ通信を行うことにより、実行対象であるジョブの詳細な情報を取得すると共に、画像形成装置2の全体制御部60との間で必要な情報を交換する。データ通信部71が画像形成装置2から取得する情報には、印刷モード、用紙の種類、後処理の内容、および、画像形成装置2から出力される用紙間隔などの情報が含まれる。データ通信部71がこれらの情報を取得すると、搬送形態判定部72が機能する。
【0065】
搬送形態判定部72は、画像形成装置2において画像形成に用いられる用紙の種類、画像形成装置2から出力される用紙間隔、画像形成装置において画像形成を行う際の印刷モード、および、後処理装置3で行う後処理の内容のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、中間搬送ユニット4での用紙の2枚重ね搬送が可能か否かを判断する処理部である。尚、本実施形態では、上記全ての情報に基づいて判断を行うようになっている。以下、これについて詳しく説明する。
【0066】
搬送形態判定部72は、まず、印刷モードが両面印刷モードであるか否かを判断する。本実施形態では、中間搬送ユニット4における第2の経路R2が用紙反転路の一部としても機能するため、両面印刷時に2枚重ね搬送を行うと、1枚目の用紙が第2の経路R2で保持されている状態で2枚目の用紙を反転させるために排出口13から第2の経路R2に進入させたときに、1枚目の用紙の後端と2枚目の用紙の先端とが互いに接触して不具合が発生する可能性がある。一方、第2の経路R2の経路長に対し、搬送方向の用紙長さが小さい場合には、1枚目の用紙の後端と、2枚目の用紙の先端とが第2の経路R2において接触しないこともある。そのため、搬送形態判定部72は、印刷モードが両面印刷モードであれば、第2の経路R2の経路長と、用紙長さとを比較し、両面印刷時に2枚重ね搬送が可能か否かを判断する。
【0067】
また印刷モードが両面印刷モードと片面印刷モードとのいずれであるかにかかわらず、印刷時に用いられる用紙の種類によっては、2枚重ね搬送を行うことができない場合もある。例えば厚紙などのように比較的坪量の大きい用紙の場合には、2枚の用紙を重ね合わせた状態で搬送することはできない。そのため、搬送形態判定部72は、印刷モードにかかわらず、用紙の種類(特に用紙厚さ)を判別することにより、印刷時の2枚重ね搬送が可能か否かを判断する。
【0068】
上記のような判断の結果、用紙の2枚重ね搬送が可能である場合、搬送形態判定部72は、更に引き続き、ユーザにより指定された後処理の内容に基づいて後処理装置3で要する処理時間を算出する。この後処理装置3で要する処理時間とは、パンチ部54aおよびステープル部54bのそれぞれで後処理の内容に応じた処理を行うのに要する後処理時間と、そのような後処理が施された用紙を後処理ユニット5から排出するために要する用紙排出時間とを総合した処理時間である。
【0069】
そして搬送形態判定部72は、後処理装置3で要する処理時間と、画像形成装置2から出力される用紙間隔とを対比し、用紙間隔が処理時間よりも小さい場合には、中間搬送ユニット4における搬送形態を、2枚重ね搬送として特定する。これにより、後処理装置3で要する処理時間よりも短い用紙間隔で画像形成装置2から出力される印刷部数ごとの1枚目の用紙を中間搬送ユニット4において一時的待機させることができるので、その間に後処理を完了させることができるようになる。この場合、画像形成装置2の生産性を低下させることがなく、しかも後処理を行う際に生じ得る不具合を未然に防止しつつ、正常に後処理を行っていくことができる。
【0070】
これに対し、用紙間隔が処理時間よりも大きい場合、搬送形態判定部72は、中間搬送ユニット4における搬送形態を、1枚ずつの搬送として特定する。つまり、この場合は、後処理装置3で要する処理時間が、画像形成装置2から出力される用紙の間隔よりも短いため、2枚重ね搬送を行うことなく、1枚ずつの搬送として特定する。これにより、1枚目の用紙と2枚目の用紙を重ね合わせる必要がなくなるので、各用紙の搬送をスムーズに行うことができるようになり、システム全体として生産性が低下することを防止できるようになる。
