説明

画像形成装置、及び、画像形成方法

【課題】ノズル列の数を減らすこと。
【解決手段】一のノズル列群が他のノズル列群に対して媒体搬送方向の下流側にずれて位置し、一のノズル列群の中の第1のノズル列に主画像を形成するインクを充填し、他のノズル列群の中の第2のノズル列に背景画像を形成するインクを充填し、一のノズル列群と他のノズル列群を使用して主画像よりも背景画像を先に形成する第1のモードと、第1のノズル列に背景画像を形成するインクを充填し、第2のノズル列に主画像を形成するインクを充填し、一のノズル列群と他のノズル列群を使用して背景画像よりも主画像を先に形成する第2のモードと、を備える画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び、画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置であるプリンターの中には、ヘッドを移動方向に移動させながらインクを吐出させる吐出動作と、移動方向と交差する搬送方向に媒体を搬送する搬送動作とを、繰り返すプリンターがある。また、シアン、マゼンタ、イエローといったカラーインクの他に、白色のインクを使用して印刷を行う印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなプリンターでは、例えば、カラーインクによる主画像に白色の背景画像を重ねて印刷することができ、媒体の地色に影響されずに、発色性の良いカラー画像を印刷することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−38063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただし、主画像に背景画像を重ねる画像を印刷するために、主画像を印刷するためのインク(例えば、シアン、マゼンタ、イエローなどのカラーインク)を吐出するノズル列に加えて、背景画像を印刷するためのインク(例えば、白インク)を吐出するノズル列を別に設けると、プリンターに設けるノズル列の数が増えてしまう。
【0005】
そこで、本発明では、ノズル列の数を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決する為の主たる発明は、一のノズル列群が他のノズル列群に対して所定方向の一方側にずれて位置する複数のノズル列群であって、各前記ノズル列群では複数の前記ノズル列が前記所定方向と交差する方向に並び、各前記ノズル列ではインクを吐出する複数のノズルが前記所定方向に並ぶとともに前記複数のノズルが共通インク室に連通している複数のノズル列群と、前記複数のノズル列群と媒体とを前記交差する方向に相対移動させながら前記ノズルから前記インクを吐出させる吐出動作と、前記複数のノズル列群に対する前記媒体の相対位置を前記所定方向の一方側に移動させる搬送動作とを、繰り返し実行させる制御部と、を備え、前記一のノズル列群の中の第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に主画像を形成するインクを充填し、前記他のノズル列群の中の第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記主画像の背景画像を形成するインクを充填し、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群を使用して、前記媒体の所定領域に対して前記主画像よりも前記背景画像を先に形成する第1のモードと、前記第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記背景画像を形成するインクを充填し、前記第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記主画像を形成するインクを充填し、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群を使用して、前記媒体の所定領域に対して前記背景画像よりも前記主画像を先に形成する第2のモードと、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1Aはプリンターの全体構成ブロック図であり、図1Bはプリンターの概略斜視図である。
【図2】キャリッジの周辺を説明する図である。
【図3】図3A及び図3Bはインクの切り替え方法を説明する図である。
【図4】プリンターが備える印刷モードを説明する図である。
【図5】図5A及び図5Bは白使用モードの印刷方法を説明する図である。
【図6】印刷の流れを説明するフローである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
【0009】
即ち、一のノズル列群が他のノズル列群に対して所定方向の一方側にずれて位置する複数のノズル列群であって、各前記ノズル列群では複数の前記ノズル列が前記所定方向と交差する方向に並び、各前記ノズル列ではインクを吐出する複数のノズルが前記所定方向に並ぶとともに前記複数のノズルが共通インク室に連通している複数のノズル列群と、前記複数のノズル列群と媒体とを前記交差する方向に相対移動させながら前記ノズルから前記インクを吐出させる吐出動作と、前記複数のノズル列群に対する前記媒体の相対位置を前記所定方向の一方側に移動させる搬送動作とを、繰り返し実行させる制御部と、を備え、前記一のノズル列群の中の第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に主画像を形成するインクを充填し、前記他のノズル列群の中の第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記主画像の背景画像を形成するインクを充填し、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群を使用して、前記媒体の所定領域に対して前記主画像よりも前記背景画像を先に形成する第1のモードと、前記第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記背景画像を形成するインクを充填し、前記第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記主画像を形成するインクを充填し、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群を使用して、前記媒体の所定領域に対して前記背景画像よりも前記主画像を先に形成する第2のモードと、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
このような画像形成装置によれば、ノズル列の数を減らすことができる。
【0010】
かかる画像形成装置であって、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群は、それぞれ、前記主画像を形成するインクとして複数色の同色のインクを吐出可能とし、前記第1のノズル列から吐出する前記主画像を形成するインクの色と、前記第2のノズル列から吐出する前記主画像を形成するインクの色とが、同じであること。
このような画像形成装置によれば、一のノズル列群と他のノズル列群とを使用して高速に形成可能な画像の色を増やすことができる。
【0011】
かかる画像形成装置であって、前記第1のノズル列及び前記第2のノズル列からそれぞれ吐出する前記主画像を形成するインクの色は、ブラック以外の色であり、前記一のノズル列群の中のブラックインクを吐出する前記ノズル列と、前記他のノズル列群の中のブラックインクを吐出する前記ノズル列と、を使用して、前記背景画像は形成せずにモノクロ画像である前記主画像を前記媒体に形成する第3のモードを備えること。
