画像形成装置及び画像形成装置の制御方法
【課題】 昇華型プリンタで指定領域に配置された画像の印刷を行うに際し、放射ノイズを抑えながら、指定領域の高画質化を図る。
【解決手段】 印画領域(指定領域)の座標から、転送クロックの高速化を行うドライバIC502を割り出す。そして、そのドライバIC502に対して、クロック信号CLKの周期を、非印画領域のクロック信号CLKの周期Nの1/m倍に高速化した信号を出力する。
【解決手段】 印画領域(指定領域)の座標から、転送クロックの高速化を行うドライバIC502を割り出す。そして、そのドライバIC502に対して、クロック信号CLKの周期を、非印画領域のクロック信号CLKの周期Nの1/m倍に高速化した信号を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成装置の制御方法に関し、特に、主走査方向に配列された複数の発熱抵抗体を選択的に駆動しながら、用紙を副走査方向に搬送して当該用紙に画像を形成するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、又はスキャナ等の画像入力機器の進歩に伴い、入力された画像を印刷出力するための画像入力手段として、昇華型プリンタが注目されている。
昇華型プリンタは、感熱型の用紙を印画用紙として用い、主走査方向に配列された複数の発熱抵抗体(サーマル記録ヘッド)を選択的に駆動しながら当該用紙を副走査方向に搬送することで当該用紙上にドットライン状の印画を行う。
【0003】
現在普及している一般的なインクジェット方式のプリンタにおいては、液滴を飛ばすか否かの2値の選択のみによって、小さな液滴を用紙へ着弾させて誤差拡散等の手法により、みかけの解像度と階調性とを得る。
これに対し、昇華型プリンタにおいては、一つの画素において制御可能な熱の値を容易に変更できるため、一つの画素に対する階調性を多く取る事が可能となり、インクジェット方式のプリンタに比べて滑らかな高画質の画像を得ることができる。
【0004】
また、昇華型プリンタでは、サーマル記録ヘッドの性能や用紙材料の品質の向上も目覚ましく、印刷画像の仕上がり品位においても、銀塩写真に見劣りしない程度の画質を得る事が可能となりつつある。特に、昇華型プリンタは、自然画像、人物画像等の滑らかな階調性を必要とする写真の印刷には強く、業務用DPE端末の置き換えとして昇華型プリンタを使うユーザも増えている。
昨今、蓄えた写真を1枚1印刷する使い方から、行事毎にまとめて印刷・冊子化する使い方をする(いわゆるフォトブック印刷を行う)ユーザが増えてきており、このような使い方は、昇華型プリンタの新たな使い方として注目を集めている。
【0005】
フォトブックは、配布を前提として印刷されることが多く、ユーザはその印刷物に高い印画品質を求めている。
プリンタの高画質化技術としては、特許文献1に示す技術がある。かかる技術では、インクジェット方式のプリンタにおいて、印字物上のインク打ち込み量に応じて転送クロック等のヘッド駆動条件を高速化し、各部分に最適な熱転写条件を与えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−313439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図12は、フォトブック印刷におけるレイアウトの一例を示す図である。
図12に示すように、フォトブック印刷では、ユーザは、予め用意された縁取り(フレーム121)に、自分の撮影した画像122を配置(レイアウト)して印刷することが多い。このようなある特定の指定領域に配置された画像を高画質化するには、2通りの手法がある。
【0008】
1つ目の手法は、通常の印刷よりも大きな画像データを一旦SDRAM上に展開してから、ヘッド制御ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いて記録ヘッドに送る手法である。この方法では、ヘッド制御ASICに入力する画像データを倍加し、1ラインあたりの階調数を増やす。昇華型プリンタは、一般に、ライン走査式が多く、副走査方向に対して倍以上のデータを送ることで、記録紙上の1ラインあたりの階調値を増やすことができる。
しかしながら、この方法では、より高い画質で印刷しようとすると、より大きな画像データが必要となる。したがって、プリンタ内部のSDRAMの容量を増加させる一因となり、プリンタ製品のコストアップを招く。
【0009】
2つ目の手法は、記録ヘッドの制御信号である転送クロックと、データの周期とを短くする手法である。
制御信号の周期を短くする方法は、インクジェットプリンタ等、記録ヘッドを水平に往復しながら印刷を行うプリンタに広く用いられている。記録ヘッドから出力されるデータ数を倍以上にすることで、記録紙に印刷されるドット数を増やし、1ラインあたりの階調値を増やす。ヘッド制御ASIC内で画像データを拡張し、通常よりも高速なクロックで出力する。
【0010】
この手法は、画像データを増やすことなく高画質を実現できる為、利便性の高い手法であるが、いくつかの課題がある。
まず、無条件にデータの転送速度を上げてしまうと、システムクロック周波数が高くなるために、雑音対策が難しくなるといった課題がある。
【0011】
また、前述したように、昇華型プリンタは、一般的にライン走査式のプリンタである。したがって、昇華型プリンタの記録ヘッドは、1ライン分の発熱抵抗体を、複数のドライバICで小分けにして制御する構成をとる。例えば、4インチ1280ドットの発熱抵抗体を具備する記録ヘッドの場合、128個の発熱抵抗体に対して1つのドライバICがそれらの発熱抵抗体のON/OFFの制御を行う。特許文献1に示されているように、記録ヘッドへの転送クロックを上げる方法では、ドライバIC単位でしか処理を行うことができない。よって、ドライバICが、指定領域の主走査方向の端部を跨ぐ領域の発熱感光体を制御する場合には、以下のような課題が生じる。
【0012】
図13は、ドライバIC単位で発熱感光体を制御する場合に印刷物に生じる弊害を示す図である。
前述したように、フォトブックでは、固定階調のフレームと画像のレイアウトとを使うことが多い。図13に示す例では、ドライバIC1と、ドライバIC10以外のドライバIC(ドライバIC2〜4等)が記録ヘッド131に対する転送クロックを高速化するドライバICとなる。そうすると、ドライバIC2は、指定領域(画像部分)132の主走査方向の端部を跨ぐ領域を制御することになる。よって、指定領域(画像部分)132だけでなく、フレーム133のうちドライバIC2によって印刷される領域も高画質化されてしまう。一方、ドライバIC1、10による制御に従う領域135a、135bは等解像度の領域となる。よって、領域134と領域135a、135bとの境界の領域136a、136bに印画ムラが生じる。よって、印刷物の品質が低下する。