説明

画像形成制御装置、画像形成装置、画像形成システム、プログラム

【課題】ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体を出力させることのできる画像形成制御装置を提供することである。
【解決手段】画像形成制御装置は、複数のページの原稿の入力順序を示す入力順序情報を取得する取得手段と、前記入力順序情報と前記原稿に対応する画像が形成される記録媒体が出力されるときの当該記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、前記複数のページにかかわるページの生成順序を決定する決定手段と、を備えているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成制御装置、画像形成装置、画像形成システム、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、原稿の画像を読み取る画像読取装置および画像が形成された記録媒体の表裏を反転させる反転機構を備えているものがある。
【0003】
このような画像形成装置では、画像読取装置が読み取った原稿の画像データを基に画像を記録媒体に形成するとともに、画像が形成された記録媒体の表裏を反転機構により反転させる。例えば、画像が形成された画像形成面の向きが例えば下向き(上向き)の状態で記録媒体が出力される場合においては、反転機構を用いたときは、前記画像形成面の向きが上向き(下向き)の状態で記録媒体が出力される。
【0004】
なお、画像読取装置および反転機構を備えた装置としては、例えば特許文献1および特許文献2に記載されたものが知られている。
【0005】
また、画像形成装置には、複数のページの画像データに対応する画像が形成される複数の記録媒体を、その画像形成面を上向きあるいは下向きの状態で出力させるかに応じて、前記複数のページの画像データの出力順序を制御するものがある。
【0006】
なお、複数のページの画像データの出力順序を制御する装置としては、例えば特許文献3に記載されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平05−035034号公報
【特許文献2】特開2006−146652号公報
【特許文献3】特開2003−326810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体を出力させることのできる画像形成制御装置、画像形成装置、画像形成システム、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の画像形成制御装置は、複数のページの原稿の入力順序を示す入力順序情報を取得する取得手段と、前記入力順序情報と前記原稿に対応する画像が形成される記録媒体が出力されるときの当該記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、前記複数のページにかかわるページの生成順序を決定する決定手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記決定手段は、前記記録媒体の画像形成面が上向きの場合には最終のページから画像形成されるよう制御し、一方、前記記録媒体の画像形成面が下向きの場合は先頭のページから画像形成されるよう制御する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、前記取得手段は、前記記録媒体を出力する複数の出力先のうち何れかを示す出力先情報をさらに取得し、前記決定手段は、前記入力順序情報と前記出力先情報に基づく出力先での記録媒体の出力形態として予め定められている記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、前記複数のページにかかわるページの生成順序を決定する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、前記原稿に対応する画像が形成される記録媒体に対する後処理を実施するとともに後処理した後の記録媒体を出力する後処理装置が画像形成装置に接続されている場合、前記決定手段は、前記入力順序情報と前記後処理装置での記録媒体の出力形態として予め定められている記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、前記複数のページにかかわるページの生成順序を決定する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、前記取得手段は、前記記録媒体の出力先を示す複数の出力先情報、および出力先毎の前記複数のページの原稿にかかわる画像形成すべき部数を示す部数情報をさらに取得し、前記決定手段は、前記入力順序情報と前記部数情報に基づく部数単位毎の前記出力先情報に基づく出力先での記録媒体の出力形態として予め定められている記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、当該部数単位毎の前記複数のページにかかわるページの生成順序を決定する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、前記取得手段は、前記記録媒体の出力先を示す出力先情報、前記複数のページの原稿にかかわる画像形成すべき複数部数のうち一部目を先行して出力する旨を示す先行出力情報をさらに取得し、前記決定手段は、前記先行出力情報を基に一部目のみを先行して出力すべきと認識した場合に、前記入力順序情報と前記出力先情報に基づく出力先での記録媒体の出力形態として予め定められている記録媒体の画像形成面の向きとに基づき決定される前記複数のページの出力順序が前記原稿の入力順序とは異なるときは、一部目のみについて、ページ毎に原稿の読み込み処理と前記原稿の入力順序で当該読み込み処理の結果に応じた画像データに基づく画像形成処理の結果の出力処理とが実施されるよう制御する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、上記請求項6に記載の発明において、前記決定手段は、前記先行出力情報を基に一部目のみを先行して出力すべきと認識した場合は、一部目については二部目以降とは異なる順序で出力処理される旨の通知を行う、ことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するため、請求項8に記載の本発明の画像形成装置は、複数のページの原稿の入力順序を示す入力順序情報を入力する入力手段と、前記入力順序情報に基づく入力順序に従って提供される複数のページの原稿の画像を読み取る読取手段と、前記読み取りの結果としてのページ毎の画像データを記憶する記憶手段と、請求項1から請求項7の何れか一項に記載の画像形成制御装置と、前記画像形成制御装置によって決定されたページの生成順序に従って前記記憶手段から読み出されるページ毎の画像データに基づき記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって画像が形成された記録媒体を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するため、請求項9に記載の本発明の画形成システムは、請求項8に記載の画像形成装置と、前記画像形成装置から出力される記録媒体に対する後処理を実施するとともに後処理した後の記録媒体を出力する後処理装置と、を有することを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するため、請求項10に記載の本発明のプログラムは、複数のページの原稿の入力順序を示す入力順序情報を取得する取得処理過程と、前記入力順序情報と前記原稿に対応する画像が形成される記録媒体が出力されるときの当該記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、前記複数のページにかかわるページの生成順序を決定する決定処理過程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の発明によれば、ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体を出力させることができる。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、出力される記録媒体の画像形成面の向きが上向きあるいは下向きの何れの場合であっても、ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体を出力させることができる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、指定される出力先から出力される記録媒体の画像形成面の向きが上向きあるいは下向きの何れの場合であっても、ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体を出力させることができる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、後処理装置から出力される後処理後の複数の記録媒体に関してユーザの意図した出力順序で出力させることができる。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、部数単位毎に指定される出力先から出力される記録媒体の画像形成面の向きが上向きあるいは下向きの何れの場合であっても、ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体を出力させることができる。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、複数の記録媒体の出力順序が複数の原稿の入力順序とは異なる場合に、ユーザは画像形成の結果が意図した内容であるかを迅速に確認することができる。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、ユーザは、先行して出力される一部目の記録媒体は二部目以降の記録媒体とは異なる順序で出力されるということを認識したうえで、一部目にかかわる画像形成の結果が意図した内容であるかを迅速に確認することができる。
【0026】
請求項8記載の発明によれば、ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体を出力させることができる。
【0027】
請求項9記載の発明によれば、ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体を出力させることができる。
【0028】
請求項10記載の発明によれば、ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体を出力させるソフトウェアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の実施の形態に係わる画像形成システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係わる画像形成装置の操作パネルに表示される仕分け設定画面での設定内容の一例を示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係わる画像形成装置の操作パネルに表示される紙折り設定画面での設定内容の一例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態に係わる画像形成装置の操作パネルに表示される排出方向切換え設定画面での設定内容の一例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係わる画像読取装置の概略の断面を示す断面図である。
【図6】第1の実施の形態に係わる画像出力装置の画像形成部の構成を示す構成図である。
【図7】第1の実施の形態に係わる画像形成装置に折り装置が接続された画像形成システムの概略の断面を示す断面図である。
【図8】第1の実施の形態にかかわるページ生成順序決定に関するページ生成順序決定規則を説明する図である。
【図9】第1の実施の形態に係わる画像読取装置によって読み取られる原稿の入力順序(正順)およびその場合のコントローラの記憶部に記憶される画像データを説明する図である。
【図10】第1の実施の形態に係わる画像読取装置によって読み取られる原稿の入力順序(逆順)およびその場合のコントローラの記憶部に記憶される画像データを説明する図である。
【図11】第1の実施の形態に係わるコントローラの決定部によって決定されるページ生成順序の様子および出力先からフェイスアップの状態で出力される記録媒体の様子を説明する図である。
【図12】第1の実施の形態に係わるコントローラの決定部によって決定されるページ生成順序の様子および出力先からフェイスダウンの状態で出力される記録媒体の様子を説明する図である。
【図13】第1の実施の形態に係わる画像形成システムによる画像形成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態に係わる画像形成システムの概略の断面を示す断面図である。
【図15】第2の実施の形態に係わる画像形成システムの用紙搬送方向切換え装置での記録媒体の出力を説明する断面図である。
【図16】第2の実施の形態に係わる画像形成システムの正面を示す正面図である。
【図17】第3の実施の形態に係わる画像形成装置のコントローラの機能構成を示すブロック図である。
【図18】第3の実施の形態に係わるコントローラのジョブメモリ記憶部に登録されるジョブメモリへの設定内容を説明する図である。
【図19】第3の実施の形態に係わる画像形成システムによるマルチジョブソートでの画像出力の概略を説明する図である。
【図20】第3の実施の形態に係わる画像形成システムによる画像形成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】第3の実施の形態に係わる画像形成装置によるマルチジョブソートの場合に外部記憶装置に蓄積される画像データの一例を示す図である。
【図22】第3の実施の形態に係わるコントローラのジョブ制御部により生成されるマルチジョブソートページ生成情報の一例を示す図である。
【図23】第3の実施の形態に係わるコントローラによるマルチジョブソートページ生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図24】第4の実施の形態に係わる画像形成システムでの原稿の入力順序と記録媒体の出力順序との関係を説明する図である。
【図25】第4の実施の形態に係わるコントローラのジョブ制御部の決定部によるページ生成順序決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図26】第4の実施の形態に係わる画像形成システムによる画像形成処理(記録媒体の出力順序が原稿の入力順序に対し逆順の場合)の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】第4の実施の形態に係わる画像形成システムによる画像形成処理(記録媒体の出力順序が原稿の入力順序に対し逆順の場合)における一部先行出力の指示例および一部先行出力の出力形態の通知例を示す図である。
【図28】第4の実施の形態に係わる画像形成システムによる画像形成処理(記録媒体の出力順序が原稿の入力順序に対し正順の場合)の処理手順を示すフローチャートである。
【図29】第1の実施の形態から第4の実施の形態に係わる画像形成装置のハードウェア構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0031】
(第1の実施の形態)
【0032】
第1の実施の形態に係わる画像形成システムの機能構成について、図1を参照して説明する。
【0033】
画像形成システム1は、図1に示すように、画像形成装置10と折り装置20とを有している。
【0034】
画像形成装置10は、操作パネル100と画像読取装置200とコントローラ300と画像出力装置400とを有している。なお、コントローラ300と画像出力装置400とで画像形成装置本体500を形成する。
【0035】
操作パネル100は、ユーザインタフェースの機能を果たすものであり、テンキーやファンクションキーなどを備えた入力部と、例えばLCD(液晶ディスプレイ)あるいは液晶タッチパネルで構成される表示部とを有している。
【0036】
操作パネル100において、上記入力部は、給紙選択方法、複写部数、紙折り方法などのパラメータ、原稿の入力順序を示す入力順序情報、記憶媒体を出力する出力先を示す出力先情報、原稿終了を示す旨など入力情報を入力するものである。また、上記表示部は、上記入力順序情報や上記出力先情報など入力情報を設定するための設定画面、画像形成装置の状態を示す状態情報など表示情報を表示するものである。なお、操作パネル100(の入力部)は、入力手段の機能を果たす。
【0037】
例えば、ユーザは、操作パネル100の入力部を操作することにより、仕分け設定画面、紙折り設定画面、排出方向切換え設定画面の中の所望の設定画面を表示部に表示させ、表示部に表示された所望の設定画面に対して入力情報(設定情報)を入力(設定)する。
【0038】
図2は仕分け設定画面に対する設定例を示す。この仕分け設定画面に対しては、仕分け方法として「スタック(ページごと)」あるいは「ソート(1部ごと)」の何れかが指定(設定)されるとともに、原稿の入力順序(原稿順)として「正順」あるいは「逆順」の何れかが指定(設定)される。
【0039】
