説明

画像形成処理プログラム、及び画像処理装置

【課題】地図アプリケーションによって表示された地図を印刷する際に、不要な余白ができたり不要な情報が印刷されたりするのを回避でき、その分だけ、より情報量の多い地図の印刷を可能とする画像形成処理プログラム、及び画像処理装置を提供すること。
【解決手段】地図画像の周囲にある空白領域の大きさから、地図画像の周囲を埋めるために必要な地図の範囲を算出する(S315)。そして、内部的に地図アプリケーションを操作して、元の地図画像周辺の地図情報を取得し(S320)、新規に取得した周辺の地図情報の画像を、既存の地図画像の画像領域に繋ぎ合わせる(S330)。こうして生成された地図画像が描画された印刷可能領域に基づき、プリンタ3を制御して地図画像を印刷すれば、周辺の地図画像が付加された分だけ情報量の多い地図画像を印刷することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に地図画像を形成させるための制御を行う画像処理装置と、そのような画像処理装置としてコンピュータを機能させるための画像形成処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェブページを印刷する際に印刷プレビュー画面を表示し、実際に印刷されることとなる画像の内容を、利用者が印刷プレビュー画面上で確認できるようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような技術を利用すれば、印刷プレビュー画面上に表示された通りの画像を印刷することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−258966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ウェブブラウザ上において表示及び利用者操作が可能なウェブアプリケーションの一つとして、利用者の指定した地理的位置の地図を表示可能な地図アプリケーションが、様々なウェブサイトから提供されている。このような地図アプリケーションを利用すれば、所望の地理的位置について地図を表示することができ、その地図を印刷することもできる。
【0005】
しかし、このような地図アプリケーションによって表示された地図を印刷する場合、印刷された地図の周囲に不要な余白ができてしまうことがある。あるいは、地図の周囲に表示されている不要な情報(例えば、操作ガイドや広告等)が、地図とともに印刷されてしまうこともある。
【0006】
このように不要な余白ができたり不要な情報が印刷されたりすると、その分だけ地図そのものの印刷に利用可能な領域が減ってしまうことになる。そのため、縮尺が同じ地図であれば、地図の印刷に利用可能な領域が小さくなるほど、印刷される地図の地理的範囲は狭くなってしまう、という問題があった。
【0007】
また、地図の印刷に利用可能な領域が小さくなっても、地図の縮尺を小さくすれば、印刷される地図の地理的範囲を拡大することはできる。しかし、この場合は、地図上の詳細な情報は相応に省略されてしまうことになるので、例えば、印刷される地図上から細い路地が消えてしまうなどの問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、地図アプリケーションによって表示された地図を印刷する際に、不要な余白ができたり不要な情報が印刷されたりするのを回避でき、その分だけ、より情報量の多い地図の印刷を可能とする画像形成処理プログラム、及び画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、本発明において採用した構成について説明する。
請求項1に記載の画像形成処理プログラムは、出力媒体に画像を形成可能な画像形成装置が接続されたコンピュータを、利用者からの指定に基づいて決まる地理的範囲を利用者が任意に選択可能な縮尺で表した地図画像を標準地図画像として、当該標準地図画像を表す地図画像データを、当該地図画像データの提供元から取得するデータ取得手段と、前記画像形成装置で画像を形成可能な前記出力媒体上の領域のうち、前記データ取得手段によって取得された前記地図画像データに基づいて前記画像形成装置で前記出力媒体に前記標準地図画像を形成した際に前記標準地図画像の形成に利用される標準画像形成領域及び前記標準地図画像の形成には利用されない余剰領域を特定する領域特定手段と、前記領域特定手段によって特定された前記標準画像形成領域に前記余剰領域の少なくとも一部を加えた領域を、拡大画像形成領域として、当該拡大画像形成領域を埋めることが可能なサイズまで拡大された拡大地図画像を、前記画像形成装置で前記出力媒体に形成する際に必要となる地図画像データを、前記提供元から追加取得するデータ追加取得手段と、前記データ追加取得手段によって追加取得された前記地図画像データに基づいて、前記画像形成装置が前記出力媒体に前記拡大地図画像を形成するように前記画像形成装置を制御する画像形成制御手段として機能させることを特徴とする。
【0010】
このように構成された画像形成処理プログラムによって、コンピュータを上記各手段として機能させれば、標準地図画像を形成するだけでは利用されない余剰領域にまで、拡大地図画像が形成される。したがって、画像形成装置で画像を形成可能な出力媒体上の領域を、地図画像を形成するために有効利用でき、利用者は、標準地図画像よりも情報量が多い拡大地図画像を参照することができる。
【0011】
請求項2に記載の画像形成処理プログラムは、請求項1に記載画像形成処理プログラムにおいて、前記データ追加取得手段は、前記地理的範囲をより広い範囲に拡大することによって、前記拡大画像形成領域を埋めることが可能なサイズまで拡大された前記拡大地図画像を、前記画像形成装置で前記出力媒体に形成する際に必要となる地図画像データを、前記提供元から追加取得することを特徴とする。
