説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】ターゲットに対する画像の画像位置を位置合わせする際の基準位置をターゲットの表裏両側から検出することができる画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】画像の形成位置を位置合わせする際のシート13の基準位置に設けられた貫通孔67aの位置を検出すると共に、シート13に対して形成される画像を識別するための二次元コードを表す貫通孔67bを通じて二次元コードを読み取る読取センサーと、読取センサーによって読み取られた二次元コードに対応付けられた画像を、読取センサーによる貫通孔67aの検出位置を基準位置として設定される画像の印刷位置に形成する記録ヘッドとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターゲット上における画像形成位置を位置合わせする際の基準位置が設けられたターゲットに対して画像形成処理を施す画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ターゲットに対して画像を形成する画像形成装置の一例として、ターゲットに対して位置合わせマークを印刷すると共に、この位置合わせマークの位置情報に基づいてターゲットに対する画像の印刷位置の位置合わせを行うようにしたプリンターが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この特許文献1に記載のプリンターは、ウェブ(ターゲット)の表面に対して画像と共にトナーマーク(位置合わせマーク)を印刷する第1の印刷装置と、ウェブの裏面に対して画像を印刷する第2の印刷装置とを備えている。そして、これらの印刷装置では、印刷処理時、光源から出力される光によって感光体ドラムに対して静電潜像を形成した後、その静電潜像に現像剤を供給することによって感光体ドラム上にトナー像を形成し、そのトナー像をウェブに対して転写することによってウェブに対する印刷処理を施すようにしている。
【0004】
また、特許文献1に記載のプリンターにおいては、第2の印刷装置のマークセンサーがトナーマークを検出する検出タイミングに応じてウェブの搬送速度を制御することにより、第1の印刷装置においてウェブの表面に形成される画像の印刷位置と、第2の印刷装置においてウェブの裏面に形成される画像の印刷位置とを位置合わせするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−205759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載のプリンターでは、ウェブの表面に設けられたトナーマークをウェブの裏面側から検出することができない。そのため、ウェブ上のトナーマークをウェブの表面側から検出する必要があり、このトナーマークを検出するマークセンサーのレイアウトの自由度が制約されてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ターゲット上における画像形成位置を位置合わせする際の基準位置をターゲットの表裏両側から検出可能とすることによって装置全体の設計の自由度を向上することができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、ターゲット上における画像形成位置を位置合わせする際の基準位置となるように前記ターゲットに貫通形成された第1貫通孔の前記ターゲット上での位置情報を検出する検出手段と、前記ターゲット上に形成される前記画像を識別するための識別情報を、当該画像の形成前において前記ターゲットに前記第1貫通孔とは別に貫通形成された第2貫通孔を通じて読み取る読取手段と、前記読取手段によって読み取られた前記識別情報に対応付けられた画像を、前記検出手段により検出された前記第1貫通孔の位置情報に基づき当該第1貫通孔を基準位置として前記ターゲット上に設定される画像形成位置に形成させる画像形成制御手段とを備えた。
【0009】
上記構成によれば、画像形成位置の位置合わせの基準位置となるようにターゲットに貫通形成された第1貫通孔の位置情報を検出し、その検出結果に基づき当該第1貫通孔を基準位置として画像形成位置をターゲット上に設定することにより、ターゲット上における画像形成位置を正確に位置合わせすることができる。また、ターゲットに貫通形成された第2貫通孔を通じて画像の識別情報を読み取ることにより、その識別情報に対応付けられた画像をターゲットに対して正確に形成することができる。しかも、これらの貫通孔はターゲットに対して貫通形成されているため、ターゲットに対する画像形成位置を位置合わせする際の基準位置の位置情報や、ターゲットに対して形成される画像の識別情報をターゲットの表裏両側から検出することができるので、装置全体の設計の自由度が向上する。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、画像形成情報の入力に基づき前記ターゲットに対して形成されようとしている画像が、前記読取手段によって読み取られた前記識別情報に対応付けられた画像であるか否かを判定する判定手段を更に備え、前記画像形成制御手段は、前記判定手段が、前記ターゲットに形成されようとしている画像が前記識別情報に対応付けられた画像でないと判定した場合には、前記画像形成情報に対応した画像を前記ターゲットに対して形成させない。
【0011】
上記構成によれば、画像形成情報の入力に基づきターゲットに対して形成されようとしている画像が、読取手段によって読み取られた識別情報に対応付けられた画像である場合に限り、その画像がターゲットに対して形成される。そのため、識別情報に対応付けられた画像をターゲットに対して確実に形成することができる。
【0012】
また、本発明の画像形成装置において、前記画像形成制御手段は、外部装置から送信された画像形成情報と対応した画像を前記ターゲットに対して形成させるように構成されており、前記判定手段が、前記ターゲットに対して形成されようとしている画像が前記読取手段によって読み取られた前記識別情報に対応付けられた画像でないと判定した場合には、前記識別情報に対応付けられた画像と対応した画像形成情報の再送を前記外部装置に対して要求すると共に、前記外部装置から再送された画像形成情報に対応した画像を前記ターゲットに対して形成させる。
【0013】
上記構成によれば、外部装置から送信された画像形成情報に基づいてターゲットに形成されようとしている画像が、読取手段によって読み取られた識別情報に対応付けられた画像でない場合であっても、その識別情報に対応付けられた画像と対応した画像形成情報の再送を要求した上で、再送された画像形成情報と対応した画像がターゲットに対して形成される。そのため、識別情報に対応付けられた画像をターゲットに対してより確実に形成することができる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置は、前記ターゲットの表裏両面に対して表面側と裏面側とで互いに対応関係を有する画像の形成処理を実行可能に構成されており、前記第2貫通孔は前記ターゲットの表面側から見た場合の孔形成パターンと裏面側から見た場合の孔形成パターンとが鏡像関係にあり、前記読取手段は、前記ターゲットの表面に対する画像形成時及び前記ターゲットの裏面に対する画像形成時に前記第2貫通孔の表面側及び裏面側の各々の孔形成パターンを通じて、前記互いに対応関係を有する画像の前記識別情報を読み取る。
【0015】