図2(a)には、「ソート(1部ごと)」が指定され、原稿の入力順序として「逆順」が指定されていることが示されている。図2(b)には、「ソート(1部ごと)」が指定され、原稿の入力順序として「正順」が指定されていることが示されている。
【0040】
図3は紙折り設定画面に対する設定例を示す。この紙折り設定画面に対しては、紙折りに関する設定情報として紙折りしないを示す「しない」、ファン折りを示す「ファン」、クロス折りを示す「クロス」、および特殊折りを示す「特殊」のうち何れかが指定(設定)されるとともに、「単方向」、「耳折り」、「とじしろ」などが指定(設定)される。
【0041】
図3(a)には、紙折りに関する設定情報として「クロス」が指定され、さらに「単方向」、「耳折り」、「とじしろ」が指定されていることが示されている。図3(b)には、紙折りに関する設定情報として「しない」が指定されていることが示されている。
【0042】
図4は排出方向切換え設定画面に対する設定例を示す。この排出方向切換え設定画面に対しては、記録媒体の排出方向として、当該画像形成装置10の正面の方向に記録媒体が排出されることを示す「前方排出」あるいは当該画像形成装置10の背面の方向に記録媒体が排出されることを示す「後方排出」の何れかが指定(設定)される。
【0043】
図4(a)には、記録媒体の排出方向として「前方排出」が指定されていることが示されている。図4(b)には、記録媒体の排出方向として「後方排出」が指定されていることが示されている。
【0044】
さて、図1において、画像読取装置200は、A0サイズ、A1サイズなどの大判の原稿を取り扱いし得るものであり、図5に示すように、図中矢印201Aの方向から手差し挿入された大判の原稿201を受け入れる原稿挿入口202と、原稿挿入口202が受け入れた大判の原稿201を矢印201Aの方向に搬送する一対の原稿搬送ローラ210と、搬送されてくる原稿201の画像を読み取る画像読み取りセンサ220とを有している。
【0045】
なお、ユーザは、大判の原稿201を、その原稿の表面(画像形成面)の向きが下になるようにして原稿挿入口202に挿入するようにする。
【0046】
画像読み取りセンサ220は、例えばリニアイメージセンサ、具体的には例えばCCD(電荷結合素子)ラインセンサで構成され、搬送されてくる原稿201を光学的に読み取り、この読み取りの結果である光学信号を電気信号(アナログの画像データ)に変換する。
【0047】
そして、画像読取装置200は、画像読み取りセンサ220によって得られた画像データ(アナログの画像データ)をデジタルの画像データ(原稿イメージ)に変換し、この変換後の画像データ(原稿イメージ)をコントローラ300へ出力する。
【0048】
再度、図1を参照して説明する。コントローラ300は、画像形成制御装置の機能を有し、操作パネル制御部310、ジョブ制御部320、記憶部330、圧縮伸長部340および外部記憶装置350を有している。
【0049】
操作パネル制御部310は、操作パネル100に対する入力制御および表示制御を行うとともに、操作パネル100で指定されたパラメータ情報など入力情報をジョブ制御部320へ出力する。
【0050】
ジョブ制御部320は、取得部3210と決定部3220とを有している。
【0051】
取得部3210は、取得手段の機能を有し、複数のページの原稿の入力順序を示す入力順序情報を取得するとともに、用紙など記録媒体を出力する複数の出力先のうち何れかを示す出力先情報を取得し、これらの情報を決定部3220へ出力する。
【0052】
決定部3220は、決定手段の機能を有し、取得部3210によって取得された入力順序情報および出力先情報に基づき、上記複数のページにかかわるページの生成順序を決定する。決定部3220によるページの生成順序の決定処理の詳細については後述する。
【0053】
また、ジョブ制御部320は、操作パネル制御部310からのパラメータに基づいて、画像読取装置200および画像出力装置400を制御して複写動作を行う。
【0054】
例えば、ジョブ制御部320は、画像読取装置200から出力される原稿(原稿画像)に対応する画像データを受け取り、記憶部330に格納する。また、ジョブ制御部320は、画像出力装置400の状態を監視し、その監視の結果、画像出力装置400が画像形成処理を実施し得る状態のときは、記憶部330内の画像データを読み出して画像出力装置400へ出力する。
【0055】
記憶部330は、記憶手段の機能を有し、画像読取装置200によって読み取られた原稿の画像データ(原稿イメージ)、操作パネル100からのパラメータ情報など入力情報、後述するページ生成順序決定規則を示す情報などを記憶する。記憶部330には、原稿の画像データや入力情報を記憶する第1の記憶領域と、ページ生成順序決定規則を示す情報を予め記憶する第2の記憶領域とが割り当てられている。記憶部330は例えばSDRAM等のメモリで構成される。
【0056】
圧縮伸長部340は、画像データに対する圧縮処理を実行するとともに圧縮された画像データに対する伸長処理を実行する。
【0057】
外部記憶装置350は、例えばハードディスクであり、圧縮された画像データを蓄積する。
【0058】
ところで、コントローラ300(あるいは画像形成装置10)は、複数部数のコピーが指示された場合に、電子的にソートコピーを行う電子ソート機能を有している。
【0059】
この電子ソート機能を有するコントローラ300では、電子ソートで原稿を蓄積する場合、ジョブ制御部320は、画像読取装置200で読み取られた画像データ(原稿イメージ)を記憶部330に記憶するとともに、圧縮伸長部340に対し圧縮を指示する。圧縮伸長部340は、ジョブ制御部320の制御に従って、記憶部330に記憶されている画像データに対し圧縮処理を施し、圧縮処理後の画像データを外部記憶装置350に蓄積する。
【0060】
そして、ジョブ制御部320は、1部目は記憶部330から画像データを読み出して画像出力装置400へ出力する。また、ジョブ制御部320は、2部目以降については、圧縮伸長部340に対し伸長を指示することにより、圧縮伸長部340が、外部記憶装置350に蓄積されている画像データ(圧縮された画像データ)に対し伸長処理を施し、伸長処理後の画像データを記憶部330に格納するので、記憶部330からその画像データを読み出して画像出力装置400へ出力する。
【0061】
画像出力装置400は、画像形成手段の機能を果たす画像形成部410、および出力手段の機能を果たす記録媒体出力部420を有している。
【0062】
画像形成部410は、図6に示すように、像保持体としての感光体ドラム411、感光体ドラム411の表面を所望の極性の電位に帯電させる帯電手段としての帯電装置412、帯電された感光体ドラム411に向けて画像データに対応する露光光を照射する露光手段としての露光装置413、感光体ドラム411に形成された静電潜像に現像剤(トナー)を与えて現像する現像手段としての現像装置414、感光体ドラム411に形成されたトナー像を用紙など記録媒体に転写させる転写手段としての転写ローラ(転写装置)415、トナー像が転写された記録媒体に対し熱および圧力を与えてトナー像を定着させる定着手段としての定着装置(フューザー)416、および感光体ドラム411の周面上の残留トナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置417を備えている。
【0063】
このような画像出力装置400は、図7に示すように、ロール紙を画像形成部410に向けて供給するロール紙供給部431,432と、指定された切断タイミングでロール紙供給部431から供給されるロール紙を切断するカッター441と、指定された切断タイミングでロール紙供給部432から供給されるロール紙を切断するカッター442と、ロール紙供給部431あるいはロール紙供給部432から供給されるロール紙(切断後の用紙)を画像形成部410に向けて搬送する用紙搬送ローラ451,452とを備えている。
【0064】
ロール紙供給部431から供給されるロール紙が切断された用紙(A0サイズやA1サイズに相当する用紙)は、用紙搬送ローラ451,452を経由して画像形成部410に供給される。また、ロール紙供給部432から供給されるロール紙が切断された用紙(A0サイズやA1サイズに相当する用紙)は、用紙搬送ローラ452を経由して画像形成部410に供給される。
【0065】
また、図7に示すように、画像形成部410の定着装置(フューザー)416の用紙搬送方向の下流側には、記録媒体出力部420が設けられている。
【0066】
図7に示す例では、画像形成装置本体500の画像出力装置400には、記録媒体出力部420から出力される記録媒体を受け入れる後処理装置の機能を果たす折り装置20が接続されている。
【0067】
折り装置20は、紙折り(後処理)を実施する機構、および紙折り(後処理)した後の記録媒体の表裏を反転する反転機構を備えている。また、折り装置20は、図7に示すように、画像出力装置400の記録媒体出力部420から出力される記録媒体を受け入れる記録媒体受入口21、記録媒体受入口21が受け入れた記録媒体をその画像形成面が上向きの状態で外部へ出力(排出)する記録媒体出力部22、および記録媒体受入口21が受け入れた記録媒体に対して紙折り(後処理)された後の記録媒体をその画像形成面が下向きの状態で外部へ出力(排出)する記録媒体出力部23を備えている。なお、記録媒体出力部22,23は、出力手段の機能を果たす。
【0068】
折り装置20は、紙折りなしが指定されている場合(図3(b)参照)にはコントローラ300の制御の下、画像形成装置10(の記憶媒体出力部420)から出力(搬送)されてきた記録媒体(原稿に対応する画像が形成される記録媒体)については、紙折り(後処理)を実施することなく、記録媒体出力部22から出力する。この場合、記録媒体は、記録媒体出力部22から画像形成面が上向きの状態で出力される。
【0069】
これに対し、折り装置20は、紙折りありが指定されている場合(図3(a)参照)はコントローラ300の制御の下、紙折り(後処理)を実施する機構によって、画像形成装置10(の記憶媒体出力部420)から出力(搬送)されてきた記録媒体に対する紙折り(後処理)を実施する。
【0070】
また、折り装置20は、反転機構によって、紙折り(後処理)した後の記録媒体の表裏を反転し、表裏を反転した後の記録媒体を、記録媒体出力部23から出力する。この場合、記録媒体は、記録媒体出力部23から画像形成面が下向きの状態で出力される。
【0071】
次に、決定部3220によるページの生成順序(以下「ページ生成順序」という。)の決定処理について説明する。
【0072】
決定部3220は、記録媒体が出力されるときの当該記録媒体の画像形成面が上向きの場合には最終のページから画像形成されるよう制御(ページ生成順序を決定)し、一方、当該記録媒体の画像形成面が下向きの場合は先頭のページから画像形成されるよう制御(ページ生成順序を決定)する。
【0073】
また、決定部3220は、入力順序情報と出力先情報に基づく出力先での記録媒体の出力形態として予め定められている記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、複数のページにかかわるページ生成順序を決定する。
【0074】
さらに、決定部3220は、出力先として折り装置20が指定されている場合、入力順序情報と折り装置20での記録媒体の出力形態として予め定められている記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、複数のページにかかわるページ生成順序を決定する。
【0075】
本願明細書において、記録媒体の画像形成面の向きは上向きまたは下向きなので、記録媒体の画像形成面の向きが上向きのことを「フェイスアップ」と表記し、一方、記録媒体の画像形成面の向きが下向きのことを「フェイスダウン」と表記する。
【0076】
出力先に対応して、その出力先の機構に応じて記録媒体をフェイスアップ(画像形成面が上向き)で出力するのか、あるいはフェイスダウン(画像形成面が下向き)で出力するのかの出力形態が予め定められている。
【0077】
画像形成システム1において、出力先とは、例えば、画像出力装置400の記録媒体出力部420、折り装置20のことである(図7参照)。
【0078】
なお、出力先が折り装置20のときは、出力先は、紙折りなしの場合には記録媒体出力部22となり、紙折りありの場合は記録媒体出力部23となる。すなわち、紙折りの指定がされていない場合では、記録媒体は、折り装置20で折られないで記録媒体出力部22からフェイスアップの状態で出力される。一方、紙折りの指定がされている場合では、記録媒体は、折り装置20で折られて記録媒体出力部23からフェイスダウンの状態で出力される。
【0079】
決定部3220は、上述したページ生成順序を決定するに際し、図8に示すページ生成順序決定規則に従って、ページ生成順序を決定するようになっている。
【0080】
このページ生成順序決定規則は、図8に示すように、入力順序としての正順または逆順と出力先つまり出力先から出力される記録媒体の画像形成面の向きとしてのフェイスアップまたはフェイスダウンとに基づき、ページの生成順序(画像データの読出し順序)が一意に決定されるようになっている。
【0081】
このようなページ生成順序決定規則を示す情報は、例えば記憶部330に予め記憶されている。
【0082】
入力順序が正順とは、複数(n)のページの原稿の場合、ページ1つまり先頭ページ、ページ2、・・・、ページ(n−1)、ページ(n)つまり最終ページの順を意味する。
【0083】
例えば、5ページ分の原稿を正順で入力(挿入)する場合では、図9(a)に示すように、ページ(図ではPageと表記)1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順で入力することになる。この場合、画像読取装置200によって読み取られた5ページ分の原稿に対応する画像データは、図9(b)に示すように、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順(入力順序と同じ順)に記憶部330に記憶される。
【0084】
また、入力順序が逆順とは、複数(n)のページの原稿の場合、ページ(n)つまり最終ページ、ページ(n−1)、・・・、ページ2、ページ1つまり先頭ページの順を意味する。
【0085】
例えば、5ページ分の原稿を逆順で入力(挿入)する場合では、図10(a)に示すように、ページ(図ではPageと表記)5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順で入力することになる。この場合、画像読取装置200によって読み取られた5ページ分の原稿に対応する画像データは、図10(b)に示すように、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順(入力順序と同じ順)に記憶部330に記憶される。
【0086】
次に、ページ生成順序の決定について具体例を挙げて説明する。
【0087】
(1)原稿が正順で入力される場合の出力先に応じたページ生成順序の決定
【0088】
最初に、図9(a)に示すように原稿が正順で入力されるときに(入力順序が正順のときに)、出力先が記録媒体をフェイスアップで出力する場合、ページ生成順序は、図8のページ生成順序決定規則より符号3221で示される順序(ページ生成順序)となる。
【0089】
この場合、記憶部330に記憶されている5ページ分の画像データは図9(b)に示す内容になっているので、決定部3220は、図11(a)に示すように、記憶部330からページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順(図9(b)の記憶内容について最後の画像データから最初の画像データに向かう順序)に画像データを読み出す。すなわち、決定されたページ生成順序は、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1となる。
【0090】
そして、このページ生成順序に従って画像データが画像出力装置400に向けて出力され、フェイスアップで記録媒体を出力する出力先からは、図11(b)に示すように、フェイスアップの状態の記録媒体がページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順に出力される。
【0091】
次に、図9(a)に示すように原稿が正順で入力されるときに(入力順序が正順のときに)、出力先が記録媒体をフェイスダウンで出力する場合、ページ生成順序は、図8のページ生成順序決定規則より符号3222で示される順序(ページ生成順序)となる。
【0092】
この場合、記憶部330に記憶されている5ページ分の画像データは図9(b)に示す内容になっているので、決定部3220は、図12(a)に示すように、記憶部330からページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順(図9(b)の記憶内容について最初の画像データから最後の画像データに向かう順序)に画像データを読み出す。すなわち、決定されたページ生成順序は、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5となる。
【0093】
(2)原稿が逆順で入力される場合の出力先に応じたページ生成順序の決定
【0094】
最初に、図10(a)に示すように原稿が逆順で入力されるときに(入力順序が逆順のときに)、出力先が記録媒体をフェイスアップで出力する場合、ページ生成順序は、図8のページ生成順序決定規則より符号3223で示される順序(ページ生成順序)となる。
【0095】