【0012】
このように構成された画像形成処理プログラムによって、コンピュータを上記各手段として機能させれば、拡大地図画像は、標準地図画像よりも地理的範囲が広い地図画像となるので、利用者は、標準地図画像よりも地理的に広範囲にわたる情報を得ることができる。
【0013】
請求項3に記載の画像形成処理プログラムは、請求項1又は請求項2に記載画像形成処理プログラムにおいて、前記データ追加取得手段は、前記縮尺をより大きい縮尺とすることによって、前記拡大画像形成領域を埋めることが可能なサイズまで拡大された前記拡大地図画像を、前記画像形成装置で前記出力媒体に形成する際に必要となる地図画像データを、前記提供元から追加取得することを特徴とする。
【0014】
このように構成された画像形成処理プログラムによって、コンピュータを上記各手段として機能させれば、拡大地図画像は、標準地図画像よりも縮尺が大きい地図画像となるので、利用者は、標準地図画像よりも詳細な情報を得ることができる。
【0015】
請求項4に記載の画像形成処理プログラムは、請求項1に記載の画像形成処理プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、前記拡大地図画像として、前記標準地図画像よりも前記地理的範囲を広い範囲に拡大した画像を形成するか、前記標準地図画像よりも前記縮尺を大きくした画像を形成するかを、利用者が任意に入力可能とする第一入力手段として機能させ、前記データ追加取得手段は、前記第一入力手段により、前記標準地図画像よりも前記地理的範囲を広い範囲に拡大した画像を形成する旨の入力がなされた場合に、前記地理的範囲をより広い範囲に拡大することによって、前記拡大画像形成領域を埋めることが可能なサイズまで拡大された前記拡大地図画像を、前記画像形成装置で前記出力媒体に形成する際に必要となる地図画像データを、前記提供元から追加取得する一方、前記第一入力手段により、前記標準地図画像よりも前記縮尺を大きくした画像を形成する旨の入力がなされた場合に、前記縮尺をより大きい縮尺とすることによって、前記拡大画像形成領域を埋めることが可能なサイズまで拡大された前記拡大地図画像を、前記画像形成装置で前記出力媒体に形成する際に必要となる地図画像データを、前記提供元から追加取得することを特徴とする。
【0016】
このように構成された画像形成処理プログラムによって、コンピュータを上記各手段として機能させれば、拡大地図画像として、標準地図画像よりも地理的範囲を広い範囲に拡大した画像を形成するか、標準地図画像よりも縮尺を大きくした画像を形成するかを、利用者が任意に入力できる。したがって、いずれか一方の対応しかできないものや、いずれの対応になるのかを利用者が指定できないものよりも、利用者のニーズにきめ細かく対応することができる。
【0017】
請求項5に記載の画像形成処理プログラムは、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の画像形成処理プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、前記拡大地図画像を形成するか、前記標準地図画像を形成するかを、利用者が任意に入力可能とする第二入力手段として機能させ、前記画像形成制御手段は、前記第二入力手段により、前記拡大地図画像を形成する旨の入力がなされた場合に、前記データ追加取得手段によって追加取得された前記地図画像データに基づいて、前記画像形成装置が前記出力媒体に前記拡大地図画像を形成するように前記画像形成装置を制御する一方、前記第二入力手段により、前記標準地図画像を形成する旨の入力がなされた場合に、前記データ取得手段によって取得された前記地図画像データに基づいて、前記画像形成装置が前記出力媒体に前記標準地図画像を形成するように前記画像形成装置を制御することを特徴とする。
【0018】
このように構成された画像形成処理プログラムによって、コンピュータを上記各手段として機能させれば、拡大地図画像を形成するか、標準地図画像を形成するかを、利用者が任意に入力できる。したがって、いずれか一方の対応しかできないものや、いずれの対応になるのかを利用者が指定できないものよりも、利用者のニーズにきめ細かく対応することができる。
【0019】
請求項6に記載の画像形成処理装置は、出力媒体に画像を形成可能な画像形成装置が接続された画像処理装置であって、利用者からの指定に基づいて決まる地理的範囲を利用者が任意に選択可能な縮尺で表した地図画像を標準地図画像として、当該標準地図画像を表す地図画像データを、当該地図画像データの提供元から取得するデータ取得手段と、前記画像形成装置で画像を形成可能な前記出力媒体上の領域のうち、前記データ取得手段によって取得された前記地図画像データに基づいて前記画像形成装置で前記出力媒体に前記標準地図画像を形成した際に前記標準地図画像の形成に利用される標準画像形成領域及び前記標準地図画像の形成には利用されない余剰領域を特定する領域特定手段と、前記領域特定手段によって特定された前記標準画像形成領域に前記余剰領域の少なくとも一部を加えた領域を、拡大画像形成領域として、当該拡大画像形成領域を埋めることが可能なサイズまで拡大された拡大地図画像を、前記画像形成装置で前記出力媒体に形成する際に必要となる地図画像データを、前記提供元から追加取得するデータ追加取得手段と、前記データ追加取得手段によって追加取得された前記地図画像データに基づいて、前記画像形成装置が前記出力媒体に前記拡大地図画像を形成するように前記画像形成装置を制御する画像形成制御手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