上記構成によれば、第2貫通孔におけるターゲットの表面側から見た場合の孔形成パターンとターゲットの裏面側から見た場合の孔形成パターンとが鏡像関係にあって且つそれらによってターゲットの表面側と裏面側とで互いに対応関係を有する画像の識別情報を読み取り可能であるので、互いに対応関係を有する画像をターゲットの表裏両側に対して形成することができる。
【0016】
また、本発明の画像形成装置は、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を前記ターゲットに対して貫通形成する孔形成機構を更に備える。
上記構成によれば、第1貫通孔及び第2貫通孔が予め形成されていないターゲットを画像形成処理の対象とすることができる。
【0017】
また、本発明の画像形成装置において、前記ターゲットは、複数のコマ画像が形成される画像形成領域を複数含んでおり、前記識別情報には、前記コマ画像ごとに対応付けられた前記画像形成領域の頁数情報が含まれる。
【0018】
上記構成によれば、複数のコマ画像を、ターゲットに含まれる複数の画像形成領域のうち、当該コマ画像に対応付けられた所定の画像形成領域内における第1貫通孔の位置を基準位置として設定される適切な画像形成位置に形成することができる。
【0019】
また、本発明の画像形成方法は、ターゲット上における画像形成位置を位置合わせする際の基準位置となるように前記ターゲットに貫通形成された第1貫通孔の前記ターゲット上での位置情報を検出する検出ステップと、前記ターゲット上に形成される前記画像を識別するための識別情報を、当該画像の形成前において前記ターゲットに前記第1貫通孔とは別に貫通形成された第2貫通孔を通じて読み取る読取ステップと、前記読取ステップにおいて読み取られた前記識別情報に対応付けられた画像を、前記検出ステップにおいて検出された前記第1貫通孔の位置情報に基づき当該第1貫通孔を基準位置として前記ターゲット上に設定される画像形成位置に形成する画像形成ステップとを備えた。
【0020】
上記構成によれば、上記画像形成装置の発明と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る実施形態の印刷システムを模式的に示す側面図。
【図2】プリンターの模式平面図。
【図3】印刷システムの制御構成を示すブロック図。
【図4】(a)は画像が形成されたシートの表面を示す平面図、(b)は画像が形成されたシートの裏面を示す平面図。
【図5】(a)はシートの表面に対する画像形成位置を示す平面図、(b)はシートの裏面に対する画像形成位置を示す平面図。
【図6】(a)はシートが正常に間欠搬送された場合の印刷領域上のシート状態を示す平面図、(b)はシートが搬送量不足で間欠搬送された場合の印刷領域上のシート状態を示す平面図、(c)はシートが搬送量過多で間欠搬送された場合の印刷領域上のシート状態を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を印刷システムが備える画像形成装置、及びその装置を用いた画像形成方法に具体化した実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、印刷システム100は、画像データを生成する画像生成装置110と、画像生成装置110から受信した画像データを基に画像形成情報の一例である印刷データを生成するホスト装置120と、ホスト装置120から受信した印刷データに基づく画像を印刷する画像形成装置の一例としてのラテラルスキャン方式のインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター11」と称す)とを備えている。
【0023】
画像生成装置110は、例えばパーソナルコンピューターにより構成され、その本体111内のCPUが画像生成用プログラムを実行することで構築される画像生成部112を備える。ユーザーは、画像生成部112を起動して入力装置113の操作で、モニター114上で製品となる印刷物の画像を作成する。例えば製品がラベルの場合、複数個のラベルの画像を縦横に配列した複数のコマ画像が作成される。そして、入力装置113を用いて所定の操作をすると、その画像に係る画像データが通信インターフェイスを介してホスト装置120へ送信される。もちろん、ホスト装置120を操作して画像生成装置110から画像データをホスト装置120内に読み込むことも可能である。
【0024】
ホスト装置120は、例えばパーソナルコンピューターにより構成され、その本体121内のCPUがプリンタードライバー用プログラムを実行することで構築されるプリンタードライバー122を備える。プリンタードライバー122は、画像データを基に印刷データを生成し、その印刷データをプリンター11に設けられた制御装置Cへ送信する。制御装置Cは、プリンタードライバー122から受信した印刷データに基づいてプリンター11を制御し、印刷データに基づく画像をプリンター11に印刷させる。モニター123には、メニュー画面や印刷対象の画像等が表示される。メニュー画面での選択操作で表示されるその下位の印刷設定画面では、印刷対象の製品(例えばラベル等)に関する管理情報、及び各種の印刷条件などを入力設定することが可能である。
【0025】
ここで、管理情報には、製品の品番やロット番号、両面印刷の場合に表面印刷か裏面印刷かを指定するための印刷面情報などがある。また、印刷条件としては、印刷媒体の種類、サイズ、印刷品質及び版数などがある。印刷媒体の種類には、大きくは紙系とフィルム系がある。例えば紙系には、上質紙、キャスト紙、アート紙、コート紙などがあり、フィルム系には合成紙、PET、PPなどがある。また、印刷媒体のサイズには、長尺状の印刷媒体が巻回されたロールの使用を前提とする本プリンター11では、ロール幅などが設定される。印刷品質には、印刷解像度や記録方式を決める複数種の記録モードが用意されており、その中から一つ記録モードを選択する。もちろん、記録モードに替え、印刷解像度を設定してもよい。また、版数には、印刷媒体の同一エリアに複数回(複数版)印刷する重ね印刷を行う場合に重ね印刷する画像(版)の数が設定される。版数が複数である場合、モニター123に画像を表示させて版毎の画像を指定することが可能である。
【0026】
次に、図1に示すプリンター11の構成について説明する。なお、以下の明細書中の説明において、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は、図1に矢印で示した方向を基準として示すものとする。また、図1において手前側を前側、奥側を後側とする。
【0027】
図1に示すように、プリンター11の直方体状の本体ケース12内には、長尺状のターゲットの一例としてのシート13をロールR1から繰り出す繰出し部14と、そのシート13にインクの噴射により印刷を施す印刷室15と、その印刷によりインクが付着したシート13に乾燥処理を施す乾燥装置(乾燥炉)16と、乾燥処理が施されたシート13をロールR2として巻き取る巻取り部17とが設けられている。
【0028】
本体ケース12内を上下に区画する平板状の基台18よりも上側の領域が印刷室15になっており、この印刷室15内の底部中央位置には、シート13の印刷領域を支持するための矩形板状の支持台19が基台18上に支持された状態で配置されている。そして、本体ケース12内の基台18より下側の領域には、シート13の搬送方向で上流側となる左側寄りの位置に繰出し部14が配設されると共に、下流側となる右側寄りの位置に巻取り部17が配設されている。そして、繰出し部14と巻取り部17の間のやや上方位置に乾燥装置16が配設されている。そして、支持台19上で印刷処理が施されたシート13は乾燥装置16内で乾燥されるようになっている。
