説明

画像形成装置、画像形成方法およびプログラム

【課題】コード検出機能と既存の画像編集機能を共存可能な画像形成装置、画像形成方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】画像を読み取る範囲である読取範囲の指定を受け付ける操作表示制御部201と、読取範囲に加えてコード領域の画像を読み取る制御を行う読取制御部208と、コード領域の画像から出力禁止を示すバーコードを検出するコード検出部209と、読取範囲の画像を印刷する印刷制御部210と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の画像編集機能とコード検出機能を共存可能とする画像形成装置、画像形成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、QRコード(Quick Response code)のような2次元コードや、バーコードのような1次元コードを含むコードを検出する機能(以下、コード検出機能という。)を備え、検出したコードに埋め込まれた情報を元に、コピーやメール送信などの画像の複製を防止する抑制機能(以下、抑制機能という。)を実行する画像形成装置が知られている。そして、通常、このような画像形成装置には画像編集機能が備えられている。ここで、画像編集機能とは、コピー機能やスキャナ機能等の画像処理機能に付属する機能であって、画像処理の対象となる範囲の限定や入れ替え等により画像を編集する機能のことである。例えば、読取範囲の指定がある。
【0003】
コードは通常、スキャナにセットされる用紙向きの違いによるコードの読み落としを防止するため、原稿の4隅のいずれかに印刷される。そして、コード検出機能は、スキャナにより原稿の4隅を読み取りコードを検出するという方法で実現される。
【0004】
例えば、抑制機能を確実に実行する目的で、原稿上のQRコードを検出し、QRコードに埋め込まれた情報を元に、印刷者に出力権限があるかどうかを確認し、出力権限がない場合に印刷を禁止する方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術では、コード検出機能を画像編集機能と共存させた場合、原稿の4隅を取り込めないケースが生じコードが読み落とされる結果、コード検出機能が機能しないという問題があった。例えば、圧板印刷において読取範囲指定され、読取範囲外にコードが存在する場合、画像の一部を消去する指定がされ、消去される範囲にコードが存在する場合、また、両面原稿のうち、コードが存在しない片面だけがコピー指定された場合等がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コード検出機能と既存の画像編集機能を共存可能な画像形成装置、画像形成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像形成装置は、画像を読み取る範囲の指定を受け付ける範囲指定受付部と、指定を受け付けた前記範囲に加えて所定の領域の画像を読み取る制御を行う読取制御部と、読み取られた前記領域の画像から、前記範囲の画像に対する処理を定めた情報が埋め込まれたコードを検出する検出部と、読み取られた前記範囲の画像を出力する画像出力部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる画像形成装置は、読み取らない範囲の指定を受け付ける範囲指定受付部と、指定を受け付けた前記範囲を除外した範囲に加えて所定の領域の画像を読み取る制御を行う読取制御部と、読み取られた前記領域の画像から前記範囲の画像に対する処理を定めた情報が埋め込まれたコードを検出する検出部と、読み取られた前記範囲の画像を出力する画像出力部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる画像形成方法は、画像を読み取る範囲の指定を受け付ける範囲指定受付ステップと、指定を受け付けた前記範囲に加えて所定の領域の画像を読み取る制御を行う読取制御ステップと、読み取られた前記領域の画像から、前記範囲の画像に対する処理を定めた情報が埋め込まれたコードを検出する検出ステップと、読み取られた前記範囲の画像を出力する画像出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる画像形成方法は、読み取らない範囲の指定を受け付ける範囲指定受付ステップと、指定を受け付けた前記範囲を除外した範囲に加えて所定の領域の画像を読み取る制御を行う読取制御ステップと、読み取られた前記領域の画像から前記範囲の画像に対する処理を定めた情報が埋め込まれたコードを検出する検出ステップと、読み取られた前記範囲の画像を出力する画像出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、画像を読み取る範囲の指定を受け付ける範囲指定受付ステップと、指定を受け付けた前記範囲に加えて所定の領域の画像を読み取る制御を行う読取制御ステップと、読み取られた前記領域の画像から、前記範囲の画像に対する処理を定めた情報が埋め込まれたコードを検出する検出ステップと、読み取られた前記範囲の画像を出力する画像出力ステップ、として実行させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、読み取らない範囲の指定を受け付ける範囲指定受付ステップと、指定を受け付けた前記範囲を除外した範囲に加えて所定の領域の画像を読み取る制御を行う読取制御ステップと、読み取られた前記領域の画像から前記範囲の画像に対する処理を定めた情報が埋め込まれたコードを検出する検出ステップと、読み取られた前記範囲の画像を出力する画像出力ステップ、として実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コード検出機能を既存の画像編集機能と共存させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施の形態1にかかるCPU101のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、バーコード配置位置の一例を示す説明図である。
【図4】図4は、ユーザにより指定された読取範囲の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、実施の形態1にかかる画像形成装置によるコード検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、原稿画像の読取範囲とコード領域の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、読取制御部208により取得された原稿画像と、原稿画像に含まれる読取範囲の一例を示す図である。
【図8】図8は、実施の形態2にかかるCPU101のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、実施の形態2にかかる画像形成装置によるコード検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】図10は、コード領域と読取範囲の一例を示す説明図である。
