説明

画像形成方法

【課題】カラーインクと白インクとを組み合わせて、ライトインクを含む高解像度の画を形成する。
【解決手段】画像形成方法は、基材上に、ドット状に白インクが配置された白インク層とドット状にカラーインクが配置されたカラーインク層とが積層されたライトインク層を形成するライトインク層形成工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンターなどの印刷装置では、階調性および粒状性の良好な画像を得るため、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の他に、ライトシアンやライトマゼンタ等のライトインクを備え、ライトカラーを含む画像を形成している。しかし、ライトインクを多数揃えることは装置コストの増大につながる。そこで、ライトインクの代替として、カラーインクの他に白インクを搭載し、カラーインクと白インクとを組み合わせて、ライトカラーを含む画像を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−25603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の画像形成方法では、隣接するカラーインクのドット間に白インクのドットを配置するため、さらに解像度を高めていくことが困難となる。また、隣接して配置されたカラーインクと白インクとが混色してしまい、画質を劣化させてしまう、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかる画像形成方法は、基材上に、ドット状に白インクが配置された白インク層とドット状にカラーインクが配置されたカラーインク層とが積層されたライトインク層を形成するライトインク層形成工程を含むことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、白インク層とカラーインク層とを積層することにより、容易にライトインク層を形成することができるとともに、ライトインク層等の各層の配置を高密度化することができる。これにより、解像度の高い高品質な画像を形成することができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例にかかる画像形成方法の前記ライトインク層形成工程では、前記白インク層と前記カラーインク層のうち、一方のインク層を固化した後に、固化された前記一方のインク層上に他方のインク層を形成することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、一方のインク層が固化された状態の上に他方のインク層を形成するため、インク層間の界面において双方が混じることがない。従って、滲みのない高品質の画像を形成することができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例にかかる画像形成方法の前記ライトインク層形成工程では、前記白インク層の厚みと前記カラーインク層の厚みとの比率を調整することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、ライトインク層の明度を幅広く表現することが可能となり、さらに階調性の高い画像を形成することができる。
【0012】
[適用例4]上記適用例にかかる画像形成方法の前記ライトインク層形成工程では、前記白インク層と前記カラーインク層のうち、一方のインク層を他方のインク層で挟んで積層することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、基材側から基材を介して画像を観察した場合に限らず、直接画像を観察した場合においても積層されたインク層部分をライトインク層として表現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】液滴吐出装置の構成を示す斜視図。
【図2】吐出ユニットの構成を示す模式図。
【図3】吐出ヘッドの構成を示す断面図。
【図4】制御装置の構成を示すブロック図。
【図5】駆動部の構成を示すブロック図。
【図6】第1実施形態にかかる画像形成方法を示す工程図。
【図7】第2実施形態にかかる画像形成方法を示す工程図。
【図8】第3実施形態にかかる画像形成方法を示す工程図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせて示している。
【0016】
[第1実施形態]
(液滴吐出装置の構成)
画像形成方法を説明するにあたり、まず、画像形成方法において使用する液滴吐出装置の構成について説明する。なお、本実施形態では、機能液としての紫外線硬化性インクを吐出する装置構成について説明する。
【0017】
図1は、液滴吐出装置の構成を示す斜視図である。図1に示すように、液滴吐出装置1は、吐出ユニット2と、ワーク搬送装置3と、吐出ユニット搬送装置9と、メンテナンス装置11と、これらの装置等を制御する制御装置10(図4参照)等を有している。
【0018】
吐出ユニット2は、キャリッジ7を備え、キャリッジ7には、ヘッドユニット13と照射装置15が設けられている。ヘッドユニット13は、吐出ヘッド33を備えている。液滴吐出装置1では、ヘッドユニット13とワークWとを相対的に移動させながら吐出ヘッド33から機能液を液滴として吐出させる。これによって、ワークW上に液滴が着弾され、所望のパターンを描画することができる。なお、図中のY方向はワークWの移動方向を示し、X方向は平面視でY方向とは直交する方向を示している。また、X方向及びY方向によって規定されるXY平面と直交する方向は、Z方向として規定される。