【0029】
図1に示すように、繰出し部14には、前後方向に延びる巻き軸20が回転自在に設けられ、シート13が予めロール状に巻かれたロールR1がその巻き軸20に対して一体回転可能に支持されている。そして、シート13は、巻き軸20が回転することによりロールR1から繰り出されるようになっている。ロールR1から繰り出されたシート13は、巻き軸20の右側に位置する第1ローラー21に巻き掛けられて上方へ案内される。
【0030】
第1ローラー21によって搬送方向が鉛直上方向に変換されたシート13は、支持台19の左側であって第1ローラー21と上下方向で対応する位置に配置された第2ローラー22に左側下方から巻き掛けられる。そして、第2ローラー22に巻き掛けられて搬送方向が水平右方向に変換されたシート13は、支持台19の上面に摺接するようになっている。
【0031】
なお、第1ローラー21と第2ローラー22との間におけるシートの経路の途中には、後述する基準位置マークや二次元コード(識別情報)をシート13に対して貫通形成する孔形成機構23が設けられている。孔形成機構23は、ドットインパクト方式のプリントヘッド(図示略)を有しており、このプリントヘッドに設けられた複数のドットワイヤをシート13に向けて飛び出させることにより、シート13に対して孔を貫通形成するようになっている。
【0032】
また、支持台19の右側には、左側の第2ローラー22と支持台19を挟んで対向する第3ローラー24が設けられている。第2ローラー22及び第3ローラー24は各々の周面の頂部が支持台19の上面と同一高さとなるように位置調整されている。
【0033】
支持台19の上面から下流側(右側)に搬送されたシート13は、第3ローラー24に右側上方から巻き掛けられて搬送方向が鉛直下方向に変換され、その後、支持台19の下側に配置された第4ローラー25及び第5ローラー26間を水平方向に案内される。シート13は、これらローラー25,26間の搬送経路の途中で乾燥装置16内を通過するようになっている。そして、乾燥装置16内で乾燥処理が施されたシート13は、第5ローラー26、第6ローラー27及び第7ローラー28に案内されて巻取り部17の近くまで搬送され、搬送モーター61(図3参照)の駆動力に基づいて巻取り軸29が回転することによりロールR2として巻き取られる。
【0034】
例えば両面印刷が行われる場合は、まずシート13の表面となる一方の面に対して表面印刷が行われる。そして、一方の面に対して表面印刷が施されたシート13が、その一方の面を内側にしつつ、全てロールR2として巻き取られると、巻取り部17のロールR2を取り外し、そのロールR2は裏面印刷時の供給用のロールR1として再び繰出し部14にセットされる。このとき、ロールR1からのシート13は、外側となっている他方の面が裏面となって裏面印刷時の印刷面になるように図1に二点鎖線で示す繰り出し形態で第1ローラー21に巻き掛けられる。なお、乾燥装置16と巻取り部17との間におけるシート13の経路の途中には、シート13に印刷された製品部分(例えばラベル)を型抜きするための型抜き用の加工機30が設けられており、プリンター11内で製品部分の型抜き工程まで終えられるようになっている。
【0035】
図1及び図2に示すように、印刷室15内における支持台19の前後方向両側には、左右方向に延びるガイドレール31(図1では2点鎖線で示す)が一対設けられている。一対のガイドレール31には、記録ユニット32が主走査方向X(図1では左右方向)に往復移動可能に案内される。記録ユニット32は矩形状のキャリッジ33と、キャリッジ33の下面側に支持板34を介して支持された複数の記録ヘッド35とを備えている。キャリッジ33は、第1キャリッジモーター(以下、「第1CRモーター62」(図3参照)ともいう。)の駆動に基づき両ガイドレール31に沿って主走査方向Xへの往復移動が可能な状態で支持されている。また、キャリッジ33は第2キャリッジモーター(以下、「第2CRモーター63」(図3参照)ともいう。)の駆動に基づき副走査方向Y(図1では紙面と直交する前後方向)への移動も可能となっている。これにより、記録ユニット32は主走査方向Xと副走査方向Yとの2方向への移動が可能となっている。
【0036】
シート13において支持台19の上面のほぼ全域に亘る一定範囲が印刷領域R1(図3参照)となっており、この印刷領域R1に相当する搬送量単位でシート13は間欠的に搬送されるようになっている。また、支持台19の下側には吸引装置36が設けられている。この吸引装置36は、支持台19の上面に開口する多数の吸引孔(図示せず)に負圧を及ぼすように駆動され、その負圧による吸引力によりシート13は支持台19の上面に吸着される。そして、シート13のうち支持台19上に位置する被印刷領域に、記録ユニット32の主走査方向Xへの移動(主走査)に伴いその移動途中に記録ヘッド35からインクが噴射される主走査により一部の印刷が施され、主走査後に次回の主走査位置まで記録ユニット32を副走査方向Yへ移動させる副走査が行われる。そして、主走査をM回繰り返すことで、1回(1フレーム)の印刷が施される。そして、シート13への1回の印刷が終わると、吸引装置36の負圧が解除されることでシート13の支持台19上への吸着が解除され、その解除後にシート13は間欠搬送が再開されるようになっている。
【0037】
なお、第2ローラー22と支持台19との間におけるシート13の経路の途中には、シート13に形成された基準位置マークや二次元コードを光学的に読み取る検出手段及び読取手段の一例としての読取センサー37が設けられている。読取センサー37は、シート13の上面に向けて鉛直下方に光を出力する発光部38と、該発光部38から出力される光のうち、シート13上の基準位置マークや二次元コードを通過してシート13の下面から鉛直下方に射出される光を受光する受光部39とを備えている。発光部38及び受光部39は、シート13において基準位置マークや二次元コードが形成されたシート13の幅方向(前後方向)の端縁部を上下方向に挟んで対向するように配設されている。そして、読取センサー37は、受光部39において検出される光の検出信号に基づいて、シート13に形成された基準位置マークの位置や二次元コードのコード配列を読み取るようになっている。
【0038】
また、印刷室15内の右端側となる非印刷領域には、非印刷時に記録ヘッド35のメンテナンスを行うためのメンテナンス装置40が設けられている。メンテナンス装置40は、キャップ41と昇降装置42とを備える。非印刷時にホーム位置で待機する記録ユニット32の記録ヘッド35は、昇降装置42の駆動により上昇したキャップ41でキャッピングされ、ノズル内のインクの増粘等が回避されるようになっている。また、所定のメンテナンス時期になると、キャッピング状態の下でメンテナンス装置40の吸引ポンプ(図示せず)が駆動されてキャップ41内を負圧にすることによりノズルからインクを強制的に排出して、ノズル内の増粘インクやインク中の気泡等を除去するクリーニングが行われる。
【0039】
また、図1に示すように、本体ケース12内には、異なる色のインクをそれぞれ収容した複数(例えば8個)のインクカートリッジIC1〜IC8が着脱可能に装着されている。8個のインクカートリッジIC1〜IC8は、例えば黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、白(W)、クリア(オーバーコート用の透明色)等の各インクを収容する。各インクカートリッジIC1〜IC8はインク供給路等(図示省略)を通じて記録ヘッド35に接続されている。各記録ヘッド35は各インクカートリッジIC1〜IC8から供給されたインクを噴射してシート13に印刷を施す。