このように構成された画像処理装置によれば、標準地図画像を形成するだけでは利用されない余剰領域にまで、拡大地図画像が形成される。したがって、画像形成装置で画像を形成可能な出力媒体上の領域を、地図画像を形成するために有効利用でき、利用者は、標準地図画像よりも情報量が多い拡大地図画像を参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】PC及びプリンタを備えたシステム全体の構成を示すブロック図。
【図2】地図の表示及び印刷関連の処理を示すフローチャート。
【図3】拡大印刷機能の処理を示すフローチャート。
【図4】周辺印刷処理を示すフローチャート。
【図5】縮尺拡大印刷処理を示すフローチャート。
【図6】(a)は拡大印刷機能を使用するか否かを選択するためのダイアログを示す説明図、(b)は拡大印刷の方法を選択するためのダイアログを示す説明図。
【図7】(a)〜(e)はいずれも地図の印刷例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
[システム構成]
以下に説明するシステムは、図1に示すように、パーソナルコンピュータ1(以下、PC1という)と、このPC1に接続されたプリンタ3とを備えている。また、PC1は、WAN(Wide Area Network;一例としてはインターネット。)5を介してウェブサーバ7と通信可能となっている。
【0023】
PC1は、図1に示すように、周知のCPU11、ROM12、RAM13、HDD14(ハードディスク装置14)、操作部15、表示部16、ネットワークインターフェース17、USBインターフェース18などを備えている。
【0024】
HDD14には、OS(Operating System)やその他の各種ソフトウェアが格納されており、後述するウェブブラウザ、このウェブブラウザに組み込まれるプラグインなどのプログラム、及びプラグインから呼び出されるスクリプトなどのデータも、HDD14に格納されている。なお、これらのプログラムに従った処理がCPU11によって実行される際には、各プログラムがRAM13へと読み込まれる。
【0025】
操作部15は、キーボードや各種ポインティングデバイス(例えば、マウス)等によって構成される。表示部16は、液晶ディスプレイ等によって構成される。
以上のように構成されたPC1では、操作部15での利用者操作により、ウェブブラウザを起動することができる。そして、ウェブブラウザ起動後は、操作部15での利用者操作により、ウェブサーバ7に対してデータ取得を要求することができる。
【0026】
一方、ウェブサーバ7は、PC1からの要求に応じて、地図画像のデータを含むウェブページのデータ(例えば、HTML(HyperText Markup Language)、XHTML(Extensible HTML)、XML(Extensible Markup Language)等で記述されたマークアップ文書データ)をPC1に対して提供する機能を備えている。ウェブサーバ7からウェブページのデータが返された場合、PC1では、そのデータを取得して、表示部16に地図画像を含むウェブページを表示する。
【0027】
また、PC1において、表示部16に地図画像を含むウェブページを表示した後、操作部15での利用者操作が行われると、その利用者操作に応じて、地図画像のスクロール、地図の縮尺変更などが行われることになる。
【0028】
このとき、PC1では、ウェブブラウザに実装された非同期通信技術(例えば、Ajax等)を利用して、利用者操作の受け付けと並行して、利用者操作に応じたデータをPC1からウェブサーバ7へ非同期で送信する。このデータを受信したウェブサーバ7からは、利用者操作に応じた地図画像の画像データが返されるので、PC1では、その画像データを受信して表示内容を動的に更新し、これにより、利用者操作に連動した地図画像のスクロールや地図の縮尺変更などが行われることになる。
【0029】
また、このようにしてウェブブラウザ上で表示される地図を含むウェブページについて、PC1上での利用者操作によって印刷が指令された場合、PC1は、プリンタ3を制御することにより、プリンタ3にウェブページを印刷させることができる。
【0030】
[PC1において実行される処理]
次に、PC1において実行される処理について説明する。なお、上記PC1が備えるウェブブラウザは、プラグインと呼ばれるプログラムをPC1にインストールすることで、標準機能以外の各種拡張機能を追加できる仕組みになっている。
【0031】
以下に説明する処理のうち、図2に示す処理は、ウェブブラウザにより実現される標準機能の一部に相当する処理であり、ウェブブラウザ上でウェブサーバ7から提供される地図アプリケーションを起動した際に、PC1によって実行される。また、図3〜図5に示す処理は、ウェブブラウザに組み込まれたプラグインにより実現される拡張機能の一部に相当する処理であり、ウェブブラウザによって内部的に起動される。これらの処理は、いずれも各機能を実現するためのプログラムに基づき、CPU11によって実行される処理となる。
【0032】
図2に示す処理を開始すると、PC1は、まず、入力操作を受け付ける状態となり(S105)、何らかの入力操作を受け付けるとS110へと進む。
続いて、受け付けた入力操作が地図の表示範囲又は縮尺を変更する操作か否かを判定し(S110)、地図の表示範囲又は縮尺を変更する操作であれば(S110:YES)、利用者操作に対応するデータをウェブサーバ7へ送信する(S115)。そして、ウェブサーバ7から送信されてくるデータを受信し(S120)、受信したデータに基づいて地図の表示範囲や縮尺を変更し(S125)、S105へと戻る。
【0033】
なお、地図の表示範囲や縮尺を変更する操作には、例えば、地図の表示範囲を東西南北へ移動させるドラッグ操作や、このドラッグ操作と同等な操作として扱われる画面上に配置されたコントロールに対するクリック操作、地図の縮尺を変更するホイール操作や、このホイール操作と同等な操作として扱われる画面上に配置されたコントロールに対するクリック操作などが該当する。
