説明

画像形成装置、画像形成装置において実行される印刷ジョブ出力方法、印刷ジョブ出力プログラム、および、画像形成システム

【課題】低価格仕様の通知手段しか備えていなくても、残留している認証ジョブの印刷物を確実にユーザに渡すことのできる画像形成装置、画像形成装置において実行される印刷ジョブ出力方法、印刷ジョブ出力プログラム、および、画像形成システムを提供すること。
【解決手段】最新ジョブが認証を要するジョブである場合に、ユーザの認証情報を検出する(ステップS102)。そして、検出された認証情報に基づいて、ユーザが、最新ジョブの印刷が許可されたユーザであると判断された場合に、まず、ユーザのユーザ識別情報と対応付けられて記憶された認証を要する残留ジョブの出力処理を行ない(ステップS104,S105)、その後に、最新ジョブの出力処理を行なう(ステップS106)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部端末よりネットワークを介して受信した印刷指令に基づく画像データを印刷することのできる画像形成装置、画像形成装置において実行される印刷ジョブ出力方法、印刷ジョブ出力プログラム、および、画像形成システムに関し、特に、ユーザ認証情報を検出するための認証情報検出部を備えた画像形成装置、該画像形成装置において実行される印刷ジョブ出力方法、印刷ジョブ出力プログラム、および、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、印刷した後の印刷物を取り忘れると他人に印刷物を見られる可能性があり、その文書が機密性が高い重要書類であった場合には重大な損害となる場合があった。そこで、ユーザを識別するために認証情報(たとえば、指紋、ID(Identification)カードに記録された情報など)を検出する認証装置(認証情報検出部)を備えた画像形成装置が提案されている。このような画像形成装置においては、印刷するときはユーザが認証装置にアクセスし、認証された場合にのみ印刷動作が開始される。これにより、ユーザが出力した印刷物を直ちに取ることができるので、セキュリティを向上させることができる。しかしながら、このような画像形成装置であっても、認証を行なった後に取り忘れが発生してしまうと、他人に文書を見られてしまう危険性がある。
【0003】
このような問題を解決するために、認証の必要のない通常印刷と、認証の必要のある認証印刷が要求されている場合、認証印刷を先に出すことでユーザの待ち時間を短縮し、ユーザが画像形成装置を離れる危険性を低減する方式が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−226565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが印字要求を行なった後に緊急の用事ができたり取りに行くのを忘れたりする場合がある。その場合、認証印刷の要求が画像形成装置のメモリ内に残留してしまう。ファックスモードで印字情報を受信している場合もPC画面や電子メールでユーザには通知されるものの、忘れしまうことで要求が残ってしまうことがある。これらの残留ジョブを記憶しておくことで、メモリ容量の圧迫となったり、ファックスモードで受信した情報をユーザが得ることが遅れることにもなり得る。これらの残留ジョブは早く処理し、また確実にユーザに渡す必要がある。
【0005】
残留ジョブがあることを通知可能な表示部(たとえば液晶パネル)を備えている画像形成装置も存在しているが、通知手段としてたとえば数個のLEDしか備えていないような低コストタイプの操作パネルでは、残留ジョブが存在することをユーザに通知することは困難である。また、残留ジョブが排出されたとしても、ユーザは残留ジョブのことを意識していないことが多いため、残留ジョブの印刷物を取り忘れる危険性が高い。
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、低価格仕様の通知手段しか備えていなくても、残留している認証ジョブの印刷物を確実にユーザに渡すことのできる画像形成装置、画像形成装置において実行される印刷ジョブ出力方法、印刷ジョブ出力プログラム、および、画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のある局面に従う画像形成装置は、外部端末よりネットワークを介して印刷指令を受信するための第1の受信手段と、第1の受信手段による受信日時に応じて、最新の印刷指令に対応する印刷ジョブを最新ジョブ、最新ジョブ以外の印刷ジョブを残留ジョブとして記憶するための第1の記憶手段とを備え、第1の記憶手段は、各印刷ジョブと対応付けて、印刷が許可されるユーザのユーザ識別情報を記憶しており、ユーザの認証情報を検出するための検出手段と、最新ジョブが認証を要するジョブである場合に、検出手段により検出された認証情報に基づいて、ユーザが、最新ジョブの印刷が許可されたユーザであるか否かの認証を行なう認証処理手段と、認証処理手段によりユーザが印刷が許可されたユーザであると判断された場合に、第1の記憶手段に記憶されたユーザの印刷ジョブの出力を制御するための出力制御手段とを備える。出力制御手段は、第1の記憶手段に、ユーザのユーザ識別情報と対応付けられて記憶された認証を要する残留ジョブの出力処理を行なう第1の処理手段と、第1の処理手段による処理の後に、最新ジョブの出力処理を行なう第2の処理手段とを含む。
【0008】
好ましくは、第1の記憶手段は、各残留ジョブの第1の受信手段による受信日時を記憶し、第1の処理手段は、複数の残留ジョブのうち、第1の受信手段による受信日時より特定時間経過した残留ジョブのみを出力対象とする。
【0009】
好ましくは、特定時間は、ユーザごとに設定された時間である。