このような画像形成装置によれば、一のノズル列群と他のノズル列群とを使用して高速にモノクロ画像を形成することができる。
【0012】
かかる画像形成装置であって、前記第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室と前記第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室との両方に前記背景画像を形成するインクが充填されていない場合には、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群を使用し、前記第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室と前記第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室とのうちの一方に前記背景画像を形成するインクが充填されている場合には、前記第1のノズル列と前記第2のノズル列とのうちで前記共通インク室に前記主画像を形成するインクが充填されている方のノズル列を有するノズル列群を使用して、前記背景画像は形成せずにカラー画像である前記主画像を前記媒体に形成する第4のモードを備えること。
このような画像形成装置によれば、出来る限りカラー画像を高速に形成しつつ、画像形成以外の用途でのインク消費を抑え、画像形成開始時間の遅れを防止できる。
【0013】
また、一のノズル列群が他のノズル列群に対して所定方向の一方側にずれて位置する複数のノズル列群であって、各前記ノズル列群では複数の前記ノズル列が前記所定方向と交差する方向に並び、各前記ノズル列ではインクを吐出する複数のノズルが前記所定方向に並ぶとともに前記複数のノズルが共通インク室に連通している複数のノズル列群と、前記複数のノズル列群と媒体とを前記交差する方向に相対移動させながら前記ノズルから前記インクを吐出させる吐出動作と、前記複数のノズル列群に対する前記媒体の相対位置を前記所定方向の一方側に移動させる搬送動作とを、繰り返し実行させる制御部と、を備える画像形成装置の画像形成方法であって、前記媒体の所定領域に対して前記主画像よりも前記背景画像を先に形成する場合には、前記一のノズル列群の中の第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に主画像を形成するインクを充填し、前記他のノズル列群の中の第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記主画像の背景画像を形成するインクを充填し、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群を使用して前記媒体に画像を形成することと、前記媒体の所定領域に対して前記背景画像よりも前記主画像を先に形成する場合には、前記第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記背景画像を形成するインクを充填し、前記第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記主画像を形成するインクを充填し、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群を使用して前記媒体に画像を形成することと、を備えることを特徴とする画像形成方法である。
このような画像形成方法によれば、ノズル列の数を減らしつつ、主画像と背景画像を重ねて形成することができる。
【0014】
===印刷システム===
画像形成装置をインクジェットプリンター(以下、プリンター)とし、プリンターとコンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて、実施形態を説明する。
図1Aは、プリンター1の全体構成ブロック図であり、図1Bは、プリンター1の概略斜視図であり、図2は、キャリッジ31の周辺を説明する図である。なお、図2では、ヘッド41の上方から見たノズルの配列を仮想的に示す。
【0015】
本実施形態のプリンター1は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型インクを吐出することにより、媒体S(例:用紙、布、フィルム)に画像を形成する。なお、紫外線硬化型インク(以下、UVインク)は、紫外線硬化樹脂を含むインクであり、紫外線の照射を受けると紫外線硬化樹脂において光重合反応が起こることにより硬化する。
【0016】
コンピューター70は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリンタードライバーにより作成された印刷データをプリンター1に出力する。
コントローラー10は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11はコンピューター70とプリンター1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12はプリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー13はCPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12はユニット制御回路14により各ユニットを制御する。なお、プリンター1内の状況を検出器群60が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー10は各ユニットを制御する。
【0017】
搬送ユニット20は、媒体Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時には搬送方向に所定の搬送量で媒体Sを搬送するためのものである。
キャリッジユニット30は、キャリッジ31に搭載されたヘッド41等を、搬送方向と交差する移動方向に移動するためのものである。
【0018】
ヘッドユニット40は、媒体Sにインクを吐出するためのものであり、図2に示すように、2つのヘッド41(第1ヘッド41(1)及び第2ヘッド41(2))を有する。各ヘッド41の下面には、インクを吐出する複数のノズルが搬送方向に所定の間隔(ノズルピッチD)おきに並んだノズル列Nlが4つずつ形成され、4つのノズル列Nlが移動方向に並んでいる。説明のため、移動方向の左側のノズル列Nlから順に、第1ノズル列Nl(1)、第2ノズル列Nl(2)、第3ノズル列Nl(3)、第4ノズル列Nl(4)と呼び、各ノズル列Nlに属するノズルのうち、搬送方向下流側のノズルから順に小さい番号を付す(#1、#2…#180)。
【0019】
各ヘッド41はそれぞれ5色のインク(YMCK・W)を吐出可能とし、第1ノズル列Nl(1)はイエローインク(Y)又は白インク(W)を選択的に吐出可能とし、第2ノズル列Nl(2)はマゼンタインク(M)を吐出可能とし、第3ノズル列Nl(3)はシアンインク(C)を吐出可能とし、第4ノズル列Nl(4)はブラックインク(K)を吐出可能とする。
【0020】
また、第1ヘッド41(1)(一のノズル列群に相当)は、第2ヘッド41(2)(他のノズル列群に相当)に対して、移動方向の左側にずれるとともに、搬送方向の下流側(所定方向の一方側に相当)にずれて位置する。また、第1ヘッド41(1)の搬送方向上流側の端部と第2ヘッド41(2)の搬送方向下流側の端部は重複している。ここでは、第1ヘッド41(1)の搬送方向上流側の2つの端部ノズル(#179,#180)と第2ヘッド41(2)の搬送方向下流側の2つの端部ノズル(#1,#2)の搬送方向の位置が等しいとする。よって、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)を合わせた状態で、複数のノズルが搬送方向にノズルピッチDおきに並ぶことになる。
【0021】
