説明

画像形成システム及びその制御方法

【課題】本発明は、システム稼動中にシステム構成変更が行われても、ユーザの待ち時間を短縮することができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】各アクセサリ装置がエンジン1からのコンフィグレーションIDと通信回数を受信すると、自身のコンフィグレーションIDに応じて、自身のコンフィグレーション情報を他のアクセサリ装置に通知する。コンフィグレーション情報が通知された他のアクセサリ装置については、自身のコンフィグレーションIDを2で割ったものを自身の新IDとし、通信回数を減算して、通知されたコンフィグレーション情報と自身のコンフィグレーション情報を更に他のアクセサリ装置に通知する。残り通信回数が0になると、通知されたコンフィグレーション情報と自身のコンフィグレーション情報を纏めたコンフィグレーション情報がアクセサリ装置から画像形成装置に通知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム及びその制御方法に関し、特に、画像形成システムのコンフィグレーションを確認するための通信制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式の画像形成装置やインクジェット方式の印刷装置の高速化、高画質化に伴い、大量部数や大量のジョブを取り扱えるプリント・オン・デマンド(POD)と呼ばれる業態が存在している。PODでは、画像形成装置に製本機能や断裁機能を備えた後処理装置や画像形成装置に記録シートを供給する給紙装置などのアクセサリ装置を接続したオフィス環境で、オペレータの個別のニーズに対応した印刷処理及びその後処理が行われている。
【0003】
PODが実現される画像形成システムでは、メインの画像形成装置がアクセサリ装置毎に順番にコンフィグレーション(機器構成)に関する処理を実施している。その結果、アクセサリ装置の数が増加すると、コンフィグレーションに関する処理の実施に必要な時間が増えて、システム全体の起動時間やダウンタイムに影響するおそれがある。
【0004】
例えば、図14に示すような画像形成装置601にアクセサリ装置A〜Hが連結された画像形成システムがある。図示のシステムでは、電源投入時や装置全体に初期化指示が出された直後に、どのような増設ユニット(アクセサリ装置)が何台接続されているかを検出するために、画像形成装置601と各増設ユニット間で図示の順に通信が行われる(特許文献1参照)。この場合、増設ユニットの数が増えてくると、全ての装置との通信処理が終了するまでに待ち時間が発生する(図15参照)。
【0005】
そこで、待ち時間を短縮するために、画像形成装置が起動時に増設ユニットの接続状態を確認する代わりに、不揮発メモリに格納されたシステム情報により、画像形成システムの構成を確認する方法が提案されている(特許文献2参照)。これにより、基本構成部分のみの初期化動作で起動することによってシステムの起動時間を短縮することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−105521号公報
【特許文献2】特開2006−23611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
PODが多種少量生産に対応する必要があることから、上記従来の方法では、装置の連結する順番変更やオプショントレイの位置や有無等、ジョブに応じて最適な構成を構築するために頻繁に発生する構成変更に対応することができないという問題がある。
【0008】
また、電源投入時や初期化指示のたびにコンフィグレーションに関する処理を行うと待ち時間が増える。また、不揮発性メモリを利用した画像形成システムのコンフィグレーションを確認する方法では、システム稼動中の構成変更には対応できない。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、システム稼動中にシステム構成変更が行われても、ユーザの待ち時間を短縮することができる画像形成システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成システムは、画像形成装置と複数のアクセサリ装置とが互いに通信可能に連結された画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は、連結された全てのアクセサリ装置からノードIDを収集する収集手段と、前記収集されたノードIDに基づいて、各アクセサリ装置に対して奇数及び偶数のコンフィグレーションIDを交互に決定するとともにコンフィグレーションに必要な通信回数を決定する決定手段と、前記決定されたコンフィグレーションIDと通信回数を各アクセサリ装置に送信する送信手段とを備え、前記アクセサリ装置は、自身のコンフィグレーションIDが奇数か否かを判定する判定手段と、前記判定手段により奇数と判定された場合、自身のコンフィグレーションIDに1を加算したコンフィグレーションIDを有する他のアクセサリ装置があるか否かに