説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】 温度上昇によるトナー帯電量の変化を抑制し、安定して良好な画像を出力する画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】 現像剤容器31内の液体現像剤の温度が所定温度より高い場合、冷却ファン101から定着部70を通過する第1気流経路110よりも、冷却ファン101から現像剤容器31、現像剤担持体20及び現像剤供給部材32周辺を通過する第2気流経路120の送風量を多くすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤供給ローラにより液体現像剤を現像剤担持体に供給し、現像剤担持体により潜像担持体上の潜像を現像し、中間転写ベルトに潜像担持体上の像を転写し、中間転写ベルト上の像を転写材に二次転写することにより画像を形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置が使用される周囲の温度等の環境条件は、一般に変化するものである。例えば、現像剤を定着させるための定着器は熱を用いた方式が一般的であり、これにより連続印字を行った場合などに、機内温度の上昇が起こり得ることはよく知られている。
【0003】
特許文献1では、このような環境条件の変化により、トナー特性が変化していまい、結果として画像劣化(非画像部のカブリ)を起こしてしまうという課題が明記されており、その解決方法として、現像ローラ上において、トナー層を固形分層と液体分層との2層に分離するブレードに流す電流値を、感光体上へ現像剤を現像する際に流れる電流により制御することが開示されている。これにより、トナー特性に変化が起こったとしても、画像劣化を引き起こすことなく、安定した画像を出力できる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−258154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、出願人の研究により、図8に示すように、トナーの帯電量が温度上昇によって減少することが明らかとなってきた。特許文献1に記載されている解決方法では、初期的には課題の解決が可能であるが、温度上昇によりトナーの帯電量が大きく減少してしまった場合には、ブレードに流す電流値を制御しても、トナーの移動が不十分なものとなり、2層に分離することができなくなる。この場合、非画像部のカブリや画像部のリブなどの画像劣化が起こってしまう
【0006】
本発明は上記課題を解決し、温度上昇によるトナー帯電量の変化を抑制し、安定して良好な画像を出力する画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決する画像形成装置であって、ケースと、現像剤固形分と液体キャリアを有する液体現像剤を貯留する現像剤容器と、液体現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤容器から前記現像剤担持体に液体現像剤を供給する現像剤供給部材と、前記現像剤担持体により潜像を現像される潜像担持体と、前記潜像担持体上の像を転写することにより画像を形成する中間転写部材と、前記中間転写部材上の画像を転写材に転写する二次転写部と、画像を転写材に定着させる定着部と、液体現像剤の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の測定結果に応じて前記ケース内の温度を調整する冷却装置と、を備えたので、温度上昇によるトナー帯電量の変化を抑制し、安定して良好な画像を出力することができる。
【0008】
また、前記冷却装置は、前記ケースに設けた冷却ファンと、前記ケースの内外を連通する通気口とを有するので、簡単な構造により低コストで実現することができる。
【0009】
また、前記冷却装置は、前記定着部を通過する第1気流経路と、前記現像剤容器、前記現像剤担持体及び前記現像剤供給部材周辺を通過する第2気流経路とを有するので、冷却したい部分に直接送風することができる。
【0010】
また、前記冷却装置は、前記温度検出手段の検出した温度が所定温度以上の場合、前記第2気流経路の送風量を前記第1気流経路の送風量よりも多くする調整手段を有するので、特に温度が高い場合には現像剤担持体周辺を集中して冷却し、安定して良好な画像を出力することができる。
【0011】
また、前記温度検出手段は、前記現像剤容器内の液体現像剤の温度を検出するので、現像剤担持体へ供給される液体現像剤の状態を検出し、迅速に対応することができる。
【0012】