好ましくは、電話回線を経由して印刷データを受信するための第2の受信手段をさらに備え、複数の残留ジョブは、第2の受信手段が受信した印刷データについての印刷ジョブをさらに含み、第1の記憶手段は、各残留ジョブが、第1および第2の受信手段のうちいずれにおいて受信された印刷ジョブであるかを示す受信識別データを記憶しており、第1の処理手段は、複数の残留ジョブのうち、受信識別データが第2の受信手段により受信されたことを示す残留ジョブのみを出力対象とする。
【0010】
好ましくは、第1の記憶手段は、各印刷ジョブの容量を対応付けて記憶しており、第1の処理手段は、ユーザのユーザ識別情報と対応付けられた全ての印刷ジョブの容量が特定値以上である場合にのみ、少なくとも1つの残留ジョブを出力処理する。
【0011】
好ましくは、特定値は、ユーザごとに設定された値である。
好ましくは、情報を表示するための表示手段と、表示手段が特定の画面を表示できる機能を有しているか否かを検出するための検出処理手段とをさらに備え、第1の処理手段による処理は、検出処理手段により表示手段が機能を有していないと検出された場合にのみ実行される。
【0012】
好ましくは、ユーザごとの認証情報を予め記憶するための第2の記憶手段をさらに備える。
【0013】
この発明の他の局面に従う印刷ジョブ出力方法は、外部端末よりネットワークを介して印刷指令を受信するための受信部と、受信部による受信日時に応じて、最新の印刷指令に対応する印刷ジョブを最新ジョブ、最新ジョブ以外の印刷ジョブを残留ジョブとして記憶するための記憶部とを備えた画像形成装置において実行される印刷ジョブ出力方法であって、最新ジョブが認証を要するジョブである場合に、ユーザの認証情報を検出するステップと、検出された認証情報に基づいて、ユーザが、最新ジョブの印刷が許可されたユーザであると判断された場合に、記憶部に記憶されたユーザの印刷ジョブの印刷を制御する制御ステップとを備え、制御ステップは、記憶部に、ユーザのユーザ識別情報と対応付けられて記憶された認証を要する残留ジョブの出力処理を行なうステップと、残留ジョブの出力処理の後に、最新ジョブの出力処理を行なうステップとを含む。
【0014】
この発明のさらに他の局面に従う印刷ジョブ出力プログラムは、外部端末よりネットワークを介して印刷指令を受信するための受信部と、受信部による受信日時に応じて、最新の印刷指令に対応する印刷ジョブを最新ジョブ、最新ジョブ以外の印刷ジョブを残留ジョブとして記憶するための記憶部とを備えた画像形成装置に実行させる印刷ジョブ出力プログラムであって、印刷ジョブ出力プログラムは、最新ジョブが認証を要するジョブである場合に、ユーザの認証情報を検出するステップと、検出された認証情報に基づいて、ユーザが、最新ジョブの印刷が許可されたユーザであると判断された場合に、記憶部に記憶されたユーザの印刷ジョブの印刷を制御する制御ステップとを備え、制御ステップは、記憶部に、ユーザのユーザ識別情報と対応付けられて記憶された認証を要する残留ジョブの出力処理を行なうステップと、残留ジョブの出力処理の後に、最新ジョブの出力処理を行なうステップとを含む。
【0015】
この発明のさらに他の局面に従う画像形成システムは、画像形成装置と、画像形成装置とネットワークを介して接続される管理装置とを備えた画像形成システムであって、画像形成装置は、外部端末より印刷指令を受信した受信日時に応じて、最新の印刷指令に対応する印刷ジョブを最新ジョブ、最新ジョブ以外の印刷ジョブを残留ジョブとして記憶するための第1の記憶手段とを含み、第1の記憶手段は、各印刷ジョブと対応付けて、印刷が許可されるユーザのユーザ識別情報を記憶しており、ユーザの認証情報を検出するための検出手段と、最新ジョブが認証を要するジョブである場合に、検出手段により検出された認証情報を管理装置に送信し、かつ、管理装置より認証結果を受信する第1の送受信手段と、認証結果が、ユーザが印刷を許可されたユーザであるとの結果であった場合に、第1の記憶手段に記憶されたユーザの印刷ジョブの出力を制御するための出力制御手段とをさらに含み、出力制御手段は、第1の記憶手段に、ユーザのユーザ識別情報と対応付けられて記憶された認証を要する残留ジョブの出力処理を行なう第1の処理手段と、第1の処理手段による処理の後に、最新ジョブの出力処理を行なう第2の処理手段とを有する。管理装置は、画像形成装置から送信された認証情報に基づいて、ユーザが画像データの印刷を許可されたユーザであるか否かの認証を行なう認証処理手段と、認証処理手段による認証結果を画像形成装置に送信するための第2の送受信手段とを含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、認証を要する残留ジョブの出力処理を最新ジョブよりも先に実行することで、過去の認証ジョブをユーザが取り忘れることを防止することができる。特に、低価格仕様の通知手段しか備えていない画像形成装置の場合でも、過去の認証ジョブの存在をユーザに認識させることができ、ユーザの取り忘れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0018】
[実施の形態1]
<構成について>
図1は、本発明の実施の形態1における画像形成システム1の概略構成を示す図である。
【0019】
図1を参照して、画像形成システム1は、画像形成装置100と、複数のクライアントPC300A,B,Cと、管理装置400とを備える。これらの装置は、互いに、ネットワーク2を介して接続される。各クライアントPC300は、アプリケーションソフト等により印刷対象データを作成する。そして、作成した印刷対象データの印刷指令を、ネットワーク2を介して画像形成装置100に送信する。画像形成装置100は、受信した印刷指令に基づいて、紙などの記録媒体に画像を形成する。
【0020】