応じて、前記他のアクセサリ装置に減算した通信回数と自身のコンフィグレーション情報を通知する第1の処理手段と、前記判定手段により奇数でないと判定され且つ前記第1の処理手段で前記コンフィグレーション情報が通知された場合または前記他のアクセサリ装置がない場合、自身のコンフィグレーションIDを2で割ったものを自身のコンフィグレーションIDとし、通信回数を減算した残り通信回数が0か否かに応じて、前記第1の処理手段で通知されたコンフィグレーション情報及び自身のコンフィグレーション情報を纏めたコンフィグレーション情報を前記画像形成装置に通知する第2の処理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、システム稼動中にシステム構成変更が行われても、ユーザの待ち時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係る画像形成システムの接続形態の一例を示す図である。
【図2】図1の画像形成システムを構成する各装置内の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】エンジン内のROMとRAMに格納されるソフトウェアの概略を示す図である。
【図4】エンジンにおける操作部の外観構成を示す図である。
【図5】システム構成情報の設定時に液晶表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図6】画像形成システムを構成する装置の使用可能状況画面の一例を示す図である。
【図7】エンジンで実行されるコンフィグレーション処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】エンジンを除く画像形成システムを構成する各装置で実行されるコンフィグレーション処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態におけるコンフィグレーション時の通信方法の一例を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態におけるコンフィグレーション時の通信方法の流れを示すチャートである。
【図11】(a)〜(c)はコンフィグレーション処理時に画像形成システムの装置間で通知される情報の一例を示す図である。
【図12】画像形成システムの各装置から他の装置へ送信されるコンフィグレーション情報の一例を示す図である。
【図13a】画像形成システムの各装置から他の装置へ送信されるコンフィグレーションまとめ情報の一例を示す図である(その1)。
【図13b】画像形成システムの各装置から他の装置へ送信されるコンフィグレーションまとめ情報の一例を示す図である(その2)。
【図14】従来の画像形成システムにおけるコンフィグレーション時の通信方法の一例を示す図である。
【図15】従来の画像形成システムにおけるコンフィグレーション時の通信方法の流れを示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1(a)及び図1(b)は、本発明の実施形態に係る画像形成システムの接続形態の一例を示す図である。
【0015】
本発明の実施形態に係る画像形成システムは、図示のように、記録シートを含む記録媒体(以下、「シート」という。)に画像形成を行う画像形成装置(以下、「エンジン」ともいう。)1と、複数のアクセサリ装置とが互いに通信可能に連結された構成を有する。
【0016】
図1(a)では、エンジン1を中心に、エンジン1の上流側(図の右側)には、エンジン1にシートを供給する給紙装置である給紙デッキ11,12,13が配置されている。一方、エンジン1の下流側(図の左側)には、エンジン1によって画像形成されたシートの間に表紙や合紙などのインサート紙を挿入する給紙或いは後処理装置としてインサータ21,22が配置されている。
【0017】
更に、インサータ22の下流側(図の左側)には、エンジン1及びインサータ21,22から搬送されたシートにパンチ穴を開ける後処理装置としてパンチャ31が配置されている。そして、パンチ穴が開けられたシートを積載するスタッカ51,52、ステイプルやソート等の後処理を行うフィニッシャ2が配置されている。
【0018】
画像形成システムを構成するエンジン1、給紙デッキ11〜13、インサータ21,22、パンチャ31、スタッカ51,52、及びフィニッシャ2は、例えば、LANケーブルなどのネットワークケーブル101を介して互いに接続されている。それぞれの装置には、ネットワーク101上において識別が可能な識別子であるネットワークIDが設定されている。また、各装置は、Arcnet(登録商標)などの通信方式により通信が可能である。なお、本実施の形態では、通信方式としてArcnet(登録商標)を挙げたが、これに限定されるものではなく、他の通信回線を利用した通信プロトコルによるものであってもよい。
【0019】