この場合、記憶部330に記憶されている5ページ分の画像データは図10(b)に示す内容になっているので、決定部3220は、図11(a)に示すように、記憶部330からページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順(図10(b)の記憶内容について最初の画像データから最後の画像データに向かう順序)に画像データを読み出す。すなわち、決定されたページ生成順序は、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1となる。
【0096】
そして、このページ生成順序に従って画像データに対する画像形成処理が行われた場合に、フェイスアップで記録媒体を出力する出力先からは、図11(b)に示すように、フェイスアップの状態の記録媒体がページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順に出力される。
【0097】
次に、図10(a)に示すように原稿が逆順で入力されるときに(入力順序が逆順のときに)、出力先が記録媒体をフェイスダウンで出力する場合、ページ生成順序は、図8のページ生成順序決定規則より符号3224で示される順序(ページ生成順序)となる。
【0098】
この場合、記憶部330に記憶されている5ページ分の画像データは図10(b)に示す内容になっているので、決定部3220は、図12(a)に示すように、記憶部330からページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順(図10(b)の記憶内容について最後の画像データから最初の画像データに向かう順序)に画像データを読み出す。すなわち、決定されたページ生成順序は、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5となる。
【0099】
そして、このページ生成順序に従って画像データに対する画像形成処理が行われた場合に、フェイスダウンで記録媒体を出力する出力先からは、図12(b)に示すように、フェイスダウンの状態の記録媒体がページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順に出力される。
【0100】
上述したように、決定部3220は、原稿の入力順序が正順あるいは逆順の何れの場合においても、出力先での記録媒体の出力形態が、記録媒体をフェイスアップで出力する出力形態のときは、最終のページから画像形成されるよう制御(ページ生成順序を決定)し、一方、決定部3220は、記録媒体をフェイスダウンで出力する出力形態のときは、先頭のページから画像形成されるよう制御(ページ生成順序を決定)する。
【0101】
上記前者は、符号3221で示されるページ生成順序、あるいは符号3223で示されるページ生成順序に相当する。また、上記前者の場合、上記例ではページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順のページ生成順序つまり記録媒体の出力順序となる(図11(b)参照)。
【0102】
一方、上記後者は、符号3222で示されるページ生成順序、あるいは符号3224で示されるページ生成順序に相当する。また、上記後者の場合、上記例ではページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順のページ生成順序つまり記録媒体の出力順序となる(図12(b)参照)。
【0103】
次に、画像形成システムによる画像形成処理について、図13を参照して説明する。
【0104】
ユーザは、操作パネル100を操作して、操作パネル100に表示される「コピー」や「スキャン」など複数の機能を示すメニューの中から「コピー」機能を選択する。
【0105】
この「コピー」機能が選択されると、「仕分け設定画面」、「紙折り設定画面」、「排出方向切換え設定画面」など各種のパラメータを設定するための設定画面に対応する複数の設定画面項目が操作パネル制御部310の制御により操作パネル100に表示されるので、ユーザは、その複数の設定画面項目の中から「仕分け設定画面」項目を選択する。
【0106】
この「仕分け設定画面」項目が選択されると、操作パネル制御部310の制御により仕分け設定画面が操作パネル100に表示されるので、ユーザは、図2(a)に示すように、その仕分け設定画面に対し、例えば、仕分け方法として「ソート」を設定(指定)し、原稿順として「逆順」を設定(指定)し、さらにボタン「閉じる」を選択する。
【0107】
次に、ユーザが操作パネル100に表示されている複数の設定画面項目の中から「紙折り設定画面」項目を選択すると、操作パネル制御部310の制御により紙折り設定画面が操作パネル100に表示されるので、ユーザは、図3(b)に示すように、その紙折り設定画面に対し、例えば、紙折り「しない」を設定(指定)し、その後、ボタン「閉じる」を選択する。
【0108】
上述したようにして図2(a)に示す仕分け設定画面に対して設定された設定内容(パラメータ)および図3(b)に示す紙折り設定画面に対して設定された設定内容(パラメータ)は、操作パネル制御部310を介してジョブ制御部320に与えられる。
【0109】
なお、上述した設定内容を受け取ったジョブ制御部320では、決定部3220は、紙折り設定画面に対応して紙折りしない旨(紙折り「しない」)が設定されている場合には、出力先は折り装置20であって記録媒体出力部22であると認識し、一方、紙折り設定画面に対応して紙折りありの旨(「ファン」や「クロス」など)が設定されている場合は、出力先は折り装置20であって記録媒体出力部23であると認識する。
【0110】
また、決定部3220は、記録媒体出力部22での記録媒体の出力形態としての画像形成面の向きはフェイスアップであり、記録媒体出力部23での記録媒体の出力形態としての画像形成面の向きはフェイスダウンであると認識する。そのため、決定部3220は、紙折り設定画面に対応して設定されている設定内容が、紙折りしない旨(紙折り「しない」)の場合には、出力先は記録媒体をフェイスアップで出力し、一方、紙折りありの旨(「ファン」や「クロス」など)の場合は、出力先は記録媒体をフェイスダウンで出力する、ということを認識することになる。
【0111】
さて、ユーザは、例えばA0サイズの複数のページの原稿(原稿束)について、最後のページの原稿から順に、1枚の原稿毎に画像読取装置200の原稿挿入口202に挿入し、原稿の読み取りを開始する旨を指示する(スタートボタンを押下する)。このスタートボタンが押下された旨は、操作パネル制御部310を介してジョブ制御部320に与えられる。
【0112】
例えば、A0サイズの5枚の原稿をコピーする場合は、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順に、原稿を画像読取装置200の原稿挿入口に挿入し、スタートボタンを押下する操作を5回繰り返すことになる。
【0113】
そして、ユーザは、全ての原稿についての読み取りのための操作が終了した場合、原稿終了を示す旨を指示する(原稿終了ボタンを押下する)。この原稿終了ボタンが押下された旨は、操作パネル制御部310を介してジョブ制御部320に与えられる。
【0114】
なお、ユーザは、原稿の表面(画像形成面)から見た場合、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順になっているA0サイズの5枚の原稿(原稿束)を、ページ1の表面が下になるように例えば作業台に準備する。
【0115】
そして、ユーザは、上記原稿束について、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順に、その原稿の表面の向きが下になるようにして画像読取装置200の原稿挿入口202に挿入する。ユーザは、これらの原稿に対応する画像形成処理後の記録媒体の出力順序が、記録媒体の表面(画像形成面)から見た場合、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順になることを意図している。
【0116】
ところで、コントローラ300では、操作パネル制御部310は、操作パネル100からの仕分け設定画面に対して設定された設定内容(パラメータ)および紙折り設定画面に対して設定された設定内容(パラメータ)を受け付けると、これらの設定内容をジョブ制御部320へ出力する。
【0117】
ジョブ制御部320では、取得部3210は、上記仕分け設定画面に対して設定された設定内容(入力順序情報)を取得するとともに(ステップS101)、上記紙折り設定画面に対して設定された設定内容(出力先情報)を取得す(ステップS102)、これら取得した各情報を決定部3220へ出力する。
【0118】
ステップS102おいては、この例では、出力先は折り装置20となるものの、図3(b)に示すように紙折り「しない」が設定されているので、実際の出力先は折り装置20の記録媒体出力部22(図7参照)となる。
【0119】
画像読取装置200は、スタートボタンが押下された旨に起因するジョブ制御部320の制御に従って、1枚の原稿毎に手差し挿入された原稿に対する原稿画像の読み取り処理を実行する(ステップS103)。
【0120】
すなわち、画像読取装置200は、手差し挿入された原稿を、原稿搬送ローラ210を回転することにより原稿挿入方向201Aに搬送しながら画像読み取りセンサ220によって光学的に読み取るとともに、この読み取りの結果(アナログの画像データ)に対応する画像データ(デジタルの画像データ)を生成し、この画像データをコントローラ300へ出力する。
【0121】
コントローラ300では、ジョブ制御部320は、画像読取装置200からの画像データを取得して記憶部330に格納し(ステップS104)、その後、操作パネル制御部310を介して、操作パネル100からの原稿終了ボタンが押下されたことに起因する原稿終了を示す旨を取得した否かを判断する(ステップS105)。
【0122】
ステップS105において、ジョブ制御部320によって原稿終了を示す旨を取得していないと判断された場合は、ステップS103へ移行する。この場合、次の原稿に対する読み取り処理が実行されることとなる。
【0123】
ジョブ制御部320が、ステップS105において、原稿終了を示す旨を取得したと判断したときは、ジョブ制御部320の決定部3220は、既に取得部3210から受け取っている入力順序情報および出力先情報を基にページ生成順序を決定する(ステップS106)。この場合、ページ生成順序規則情報(図8参照)に従ってページ生成順序が決定される。
【0124】
例えば、5枚分のA0サイズの原稿が逆順で画像読取装置200に挿入され(図10(a)参照)、画像読み取り処理が実行された場合、記憶部330には、図10(b)に示す記憶内容で5ページ分の原稿に対応する画像データが記憶されることになる。
【0125】
そして、決定部3220は、入力順序情報=逆順と、出力先情報=折り装置20の記録媒体出力部22つまり記録媒体出力部22での記録媒体の出力形態としての画像形成面の向き=フェイスアップとを基に、図8に示すページ生成順序規則情報に従って、ページ生成順序として符号3223で示される順序(ページ生成順序)を決定する。
【0126】
このようにして決定部3220によってページ生成順序が決定されると、ジョブ制御部320は、そのページ生成順序に従って記憶部330から画像データを読み出すとともに(ステップS107)、この読み出した画像データを画像出力装置400へ出力する(ステップS108)。
【0127】
また、ジョブ制御部320は、画像出力装置400に対し、出力先は折り装置20であって「紙折りしない旨」を通知する。
【0128】
ところで、ステップS107においては、記憶部330からは、上記決定された符号3223で示される順序(ページ生成順序)に従って、図11(a)に示すように、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順序で画像データが読み出される。
【0129】
画像出力装置400では、例えばロール紙供給部432がロール紙を画像形成部410に向けて供給し、カッター442がその供給されるロール紙を例えばA0サイズの記録媒体になるよう切断し、さらに用紙搬送ローラ452がこのA0サイズの記録媒体(切断後のロール紙)を画像形成部410に向けて搬送すると、画像形成部410は、コントローラ300からの画像データに基づき、搬送されてきた記録媒体に画像を形成する(ステップS109)。
【0130】
また、画像出力装置400は、折り装置20に対し、コントローラ300のジョブ制御部320から通知された「紙折りしない旨」を通知する。
【0131】
画像形成部410によって画像が形成され定着が実施された記録媒体は、画像出力装置400の記録媒体出力部420からフェイスアップの状態で出力され、折り装置20に向けて搬送される。
【0132】
折り装置20は、画像出力装置400から通知された「紙折りしない旨」を基に、画像出力装置400から搬送されてくる記録媒体を、紙折りしないでフェイスアップの状態で記録媒体出力部22から出力する(ステップS110)。
【0133】
このようにして記録媒体を出力した折り装置20が、記録媒体の出力処理を正常終了した旨を画像出力装置400へ通知すると、画像出力装置400は、折り装置20からの出力処理を正常終了した旨の通知を受けて、画像形成処理を正常終了した旨をコントローラ300のジョブ制御部320へ通知する。
【0134】
上記画像形成処理を正常終了した旨の通知を受け付けたジョブ制御部320は、記憶部330に記憶されている複数のページに対応する複数の画像データの中に、次の画像形成対象の画像データが存在するか否かを判断する(ステップS111)。
【0135】
ジョブ制御部320は、ステップS111において、次の画像形成対象の画像データが存在すると判断した場合にはステップS107に戻り、一方、次の画像形成対象の画像データが存在しないと判断した場合、つまり全ての画像データについて読み出し処理を実施したと判断した場合は、この処理を終了する。
【0136】
そして、図11(a)に示すように、記憶部330から、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順序で画像データの読み出し処理が実行され、これらの画像データを基に画像形成処理が実行され、さらに画像形成処理後の記録媒体が折り装置20の記録媒体出力部22から出力された場合、5ページ分の記録媒体は、図11(b)に示すように、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順序で、フェイスアップの状態で出力されていることになる。
【0137】
その結果、出力された5枚分の記録媒体は、その記録媒体を表面(画像形成面)の方向から見た場合にページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順で出力され、ユーザの意図した出力順序になっている。
【0138】
以上の説明は紙折りしない場合についての画像形成処理および出力処理についてであったが、次に紙折りありの場合についての画像形成処理および出力処理について説明する。
【0139】
ユーザは、上述したように操作パネル100に表示された仕分け設定画面に対し例えば仕分け方法として「ソート」を設定(指定)し、原稿順として「逆順」を設定(指定)し、さらにボタン「閉じる」を選択する(図2(a)参照)。
【0140】
また、ユーザは、図3(a)に示すように、操作パネル100に表示された紙折り設定画面に対し、例えば紙折り「ファン」を設定(指定)し、さらに「単方向」、「耳折り」、「とじしろ」の各項目をチェックし、その後、ボタン「閉じる」を選択する。
【0141】
上述したようにして図2(a)に示す仕分け設定画面に対する設定内容および図3(a)に示す紙折り設定画面に対する設定内容は、コントローラ300の操作パネル制御部310を介してジョブ制御部320に与えられる。
【0142】
さらに、ユーザは、例えばA0サイズの5枚の原稿(原稿束)について、最後のページの原稿から順に、1枚の原稿毎に画像読取装置200の原稿挿入口202に挿入し、原稿の読み取りを開始する旨を指示する(スタートボタンを押下する)。
【0143】
そして、ステップS101〜S105の処理が実施され、ステップS105「YES(肯定)」のときは、コントローラ300の記憶部330には、紙折りしない場合と同様に、ページ5、ページ4、ページ3、ページ3、ページ1に順に画像データが記憶される(図10(b)参照)。
【0144】
ステップS106では、コントローラ300のジョブ制御部320の決定部3220は、入力順序情報=逆順と、出力先情報=折り装置20の記録媒体出力部23つまり記録媒体出力部23での記録媒体の出力形態としての画像形成面の向き=フェイスダウンとを基に、図8に示すページ生成順序規則情報に従って、ページ生成順序として符号3224で示される順序(ページ生成順序)を決定する。
【0145】
ステップS107では、記憶部330からは、上記決定された符号3224で示される順序(ページ生成順序)に従って、図12(a)に示すように、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順序で画像データが読み出される。
【0146】
ステップS108〜S109では、記憶部330から上記決定されたページ生成順序に従って読み出された画像データは、画像出力装置400に向けて出力され、さらに画像形成部410によって画像形成処理が実行される。
【0147】
なお、画像出力装置400は、コントローラ300のジョブ制御部320から通知された通知内容を受け取ると、折り装置20に対し「紙折り=ファン(ファン折り)、単方向、耳折り、とじしろ」を通知する。