【0019】
ワーク搬送装置3は、図1に示すように、定盤21と、ガイドレール23aと、ガイドレール23bと、ワークテーブル25と、テーブル位置検出装置27と、を有している。定盤21は、例えば石などの熱膨張係数が小さい材料で構成されており、Y方向に沿って延びるように据えられている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、定盤21の上面21a上に配設されている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、それぞれ、Y方向に沿って延在している。ガイドレール23aとガイドレール23bとは、互いにX方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
【0020】
ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bを挟んで定盤21の上面21aに対向した状態で設けられている。ワークテーブル25は、定盤21から浮いた状態でガイドレール23a及びガイドレール23b上に載置されている。ワークテーブル25は、ワークWが載置される面である載置面25aを有している。載置面25aは、定盤21側とは反対側(上側)に向けられている。ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bによってY方向に沿って案内され、定盤21上をY方向に沿って往復移動可能に構成されている。テーブル位置検出装置27は、定盤21の上面21aに設けられており、Y方向に延在している。テーブル位置検出装置27は、ガイドレール23aとガイドレール23bとの間に設けられている。テーブル位置検出装置27は、ワークテーブル25のY方向における位置を検出する。
【0021】
ワークテーブル25は、図示しない移動機構及び動力源によって、Y方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などが採用され得る。また、本実施形態では、ワークテーブル25をY方向に沿って移動させるための動力源として、後述するワーク搬送モーターが採用されている。ワーク搬送モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。ワーク搬送モーターからの動力は、移動機構を介してワークテーブル25に伝達される。これにより、ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bに沿って、すなわちY方向に沿って往復移動することができる。つまり、ワーク搬送装置3は、ワークテーブル25の載置面25aに載置されたワークWを、Y方向に沿って往復移動させることができる。
【0022】
吐出ユニット搬送装置9は、図1に示すように、架台61と、ガイドレール63と、キャリッジ位置検出装置65と、を有している。架台61は、X方向に延在しており、ワーク搬送装置3及びメンテナンス装置11をX方向にまたいでいる。架台61は、ワークテーブル25の定盤21側とは反対側で、ワーク搬送装置3及びメンテナンス装置11のそれぞれに対向している。架台61は、支柱67aと支柱67bとによって支持されている。支柱67a及び支柱67bは、定盤21を挟んでX方向に互いに対峙する位置に設けられている。支柱67a及び支柱67bは、それぞれ、ワークテーブル25よりもZ方向の上方に突出している。これにより、架台61とワークテーブル25との間、及び架台61とメンテナンス装置11との間には、それぞれ隙間が保たれている。
【0023】
ガイドレール63は、架台61の定盤21側に設けられている。ガイドレール63は、X方向に沿って延在しており、架台61のX方向における幅にわたって設けられている。前述したキャリッジ7は、ガイドレール63に支持されている。キャリッジ7は、ガイドレール63によってX方向に沿って案内され、X方向に往復動可能な状態でガイドレール63に支持されている。キャリッジ位置検出装置65は、架台61とキャリッジ7との間に設けられており、X方向に延在している。キャリッジ位置検出装置65は、キャリッジ7のX方向における位置を検出する。
【0024】
キャリッジ7は、図示しない移動機構及び動力源によって、X方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などが採用され得る。また、本実施形態では、キャリッジ7をX方向に沿って移動させるための動力源として、後述するキャリッジ搬送モーターが採用されている。キャリッジ搬送モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。キャリッジ搬送モーターからの動力は、移動機構を介してキャリッジ7に伝達される。これにより、キャリッジ7は、ガイドレール63に沿って、すなわちX方向に沿って往復移動することができる。つまり、吐出ユニット搬送装置9は、キャリッジ7に支持されたヘッドユニット13を、X方向に沿って往復移動させることができる。
【0025】