画像形成処理に関するコマンドの通信は、自装置(例えば、インサータ22)に対する上流側の装置(インサータ21)及び下流側の装置(パンチャ31)とエンジン1のみが可能である。また、識別子の検索、ステータス等に関する情報は送信元(例えば、エンジン1)の識別子によらず受け付けることが可能である。
【0020】
ネットワーク101には、ホストコンピュータ等の情報処理装置200が接続されている。
【0021】
図1(b)に示す画像形成システムは、当該システムを構成する装置の並び順の変更及び新しい装置を追加、除去することにより構成される画像形成システムの接続形態例を示す図である。
【0022】
図1(a)に示した画像形成システムの接続形態に対して、図1(b)に示す画像形成システムは、エンジン1の上流側(図の右側)に、給紙デッキ14が追加されている点が相違する。更に、図1(b)では、エンジン1の下流側(図の左側)にあったパンチャ31、スタッカ52が取り外されている。
【0023】
図2は、図1の画像形成システムを構成する各装置内の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
図2において、301は、エンジン1の基本制御を行うCPUである。306は、後述する制御プログラム350やアプリケーションプログラム353(図3参照)が書き込まれたROMである。305は、制御プログラムの処理を実行するためのワークエリアとして機能するRAMである。RAM305の一部の領域は、エンジン1の電源がOFFされてもデータが消去されないバックアップRAMとなっている。
【0025】
入出力ポート304は、アドレスバス、データバスと接続されており、エンジン1のCPU301が制御するモータ、クラッチ等の各種負荷装置に対する制御信号の出力や、シートの位置を検知するセンサ等のセンサ信号の入力が可能である。CPU301は、ROM306に格納されている制御プログラムの内容に従って、入出力ポート304を介して、モータ、クラッチ等の各種負荷装置に対する制御を行い、画像形成処理の実行を司ることが可能である。
【0026】
また、CPU301は、操作部303と接続されており、操作部303における表示制御や、キー入力を制御する。ユーザは操作部303におけるキー入力を通して、エンジン1の動作モードや、操作部303における表示の切り替えをCPU301に指示することができる。また、CPU301は、操作部303の表示部に対して、エンジン1の動作状態や、キー入力によって設定された動作モードの表示を行うように表示制御することが可能である。
【0027】
ユーザは、操作部303におけるキー入力に代わり、情報処理装置200から、エンジン1の動作モード等を設定することが可能である。情報処理装置200における設定に基づいて、CPU301は、画像形成処理の実行、後述するコンフィグレーション処理の実行を制御する。
【0028】
さらに、CPU301には、電気信号に変換された画像信号を処理する画像処理部308と、処理された画像を蓄積する画像メモリ部302とが接続されている。307は、CPU301がネットワーク101上のアクセサリ装置2200(以下、「ネットワーク上の装置」という)との間で通信するための通信インタフェース(I/F)である。CPU301は、エンジン1の通信I/F307とネットワーク上の装置側の通信I/F2204を介してネットワーク上の装置のCPU2201と通信することが可能である。CPU301は、ネットワーク上の各装置に対して、装置の識別情報(ノードID)を要求する信号を送出すると、この要求を受けて、ネットワーク上の各装置は、自装置内のROM2202に格納されているノードID(第1の識別情報)を送信する。これにより、CPU301は、ネットワーク上の装置に関するノードIDを取得することができる。
【0029】
図2において、2201は、ネットワーク上の装置の基本制御を行うCPUである。2202は、制御プログラム及び装置のノードIDが書き込まれたROMである。2203は、制御プログラムの処理を実行するためのワークエリアとして機能するRAMである。
【0030】
入出力ポート2205は、アドレスバス、データバスと接続されており、ネットワーク上の装置が制御するモータ、クラッチ等の各種負荷装置に対する制御信号の出力や、シートの位置を検知するセンサ等のセンサ信号の入力が可能である。CPU2201は、入出力ポート2205を介して、モータ、クラッチ等の各種負荷装置に対する制御を行う。これにより、エンジン1からのコマンドに対応した制御(例えば、パンチャ31の場合は穴あけ、フィニッシャ2の場合は、所定の後処理等を実行するための制御)を司ることができる。
【0031】
図3は、エンジン1内のROM306とRAM305に格納されるソフトウェアの概略を示す図である。なお、ソフトウェアの格納は、ROM306に限定されるものではなく、例えば、不揮発性のメモリをエンジン1内に別途設けてもよく、また、ハードディスクドライブなど2次記憶装置をエンジン1内に設けて、係るプログラムを格納するようにしてもよい。ROM306に格納されているソフトウェアには、CPU301の制御の下に実行可能な制御プログラム350と、アプリケーションプログラム353が含まれている。
【0032】