【0034】
そして、この利用者操作の内容は、S115でPC1からウェブサーバ7へ送信され、それに応じてウェブサーバ7からは表示に必要な地図の画像データが返される。PC1では、S120でウェブサーバ7から返される画像データを受信し、S125では、受信した画像データを利用して地図の表示内容を動的に更新し、その結果、利用者操作に連動して地図画像のスクロールや地図の縮尺変更などが実行される。
【0035】
一方、S110において、地図表示範囲変更操作ではなかった場合(S110:NO)、PC1は、地図印刷操作か否かを判定する(S130)。ここで、地図印刷操作であった場合は(S130:YES)、地図印刷処理を実行する(S140)。このS140において実行される処理は、上述のプラグインを呼び出す処理となる。ここで呼び出されたプラグインによる処理の詳細については後述する。S140を終えた場合は、S105へと戻る。
【0036】
一方、S130において、地図印刷操作ではなかった場合(S130:NO)、PC1は、終了操作か否かを判定する(S145)。ここで、終了操作ではなかった場合は(S145:NO)、その他の処理を実行し(S150)、S150を終えたらS105へと戻る。なお、S150において実行される処理の具体的内容としては、様々なものを考え得るが、それらの処理の詳細は本発明との関連性が希薄なので、これ以上の説明は省略する。また、S145において、終了操作であった場合は(S145:YES)、本処理を終了する。
【0037】
[地図印刷処理の詳細]
次に、S140において呼び出されるプラグインによる地図印刷処理の詳細について、図3〜図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0038】
この処理を開始すると、PC1は、まず、印刷対象となるウェブページを印刷した場合に、どのような画像が印刷されるのかを表示部16で確認可能とするためのプレビュー表示を行う(S201)。
【0039】
そして、拡大印刷機能を使用するか否かを選択するためのダイアログを表示する(S205)。このS205では、表示部16に、図6(a)に示すようなダイアログ31が表示される。このダイアログ31には、「使用する」ボタン32、「使用しない」ボタン33が表示され、いずれかのボタンを選択する利用者操作が行われるとS210へと進む。
【0040】
続いて、PC1は、利用者操作により、拡大印刷機能を「使用する」が選択されたか否かを判断する(S210)。ここで、拡大印刷機能を「使用しない」が選択されていると判断された場合(S210:NO)、PC1は、通常印刷処理を実行する(S215)。
【0041】
このS215は、ウェブブラウザで表示しているウェブページをそのまま印刷する処理であり、ウェブページ内に地図及び地図以外の情報が含まれていても、それらすべてをそのまま印刷する。また、地図の画像が、印刷可能な領域よりも小さくて、地図の周囲に余白ができる場合でも、そのような余白を残したまま、地図の画像が印刷されることになる。なお、このS215の通常印刷処理は、一般的なウェブブラウザが備える印刷機能と差異が無いので、これ以上の詳細な説明については省略する。そして、S215を終えたら、図3に示す処理を終了する。
【0042】
一方、S210において、拡大印刷機能を「使用する」が選択されていると判断された場合(S210:YES)、PC1は、拡大印刷の方法を選択するためのダイアログを表示する(S220)。このS220では、表示部16に、図6(b)に示すようなダイアログ36が表示される。このダイアログ36には、「印刷範囲を周辺領域まで拡げて印刷」ボタン37、「印刷範囲の縮尺を拡大して印刷」ボタン38が表示され、いずれかのボタンを選択する利用者操作が行われるとS225へと進む。
【0043】
続いて、PC1は、利用者操作により、周辺印刷機能(=「印刷範囲を周辺領域まで拡げて印刷」ボタン37)が選択されたか否かを判断する(S225)。ここで、周辺印刷機能が選択されていると判断された場合(S225:YES)、PC1は、周辺地図付加処理を実行する(S230)。
【0044】
このS230は、詳しくは図4に示すような処理となる。すなわち、PC1は、地図の印刷イメージを作成する(S305)。S305において、印刷イメージを作成する際には、図7(a)に例示するように、出力媒体(例えば、用紙)のサイズや解像度等に応じて画素数が決まる描画領域51がPC1のRAM13に確保される。
【0045】
そして、この描画領域51内において、余白の設定等に従って決まる印刷可能領域53に対し、ウェブページのデータ中に含まれる地図画像のデータに従った印刷イメージである地図画像55が印刷可能領域53内の所定位置に描画される。
【0046】
また、ウェブページのデータ中には、地図画像のデータ以外の画像データやテキストデータなどが含まれている場合もあるが、それらのデータについては、S305では印刷イメージの作成対象とせず、地図画像55以外の領域は空白領域として残される。
【0047】
続いて、PC1は、地図画像55を対象に、その画像領域を印刷可能領域53の中心に移動させる(S310)。すなわち、S310では、印刷可能領域53のサイズと、地図画像55のサイズとに基づいて、両者の中心が一致する位置に地図画像55を移動させる。その結果、地図画像55の位置は、図7(a)に示す位置から図7(b)に示す位置へと移動することになる。
【0048】
そして、PC1は、地図画像55の周囲にある空白領域の大きさから、取得すべき画像領域周辺の地図情報の領域を割り出す(S315)。すなわち、S315では、地図画像55の周囲を埋めるために必要な地図の範囲が算出される。
【0049】