【0071】
また搬送形態判定部72は、用紙の2枚重ね搬送が可能であるか否かを判断した結果、用紙の2枚重ね搬送ができない場合もまた、中間搬送ユニット4における搬送形態を、1枚ずつの搬送として特定する。これにより、後処理を行う際に不具合が生じることを未然に防止することができる。
【0072】
上記のようにして搬送形態判定部72が中間搬送ユニット4における搬送形態を特定すると、その特定された搬送形態はデータ通信部71によって画像形成装置2に通知される。これにより、画像形成装置2は、後処理装置3の中間搬送ユニット4において2枚重ね搬送と、1枚ずつの搬送とのいずれが行われるのかを把握することができる。
【0073】
そして全体制御部70では後処理制御部73が機能する。後処理制御部73は、中間搬送ユニット制御部74、パンチ制御部75、ステープル制御部76および用紙搬送制御部77を統括的に制御することにより、画像形成装置2から出力される用紙に対して後処理の実行するための動作を制御する。このとき、後処理制御部73は、搬送形態判定部72で特定された搬送形態を中間搬送ユニット制御部74に指示する。その結果、中間搬送ユニット4では、搬送形態判定部72で特定された搬送形態に基づいて画像形成装置2から出力される用紙の搬送が行われる。すなわち、2枚重ね搬送形態の場合には、画像形成装置2から出力される印刷部数ごとの1枚目の用紙が第2の経路R2に案内されると共に、2枚目の用紙が第1の経路R1に案内され、それら2枚の用紙が重ね合わせられた状態で後処理ユニット5へ搬送されるようになる。また1枚ずつの搬送形態の場合には、画像形成装置2から出力される1枚ずつの用紙が第1の経路R1に順次案内され、各用紙が1枚のままで後処理ユニット5へ搬送されるようになる。
【0074】
次に上記のように構成された画像形成システム1における動作シーケンスの一例について説明する。まず図5は、画像形成装置2において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理手順は、主として画像形成装置2の全体制御部60によって行われる。全体制御部60は、この処理を開始すると、ユーザによるジョブの設定操作を受け付ける(ステップS10)。そしてユーザの設定操作に基づいて、用紙の種類、印刷モード、および、後処理の内容を順次設定する(ステップS11,S12,S13)。そして全体制御部60は、画像形成装置2から出力する用紙の時間間隔(用紙間隔)を算出し、設定する(ステップS14)。尚、このとき、画像形成装置2の内部での用紙の搬送速度なども算出される。
【0075】
全体制御部60は、上記のようにして得られる情報(用紙の種類、印刷モード、後処理の内容、および、用紙間隔を含む情報)を後処理装置3の全体制御部70に対してデータ送信する(ステップS15)。その後、全体制御部60は、後処理装置3からのデータ受信を待機する状態となる(ステップS16)。そして後処理装置3からのデータを受信すると、全体制御部60は、後処理装置3での搬送形態を特定する(ステップS17)。すなわち、後処理装置3の中間搬送ユニット4で行われる搬送形態が、2枚重ね搬送であるか、或いは、1枚ずつの搬送であるかを特定する。そして全体制御部60は、その搬送形態が2枚重ね搬送か否かを判断し(ステップS18)、2枚重ね搬送であれば、印刷部数ごとの1枚目の用紙と2枚目の用紙に印刷するための画像データを入れ替える(ステップS19)。これに対し、搬送形態が1枚ずつの搬送であれば(ステップS18でNO)、画像データの印刷順序の入れ替えは行わない。その後、全体制御部60は、ジョブの実行を開始する(ステップS20)。これにより、画像形成装置2から一定の用紙間隔で画像形成された用紙が順次に出力されるようになる。そしてジョブの実行が終了すると、全ての処理が終了する。
【0076】