制御プログラム350には、エンジン1内のモータ等の各種負荷装置に対する制御を実行する負荷制御プログラム352と、システム構成管理に関する操作部303の表示及び入力を制御するためのユーザインタフェース制御プログラム351が含まれる。アプリケーションプログラム353には、画像形成システムを構成する装置の種類や配置順、画像形成システムの確定等に関する処理を実行するためのシステム構成管理アプリケーションプログラム354が含まれる。
【0033】
CPU301の制御の下、システム構成管理アプリケーションプログラム354は、ネットワーク上の各装置に対するノードIDの収集に関する要求の生成、送信、ネットワーク上の各装置から送信されてきたノードIDの受信及び管理に関する処理を実行する。また、システム構成管理アプリケーションプログラム354は、ネットワーク上の各装置から送信されてきたノードIDの受信結果に基づいて、例えば、図1(a)に示すように初期状態として構成される画像形成システムの登録を行うことができる。
【0034】
システム構成管理アプリケーションプログラム354は、装置の並び順を規定するための特別な専用線等を設けることなく、画像形成システムの構成が変更されたときは、その構成をシステム動作が可能なシステムとして、再度登録内容を変更することができる。これによって、画像形成システムを構成する装置の並び順をフレキシブルに入れ替えすることが可能になる。なお、システム構成管理アプリケーションプログラム354は、アプリケーションプログラムとしてではなく、制御プログラム350の一部として、その機能を実現するソフトウェアとして提供しても同様の効果が得られる。
【0035】
RAM305は、システム構成管理アプリケーションプログラム354の実行によるノードIDの受信結果及びその管理の結果を格納するシステム構成管理テーブル355を備える。システム構成管理テーブル355は、画像形成システムの設置時のエンジン1や各装置のノードIDと該ノードIDに対応する装置の並び順の設定情報とを組み合わせた情報(システム構成情報)を初期状態のシステム構成情報として格納することが可能である。
【0036】
システム構成管理アプリケーションプログラム354は、ネットワーク上の装置の配置変更に従い、システム構成情報における装置の並び順の設定情報を変更することも可能である。ユーザインタフェース制御プログラム351は、CPU301の制御の下、システム構成管理テーブル355にアクセスして、画像形成システムを構成する装置の種類や配置の順番などの情報を操作部303に表示させる。また、ユーザの操作入力に従って、システム構成の変更結果をシステム構成管理テーブル355に格納する。なお、システム構成管理テーブル355は、RAM305内に限定されるものではなく、例えば、不揮発性のメモリを別途設けてもよく、ハードディスクドライブなど2次記憶装置をエンジン1内に係るシステム構成管理テーブル355を設けてもよい。
【0037】
エンジン1は、ネットワーク上の装置と通信I/F307を介して通信し、画像形成を行うためのシステムを確定する。すなわち、エンジン1は、システム構成情報をRAM305等に登録するシステム構成登録部(不図示)を備える。また、エンジン1は、システム構成情報に基づいて、ノードIDに対応する装置が使用可能か否か判定する判定部(不図示)と、判定部の判定結果に基づいて、画像形成を行うためのシステムを確定する確定部(不図示)とを備える。ここで、システム構成管理アプリケーションプログラム354は、CPU301の制御の下、エンジン1を構成するシステム構成登録部、判定部、確定部として機能することが可能である。また、エンジン1は、判定部の判定結果を操作部303に表示させるための表示制御部(不図示)を備える。ユーザインタフェース制御プログラム351は、CPU301の制御の下、表示制御部として機能することが可能である。
【0038】
図4は、エンジン1における操作部303の外観構成を示す図である。
【0039】
操作部303には、画像形成動作を開始するためのスタートキー401、画像形成動作を中断するためのストップキー402、表示や設定を初期状態に戻すリセットキー403、置数設定等を行うテンキー404〜413が配置されている。さらに、IDキー414、クリアキー415、ユーザモードキー416などが配置されている。また、操作部303の上部にはタッチパネルが形成された液晶表示部420が配置されており、液晶表示画面上にソフトキーを設けることが可能になっている。通常、液晶表示部420には、図示の標準画面が表示されている。
【0040】
ユーザは、かかる画面を介して、画像形成に関する操作設定を行うことが可能である。本画像形成システムでは、プリント枚数、変倍、片面/両面モード、用紙給紙段の選択、ノンソート、ソート、ステイプルソート(綴じモード)などの後処理モード、その他の応用モードの設定などは操作部303からの入力操作により行うことが可能である。この操作部303から入力された情報に基づいて、CPU301の制御の下、上述の制御プログラム350が実行されて、エンジン1を制御することが可能になる。
【0041】