【0148】
画像形成部410によって画像が形成され定着が実施された記録媒体は、画像出力装置400の記録媒体出力部420からフェイスアップの状態で出力され、折り装置20に向けて搬送される。
【0149】
ステップS110では、折り装置20は、画像出力装置400から搬送されてくる記録媒体に対し紙折り処理を実行し、この紙折り処理後の記録媒体を、フェイスダウンの状態で記録媒体出力部22から出力する。
【0150】
そして、図12(a)に示すように、記憶部330から、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順序で画像データの読み出し処理が実行され、これらの画像データを基に画像形成処理が実行され、さらに画像形成処理後の記録媒体が折り装置20の記録媒体出力部23から出力された場合、5ページ分の記録媒体は、図12(b)に示すように、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順序で、フェイスダウンの状態で出力されていることになる。
【0151】
その結果、出力された5枚分の記録媒体は、その記録媒体を表面(画像形成面)の方向から見た場合にページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順で出力され、ユーザの意図した出力順序(ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順序)になっている。
【0152】
ちなみに、上述した例の場合(入力順序=逆順、紙折りあり=出力先ではフェイスダウンで出力する場合)において、第1の実施の形態の構成を採用しない画像形成装置では、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1に順に画像データを記憶するとともに、これらのページ順に従って画像データを読み出して画像形成処理を実施する。
【0153】
この画像形成処理後の記録媒体は、折り装置によって、紙折り処理が施された後、フェイスダウンの状態で出力される。この場合、5ページ分の記録媒体は、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順序で、フェイスダウンの状態で出力されていることになる。
【0154】
その結果、出力された5枚分の記録媒体は、その記録媒体を表面(画像形成面)の方向から見た場合にページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順で出力され、ユーザの意図した出力順序(ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順序)とは異なる順で出力されることになる。
【0155】
以上説明したように、第1の実施の形態では、ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体が出力される。
【0156】
また、出力される記録媒体の画像形成面の向きが上向きあるいは下向きの何れの場合であっても、ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体が出力される。
【0157】
また、指定される出力先から出力される記録媒体の画像形成面の向きが上向きあるいは下向きの何れの場合であっても、ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体が出力される。
【0158】
さらに、後処理装置から出力される後処理後の複数の記録媒体に関してユーザの意図した出力順序で出力される。
【0159】
(第2の実施の形態)
【0160】
次に、第2の実施の形態に係わる画像形成システムの概略の構成について、図14を参照して説明する。
【0161】
図14に示す画像形成システム2は、画像形成装置10と用紙搬送方向切換え装置30とを備えている。
【0162】
この画像形成システム2は、図1に示した第1の実施の形態の画像形成システムにおいて、折り装置20を削除し用紙搬送方向切換え装置30を追加した構成になっている。
【0163】
そのため、画像形成装置10つまり操作パネル100、画像読取装置200、コントローラ300および画像形成装置400は、それぞれ第1の実施の形態の場合と同様の構成および機能を有している。
【0164】
用紙搬送方向切換え装置30は、図14に示すように、L字型の構造を有しており、画像形成装置本体500の画像出力装置400の記録媒体出力部420から出力された記録媒体を受け入れる記録媒体受入口31、記録媒体受入口31が受け入れた記録媒体を出力する記録媒体出力部32,33を備えている。なお、記録媒体出力部32,33は、出力手段の機能を果たす。
【0165】
操作パネル100に表示される排出方向切換え設定画面に対し、ユーザによって用紙の排出方向として「後方排出」が指定(設定)された場合(図4(b)参照)、記録媒体受入口31が受け入れた記録媒体は、図15に示すように、用紙搬送ローラ32Aによって記録媒体出力部32に向けて搬送され、記録媒体出力部32からフェイスアップの状態で出力されるようになっている。
【0166】
これに対し、操作パネル100に表示された排出方向切換え設定画面に対し、ユーザによって用紙の排出方向として「前方排出」が指定(設定)された場合(図4(a)参照)、記録媒体受入口31が受け入れた記録媒体は、図15に示すように、用紙搬送ローラ33A,33Bによって記録媒体出力部33に向けて搬送され、記録媒体出力部33からフェイスダウンの状態で出力されるようになっている。
【0167】
なお、図14に示す画像形成システム2を図中矢印2Aの方向から見た様子(正面の様子)を図16に示す。
【0168】
次に、画像形成システムによる画像形成処理について説明する。
【0169】
ユーザは、操作パネル100に表示される「コピー」や「スキャン」など複数の機能を示すメニューの中から「コピー」機能を選択する。
【0170】
この「コピー」機能が選択されると、第1の実施の形態で説明した複数の設定画面項目が操作パネル制御部310の制御により操作パネル100に表示されるので、ユーザは、その複数の設定画面項目の中から「仕分け設定画面」項目を選択する。
【0171】
この「仕分け設定画面」項目が選択されると、操作パネル制御部310の制御により仕分け設定画面が操作パネル100に表示されるので、ユーザは、図2(a)に示すように、その仕分け設定画面に対し、例えば仕分け方法として「ソート」を設定(指定)し、原稿順として「逆順」を設定(指定)し、さらにボタン「閉じる」を選択する。
【0172】
次に、操作パネル100に表示されている複数の設定画面項目の中から「排出方向切換え設定画面」項目を選択する。
【0173】
この「排出方向切換え設定画面」目が選択されると、操作パネル制御部310の制御により排出方向切換え設定画面が操作パネル100に表示されるので、ユーザは、図4(b)に示すように、その排出方向切換え設定画面に対し、例えば「後方排出」を設定(指定)し、その後、ボタン「閉じる」を選択する。
【0174】
上述したようにして図2(a)に示す仕分け設定画面に対して設定された設定内容(パラメータ)および図4(b)に示す排出方向切換え設定画面に対して設定された設定内容(パラメータ)は、操作パネル制御部310を介してジョブ制御部320に与えられる。
【0175】
なお、上述した設定内容を受け取ったジョブ制御部320では、決定部3220は、排出方向切換え設定画面に対応して後方排出が設定されている場合には、出力先は用紙搬送方向切換え装置30であって記録媒体出力部32であると認識し、一方、排出方向切換え設定画面に対応して前方排出が設定されている場合は、出力先は用紙搬送方向切換え装置30であって記録媒体出力部33であると認識する。
【0176】
また、決定部3220は、記録媒体出力部32での記録媒体の出力形態としての画像形成面の向きはフェイスアップであり、記録媒体出力部33での記録媒体の出力形態としての画像形成面の向きはフェイスダウンであると認識する。そのため、決定部3220は、排出方向切換え設定画面に対応して設定されている設定内容が、後方排出の場合には、出力先は記録媒体をフェイスアップで出力し、一方、前方排出の場合は、出力先は記録媒体をフェイスダウンで出力する、ということを認識することになる。
【0177】
さて、ユーザは、例えばA0サイズの複数のページの原稿(原稿束)について、最後のページの原稿から順に、1枚の原稿毎に画像読取装置200の原稿挿入口202に挿入し、原稿の読み取りを開始する旨を指示する(スタートボタンを押下する)。
【0178】
これ以降の処理は上述した第1の実施の形態の場合と同様である。すなわち、図13に示した画像形成処理(ステップS101〜S110)が実行される。
【0179】
ただし、ステップS101〜S105の処理が実施され、ステップS105「YES(肯定)」のときは、コントローラ300の記憶部330には、ページ5、ページ4、ページ3、ページ3、ページ1に順に画像データが記憶されている(図10(b)参照)。
【0180】
ステップS106では、決定部3220は、入力順序情報=逆順と、出力先情報=用紙搬送方向切換え装置30の記録媒体出力部32つまり記録媒体出力部32での記録媒体の出力形態としての画像形成面の向き=フェイスアップとを基に、図8に示すページ生成順序規則情報に従って、ページ生成順序として符号3223で示される順序(ページ生成順序)を決定する。
【0181】
そのため、ステップS107においては、記憶部330からは、上記決定された符号3223で示される順序(ページ生成順序)に従って、図11(a)に示すように、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順序で画像データが読み出される。
【0182】
ステップS108〜S109では、記憶部330から上記決定されたページ生成順序に従って読み出された画像データは、画像出力装置400に向けて出力され、さらに画像形成部410によって画像形成処理が実行される。
【0183】
なお、画像出力装置400は、コントローラ300のジョブ制御部320から通知された通知内容を受け取ると、用紙搬送方向切換え装置30に対し「後方排出」を通知する。
【0184】
画像形成部410によって画像が形成され定着が実施された記録媒体は、画像出力装置400の記録媒体出力部420からフェイスアップの状態で出力され、用紙搬送方向切換え装置30に向けて搬送される。
【0185】
ステップS110では、用紙搬送方向切換え装置30は、画像出力装置400から搬送されてくる記録媒体を、フェイスアップの状態で記録媒体出力部32から出力する。
【0186】
以上説明したように、図11(a)に示すように、記憶部330から、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順序で画像データの読み出し処理が実行され、これらの画像データを基に画像形成処理が実行され、さらに画像形成処理後の記録媒体が用紙搬送方向切換え装置30の記録媒体出力部32から出力された場合、5ページ分の記録媒体は、図11(b)に示すように、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順序で、フェイスアップの状態で出力されていることになる。
【0187】
その結果、出力された5枚分の記録媒体は、その記録媒体を表面(画像形成面)の方向から見た場合にページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順で出力され、ユーザの意図した出力順序になっている。
【0188】
以上の説明は後方排出の場合についての画像形成処理および出力処理についてであったが、次に前方排出の場合についての画像形成処理および出力処理について説明する。
【0189】
ユーザは、上述したように操作パネル100に表示された仕分け設定画面に対し例えば仕分け方法として「ソート」を設定(指定)し、原稿順として「逆順」を設定(指定)し、さらにボタン「閉じる」を選択する(図2(a)参照)。
【0190】
また、ユーザは、図4(a)に示すように、操作パネル100に表示された紙折り設定画面に対し「前方排出」を設定(指定)し、その後、ボタン「閉じる」を選択する。
【0191】
上述したようにして図2(a)に示す仕分け設定画面に対する設定内容および図4(a)に示す紙折り設定画面に対する設定内容は、コントローラ300の操作パネル制御部310を介してジョブ制御部320に与えられる。
【0192】
さらに、ユーザは、例えばA0サイズの5枚の原稿(原稿束)について、最後のページの原稿から順に、1枚の原稿毎に画像読取装置200の原稿挿入口202に挿入し、原稿の読み取りを開始する旨を指示する(スタートボタンを押下する)。
【0193】
そして、ステップS101〜S105の処理が実施され、ステップS105「YES(肯定)」のときは、コントローラ300の記憶部330には、ページ5、ページ4、ページ3、ページ3、ページ1に順に画像データが記憶されている(図10(b)参照)。
【0194】
ステップS106では、コントローラ300のジョブ制御部320の決定部3220は、入力順序情報=逆順と、出力先情報=用紙搬送方向切換え装置30の記録媒体出力部33つまり記録媒体出力部33での記録媒体の出力形態としての画像形成面の向き=フェイスダウンとを基に、図8に示すページ生成順序規則情報に従って、ページ生成順序として符号3224で示される順序(ページ生成順序)を決定する。
【0195】
ステップS107では、記憶部330からは、上記決定された符号3224で示される順序(ページ生成順序)に従って、図12(a)に示すように、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順序で画像データが読み出される。
【0196】
ステップS108〜S109では、記憶部330から上記決定されたページ生成順序に従って読み出された画像データは、画像出力装置400に向けて出力され、さらに画像形成部410によって画像形成処理が実行される。
【0197】
なお、画像出力装置400は、コントローラ300のジョブ制御部320から通知された通知内容を受け取ると、用紙搬送方向切換え装置30に対し「前方排出」を通知する。
【0198】
画像形成部410によって画像が形成され定着が実施された記録媒体は、画像出力装置400の記録媒体出力部420からフェイスアップの状態で出力され、用紙搬送方向切換え装置30に向けて搬送される。
【0199】
ステップS110では、用紙搬送方向切換え装置30は、画像出力装置400から搬送されてくる記録媒体を、フェイスダウンの状態で記録媒体出力部33から出力する。
【0200】
以上説明したように、図12(a)に示すように、記憶部330から、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順序で画像データの読み出し処理が実行され、これらの画像データを基に画像形成処理が実行され、さらに画像形成処理後の記録媒体が用紙搬送方向切換え装置30の記録媒体出力部33から出力された場合、5ページ分の記録媒体は、図12(b)に示すように、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順序で、フェイスダウンの状態で出力されていることになる。
【0201】
その結果、出力された5枚分の記録媒体は、その記録媒体を表面(画像形成面)の方向から見た場合にページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順で出力され、ユーザの意図した出力順序(ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順序)になっている。
【0202】
ところで、用紙搬送方向切換え装置30を画像形成装置本体500に接続しないで画像形成装置10のみで使用する場合、画像形成装置10は、記録媒体出力部420から記録媒体をフェイスアップの状態で出力することになる(用紙搬送方向切換え装置30での後方排出の場合に相当)。この場合、画像形成装置本体500に、記録媒体出力部420から出力される記録媒体を収容する収容部(トレイなど)を設けるようにする。
【0203】
(第3の実施の形態)
【0204】
第3の実施の形態に係わる画像形成システムは、図1に示した第1の実施の形態の画像形成システムのコントローラ300を図17に示すコントローラ300Aに変更した構成になっている。
【0205】
コントローラ300Aは、図1に示したコントローラ300においてジョブメモリ記憶部360を追加した構成になっている。
【0206】
ジョブメモリ記憶部360は、操作パネル100によって設定されたジョブパラメータをジョブメモリとして記憶する。このジョブメモリとジョブパラメータとは関連付けられて記憶される。
【0207】
ジョブパラメータとは、複数のページの原稿に対応して設定され、配布先毎のジョブに関するパラメータのことである。
【0208】
ユーザは操作パネル100を操作することにより、少なくとも、上述した入力順序情報、配布先毎に記録媒体の出力先を示す出力先情報および上記複数のページの原稿にかかわる画像形成すべき部数を示す部数情報を設定する。
【0209】
ここで、複数の配布先が指定された場合は、複数の出力先情報および出力先毎の部数情報が設定されることになる。
【0210】
入力順序情報は、上述した正順または逆順である。
【0211】
複数の出力先情報は、折り装置20が画像形成装置10(の画像形成装置本体500)に接続されている場合では、紙折りしない旨および紙折りありの旨である。すなわち、この場合の複数の出力先は、紙折りしない旨に対応して記録媒体をフェイスアップで出力する記録媒体出力部22、および紙折りありの旨に対応して紙折り後の記録媒体をフェイスダウンで出力する記録媒体出力部23となる(図7参照)。