【0040】
次に印刷システム100の電気的構成を図3に基づいて説明する。図3に示す外部装置の一例としてのホスト装置120内のプリンタードライバー122は、モニター123に表示させるべきメニュー画面及び印刷設定画面などの各種画面の表示制御を行うと共に、各画面の表示状態において操作部124から入力した操作信号に応じた所定処理を行う。
【0041】
ホスト装置120はデータの転送制御を行う転送制御部129を備える。転送制御部129は、プリンタードライバー122が生成した印刷データPDを、シリアル通信ポートU1を介して所定容量のパケットデータずつプリンター11へ順次シリアル転送する。また、プリンタードライバー122は、プリンター11の制御装置Cと双方向の通信が可能になっており、転送制御部129を介してプリンター11へコマンドや制御信号を送信し、その応答をプリンター11から受信する。
【0042】
図3に示すプリンター11側の制御装置Cは、ホスト装置120からの印刷データPDをシリアル通信ポートU2で受信して印刷制御をはじめとする各種制御を行うための画像形成制御手段の一例としてのコントローラー50を備えている。図3に示すように、コントローラー50には、ヘッド制御ユニット51(以下、単に「HCU51」という)を介して記録ヘッド35が接続されている。
【0043】
図3に示すように、コントローラー50には、キャリッジ33(つまり記録ユニット32)の移動経路に沿って設けられているリニアエンコーダー52が接続されている。コントローラー50は、リニアエンコーダー52からキャリッジ33の移動距離に比例する数のパルスをもつ検出信号(エンコーダーパルス信号)を入力する。コントローラー50は、エンコーダーパルス信号のパルスエッジ数の計数によりキャリッジ33の主走査方向Xにおける位置(キャリッジ位置)を取得すると共に、A相・B相の各エンコーダーパルス信号の信号レベルの比較結果に基づきキャリッジ移動方向を取得する。また、コントローラー50は、リニアエンコーダー52からのエンコーダーパルス信号を基に、記録ヘッド35の噴射タイミングを決める噴射タイミング信号を生成する。コントローラー50は、印刷データPD中の画像データから記録ヘッド35が使用可能なヘッド制御データを生成し、そのうちキャリッジ33の1回の主走査分(1パス分)のデータずつHCU51を介して各記録ヘッド35に送信する。記録ヘッド35はヘッド制御データに基づき噴射すべきノズルから噴射タイミング信号に同期して、主走査における記録ヘッド35の噴射制御を行う。
【0044】
図3に示すように、コントローラー50は、CPU(中央処理装置)53、ASIC(Application Specific IC(特定用途向け集積回路))54、ROM55、RAM56及び不揮発性メモリー57を備えている。CPU53は、ROM55に記憶されたプログラムを実行することにより、印刷制御に必要な各種タスクを実行する。また、ASIC54は、印刷データPDの画像処理を含む記録系のデータ処理などを行う。もちろん、各タスクを含むプログラムは不揮発性メモリー57に記憶されてもよい。
【0045】
また、図3に示すように、制御装置Cは、コントローラー50の出力側(制御下流側)に通信線SL1を通じて接続されたメカコントローラー58を備えている。コントローラー50は、印刷データPDに含まれる印刷コマンドを所定のタイミングで送信することにより、メカコントローラー58にメカニカル機構59の駆動を指示する。メカコントローラー58は、コントローラー50から受信した印刷コマンドに基づき所定のシーケンスに従って、主に搬送系及びキャリッジ駆動系を含むメカニカル機構59を駆動制御する。
【0046】
コントローラー50は、メカコントローラー58へコマンドを送信し、そのコマンドに従ったメカニカル機構59のシーケンス動作を終えた旨の応答をメカコントローラー58から受信すると、次のコマンドを送信する手順をとることにより、メカコントローラー58によるメカニカル機構59の駆動タイミングを制御する。
【0047】
図3に示すように、メカニカル機構59は、搬送系を構成する搬送モーター61と、キャリッジ駆動系を構成する第1CRモーター62及び第2CRモーター63とを備えている。メカコントローラー58には、モーター駆動回路60を介して搬送モーター61、第1CRモーター62及び第2CRモーター63がそれぞれ接続されている。搬送モーター61は各ローラー21,22,24〜28と軸20,29等により構成される搬送機構を駆動するためのものである。
【0048】
また、第1CRモーター62は、キャリッジ33を主走査方向Xに駆動させるための動力源であり、第2CRモーター63はキャリッジ33を副走査方向Yに駆動させるための動力源である。ラテラルスキャン方式では、キャリッジ33を主走査方向Xに駆動させてその駆動途中に記録ヘッド35からインクを噴射することにより1パス分の印刷を施す主走査と、キャリッジ33を副走査方向Yに所定ピッチだけ駆動させて次パスの印刷位置まで記録ヘッド35をずらす副走査とを繰り返す。そして、所定回数の主走査(パス)を行って複数パスの印刷を施すことにより印刷処理が施される。
【0049】
さらに、図3に示すように、メカニカル機構59は、乾燥装置16と、吸引装置36と、メンテナンス装置40とを備え、これらはメカコントローラー58と電気的に接続されている。また、このメカコントローラー58には、入力系として、読取センサー37、電源スイッチ65、及びエンコーダー66がそれぞれ接続されている。電源スイッチ65がオン操作されたときのオン信号及びオフ操作されたときのオフ信号はメカコントローラー58を介してコントローラー50へ送信される。
【0050】
また、メカコントローラー58は、コントローラー50から通信線SL1を通じて受信した各種コマンドに従って、各モーター61〜63、吸引装置36及びメンテナンス装置40を駆動制御する。エンコーダー66は、搬送モーター61を動力源とする搬送駆動系の回転軸の回転を検出するものであり、メカコントローラー58は、エンコーダー66の検出信号(エンコーダーパルス信号)を用いてシート13の搬送量及び搬送位置を検出する。
【0051】
制御装置Cは、印刷時に、搬送モーター61を駆動してシート13の次の被印刷領域(フレーム)を支持台19上に配置すべくシート13を搬送する搬送動作と、シート搬送後に次の被印刷領域を支持台19に吸着させる吸着動作と、記録ヘッド35によるシート13への印刷動作と、1回分(1フレーム分)の印刷終了後にシート13の吸着を解除する吸着解除動作とを行う。このとき、印刷動作は、記録ユニット32の主走査方向Xへの移動中に記録ヘッド35からインク滴を噴射することにより行われる。この印刷動作は、第1CRモーター62の駆動によるキャリッジ33の主走査方向Xへの移動(1パス動作)と、1パス終了毎に行われるキャリッジ33の副走査方向Yへの移動とを、Nパス分(4パス分又は8パス分)繰り返すことにより行われる。
【0052】
次に、上記のように構成されたプリンター11の作用について、特に、シート13の表面及び裏面に対して画像の印刷処理を順次実行する際の作用に着目して以下説明する。
さて、シート13の表面に対して画像の印刷処理を実行する際には、まず、コントローラー50は、搬送モーター61を駆動して、支持台19上ではシート13の表面を上方に向けた状態でシート13を搬送する。ここで、図4(a)に示すように、シート13における幅方向の一方側の端縁部となる位置には、孔形成領域S1がシート13の搬送方向に間隔を隔てて設けられている。そして、これらの孔形成領域S1には、複数の貫通孔67がシート13を厚み方向に貫通するように形成されている。