【図11】図11は、読取制御部208により取得された画像の一例を示す図である。
【図12】図12は、読取制御部208による読取処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、原稿読取開始前の原稿と走行体の位置関係を示す説明図である。
【図14】図14は、原稿読取における走行体の移動方向を示す説明図である。
【図15】図15は、読取範囲とコード領域の距離を示す説明図である。
【図16】図16は、連続走査領域が原稿全面である場合の走行体の移動速度を示す図である。
【図17】図17は、連続走査領域の一例を示す図である。
【図18】図18は、連続走査領域が画像2と画像3である場合の走行体の移動速度を示す図である。
【図19】図19は、連続走査領域である画像2と画像3を示す図である。
【図20】図20は、連続走査領域が画像1と画像4である場合の走行体の移動速度を示す図である。
【図21】図21は、後端領域の座標を示す図である。
【図22】図22は、連続走査領域が画像1と画像3と画像4である場合の走行体の移動速度を示す図である。
【図23】図23は、連続走査領域である画像1と画像3と画像4を示す図である。
【図24】図24は、実施の形態3にかかるCPU101のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図25】図25は、実施の形態3にかかる画像形成装置によるコード検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】図26は、実施の形態4にかかるCPU101のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図27】図27は、実施の形態4にかかる画像形成装置によるコード検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図28】図28は、消去範囲の一例を示す説明図である。
【図29】図29は、消去範囲を消去して得られる画像の一例を示す説明図である。
【図30】図30は、読取制御部208により読み取られた画像の一例を示す図である。
【図31】図31は、コード領域の一例を示す説明図である。
【図32】図32は、消去範囲を消去して得られた画像の一例を示す説明図である。
【図33】図33は、原稿内の任意の矩形が消去範囲として指定された両面原稿の一例を示す説明図である。
【図34】図34は、消去範囲とコード領域の位置関係を示す説明図である。
【図35】図35は、原稿のセンターが消去範囲として指定された原稿の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態においては、本発明における画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機(MFP:Multi Function Peripherals)に適用した例を示すが、これに限定されることなく、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、スキャナ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像形成装置は、CPU101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、NVRAM(Non-volatile memory)104と、HDDI/F(Hard Disk Drive Interface)制御部105と、ネットワークI/F(Interface)制御部106と、スキャナエンジン制御部107と、プリントエンジン制御部109と、操作表示I/F制御部111と、画像処理制御部113と、DMAC(Direct Memory Access Controller)114と、を主に備える。
【0017】
CPU101は、プログラムを実行することで各種制御部を動作させる。なお、CPU101の具体的な機能については後述する。
【0018】
ROM102、RAM103、NVRAM104は、各種データを記憶する。HDDI/F制御部105は、画像、プログラム、データ等を保存するHDDを接続する。ネットワークI/F制御部106は、Ethernet(登録商標)などのネットワークI/Fを制御する。
【0019】
スキャナエンジン制御部107は、自動原稿読取装置(不図示)や、圧板読取機構(不図示)を備えたスキャナエンジンを接続し、原稿を読み取らせるための制御コマンドを送信し、スキャナから入力される画像を取り込んでRAM104に書き出す。
【0020】
プリントエンジン制御部109は、用紙を搬送するとともに、用紙に画像を形成する画像形成部を備えたプリントエンジン110を接続し、印刷コマンドを送信し、印刷する画像データをRAM104から読み出してプリントエンジン110に送信する。
【0021】
操作表示I/F制御部111は、ユーザからのボタン入力や、表示装置(LCD(Liquid Crystal Display)やタッチパネル)を備えた操作表示部112と接続され、操作入力を受け付ける。操作表示I/F制御部113は、受け付けた操作内容をCPU101に送信するとともに、CPU101の指示した操作表示部112に表示する。
【0022】
画像処理制御部113は、CPU101の指示に従って、RAM104に保存されている画像データに対して、画像処理(変倍、マスク、トリミング、色調整、回転)を行い、処理した結果の画像をRAM104に保存する。
【0023】
DMAC114は、CPU101の指示に従って、RAM104に保存されている読取範囲のデータをRAM104の別の場所に複製する。ここで、読取範囲とは、原稿のうちコピーや、配信という出力の対象として読取制御部208により読み取られる範囲であり、ユーザにより操作表示部112から指定される範囲である。
【0024】
図2は、CPU101のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、CPU101は、操作表示制御部201と、MFPアプリケーション制御部202と、共通サービス制御部207と、デバイス制御部213を主に備え、RAM103と接続されている。
【0025】
操作表示制御部201は、操作表示I/F制御部111により操作表示部112に画像を表示させる。また、操作表示制御部201は、操作表示部112へのキー操作や画面接触等によりユーザから入力された操作内容(以下、ユーザ操作内容という。)を取得し、MFPアプリケーション制御部202の各部に操作内容を送信する。また、抑制部206からの指示に応じて画像の出力禁止を表示する。
【0026】
まず、MFPアプリケーション制御部202は、出力部205と、抑制部206を主に備える。出力部203は、コピー部204と、配信部205を備え、読み取られた画像をこれら各部により出力する。
【0027】