【0212】
部数情報は、折り装置20が画像形成装置10(の画像形成装置本体500)に接続されている場合では、例えば、紙折りありの旨に対応して設定される2部数、紙折りしない旨に対応して設定される3部数など、紙折りしない旨および紙折りありの旨の場合の出力先毎に対応して設定される1部数以上の部数である。
【0213】
ちなみに、折り装置20に代替して用紙搬送方向切換え装置30が画像形成装置10(の画像形成装置本体500)に接続されている場合においては、複数の出力先情報は、後方排出および前方排出である。すなわち、この場合の複数の出力先は、後方排出に対応して記録媒体をフェイスアップで出力する記録媒体出力部32、および前方排出に対応して記録媒体をフェイスダウンで出力する記録媒体出力部33となる(図14参照)。
【0214】
また、部数情報は、後方排出に対応して設定される5部数、前方排出に対応して設定される7部数など、後方排出および前方排出の場合の出力先毎に対応して設定される1部数以上の部数である。
【0215】
第3の実施の形態では、複数のページの原稿に対応して複数の配布先が指定される場合の画像形成処理すなわちマルチジョブソートに基づき画像形成処理を実行することを想定している。マルチジョブソートでは、原稿一組を単位として配付先ごとのコピー部数、倍率指定、オプションの電子スタンプや紙折りの有無などを設定してソート出力し得る。
【0216】
また、第3の実施の形態では、配布先毎に、出力先情報、部数情報および原稿に対応する画像(元画像)に対する倍率情報が配布先情報として設定されるようになっている。この配布先情報はジョブパラメータを意味し、最終的にジョブメモリとしてジョブメモリ記憶部360に登録されるようになっている。
【0217】
そのため、操作パネル制御部310は、操作パネル100によって設定された入力順序情報、複数の配布先に対応する複数の配布先情報(出力先情報、部数情報、および倍率情報)を受け付けるとともに、これら受け付けた情報のうち、入力順序情報はジョブ制御部320へ出力し、一方、複数の配布先情報については、配布先毎の配布先情報(出力先情報、部数情報、および倍率情報)つまりジョブパラメータをジョブメモリとしてジョブメモリ記憶部360に登録する。
【0218】
ジョブ制御部320では、取得部3210は、操作パネル制御部310からの入力順序情報を取得するとともに、ジョブメモリ記憶部360から複数のジョブメモリ(ジョブパラメータ)すなわち配布先毎に出力先情報、部数情報、および倍率情報を取得する。
【0219】
すなわち、第3の実施の形態では、コントローラ300Aのジョブ制御部320において、取得部3210は、上記入力順序情報、配布先毎の配布先情報(上記出力先情報、上記部数情報および倍率情報)を取得し、これらの情報を上位のジョブ制御部320に渡す。
【0220】
取得部3210から上記各情報を渡されたジョブ制御部320は、画像読取装置200に対し、倍率情報を出力して、その倍率情報に応じた画像データ(原稿イメージ)を生成するよう制御する。
【0221】
また、ジョブ制御部320は、取得部3210からの上記入力順序情報、配布先毎の配布先情報(上記出力先情報、上記部数情報および倍率情報)と、圧縮伸長部350から通知される蓄積した画像データ(圧縮イメージ)に関する情報とを基に、後述するマルチジョブソートページ生成情報(図22参照)を生成し、記憶部330に格納する。
【0222】
決定部3220は、記憶部330に記憶されている後述するマルチジョブソートページ生成情報を基にページ生成順序を決定する。この場合、決定部3220は、入力順序情報(原稿読み込み順序)と部数情報に基づく部数単位毎の出力先での記録媒体の出力形態として予め定められている記録媒体の画像形成面の向き(フェイスダウンあるいはフェイスアップ)とに基づき、当該部数単位毎の複数のページにかかわるページ生成順序を決定する。
【0223】
第3の実施の形態では、記憶部330には、原稿の画像データや入力情報を記憶する第1の記憶領域と、ページ生成順序決定規則を示す情報を予め記憶する第2の記憶領域と、後述するマルチジョブソートページ生成情報を記憶する第3の記憶領域とが割り当てられている。
【0224】
次に、マルチジョブソートにおけるジョブメモリへの設定と、マルチジョブソートの出力を行った場合の画像出力の概略について説明する、
【0225】
最初に、マルチジョブソートにおけるジョブメモリへの設定について説明する。
【0226】
ここでは、図19(a)に示すようにA2サイズの原稿AとA3サイズの原稿Bの2枚の原稿の画像読み取り、画像出力について説明する。ここで、2枚の原稿束(原稿一組)を原稿セットと表記する。
【0227】
ユーザは、操作パネル100を操作して使用する配布先情報(出力先情報、部数情報、および倍率情報)を設定する。例えば、ユーザは、図18(a),(b),(c)に示すように、配布先1から配布先3に関する配布先情報を設定する。これらの設定情報は、操作パネル100から操作パネル制御部310に与えられる。
【0228】
操作パネル制御部310は、設定情報を管理下にあるジョブメモリ記憶部360にジョブメモリとして登録する(セットする)。
【0229】
具体的には、ユーザによる操作パネル100の操作により、配布先1に対応して、原稿セットを2部、画像を等倍出力で、等倍出力の画像が形成された記録媒体を折って出力する旨、すなわち「部数=2」(部数情報)、「全て等倍」(倍率情報)、「折あり」(出力先情報)が設定された場合、操作パネル制御部310は、図18(a)に示すように、ジョブメモリ記憶部360に登録されるジョブメモリ1に、「部数=2」、「全て等倍」、「折あり」をセットする。
【0230】
また、ユーザによる操作パネル100の操作により、配布先2に対応して、原稿セットを2部、画像をA4サイズに縮小しての出力(A4縮小出力)で、A4縮小出力の画像が形成された記録媒体を折らないで出力する旨、すなわち「部数=2」(部数情報)、「全てA4出力」(倍率情報)、「折なし」(出力先情報)が設定された場合、操作パネル制御部310は、図18(b)に示すように、ジョブメモリ記憶部360に登録されるジョブメモリ2に、「部数=2」、「全てA4出力」、「折なし」をセットする。
【0231】
さらに、ユーザによる操作パネル100の操作により、配布先3に対応して、原稿セットを3部、画像を等倍出力で、等倍出力の画像に3番スタンプを合成し、合成後の画像が形成された記録媒体を折って出力する旨、すなわち「部数=3」(部数情報)、「全て等倍」(倍率情報)、「スタンプ=3番」、「折あり」(出力先情報)が設定された場合、操作パネル制御部310は、図18(c)に示すように、ジョブメモリ記憶部360に登録されるジョブメモリ3に、「部数=3」、「全て等倍」、「スタンプ=3番」、「折あり」をセットする。
【0232】
次に、図19(a)に示す原稿セットについて原稿読み込み順序(原稿順)を「逆順」にして、原稿B、原稿Aの順で画像読取装置200に読み込ませて、マルチジョブソートの出力を行った場合の画像出力の概略について、図19(b),(c),(d)を参照して説明する。
【0233】
最初に、配布先1のものとして、図19(b)に示すように、原稿Aおよび原稿Bのそれぞれに対応する等倍の画像を含むページ(記録媒体)が折られ、折られたページ(原稿Bに対応するページ、原稿Aに対応するページ)が2部出力される。
【0234】
次に、配布先2のものとして、図19(c)に示すように、原稿Aに対応する画像が50%(A4サイズ/A2サイズの演算の結果)に縮小された画像を含むページ、および原稿Bに対応する画像が70.7%(A4サイズ/A3サイズの演算の結果)に縮小された画像を含むページが折られずに3部出力される。
【0235】
最後に、配布先3のものとして、図19(d)に示すように、原稿Aおよび原稿Bのそれぞれに対応する等倍の画像のそれぞれに3番スタンプが合成された画像を含むページが折られ、折られたページ(原稿Bに対応し3番スタンプが合成されたページ、原稿Aに対応し3番スタンプが合成されたページ)が3部出力される。
【0236】
なお、上述した図19(b),(c),(d)のような画像出力の状態が得られる画像出力の詳細については後述する。
【0237】
次に、画像形成システムによる画像形成処理について、図20を参照して説明する。
【0238】
ユーザは、操作パネル100に表示される「コピー」や「スキャン」など複数の機能を示すメニューの中から「コピー」機能を選択する。
【0239】
この「コピー」機能が選択されると、複数の設定画面に対応する複数の設定画面項目が操作パネル100に表示されるので、ユーザは、その複数の設定画面項目の中からマルチジョブメモリを設定するための設定画面(マルチジョブメモリ設定画面)に対応する設定画面項目を選択する。
【0240】
このようにして上記マルチジョブメモリ設定画面項目が設定されると、ジョブメモリ設定画面が操作パネル100に表示されるので、ユーザは、そのジョブメモリ定画面に対し、例えば図18(a),(b),(c)に示すような配布先情報を設定する。
【0241】
上述したようにして配布先情報が設定されると、原稿に関する入力順序(原稿読み込み順序)を設定するための設定画面(入力順序設定画面)が操作パネル100に表示されるので、ユーザは、その入力順序設定画面に対し、例えば入力順序(原稿読み込み順序)として「逆順」を設定する。
【0242】
次に、ユーザは、例えばA2サイズの原稿AとA3サイズの原稿Bの原稿セットについて、原稿読み込み順序が「逆順」なので、画像読取装置200の原稿挿入口202に原稿Bを挿入(手差し挿入)し、原稿の読み取りを開始する旨を指示する(スタートボタンを押下する)。
【0243】
続いて、ユーザは、画像読取装置200が次の原稿の読み込みを行える状態になったら、画像読取装置200の原稿挿入口202に原稿Aを挿入(手差し挿入)し、原稿の読み取りを開始する旨を指示する(スタートボタンを押下する)。
【0244】
そして、ユーザは、この原稿Aで原稿セットについての読み込み対象の原稿が終了した場合、操作パネル100の原稿終了を示す旨を指示する(原稿終了ボタンを押下する)。
【0245】
以上でマルチジョブソートでの画像形成処理のためのユーザによる操作は終了する。
【0246】
ところで、上述したようにして設定されたジョブメモリ設定画面に対して設定された配布先情報(配布先1、配布先2および配布先3の各設定内容)、入力順序設定画面に対して設定された入力順序情報(原稿読み込み順=逆順)は、操作パネル100から操作パネル制御部310へ出力される。
【0247】
操作パネル制御部310は、ジョブメモリ設定画面に対して設定された配布先情報(配布先1、配布先2および配布先3の各設定内容)を基に、配布先1に関する設定内容、配布先2に関する設定内容、および配布先3に関する設定内容を、それぞれジョブメモリ1、ジョブメモリ2およびジョブメモリ3としてジョブメモリ記憶部360に登録する。
【0248】
また、操作パネル制御部310は、入力順序設定画面に対して設定された入力順序情報(原稿読み込み順=逆順)についてはジョブ制御部320へ出力するとともに、ジョブメモリを登録した旨をジョブ制御部320へ通知する。
【0249】
ジョブ制御部320では、取得部3210は、操作パネル部310からの入力順序情報(原稿読み込み順=逆順)を取得するとともに(ステップS201)、ジョブメモリ記憶部360からジョブメモリ(配布先情報)1,2,3を取得する(ステップS202)。
【0250】
また、取得部3210は、取得した入力順序情報(原稿読み込み順=逆順)およびジョブメモリ(配布先情報)1,2,3を上位のジョブ制御部320に渡す。
【0251】
ジョブ制御部320は、取得部3210からの情報のうち配布先毎の倍率情報(等倍、A3サイズをA4サイズで出力(縮小)する旨)を画像読取装置200に通知する。
【0252】
ところで、ユーザがA3サイズの原稿Bを画像読取装置200の原稿挿入口202に挿入しスタートボタンを押下した場合、画像読取装置200は、ジョブ制御部320からの上記倍率情報を受け取るとともに、手差し挿入された原稿Bに対する原稿画像の読み取り処理を実行する(ステップS203)。
【0253】
すなわち、画像読取装置200は、手差し挿入された原稿Bを、原稿搬送ローラ210を回転することにより原稿挿入方向201Aに搬送しながら画像読み取りセンサ220によって光学的に読み取るとともに、この読み取りの結果(アナログの画像データ)に対応する画像データ(デジタルの画像データ)を生成する。
【0254】
画像データを生成するに際し、画像読取装置200は、ジョブ制御部320からの倍率情報に基づき、原稿Bに対応する元画像が100%の画像データ(原稿イメージ)を生成するとともに、原稿Bに対応する元画像が70.7%(A4サイズ/A3サイズの演算の結果)に縮小された画像データ(原稿イメージ)を生成する。そして、これら生成した各画像データをコントローラ300Aへ出力する。
【0255】
コントローラ300Aでは、ジョブ制御部320が、画像読取装置200からの画像データ(原稿イメージ)を取得するとともに取得した画像データを記憶部330に格納し、さらに圧縮伸長部340が、記憶部330に格納された前記画像データを圧縮して外部記憶装置350に蓄積する(ステップS204)。
【0256】
すなわち、コントローラ300Aでは、ジョブ制御部320は、画像読取装置200からの元画像(原稿B)に対する倍率100%の画像データ、および元画像(原稿B)に対する倍率70.7%の画像データを記憶部330に格納し、その後、圧縮伸長部340に対し圧縮するよう制御する。
【0257】
圧縮伸長部340は、記憶部330に記憶されている上記2つの画像データ(原稿イメージ)をそれぞれ圧縮し、この圧縮した2つの画像データ(圧縮イメージ)を外部記憶装置350に蓄積する。また、圧縮伸長部340は、これら蓄積した画像データ(圧縮イメージ)に関する情報をジョブ制御部320へ通知する。
【0258】
この時点で、外部記憶装置350には、元画像(原稿B)に対する倍率100%の画像データ(これを原稿Bイメージ1とする)と、元画像(原稿B)に対する倍率70.7%の画像データ(これを原稿Bイメージ2とする)とが蓄積されていることになる。
【0259】
このようにして原稿Bイメージ1および原稿Bイメージ2が外部記憶装置350に蓄積された場合に、ジョブ制御部320は、操作パネル制御部310を介して、操作パネル100からの原稿終了を示す旨(原稿終了ボタンが押下された旨)を取得したか否かを判断する(ステップS205)。
【0260】
ステップS205において、ジョブ制御部320によって原稿終了ボタンが押下された旨を取得しないと判断された場合は、ステップS203に移行される。
【0261】
ここで、ユーザが原稿Bに続いて、A2サイズの原稿Aを画像読取装置200の原稿挿入口202に挿入しスタートボタンを押下した場合は、ステップS203,S204が実行される。
【0262】
すなわち、画像読取装置200は、上述した原稿Bに対応する読み取り処理と同様の読み取り処理を実行して、原稿Aに対応する画像データ(原稿イメージ)を生成する。
【0263】
この場合、画像データを生成するに際し、画像読取装置200は、ジョブ制御部320からの倍率情報に基づき、原稿Aに対応する元画像が100%の画像データ(原稿イメージ)を生成するとともに、原稿Aに対応する元画像が50%(A4サイズ/A2サイズの演算の結果)に縮小された画像データ(原稿イメージ)を生成する。そして、これら生成した各画像データをコントローラ300Aへ出力する。
【0264】
画像読取装置200から原稿Aに対応する画像データ(原稿イメージ)を受け付けたコントローラ300Aは、上述した原稿Bに対応する画像データに対する蓄積処理と同様の蓄積処理を実行する。すなわち、圧縮伸長部340は、元画像(原稿A)に対する倍率100%の画像データ(これを原稿Aイメージ1とする)と、元画像(原稿B)に対する倍率50%の画像データ(これを原稿Aイメージ2とする)とを外部記憶装置350に蓄積する。また、圧縮伸長部340は、これら蓄積した画像データ(圧縮イメージ)に関する情報をジョブ制御部320へ通知する。
【0265】
そして、ユーザによって読み込み対象の原稿が終了したので操作パネル100の原稿終了ボタンが押下された場合、この原稿終了ボタンが押下された旨が、操作パネル制御部310を介してコントローラ300Aのジョブ制御部320に入力される。
【0266】
これにより、ジョブ制御部320は、ステップS205において、原稿終了ボタンが押下された旨を取得したと判断して原稿セットの入力が完了したことを認識する。
【0267】
ここで、原稿セットの入力が完了した時点で、外部記憶装置350には、図21に示すように、原稿Bイメージ1、原稿Bイメージ2、原稿Aイメージ1、原稿Aイメージ2が蓄積されていることになる。
【0268】
また、ジョブ制御部320は、既に受け取っている取得部3210からの入力順序情報(原稿読み込み順=逆順)およびジョブメモリ(配布先情報)1,2,3と、圧縮伸長部350から通知される蓄積した画像データ(圧縮イメージ)に関する情報とを基に、図22に示すマルチジョブソートページ生成情報(テーブル情報)を生成し、記憶部330の第3の記憶領域に格納する。
【0269】
図22に示す例は、先頭の原稿Aおよび最終の原稿Bから構成される原稿セットの原稿の読み込み順序を逆順として、原稿B、原稿Aの順に読み込みが行われたときのものである。
【0270】
なお、図22において、「部番号」の項目は複数部数の連番を示す。この例では、配布先1に対応して2部、配布先2に対応して3部、配布先3に対応して3部の合計8部の部数であることが示されている。
