説明

画像形成装置、処理方法、および処理プログラム

【課題】容易にファイルをサーバーへアップロードすることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】MFPのプリンターコントローラー10は、サーバーからコンテンツを取得するためのコンテンツ入力部103と、コンテンツを解析し、サーバーに出力するファイルの形式を特定するための解析部104と、特定されたファイル形式を、ファイルを作成する処理におけるファイル形式として設定して一時的に記憶するための設定部105と、ブラウザを実行し、ブラウザにおいてコンテンツを表示すると共に、ファイルをサーバーにアップロード可能なブラウザ処理部102とを含み、ブラウザ処理部は、コンテンツに基づき、ファイルをアップロードする場合に、設定されたファイル形式でファイルを作成してサーバーにアップロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、処理方法、および処理プログラムに関し、特に、ファイルをサーバーにアップロードする画像形成装置、処理方法、および処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置としての、プリント機能、スキャン機能、およびファクシミリ送受信機能等の複合機であるMFP(Multi-Functional Peripheral)には、ブラウザが搭載されているものがある。そのようなMFPでは、該ブラウザを用いてWEBサーバーや特定のネットワーク内のサーバー(たとえば社内ネットワークサーバー等)へ接続し、ブラウザ上で指定されたファイル形式でスキャンして、得られたファイルを当該サーバーへアップロードする、という使い方がなされる。
【0003】
しかしながら、パーソナルコンピュータ(PC)の場合と異なり、MFPでサーバーへ接続してページを表示させる場合には、MFPの操作パネルに表示させるパネルブラウザを用いるものであるため、表示量が制限される。つまり、MFPの画像処理機能を動作させるためには操作パネルの表示を閲覧ページから操作画面に切替える必要がある。そのため、上のような使い方をするためには、ユーザーは閲覧ページ上で表示されたアップロードの方法を覚え、その上で操作パネルの表示を操作画面に切替えてスキャン設定しなければならない、という問題があった。
【0004】
一方、PCからファイルをサーバーへアップロードする場合であっても、PCに表示した閲覧ページ上でアップロードの方法を覚え、その上でMFPにそのスキャン設定をしてからスキャン動作を行なわせてファイルをいったんPCに送信し、その後、PCから該ファイルをサーバーへアップロードする、という煩雑な操作が必要となるという問題があった。
【0005】
このような問題を解消する方法として、サーバー側で予めスキャン設定などを含んだ設定ファイルなどを準備しておき、そのファイルをMFP側で読み取って自動的に設定させる、という方法が考えられる。
【0006】
しかしながら、この場合にはサーバー側で設定ファイルなどを予め準備しておく必要があり、サーバー提供者の協力が必要となってくる。そのため、サーバーにあるファイルを変更せずに、MFP側にて自動的にスキャン設定等アップロードのための設定を行なわせる仕組みが必要となる。
【0007】
そこで、たとえば特開2009−187161号公報(特許文献1)は、UIサーバー側で、接続された画像形成装置に対して同一であるUI画面ファイルを一元管理する方法を開示している。このファイルに統一的に含まれるスクリプトにより、画像形成装置ごとに設定不可の選択肢が変化しても変更なく対処できるようにしている。
【0008】
また、特開2009−152848号公報(特許文献2)は、WEBサーバーからのHTML文書にfile型のinput要素が記述された場合には、その記述に基づいて画像データーのアップロードを制限する方法を開示している。
【0009】
また、特開2010−146078号公報(特許文献3)は、WEBサーバーからのページデーターを解析してハードウェアキーに対して機能を割り当てる画像処理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−187161号公報
【特許文献2】特開2009−152848号公報
【特許文献3】特開2010−146078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、これら特許文献に開示された技術を利用したとしても、自動的にMFPにおいてアップロードのための設定が行なわれることにはならず、上述のような、煩雑な操作が要求される、という問題があった。