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、昇華型プリンタで指定領域に配置された画像の印刷を行うに際し、放射ノイズを抑えながら、指定領域の高画質化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の画像形成装置は、主走査方向に配列された発熱抵抗体群と、前記発熱抵抗体群に含まれる複数の発熱抵抗体の単位で、当該発熱抵抗体の動作を制御する複数のドライバ回路と、を備える記録ヘッドと、前記ドライバ回路に画像データを送信するヘッド制御回路と、を有し、前記記録ヘッドを副走査方向に走査して、記録紙に画像を形成する画像形成装置であって、前記ヘッド制御回路は、前記記録紙に形成する画像のうちの指定領域の位置に基づいて、前記複数のドライバ回路の中から、当該指定領域に画像を形成するためのドライバ回路を導出する手段と、前記指定領域に画像を形成するためのドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期が、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期よりも短くなるように、前記複数のドライバ回路のそれぞれに画像データを送信する手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、指定領域に画像を生成するためのドライバ回路を割り出して、当該ドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期を、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期よりも短くする。よって、昇華型プリンタで指定領域に配置された画像の印刷を行うに際し、放射ノイズを抑えながら、指定領域の高画質化を図ることができる。
また、本発明の他の特徴によれば、指定領域を跨ぐ領域に画像を形成するためのドライバ回路に対して、当該指定領域と異なる領域の階調値が相対的に低く、当該指定領域の階調値が相対的に高い画像データを送信する。よって、指定領域の境界に印画ムラが生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】昇華型プリンタの全体構成を示す図である。
【図2】比較技術の記録ヘッド及びヘッド制御ASICの構成を示す図である。
【図3】比較技術のドライバICの内部構成の一例を示す図である。
【図4】比較技術の各信号の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図5】第1の実施形態の記録ヘッド及びヘッド制御ASICの構成を示す図である。
【図6】第1の実施形態の印刷処理を説明するフローチャートである。
【図7】ドライバICと記録紙内の指定領域との位置関係を示す図である。
【図8】第1の実施形態の各信号の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図9】第2の実施形態の記録ヘッド及びヘッド制御ASICの構成を示す図である。
【図10】第2の実施形態の印刷処理を説明するフローチャートである。
【図11】第2の実施形態の各信号の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図12】フォトブック印刷におけるレイアウトを示す図である。
【図13】印刷物に生じる弊害を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(本実施形態の昇華型プリンタの構成)
図1は、プリント用データを印画するための昇華型プリンタ100の全体構成の一例を示す図である。
図1において、CPU14は、画像形成装置の一例である昇華型プリンタ100のシステム制御や演算処理を司る。画像処理部15は、カメラ等の外部装置から送られてきた画像データや、SDカード(SDメモリーカード)等の記憶媒体から取得した画像データを処理する画像処理エンジン等を備えている。画像処理部15は、「カメラ等から送信された画像データや、SDカード等から取得した画像データ」に対する解凍等の各種画像処理を行って、印画用の画像データを生成する。
【0017】
FLASHROM19は、昇華型プリンタ100のシステム制御用プログラム等を格納する。SDRAM20は、画像データの一時的な保存とデータ処理の作業用のために用いられる記憶媒体である。SDカード21は、データファイル等を保存しておくための記憶媒体である。
カードコネクタ22は、SDカード21を昇華型プリンタ100に装着するためのものである。LCD23は、画像や操作メニュー等を表示する。LCDドライバ24は、LCD23を駆動するためのものである。
【0018】
通信制御部16は、昇華型プリンタ100と相互に接続される外部装置(カメラ等)との通信を制御する。操作部17は、ユーザによる指示入力が行われる部分である。ヘッド制御ASIC13(サーマルヘッドASIC)は、画像処理部15で生成された印画用の画像データを電気信号に変換して記録ヘッド12(サーマルヘッド)に出力する。記録ヘッド12は、ヘッド制御ASIC13から出力された電気信号を熱エネルギーに変換し、印画紙に記録を行う。ヘッド温度センサ18、環境温度センサ11は、それぞれ、記録ヘッド12の温度、昇華型プリンタ100の周囲の環境温度を測定する。インクリボン残量計25は、インクリボンの残量を検知する。
尚、図1に示す構成は、昇華型プリンタの一般的なシステム構成であり、後述する第1の実施形態でも、第2の実施形態でも、図1に示す同じ構成の昇華型プリンタ100を用いることができる。
【0019】
(本実施形態と比較する構成)
まず、本実施形態と比較する構成について説明する。
図2は、記録ヘッド12及びヘッド制御ASIC13の回路構成の一例を示す図である。
図2において、記録ヘッド12は、発熱抵抗体群201と、ドライバ回路の一例である複数のドライバIC202とを備える。ドライバIC202からの出力信号を伝送する各伝送線は、発熱抵抗体群201の各発熱抵抗体に一本ずつ接続されている。昇華型プリンタでは、発熱抵抗体を選択的に駆動しながら、記録ヘッド12が副走査方向に走査することにより記録紙に画像が形成される。発熱抵抗体は、主走査方向に配列されている。また、通常は、発熱抵抗体約100個に一つの単位でドライバIC202が割り当てられ、これらのドライバIC202が、自身に割り当てられた発熱抵抗体の一つ一つのON/OFFの制御を行う。
【0020】
ヘッド制御ASIC13は、ヘッド制御回路の一例であり、CPU14から受け取ったデータDをデコードし、記録ヘッド12用の信号を生成する。記録ヘッド12用の信号には、シリアルデータ、ラッチ信号、及びクロック信号の3種がある。シリアルデータは、各ドライバIC202へ別々に入力される、クロック信号及びラッチ信号は、各ドライバIC202で共通で使用される。ドライバIC202は、クロック信号及びシリアルデータを用いて、通電する発熱抵抗体へデータを送る。このとき、ドライバIC202は、ラッチ信号に基づいて発熱抵抗体へ送信するデータを確定し、ドライバIC202単位で発熱抵抗体を発熱させる。
【0021】
図3は、ドライバIC202の内部構成の一例を示す図である。また、図4は、ヘッド制御ASIC13から記録ヘッド12へ転送される各信号の動作タイミングの一例を示すタイムチャートである。
図3において、ドライバIC202は、記録ヘッド12が備える発熱抵抗体1つに対して1つのシフトレジスタ301を備えている。各シフトレジスタ301には、ヘッド制御ASIC13から送信される「シリアルデータSD、ラッチ信号LCH、及びクロック信号CLK」が入力される。
図4に示すように、一定の周期Nをもつクロック信号CLKに同期して、シリアルデータSDが、ヘッド制御ASIC13から出力される。ヘッド制御ASIC13から出力されたシリアルデータSDは、ドライバIC202内のシフトレジスタ301に1つずつ取り込まれる。そして、ラッチ信号LCHにより、各シフトレジスタ301に保存されたシリアルデータSDが、ヘッドデータHDとして記録ヘッド12内の発熱抵抗体に出力される。
