説明

画像形成装置、その制御方法、及びコンピュータプログラム

【課題】ユーザにとって煩わしい操作を低減させるとともに、様々な実行条件に対応して、原稿の読取サイズを制御する画像形成装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】本画像形成装置は、原稿を読み取る際に予め設定された実行条件を確認し、当該実行条件に応じて原稿の読取サイズを設定する。具体的には、予め適切な原稿サイズが登録されていれば、当該原稿サイズを原稿の読取サイズとして設定し、予め原稿サイズをユーザが登録していない場合でも、ユーザに対して最低限のユーザ操作を求め、入力された原稿サイズを読取サイズに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、又はファックスなどの画像形成装置、その制御方法及びコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
原稿読み取り機能を有する画像形成装置においては、原稿がカラーであるか、又は、白黒であるかを自動的に判定する、いわゆるACS(自動カラー選択)処理が行われている。例えば、特許文献1には、自動白黒カラー判定を行う場合の給紙カセットを登録する技術が提案されている。また、ユーザが読み取らせようとする原稿に対して、適切な範囲を読み取るために、原稿サイズを検知するセンサを備える画像形成装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−202689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、以下に記載する問題がある。例えば、十分なメモリやハードウェア資源を有しない画像形成装置においては、一旦メモリに蓄積した画像を解析して、ACS処理を行うことは難しく、原稿を読み取りつつ、読み取った画像データをもとに、白黒カラー判定を行う必要がある。したがって、ACS処理の精度を向上するため、原稿の外や淵を読み取らないように、適切な読み取り範囲でのスキャンが求められる。
【0005】
しかし、原稿サイズを検知するセンサを備えていない廉価な画像形成装置においては、適切な原稿の範囲に対してACS処理を行うことが難しかった。したがって、適切な原稿の範囲をスキャンするため、読み取る際にユーザに対して原稿サイズを毎回入力させる必要があった。また、ACS処理を行わない場合であっても、様々な読取処理の実行条件によって原稿の範囲を適切に把握する必要がある。例えば、読み取ったデータを外部のファクシミリ装置に送信する場合、ファクシミリ送信に特有のサイズで原稿を読み取る必要がある。このように、従来技術においては、様々な実行条件に対応した原稿の読取サイズをユーザによって入力する必要があった。これらの操作はユーザにとって煩わしいものであり、操作性の低下を招いていた。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、ユーザにとって煩わしい操作を低減させるとともに、様々な実行条件に対応して、原稿の読取サイズを制御する画像形成装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、原稿を給紙するための給紙手段と、前記給紙手段にセットされた原稿の有無を検知する原稿有無検知センサと、前記原稿を読み取る読取手段と、読み取られたデータを外部装置に送信する送信手段とを備える画像形成装置であって、原稿を読み取る際及び読み取ったデータを前記外部装置に送信する際の実行条件を登録する登録手段と、前記実行条件を確認する確認手段と、前記原稿有無検知センサによって前記給紙手段にセットされた原稿が検知され、前記確認手段によって確認した前記実行条件が送信先としてファクシミリ装置を指定していない場合に、登録された原稿サイズを、原稿を読み取る際の読取サイズに設定し、前記原稿有無検知センサによって前記給紙手段にセットされた原稿が検知され、前記確認手段によって確認した前記実行条件が送信先としてファクシミリ装置を指定している場合に、ファクシミリ送信用の規定のサイズを前記読取サイズに設定し、前記原稿有無検知センサによって前記給紙手段にセットされた原稿が検知されない場合に、操作者に対して前記原稿サイズの入力を促し、入力された原稿サイズを前記読取サイズに設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、例えば、ユーザにとって煩わしい操作を低減させるとともに、様々な実行条件に対応して、原稿の読取サイズを制御する画像形成装置及びその制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の概略的な構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の外見を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係る原稿サイズの登録表示画面を