【0012】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、容易にファイルをサーバーへアップロードすることができる画像形成装置、その処理方法、および処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像形成装置はサーバーと通信可能な画像形成装置であって、サーバーと通信するための通信手段と、ファイルを作成する処理を実行するための処理手段とを備える。処理手段は、サーバーからコンテンツを取得するための取得手段と、コンテンツを解析し、サーバーに出力するファイルの形式を特定するための解析手段と、特定されたファイル形式を、ファイルを作成する処理におけるファイル形式として設定して一時的に記憶するための設定手段と、ブラウザを実行し、ブラウザにおいてコンテンツを表示すると共に、ファイルをサーバーにアップロード可能なブラウザ処理手段とを含み、ブラウザ処理手段は、コンテンツに基づき、ファイルをアップロードする場合に、設定されたファイル形式でファイルを作成してサーバーにアップロードする。
【0014】
好ましくは、解析手段は、コンテンツがブラウザ処理手段にて処理されるよりも以前にコンテンツを解析する。
【0015】
好ましくは、設定手段はスキャンされた画像データーから作成されるファイルのファイル形式を設定し、ブラウザ処理手段は、指定された原稿をスキャンすることで得られた画像データーに基づき設定されたファイル形式のファイルを作成してサーバーにアップロードする。
【0016】
好ましくは、ブラウザ処理手段は、指定されたファイルを所定の記憶領域から読み出して、設定されたファイル形式に変換してサーバーにアップロードする。
【0017】
好ましくは、解析手段により複数のファイルの形式が特定された場合、設定手段は、複数のファイルの形式からユーザーによる選択を受け付けて、選択されたファイルの形式を設定する。
【0018】
本発明の他の局面に従うと、処理方法はサーバーと通信可能な画像形成装置においてファイルをサーバーにアップロードするための処理方法であって、サーバーからコンテンツを取得するステップと、コンテンツを解析し、サーバーに出力するファイルの形式を特定するステップと、特定されたファイル形式を、ファイルを作成する処理におけるファイル形式として設定して一時的に記憶するステップと、ブラウザを実行し、コンテンツに基づき、ファイルをアップロードする場合に、設定されたファイル形式でファイルを作成してサーバーにアップロードするステップとを備える。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、処理プログラムはサーバーと通信可能な画像形成装置にファイルをサーバーにアップロードする処理を実行させるプログラムであって、サーバーからコンテンツを取得するステップと、コンテンツを解析し、サーバーに出力するファイルの形式を特定するステップと、特定されたファイル形式を、ファイルを作成する処理におけるファイル形式として設定して一時的に記憶するステップと、ブラウザを実行し、コンテンツに基づき、ファイルをアップロードする場合に、設定されたファイル形式でファイルを作成してサーバーにアップロードするステップとを画像形成装置に実行させる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によると、容易にファイルをサーバーへアップロードすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態にかかる画像形成装置としてのMFP(Multi-Functional Peripheral)のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
【図2】MFPでの動作の流れを表わした図である。
【図3】MFPでの動作の流れを表わした図である。
【図4】MFPでの動作の流れを表わした図である。
【図5】MFPの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図6】MFPでの動作の流れの具体例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0023】
<装置構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像形成装置としてのMFP(Multi-Functional Peripheral)100のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
【0024】
図1を参照して、MFP100は、装置全体を制御するための、CPU(Central Processing Unit)を含んだプリンターコントローラー10と、プリンターコントローラー10で実行されるプログラムなどを記憶するためのメモリー12と、各種情報を表示する手段であると共に指示入力手段でもある表示パネル13と、外部電源に接続して当該MFP100に電力供給するための電源管理部14と、図示しない原稿台にセットされた原稿を光学的に読み取るための印字イメージ読取部15と、読み取って得られた画像データーから印刷用のデーターである印字イメージを作成するための印字イメージ作成部16と、HD(Hard Disk)などから構成されて、作成された印字イメージを記憶するための印字イメージ記憶部17と、図示しない用紙カセットなどの印字用紙を格納する箇所から印字を行なう機構まで印字用紙を供給するための用紙供給処理部18と、供給された用紙に印字イメージに基づく画像を印字するための印字処理部19と、印字された用紙を図示しない排紙台まで搬送して排紙するための排紙処理部20と、当該MFP100をファクシミリ通信やインターネット通信のための電話回線に接続するための外部信インターフェース(以下、外部I/F)21と、外部I/Fで当該MFP100を電話回線に接続し、ファクシミリ通信を行なうためのFAX処理部22と、社内ネットワークなど所定のネットワーク通信のために当該MFP100をLAN(Local Area Network)に接続し、データーの送受信を行なうためのLAN処理部23とを含む。