また、画像形成システムの装置構成を示すシステム構成情報の設定も、操作部303からの操作により設定することが可能である。ただし、この設定は一般ユーザに開放するものではなく、例えば、エンジン1または画像形成システムを保守するサービスマンなどの限定されたオペレータが操作することができるように限定することが好ましい。この場合、ユーザインタフェース制御プログラム351は、オペレータの操作に対する認証を行い、認証の結果、操作が許可されたオペレータにシステム構成情報の設定を許可することができる。
【0042】
図5は、システム構成情報の設定時に液晶表示部420に表示される画面の一例を示す図である。図示の表示例は、図1(a)に示す画像形成システムに関するものである。
【0043】
907〜909は、エンジン1のノードIDを示す表示である。画面の左側には、エンジン1の上流側に連結接続された全ての装置の配置順とノードIDと装置の種類が表示されている。上流901は、装置の配置順を示すものであり、エンジン1から遠くなるに従って、−1,−2,−3,・・・と表示される。ノードID908は、装置に設定されているノードIDを示す。種類903は各装置の種類である。
【0044】
一方、画面の右側には、エンジン1の下流側に連結接続された全ての装置の配置順とノードIDと装置の種類が表示されている。下流904は装置の配置順を示すものであり、エンジン1から遠くなるに従って、1,2,3,・・・と表示される。ノードID905は、装置に設定されているノードIDを示す。種類906は各装置の種類である。910は、OKボタンである。911,912は設定画面の切替ボタンである。図5に示す画面を用いて、ユーザは接続したいアクセサリを設定することが出来る。ユーザによる設定により、エンジン1は接続されているアクセサリの台数、種類を知ることが可能になる。
【0045】
図6は、画像形成システムを構成する装置の使用可能状況画面の一例を示す図である。
【0046】
エンジン1は、連結された複数のアクセサリ装置と通信を行い、使用状態を確認することができる。その結果は、例えば、図6に示すように、操作部303の液晶表示部420に表示される。図示例では、一部のアクセサリ装置の電源がOFF状態にあることを知らせるウィンドウ1201が表示されている。ここでは、コンフィグレーション処理が行われる前に、電源がOFFになっている装置があることをユーザに通知している。電源ONなどの操作が行われ、問題が解消された場合、例えば、ユーザがOKボタン1202をタッチすると、次の処理動作に移る。
【0047】
図7は、エンジン1(画像形成装置)で実行されるコンフィグレーション処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
まず、ステップS101では、エンジン1(のCPU301)は、エンジン1に連結された全てのアクセサリ装置からノードIDを、ネットワーク101を介して収集する。ステップS101が収集手段の一例である。
【0049】
次に、ステップS102では、エンジン1は、収集したノードIDの数に基づいて、各アクセサリ装置に対するコンフィグレーションIDを決定する。各アクセサリ装置に対して順次コンフィグレーションIDを決定する際、コンフィグレーションIDは例えば1,2,3,・・・というように奇数のIDを初期値として1ずつ増加させながら付与していく。但し、これに限られるものではなく、各アクセサリ装置に対して奇数のIDを初期値として奇数及び偶数のコンフィグレーションIDを交互に決定すればよい。
【0050】
さらに、ステップS102では、エンジン1は、収集したノードIDの数により判明した複数のアクセサリ装置の台数に基づいて、コンフィグレーションに必要な通信回数を決定する。ステップS102が決定手段の一例である。コンフィグレーションに必要な通信は、トーナメント方式により行うことから、次式を満たす最小の通信回数が求められる。
【0051】
[数1]
アクセサリ装置の台数≦2通信回数
【0052】
次に、ステップS103では、エンジン1は、全てのアクセサリ装置に対して、コンフィグレーション開始通知を送信する。ステップS103が送信手段の一例である。コンフィグレーション開始通知の概要を図11(c)に示す。コンフィグレーション開始通知には、コマンドID、送信先装置ID、送信元装置シリアルID、装置種類ID、コンフィグレーションID、及び通信回数が含まれる。
【0053】
ステップS104では、エンジン1は、所定のアクセサリ装置から、複数のアクセサリ装置の全てを纏めたコンフィグレーション情報の通知待ちを行い、通知がなされれば、本処理を終了する。コンフィグレーション情報は、図12,図13a,図13bに示すように、各アクセサリ装置のコマンドIDやネットワークID、装置種類や機能等を示す。
【0054】
図8は、各アクセサリ装置で実行されるコンフィグレーション処理の一例を示すフローチャートである。
【0055】