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る原稿読み取り時の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係る原稿読み取り時の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第3の実施形態に係る原稿読み取り時の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第4の実施形態に係る原稿読み取り時の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第4の実施形態に係る原稿サイズの登録表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念及び下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0011】
本発明に係る画像形成装置は、原稿を読み取る際の読取サイズを登録された実行条件に基づいて設定することにより、ユーザの操作性を向上し、精度の良い読取処理を実行する。ここで、実行条件とは、原稿が載置される場所、読み取り時の色判定処理の有無、登録された原稿サイズ/用紙サイズ、及び原稿から読み取った画像データの処理方法の少なくとも1つをいう。
【0012】
<第1の実施形態>
以下では、図1乃至図4を参照して、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置の概略的な構成例を示すブロック図である。スキャナインタフェース(以下、「スキャナI/F」と称する。)10には、アナログフロントエンド(AFE)15を介して、CCD17、CIS18が接続される。これにより、個別の専用回路を介在することなく、その読み取りデータを画像形成装置200に取り込むことができる。スキャナI/F10のデータ処理については、後に詳細に説明する。
【0013】
スキャナ画像処理部20は、スキャナI/F10の処理によりメインメモリ100に展開された画像データに対して、画像処理動作モード(カラースキャン、モノクロスキャン等)に応じた画像処理を実行する。スキャナ画像処理部20の詳細については、後に説明する。
【0014】
プリンタ画像処理部30は、入力する画像の領域編集や、解像度変換を行い、得られた画像データをプリンタ出力するための処理ユニットである。LBPインタフェース(I/F)40は、接続されたレーザビームプリンタ(LBP)45に画像処理結果を出力する。LBP45は、入力した画像処理結果に応じて用紙上に画像を印刷する。
【0015】
バッファ調停部77は、スキャナI/F10とスキャナ画像処理部20との間のデータの受け渡しをメインメモリ100上のリングバッファ領域を介して行う場合に、データの書き込み/読み出しを調停する。また、バッファ調停部78は、プリンタ画像処理部30とLBPインタフェース40との間のデータの受け渡しをメインメモリ100上のリングバッファ領域を介して行う場合に、データの書き込み/読み出しを調停する。バッファ調停部77、78の基本構成は同一であるため、同一のブロックとしてもよいが、使用する用途により制御方法が異なるため、ここでは別ブロックとして説明する。
【0016】
JPEGモジュール50、JBIGモジュール60は、それぞれのフォーマットの規格に準拠した画像データの圧縮、伸張処理を実行する処理部である。カラー画像データはJPEGモジュール50で処理し、モノクロ画像データはJBIGモジュール60で処理する。メモリ制御部70は、画像処理系のBUS83、BUS84及びコンピュータ系のBUS85とそれぞれ接続され、メインメモリ(SDRAM)100に対するデータの書き込み、読み出しのためのデータ転送制御を行う。
【0017】
DMAコントローラ(DMAC)90は、メモリ制御部70と協働して、ROMISA97を介してROM95と接続される。DMAコントローラ90は、外部デバイスや種々のインタフェース部170、とメインメモリ100との間のデータ授受に関し、DMA制御するために必要となるアドレス情報を生成、設定する。
【0018】
画像処理DMAC91は、メモリ制御部70と協働して、各画像処理部(10、20、30、40)とメインメモリ100との間のデータ授受に関し、DMA制御するために必要となるアドレス情報を生成、設定する。例えば、画像読み取りデバイスの種類、例えば、CCD17であるかCIS18であるかに応じて、スキャナI/F10で読み取られた画像データをメインメモリ100にDMA転送するためのアドレス情報をDMAのチャンネルごとに生成する。
【0019】
或いは、メインメモリ100上に展開された画像データを読み出すためのアドレス情報をDMAのチャンネルに応じて生成し、スキャナ画像処理部20にDMA転送する。このように、画像処理DMAC91は、メインメモリ100と、画像処理部(10,20、30、40)とメインメモリ100との間におけるDMA制御を、メモリ制御部70と共に司るユニットとして機能する。