このように、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)の搬送方向の端部を重複させることで、第1ヘッド41(1)で形成される画像部位と第2ヘッド41(2)で形成される画像部位との繋ぎ目を目立ち難くすることができ、画像の画質を向上させることができる。ただし、これに限らず、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)の搬送方向の端部を重複させなくてもよい。例えば、第1ヘッド41(1)の搬送方向最上流側に位置するノズル#180に対して、第2ヘッド41(2)の搬送方向最下流側に位置するノズル#1が、ノズルピッチDだけ搬送方向上流側に位置するようにしてもよい。
【0022】
照射ユニット50は、媒体Sに着弾したUVインクに紫外線を照射して、UVインクを硬化させるためのものであり、仮照射部51と本照射部52を有する。なお、紫外線照射の光源として、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や、メタルハライドランプ、水銀ランプなどが挙げられる。
【0023】
仮照射部51a,51bは、図2に示すように、キャリッジ31の移動方向における両端部に設けられ、キャリッジ31の移動に伴って2つのヘッド41と共に移動方向に移動する。また、仮照射部51a,51bは、ヘッド41に設けられたノズル列と同様に、搬送方向に延びている。よって、移動方向への移動中に2つのヘッド41から吐出されたUVインクは、媒体Sに着弾すると直ぐに、仮照射部51a,51bにより紫外線が照射される。
【0024】
本照射部52は、キャリッジ31よりも搬送方向の下流側に固定して設けられている。本照射部52の移動方向の長さは媒体Sの移動方向の長さ以上であり、本照射部52は、下を通過する媒体S上のUVインクに紫外線を照射する。よって、媒体S上のUVインクは本照射部52により完全に硬化する。
【0025】
このようなプリンター1において、コントローラー10(制御部に相当)は、2つのヘッド41(複数のノズル列群に相当)と仮照射部51a,51bを媒体に対して移動方向(所定方向と交差する方向)に移動させながらノズルからインクを吐出させる吐出動作と、2つのヘッド41に対して媒体を搬送方向下流側に搬送させる搬送動作と、を繰り返し実行させる。その結果、先の吐出動作により形成されたドットの位置とは異なる媒体S上の位置に、後の吐出動作にてドットが形成されるため、媒体S上に2次元の画像が印刷される(画像が形成される)。以下、1回の吐出動作を「パス」とも呼ぶ。
【0026】
===インクの切り替え方法===
図3A及び図3Bは、インクの切り替え方法を説明する図である。図3Aは、2つのヘッド41(1),41(2)を搬送方向に見た断面図であり、第1ノズル列Nl(1)に供給されるインクの流路を示す。図3Bは、第1ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)を移動方向に見た断面図である。なお、図3Bでは、第1ノズル列Nl(1)に属するノズル数を7個に減らしている。
【0027】
各ヘッド41(1),41(2)は、4つのノズル列Nl(1)〜(4)が移動方向に並ぶ「ノズル列群」を有し、また、インクカートリッジ42(インク供給源)からヘッド41に供給されたインクを貯留する「共通インク室43」をノズル列Nl毎に有し、また、共通インク室43とノズルNzの間に位置し、共通インク室43ともノズルNzとも連通する「圧力室44」をノズルNz毎に有する。よって、あるノズル列に属する複数のノズル(#1〜#180)は同じ共通インク室43に連通し、その共通インク室43に充填されているインクが、あるノズル列に属する複数のノズルから吐出される。言い換えると、異なるノズル列に属するノズルは、互いに連通せず、異なる共通インク室43と連通する。
【0028】
なお、ノズルNzからのインク吐出方式は、各ノズルNzに対応する駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて圧力室44を膨張・収縮させることによりノズルNzからインクを吐出させるピエゾ方式でもよいし、発熱素子を用いてノズルNz内に気泡を発生させ、その気泡によってノズルNzからインクを吐出させるサーマル方式でもよい。
【0029】
また、前述のように、各ヘッド41(1),41(2)が有する4つのノズル列Nl(1)〜Nl(4)のうち、第2ノズル列Nl(2)はマゼンタインクを吐出可能とする。そのため、第2ノズル列Nl(2)に対応する共通インク室43は、供給チューブを介してマゼンタインクカートリッジ(不図示)と連通し、マゼンタインクが充填されている。また、第3ノズル列Nl(3)に対応する共通インク室43はシアンインクカートリッジと連通してシアンインクが充填されており、第4ノズル列Nl(4)に対応する共通インク室43はブラックインクカートリッジと連通してブラックインクが充填されている。
【0030】
一方、第1ノズル列Nl(1)はイエローインクと白インクを選択的に吐出可能とする。そのため、第1ノズル列Nl(1)に対応する共通インク室43(以下、「第1共通インク室」と呼ぶ)は、供給チューブ46を介して、イエローインクカートリッジ42(Y)と白インクカートリッジ42(W)に連通可能となっている。
【0031】
更に、第1ノズル列Nl(1)から吐出するインクを切り替えた際に、前に吐出していたインクが影響しないように、第1共通インク室43などを洗浄するための洗浄液も、第1共通インク室43に供給可能となっている。即ち、第1共通インク室43は、洗浄液を収容する洗浄液カートリッジ42(Wa)とも連通可能となっている。
【0032】
なお、洗浄液として、例えば、無色透明な液体が挙げられる。また、インクに含まれる色材以外の成分と同じ成分を含む液体を洗浄液にすることが好ましい。そうすることで、共通インク室43などに洗浄液が残留していたとしても、印刷時に及ぼす影響を小さくすることが出来る。
【0033】
このように、第1共通インク室43は、3つのカートリッジ42(Y),42(W),42(Wa)と連通可能である。そのため、3つのカートリッジ42の中の何れか1つのカートリッジ42からのインク又は洗浄液が第1共通インク室43に供給されるように、第1共通インク室43と3つのカートリッジ42との間の供給チューブ46上に切替弁45(セレクター)が設けられている。
【0034】
切替弁45の開閉を調整することで、第1共通インク室43に、イエローインクを供給することもできるし、白インクを供給することもできるし、洗浄液を供給することもできる。よって、第1ノズル列Nl(1)は、イエローインクと白インク(と洗浄液)を選択的に吐出可能となる。
【0035】
以下、第1ノズル列Nl(1)から吐出するインク(白インクとイエローインク)の具体的な切り替え方法について説明する。なお、第1ノズル列Nl(1)から吐出するインクを白インクからイエローインクに切り替える場合を例に挙げる。第1ノズル列Nl(1)から吐出するインクの色を切り替えるために、コントローラー10は、先ず、キャリッジ31をホームポジション(非印刷領域)に移動し、ヘッド41を廃インク受け部(不図示)と対向させる。
【0036】
次に、コントローラー10は、切替弁45を調整し、第1共通インク室43が白インクカートリッジ42(W)と連通している状態から、第1共通インク室43が洗浄液カートリッジ42(Wa)と連通する状態に切り替える。そして、コントローラー10は、第1ノズル列Nl(1)から廃インク受け部に向けて強制的にインクを吐出させる。この時、第1共通インク室43等に充填されていた白インクは廃インク受け部に排出され、代わりに、第1共通インク室43等には洗浄液が充填される。
【0037】
なお、第1ノズル列Nl(1)から強制的にインクを吐出させる方法として、例えば、第1ノズル列Nl(1)に属するノズルNzに対応する駆動素子に、インクを吐出させる駆動信号を与える方法が挙げられる。また、ヘッド41のノズル形成面と廃インク受け部との間に密閉空間を形成し、その密閉空間内を吸引ポンプ等で負圧にすることで、第1ノズル列Nl(1)から強制的にインクを吐出させる方法でもよい。
