画像形成装置、画像形成方法
【課題】両面印刷する際に、画質を向上させる。。
【解決手段】画像データに基づいて、現像剤を吐出することで記録媒体の片面または両面に画像形成する画像形成手段と、前記画像データの特徴量を検出する検出手段と、前記画像形成手段が前記記録媒体の両面に画像形成するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が、前記画像形成手段は前記記録媒体の両面に画像形成すると判断した場合に、前記特徴量に応じて、前記画像形成手段から吐出される前記現像剤の吐出量を減少させる変更手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【解決手段】画像データに基づいて、現像剤を吐出することで記録媒体の片面または両面に画像形成する画像形成手段と、前記画像データの特徴量を検出する検出手段と、前記画像形成手段が前記記録媒体の両面に画像形成するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が、前記画像形成手段は前記記録媒体の両面に画像形成すると判断した場合に、前記特徴量に応じて、前記画像形成手段から吐出される前記現像剤の吐出量を減少させる変更手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、用紙上にインクで画像形成した場合には、用紙の種類によっては、インクの水分が膨張変形して、高画質な画像を形成できない問題が生じる場合がある。また、用紙上にトナーで画像形成した場合には、トナーの重なりにより厚みが増し、用紙がカールしたり、トナーがはがれて、高画質な画像を形成できない問題が生じる場合がある。
【0003】
このような問題を解決するために、用紙に付着されるインク量、トナー量を制限することで、画質を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の技術は、単位面積あたりのドット数を減らすため,色再現が悪く画質が低下するという問題が生じる。
【0005】
また、特許文献2の記載の技術は、両面印刷であるか否かのみの判断で,出力インクの付着量に対して一定の係数を乗じるため、反対の面の画像データについてのインク付着量も制限され、画質が低下するという問題が生じる。
【0006】
そこで、このような問題を鑑みて、本発明では、両面印刷する場合において、両面画質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、画像データに基づいて、現像剤を吐出することで記録媒体の片面または両面に画像形成する画像形成手段と、前記画像データの特徴量を検出する検出手段と、前記画像形成手段が前記記録媒体の両面に画像形成するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が、前記画像形成手段は前記記録媒体の両面に画像形成すると判断した場合に、前記特徴量に応じて、前記画像形成手段から吐出される前記現像剤の吐出量を減少させる変更手段と、を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像形成装置によれば、両面印刷する場合において、両面画質を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施例の画像形成装置の機能構成例を示す図。
【図2】本実施例の画像処理手段などの機能構成例を示した図。
【図3】本実施例の表面の画像データの一例を示した図。
【図4】本実施例の裏面の画像データの一例を示した図。
【図5】本実施例の主走査方向の画素数の合計を求めるための処理フロー図。
【図6】本実施例の記憶形態の一例を示した図(その1)。
【図7】本実施例の副走査方向の画素数の合計を求めるための処理フロー図。
【図8】本実施例の記憶形態の一例を示した図(その2)。
【図9】本実施例の第1領域の例を示した図。
【図10】本実施例の第2領域の例を示した図。
【図11】本実施例の重複領域の例を示した図。
【図12】別の実施形態の表面の画像データを示した図。
【図13】別の実施形態の裏面の画像データを示した図。
【図14】画像データを複数ブロックに分けた例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
画像形成装置とは例えば、プリンタ、ファクシミリ、インクジェット記録装置などの複写装置、プロッタ、これらの複合機などである。また、記録媒体は、例えば、基板、用紙、連続紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどの媒体である。また、現像剤とは、記録媒体に画像形成するために用いられるものであり、例えば、トナーやインクをいう。以下では、記録媒体を用紙として説明し、現像剤をインクであるとして説明する。
【0011】
以下に、各実施形態について説明する。また、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行う過程には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
[実施形態1]
まず、実施形態1のハードウェア構成について説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図1に示すように、画像形成装置10は、制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、外部記憶装置I/F部14、ネットワークインターフェース部16、入力部17、表示部18、エンジン部19を含む。
【0012】
制御部11は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部11は、主記憶部12に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0013】
主記憶部12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部11が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムや画像データを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0014】
補助記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0015】
外部記憶装置I/F部14は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体15(例えば、フラッシュメモリ、SDカードなど)と画像形成装置10とのインタフェースである。また、主記憶部12と補助記憶部13をまとめて、記憶手段30とする。
【0016】
また、記憶媒体15に、所定のプログラムを格納し、この記憶媒体15に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部14を介して画像形成装置10にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは画像形成装置10により実行可能となる。
【0017】
ネットワークインターフェース部16は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と画像形成装置10とのインタフェースであり、画像形成装置内の構成部からの情報を取得する。
【0018】
入力部17や表示部18は、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とから構成され、画像形成装置10が有する機能を利用する際のUI(User Interface)として機能する表示及び/又は入力装置である。
【0019】
エンジン部19は、例えば、画像形成手段20や読取手段21などを駆動するものである。読取手段21とは、ユーザがセットした原稿を読み取ることで、該原稿の画像データを取得するものである。画像形成手段20とは、読取手段21が取得した画像データに基づいて、用紙にインクを吐出することで、該用紙に画像形成するものである。
[画像処理の流れ]
次に、画像処理の流れについて説明する。この例では、制御部11が、画像処理を行うものとして説明するが、制御部11とは別個に画像処理手段を設け、該画像処理手段が画像処理を行うようにしてもよい。
【0020】
図2に制御部11の機能構成例を示す。図2の例では、検出手段128、判断手段130、画像処理手段140を有する。画像処理手段140は画像処理を行う。画像処理手段140による画像処理の簡単な流れを説明する。読取手段21により取得された画像データは、入力制御手段112で、処理単位の画像データに変換される。画像処理手段140に転送される画像データは、転送速度等に合わせて数画素単位のデータにパッキングされているなど、画像処理を行なう処理単位と異なる場合があるため,入力制御手段112にて処理単位とする。
【0021】
入力制御手段112から入力された画像データは、フィルタ手段114によりフィルタ処理される。フィルタ処理された画像データは色補正手段116により色補正される。色補正された画像データは、変倍手段118により、変倍処理が行われる。変倍処理が行われた画像データに基づいて、変更手段120は、現像剤の総量規制を行なう。具体的には、用紙に印刷される画像についての画像データに対しての現像剤の吐出量を制限(減少)するもので,入力された1ドットの画像データに対して,印刷する画像の各色(例えばCMYK)の現像剤の吐出量の制限を行なう。変更手段120の吐出量の減少については、後述する。なお吐出量の減少率については予め定められており、記憶手段30に記憶されている。
【0022】
変更手段120による総量規制された画像データは、階調補正手段122により、階調補正される。そして、階調補正された画像データは、編集加工手段124により、編集加工されて、印刷用画像データとして出力される。そして、出力制御手段126により、この印刷用画像データは、出力フォーマットに変換される。