本実施の形態に係る画像形成装置100としては、低価格仕様の通知手段しか備えていない、安価に作られた装置が想定される。したがって、ユーザとのインターフェイス部(たとえば操作パネル部)は、必要最小限の情報の表示および必要最小限の指示の入力のみができるような構成であるものとする。操作パネル部は、ユーザからの指示を受け付ける操作部および情報を表示する表示部の機能を含む。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態1における画像形成装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、プリンタ機能のみを有するプリンタであってよい。
【0022】
図2を参照して、画像形成装置100は、制御部201と、HDD(Hard Disk Drive)部205と、認証情報検出部206と、ネットワークI/F(インターフェイス)207と、画像形成部208と、操作パネル部209とを備え、各ハードウェアは、バス210によって接続される。なお、図2に示した通信I/F213は、実施の形態2で用いられるものであり、本実施の形態における画像形成装置100には、備えられなくてもよい。
【0023】
制御部201は、各種の演算処理を行なうCPU(Central Processing Unit)202と、予めプログラムやデータを記憶するためのROM(Read Only Memory)203と、作業データや実行するプログラムを一時的に記録するためのRAM(Random Access Memory)204とを含む。本実施の形態において、CPU202が実行する機能については後述する。
【0024】
HDD部205は、各種データやプログラムを不揮発的に記憶する。認証情報検出部206は、ユーザの認証情報、たとえば、指紋、あるいは、IDカードに記録された情報などを検出する。本実施の形態において、認証情報は指紋であるものとして説明する。
【0025】
ネットワークI/F207は、ネットワーク(通信網)2と接続され、クライアントPC300、および、管理装置400と、データやプログラムを授受する。
【0026】
画像形成部208は、モータを含み、ネットワークI/F207が受信した印刷指令に基づく画像を紙などの記録媒体に印刷し、画像形成された記録媒体を排出部(図示せず)に排出する。
【0027】
操作パネル部209は、情報の表示、および、ユーザからの指示の受け付けを行なう。具体的には、操作パネル部209は、図11に示されるように、数個のLED2091〜2095と印字キャンセルの指示を受け付けるためのキャンセルボタン2096とで構成されている。図11のLED2091は、JAM(紙詰まり)、カバー開(カバーが閉じられていない)等のエラー発生を通知するために設けられる。4つのLED2092〜2095は、各色のトナーエンプティを通知するために設けられる。
【0028】
このような構成の操作パネル部209の場合、残留ジョブが存在することを通知したり、残留ジョブの出力の指示を受け付けることはできない。したがって、このような場合、一般的には、ユーザは、残留ジョブを出力したい場合、クライアントPC300から指示しなくてはならない。図12は、クライアントPC300の表示部315に未出力の印字ジョブがあることを通知するための画面の一例を示す図である。図12を参照して、表示部315には、「未出力の印字ジョブがあります」というメッセージと、その印字ジョブを示す情報が表示される。ユーザは、入力部311を操作することにより、所望の印字ジョブを選択し、出力指示を与えることで、画像形成装置100において出力準備が行なわれる。これにより、画像形成装置100においてユーザ認証が行なわれると、指示された残留ジョブが画像形成部208に出力されて、図示しない排出部により印刷物が排出される。
【0029】
なお、画像形成装置100は、着脱可能な記録媒体(たとえばメモリカードなど)216に記録されたプログラムやデータを読取るための読取部215をさらに備えることが好ましい。読取部215により読取られたプログラムやデータは、たとえばHDD部205に記憶される。
【0030】
図3は、本発明の実施の形態1におけるクライアントPC300および管理装置400のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0031】
図3を参照して、各クライアントPC300は、装置全体を制御するCPU301と、ROM303と、RAM305と、HDD307と、FDD(Flexible Disk Drive)やCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)ドライブなど記録媒体3から情報を読取る読取部309と、キーボードやマウスなどにより構成される入力部311と、ネットワーク2に接続したり外部と通信を行なったりするための通信部313と、表示部315とを含む。
【0032】
管理装置400も同様に、CPU401と、ROM403と、RAM405と、HDD407と、読取部409と、入力部411と、通信部413と、表示部415とを含む。
【0033】
図4は、本発明の実施の形態1における画像形成装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0034】
図4を参照して、制御部201は、判断部10と、ユーザ認証部14と、出力制御部16とを含む。
【0035】
判断部10は、ネットワークI/F207がクライアントPC300から受信した印刷指令が、認証を必要とするジョブか否かを判断する。印刷指令として送信されるデータには、認証を要するか否かを識別する認証識別データが含まれているものとする。判断部10は、受信した印刷指令に基づく画像データを、最新ジョブとして、管理情報と対応付けてHDD部205のジョブ記憶領域2052に記憶する。なお、本実施の形態においてHDD部205も低コスト化のため大容量のものではないと仮定する。したがって、たとえば、ジョブ記憶領域2052には、数個程度のジョブしか記録されないものとする。