【0025】
CPUを含むプリンターコントローラー10は、表示パネル13からの操作入力に従う操作信号の入力や、外部I/F21を介した他の装置からの操作信号を受け付けて、それに基づいてメモリー12に記憶されるプログラムを実行し、図1に示される各部を制御する。そして、必要な情報を外部I/F21を介して他の装置に送信したり、表示パネル13に表示させたりする。
【0026】
<動作概要>
図2〜図4は、MFP100での動作の流れを表わした図である。
【0027】
図2を参照して、MFP100では、ユーザーからの指示入力に従ってパネルブラウザが起動される。MFP100は、パネルブラウザ上での指示入力に従ってサーバー200にアクセスして、HTML(Hyper Text Markup Language)等で記述されたコンテンツをダウンロードする。図2の例では、一例としてHTMLで記述されたコンテンツをダウンロードする例が示されている。
【0028】
図3を参照して、MFP100は、ダウンロードしたコンテンツをパネルブラウザに渡すよりも以前に解析し、当該コンテンツに従ってファイルをアップロードするためのファイル形式を読み取って設定する。コンテンツがHTMLで記述された形式である場合、図3に示されるように、一例として当該コンテンツを解析して<input>タグを抽出し、accept属性の属性値を読み出してファイル形式の設定とすることができる。図3の例では、accept属性の属性値が<applocation/pdf>であることから、ファイル形式としてPDF形式が設定される。
【0029】
図4(A)は、当該コンテンツに基づく画面例を示す図である。ここでは、図2に部分的に示されたコンテンツが表示されている例が示されており、具体例として、社内のサーバーに出張旅費の報告を行なうためのコンテンツの表示例が示されている。
【0030】
ユーザーは、図4(A)に示されるように、当該コンテンツに従ってパネルブラウザでファイルのサーバーへのアップロードを指示することができる。
【0031】
図4(B)に示されるように、アップロード対象のファイルを得る方法として、スキャンして得る方法と、いわゆるボックスと言われるユーザーやユーザーのグループ(部や課等)に関連付けられた記憶領域から読み出して得る方法とが挙げられる。当該コンテンツに従ってパネルブラウザでその方法の選択を行なうことができる。
【0032】
一例として、図4(B)の選択画面で原稿をスキャンしてファイルを作成する方法を選択した場合、図4(C)に示されるように、スキャン設定として、コンテンツを解析して得られたアップロードするファイル形式が自動的に設定された状態で提示される。この例では、図3に示されるようにファイル形式としてPDF形式が設定されていることから、スキャン設定として、読み取られた画像データーがPDF形式で保存されることが設定された状態で提示されている。
【0033】
なお、図4(B)の選択画面でボックスから指定した画像データーを読み出してファイルを作成する方法を選択した場合にも、図4(C)に示されるように、ファイル形式の変換の設定として、コンテンツを解析して得られたアップロードするファイル形式が自動的に設定された状態で提示される。この例では、ファイル形式の変換の設定として、ボックスから読み出された画像データーがPDF形式に変換されることが設定された状態で提示されている。
【0034】
図4(C)の画面の状態でスタートキーが押されることで、指定されたファイル形式でファイルが作成されて、当該コンテンツに従ってパネルブラウザで当該ファイルがサーバーへアップロードされる。
【0035】
<機能構成>
図5は、上述の動作を行なうためのMFP100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図5に示される各機能は、MFP100のプリンターコントローラー10に含まれる図示しないCPUがメモリー12に記憶されるプログラムを読み出して実行することで、主にCPU上に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部が電気回路等のハードウェア構成で形成されてもよい。
【0036】
