説明

画像形成制御装置、画像形成制御方法および画像形成制御プログラム

【課題】 画像形成装置がプリントするためのページ毎の設定を容易にすること。
【解決手段】 PCは、MFPを制御し、複数ページを含むデータと、複数ページ毎にページ単位に設定可能なページ設定項目にパラメータが設定されたページ設定情報とを受け付けるプリント指示受付部(S01)と、ページ設定項目に設定可能な第1パラメータと、画像形成装置でプリントするために設定可能な複数の独自項目のうちから選ばれた従属項目に設定可能な第2パラメータとを関連付ける設定情報を予め記憶するHDDと、受け付けられたページ設定情報においてページ設定項目に設定された第1パラメータと、記憶された設定情報により第1パラメータと関連付けられた第2パラメータとに基づいて、MFPがプリントするためのコマンドを複数ページ毎に生成するコマンド部(S05)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成制御装置、画像形成制御方法および画像形成制御プログラムに関し、特に、画像形成装置を制御する画像形成制御装置、画像形成制御方法および画像形成制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のページを含む文書データをプリンタ等の画像形成装置にプリントさせる場合、用紙サイズ、部数、片面印刷および両面印刷の別、カラー印刷およびモノクロ印刷の別、Nページを1面に印刷するNアップ印刷などのプリント条件を文書単位に設定しなければならない。また、特開平7−134707号公報(特許文献1)には、ページ単位にプリント条件を設定することを可能にした印刷処理装置が記載されている。
【0003】
しかしながら、文書データを生成するアプリケーションプログラムにおいては、プリント条件を設定するための項目は限られているため、ページ単位に設定可能なプリント条件は、プリンタを制御するためにコンピュータにインストールされたプリンタドライバプログラムがコンピュータにより実行されて、設定される。具体的には、コンピュータのプリンタドライバプログラムを実行する部分は、アプリケーションプログラムを実行する部分から渡される文書データの複数ページそれぞれに対して付されるページ番号に対してプリント条件を設定する。このため、文書データの複数ページそれぞれに直接プリント条件が設定されないので、文書データにページが追加された場合、または、削除された場合など、変更される前の文書データに設定されたプリント条件をそのまま利用することができない。したがって、文書データを変更した後に、再度プリント条件を変更しなければならないといった問題があった。
【特許文献1】特開平7−134707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、画像形成装置がプリントするためのページ毎の設定を容易にした画像形成制御装置を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、画像形成装置がプリントするためのページ毎の設定を容易にした画像形成制御方法を提供することである。
【0006】
この発明のさらに他の目的は、画像形成装置がプリントするためのページ毎の設定を容易にした画像形成制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像形成制御装置は、画像形成装置を制御するための画像形成制御装置であって、複数ページを含むデータと、複数ページ毎にページ単位に設定可能なページ設定項目にパラメータが設定されたページ設定情報とを受け付けるプリント指示受付手段と、ページ設定項目に設定可能な第1パラメータと、画像形成装置でプリントするために設定可能な複数の独自項目のうちから選ばれた少なくとも1つの従属項目それぞれに設定可能な少なくとも1つの第2パラメータとを関連付ける設定情報を予め記憶する設定情報記憶手段と、受け付けられたページ設定情報においてページ設定項目に設定された第1パラメータと、記憶された設定情報により第1パラメータと関連付けられた少なくとも1つの第2パラメータとに基づいて、画像形成装置がプリントするためのコマンドを複数ページ毎に生成するコマンド生成手段と、を備える。
【0008】
この局面に従えば、ページ設定項目に設定可能な第1パラメータと、複数の独自項目のうちから選ばれた従属項目に設定可能な第2パラメータとを関連付ける設定情報が予め記憶されており、複数ページを含むデータとともにページ設定情報が受け付けられると、ページ設定情報においてページ設定項目に設定された第1パラメータと、設定情報により第1パラメータと関連付けられた第2パラメータとに基づいて、コマンドが複数ページ毎に生成される。このため、ユーザがページ設定項目に第1パラメータを設定するだけで、画像形成装置において設定可能なページ設定項目とは別の従属項目に第2パラメータが設定されるので、ページ毎の設定を容易にすることができる。また、データにページが追加または削除される場合であっても、ページの追加または削除前にページ対して既に設定されていたページ設定項目の第1パラメータは追加または削除後のページと対応付けが維持されるので、従属項目に設定された第2パラメータも追加または削除前のページに対応付けられた状態が維持される。したがって、ページを追加または削除する前後でページごとに設定される内容が変更されないようにすることができる。その結果、画像形成装置がプリントするためのページ毎の設定を容易にした画像形成制御装置を提供することができる。
【0009】
好ましくは、少なくとも1つの従属項目は、複数の独自項目のうちページ単位に設定可能な独自項目である。
【0010】
好ましくは、画像形成装置が有し、プリントするための記録媒体を収納するため収納手段を識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、設定情報においてページ設定項目に対して定義される第1パラメータは、識別情報を特定し、設定情報記憶手段は、収納手段を特定するための互いに異なる複数の第1のパラメータをそれぞれ含む複数の設定情報を記憶し、受け付けられたページ設定情報においてページ設定項目に設定された第1パラメータと同じ第1パラメータを含む設定情報を複数の設定情報のうちから抽出する抽出手段をさらに備える。
【0011】
好ましくは、設定情報記憶手段に記憶された設定情報を変更または削除する、または新たな設定情報を追加する設定手段を、さらに備える。
【0012】
この発明の他の局面によれば、画像形成制御方法は、画像形成装置を制御するための画像形成制御方法であって、複数ページを含むデータと、複数ページ毎にページ単位に設定可能なページ設定項目にパラメータが設定されたページ設定情報とを受け付けるステップと、ページ設定項目に設定可能な第1パラメータと、画像形成装置でプリントするために設定可能な複数の独自項目のうちから選ばれた少なくとも1つの従属項目それぞれに設定可能な少なくとも1つの第2パラメータとを関連付ける設定情報を予め記憶するステップと、受け付けられたページ設定情報においてページ設定項目に設定された第1パラメータと、記憶された設定情報により第1パラメータと関連付けられた少なくとも1つの第2パラメータとに基づいて、画像形成装置がプリントするためのコマンドを複数ページ毎に生成するステップと、を含む。