【0036】
ユーザ認証部14は、判断部10により認証を要するジョブと判断された場合に、ユーザの認証処理を行なう。具体的には、認証情報検出部206が検出した認証情報すなわち指紋データに基づき、アクセスしたユーザが、印刷指令に基づく画像データの印刷が許可されたユーザ(以下「許可ユーザ」という)であるか否かの認証を行なう。ユーザ認証部14による認証に使われるユーザ情報2051は、画像形成装置100のHDD部205に予め記憶されているものとする。ユーザ情報2051のデータ構造については後述する。
【0037】
出力制御部16は、画像形成部208を駆動し、受信した印刷指令に基づく画像データの出力制御を行なう。出力制御部16は、残留ジョブの出力処理を行なうための残留ジョブ処理部20と、最新ジョブの出力処理を行なうための最新ジョブ処理部22とを有し、最新ジョブを処理する前に残留ジョブの処理を行なう。残留ジョブ処理部20の処理の具体例については、後述する。
【0038】
なお、判断部10において、受信した印刷指令に基づく画像データが認証を必要としないジョブと判断された場合には、出力制御部16は、当該最新ジョブのみを出力処理するものとする。出力制御部16により出力処理されたジョブは、HDD部205より削除される。
【0039】
図4において制御部201に含まれることとして説明した各機能ブロックの動作は、ROM203中に格納されたソフトウェアを実行することで実現されてもよいし、少なくとも1つについては、ハードウェアで実現されてもよい。
【0040】
図5は、HDD部205に記憶されるユーザ情報2051のデータ構造の一例を示す図である。
【0041】
図5を参照して、ユーザ情報2051は、ユーザIDの項目500と、認証データの項目502とを含み、これらの項目が対応付けられて記憶される。ユーザIDは、ユーザを一意に特定するための識別情報であり、たとえば、クライアントPC300から印刷指令とともに送られてくるユーザ識別情報と同一の情報が記憶される。認証データは、対応するユーザの指紋の画像データである。
【0042】
なお、本実施の形態では、ユーザ情報2051は、画像形成装置100内に記憶されることとしたが、管理装置400のHDD407に記憶されていてもよい。この場合、ユーザ認証部14の機能は、管理装置400が実行してもよい。または、管理装置400に、印刷指令とともに送られてきたユーザ識別情報を送信し、管理装置400から、ユーザ識別情報に対応付けられている認証データを送信してもらうことで、画像形成装置100においてユーザ認証を行なってもよい。
【0043】
図6は、HDD部205におけるジョブ記憶領域2052のデータ構造の一例を示す図である。
【0044】
図6を参照して、ジョブ記憶領域2052には、印刷対象データである画像データと、該画像データの管理情報とが対応付けられて記憶される。管理情報には、たとえば、ジョブIDの項目と、ユーザIDの項目と、印刷IDの項目と、認証フラグの項目と、受信日時の項目と、容量の項目とが含まれる。
【0045】
ジョブIDは、ジョブを一意に特定するために付与される識別情報である。たとえば、各ジョブを識別するために、受信日時の古いものの順に番号が付与されている。本実施の形態において、受信したばかりの最新ジョブ以外のジョブが、「残留ジョブ」と定義される。図6の例では、4つのジョブが記憶されているため、ジョブID=4のジョブが最新ジョブを示しており、ジョブID=1,2,3のジョブが、残留ジョブを表わしている。
【0046】
ユーザIDは、クライアントPCから送信されるユーザ識別情報である。印刷IDは、印刷指令(印刷対象データ)が、クライアントPCから送られてきたものか、ファクシミリ(図示せず)から送られてきたものか、を識別するための情報である。たとえば前者の場合、「1」が記憶され、後者の場合「2」が記憶される。なお、印刷IDは、以降の変形例での説明のために記載したものであり、本実施の形態では含まれないものとする。
【0047】
認証フラグは、受信したデータがユーザ認証を要するものか否かを示す。たとえば、ユーザ認証を要するものであれば「1」がセットされる。なお、ユーザ認証が必要でないものはユーザアクセスに関係なく出力される。
【0048】
受信日時は、印刷指令を受信した日時であり、図示しないタイマにより計時された時間データが格納される。容量は、画像データの容量を示す。
【0049】
<動作について>
図7は、本発明の実施の形態1における印刷ジョブ出力処理を示すフローチャートである。図7のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてROM203に格納されており、CPU202がこのプログラムを読み出して実行する。
【0050】
図7を参照して、判断部10は、印刷指令を受信すると、受信した印刷指令に基づく画像データを最新ジョブとしてジョブ記憶領域2052に記録するとともに、該画像データが認証を要する印字ジョブ(以下、「認証印字ジョブ」ともいう)であるか否かを判断する(ステップS101)。認証印刷ジョブではないと判断した場合(ステップS101においてNO)、出力制御部16は、受信した印字ジョブすなわち最新ジョブを出力する処理を実行する(ステップS107)。
【0051】
これに対し、受信した印刷指令が認証印字ジョブと判断した場合(ステップS101においてYES)、ステップS102に進む。
【0052】
ステップS102において、ユーザ認証部14は、認証情報検出部206が検出した認証情報と、HDD部205に記憶されたユーザ情報2051とに基づいて、ユーザの認証処理を実行する。つまり、アクセスしたユーザが、許可ユーザであるか否かを判断する。
【0053】
ユーザ認証が行なわれるまで待機する(ステップS102においてNO)。つまり、アクセスしたユーザが許可ユーザでない場合は、印字ジョブの出力処理は開始しない。