【0038】
そして、第1ノズル列Nl(1)が白インクを出し切るまでに要する時間が経過した後に、コントローラー10は、切替弁45を調整し、第1共通インク室43が洗浄液カートリッジ42(Wa)と連通している状態から、第1共通インク室43がイエローインクカートリッジ42(Y)と連通する状態に切り替える。そして、第1共通インク室43等に充填される液体が洗浄液からイエローインクに切り替わり、第1ノズル列Nl(1)からイエローインクが吐出され始めるまでに要する時間が経過した後に、コントローラー10は第1ノズル列Nl(1)からのインク吐出を停止する。
【0039】
こうして、第1ノズル列Nl(1)は、白インクを吐出可能な状態からイエローインクを吐出可能な状態に切り替わる。なお、第1ノズル列Nl(1)から吐出するインクをイエローインクから白インクに切り替える場合には、切替弁45の調整を逆にすればよい。
【0040】
なお、白インクを長時間放置すると、白インクの色材が沈降し、濃度が不均一となり、例えば、ノズルに目詰まり等が生じてしまう虞がある。そこで、印刷停止時には、第1共通インク室43等に、白インクでなく、洗浄液やイエローインクを充填するようにしてもよい。
【0041】
===印刷モード===
図4は、プリンター1が備える印刷モードを説明する図である。本実施形態のプリンター1は、ブラックインク(K)によるモノクロ画像を単独で媒体に形成する「モノクロモード」と、4色インク(YMCK)によるカラー画像を単独で媒体に形成する「カラーモード」と、モノクロ画像又はカラー画像である主画像に白インク(W)による背景画像を重ねて形成する「白使用モード」と、を備える。
【0042】
白使用モードのように、主画像に背景画像を重ねて印刷することで、例えば、媒体が白色でない場合に主画像の発色性を良くしたり、媒体が透明である場合に主画像の反対側が透けてしまうことを防止したりすることが出来る。
【0043】
また、白使用モードの場合、プリンター1は、更に、図4に示すように、表刷りモードと裏刷りモードを備える。「表刷りモード」は、主画像を印刷面側から視認するように印刷するモードであり、媒体の所定領域に対して主画像よりも背景画像を先に形成するモードである。一方、「裏刷りモード」は、媒体を介して主画像を視認するように印刷するモードであり、媒体の所定領域に対して背景画像よりも主画像を先に形成するモードである。
【0044】
===印刷方法===
<白使用モードの印刷方法>
図5A及び図5Bは、白使用モードの印刷方法を説明する図である。なお、図では説明の簡略のため、1ノズル列に属するノズル数を4個に減らし(#1〜#4)、第2ノズル列Nl(2)から第4ノズル列Nl(4)(3色のインクMCKを吐出するノズル列)をまとめて1つノズル列で示す。また、実際にはヘッド41に対して媒体が搬送方向下流側に搬送されるが、図5では、各パスのヘッド41の相対位置関係を示すために、ヘッド41を搬送方向上流側にずらして示す。
【0045】
また、ここでは、バンド印刷を例に挙げる。バンド印刷とは、1回のパスで形成されるバンド画像が搬送方向に並ぶ印刷方法であり、あるパスで印刷されたラスターライン(移動方向に沿うドット列)の間に他のパスのラスターラインが印刷されない印刷方法である。ただし、バンド印刷に限らず、例えば、インターレース印刷(あるパスで印刷されたラスターライン間に他のパスでラスターラインを印刷する印刷方法)を実施してもよいし、オーバーラップ印刷(1つのラスターラインを異なるパスの複数のノズルで印刷する印刷方法)を実施してもよい。
【0046】
図5Aは、背景画像の上に主画像を形成する「表刷りモード」の印刷方法を説明する図である。表刷りモードの場合、図5Aの左図に示すように、搬送方向下流側の第1ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)から第4ノズル列Nl(4)を、主画像を形成するための「主画像用ノズル列」とする。そして、第1ノズル列Nl(1)からイエローインクが吐出されるように、第1共通インク室43(第1ノズル列Nl(1)に対応する共通インク室43)にイエローインクが充填されている状態にする。
一方、搬送方向上流側の第2ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)を、背景画像を形成するための「背景画像用ノズル列」とし、第2ノズル列Nl(2)から第4ノズル列Nl(4)を「不使用ノズル列」とする。そして、第1ノズル列Nl(1)から白インクが吐出されるように、第1共通インク室43に白インクが充填されている状態にする。
【0047】
バンド印刷では、1回のパスで印刷される1つの画像の搬送方向の長さが媒体搬送量に相当するので、ここでは媒体搬送量が4Dとなる。そして、上述のノズル設定で画像を印刷する吐出動作と、媒体を搬送方向下流側に搬送量4Dで搬送する搬送動作と、を繰り返すことで、図5Aの右図のように印刷が行われる。
【0048】
例えば、搬送方向の位置が図の位置Aである媒体部位は、パス1で、背景画像用ノズル列(第2ヘッド41(2)のW)と対向し、位置Aの媒体部位には背景画像が形成される。その後、位置Aの媒体部位は、次のパス2で、主画像用ノズル列(第1ヘッド41(1)のYMCK)と対向し、位置Aの媒体部位の背景画像上に主画像が重ねて形成される。
【0049】
図5Bは、主画像の上に背景画像を形成する「裏刷りモード」の印刷方法を説明する図である。裏刷りモードの場合、図5Bの左図に示すように、第1ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)を「背景画像用ノズル列」とし、第2ノズル列Nl(2)から第4ノズル列Nl(4)を「不使用ノズル列」とする。そして、第1ノズル列Nl(1)から白インクが吐出されるように、第1共通インク室43に白インクが充填されている状態にする。一方、第2ヘッド41(2)の第1ノズル列Nl(1)から第4ノズル列Nl(4)を「主画像用ノズル列」とする。そして、第1ノズル列Nl(1)からイエローインクが吐出されるように、第1共通インク室43にイエローインクが充填されている状態にする。
【0050】
その結果、図5Bの右図のように印刷が行われる。例えば、搬送方向の位置が図の位置Aである媒体部位は、パス1で、主画像用ノズル列(第2ヘッド41(2)のYMCK)と対向し、位置Aの媒体部位には主画像が形成される。その後、位置Aの媒体部位は、次のパス2で、背景画像用ノズル列(第1ヘッド41(1)のW)と対向し、位置Aの媒体部位の主画像上に背景画像が重ねて形成される。
【0051】
このように、主画像と背景画像を重ねて印刷する場合に、媒体の所定領域に対して先に印刷する画像(下層画像)を搬送方向上流側の第2ヘッド41(2)が印刷し、媒体の所定領域に対して後に印刷する画像(上層画像)を搬送方向下流側の第1ヘッド41(1)が印刷するようにする。そうすることで、媒体の所定領域は、上層画像を印刷する第1ヘッド41(1)よりも先のパスで、下層画像を印刷する第2ヘッド41(2)と対向するため、下層画像の上に上層画像を重ねて印刷することができる。つまり、モードに応じた順に、主画像と背景画像を異なるパスで重ねて印刷することができる。
【0052】
<印刷の流れ>
図6は、印刷の流れを説明するフローである。前述のように、本実施形態のプリンター1は、印刷モードとして、モノクロ画像を単独で印刷する「モノクロモード」と、カラー画像を単独で印刷する「カラーモード」と、主画像に背景画像を重ねる「白使用モード(表刷りモード・裏刷りモード)」と、を備える。
【0053】