【0013】
この局面に従えば、画像形成装置がプリントするためのページ毎の設定を容易にした画像形成制御方法を提供することができる。
【0014】
この発明のさらに他の局面によれば、画像形成制御プログラムは、画像形成装置を制御するコンピュータで実行される画像形成制御プログラムであって、複数ページを含むデータと、複数ページ毎にページ単位に設定可能なページ設定項目にパラメータが設定されたページ設定情報とを受け付けるステップと、ページ設定項目に設定可能な第1パラメータと、画像形成装置でプリントするために設定可能な複数の独自項目のうちから選ばれた少なくとも1つの従属項目それぞれに設定可能な少なくとも1つの第2パラメータとを関連付ける設定情報を予め記憶するステップと、受け付けられたページ設定情報においてページ設定項目に設定された第1パラメータと、記憶された設定情報により第1パラメータと関連付けられた少なくとも1つの第2パラメータとに基づいて、画像形成装置がプリントするためのコマンドを複数ページ毎に生成するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0015】
この局面に従えば、画像形成装置がプリントするためのページ毎の設定を容易にした画像形成制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるプリントシステムの全体概要を示す図である。図1を参照して、プリントシステム1は、それぞれがネットワーク2に接続されたパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)100と、MFP(Multi
Function Peripheral)200,201とを含む。
【0018】
MFP200,201は、原稿を読取るためのスキャナ装置、画像データに基づいて紙などの記録媒体に画像を形成するための画像形成装置およびファクシミリ装置を含み、画像読取機能、複写機能、ファクシミリ送受信機能を備えている。なお、本実施の形態においてはMFP200,201を例に説明するが、MFP200,201に代えて、画像を処理する機能を備えた装置であれば、たとえば、スキャナ装置、画像形成装置、ファクシミリ装置、画像データを生成するパーソナルコンピュータ等であってもよい。なお、MFP200,201は、ハード構成および機能は同じなので、ここでは、特に言及しない限りMFP200を例に説明する。
【0019】
PC100は、一般的なコンピュータである。PC100は、MFP200,201を制御するための画像形成制御プログラムであるプリンタドライバプログラムがインストールされている。ユーザがPC100にアプリケーションプログラムを実行させ、そのアプリケーションプログラムで処理されるデータをプリントするためにプリント指示をPC100に入力すると、PC100はプリンタドライバプログラムを実行する。ドライバプログラムを実行するPC100は、アプリケーションプログラムで処理されるデータをプリントするためのプリントデータに変換し、プリント指示に従ってプリントさせるためのコマンドを含む制御データを生成し、MFP200またはMFP201にプリントデータと制御データとを送信する。これにより、MFP200またはMFP201において、プリントする処理が実行される。
【0020】
ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。
【0021】
図2は、本実施の形態におけるPC100のハード構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、PC100は、それぞれがバス120に接続された中央演算装置(CPU)101と、CPU101が実行するためのプログラムなどを記録したROM(Read Only Memory)103と、実行されるプログラムをロードするための、およびプログラム実行中のデータを記憶するためのRAM(Random Access Memory)105と、データを不揮発的に記憶するためのハードディスクドライブ(HDD)107と、フラッシュメモリ108が装着されるカードインターフェース(I/F)109と、PC100をネットワーク2に接続するための通信I/F111と、ユーザとのインターフェースとして機能する操作部119とを含む。
【0022】
CPU101は、カードI/F109に装着されたフラッシュメモリ108に記録されたプリンタドライバプログラムをRAM105にロードして実行する。なお、CPU101が実行するプリンタドライバプログラムは、フラッシュメモリ108に記録されたプリンタドライバプログラムに限られず、HDD107に記憶されたプリンタドライバプログラムをRAM105にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク2に接続された他のコンピュータが、PC100のHDD107に記憶されたプリンタドライバプログラムを書換える、または、新たなプリンタドライバプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、PC100が、ネットワーク2に接続された他のコンピュータからプリンタドライバプログラムをダウンロードして、そのプリンタドライバプログラムをHDD107に記憶するようにしてもよい。ここでいうプリンタドライバプログラムは、CPU101により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0023】
操作部119は、入力部119Aと表示部119Bとを含む。入力部119Aは、PC100のユーザによる操作の入力を受付けるためのキーボードまたはマウス等の入力装置である。表示部119Bは、液晶表示装置、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイパネルまたは陰極線管(CRT)等の表示装置である。入力部119Aに、マウスまたはタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いるようにしてもよい。
【0024】
通信I/F111は、PC100をネットワーク2と接続するための通信インターフェースである。これにより、PC100は、他のMFP200,201との間で通信することが可能となる。PC100と、他のMFP200,201とは、ネットワーク2を介して接続されるが、シリアルインターフェースまたはパラレルインターフェースを用いて直接接続されてもよい。通信I/F111は、PC100と他のMFP200,201それぞれとの接続形態に応じたインターフェースが用いられる。
【0025】