また、前記現像剤容器、前記現像剤担持体、前記現像剤供給部材及び前記潜像担持体は、それぞれ複数色に対応して備えられ、前記温度検出手段は、前記中間転写部材が前記定着部近傍を通過した後、次に通過する色の液体現像剤を貯留した前記現像剤容器内に配置されるので、定着部の熱の影響を多く受ける中間転写部材から伝わる熱により複数色の中で最も早く温度が高くなる液体現像剤の状態を検出し、さらに迅速に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示す図、図2は画像形成装置の色毎の構成要素を示す断面図である。図1において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色に対し、イエロー(Y)のみYを付して示している。そのうち、イエロー(Y)の構成を具体的に示したのが図2である。以下、画像形成装置について図1及び図2を参照して説明する。
【0014】
画像形成装置1は、潜像担持体10Yの外周の回転方向(移動方向)に沿って、潜像担持体クリーニングブレード16Y及び潜像担持体現像剤回収部17Yからなる潜像担持体クリーニング装置、帯電ローラ11Y、露光ユニット12Y、現像ユニット30Yの現像剤担持体の一例としての現像ローラ20Y、潜像担持体スクイーズローラ13Yとその付属構成であるスクイーズローラクリーニングブレード14Y及びスクイーズローラ現像剤回収部15Yからなるクリーニング装置が配置されている。現像ユニット30Yは、現像剤担持体としての現像ローラ20Yの外周に、現像ローラクリーニングブレード21Y、現像剤供給部材の一例としてのアニロクスローラを用いた現像剤供給ローラ32Yとその現像剤供給量を規制する規制ブレード33Yが配置され、液体現像剤が収容された現像剤容器(リザーバ)31Yの中に、現像剤を一様分散状態に攪拌する現像剤攪拌ローラ34Yが配置されている。
【0015】
また、中間転写部材の一例としての中間転写ベルト40を挟み潜像担持体10Yと対向する位置に一次転写部50Yの一次転写ローラ51Yが配置され、中間転写ベルト40に沿ってその移動方向下流側に、さらに各色の一次転写部50Y(M、C、K)が配置されている。一次転写部50Y(M、C、K)の下流には、二次転写部60が配置され、ここで、画像が転写材に転写される。また、二次転写部60からシート材搬送経路L下流側には、定着部70が配置されている。定着部70は、加熱ロール71及び加圧ロール72からなり、画像を転写材に定着させるものである。
【0016】
現像剤容器31Yに収容される液体現像剤は、顔料成分を含有する樹脂微粒子と、分散剤と、不揮発性の液体キャリアとからなり、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約25%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体現像剤である。現像剤容器31Yに収容される液体現像剤は、潜像担持体への現像にともなって変化する現像剤濃度に応じ、トナー重量比35〜55%程度の高濃度に分散した現像剤又はキャリアをそれぞれ現像剤容器31Yに補給して液体現像剤攪拌ローラ34Yにより攪拌することにより一様分散状態にし、概略重量比でキャリア75%の中にトナー25%を分散させたものである。
【0017】
潜像担持体10Y周辺及び現像ユニット30Yでは、帯電ローラ11Yにより、潜像担持体10Yを一様に帯電させ、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等の光学系を有する露光ユニット12Yにより、入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザ光を照射して、帯電された潜像担持体10Y上に静電潜像を形成する。そして、各色(こではイエロー)の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Yから規制ブレード33Yにより供給現像剤量を規制して現像剤供給ローラ32Yから現像ローラ20Yに現像剤を供給して潜像担持体10Y上に形成された静電潜像を現像している。
【0018】
現像剤供給ローラ32Yは、図3に示すように、円筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状の溝による凹凸面を形成したアニロクスローラであり、例えば図2に示すように時計回りの方向に回転する。溝の寸法は、溝ピッチが約130μm、溝深さが約30μmである。この現像剤供給ローラ32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラ20Yへと液体現像剤が供給される。撹拌ローラ34Yと現像剤供給ローラ32Yは摺接していても良いが離れた配置関係であっても良い。
【0019】