【0020】
ROM95には画像読み取りデバイス(CCD17やCIS18)に応じた制御パラメータ、制御プログラムデータが格納されており、制御パラメータ等を画像読み取りデバイスに応じて種々に設定することができる。したがって、CCD17、CIS18の個別のデータ出力形式に応じた画像データの入力処理が可能となるため、専用のインタフェース回路を設ける必要がなくなる。また、ROM95には、CPU180がメインメモリに100にロードして実行するための各プログラムが格納されてもよい。
【0021】
BUS83は、メインメモリ100から読み出したデータを画像処理系の各処理部(10〜60)に送出する。BUS84は、画像処理系の各処理部(10〜60)から読み出したデータをメインメモリ100に送出する。BUS83、84は対になって画像処理ブロックとメインメモリ100との間の画像データの授受を行う。また、BUS85は、CPU180、通信及びインタフェース部170、メカトロ系制御部125、画像処理部の制御レジスタ、及びDMAC90が接続するコンピュータ系のBUSである。
【0022】
メカトロ系制御部125には、モータ制御部110と、モータの駆動タイミングや、画像処理系の処理の同調を制御するためのタイミング制御を司る割り込みタイマ制御部120が含まれる。また、インタフェース部170には、各種ユーザインタフェースとして、LCD制御部130、USBインタフェース140、150及びメディアアクセス制御部160が含まれる。
【0023】
LCD制御部130は、画像形成装置の種々の設定、処理状況等をLCD135に表示するための表示制御を司るユニットである。USBインタフェース140、150は周辺機器との接続を可能にする。図1に示す例では、BJ−プリンタ175が接続した状態を示している。メディアアクセス制御(MAC)部160は、接続される機器に対してデータをどのようなタイミングで送り出せばよいか(アクセス)等を制御するユニットである。
【0024】
CPU180は、画像形成装置200を統括的に制御する。そのため、CPU180は、ROM95から各プログラムをメインメモリ100にロードして、各制御を実行する。
【0025】
スキャナI/F10は、画像読み取りデバイスとして、CCD17及びCIS18に対応可能であり、両方の画像読み取りデバイスの信号を入力処理する。ここで入力された画像データは、メモリ制御部70によりDMA転送されてメインメモリ100上に展開される。
【0026】
図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置の外見を示す斜視図である。画像形成装置200は、201に示すように、給紙部に置かれた原稿を搬送して、スキャンすることができる。また、202に示すように、画像形成装置200は、原稿台に置かれた原稿をスキャンすることもできる。
【0027】
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態に係る原稿読み取り時の制御フローについて説明する。図3は、第1の実施形態に係る原稿サイズの登録表示画面を示す図である。また、図4は、第1の実施形態に係る原稿読み取り時の処理手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、CPU180によってROM95に格納された実行プログラムがメインメモリ100にロードされて実行される。ここでは、原稿が所定の位置にセットされ、コピーの開始が画像形成装置の操作者(以下、ユーザと称する。)により指示されてから読み取りを行うまでの処理手順について説明する。
【0028】
まず、ステップS401において、CPU180は、ユーザによって設定された実行条件に、ACS設定がされているか否かを判定する。ACS設定とは、読み取る原稿が白黒画像であるか、又はカラー画像であるかを画像形成装置200が自動で判定する色判定処理を実行し、判定結果に従って読み取り制御及び画像形成制御を行う設定を示す。ACS設定の他には、白黒設定、カラー設定がある。白黒設定は、上記色判定を行うことなく白黒で読み取り制御及び画像形成制御を行う設定である。また、カラー設定は、上記色判定を行うことなくカラーで読み取り制御及び画像形成制御を行う設定である。これらの設定は、コピーの開始指示の前に、ユーザインタフェースを介してユーザによって選択される。また、ACSは実際にスキャンした領域の画像データをもとに行われる。また、本実施形態における実行条件には、例えば、読み取り時の色判定処理の有無、及び、登録された原稿サイズ/用紙サイズが含まれる。
【0029】
ステップS401でACS設定が設定されていないと判定した場合、ステップS406に進み、CPU180は、画像印刷に用いる用紙(記録材)のサイズを、読み取る原稿の読取サイズとして設定する。即ち、デフォルトで使用することになっている印刷用紙の用紙サイズ情報を取得し、その用紙サイズを読取サイズとして自動的に設定する。その後、処理をステップS405に進め、原稿の読み取りを開始する。即ち、コピーに使用する用紙がB5サイズであれば、原稿がA4サイズであったとしても、そのうちのB5サイズ分の領域をスキャンし、画像データを作成する。