図3は、MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、MFP200は、メイン回路201と、原稿を読み取るための原稿読取部222と、原稿を原稿読取部222に搬送するためのADF221と、原稿読取部222が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等の記録媒体に画像を形成するための画像形成部223と、画像形成部223に用紙を供給するための給紙部224とユーザインターフェースとしての操作パネル226とを含む。
【0026】
ADF221は、原稿台に搭載された複数枚の原稿をさばいて1枚ずつ順に、原稿読取部222に搬送する。原稿読取部222は、写真、文字、絵等の画像情報を原稿から光学的に読み取って画像データを取得する。画像形成部223は、画像データが入力されると、画像データに基づいて用紙上に画像を形成する。画像形成部223は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを用いて画像を形成する。
【0027】
給紙部224は、複数種類の用紙をそれぞれ格納する4つの用紙トレイを有しており、4種類の用紙を格納することができる。用紙の種類は、用紙のサイズおよび方向の他に、用紙の材質、色、形状により分類される。ここでは、4つの用紙トレイに付された名称を「用紙トレイ01」、「用紙トレイ02」、「用紙トレイ03」および「用紙トレイ04」とし、4つ用紙トレイには、種類または方向が異なり、用紙サイズが同じA4の用紙が格納されているとする。給紙部224は、CPU211からの指示により特定される用紙トレイに格納された用紙を1枚ずつ画像形成部223に供給する。なお、ここでは、MFP200が、4つの用紙トレイを有する場合を例に説明するが、用紙トレイの数を限定するものではなく、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0028】
後処理部225は、画像が形成された用紙を排紙する。後処理部225は、複数の排紙トレイを有し、用紙をソートして排紙することが可能である。また、後処理部225は、パンチ穴加工部、ステープル加工部を備えており、排紙された用紙にパンチ穴加工、またはステープル加工することが可能である。
【0029】
また、MFP100は、その上面にユーザとのユーザインターフェースとしての操作パネル226を備えている。操作パネル226は、表示部226Aと操作部226Bとを含む。表示部226Aは、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部226Bは、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受付ける。操作部226Bは、表示部226A上に設けられたタッチパネルをさらに含む。
【0030】
メイン回路201は、CPU211と、通信インターフェース(I/F)部212と、ROM(Read Only Memory)213と、RAM(Random Access Memory)214と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)215と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)216と、ファクシミリ部217と、CD−ROM(Compact Disc−ROM)218Aが装着される外部記憶装置218とを含む。CPU211は、ADF221、原稿読取部222、画像形成部223、給紙部224、後処理部225および操作パネル226と接続され、MFP200の全体を制御する。
【0031】
ROM213は、CPU211が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM214は、CPU211がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM214は、原稿読取部222から連続的に送られてくる読取データ(画像データ)を一時的に記憶する。
【0032】
通信I/F部212は、MFP200をネットワークに接続するためのインターフェースである。CPU211は、通信I/F部212を介して接続されるPC100との間で通信し、データを送受信する。
【0033】
ファクシミリ部217は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部217は、受信したファクシミリデータを、HDD216に記憶する、または画像形成部223に出力する。画像形成部223は、ファクシミリ部217により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部217は、HDD216に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0034】
外部記憶装置218は、CD−ROM218Aが装着される。CPU211は、外部記憶装置218を介してCD−ROM218Aにアクセス可能である。ここでは、CPU211がROM213に記憶されたプログラムを実行する例を示すが、CD−ROM218Aに記憶されたプログラムをRAM214にロードして実行するようにしてもよい。
【0035】
MFP200は、PC100からプリントデータとプリント条件とを含むプリントジョブが入力されると、プリントデータの画像をプリント条件にしたがって用紙に形成する。プリント条件は、複数の設定項目毎にパラメータが設定されたコマンドを含む。
【0036】
図4は、PCが備えるCPUの機能の概要をHDDに記憶する情報とともに示す機能ブロック図である。図4を参照して、PC100が備えるCPU101は、ユーザによる操作を受け付ける操作受付部51と、設定情報を追加、変更および削除する設定部53と、アプリケーションプログラムを実行するアプリケーション実行部63と、アプリケーション実行部63にプリンタ情報を提供するプリンタ情報提供部61と、アプリケーション実行部63からプリントデータが入力されるプリント指示受付部55と、HDD107に記憶される設定情報71のうちから所定の設定情報を抽出する抽出部57と、制御データに含めるコマンドを生成するコマンド生成部59と、を含む。
【0037】
操作受付部51、設定部53、プリンタ情報提供部61、プリント指示受付部55、抽出部57、およびコマンド生成部59は、CPU101がプリンタドライバプログラム(画像形成制御プログラム)を実行することによりCPU101に形成される。アプリケーション実行部63は、CPU101がアプリケーションプログラムを実行することによりCPU101に形成される。アプリケーションプログラムは、例えばPDF(Portable Document Format)フォーマットのデータ等の複数ページのデータをページ単位に管理するプログラムである。
【0038】