次に、PC1は、内部的に地図アプリケーションを操作して、地図画像55の画像領域の周辺の地図情報を取得する(S320)。このS320では、スクリプト処理によって地図アプリケーションに対する利用者操作を内部的にエミュレートすることで、地図画像55の周辺の画像をウェブサーバ7から取得する。
【0050】
例えば、地図の表示範囲を東西南北へ移動させるドラッグ操作や、画面上に配置されたコントロールに対するクリック操作を、スクリプト処理によって内部的に実施することで、そのような利用者操作に対応するデータをウェブサーバ7へ送信し、それに応じてウェブサーバ7から返される地図画像55の周辺の画像を取得する。
【0051】
これら様々な利用者操作をエミュレートするためのスクリプトは、プラグインをインストールする際に、プラグインのメインプログラムとともにHDD14にファイルとして格納されている。したがって、S320では、必要とする利用者操作に対応するスクリプトをファイルから読み出して、そのスクリプトに従って利用者操作のエミュレーションを行うことができる。
【0052】
そして、PC1は、内部的に地図アプリケーションを操作して地図の位置を元に戻し(S325)、S320で新規に取得した周辺の地図情報の画像を、既存の地図画像55の画像領域に繋ぎ合わせる(S330)。
【0053】
これにより、図7(c)に例示するように、地図画像55に相当する領域に加え、その周囲の領域も描画された地図画像57が描画領域51に描画されることになる。なお、地図画像57が描画されたら、図4に示す処理を終了し、図3に示すS240へと進む。
【0054】
一方、図3に示すS225において、周辺印刷機能は選択されていないと判断された場合(S225:NO)、PC1は、縮尺拡大処理を実行する(S235)。
このS235は、詳しくは図5に示すような処理となる。すなわち、PC1は、地図の印刷イメージを作成する(S405)。このS405では、S305同様の処理が行われ、図7(a)に例示するように、描画領域51内の印刷可能領域53に対し、地図画像55の印刷イメージが描画され、地図画像55以外の領域は空白領域として残される。
【0055】
続いて、PC1は、地図画像55を対象に、その画像領域を印刷可能領域53の中心に移動させる(S410)。このS410では、S310と同様の処理が行われ、地図画像55の位置は、図7(a)に示す位置から図7(b)に示す位置へと移動することになる。
【0056】
そして、PC1は、地図画像55の周囲にある空白領域と地図画像55の画像領域の大きさを比較して、拡大可能な縮尺を割り出す(S415)。このS415では、「地図画像55に含まれる地理的範囲と一致する画像で、且つ印刷可能領域53に収まる最大の画像が得られる縮尺」が算出される。
【0057】
ウェブサーバ7から提供される地図画像の縮尺は、利用者操作に応じて何段階かに切り替えることができる仕組みになっており、どのような縮尺に切り替え可能かは、PC1側においてあらかじめ記憶されている。したがって、S415では、地図画像55に含まれる地理的範囲と一致する画像が、各縮尺についてどの程度の大きさの画像となるのかを求め、これを印刷可能領域53の大きさと比較することにより、所期の縮尺を割り出すことができる。
【0058】
次に、PC1は、内部的に地図アプリケーションを操作して、元の地図画像55の画像領域と同じ範囲について、縮尺を拡大した地図情報を取得する(S420)。このS420では、S320同様、スクリプト処理によって地図アプリケーションに対する利用者操作を内部的にエミュレートすることで、S415で割り出した縮尺の地図画像をウェブサーバ7から取得する。
【0059】
例えば、地図の縮尺を変更するホイール操作や、画面上に配置されたコントロールに対するクリック操作を、スクリプト処理によって内部的に実施することで、そのような利用者操作に対応するデータをウェブサーバ7へ送信し、それに応じてウェブサーバ7から返される画像を取得する。
【0060】
そして、PC1は、内部的に地図アプリケーションを操作して地図の位置を元に戻し(S425)、元の印刷領域を破棄して、新規に取得した縮尺拡大地図を貼り付ける(S430)。これにより、図7(d)に例示するように、地図画像55と地理的範囲が同じで、縮尺が拡大された地図画像59が描画領域51に描画されることになる。
【0061】
この地図画像59は、地図画像55と地理的範囲が同じであるものの、縮尺が拡大されているので、地図画像55よりも詳細な情報が含まれている画像となり、図7(d)に例示したものであれば、より細い路地なども描画された画像となる。この点、地図画像55そのものを単に拡大しただけであれば、図7(e)に示す地図画像61のように、図形的に相似な画像とはなるものの、地図画像55よりも詳細な情報が含まれている画像にはならない。
【0062】
したがって、地図画像59のような画像であれば、より詳細な情報を読み取り可能となるのである。なお、地図画像59が描画されたら、図5に示す処理を終了し、図3に示すS240へと進む。
【0063】
さて、上記S230又はS235いずれかを終了してS240へと進むと、PC1は、プレビュー画像の再表示を行う(S240)。すなわち、S230又はS240において、新たな地図画像(地図画像57,59のいずれか)が描画領域51に描画されているので、その新たな地図画像について、どのような画像が印刷されるのかを表示部16で確認可能とするためのプレビュー表示を再び行う。
【0064】
そして、印刷を行うか否かを指示する利用者操作を受け付けて、その利用者操作が印刷を行う旨の利用者操作か否かを判断する(S245)。ここで、印刷を行う旨の利用者操作であった場合(S245:YES)、PC1は、プリンタ3を制御するプリンタドライバを呼び出して印刷可能領域53の画像を印刷させ(S250)、図3に示す処理を終了する。これにより、図2に示したS140において呼び出された処理は完了する。
【0065】