【0053】
そして、シート13が搬送方向の下流側に向けて搬送されると、これらの貫通孔67が読取センサー37において発光部38と受光部39とが上下に対向している空間域をシート13の搬送方向に横切る。そのため、検出ステップにおいて、読取センサー37は、発光部38から射出された光のうち、これらの貫通孔67を通過して受光部39において検出される光の検出信号に基づいて、シート13上におけるこれらの貫通孔67の搬送位置を読み取る。
【0054】
なお、読取センサー37は、縦横に格子状に配列された全ての貫通孔67を同時に検出可能となっている。そして、コントローラー50は、孔形成領域S1において図4(a)に示す左上隅部(シート13の搬送方向の上流側であってシート13の幅方向の縁側に位置する隅部)の区画領域S1aに形成された貫通孔67aの搬送位置を読み取った読取センサー37からの出力信号に基づいて、この貫通孔67aが所望の搬送位置まで到達したか否かを判別する。この場合、この貫通孔67aは、シート13の表面に対する画像の印刷位置を位置合わせする際の基準位置を示す基準位置マークとして機能する。
【0055】
そして、コントローラー50は、上記の貫通孔67aが所望の搬送位置まで到達した旨を判別すると、エンコーダー66からの出力信号に基づいて搬送モーター61の駆動量を監視しつつ、予め設定した時間を経過するまでシート13を搬送方向の下流側に向けて搬送し、その後にシート13の搬送を停止させる。その結果、基準位置マークとなる貫通孔67aが、シート13に対して画像を印刷する際の基準位置に到達した時点でシート13の搬送が停止される。
【0056】
また同時に、読取ステップにおいて、コントローラー50は、孔形成領域S1において上記の区画領域S1a以外の他の区画領域S1bに形成された貫通孔67bのコード配列を二次元コードとして読取センサー37が読み取った検出信号に基づき、シート13に対して形成される画像の関連情報を読み取る。この関連情報には、シート13に対して形成される画像の印刷ジョブID情報、該印刷ジョブID情報に含まれる印刷対象の全てのコマ画像のうち特定の基準位置マークによって印刷位置が位置合わせされるコマ画像の印刷頁数、及び特定の基準位置マークによって印刷位置が位置合わせされるコマ画像の画像数などが含まれている。
【0057】
なお、本実施形態では、図4(a)に示す3つの孔形成領域S1に形成された二次元コードには、画像の関連情報として同一の印刷ジョブID情報が含まれている。また、これらの二次元コードに含まれる画像の関連情報においては、各二次元コードに隣接して設けられた基準位置マークによって印刷位置が位置合わせされるコマ画像群の画像数がそれぞれ15個となっている。そして、シート13の印刷領域R1において各基準位置マークに個別に対応する画像形成領域の一例としてのコマ画像形成領域68には、縦横に3列×5列の格子状をなすように配列されたコマ画像69がそれぞれ印刷される。なお、本実施形態では、シート13の印刷領域R1に対して3つのコマ画像形成領域68が含まれている。
【0058】
また、コントローラー50は、二次元コードに含まれる画像の関連情報のうち、基準位置マークとなる貫通孔67aの位置を基準として印刷位置が位置合わせされるコマ画像の画像数に応じてコマ画像形成領域68における各コマ画像69の印刷位置を算出する。具体的には、図5(a)に示すように、基準位置マークとなる各貫通孔67aの位置を原点P0,Q0,R0とした各コマ画像69の左上隅部P1−1〜P5−3,Q1−1〜Q5−3,R1−1〜R5−3の位置座標をそれぞれ算出する。そして、画像形成ステップにおいて、コントローラー50は、上記のようにして算出した各コマ画像69の印刷位置に基づき、ノズルから噴射させるべきインクの噴射タイミングのタイミング信号を生成すると共に、生成されたタイミング信号に同期して主走査における記録ヘッド35の噴射制御を行うことにより、シート13のコマ画像形成領域68における所望の位置に対して各コマ画像69が正確に印刷されるようになっている。
【0059】
また、本実施形態では、コントローラー50は、シート13のコマ画像形成領域68に対してコマ画像69を印刷する際には、ホスト装置120に対して印刷ジョブとして入力される印刷データにおける画像データのうちシート13に対して印刷される画像データの印刷頁数と、シート13に形成された二次元コードを通じて読み取ったコマ画像形成領域68の頁数とを照合し、シート13に対して適切な画像が正確な位置に印刷されるようになっている。この点で、コントローラー50は、シート13に対して印刷される画像が、読取センサー37に読み取られた二次元コードに対応付けられた画像であるか否かを判定する判定手段の一例を構成している。
【0060】
具体的には、図4(a)に示す3つの孔形成領域S1に形成された二次元コードのうち、シート13の搬送方向の上流側(図4(a)では左側)に位置する孔形成領域S1に形成された二次元コードには、この二次元コードに対応するシート13の表面に対する3頁目のコマ画像形成領域68におけるコマ画像群の画像内容として「建物」の画像内容が設定されている。また、図4(a)に示す3つの孔形成領域S1に形成された二次元コードのうち、シート13の搬送方向の下流側(図4(a)では右側)に位置する孔形成領域S1に形成された二次元コードには、この二次元コードに対応するシート13の表面に対する1頁目のコマ画像形成領域68におけるコマ画像群の画像内容として「リンゴ」の画像内容が設定されている。さらに、図4(a)に示す3つの孔形成領域S1に形成される二次元コードのうち、上記の2つの孔形成領域S1によって挟まれるシート13の搬送方向の中央に位置する孔形成領域S1に形成される二次元コードには、この二次元コードに対応するシート13の表面に対する2頁目のコマ画像形成領域68におけるコマ画像群の画像内容として「星」の画像内容が設定されている。
【0061】
そして、シート13の表面に対する画像の印刷処理が完了すると、次に、シート13の裏面に対する画像の印刷処理が開始される。ここで、図4(b)に示すように、シート13の表面に対して画像を印刷する場合と、シート13の裏面に対して画像を印刷する場合とでは、シート13の搬送方向における貫通孔67の位置関係が鏡像関係となるように反転する。そのため、検出ステップにおいて、コントローラー50は、シート13の孔形成領域S2において図4(b)に示す右上隅部(シート13の搬送方向の下流側であってシート13の幅方向の縁側に位置する隅部)の区画領域S2aに形成された貫通孔67aの搬送位置を読み取った読取センサー37からの出力信号に基づいて、この貫通孔67aが所望の搬送位置まで到達したか否かを判別する。この場合、この貫通孔67aは、シート13の裏面に対する画像の印刷位置を位置合わせする際の基準位置を示す基準位置マークとして機能する。
【0062】
そして、コントローラー50は、上記の貫通孔67aが所望の搬送位置まで到達した旨を判別すると、エンコーダー66からの出力信号に基づいて搬送モーター61の駆動量を監視しつつ、予め設定した時間を経過するまでシート13を搬送方向の下流側に向けて搬送した後にシート13の搬送を停止させる。その結果、基準位置マークとなる貫通孔67aが、シート13に対して画像を印刷する際の基準位置に到達した時点でシート13の搬送が停止される。
【0063】
また同時に、読取ステップにおいて、読取センサー37は、孔形成領域S2において上記の区画領域S2a以外の他の区画領域S2bに形成された貫通孔67bのコード配列を二次元コードとして読取センサー37が読み取った検出信号に基づき、シート13に対して形成される画像の関連情報を読み取る。