次に図6は、後処理装置3において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理手順は、主として後処理装置3の全体制御部70によって行われる。全体制御部70は、この処理を開始すると、画像形成装置2から送信されるデータを受信する(ステップS30)。そしてデータ受信が完了すると、全体制御部70は、搬送形態特定処理を実行する(ステップS31)。この搬送形態特定処理により、中間搬送ユニット4における搬送形態が2枚重ね搬送と1枚ずつの搬送とのいずれか一方に特定される。尚、この搬送形態特定処理の詳細については後述する。
【0077】
全体制御部70は、中間搬送ユニット4における搬送形態を特定すると、その特定した搬送形態を、中間搬送ユニット制御部74に設定する(ステップS32)。また全体制御部70は、画像形成装置2から受信したデータに基づいてパンチ制御部75およびステープル制御部76に対して後処理の内容を設定する(ステップS33)。さらに全体制御部70は、用紙搬送制御部77に中間搬送ユニット4における搬送形態を設定する(ステップS34)。以上のような処理が終了すると、全体制御部70は、画像形成装置2の全体制御部60に対してデータを送信する(ステップS35)。このとき送信されるデータには、中間搬送ユニット4における搬送形態に関する情報が含まれる。
【0078】
その後、全体制御部70は、画像形成装置2においてジョブの実行が開始されるまで待機する状態となり(ステップS36)、ジョブの実行が開始されると、後処理制御を開始する(ステップS37)。すなわち、画像形成装置2から画像形成された用紙が出力されると、中間搬送ユニット4では予め設定された搬送形態に従って用紙を後処理ユニット5に搬送し、後処理ユニット5では中間搬送ユニット4から搬送される用紙に対して指定された後処理を施す。そして後処理の施された用紙束を排出トレイ22,24に排出する。その後、ジョブの実行が終了すると(ステップS38でYES)、この処理は終了する。
【0079】
図7は、搬送形態特定処理(ステップS31)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。全体制御部70は、この処理を開始すると、まず印刷モードが両面印刷モードであるか否かを判断する(ステップS40)。印刷モードが両面印刷モードである場合、全体制御部70は、第2の経路R2の経路長と用紙長さとを比較する(ステップS41)。そして両面印刷時において用紙を反転させる際に1枚目の用紙と2枚目の用紙とを接触させることなく、2枚重ね搬送が可能であるか否かを判断する(ステップS42)。その結果、2枚重ね搬送ができない場合は(ステップS42でNO)、ステップS51に進み、中間搬送ユニット4における搬送形態を1枚ずつの搬送として特定し、処理を終了する。これに対し、2枚重ね搬送が可能であれば(ステップS42でYES)、ステップS43に進む。また印刷モードが両面印刷モードでなく、片面印刷モードであった場合も(ステップS40でNO)、ステップS43に進む。
【0080】
次に全体制御部70は、用紙の種類を判別する(ステップS43)。ここでは、印刷に使用される用紙の厚さが所定の厚さ以上であるか否かが判別される。そして全体制御部70は、その用紙の種類が2枚重ね搬送の可能な用紙であるか否かを判断する(ステップS44)。ここでは、用紙の厚さが所定の厚さ以上であればNOとなり、所定厚さ未満であればYESとなる。その結果、2枚重ね搬送ができない場合は(ステップS44でNO)、ステップS51に進み、中間搬送ユニット4における搬送形態を1枚ずつの搬送として特定し、処理を終了する。これに対し、2枚重ね搬送が可能であれば(ステップS44でYES)、次のステップS45に進む。
【0081】
そして全体制御部70は、後処理の内容を判別し(ステップS45)、パンチやステープルなどの後処理そのものに要する後処理時間を算出すると共に(ステップS46)、後処理の施された用紙を排出するのに要する用紙排出時間を算出する(ステップS47)。次に全体制御部70は、画像形成装置2から出力される用紙間隔がどのような間隔であるかを判別する(ステップS48)。そして用紙間隔と、後処理装置3での処理時間(後処理時間+用紙排出時間)とを比較し、用紙間隔が後処理装置3での処理時間よりも小さいか否かを判断する(ステップS49)。その結果、用紙間隔が小さい場合は(ステップS49でYES)、中間搬送ユニット4における搬送形態を2枚重ね搬送して特定し、処理を終了する。これに対し、用紙間隔の方が大きくなる場合は(ステップS49でNO)、ステップS51に進み、中間搬送ユニット4における搬送形態を1枚ずつの搬送として特定し、処理を終了する。