【0054】
ユーザ認証が成功したと判断された場合、すなわち、アクセスしたユーザが許可ユーザであると判断された場合(ステップS102においてYES)、出力制御部16の残留ジョブ処理部20は、最新ジョブ以外に、認証されたユーザの残留ジョブが記憶されているか否かを検出する(ステップS103)。つまり、以前に受信したが実行されていない認証印字ジョブが残っているか否かを判断する。
【0055】
認証されたユーザの残留ジョブがないと判断した場合(ステップS103においてNO)、ステップS106に進む。一方、認証されたユーザの残留ジョブが存在すると判断された場合(ステップS103においてYES)、ステップS104に進む。
【0056】
ステップS104において、残留ジョブ処理部20は、認証されたユーザの最も古い残留ジョブが、受信されてから所定時間以上経過したか否かを判断する(ステップS104)。所定時間経過していないと判断した場合(ステップS104においてNO)、ステップS106に進む。
【0057】
一方、最も古い残留ジョブが、受信されてから所定時間以上経過していると判断された場合(ステップS104においてYES)、残留ジョブ処理部20は、最も古い認証印字ジョブを処理する(ステップS105)。この処理が終わると、ステップS103に戻り、上記処理を繰返す。これにより、ジョブ記憶領域2052に残っていた認証印字ジョブのうち、所定時間以上経過した全ての残留ジョブが古いものから順に出力処理される。したがって、画像形成部208により残留ジョブの画像データが紙媒体に印刷され、排出される。
【0058】
ステップS106において、最新ジョブ処理部22は、ステップS101で受信した認証印字ジョブを処理する。これにより、画像形成部208により最新ジョブの画像データが紙媒体に印刷され、排出される。
【0059】
このように、本実施の形態によると、認証印字データを受信すると、受信してから所定時間以上経過している残留ジョブを、最新ジョブよりも先に出力する。ジョブを受信してから所定時間以上経過していれば、ユーザは、その存在を忘れている可能性が高いが、本実施の形態では、上述のような処理を行なう。その結果、ユーザは、確実に認証印字ジョブを取得することができる。また、残留認証ジョブのうち所定時間以上経過したものを排出することで、ジョブ記憶領域2052の記憶容量の圧迫を防止することもできる。
【0060】
また、本実施の形態では、所定時間経過していない残留認証ジョブは最新ジョブよりも先に出力しないことにより、たとえば会議用資料を印刷し、すぐに会議に行きたい場合になかなか印刷指示した資料を受け取れないという事態を極力避けることができる。
【0061】
なお、上記例では、残留認証ジョブがある場合、その中の古いものから順に画像形成を行なうこととしたが、受信した最新の認証印字ジョブより先に残留ジョブを排出するものであれば、残留ジョブの排出順序は問わない。
【0062】
また、上記例では、残留ジョブ排出タイミングを定めた特定時間が所定時間であることとしたが、所定時間ではなくユーザごとに設定された時間であってもよい。これにより、より使い勝手を向上させることができる。なお、この場合、上記ユーザ情報2051において、ユーザIDと対応付けて設定時間が記憶されていればよい。
【0063】
上述のように、本実施の形態では、所定時間以上記憶されていた残留ジョブを最新ジョブよりも先に排出するものであったが、このような形態に限定されない。以下に変形例を説明する。
【0064】
<変形例1>
本発明の実施の形態1の変形例1では、ファックスモードの残留ジョブを最新ジョブよりも先に排出する。
【0065】
図8は、本発明の実施の形態1の変形例1における印刷ジョブ出力処理を示すフローチャートである。
【0066】
図8を参照して、本変形例では、上記実施の形態のステップS104に代えて、ステップS204の処理が実行される。ステップS204において、残留ジョブ処理部20は、認証されたユーザの残留ジョブが、ファックスモードの印字ジョブであるか否かを検出する。具体的には、認証されたユーザのユーザIDに対応付けられた残留ジョブのうち、印字IDが「2」の残留ジョブが存在するか否かを判断する。
【0067】
認証されたユーザの残留ジョブがファックスモードでないと判断した場合(ステップS204においてNO)、ステップS106に進み、残留ジョブが処理されることなく最新ジョブのみ処理される。
【0068】
一方、ファックスモードの残留ジョブであると判断した場合(ステップS204においてYES)、ステップS105に進み、残留ジョブ処理部20は、認証されたユーザの最も古い認証印字ジョブを処理する。
【0069】
このように、本実施の形態の変形例1では、ファックスモードの残留ジョブがある場合にのみ、その残留ジョブを出力することとする。ファックスの印字ジョブは自発的ではないためユーザが気付いていない、もしくは、忘れてしまう可能性が高い。そのため、本変形例のように、ファックスモードの残留ジョブがあればそれを強制的に排出することで、確実にユーザに渡すことができる。
【0070】
<変形例2>
本発明の実施の形態1の変形例2では、ジョブ記憶領域2052の消費容量が特定量以上の場合に、ファックスモードの残留ジョブを最新ジョブよりも先に排出する。
【0071】
図9は、本発明の実施の形態1の変形例2における印刷ジョブ出力処理を示すフローチャートである。
【0072】
本実施の形態の変形例2では、ステップS104に代えて、ステップS304の処理が実行される。
【0073】
ステップS304において、残留ジョブ処理部20は、ジョブ記憶領域2052の消費容量が所定量以上であるか否かを判断する。具体的には、残留ジョブ処理部20は、ジョブ記憶領域2052の容量の項目に記録された数値を合算し、合算した値が所定量以上であるか否かを判断する。消費容量が所定量以上であると判断した場合(ステップS304においてYES)、ステップS105に進み、残留ジョブ処理部20は、認証されたユーザの最も古い認証印字ジョブを処理する。一方、消費容量が所定量未満であると判断した場合(ステップS304においてNO)、ステップS106に進み、残留ジョブが処理されることなく最新ジョブのみ処理される。
【0074】
このように、本変形例では、ジョブ記憶領域2052の容量が所定量以上であれば残留ジョブを排出することとしたので、ジョブ記憶領域2052の記憶容量の圧迫を防止することができる。
【0075】
なお、ここでは、記憶部の消費容量が所定量以上であるか否かを判断することとしたが、予め、ユーザごとに閾値となる容量が定められていてもよい。この場合、上記ユーザ情報2051において、ユーザIDと対応付けて閾値となる容量値が記憶されていればよい。なお、ジョブ記憶領域2052の全容量のうち、ユーザごとに使える容量(領域)が決められているものとする。ユーザは、割り当てられた容量のうち、何%分を残留ジョブの記憶に使うかを設定することができる。このようなユーザによる閾値の設定は、クライアントPC300にて行うことができる。
【0076】
上述の実施の形態1では、操作パネル部に、残留ジョブの存在の通知や残留ジョブの出力の指示の受付の機能がない画像形成装置に対して本発明を適用したが、操作パネル部がこれらの機能を有していたとしても、本発明を適用することによって残留ジョブの存在をユーザに認識させることができ、ユーザが残留ジョブを取り忘れるのを防止することができる。
【0077】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0078】
シリーズ仕向けによって、共通の画像形成装置の一部分を変えてそれぞれ異なった価値を出してシリーズ販売することがある。そのような場合に、操作パネル部においても構成を変えることで異なった価値を出すことが多い。具体的には、実施の形態1で説明したような低コストの操作ボタンおよびLEDを設けたLEDタイプと、操作性の高い液晶タッチパネルを設けた液晶タイプとの2つのシリーズ仕向けが存在する。本実施の形態では、CPUが、操作パネル部の形態がいずれのシリーズであるかを判断し、シリーズごとに異なる処理を実行する。なお、ここでは、LEDタイプと液晶タイプとの2つのシリーズ仕向けがあることとして説明するが、画像形成装置の操作パネル部が特定の画面、すなわち、残留ジョブの存在を通知する画面を表示する機能を有しているか否かによって、異なる処理を実行するものであればよい。
【0079】
本実施の形態における画像形成装置の基本的な構成および基本的な動作は、上記実施の形態1と同様である。したがって、ここでも、実施の形態1の画像形成装置100の符号を用いて説明する。以下に、実施の形態1との相違点のみ説明する。
【0080】
図10は、本発明の実施の形態2における印刷ジョブ出力処理を示すフローチャートである。
【0081】
本実施の形態では、ステップS103とステップS105との間に、ステップS404〜S407の処理が実行される。
【0082】
ステップS404において、残留ジョブ処理部20は、操作パネル部209が液晶パネルであるか否かを判断する。具体的には、たとえば、ROM202に保存している情報に基づき、操作パネル部209の仕向け(液晶タイプ/LEDタイプ)を判別する。あるいは、管理装置400に問い合わせて、操作パネル部209の仕向けを判別する。後者の場合、管理装置400のHDD407には、画像形成装置ごとの操作パネル部209の仕向けの情報が記憶されているものとする。
【0083】
または、仕向けごとに、CPUポートを抵抗でハード的にH/L固定としておき、ソフトでポート状態を読み込むこととしてもよい。つまり、仕向けごとに、異なる基板が備えられていてもよい。
【0084】
なお、ステップS404において、出力制御部16は、毎回、ROM202に記憶された情報等に基づいて操作パネル部209の仕向けの検出を行なう必要はない。仕向けの検出が一度行なわれると、仕向けの情報(たとえば、液晶タイプの場合「0」、LEDタイプの場合「1」)をたとえばHDD部205の所定の領域に記憶しておくものとする。したがって、2度目以降は、HDD部205より仕向けの情報を読出してその値に応じた処理を行なえばよい。
【0085】
ステップS404において、操作パネル部209が液晶タイプでないと判断した場合(ステップS404においてNO)、ステップS105に進み、残留ジョブ処理部20は、最も古い認証印字ジョブを処理する。
【0086】
一方、操作パネル部209が液晶タイプであると判断した場合(ステップS404においてYES)、残留ジョブ処理部20は、残留認証印字ジョブがあることを操作パネル部209の液晶画面に表示する(ステップS405)。
【0087】
続いて、残留ジョブ処理部20は、残留認証印字ジョブの印字要求があったか否かを判断する(ステップS406)。所定時間印字要求がないと判断した場合(ステップS406においてNO)、ステップS106に進み、最新ジョブのみを処理する。一方、所定時間以内に、残留認証印字ジョブの印字要求があったと判断した場合(ステップS406においてYES)、ステップS407に進む。
【0088】
ステップS407において、残留ジョブ処理部20は、ステップS406で指示された認証印字ジョブを処理する。この処理が終わると、ステップS106に進み、最新ジョブを処理する。
【0089】
操作パネル部209がLEDタイプである場合、残留認証印字ジョブがあることをユーザに通知することが難しい。そのため、自動的に残留ジョブを排出することでユーザに残留ジョブがあることを知らせることができる。また、受信した最新の認証印字ジョブより先に残留認証印字ジョブを排出することで、取り忘れも防止することができる。
【0090】
また、操作パネル部209が液晶タイプである場合も、最新ジョブを出力する前に、残留認証印字ジョブがあることをユーザに通知するため、残留ジョブの取り忘れを防止することができる。
【0091】
また、本実施の形態によると、仕向けごとに別のプログラムを用意しなくても、画像形成装置のROM203に共通のプログラムを格納しておけばよいため、効率的である。
【0092】
なお、上述の実施の形態1、その変形例1および変形例2とをそれぞれ組合わせることもできるし、実施の形態2と実施の形態1およびその変形例1,2とを組み合わせることもできる。
【0093】
また、本発明の画像形成装置が行なう、印刷ジョブ出力方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-ROM)などの光学媒体や、メモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0094】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0095】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0096】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記憶された記憶媒体とを含む。
【0097】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態1における画像形成システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1における画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるクライアントPCおよび管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1における画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1においてHDD部に記憶されるユーザ情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1においてHDD部に含まれるジョブ記憶領域のデータ構造の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1における印刷ジョブ出力処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態1の変形例1における印刷ジョブ出力処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態1の変形例2における印刷ジョブ出力処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2における印刷ジョブ出力処理を示すフローチャートである。
【図11】低価格仕様の操作パネル部の一例を示す図である。
【図12】クライアントPCにおいて残留ジョブの存在を通知する画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
1 画像形成システム、2 ネットワーク、3 記録媒体、10 判断部、14 ユーザ認証部、16 出力制御部、20 残留ジョブ処理部、22 最新ジョブ処理部、100 画像形成装置、201 制御部、202 CPU、203 ROM、204 RAM、205 HDD部、206 認証情報検出部、207 ネットワークI/F、208 画像形成部、209 操作パネル部、210 バス、213 通信I/F、215 読取部、216 記録媒体、300A,B,C クライアントPC、301,401 CPU、303,403 ROM、305,405 RAM、307,407 HDD、309,409 読取部、311,411 入力部、313,413 通信部、315,415 表示部、2051 ユーザ情報、2052 ジョブ記憶領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部端末よりネットワークを介して印刷指令を受信するための第1の受信手段と、
前記第1の受信手段による受信日時に応じて、最新の印刷指令に対応する印刷ジョブを最新ジョブ、前記最新ジョブ以外の印刷ジョブを残留ジョブとして記憶するための第1の記憶手段とを備え、
前記第1の記憶手段は、各印刷ジョブと対応付けて、印刷が許可されるユーザのユーザ識別情報を記憶しており、
ユーザの認証情報を検出するための検出手段と、
前記最新ジョブが認証を要するジョブである場合に、前記検出手段により検出された認証情報に基づいて、前記ユーザが、前記最新ジョブの印刷が許可されたユーザであるか否かの認証を行なう認証処理手段と、
前記認証処理手段により前記ユーザが印刷が許可されたユーザであると判断された場合に、前記第1の記憶手段に記憶された前記ユーザの印刷ジョブの出力を制御するための出力制御手段とを備え、
前記出力制御手段は、
前記第1の記憶手段に、前記ユーザのユーザ識別情報と対応付けられて記憶された認証を要する残留ジョブの出力処理を行なう第1の処理手段と、
前記第1の処理手段による処理の後に、前記最新ジョブの出力処理を行なう第2の処理手段とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の記憶手段は、各前記残留ジョブの前記第1の受信手段による受信日時を記憶し、
前記第1の処理手段は、前記複数の残留ジョブのうち、前記第1の受信手段による受信日時より特定時間経過した残留ジョブのみを出力対象とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記特定時間は、ユーザごとに設定された時間である、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
