説明

画像形成システム

【課題】シート後処理装置における紙詰まり除去処理を効率よく行うことができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】シート後処理装置500のCPU540は、自身の紙詰まり除去処理の可否を判断し、自身の紙詰まり除去処理が終了したことを画像形成装置100のCPU201に通知する。画像形成装置100のCPU201は、シート後処理装置500から通知される紙詰まり除去処理終了情報に基づいてシート後処理装置500に紙詰まり除去処理解除指示を行う。つまり、シート後処理装置500は、紙詰まり除去処理を行わなくてもよい場合は、何もしないで、紙詰まり除去処理が終了したことを画像形成装置100に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置と、画像形成装置から排紙されるシートに対してソート、ステイプル等の後処理を行うシート後処理装置とからなる画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ソート、ステイプル等の後処理を行うシート後処理装置において、紙詰まり(ジャム)などの異常が発生した場合には、シート後処理装置自身が装置の状態を判断し、それを画像形成装置に通知することで、画像形成装置が画像形成システム全体の状態を管理していた。
【0003】
また、紙詰まりの解除を行う場合には、例えば、特許文献1に示すように、シート後処理装置は自身のセンサ情報とカバーの開閉検知を行って、紙詰まりが解除されたことを検知し、画像形成装置に通知していた。そして、画像形成装置はシート後処理装置からの紙詰まり解除情報と、自身の状態から画像形成システム全体の紙詰まり解除を判断していた。
【特許文献1】特開2000−153955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、画像形成装置の小型化が進むとともに、従来比較的大きな画像形成装置にのみ接続されていたシート後処理装置を、デスクトッププリンタ等の比較的小型の画像形成装置にも接続するようになってきている。
【0005】
小型の画像形成装置に接続する小型・低コストのシート後処理装置を製品化する場合、シートの搬送パスが短いため、操作者が内部にアクセスするためのカバーを持たない構成を考えることもできる。
【0006】
しかしながら、このようにカバーを持たない構成のシート後処理装置で紙詰まりが発生した場合に、カバーを開閉させることをトリガとして紙詰まりが解除されたことを判断することはできない。
【0007】
本発明の目的は、シート後処理装置における紙詰まり除去処理を効率よく行うことができる画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成システムは、画像形成装置とシート後処理装置とを接続した画像形成システムにおいて、前記シート後処理装置は、搬送されたシートを検知する第1のシート検知手段と、前記第1のシート検知手段の出力に基づいてシートの紙詰まりを検知すると、前記シート後処理装置の状態を紙詰まり状態に設定し、前記画像形成装置へ紙詰まりの発生を通知し、紙詰まり発生後前記第1のシート検知手段の出力に基づいて前記画像形成装置へシートの除去を通知する第1の制御手段と、前記画像形成装置は、シートを検知する第2のシート検知手段と、前記シート後処理装置から紙詰まりの発生を受信した後、前記第2のシート検知手段がシートを検知している場合、前記第2のシート検知手段がシートを検知しなくなった後に、前記シート後処理装置へ前記シート後処理装置の紙詰まりの解除を通知する第2の制御手段とを有し、前記第1の制御手段は、前記第2の制御手段から紙詰まり状態の解除を受信したことに応じて前記シート後処理装置の状態を紙詰まりが解除された状態に設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シート後処理装置は、搬送されたシートを検知する第1のシート検知手段と、第1の制御手段とを有する。
【0010】
第1の制御手段は、第1のシート検知手段の出力に基づいてシートの紙詰まりを検知すると、シート後処理装置の状態を紙詰まり状態に設定する。そして、画像形成装置へ紙詰まりの発生を通知し、紙詰まり発生後、第1のシート検知手段の出力に基づいて画像形成装置へシートの除去を通知する。
【0011】
画像形成装置は、シートを検知する第2のシート検知手段と、第2の制御手段とを有する。
【0012】