【0022】
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態を説明する。
図5は、記録ヘッド12及びヘッド制御ASIC13の回路構成の一例を示す図である。
図5において、記録ヘッド12は、発熱抵抗体群501と、複数のドライバIC502とを備える。ドライバIC502の各出力信号を伝送する伝送線は、発熱抵抗体群501の各発熱抵抗体に一本ずつ接続されている。通常は、発熱抵抗体約100個単位で一つのドライバIC502が割り当てられ、これらのドライバIC502が、自身に割り当てられた発熱抵抗体の一つ一つのON/OFFの制御を行う。
【0023】
ヘッド制御ASIC13は、CPU14から受け取ったデータDをデコードし、記録ヘッド12用の信号を生成する。記録ヘッド12用の信号として、シリアルデータ、ラッチ信号、及びクロック信号が、ヘッド制御ASIC13から記録ヘッド12へ出力される。
本実施形態では、シリアルデータSD、クロック信号CLK、及びラッチ信号LCHは、ドライバIC502毎の別々の信号であり、記録ヘッド12内の各ドライバIC502に個別に入力される。ドライバIC502は、クロック信号CLK及びシリアルデータSDを用いて、通電する発熱抵抗体へデータを送る。このとき、ドライバIC502は、ラッチ信号LCHに基づいて発熱抵抗体へ送信するデータを確定し、ドライバIC502単位で発熱抵抗体を発熱させる。
前述した本実施形態と比較される昇華型プリンタの構成とは異なり、本実施形態では、ヘッド制御ASIC13は、ラッチ信号LCH及びクロック信号CLKをドライバIC502毎に個別に出力する。これにより、高解像度化を行う領域に対応したドライバIC502の制御信号を選択して、ドライバIC502に出力する信号の転送を高速化することが可能となる。
【0024】
次に、図6のフローチャートを参照しながら、本実施形態の昇華型プリンタ100における印刷処理の一例を説明する。
先ず、ヘッド制御ASIC13は、CPU14から、高解像化を行う指定領域(例えば、フォトブック印刷における指定領域)の水平座標と垂直座標(ライン数)とを入力する(ステップS1)。
次に、ヘッド制御ASIC13は、ステップS1で入力した座標の値から、転送クロックを高速化するドライバIC502の番号を導出する(ステップS2)。
次に、ヘッド制御ASIC13は、高解像化を行う指定領域を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502があるか否かを判定する(ステップS3)。図7は、ドライバIC502と記録紙内の指定領域との位置関係の一例を示す図である。具体的に、図7(a)は、指定領域を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502がない場合のドライバIC502と記録紙内の指定領域との位置関係の一例を示す図である。図7(b)は、指定領域を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502がある場合のドライバIC502と記録紙内の指定領域との位置関係の一例を示す図である。尚、図7において、記録紙701の紙送り方向は、紙面の上から下に向かう方向である(図7に示す矢印を参照)。
図7(b)に示す例では、ドライバIC502a、502dが、指定領域702を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502となる。
【0025】
ステップS3の判定の結果、指定領域を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502があると判定されると、ステップS4に進む。そして、ヘッド制御ASIC13は、1ライン分(1H分)の画像データをCPU14から受け取る(ステップS4)。
次に、ヘッド制御ASIC13は、指定領域702外の領域の階調値を、指定領域702の階調値よりも低く(小さく)するクリップ処理を行う(ステップS5)。例えば、非印画領域のクロック信号CLKの周期Nに対して高速化された印画領域(指定領域)のクロック信号の周期がN/m(mは正の整数)であるとする。この場合、ヘッド制御ASIC13は、ステップS4にて保持した1ライン分の画像データの階調値のうち、指定領域702外の階調値に対して1/mを乗算する処理を行う。一方、指定領域702の階調値については変更を行わない。
【0026】
次に、ヘッド制御ASIC13は、ステップS2で導出した番号のドライバIC502に対するクロック信号CLKとラッチ信号LCHの高速化を行う(ステップS6)。一方、ステップS2で導出した番号以外のドライバIC502に対するクロック信号CLKとラッチ信号LCHについては高速化を行わない。これにより、ステップS2で導出した番号のドライバIC502に対するクロック信号CLKとラッチ信号LCHの周期が、それ以外のドライバIC502に対するクロック信号CLKとラッチ信号LCHの周期よりも相対的に短くなる。よって、ステップS2で導出した番号のドライバIC502に対して転送されるシリアルデータSDの周期も、それ以外のドライバIC502に対するシリアルデータSDの周期よりも相対的に短くなる。
次に、ドライバIC502は、ヘッド制御ASIC13から出力された「シリアルデータSD、ラッチ信号LCH、及びクロック信号CLK」に基づいて、1ライン分の印刷を行う(ステップS7)。
そして、ヘッド制御ASIC13は、1面分の印刷が終了したか否かを判定する(ステップS8)。この判定の結果、1面分の印刷が完了した場合には、次の面の印刷に移る。一方、1面分の印刷が完了していない場合には、ステップS4に戻り、次の1ラインに対する処理を行う。
【0027】
ステップS3において、指定領域を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502がないと判定されると、ステップS9に進む。そして、ヘッド制御ASIC13は、1ライン分(1H分)の画像データをCPU14から受け取る(ステップS9)。
次に、ヘッド制御ASIC13は、ステップS2で導出した番号のドライバIC502に対するクロック信号CLKとラッチ信号LCHの高速化を行う(ステップS10)。
【0028】
次に、ドライバIC502は、ヘッド制御ASIC13から出力された「シリアルデータSD、ラッチ信号LCH、及びクロック信号CLK」に基づいて、1ライン分の印刷を行う(ステップS11)。
そして、ヘッド制御ASIC13は、1面分の印刷が終了したか否かを判定する(ステップS12)。この判定の結果、1面分の印刷が完了した場合には、次の面の印刷に移る。一方、1面分の印刷が完了していない場合には、ステップS9に戻り、次の1ラインに対する処理を行う。
【0029】
図8は、ヘッド制御ASIC13から記録ヘッド12へ転送される各信号の動作タイミングの一例を示すタイムチャートである。図8に示す動作タイミングは、図6のステップS7又はS11における各信号の動作タイミングにあたる。図8において、ステップS2で導出された番号のドライバIC502がドライバIC2、ドライバIC3であるとする。この場合、クロック信号CLKの周期を、非印画領域のクロック信号CLKの周期Nの1/m倍に高速化した信号が、ドライバIC2、ドライバIC3に出力される。これにより、周期がN/mの「クロック信号CLK、シリアルデータSD、及びラッチ信号LCH」が各々出力される。