現像剤規制ブレード33Yは、表面に弾性体を被覆して構成した弾性ブレード、現像剤供給ローラ32Yの表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部と、該ゴム部を支持する金属等の板で構成される。そして、アニロクスローラからなる現像剤供給ローラ32Yに担持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制、調整し、現像ローラ20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。なお、現像剤供給ローラ32Yの回転方向は図2に示す矢印方向ではなくその逆の方向であっても良く、その際の現像剤規制ブレード33Yは、回転方向に対応した配置を要する。
【0020】
現像ローラ20Yは、幅約320mmの円筒状の部材であり、回転軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラ20Yは鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設けたものである。現像ローラクリーニングブレード21Yは、現像ローラ20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラ20Yが潜像担持体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラ20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラ20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。
【0021】
現像ローラ20Yに担持された現像剤Dは、図4に示すように現像ローラ20Yが潜像担持体10Yに当接する現像ニップ部において、所望の電界印加によって、潜像担持体10Yの潜像に対応して現像される。そして、現像残りの現像剤Dは、現像ローラクリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され後述するリサイクル現像剤回収部93Y内に回収される。尚、これら合流するキャリア液及びトナーは混色状態ではない。
【0022】
中間転写ベルト40は、エンドレスのベルト部材であり、駆動ローラ41とテンションローラ42との間に巻き掛けて張架され、一次転写部50Y、50M、50C、50Kで潜像担持体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラ41により回転駆動される。一次転写部50Y、50M、50C、50Kは、一次転写ローラ51Y、51M、51C、51Kが中間転写ベルト40を挟んで潜像担持体10Y、10M、10C、10Kと対向配置され、潜像担持体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された潜像担持体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を中間転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成している。中間転写ベルト40は、このように複数の潜像担持体(感光体)10Y、10M、10C、10Kに形成したトナー像を順次一次転写して重ね合わせて担持し、一括してシート材に二次転写する。
【0023】
二次転写部60は、二次転写ローラ61が中間転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラ41と対向配置され、さらに二次転写ローラクリーニングブレード62、二次転写ローラ現像剤回収部63からなる二次転写ローラクリーニング装置が配置される。二次転写部60では、中間転写ベルト40上に色重ねして形成されたフルカラーのトナー画像や単色のトナー画像が二次転写部60の転写位置に到達するタイミングに合せてシート材搬送経路Lにて用紙、フィルム、布等のシート材を搬送、供給し、そのシート材に単色のトナー画像やフルカラーのトナー画像を二次転写する。
【0024】
二次転写部60のシート材搬送経路L下流には、定着部70が配置されている。定着部70は、シート材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体(シート材)に融着し定着させ、最終的なシート材上の画像形成を終了する。
【0025】
ベルト駆動ローラ41と共に中間転写ベルト40を張架するテンションローラ42側には、その外周に沿って、中間転写ベルト40に当接する中間転写ベルトクリーニングブレード43、その中間転写ベルトクリーニングブレード43がクリーニングした現像剤を回収する中間転写ベルト現像剤回収部44からなる中間転写ベルトクリーニング装置が配置されている。二次転写部60を通過後の中間転写ベルト40は、クリーニングブレード43により中間転写ベルト40上のクリーニングが行われ、再び、一次転写部50へと向かう。
【0026】