メンテナンス装置11は、図1に示すように、定盤71と、ガイドレール73aと、ガイドレール73bと、保守テーブル75と、キャッピングユニット76と、フラッシングユニット77と、ワイピングユニット79と、を有している。定盤71は、例えば石などの熱膨張係数が小さい材料で構成されており、X方向に支柱67aを挟んで定盤21と対峙する位置に設けられている。ガイドレール73a及びガイドレール73bは、定盤71の上面71a上に配設されている。ガイドレール73a及びガイドレール73bは、それぞれ、Y方向に沿って延在している。ガイドレール73aとガイドレール73bとは、互いにX方向に隙間をあけた状態で並んでいる。保守テーブル75は、ガイドレール73a及びガイドレール73bを挟んで定盤71の上面71aに対向した状態で設けられている。保守テーブル75は、定盤71から浮いた状態でガイドレール73a及びガイドレール73b上に載置されている。
【0026】
保守テーブル75には、キャッピングユニット76や、フラッシングユニット77、ワイピングユニット79などの保守ユニットが載置される。本実施形態では、保守ユニットは、キャッピングユニット76と、フラッシングユニット77と、ワイピングユニット79と、を含んでいる。保守テーブル75は、ガイドレール73a及びガイドレール73bによってY方向に沿って案内され、定盤71上をY方向に沿って往復移動可能に構成されている。
【0027】
フラッシングユニット77は、保守テーブル75の定盤71側とは反対側に設けられている。ここで、ワークWへのパターンの描画とは無関係に、吐出ヘッド33から機能液を吐出させる動作は、フラッシング動作と呼ばれる。フラッシング動作には、例えば、ノズル37内に滞留する機能液がノズル37内で固化してしまうことを予防する効果がある。フラッシングユニット77は、フラッシング動作のときに、吐出ヘッド33から吐出される機能液を受ける装置である。
【0028】
キャッピングユニット76は、吐出ヘッド33に蓋をすることで、機能液における液体成分がノズルから蒸発することを低く抑える。これにより、吐出ヘッド33における吐出性能を維持しやすくすることができる。ワイピングユニット79は、吐出ヘッド33のノズル面35を拭く装置である。液滴吐出装置1では、ノズル面35に機能液が付着することがある。ノズル面35に機能液が付着すると、吐出ヘッド33における吐出性能が低下することがある。ワイピングユニット79は、ノズル面35を拭くことによって、ノズル面35に付着している機能液を払拭する。これにより、吐出ヘッド33における吐出性能を維持しやすくすることができる。なお、ワイピングユニット79でノズル面35を拭く動作は、ワイピング動作と呼ばれる。
【0029】
保守テーブル75は、図示しない移動機構及び動力源によって、Y方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などが採用され得る。また、本実施形態では、保守テーブル75をY方向に沿って移動させるための動力源として、後述するテーブル搬送モーターが採用されている。テーブル搬送モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。テーブル搬送モーターからの動力は、移動機構を介して保守テーブル75に伝達される。これにより、保守テーブル75は、ガイドレール73a及びガイドレール73bに沿って、すなわちY方向に沿って往復移動することができる。つまり、メンテナンス装置11は、キャッピングユニット76や、フラッシングユニット77、ワイピングユニット79などの保守ユニットを、Y方向に沿って往復移動させることができる。これにより、平面視で吐出ヘッド33がメンテナンス装置11に重なっている状態において、吐出ヘッド33をキャッピングユニット76、フラッシングユニット77及びワイピングユニット79のそれぞれに対向させることができる。
【0030】
図2は、吐出ユニットの構成を示す模式図である(吐出ユニット2を図1中のA視方向に見たときの正面図である)。図2に示すように、吐出ユニット2は、キャリッジ7を備え、キャリッジ7には、ヘッドユニット13と照射装置15が設けられている。本実施形態にかかるヘッドユニット13は、ヘッドプレート31と、複数の吐出ヘッド33を有している。具体的には、5つの吐出ヘッドを有しており、例えば、機能液としてのカラーインクとして、シアンに対応する吐出ヘッド33Cと、マゼンタに対応する吐出ヘッド33Mと、イエローに対応する吐出ヘッド33Yと、ブラックに対応する吐出ヘッド33Kを備えている、さらに、白インクに対応する吐出ヘッド33Wを備えている。これらの吐出ヘッド33は、X方向に並んでいる。なお、吐出ヘッド33の個数は、各カラーインクや白インクに対応して複数個備えてもよい。
【0031】
照射装置15は、図2に示すように、それぞれ、X方向にヘッドユニット13を挟んで互いに対峙する位置に設けられている。以下において、2個の照射装置15のそれぞれを識別する場合に、照射装置15a及び照射装置15bという表記が用いられる。照射装置15a、15bは、X方向において、吐出ヘッド33の両側にそれぞれ1つ配置されている。照射装置15a及び照射装置15bは、それぞれ、紫外線41を発する光源43を有している。光源43からの紫外線41は、吐出ヘッド33から吐出された機能液45の硬化を促進させる。機能液45は、紫外線41の照射を受けると、硬化が促進する。光源43としては、例えば、LED、LD、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等の種々の光源43が採用され得る。