コピー部204は、操作表示制御部201から受信したユーザ操作内容をコピーの実行条件に変換し、共通サービス制御部207に読取、印刷等の指示を送信し、原稿のコピーを出力する。
【0028】
配信部205は、操作表示制御部201から受信したユーザ操作内容を配信の実行条件に変換し、変換した内容を共通サービス制御部207に送信する。配信部205は、共通サービス制御部207から画像を取得し、取得した画像を指定先の機器等に配信する。
【0029】
抑制部206は、共通サービス制御部207からコード検出部209により検出されたコードを受信した場合に、ユーザ操作内容において指示された画像の印刷または送信を抑制する。具体的には、印刷ジョブを中止したり、操作表示制御部201に印刷不可を表示する指示を送信したり、共通サービス制御部207の送信制御部211を介してホストコンピュータ等に出力不可をメール送信したりする。
【0030】
次に、共通サービス制御部207は、読取制御部208と、コード検出部209と、印刷制御部210と、送信制御部211と、課金管理部212を主に備える。
【0031】
読取制御部208は、MFPアプリケーション制御部202からの指示に従って、画像の印刷、送信等に必要なメモリを確保し、デバイス制御部213を介してスキャナエンジン制御部107や、プリントエンジン制御部109や、ネットワークI/F制御部106に各種指示を送信する。
【0032】
コード検出部209は、読取制御部208による読取指示により読み取られた画像からコードを検出する。ここで、コードとは、出力禁止などの所定の処理を制御するための情報を埋め込まれた符号のことである。例えば、バーコード等がある。なお、本実施例では、バーコードを例に説明するが、これに限定されず、QRコード等その他情報埋め込み可能なコードであればよい。
【0033】
送信制御部211は、操作表示制御部201、MFPアプリケーション制御部202、共通サービス制御部207、デバイス制御部213と各種情報の送受信を制御する。また、画像形成装置と接続されているホストコンピュータ等他の装置との通信を制御する。
【0034】
課金管理部212は、読取制御部208により読み取られた画像枚数や、印刷制御部210により印刷された画像枚数をカウントし、画像出力にかかる課金を管理する。課金管理部212は、指示されたカウンタの枚数をカウントアップするため、NVRAM104のカウンタ領域に保存されているカウンタの値を読み出して変更(加算)し、保存する。
【0035】
次に、デバイス制御部213は、スキャナ制御指示部214と、プリント制御指示部215と、画像処理指示部216を主に備える。
【0036】
スキャナ制御指示部214は、共通サービス制御部207からの指示に従って、スキャナエンジン制御部107に原稿の読取指示を送信する。
【0037】
プリント制御指示部215は、共通サービス制御部207からの指示に従って、プリントエンジン制御部109に印刷指示を送信する。
【0038】
画像処理指示部216は、共通サービス制御部207からの指示に従って、画像処理制御部113に画像処理の指示を送信する。
【0039】
次に、バーコード配置位置について説明する。図3は、バーコード配置位置の一例を示す説明図である。図3に示すように、原稿用紙1001の紙面(表面、または裏面)四隅には、バーコードが配置される領域(以下、コード領域という。)1002が定められている。画像形成装置が認識するバーコードはこの1つの紙面に定められている4つのコード領域1002のいずれに配置されてもよい。図3では、右上端の領域1002上にバーコード1003が印刷されている。
【0040】
図4は、ユーザにより指定された読取範囲の一例を示す説明図である。図4に示すように、操作表示制御部201は、原稿1001のうち、中央付近の範囲を読取範囲1004として指定を受け付ける。読取制御部208は、操作表示制御部201により受け付けた指示に応じて、スキャナ制御指示部214に読取範囲1004をスキャナする指示を送信する。スキャナ制御指示部214は、スキャナエンジン108に読取範囲1004をスキャンする指示を送信する。スキャナエンジン108はスキャナ制御指示部214からの指示に応じて読取範囲1004をスキャンする。
【0041】
次に、以上のように構成された実施の形態1にかかる画像形成装置によるコード検出処理の手順を説明する。図5は、実施の形態1にかかる画像形成装置によるコード検出処理の流れを示すフローチャートである。
【0042】
操作表示制御部201は、操作表示部112からユーザによる読取範囲の指定を受け付ける(ステップS1)。図6は、原稿画像の読取範囲とコード領域の一例を示す説明図である。図6に示すように、読取範囲1004は、操作表示制御部201により指定を受け付けた読取範囲である。また、コード領域1006は、読取制御部208により取得されるコード領域である。
【0043】
図5に戻り、読取制御部208は、スキャナ制御指示部214に原稿の全面画像であるコード領域1006の読取を指示する(ステップS2)。読取制御部208は、コード領域1006を取得する(ステップS3)。具体的には、スキャナ制御指示部214にコード領域1006の読取指示を送信し、スキャナ制御指示部214によるスキャナ指示を介して、スキャナエンジン108からコード領域1006の画像を取得する。図7は、読取制御部208により取得された原稿画像と、原稿画像に含まれる読取範囲の一例を示す図である。図7に示すように、読取制御部208は、コード領域1007と、読取範囲1004とを取得する。
【0044】
読取制御部208は、取得したコード領域1007をコード検出部209に送信する。コード検出部209は、受信したコード領域1007からバーコードを検出する(ステップS4)。例えば、コード検出部209はコード領域1007の四隅を検索しバーコードを検出する。
【0045】
読取制御部208は、DMAC114(図1参照)や、CPU101(図1参照)によるメモリコピー機能1008により、原稿の全面画像1007から読取範囲1004を取得する。読取制御部208は、取得した読取範囲1004を、読取範囲1009として出力部205に送信する。
【0046】
出力部205は、読取制御部208から受信した読取範囲1009を出力する(ステップS5)。例えば、出力部205は、コピー部251により読取範囲1009をコピーしたり、配信部252により読取範囲1009を送信したりする。
【0047】
このように、本実施の形態によれば、読取範囲が指定された場合であっても、コード検出部209は、コード領域からコードを検出するので、コード検出機能と既存の画像編集機能を共存させることができる。
【0048】
(実施の形態2)
実施の形態1では、読取範囲が指定された場合に、原稿の全面画像を取得し、全面画像の中からバーコードを検出した。これに対し、本実施の形態では、読取範囲が指定された場合に、読取範囲と、あらかじめ定められたコード領域の画像を取得し、コード領域の中からバーコードを検出する。
【0049】