【0030】
以上のように本実施形態では、印画領域(記録紙に形成する画像のうちの指定領域)の座標から、転送クロックの高速化を行うドライバIC502を割り出す。そして、そのドライバIC502に対して、クロック信号CLKの周期を、非印画領域のクロック信号CLKの周期Nの1/m倍に高速化した信号を出力する。したがって、無条件にデータの転送速度を上げてしまう(送信周期を短くしてしまう)ことにより、システムクロック周波数が高くなることを可及的に抑制することができ、雑音対策を容易に行うことができる。よって、放射ノイズを抑えながら、指定領域の高画質化を図ることができる。
また、本実施形態では、高解像化を行う指定領域を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502がある場合には、そのドライバIC502により描画される領域のうち、指定領域702外の領域の階調値を落とすようにした。したがって、指定領域以外の領域が高画質化されたり、指定領域とそれ以外の領域との境界に印画ムラが生じたりすることを可及的に抑制することができる。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
図9は、記録ヘッド12及びヘッド制御ASIC13の回路構成の一例を示す図である。
図9において、記録ヘッド12は、発熱抵抗体群901と、複数のドライバIC902とを備える。ドライバIC902の各出力信号を伝送する伝送線は、発熱抵抗体群901の各発熱抵抗体に一本ずつ接続されている。通常、発熱抵抗体約100個単位に一つのドライバIC902が割り当てられ、これらのドライバIC902ICが、自身に割り当てられた発熱抵抗体の一つ一つのON/OFFの制御を行う。
【0032】
ヘッド制御ASIC13は、CPU14から受け取ったデータDをデコードし、記録ヘッド12用の信号を生成する。記録ヘッド12用の信号として、シリアルデータSD、ラッチ信号LCH1、LCH2、及びクロック信号CLK1、CLK2が、ヘッド制御ASIC13から記録ヘッド12へ出力される。
本実施形態では、シリアルデータSDは、ドライバIC902毎の別々の信号であり、記録ヘッド12内の各ドライバIC902に個別に入力される。一方、クロック信号CLK1、CLK2及びラッチ信号LCH1、LCH2は、高速用及び等速用に各々1つずつ用意され、セレクタ903から、各ドライバIC902へ分配される。セレクタ903は、不図示の選択信号に基づいて、クロック信号CLK1、CLK2及びラッチ信号LCH1、LCH2の配布先を決定する。ドライバIC902は、クロック信号CLK及びシリアルデータSDを用いて、通電する発熱抵抗体へデータを送る。このとき、ドライバIC902は、ラッチ信号LCHに基づいて発熱抵抗体へ送信するデータを確定し、ドライバIC902単位で発熱抵抗体を発熱させる。
【0033】
前述した本実施形態と比較される昇華型プリンタの構成とは異なり、本実施形態では、ヘッド制御ASIC13は、ラッチ信号LCH及びクロック信号CLKの伝送線をそれぞれ2本もつ。1本の伝送線からは、もう1本の伝送線よりも相対的に高速のラッチ信号LCH及びクロックCLKが出力される。また、本実施形態では、ヘッド制御ASIC13外にセレクタ903を設け、これら2系統の制御信号のうち、1系統を選択して各ドライバIC902に出力できるようにしている。これにより、高解像度化を行う指定領域に対応したドライバIC902の制御信号を選択して、ドライバIC902に出力する信号を高速化することが可能となる。
【0034】
次に、図10のフローチャートを参照しながら、本実施形態の昇華型プリンタ100における印刷処理の一例を説明する。
ステップS21〜S25、S30、S31の処理は、それぞれ、図6のステップS1〜S5、S9、S10と同じであるため、それらの詳細な説明を省略する。
ステップS25又はS31の処理の後、CPU14は、ステップS22で導出した番号のドライバIC902には、高速化したクロック信号CLKが入力されるようにセレクタ903が選択するドライバIC902を確定する(ステップS26、S31)。一方、CPU14は、ステップS22で導出した番号以外のドライバIC902には、高速化しない(通常の)クロック信号CLKが入力されるようにセレクタ903が選択するドライバIC902を確定する。このドライバIC902の確定は、CPU14から各セレクタ903に、ドライバIC902の選択信号(設定値)を出力することにより行われる。
【0035】
次に、セレクタ903は、ステップS22で導出した番号のドライバIC502に対し、高速化した「クロック信号CLKとラッチ信号LCH」を出力する(ステップS27、S32)
以降、ステップS28、S29、S33、S34の処理は、それぞれ、図6のS7、S8、S11、S12と同じであるため、それらの詳細な説明を省略する。
【0036】
図11は、ヘッド制御ASIC13から記録ヘッド12へ転送される各信号の動作タイミングの一例を示すタイムチャートである。図11に示す動作タイミングは、図10のステップS28又はS33における各信号の動作タイミングにあたる。図11において、ステップS22で導出された番号のドライバIC902がドライバIC2、ドライバIC3である場合、セレクタ903には、ドライバIC2及びドライバIC3を選択する選択信号(設定値)が出力される。そして、ドライバIC2及びドライバIC3には、非印画領域のクロックCLKの周期Nに対して、印画領域(指定領域)のクロック信号CLKの周期を1/m倍に高速化した信号が出力される。
以上のようにしても第1の実施形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。
【0037】
尚、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0038】
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、まず、以上の実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が当該コンピュータプログラムを読み出して実行する。
【符号の説明】
【0039】
13 ヘッド制御ASIC、501 発熱抵抗体群、502 ドライバIC
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成装置の制御方法に関し、特に、主走査方向に配列された複数の発熱抵抗体を選択的に駆動しながら、用紙を副走査方向に搬送して当該用紙に画像を形成するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、又はスキャナ等の画像入力機器の進歩に伴い、入力された画像を印刷出力するための画像入力手段として、昇華型プリンタが注目されている。
昇華型プリンタは、感熱型の用紙を印画用紙として用い、主走査方向に配列された複数の発熱抵抗体(サーマル記録ヘッド)を選択的に駆動しながら当該用紙を副走査方向に搬送することで当該用紙上にドットライン状の印画を行う。
【0003】
現在普及している一般的なインクジェット方式のプリンタにおいては、液滴を飛ばすか否かの2値の選択のみによって、小さな液滴を用紙へ着弾させて誤差拡散等の手法により、みかけの解像度と階調性とを得る。