図5を参照して、MFP100は、表示パネル13からの指示入力を受け付けるための指示入力部101と、ブラウザを起動させてコンテンツを実行(コンテンツ内のプログラムの実行、アップロード、データーの表示、等)するためのブラウザ処理部102と、外部I/F21を介して指定されたサーバーにアクセスし、該サーバーの提供するコンテンツを入力し、適切なタイミングでブラウザ処理部102に渡すためのコンテンツ入力部103と、入力されたコンテンツを解析してアップロードするファイルのファイル形式を特定するための解析部104と、特定されたファイル形式となるように、スキャン設定やファイル変換設定を行なって一時的に記憶するための設定部105と、ブラウザ処理部102でのブラウザの実行に応じて印字イメージ読取部15の動作を制御し、スキャン動作を制御するためのスキャン制御部106と、ブラウザ処理部102でのブラウザの実行に応じて印字イメージ記憶部17にアクセスし、指定されたファイルを読み出すためのファイル読出部107と、読み出されたファイルを設定されたファイル形式に変換するためのファイル変換部108とを含む。
【0037】
コンテンツ入力部103は、サーバーからコンテンツを取得すると、好ましくは、ブラウザ処理部102に渡す前に一時的に記憶し(フックし)て解析部104に該コンテンツを渡す。それによって、ブラウザ処理部102でコンテンツが実行されるよりも以前に解析部104で解析されることになる。
【0038】
もちろん、ブラウザ処理部102で当該コンテンツが実行され、ファイルをアップロードする指示がされた際に解析部104で当該コンテンツが解析されてファイル形式が特定されてもよい。しかしながら、上述のように、ブラウザ処理部102に渡す前にフックして解析部104で解析された方が、アップロードする指示がされた際にすぐに当該コンテンツで指定されたファイル形式をユーザーに提示することができる。
【0039】
解析部104はコンテンツを解析して、アップロードするファイルのファイル形式を特定する。コンテンツがHTMLで記述されている上述の例の場合には、解析部104は<input>タグを抽出し、accept属性の属性値を読み出すことで、ファイル形式を特定することができる。これは一例であって、コンテンツが他の形式である場合には、その形式に応じた解析を行なう。
【0040】
ファイル形式が特定されると、設定部105は、一例としてスキャン設定およびファイル変換設定を行なう。上の例では、ファイル形式としてPDF形式が特定されているため、設定部105は、スキャン設定として、スキャンして得られた画像データーをPDF形式に変換する設定を行なう。また、ファイル変換設定として、対象のファイルをPDF形式に変換する設定を行なう。設定部105は、この設定を一時的に記憶しておく。
【0041】
コンテンツ入力部103は、少なくとも解析部104での解析が終了した時点で、一時的に記憶していたコンテンツをブラウザ処理部102に渡し、該コンテンツを実行させる。
【0042】
スキャン制御部106およびファイル読出部107は、それぞれ、ブラウザ処理部102が当該コンテンツを実行する際に表示パネル13などから入力された指示に従って、スキャン動作やファイルの読出動作を行なう。この指示は、表示パネル13からの入力に限定されず、外部I/F21を介して、接続された図示しないPC(パーソナルコンピュータ)などから入力されるものであってもよい。
【0043】
上の例の場合、図4(B)の選択画面でスキャン動作が指示された場合には、ブラウザ処理部102からスキャン動作の制御信号を受け取ったスキャン制御部106が印字イメージ読取部15の動作を制御し、スキャン動作を行なわせる。その際設定部105は、一時的に記憶したスキャン設定をこのスキャン動作に適用する。すなわち、このスキャン動作で得られた画像データーは、設定部105での設定に従って、特定されたファイル形式(上の例ではPDF形式)のファイルに変換されてブラウザ処理部102に渡される。
【0044】
また、図4(B)の選択画面でボックスからのファイルの読出が指示された場合には、ブラウザ処理部102からファイル読出の制御信号を受け取ったファイル読出部107が指定された記憶領域にアクセスして指定されたファイルを読み出して、ファイル変換部108に渡す。ファイル変換部108は渡されたファイルを設定されたファイル形式に変換する。その際設定部105は、一時的に記憶したファイル変換の設定をこの変換動作に適用する。すなわち、ファイル変換部108は、設定部105での設定に従って渡されたファイルを特定されたファイル形式(上の例ではPDF形式)のファイルに変換してブラウザ処理部102に渡す。
【0045】
ブラウザ処理部102は、当該コンテンツを実行する際に表示パネル13から入力された指示に従って、渡されたファイルをサーバーにアップロードする処理を行なう。
【0046】
<動作フロー>
図6は、MFP100での動作の流れの具体例を示すフローチャートである。図6のフローチャートに示される動作は、MFP100のプリンターコントローラー10に含まれる図示しないCPUがメモリー12に記憶されるプログラムを読み出して実行し、図5に示される各機能を発揮させることによって実現される。
【0047】