本実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成については実施の形態1と同様である。図8は、CPU101のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、CPU101は、操作表示制御部201と、MFPアプリケーション制御部202と、共通サービス制御部207と、デバイス制御部213を主に備え、RAM103と接続されている。なお、CPU101のソフトウェア構成のうち読取制御部308以外の各部の機能および構成は実施の形態1と同様である。
【0050】
RAM103は、原稿におけるコード領域の座標や、コード領域を特定する数値をあらかじめ保存する。例えば、用紙端部から5cm四方をコード領域の数値として保存する。
【0051】
読取制御部308は、RAM103から原稿におけるコード領域の座標、またはコード領域を特定する数値を取得し、コード領域を取得する。読取制御部308は、取得したコード領域、および操作表示制御部201から受け付けた読取範囲を読み取る。
【0052】
次に、以上のように構成された本実施の形態における画像形成装置によるコード検出処理の手順について説明する。図9は、実施の形態2にかかる画像形成装置によるコード検出処理の流れを示すフローチャートである。
【0053】
操作表示制御部201は、ユーザにより操作表示部112から入力された読取範囲の指定を受け付ける(ステップS6)。読取制御部308は、RAM103からコード領域を取得する(ステップS7)。図10は、コード領域と読取範囲の一例を示す説明図である。図10に示すように、読取制御部308は、RAM103に保存されている副走査方向に対して先端となる領域(以下、先端領域という。)1010と副走査方向に対して後端となる領域(以下、後端領域という。)1011を、コード領域として取得する。また、読取制御部308は、操作表示制御部201から読取範囲1004を取得する。
【0054】
読取制御部308は、読取範囲に対応する画像と、コード領域に対応する画像を取得する(ステップS8)。図11は、読取制御部308により取得された画像の一例を示す図である。図11に示すように、読取制御部308は、RAM103から取得した先端領域1010と、後端領域1011と、操作表示制御部201から取得した読取範囲1004を、スキャナ制御指示部214を介して読み取り、先端領域1010に対応する画像1012、後端領域1011に対応する画像1013、読取範囲1004に対応する画像1014を取得する。
【0055】
コード検出部209は、コード領域に対応する画像(画像1012と、画像1014)からバーコードを検出する(ステップS9)。出力部203は、読取範囲に対応する画像(画像1014)を出力する(ステップS10)。例えば、出力部203は、コピー部204により読取範囲1009をコピーしたり、配信部205により読取範囲1009を送信したりする。なお、読取範囲に対応する画像(画像1009)は、コード領域に対応する画像(画像1012と、画像1014)と別個に読み取られているため、DMAC114や、CPU101によるコピーが不要となり、迅速な出力が可能となる。
【0056】
次に、ステップS8における読取制御部308による読取処理の詳細について説明する。図12は、読取制御部308による読取処理の手順を示すフローチャートである。
【0057】
読取制御部308は、操作表示制御部201により読取範囲の指定が受け付けられたか否かを確認する(ステップS11。読取制御部308は、読取範囲の指定が受け付けられたことを確認した場合は(ステップS11:Yes)、読取範囲とコード領域の副走査方向における距離を測定し、連続走査領域を決定する。連続走査領域とは、走行体を原稿上で連続して走査させる領域のことである。一方、読取制御部308は、読取範囲の指定が受けうけられたことを確認しなかった場合は(ステップS11:No)、ステップS14に進む。
【0058】
ここで、まず、走行体の移動方向について説明する。図13は、原稿読取開始前の原稿と走行体の位置関係を示す説明図である。図13に示すように、走行体1200は、原稿を読み取る走査部1211を備え、原稿読取開始前には原稿の上端部に位置する。図14は、原稿読取における走行体の移動方向を示す説明図である。図14に示すように、読取制御部308は、走行体1200を原稿上に副走査方向を示すYの矢印方向に移動させながら、走査部1211を原稿上に主走査方向を示すXの矢印方向に移動させることにより画像を読み取る。
【0059】
次に、読取範囲とコード領域の距離について説明する。図15は、読取範囲とコード領域の距離を示す説明図である。ここで、距離とは、原稿上の各領域の副走査方向における距離のことである。図15に示すように、座標Psから座標P1は、先端領域の距離を示す。また、座標P2から座標P3は、読取範囲の距離を示す。また、座標P4から座標Peは、後端領域の距離を示す。
【0060】
次に、走行体1200の連続走査領域の決定方法について説明する。読取制御部308は、連続走査領域を先端領域の終端部から読取範囲の先端部までの距離、および読取範囲の後端部から後端領域の先端部までの距離の長さが閾値Pa以下であるか否かによって決定する。先端領域の終端部から読取範囲の先端部までの距離(座標P1から座標P2)、読取範囲の後端部から後端領域の先端部までの距離(座標P3から座標P4)がそれぞれ閾値Pa以下である場合は、読取制御部308は、連続走査領域を原稿全面と決定する。これにより、走行体1200の移動を減速させることなく走査することができるので、読取速度が上がる。一方、それぞれの距離が閾値Paより大きい場合は、読取制御部308は連続走査領域を先端領域、読取範囲、後端領域の3領域と決定する。なお、閾値Paを超えない距離を含む場合は、読取制御部308は、閾値Paを超えない距離の前後の2領域を1つの連続走査領域と決定し、これと別に残りの1領域を連続走査領域と決定する。
【0061】
ステップS12において、読取制御部308は、先端領域の終端部から読取範囲の先端部までの距離が|P1−P2|≦Paを満たすか否かを確認する(ステップS12)。すなわち、読取制御部308は、座標P2と座標P1のY座標の差が閾値Pa以下であるか否かを確認する。読取制御部308は、|P1−P2|≦Paを満たすと判断した場合は(ステップS12:Yes)、|P3−P4|≦Paを満たすか否かを確認する(ステップS13)。すなわち、読取制御部308は、座標P3と座標P4の差が閾値Pa以下であるか否かを確認する。読取制御部308は、座標P3と座標P4の差が閾値Pa以下であると判断した場合(ステップS13:Yes)、およびステップS1において読取範囲の指定を受け付けたことを確認しなかった場合は(ステップS11:No)、連続走査領域を原稿全面(座標Psから座標Pe)と決定する。読取制御部308は、原稿全面(座標Psから座標Pe)を読み取り、読み取りの結果得られた画像を画像1として保存する(ステップS14)。
【0062】