プリンタ情報提供部61は、MFP200と予め通信し、MFP200にプリント条件として与えることが可能な複数の設定項目と、複数の設定項目毎に設定することが可能な少なくとも1つのパラメータとをMFP200から取得する。複数の設定項目は、MFP200が備える給紙部224が有する4つの用紙トレイのいずれか1つを指定するための設定項目「用紙トレイ」を含み、プリンタ情報提供部61は、設定項目「用紙トレイ」と、設定項目「用紙トレイ」に設定可能なパラメータとして4つの用紙トレイそれぞれを識別するための名称「トレイ01」、「トレイ02」、「トレイ03」および「トレイ04」を取得する。
【0039】
プリンタ情報提供部61は、複数の設定項目のうちのページ設定項目と、そのページ設定項目に設定可能な少なくとも1つのパラメータとをアプリケーション実行部63に出力する。ページ設定項目は、プリント条件に含まれる複数の設定項目のうち、プリントの対象となるデータに含まれる複数のページ毎に設定可能な設定項目である。ページ設定項目は、プリンタ情報提供部61により予め定められていてもよいし、アプリケーション実行部63から要求されて選ばれてもよい。ここでは、MFP200が備える給紙部224が有する4つの用紙トレイのいずれか1つを指定するための設定項目「用紙トレイ」が、ページ設定項目として予め定められている場合を説明する。
【0040】
さらに、本実施の形態においては、ページ設定項目に設定可能な第1パラメータを、MFP200が備える給紙部224が有する4つの用紙トレイを識別するために、それぞれに付された複数の名称を含むようにしている。例えば、名称「トレイ01」の用紙トレイに対して、「トレイ11」、「トレイ21」、「トレイ31」のように、末尾の2桁の数字のうち一の位の数字で名称「トレイ01」の用紙トレイが特定され、十の位の数字で、異なる第1パラメータとする。「トレイ11」、「トレイ21」、「トレイ31」は、後述する設定部53により設定される設定情報71において決定される。
【0041】
プリンタ情報提供部61は、ページ設定項目「用紙トレイ」と、それに設定可能なパラメータとして用紙トレイの名称「トレイ01」とそれに格納されている用紙のサイズ「A4」との組と、用紙トレイの名称「トレイ02」とそれに格納されている用紙のサイズ「A4」との組と、用紙トレイの名称「トレイ03」とそれに格納されている用紙のサイズ「A4」との組、用紙トレイの名称「トレイ04」とそれに格納されている用紙のサイズ「A4」との組、用紙トレイの名称「トレイ11」とそれに格納されている用紙のサイズ「A4」との組、用紙トレイの名称「トレイ21」とそれに格納されている用紙のサイズ「A4」との組、用紙トレイの名称「トレイ31」とそれに格納されている用紙のサイズ「A4」との組を、プリンタ情報としてアプリケーション実行部63に出力する。ここで、用紙トレイの名称は、第1パラメータである。
【0042】
アプリケーション実行部63は、処理対象としているデータを表示部119Bに表示する。処理対象とするデータは、複数ページを含むデータである。アプリケーション実行部63は、データのあるページを表示部119Bに表示しているときに、ユーザが入力部119Aにページ設定指示を入力すると、ページ設定画面を表示部119Bに表示する。そして、ユーザが入力部119Aにページ設定情報を入力すると、入力されたページ設定情報を、データに含まれる複数のページのうち表示部119Bに表示されていたページに対応するページ設定情報として受け付ける。ページ設定情報は、処理対象としているデータに対して、それに含まれる複数のページ毎に設定するプリント条件の一部である。アプリケーション実行部63は、ユーザが入力部119Aにプリントする指示を入力すると、プリントする指示を受け付け、処理対象としているデータと、ページ毎に設定されたページ設定情報とをプリント指示受付部55に出力する。
【0043】
ページ設定情報は、プリンタ情報提供部61から入力されるページ設定情報に含まれるページ設定項目に対して、少なくとも1つの第1パラメータのいずれか1つを設定することを示し、ページ設定項目と第1パラメータとを少なくとも含む。例えば、アプリケーション実行部63は、ページ設定項目「用紙トレイ」に設定可能な第1パラメータのうち、「トレイ01」と、「トレイ02」と、「トレイ03」と、「トレイ04」と、「トレイ11」と、「トレイ21」と、「トレイ31」とのうち「トレイ01」が設定されたならば、ページ設定項目として「用紙トレイ」と、第1パラメータとして「トレイ01」と、を含むページ設定情報をプリント指示受付部55に出力する。
【0044】
図5は、ページ設定情報の一例を示す図である。図5を参照して、ページ設定情報は、設定項目「用紙サイズ」に対してパラメータ「A4」と、ページ設定項目である設定項目「用紙トレイ」に対して第1パラメータとしての用紙トレイの名称「トレイ02」と、を含む。
【0045】
図6は、ページ設定画面の一例を示す図である。図6を参照して、ページ設定画面321は、用紙サイズを設定するための領域323と、用紙トレイを設定するための領域325とを含む。図6を参照して、ユーザが領域323に用紙サイズを設定すると、設定された用紙サイズを格納する用紙トレイの名称と、「既定値」および「自動」が選択可能に表示される。用紙トレイを設定するための領域325に選択可能に表示される用紙トレイの名称は、プリンタ情報提供部61からアプリケーション実行部63に入力されるプリンタ情報に含まれる第1パラメータである。「既定値」は、予め定められた用紙トレイを指定するための選択肢であり、ここでは用紙トレイの名称「トレイ01」が既定値に設定されている。「自動」は、設定された用紙サイズに対して用紙トレイを自動的に設定することを指定するための選択肢である。ユーザが入力部119Aに領域325に表示された選択肢のいずれかを指示すれば、指示された選択肢で定まる用紙トレイの名称がページ設定情報に設定される。
【0046】
図4に戻って、アプリケーション実行部63は、データに対してページ設定情報が設定されると、そのページ設定情報をデータと関連付けてHDD107に記憶する。また、ページ設定情報が設定されたデータに対してページが挿入または削除される場合には、ページが挿入または削除された後の複数のページそれぞれに設定されるページ設定情報を、ページが挿入または削除される前の複数のページそれぞれに設定されていたページ設定情報が維持されるように、ページ設定情報更新する。このため、ページ設定情報が設定されたデータに対してページが挿入または削除される場合であっても、ページが追加または削除される前後でページごとに設定されるページ設定情報が変更されないようにすることができる。
【0047】
操作受付部51は、設定情報を追加、変更および削除するための設定情報設定画面を表示部119Bに表示し、ユーザが設定情報設定画面に従って入力部119Aに入力する操作を受け付ける。操作受付部51は、受け付けた操作を設定部53に出力する。
【0048】
設定部53は、操作受付部51から入力される操作が、設定情報を追加する操作の場合、新たな設定情報を生成し、HDD107に記憶する。これにより、HDD107に設定情報71が新たに記憶される。また、操作受付部51は、受け付けた操作が、設定情報17を変更または削除する操作の場合、HDD107に記憶された設定情報71を変更または削除する。