【0023】
次に、実施形態1の画像形成装置の更なる処理について説明する。検出手段128は、読取手段21に取得された画像データを測定することで、該画像データの特徴量を検出する。
【0024】
ここで、画像データの特徴量とは、(i)単色画素が連続(または略連続)している領域(以下、「連続領域」という。)の面積または該連続領域の数、(ii)画像データの濃度値が第2閾値(後述する)以上の領域(以下、「濃度高領域」という。)や、(iii)「用紙の面面に形成される画像と、裏面に形成される画像と、が重複している領域(「重複領域」という。)があるか否か」などをいう。
【0025】
ここで、単色画素とは、色(例えば、CMYK)を有する画素をいう。また、全画素のうち、単色画素以外の画素を非単色画素という。非単色画素とは、例えば、無色の画素をいう。
【0026】
この実施形態1では、画像データの特徴量が(i)連続領域の面積または数(以下、「連続領域の面積など」という。)、または、(ii)濃度高領域の面積または数(以下、「濃度高領域の面積など」という。)、である例について説明する。また、特徴量が(iii)重複領域があるか否か、である例については、実施形態2で説明する。
[特徴量の検知]
次に、検知手段128による画像データの連続領域や濃度高領域の検知手法について説明する。図3に用紙の表面に印刷される画像についての画像データ(つまりユーザがセットする原稿の表面の画像)を模式的に示し、図4に用紙の裏面に印刷される画像についての画像データ(つまりユーザがセットする原稿の裏面の画像)を模式的に示す。以下では、表面に形成される画像についての画像データを単に「表面の画像データ」といい、裏面に形成される画像についての画像データを単に「裏面の画像データ」という。
【0027】
また、画像形成手段20が用紙に対して印刷する方向を主走査方向とし、画像形成手段20が用紙に対して印刷する際に、用紙が搬送される方向を副走査方向とする。
【0028】
図3に示す表面の画像データには、絵柄・写真部分Aと文字部分Bとが存在する。また、図4に示す裏面の画像データは、文字部分Cが存在する。また、図3のDは、表面の画像データの主走査方向の単色画素数の合計値、または、表面の画像データの主走査方向の画像データの濃度値の合計値を模式的に示しており、図3のEは、表面の画像データの副走査方向の単色画素数の合計値、または、表面の画像データの副走査方向の画像データの濃度値の合計値を模式的に示している。また、図4のFは、裏面の画像データの主走査方向の単色画素数の合計値、または、裏面の画像データの主走査方向の画像データの濃度の合計値を模式的に示しており、図4のGは、裏面の画像データの副走査方向の単色画素数の合計値、または、裏面の画像データの副走査方向の画像データの濃度の合計値を模式的に示している。
【0029】
次に、検出手段128による、画像データの主走査方向の単色画素数の合計値または濃度値の合計値(図3のD、図4のF)、または画像データの副走査方向の単色画素数の合計値または濃度値の合計値(図3のEや図4のG)の求め方について説明する。
【0030】
まず、主走査方向の単色画素数の合計値または濃度値の合計値の求め方について説明する。図5に、検出手段128による、主走査方向の単色画素数の合計値または濃度値の合計値の算出処理の流れを示す。
【0031】
また、以下の説明では、単位画像データにはM(Mは自然数)ラインの画素が存在するとし、1ラインにはN個の画素が存在する。図5の説明において、m=1・・・Mとし、n=1・・・Nとする。つまり、m、nはそれぞれ、ライン、画素の順番を示す。また、図5では、mライン目の単色画素数の算出処理、または/および、濃度合計値の算出処理を示したものである。また、単位画像データとは、例えば、原稿1ページ分の画像データである。
【0032】
まず、読取手段21が画像データを取得すると、該画像データは一旦、記憶手段30に記憶される。そして、検出手段128は、初期設定として、n=1とする(ステップS11)。そして、mライン目のn(ここではn=1)番目の画素が検出手段128に入力される(ステップS12)。
【0033】
次に、検出手段128は、mライン目の1〜n−1番目までの単色画素数、または/および濃度合計値を記憶手段30から読み出す(ステップS16)。ここでは、n=1であることから、記憶手段30にはmライン目の1〜n−1番目までの単色画素数、または/および濃度合計値は記憶されていないことから、読み出し処理を行う必要はない。
【0034】
次に、検出手段128は、mライン目の1〜n番目までの単色画素数、または/および濃度合計値を算出する(ステップS18)。まず、単色画素数の算出手法について説明する。まず、検出手段128が、該n番目の画素が単色画素か否かを判断する。この判断の手法は、n番目の画素の濃度が予め定められた濃度閾値以上か否かを判断する。このn番目の画素の濃度が濃度閾値以上であれば、この画素は単色画素であると判断する。一方、このn番目の画素の濃度が濃度閾値未満であれば、この画素は非単色画素であると判断する。
【0035】
そして、検出手段128は、n番目の画素が単色画素である場合には、ステップS16で読み出したMライン目の1〜n−1番目までの単色画素数に「1」増加させる。そして、記憶手段30に1〜n番目までの単色画素数を記憶手段30に更新・記憶させる。一方、検出手段128は、n番目の画素が単色画素でない場合(非単色画素である場合)には、ステップS16で読み出したmライン目の1〜n−1番目までの単色画素数を更新させない。
【0036】
次に、ステップS18での濃度合計値の算出手法について説明する。検出手段128がn番目の画素の濃度値を算出する。そして、ステップS16で読み出されたmライン目の1〜n−1番目までの濃度合計値に、算出されたn番目の濃度値を加算する。そして、記憶手段30に1〜n番目までの濃度合計値を記憶手段30に更新・記憶させる。
【0037】
次に、検出手段128は、ステップS18で、直近に単色画素数、または/および、濃度合計値を算出した画素が、mライン目のN番目の画素(最終画素)であるか否かを判断する(ステップS20)。最終画素とは、mライン目の最も右側に位置する画素をいう。検出手段128が、最終画素ではないと判断すると(ステップS20のNo)、Nを「1」インクリメントする(ステップS24)。
【0038】
また、検出手段128がn番目の画素が最終画素である(つまり、n=Nである)と判断すれば(ステップS20のYes)、ステップS26に移行する。ステップS20でYesであるということは、mライン目の1〜N番目の画素までの単色画素数、または/および、濃度合計値が算出されたということである。従って、mライン目の、濃度合計値、および/または、単色画素数を記憶手段30に記憶させる(ステップS26)。
【0039】
また、図5の処理は、例えば、単位画像データ中の1〜Mラインまでの全ての画素について行なわれる。ここで、単位画像データとは、例えば、1ページ分の画像データをいう。
【0040】
このようにして、検出手段128は、画像データのMライン全ての濃度合計値、および/または、単色画素数を算出する。そして、検出手段128は、ライン毎に、濃度合計値、および/または、単色画素数を記憶手段30に記憶させる。図6に記憶手段30への記憶例を示す。図6に示すように、1〜M行のラインに対応させて濃度合計値、および/または、単色画素数を記憶させる。図6の例では、例えば、ライン数1については、単色画素数a1であり、濃度合計値b1である。
【0041】
次に、図7に、検出手段128による、副走査方向の単色画素数、または/および、濃度合計値の算出処理の流れを示す。また、画素の副走査方向の並びを「列」という。また、以下の説明では、単位画像データにはP(Pは自然数)列の画素が存在するとし、1列にはQ個の画素が存在する。図7の説明において、p=1・・・Pとし、q=1・・・Qとする。つまり、p、qはそれぞれ、列、画素の順番を示す。また、図7では、p列目の単色画素数の算出処理、または/および、濃度合計値の算出処理を示したものである。
【0042】
まず、読取手段21が画像データを取得すると、該画像データは一旦、記憶手段30に記憶される。そして、検出手段128は、初期設定として、q=1とする(ステップS11)。そうすると、p列目のq(ここではq=1)番目の画素が検出手段128に入力される(ステップS32)。
【0043】
次に、検出手段128は、q列目の1〜q−1番目までの単色画素数、または/および濃度合計値を記憶手段30から読み出す(ステップS16)。ここでは、q=1であることから、記憶手段30にはp列目の1〜q−1番目までの単色画素数、または/および濃度合計値は記憶されていないことから、読み出し処理を行う必要はない。
【0044】
次に、検出手段128は、p列目のq番目までの単色画素数、または/および、濃度合計値を算出する。まず、単色画素数の算出手法について説明する。まず、検出手段128が、該q番目の画素が単色画素か否かを判断する。この判断の手法は、q番目の画素の濃度が予め定められた濃度閾値以上か否かを判断する。このq番目の画素の濃度が濃度閾値以上であれば、この画素は単色画素であると判断する。一方、このq番目の画素の濃度が濃度閾値未満であれば、この画素は非単色画素であると判断する。そして、検出手段128が、単色画素数を算出する場合には、検出手段128は、q番目の画素が単色画素である場合には、ステップS16で読み出したP列目の1〜q−1番目までの単色画素数に「1」増加させる。そして、記憶手段30に1〜q番目までの単色画素数を記憶手段30に更新・記憶させる。
【0045】
次に、濃度合計値の算出手法について説明する。検出手段128がq番目の画素の濃度値を算出する。そして、ステップS16で読み出されたP列目の1〜q−1番目までの濃度合計値に、算出されたq番目の濃度値を加算する。そして、記憶手段30に1〜q番目までの濃度合計値を記憶手段30に更新・記憶させる。
【0046】