一方、S245において、印刷を行う旨の利用者操作ではなかった場合(S245:NO)、S205へと戻る。これにより、利用者は、拡大印刷機能を使用するか否かの選択をするところから、やり直すことができる。
【0066】
なお、以上説明した実施形態において、PC1は本発明でいうコンピュータの一例に相当し、プリンタ3は本発明でいう画像形成装置の一例に相当し、ウェブサーバ7は地図画像データの提供元の一例に相当する。
【0067】
また、上記実施形態において、S120を実行するPC1(又はCPU11)は本発明でいうデータ取得手段の一例に相当し、S315又はS415を実行するPC1(又はCPU11)は本発明でいう領域特定手段の一例に相当する。また、S320又はS420を実行するPC1(又はCPU11)は本発明でいうデータ追加取得手段の一例に相当し、S330〜S335又はS430〜S435を実行するPC1(又はCPU11)は本発明でいう画像形成制御手段の一例に相当する。また、S220〜S225を実行するPC1(又はCPU11)は本発明でいう第一入力手段の一例に相当し、S205〜S210を実行するPC1(又はCPU11)は本発明でいう第二入力手段の一例に相当する。
【0068】
さらに、上記実施形態において、地図画像55は本発明でいう標準地図画像の一例に相当し、地図画像55の周囲にある空白領域は本発明でいう余剰領域の一例に相当し、地図画像57,59は本発明でいう拡大地図画像の一例に相当する。
【0069】
[効果]
以上説明した通り、上記のようなPC1によれば、地図画像55を形成するだけでは利用されない空白領域にまで、地図画像57,59が形成される。したがって、プリンタ3で画像を形成可能な用紙(本発明でいう出力媒体の一例に相当。)上の領域を、地図画像57,59を形成するために有効利用でき、利用者は、地図画像55よりも情報量が多い地図画像57,59を参照することができる。
【0070】
すなわち、地図画像57は、地図画像55よりも地理的範囲が広い地図画像となるので、利用者は、地図画像55よりも地理的に広範囲にわたる情報を得ることができる。あるいは、地図画像59は、地図画像55よりも縮尺が大きい地図画像となるので、利用者は、地図画像55よりも詳細な情報を得ることができる。
【0071】
また、上記PC1においては、S220〜S225により、地図画像55よりも地理的範囲を広い範囲に拡大した地図画像57を形成するか、地図画像55よりも縮尺を大きくした地図画像59を形成するかを、利用者が任意に入力できる。したがって、いずれか一方の対応しかできないものや、いずれの対応になるのかを利用者が指定できないものよりも、利用者のニーズにきめ細かく対応することができる。
【0072】
さらに、上記PC1においては、S205〜S210により、拡大された地図画像57,59を形成するか、標準的な地図画像55を形成するかを、利用者が任意に入力できる。したがって、この点でも、いずれか一方の対応しかできないものや、いずれの対応になるのかを利用者が指定できないものよりも、利用者のニーズにきめ細かく対応することができる。
【0073】
[変形例等]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
【0074】
例えば、図4のS305や図5のS405では、地図画像55以外の画像データやテキストデータなどを印刷イメージの作成対象としなかったが、印刷イメージの作成自体は行うものの、画像データやテキストデータなどの領域を空白領域として扱うように構成してもよい。
【0075】
また、ウェブページのデータ中の画像データのうち、どの画像データが地図画像データか特定できない場合は、ウェブページのデータ中の画像データに従って印刷イメージを作成し、地図画像の特徴がある印刷イメージを地図画像55であると扱ってもよい。
【0076】
また、ウェブページについて、地図画像が配置されるべき位置を記憶しておき、地図画像が配置されるべき位置に配置するようにウェブページのデータによって規定されている画像データに従った印刷イメージを地図画像55であると扱ってもよい。
【0077】
例えば、図4のS310や図5のS410では、地図画像55を印刷可能領域53の中心に移動させたが、厳密にある程度中心に近い位置に移動させるだけでもよいし、そもそも移動させる必要のない位置に地図画像55が位置していたら、S310やS410の処理を省略してもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、地図画像を拡大する方法として、周辺地図を付加するか、縮尺を拡大するかを択一的に選択していたが、周辺地図を付加するとともに縮尺も拡大する、といった選択肢を設けてもよい。この場合は、S230又はS235と同様の処理タイミングで、まず図5のS410〜S430と同様な処理で、地図画像55より拡大した縮尺の地図画像59を描画領域に描画し、続けて、図4のS315〜S330と同様な処理で、地図画像59の周囲を埋める地図情報の画像をウェブサーバから取得し、地図画像59の画像領域につなぎあわせる処理を実行すればよい。
【0079】
また、上記実施形態では、S205,S220でダイアログ31,36を表示することにより、拡大印刷機能を使用するか否か、拡大印刷の方法を、利用者が任意に選択できるように構成してあったが、このようなダイアログを利用するか否かは任意である。
【0080】
ダイアログ以外の手法としては、例えば、別途用意された設定画面において、拡大印刷機能を使用するか否か、拡大印刷の方法を、利用者が事前に選択して、その内容を設定ファイルに記録しておくという手法が考えられる。この場合、印刷操作が行われた際には、設定ファイルから利用者の選択した設定を読み取ることで、ダイアログを表示すること無く、利用者が事前に選択した通りの設定で印刷を行うことができる。
【0081】