【0271】
「排出面」の項目は記録媒体の画像形成面の向きつまりフェイスダウンまたはフェイスアップを示す。また「down」はフェイスダウンを示し、「up」はフェイスアップを示す。
【0272】
「出力パラメータ」の項目は紙折りの有無やスタンプ有りを示す。また、「折あり」は紙折りありを示し、「折なし」は紙折りなしを示し、「stamp(No3)」はスタンプ3番を示す。
【0273】
「原稿番号1」の項目は電子ソートされた場合の1番目の原稿(最初の原稿)を示す。また、「B−1」は原稿Bイメージ1を示し、「B−2」は原稿Bイメージ2を示す。
【0274】
「原稿番号2」の項目は電子ソートされた場合の2番目の原稿(この例では最後の原稿)を示す。また、「A−1」は原稿Aイメージ1を示し、「A−2」は原稿Aイメージ2を示す。
【0275】
上述したようなマルチジョブソートページ生成情報(テーブル情報)は、次の(1)〜(3)の各事項を意味している。
【0276】
(1)最初に、配布先1用に、原稿Bイメージ1に対応する記録媒体(ページ)を折りあり、原稿Aイメージ1に対応する記録媒体を折ありで、フェイスダウンで2部ソート出力する。
【0277】
(2)次に、配布先2用に原稿Bイメージ2に対応する記録媒体を折りなし、原稿Aイメージ2に対応する記録媒体を折なしで、フェイスアップで3部ソート出力する。
【0278】
(3)最後に、配布先3用に原稿Bイメージ1に対応する記録媒体を折りあり、原稿Aイメージ1に対応する記録媒体を折ありで、フェイスダウンで3部ソート出力する。
【0279】
ところで、ジョブ制御部320が、ステップS205において、原稿終了ボタンが押下された旨を取得したと判断し、マルチジョブソートページ生成情報(テーブル情報)の生成を終了した場合、コントローラ300Aは、詳細については後述するマルチジョブソートページ生成処理(図23参照)を実行する(ステップS206)。
【0280】
このマルチジョブソートページ生成処理においては、記憶部330に記憶されているマルチジョブソートページ生成情報が参照され、入力順序情報(画像読み取り順序)および配布先毎の出力先情報(フェイスアップまたはフェイスダウン)に基づくページ順序生成の決定と、そのページ生成順序に従ったページ(画像データ)の生成とが実行される。
【0281】
そして、ステップS206が終了した場合、図13に示した第1の実施の形態の処理手順のステップS107〜S111の処理と同様の処理が実施される(ステップS207〜S211)。
【0282】
次に、コントローラによるマルチジョブソートページ生成処理について、図23を参照して説明する。
【0283】
なお、上述したように先頭の原稿Aおよび最終の原稿Bから構成される原稿セットの原稿読み込み順序は逆順であるので、原稿B、原稿Aの順に読み込みが行われている。
【0284】
コントローラ300Aでは、ジョブ制御部320の決定部3220は、記憶部330に記憶されているマルチジョブソートページ生成情報(図22参照)を参照し、部番号1の原稿開始番号と原稿終了番号を求める(ステップS301)。
【0285】
マルチジョブソートページ生成情報からは、原稿読み込み順序は逆順であり、「部番号」項目の部番号1にかかわる記録媒体の画像形成面の向きはフェイスダウン(排出面=フェイスダウン)であり、原稿に対応する原稿イメージ(画像データ)が電子ソートされている順番は原稿番号1、原稿番号2の順であることが分かる。
【0286】
そのため、決定部3220は、これらの内容と図8に示したページ生成順序決定規則情報とを基に、部番号1にかかわるページ生成順序として、ページ符号3224で示される順序(ページ生成順序)を決定する。すなわち、決定部3220は、原稿開始番号は原稿番号2、原稿終了番号は原稿番号1とする。
【0287】
このようにしてページ生成順序が決定されると、ジョブ制御部320は、圧縮伸長部340に対し、原稿開始番号=原稿番号2=原稿Aイメージ1、原稿終了番号=原稿番号1=原稿Bイメージ1を順に、伸長処理を実行するよう制御する。
【0288】
圧縮伸長部340は、ジョブ制御部320の制御に従って、原稿開始番号=原稿番号2の原稿Aイメージ1を伸長してページ(伸長後の画像データ)を生成し、この伸長後の画像データを記憶部330に記憶するとともに、原稿終了番号=原稿番号1の原稿Bイメージ1を伸長してページ(伸長後の画像データ)を生成し、この伸長後の画像データを記憶部330に記憶する(ステップS302)。
【0289】
ジョブ制御部320は、圧縮伸長部350によってページが生成された場合、記憶部330から部番号1にかかわる原稿Aイメージ1に対応するページ、原稿Bイメージ1に対応するページを順に読出して、画像出力装置400へ出力する(図20のステップS207,S208参照)。この場合、ジョブ制御部320は、「紙折りあり」の旨を画像出力装置400へ通知する。
【0290】
画像出力装置400は、ジョブ制御部320からの画像データに対応する画像を記録媒体に形成し、画像形成後の記録媒体を折り装置20へ出力するとともに、「折あり」(紙折りあり)の旨を折り装置20へ通知する(図20のステップS209参照)。折り装置20、画像出力装置400からの記録媒体に対する折り処理を施し、折り処理後の記録媒体をフェイスダウンの状態で記録媒体出力部22から出力する(図20のステップSS210参照)。
【0291】
ところで、ジョブ制御部320は、最終部(この例では部番号8)のページ生成が行われたか否かを判断する(ステップS303)。
【0292】
ステップS303において、ジョブ制御部320によって最終部のページ生成ではないと判断された場合、決定部3220は、次の部番号の原稿開始番号、原稿終了番号を求める(ステップS304)。ステップS304が終了した場合は、ステップS302に移行する。
【0293】
ステップS303において、ジョブ制御部320によって部番号8にかかわる記録媒体の出力であるため、最終部のページ生成であると判断された場合、この処理は終了となる。
【0294】
ところで、部番号1にかかわる記録媒体の出力が行われたときは、最終部のページ生成が実施されていないので、次の部番号である部番号2についてのページ生成順序が決定される。この部番号2においても、記録媒体の画像形成面の向きはフェイスダウン(排出面=フェイスダウン)であるため、部番号1の場合と同じページ生成順序となる。
【0295】
また、画像出力装置400による画像形成処理、折り装置20による出力処理(折り処理を含む)は、部番号1の場合と同様である。
【0296】
部番号2にかかわるページ生成が終了した場合は、ステップS304で、ジョブ制御部320の決定部3220は、部番号3の原稿開始番号と原稿終了番号を求めることになる。このとき、部番号3の排出面はフェイスアップであり、原稿読み込み順が逆順であるため、これらの内容と、図8に示したページ生成順序決定規則情報とを基に、部番号3にかかわるページ生成順序として、ページ符号3223で示される順序(ページ生成順序)が決定される。すなわち、原稿開始番号は原稿番号1、原稿終了番号は原稿番号2となる。
【0297】
次に、ステップS302で、原稿開始番号=原稿番号1の原稿Bイメージ2がページ生成された後、原稿Aイメージ2がページ生成される。部番号4、部番号5もフェイスアップであるため、部番号3の場合と同じページ生成順序となる。「折なし」の出力パラメータが、ジョブ制御部320から画像出力装置400へ通知され、さらに画像出力装置400から折り装置20へ通知される。そのため、折り装置20の記録媒体出力部23からは、折なしの記録媒体がフェイスアップで出力される。
【0298】
部番号5にかかわるページ生成が終了した場合は、ステップS304で、ジョブ制御部320の決定部3220は、部番号6の原稿開始番号と原稿終了番号を求めることになる。このとき、部番号6の排出面はフェイスダウンであり、原稿読み込み順が逆順であるため、これらの内容と、図8に示したページ生成順序決定規則情報とを基に、部番号3にかかわるページ生成順序として、ページ符号3224で示される順序(ページ生成順序)が決定される。すなわち、原稿開始番号は原稿番号2、原稿終了番号は原稿番号1となる。
【0299】
ステップS302で、原稿開始番号=原稿番号2の原稿Aイメージ1がページ生成された後、原稿Aイメージ1がページ生成され、これら生成されたページ(画像データ)は記憶部に記憶される。
【0300】
また、部番号6の出力パラメータとして、「スタンプ3番」、「折あり」が指定されているため、ジョブ制御部320は、記録部330から読み出したページ(画像データ)と3番スタンプの画像とを合成し、合成後のページ(画像データ)を画像出力装置400へ出力するとともに、「折あり」の出力パラメータを画像出力装置400へ通知する。
【0301】
画像出力装置400は、ジョブ制御部320からの画像データに対応する画像を記録媒体に形成し、画像形成後の記録媒体を折り装置20へ出力するとともに、「折あり」の出力パラメータを折り装置20へ通知する。折り装置20は、画像出力装置400からの記録媒体に対する折り処理を施し、折り処理後の記録媒体をフェイスダウンの状態で記録媒体出力部22から出力する。
【0302】
部番号6に後続の部番号7、部番号8もフェイスダウンであるため、部番号6の場合と同じページ生成順序となる。また、出力パラメータとして「スタンプ3番」、「折あり」が指定されているため、記録部330から読み出されるページ(画像データ)と3番スタンプの画像とが合成され、この合成後のページ(画像データ)に対する画像形成処理が実施される。この画像形成処理後の記録媒体に対する折り処理が実施され、この折り処理後の記録媒体は、フェイスダウンの状態で出力されることになる。
【0303】
そして、部番号8のページ生成が終了した場合、ステップS303において最終部のページ生成であると判断され、マルチジョブソートのページ生成処理が終了する。
【0304】
以上説明したように、第3の実施の形態では、部数単位毎に指定される出力先から出力される記録媒体の画像形成面の向きが上向きあるいは下向きの何れの場合であっても、ユーザの意図した出力順序で複数の記録媒体が出力される。
【0305】
また、部毎(部数単位毎)に排出面(記録媒体の画像形成面)の向きが変化するようなソートの出力においても、部毎の用紙の排出面を考慮してページ生成順序が制御されるので、部毎に排出面の向きが変化しない場合と同様な時間で出力結果が得られる。
【0306】
(第4の実施の形態)
【0307】
第4の実施の形態に係わる画像形成システムは、図1に示した第1の実施の形態の画像形成システムと同様の構成になっている。
【0308】
第4の実施の形態において、操作パネル制御部310は、操作パネル100によって設定された上記入力順序情報(正順または逆順)、上記出力先情報(紙折りの有無や後方排出または前方排出つまりフェイスダウンまたはフェイスアップ)、複数のページの原稿にかかわる画像形成すべき複数部数を示す部数情報、および当該部数情報に基づく複数部数のうち一部目を先行して出力する旨を示す先行出力情報を受け付けるとともに、これら受け付けた情報をジョブ制御部320へ出力する。
【0309】
ジョブ制御部320では、取得部3210は、操作パネル制御部310からの入力順序情報、出力先情報、部数情報、および先行出力情報を取得する。
【0310】
決定部3220は、先行出力情報を基に一部目のみを先行して出力すべきと認識した場合に、入力順序情報(正順または逆順)と出力先情報に基づく出力先での記録媒体の出力形態として予め定められている記録媒体の画像形成面の向き(フェイスダウンまたはフェイスアップ)とに基づき決定される複数のページの出力順序が原稿の入力順序とは異なるときは、一部目のみについて、ページ(原稿)毎に、原稿の読み込み処理と原稿の入力順序で当該読み込み処理の結果に応じた画像データに基づく画像形成処理の結果の出力処理とが実施されるよう制御する。
【0311】
また、決定部3220は、先行出力情報を基に一部目のみを先行して出力すべきと認識した場合は、一部目については二部目以降とは異なる順序で出力処理される旨の通知を行う。この場合、一部目の記録媒体の出力順序つまりページ生成順序は原稿の入力順序(正順または逆順)と同じになる。
【0312】
「複数のページの出力順序が原稿の入力順序とは異なるとき」とは、原稿の入力順序が例えばページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順である場合に、複数のページ(記録媒体)の出力順序がページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順となる場合である。
【0313】
すなわち、原稿の入力順序が、正順の場合には、図24(a)に示すように、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順に読み込まれ、一方、逆順の場合は、図24(b)に示すように、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順に読み込まれる。なお、正順の場合あるいは逆順の場合の何れにおいても、原稿セットを原稿の画像形成面から見た場合、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順になっている。
【0314】
そして、原稿の入力順序が正順の場合あるいは逆順の場合の何れの場合においても、画像が形成される記録媒体の出力のときは、第1の実施の形態の場合と同様に、記録媒体をその画像形成面から見た場合、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順になるように画像出力するようにする。
【0315】
そのため、記録媒体をフェイスダウンで出力する場合には、図24(c)に示すように、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順に記録媒体が出力され、一方、記録媒体をフェイスアップで出力する場合は、図24(d)に示すように、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順に記録媒体が出力される。
【0316】
上述したことから、原稿を正順で入力し、記録媒体をフェイスアップで出力する場合と、原稿を逆順で入力し、記録媒体をフェイスダウンで出力する場合の2つのパターンのときに、「複数のページの出力順序」と「原稿の入力順序」とが異なることになる。
【0317】
次に、ジョブ制御部の決定部によるページ生成順序決定処理(出力順序決定処理)について、図25を参照して説明する。
【0318】
ユーザは、第1の実施の形態の場合と同様に、操作パネル100に表示される複数の機能を示すメニューの中から「コピー」機能を選択し、その後、操作パネル100に表示される複数の設定画面項目の中から「紙折り設定画面」項目を選択する。
【0319】
この「紙折り設定画面」項目が選択されると、操作パネル制御部310の制御により紙折り設定画面が操作パネル100に表示されるので、ユーザは、その紙折り設定画面に対し紙折りの有無を指定し、その後、ボタン「閉じる」を選択する(図3参照)。
【0320】
次に、ユーザが操作パネル100に表示されている複数の設定画面項目の中から「仕分け設定画面」項目を選択すると、操作パネル制御部310の制御により仕分け設定画面が操作パネル100に表示されるので、ユーザは、その仕分け設定画面に対し仕分け方法として「ソート」を設定(指定)するとともに原稿順(原稿挿入順)として「逆順」または「正順」を設定(指定)し、さらにボタン「閉じる」を選択する(図2参照)。
【0321】
さらに、ユーザは、操作パネル100に表示される部数を設定するための部数設定画面に対し複数部数(2以上の数値)を設定する。
【0322】
上述したようにして紙折り設定画面に対して設定された設定内容(出力先情報つまり紙折りの有無)、仕分け設定画面に対して設定された設定内容(入力順序情報つまり正順または逆順)および部数設定画面に対して設定された設定内容(2以上の数値)は、操作パネル制御部310を介してジョブ制御部320に与えられる。
【0323】
ジョブ制御部320では、取得部3210は、上記仕分け設定画面に対して設定された設定内容および上記紙折り設定画面に対して設定された設定内容を取得し、これら取得した各情報(設定内容)を決定部3220へ出力する。
【0324】
決定部3220は、取得部3210からの各情報のうち、折り設定画面に対して設定された設定内容(紙折りの有無)に基づき、「紙折りあり」であるか否かを判断する(ステップS401)。
【0325】
決定部3220は、ステップS401において、「紙折りあり」ではないと判断した場合(「紙折りなし」であると判断した場合)は、フェイスアップ出力であると認識し、その後、仕分け設定画面に対して設定された設定内容(正順または逆順)に基づき、ソートは正順あるいは逆順の何れであるかを判断する(ステップS402)。
【0326】
決定部3220は、ステップS402において、ソートは正順であると判断した場合には、ページ生成順序(出力順序)は図8の符号3221で示される順序(ページ生成順序)つまり入力順序に対し逆順(逆順排出)であると決定し(ステップS403)、一方、ソートは逆順であると判断した場合は、ページ生成順序(出力順序)は図8の符号3223で示される順序つまり入力順序に対し正順(正順排出)であると決定する(ステップS404)。
【0327】
決定部3220は、ステップS401において、「紙折りあり」であると判断した場合は、フェイスダウン出力であると認識し、その後、仕分け設定画面に対して設定された設定内容(正順または逆順)に基づき、ソートは正順あるいは逆順の何れであるかを判断する(ステップS405)。