次に、検出手段128は、ステップS38で、直近に単色画素数、または/および、濃度合計値を算出した画素が、p列目の最終画素であるか否かを判断する(ステップS40)。P列目の最終画素とは、p列目の最も下側に位置する画素をいう。検出手段128が、最終画素ではないと判断すると(ステップS40のNo)、qを「1」インクリメントする(ステップS44)。
【0047】
また、検出手段128がq番目の画素が最終画素であると判断すれば(ステップS20のYes)、ステップS46に移行する。ステップS40でYesであるということは、p列目の1〜最終画素までの単色画素数、または/および、濃度合計値が算出されたということである。従って、P列目の、濃度合計値、および/または、単色画素数を記憶手段30に記憶させる(ステップS46)。
【0048】
また、図7の処理は、例えば、1ページの画像データ中の1列目からP列目までの全ての画素について行なわれる。
【0049】
このようにして、検出手段128は、画像データのP列全ての濃度合計値、および/または、単色画素数を算出する。そして、検出手段128は、列毎に、濃度合計値、および/または、単色画素数を記憶手段30に記憶させる。図8に記憶手段30への記憶例を示す。図8に示すように、1〜p列に対応させて濃度合計値、および/または、単色画素数を記憶させる。図8の例では、1列目については、単色画素数c1であり、濃度合計値d1である。また、p列目については、単色画素数cPであり、濃度合計値dPである。
【0050】
この図5および図7の手法を用いて、表面の画像データ、および、裏面の画像データについての主走査方向および副走査方向の単色画素数、または/および、濃度合計値を算出する。
【0051】
次に、判断手段130は、画像形成手段20が用紙の両面に画像形成するか否かを判断する。用紙の両面に画像形成するか否かは、ユーザにより決定されるものである。ユーザは、外部のPC端末から、用紙の両面に画像形成するか否かを入力するか、または、操作部17から用紙の両面に画像形成するか否かを入力する。そして、判断手段130は、入力された画像形成するか否かの情報を取得する。
【0052】
用紙の両面に印刷する場合には、両面の画質の向上のために、両面の画像を形成するための現像剤の吐出量、または、片面の画像を形成するための現像剤の吐出量を減少させる。以下では、両面の画像を形成するための現像剤の吐出量を単に「両面の吐出量」とし、片面の画像を形成するための現像剤の吐出量を単に「片面の吐出量」という。
【0053】
[変更手段120による変更手法]
次に、変更手段120による変更手法について説明する。変更手段120は、判断手段130が、画像形成手段20は用紙の両面に画像形成すると判断した場合に、特徴量に応じて、画像形成手段20から吐出される現像剤の吐出量を減少させる。変更手段120は、(i)両面の吐出量を減少させる(ii)片面の吐出量を減少させる(iii)両面いずれの吐出量も減少させない、のうちの何れかの処理を行う。
【0054】
まず特徴量が、単色画素が連続している領域の面積又は領域の数、または、前記画像データの単色画素が略連続している領域の面積または領域の数である場合について説明する。
≪特徴量が、単色画素が連続している領域の面積又は領域の数、または、画像データの単色画素が略連続している領域の面積または領域の数である場合≫
単色画素が連続している領域の「連続」とは主走査方向または副走査方向に単色画素が連続していることをいう。図3の例では、「山」の画像A1を構成する領域である。また、画像データの単色画素が「略連続」している領域とは、単色画素が連続しており、少数個(例えば、1個や2個)の非単色画素が存在し、再び単色画素が連続している領域をいう。
【0055】
変更手段120は、検出手段128が検出した両面(表面および裏面)の画像データの単色画素が連続している領域(以下、「連続領域」という。)の面積を取得する。連続領域の面積の取得手法の一例を説明する。例えば、m1番目のラインと、p1番目の列と、が直交する画素については、m1番目のラインの単色画素数の合計と、p1番目の列の単色画素数の合計から、該画素が単色画素であるか否かを判断すればよい。このようにして、全ての画素について、単色画素であるか否かを判断し両面それぞれについての連続領域の面積が、第1閾値E1以上であるか否かを判断する。ここで、第1閾値E1は予め定められた値であり、記憶手段30に記憶されている。また、連続領域の面積の取得手法は他の方法を用いてもよい。
【0056】
変更手段120は、用紙の両面のうち、連続領域の面積または連続領域の数が第1閾値以上である面に、画像形成される際に吐出される現像剤の吐出量を減少させる
具体的には、変更手段120は、両面の連続領域の面積が共に第1閾値E1以上である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、一面の連続領域の面積が第1閾値E1以上であり、他面の連続領域の面積が第1閾値E1未満である場合には、該一面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、両面の連続領域の面積が共に第1閾値E1未満である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させない(従って、吐出量はそのままである)。
【0057】
図3の例では、表面の画像データについては、連続領域である「「山」の画像A1の領域」の面積が、第1閾値E1以上である。また、図4に示す裏面の画像データについては、連続領域は存在しない。従って、図3、図4の画像データの場合には、両面の吐出量を減少させるということはない。
【0058】
また、「連続領域の面積」ではなく、「連続領域の数」を用いて、変更手段120は、両面の吐出量を減少させるか否かの判断を行なってもよい。この場合には、変更手段120は、両面の連続領域の個数が共に第1閾値E1以上である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、一面の連続領域の個数が第1閾値E1以上であり、他面の連続領域の面積が第1閾値E1未満である場合には、該一面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、両面の連続領域の面積が共に第1閾値E1未満である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させない(従って、吐出量はそのままである)。
【0059】
図3を例として説明する。また、第1閾値E1を「2」とする。連続領域が「「山」の画像の領域A1」、「「雲」の画像の領域A2」、「「太陽」の画像の領域A3」と3つある。従って、連続領域の個数(=3)は、第1閾値E1(=2)より大きいことから、表面の画像を形成する際の現像剤の吐出量を減少させる。一方、図4の裏面の画像データについては、連続領域の個数(=0)は、第1閾値E1(=2)より小さいことから、裏面の画像を形成する際の現像剤の吐出量を減少させない。従って、図3、図4の画像データの場合については、表面の画像データについての吐出量を減少させる。
【0060】
次に、特徴量が、画像データの濃度値である場合について説明する。
≪特徴量が、画像データの濃度値である場合≫
変更手段120は、濃度値が第2閾値E2以上である領域の面積または領域の数が、第3閾値E3以上である面に、現像剤の吐出量を減少させる。また、画像データの濃度値は、検出手段128が検出するものである。以下では、濃度値が第2閾値E2以上である領域を「濃度高領域」という。
【0061】
変更手段120は、両面(表面および裏面)の画像データの濃度高領域の面積を取得する。濃度高領域の面積の取得手法の一例を説明する。例えば、m1番目のラインと、p1番目の列と、が直交する画素については、m1番目のラインの合計濃度値の合計と、p1番目の列の合計濃度値の合計から、該画素の濃度値を求める。このようにして、全ての画素について、濃度値を求め、更に、濃度高領域の面積を求める。両面それぞれについての濃度高領域の面積が、第1閾値E1以上であるか否かを判断する。ここで、第3閾値E3は予め定められた値であり、記憶手段30に記憶されている。また、濃度高領域の面積の取得手法は他の方法を用いてもよい。
【0062】
変更手段120は、用紙の両面のうち、濃度高領域の面積または濃度高領域の数が第3閾値E3以上である面に、画像形成される際に吐出される現像剤の吐出量を減少させる。
【0063】
具体的には、変更手段120は、両面の濃度高領域の面積が共に第3閾値E3以上である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、一面の濃度高領域の面積が第3閾値E1以上であり、他面の濃度高領域の面積が第3閾値E3未満である場合には、該一面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、両面の濃度高領域の面積が共に第3閾値E3未満である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させない(従って、吐出量はそのままである)。
【0064】
図3の例では、表面の画像データについては、濃度高領域である「「山」の画像A1の領域」の面積が、第3閾値E1以上である。また、図4に示す裏面の画像データについては、濃度高領域は存在しない。従って、図3、図4の画像データの場合には、表面の吐出量を減少させ、裏面の吐出量については減少させない。
【0065】
また、「濃度高領域の面積」ではなく、「濃度高領域の数」を用いて、変更手段120は、両面の吐出量を減少させるか否かの判断を行なってもよい。この場合には、変更手段120は、両面の濃度高領域の個数が共に第3閾値E3以上である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、一面の濃度高領域の個数が第3閾値E3以上であり、他面の濃度高領域の面積が第3閾値E3未満である場合には、該一面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、両面の濃度高領域の面積が共に第3閾値E3未満である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させない(従って、吐出量はそのままである)。