現像剤容器31Yにおいて、液体現像剤の中のトナー粒子はプラスの電荷を有し、現像剤は、撹拌ローラ34Yにより撹拌されて一様分散状態になり、現像剤供給ローラ32Yが回転することによって、現像剤容器31Yから汲み上げられ、規制ブレード33Yによって現像剤量が規制されて現像ローラ20Yに供給される。初期的には現像剤容器31Y内に貯蔵した現像剤はキャリア内に概略トナー重量比25%程度で一様分散した状態であるが、潜像担持体10Yへの現像において画像デューティーが高い現像の場合にはトナー分の消費比率が多く、逆に画像デューティーが低い現像の場合にはトナー分の消費比率が少なくなる。即ち、現像剤容器31Y内に貯蔵された現像剤のトナー重量比率は潜像担持体10Yへの現像にともなって刻々と変化し、常時この変化を監視して概略トナー重量比25%程度に分散した状態に維持コントロールしていく必要がある。
【0027】
現像剤容器31Yにおける現像剤を濃度コントロールするため、濃度を検知する手段として、図示省略したトナーの分散重量比率を検知する透過型のフォトセンサあるいは現像剤攪拌ローラ34Yの攪拌トルクを検知するトルク検知手段等及び現像剤容器31Y内の現像剤液面を検知する反射型のフォトセンサ等々が夫々の現像ユニット30Yに設けられる。そして、所定の現像剤量においてトナーの分散重量比率が少なくなった場合にはトナー重量比35〜55%程度の高濃度に分散した現像剤を現像剤容器31Yに所定量補充する。逆にトナーの分散重量比率が高くなった場合にはキャリアを現像剤容器31Yに所定量補充する。これらの補充により概略トナー重量比25%程度にコントロールしている。
【0028】
この現像剤を用い、種々のプロセス行程を経て画像形成し終段階のシート材に2次転写して図示省略した定着行程に進行する段階において、好ましい2次転写機能及び定着機能を発揮させるためには、当該液体現像剤は概略トナー重量比で40%〜60%程度の分散状態になっていることが望ましい。そのため、本実施形態の画像形成装置では、適宜複数の位置に余剰現像剤、余剰キャリアを除去し回収する現像剤回収手段を備える。
【0029】
次に、現像剤回収手段について説明する。本実施形態の画像形成装置では、現像剤回収手段の有するクリーニング装置により現像剤を掻き落として回収している。現像剤回収手段としては、現像ローラ20のクリーニングを行う現像ローラクリーニング装置21、潜像担持体スクイーズ装置13〜15、潜像担持体クリーニング装置16、17、中間転写ベルトクリーニング装置43〜44、さらには2次転写ローラクリーニング装置62、63等を備えている。
【0030】
現像ユニット30Yでは、現像ローラ20Yのクリーニングを行う現像ローラクリーニング装置の一例としての現像ローラクリーニングブレード21Yを有する。現像ローラクリーニングブレード21Yは、現像ローラ20Yが潜像担持体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラ20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラ20Yに残存する現像剤を掻き落として除去する。掻き落とされた現像剤は、リサイクル現像剤回収部93Y内に回収させて再利用される。尚、これら合流するキャリア及びトナーは混色状態にはない。また、回収した現像剤は、廃棄してもよい。
【0031】
スクイーズ装置13Y〜15Yは、図6に示すように、表面に弾性体13−1Yを被覆して潜像担持体10Yに摺接して回転する弾性ローラ部材から成るスクイーズローラ13Yと、図2に示すように、該スクイーズローラ13Yに押圧摺接して表面をクリーニングするスクイーズローラクリーニングブレード14Yとから構成される。
【0032】
スクイーズ装置13は、潜像担持体10Yに現像された現像剤Dから余剰なキャリア液C及び本来不要なカブリトナーT″を回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。余剰キャリア液Cの回収能力は、スクイーズローラ13Yの回転方向及び潜像担持体10Y表面の周速度に対するスクイーズローラ13Y表面の相対的な周速度差によって所望の回収能力に設定することが可能であり、潜像担持体10Yに対してカウンタ方向に回転させると回収能力は高まり、また、周速度差を大きく設定しても回収能力が高まり、更に、この相乗作用も可能である。
【0033】
スクイーズローラ13Yによって回収された余剰なキャリア液C及び不要なカブリトナーT″はスクイーズローラクリーニングブレード14Yの作用によってスクイーズローラ13Yからスクイーズローラ回収部15Yを介して、リサイクル現像剤回収部93Yに回収される。尚、この回収した余剰なキャリア液C及びカブリトナーT″は専用の孤立した潜像担持体10Yから回収しているので全個所にわたって混色現象は発生しない。
【0034】