【0032】
本実施形態では、機能液45として、光の照射を受けることによって硬化が促進する機能液45が採用されている。機能液45は、樹脂材料、光重合開始剤及び溶媒を、成分として含んでいる。これらの成分に、顔料や染料等の色素や、親液性や撥液性等の表面改質材料などの機能性材料を添加することによって固有の機能を有する機能液45を生成することができる。顔料や染料等の色素を含有する機能液45は、例えば、ワークWに描画する画像を形成するための画像塗料として用いることができる。
【0033】
図3は、吐出ヘッドの構成を示す断面図である。図3に示すように、吐出ヘッド33は、ノズルプレート46と、キャビティープレート47と、振動板48と、圧電素子49を有している。ノズルプレート46には、複数のノズル37が設けられている。キャビティープレート47は、ノズルプレート46のノズル面35とは反対側の面に設けられている。キャビティープレート47には、複数のキャビティー51が形成されている。各キャビティー51は、各ノズル37に対応して設けられており、対応する各ノズル37に連通している。各キャビティー51には、図示しないタンクから機能液45が供給される。なお、本実施形態の液滴吐出装置1では、機能液45としての各カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を貯留する複数のタンクと、白インクを貯留するタンクを備えており、各インクが貯留されたタンクと各インクに対応する吐出ヘッド33(33C、33M、33Y、33K、33W)に接続され、各吐出ヘッド33のキャビティー51に各インクが供給されるように構成されている。
【0034】
振動板48は、キャビティープレート47のノズルプレート46側とは反対側の面に設けられている。振動板48は、Z方向に振動(縦振動)することによって、キャビティー51内の容積を拡大したり、縮小したりする。複数の圧電素子49は、それぞれ、振動板48のキャビティープレート47側とは反対側の面に設けられている。各圧電素子49は、各キャビティー51に対応して設けられており、振動板48を挟んで各キャビティー51に対向している。各圧電素子49は、駆動信号に基づいて、伸張する。これにより、振動板48がキャビティー51内の容積を縮小する。このとき、キャビティー51内の機能液45に圧力が付与される。その結果、ノズル37から、機能液45が液滴55として吐出される。吐出ヘッド33による液滴55の吐出法は、インクジェット法の1つである。インクジェット法は、塗布法の1つである。
【0035】
上記の構成を有する吐出ヘッド33は、図2に示すように、ノズル面35がヘッドプレート31から突出した状態で、ヘッドプレート31に支持されている。キャリッジ7は、図2に示すように、ヘッドユニット13を支持している。ここで、ヘッドユニット13は、ノズル面35がZ方向の下方に向けられた状態でキャリッジ7に支持されている。なお、本実施形態では、縦振動型の圧電素子49が採用されているが、機能液45に圧力を付与するための加圧手段は、これに限定されず、例えば、下電極と圧電体層と上電極とを積層形成した撓み変形型の圧電素子も採用され得る。また、加圧手段としては、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズルから液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなども採用され得る。さらに、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によって機能液に圧力を付与する構成も採用され得る。
【0036】
次に、以上述べた各装置等を制御する制御装置10の構成について説明する。図4は、制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置10は、指令部100と駆動部110とを備えている。指令部100は、各種プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)101、データおよびプログラム等を一時的に記憶するためのRAM(Random Access Memory)102、各種データ、各種プログラム等があらかじめ不揮発的に記憶されているROM(Read Only Memory)103、およびインターフェイス104を具備している。そして、CPU101がインターフェイス104を介して入力される各種信号を、RAM102、ROM103のデータに基づき処理し、インターフェイス104を介して駆動部140へ制御信号を出力する。
【0037】
駆動部140は、各種ドライバーを含み、吐出ユニット2、ワーク搬送装置3、吐出ユニット搬送装置9、メンテナンス装置11等に接続されている。そして、指令部100の制御信号に基づいて、各装置等を制御する。
【0038】
次に、駆動部の構成について説明する。図5は、駆動部の構成を示すブロック図である。本実施形態では、駆動部110に含まれる各種ドライバーのうち、吐出ユニット2等を制御するための印刷コマンドを生成するプリンタードライバーの構成について説明する。
【0039】