【0066】
図3を例として説明する。また、第3閾値E3を「2」とする。濃度高領域が「「山」の画像の領域A1」、「「雲」の画像の領域A2」、「「太陽」の画像の領域A3」と3つある。従って、濃度高領域の個数(=3)は、第3閾値E3(=2)より大きいことから、表面の画像を形成する際の現像剤の吐出量を減少させる。一方、図4の裏面の画像データについては、濃度高領域の個数(=0)は、第3閾値E3(=2)より小さいことから、裏面の画像を形成する際の現像剤の吐出量を減少させない。従って、図3、図4の画像データの場合については、表面の画像データについての吐出量を減少させる。
【0067】
また、第3閾値E3については、複数個の画素数とすることも出来るし、1個の画素数とすることも出来る。第3閾値E3を「1個の画素数」とすると、表面または裏面の画像データにおいて、濃度が第2閾値E2より高い画素が1個でもあれば、該画素がある方の面の現像剤の吐出量を減少するようにすることが出来る。また、第3閾値E3を複数個の画素数とすると、第3閾値E3を、濃度高領域の面積として、扱うことが出来る。
【0068】
また、特徴量を「連続領域」および「高濃度領域」としてもよい。この場合には、表面と裏面とで用いる特徴量を異ならせることが出来る。例えば、変更手段120は、表面について、連続領域の面積または数が、第1閾値E1以上であるか否かを判断し、裏面については濃度高領域の面積または数が、第3閾値E3以上であるか否かを判断するようにしても良い。また、逆に、変更手段120は、表面について、濃度高領域の面積または数が、第3閾値E3以上であるか否かを判断し、裏面については連続領域の面積または数が、第1閾値E1以上であるか否かを判断するようにしても良い。
【0069】
この実施形態1によれば、用紙に両面印刷する場合に、連続領域の面積や個数、濃度高領域の面積や個数が、閾値より高ければ、該閾値より高い面についての現像剤の吐出量を減少させる。連続領域の面積や個数、濃度高領域の面積や個数が、閾値より高いということは、現像剤がインクの場合には、裏写り現象が発生して画質が低下する。また、現像剤がトナーの場合には、該トナーの量が多くなり、画像形成後の用紙が厚くなり画質が低下する。従って、連続領域の面積や個数、濃度高領域の面積や個数が、閾値より高い場合には、現像剤の吐出量を減少させて、両面の画質を向上させることが出来る。
[実施形態2]
次に、実施形態2の画像形成装置について説明する。実施形態2の特徴量は、用紙の一面(表面)に形成される画像と、用紙の他面(裏面)に形成される画像と、が重複(重畳)している領域(以下、「重複領域」という。)があるか否かである。ここで重複領域とは、表面と裏面に印刷された用紙を透かして見て、画像が重複している領域である。この重複領域があると、用紙の裏写りなどが発生しやすくなる。
【0070】
重複領域があるか否かの判断手法について説明する。図3、図4に示すように、検出手段128が単色画素数または濃度合計値を検出する。ここでは、検出手段128が、単色画素数を検出する場合を説明する。
【0071】
そして、変更手段120が、表面および裏面の画素が存在する領域を検出する。表面の画素が存在する領域を第1領域とし、座標幅を第1座標幅とする。また、裏面の画素が存在する領域を第2領域とし、座標幅を第2座標幅とする。図9に第1領域Hを示し、図10に第2領域Iを示す。
【0072】
第1領域Hの検出手法として、変更手段120は、検出手段128が検出した主走査方向の単色画素の幅H1を主走査方向の第1座標幅とし、副走査方向の単色画素の幅H2を副走査方向の第2座標幅とする。そして、第1座標幅、第2座標幅を座標の幅とする領域を第1領域Hとする。
【0073】
同様に、第2領域Iの検出手法として、変更手段120は、検出手段128が検出した主走査方向の単色画素の幅I1を主走査方向の第1座標幅とし、副走査方向の単色画素の幅I2を副走査方向の第2座標幅とする。そして、第1座標幅、第2座標幅を座標の幅とする領域を第2領域Iとする。
【0074】
そして、検出手段128が、第1領域Hと第2領域Iとが重複している領域J(重複領域J)を検出する。具体的な重複領域Jの検出手法として、表面の主走査方向の第1座標幅H1と、裏面の主走査方向の第1座標幅I1の重複している幅を重複領域Jの主走査方向の座標幅J1とする。また、表面の副走査方向の第2座標幅H2と、裏面の副走査方向の第2座標幅I2の重複している幅を重複領域Jの副走査方向の座標幅J2とする。そして、座標幅J1と座標幅J2を座標の幅とする領域を重複領域Jとする。
【0075】
そして、重複領域Jが存在する場合には、裏写り現象などが生じ易くなる。従って、両面または、片面(表面、裏面のうち何れかの面)の現像剤の吐出量を減少させる必要がある。両面、または、片面のうちいずれの現像剤の吐出量を減少させるかは、実施形態1で説明した手法を用いればよい。
【0076】
また、逆に、重複領域Jが存在しない場合には、実施形態1で説明した条件(連続領域の面積や個数、濃度高領域の面積や個数が、閾値より高い場合)であっても、用紙の裏写りなどが発生しがたいため、現像剤の吐出量を減少させないようにしてもよい。
【0077】
このように、実施形態2の画像形成装置では、重複領域が存在すると判定された後に、単色画素、または/および、濃度値を用いて、変更手段118が現像剤の吐出量を減少させるか否かを判断する。従って、実施形態1の画像形成装置と比較して、更に正確に、変更手段118は、現像剤の吐出量を減少させるか否かを判断することが出来る。
[実施形態3]
次に、実施形態3の画像形成装置について説明する。実施形態2の画像形成装置では、一度に、重複領域Jを検出していたが、実施形態3の画像形成装置では、複数ブロックに分けて、重複領域Jを検出する。例えば、表面および裏面の画像データは図12に示す画像データKである場合について説明する。つまり、表面および裏面の画像データは同一であり、重複領域がないものとする。
【0078】
上述のように、変更手段120は、m1番目のラインと、p1番目の列と、が直交する画素については、m1番目のラインの単色画素数の合計と、p1番目の列の単色画素数の合計から、該画素が単色画素か否かを判断する。従って、図12のような画像データの場合には、表面、裏面共に、図13に示す領域Nに画像が存在すると判定されてしまう。その結果、実際は、重複領域は存在しないが、領域Nが重複領域とみなされてしまい、変更手段120は、誤った判断を行なってしまう。
【0079】
そこで、実施形態3の画像形成装置では、図14に示すように、画像データKを複数ブロックに分けて、各ブロックごとに重複領域があるか否かの判断を行なえばよい。図14の例では、画像データKを9ブロックに分けた例を示し、左上のブロックについての単色画素が存在すると検出されたラインTと、副走査方向において、単色画素が存在すると検出された列Uを示す。そして、全てのブロックにおいて、ラインTと列Uを検出する。
【0080】
また、裏面についても、表面と同数のブロック分割を行い、ラインTと列Uを検出する。そして、変更手段120は、表面および裏面において、各ブロックごとに重複領域があるか否かを判断する。このブロック分割処理を行うことで、如何なる画像データであっても、誤った重複領域の検出を防ぐことが出来る。
【0081】
この実施形態3の画像形成装置によれば、画像データを複数ブロックに分割して、各ブロックごとに、重複領域を検出する。従って、如何なる画像データであっても、誤った重複領域の検出を防ぐことが出来る。
【符号の説明】
【0082】
112 入力制御手段
114 フィルタ手段
116 色補正手段
118 変倍手段
120 変更手段
122 階調補正手段
124 編集加工手段
126 出力制御手段
128 検出手段
130 判断手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開2002−036528号公報
【特許文献2】特開2007−118238号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、用紙上にインクで画像形成した場合には、用紙の種類によっては、インクの水分が膨張変形して、高画質な画像を形成できない問題が生じる場合がある。また、用紙上にトナーで画像形成した場合には、トナーの重なりにより厚みが増し、用紙がカールしたり、トナーがはがれて、高画質な画像を形成できない問題が生じる場合がある。
【0003】
このような問題を解決するために、用紙に付着されるインク量、トナー量を制限することで、画質を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の技術は、単位面積あたりのドット数を減らすため,色再現が悪く画質が低下するという問題が生じる。
【0005】
また、特許文献2の記載の技術は、両面印刷であるか否かのみの判断で,出力インクの付着量に対して一定の係数を乗じるため、反対の面の画像データについてのインク付着量も制限され、画質が低下するという問題が生じる。
【0006】
そこで、このような問題を鑑みて、本発明では、両面印刷する場合において、両面画質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、画像データに基づいて、現像剤を吐出することで記録媒体の片面または両面に画像形成する画像形成手段と、前記画像データの特徴量を検出する検出手段と、前記画像形成手段が前記記録媒体の両面に画像形成するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が、前記画像形成手段は前記記録媒体の両面に画像形成すると判断した場合に、前記特徴量に応じて、前記画像形成手段から吐出される前記現像剤の吐出量を減少させる変更手段と、を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像形成装置によれば、両面印刷する場合において、両面画質を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施例の画像形成装置の機能構成例を示す図。