図6を参照して、ステップS101でCPUは、表示パネル13などからの指示に従って指定されたサーバーにアクセスし、該サーバーが提供するコンテンツを取得する。ステップS103でCPUは、一時的に当該コンテンツを記憶して、ブラウザで当該コンテンツを実行するよりも以前に当該コンテンツを解析する。その結果、該コンテンツにアップロードするファイルの形式を指定する記述が含まれる場合(ステップS105でYES)、ステップS107でCPUは、その記述に従って、ファイルを作成する機能に対してファイル形式を設定し、その設定を一時的に記憶する。
【0048】
なお、この例では、図2や図3に示されたようにコンテンツの記述自体にファイル形式を指定する記述が含まれているものとしているが、他の例として、コンテンツにファイル形式を指定する情報が含まれていてもよいし、当該コンテンツとは別に、ファイル形式を指定する情報が該サーバーから当該コンテンツに関連付けて送信されるものであってもよい。上記ステップS103での動作には、コンテンツの記述自体にファイル形式を指定する記述が含まれている場合に当該コンテンツの記述を解析する動作のみならず、上述のように、コンテンツにファイル形式を指定する情報が含まれている場合には該情報を解析する動作、コンテンツに関連付けてファイル形式を指定する情報が該サーバーから送信される場合には該情報を解析する動作が含まれる。
【0049】
上記ステップS107でのファイル形式の設定として、ここでは、スキャン設定とファイル変換設定とが挙げられる。しかしながら、ファイル形式の設定はこの設定のみに限定されず、他の、ファイル作成機能を有する場合には該機能に応じた設定も含まれる。
【0050】
そして、上記ステップS107でファイル形式が設定された後に、ステップS109でCPUは、一時的に記憶したコンテンツをブラウザに渡すことで、該コンテンツを実行する。このコンテンツの実行において、図4(A),(B)でスキャンまたはボックス読み出しによってファイルをアップロードする指示が表示パネル13などからなされた場合(ステップS111でYES)、ステップS113でCPUは、表示パネル13などに該コンテンツの解析に基づいて上記ステップS107で設定されたファイル形式を提示した後、提示したファイル形式または他のファイル形式での実行指示をユーザーから受ける。ステップS115では、図4(B)で選択された方法で画像データーを取得し、指示されたファイル形式に従ってファイルを作成する。その際に、一時的に記憶された上記設定を読み出して、ファイルの作成時に適用する。
【0051】
すなわち、図2〜図4の例の場合、図4(B)の選択画面で原稿をスキャンしてファイルを作成する方法が選択された場合には、図4(C)に示されるように、スキャン設定として、読み取られた画像データーがPDF形式で保存されることが設定されていることを提示した上で、ユーザーが、提示されたファイル形式を確認して、実行指示すればスキャン動作を実行してPDF形式のファイルを作成する。
【0052】
図4(B)の選択画面でボックスから指定した画像データーを読み出してファイルを作成する方法が選択された場合には、図4(C)に示されるように、ファイル形式の変換の設定として、ボックスから読み出された画像データーがPDF形式に変換されることが設定されていることを提示した上で、提示したファイル形式または他のファイル形式での実行指示をユーザーから受ける。CPUは、ボックス内の画像データーの選択画面を表示し、選択された画像データーを読み出してPDF形式のファイルを作成する。
【0053】
なお、WEBページで要求されているファイル形式の数を判定し、ファイル形式が1つのみの場合、図4(C)の画面の提示をスキップすることも可能である。
【0054】
一方、コンテンツにおいて複数のファイル形式が許可されている場合、上記ステップS113ではそれら許可されたファイル形式を選択可能に提示して、その選択を受け付けてからステップS115のファイルを作成する動作を実行するようにしてもよい。
【0055】
ステップS117でCPUは、このようにして作成されたファイルをサーバーにアップロードする。
【0056】
<実施の形態の効果>
MFP100においてこのような動作が実行されることで、ブラウザを実行して表示パネル13にコンテンツを表示している場合において、当該コンテンツに従ってファイルをアップロードするときのファイル形式をいったん記憶してから表示パネル13の表示を操作画面に切替えて、ファイルの作成を行なう、という作業が不要となり、コンテンツの実行に従ってファイルの作成を指示するのみで、自動的に該コンテンツで指定されたファイル形式でファイルが作成されることになる。
【0057】
さらに、上述のように、ファイル形式の設定が当該コンテンツの実行よりも以前に行なわれることで、アップロードの指示を行なった際にすぐにファイル作成の処理に移行することができ、操作性を向上させることができる。
【0058】
なお、上の例では、コンテンツにおいてファイル形式が指定されている例が説明されているが、たとえばファイルのサイズや、ボックスからファイルを検索するために用いる検索条件などの他の属性が指定されている場合でも、同様にしてMFP100で自動的にその属性のファイルを作成することが可能となる。
【0059】