プリンタードライバー120は、描画コマンドを受け付け、液滴吐出装置1を制御する印刷コマンドに変換して出力する処理を制御装置10に実行させるためのプログラムである。プリンタードライバー120は、描画コマンドスプール処理部121、ラスタライズ部122、ハーフトーン処理部123、印刷コマンド生成部124およびユーザインターフェイス部125を備えている。
【0040】
描画コマンドスプール処理部121は、例えば、グラフィック処理、ワードプロセッサー等の所定の目的ために開発されたプログラムであるアプリケーションまたはオペレーティングシステムから描画コマンドを受け付け、スプールファイルとして一時的に記憶する。ここで、描画コマンドは、あらかじオペレーティングシステム等の仕様で定められた図形の描画命令、文字列の描画命令等から構成される。
【0041】
ラスタライズ部122は、スプールファイルを読み込んで、描画コマンドを、RGB(R:赤、G:緑、B:青)の3色それぞれについて、ドットの集合体であるラスタデータに変換する。なお、1ページ分のラスタデータはサイズが大きくなるため、この処理はバンド単位で行なわれる。
【0042】
ハーフトーン処理部123は、バンド単位で変換されたラスタデータのRGB3色を、例えば、CMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラック)およびLcLmLyLk(Lc:ライトシアン、Lm:ライトマゼンタ、Ly:ライトイエロー、Lk:ライトブラック)等の各色データに変換し、さらに、各色のドットで、中間調を表現するためのハーフトーン処理を行なう。
【0043】
印刷コマンド生成部124は、CMYKデータ、LcLmLyLkデータおよびユーザインターフェイス部125が受け付けたユーザーからの印刷設定情報に基づいて、吐出ユニット2等の各装置を制御するための印刷コマンドを生成する。
【0044】
ユーザインタイフェイス部125は、印刷実行に先立ち、印刷媒体の種類、印刷品質等の印刷の仕上がりに関する情報をユーザーから受け付ける。
【0045】
ここで、例えば、ハーフトーン処理部123でLcLmLyLkとして分版されたデータは、印刷コマンド生成部124において、CMYKの各カラーインクと白インク(W)とが組み合わされた印刷コマンドが生成される。具体的には、ライトシアン(Lc)データに対して、シアン(C)インクと白インク(W)とを組み合わせた印刷コマンドが生成される。同様にして、ライトマゼンタ(Lm)データに対して、マゼンタ(M)インクと白インク(W)とを組み合わせた印刷コマンド、ライトイエロー(Ly)データに対して、イエロー(Y)インクと白インク(W)とを組み合わせた印刷コマンド、ライトブラック(Lk)データに対して、ブラック(K)インクと白インク(W)とを組み合わせた印刷コマンドがそれぞれ生成される。このようにすれば、ライトカラー(Lc、Lm、Ly、Lk)のインクを搭載する必要がないので、装置構成を簡略化でき、コストを抑えることができる。なお、印刷コマンドには、ライトカラーの印刷におけるカラーインクと白インクの吐出量、吐出順番等のデータが含まれる。
【0046】
(画像形成方法)
次に、画像形成方法について説明する。本実施形態の画像形成方法は、基材上に、ドット状に白インクが配置された白インク層とドット状にカラーインクが配置されたカラーインク層とが積層されたライトインク層を形成するライトインク層形成工程を含むものである。さらに、本実施形態の画像形成方法のライトインク層形成工程では、白インク層とカラーインク層のうち、一方のインク層を固化した後に、固化された一方のインク層上に他方のインク層を形成するものである。なお、本実施形態では、液滴吐出装置1を用いて、ワークWとしての透明性を有するフィルム等の基材上にライトインク層を含む画像を形成する方法、すなわち、画像形成物に対して、フィルムを介して画像を見る場合のライトインク層の形成方法について説明する。以下、具体的に説明する。
【0047】
図6は、本実施形態にかかる画像形成方法を示す工程図である。ライトインク層形成工程では、まず、図6(a)に示すように、基材200と吐出ユニット2とを相対的に移動させ、吐出ヘッド33から基材200に向けて白インクを液滴として吐出する。これにより、基材200上にドット状に白インク210aが塗布される。また、基材200に塗布された白インク210aに対して照射装置15から紫外線41を照射して、白インク210aを固化させる。これにより、図6(b)に示すように、基材200上にドット状の白インク層210が形成される。
【0048】
次いで、図6(c)に示すように、基材200と吐出ユニット2とを相対的に移動させ、吐出ヘッド33から白インク層210の頂部に向けてカラーインクを液滴として吐出する。これにより、白インク層210上にカラーインク211aが塗布される。なお、カラーインクは、印刷コマンドに基づき、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックから適宜選択される。また、白インク層210上に塗布されたカラーインク211aに対して照射装置15から紫外線41を照射して、カラーインク211aを固化させる。これにより、白インク層210上にカラーインク層211が形成される。そして、図6(d)に示すように、基材200上に、ドット状の白インク層210とドット状のカラーインク層211とが積層されたライトインク層220が形成される。
【0049】