これに対し、昇華型プリンタにおいては、一つの画素において制御可能な熱の値を容易に変更できるため、一つの画素に対する階調性を多く取る事が可能となり、インクジェット方式のプリンタに比べて滑らかな高画質の画像を得ることができる。
【0004】
また、昇華型プリンタでは、サーマル記録ヘッドの性能や用紙材料の品質の向上も目覚ましく、印刷画像の仕上がり品位においても、銀塩写真に見劣りしない程度の画質を得る事が可能となりつつある。特に、昇華型プリンタは、自然画像、人物画像等の滑らかな階調性を必要とする写真の印刷には強く、業務用DPE端末の置き換えとして昇華型プリンタを使うユーザも増えている。
昨今、蓄えた写真を1枚1印刷する使い方から、行事毎にまとめて印刷・冊子化する使い方をする(いわゆるフォトブック印刷を行う)ユーザが増えてきており、このような使い方は、昇華型プリンタの新たな使い方として注目を集めている。
【0005】
フォトブックは、配布を前提として印刷されることが多く、ユーザはその印刷物に高い印画品質を求めている。
プリンタの高画質化技術としては、特許文献1に示す技術がある。かかる技術では、インクジェット方式のプリンタにおいて、印字物上のインク打ち込み量に応じて転送クロック等のヘッド駆動条件を高速化し、各部分に最適な熱転写条件を与えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−313439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図12は、フォトブック印刷におけるレイアウトの一例を示す図である。
図12に示すように、フォトブック印刷では、ユーザは、予め用意された縁取り(フレーム121)に、自分の撮影した画像122を配置(レイアウト)して印刷することが多い。このようなある特定の指定領域に配置された画像を高画質化するには、2通りの手法がある。
【0008】
1つ目の手法は、通常の印刷よりも大きな画像データを一旦SDRAM上に展開してから、ヘッド制御ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いて記録ヘッドに送る手法である。この方法では、ヘッド制御ASICに入力する画像データを倍加し、1ラインあたりの階調数を増やす。昇華型プリンタは、一般に、ライン走査式が多く、副走査方向に対して倍以上のデータを送ることで、記録紙上の1ラインあたりの階調値を増やすことができる。
しかしながら、この方法では、より高い画質で印刷しようとすると、より大きな画像データが必要となる。したがって、プリンタ内部のSDRAMの容量を増加させる一因となり、プリンタ製品のコストアップを招く。
【0009】
2つ目の手法は、記録ヘッドの制御信号である転送クロックと、データの周期とを短くする手法である。
制御信号の周期を短くする方法は、インクジェットプリンタ等、記録ヘッドを水平に往復しながら印刷を行うプリンタに広く用いられている。記録ヘッドから出力されるデータ数を倍以上にすることで、記録紙に印刷されるドット数を増やし、1ラインあたりの階調値を増やす。ヘッド制御ASIC内で画像データを拡張し、通常よりも高速なクロックで出力する。
【0010】
この手法は、画像データを増やすことなく高画質を実現できる為、利便性の高い手法であるが、いくつかの課題がある。
まず、無条件にデータの転送速度を上げてしまうと、システムクロック周波数が高くなるために、雑音対策が難しくなるといった課題がある。
【0011】
また、前述したように、昇華型プリンタは、一般的にライン走査式のプリンタである。したがって、昇華型プリンタの記録ヘッドは、1ライン分の発熱抵抗体を、複数のドライバICで小分けにして制御する構成をとる。例えば、4インチ1280ドットの発熱抵抗体を具備する記録ヘッドの場合、128個の発熱抵抗体に対して1つのドライバICがそれらの発熱抵抗体のON/OFFの制御を行う。特許文献1に示されているように、記録ヘッドへの転送クロックを上げる方法では、ドライバIC単位でしか処理を行うことができない。よって、ドライバICが、指定領域の主走査方向の端部を跨ぐ領域の発熱感光体を制御する場合には、以下のような課題が生じる。
【0012】
図13は、ドライバIC単位で発熱感光体を制御する場合に印刷物に生じる弊害を示す図である。
前述したように、フォトブックでは、固定階調のフレームと画像のレイアウトとを使うことが多い。図13に示す例では、ドライバIC1と、ドライバIC10以外のドライバIC(ドライバIC2〜4等)が記録ヘッド131に対する転送クロックを高速化するドライバICとなる。そうすると、ドライバIC2は、指定領域(画像部分)132の主走査方向の端部を跨ぐ領域を制御することになる。よって、指定領域(画像部分)132だけでなく、フレーム133のうちドライバIC2によって印刷される領域も高画質化されてしまう。一方、ドライバIC1、10による制御に従う領域135a、135bは等解像度の領域となる。よって、領域134と領域135a、135bとの境界の領域136a、136bに印画ムラが生じる。よって、印刷物の品質が低下する。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、昇華型プリンタで指定領域に配置された画像の印刷を行うに際し、放射ノイズを抑えながら、指定領域の高画質化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の画像形成装置は、主走査方向に配列された発熱抵抗体群と、前記発熱抵抗体群に含まれる複数の発熱抵抗体の単位で、当該発熱抵抗体の動作を制御する複数のドライバ回路と、を備える記録ヘッドと、前記ドライバ回路に画像データを送信するヘッド制御回路と、を有し、前記記録ヘッドを副走査方向に走査して、記録紙に画像を形成する画像形成装置であって、前記ヘッド制御回路は、前記記録紙に形成する画像のうちの指定領域の位置に基づいて、前記複数のドライバ回路の中から、当該指定領域に画像を形成するためのドライバ回路を導出する手段と、前記指定領域に画像を形成するためのドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期が、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期よりも短くなるように、前記複数のドライバ回路のそれぞれに画像データを送信する手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、指定領域に画像を生成するためのドライバ回路を割り出して、当該ドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期を、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期よりも短くする。よって、昇華型プリンタで指定領域に配置された画像の印刷を行うに際し、放射ノイズを抑えながら、指定領域の高画質化を図ることができる。
また、本発明の他の特徴によれば、指定領域を跨ぐ領域に画像を形成するためのドライバ回路に対して、当該指定領域と異なる領域の階調値が相対的に低く、当該指定領域の階調値が相対的に高い画像データを送信する。よって、指定領域の境界に印画ムラが生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】昇華型プリンタの全体構成を示す図である。