【0328】
決定部3220は、ステップS405において、ソートは正順であると判断した場合には、ページ生成順序(出力順序)は図8の符号3222で示される順序つまり入力順序に対し正順(正順排出)であると決定し(ステップS406)、一方、ソートは逆順であると判断した場合は、ページ生成順序(出力順序)は図8の符号3224で示される順序つまり入力順序に対し逆順(逆順排出)であると決定する(ステップS407)。
【0329】
ステップS403を終了した場合、ステップS404を終了した場合、ステップS406を終了した場合、またはステップS407を終了した場合、この処理は終了となる。
【0330】
ステップS403を終了した場合またはステップS407を終了した場合は、出力順序が原稿の入力順序に対し逆順の場合の画像形成処理が実行される。
【0331】
ステップS404を終了した場合またはステップS406を終了した場合は、出力順序が原稿の入力順序に対し正順の場合の画像形成処理が実行される。
【0332】
次に、画像形成システムによる画像形成処理(出力順序が原稿の入力順序に対し逆順の場合の画像形成処理)について、図26を参照して説明する。
【0333】
ここでは、図25の処理手順においてステップS403を終了した場合またはステップS407を終了した場合の、出力順序が原稿の入力順序に対し逆順の場合の画像形成処理について説明する。
【0334】
この画像形成処理が実施されるときは、ジョブ制御部320では、決定部3220は、既に図25の処理手順のステップS403またはステップS407において、ページ生成順序は最後の画像データから最初の画像データに向かう順序(原稿の入力順序に対し逆順)であると決定している。
【0335】
ジョブ制御部320の決定部3220によってページ生成順序が入力順序に対し逆順(逆順排出)であると決定された場合、操作パネル制御部310は、図27(a)に示すような「一部目を先行して出力するか否かの選択肢」を操作パネル100に表示させる(ステップS501)。
【0336】
ちなみに、図27(a)に示す表示内容が表示されるのは、ユーザが、紙折り設定画面に対し「紙折りなし」を設定するとともに仕分け設定画面に対し原稿順(原稿挿入順)として「正順」を設定した場合、または紙折り設定画面に対し「紙折りあり」を設定するとともに仕分け設定画面に対し原稿順(原稿挿入順)として「逆順」を設定した場合のときである。
【0337】
この例では、ユーザが紙折り設定画面に対し「紙折りなし」を設定するとともに仕分け設定画面に対し仕分け方法として「ソート」を設定(指定)するとともに原稿順(原稿挿入順)として「正順」を設定し、部数設定画面に対し「3部(数値3)」を設定した場合の画像形成処理を想定する。
【0338】
ステップS501を終了した操作パネル制御部310は、ユーザによる操作パネル100の操作により選択された選択肢情報を基に、一部目先行出力を実施するか否かを判断する(ステップS502)。
【0339】
操作パネル制御部310は、ステップS502において、上記選択肢情報が「一部目先行出力」の項目に対応して選択された選択肢「YES」(一部目先行出力する旨)なので、一部目先行出力を実施すると判断した場合は、図27(b)に示すような「一部目のみ、読み込みと並行して出力され、原稿入力順に出力される旨」を操作パネル100に表示させる(ステップS503)。
【0340】
また、操作パネル制御部310は、上述したようにして一部目先行出力を実施すると判断したときは、その旨をジョブ制御部320へ通知する。
【0341】
ユーザは、操作パネル100に表示された図27(b)に示す表示内容を了解したうえでコピーする場合、複数のページで構成される原稿(原稿束)を正順で、ページ(原稿)毎に、画像読取装置200の原稿挿入口202に原稿を手差し挿入し、原稿の読み取りを開始する旨を指示する(スタートボタンを押下する)。
【0342】
例えば、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の5ページ分の原稿束の場合、ユーザは、ページ1の原稿を画像読取装置200に挿入してスタートボタンを押下し、画像読取装置200が画像読み取りし得る状態になったら、次のページ2の原稿を画像読取装置200に挿入してスタートボタンを押下する。このような操作を最終のページ5の原稿まで行うようにする。この場合、前記原稿束は、図9(a)に示すような原稿の入力順序で画像読取装置200に挿入され読み込まれることになる。
【0343】
また、ユーザは、全ての原稿についての読み取りのための操作が終了した場合、原稿終了を示す旨を指示する(原稿終了ボタンを押下する)。例えば、ユーザは、最終のページ5の原稿を画像読取装置200に挿入してスタートボタンを押下し、画像読取装置200が画像読み取りし得る状態になったら、原稿終了ボタンを押下する。
【0344】
これらスタートボタンが押下された旨および原稿終了ボタンが押下された旨は、操作パネル制御部310を介してジョブ制御部320に与えられる。
【0345】
画像読取装置200は、スタートボタンが押下されたことに起因するジョブ制御部320の制御に従って、手差し挿入された原稿に対する原稿画像の読み取り処理を実行する(ステップS504)。
【0346】
すなわち、画像読取装置200は、原稿搬送ローラ210を回転することにより原稿挿入方向201Aに搬送しながら画像読み取りセンサ220によって光学的に読み取るとともに、この読み取りの結果(アナログの画像データ)に対応する画像データ(デジタルの画像データ)を生成し、さらに生成した画像データ(デジタルの画像データ)をコントローラ300へ出力する。
【0347】
コントローラ300では、ジョブ制御部320は、画像読取装置200からの画像データ(原稿イメージ)を取得し、この取得した画像データを記憶部330に格納(蓄積)する(ステップS505)。
【0348】
ジョブ制御部320が、記憶部330から読み出した画像データと紙折りしない旨とを画像出力装置400へ出力すると、画像形成装置400と折り装置20との協働による画像出力処理が実施される(ステップS506)。
【0349】
すなわち、画像出力装置400では、例えばロール紙供給部432がロール紙を画像形成部410に向けて供給し、カッター442がその供給されるロール紙を例えばA0サイズの記録媒体になるよう切断し、さらに用紙搬送ローラ452がこのA0サイズの記録媒体を画像形成部410に向けて搬送すると、画像形成部410は、コントローラ300からの画像データに基づき、搬送されてきた記録媒体に画像を形成する。
【0350】
また、画像出力装置400は、折り装置20に対し、コントローラ300のジョブ制御部320から通知された「紙折りしない旨」を通知する。
【0351】
画像形成部410によって画像が形成され定着が実施された記録媒体は、画像出力装置400の記録媒体出力部420からフェイスアップの状態で出力され、折り装置20に向けて搬送される。
【0352】
折り装置20は、画像出力装置400から通知された「紙折りしない旨」を基に、画像出力装置400から搬送されてくる記録媒体を、紙折りしないでフェイスアップの状態で記録媒体出力部22から出力する。
【0353】
そのため、折り装置20からは、一部目に関して、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順に記録媒体が紙折りなしでフェイスアップの状態で出力されることとなる。
【0354】
ジョブ制御部320は、操作パネル制御部310を介して原稿終了ボタンが押下された旨を受け取ったか否かに応じて、画像出力対象の原稿は終了であるか否かを判断する(ステップS507)。
【0355】
ステップS507において、ジョブ制御部320によって、原稿終了ボタンが押下された旨を受け取らないので画像出力対象の原稿は終了ではないと判断された場合は、ステップS504に移行する。
【0356】
ステップS507において、ジョブ制御部320によって、原稿終了ボタンが押下された旨を受け取ったので、画像出力対象の原稿は終了であると判断された場合は、二部目以降の画像出力処理が実施される(ステップS508)。
【0357】
ところで、原稿終了ボタンが押下された旨を受け取った時点、つまり上記の例ではページ1からページ5までの5ページ分の原稿が画像読取装置200に挿入され読み込まれた時点では、記憶部330には、図9(b)に示すように、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順にページの原稿に対応する画像データが記憶されていることになる。
【0358】
決定部3220は、上述したように既にページ生成順序は最後の画像データから最初の画像データに向かう順序(原稿の入力順序に対し逆順)であると決定しているので、ジョブ制御部320は、二部目以降についてはそのページ生成順序で画像出力されるように画像データを画像出力装置400へ出力する。
【0359】
すなわち、ジョブ制御部320は、そのページ生成順序に従って記憶部330から画像データを読み出すとともに、この読み出した画像データを画像出力装置400へ出力し、さらに、出力先は折り装置20であって「紙折りしない旨」を画像出力装置400へ通知する。
【0360】
この場合、記憶部330からは、二部目以降について部毎に、上記決定されたページ生成順序に従って、図11(a)に示すように、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順序で画像データが読み出される。この例では、二部目についてページ5からページ1までの各画像データが読み出され、次に三部目についてページ5からページ1までの各画像データが読み出される。
【0361】
画像出力装置400では、例えばロール紙供給部432がロール紙を画像形成部410に向けて供給し、カッター442がその供給されるロール紙を例えばA0サイズの記録媒体になるよう切断し、さらに用紙搬送ローラ452がこのA0サイズの記録媒体を画像形成部410に向けて搬送すると、画像形成部410は、コントローラ300からの画像データに基づき、搬送されてきた記録媒体に画像を形成する。
【0362】
また、画像出力装置400は、折り装置20に対し、コントローラ300のジョブ制御部320から通知された「紙折りしない旨」を通知する。
【0363】
画像形成部410によって画像が形成され定着が実施された記録媒体は、画像出力装置400の記録媒体出力部420からフェイスアップの状態で出力され、折り装置20に向けて搬送される。
【0364】
折り装置20は、画像出力装置400から通知された「紙折りしない旨」を基に、画像出力装置400から搬送されてくる記録媒体を、紙折りしないでフェイスアップの状態で記録媒体出力部22から出力する。
【0365】
そのため、折り装置20からは、二部目以降に関して、図11(b)に示すように、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順に記録媒体が紙折りなしでフェイスアップの状態で出力されることとなる。この例では、二部目に関してページ5からページ1までの各記録媒体がフェイスアップで出力され、次に三部目に関してページ5からページ1までの各記録媒体がフェイスアップで出力される。
【0366】
このようにして記録媒体を出力した折り装置20が、記録媒体の出力処理を正常終了した旨を画像出力装置400へ通知すると、画像出力装置40は、折り装置20からの出力処理を正常終了した旨の通知を受けて、画像形成処理を正常終了した旨をコントローラ300のジョブ制御部320へ通知する。
【0367】
上記画像形成処理を正常終了した旨の通知を受け付けたジョブ制御部320は、二部目から指定された複数部数までの部毎に、記憶部330に記憶されている複数のページに対応する複数の画像データを読み出したか否かを基に、複数部数に応じた全ての記録媒体が出力されたか否かを判断する(ステップS509)。
【0368】
このステップS509においては、例えば、複数部数=3部の場合、三部目の最後の画像データこの例ではページ1の画像データが記憶部330から読みされ、このページ1の画像データに基づき画像出力が行われたときは、複数部数に応じた全ての記録媒体が出力されたと判断される。
【0369】
ステップS509において、ジョブ制御部320によって、複数部数に応じた全ての記録媒体が出力されていないと判断された場合にはステップS508に移行し、一方、複数部数に応じた全ての記録媒体が出力されと判断された場合は、この処理は終了となる。
【0370】
操作パネル制御部310は、ステップS502において、上記選択肢情報が「一部目先行出力」の項目に対応して選択された選択肢「NO」なので、一部目先行出力を実施しないと判断した場合は、一部目先行出力を実施しない旨をジョブ制御部320へ通知する。
【0371】
ユーザは、複数のページで構成される原稿(原稿束)を正順で、ページ(原稿)毎に、画像読取装置200の原稿挿入口202に原稿を手差し挿入し、原稿の読み取りを開始する旨を指示する(スタートボタンを押下する)。また、ユーザは、全ての原稿についての読み取りのための操作が終了した場合、原稿終了を示す旨を指示する(原稿終了ボタンを押下する)。
【0372】
これらスタートボタンが押下された旨および原稿終了ボタンが押下された旨は、操作パネル制御部310を介してジョブ制御部320に与えられる。
【0373】
画像読取装置200は、スタートボタンが押下されたことに起因するジョブ制御部320の制御に従って、手差し挿入された原稿に対する原稿画像の読み取り処理を実行する(ステップS510)。
【0374】
すなわち、画像読取装置200は、原稿搬送ローラ210を回転することにより原稿挿入方向201Aに搬送しながら画像読み取りセンサ220によって光学的に読み取るとともに、この読み取りの結果(アナログの画像データ)に対応する画像データ(デジタルの画像データ)を生成し、さらに生成した画像データ(デジタルの画像データ)をコントローラ300へ出力する。
【0375】
コントローラ300では、ジョブ制御部320は、画像読取装置200からの画像データ(原稿イメージ)を取得し、この取得した画像データを記憶部330に格納(蓄積)する(ステップS511)。
【0376】
また、ジョブ制御部320は、操作パネル制御部310を介して原稿終了ボタンが押下された旨を受け取ったか否かに応じて、画像出力対象の原稿は終了であるか否かを判断する(ステップS512)。
【0377】
ステップS512において、ジョブ制御部320によって、原稿終了ボタンが押下された旨を受け取らないので画像出力対象の原稿は終了ではないと判断された場合は、ステップS510に移行する。
【0378】
ステップS512において、ジョブ制御部320によって、原稿終了ボタンが押下された旨を受け取ったので、画像出力対象の原稿は終了であると判断された場合は、ステップS508の場合と同様に、複数部数(一部目を含む複数部数)についての画像出力処理が実施される(ステップS513)。
【0379】
このステップS513においては、一部目から三部目に関してページ5からページ1までの各記録媒体がフェイスアップで出力される。
【0380】
ステップS513が終了した場合は、ステップS509と同様の処理が実施される(ステップS514)。
【0381】
上述した例では、ユーザが紙折り設定画面に対し「紙折りなし」を設定するとともに仕分け設定画面に対し仕分け方法として「ソート」を設定(指定)するとともに原稿順(原稿挿入順)として「正順」を設定し、部数設定画面に対し例えば「3部(数値3)」を設定した場合の画像形成処理について説明したが、次のようにしてもよい。
【0382】
すなわち、ユーザが紙折り設定画面に対し「紙折りあり」を設定するとともに仕分け設定画面に対し仕分け方法として「ソート」を設定(指定)するとともに原稿順(原稿挿入順)として「逆順」を設定し、部数設定画面に対し例えば「3部(数値3)」を設定するようにしてもよい。
【0383】
この場合、ステップS504またはステップS510では、画像読取装置200は、例えば、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の5ページ分の原稿束に関して、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順(逆順)に挿入された原稿の読み取り処理を実施する。
【0384】
また、ステップS505では、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順にページの原稿に対応する画像データが記憶されることになる。
【0385】
ステップS506では、折り装置20からは、一部目に関して、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順に記録媒体が折られフェイスダウンの状態で出力されることとなる。
【0386】
ステップS508では、折り装置20からは、二部目以降に関して、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順に記録媒体が折られフェイスダウンの状態で出力されることとなる(図12(b)参照)。
【0387】
なお、操作パネル制御部320は、「ソート」の設定後、紙折り等の設定が変更されて用紙排出順が変更された場合で、ページ生成順序(出力順序)が逆順排出(原稿の入力順序に対し逆順)となったときは、操作パネル100に対し、全ページ読み込み完了後まで出力が開始できない旨と、ソートの設定で一部目先行出力の設定ができる旨を通知(表示)するようにする。
【0388】
次に、画像形成システムによる画像形成処理(出力順序が原稿の入力順序に対し正順の場合の画像形成処理)について、図28を参照して説明する。