一次転写部50Yでは、潜像担持体10Yと中間転写ベルト40が等速度で移動して潜像担持体10Yに現像された現像剤像を一次転写ローラ51Yにより中間転写ベルト40へ転写することにより、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、潜像担持体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。なお、1色目の一次転写部50Yでは初回一次転写なので混色現象は発生しないが、2色目以降は既に一次転写されたトナー像部位に更に異なるトナー像を転写して色重ねするので中間転写ベルト40から潜像担持体10Y(M、C、K)へトナーが移行する所謂逆転写現像によって逆転写トナーと転写残りトナーは混色して余剰キャリアとともに潜像担持体10Y(M、C、K)に担持されて移動し、潜像担持体クリーニング装置の一例としての潜像担持体クリーニングブレード16Y(M、C、K)の作用によって潜像担持体10Y(M、C、K)から潜像担持体現像剤回収部17Y(M、C、K)に回収される。
【0035】
中間転写ベルト40上に色重ねしたトナー像が二次転写部位に到達するタイミングに合わせてシート材を供給し、シート材にトナー画像を二次転写して定着行程へと進め最終的なシート材上の画像形成を終了するが、ジャムなどのシート材供給トラブルが発生した場合には、全てのトナー画像が二次転写ロールに転写されて回収されるものではなく、一部は中間転写ベルト上に残り、また、通常の二次転写行程においても中間転写ベルト40上のトナー像は100%二次転写されてシート材に移行するものではなく、数パーセントの二次転写残りが発生する。特に、ジャムなどのシート材供給トラブルが発生した場合には、シート材が介在しない状態でトナー画像が二次転写ローラ61に接して転写されシート材裏面汚れを引き起こす。これら不要トナー像に対し、中間転写ベルト40の中間転写ベルトクリーニングブレード43による中間転写ベルト40上のクリーニング、二次転写ローラ61の二次転写ローラクリーニングブレード62による二次転写ローラ61のクリーニングを行う。このように二次転写ローラクリーニングブレード62は、二次転写ローラ61に転写された現像剤(キャリア内に分散したトナー)を除去する手段として備え、二次転写ローラ61から現像剤が回収される。
【0036】
次に、これら回収された液体現像剤のリサイクルするリサイクル装置80について説明する。なお、図1では、イエローのみの液体現像剤リサイクル装置80Yを示しており、同様の構造である他色の液体現像剤リサイクル装置80M、80C、80Kは省略している。
【0037】
図1に示すように、80Yはリサイクル装置、81Yは濃度調節部、82Yはリサイクル撹拌ローラ、83Yは高濃度現像剤タンク、84Yは高濃度現像剤用ポンプ、87Yはキャリアオイルタンク、88Yは開閉バルブ、93Yはリサイクル現像剤回収部、94はリサイクル経路である中間転写ベルトリサイクル経路、95Yはリサイクル経路であるスクイーズローラリサイクル経路、96Yはリサイクル経路である潜像担持体リサイクル経路、97Yはリサイクル経路である現像ローラリサイクル経路を示す。
【0038】
本実施形態では、中間転写ベルト現像剤回収部44に中間転写ベルトクリーニングブレード43で掻き落として回収した大部分がキャリアオイルである現像剤を回収し、その中間転写ベルト現像剤回収部44をリサイクル現像剤回収部93Yへ連結する中間転写ベルトリサイクル経路94を設ける。
【0039】
また、スクイーズローラ現像剤回収部15Yにスクイーズローラクリーニングブレード14Yで掻き落として回収した大部分がキャリアオイルである現像剤を回収し、そのスクイーズローラ現像剤回収部15Yをリサイクル現像剤回収部93Yへ連結するスクイーズローラリサイクル経路95Yを設ける。
【0040】
さらに、潜像担持体現像剤回収部17Yに潜像担持体クリーニングブレード16Yで掻き落とし回収した大部分がキャリアオイルである現像剤を回収し、その潜像担持体現像剤回収部17Yをリサイクル現像剤回収部93Yへ連結するリサイクル経路である潜像担持体リサイクル経路96Yを設ける。
【0041】
また、現像ローラクリーニングブレード21Yで掻き落とし回収した現像剤を回収し、リサイクル現像剤回収部93Yへ連結する現像ローラリサイクル経路97Yを設ける。
【0042】
そして、これら中間転写ベルトリサイクル経路94、スクイーズローラリサイクル経路95Y及び潜像担持体リサイクル経路96Y及び現像ローラリサイクル経路97Yは、リサイクル現像剤回収部93Yへ連結され、回収された現像剤が濃度調整部81Yへ送られる。キャリアオイル、現像剤又は高濃度の現像剤の補充は、図示しない濃度センサ等により計測された濃度調整部81Y内の現像剤濃度に応じて実行する。濃度調整部81Y内の現像剤は、リサイクル撹拌ローラ82Yの回転により均一な濃度に調整され、現像剤容器31Yに補充され、再利用される。
【0043】
次に、本実施形態の冷却装置100について説明する。図6は、本実施形態の冷却装置100を示す図である。本実施形態の画像形成装置1は、ケース2を有し、ケース2に冷却ファン101及びケース2内外を連通する通気口102を設けている。冷却ファン101及び通気口102は、ケース上方の定着部70とほぼ同じ高さに配置され、空気が定着部70を通過するように、定着部70を挟んで、反対側に配置されている。