以上、上記の第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0050】
(1)カラーインクと白インクとを組み合わせることによりライトインク層220を形成することができる。これにより、液滴吐出装置1にライトカラー(Lc、Lm、Ly、Lk)インクを搭載する必要がなくなり、ライトインクを多色揃えるよりも少ない装置コストで、階調性および粒状性の良好な画像を得ることができる。
【0051】
(2)基材200側から画像を見ると、白インク層210が存在することによってカラーインク層211の明度が上がるため、ライトインク層220として認識可能な画像を形成できる。また、白インク層210とカラーインク層211を積層するため、高解像度の画像を形成することができる。
【0052】
(3)白インク層210が固化された後で、白インク層210上にカラーインク層211を形成した。これにより、各インク層との混色が防止され、滲みの無い良好な画像を形成することができる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、液滴吐出装置の構成については、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0054】
(画像形成方法)
次に、画像形成方法について説明する。図7は、本実施形態にかかる画像形成方法を示す工程図である。本実施形態の画像形成方法のライトインク層形成工程では、白インク層の厚みとカラーインク層の厚みとの比率を調整するものである。以下、具体的に説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様にして、液滴吐出装置1を用いて、ワークWとしての透明性を有するフィルム等の基材上にライトインク層を含む画像を形成する方法、すなわち、画像形成物に対して、フィルムを介して画像を見る場合のライトインク層の形成方法について説明する。以下、具体的に説明する。
【0055】
まず、図7(a)に示すように、基材200と吐出ユニット2とを相対的に移動させ、吐出ヘッド33から基材200に向けて白インクを液滴として吐出する。これにより、基材200上にドット状に白インク210aが塗布される。また、基材200に塗布された白インク210aに対して照射装置15から紫外線41を照射して、白インク210aを固化させる。これにより、図7(b)に示すように、基材200上にドット状の白インク層210が形成される。
【0056】
次いで、図7(c)に示すように、基材200と吐出ユニット2とを相対的に移動させ、吐出ヘッド33から白インク層210の頂部に向けてカラーインクを液滴として吐出する。これにより、白インク層210上にカラーインク211aが塗布される。なお、本実施形態では、印刷コマンドに基づき、カラーインクの吐出量を比較的多く吐出する。カラーインク層211を厚く形成するためである。また、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックから適宜選択される。また、白インク層210上に塗布されたカラーインク211aに対して照射装置15から紫外線41を照射して、カラーインク211aを固化させる。これにより、白インク層210上にカラーインク層211が形成される。なお、白インク層210上にカラーインク211aを多く塗布することができない場合には、複数回に分けて塗布すればよい。この場合、所定の厚みのカラーインク211aを塗布した後、当該カラーインク211aを固化してカラーインク層211を形成した後、固化されたカラーインク層211上にカラーインク211aを塗布し、塗布されたカラーインク211aを固化する。これを複数回繰り返し、所望の膜厚を形成すればよい。
【0057】
そして、図7(d)に示すように、基材200上に、ドット状の白インク層210とドット状のカラーインク層211とが積層されたライトインク層221が形成される。
【0058】
以上、第2実施形態によれば、第1実施形態における効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0059】
白インク層210の厚みに対してカラーインク層211の厚みを調整してライトインク層221を形成した。これにより、ライトインク層221の明度を幅広く表現することが可能となり、さらに階調性の高い画像を形成することができる。
【0060】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。なお、液滴吐出装置の構成については、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0061】
(画像形成方法)
次に、画像形成方法について説明する。図8は、本実施形態にかかる画像形成方法を示す工程図である。本実施形態の画像形成方法のライトインク層形成工程では、白インク層とカラーインク層のうち、一方のインク層を他方のインク層で挟んで積層するものである。以下、具体的に説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様にして、液滴吐出装置1を用いて、ワークWとしての透明性を有するフィルム等の基材上にライトインク層を含む画像を形成する方法、すなわち、画像形成物に対して、フィルムを介して画像を見る場合のライトインク層の形成方法について説明する。以下、具体的に説明する。