【図2】比較技術の記録ヘッド及びヘッド制御ASICの構成を示す図である。
【図3】比較技術のドライバICの内部構成の一例を示す図である。
【図4】比較技術の各信号の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図5】第1の実施形態の記録ヘッド及びヘッド制御ASICの構成を示す図である。
【図6】第1の実施形態の印刷処理を説明するフローチャートである。
【図7】ドライバICと記録紙内の指定領域との位置関係を示す図である。
【図8】第1の実施形態の各信号の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図9】第2の実施形態の記録ヘッド及びヘッド制御ASICの構成を示す図である。
【図10】第2の実施形態の印刷処理を説明するフローチャートである。
【図11】第2の実施形態の各信号の動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図12】フォトブック印刷におけるレイアウトを示す図である。
【図13】印刷物に生じる弊害を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(本実施形態の昇華型プリンタの構成)
図1は、プリント用データを印画するための昇華型プリンタ100の全体構成の一例を示す図である。
図1において、CPU14は、画像形成装置の一例である昇華型プリンタ100のシステム制御や演算処理を司る。画像処理部15は、カメラ等の外部装置から送られてきた画像データや、SDカード(SDメモリーカード)等の記憶媒体から取得した画像データを処理する画像処理エンジン等を備えている。画像処理部15は、「カメラ等から送信された画像データや、SDカード等から取得した画像データ」に対する解凍等の各種画像処理を行って、印画用の画像データを生成する。
【0017】
FLASHROM19は、昇華型プリンタ100のシステム制御用プログラム等を格納する。SDRAM20は、画像データの一時的な保存とデータ処理の作業用のために用いられる記憶媒体である。SDカード21は、データファイル等を保存しておくための記憶媒体である。
カードコネクタ22は、SDカード21を昇華型プリンタ100に装着するためのものである。LCD23は、画像や操作メニュー等を表示する。LCDドライバ24は、LCD23を駆動するためのものである。
【0018】
通信制御部16は、昇華型プリンタ100と相互に接続される外部装置(カメラ等)との通信を制御する。操作部17は、ユーザによる指示入力が行われる部分である。ヘッド制御ASIC13(サーマルヘッドASIC)は、画像処理部15で生成された印画用の画像データを電気信号に変換して記録ヘッド12(サーマルヘッド)に出力する。記録ヘッド12は、ヘッド制御ASIC13から出力された電気信号を熱エネルギーに変換し、印画紙に記録を行う。ヘッド温度センサ18、環境温度センサ11は、それぞれ、記録ヘッド12の温度、昇華型プリンタ100の周囲の環境温度を測定する。インクリボン残量計25は、インクリボンの残量を検知する。
尚、図1に示す構成は、昇華型プリンタの一般的なシステム構成であり、後述する第1の実施形態でも、第2の実施形態でも、図1に示す同じ構成の昇華型プリンタ100を用いることができる。
【0019】
(本実施形態と比較する構成)
まず、本実施形態と比較する構成について説明する。
図2は、記録ヘッド12及びヘッド制御ASIC13の回路構成の一例を示す図である。
図2において、記録ヘッド12は、発熱抵抗体群201と、ドライバ回路の一例である複数のドライバIC202とを備える。ドライバIC202からの出力信号を伝送する各伝送線は、発熱抵抗体群201の各発熱抵抗体に一本ずつ接続されている。昇華型プリンタでは、発熱抵抗体を選択的に駆動しながら、記録ヘッド12が副走査方向に走査することにより記録紙に画像が形成される。発熱抵抗体は、主走査方向に配列されている。また、通常は、発熱抵抗体約100個に一つの単位でドライバIC202が割り当てられ、これらのドライバIC202が、自身に割り当てられた発熱抵抗体の一つ一つのON/OFFの制御を行う。
【0020】
ヘッド制御ASIC13は、ヘッド制御回路の一例であり、CPU14から受け取ったデータDをデコードし、記録ヘッド12用の信号を生成する。記録ヘッド12用の信号には、シリアルデータ、ラッチ信号、及びクロック信号の3種がある。シリアルデータは、各ドライバIC202へ別々に入力される、クロック信号及びラッチ信号は、各ドライバIC202で共通で使用される。ドライバIC202は、クロック信号及びシリアルデータを用いて、通電する発熱抵抗体へデータを送る。このとき、ドライバIC202は、ラッチ信号に基づいて発熱抵抗体へ送信するデータを確定し、ドライバIC202単位で発熱抵抗体を発熱させる。
【0021】
図3は、ドライバIC202の内部構成の一例を示す図である。また、図4は、ヘッド制御ASIC13から記録ヘッド12へ転送される各信号の動作タイミングの一例を示すタイムチャートである。
図3において、ドライバIC202は、記録ヘッド12が備える発熱抵抗体1つに対して1つのシフトレジスタ301を備えている。各シフトレジスタ301には、ヘッド制御ASIC13から送信される「シリアルデータSD、ラッチ信号LCH、及びクロック信号CLK」が入力される。
図4に示すように、一定の周期Nをもつクロック信号CLKに同期して、シリアルデータSDが、ヘッド制御ASIC13から出力される。ヘッド制御ASIC13から出力されたシリアルデータSDは、ドライバIC202内のシフトレジスタ301に1つずつ取り込まれる。そして、ラッチ信号LCHにより、各シフトレジスタ301に保存されたシリアルデータSDが、ヘッドデータHDとして記録ヘッド12内の発熱抵抗体に出力される。
【0022】
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態を説明する。
図5は、記録ヘッド12及びヘッド制御ASIC13の回路構成の一例を示す図である。
図5において、記録ヘッド12は、発熱抵抗体群501と、複数のドライバIC502とを備える。ドライバIC502の各出力信号を伝送する伝送線は、発熱抵抗体群501の各発熱抵抗体に一本ずつ接続されている。通常は、発熱抵抗体約100個単位で一つのドライバIC502が割り当てられ、これらのドライバIC502が、自身に割り当てられた発熱抵抗体の一つ一つのON/OFFの制御を行う。
【0023】
ヘッド制御ASIC13は、CPU14から受け取ったデータDをデコードし、記録ヘッド12用の信号を生成する。記録ヘッド12用の信号として、シリアルデータ、ラッチ信号、及びクロック信号が、ヘッド制御ASIC13から記録ヘッド12へ出力される。
本実施形態では、シリアルデータSD、クロック信号CLK、及びラッチ信号LCHは、ドライバIC502毎の別々の信号であり、記録ヘッド12内の各ドライバIC502に個別に入力される。ドライバIC502は、クロック信号CLK及びシリアルデータSDを用いて、通電する発熱抵抗体へデータを送る。このとき、ドライバIC502は、ラッチ信号LCHに基づいて発熱抵抗体へ送信するデータを確定し、ドライバIC502単位で発熱抵抗体を発熱させる。