まず、ステップS201では、アクセサリ装置(のCPU2201)は、コンフィグレーション開始通知を受信したか否かを判定する。受信したときは、ステップS202へ進む。ステップS202では、CPU2201は、自身(自装置)のコンフィグレーションIDが奇数か否かを判定し、奇数であればステップS203へ進む一方、偶数であればステップS204へ進む。ステップS202は判定手段の一例である。
【0056】
ステップS203では、CPU2201は、通信回数(または残り通信回数)が同じで、自身のコンフィグレーションIDに1を加算したコンフィグレーションIDを有する他のアクセサリ装置があるか否か判定する。当該装置があるときはステップS205へ進む一方、当該装置がないときはステップS206へ進む。
【0057】
ステップS205では、CPU2201は、該当する装置に、図12に示すコンフィグレーション情報2010、図13a及び図13bに示すコンフィグレーション情報2020を通知する。さらに、ステップS205では、CPU2201は、通信回数(または残り通信回数)を減算(例えば、通信回数−1)して、本処理を終了する。ステップS202,S203,S205は第1の処理手段の一例である。
【0058】
ステップS204では、CPU2201は、コンフィグレーション情報2010,2020の通知受信待ちを行う。コンフィグレーション情報2010,2020の通知を受信したときは、ステップS206へ進む。
【0059】
ステップS206では、CPU2201は、自身のコンフィグレーションIDを2で除算(小数点は繰り上げ)し、その算出結果を自身のコンフィグレーションIDとする。そして、自身が持っている残り通信回数(または通信回数)を減算(例えば、通信回数−1)し、ステップS207へ進む。
【0060】
ステップS207では、CPU2201は、自身の残り通信回数が0か否かを判定し、0であればステップS208へ進む一方、0でなければステップS202へ戻る。このように、ステップS202〜S207を通信回数に基づく回数を繰り返すことにより、全アクセサリ装置のコンフィグレーション情報が1つのアクセサリ装置に集まる。
【0061】
次に、ステップS208では、CPU2201は、集まった全装置のコンフィグレーション情報をエンジン1に通知して、本処理を終了する。ステップS204,S206,S207,S208は第2の処理手段の一例である。
【0062】
図10と図15は、画像形成装置と給紙装置、或いは後処理装置8台がコンフィグレーションを行う際の経過時間である。図15は従来の通信方式である。画像形成装置(本体)と、給紙装置、或いは後処理装置(ACC1〜8)とが、一台ずつ、シリアルにコンフィグレーションを行っている。よって、通信時間は8回分必要である。
【0063】
図10は、本発明の通信方式である。本方式では、まず全体の装置情報収集を行う。図10で円が描かれている部分がこれに該当する。最初の装置情報収集で通信2回分である。あとは、台数が分かれば、トーナメント方式で通信を行うため、残りの通信は4回分で済んでいる。最初の2回と合わせて6回分の通信時間で、8台の給紙装置もしくは後処理装置とのコンフィグレーションを行っている。
【0064】
図9は、図10を用いて説明した、本発明の通信方式を用いた際の装置間通信のイメージ図である。トーナメント方式であるため、8台の給紙装置、もしくは後処理装置で行うコンフィグレーションが、1、2、3、4の4回で終了している。
【0065】
図11、図12、図13a、図13bは、各装置が電源スイッチを入れられた後、初期化動作時、すなわち電源ON時のコンフィギュレーション通信のパラメータの一例を説明する図である。
【0066】
2001に示すデータ構造は、電源ON時にアクセサリ装置を制御する制御部が、ネットワークに接続されている全てのアクセサリ装置に対して送信する、ネットワークに参加したことを他の装置に知らせるためのデータである。この時点ではネットワークに接続されているほかの装置の有無もわからないので、送信先は不定のIDである“00”を、装置種類IDをデータとして設定する。
【0067】
2002に示すデータ構造は、画像形成装置が、新たにネットワークに接続されたアクセサリ装置をデータ2001により認識した後、新たにネットワークに接続されたアクセサリ装置に対して送信する、ネットワークへの参加了解を知らせるためのデータである。
【0068】
2003に示すデータ構造は、画像形成装置が、コンフィグレーション処理を開始する際に、各アクセサリ装置へ送信するデータである。2010に示すデータ構造は、アクセサリ装置、又は画像形成装置が、アクセサリ装置、に対して送信する、各装置のコンフィギュレーション情報データを要求するためのデータである。2020に示すデータ構造は、アクセサリ装置がアクセサリ装置、又は画像形成装置に対して送信する、コンフィギュレーション情報データを通知するためのデータである。
【0069】
上記実施の形態によれば、画像形成システムを構成する給紙装置や後処理装置がコンフィグレーションに関する処理を所定の順序で次々と行い、最終的に画像形成装置に送信する制御を実行する。これにより、システム稼動中にシステム構成変更が行われても、ユーザの待ち時間を短縮することができる。