【図2】本実施例の画像処理手段などの機能構成例を示した図。
【図3】本実施例の表面の画像データの一例を示した図。
【図4】本実施例の裏面の画像データの一例を示した図。
【図5】本実施例の主走査方向の画素数の合計を求めるための処理フロー図。
【図6】本実施例の記憶形態の一例を示した図(その1)。
【図7】本実施例の副走査方向の画素数の合計を求めるための処理フロー図。
【図8】本実施例の記憶形態の一例を示した図(その2)。
【図9】本実施例の第1領域の例を示した図。
【図10】本実施例の第2領域の例を示した図。
【図11】本実施例の重複領域の例を示した図。
【図12】別の実施形態の表面の画像データを示した図。
【図13】別の実施形態の裏面の画像データを示した図。
【図14】画像データを複数ブロックに分けた例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
画像形成装置とは例えば、プリンタ、ファクシミリ、インクジェット記録装置などの複写装置、プロッタ、これらの複合機などである。また、記録媒体は、例えば、基板、用紙、連続紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどの媒体である。また、現像剤とは、記録媒体に画像形成するために用いられるものであり、例えば、トナーやインクをいう。以下では、記録媒体を用紙として説明し、現像剤をインクであるとして説明する。
【0011】
以下に、各実施形態について説明する。また、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行う過程には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
[実施形態1]
まず、実施形態1のハードウェア構成について説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図1に示すように、画像形成装置10は、制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、外部記憶装置I/F部14、ネットワークインターフェース部16、入力部17、表示部18、エンジン部19を含む。
【0012】
制御部11は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部11は、主記憶部12に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0013】
主記憶部12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部11が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムや画像データを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0014】
補助記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0015】
外部記憶装置I/F部14は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体15(例えば、フラッシュメモリ、SDカードなど)と画像形成装置10とのインタフェースである。また、主記憶部12と補助記憶部13をまとめて、記憶手段30とする。
【0016】
また、記憶媒体15に、所定のプログラムを格納し、この記憶媒体15に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部14を介して画像形成装置10にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは画像形成装置10により実行可能となる。
【0017】
ネットワークインターフェース部16は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と画像形成装置10とのインタフェースであり、画像形成装置内の構成部からの情報を取得する。
【0018】
入力部17や表示部18は、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とから構成され、画像形成装置10が有する機能を利用する際のUI(User Interface)として機能する表示及び/又は入力装置である。
【0019】
エンジン部19は、例えば、画像形成手段20や読取手段21などを駆動するものである。読取手段21とは、ユーザがセットした原稿を読み取ることで、該原稿の画像データを取得するものである。画像形成手段20とは、読取手段21が取得した画像データに基づいて、用紙にインクを吐出することで、該用紙に画像形成するものである。
[画像処理の流れ]
次に、画像処理の流れについて説明する。この例では、制御部11が、画像処理を行うものとして説明するが、制御部11とは別個に画像処理手段を設け、該画像処理手段が画像処理を行うようにしてもよい。
【0020】
図2に制御部11の機能構成例を示す。図2の例では、検出手段128、判断手段130、画像処理手段140を有する。画像処理手段140は画像処理を行う。画像処理手段140による画像処理の簡単な流れを説明する。読取手段21により取得された画像データは、入力制御手段112で、処理単位の画像データに変換される。画像処理手段140に転送される画像データは、転送速度等に合わせて数画素単位のデータにパッキングされているなど、画像処理を行なう処理単位と異なる場合があるため,入力制御手段112にて処理単位とする。
【0021】
入力制御手段112から入力された画像データは、フィルタ手段114によりフィルタ処理される。フィルタ処理された画像データは色補正手段116により色補正される。色補正された画像データは、変倍手段118により、変倍処理が行われる。変倍処理が行われた画像データに基づいて、変更手段120は、現像剤の総量規制を行なう。具体的には、用紙に印刷される画像についての画像データに対しての現像剤の吐出量を制限(減少)するもので,入力された1ドットの画像データに対して,印刷する画像の各色(例えばCMYK)の現像剤の吐出量の制限を行なう。変更手段120の吐出量の減少については、後述する。なお吐出量の減少率については予め定められており、記憶手段30に記憶されている。
【0022】
変更手段120による総量規制された画像データは、階調補正手段122により、階調補正される。そして、階調補正された画像データは、編集加工手段124により、編集加工されて、印刷用画像データとして出力される。そして、出力制御手段126により、この印刷用画像データは、出力フォーマットに変換される。
【0023】
次に、実施形態1の画像形成装置の更なる処理について説明する。検出手段128は、読取手段21に取得された画像データを測定することで、該画像データの特徴量を検出する。
【0024】
ここで、画像データの特徴量とは、(i)単色画素が連続(または略連続)している領域(以下、「連続領域」という。)の面積または該連続領域の数、(ii)画像データの濃度値が第2閾値(後述する)以上の領域(以下、「濃度高領域」という。)や、(iii)「用紙の面面に形成される画像と、裏面に形成される画像と、が重複している領域(「重複領域」という。)があるか否か」などをいう。
【0025】
ここで、単色画素とは、色(例えば、CMYK)を有する画素をいう。また、全画素のうち、単色画素以外の画素を非単色画素という。非単色画素とは、例えば、無色の画素をいう。
【0026】
この実施形態1では、画像データの特徴量が(i)連続領域の面積または数(以下、「連続領域の面積など」という。)、または、(ii)濃度高領域の面積または数(以下、「濃度高領域の面積など」という。)、である例について説明する。また、特徴量が(iii)重複領域があるか否か、である例については、実施形態2で説明する。
[特徴量の検知]
次に、検知手段128による画像データの連続領域や濃度高領域の検知手法について説明する。図3に用紙の表面に印刷される画像についての画像データ(つまりユーザがセットする原稿の表面の画像)を模式的に示し、図4に用紙の裏面に印刷される画像についての画像データ(つまりユーザがセットする原稿の裏面の画像)を模式的に示す。以下では、表面に形成される画像についての画像データを単に「表面の画像データ」といい、裏面に形成される画像についての画像データを単に「裏面の画像データ」という。
【0027】
また、画像形成手段20が用紙に対して印刷する方向を主走査方向とし、画像形成手段20が用紙に対して印刷する際に、用紙が搬送される方向を副走査方向とする。
【0028】
図3に示す表面の画像データには、絵柄・写真部分Aと文字部分Bとが存在する。また、図4に示す裏面の画像データは、文字部分Cが存在する。また、図3のDは、表面の画像データの主走査方向の単色画素数の合計値、または、表面の画像データの主走査方向の画像データの濃度値の合計値を模式的に示しており、図3のEは、表面の画像データの副走査方向の単色画素数の合計値、または、表面の画像データの副走査方向の画像データの濃度値の合計値を模式的に示している。また、図4のFは、裏面の画像データの主走査方向の単色画素数の合計値、または、裏面の画像データの主走査方向の画像データの濃度の合計値を模式的に示しており、図4のGは、裏面の画像データの副走査方向の単色画素数の合計値、または、裏面の画像データの副走査方向の画像データの濃度の合計値を模式的に示している。
【0029】
次に、検出手段128による、画像データの主走査方向の単色画素数の合計値または濃度値の合計値(図3のD、図4のF)、または画像データの副走査方向の単色画素数の合計値または濃度値の合計値(図3のEや図4のG)の求め方について説明する。
【0030】