そのため、プリンター1のコントローラー10は、コンピューター70から印刷指令及び印刷データを受信すると、何れの印刷モードに応じて画像を印刷すれば良いのかを判断する。例えば、ユーザーが設定した印刷モード情報やプリンタードライバーが印刷データに基づいて決定した印刷モード情報からコントローラー10が印刷モードを判断するようにしてもよいし、コントローラー10自身が印刷データに基づいて印刷モードを決定するようにしてもよい。そして、その印刷モードに応じて、コントローラー10は印刷を制御する。
【0054】
具体的に説明すると、図6に示すように、コントローラー10は、先ず、印刷モードが「白使用モード」であるか否かを判断し(S01)、印刷モードが白使用モードでない場合には(S01→N)、次に、印刷モードが「カラーモード」であるか否かを判断する(S02)。
【0055】
本実施形態のプリンター1では、図2に示すように、常に、第1ヘッド41(1)の第4ノズル列Nl(4)と第2ヘッド41(2)の第4ノズル列Nl(4)が、ブラックインクを吐出可能な状態となっている。従って、コントローラー10は、印刷モードがカラーモードでないと判断した場合(S02→N)、即ち、印刷モードが「モノクロモード」であると判断した場合、第1ヘッド41(1)のブラックノズル列(Nl(4))と第2ヘッド41(2)のブラックノズル列(Nl(4))を使用して、媒体にブラック画像を印刷させる(S03)。
【0056】
2つのヘッド41(1),41(2)を使用して画像を印刷する方が、1つのヘッド41だけを使用して画像を印刷する場合に比べて、印刷時間を短縮することができる。よって、印刷モードがモノクロモードである場合、「高速のモノクロモード」で画像が印刷される。
【0057】
一方、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)の各第1ノズル列Nl(1)は、白インクとイエローインクを選択的に吐出可能とする。即ち、イエローインクは、2つのヘッド41(1),41(2)から常に吐出される訳ではない。また、白使用モード時にだけ白インクが使用され、白使用モードでは、図5に示すように、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)のうちの何れか一方のヘッド41だけから白インクが吐出される。即ち、白インクは、2つのヘッド41(1),41(2)に同時に充填されている事はない。即ち、一方のヘッド41の第1ノズル列Nl1(1)が白インクを吐出可能な状態であれば、他方のヘッド41の第1ノズル列Nl(1)はイエローインクを吐出可能な状態となっている。
【0058】
そのため、コントローラー10は、印刷モードが「カラーモード」であると判断した場合(S02→Y)、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)の何れか一方の第1ノズル列Nl(1)が、白インクを吐出可能な状態であるか否かを判断する(S04)。言い換えると、コントローラー10は、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)の何れか一方に白インクが充填されているか否かを判断する(詳しく言えば、2つのヘッド41(1),41(2)の何れか一方の第1ノズル列Nl(1)に属する複数のノズルが連通する共通インク室43に白インクが充填されているか否かを判断する)。
【0059】
何れのヘッド41にも白インクが充填されていない場合(S04→N)、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)の各第1ノズル列Nl(1)が共にイエローインクを吐出可能な状態であるため、コントローラー10は、第1ヘッド41(1)の4色ノズル列(YMCK)と第2ヘッド41(2)の4色ノズル列(YMCK)を使用して、媒体にカラー画像を印刷させる。即ち、「高速のカラーモード」でカラー画像が印刷される(S05)。
【0060】
2つのヘッド41(1),41(2)のうちの一方のヘッド41に白インクが充填されている場合(S04→Y)、コントローラー10は、イエローインクを吐出可能な他方のヘッド41の4色ノズル列(YMCK)だけを使用して、媒体にカラー画像を印刷させる。即ち、「通常の速度のカラーモード」でカラー画像が印刷される(S06)。
【0061】
また、コントローラー10は、印刷モードが「白使用モード」であると判断した場合(S01→Y)、次に、印刷モードが「表刷りモード」であるか否かを判断する(S07)。表刷りモードの場合(S07→Y)、本実施形態のプリンター1は、図5Aに示すように、搬送方向上流側の第2ヘッド41(2)により背景画像を印刷し、搬送方向下流側の第1ヘッド41(1)により主画像を印刷する。
【0062】
そのため、コントローラー10は、第1ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)がイエローインクを吐出可能な状態にあるか否かを、即ち、第1ヘッド41(1)にイエローインクが充填されているか否かを判断する(S08)。第1ヘッド41(1)にイエローインクが充填されていない場合(S08→N)、コントローラー10は、前述のインクの切り替え方法に基づいて、第1ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)からイエローインクが吐出されるようにする(S09)。
【0063】
次に、コントローラー10は、第2ヘッド41(2)の第1ノズル列Nl(1)が白インクを吐出可能な状態にあるか否かを、即ち、第2ヘッド41(2)に白インクが充填されているか否かを判断する(S10)。第2ヘッド41(2)に白インクが充填されていない場合(S10→N)、コントローラー10は、第2ヘッド41(2)の第1ノズル列Nl(1)から白インクが吐出されるようにする(S11)。そうして、コントローラー10は、図5Aに示すように、第1ヘッド41(1)の4色ノズル列(YMCK)と第2ヘッド41(2)の白ノズル列(W)を使用して、背景画像上に主画像を重ねて印刷する(S12)。
【0064】
一方、裏刷りモードの場合(S07→N)、本実施形態のプリンター1は、図5Bに示すように、搬送方向上流側の第2ヘッド41(2)により主画像を印刷し、搬送方向下流側の第1ヘッド41(1)により背景画像を印刷する。そのため、コントローラー10は、第1ヘッド41(1)に白インクが充填されているか否かを判断し(S13)、白インクが充填されていない場合には(S13→N)、第1ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)から白インクが吐出されるようにする(S14)。
【0065】
また、コントローラー10は、第2ヘッド41(2)にイエローインクが充填されているか否かを判断し(S15)、イエローインクが充填されていない場合には(S15→N)、第2ヘッド41(2)の第1ノズル列Nl(1)からイエローインクが吐出されるようにする(S16)。そうして、コントローラー10は、図5Bに示すように、第1ヘッド41(1)の白ノズル列(W)と第2ヘッド41(2)の4色ノズル列(YMCK)を使用して、主画像上に背景画像を重ねて印刷する(S17)。
【0066】
<まとめ>
本実施形態のプリンター1では、第1ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)と第2ヘッド41(2)の第1ノズル列Nl(1)が、イエローインクと白インクを選択的に吐出可能である。
【0067】
そして、プリンター1は、印刷モードが、媒体の所定領域に対して主画像よりも背景画像を先に形成する「白使用・表刷りモード(第1のモードに相当)」である場合、第1ヘッド41(1)(一のノズル列群に相当)の中の第1ノズル列Nl(1)(第1のノズル列に相当)に属する複数のノズルが連通する共通インク室43に、イエローインク(主画像を形成するインク)を充填し、第2ヘッド41(2)(他のノズル列群に相当)の中の第1ノズル列Nl(1)(第2のノズル列に相当)に属する複数のノズルが連通する共通インク室43に、白インク(背景画像を形成するインク)を充填し、2つのヘッド41(1),41(2)を使用して画像を印刷する。