【0044】
また、冷却装置100は、第1気流経路110、第2気流経路120及び第1気流経路110と第2気流経路120への送風量を調整する図示しない調整手段を有する。第1気流経路110は、通気口102から吸気され、定着部70を通過し、冷却ファン101により外部へ排気される経路であり、第2気流経路120は、通気口102から吸気され、現像剤容器31Y、現像ローラ20Y、現像剤供給部材32Y等を有する現像ユニット30Y周辺へ流れる経路である。第1気流経路110により、定着部70を冷却することができ、第2気流経路120により、現像ユニット30Yを冷却することができる。
【0045】
さらに、現像剤容器31Y内には、液体現像剤の温度を測定する温度センサSが配置されている。イエローの現像剤容器31Y内に配置する理由は、中間転写部材40が定着部70近傍を通過した後、次に通過する色の液体現像剤は、定着部70の熱の影響を多く受ける中間転写ベルト40から伝わる熱により複数色の中で最も早く温度が高くなるからである。
【0046】
このような構成の冷却装置100における作動について説明する。本実施形態の冷却装置100は、温度センサSの温度により、第1気流経路110と第2気流経路120への送風量を調整手段により調整する制御を行い、定着部70及び現像ユニット30Yへの送風量を調整する。
【0047】
図7は、連続通紙時間と温度との関係の一例を示すグラフである。図7に示すように、連続通紙時間が長くなると、温度センサSの検知する温度は上昇する。本実施形態の冷却装置100は、温度センサSの温度が所定温度より低い場合、OLE_LINK1調整手段により第1気流経路110の送風量を多くしOLE_LINK1て定着部70を冷却し、連続通紙時間が長くなる等、温度センサSの温度が所定温度Tより高くなった場合、調整手段により第2気流経路120の送風量を多くして現像ユニット30Yを冷却する。
【0048】
また、冷却装置100の制御は、温度センサSの温度により、冷却ファン101の回転数を変更することにより、定着部70及び現像ユニット30Yへの送風量を調整するようにしてもよい。
【0049】
なお、調整手段を、第1気流経路110と第2気流経路120とを切り替える構造としてもよい。
【0050】
このように、本実施形態の画像形成装置1は、ケース2と、現像剤固形分と液体キャリアを有する液体現像剤を貯留する現像剤容器31Yと、液体現像剤を担持する現像ローラ20Yと、現像剤容器31Yから現像ローラ20Yに液体現像剤を供給する現像剤供給ローラ32Yと、現像ローラ20Yにより潜像を現像される潜像担持体10Yと、潜像担持体10Y上の像を転写することにより画像を形成する中間転写ベルト40と、中間転写ベルト40上の画像を転写材に転写する二次転写部60と、画像を転写材に定着させる定着部70と、液体現像剤の温度を検出する温度検出手段Sと、温度検出手段Sの検出結果に応じてケース2内の温度を調整する冷却装置100と、を備えたので、温度上昇によるトナー帯電量の変化を抑制し、安定して良好な画像を出力することができる。
【0051】
また、冷却装置100は、ケース2に設けた冷却ファン101と、ケース2の内外を連通する通気口102とを有するので、簡単な構造により低コストで実現することができる。
【0052】
また、冷却装置100は、定着部70を通過する第1気流経路110と、現像剤容器31Y、現像ローラ20Y及び現像剤供給ローラ32Y周辺を通過する第2気流経路120とを有するので、冷却したい部分に直接送風することができる。
【0053】
また、冷却装置100は、温度検出手段Sの検出した温度が所定温度以上の場合、第2気流経路120の送風量を第1気流経路110の送風量よりも多くする調整手段を有するので、特に温度が高い場合には現像ローラ20Y周辺を集中して冷却し、安定して良好な画像を出力することができる。
【0054】
また、温度検出手段Sは、現像剤容器31Y内の液体現像剤の温度を検出するので、現像ローラ20Yへ供給される液体現像剤の状態を検出し、迅速に対応することができる。
【0055】
また、現像剤容器31、現像ローラ20、現像剤供給ローラ32及び潜像担持体10は、それぞれ複数色に対応して備えられ、温度検出手段Sは、中間転写ベルト40が定着部70近傍を通過した後、次に通過する色の液体現像剤を貯留した現像剤容器31Y内に配置されるので、定着部70の熱の影響を多く受ける中間転写ベルト40から伝わる熱により複数色の中で最も早く温度が高くなる液体現像剤の状態を検出し、さらに迅速に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施形態の画像形成装置を示す図である。
【図2】本実施形態の画像形成装置の現像ユニット周辺を示す図である。
【図3】現像剤供給部材の斜視図である。
【図4】現像ローラによる現像を説明する図である。
【図5】スクイーズローラによるスクイーズ作用を説明する図である。