まず、主走査方向の単色画素数の合計値または濃度値の合計値の求め方について説明する。図5に、検出手段128による、主走査方向の単色画素数の合計値または濃度値の合計値の算出処理の流れを示す。
【0031】
また、以下の説明では、単位画像データにはM(Mは自然数)ラインの画素が存在するとし、1ラインにはN個の画素が存在する。図5の説明において、m=1・・・Mとし、n=1・・・Nとする。つまり、m、nはそれぞれ、ライン、画素の順番を示す。また、図5では、mライン目の単色画素数の算出処理、または/および、濃度合計値の算出処理を示したものである。また、単位画像データとは、例えば、原稿1ページ分の画像データである。
【0032】
まず、読取手段21が画像データを取得すると、該画像データは一旦、記憶手段30に記憶される。そして、検出手段128は、初期設定として、n=1とする(ステップS11)。そして、mライン目のn(ここではn=1)番目の画素が検出手段128に入力される(ステップS12)。
【0033】
次に、検出手段128は、mライン目の1〜n−1番目までの単色画素数、または/および濃度合計値を記憶手段30から読み出す(ステップS16)。ここでは、n=1であることから、記憶手段30にはmライン目の1〜n−1番目までの単色画素数、または/および濃度合計値は記憶されていないことから、読み出し処理を行う必要はない。
【0034】
次に、検出手段128は、mライン目の1〜n番目までの単色画素数、または/および濃度合計値を算出する(ステップS18)。まず、単色画素数の算出手法について説明する。まず、検出手段128が、該n番目の画素が単色画素か否かを判断する。この判断の手法は、n番目の画素の濃度が予め定められた濃度閾値以上か否かを判断する。このn番目の画素の濃度が濃度閾値以上であれば、この画素は単色画素であると判断する。一方、このn番目の画素の濃度が濃度閾値未満であれば、この画素は非単色画素であると判断する。
【0035】
そして、検出手段128は、n番目の画素が単色画素である場合には、ステップS16で読み出したMライン目の1〜n−1番目までの単色画素数に「1」増加させる。そして、記憶手段30に1〜n番目までの単色画素数を記憶手段30に更新・記憶させる。一方、検出手段128は、n番目の画素が単色画素でない場合(非単色画素である場合)には、ステップS16で読み出したmライン目の1〜n−1番目までの単色画素数を更新させない。
【0036】
次に、ステップS18での濃度合計値の算出手法について説明する。検出手段128がn番目の画素の濃度値を算出する。そして、ステップS16で読み出されたmライン目の1〜n−1番目までの濃度合計値に、算出されたn番目の濃度値を加算する。そして、記憶手段30に1〜n番目までの濃度合計値を記憶手段30に更新・記憶させる。
【0037】
次に、検出手段128は、ステップS18で、直近に単色画素数、または/および、濃度合計値を算出した画素が、mライン目のN番目の画素(最終画素)であるか否かを判断する(ステップS20)。最終画素とは、mライン目の最も右側に位置する画素をいう。検出手段128が、最終画素ではないと判断すると(ステップS20のNo)、Nを「1」インクリメントする(ステップS24)。
【0038】
また、検出手段128がn番目の画素が最終画素である(つまり、n=Nである)と判断すれば(ステップS20のYes)、ステップS26に移行する。ステップS20でYesであるということは、mライン目の1〜N番目の画素までの単色画素数、または/および、濃度合計値が算出されたということである。従って、mライン目の、濃度合計値、および/または、単色画素数を記憶手段30に記憶させる(ステップS26)。
【0039】
また、図5の処理は、例えば、単位画像データ中の1〜Mラインまでの全ての画素について行なわれる。ここで、単位画像データとは、例えば、1ページ分の画像データをいう。
【0040】
このようにして、検出手段128は、画像データのMライン全ての濃度合計値、および/または、単色画素数を算出する。そして、検出手段128は、ライン毎に、濃度合計値、および/または、単色画素数を記憶手段30に記憶させる。図6に記憶手段30への記憶例を示す。図6に示すように、1〜M行のラインに対応させて濃度合計値、および/または、単色画素数を記憶させる。図6の例では、例えば、ライン数1については、単色画素数a1であり、濃度合計値b1である。
【0041】
次に、図7に、検出手段128による、副走査方向の単色画素数、または/および、濃度合計値の算出処理の流れを示す。また、画素の副走査方向の並びを「列」という。また、以下の説明では、単位画像データにはP(Pは自然数)列の画素が存在するとし、1列にはQ個の画素が存在する。図7の説明において、p=1・・・Pとし、q=1・・・Qとする。つまり、p、qはそれぞれ、列、画素の順番を示す。また、図7では、p列目の単色画素数の算出処理、または/および、濃度合計値の算出処理を示したものである。
【0042】
まず、読取手段21が画像データを取得すると、該画像データは一旦、記憶手段30に記憶される。そして、検出手段128は、初期設定として、q=1とする(ステップS11)。そうすると、p列目のq(ここではq=1)番目の画素が検出手段128に入力される(ステップS32)。
【0043】
次に、検出手段128は、q列目の1〜q−1番目までの単色画素数、または/および濃度合計値を記憶手段30から読み出す(ステップS16)。ここでは、q=1であることから、記憶手段30にはp列目の1〜q−1番目までの単色画素数、または/および濃度合計値は記憶されていないことから、読み出し処理を行う必要はない。
【0044】
次に、検出手段128は、p列目のq番目までの単色画素数、または/および、濃度合計値を算出する。まず、単色画素数の算出手法について説明する。まず、検出手段128が、該q番目の画素が単色画素か否かを判断する。この判断の手法は、q番目の画素の濃度が予め定められた濃度閾値以上か否かを判断する。このq番目の画素の濃度が濃度閾値以上であれば、この画素は単色画素であると判断する。一方、このq番目の画素の濃度が濃度閾値未満であれば、この画素は非単色画素であると判断する。そして、検出手段128が、単色画素数を算出する場合には、検出手段128は、q番目の画素が単色画素である場合には、ステップS16で読み出したP列目の1〜q−1番目までの単色画素数に「1」増加させる。そして、記憶手段30に1〜q番目までの単色画素数を記憶手段30に更新・記憶させる。
【0045】
次に、濃度合計値の算出手法について説明する。検出手段128がq番目の画素の濃度値を算出する。そして、ステップS16で読み出されたP列目の1〜q−1番目までの濃度合計値に、算出されたq番目の濃度値を加算する。そして、記憶手段30に1〜q番目までの濃度合計値を記憶手段30に更新・記憶させる。
【0046】
次に、検出手段128は、ステップS38で、直近に単色画素数、または/および、濃度合計値を算出した画素が、p列目の最終画素であるか否かを判断する(ステップS40)。P列目の最終画素とは、p列目の最も下側に位置する画素をいう。検出手段128が、最終画素ではないと判断すると(ステップS40のNo)、qを「1」インクリメントする(ステップS44)。
【0047】
また、検出手段128がq番目の画素が最終画素であると判断すれば(ステップS20のYes)、ステップS46に移行する。ステップS40でYesであるということは、p列目の1〜最終画素までの単色画素数、または/および、濃度合計値が算出されたということである。従って、P列目の、濃度合計値、および/または、単色画素数を記憶手段30に記憶させる(ステップS46)。
【0048】
また、図7の処理は、例えば、1ページの画像データ中の1列目からP列目までの全ての画素について行なわれる。
【0049】
このようにして、検出手段128は、画像データのP列全ての濃度合計値、および/または、単色画素数を算出する。そして、検出手段128は、列毎に、濃度合計値、および/または、単色画素数を記憶手段30に記憶させる。図8に記憶手段30への記憶例を示す。図8に示すように、1〜p列に対応させて濃度合計値、および/または、単色画素数を記憶させる。図8の例では、1列目については、単色画素数c1であり、濃度合計値d1である。また、p列目については、単色画素数cPであり、濃度合計値dPである。
【0050】
この図5および図7の手法を用いて、表面の画像データ、および、裏面の画像データについての主走査方向および副走査方向の単色画素数、または/および、濃度合計値を算出する。
【0051】
次に、判断手段130は、画像形成手段20が用紙の両面に画像形成するか否かを判断する。用紙の両面に画像形成するか否かは、ユーザにより決定されるものである。ユーザは、外部のPC端末から、用紙の両面に画像形成するか否かを入力するか、または、操作部17から用紙の両面に画像形成するか否かを入力する。そして、判断手段130は、入力された画像形成するか否かの情報を取得する。
【0052】
用紙の両面に印刷する場合には、両面の画質の向上のために、両面の画像を形成するための現像剤の吐出量、または、片面の画像を形成するための現像剤の吐出量を減少させる。以下では、両面の画像を形成するための現像剤の吐出量を単に「両面の吐出量」とし、片面の画像を形成するための現像剤の吐出量を単に「片面の吐出量」という。
【0053】
[変更手段120による変更手法]
次に、変更手段120による変更手法について説明する。変更手段120は、判断手段130が、画像形成手段20は用紙の両面に画像形成すると判断した場合に、特徴量に応じて、画像形成手段20から吐出される現像剤の吐出量を減少させる。変更手段120は、(i)両面の吐出量を減少させる(ii)片面の吐出量を減少させる(iii)両面いずれの吐出量も減少させない、のうちの何れかの処理を行う。
【0054】
まず特徴量が、単色画素が連続している領域の面積又は領域の数、または、前記画像データの単色画素が略連続している領域の面積または領域の数である場合について説明する。
≪特徴量が、単色画素が連続している領域の面積又は領域の数、または、画像データの単色画素が略連続している領域の面積または領域の数である場合≫