【0030】
一方、ステップS401でACS設定がされていると判定した場合、ステップS402に進み、CPU180は、予め登録されているACS用の原稿サイズの登録設定が有効になっているか否かを判定する。図3に示すLCD135に表示された表示画面301を介して、ユーザは、ACS時の原稿サイズの有効又は無効を予め登録できる。有効又は無効を示すデータはメインメモリ100に保存される。
【0031】
ステップS402で登録が無効と判定された場合は、ステップS406に進み、ACS設定がなされていない場合と同様に、用紙サイズを原稿の読取サイズとして設定する。その後、処理をステップS405に進め、原稿の読み取りを開始する。
【0032】
一方、ステップS402で登録が有効と判定された場合は、ステップS403に進み、CPU180は、ACS時に用いられる設定された原稿サイズを確認する。この原稿サイズは、図3に示すLCD135に表示された表示画面302を介して予め登録される。LCD135には、例えば、上下キーが備え付けられ、”指定しない”、A4,B5、A5などの選択肢から原稿サイズの登録ができるようになっている。登録されたデータはメインメモリ100に保存される。したがって、CPU180は、メインメモリ100に格納されたデータを参照することにより、ステップS403の判定を行う。
【0033】
ステップS403で予め登録されたサイズが、”指定しない”である場合、ステップS407に進み、CPU180は、LCD135に、原稿サイズの入力を促す表示を行い、ユーザに原稿サイズを決定させる。その後、入力された原稿サイズを原稿の読取サイズとして設定し、ステップS405に進み、原稿の読み取りを開始する。
【0034】
一方、ステップS403で、例えばA4等の特定の原稿サイズが登録されていれば、ステップS404に進み、CPU180は、予め登録されている原稿サイズを原稿の読取サイズとして設定し、ステップS405にて、原稿の読み取りを開始する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置では、予め適切な原稿サイズが登録されていれば、適切な読み取り領域をスキャンすることで、ACSの誤判定を低減させることができる。一方、予め原稿サイズをユーザが登録していない場合でも、ユーザに使用する原稿サイズを入力させることで入力された原稿サイズを原稿の読取サイズとして設定することで、ACSの誤判定を低減させることができる。このように、本実施形態に係る画像形成装置では、原稿読み取り時、ACSを行うために必要最低限のユーザ操作を求めることで、ユーザに対する煩わしい操作を低減することができる。
【0036】
<第2の実施形態>
次に、図5を参照して、第2の実施形態について説明する。また、本実施形態に係る画像形成装置の制御構成及びハードウェア構成は、図1及び図2で説明した構成と同様であるため、説明を省略する。図5は、第2の実施形態に係る原稿読み取り時の処理手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、CPU180によってROM95に格納された実行プログラムがメインメモリ100にロードされて実行される。ここでは、原稿が所定の位置にセットされ、コピーの開始がユーザにより指示されてから読み取りを行うまでの処理手順について説明する。
【0037】
ここでは、図4のフローチャートと同一の処理は同一の番号を付し、説明を省略する。即ち、以下では、原稿の読取処理が行われるステップS405の前に挿入されたステップS501、S502について説明する。また、本実施形態における実行条件には、例えば、読み取り時の色判定処理の有無、登録された原稿サイズ/用紙サイズ及び読み取った画像データを画像形成する際の倍率情報が含まれる。
【0038】
ステップS501において、CPU180は、実行条件に含まれるコピーする際の画像の変倍率が100%以下であるか否かを判定する。ここで、倍率が100%より大きい場合には、ステップS502に進み、CPU180は、読み取り範囲の補正を行う。具体的には、CPU180は、補正手段として機能し、原稿の読取サイズを、S404,S406,S407で設定した原稿サイズを指定された倍率で除算した値に補正する。これにより、印刷時に有効な読み取り領域を考慮したACSの判定を行うことができる。一方、ステップS501で倍率が100%以下であると判定すると、そのままステップS405に進み、原稿の読み取りを開始させる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、読み取った画像データを画像形成する際に100%より大きい倍率が指定されている場合に、読取サイズを倍率で除算した値に補正する。これにより、本画像形成装置は、倍率に応じて好適な読取サイズで原稿を読み取ることができ、読み取り制御を向上させることができる。
【0040】
<第3の実施形態>