【0082】
以上のように本実施形態では、画像形成装置2から連続して出力される2枚の用紙を重ね合わせてから後処理装置3に搬送可能な中間搬送ユニット4における搬送形態を、用紙の種類、用紙間隔、印刷モード、および、後処理の内容に基づいて決定するようにしている。このとき、中間搬送ユニット4において用紙の2枚重ね搬送が可能な場合であっても、後処理の内容に基づいて算出される後処理装置3での処理時間と、画像形成装置2から出力される用紙間隔とを対比し、用紙間隔が処理時間よりも小さくなる場合にのみ、中間搬送ユニット4における搬送形態を2枚重ね搬送として設定する。そのため、この場合は、画像形成装置2の生産性を低下させることなく、後処理を行うことが可能になる。
【0083】
図8は、本実施形態の中間搬送ユニット4において2枚重ね搬送を行う場合の時間経過に伴う各用紙の搬送位置を示す図である。尚、図8では、1部当たり4枚の用紙によって構成される印刷物が複数部数連続して出力される場合を例示している。図8に示す例では、画像形成装置2から順次出力される用紙の用紙間隔はT1である。また、後処理ユニット5においてパンチやステープルなどの後処理が行われるために要する後処理時間はT2であり、後処理の施された用紙束が排出トレイに排出されるまでに要する用紙排出時間はT3である。そして用紙間隔T1と、後処理時間T2および用紙排出時間T3との関係は、T1<(T2+T3)となっている。
【0084】
図8の場合は、用紙間隔T1が後処理装置3での処理時間(T2+T3)よりも小さく、中間搬送ユニット4において2枚重ね搬送が行われる。この場合、後処理ユニット5において第1部の用紙束が未だ排出トレイに排出されていない状態で、第2部の1枚目の用紙が画像形成装置2から出力された場合でも、その用紙は中間搬送ユニット4において保持され、後処理ユニット5へは搬送されない。そのため、後処理ユニット5において第1部の用紙束に対する後処理を良好に行うことができると共に、正常に排出トレイへ排出することができる。そして第2部の2枚目の用紙が画像形成装置2から出力されると、中間搬送ユニット4において第1部の1枚目と2枚目の用紙が重ね合わせられた状態で後処理ユニット5へ搬送される。このときには、後処理ユニット5が第1部の用紙束を既に排出トレイに排出しているので、後処理ユニット5においてそれら用紙を正常に受け入れることができる。そして後処理ユニット5は第2部を構成する4枚の用紙が揃った状態で後処理を開始する。以後、これと同様の処理が繰り返される。
【0085】
このように用紙間隔T1が後処理装置3での処理時間(T2+T3)よりも小さい場合には中間搬送ユニット4において2枚重ね搬送を行うことにより、画像形成装置2の生産性を低下させることなく、後処理を行うことが可能になる。
【0086】
一方、本実施形態では、用紙間隔T1が後処理装置3での処理時間(T2+T3)よりも大きい場合には中間搬送ユニット4において2枚重ね搬送を行うことが可能であってもそれを行わず、中間搬送ユニット4における搬送形態を1枚ずつの搬送として特定する。これにより、中間搬送ユニットにおいて用紙を停止させることなく、後処理を行うことができるようになるので、例えば1部当たりの用紙枚数が2枚の場合であっても、システム全体としてみたときの生産性低下を抑制することが可能である。
【0087】
図9は、本実施形態の中間搬送ユニット4において2枚重ね搬送を行わない場合の時間経過に伴う各用紙の搬送位置を示す図である。尚、図9では、1部当たり2枚の用紙によって構成される印刷物が複数部数連続して出力される場合を例示している。図9に示す例では、用紙間隔T1と、後処理時間T2および用紙排出時間T3との関係が、T1>(T2+T3)となっている。
【0088】