【0049】
設定情報71は、ページ設定項目に設定可能な第1パラメータと、MFP200でプリントするためにMFP200に設定可能な複数の独自項目のうちから選ばれた少なくとも1つの従属項目それぞれに設定可能な少なくとも1つの第2パラメータとを関連付ける。ここでは、ページ設定項目を「用紙トレイ」としているため、第1パラメータは、MFP200が備える給紙部224が有する4つの用紙トレイにそれぞれ付された名称「トレイ01」、「トレイ02」、「トレイ03」、「トレイ04」、「トレイ11」、「トレイ21」、「トレイ31」を含む。これにより、ページ設定項目に設定された8つの第1のパラメータに対して、それぞれと組になる少なくとも1つの第2のパラメータとで、8つの設定情報71を生成することが可能となる。換言すれば、給紙部224が有する4つの用紙トレイそれぞれに対して、付された名称の数と同じ数の設定情報71を記憶することができる。
【0050】
従属項目は、MFP200においてプリントするためにプリント条件として設定可能な独自項目のうちページ単位に設定可能な独自項目である。ここでは、従属項目を、「印刷種類」、「インデックス紙」、「ステープル」、「パンチ穴」、および「ステープル終了」としている。
【0051】
従属項目「印刷種類」は、片面印刷および両面印刷の別、または印刷することなく白紙を挿入することとのいずれかを設定するための独自項目である。従属項目「印刷種類」に設定可能な第2のパラメータは、用紙の片面に印刷することを設定するための「片面印刷」と、用紙の両面に印刷することを設定するための「両面印刷」と、用紙に印刷することなく白紙を挿入すること設定するための「白紙挿入」と、を含む。
【0052】
従属項目「インデックス紙」は、インデックス紙を使用するか否かを設定するための独自項目である。従属項目「インデックス紙」に設定可能な第2のパラメータは、インデックス紙を使用することを設定するための「使用する」と、インデックス紙を使用しないことを設定するための「使用しない」と、を含む。
【0053】
従属項目「ステープル」は、用紙にステープル針を打ち込むステープル加工をするか否かを設定するための独自項目である。従属項目「ステープル」に設定可能な第2のパラメータは、用紙にステープル加工する場合にその位置と打ち込むステープルの数を設定するためのパラメータであり、用紙の左コーナに1つのステープルの打ち込みを設定するための「左コーナ」と、用紙の右コーナに1つのステープルの打ち込みを設定するための「右コーナ」と、用紙の左に2つのステープルの打ち込みを設定するための「2点(左)」と、用紙の上に2つのステープルの打ち込みを設定するための「2点(上)」と、本文と同じ位置と数のステープルの打ち込みを設定するための「本文と同じ」と、を含む。
【0054】
従属項目「パンチ穴」は、用紙にパンチ穴を開けるパンチ穴加工をするか否かを設定するための独自項目である。従属項目「パンチ穴」に設定可能な第2のパラメータは、パンチ穴加工することを設定するための「on」と、パンチ穴加工しないことを設定するための「off」と、本文と同じに設定するための「本文と同じ」と、を含む。
【0055】
従属項目「ステープル終了」に設定可能な第2のパラメータは、前のページの用紙にステープル加工する設定がされている場合にそのページまでまとめてステープルの打ち込みを設定するためのパラメータであり、後のページまでまとめてステープルの打ち込みを設定することを設定するための「オフ」と、そのページまでまとめてステープルの打ち込みを設定するための「オン」と、を含む。
【0056】
図7は、設定情報設定画面の一例を示す図である。図7を参照して、設定情報設定画面301は、設定情報71を一覧表示する領域309と、第1パラメータを指定する領域303と、複数の従属項目ごとに設定された第2パラメータを表示する領域305と、従属項目の第2パラメータを変更する領域307と、ボタン311,313を含む。
【0057】
領域309には、ページ設定項目「用紙トレイ」、従属項目「印刷種類」、「インデックス紙」、「ステープル」、「パンチ穴」および「ステープル終了」それぞれに対して、第1パラメータおよび5つの第2パラメータを含む設定情報が表示される。
【0058】
領域309に表示された設定情報を選択することにより、選択された設定情報が変更または削除の対象となる。図では、用紙トレイ「トレイ01」の設定情報が選択された場合を例に示している。選択された設定情報のページ設定項目「用紙トレイ」に設定可能な第1パラメータが領域303に表示され、選択された設定情報により定義され、指定された第1のパラメータと組になる第2のパラメータが従属項目の名称とともに領域305に表示される。
【0059】
領域305において、従属項目の名称を選択することにより、領域307に選択された従属項目の名称に設定されている第2パラメータが表示される。図においては、従属項目の名称「印刷種類」が選択された場合を示しており、領域307に第2のパラメータとして「両面印刷」が表示される。領域307に表示されている第2パラメータを、別の第2パラメータに変更することにより、従属項目に設定される第2パラメータを変更する操作が入力され、設定情報が変更される。
【0060】
また、領域309において、設定情報が選択された状態で、「削除」の文字が表されたボタン313が指示されると、その設定情報を削除する操作を受け付け、設定情報を削除する。
【0061】
また、ユーザが「追加」の文字が表されたボタン311を指示すれば、新たな設定情報が追加される。ユーザが、領域303に新たな設定情報により定義されるべき、ページ設定項目「用紙トレイ」に設定可能な第1パラメータを入力し、新たな設定情報により定義されるべき、5つの従属項目それぞれに対応する5つの第2パラメータを領域307に入力すれば、新たな設定情報を追加する操作が入力され、新たな設定情報が追加される。
【0062】
図8は、設定情報のフォーマットの一例を示す図である。図8を参照して、設定情報は、ページ設定項目のフィールドと、5つの従属項目A〜従属項目Eのフィールドとを含む。ページ設定項目のフィールドには、第1パラメータが設定され、5つの従属項目A〜従属項目Eそれぞれのフィールドには第2パラメータが設定される。ここでは、ページ設定項目は「用紙トレイ」であり、従属項目Aは「印刷種類」、従属項目Bは「インデックス紙」、従属項目Cは「ステープル」、従属項目Dは「パンチ穴」、従属項目Eは「ステープル終了」である。
【0063】
図4に戻って、プリント指示受付部55は、アプリケーション実行部63からデータとページ設定情報とが入力される。プリント指示受付部55は、入力されるページ設定情報を抽出部57に出力し、入力されるデータをコマンド生成部59に出力する。
【0064】