図16は、連続走査領域が原稿全面である場合の走行体の移動速度を示す図である。図16に示すように、読取制御部308は、走行体1200を原稿の先端部に相当する先端領域から原稿の後端部に相当する後端領域までを一度に連続して移動させる。P0からPsは、走行体1200を加速させる距離を示す。また、PeからP01は読取終了後、走行体1200を停止させるまでの減速させる距離を示す。PsからPeまでの各座標は原稿上の先端領域、読取範囲、後端領域の各領域の座標を示す。図17は、連続走査領域の一例を示す図である。図17に示すように、読取制御部308は、読み取った原稿全面を画像1として保存する。このように、読取制御部308が連続走査領域を原稿全面と決定する場合は、走行体1200を途中で減速させることなく移動させるため、領域ごとに走査を分断する場合と比較して読取速度が向上する。
【0063】
読取制御部308は画像1をコード検出部209に渡し、コード検出部209は画像1をコード検出する(ステップS15)。読取制御部308は、読取範囲の指定を受け付けられたか否かを確認する(ステップS16)。読取制御部308は、読取範囲の指定が受け付けられたことを確認しなかった場合は(ステップS16:No)、画像1を読取画像として印刷制御部210や送信制御部211に渡し、印刷制御部210は画像1を印刷し、または送信制御部211は画像1を送信する(ステップS17)。
【0064】
一方、読取制御部308は、読取範囲の指定を受け付けたことを確認した場合は(ステップS16:Yes)、DMAC114またはCPU101により画像1をコピーし画像5として保存する(ステップS18)。読取制御部308は、画像5を読取画像として印刷制御部210や送信制御部211に渡し、印刷制御部210は画像5を印刷し、または送信制御部211は画像5を送信する(ステップ19)。
【0065】
ステップS13において、読取制御部308は、|P3−P4|≦Paを満たすか否かを確認し(ステップS13)、満たさないと判断した場合は(ステップS13:No)座標P3と座標P4の差が閾値Pa以下であるか否かを確認する。すなわち、読取制御部308は、座標P3と座標P4の差が閾値Pa以下であるか否かを確認する。読取制御部308は、座標P3と座標P4の差が閾値Paより大きいと判断した場合(ステップS13:No)、先端領域から読取範囲(座標Psから座標P3)を読み取り、読み取りの結果得られた画像を画像2として保存する(ステップS20)。
【0066】
読取制御部308は、後端領域(座標P4から座標Pe)を読み取り、読み取りの結果得られた画像を画像3として保存する(ステップS21)。読取制御部308は、画像2および画像3をコード検出部209に渡し、コード検出部209は画像2および画像3からコード検出する(ステップS22)。読取制御部308は、画像2から読取範囲をDMAC114またはCPU101によりコピーし画像5として保存する(ステップS23)。読取制御部308は、画像5を読取画像として印刷制御部210や送信制御部211に渡し、印刷制御部210は画像5を印刷し、または送信制御部211は画像5を送信する(ステップ19)。
【0067】
図18は、連続走査領域が画像2と画像3である場合の走行体の移動速度を示す図である。図18に示すように、読取制御部308は、走行体1200を先端領域から読取範囲までの領域と、後端領域の2つの領域を別個に移動させる。P0からPsおよびP01からP4は走行体1200を加速させる距離を示す。また、P3からP01およびPeからP02は読取終了後、走行体1200を停止させるまでの減速させる距離を示す。PsからP3は先端領域と読取範囲の座標を、P4からPeは後端領域の座標を示す。図19は、連続走査領域である画像2と画像3を示す図である。図19に示すように、読取制御部308は、読み取った先端領域から読取範囲までの領域を画像2、後端領域を画像3として保存する。
【0068】
次に、ステップS2において、読取制御部308は、先端領域の終端部から読取範囲の先端部までの距離が|P1−P2|≦Paを満たさないと判断した場合は(ステップS2:No)、読取制御部308は、先端領域(座標Psから座標P1)を読み取り、読み取りの結果得られた画像を画像4として保存する(ステップS14)。
【0069】
読取制御部308は、|P3−P4|≦Paを満たすか否かを確認し(ステップS15)、満たすと判断した場合は(ステップS15:Yes)、読取範囲から後端領域(座標P2からPe)を読み取り、読み取りの結果得られた画像を画像1として保存する(ステップS16)。読取制御部308は、画像1および画像4をコード検出部209に渡し、コード検出部209は画像1および画像4からコード検出する(ステップS17)。読取制御部308は、画像1から読取範囲をDMAC114またはCPU101によりコピーし画像5として保存する(ステップS18)。読取制御部308は、画像5を読取画像として印刷制御部210や送信制御部211に渡し、印刷制御部210は画像5を印刷し、または送信制御部211は画像5を送信する(ステップ9)。
【0070】
図20は、連続走査領域が画像1と画像4である場合の走行体の移動速度を示す図である。図20に示すように、読取制御部308は、走行体1200を先端領域と、読取範囲から後端領域までの領域の2つの領域を別個に移動させる。P0からPsおよびP01からP2は走行体1200を加速させる距離を示す。また、P1からP01およびPeからP02は読取終了後、走行体1200を停止させるまでの減速させる距離を示す。PsからP1は先端領域の座標を、P2からPeは読取範囲と後端領域の座標を示す。図21は、連続走査領域である画像1と画像4を示す図である。図21に示すように、読取制御部308は、読み取った先端領域を画像4、読取範囲から後端領域を画像1として保存する。このように、領域間の距離に合わせて連続走査領域を分けることにより、領域に応じて読み取り速度を向上するとともに、メモリ使用量を抑制した読み取りが可能となる。
【0071】
次に、ステップS15において、読取制御部308は、|P3−P4|≦Paを満たすか否かを確認し(ステップS15)、満たさないと判断した場合は(ステップS15:No)、読取範囲(座標P2からP3)を読み取り、読み取りの結果得られた画像を画像1として保存する(ステップS19)。読取制御部308は、後端領域(座標P4から座標Pe)を読み取り、読み取りの結果得られた画像を画像3として保存する(ステップS40)。読取制御部308は、画像3および画像4をコード検出部209に渡し、コード検出部209は画像3および画像4からコード検出する(ステップS41)。読取制御部308は、画像1から読取範囲をDMAC114またはCPU101によりコピーし画像5として保存する(ステップS18)。読取制御部308は、画像5を読取画像として印刷制御部210や送信制御部211に渡し、印刷制御部210は画像5を印刷し、または送信制御部211は画像5を送信する(ステップ9)。
【0072】
図22は、連続走査領域が画像1と画像3と画像4である場合の走行体の移動速度を示す図である。図22に示すように、読取制御部308は、走行体1200を先端領域と、読取範囲を含む領域と、後端領域の3つの領域を別個に移動させる。P0からPs、P01からP2、P04からP4は走行体1200を加速させる距離を示す。また、P1からP02、P3からP03、PeからP05は読取終了後、走行体1200を停止させるまでの減速させる距離を示す。PsからP1は先端領域の座標を、P2からP3は読取範囲の座標を、P4からPeは後端領域の座標を示す。図23は、連続走査領域である画像1と画像3と画像4を示す図である。図23に示すように、読取制御部308は、読み取った先端領域を画像4、読取範囲を含む領域を画像1、後端領域を画像3として保存する。このように、連続走査領域を3つに分けた場合、原稿全面を一度に連続して読み取る場合と比較して、使用メモリ量を抑制して読み取ることが可能となる。