【0064】
ここで、上記のように、これらの貫通孔67のコード配列はシート13の搬送方向における位置関係が鏡像関係となるように反転している。そこで、コントローラー50は、読取センサー37において検出された貫通孔67のコード配列を左右に反転させる画像処理を施す。そして、かかる貫通孔67を通じてシート13の表裏両側から同一のコード配列を二次元コードとして読み取り、シート13に対して形成される画像の関連情報を読み取る。
【0065】
そして、コントローラー50は、二次元コードに含まれる画像の関連情報のうち、基準位置マークとなる貫通孔67aの位置を基準として印刷位置が位置合わせされるコマ画像69の画像数に応じ、各基準位置マークに対応する画像形成領域の一例としてのコマ画像形成領域70における各コマ画像71の印刷位置を算出する。具体的には、図5(b)に示すように、基準位置マークとなる各貫通孔67aの位置を原点P0,Q0,R0とした各コマ画像71の右上隅部P’1−1〜P’5−3,Q’1−1〜Q’5−3,R’1−1〜R’5−3の位置座標をそれぞれ算出する。そして、画像形成ステップにおいて、コントローラー50は、上記のようにして算出したコマ画像形成領域70における各コマ画像71の印刷位置に基づき、ノズルから噴射させるべきインクの噴射タイミングのタイミング信号を生成すると共に、生成されたタイミング信号に同期して主走査における記録ヘッド35の噴射制御を行うことにより、シート13に対して所望の位置に各コマ画像71が正確に印刷されるようになっている。
【0066】
なお、シート13には、基準位置マークとして機能する貫通孔67aがシート13の厚み方向に貫通形成されており、読取センサー37は、シート13の表裏両側からこの貫通孔67aの位置を検出する。そのため、共通の基準位置マークや二次元コードを用いてシート13の表裏両面に対して画像の印刷処理が施されるため、シート13の表裏両面には、正確に位置合わせされた画像が印刷されるようになっている。
【0067】
また、本実施形態では、コントローラー50は、シート13の裏面に対してコマ画像69を印刷する際には、ホスト装置120から印刷ジョブとして入力される印刷データにおける画像データのうちシート13に対して印刷される画像データの印刷頁数と、シート13に形成された二次元コードを通じて読み取ったコマ画像形成領域70の頁数とを照合しており、シート13に対して適切な画像が正確な位置に印刷されるようになっている。
【0068】
具体的には、図4(b)に示す3つの孔形成領域S2に形成された二次元コードのうち、シート13の搬送方向の下流側(図4(b)では右側)に位置する孔形成領域S2に形成された二次元コード(即ち、図4(a)に示すシート13の搬送方向の上流側に位置する孔形成領域S1に形成された二次元コード)には、この二次元コードに対応するシート13の裏面に対する1頁目のコマ画像形成領域70におけるコマ画像群の画像内容として、『建物』という文字列と共にこのコマ画像群において上記の基準位置マークを基準とした各コマ画像69の縦横の配列位置を示す『M−N』(M:縦方向の列番号、N:横方向の列番号)という文字列が設定されている。
【0069】
また、図4(b)に示す3つの孔形成領域S2に形成された二次元コードのうち、シート13の搬送方向の上流側(図4(b)では左側)に位置する孔形成領域S2に形成された二次元コード(即ち、図4(a)に示すシート13の搬送方向の下流側に位置する孔形成領域S1に形成された二次元コード)には、この二次元コードに対応するシート13の裏面に対する3頁目のコマ画像形成領域70におけるコマ画像群の画像内容として、『リンゴ』という文字列と共にこのコマ画像群において上記の基準位置マークを基準とした各コマ画像69の縦横の配列位置を示す『M−N』(M:縦方向の列番号、N:横方向の列番号)という文字列が設定されている。
【0070】
さらに、図4(b)に示す3つの孔形成領域S2に形成された二次元コードのうち、上記の2つの孔形成領域S2によって挟まれるシート13の搬送方向の中央に位置する孔形成領域S2に形成された二次元コード(即ち、図4(a)に示すシート13の搬送方向の中央に位置する孔形成領域S1に形成された二次元コード)には、この二次元コードに対応するシート13の裏面に対する2頁目のコマ画像形成領域70におけるコマ画像群の画像内容として、『星』という文字列と共にこのコマ画像群において上記の基準位置マークを基準とした各コマ画像の縦横の配列位置を示す『M−N』(M:縦方向の列番号、N:横方向の列番号)という文字列が設定されている。
【0071】
さらに、シート13の表面において1頁目から3頁目までのコマ画像形成領域68を含む印刷領域R1に対して画像の印刷処理が施されると、この印刷領域R1は支持台19よりもシート13の搬送方向の下流側に搬送される。
【0072】
そして、図6(a)に示すように、シート13において上記のコマ画像形成領域68に対してシート13の搬送方向の上流側に隣接した4頁目から6頁目までのコマ画像形成領域68が、印刷領域R2となるように支持台19上に搬送される。この場合、コントローラー50は、シート13の間欠搬送が停止された段階で、読取センサー37がこれらのコマ画像形成領域68よりもシート13の搬送方向の上流側に隣接する7頁目のコマ画像形成領域68に対応した二次元コードの検出信号を受信している場合には、シート13が正常な搬送位置まで搬送された旨を判別する。
【0073】
そして、コントローラー50は、シート13において支持台19上に新たに搬送された印刷領域R2に対し、ホスト装置120から印刷ジョブとして入力される印刷データにおける画像データのうち、シート13に対して新たに印刷される画像データの印刷頁数(即ち、4頁目から6頁目)と、シート13に形成された二次元コードを通じて読み取った支持台19上に位置するコマ画像形成領域68の頁数(4頁目から6頁目)とを照合する。また、コントローラー50は、各々の頁数の照合ができた旨を識別すると、ホスト装置120から印刷ジョブとして入力された4頁目から6頁目までの画像内容に相当する画像データに基づき、ノズルから噴射させるべきインクの噴射タイミングのタイミング信号を生成し、生成されたタイミング信号に同期して主走査における記録ヘッド35の噴射制御を行うことにより、シート13の印刷領域R2に対して所望の位置に各コマ画像71を正確に印刷する。
【0074】
ここで、コントローラー50が、シート13の印刷領域R2に対して画像を印刷する際に、ホスト装置120から印刷ジョブとして入力される画像データのうちシート13に対して印刷される画像データの印刷頁数と、シート13に形成された二次元コードを通じて読み取ったコマ画像形成領域68の頁数とを照合できなかったとする。
【0075】
具体的には、図6(b)に示すように、シート13の間欠搬送時におけるシート13の搬送量が過小となったことにより、シート13において3頁目から5頁目までのコマ画像形成領域68が支持台19上に搬送されたとする。この場合、コントローラー50は、シート13の間欠搬送が停止された段階で、読取センサー37がこれらのコマ画像形成領域68よりもシート13の搬送方向の上流側に隣接する6頁目のコマ画像形成領域68に対応した二次元コードの検出信号を受信していることにより、シート13が正常な搬送位置よりも1頁分だけ搬送方向の上流側にずれた位置に搬送されている旨を判別する。
【0076】