抽出部57は、プリント指示受付部55からページ設定情報が入力されると、ページ設定情報に含まれるページ設定項目「用紙トレイ」の第1パラメータと同じ第1パラメータがページ設定項目のフィールドに設定されている設定情報を、HDD107に記憶されている設定情報71のうちから抽出する。そして、第1パラメータと、抽出した設定情報の5つの従属項目A〜従属項目Eそれぞれに設定されている5つの第2パラメータとをコマンド生成部59に出力する。
【0065】
コマンド生成部59は、プリント指示受付部55から入力されるデータをMFP200でプリントするためのプリントデータに変換する。また、コマンド生成部59は、抽出部57から入力されるページ設定項目と第1パラメータの組を含むコマンドと、5つの従属項目と第2パラメータとの5つの組をそれぞれ含むコマンドとを生成する。そして、コマンド生成部59は、生成されたコマンドを含む制御データとプリントデータとを含むプリントジョブを生成し、MFP200に送信する。プリントジョブは、例えば、PDL(Page Description Language)またはPJL(Printer Job Language)で記述される。
【0066】
図9は、画像形成制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像形成制御処理は、PC100が備えるCPU101が、画像形成制御プログラムを実行することにより、CPU101により実行される処理である。
【0067】
図9を参照して、CPU101は、プリントの対象となるデータとページ設定情報とを受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。CPU101がアプリケーションプログラムを実行し、そのプロセスからデータとページ設定情報とを受け付けたか否かを判断する。それらを受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、それらを受け付けると(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。
【0068】
ステップS02においては、ページ設定情報からページ設定項目と第1パラメータとを抽出する。ここでは、ページ設定項目は「用紙トレイ」であり、第1パラメータは、MFP200が備える給紙部224が有する4つの用紙トレイを識別するための名称「トレイ01」、「トレイ02」、「トレイ03」、「トレイ04」、「トレイ11」、「トレイ21」、および「トレイ31」のいずれか1つである。ここでは、ページ設定情報が第1パラメーターとして用紙トレイ「トレイ01」を含む場合を例に説明する。
【0069】
次のステップS03においては、HDD107に記憶されている設定情報71のうちからページ設定項目のフィールドにステップS02において抽出された第1パラメータと同じ第1パラメータが設定されている設定情報を抽出する。具体的には、ページ設定項目のフィールドに、「トレイ01」が設定されている設定情報を抽出する。
【0070】
そして、次のステップS04においては、ステップS03において抽出された設定情報の従属項目のフィールドに設定されている5つの第2パラメータを取得する。具体的には、5つの従属項目「印刷種類」、「インデックス紙」、「ステープル」、「パンチ穴」および「ステープル終了」それぞれに設定されている5つの第2パラメータを取得する。
【0071】
ステップS05においては、ページ設定項目にステップS02において抽出された第1パラメータを設定し、5つの従属項目にステップS04において取得された5つの第2パラメータをそれぞれ設定したコマンドを生成する。そして、ステップS01において取得されたデータを変換したプリントデータとステップS05において生成されたコマンドとを含むプリントジョブを送信し(ステップS06)、処理を終了する。
【0072】
アプリケーションプログラムを実行するプロセスにおいては、ユーザはページ設定項目である用紙トレイに設定可能な第1パラメータを設定するだけで、MFP200において設定可能なページ設定項目とは別の従属項目に設定可能な第2パラメータが自動的に設定される。このため、アプリケーションプログラムを実行するプロセスが処理対象とするデータにおいて、ページを追加または削除する場合であっても、ページの追加または削除前にページ対して既に設定されていたページ設定項目の第1パラメータは追加または削除後のページと対応付けが維持されるので、従属項目に設定された第2パラメータも追加または削除前のページに対応付けられた状態が維持される。したがって、アプリケーションプログラムを実行するプロセスが処理対象とするデータにおいて、ページを追加または削除する前後でページごとに設定されるプリント条件が変更されないようにすることができる。
【0073】
図10は、設定情報設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。設定情報設定処理は、PC100が備えるCPU101が画像形成制御プログラムを実行することによりCPU101により実行される処理である。図10を参照して、CPU101は、設定情報設定画面を表示する指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザが入力部119Aに設定情報設定画面を表示する指示を入力するまで待機状態となり(ステップS11でNO)、ユーザが指示を入力したならば(ステップS11でNO)、処理をステップS12に進める。
【0074】
ステップS12においては、設定情報設定画面301を表示部119Bに表示し、処理をステップS13に進める。ステップS13においては、表示された設定情報の1つが選択されたか否かを判断する。設定情報が選択されたならば処理をステップS14に進め、そうでなければ処理をステップS18に進める。
【0075】
ステップS14においては、削除指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザが入力部119Aを操作して、設定情報設定画面301のボタン313を指示したならば削除指示を受け付ける。削除指示を受け付けたならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければステップS15をスキップして処理をステップS16に進める。
【0076】
ステップS15においては、ステップS13において選択された設定情報を削除する。具体的には、HDD107に記憶されている設定情報を71のうちから、ステップS13において選択された設定情報を消去する。
【0077】
ステップS16においては、変更指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザが入力部119Aを操作して、設定情報設定画面301の領域305で従属項目を選択し、領域307に別の第2パラメータを設定したならば変更指示を受け付ける。変更指示を受け付けたならば処理をステップS17に進めるが、そうでなければステップS17をスキップして処理をステップS18に進める。
【0078】