次に、図6を参照して、第3の実施形態について説明する。また、本実施形態に係る画像形成装置の制御構成及びハードウェア構成は、図1及び図2で説明した構成と同様であるため、説明を省略する。図6は、第3の実施形態に係る原稿読み取り時の処理手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、CPU180によってROM95に格納された実行プログラムがメインメモリ100にロードされて実行される。ここでは、原稿が所定の位置にセットされ、コピーの開始がユーザにより指示されてから読み取りを行うまでの処理手順について説明する。なお、ここでは、ACS設定がされていない、即ち、白黒設定又はカラー設定がされている状態での制御について説明する。また、本実施形態における実行条件には、例えば、読み取り時の色判定処理の有無、及び、登録された原稿サイズ/用紙サイズが含まれる。
【0041】
ステップS601において、CPU180は、DFに原稿があるか、圧板の下に原稿があるかを判定する。ここでDF(Document Feeder)とは、図2に示す給紙部に相当する。一方、圧板とは、図2に示す原稿台に載置された原稿を押圧するものである。給紙部は、原稿有無検知センサを有し、モータ制御部110を介して、給紙部に原稿がセットされているか否かを判定できる。したがって、CPU180は、給紙部に原稿がセットされていない場合は圧板下、即ち原稿台に原稿が載置されていると判断する。
【0042】
ステップS601でDFに原稿がセットされていると判定した場合、ステップS606に進み、CPU180は、画像形成装置200で読み取り可能な最大サイズを原稿の読取サイズに設定する。その後、ステップS605において、CPU180は、原稿の読み取りを開始させる。この場合、CPU180は、読み取った原稿の長さから実際の原稿サイズを特定する。また、プリンタ画像処理部30は、特定された原稿サイズに基づいて画像データをトリミングして、プリンタIF40を介してLBP45へ送出する。
【0043】
一方、ステップ601で圧板下に原稿が載置されていると判定した場合、ステップS602に進み、CPU180は、ステップS402と同様に予め登録してある原稿サイズが有効か無効かを判定する。ここでも表示画面302のような操作画面から、同様にACS設定で無い場合の原稿サイズの登録が可能である。登録されるデータは、メインメモリ100に保存される。
【0044】
ステップS602で設定が無効であると判定した場合、ステップS607に進み、CPU180は、画像を印刷する際に使用する用紙サイズを原稿の読取サイズとして設定し、ステップS605で原稿の読み取りを開始させる。一方、ステップS602で設定が有効であると判定した場合、ステップS603に進む。
【0045】
ステップS603において、CPU180は、ステップS403と同様に、原稿サイズが登録されているか否かを判定する。ここで、予め登録された原稿サイズが、”指定しない”の場合は、ステップS608において、CPU180は、LCD135に原稿サイズの入力を促す表示を行い、ユーザに原稿サイズを設定させる。その後、ステップS605において、CPU180は、設定された原稿サイズで原稿の読み取りを開始させる。
【0046】
一方、ステップS603で予め登録された原稿サイズが特定の原稿サイズであれば、ステップS604に進み、CPU180は、その登録された原稿サイズを原稿の読取サイズとして設定する。さらに、ステップS605において、CPU180は、原稿の読み取りを開始させる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、原稿がDFにセットされている場合は、画像形成装置200の読み取り可能な最大サイズを読取サイズに設定する。さらに、本画像形成装置は、原稿が圧板下に載置されている場合は、第1及び第2の実施形態におけるACS処理が指定されている場合と同一の設定処理を実行する。このように、本画像形成装置では、必要に応じてユーザに対して原稿サイズの入力を促すことにより、ユーザに対して負担を掛けることなく、精度の良い読取処理を実行することができる。
【0048】
<第4の実施形態>
次に、図7及び図8を参照して、第4の実施形態について説明する。また、本実施形態に係る画像形成装置の制御構成及びハードウェア構成は、図1及び図2で説明した構成と同様であるため、説明を省略する。図7は、第4の実施形態に係る原稿読み取り時の処理手順を示すフローチャートである。図8は、第4の実施形態に係る原稿サイズの登録表示画面を示す図である。以下で説明する処理は、CPU180によってROM95に格納された実行プログラムがメインメモリ100にロードされて実行される。ここでは、原稿が所定の位置にセットされ、コピーの開始がユーザにより指示されてから読み取りを行うまでの処理手順について説明する。なお、ここでは、MODEM93やインタフェース部170を介した、FAX又はEmail送信時において、送信する画像データを作成する際の原稿の読取サイズを決定する制御について説明する。また、本実施形態における実行条件には、例えば、読み取り時の色判定処理の有無、登録された原稿サイズ/用紙サイズ及び読み取った画像データの送信先の情報が含まれる。また、本実施形態では、ファクシミリ送信用の規定の原稿サイズとして、A4サイズを用いるものとする。