そして、コントローラー50は、シート13において支持台19上に新たに搬送された印刷領域R2に対し、ホスト装置120から印刷ジョブとして入力される印刷データにおける画像データのうち、シート13に対して新たに印刷される画像データの印刷頁数(即ち、4頁目から6頁目)と、シート13に形成された二次元コードを通じて読み取ったコマ画像形成領域68の頁数(3頁目から5頁目)とを照合する。また、コントローラー50は、各々の頁数の照合ができない旨を識別すると、二次元コードを通じて読み取ったコマ画像形成領域68の頁数(3頁目から5頁目)のうち、未だ画像の印刷が施されていない頁数(4頁目から5頁目)に対応する画像データの再送をホスト装置120に対して要求する。
【0077】
そして、コントローラー50は、ホスト装置120から再送された4頁目から5頁目までの画像内容に相当する画像データに基づき、ノズルから噴射させるべきインクの噴射タイミングのタイミング信号を生成し、生成されたタイミング信号に同期して主走査における記録ヘッド35の噴射制御を行うことにより、シート13の印刷領域R2に対して所望の位置に各コマ画像71を正確に印刷する。
【0078】
また、図6(c)に示すように、シート13の間欠搬送時におけるシート13の搬送量が過大となったことにより、シート13において5頁目から7頁目までのコマ画像形成領域68が支持台19上に搬送されたとする。この場合、コントローラー50は、シート13の間欠搬送が停止された段階で、読取センサー37がこれらのコマ画像形成領域68よりもシート13の搬送方向の上流側に隣接する8頁目のコマ画像形成領域68に対応した二次元コードの検出信号を受信していることにより、シート13が正常な搬送位置よりも1頁分だけ搬送方向の下流側にずれた位置に搬送されている旨を判別する。
【0079】
そして、コントローラー50は、シート13において支持台19上に新たに搬送された印刷領域R2に対し、ホスト装置120から印刷ジョブとして入力される印刷データにおける画像データのうち、シート13に対して新たに印刷される画像データの印刷頁数(即ち、4頁目から6頁目)と、シート13に形成された二次元コードを通じて読み取ったコマ画像形成領域68の頁数(5頁目から7頁目)とを照合する。また、コントローラー50は、各々の頁数の照合ができない旨を識別すると、二次元コードを通じて読み取ったコマ画像形成領域68の頁数(5頁目から7頁目)のうち、未だ画像の印刷が施されていない頁数(5頁目から7頁目)に対応する画像データの再送をホスト装置120に対して要求する。
【0080】
そして、コントローラー50は、ホスト装置120から再送された5頁目から7頁目までの画像内容に相当する画像データに基づき、ノズルから噴射させるべきインクの噴射タイミングのタイミング信号を生成し、生成されたタイミング信号に同期して主走査における記録ヘッド35の噴射制御を行うことにより、シート13の印刷領域R2に対して所望の位置に各コマ画像71を正確に印刷する。
【0081】
したがって、ホスト装置120から入力された画像データの印刷頁数と、シート13に形成された二次元コードを通じて読み取った画像の印刷頁数とが照合できなかったとしても、この照合できなかった印刷頁数に対応する画像を、シート13を浪費することなく所望の位置に改めて印刷することが可能となっている。
【0082】
上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)印刷位置の位置合わせの基準位置となるようにシート13に貫通形成された貫通孔67aの位置情報を検出し、その検出結果に基づき当該貫通孔67aを基準位置として印刷位置をシート13上に設定することにより、シート13上における印刷位置を正確に位置合わせすることができる。また、シート13に貫通形成された貫通孔67bを通じて画像の識別情報を読み取ることにより、その識別情報に対応付けられた画像をシート13に対して正確に形成することができる。しかも、これらの貫通孔67a,67bはシート13に対して貫通形成されているため、シート13に対する画像の印刷位置を位置合わせする際の基準位置の位置情報や、シート13に対して印刷される画像の識別情報をシート13の表裏両側から検出することができるので、装置全体の設計の自由度が向上する。
【0083】
(2)印刷データ(画像形成情報)の入力に基づきシート13に対して印刷されようとしている画像が、読取センサー37によって読み取られた識別情報に対応付けられた画像である場合に限り、その画像がシート13に対して印刷される。そのため、識別情報に対応付けられた画像をシート13に対して確実に印刷することができる。
【0084】
(3)ホスト装置120から送信された印刷データ(画像形成情報)に基づいてシート13に印刷されようとしている画像が、読取センサー37によって読み取られた識別情報に対応付けられた画像でない場合であっても、その識別情報に対応付けられた画像と対応した印刷データ(画像形成情報)の再送を要求した上で、再送された印刷データ(画像形成情報)と対応した画像がシート13に対して印刷される。そのため、識別情報に対応付けられた画像をシート13に対してより確実に印刷することができる。
【0085】
(4)貫通孔67bにおけるシート13の表面側から見た場合の孔形成パターンとシート13の裏面側から見た場合の孔形成パターンとが鏡像関係にあって且つそれらによってシート13の表面側と裏面側とで互いに対応関係を有する画像の識別情報を読み取り可能であるので、互いに対応関係を有する画像をシート13の表裏両側に対して印刷することができる。
【0086】
(5)貫通孔67をシート13に対して貫通形成する孔形成機構23を備えているため、貫通孔67が予め形成されていないシート13を印刷処理の対象とすることができる。
(6)識別情報には、コマ画像ごとに対応付けられたコマ画像形成領域68,70の頁数情報が含まれる。そのため、複数のコマ画像を、シート13に含まれる複数のコマ画像形成領域68,70のうち、当該コマ画像に対応付けられた所定のコマ画像形成領域68,70内における貫通孔67aの位置を基準位置として設定される適切な印刷位置に印刷することができる。
【0087】
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、識別情報に含まれる画像の関連情報として、シート13に対して形成される画像の印刷ジョブID情報、該印刷ジョブID情報に含まれる印刷対象の全てのコマ画像のうち特定の基準位置マークによって印刷位置が位置合わせされるコマ画像の印刷頁数、及び特定の基準位置マークによって印刷位置が位置合わせされるコマ画像の画像数のうち、一部の情報のみを含むようにしてもよいし、上記の何れの情報を含まないようにしてもよい。
【0088】
・上記実施形態において、基準位置マークや二次元コードをシート13に対して貫通形成する孔形成機構23を省略した構成としてもよい。
・上記実施形態において、コントローラー50は、読取センサー37において検出された貫通孔67のコード配列を反転させることなく、シート13の表裏両側から貫通孔67のコード配列を二次元コードとして読み取るようにしてもよい。すなわち、貫通孔67bを通じてシート13の表裏両側から別々のコード配列を識別情報として読み取り、シート13に対して形成される画像の関連情報を読み取るようにしてもよい。
【0089】
・上記実施形態において、コントローラー50は、ホスト装置120から印刷ジョブとして入力される印刷データにおける画像データのうちシート13に対して印刷される画像データの印刷頁数と、シート13に形成された二次元コードを通じて読み取ったコマ画像の印刷頁数とが照合できなかった場合であっても、必ずしも、照合ができなかった印刷頁数に対応するコマ画像の画像データの再送要求をホスト装置120に対して実行する必要はない。
【0090】