単色画素が連続している領域の「連続」とは主走査方向または副走査方向に単色画素が連続していることをいう。図3の例では、「山」の画像A1を構成する領域である。また、画像データの単色画素が「略連続」している領域とは、単色画素が連続しており、少数個(例えば、1個や2個)の非単色画素が存在し、再び単色画素が連続している領域をいう。
【0055】
変更手段120は、検出手段128が検出した両面(表面および裏面)の画像データの単色画素が連続している領域(以下、「連続領域」という。)の面積を取得する。連続領域の面積の取得手法の一例を説明する。例えば、m1番目のラインと、p1番目の列と、が直交する画素については、m1番目のラインの単色画素数の合計と、p1番目の列の単色画素数の合計から、該画素が単色画素であるか否かを判断すればよい。このようにして、全ての画素について、単色画素であるか否かを判断し両面それぞれについての連続領域の面積が、第1閾値E1以上であるか否かを判断する。ここで、第1閾値E1は予め定められた値であり、記憶手段30に記憶されている。また、連続領域の面積の取得手法は他の方法を用いてもよい。
【0056】
変更手段120は、用紙の両面のうち、連続領域の面積または連続領域の数が第1閾値以上である面に、画像形成される際に吐出される現像剤の吐出量を減少させる
具体的には、変更手段120は、両面の連続領域の面積が共に第1閾値E1以上である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、一面の連続領域の面積が第1閾値E1以上であり、他面の連続領域の面積が第1閾値E1未満である場合には、該一面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、両面の連続領域の面積が共に第1閾値E1未満である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させない(従って、吐出量はそのままである)。
【0057】
図3の例では、表面の画像データについては、連続領域である「「山」の画像A1の領域」の面積が、第1閾値E1以上である。また、図4に示す裏面の画像データについては、連続領域は存在しない。従って、図3、図4の画像データの場合には、両面の吐出量を減少させるということはない。
【0058】
また、「連続領域の面積」ではなく、「連続領域の数」を用いて、変更手段120は、両面の吐出量を減少させるか否かの判断を行なってもよい。この場合には、変更手段120は、両面の連続領域の個数が共に第1閾値E1以上である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、一面の連続領域の個数が第1閾値E1以上であり、他面の連続領域の面積が第1閾値E1未満である場合には、該一面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、両面の連続領域の面積が共に第1閾値E1未満である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させない(従って、吐出量はそのままである)。
【0059】
図3を例として説明する。また、第1閾値E1を「2」とする。連続領域が「「山」の画像の領域A1」、「「雲」の画像の領域A2」、「「太陽」の画像の領域A3」と3つある。従って、連続領域の個数(=3)は、第1閾値E1(=2)より大きいことから、表面の画像を形成する際の現像剤の吐出量を減少させる。一方、図4の裏面の画像データについては、連続領域の個数(=0)は、第1閾値E1(=2)より小さいことから、裏面の画像を形成する際の現像剤の吐出量を減少させない。従って、図3、図4の画像データの場合については、表面の画像データについての吐出量を減少させる。
【0060】
次に、特徴量が、画像データの濃度値である場合について説明する。
≪特徴量が、画像データの濃度値である場合≫
変更手段120は、濃度値が第2閾値E2以上である領域の面積または領域の数が、第3閾値E3以上である面に、現像剤の吐出量を減少させる。また、画像データの濃度値は、検出手段128が検出するものである。以下では、濃度値が第2閾値E2以上である領域を「濃度高領域」という。
【0061】
変更手段120は、両面(表面および裏面)の画像データの濃度高領域の面積を取得する。濃度高領域の面積の取得手法の一例を説明する。例えば、m1番目のラインと、p1番目の列と、が直交する画素については、m1番目のラインの合計濃度値の合計と、p1番目の列の合計濃度値の合計から、該画素の濃度値を求める。このようにして、全ての画素について、濃度値を求め、更に、濃度高領域の面積を求める。両面それぞれについての濃度高領域の面積が、第1閾値E1以上であるか否かを判断する。ここで、第3閾値E3は予め定められた値であり、記憶手段30に記憶されている。また、濃度高領域の面積の取得手法は他の方法を用いてもよい。
【0062】
変更手段120は、用紙の両面のうち、濃度高領域の面積または濃度高領域の数が第3閾値E3以上である面に、画像形成される際に吐出される現像剤の吐出量を減少させる。
【0063】
具体的には、変更手段120は、両面の濃度高領域の面積が共に第3閾値E3以上である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、一面の濃度高領域の面積が第3閾値E1以上であり、他面の濃度高領域の面積が第3閾値E3未満である場合には、該一面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、両面の濃度高領域の面積が共に第3閾値E3未満である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させない(従って、吐出量はそのままである)。
【0064】
図3の例では、表面の画像データについては、濃度高領域である「「山」の画像A1の領域」の面積が、第3閾値E1以上である。また、図4に示す裏面の画像データについては、濃度高領域は存在しない。従って、図3、図4の画像データの場合には、表面の吐出量を減少させ、裏面の吐出量については減少させない。
【0065】
また、「濃度高領域の面積」ではなく、「濃度高領域の数」を用いて、変更手段120は、両面の吐出量を減少させるか否かの判断を行なってもよい。この場合には、変更手段120は、両面の濃度高領域の個数が共に第3閾値E3以上である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、一面の濃度高領域の個数が第3閾値E3以上であり、他面の濃度高領域の面積が第3閾値E3未満である場合には、該一面の画像形成する際の吐出量を減少させる。また、変更手段120は、両面の濃度高領域の面積が共に第3閾値E3未満である場合には、両面の画像形成する際の吐出量を減少させない(従って、吐出量はそのままである)。
【0066】
図3を例として説明する。また、第3閾値E3を「2」とする。濃度高領域が「「山」の画像の領域A1」、「「雲」の画像の領域A2」、「「太陽」の画像の領域A3」と3つある。従って、濃度高領域の個数(=3)は、第3閾値E3(=2)より大きいことから、表面の画像を形成する際の現像剤の吐出量を減少させる。一方、図4の裏面の画像データについては、濃度高領域の個数(=0)は、第3閾値E3(=2)より小さいことから、裏面の画像を形成する際の現像剤の吐出量を減少させない。従って、図3、図4の画像データの場合については、表面の画像データについての吐出量を減少させる。
【0067】
また、第3閾値E3については、複数個の画素数とすることも出来るし、1個の画素数とすることも出来る。第3閾値E3を「1個の画素数」とすると、表面または裏面の画像データにおいて、濃度が第2閾値E2より高い画素が1個でもあれば、該画素がある方の面の現像剤の吐出量を減少するようにすることが出来る。また、第3閾値E3を複数個の画素数とすると、第3閾値E3を、濃度高領域の面積として、扱うことが出来る。
【0068】
また、特徴量を「連続領域」および「高濃度領域」としてもよい。この場合には、表面と裏面とで用いる特徴量を異ならせることが出来る。例えば、変更手段120は、表面について、連続領域の面積または数が、第1閾値E1以上であるか否かを判断し、裏面については濃度高領域の面積または数が、第3閾値E3以上であるか否かを判断するようにしても良い。また、逆に、変更手段120は、表面について、濃度高領域の面積または数が、第3閾値E3以上であるか否かを判断し、裏面については連続領域の面積または数が、第1閾値E1以上であるか否かを判断するようにしても良い。
【0069】
この実施形態1によれば、用紙に両面印刷する場合に、連続領域の面積や個数、濃度高領域の面積や個数が、閾値より高ければ、該閾値より高い面についての現像剤の吐出量を減少させる。連続領域の面積や個数、濃度高領域の面積や個数が、閾値より高いということは、現像剤がインクの場合には、裏写り現象が発生して画質が低下する。また、現像剤がトナーの場合には、該トナーの量が多くなり、画像形成後の用紙が厚くなり画質が低下する。従って、連続領域の面積や個数、濃度高領域の面積や個数が、閾値より高い場合には、現像剤の吐出量を減少させて、両面の画質を向上させることが出来る。
[実施形態2]
次に、実施形態2の画像形成装置について説明する。実施形態2の特徴量は、用紙の一面(表面)に形成される画像と、用紙の他面(裏面)に形成される画像と、が重複(重畳)している領域(以下、「重複領域」という。)があるか否かである。ここで重複領域とは、表面と裏面に印刷された用紙を透かして見て、画像が重複している領域である。この重複領域があると、用紙の裏写りなどが発生しやすくなる。
【0070】
重複領域があるか否かの判断手法について説明する。図3、図4に示すように、検出手段128が単色画素数または濃度合計値を検出する。ここでは、検出手段128が、単色画素数を検出する場合を説明する。
【0071】