【0073】
このように、本実施の形態によれば既存の画像編集機能と共存可能なコード検出機能を実現することが可能となる。
【0074】
また、このように、本実施の形態によれば、コード検出部209は、あらかじめ定められたコード領域に対応する画像からバーコードを検出するので、検出速度が上がる。
【0075】
また、このように、本実施の形態によれば、コード領域と読取範囲の位置関係に応じて連続走査領域を決定するので、読み取り速度の向上と使用メモリ量の抑制を行った読み取りができる。
【0076】
(実施の形態3)
実施の形態2では、読取制御部は原稿の表面において読取範囲の指定が受け付けられたケースを処理した。これに対して、実施の形態3では、読取制御部は両面原稿の表面または裏面のいずれか一面において読取範囲の指定が受け付けられるケースを処理する。
【0077】
本実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成については実施の形態1と同様である。図24は、実施の形態3にかかるCPU101のソフトウェア構成を示すブロック図である。図24に示すように、CPU101は、操作表示制御部401と、MFPアプリケーション制御部202と、共通サービス制御部207と、デバイス制御部213を主に備え、RAM103と接続されている。なお、CPU101のソフトウェア構成は、読取制御部408以外の各部の機能および構成は実施の形態2と同様である。
【0078】
操作制御表示部401は、読取範囲の指定を受け付ける。具体的には、読取範囲として原稿の表面または裏面のうちいずれか片面の指定を受け付ける。
【0079】
次に、以上のように構成された本実施の形態における画像形成装置によるコード検出処理の手順について説明する。図25は、実施の形態3にかかる画像形成装置によるコード検出処理の流れを示すフローチャートである。
【0080】
読取制御部408は、操作表示制御部401により読取範囲として両面原稿のうち片面の指定を受け付けたか否かを確認する(ステップS40)。読取制御部408は、片面の指定を受け付けたことを確認した場合は(ステップS40:Yes)、指定を受け付けた片面を表面(出力面)として特定する(ステップS41)。読取制御部408は、特定した表面を読み取り、読み取った表面を画像1として取得する(ステップS42)。
【0081】
読取制御部408は、裏面をモノクロで読み取り、読み取った裏面を画像2として取得する(ステップS43)。ここで、裏面とは、読取範囲として指定されなかった面のことである。読取制御部408は、画像1および画像2をコード検出部209に渡し、コード検出部209は画像1および画像2をコード検出する(ステップS44)。
【0082】
読取制御部408は、画像1を読取画像として印刷制御部210や送信制御部211に渡し、印刷制御部210は画像1を印刷し、または送信制御部211は画像1を送信する(ステップS45)。
【0083】
ステップS40において、読取制御部408は、操作表示制御部401により読取範囲として片面の指定を受け付けなかったことを確認した場合は(ステップS40:No)、表面を読み取り、読み取った画像を画像1として取得する(ステップS46)。次に、読取制御部408は裏面を読み取り、読み取った裏面を画像2として取得する(ステップS47)。読取制御部408は、画像1および画像2をコード検出部209に渡し、コード検出部209は画像1および画像2をコード検出する(ステップS48)。
【0084】
読取制御部408は、画像1および画像2を読取画像として印刷制御部210や送信制御部211に渡し、印刷制御部210は画像1および画像2を印刷し、または送信制御部211は画像1および画像2を送信する(ステップS49)。
【0085】
このように、本実施の形態によれば、両面原稿のうち片面を読取範囲として受け付けた場合であっても、両面をコード検出するので、指定された面と異なる面に存在するコードをも確実に検出することができる。
【0086】
また、このように本実施の形態によれば、両面原稿の両面をコード検出した場合であっても、片面だけが読取範囲として指定されている場合は、読取範囲でない面についてはモノクロで読み取ることから読み取り処理における使用メモリ量を抑制することができる。
【0087】
(実施の形態4)
実施の形態2では、読取範囲の指定を受け付けた場合について説明した。これに対して、本実施の形態では、消去範囲の指定を受け付けた場合の処理について説明する。
【0088】
本実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成については実施の形態1と同様である。図26は、実施の形態4にかかるCPU101のソフトウェア構成を示すブロック図である。図26に示すように、CPU101は、操作表示制御部501と、MFPアプリケーション制御部202と、共通サービス制御部207と、デバイス制御部213を主に備え、RAM103と接続されている。なお、CPU101のソフトウェア構成は、読取制御部508以外の各部の機能および構成は実施の形態2と同様である。
【0089】
操作制御表示部501は、消去範囲の指定を受け付ける。具体的には、原稿のうち読み取らない領域を消去範囲として指定を受け付ける。読取制御部508は、操作表示制御部501により消去範囲の指定を受け付けた場合であっても、原稿を全面読み取る。
【0090】
次に、以上のように構成された本実施の形態における画像形成装置によるコード検出処理の手順について説明する。図27は、実施の形態4にかかる画像形成装置によるコード検出処理の流れを示すフローチャートである。
【0091】
操作表示制御部501は、消去範囲の指定を受け付ける(ステップS50)。ここで、消去範囲の指定について説明する。図28は、消去範囲の一例を示す説明図である。図28は、消去範囲として所定の範囲の枠が指定された原稿2000を示す。本図において、矢印Xは主走査方向を示し、矢印Yは副走査方向を示す。また、原稿2000の左上端部には斜線を付した丸で示すコードが印刷されている。操作表示制御部201は、消去する範囲として矢印Xaが示す主走査先端の枠と、矢印Xzが示す主走査後端の枠と、矢印Yaが示す副走査先端の枠と、矢印Yzが示す副走査後端の枠の指定を受け付ける。
【0092】
図29は、消去範囲を消去して得られる画像の一例を示す説明図である。図29に示すように、図28において操作表示制御部501により受け付けられた枠を消去して得られた画像2001を示す。ここで、図28に示した原稿2000の左上端部のコードは、消去範囲に存在するため消去範囲の消去と同時に消去されている。そこで、コード検出部209が、画像2001についてコード検出すると、消去範囲に存在したコードを検出できないこととなる。