・上記実施形態において、コントローラー50は、ホスト装置120に対して印刷ジョブとして入力される印刷データにおける画像データのうちシート13に対して印刷される画像データの印刷頁数と、シート13に形成された二次元コードを通じて読み取ったコマ画像69の印刷頁数とを照合することなく、シート13に対して画像を印刷するようにしてもよい。
【0091】
・上記実施形態において、シート13に対して形成される貫通孔67bのコード配列は格子状に限定されるものではなく、任意のコード配列を採用することができる。
・上記実施形態において、シート13に対して基準位置マーク及び二次元コードを隣接して形成する必要は必ずしもなく、シート13における任意の位置に基準位置マーク及び二次元コードを形成するようにしてもよい。
【0092】
・上記実施形態において、基準位置マークを検出するための検出手段と、二次元コードを読み取る読取手段とを別部材構成で設けてもよい。
・上記実施形態において、基準位置マーク及び二次元コードを読み取るための読取手段として、基準位置マーク及び二次元コードを示す貫通孔67のコード配列をシート13の幅方向に並ぶコード列毎に一列ずつ読み取るようにしてもよい。この場合、読み取りが完了したコード列の列数をカウントすることにより基準位置マーク及び二次元コードの読取終了のタイミングを判別するのであれば、全てのコード列に少なくとも一つの貫通孔67を形成することが望ましい。また、基準位置マーク及び二次元コードを読み取る読取手段は光学式センサーに限定されるものではなく、接触式センサーなどの他の検出方式のセンサーを採用してもよい。
【0093】
・上記実施形態において、画像形成装置は、ラテラルスキャン方式のプリンター11に限定されず、シリアルプリンター、ラインプリンター、ページプリンターでもよい。さらにインクジェット式に限定されず、ドットインパクト式の印刷装置にも適用できる。
【0094】
・前記実施形態では、画像形成装置として、インクジェット式のプリンター11が採用されているが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置を採用してもよい。また、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。この場合、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態を言い、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置が挙げられる。さらに、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。また、流体は、トナーなどの粉粒体でもよい。なお、本明細書でいう流体には、気体のみからなるものは含まないものとする。
【符号の説明】
【0095】
11…画像形成装置の一例としてのプリンター、13…ターゲットの一例としてのシート、23…孔形成機構、37…検出手段及び読取手段の一例としての読取センサー、50…画像形成制御手段及び判定手段の一例としてのコントローラー、67a…貫通孔(第1貫通孔)、67b…貫通孔(第2貫通孔)、120…外部装置の一例としてのホスト装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット上における画像形成位置を位置合わせする際の基準位置となるように前記ターゲットに貫通形成された第1貫通孔の前記ターゲット上での位置情報を検出する検出手段と、
前記ターゲット上に形成される前記画像を識別するための識別情報を、当該画像の形成前において前記ターゲットに前記第1貫通孔とは別に貫通形成された第2貫通孔を通じて読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた前記識別情報に対応付けられた画像を、前記検出手段により検出された前記第1貫通孔の位置情報に基づき当該第1貫通孔を基準位置として前記ターゲット上に設定される画像形成位置に形成させる画像形成制御手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
画像形成情報の入力に基づき前記ターゲットに対して形成されようとしている画像が、前記読取手段によって読み取られた前記識別情報に対応付けられた画像であるか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記画像形成制御手段は、前記判定手段が、前記ターゲットに形成されようとしている画像が前記識別情報に対応付けられた画像でないと判定した場合には、前記画像形成情報に対応した画像を前記ターゲットに対して形成させないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記画像形成制御手段は、外部装置から送信された画像形成情報と対応した画像を前記ターゲットに対して形成させるように構成されており、前記判定手段が、前記ターゲットに対して形成されようとしている画像が前記読取手段によって読み取られた前記識別情報に対応付けられた画像でないと判定した場合には、前記識別情報に対応付けられた画像と対応した画像形成情報の再送を前記外部装置に対して要求すると共に、前記外部装置から再送された画像形成情報に対応した画像を前記ターゲットに対して形成させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記ターゲットの表裏両面に対して表面側と裏面側とで互いに対応関係を有する画像の形成処理を実行可能に構成されており、前記第2貫通孔は前記ターゲットの表面側から見た場合の孔形成パターンと裏面側から見た場合の孔形成パターンとが鏡像関係にあり、
前記読取手段は、前記ターゲットの表面に対する画像形成時及び前記ターゲットの裏面に対する画像形成時に前記第2貫通孔の表面側及び裏面側の各々の孔形成パターンを通じて、前記互いに対応関係を有する画像の前記識別情報を読み取ることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を前記ターゲットに対して貫通形成する孔形成機構を更に備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記ターゲットは、複数のコマ画像が形成される画像形成領域を複数含んでおり、
前記識別情報には、前記コマ画像ごとに対応付けられた前記画像形成領域の頁数情報が含まれることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
ターゲット上における画像形成位置を位置合わせする際の基準位置となるように前記ターゲットに貫通形成された第1貫通孔の前記ターゲット上での位置情報を検出する検出ステップと、
前記ターゲット上に形成される前記画像を識別するための識別情報を、当該画像の形成前において前記ターゲットに前記第1貫通孔とは別に貫通形成された第2貫通孔を通じて読み取る読取ステップと、
前記読取ステップにおいて読み取られた前記識別情報に対応付けられた画像を、前記検出ステップにおいて検出された前記第1貫通孔の位置情報に基づき当該第1貫通孔を基準位置として前記ターゲット上に設定される画像形成位置に形成する画像形成ステップと
を備えたことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−153043(P2012−153043A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14857(P2011−14857)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】