【0068】
一方、印刷モードが、媒体の所定領域に対して背景画像よりも主画像を先に形成する「白使用・裏刷りモード(第2のモードに相当)」である場合、プリンター1は、第1ヘッド41(1)の中の第1ノズル列Nl(1)に属する複数のノズルが連通する共通インク室43に白インクを充填し、第2ヘッド41(2)の中の第1ノズル列Nl(1)に属する複数のノズルが連通する共通インク室43にイエローインクを充填し、2つのヘッド41(1),41(2)を使用して画像を印刷する。
【0069】
つまり、本実施形態のプリンター1では、第1ヘッド41(1)及び第2ヘッド41(2)の各第1ノズル列Nl(1)から吐出するインクの種類を印刷モードに応じて切り替え可能とし、第1ヘッド41(1)及び第2ヘッド41(2)の各第1ノズル列Nl(1)が、主画像を印刷するためのノズル列と背景画像を印刷するためのノズル列の両方の役割を担うようにする。
【0070】
そうすることで、主画像を印刷するためのノズル列(YMCK)に加えて背景画像を印刷するためのノズル列(W)を別に設けたプリンターに比べて、本実施形態のプリンター1の方が、プリンター1に設けるノズル列の数を減らすことができる。
【0071】
ノズル列の数を減らすことで、例えば、装置を小型化できる。また、主画像と背景画像を重ねないプリンターで使用するヘッド(例えば、主画像を印刷するための4つのノズル列(YMCK)を有するヘッド)を、本実施形態のプリンター1でも使用することができる。即ち、ヘッドを共通化でき(汎用のヘッドを使用することができ)、コストダウンを図れる。
【0072】
また、本実施形態のプリンター1では、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)が、それぞれ、主画像を形成するインクとして複数色の同色のインクを吐出可能とする(ここでは、2つのヘッド41が共に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを吐出可能とする)。そして、第1ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)と第2ヘッド41(2)の第1ノズル列Nl(1)が、主画像を形成するために吐出するインクの色を同じにする(ここでは、イエローとする)。
【0073】
そうすることで、第1ノズル列Nl(1)から白インクが吐出される状態のヘッド41と、第1ノズル列Nl(1)からイエローインクが吐出される状態のヘッド41とで、第1ノズル列Nl(1)以外のノズル列から吐出されるインクの色(ここでは、マゼンタ、シアン、ブラック)を同じにすることができる。これらの色インクは常に2つのヘッド41(1),41(2)から吐出可能であるため、これらの色の画像を2つのヘッド41(1),41(2)を使用して常に高速に印刷することができる。
【0074】
つまり、第1ノズル列Nl(1)から吐出されるインクの色以外の色の画像は、白インクが充填されているか否かにかかわらず、高速に印刷できる。よって、2つのヘッド41(1),41(2)の各第1ノズル列Nl(1)から吐出されるインクの色を同じにすることで、高速に印刷できる画像の色を増やすことができる。
【0075】
なお、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)が主画像を形成するために吐出するインクの色(YMCK)を全て同じにするに限らず、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)が異なる色のインクを一部吐出するようにしてもよい。
【0076】
また、第1ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)と第2ヘッド41(2)の第1ノズル列Nl(1)が主画像を形成するために吐出するインクの色を、ブラック以外の色(ここでは、イエロー)とする。そして、印刷モードが、背景画像は形成せずにモノクロ画像を媒体に形成する「モノクロモード(第3のモードに相当)」である場合、第1ヘッド41(1)の中のブラックインクを吐出するノズル列と、第2ヘッド41(2)の中のブラックインクを吐出するノズル列と、を使用して画像を印刷する。
【0077】
そうすることで、2つのヘッド41(1),41(2)の何れか一方に白インクが充填されているか否かにかかわらず、モノクロ画像を高速に印刷することができる。よって、この印刷方法では、モノクロモードを実行する頻度がカラーモードを実行する頻度よりも多いユーザーにとって有効な印刷方法となる。
【0078】
また、印刷モードが、背景画像は形成せずにカラー画像を媒体に形成する「カラーモード(第4のモードに相当)」である場合であって、第1ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)と第2ヘッド41(2)の第1ノズル列Nl(1)とがそれぞれ対応する共通インク室43の両方に白インクが充填されていない場合、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)を使用して媒体に画像を印刷する。
また、第1ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)と第2ヘッド41(2)の第1ノズル列Nl(1)とがそれぞれ対応する共通インク室43の一方に白インクが充填されている場合、共通インク室43にイエローインクが充填されている第1ノズル列Nl(1)を有するヘッド41を使用して媒体に画像を印刷する。
【0079】
2つのヘッド41(1),41(2)を使用してカラー画像を印刷するために、第1ノズル列Nl(1)から吐出するインクを白インクからイエローインクに切り替える処理を実行すると、印刷以外の用途にインクが消費され、また、インクの切り替え処理に所定の時間を要し、印刷開始時間が遅れてしまう。
【0080】
そのため、本実施形態のプリンター1では、2つのヘッド41(1),41(2)が共にイエローインク(カラー画像を形成するための全インク)を吐出可能な状態であれば、2つのヘッド41(1),41(2)を使用して画像を印刷する。そうすることで、カラー画像を高速に印刷することができる。逆に、一方のヘッド41だけがイエローインクを吐出可能な状態であれば、そのヘッド41だけを使用して画像を印刷する。そうすることで、印刷以外の用途でのインク消費を抑え、印刷開始時間の遅れを防止できる。
【0081】
===変形例===
<変形例1>
前述の実施例では、第1ノズル列Nl(1)がブラック以外の色(YMC)のうちのイエローインクと白インクとを選択的に吐出するようにしているが、これに限らず、例えば、第1ノズル列Nl(1)がマゼンタインクと白インクを選択的に吐出するようにしてもよいし、第1ノズル列Nl(1)がシアンインクと白インクを選択的に吐出するようにしてもよい。これらの場合であっても、2つのヘッド41(1),41(2)を使用して、高速にモノクロ画像を印刷することができる。
【0082】
<変形例2>
前述の実施例では、第1ヘッと41(1)と第2ヘッド41(2)の各第1ノズル列Nl(1)が主画像を形成するために吐出するインクの色を同じイエローにしているが、これに限らない。主画像を形成するために、第1ヘッド41(1)の第1ノズル列Nl(1)が吐出するインクの色と、第2ヘッド41(2)の第1ノズル列Nl(1)が吐出するインクの色とを、異ならせてもよい。
【0083】
<変形例3>