第2の制御手段は、シート後処理装置から紙詰まりの発生を受信した後、第2のシート検知手段がシートを検知している場合、第2のシート検知手段がシートを検知しなくなった後に、シート後処理装置へシート後処理装置の紙詰まりの解除を通知する。第1の制御手段は、第2の制御手段から紙詰まり状態の解除を受信したことに応じてシート後処理装置の状態を紙詰まりが解除された状態に設定する。
【0013】
つまり、シート後処理装置は、紙詰まり除去処理を行わなくてもよい場合は、何もしないで、紙詰まり除去処理が終了したことを画像形成装置に通知する。従って、シート後処理装置における紙詰まり除去処理を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムのうち画像形成装置の構成を概略的に示す図である。
【0016】
図1において、画像形成装置(フルカラープリンタ)100は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Y、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1M、シアン色の画像を形成する画像形成部1C及びブラック色の画像を形成する画像形成部1BKを備える。この4つの画像形成部(画像形成ユニット)1Y,1M,1C,1BKは一定の間隔において一列に配置される。
【0017】
各画像形成部1Y,1M,1C,1BKには、それぞれ像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)2a,2b,2c,2dが設置されている。各感光ドラム2a,2b,2c,2dの周囲には、一次帯電器3a,3b,3C,3d、現像装置4a,4b,4C,4d、転写手段としての転写ローラ5a,5b,5C,5d、ドラムクリーナ装置6a、6b、6C、6dがそれぞれ配置されている。また、画像形成部1Y,1M,1C,1BKの下方には、露光装置7が設置されている。
【0018】
各現像装置4a,4b,4C,4dには、それぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーが収納されている。
【0019】
各感光ドラム2a,2b,2c,2dは、負帯電のOPC感光体でアルミニウム製のドラム基体上に光導電層を有しており、駆動装置(不図示)によって図1における時計回り方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0020】
一次帯電手段としての一次帯電器3a,3b,3C,3dは、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって各感光ドラム2a,2b,2c,2dの表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。
【0021】
現像装置4a,4b,4C,4dは、トナーを内蔵し、それぞれ各感光ドラム2a,2b,2c,2d上に形成される各静電潜像に各色のトナーを付着させてトナー像として現像(可視像化)する。
【0022】
一次転写手段としての転写ローラ5a,5b,5C,5dは、各一次転写部9a〜9dにて中間転写ベルト8を介して各感光ドラム2a,2b,2c,2dに当接可能に配置されている。
【0023】
ドラムクリーナ装置6a、6b、6C、6dは、感光ドラム2上で一次転写時の残留した転写残トナーを、該感光ドラム2から除去するためのクリーニングブレード等を有している。
【0024】
中間転写ベルト8は、各感光ドラム2a,2b,2c,2dの上面側に配置されて、二次転写対向ローラ10とテンションローラ11間に張架されている。二次転写対向ローラ10は、二次転写部13において、中間転写ベルト8を介して二次転写ローラ12と当接可能に配置されている。この中間転写ベルト8は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等のような誘電体樹脂によって構成されている。
【0025】
また、この中間転写ベルト8は、感光ドラム2a,2b,2c,2dとの対向面側に形成された一次転写面(下部平面8a)を、二次転写ローラ12側を下方にして傾斜配置してある。
【0026】
すなわち、中間転写ベルト8は、感光ドラム2a,2b,2c,2dの上面に移動可能に対向配置されて、該感光ドラム2との対向面側に形成された一次転写面、すなわち下部平面8aは、二次転写部13側が下方となるように傾斜配置されている。具体的には、この傾斜角度は約15度に設定されている。
【0027】