図9の場合は、用紙間隔T1が後処理装置3での処理時間(T2+T3)よりも大きく、中間搬送ユニット4において1枚ずつの搬送が行われる。この場合、画像形成装置2から出力される用紙は、1枚ずつ中間搬送ユニット4から後処理ユニット5へ搬送される。後処理ユニット5では、2枚の用紙が揃うと、その時点で後処理を開始し、その後処理が終了すると、2枚の用紙から成る用紙束が排出トレイへ排出される。第2部の1枚目の用紙は、この後、後処理ユニット5へ搬送されてくることになる。そして以後、これと同様の処理が繰り返される。
【0089】
このように用紙間隔T1が後処理装置3での処理時間(T2+T3)よりも大きい場合には中間搬送ユニット4において1枚ずつの搬送を行うことにより、中間搬送ユニット4では用紙の停止に伴うタイムロスが発生しないため、画像形成システム1の全体としての生産性を低下させることなく処理を行うことが可能である。
【0090】
図10は、図9に対する比較例であり、用紙間隔T1が後処理装置3での処理時間(T2+T3)よりも大きいときに2枚重ね搬送を行った場合を示す図である。尚、図10における用紙間隔T1と後処理装置3における処理時間(T2+T3)とは、図9と同じである。図10の場合は、用紙間隔T1が後処理装置3での処理時間(T2+T3)よりも大きいにもかかわらず、中間搬送ユニット4において2枚重ね搬送が行われる。この場合、画像形成装置2から出力される各部の1枚目の用紙と2枚目の用紙が中間搬送ユニット4で重ね合わせられる。中間搬送ユニット4では2枚目の用紙が搬送されてきたとき、これを1枚目の用紙に重ね合わせるために一定の処理時間T4を要する。そのため、各部の用紙束が後処理ユニット5から排出トレイに排出されるタイミングがその処理時間T4の分だけ、図9よりも遅くなる。このようなタイムロスは、印刷部数ごとに発生するので、最後の用紙束が排出トレイに排出されるタイミングも、処理時間T4の分だけ遅くなる。このように、用紙間隔T1が後処理装置3での処理時間(T2+T3)よりも大きいにもかかわらず、中間搬送ユニット4において2枚重ね搬送を行ってしまうと、システム全体としてみたときに生産性が低下することとなる。
【0091】
これに対し、本実施形態では、上述したように、用紙間隔T1が後処理装置3での処理時間(T2+T3)よりも大きい場合には中間搬送ユニット4において1枚ずつの搬送を行うので、図10に示したようなタイムロスは発生することがなく、画像形成システム1の全体としての生産性を低下させることなく処理を行えるということが明らかである。
【0092】
したがって、2枚重ね搬送を行うか否かを決定する際には、本実施形態のように、最終的には2枚重ね搬送を行うことによって生産性を低下させることにならないかどうかを検証し、生産性を低下させない場合に限り、2枚重ね搬送を行うように決定することが好ましい。
【0093】
また、本実施形態によれば、印刷モードが両面印刷モードである場合でも、2枚重ね搬送が可能であり、且つ、2枚重ね搬送を行うことによって生産性を向上させることが可能であるときには、中間搬送ユニット4において2枚重ね搬送が行われるようになる。そのため、両面印刷時には画像形成装置の生産性が常に低下してしまうという事態は生じない。それ故、本実施形態のように、第2の経路R2を用紙反転路の一部として機能させるような構成であっても、画像形成装置の生産性の低下を抑制することが可能である。
【0094】
尚、上記においては、両面印刷モードにおいて2枚重ね搬送ができない場合、或いは、用紙の種類が2枚重ね搬送をできない厚さの厚紙であるような場合には、中間搬送ユニット4において1枚ずつの搬送を行うようにしている。このような場合は、画像形成装置2から出力される用紙間隔が比較的大きな間隔となるので、後処理装置3において後処理を行っている間に次の用紙が搬送されてくる可能性は極めて低い。そのため、中間搬送ユニット4において1枚ずつの搬送を行っても、画像形成装置2の生産性を低下させることはない。
【0095】
(変形例)
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0096】