前述した本実施形態と比較される昇華型プリンタの構成とは異なり、本実施形態では、ヘッド制御ASIC13は、ラッチ信号LCH及びクロック信号CLKをドライバIC502毎に個別に出力する。これにより、高解像度化を行う領域に対応したドライバIC502の制御信号を選択して、ドライバIC502に出力する信号の転送を高速化することが可能となる。
【0024】
次に、図6のフローチャートを参照しながら、本実施形態の昇華型プリンタ100における印刷処理の一例を説明する。
先ず、ヘッド制御ASIC13は、CPU14から、高解像化を行う指定領域(例えば、フォトブック印刷における指定領域)の水平座標と垂直座標(ライン数)とを入力する(ステップS1)。
次に、ヘッド制御ASIC13は、ステップS1で入力した座標の値から、転送クロックを高速化するドライバIC502の番号を導出する(ステップS2)。
次に、ヘッド制御ASIC13は、高解像化を行う指定領域を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502があるか否かを判定する(ステップS3)。図7は、ドライバIC502と記録紙内の指定領域との位置関係の一例を示す図である。具体的に、図7(a)は、指定領域を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502がない場合のドライバIC502と記録紙内の指定領域との位置関係の一例を示す図である。図7(b)は、指定領域を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502がある場合のドライバIC502と記録紙内の指定領域との位置関係の一例を示す図である。尚、図7において、記録紙701の紙送り方向は、紙面の上から下に向かう方向である(図7に示す矢印を参照)。
図7(b)に示す例では、ドライバIC502a、502dが、指定領域702を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502となる。
【0025】
ステップS3の判定の結果、指定領域を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502があると判定されると、ステップS4に進む。そして、ヘッド制御ASIC13は、1ライン分(1H分)の画像データをCPU14から受け取る(ステップS4)。
次に、ヘッド制御ASIC13は、指定領域702外の領域の階調値を、指定領域702の階調値よりも低く(小さく)するクリップ処理を行う(ステップS5)。例えば、非印画領域のクロック信号CLKの周期Nに対して高速化された印画領域(指定領域)のクロック信号の周期がN/m(mは正の整数)であるとする。この場合、ヘッド制御ASIC13は、ステップS4にて保持した1ライン分の画像データの階調値のうち、指定領域702外の階調値に対して1/mを乗算する処理を行う。一方、指定領域702の階調値については変更を行わない。
【0026】
次に、ヘッド制御ASIC13は、ステップS2で導出した番号のドライバIC502に対するクロック信号CLKとラッチ信号LCHの高速化を行う(ステップS6)。一方、ステップS2で導出した番号以外のドライバIC502に対するクロック信号CLKとラッチ信号LCHについては高速化を行わない。これにより、ステップS2で導出した番号のドライバIC502に対するクロック信号CLKとラッチ信号LCHの周期が、それ以外のドライバIC502に対するクロック信号CLKとラッチ信号LCHの周期よりも相対的に短くなる。よって、ステップS2で導出した番号のドライバIC502に対して転送されるシリアルデータSDの周期も、それ以外のドライバIC502に対するシリアルデータSDの周期よりも相対的に短くなる。
次に、ドライバIC502は、ヘッド制御ASIC13から出力された「シリアルデータSD、ラッチ信号LCH、及びクロック信号CLK」に基づいて、1ライン分の印刷を行う(ステップS7)。
そして、ヘッド制御ASIC13は、1面分の印刷が終了したか否かを判定する(ステップS8)。この判定の結果、1面分の印刷が完了した場合には、次の面の印刷に移る。一方、1面分の印刷が完了していない場合には、ステップS4に戻り、次の1ラインに対する処理を行う。
【0027】
ステップS3において、指定領域を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502がないと判定されると、ステップS9に進む。そして、ヘッド制御ASIC13は、1ライン分(1H分)の画像データをCPU14から受け取る(ステップS9)。
次に、ヘッド制御ASIC13は、ステップS2で導出した番号のドライバIC502に対するクロック信号CLKとラッチ信号LCHの高速化を行う(ステップS10)。
【0028】
次に、ドライバIC502は、ヘッド制御ASIC13から出力された「シリアルデータSD、ラッチ信号LCH、及びクロック信号CLK」に基づいて、1ライン分の印刷を行う(ステップS11)。
そして、ヘッド制御ASIC13は、1面分の印刷が終了したか否かを判定する(ステップS12)。この判定の結果、1面分の印刷が完了した場合には、次の面の印刷に移る。一方、1面分の印刷が完了していない場合には、ステップS9に戻り、次の1ラインに対する処理を行う。
【0029】
図8は、ヘッド制御ASIC13から記録ヘッド12へ転送される各信号の動作タイミングの一例を示すタイムチャートである。図8に示す動作タイミングは、図6のステップS7又はS11における各信号の動作タイミングにあたる。図8において、ステップS2で導出された番号のドライバIC502がドライバIC2、ドライバIC3であるとする。この場合、クロック信号CLKの周期を、非印画領域のクロック信号CLKの周期Nの1/m倍に高速化した信号が、ドライバIC2、ドライバIC3に出力される。これにより、周期がN/mの「クロック信号CLK、シリアルデータSD、及びラッチ信号LCH」が各々出力される。
【0030】
以上のように本実施形態では、印画領域(記録紙に形成する画像のうちの指定領域)の座標から、転送クロックの高速化を行うドライバIC502を割り出す。そして、そのドライバIC502に対して、クロック信号CLKの周期を、非印画領域のクロック信号CLKの周期Nの1/m倍に高速化した信号を出力する。したがって、無条件にデータの転送速度を上げてしまう(送信周期を短くしてしまう)ことにより、システムクロック周波数が高くなることを可及的に抑制することができ、雑音対策を容易に行うことができる。よって、放射ノイズを抑えながら、指定領域の高画質化を図ることができる。
また、本実施形態では、高解像化を行う指定領域を跨ぐ領域の印刷を制御するドライバIC502がある場合には、そのドライバIC502により描画される領域のうち、指定領域702外の領域の階調値を落とすようにした。したがって、指定領域以外の領域が高画質化されたり、指定領域とそれ以外の領域との境界に印画ムラが生じたりすることを可及的に抑制することができる。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
図9は、記録ヘッド12及びヘッド制御ASIC13の回路構成の一例を示す図である。
図9において、記録ヘッド12は、発熱抵抗体群901と、複数のドライバIC902とを備える。ドライバIC902の各出力信号を伝送する伝送線は、発熱抵抗体群901の各発熱抵抗体に一本ずつ接続されている。通常、発熱抵抗体約100個単位に一つのドライバIC902が割り当てられ、これらのドライバIC902ICが、自身に割り当てられた発熱抵抗体の一つ一つのON/OFFの制御を行う。