ステップS17においては、ステップS16において受け付けられた第2パラメータで、ステップS13において選択された設定情報を変更する。具体的には、HDD107に記憶されている設定情報71のうちステップS13において選択された設定情報の第2パラメータを書き換える。
【0079】
ステップS18においては、追加指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザが入力部119Aを操作して、設定情報設定画面301のボタン313を指示したならば追加指示を受け付ける。追加指示を受け付けたならば処理をステップS19に進めるが、そうでなければ処理を終了する。
【0080】
ステップS19においては、ページ設定項目に設定する新たな第1パラメータの指定を受け付けるまで待機状態となり、第1パラメータの指定を受け付けると処理をステップS20に進める。具体的には、設定情報設定画面301の領域303に、それまで設定されている「トレイ01」、「トレイ02」、「トレイ03」、「トレイ04」、「トレイ11」、トレイ「21」および「トレイ31」とは異なる新たな第1パラメータの指定を受け付ける。但し、新たな第1パラメータは、MFP200が備える給紙部224が有する4つの用紙トレイのいずれかを特定する情報である。
【0081】
ステップS20においては、5つの従属項目それぞれに設定する5つの第2パラメータの指定を受け付けるまで待機状態となり、5つの第2パラメータの指定を受け付けると処理をステップS21に進める。具体的には、設定情報設定画面301の領域305で従属項目を選択し、領域307に第2パラメータを設定したならば第2パラメータの指定を受け付ける。
【0082】
ステップS21においては、ステップS19において指定された第1パラメータとステップS20において指定された5つの第2パラメータとを含む設定情報を新たに生成し、HDD107に記憶されている設定情報71に追加して記憶する。具体的には、第1パラメータをページ設定項目のフィールドに設定し、5つの第2パラメータを5つの従属項目のフィールドのうち対応するものにそれぞれ設定した設定情報を生成する。
【0083】
図11は、データのプリント出力結果の一例を示す第1の図である。図では、データが3ページからなり、それぞれのページ設定としてページ設定項目「用紙トレイ」に第1パラメータ「トレイ01」が設定されて出力された結果を示す。第1パラメータ「トレイ01」は、MFP200が備える4つの給紙トレイのうち名称「トレイ01」の給紙トレイであり、原稿サイズが「A4」の普通紙が格納されている。このため、第1〜第3ページそれぞれが原稿サイズが「A4」の普通紙にプリントされる。図では、説明のために、第1ページが文字「あ」を含む画像で示し、第2ページが文字「い」を含む画像で示し、第3ページを文字「う」を含む画像で示している。
【0084】
図12は、データのプリント出力結果の一例を示す第2の図である。データのページ設定を、第2ページのみ変更した場合の出力結果を示す。具体的には、第2ページのページ設定としてページ設定項目「用紙トレイ」の第1パラメータに「トレイ01」が設定されていたものを、「トレイ02」に変更した場合の出力結果である。第1パラメータ「トレイ02」は、MFP200が備える4つの給紙トレイのうち名称「トレイ02」の給紙トレイであり、原稿サイズが「A4」のインデックス紙が格納されている。このため、第1および第3ページそれぞれは原稿サイズが「A4」の普通紙にプリントされるが、第2ページの画像は原稿サイズが「A4」のインデックス紙にプリントされる。
【0085】
図13は、データのプリント出力結果の一例を示す第3の図である。データに目次のページを第1ページの前に新たに追加し、目次のページのページ設定としてページ設定項目「用紙トレイ」に第1パラメータ「トレイ01」が設定した場合の出力結果を示す。目次のページを挿入する前の第1〜第3ページは、第2〜第4ページにそれぞれ変更になるが、各ページに設定されたページ設定も対応するページに伴って移動する。このため、第2および第4ページのページ設定としてページ設定項目「用紙トレイ」に第1パラメータ「トレイ01」が設定され、第3ページのページ設定としてページ設定項目「用紙トレイ」に第1パラメータ「トレイ02」が設定される。第1ページに追加された目次のページは、ページ設定としてページ設定項目「用紙トレイ」に第1パラメータ「トレイ01」が設定され、第1、第2および第4ページそれぞれが原稿サイズが「A4」の普通紙にプリントされ、第3ページは原稿サイズが「A4」のインデックス紙にプリントされる。
【0086】
以上説明したように本実施の形態におけるPC100は、ページ設定項目に設定可能な第1パラメータと、画像形成装置でプリントするために設定可能な複数の独自項目のうちから選ばれた少なくとも1つの従属項目それぞれに設定可能な少なくとも1つの第2パラメータとを関連付ける設定情報がHDD107に記憶されており、プリント指示受付部55によりアプリケーション実行部63から複数ページを含むデータと、複数ページ毎にページ単位に設定可能なページ設定項目にパラメータが設定されたページ設定情報とが受け付けられると(S01)、抽出部57によりページ設定情報においてページ設定項目に設定された第1パラメータと同じ第1パラメータを含む設定情報をHDD107に記憶されている設定情報71のうちから抽出され(S03)、コマンド生成部59により第1パラメータと、設定情報により第1パラメータと関連付けられた5つの第2パラメータとに基づいて、MFP200またはMFP201がプリントするためのコマンドが複数ページ毎に生成される(S05)。
【0087】
このため、ユーザがページ設定項目に第1パラメータを設定するだけで、MFP200またはMFP201において設定可能なページ設定項目とは別の従属項目に第2パラメータが設定されるので、ページ毎の設定を容易にすることができる。また、アプリケーションプログラムにおいてデータにページが追加または削除される場合であっても、ページの追加または削除前にページ対して既に設定されていたページ設定項目の第1パラメータは追加または削除後のページと対応付けが維持されるので、従属項目に設定された第2パラメータも追加または削除前のページに対応付けられた状態が維持される。したがって、ページを追加または削除する前後でページごとに設定される内容が変更されないようにすることができる。
【0088】
また、プリンタ情報提供部61によりMFP200が備える給紙部224が有する用紙を収納するための4つの用紙トレイを識別するための名称が取得され、設定情報のページ設定項目のフィールドに設定される第1パラメータは、MFP200が備える給紙部224が有する4つの用紙トレイを識別するために、それぞれに付された複数の名称を含む。このため、給紙部224が有する4つの用紙トレイそれぞれに対して、付された複数の名称の数と同じ数の設定情報71を記憶することができる。例えば、名称「トレイ01」の用紙トレイに対して、4つの第1のパラメータ「トレイ01」、「トレイ11」、「トレイ21」、「トレイ31」それぞれを含む4つの設定情報を記憶することができる。