【0093】
そこで、ステップS51において、読取制御部508は原稿の全面を読み取り、原稿画像を取得する(ステップS51)。図30は、読取制御部508により読み取られた画像の一例を示す図である。図30に示すように、読取制御部508は、図28に示した原稿2000について消去範囲が指定されていた場合であっても、原稿2000全面を読み取り、読み取った画像2006を取得する。読取制御部508は、RAM103からコード領域を取得する(ステップS52)。図31は、コード領域の一例を示す説明図である。図31に示すように、読取制御部508は、原稿2000のうち4箇所に示すコード領域2002を取得する。
【0094】
読取制御部508は、取得したコード領域をコード検出部209に渡し、コード検出部209はコード領域からコードを検出する(ステップS53)。例えば、コード検出部209は、4つのコード領域2002をコード検出する。
【0095】
印刷制御部210は、取得された原稿画像のうち、操作表示制御部201により受け付けられた消去範囲を消去する(ステップS54)。図32は、消去範囲を消去して得られた画像の一例を示す説明図である。図32に示すように、印刷制御部210は、DMAC114や、CPU101により画像2006にメモリアクセスし、白データを書き込み、画像2007を取得する。印刷制御部210、または送信制御部211は、消去範囲が消去された画像を出力する(ステップS55)。例えば、印刷制御部210は画像2007を印刷し、送信制御部211は画像2007を送信する。
【0096】
また、他の例として、操作表示制御部201が、原稿内の任意の矩形を消去範囲として受け付ける場合について説明する。図33は、原稿内の任意の矩形が消去範囲として指定された両面原稿の一例を示す説明図である。図33に示すように、両面原稿2010は、原稿表面2011と原稿裏面2012からなる。読取制御部508は、原稿表面2011を読み取り、画像2021を取得する。また、読取制御部508は、原稿裏面2012を読み取り、画像2022を取得する。ここで、画像2021または画像2022のうち、右上端部から主走査方向上の消去範囲までを座標x1とし、消去範囲をx2とする。また、画像2021または画像2022のうち、右上端部から副走査方向上の矩形の消去範囲2200までを座標y1とし、消去範囲をy2とする。なお、図33に示す座標x1、x2、y1、y2の値については、表面と裏面で異なる値を指定することもできる。
【0097】
ここで、座標x1、x2、y1、y2が、コード領域の4隅と重複する条件について説明する。図34は、消去範囲とコード領域の位置関係を示す説明図である。図34に示すように、コード領域2100は原稿2300の4隅に位置し、矩形の消去範囲2200は原稿2300内に位置する。
【0098】
このような位置関係において、読取制御部508は、コード領域2100が矩形の消去範囲2200と重複するか否かを判断し、重複する場合、読み取った画像から矩形の消去範囲2200を消去する前にコード領域をコード検出部209に渡す。一方、読取制御部508は、コード領域2100が矩形の消去範囲2200と重複しないと判断した場合は、読み取った画像から矩形の消去範囲2200を消去した後に、コード領域をコード検出部209に渡す。
【0099】
なお、読取制御部508は、以下の条件式(1)から(6)のいずれかを満たす場合に、矩形の消去範囲2200がコード領域と重複すると判断する。
x1<xS ・・・(1)
x1>xS+xL・・・(2)
x2>xS+xL-x1・・・(3)
y1<yS・・・(4)
y1>yS+yL・・・(5)
y2>yS+yL-y1・・・(6)
【0100】
また、他の例として、操作表示制御部201が、原稿のセンターを消去範囲として受け付ける場合について説明する。図35は、原稿のセンターが消去範囲として指定された原稿の一例を示す説明図である。図35に示すように、原稿2500のうち主走査方向上の全長を用紙幅Lとする。なお、用紙幅Lの値は、スキャナエンジン108により検出可能、またはユーザにより指定可能な値である。また、センターを消去する幅を消去幅L2とする。なお、消去幅L2は、消去範囲の幅であって、用紙幅Lの中心を基準に指定される値である。また、原稿2500の主走査方向におけるコード領域2100の幅をxSとする。
【0101】
このような位置関係において、読取制御部508は、コード領域2100がセンターの消去範囲2400と重複するか否かを判断し、重複する場合、読み取った画像から消去範囲2400を消去する前にコード領域をコード検出部209に渡す。一方、読取制御部508は、コード領域2100が消去範囲2400と重複しないと判断した場合は、読み取った画像から指定された消去範囲を消去した後に、コード領域をコード検出部209に渡す。
【0102】
具体的には、読取制御部508は、用紙幅Lから消去幅L2を引いた範囲は消去することなく画像として読み取る。そこで、読取制御部508は、コード領域2100がセンターの消去範囲2400と重複するか否かを判断する際、用紙幅Lから消去幅L2を引いた範囲(L−2(xS))がコード領域のxSの2倍の値以下であるか否かを重複の判断基準として用いる。読取制御部508は、以下の条件式(7)を満たす場合に、センターの消去範囲2400がコード領域と重複すると判断する。
L2 > L−2(xS)・・・(7)
【0103】
このように、本実施の形態によれば、消去範囲が指定された場合であっても、消去処理に先行してコード領域をコード検出するので確実にコードを検出することができる。
【0104】
本実施の形態の画像形成装置で実行されるコード検出プログラムは、上述した各部(読取制御部、コード検出部、印刷制御部、送信制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からコード検出プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、読取制御部、コード検出部、印刷制御部、送信制御部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0105】
本実施の形態の画像形成装置で実行されるコード検出プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0106】
さらに、本実施の形態の画像形成装置で実行されるコード検出プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置で実行されるコード検出プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0107】
本実施の形態の画像形成装置で実行されるコード検出プログラムは、上述した各部(読取制御部、コード検出部、印刷制御部、送信制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからコード検出プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、読取制御部、コード検出部、印刷制御部、送信制御部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0108】