【0389】
ここでは、図25の処理手順においてステップS404を終了した場合またはステップS406を終了した場合の、出力順序が原稿の入力順序に対し逆順の場合の画像形成処理について説明する。
【0390】
この画像形成処理が実施されるときは、ジョブ制御部320では、決定部3220は、既に図25の処理手順のステップS404またはステップS406において、ページ生成順序は最初の画像データから最後の画像データに向かう順序(原稿の入力順序に対し正順)であると決定している。
【0391】
この例では、ユーザが紙折り設定画面に対し「紙折りなし」を設定するとともに仕分け設定画面に対し仕分け方法として「ソート」を設定(指定)するとともに原稿順(原稿挿入順)として「逆順」を設定し、部数設定画面に対し例えば「3部(数値3)」を設定した場合の画像形成処理を想定する。
【0392】
ユーザの操作パネル100の操作により上述した紙折り設定画面に対して設定された設定内容、仕分け設定画面に対して設定された設定内容、部数設定画面に対して設定された設定内容は、操作パネル制御部310を介してジョブ制御部320に与えられる。
【0393】
そして、ユーザが複数のページで構成される原稿(原稿束)を逆順で、ページ(原稿)毎に、画像読取装置200の原稿挿入口202に原稿を手差し挿入し、原稿の読み取りを開始する旨を指示する(スタートボタンを押下する)。
【0394】
また、ユーザは、全ての原稿についての読み取りのための操作が終了した場合、原稿終了を示す旨を指示する(原稿終了ボタンを押下する)。
【0395】
これらスタートボタンが押下された旨および原稿終了ボタンが押下された旨は、操作パネル制御部310を介してジョブ制御部320に与えられる。
【0396】
ユーザによってスタートボタンが押下された場合は、図26の処理手順のステップS504〜S509と同様の処理が実施される(ステップS601〜S606)。
【0397】
ステップS601では、画像読取装置200は、例えば、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の5ページ分の原稿束に関して、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順(逆順)に挿入された原稿の読み取り処理を実施する。
【0398】
ステップS602では、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順にページの原稿に対応する画像データが記憶されることになる。
【0399】
ステップS603では、折り装置20からは、一部目に関して、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順に記録媒体が紙折りなしでフェイスアップの状態で出力されることとなる(図11(b)参照)。
【0400】
ステップS605では、折り装置20からは、二部目以降に関して、一部目の場合と同様に、ページ5、ページ4、ページ3、ページ2、ページ1の順に記録媒体が紙折りなしでフェイスアップの状態で出力されることとなる。
【0401】
ちなみに、ユーザが紙折り設定画面に対し「紙折りあり」を設定するとともに仕分け設定画面に対し仕分け方法として「ソート」を設定(指定)するとともに原稿順(原稿挿入順)として「正順」を設定し、部数設定画面に対し例えば「3部(数値3)」を設定した場合は、次のようになる。
【0402】
ステップS601では、画像読取装置200は、例えば、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の5ページ分の原稿束に関して、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順(正順)に挿入された原稿の読み取り処理を実施する。
【0403】
ステップS602では、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順にページの原稿に対応する画像データが記憶されることになる。
【0404】
ステップS603では、折り装置20からは、一部目に関して、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順に記録媒体が折られてフェイスダウンの状態で出力されることとなる(図12(b)参照)。
【0405】
ステップS605では、折り装置20からは、二部目以降に関して、一部目の場合と同様に、ページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5の順に記録媒体が折られてフェイスダウンの状態で出力されることとなる。
【0406】
以上説明したように第4の実施の形態では、複数の記録媒体の出力順序が複数の原稿の入力順序とは異なる場合に、ユーザは画像形成の結果が意図した内容であるかを迅速に確認し得る。
【0407】
また、ユーザは、先行して出力される一部目の記録媒体は二部目以降の記録媒体とは異なる順序で出力されるということを認識したうえで、一部目にかかわる画像形成の結果が意図した内容であるかを迅速に確認し得る。
【0408】
このようなことから、出力順序が原稿の入力順序に対し逆順となる場合(逆順排出となる場合)にも実際の出力結果を迅速に得られる。出力の各種設定の修正や調整が容易となり、ユーザの期待する結果を得やすくなる。プレビューやジョブの編集と比べ、ユーザによる直前原稿の削除や再設定での修正をし得るので技術的にも容易となる。
【0409】
次に、第1の実施の形態から第4の実施の形態に係わる画像形成装置のハードウェア構成について、図29を参照して説明する。
【0410】
画像形成装置10は、図29に示すように、CPU11、記憶装置12、ROM13、RAM14、インタフェース15A,15B,15C,ASIC16、通信I/F17、インタフェース15Aに接続された操作パネル18A、インタフェース15Bに接続されたスキャナ18B、インタフェース15Cに接続された印刷エンジン18Cを有している。これら各構成要素11〜14,15A〜15C,16,17はシステムバス19に接続されている。
【0411】
また、各構成要素11〜14,15A〜15C,16は図1に示したコントローラ300を形成する。
【0412】
記憶装置12は、例えばハードディスクであり、図1に示したジョブ制御部320(取得部3210および決定部3220を含む)の機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)、処理プログラム12Aなどインストールされた各種のプログラムを記憶している。
【0413】
また、記憶装置12は、図1に示した外部記憶装置350の機能を有するものであり、例えば圧縮された画像データを蓄積する。
【0414】
処理プログラム12Aは、取得処理過程および決定処理過程を含んでいる。取得部3210は取得処理過程を実行し、決定部3220は決定処理過程を実行する。
【0415】
ROM13は、読み出し専用メモリであり、外部の装置とのデータ通信を行うための通信プロトコル情報を記憶している。
【0416】
RAM14は、随時書き込み読み出しメモリであり、記憶装置12から読み込まれた処理プログラム12Aを含むプログラムや、ROM13から読み込まれた通信プロトコル情報などを記憶する。
【0417】
また、RAM14は図1に示した記憶部330の機能およびは図17に示したジョブメモリ記憶部360の機能を有するものであり、RAM14には、原稿の画像データや入力情報を記憶する第1の記憶領域と、ページ生成順序決定規則を示す情報(図8参照)を予め記憶する第2の記憶領域と、マルチジョブソートページ生成情報(図22参照)を記憶する第3の記憶領域と、ジョブメモリ(ジョブパラメータ)を記憶する第4の記憶領域とが割り当てられている。
【0418】
なお、RAM14は上述したように第1から第4の記憶領域が割り当てられる構成になっているが、第1から第4の記憶領域のそれぞれを一つのRAMに割り当てるなど、前記4つの記憶領域に関して複数のRAMに割り当てるようにしてもよい。
【0419】
インタフェース15Aは、データ通信を実行するASIC(Application Specication Integrated Circuit:特定用途向けIC)を備えており、操作パネル18Aとの通信を行う。操作パネル18Aは、図1に示した操作パネル100の機能を果たす。
【0420】
インタフェース15Bは、データ通信を実行するASIC(特定用途向けIC)を備えており、スキャナ18Bとの通信を行う。スキャナ18Bは、図1に示した画像読取部200の機能を果たす。
【0421】
インタフェース15Cは、データ通信を実行するASIC(特定用途向けIC)を備えており、印刷エンジン18Cとの通信を行う。印刷エンジン18Cは、図1に示した画像形成部410の機能を果たす。
【0422】
ASIC16は、画像データに対する圧縮処理および伸長処理を実行するASIC(特定用途向けIC)であり、図1に示した圧縮伸長部340の機能を果たす。
【0423】
通信I/F17は、データ通信を実行するASIC(特定用途向けIC)を備えており、ネットワークなどの通信回線と接続されている。通信I/F17は、ROM13からRAM14へプロトコル情報を読み込んで実行することにより、通信回線を介して例えば印刷要求元のコンピュータなど外部の装置とのデータ通信を行う。
【0424】
CPU11は、中央演算処理装置であり、記憶装置12からRAM14へ、処理プログラム12Aを含むプログラムを読み込んで実行することにより、上述したジョブ制御部320(取得部3210および決定部3220)機能を実現するとともに、処理プログラム12Aに対応する処理機能を実現する。また、CPU11は画像形成装置全体を制御する。
【0425】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0426】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記憶媒体に格納して提供してもよい。
【0427】
すなわち、画像処理プログラムを含むプログラムをハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該プログラムを次のようにして提供してもよい。
【0428】
たとえば、プログラムをROMに格納しておき、CPUが、このプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0429】
また、上記プログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取りされる記憶媒体に格納して配布するようにしてもよい。
【0430】
さらには、画像形成装置等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記プログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記憶媒体)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0431】
本発明の画像形成装置は、電子写真プロセス方式あるいはインクジェット方式により、モノクロ印刷およびカラー印刷の少なくとも一方の印刷を実行する画像形成装置に適用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0432】
1,2 画像形成システム
10 画像形成装置
20 折り装置
22,23 記録媒体出力部
30 用紙排出方向切換え装置
32,33 記録媒体出力部
100 操作パネル
200 画像読取装置
300 コントローラ
310 操作パネル制御部
320 ジョブ制御部
330 記憶部
340 圧縮伸長部
350 外部記憶装置
400 画像出力装置
410 画像形成部
420 記録媒体出力部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のページの原稿の入力順序を示す入力順序情報を取得する取得手段と、
前記入力順序情報と前記原稿に対応する画像が形成される記録媒体が出力されるときの当該記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、前記複数のページにかかわるページの生成順序を決定する決定手段と、
を有することを特徴とする画像形成制御装置。
【請求項2】
前記決定手段は、
前記記録媒体の画像形成面が上向きの場合には最終のページから画像形成されるよう制御し、一方、前記記録媒体の画像形成面が下向きの場合は先頭のページから画像形成されるよう制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成制御装置。
【請求項3】
前記取得手段は、
前記記録媒体を出力する複数の出力先のうち何れかを示す出力先情報をさらに取得し、
前記決定手段は、
前記入力順序情報と前記出力先情報に基づく出力先での記録媒体の出力形態として予め定められている記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、前記複数のページにかかわるページの生成順序を決定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成制御装置。
【請求項4】
前記原稿に対応する画像が形成される記録媒体に対する後処理を実施するとともに後処理した後の記録媒体を出力する後処理装置が画像形成装置に接続されている場合、
前記決定手段は、
前記入力順序情報と前記後処理装置での記録媒体の出力形態として予め定められている記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、前記複数のページにかかわるページの生成順序を決定する、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成制御装置。
【請求項5】
前記取得手段は、
前記記録媒体の出力先を示す複数の出力先情報、および出力先毎の前記複数のページの原稿にかかわる画像形成すべき部数を示す部数情報をさらに取得し、
前記決定手段は、
前記入力順序情報と前記部数情報に基づく部数単位毎の前記出力先情報に基づく出力先での記録媒体の出力形態として予め定められている記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、当該部数単位毎の前記複数のページにかかわるページの生成順序を決定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成制御装置。
【請求項6】
前記取得手段は、
前記記録媒体の出力先を示す出力先情報、前記複数のページの原稿にかかわる画像形成すべき複数部数のうち一部目を先行して出力する旨を示す先行出力情報をさらに取得し、
前記決定手段は、
前記先行出力情報を基に一部目のみを先行して出力すべきと認識した場合に、前記入力順序情報と前記出力先情報に基づく出力先での記録媒体の出力形態として予め定められている記録媒体の画像形成面の向きとに基づき決定される前記複数のページの出力順序が前記原稿の入力順序とは異なるときは、一部目のみについて、ページ毎に原稿の読み込み処理と前記原稿の入力順序で当該読み込み処理の結果に応じた画像データに基づく画像形成処理の結果の出力処理とが実施されるよう制御する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成制御装置。
【請求項7】
前記決定手段は、
前記先行出力情報を基に一部目のみを先行して出力すべきと認識した場合は、一部目については二部目以降とは異なる順序で出力処理される旨の通知を行う、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成制御装置。
【請求項8】
複数のページの原稿の入力順序を示す入力順序情報を入力する入力手段と、
前記入力順序情報に基づく入力順序に従って提供される複数のページの原稿の画像を読み取る読取手段と、
前記読み取りの結果としてのページ毎の画像データを記憶する記憶手段と、
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の画像形成制御装置と、
前記画像形成制御装置によって決定されたページの生成順序に従って前記記憶手段から読み出されるページ毎の画像データに基づき記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成された記録媒体を出力する出力手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像形成装置と、
前記画像形成装置から出力される記録媒体に対する後処理を実施するとともに後処理した後の記録媒体を出力する後処理装置と、
を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
複数のページの原稿の入力順序を示す入力順序情報を取得する取得処理過程と、
前記入力順序情報と前記原稿に対応する画像が形成される記録媒体が出力されるときの当該記録媒体の画像形成面の向きとに基づき、前記複数のページにかかわるページの生成順序を決定する決定処理過程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−137984(P2011−137984A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297704(P2009−297704)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】