【0062】
ライトインク層形成工程では、まず、図8(a)に示すように、基材200と吐出ユニット2とを相対的に移動させ、吐出ヘッド33から基材200に向けて白インクを液滴として吐出する。これにより、基材200上にドット状に白インク210aが塗布される。また、基材200に塗布された白インク210aに対して照射装置15から紫外線41を照射して、白インク210aを固化させる。これにより、図8(b)に示すように、基材200上にドット状の白インク層210が形成される。
【0063】
次いで、図8(c)に示すように、基材200と吐出ユニット2とを相対的に移動させ、吐出ヘッド33から白インク層210の頂部に向けてカラーインクを液滴として吐出する。これにより、白インク層210上にカラーインク211aが塗布される。なお、カラーインクは、印刷コマンドに基づき、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックから適宜選択される。また、白インク層210上に塗布されたカラーインク211aに対して照射装置15から紫外線41を照射して、カラーインク211aを固化させる。これにより、白インク層210上にカラーインク層211が形成される。そして、図8(d)に示すように、基材200上に形成されたドット状の白インク層210Aと当該白インク層210A上にカラーインク層211とが形成される。
【0064】
次いで、図8(e)に示すように、カラーインク層211上に白インクを液滴として吐出する。これにより、カラーインク層211上に白インク210aが塗布される。そして、白インク210aに対して照射装置15から紫外線41を照射して、白インク210aを固化させる。
【0065】
そして、図8(f)に示すように、カラーインク層211を白インク層210A,210Bで挟んで積層されたライトインク層222が形成される。
【0066】
以上、第3実施形態によれば、第1及び第2実施形態における効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0067】
基材200上に、白インク層210A、カラーインク層211、白インク層210Bの順番でライトインク層222を形成することによって、基材200側からでも画像側からのどちら側から見てもライトインク層222と認識可能な画像を形成することができる。
【0068】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
【0069】
(変形例1)第1及び第2実施形態では、透明性を有するフィルム等の基材200上に白インク層210を形成し、当該白インク層210上にカラーインク層211を形成したが、この構成に限定されない。例えば、基材200上にカラーインク層211を形成し、当該カラーインク層211上に白インク層210を形成してもよい。このようにしても、例えば、基材200が透明性を有していない場合には、画像側から観察することにより、ライトインク層220,221として認識させることができる。
【0070】
(変形例2)第1〜第3実施形態を適宜組み合わせてライトインク層220,221,222を形成してもよい。このようすれば、容易にバリエーションを増加させることができる。
【符号の説明】
【0071】
1…液滴吐出装置、2…吐出ユニット、3…ワーク搬送装置、7…キャリッジ、9…吐出ユニット搬送装置、10…制御装置、11…メンテナンス装置、13…ヘッドユニット、15…照射装置、15a…照射装置、15b…照射装置、33(33C、33K、33M、33Y、33W)…吐出ヘッド、41…紫外線、200…基材、210…白インク層、210A…白インク層、210B…白インク層、211…カラーインク層、220,221,222…ライトインク層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に、ドット状に白インクが配置された白インク層とドット状にカラーインクが配置されたカラーインク層とが積層されたライトインク層を形成するライトインク層形成工程を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成方法において、
前記ライトインク層形成工程では、
前記白インク層と前記カラーインク層のうち、一方のインク層を固化した後に、固化された前記一方のインク層上に他方のインク層を形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成方法において、
前記ライトインク層形成工程では、
前記白インク層の厚みと前記カラーインク層の厚みとの比率を調整することを特徴とする画像形成方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の画像形成方法において、
前記ライトインク層形成工程では、
前記白インク層と前記カラーインク層のうち、一方のインク層を他方のインク層で挟んで積層することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−95079(P2013−95079A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240916(P2011−240916)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】