また、上記実施形態では、縮尺の拡大を行う際、縮尺が段階的に拡大される旨の説明を行ったが、縮尺が段階的に拡大されるのか、あるいは無段階に連続的に拡大され得るのかは、地図データの提供元に依存して変わり得る。また、縮尺が段階的に拡大される場合でも、どのような縮尺の地図が提供されるのかは、地図データの提供元に依存して変わり得る。
【0082】
したがって、どのような縮尺を利用可能なのかについては、あらかじめPC1側で地図データの提供元ごとに情報を用意しておき、地図データの提供元それぞれに対応した手法で縮尺の拡大に関する処理を行えばよい。
【0083】
また、上記実施形態では、スクリプト処理によって地図アプリケーションに対する利用者操作を内部的にエミュレートすることで、地図画像55の周辺の画像や縮尺を変更した画像をウェブサーバ7から取得していたが、他の方法で画像を取得してもよい。
【0084】
例えば、取得したい地図の緯度、経度、縮尺などの情報を、URL(Uniform Resource Locator)の一部に埋め込んでウェブサーバ7へのアクセスを行うことにより、ウェブサーバ7に必要な情報を伝達し、所期の画像を取得してもよい。なお、どのような方法で所期の画像を取得できるのかは、ウェブサーバ7側で用意しているクライアント向けインターフェースによって変わり得る。したがって、そのようなクライアント向けインターフェースに関する情報もあらかじめPC1側で地図データの提供元ごとに用意しておき、地図データの提供元それぞれに対応した手法で地図画像の取得を行えばよい。
【0085】
さらに、スクリプト処理で地図アプリケーションに対する利用者操作を行うに当たっては、どのような利用者操作に対応しているのかを、あらかじめPC1側で地図データの提供元ごとに用意しておけばよいが、この他、実際に利用者操作を試行してみてもよい。
【0086】
例えば、地図のスクロールを行う際には、スクリプト処理でドラッグ操作を試行し、それにより地図がスクロールしたか否かを、試行前後で地図画像が変化したか否かで判定すればよい。より具体的な例を交えて説明すれば、試行前後で地図画像を比較し、試行前の地図上部にあった画像が試行後の地図下部に残っていて、試行前の地図下部にあった画像が消失していれば、地図のスクロールに伴って地図の範囲が北へ移動したものと判定できる。
【0087】
また、上記のような判定の結果、試行前後で地図画像に変化が無ければ、さらにスクリプト処理でボタン操作を試行するなど、地図のスクロールが実現できるまで、あらかじめ決められ順序で様々な操作を試行してもよい。
【0088】
地図の縮尺変更を行う際にも、上記同様にスクリプト処理でホイール操作を試行し、それにより地図の縮尺が変更されたか否かを、試行前後で地図画像が変化したか否かで判定すればよい。この場合の判定手法としては、例えば、主要な道路や線路などの画像を線として抽出し、その線によって描かれるパターンと相似のパターンが画像内にあるか否かを判定する、といった手法を採用することができる。
【0089】
また、上記実施形態で、S325及びS425では、内部的に地図アプリケーションを操作して地図の位置を元に戻す旨を説明したが、地図の初期位置を表示した時点でURLを保存しておき、そのURLに再アクセスすることで、地図の位置を元に戻してもよい。
【0090】
加えて、上記実施形態では、画像形成装置の事例として、プリンタ3を例示したが、本発明は、プリンタ以外の画像形成装置(例えば、表示媒体によって印刷媒体を電子的に再現した電子ペーパーや、PC上で扱うことができる仮想的な印刷媒体(例えば、PDFファイル等)に対して画像形成が可能なソフトウェアを備えた機器)を対象とする場合にも適用可能な技術である。
【0091】
また、上記実施形態では、PC1とプリンタ3が別体の装置として構成されている例を示したが、PC1に相当する程度のユーザーインターフェースがプリンタ3相当の機器に組み込まれている一体型の機器において、その機器が備えるCPUがブラウザやプラグインに相当するプログラムを実行するという構成でもよい。この場合、S250においてCPUがプリンタ3の印刷部を制御して印刷可能領域53の画像を印刷する。
【0092】
さらに、上記実施形態では、上記処理を実行させるためのプログラムが、ブラウザにプラグインとして組み込まれる例を示したが、上記処理を実行する機能をブラウザ自体で備えていてもよい。また、ブラウザが図2のS140と同様のタイミングでプリンタドライバ又はアプリケーションを呼び出し、呼び出されたプリンタドライバ又はアプリケーションが上記処理を実行する機能を備えていてもよい。プリンタドライバが上記処理を実行する場合は、S250においてプリンタドライバの処理として印刷可能領域53の画像をプリンタ3に印刷させる。また、アプリケーションが上記処理を実行する場合は、S250においてプリンタドライバを呼び出して印刷可能領域53の画像をプリンタ3に印刷させる。
【符号の説明】
【0093】
1・・・パーソナルコンピュータ、3・・・プリンタ、5・・・WAN、7・・・ウェブサーバ、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・ハードディスク装置、15・・・操作部、16・・・表示部、17・・・ネットワークインターフェース、18・・・USBインターフェース、31,36・・・ダイアログ、51・・・描画領域、53・・・印刷可能領域、55,57,59,61・・・地図画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力媒体に画像を形成可能な画像形成装置が接続されたコンピュータを、
利用者からの指定に基づいて決まる地理的範囲を利用者が任意に選択可能な縮尺で表した地図画像を標準地図画像として、当該標準地図画像を表す地図画像データを、当該地図画像データの提供元から取得するデータ取得手段と、