【0049】
ステップS701において、CPU180は、DFに原稿があるか否かを判定する。具体的な判定方法はステップS601と同様であり、原稿有無検知センサを用いて判定する。原稿無しと判定した場合、ステップS706に進み、CPU180は、LCD135に、原稿サイズの入力を促す表示を行いユーザに原稿サイズを入力させる。その後、ステップS705において、CPU180は、入力された原稿サイズで原稿の読み取りを開始させる。
【0050】
一方、ステップS701でDFに原稿があると判定した場合は、ステップS702において、CPU180は、送信先がFAXか否かを判定する。送信先がFAXである場合には、ステップS707において、CPU180は、1728画素で、A4幅、LTR幅となるようなファクシミリ送信用の規定の原稿サイズを原稿の読取サイズに設定する。その後、ステップS705において、CPU180は、設定した原稿サイズで原稿の読み取りを開始させる。
【0051】
一方、ステップS702で送信先がFAXでないと判定した場合は、ステップS703において、CPU180は、予め登録された原稿サイズがあるか否かを判定する。ここで、原稿サイズが登録されている場合には、ステップS704において、CPU180は、原稿サイズを原稿の読取サイズに設定する。さらに、ステップS705において、CPU180は、設定された読取サイズで原稿の読み取りを開始させる。
【0052】
一方、ステップS703で、原稿サイズが登録されていないと判定した場合には、ステップS708において、CPU180は、ユーザに原稿サイズを入力させる。その後、ステップS705において、CPU180は、入力された原稿サイズで原稿の読み取りを開始させる。
【0053】
図8に示す表示画面801は、ステップS703の判定で用いられる送信原稿サイズを登録する際のLCD135に表示される画面を示す。”指定しない(読み取り時選択)”が選択されていると、ステップS703では、原稿サイズが登録されていなかったと判定する。また、”A4”、”B5”のような原稿サイズが登録されていれば、登録された原稿サイズを原稿の読取サイズとして設定する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、読み取った画像データをファクシミリ装置に送信する場合は、ファクシミリ送信に特有のサイズを読取サイズに設定する。さらに、本画像形成装置は、ファクシミリ送信以外の方法で読み取った画像データを送信する場合は必要に応じてユーザに対して原稿サイズの入力を促す。これにより、ユーザに対して負担を掛けることなく、精度の良い読取処理を実行することができる。なお、本実施形態では、画像形成装置は、必ずしも画像を印刷する機能を有する必要はない。画像の読み取り機能と送信機能とを有するものにも採用可能である。
【0055】
<他の実施形態>
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム又は装置に供給し、それらのコンピュータ(CPUやMPU等)が格納されたプログラムコードを読出し実行しても本発明の目的は達成される。
【0056】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0057】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OS(オペレーティングシステム)に供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0058】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW等がある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD等がある。
【0059】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0060】
他に、プログラムの供給方法として、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、ホームページ本発明のコンピュータプログラムをHDD等の記録媒体にダウンロードすることもできる。もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数の操作者に対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0061】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納して操作者に配布することも可能である。その場合、所定の条件をクリアした操作者に対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせることができる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現する。