例えば、上述した実施形態では、用紙の種類、用紙間隔、印刷モード、および、後処理の内容といった情報の全てに基づいて、中間搬送ユニット4での搬送形態を特定する例について説明した。しかし、これに限られるものではなく、用紙の種類、用紙間隔、印刷モード、および、後処理の内容といった情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて中間搬送ユニット4での搬送形態を特定するようにしても良い。
【0097】
また上述した実施形態では、後処理装置3に対して中間搬送ユニット4が設けられた構成例を示したが、この中間搬送ユニット4は、後処理ユニット5から分離可能なものであっても構わない。
【0098】
1 画像形成システム
2 画像形成装置
3 後処理装置
4 中間搬送ユニット(中間搬送手段)
5 後処理ユニット
9 画像形成部
12 第1の排出口
13 第2の排出口
72 搬送形態判定部(搬送形態判定手段)
73 後処理制御部(制御手段)
R1 第1の経路
R2 第2の経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像形成を行って出力する画像形成装置と、前記画像形成装置から出力される用紙に対して後処理を行う後処理装置とを有する画像形成システムであって、
前記画像形成装置から出力される用紙を前記後処理装置に搬送するように構成され、前記画像形成装置から連続して出力される2枚の用紙を重ねてから前記後処理装置に搬送可能な中間搬送手段と、
前記画像形成装置において画像形成に用いられる用紙の種類、前記画像形成装置から出力される用紙間隔、前記画像形成装置において画像形成を行う際の印刷モード、および、前記後処理装置で行う後処理の内容のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、前記中間搬送手段での用紙の2枚重ね搬送が可能か否かを判断し、用紙の2枚重ね搬送が可能である場合には前記中間搬送手段における搬送形態を2枚重ね搬送として特定する一方、用紙の2枚重ね搬送が可能でない場合には前記中間搬送手段における搬送形態を1枚ずつの搬送として特定する搬送形態判定手段と、
前記搬送形態判定手段によって特定された搬送形態に基づいて前記中間搬送手段における用紙の搬送を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記中間搬送手段は、前記画像形成装置から出力される用紙を前記後処理装置に搬送するための経路として、所定経路長の第1の経路と、前記第1の経路よりも経路長が長く前記後処理装置の近傍で前記第1の経路に合流する第2の経路とを有し、用紙の2枚重ね搬送を行う際には前記画像形成装置から連続して出力される2枚の用紙を前記第1の経路と前記第2の経路とに分けて搬送し、前記第1の経路にある用紙と前記第2の経路にある用紙とを前記後処理装置に対して同時に搬送することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記画像形成装置は、画像形成された用紙を出力するための第1の排出口と、両面印刷時に用紙を反転させるために設けられた第2の排出口とを有し、
前記中間搬送手段における前記第1の経路は、前記第1の排出口から出力される用紙のみを導入可能であり、前記第2の経路は、前記第1の排出口から出力される用紙を導入可能であると共に、前記第2の排出口から出力される用紙を導入して前記画像形成装置における用紙反転路の一部として機能することを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記中間搬送手段は、用紙の2枚重ね搬送を行う場合、前記画像形成装置から連続して出力される1枚目の用紙を前記第2の経路に搬送し、2枚目の用紙を前記第1の経路に搬送することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記中間搬送手段において用紙の2枚重ね搬送が行われる場合、印刷部数ごとの1枚目と2枚目との印刷順序を入れ替えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記搬送形態判定手段は、印刷モードおよび用紙の種類に基づいて前記中間搬送手段での用紙の2枚重ね搬送が可能か否かを判断し、用紙の2枚重ね搬送が可能である場合には後処理の内容に基づいて算出される前記後処理装置での処理時間と、前記画像形成装置から出力される用紙間隔とを対比し、用紙間隔が処理時間よりも小さい場合に前記中間搬送手段における搬送形態を2枚重ね搬送として特定する一方、用紙間隔が処理時間よりも大きい場合に前記中間搬送手段における搬送形態を1枚ずつの搬送として特定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