【0089】
また、設定部53により、HDD107に記憶された設定情報71が変更または削除され、または新たな設定情報が追加されるので、ユーザの使用に応じてページに対する設定を予め定めること画でいる。
【0090】
なお、上述した実施の形態においては、PC100について説明したが、図9または図10に示した処理をPC100に実行させるための画像形成制御方法または画像形成制御方法をPC100に実行させるための画像形成制御プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0091】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおけるプリントシステムの全体概要を示す図である。
【図2】本実施の形態におけるPCのハード構成の一例を示すブロック図である。
【図3】MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】PCが備えるCPUの機能の概要をHDDに記憶する情報とともに示す機能ブロック図である。
【図5】ページ設定情報の一例を示す図である。
【図6】ページ設定画面の一例を示す図である。
【図7】設定情報設定画面の一例を示す図である。
【図8】設定情報のフォーマットの一例を示す図である。
【図9】プリンタ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】設定情報設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】データのプリント出力結果の一例を示す第1の図である。
【図12】データのプリント出力結果の一例を示す第2の図である。
【図13】データのプリント出力結果の一例を示す第3の図である。
【符号の説明】
【0093】
1 プリントシステム、2 ネットワーク、51 操作受付部、53 設定部、55 プリント指示受付部、57 抽出部、59 コマンド生成部、61 プリンタ情報提供部、63 アプリケーション実行部、71 設定情報、100 PC、101 CPU、103 ROM、105 RAM、107 HDD、108 フラッシュメモリ、109 カードI/F、111 通信I/F、119 操作部、119A 入力部、119B 表示部、120 バス、200,201 MFP、221 CPU、221 ADF、222 原稿読取部、223 画像形成部、224 給紙部、225 後処理部、226 操作パネル。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置を制御するための画像形成制御装置であって、
複数ページを含むデータと、前記複数ページ毎にページ単位に設定可能なページ設定項目にパラメータが設定されたページ設定情報とを受け付けるプリント指示受付手段と、
前記ページ設定項目に設定可能な第1パラメータと、前記画像形成装置でプリントするために設定可能な複数の独自項目のうちから選ばれた少なくとも1つの従属項目それぞれに設定可能な少なくとも1つの第2パラメータとを関連付ける設定情報を予め記憶する設定情報記憶手段と、
前記受け付けられたページ設定情報において前記ページ設定項目に設定された第1パラメータと、前記記憶された設定情報により前記第1パラメータと関連付けられた前記少なくとも1つの第2パラメータとに基づいて、前記画像形成装置がプリントするためのコマンドを前記複数ページ毎に生成するコマンド生成手段と、を備えた画像形成制御装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの従属項目は、前記複数の独自項目のうちページ単位に設定可能な独自項目である、請求項1または2に記載の画像形成制御装置。
【請求項3】
前記画像形成装置が有し、プリントするための記録媒体を収納するため収納手段を識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記設定情報において前記ページ設定項目に対して定義される前記第1パラメータは、前記識別情報を特定し、
前記設定情報記憶手段は、前記収納手段を特定するための互いに異なる複数の前記第1のパラメータをそれぞれ含む複数の前記設定情報を記憶し、
前記受け付けられたページ設定情報において前記ページ設定項目に設定された前記第1パラメータと同じ第1パラメータを含む設定情報を前記複数の設定情報のうちから抽出する抽出手段をさらに備えた、請求項1または2に記載の画像形成制御装置。
【請求項4】
前記設定情報記憶手段に記憶された前記設定情報を変更または削除する、または新たな設定情報を追加する設定手段を、さらに備えた請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成制御装置。
【請求項5】
画像形成装置を制御するための画像形成制御方法であって、
複数ページを含むデータと、前記複数ページ毎にページ単位に設定可能なページ設定項目にパラメータが設定されたページ設定情報とを受け付けるステップと、
前記ページ設定項目に設定可能な第1パラメータと、前記画像形成装置でプリントするために設定可能な複数の独自項目のうちから選ばれた少なくとも1つの従属項目それぞれに設定可能な少なくとも1つの第2パラメータとを関連付ける設定情報を予め記憶するステップと、
前記受け付けられたページ設定情報において前記ページ設定項目に設定された第1パラメータと、前記記憶された設定情報により前記第1パラメータと関連付けられた前記少なくとも1つの第2パラメータとに基づいて、前記画像形成装置がプリントするためのコマンドを前記複数ページ毎に生成するステップと、を含む画像形成制御方法。
【請求項6】
画像形成装置を制御するコンピュータで実行される画像形成制御プログラムであって、
複数ページを含むデータと、前記複数ページ毎にページ単位に設定可能なページ設定項目にパラメータが設定されたページ設定情報とを受け付けるステップと、
前記ページ設定項目に設定可能な第1パラメータと、前記画像形成装置でプリントするために設定可能な複数の独自項目のうちから選ばれた少なくとも1つの従属項目それぞれに設定可能な少なくとも1つの第2パラメータとを関連付ける設定情報を予め記憶するステップと、
前記受け付けられたページ設定情報において前記ページ設定項目に設定された第1パラメータと、前記記憶された設定情報により前記第1パラメータと関連付けられた前記少なくとも1つの第2パラメータとに基づいて、前記画像形成装置がプリントするためのコマンドを前記複数ページ毎に生成するステップと、を前記コンピュータに実行させる画像形成制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−140365(P2010−140365A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317625(P2008−317625)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】