また、二次転写部13よりもシートPの搬送方向の下流側には、定着ローラ14aと加圧ローラ14bを有する定着装置14が縦パス構成で設置されている。
【0028】
露光装置7は、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザ発光手段、ポリゴンレンズ、反射ミラー等で構成される。各感光ドラム2a、2b、2c、2dに露光をすることによって、各一次帯電器3a,3b,3C,3dで帯電された各感光ドラム2a,2b,2c,2dの表面に画像情報に応じた各色の静電潜像が形成される。レーザ発光手段は、レーザの出力電流を切り替えることにより、レーザパワーを15段階に変更可能である。フルカラープリンタ筐体の底部には、給紙カセット15が設けてある。
【0029】
次に、上記の画像形成装置100による画像形成動作について説明する。
【0030】
画像形成開始信号が発せられると、所定のプロセススピードで回転駆動される各画像形成部1Y,1M,1C,1BKの各感光ドラム2a,2b,2c,2dは、それぞれ一次帯電器3a,3b,3C,3dによって一様に負極性に帯電される。そして、露光装置7は、外部から入力されるカラー色分解された画像信号に基づいてレーザ発光素子からレーザ光を照射する。このレーザ光は、ポリゴンレンズ、反射ミラー等を経由し各感光ドラム2a,2b,2c,2d上に各色の静電潜像を形成させる。
【0031】
そして、まず感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、感光ドラム2aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aにより、イエローのトナーが付着されてトナー像として可視像化される。
【0032】
このイエローのトナー像は、感光ドラム2aと転写ローラ5aとの間の一次転写部9aにて、一次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ5aにより、駆動されている中間転写ベルト8上に一次転写される。
【0033】
イエローのトナー像が転写された中間転写ベルト8は、画像形成部1M側に移動される。そして、画像形成部1Mにおいても、前記と同様にして、感光ドラム2bに形成されたマゼンタのトナー像が、中間転写ベルト8上のイエローのトナー像上に重ね合わせて、一次転写部32bにて転写される。
【0034】
この時、各感光ドラム2上に残留した転写残トナーは、ドラムクリーナ装置6a、6b、6c、6dに設けられたクリーナブレード等により掻き落とされ、回収される。
【0035】
以下、同様にして、中間転写ベルト8上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に画像形成部1C,1BKの感光ドラム2c,2dで形成されたシアン、ブラックのトナー像が各一次転写部9c,9dにて順次重ね合わせられて、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト8上に形成される。
【0036】
そして、中間転写ベルト8上のフルカラーのトナー像先端が、二次転写対向ローラ10と二次転写ローラ12間の二次転写部13に移動される。このタイミングに合わせて、給紙カセット15または手差しトレイ16から搬送パス17を通して給紙されるシート(用紙)Pが、レジストローラ18により二次転写部13に搬送される。
【0037】
二次転写部13に搬送されたシートPに、二次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された二次転写ローラ12により、フルカラーのトナー像が一括して二次転写される。
【0038】
フルカラーのトナー像が形成されたシートPは、定着装置14に搬送されて、定着ローラ14aと加圧ローラ14bとの間の定着ニップ部19でフルカラーのトナー像が加熱、加圧されてシートPの表面に熱定着される。
【0039】
熱定着後に、シートPは、排紙ローラ20によって本体上面の排紙トレイ22上に排紙されて、一連の画像形成動作を終了する。なお、中間転写ベルト8上に残った二次転写残トナー等は、図示を省略したベルトクリーニング装置によって除去されて回収される。
【0040】
以上が片面画像形成時の画像形成動作である。
【0041】
次に、両面画像形成動作について説明する。
【0042】
排紙ローラ21によって本体上面の排紙トレイ22上にシートPの大部分が排紙された状態で、排紙ローラ21の回転が停止される。その際、排紙ローラ21は、シートPの後端位置が反転可能位置23に到達しているように停止する。
【0043】
続いて、排紙ローラ21の回転を停止させたことで搬送が停止されたシートPを、両面ローラ24,25を備えた両面パス26へと送り込むべく、排紙ローラ21は通常回転とは逆回転される。排紙ローラ21が逆回転されることにより、反転可能位置23に位置していたシートPはその後端側を先端側とし(スイッチバックして)、両面ローラ24に到達する。
【0044】
その後、両面ローラ24によりシートPは両面ローラ25へと搬送され、両面ローラ24,25によりレジストローラ18に向かってシートPを順次搬送されていく。その間画像形成開始信号が発生され、上記の片面画像形成時と同様のタイミングで、レジストローラ18により二次転写部13へとシートPが移動される。
【0045】
二次転写部13にてトナー像先端とシートPの先端とが一致して、トナー像が転写され、これ以降は、片面画像形成動作と同様に、シートPは、定着装置14を通過して最終的に排紙トレイ22上に排紙されて、一連の画像形成動作が終了する。
【0046】
図2は、図1の画像形成装置における制御ブロックを概略的に示す図である。
【0047】
図2において、画像形成装置100は、CPU201、画像メモリ部202、外部I/F処理部203、画像形成部204、入出力ポート205、操作部206を備える。
【0048】
全体の基本制御を行うCPU201には、制御プログラムが書き込まれたROM207、処理を行うためのワークRAM208及び入出力ポート205がアドレスバス、データバスにより接続されている。
【0049】
入出力ポート205には、モータ、クラッチ等の各種負荷(不図示)や、シートの位置を検知するセンサ等が接続されている。CPU201は、ROM207の内容に従って入出力ポート205を介して順次入出力の制御を行い、画像形成動作を実行する。
【0050】
CPU201には、画像を伸張処理や一時的に蓄積処理などをする画像メモリ部202、PCなど外部機器からの画像データ・処理データなどを送受信する外部I/F処理部203が接続されている。また、CPU201には、画像メモリ部202から転送されたライン画像データを露光装置7に露光させるべく処理が行われる画像形成部204が接続されている。
【0051】
また、CPU201には、操作部206が接続されており、CPU201は操作部206の表示器(表示手段)、操作キー(キー入力手段)を制御する。操作者はキー入力手段を通して、画像形成動作モードや、表示の切り替えをCPU201に指示し、CPU201は画像形成装置100の状態や、キー入力による動作モード設定の表示を行う。
【0052】
図3は、図2における画像メモリ部202の制御ブロックを概略的に示す図である。
【0053】
図3において、画像メモリ部202は、ページメモリ301、メモリコントローラ302、圧縮データ伸張処理部303を備える。
【0054】
画像メモリ部202は、DRAM等のメモリで構成されるページメモリ301に、メモリコントローラ302を介して外部I/F処理部203から受け取った画像データを書き込み、画像形成部204への画像読み出しなど画像の入出力のアクセスを行う。
【0055】
メモリコントローラ302は、外部I/F処理部203から受け取った外部機器からの画像データが圧縮データであるか否かの判断を行い、圧縮データであると判断された場合、圧縮データ伸張処理部303に伸張処理を行わせる。そしてその後、メモリコントローラ302は伸張された画像データをページメモリ301へ書き込む処理を行う。
【0056】
メモリコントローラ302は、ページメモリ301のDRAMリフレッシュ信号の発生を行い、また、画像I/F処理部203からの書き込み、画像形成部204への読み出しに対するページメモリ301へのアクセスの調停を行う。更に、CPU201の指示に従い、ページメモリ301への書き込みアドレス、ページメモリ301からの読み出しアドレス、読み出し方向などの制御をする。
【0057】
図4は、図2における外部I/F処理部203の制御ブロックを概略的に示す図である。
【0058】
図4において、外部I/F処理部203は、USBI/F部401、セントロI/F部402、ネットワークI/F部403、シリアルI/F部404を備える。
【0059】
外部I/F処理部203は、外部装置410から送信される画像データ及びプリントコマンドデータをUSBI/F部401、セントロI/F部402、ネットワークI/F部403のいずれかを介して受信する。また、外部I/F処理部203は、CPU201で判断された画像形成装置100の状態情報などを、セントロI/F部402、ネットワークI/F部403のいずれかを介して外部装置410に対し送信する。ここで外部装置410は、コンピュータやワークステーションなどである。
【0060】
外部装置410からUSBI/F部401、セントロI/F部402、ネットワークI/F部403のいずれかを介して受信したプリントコマンドデータは、CPU201にて処理される。そして、CPU201は、プリント動作を実行する設定やタイミングを生成する。
【0061】
外部装置410からUSBI/F部401、セントロI/F部402、ネットワークI/F部403のいずれかを介して受信した画像データは、プリントコマンドデータに基づくタイミングに応じて画像メモリ部202に送信される。そして、画像形成部204にて画像形成されるべく処理される。
【0062】
また、外部I/F処理部203とシート後処理装置500とは、シリアルI/F部404にて接続されている。外部I/F処理部203は、シート後処理装置500から装置の状態やセンサの値等の情報を受信するとともに、シート後処理装置500に対してシートの排紙タイミング、シート種類等の制御情報の通知を行う。
【0063】
図5は、図4におけるシート後処理装置の構成を概略的に示す図である。
【0064】
図5において、シート後処理装置500は、搬送ローラ501,502、処理トレイ503、ストッパ504、整合板505、ステイプラ506、積載トレイ507、搬送センサ508を備える。このシート後処理装置500は、図1の画像形成装置の排紙トレイ22の部分に設置される。このシート後処理装置500は、操作者が内部をアクセスするための開閉可能なカバーが設けられていない構成である。
【0065】
図6は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムを簡略的に示す図である。
【0066】
図6において、画像形成装置100の構成は、図1の画像形成装置100の定着装置14と、排紙ローラ21近傍のみ模式的に示してある。
【0067】
図6において、画像形成装置100は、定着装置14と排紙ローラ21との間(排紙ローラ21の手前)の位置に、シートを検知する搬送センサ30を備えている。シート後処理装置500は、画像形成装置100の排紙口に装着され、画像形成が終了したシートは画像形成装置100の排紙ローラ21からシート後処理装置500の搬送ローラ501、502に受け渡される構成になっている。
【0068】
シートはその後端が搬送ローラを抜けると、処理トレイ503上に落下する。シート積載手段としての処理トレイ503は若干の傾斜角度(例えば15度)がついており、シートの自重により図6の右方に移動し、シートの搬送方向端部(後端部)がストッパ504に突き当たる。
【0069】
その後シートは、整合手段としての整合板505により図中手前、奥方向(シート搬送方向と直交するシート幅方向)はさみ込まれることにより、手前、奥方向にも整合される。続いて次のシートも同様に処理トレイ503上に重ねられた後、整合板505により先に積載していたシートと共に整合される。
【0070】
このようにして所定枚数のシートが、処理トレイ503上で整合されシート束が生成される。このシート束に対し、ステイプラ506がステイプル処理などの所定の処理を設定に応じて選択的に行う。処理がなされたシート束は、処理トレイ503に設けられたベルト等の搬送機構(不図示)により積載トレイ507上に排紙される。
【0071】
搬送センサ508はシートを検知するセンサである。搬送センサ508の出力に基づいて、シート後処理装置500内を通過するシートの動きが監視される。画像形成装置100から排紙されたシートが所定時間経過後も搬送センサ508にて検知されない場合や、搬送センサ508にてシートを検知した後、所定時間経過後も搬送センサ508がシートを検知している場合に紙詰まり(滞留ジャム)が発生したと判定される。
【0072】
図7は、図6の画像形成システムの制御ブロックを概略的に示す図である。
【0073】
図7において、画像形成システムを構成する画像形成装置100とシート後処理装置500は、それぞれ独立のCPU201,540で制御されている。各CPU201、CPU540は、装置内のセンサ210、センサ510、搬送ローラ220、搬送ローラ520、通信部230、通信部530等の制御を行っている。
【0074】
尚、センサ210は、図6の搬送センサ30に対応し、センサ510は、図5、図6の搬送センサ508に対応し、搬送ローラ520は、図5、図6の搬送ローラ501,502に対応し、通信部230は、図4のシリアルI/F部404に対応する。
【0075】
画像形成装置100とシート後処理装置500とは、通信部203,530を介して接続されており、シート後処理装置500から画像形成装置100へ装置の状態やセンサの値等の情報を送信する。
【0076】
また、画像形成装置100からシート後処理装置500に対してはシートの排紙タイミング、シート種類等の制御情報の通知や、紙詰まり除去タイミングの通知を行う。
【0077】
図8乃至図10は、図6の画像形成システムにおいて、紙詰まりが生じている様子を模式的に示す図である。各図はシート後処理装置500の構成を簡略化して示している。
【0078】
図11は、図7におけるシート後処理装置によって実行される紙詰まり処理の手順を示すフローチャート、図12は、図7における画像形成装置によって実行される紙詰まり処理の手順を示すフローチャートである。図11のフローはCPU540によって実行され、図12のフローはCPU201によって実行される。
【0079】
以下、本発明の画像形成システムにおける紙詰まり処理動作をこれらの図面に基づいて説明する。
【0080】
図8は、画像形成中にシート後処理装置500で紙詰まりが発生した場合の様子を示す図である。この場合には、搬送センサ508がシートPありを検知してから所定時間経過後もシートPのありを検知していることから、シート後処理装置500はシートPを搬送できない状態、即ち、紙詰まりが発生したと判断する。
【0081】
また、この場合には、画像形成装置100からはすでにシートが抜けているため、画像形成装置100自体に紙詰まりは発生していないケースである。その場合の紙詰まり処理を説明する。
【0082】
図11でシート後処理装置500の紙詰まり処理動作を説明する。
【0083】
図11において、まず、CPU540は、センサ510の出力に基づいてシート後処理装置500に紙詰まりが発生したか否か判断する(ステップS101)(第1のシート検知手段)。紙詰まりが発生したと判断した場合、画像形成装置100に紙詰まりの発生を通知し、シート後処理装置500の状態を紙詰まり状態に移行する(ステップS102)(第1の制御手段)。この紙詰まり状態への移行は、CPU540が紙詰まり状態を示すフラグを内部のレジスタにセットすることにより行われる。またこの紙詰まり状態では、シートの後処理は禁止される。
【0084】
次に、シート除去の必要の可否、即ち、シートが後処理装置内にあるか否かを判断する(ステップS103)。この場合には、シート後処理装置500内に残留シートがあるため(ステップS103でYES)、残留シートが取り除かれるのを待つ(ステップS104)。なお、シート後処理装置500の処理トレイ503の上部は開口された構成となっており、操作者はこの開口部から搬送ローラ22に挟まっているシートを引く抜くことになる。シート後処理装置500内の残留シートを除去した場合には、画像形成装置100に残留シートが除去されたことを通知する(ステップS105)。
【0085】
その後は、CPU540は画像形成装置100から紙詰まり状態の解除指示がくるのを待つ(ステップS106)。CPU540は、解除指示を受信したらシート後処理装置500の状態を紙詰まりの状態を解除、即ち、シートの後処理が可能なスタンバイ状態に移行させる(ステップS107)。紙詰まり状態の解除はCPU540が上述したフラグをリセットすることにより行われる。そして、画像形成装置100の指示に従って、シート後処理動作を再開して、この処理を終了する。
【0086】
図12で画像形成装置100の紙詰まり処理動作を説明する。
【0087】
図12において、まず、CPU201は、シート後処理装置500から紙詰まりが発生したことの通知を受信した場合(ステップS201でYES)、画像形成装置100の状態を紙詰まり状態に移行させる(ステップS202)。
【0088】
そして、CPU201は、画像形成装置内部100にも除去すべき残留シートがないか判断する(ステップS203)(第2の検知手段)。図8の例では、画像形成装置100内に残留シートがないため、シート後処理装置500からの残留シートの除去報告を待つ(ステップS205)。CPU201は、シート後処理装置500から残留シートの除去報告を受信すると、画像形成システム全体で紙詰まりが解除されたと判断する。
【0089】
そして、CPU201は、シート後処理装置500に紙詰まり状態の解除を指示し(ステップS206)(第2の制御手段)、画像形成システムをスタンバイ状態に戻す(ステップS207)。CPU201はその後、画像形成動作を再開して、この処理を終了する。
【0090】
本処理によれば、シート後処理装置50は、自装置でシートの除去を行う必要の可否を判断し、シートの除去がされていることを画像形成装置100に通知する。画像形成装置100は、シート後処理装置からシートの除去がされていることの情報に基づいてシート後処理装置50に紙詰まり解除の通知を行う。
【0091】
つまり、シート後処理装置500は、紙詰まりが解除されたことを自身で判断できなくても、画像形成装置からの通知で判断できるので、カバーを持たない小型のシート後処理装置における紙詰まりからの復帰の判断を効率よく行うことができる。
【0092】
図9は、画像形成中に画像形成装置100とシート後処理装置500に渡って紙詰まりが発生した場合の様子を示す図である。
【0093】
この場合のシート後処理装置500の紙詰まり処理動作は、上述した図11の処理動作と同じである。
【0094】
図12で画像形成装置100の紙詰まり処理動作を説明する。
【0095】
図12において、まず、CPU201は、シート後処理装置500から紙詰まりが発生したと通知された場合(ステップS201でYES)、画像形成装置100の状態を紙詰まり状態に移行させる(ステップS202)。
【0096】
そして、CPU201は、画像形成装置内部100にも残留シートがないか判断する(ステップS203)。図9の例では、搬送センサ30の出力から画像形成装置100内に残留シートがあることが判断されるため、CPU201は、画像形成装置100からも残留シートが取り除かれたか否かを判断する(ステップS204)。
【0097】
その後、CPU201は、シート後処理装置500からの残留シートの除去報告を待つ(ステップS205)。CPU201は、シート後処理装置500から残留シートの除去報告を受信すると、画像形成システム全体で紙詰まりが解除されたと判断する。
【0098】
そして、CPU201は、シート後処理装置500に紙詰まり状態の解除を通知し(ステップS206)、画像形成システムの状態を髪詰まり状態が解除された状態、即ち、スタンバイ状態に戻る(ステップS207)。その後、CPU201は、画像形成動作を再開して、この処理を終了する。
【0099】
図9の例では、1枚のシートが画像形成装置100とシート後処理装置500の両方に残留していることになり、この1枚のシートが取り除かれることで、両装置はともに残留シートが取り除かれたと判断することになる。
【0100】
従って、実際には、画像形成装置100内の残留シートが取り除かれたと判断(ステップS204)する前に、シート後処理装置500からの残留シート除去の報告を受け取る(ステップS205)場合もある。
【0101】
このような場合には、CPU201は、シート後処理装置500からの残留シート除去の報告を記憶しておき、ステップS204にて画像形成装置100内の残留シートが取り除かれたと判断したあと、シート後処理装置500に紙詰まり状態の解除を指示することになる。
【0102】
図10は、画像形成中に画像形成装置100に紙詰まりが発生した場合の様子を示す図である。画像形成装置100の搬送センサ30がシートを検知してから(シート先端が搬送センサ30を通過してから)所定時間経過後もシート後処理装置500の搬送センサ508がシートのありを検知していない状態である。
【0103】
図11でシート後処理装置500の紙詰まり処理動作を説明する。
【0104】
まず、CPU540は、シート後処理装置500に紙詰まり(遅延ジャム)が発生したと判断した場合(ステップS101でYES)、画像形成装置100に紙詰まりの発生を通知し、シート後処理装置500の状態を紙詰まり状態に移行させる(ステップS102)。
【0105】
この場合には、シート後処理装置500内に残留シートがないため(ステップS103でNO)、CPU540はすぐに画像形成装置100に残留シートが除去されたことを通知する(ステップS105)。
【0106】
その後は、CPU540は、画像形成装置100から紙詰まり状態の解除指示がくるのを待ち(ステップS106)、解除指示を受信したらシート後処理装置500の状態を髪詰まりが解除された状態、即ち、スタンバイ状態に移行する(ステップS107)。そして、画像形成装置100の指示に従って、シート後処理動作を再開して、この処理を終了する。
【0107】
この場合の画像形成装置100の紙詰まり処理動作は、図9に示す紙詰まり状態における図12の処理動作と同じである。
【0108】
本実施の形態においては、画像形成装置100、シート後処理装置500内の搬送センサを1つに限定して説明を行ったが、それぞれに複数の搬送センサを持つ構成であってもよい。また、紙詰まり処理以外の異常処理にも本発明を適用することができる。
【0109】
また、本実施の形態においては、画像形成装置100とシート後処理装置500は固定されている構成としているが、紙詰まり等の異常を解除する際にシート後処理装置500が画像形成装置100から離脱する構成をとることも可能である。またその際には、シート後処理装置500の搬送センサの情報と、シート後処理装置500の着脱センサの情報を合わせて異常の解除を判断する。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成システムのうち画像形成装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の画像形成装置における制御ブロックを概略的に示す図である。
【図3】図2における画像メモリ部の制御ブロックを概略的に示す図である。
【図4】図2における外部I/F処理部の制御ブロックを概略的に示す図である。
【図5】図4におけるシート後処理装置の構成を概略的に示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像形成システムを簡略的に示す図である。
【図7】図6の画像形成システムの制御ブロックを概略的に示す図である。
【図8】図6の画像形成システムにおいて、紙詰まりが生じている様子を模式的に示す図である(その1)。
【図9】図6の画像形成システムにおいて、紙詰まりが生じている様子を模式的に示す図である(その2)。
【図10】図6の画像形成システムにおいて、紙詰まりが生じている様子を模式的に示す図である(その3)。
【図11】図7におけるシート後処理装置によって実行される紙詰まり処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図7における画像形成装置によって実行される紙詰まり処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
100 画像形成装置
201 CPU(画像形成装置)
500 シート後処理装置
540 CPU(シート処理装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置とシート後処理装置とを接続した画像形成システムにおいて、
前記シート後処理装置は、
搬送されたシートを検知する第1のシート検知手段と、
前記第1のシート検知手段の出力に基づいてシートの紙詰まりを検知すると、前記シート後処理装置の状態を紙詰まり状態に設定し、前記画像形成装置へ紙詰まりの発生を通知し、紙詰まり発生後前記第1のシート検知手段の出力に基づいて前記画像形成装置へシートの除去を通知する第1の制御手段と、
前記画像形成装置は、
シートを検知する第2のシート検知手段と、
前記シート後処理装置から紙詰まりの発生を受信した後、前記第2のシート検知手段がシートを検知している場合、前記第2のシート検知手段がシートを検知しなくなった後に、前記シート後処理装置へ前記シート後処理装置の紙詰まりの解除を通知する第2の制御手段と、
を有し、
前記第1の制御手段は、前記第2の制御手段から紙詰まり状態の解除を受信したことに応じて前記シート後処理装置の状態を紙詰まりが解除された状態に設定することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記第1の制御手段は、前記第1の検知手段へシートが所定のタイミングで到達しないことによる紙詰まりを検知した場合、紙詰まりの検知に応答して前記画像形成装置へシートの除去を通知することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記第1の制御手段は、前記第1の検知手段がシートを検知してから所定時間経過してもシートを検知していることにより紙詰まりを検知した場合、前記第1の検知手段がシートを検知しなくなったことに応答して前記画像形成装置へシートの除去を通知することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記第2のシート検知手段は、前記画像形成装置のシート排紙ローラの手前に設けられることを特徴とする請求項2または3いずれかに記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−65178(P2008−65178A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244710(P2006−244710)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】