用紙に画像形成を行って出力する画像形成装置に接続され、前記画像形成装置から出力される用紙に対して後処理を行う後処理装置であって、
用紙に対する後処理を行う後処理ユニットと、
前記画像形成装置から出力される用紙を前記後処理ユニットに搬送するように構成され、前記画像形成装置から連続して出力される2枚の用紙を重ねてから前記後処理ユニットに搬送可能な中間搬送ユニットと、
前記画像形成装置において画像形成に用いられる用紙の種類、前記画像形成装置から出力される用紙間隔、前記画像形成装置において画像形成が行われる際の印刷モード、および、前記後処理ユニットで行う後処理の内容のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、前記中間搬送ユニットでの用紙の2枚重ね搬送が可能か否かを判断し、用紙の2枚重ね搬送が可能である場合には前記中間搬送ユニットにおける搬送形態を2枚重ね搬送として特定する一方、用紙の2枚重ね搬送が可能でない場合には前記中間搬送ユニットにおける搬送形態を1枚ずつの搬送として特定する搬送形態判定手段と、
前記搬送形態判定手段によって特定された搬送形態に基づいて前記中間搬送ユニットにおける用紙の搬送を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする後処理装置。
【請求項8】
前記中間搬送ユニットは、前記画像形成装置から出力される用紙を前記後処理ユニットに搬送するための経路として、所定経路長の第1の経路と、前記第1の経路よりも経路長が長く前記後処理ユニットの近傍で前記第1の経路に合流する第2の経路とを有し、用紙の2枚重ね搬送を行う際には前記画像形成装置から連続して出力される2枚の用紙を前記第1の経路と前記第2の経路とに分けて搬送し、前記第1の経路にある用紙と前記第2の経路にある用紙とを前記後処理ユニットに対して同時に搬送することを特徴とする請求項7記載の後処理装置。
【請求項9】
前記画像形成装置は、画像形成された用紙を出力するための第1の排出口と、両面印刷時に用紙を反転させるために設けられた第2の排出口とを有しており、
前記中間搬送ユニットにおける前記第1の経路は、前記第1の排出口から出力される用紙のみを導入可能であり、前記第2の経路は、前記第1の排出口から出力される用紙を導入可能であると共に、前記第2の排出口から出力される用紙を導入して前記画像形成装置における用紙反転路の一部として機能することを特徴とする請求項8記載の後処理装置。
【請求項10】
前記中間搬送ユニットは、用紙の2枚重ね搬送を行う場合、前記画像形成装置から連続して出力される1枚目の用紙を前記第2の経路に搬送し、2枚目の用紙を前記第1の経路に搬送することを特徴とする請求項8又は9に記載の後処理装置。
【請求項11】
前記搬送形態判定手段は、印刷モードおよび用紙の種類に基づいて前記中間搬送ユニットでの用紙の2枚重ね搬送が可能か否かを判断し、用紙の2枚重ね搬送が可能である場合には後処理の内容に基づいて算出される前記後処理ユニットでの処理時間と、前記画像形成装置から出力される用紙間隔とを対比し、用紙間隔が処理時間よりも小さい場合に前記中間搬送ユニットにおける搬送形態を2枚重ね搬送として特定する一方、用紙間隔が処理時間よりも大きい場合に前記中間搬送ユニットにおける搬送形態を1枚ずつの搬送として特定することを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の後処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate