説明

画像形成装置、電気機器および記録制御方法

【課題】EMI低減効果を向上させること。
【解決手段】画像形成装置100は、記録ヘッド112と、クロック1に対して周波数拡散を行いクロック2を出力するSSCG202と、クロック2の周波数を逓倍してクロック3を出力するPLL回路203と、画像データに対する画像処理を行って、クロック3に同期して出力するプリンタ画像処理ロジック部204と、クロック2とクロック3とを入力し、クロック3に同期して画像処理された画像データを入力し、クロック信号2に同期して画像データを出力する速度変換メモリ205と、速度変換メモリ205から出力された画像データとクロック2とを入力し、クロック2と同期して画像データを記録ヘッド112に出力するIOセルFF206と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、電気機器および記録制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器や画像形成装置から放射される電磁雑音を低減させる電磁妨害対策、すなわちEMI(Electro−Magnetic Interference)対策において、スペクトラム拡散クロック発生器(SSCG:Spread Spectrum Clock Generator)が広く一般的に使用されている。スペクトラム拡散クロック発生器でクロック信号の周波数を変調させることにより、クロック信号の周波数スペクトラムのピーク値を下げことができ、これにより放射される電磁雑音を低減することができる。
【0003】
このようなスペクトラム拡散クロック発生器を使用したEMI対策によれば、EMI低減効果を非常に高くしながらも、装置の製造コストを比較的低減することができる。一方、スペクトラム拡散クロック発生器による周波数変調を許容できないシステムが存在する。このため、このようなシステムに対しては、スペクトラム拡散クロック発生器による拡散幅を許容範囲まで下げたり、動作に支障を来すシステムを分離して、動作に問題ないシステムに対してのみスペクトラム拡散クロック発生器によるEMI対策を実施するという技術が既に知られている。
【0004】
また、特許文献1の技術は、画像読取装置において、EMI対策としてスペクトラム拡散クロックを使用できるようにして、EMI対策にかかるコストを低減することを目的としている。そして、この特許文献1には、画像読取装置のタイミング回路をアナログ系クロック発生回路とデジタル系クロック発生回路に分け、アナログ系発生回路では基準クロック発信器からの基準クロックを用い、かつ、デジタル系クロック発生回路ではスペクトラム拡散クロック発生器からのスペクトラム拡散クロックを用いる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のスペクトラム拡散クロック発生器を使用したEMI対策の技術では、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)を実装している制御基板で構成されている画像形成装置において、ASICやFPGA内部にPLL(Phase Locked Loop)回路を実装している場合、スペクトラム拡散クロック発生器による拡散幅が、PLL回路のジッタ規格値によって制限されてしまう。このため、従来の技術では、スペクトラム拡散クロック発生器による拡散幅をPLL回路のジッタ規格値に基づく許容範囲まで下げる必要があり、この結果、十分なEMI低減効果を得ることができないという問題がある。
【0006】
また、特許文献1の技術でも同様に、スペクトラム拡散クロック発生器による拡散幅がPLL回路のジッタ規格値により制限されてしまい、十分なEMI低減効果を得ることができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、PLL回路を実装した構成においても、スペクトラム拡散クロック発生器による拡散幅をPLL回路のジッタ規格値による制限を受けないようにして、EMI低減効果を向上させることができる画像形成装置、電気機器および記録制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像形成装置は、画像データの記録媒体への記録を行う記録部と、第1クロック信号を入力し、前記第1クロック信号に対して所定の周波数拡散幅で周波数拡散を行い、周波数変調された第2クロック信号を出力する第1スペクトラム拡散クロック発生器と、前記第1クロック信号を入力して、前記第1クロック信号の周波数を逓倍した周波数で同期発振して第3クロック信号を出力するPLL回路と、前記第3クロック信号を入力し、画像データに対する画像処理を行って、前記第3クロック信号に同期して、画像処理が施された画像データを出力する画像処理部と、前記第2クロック信号と前記第3クロック信号とを入力し、前記第3クロック信号に同期して前記画像処理が施された画像データを入力し、前記第2クロック信号に同期して前記画像データを出力する速度変換部と、前記速度変換部から出力された画像データと前記第2クロック信号とを入力し、前記第2クロック信号と同期して前記画像データを前記記録部に出力する入出力制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる電気機器は、第1クロック信号を入力し、前記第1クロック信号に対して所定の周波数拡散幅で周波数拡散を行い、周波数変調された第2クロック信号を出力する第1スペクトラム拡散クロック発生器と、前記第1クロック信号を入力して、前記第1クロック信号の周波数を逓倍した周波数で同期発振して第3クロック信号を出力するPLL回路と、前記第3クロック信号を入力し、所定のデータに対する処理を行って、前記第3クロック信号に同期して、処理が施されたデータを出力する処理部と、前記第2クロック信号と前記第3クロック信号とを入力し、前記第3クロック信号に同期して前記処理が施されたデータを入力し、前記第2クロック信号に同期して前記データを出力する速度変換部と、前記速度変換部から出力されたデータと前記第2クロック信号とを入力し、前記第2クロック信号と同期して前記データを出力する入出力制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる記録制御方法は、画像データの記録媒体への記録を行う記録部を備えた画像形成装置で実行される記録制御方法であって、第1クロック信号を入力し、前記第1クロック信号に対して所定の周波数拡散幅で周波数拡散を行い、周波数変調された第2クロック信号を出力する第1スペクトラム拡散クロック発生ステップと、前記第1クロック信号を入力して、前記第1クロック信号の周波数を逓倍した周波数で同期発振して第3クロック信号を出力する出力ステップと、前記第3クロック信号を入力し、画像データに対する画像処理を行って、前記第3クロック信号に同期して、画像処理が施された画像データを出力する画像処理ステップと、前記第2クロック信号と前記第3クロック信号とを入力し、前記第3クロック信号に同期して前記画像処理が施された画像データを入力し、前記第2クロック信号に同期して前記画像データを出力する速度変換ステップと、前記速度変換ステップにより出力された画像データと前記第2クロック信号とを入力し、前記第2クロック信号と同期して前記画像データを前記記録部に出力する入出力制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、PLL回路を実装した構成においても、スペクトラム拡散クロック発生器による拡散幅がPLL回路のジッタ規格値による制限を受けず、EMI低減効果を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施の形態1にかかるインクジェット式プリンタ装置の概略構成図である。
【図2】図2は、プリンタ制御基板の機能的構成を示すブロック図である。
【図3−1】図3−1は、周波数拡散幅がOFF(0%)の場合、±1.5%の場合、±0.5%の場合を比較した周波数のグラフである。
【図3−2】図3−2は、周波数拡散幅がOFF(0%)の場合、±1.5%の場合、±0.5%の場合を比較した周波数スペクトラムのグラフである。
【図4】図4は、速度変換メモリの入出力を示す説明図である。
【図5】図5は、速度変換メモリのタイミングチャートである。
【図6】図6は、実施の形態2にかかるプリンタ制御基板の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、実施の形態3にかかるプリンタ制御基板700の機能的構成を示すブロック図である。
【図8−1】図8−1は、SSCGの特性としての周波数のグラフである。
【図8−2】図8−2は、SSCGの特性としての周波数スペクトラムのグラフである。
【図9】図9は、実施の形態3の2つのSSCGの機能的構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、2つのSSCGの周波数変調波形の位相をずらすことによるEMI低減効果の説明図である。
【図11】図11は、従来の画像形成装置におけるプリンタ制御基板の機能的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、電気機器および記録制御方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかるインクジェット式プリンタ装置の概略構成図である。図1では、本実施の形態のインクジェット式プリンタを備えた画像形成装置100(以下、「画像形成装置100」という。)にネットワークで接続されたホストPC(Personal Computer)101も示している。ここで、ホストPC101は、各種イメージの画像データを画像形成装置100に送出するコンピュータである。
【0015】
画像形成装置100は、図1に示すように、プリンタインタフェース103と、スキャナ107と、メモリコントローラ102と、プリンタ制御基板200と、操作パネル106と、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)104と、HDD(Hard Disk Drive)105と、記録ヘッド112と、キャリッジ113と、搬送部114と、吸引フィン115と、排紙部116とを主に備えている。
【0016】
プリンタインタフェース103とメモリコントローラ102およびプリンタ制御基板200とはPCIバスで接続されている。
【0017】
プリンタインタフェース103は、USBやセントロニクス等のインタフェースであり、スキャナ107が接続されている。
【0018】
メモリコントローラ102には操作パネル106、SDRAM104、HDD105が接続されている。メモリコントローラ102は、ホストPC101からプリンタインタフェース103、PCIバスを介して画像データを受信し、受信した画像データをSDRAM104、HDD105へ一時的に保存する。メモリコントローラ102は、スキャナ107で読み取った画像データも同様に、プリンタインターフェース103、PCIバスを介して受信し、受信した画像データをSDRAM104、HDD105へ保存する。
【0019】
プリンタ制御基板200は、画像形成装置100の全体を制御するものである。プリンタ制御基板200は、SDRAM104、HDD105に格納されている画像データの転送をメモリコントローラ102に対して要求する。要求を受けたメモリコントローラ102は、HDD105、SDRAM104に格納されている画像データを、PCIバスを介してプリンタ制御基板200へ転送する。
【0020】
プリンタ制御基板200は、メモリコントローラ102から転送されてきた画像データを、内部の記録ヘッド制御ASIC(後述)によって画像処理し、記録ヘッド112が受け取ることができるデータフォーマットに変換した後、フレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable、以下、「FFC111」という。)111を介して記録ヘッド112へと転送される。
【0021】
記録ヘッド112は、インクジェット式の記録ヘッドであり、搬送部114によって搬送されてきた用紙に対してインクを吐出することによって作像する。ここで、本実施の形態でが、記録する手段である記録部として記録ヘッド112を用いているが、記録ヘッド112は記録部の一例であり、記録可能な記録部であればいずれも用いることができる。
【0022】
キャリッジ113は、記録ヘッド112を用紙搬送方向に対して垂直な方向に移動させる。この動作によって主走査方向の画像が用紙に形成される。吸引フィン115は、インク吐出の際に用紙位置を安定させるためのものである。作像された用紙は排紙部16によって画像形成装置100の外部に排出される。
【0023】
図2は、プリンタ制御基板の機能的構成を示すブロック図である。プリンタ制御基板200は、図2に示すように、水晶発振器201と、スペクトラム拡散クロック発生器202(以下、「SSCG202」という。)と、CPU209と、記録ヘッド制御ASIC(Application Specific Integrated Circuit)108とを備えている。
【0024】
CPU209は、画像形成装置100の全体制御を司る。水晶発振器201は、クロック1(第1クロック信号)を発振させる。
【0025】
SSCG202は、クロック1を入力して、クロック1の周波数を予め設定された周波数拡散幅で拡散して周波数変調させるスペクトル拡散処理を行い、周波数変調された(周波数拡散された)クロック2(第2クロック信号)を出力する。SSCG202は、EMIノイズ低減が目的で設けられており、EMIノイズ強度規制値をクリアするために必要不可欠なものとなっている。なお、画像形成装置のような電子機器に対しては、各国でFCC、VCCI、EN55022等のEMIノイズに関する規制がある。
【0026】
記録ヘッド制御ASIC108は、記録ヘッド112を制御する回路である。記録ヘッド制御ASICは、図2に示すように、PLL回路203と、プリンタ画像処理ロジック部204と、速度変換メモリ205と、IOセルFF(Flip Flop)206とを備えている。
【0027】
PLL回路203は、リファレンスクロックとしてクロック1を入力して、クロック1の周波数を逓倍した周波数で同期発振してクロック3を出力する。周波数逓倍されたクロック3(第3クロック信号)は、プリンタ画像処理ロジック部204のシステムクロック、速度変換メモリ205のライトクロックとして使用される。
【0028】
プリンタ画像処理ロジック部204は、クロック3を入力し、メモリコントローラ102から転送されてきた画像データを処理し、クロック3に同期して出力する。このようにプリンタ画像処理ロジック部204がPLL回路203から出力されるクロック3を用いるのは、高速な処理を行うためである。本実施の形態では、プリンタ画像処理ロジック部204は、主に画像データの階調処理、記録ヘッド112のデータI/Fを行っている。
【0029】
IOセルFF206は、速度変換メモリ205から出力される画像データと周波数変調されたクロック2を入力し、クロック2に同期して、画像データをラッチして記録ヘッド112に出力するフリップフロップである。
【0030】
プリンタ画像処理ロジック部204によって画像処理されたデータは、速度変換メモリ205、記録ヘッド制御ASIC108の外部端子付近に配置されているIOセルFF206を経由して、記録ヘッド112へと転送されることになる。
【0031】
EMIノイズは、プリンタ制御基板200から記録ヘッド112へ記録ヘッドデータを転送する際に、FFC111から多く発生している。記録ヘッドデータをSSCG202を用いて周波数拡散したクロックで同期化することで、記録ヘッドデータの周波数は拡散されて、FFC111から発生するEMIノイズを低減することができる。
【0032】
SSCG202を使用した場合におけるEMIノイズ低減の効果について説明する。SSCG202によるEMIノイズ低減効果の大小は、周波数拡散幅に関係している。図3−1は、周波数拡散幅がOFF(0%)の場合、±1.5%の場合、±0.5%の場合を比較した周波数のグラフである。図3−2は、周波数拡散幅がOFF(0%)の場合、±1.5%の場合、±0.5%の場合を比較した周波数スペクトラムのグラフである。
【0033】
図3−1に示すように、周波数拡散幅がOFFの場合には、図3−2に示すように、周波数スペクトラムが一点の周波数f0に集中する。周波数拡散幅がONの場合には、周波数スペクトラムが周波数拡散範囲で分散される。図3−2に示すように、周波数拡散幅が大きければそれだけ周波数スペクトラムが広範囲に拡散するため、EMIノイズ低減効果が大きくなる。
【0034】
図3−2の例では、周波数拡散幅が±1.5%の場合が、±0.5%の場合に比べて、周波数スペクトラムの最大値が低減していることがわかる。
【0035】
SSCGを使用しないEMIノイズ低減対策には、FFC111にフェライトコアを追加したり、シールドタイプのFFC111を使用する等の方策があるが、SSCGを使用したEMI対策と比較すると、いずれも製造コストが増大する。
【0036】
図11は、従来の画像形成装置におけるプリンタ制御基板の機能的構成を示すブロック図である。図11に示す従来の技術では、水晶発振器201から出力されたクロック1がSSCG1102を経由して記録ヘッド制御ASIC1108のシステムクロック(クロック2)として入力される。具体的には、図11に示すように、クロック2が記録ヘッド制御ASIC1108内部のPLL回路203へ入力される。
【0037】
この場合のSSCG1102による周波数拡散幅は、記録ヘッド制御ASIC1108内部のPLL回路203によるPLLジッタ規格値によって制限される。例えば、PLLジッタ規格値が200ps、水晶発振器201からのクロック1の周波数が80MHzの場合、許容される最大周波数拡散幅は1.6%(±0.8%)となる。
【0038】
一般にSSCGの周波数拡散幅の設定は、±1.5%、±1.0%、±0.5%、OFF(±0%)の±0.5%刻みで選択され、上記の例では、±0.5%が設定されることになる。これを越える周波数拡散幅(±1.0%、±1.5%)を設定した場合、PLL回路203は、安定した逓倍周波数クロックを出力できなくなり、記録ヘッド制御ASIC1108のシステム動作が不安定となってしまう。
【0039】
本実施の形態のプリンタ制御基板200では、図2に示すように、水晶発振器201から出力されたクロック1と、クロック1がSSCG202を経由したクロック2の2系統を記録ヘッド制御ASIC108のシステムクロックとして入力する構成としている。
【0040】
すなわち、第1系統としては、クロック1のシステムクロックは、記録ヘッド制御ASIC1108内部のPLL回路203に入力され、PLL回路203により周波数逓倍されたクロック3はプリンタ画像処理ロジック部204のクロックとして使用される。
【0041】
一方、第2系統として、SSCG202から出力された周波数拡散がなされたクロック2は、PLL回路203を介さずに、IOセルFF206に入力され、その後、記録ヘッドデータを転送する際のIOセルFF206で使用される。このため、この第2系統では、クロック2がPLL回路203に入力されないため、SSCG202では、周波数拡散幅がPLLジッタ規格値による制限を考慮する必要がなくなる。このため、本実施の形態では、図11に示す従来技術に比べて、SCG202の周波数拡散幅をデバイスの性能を十分に発揮することができる大きい値まで設定可能となる。上記の例の場合には、周波数拡散幅を±1.5%まで設定可能となる。
【0042】
図2に戻り、速度変換メモリ205は、プリンタ画像処理ロジック部204から出力される画像データとクロック2とクロック3とを入力し、周波数拡散されていないクロック3に同期して、プリンタ画像処理ロジック部204から画像データを書き込み、この画像データを周波数拡散されたクロック2に同期してIOセルFF206に出力するFIFOメモリである。
【0043】
本実施の形態では、SSCG202によって周波数拡散されているクロック2と、周波数拡散されていないクロック1の2系統を、記録ヘッド制御ASIC108のシステムクロックとしているが、この場合、次のような問題がある。
【0044】
すなわち、周波数拡散されていないクロック3によってプリンタ画像処理ロジック部204で同期処理された画像データを、IOセルFF206で周波数拡散されているクロック2で同期すると、クロック2は周波数拡散されていることでジッタが生じているため、クロック2に同期させるIOセルFF206が、クロック3で同期して出力された画像データをラッチする際に、非同期のタイミングが発生してしまい、タイミングエラーによって不定出力が発生してしまう。このため、本実施の形態では、速度変換メモリ205をIOセルFF206の前段に設け、非同期のタイミングが生じることを防止している。
【0045】
図4は、速度変換メモリ205の入出力を示す説明図である。図5は、速度変換メモリ205のタイミングチャートである。
【0046】
速度変換メモリ205は、同期クロック入力、データバス、イネーブル信号、リセット信号がリード側とライト側に分かれているデュアルポートのFIFOメモリである。ライトデータバスには、プリンタ画像処理ロジック部204からの画像データを入力する。
【0047】
周波数拡散されていないクロック3はライト側のライトクロックとして入力し、周波数拡散されているクロック2はリード側のリードクロックとして入力される。また、ライトイネーブル信号、リードイネーブル信号は、記録ヘッド112が1回のスキャン動作で処理しているデータ量分の長さをアサート幅としている。そして、スキャン単位のイネーブルアサート間には、リセットをアサートしている。
【0048】
図5に示すように、周波数拡散されていないクロック3に同期して、プリンタ画像処理ロジック部204から1スキャン動作分の画像データを速度変換メモリ205に書き込み、周波数拡散されたクロック2に同期して、FIFO方式で、書き込まれた1スキャン動作分の画像データをIOセルFF206に出力している。これにより、速度変換メモリ205でから出力される画像データは、速度変換後の記録ヘッドデータとして、周波数拡散されているクロック2に同期するIOセルFF206で不定出力することなく、ラッチが可能となる。
【0049】
このように本実施の形態では、記録ヘッド制御ASIC108に2系統でシステムクロックを入力している。すなわち、安定が必要なプリンタ画像処理ロジック部204に入力するクロック1はSSCG202を経由せずに入力し(第1系統)、IOセルFF206に対するクロック2をSSCGを経由させて入力する(第2系統)ことにより、PLLのジッタ規格値の制限を受けることなく、ノイズ発生源であるFFC111において、大きな周波数拡散幅でスペクトルを拡散させることができる。このため、本実施の形態によれば、記録ヘッド制御ASIC108のシステム動作を不安定にさせることがなく、EMIノイズの低減を行うことができる。
【0050】
特に、本実施の形態の画像形成装置は、インクジェット式のプリンタを備えたものであるため、記録ヘッド112の移動に伴いFFC111も移動するため、FFC111自身でEMIノイズ低減を行うことが困難である。しかし、本実施の形態では、プリンタ制御基板200でFFC111に発生するEMIノイズを低減することができるため、移動可能なFFC11でEMI対策を行う必要がない。
【0051】
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる画像形成装置は、2系統のシステムクロックを異なる周波数拡散幅に設定された2つのSSCGをそれぞれ経由して記録ヘッド制御ASICに入力して、EMIノイズの低減を図るものである。
【0052】
図6は、実施の形態2にかかるプリンタ制御基板の機能的構成を示すブロック図である。なお、実施の形態2にかかるプリンタ制御基板600を備えた画像形成装置の概略構成は実施の形態1と同様である。
【0053】
実施の形態2のプリンタ制御基板600は、図6に示すように、水晶発振器201と、SSCG202と、SSCG602と、CPU209と、記録ヘッド制御ASIC108とを備えている。本実施の形態では、図6に示すように、プリンタ制御基板600は、2つのSSCG202、SSCG602を備えている。ここで、水晶発振器201、SSCG202、CPU209、記録ヘッド制御ASIC108の機能および構成は実施の形態1と同様である。
【0054】
本実施の形態のSSCG602は、クロック1を入力して、クロック1の周波数を予め設定された周波数拡散幅で拡散して周波数変調させるスペクトル拡散処理を行い、クロック4(第4クロック信号)を出力する。ここで、SSCG602の周波数拡散幅は、PLL回路203のジッタ規格値を満足する範囲で、かつSSCG202の周波数拡散幅より小さい値に設定されている。
【0055】
本実施の形態では、水晶発振器201から出力されるクロック1に対して、それぞれ周波数拡散幅が互いに異なるSSCG202、SSCG602によって周波数拡散を行い、周波数拡散(周波数変調)されたクロック2、クロック4の2系統のシステムクロックを記録ヘッド制御ASIC108へと入力する。
【0056】
第1系統として、記録ヘッド制御ASIC108内のPLL回路203に、SSCG602によって周波数拡散がなされたクロック4がリファレンスクロックとして入力される。PLL回路203は、クロック4を周波数逓倍してクロック5を出力する。
【0057】
PLL回路203により周波数逓倍されたクロック5は、プリンタ画像処理ロジック部204のシステムクロック、速度変換メモリ205のライトクロックとして使用される。 一方、第2系統として、SSCG202によって周波数拡散されたクロック2は、速度変換メモリ205のリードクロック、IOセルFF206の同期クロックとして使用される。
【0058】
ここで、SSCG202の周波数拡散幅は、PLL回路203のジッタ規格による制限がないため、SSCG602の設定よりも大きく設定することが可能となる。
【0059】
EMIノイズは、プリンタ制御基板600と記録ヘッド112を接続しているFFC111から発生する他、プリンタ制御基板600からEMIノイズが発生する場合もある。本実施の形態では、記録ヘッド制御ASIC108への2系統のクロックともにSSCG202,602によって周波数拡散を行うことによって、プリンタ制御基板600から発生するEMIノイズを低減することが可能となる。
【0060】
すなわち、本実施の形態では、IOセルFF206に対しては、クロック1をSSCG202で周波数拡散したクロック2を入力し、PLL回路203に対しては、SSCG202とは異なるSSCG602でクロック1を周波数拡散したクロック4をリファレンスクロックとして入力することで、PLL回路203のリファレンスクロックに対してもジッタ規格値の範囲内で周波数拡散することが可能となる。このため、本実施の形態では、記録ヘッド制御ASIC108の安定動作には影響を与えることなく、FFC111から発生するEMIノイズを低減することができる他、記録ヘッド制御ASICを搭載したプリンタ制御基板から発生するEMIノイズを低減することができる。このため、本実施の形態によれば、より一層のEMIノイズの低減を図ることができる。
【0061】
また、本実施の形態では、SSCG202の周波数拡散幅がSSCG602の周波数拡散幅よりも大きい値に設定可能である。すなわち、SSCG602はPLL回路203のジッタ規格値によって周波数拡散幅の設定値に制限が生じるが、SSCG202の周波数拡散幅の設定値にはこのような制限がないため、周波数拡散幅をSSCG202のデバイス性能上の最大値に設定することができる。このため、本実施の形態によれば、さらなるEMIノイズの低減を図ることができる。
【0062】
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる画像形成装置は、実施の形態2において、さらにSSCG202とSSCG602の位相を制御するものである。
【0063】
図7は、実施の形態3にかかるプリンタ制御基板700の機能的構成を示すブロック図である。なお、実施の形態3にかかるプリンタ制御基板600を備えた画像形成装置の概略構成は実施の形態1と同様である。
【0064】
実施の形態3のプリンタ制御基板700は、図7に示すように、水晶発振器201と、SSCG202と、SSCG602と、アナログ信号発生器701と、CPU209と、記録ヘッド制御ASIC108とを備えている。本実施の形態でも、実施の形態2と同様に、プリンタ制御基板700は、2つのSSCG202、SSCG602を備えているが、本実施の形態では、さらにアナログ信号発生器701を備えている点が実施の形態2と異なっている。
【0065】
ここで、水晶発振器201、SSCG202、SSCG602、CPU209、記録ヘッド制御ASIC108の機能および構成は実施の形態2と同様である。
【0066】
図8−1は、SSCGの特性としての周波数のグラフである。図8−2は、SSCGの特性としての周波数スペクトラムのグラフである。
【0067】
図8−1からわかるように、SSCGの特性として、周波数変調波形の周波数f0付近で歪みや、周波数変調波形の周波数の最大値、最小値近辺でなまりが発生している。これらの歪みやなまりによって、図8−2に示すように、周波数スペクトラムにはピーク部が発生しており、EMIノイズ強度の規制値に対してマージン不足となる。
【0068】
特に、SSCG202、602の周波数変調波形の位相を制御する手段がない場合、デバイス誤差、環境条件等で位相がまちまちとなる。このため、SSCG202,SSCG602のスペクトラムに発生している波形の歪みによるピーク部の発生タイミングが一致してしまう可能性があり、その場合、周波数f0近辺のEMIノイズ強度が増大して、さらなるマージン不足となる。
【0069】
このため、本実施の形態では、アナログ信号発生器701を設け、アナログ信号発生器701からSSCG202、SSCG602に対してアナログ電圧波形を入力することにより、2つのSSCG202、602の周波数変調波形に対して位相を制御して、周波数変調波形の歪みやなまりの発生を回避している。
【0070】
なお、周波数変調波形の周波数の最大値、最小値近辺でのなまりに関しては、2つのSSCG202,602で発生タイミングが一致しても、それぞれのSSCG202,602で設定された周波数拡散幅の相違により周波数が異なるため、EMIノイズ強度が増大することはない。
【0071】
図9は、実施の形態3のSSCG202,602の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態のSSCG202,602は、図9に示すように、分周器906,907と、周波数位相比較器901と、チャージポンプ回路(CP)902と、電圧加算器903と、ローパスフィルタ(LPF)904と、電圧制御発振器(VCO)905とを主に備えている。従来のSSCGは、内部にアナログ信号発生器を備え、アナログ信号発生器で発生させたアナログ電圧波形を電圧加算器903に入力する構成としているが、本実施の形態のSSCG202,602では、アナログ信号発生器を内部に備えず、外部のアナログ信号発生器701から専用の外部端子により電圧加算器903にアナログ電圧波形を入力する構成としている。
【0072】
アナログ信号発生器701では、位相が異なる2つのアナログ電圧波形を生成して、生成した2つのアナログ電圧波形のそれぞれを、SSCG202とSSCG602にそれぞれ別個に入力する。これにより、SSCG202,602の互いの周波数変調波形の位相をずらし、位相が一致することを回避することができる。
【0073】
図10は、2つのSSCG202,602の周波数変調波形の位相をずらすことによるEMI低減効果の説明図である。図10に示すように、SSCG202の周波数変調波形とSSCG602の周波数変調の位相をずらすことにより、周波数変調波形の歪みの出力タイミングを2つのSSCG202,602の周波数変調波形でずらすことができる。このため、本実施の形態では、SSCG202,SSCG602のスペクトラムに発生する波形の歪みによるピーク部の発生タイミングが一致してしまうことを回避し、EMIノイズのさらなる低減を図ることが可能となる。
【0074】
本実施の形態では、2つのSSCG202,602の周波数変調波形の位相をずらす場合には、出力周波数差が120kHz以上となるように構成することが好ましい。EMIノイズ強度の測定に用いられるスペクトラム・アナライザは、分解能帯域幅が120kHzとなっているため、出力周波数差が120kHz以上であれば、2つのクロックのスペクトラムが加算されることがなくなり、実使用時及びEMIノイズ測定時にもEMIノイズ低減が図れるためである。
【0075】
このように本実施の形態では、SSCG202,602外部のアナログ信号発生器701から入力されるアナログ電圧波形によって、2つのSSCG202,602の周波数変調波形の位相をずらしているので、周波数拡散されたクロックの中心の周波数f0付近に発生するスペクトラムのピーク部の発生タイミングが一致しないように制御することが可能となり、これにより、周波数f0付近でのスペクトラムピーク部が増大してしまうことを回避し、この結果、さらなるEMI低減効果を図ることができる。
【0076】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、インクジェット式のプリンタを備えた画像形成装置に適用した例を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、インクジェット式以外のプリンタ装置、複写機、スキャナ装置、ファクシミリ装置、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機等の画像形成装置に適用することもできる。また、本発明は、インクジェット式のプリンタ以外への記録手段(書き込み手段)へのデータ転送にも適用することができる。
【0077】
また、上記実施の形態では、記録部(ヘッド112)を制御する回路としてASICを用いた記録ヘッド制御ASICを用いるが、記録部(ヘッド112)を制御する手段としてはASICに限定されるものはなく、例えば、FPGA等も用いることができる。
【0078】
また、上記実施の形態では、画像形成装置を例にあげて説明したが、これに限定されるものではなく、信号を外部に転送し、PLL回路を備えた制御基板を搭載した電気機器であれば、いずれの電気機器にも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0079】
101 ホストPC
102 メモリコントローラ
103 プリンタインタフェース
105 HDD
106 操作パネル
107 スキャナ
108 記録ヘッド制御ASIC
111 フレキシブルフラットケーブル(FFC)
112 記録ヘッド
113 キャリッジ
114 搬送部
115 吸引フィン
116 排紙部
200,600,700 プリンタ制御基板
201 水晶発振器
202,602 スペクトラム拡散クロック発生器(SSCG)
209 CPU
203 PLL回路
204 プリンタ画像処理ロジック部
205 速度変換メモリ
206 IOセルFF
701 アナログ信号発生器
901 周波数位相比較器
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2001−094734号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データの記録媒体への記録を行う記録部と、
第1クロック信号を入力し、前記第1クロック信号に対して所定の周波数拡散幅で周波数拡散を行い、周波数変調された第2クロック信号を出力する第1スペクトラム拡散クロック発生器と、
前記第1クロック信号を入力して、前記第1クロック信号の周波数を逓倍した周波数で同期発振して第3クロック信号を出力するPLL回路と、
前記第3クロック信号を入力し、画像データに対する画像処理を行って、前記第3クロック信号に同期して、画像処理が施された画像データを出力する画像処理部と、
前記第2クロック信号と前記第3クロック信号とを入力し、前記第3クロック信号に同期して前記画像処理が施された画像データを入力し、前記第2クロック信号に同期して前記画像データを出力する速度変換部と、
前記速度変換部から出力された画像データと前記第2クロック信号とを入力し、前記第2クロック信号と同期して前記画像データを前記記録部に出力する入出力制御部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1クロック信号を入力し、前記第1クロック信号に対して所定の周波数拡散幅で周波数拡散を行い、周波数変調された第4クロック信号を出力する第2スペクトラム拡散クロック発生器を更に備え、
前記PLL回路は、前記第4クロックを入力し、前記第4クロックの周波数を逓倍した周波数で同期発振して第5クロックを出力し、
前記画像処理部は、前記第5クロック信号を入力し、前記第5クロック信号に同期して、前記画像処理が施された画像データを出力し、
前記速度変換部は、前記第2クロック信号と前記第5クロック信号とを入力し、前記第5クロック信号に同期して前記画像処理が施された画像データを入力し、前記第2クロック信号に同期して前記画像データを出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1スペクトラム拡散クロック発生器と前記第2スペクトラム拡散クロック発生器は、互いに異なる前記周波数拡散幅で周波数拡散を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1スペクトラム拡散クロック発生器は、前記第2スペクトラム拡散クロック発生器における前記周波数拡散幅より大きい値の前記周波数拡散幅で周波数拡散を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
アナログ電圧波形を生成するアナログ変調器をさらに備え、
前記第1スペクトラム拡散クロック発生器と前記第2スペクトラム拡散クロック発生器は、周波数拡散による周波数変調波形の位相を、前記アナログ変調器により生成されたアナログ電圧波形によって制御することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1スペクトラム拡散クロック発生器と前記第2スペクトラム拡散クロック発生器との出力周波数差は、120kHz以上であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
第1クロック信号を入力し、前記第1クロック信号に対して所定の周波数拡散幅で周波数拡散を行い、周波数変調された第2クロック信号を出力する第1スペクトラム拡散クロック発生器と、
前記第1クロック信号を入力して、前記第1クロック信号の周波数を逓倍した周波数で同期発振して第3クロック信号を出力するPLL回路と、
前記第3クロック信号を入力し、所定のデータに対する処理を行って、前記第3クロック信号に同期して、処理が施されたデータを出力する処理部と、
前記第2クロック信号と前記第3クロック信号とを入力し、前記第3クロック信号に同期して前記処理が施されたデータを入力し、前記第2クロック信号に同期して前記データを出力する速度変換部と、
前記速度変換部から出力されたデータと前記第2クロック信号とを入力し、前記第2クロック信号と同期して前記データを出力する入出力制御部と、
を備えたことを特徴とする電気機器。
【請求項8】
画像データの記録媒体への記録を行う記録部を備えた画像形成装置で実行される記録制御方法であって、
第1クロック信号を入力し、前記第1クロック信号に対して所定の周波数拡散幅で周波数拡散を行い、周波数変調された第2クロック信号を出力する第1スペクトラム拡散クロック発生ステップと、
前記第1クロック信号を入力して、前記第1クロック信号の周波数を逓倍した周波数で同期発振して第3クロック信号を出力する出力ステップと、
前記第3クロック信号を入力し、画像データに対する画像処理を行って、前記第3クロック信号に同期して、画像処理が施された画像データを出力する画像処理ステップと、
前記第2クロック信号と前記第3クロック信号とを入力し、前記第3クロック信号に同期して前記画像処理が施された画像データを入力し、前記第2クロック信号に同期して前記画像データを出力する速度変換ステップと、
前記速度変換ステップにより出力された画像データと前記第2クロック信号とを入力し、前記第2クロック信号と同期して前記画像データを前記記録部に出力する入出力制御ステップと、
を含むことを特徴とする記録制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−199528(P2011−199528A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63310(P2010−63310)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】