【0062】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行するだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働するOS等が実際の処理の一部又は全部を行うことでも実現される。
【0063】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込む方法も可能である。その場合、プログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行うことでも実現される。
【0064】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を給紙するための給紙手段と、前記給紙手段にセットされた原稿の有無を検知する原稿有無検知センサと、前記原稿を読み取る読取手段と、読み取られたデータを外部装置に送信する送信手段とを備える画像形成装置であって、
原稿を読み取る際及び読み取ったデータを前記外部装置に送信する際の実行条件を登録する登録手段と、
前記実行条件を確認する確認手段と、
前記原稿有無検知センサによって前記給紙手段にセットされた原稿が検知され、前記確認手段によって確認した前記実行条件が送信先としてファクシミリ装置を指定していない場合に、登録された原稿サイズを、原稿を読み取る際の読取サイズに設定し、前記原稿有無検知センサによって前記給紙手段にセットされた原稿が検知され、前記確認手段によって確認した前記実行条件が送信先としてファクシミリ装置を指定している場合に、ファクシミリ送信用の規定のサイズを前記読取サイズに設定し、前記原稿有無検知センサによって前記給紙手段にセットされた原稿が検知されない場合に、操作者に対して前記原稿サイズの入力を促し、入力された原稿サイズを前記読取サイズに設定する設定手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記設定手段は、
前記原稿有無検知センサによって前記給紙手段に原稿がセットされていると判定され、前記確認手段によって確認した前記実行条件が送信先としてファクシミリ装置を指定していない場合であって、前記原稿サイズが指定なしに登録されている場合に、操作者に対して前記原稿サイズの入力を促し、入力された原稿サイズを前記読取サイズに設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ファクシミリ送信用の規定のサイズは、A4サイズまたはLTRサイズであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記読取手段によって読み取った原稿の画像を印刷する印刷手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
原稿を給紙するための給紙手段と、前記給紙手段にセットされた原稿の有無を検知する原稿有無検知センサと、前記原稿を読み取る読取手段と、読み取られたデータを外部装置に送信する送信手段とを備える画像形成装置の制御方法であって、
登録手段が、原稿を読み取る際及び読み取ったデータを前記外部装置に送信する際の実行条件を登録する登録ステップと、
確認手段が、前記実行条件を確認する確認ステップと、
設定手段が、前記原稿有無検知センサによって前記給紙手段にセットされた原稿が検知され、前記確認ステップにおいて確認した前記実行条件が送信先としてファクシミリ装置を指定していない場合に、登録された原稿サイズを、原稿を読み取る際の読取サイズに設定し、前記原稿有無検知センサによって前記給紙手段にセットされた原稿が検知され、前記実行条件が送信先としてファクシミリ装置を指定している場合に、ファクシミリ送信用の規定のサイズを前記読取サイズに設定し、前記原稿有無検知センサによって前記給紙手段に載置された原稿が検知されない場合に、操作者に対して前記原稿サイズの入力を促し、入力された原稿サイズを前記読取サイズに設定する設定ステップと
を含むことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の制御方法の各ステップを、コンピュータにより実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−21734(P2013−21734A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−238321(P2012−238321)
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【分割の表示】特願2008−158554(P2008−158554)の分割
【原出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】