前述の実施例では、プリンター1が5色のインク(白、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を吐出するとしているが、これに限らない。上記の5色のインク(WYMCK)に加えて、2色の淡インク(淡シアン、淡マゼンタ)を吐出するプリンター1でもよく、この場合、第1ノズル列Nl(1)が淡インクと白インクを選択的に吐出するようにするとよい。
【0084】
また、上記の5色のインク(WYMCK)に加えて、クリアインク(例えば、画像をコーティングするための無色透明なインク)を吐出するプリンター1でもよく、この場合、第1ノズル列Nl(1)がクリアインクと白インクを選択的に吐出するようにするとよい。
【0085】
そうすることで、4色インク(YMCK)によるカラー画像を、2つのヘッド41(1),41(2)を使用して、高速に印刷することができる。
【0086】
<変形例4>
前述の実施例では、第1ノズル列Nl(1)がブラック以外のインクと白インクを選択的に吐出するようにしているが、これに限らず、第1ノズル列Nl(1)がブラックインクと白インクを選択的に吐出するようにしてもよい。この場合、ヘッド41(1),41(2)に白インクが充填されているか否かにかかわらず、3色インク(YMC)によるカラー画像を常に高速に印刷することができる。
【0087】
ただし、2つのヘッド41(1),41(2)の何れか一方に白インクが充填されている場合、ブラックインクが充填されている方のヘッド41だけを使用して、通常の速度でモノクロ画像を印刷することになる。又は、白インクが充填されている方のヘッド41の第1ノズル列Nl(1)が吐出するインクを切り替えた後に、高速にモノクロ画像を印刷することになる。よって、カラーモードを実行する頻度がモノクロモードを実行する頻度よりも多いユーザーにとって有効な印刷方法となる。
【0088】
また、第1ノズル列Nl(1)がブラックインクと白インクを選択的に吐出するようにした場合において、2つのヘッド41(1),41(2)の何れか一方に白インクが充填されている場合に、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)の各3色のノズル列(YMC)を使用して、コンポジットブラックの画像を印刷するようにしてもよい。そうすることで、第1ノズル列Nl(1)が吐出するインクの色を白からブラックに切り替えることなく、高速に(コンポジットブラックの)モノクロ画像を印刷することができる。ただし、ブラックインクによるモノクロ画像とコンポジットブラックによるモノクロ画像とで、色味が異なってしまう。
【0089】
<変形例5>
前述の実施例では、2つのヘッド41(1),41(2)の何れか一方に白インクが充填されている場合(図6のS04→Y)、白インクが充填されていない方のヘッド41だけを使用して、通常の速度でカラー画像を印刷しているが、これに限らない。例えば、白インクが充填されている方のヘッド41の第1ノズル列Nl(1)が吐出するインクを切り替えて、常に、2つのヘッド41(1),41(2)を使用して、高速にカラー画像を印刷するようにしてもよい。
【0090】
ただし、白インクが充填されている方のヘッド41の第1ノズル列Nl(1)が吐出するインクを切り替えると、印刷以外の用途でインクを消費し、印刷開始時間が遅れてしまう。そこで、印刷するカラー画像のページ数が閾値以上であれば、白インクが充填されている方のヘッド41の第1ノズル列Nl(1)が吐出するインクを切り替えて、2つのヘッド41(1),41(2)を使用して、高速にカラー画像を印刷するようにし、印刷するカラー画像のページ数が閾値未満であれば、イエローインクが充填されている方のヘッド41だけを使用して通常の速度でカラー画像を印刷するようにする。
【0091】
即ち、たとえインクの切り替え処理を実行したとしても2つのヘッド41(1),41(2)を使用して高速にカラー画像を印刷する方が、1つのヘッド41でカラー画像を印刷する場合に比べて、全体の印刷時間を短縮できる場合に、インクの切り替え処理を行うようにする。そうすることで、カラー画像の印刷時間を短縮しつつ、印刷以外の用途でのインク消費を抑えることができる。
【0092】
<変形例6>
前述の実施例では、2つのヘッド41(1),41(2)を使用して印刷することができる場合(例えば、モノクロモードの場合)、2つのヘッド41(1),41(2)を使用して高速に画像を印刷しているが、これに限らず、背景画像を印刷しないモノクロモードおよびカラーモードでは、何れか一方のヘッド41だけを使用するようにしてもよい。
【0093】
また、その場合、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)を搬送方向に離して、第1ヘッド41(1)と第2ヘッド41(2)との搬送方向の間にインクが吐出されない非吐出領域を設けるようにしてもよい。そうすることで、白使用モードにおいて、媒体の所定領域に対して第2ヘッド41(2)により下層画像が印刷された後、媒体の所定領域上の下層画像を非吐出領域と対向させることができる。よって、下層画像は、非吐出領域と対向している間に、仮照射部51a,51bからの紫外線により十分に硬化することができる。よって、下層画像が十分に硬化した状態で上層画像を重ねて印刷することができ、画像の品質低下を抑制できる。
【0094】
また、UVインクを使用しない場合であっても、下層画像が印刷されてから上層画像が重ねて印刷されるまでの時間を長くすることで、下層画像が十分に乾燥した状態で上層画像を重ねることができ、画像の品質低下を抑制できる。
【0095】
<変形例7>
前述の実施例(図3)では、切替弁45により、第1ノズル列Nl(1)がイエローインクと白インクを選択的に吐出可能となるようにしているが、これに限らない。例えば、インクを切り替える際に、ヘッド41内を洗浄し、インクカートリッジごと交換するようにしてもよい。また、第1ノズル列Nl(1)を洗浄液カートリッジ42(Wa)と連通させなくてもよい。
【0096】
<変形例8>
前述の実施例では、背景画像を白インクのみで印刷しているが、これに限らない。白インクの種類によって白色の色味が若干異なるため、白インクのみで印刷すると、その白インクの色そのものの色が背景画像の色となってしまう。また、単純な白色ではなく、若干の有彩色を有する背景画像が所望されることもある。そこで、白インクと共に少量の有色インク(YMCKの何れか3色)を適宜使用して、所望の白色の背景画像(調整された白色の背景画像)を印刷するようにしてもよい。また、逆に、白インクに4色インクを混ぜることで、白インクが有する若干の色彩を打ち消すようにしてもよい。これらの場合、例えば、図5Aの印刷方法であれば、第2印刷ヘッド41(2)の第2ノズル列Nl(2)〜第4ノズル列Nl(4)が背景画像の色味を調整するノズル列となる。
また、背景画像を白色とするに限らず、白インク以外の色インク(例えば、メタリック系のインク)によって背景画像を印刷してもよい。
【0097】
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主として画像形成装置について記載されているが、画像形成方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【0098】
<インクについて>
前述の実施形態では、光硬化型インクとして紫外線硬化型インク(UVインク)を例に挙げているが、これに限らず、例えば、可視光を照射すると硬化するインクでもよい。また、光硬化型インクに限らず、例えば、媒体に浸透する水系インクや有機溶剤系インクでもよい。
【0099】
<プリンターについて>
前述の実施形態では、移動方向に移動するヘッドからインクを吐出する吐出動作と媒体を搬送方向に搬送する搬送動作を繰り返すプリンターを例に挙げているが、これに限らない。例えば、印刷領域に搬送された連続用紙に対して、ヘッドを媒体搬送方向に移動しながら画像を形成する動作と、ヘッドを紙幅方向に移動する動作と、を繰り返して画像を形成し、その後、未だ印刷されていない媒体部分を印刷領域に搬送するプリンターであってもよい。