【図6】本実施形態の冷却装置を示す図である。
【図7】連続通紙時間と温度との関係の一例を示すグラフである。
【図8】液体現像剤温度と帯電量を示すグラフである。
【符号の説明】
【0057】
10Y、10M、10C、10K…潜像担持体、11Y、11M、11C、11K…帯電ローラ、12Y、12M、12C、12K…露光ユニット、13Y…潜像担持体スクイーズローラ、14Y…潜像担持体スクイーズローラクリーニングブレード、15Y…現像剤回収部、16Y…潜像担持体クリーニングブレード、17Y…現像剤回収部、20Y、20M、20C、20K…現像ローラ(現像剤担持体)、21Y…現像ローラクリーニングブレード、30Y、30M、30C、30K…現像ユニット、31Y…現像剤容器、32Y…現像剤供給ローラ(現像剤供給部材)、33Y…規制ブレード、34Y…撹拌ローラ、40…中間転写ベルト(中間転写部材)、41…ベルト駆動ローラ、42…ベルト従動ローラ、43…中間転写ベルトクリーニングブレード、44…現像剤回収部、50Y、50M、50C、50K…一次転写部、51Y…一次転写バックアップローラ、60…二次転写部、61…二次転写ローラ、62…二次転写ローラクリーニングブレード、63…現像剤回収部、70…定着部、71…加熱ローラ、72…加圧ローラ、80Y…リサイクル装置、81Y…濃度調節部、82Y…撹拌ローラ、83Y…高濃度現像剤タンク、84Y…高濃度現像剤用ポンプ、87Y…キャリアオイルタンク、88Y…開閉バルブ、93Y…リサイクル現像剤回収部、94…中間転写ベルトリサイクル経路、95Y…スクイーズローラリサイクル経路、96Y…潜像担持体リサイクル経路、97Y…現像ローラリサイクル、100…冷却装置、101…冷却ファン、102…通気口、110…第1気流経路、120…第2気流経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、現像剤固形分と液体キャリアを有する液体現像剤を貯留する現像剤容器と、液体現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤容器から前記現像剤担持体に液体現像剤を供給する現像剤供給部材と、前記現像剤担持体により潜像を現像される潜像担持体と、前記潜像担持体上の像を転写することにより画像を形成する中間転写部材と、前記中間転写部材上の画像を転写材に転写する二次転写部と、画像を転写材に定着させる定着部と、液体現像剤の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の測定結果に応じて前記ケース内の温度を調整する冷却装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記冷却装置は、前記ケースに設けた冷却ファンと、前記ケースの内外を連通する通気口とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記冷却装置は、前記定着部を通過する第1気流経路と、前記現像剤容器、前記現像剤担持体及び前記現像剤供給部材周辺を通過する第2気流経路とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記冷却装置は、前記温度検出手段の検出した温度が所定温度以上の場合、前記第2気流経路の送風量を前記第1気流経路の送風量よりも多くする調整手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記温度検出手段は、前記現像剤容器内の液体現像剤の温度を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記現像剤容器、前記現像剤担持体、前記現像剤供給部材及び前記潜像担持体は、それぞれ複数色に対応して備えられ、
前記温度検出手段は、前記中間転写部材が前記定着部近傍を通過した後、次に通過する色の液体現像剤を貯留した前記現像剤容器内に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
現像剤容器内の液体現像剤の温度が所定温度より高い場合、冷却ファンから定着部を通過する第1気流経路よりも、冷却ファンから前記現像剤容器、現像剤担持体及び現像剤供給部材周辺を通過する第2気流経路の送風量を多くすることを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
前記現像剤容器、前記現像剤担持体、前記現像剤供給部材及び前記潜像担持体は、それぞれ複数色に対応して備えられ、
中間転写部材が定着部近傍を通過した後、次に通過する色の液体現像剤を貯留した前記現像剤容器内の温度を検出することを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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