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 NVRAM
105 HDDI/F制御部
106 ネットワークI/F制御部
107 スキャナエンジン制御部
108 スキャナエンジン
109 プリントエンジン制御部
110 プリントエンジン
111 操作表示I/F制御部
112 操作表示部
113 画像処理制御部
114 DMAC
201、401、501 操作表示制御部
202 MFPアプリケーション制御部
203 出力部
204 コピー部
205 配信部
206 抑制部
207 共通サービス制御部
208、308、408 読取制御部
209 コード検出部
210 印刷制御部
211 送信制御部
212 課金管理部
213 デバイス制御部
214 スキャナ制御指示部
215 プリント制御指示部
216 画像処理指示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】
【特許文献1】特開2008−288847号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を読み取る範囲の指定を受け付ける範囲指定受付部と、
指定を受け付けた前記範囲に加えて所定の領域の画像を読み取る制御を行う読取制御部と、
読み取られた前記領域の画像から、前記範囲の画像に対する処理を定めた情報が埋め込まれたコードを検出する検出部と、
読み取られた前記範囲の画像を出力する画像出力部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記読取制御部は、副走査方向における前記領域の終端部から指定を受け付けた前記範囲までの距離が所定の閾値よりも小さいか否かを測定し、前記距離が前記閾値よりも小さい場合に、前記領域と前記範囲とを含む領域の画像を読み取る制御を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記読取制御部は、副走査方向における指定を受け付けた前記範囲の終端部から前記領域までの距離が所定の閾値よりも小さいか否かを測定し、前記距離が前記閾値よりも小さい場合に、前記領域と前記範囲とを含む領域の画像を読み取る制御を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記読取制御部は、副走査方向における前記領域の終端部から指定を受け付けた前記範囲までの距離が所定の閾値よりも大きいか否か測定し、前記距離が前記閾値よりも大きい場合に、前記領域と前記範囲の画像を別個に読み取る制御を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記所定の領域は原稿の四隅であること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記範囲指定受付部は、原稿の片面を表す前記範囲の指定を受け付け、
前記読取制御部は、前記範囲に加えて前記原稿の片面に対する他の面を読み取る制御を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記コードは、画像の出力禁止を定めた情報が埋め込まれたコードであって、
前記コードが検出された場合に、前記画像出力部による画像の出力を抑制する抑制部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
読み取られた前記画像の出力禁止を表示部に表示する表示制御部、
をさらに備え、
前記抑制部は、前記コードが検出された場合に、前記表示制御部に前記出力禁止の表示を指示すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
読み取られた前記画像の出力禁止をメール送信するメール送信部、
をさらに備え、
前記抑制部は、前記コードが検出された場合に、前記メール送信部に出力禁止のメール送信を指示すること、
を特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
読み取らない範囲の指定を受け付ける範囲指定受付部と、
指定を受け付けた前記範囲を除外した範囲に加えて所定の領域の画像を読み取る制御を行う読取制御部と、
読み取られた前記領域の画像から前記範囲の画像に対する処理を定めた情報が埋め込まれたコードを検出する検出部と、
読み取られた前記範囲の画像を出力する画像出力部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
画像を読み取る範囲の指定を受け付ける範囲指定受付ステップと、
指定を受け付けた前記範囲に加えて所定の領域の画像を読み取る制御を行う読取制御ステップと、
読み取られた前記領域の画像から、前記範囲の画像に対する処理を定めた情報が埋め込まれたコードを検出する検出ステップと、
読み取られた前記範囲の画像を出力する画像出力ステップと、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
読み取らない範囲の指定を受け付ける範囲指定受付ステップと、
指定を受け付けた前記範囲を除外した範囲に加えて所定の領域の画像を読み取る制御を行う読取制御ステップと、
読み取られた前記領域の画像から前記範囲の画像に対する処理を定めた情報が埋め込まれたコードを検出する検出ステップと、
読み取られた前記範囲の画像を出力する画像出力ステップと、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項13】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
画像を読み取る範囲の指定を受け付ける範囲指定受付ステップと、
指定を受け付けた前記範囲に加えて所定の領域の画像を読み取る制御を行う読取制御ステップと、
読み取られた前記領域の画像から、前記範囲の画像に対する処理を定めた情報が埋め込まれたコードを検出する検出ステップと、
読み取られた前記範囲の画像を出力する画像出力ステップ、
として実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
読み取らない範囲の指定を受け付ける範囲指定受付ステップと、
指定を受け付けた前記範囲を除外した範囲に加えて所定の領域の画像を読み取る制御を行う読取制御ステップと、
読み取られた前記領域の画像から前記範囲の画像に対する処理を定めた情報が埋め込まれたコードを検出する検出ステップと、
読み取られた前記範囲の画像を出力する画像出力ステップ、
として実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2011−155504(P2011−155504A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15898(P2010−15898)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】