【0100】
<白色について>
本明細書において「白色」とは、可視光線のすべての波長を100%反射する物体の表面色である厳密な意味での白色に限らず、いわゆる「白っぽい色」のように、社会通念上、白色と呼ばれる色を含むものとする。「白色」とは、例えば、(1)x-rite社製の測色機eye-one Proを用いて、測色モード:スポット測色、光源:D50、バッキング:Black、印刷媒体:透明フィルムで測色した場合に、Lab系での標記がa**平面上で半径20の円周及びその内側にあり、かつL*が70以上で表される色相範囲内の色か、(2)ミノルタ製の測色計CM2022を用いて測定モードD502°視野、SCFモード、白地バックで測色した場合に、Lab系での標記がa**平面上で半径20の円周及びその内側にあり、かつL*が70以上で表される色相範囲内の色か、(3)特開2004−306591号公報に記載されているように画像の背景として用いられるインクの色をいい、背景として用いられるのであれば純粋な白に限られない。
【符号の説明】
【0101】
1 プリンター、10 コントローラー、11 インターフェース部、
12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
40 ヘッドユニット、41(1) 第1ヘッド、41(2) 第2ヘッド、
42 インクカートリッジ、43 共通インク室、44 圧力室、
45 切替弁、Nz ノズル、
50 照射ユニット、51a 第1仮照射部、51b 第2仮照射部、
52 本照射部、60 検出器群、70 コンピューター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一のノズル列群が他のノズル列群に対して所定方向の一方側にずれて位置する複数のノズル列群であって、各前記ノズル列群では複数の前記ノズル列が前記所定方向と交差する方向に並び、各前記ノズル列ではインクを吐出する複数のノズルが前記所定方向に並ぶとともに前記複数のノズルが共通インク室に連通している複数のノズル列群と、
前記複数のノズル列群と媒体とを前記交差する方向に相対移動させながら前記ノズルから前記インクを吐出させる吐出動作と、前記複数のノズル列群に対する前記媒体の相対位置を前記所定方向の一方側に移動させる搬送動作とを、繰り返し実行させる制御部と、
を備え、
前記一のノズル列群の中の第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に主画像を形成するインクを充填し、前記他のノズル列群の中の第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記主画像の背景画像を形成するインクを充填し、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群を使用して、前記媒体の所定領域に対して前記主画像よりも前記背景画像を先に形成する第1のモードと、
前記第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記背景画像を形成するインクを充填し、前記第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記主画像を形成するインクを充填し、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群を使用して、前記媒体の所定領域に対して前記背景画像よりも前記主画像を先に形成する第2のモードと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記一のノズル列群と前記他のノズル列群は、それぞれ、前記主画像を形成するインクとして複数色の同色のインクを吐出可能とし、
前記第1のノズル列から吐出する前記主画像を形成するインクの色と、前記第2のノズル列から吐出する前記主画像を形成するインクの色とが、同じである、
画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記第1のノズル列及び前記第2のノズル列からそれぞれ吐出する前記主画像を形成するインクの色は、ブラック以外の色であり、
前記一のノズル列群の中のブラックインクを吐出する前記ノズル列と、前記他のノズル列群の中のブラックインクを吐出する前記ノズル列と、を使用して、前記背景画像は形成せずにモノクロ画像である前記主画像を前記媒体に形成する第3のモードを備える、
画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室と前記第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室との両方に前記背景画像を形成するインクが充填されていない場合には、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群を使用し、
前記第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室と前記第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室とのうちの一方に前記背景画像を形成するインクが充填されている場合には、前記第1のノズル列と前記第2のノズル列とのうちで前記共通インク室に前記主画像を形成するインクが充填されている方のノズル列を有するノズル列群を使用して、
前記背景画像は形成せずにカラー画像である前記主画像を前記媒体に形成する第4のモードを備える、
画像形成装置。
【請求項5】
一のノズル列群が他のノズル列群に対して所定方向の一方側にずれて位置する複数のノズル列群であって、各前記ノズル列群では複数の前記ノズル列が前記所定方向と交差する方向に並び、各前記ノズル列ではインクを吐出する複数のノズルが前記所定方向に並ぶとともに前記複数のノズルが共通インク室に連通している複数のノズル列群と、
前記複数のノズル列群と媒体とを前記交差する方向に相対移動させながら前記ノズルから前記インクを吐出させる吐出動作と、前記複数のノズル列群に対する前記媒体の相対位置を前記所定方向の一方側に移動させる搬送動作とを、繰り返し実行させる制御部と、
を備える画像形成装置の画像形成方法であって、
前記媒体の所定領域に対して前記主画像よりも前記背景画像を先に形成する場合には、前記一のノズル列群の中の第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に主画像を形成するインクを充填し、前記他のノズル列群の中の第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記主画像の背景画像を形成するインクを充填し、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群を使用して前記媒体に画像を形成することと、
前記媒体の所定領域に対して前記背景画像よりも前記主画像を先に形成する場合には、前記第1のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記背景画像を形成するインクを充填し、前記第2のノズル列に属する前記複数のノズルが連通する前記共通インク室に前記主画像を形成するインクを充填し、前記一のノズル列群と前記他のノズル列群を使用して前記媒体に画像を形成することと、
を備えることを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−236357(P2012−236357A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107462(P2011−107462)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】