電話回線を経由して印刷データを受信するための第2の受信手段をさらに備え、
前記複数の残留ジョブは、前記第2の受信手段が受信した印刷データについての印刷ジョブをさらに含み、
前記第1の記憶手段は、各前記残留ジョブが、前記第1および第2の受信手段のうちいずれにおいて受信された印刷ジョブであるかを示す受信識別データを記憶しており、
前記第1の処理手段は、前記複数の残留ジョブのうち、前記受信識別データが前記第2の受信手段により受信されたことを示す残留ジョブのみを出力対象とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の記憶手段は、各印刷ジョブの容量を対応付けて記憶しており、
前記第1の処理手段は、前記ユーザのユーザ識別情報と対応付けられた全ての印刷ジョブの容量が特定値以上である場合にのみ、少なくとも1つの残留ジョブを出力処理する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記特定値は、ユーザごとに設定された値である、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
情報を表示するための表示手段と、
前記表示手段が特定の画面を表示できる機能を有しているか否かを検出するための検出処理手段とをさらに備え、
前記第1の処理手段による処理は、前記検出処理手段により前記表示手段が前記機能を有していないと検出された場合にのみ実行される、請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
ユーザごとの認証情報を予め記憶するための第2の記憶手段をさらに備える、請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
外部端末よりネットワークを介して印刷指令を受信するための受信部と、前記受信部による受信日時に応じて、最新の印刷指令に対応する印刷ジョブを最新ジョブ、前記最新ジョブ以外の印刷ジョブを残留ジョブとして記憶するための記憶部とを備えた画像形成装置において実行される印刷ジョブ出力方法であって、
前記最新ジョブが認証を要するジョブである場合に、ユーザの認証情報を検出するステップと、
検出された認証情報に基づいて、前記ユーザが、前記最新ジョブの印刷が許可されたユーザであると判断された場合に、前記記憶部に記憶された前記ユーザの印刷ジョブの印刷を制御する制御ステップとを備え、
前記制御ステップは、
前記記憶部に、前記ユーザのユーザ識別情報と対応付けられて記憶された認証を要する残留ジョブの出力処理を行なうステップと、
前記残留ジョブの出力処理の後に、前記最新ジョブの出力処理を行なうステップとを含む、印刷ジョブ出力方法。
【請求項10】
外部端末よりネットワークを介して印刷指令を受信するための受信部と、前記受信部による受信日時に応じて、最新の印刷指令に対応する印刷ジョブを最新ジョブ、前記最新ジョブ以外の印刷ジョブを残留ジョブとして記憶するための記憶部とを備えた画像形成装置に実行させる印刷ジョブ出力プログラムであって、
前記印刷ジョブ出力プログラムは、
前記最新ジョブが認証を要するジョブである場合に、ユーザの認証情報を検出するステップと、
検出された認証情報に基づいて、前記ユーザが、前記最新ジョブの印刷が許可されたユーザであると判断された場合に、前記記憶部に記憶された前記ユーザの印刷ジョブの印刷を制御する制御ステップとを備え、
前記制御ステップは、
前記記憶部に、前記ユーザのユーザ識別情報と対応付けられて記憶された認証を要する残留ジョブの出力処理を行なうステップと、
前記残留ジョブの出力処理の後に、前記最新ジョブの出力処理を行なうステップとを含む、印刷ジョブ出力プログラム。
【請求項11】
画像形成装置と、前記画像形成装置とネットワークを介して接続される管理装置とを備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
外部端末より印刷指令を受信した受信日時に応じて、最新の印刷指令に対応する印刷ジョブを最新ジョブ、前記最新ジョブ以外の印刷ジョブを残留ジョブとして記憶するための第1の記憶手段とを含み、
前記第1の記憶手段は、各印刷ジョブと対応付けて、印刷が許可されるユーザのユーザ識別情報を記憶しており、
ユーザの認証情報を検出するための検出手段と、
前記最新ジョブが認証を要するジョブである場合に、前記検出手段により検出された前記認証情報を前記管理装置に送信し、かつ、前記管理装置より認証結果を受信する第1の送受信手段と、
前記認証結果が、前記ユーザが印刷を許可されたユーザであるとの結果であった場合に、前記第1の記憶手段に記憶された前記ユーザの印刷ジョブの出力を制御するための出力制御手段とをさらに含み、
前記出力制御手段は、
前記第1の記憶手段に、前記ユーザのユーザ識別情報と対応付けられて記憶された認証を要する残留ジョブの出力処理を行なう第1の処理手段と、
前記第1の処理手段による処理の後に、前記最新ジョブの出力処理を行なう第2の処理手段とを有し、
前記管理装置は、
前記画像形成装置から送信された前記認証情報に基づいて、前記ユーザが前記画像データの印刷を許可されたユーザであるか否かの認証を行なう認証処理手段と、
前記認証処理手段による認証結果を前記画像形成装置に送信するための第2の送受信手段とを含む、画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−703(P2010−703A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161778(P2008−161778)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】