【0070】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0071】
1 エンジン(画像形成装置)
2 フィニッシャ
11〜14 給紙デッキ
21,22 インサータ
51,52 スタッカ
101 ネットワーク
200 情報処理装置
301,2201 CPU
303 操作部
305,2203 RAM
306,2202 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と複数のアクセサリ装置とが互いに通信可能に連結された画像形成システムにおいて、
前記画像形成装置は、
連結された全てのアクセサリ装置からノードIDを収集する収集手段と、
前記収集されたノードIDに基づいて、各アクセサリ装置に対して奇数及び偶数のコンフィグレーションIDを交互に決定するとともにコンフィグレーションに必要な通信回数を決定する決定手段と、
前記決定されたコンフィグレーションIDと通信回数を各アクセサリ装置に送信する送信手段とを備え、
前記アクセサリ装置は、
自身のコンフィグレーションIDが奇数か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により奇数と判定された場合、自身のコンフィグレーションIDに1を加算したコンフィグレーションIDを有する他のアクセサリ装置があるか否かに応じて、前記他のアクセサリ装置に減算した通信回数と自身のコンフィグレーション情報を通知する第1の処理手段と、
前記判定手段により奇数でないと判定され且つ前記第1の処理手段で前記コンフィグレーション情報が通知された場合または前記他のアクセサリ装置がない場合、自身のコンフィグレーションIDを2で割ったものを自身のコンフィグレーションIDとし、通信回数を減算した残り通信回数が0か否かに応じて、前記第1の処理手段で通知されたコンフィグレーション情報及び自身のコンフィグレーション情報を纏めたコンフィグレーション情報を前記画像形成装置に通知する第2の処理手段とを備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記第1の処理手段は、前記他のアクセサリ装置がある場合、前記他のアクセサリ装置に減算した通信回数と自身のコンフィグレーション情報を通知することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記第2の処理手段は、前記残り通信回数が0となった場合に、前記第1の処理手段で通知されたコンフィグレーション情報及び自身のコンフィグレーション情報を纏めたコンフィグレーション情報を前記画像形成装置に通知することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記残り通信回数が0になっていない場合、前記判定手段による判定を行った後に、前記第1の処理手段による処理または前記第2の処理手段による処理が繰り返されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項の記載の画像形成システム。
【請求項5】
画像形成装置と複数のアクセサリ装置とが互いに通信可能に連結された画像形成システムの制御方法において、
連結された全てのアクセサリ装置からノードIDを前記画像形成装置が収集するための収集工程と、
前記収集されたノードIDに基づいて、各アクセサリ装置に対して奇数及び偶数のコンフィグレーションIDを交互に決定するとともにコンフィグレーションに必要な通信回数を前記画像形成装置が決定するための決定工程と、
前記決定されたコンフィグレーションIDと通信回数を前記画像形成装置から各アクセサリ装置に送信するための送信工程と、
自身のコンフィグレーションIDが奇数か否かを前記アクセサリ装置が判定するための判定工程と、
前記判定工程にて奇数と判定された場合、自身のコンフィグレーションIDに1を加算したコンフィグレーションIDを有する他のアクセサリ装置があるか否かに応じて、前記他のアクセサリ装置に減算した通信回数と自身のコンフィグレーション情報を通知する前記アクセサリ装置のための第1の処理工程と、
前記判定工程にて奇数でないと判定され且つ前記第1の処理工程で前記コンフィグレーション情報が通知された場合または前記他のアクセサリ装置がない場合、自身のコンフィグレーションIDを2で割ったものを自身のコンフィグレーションIDとし、通信回数を減算した残り通信回数が0か否かに応じて、前記第1の処理工程で通知されたコンフィグレーション情報及び自身のコンフィグレーション情報を纏めたコンフィグレーション情報を前記画像形成装置に通知する前記アクセサリ装置のための第2の処理工程とを備えることを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−51244(P2011−51244A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202411(P2009−202411)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】