さらに、上述の動作をMFP100に実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0060】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0061】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0062】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0063】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0064】
10 プリンターコントローラー、11 プリンタエンジン、12 メモリー、13 表示パネル、14 電源管理部、15 印字イメージ読取部、16 印字イメージ作成部、17 印字イメージ記憶部、18 用紙供給処理部、19 印字処理部、20 排紙処理部、21 外部I/F、22 FAX処理部、23 LAN処理部、100 MFP、101 指示入力部、102 ブラウザ処理部、103 コンテンツ入力部、104 解析部、105 設定部、106 スキャン制御部、107 ファイル読出部、108 ファイル変換部、200 サーバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバーと通信可能な画像形成装置であって、
前記サーバーと通信するための通信手段と、
ファイルを作成する処理を実行するための処理手段とを備え、
前記処理手段は、
前記サーバーからコンテンツを取得するための取得手段と、
前記コンテンツを解析し、前記サーバーに出力するファイルの形式を特定するための解析手段と、
特定されたファイル形式を、前記ファイルを作成する処理におけるファイル形式として設定して一時的に記憶するための設定手段と、
ブラウザを実行し、前記ブラウザにおいて前記コンテンツを表示すると共に、ファイルを前記サーバーにアップロード可能なブラウザ処理手段とを含み、
前記ブラウザ処理手段は、前記コンテンツに基づき、ファイルをアップロードする場合に、前記設定されたファイル形式でファイルを作成して前記サーバーにアップロードする、画像形成装置。
【請求項2】
前記解析手段は、前記コンテンツが前記ブラウザ処理手段にて処理されるよりも以前に前記コンテンツを解析する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記設定手段はスキャンされた画像データーから作成されるファイルのファイル形式を設定し、
前記ブラウザ処理手段は、指定された原稿をスキャンすることで得られた画像データーに基づき前記設定されたファイル形式のファイルを作成して前記サーバーにアップロードする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ブラウザ処理手段は、指定されたファイルを所定の記憶領域から読み出して、前記設定されたファイル形式に変換して前記サーバーにアップロードする、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記解析手段により複数のファイルの形式が特定された場合、前記設定手段は、前記複数のファイルの形式からユーザーによる選択を受け付けて、前記選択されたファイルの形式を設定する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
サーバーと通信可能な画像形成装置においてファイルを前記サーバーにアップロードするための処理方法であって、
前記サーバーからコンテンツを取得するステップと、
前記コンテンツを解析し、前記サーバーに出力するファイルの形式を特定するステップと、
特定されたファイル形式を、前記ファイルを作成する処理におけるファイル形式として設定して一時的に記憶するステップと、
ブラウザを実行し、前記コンテンツに基づき、ファイルをアップロードする場合に、前記設定されたファイル形式でファイルを作成して前記サーバーにアップロードするステップとを備える、処理方法。
【請求項7】
サーバーと通信可能な画像形成装置にファイルを前記サーバーにアップロードする処理を実行させるプログラムであって、
前記サーバーからコンテンツを取得するステップと、
前記コンテンツを解析し、前記サーバーに出力するファイルの形式を特定するステップと、
特定されたファイル形式を、前記ファイルを作成する処理におけるファイル形式として設定して一時的に記憶するステップと、
ブラウザを実行し、前記コンテンツに基づき、ファイルをアップロードする場合に、前記設定されたファイル形式でファイルを作成して前記サーバーにアップロードするステップとを前記画像形成装置に実行させる、処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−109708(P2013−109708A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256138(P2011−256138)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】