前記画像形成装置で画像を形成可能な前記出力媒体上の領域のうち、前記データ取得手段によって取得された前記地図画像データに基づいて前記画像形成装置で前記出力媒体に前記標準地図画像を形成した際に前記標準地図画像の形成に利用される標準画像形成領域及び前記標準地図画像の形成には利用されない余剰領域を特定する領域特定手段と、
前記領域特定手段によって特定された前記標準画像形成領域に前記余剰領域の少なくとも一部を加えた領域を、拡大画像形成領域として、当該拡大画像形成領域を埋めることが可能なサイズまで拡大された拡大地図画像を、前記画像形成装置で前記出力媒体に形成する際に必要となる地図画像データを、前記提供元から追加取得するデータ追加取得手段と、
前記データ追加取得手段によって追加取得された前記地図画像データに基づいて、前記画像形成装置が前記出力媒体に前記拡大地図画像を形成するように前記画像形成装置を制御する画像形成制御手段
として機能させることを特徴とする画像形成処理プログラム。
【請求項2】
前記データ追加取得手段は、前記地理的範囲をより広い範囲に拡大することによって、前記拡大画像形成領域を埋めることが可能なサイズまで拡大された前記拡大地図画像を、前記画像形成装置で前記出力媒体に形成する際に必要となる地図画像データを、前記提供元から追加取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成処理プログラム。
【請求項3】
前記データ追加取得手段は、前記縮尺をより大きい縮尺とすることによって、前記拡大画像形成領域を埋めることが可能なサイズまで拡大された前記拡大地図画像を、前記画像形成装置で前記出力媒体に形成する際に必要となる地図画像データを、前記提供元から追加取得する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載画像形成処理プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、さらに、
前記拡大地図画像として、前記標準地図画像よりも前記地理的範囲を広い範囲に拡大した画像を形成するか、前記標準地図画像よりも前記縮尺を大きくした画像を形成するかを、利用者が任意に入力可能とする第一入力手段
として機能させ、
前記データ追加取得手段は、前記第一入力手段により、前記標準地図画像よりも前記地理的範囲を広い範囲に拡大した画像を形成する旨の入力がなされた場合に、前記地理的範囲をより広い範囲に拡大することによって、前記拡大画像形成領域を埋めることが可能なサイズまで拡大された前記拡大地図画像を、前記画像形成装置で前記出力媒体に形成する際に必要となる地図画像データを、前記提供元から追加取得する一方、前記第一入力手段により、前記標準地図画像よりも前記縮尺を大きくした画像を形成する旨の入力がなされた場合に、前記縮尺をより大きい縮尺とすることによって、前記拡大画像形成領域を埋めることが可能なサイズまで拡大された前記拡大地図画像を、前記画像形成装置で前記出力媒体に形成する際に必要となる地図画像データを、前記提供元から追加取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成処理プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、さらに、
前記拡大地図画像を形成するか、前記標準地図画像を形成するかを、利用者が任意に入力可能とする第二入力手段
として機能させ、
前記画像形成制御手段は、前記第二入力手段により、前記拡大地図画像を形成する旨の入力がなされた場合に、前記データ追加取得手段によって追加取得された前記地図画像データに基づいて、前記画像形成装置が前記出力媒体に前記拡大地図画像を形成するように前記画像形成装置を制御する一方、前記第二入力手段により、前記標準地図画像を形成する旨の入力がなされた場合に、前記データ取得手段によって取得された前記地図画像データに基づいて、前記画像形成装置が前記出力媒体に前記標準地図画像を形成するように前記画像形成装置を制御する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の画像形成処理プログラム。
【請求項6】
出力媒体に画像を形成可能な画像形成装置が接続された画像処理装置であって、
利用者からの指定に基づいて決まる地理的範囲を利用者が任意に選択可能な縮尺で表した地図画像を標準地図画像として、当該標準地図画像を表す地図画像データを、当該地図画像データの提供元から取得するデータ取得手段と、
前記画像形成装置で画像を形成可能な前記出力媒体上の領域のうち、前記データ取得手段によって取得された前記地図画像データに基づいて前記画像形成装置で前記出力媒体に前記標準地図画像を形成した際に前記標準地図画像の形成に利用される標準画像形成領域及び前記標準地図画像の形成には利用されない余剰領域を特定する領域特定手段と、
前記領域特定手段によって特定された前記標準画像形成領域に前記余剰領域の少なくとも一部を加えた領域を、拡大画像形成領域として、当該拡大画像形成領域を埋めることが可能なサイズまで拡大された拡大地図画像を、前記画像形成装置で前記出力媒体に形成する際に必要となる地図画像データを、前記提供元から追加取得するデータ追加取得手段と、
前記データ追加取得手段によって追加取得された前記地図画像データに基づいて、前記画像形成装置が前記出力媒体に前記拡大地図画像を形成するように前記画像形成装置を制御する画像形成制御手段
とを備えることを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−254136(P2011−254136A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124640(P2010−124640)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】