そして、変更手段120が、表面および裏面の画素が存在する領域を検出する。表面の画素が存在する領域を第1領域とし、座標幅を第1座標幅とする。また、裏面の画素が存在する領域を第2領域とし、座標幅を第2座標幅とする。図9に第1領域Hを示し、図10に第2領域Iを示す。
【0072】
第1領域Hの検出手法として、変更手段120は、検出手段128が検出した主走査方向の単色画素の幅H1を主走査方向の第1座標幅とし、副走査方向の単色画素の幅H2を副走査方向の第2座標幅とする。そして、第1座標幅、第2座標幅を座標の幅とする領域を第1領域Hとする。
【0073】
同様に、第2領域Iの検出手法として、変更手段120は、検出手段128が検出した主走査方向の単色画素の幅I1を主走査方向の第1座標幅とし、副走査方向の単色画素の幅I2を副走査方向の第2座標幅とする。そして、第1座標幅、第2座標幅を座標の幅とする領域を第2領域Iとする。
【0074】
そして、検出手段128が、第1領域Hと第2領域Iとが重複している領域J(重複領域J)を検出する。具体的な重複領域Jの検出手法として、表面の主走査方向の第1座標幅H1と、裏面の主走査方向の第1座標幅I1の重複している幅を重複領域Jの主走査方向の座標幅J1とする。また、表面の副走査方向の第2座標幅H2と、裏面の副走査方向の第2座標幅I2の重複している幅を重複領域Jの副走査方向の座標幅J2とする。そして、座標幅J1と座標幅J2を座標の幅とする領域を重複領域Jとする。
【0075】
そして、重複領域Jが存在する場合には、裏写り現象などが生じ易くなる。従って、両面または、片面(表面、裏面のうち何れかの面)の現像剤の吐出量を減少させる必要がある。両面、または、片面のうちいずれの現像剤の吐出量を減少させるかは、実施形態1で説明した手法を用いればよい。
【0076】
また、逆に、重複領域Jが存在しない場合には、実施形態1で説明した条件(連続領域の面積や個数、濃度高領域の面積や個数が、閾値より高い場合)であっても、用紙の裏写りなどが発生しがたいため、現像剤の吐出量を減少させないようにしてもよい。
【0077】
このように、実施形態2の画像形成装置では、重複領域が存在すると判定された後に、単色画素、または/および、濃度値を用いて、変更手段118が現像剤の吐出量を減少させるか否かを判断する。従って、実施形態1の画像形成装置と比較して、更に正確に、変更手段118は、現像剤の吐出量を減少させるか否かを判断することが出来る。
[実施形態3]
次に、実施形態3の画像形成装置について説明する。実施形態2の画像形成装置では、一度に、重複領域Jを検出していたが、実施形態3の画像形成装置では、複数ブロックに分けて、重複領域Jを検出する。例えば、表面および裏面の画像データは図12に示す画像データKである場合について説明する。つまり、表面および裏面の画像データは同一であり、重複領域がないものとする。
【0078】
上述のように、変更手段120は、m1番目のラインと、p1番目の列と、が直交する画素については、m1番目のラインの単色画素数の合計と、p1番目の列の単色画素数の合計から、該画素が単色画素か否かを判断する。従って、図12のような画像データの場合には、表面、裏面共に、図13に示す領域Nに画像が存在すると判定されてしまう。その結果、実際は、重複領域は存在しないが、領域Nが重複領域とみなされてしまい、変更手段120は、誤った判断を行なってしまう。
【0079】
そこで、実施形態3の画像形成装置では、図14に示すように、画像データKを複数ブロックに分けて、各ブロックごとに重複領域があるか否かの判断を行なえばよい。図14の例では、画像データKを9ブロックに分けた例を示し、左上のブロックについての単色画素が存在すると検出されたラインTと、副走査方向において、単色画素が存在すると検出された列Uを示す。そして、全てのブロックにおいて、ラインTと列Uを検出する。
【0080】
また、裏面についても、表面と同数のブロック分割を行い、ラインTと列Uを検出する。そして、変更手段120は、表面および裏面において、各ブロックごとに重複領域があるか否かを判断する。このブロック分割処理を行うことで、如何なる画像データであっても、誤った重複領域の検出を防ぐことが出来る。
【0081】
この実施形態3の画像形成装置によれば、画像データを複数ブロックに分割して、各ブロックごとに、重複領域を検出する。従って、如何なる画像データであっても、誤った重複領域の検出を防ぐことが出来る。
【符号の説明】
【0082】
112 入力制御手段
114 フィルタ手段
116 色補正手段
118 変倍手段
120 変更手段
122 階調補正手段
124 編集加工手段
126 出力制御手段
128 検出手段
130 判断手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開2002−036528号公報
【特許文献2】特開2007−118238号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて、現像剤を吐出することで記録媒体の片面または両面に画像形成する画像形成手段と、
前記画像データの特徴量を検出する検出手段と、
前記画像形成手段が前記記録媒体の両面に画像形成するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が、前記画像形成手段は前記記録媒体の両面に画像形成すると判断した場合に、前記特徴量に応じて、前記画像形成手段から吐出される前記現像剤の吐出量を減少させる変更手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記特徴量には、前記画像データの単色画素が連続している連続領域の面積または連続領域の数、または、前記画像データの単色画素が略連続している連続領域の面積または連続領域の数が含まれることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記変更手段は、
前記記録媒体の両面のうち、前記連続領域の面積または前記連続領域の数が第1閾値以上である面に、画像形成される際に吐出される前記現像剤の吐出量を減少させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記特徴量には、濃度値が第2閾値以上である濃度高領域の面積または濃度高領域の数が含まれることを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記変更手段は、
前記記録媒体の両面のうち、前記濃度高領域の面積または前記濃度高領域の数が第3閾値以上である面に、画像形成される際に吐出される前記現像剤の吐出量を減少させることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記特徴量は、前記記録媒体の一面に形成される画像と、前記記録媒体の他面に形成される画像と、が重複している重複領域があるか否かを含むことを特徴とする請求項1〜5何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記変更手段は、
前記重複領域がある場合には、前記記録媒体の一面または他面に画像を形成する際の前記現像剤の吐出量を減少させることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像データに基づいて、現像剤を吐出することで記録媒体の片面または両面に画像形成する画像形成手段と、
前記画像データの特徴量を検出する検出手段と、
前記画像形成手段が前記記録媒体の両面に画像形成するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が、前記画像形成手段は前記記録媒体の両面に画像形成すると判断した場合に、前記特徴量に応じて、前記画像形成手段から吐出される前記現像剤の吐出量を減少させる変更手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記特徴量には、前記画像データの単色画素が連続している連続領域の面積または連続領域の数、または、前記画像データの単色画素が略連続している連続領域の面積または連続領域の数が含まれることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記変更手段は、
前記記録媒体の両面のうち、前記連続領域の面積または前記連続領域の数が第1閾値以上である面に、画像形成される際に吐出される前記現像剤の吐出量を減少させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記特徴量には、濃度値が第2閾値以上である濃度高領域の面積または濃度高領域の数が含まれることを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記変更手段は、
前記記録媒体の両面のうち、前記濃度高領域の面積または前記濃度高領域の数が第3閾値以上である面に、画像形成される際に吐出される前記現像剤の吐出量を減少させることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記特徴量は、前記記録媒体の一面に形成される画像と、前記記録媒体の他面に形成される画像と、が重複している重複領域があるか否かを含むことを特徴とする請求項1〜5何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記変更手段は、
前記重複領域がある場合には、前記記録媒体の一面または他面に画像を形成する際の前記現像剤の吐出量を減少させることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−158155(P2012−158155A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20985(P2011−20985)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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