【0032】
ヘッド制御ASIC13は、CPU14から受け取ったデータDをデコードし、記録ヘッド12用の信号を生成する。記録ヘッド12用の信号として、シリアルデータSD、ラッチ信号LCH1、LCH2、及びクロック信号CLK1、CLK2が、ヘッド制御ASIC13から記録ヘッド12へ出力される。
本実施形態では、シリアルデータSDは、ドライバIC902毎の別々の信号であり、記録ヘッド12内の各ドライバIC902に個別に入力される。一方、クロック信号CLK1、CLK2及びラッチ信号LCH1、LCH2は、高速用及び等速用に各々1つずつ用意され、セレクタ903から、各ドライバIC902へ分配される。セレクタ903は、不図示の選択信号に基づいて、クロック信号CLK1、CLK2及びラッチ信号LCH1、LCH2の配布先を決定する。ドライバIC902は、クロック信号CLK及びシリアルデータSDを用いて、通電する発熱抵抗体へデータを送る。このとき、ドライバIC902は、ラッチ信号LCHに基づいて発熱抵抗体へ送信するデータを確定し、ドライバIC902単位で発熱抵抗体を発熱させる。
【0033】
前述した本実施形態と比較される昇華型プリンタの構成とは異なり、本実施形態では、ヘッド制御ASIC13は、ラッチ信号LCH及びクロック信号CLKの伝送線をそれぞれ2本もつ。1本の伝送線からは、もう1本の伝送線よりも相対的に高速のラッチ信号LCH及びクロックCLKが出力される。また、本実施形態では、ヘッド制御ASIC13外にセレクタ903を設け、これら2系統の制御信号のうち、1系統を選択して各ドライバIC902に出力できるようにしている。これにより、高解像度化を行う指定領域に対応したドライバIC902の制御信号を選択して、ドライバIC902に出力する信号を高速化することが可能となる。
【0034】
次に、図10のフローチャートを参照しながら、本実施形態の昇華型プリンタ100における印刷処理の一例を説明する。
ステップS21〜S25、S30、S31の処理は、それぞれ、図6のステップS1〜S5、S9、S10と同じであるため、それらの詳細な説明を省略する。
ステップS25又はS31の処理の後、CPU14は、ステップS22で導出した番号のドライバIC902には、高速化したクロック信号CLKが入力されるようにセレクタ903が選択するドライバIC902を確定する(ステップS26、S31)。一方、CPU14は、ステップS22で導出した番号以外のドライバIC902には、高速化しない(通常の)クロック信号CLKが入力されるようにセレクタ903が選択するドライバIC902を確定する。このドライバIC902の確定は、CPU14から各セレクタ903に、ドライバIC902の選択信号(設定値)を出力することにより行われる。
【0035】
次に、セレクタ903は、ステップS22で導出した番号のドライバIC502に対し、高速化した「クロック信号CLKとラッチ信号LCH」を出力する(ステップS27、S32)
以降、ステップS28、S29、S33、S34の処理は、それぞれ、図6のS7、S8、S11、S12と同じであるため、それらの詳細な説明を省略する。
【0036】
図11は、ヘッド制御ASIC13から記録ヘッド12へ転送される各信号の動作タイミングの一例を示すタイムチャートである。図11に示す動作タイミングは、図10のステップS28又はS33における各信号の動作タイミングにあたる。図11において、ステップS22で導出された番号のドライバIC902がドライバIC2、ドライバIC3である場合、セレクタ903には、ドライバIC2及びドライバIC3を選択する選択信号(設定値)が出力される。そして、ドライバIC2及びドライバIC3には、非印画領域のクロックCLKの周期Nに対して、印画領域(指定領域)のクロック信号CLKの周期を1/m倍に高速化した信号が出力される。
以上のようにしても第1の実施形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。
【0037】
尚、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0038】
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、まず、以上の実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が当該コンピュータプログラムを読み出して実行する。
【符号の説明】
【0039】
13 ヘッド制御ASIC、501 発熱抵抗体群、502 ドライバIC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に配列された発熱抵抗体群と、
前記発熱抵抗体群に含まれる複数の発熱抵抗体の単位で、当該発熱抵抗体の動作を制御する複数のドライバ回路と、を備える記録ヘッドと、
前記ドライバ回路に画像データを送信するヘッド制御回路と、を有し、
前記記録ヘッドを副走査方向に走査して、記録紙に画像を形成する画像形成装置であって、
前記ヘッド制御回路は、前記記録紙に形成する画像のうちの指定領域の位置に基づいて、前記複数のドライバ回路の中から、当該指定領域に画像を形成するためのドライバ回路を導出する手段と、
前記指定領域に画像を形成するためのドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期が、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期よりも短くなるように、前記複数のドライバ回路のそれぞれに画像データを送信する手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ヘッド制御回路は、前記画像データと、当該画像データの出力の同期をとるためのクロック信号とを、それぞれ前記複数のドライバ回路に個別に送信するものであり、
前記指定領域に画像を生成するためのドライバ回路に対しては周期が相対的に短いクロック信号を送信し、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対しては周期が相対的に長いクロック信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ドライバ回路の何れかを選択するセレクタを有し、
前記ヘッド制御回路は、前記画像データを、それぞれ前記複数のドライバ回路に個別に送信すると共に、当該画像データの出力の同期をとるためのクロック信号として、周期が相対的に短いクロック信号と周期が相対的に長いクロック信号とを前記セレクタに送信する手段を有し、
前記セレクタは、前記指定領域に画像を生成するためのドライバ回路に対しては前記周期が相対的に短いクロック信号を出力し、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対しては前記周期が相対的に長いクロック信号を出力する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ヘッド制御回路は、前記指定領域を跨ぐ領域に画像を形成するためのドライバ回路が前記複数のドライバ回路にあるか否かを判定する手段と、
前記指定領域を跨ぐ領域に画像を形成するためのドライバ回路に対して、当該指定領域と異なる領域の階調値が相対的に低く、当該指定領域の階調値が相対的に高い画像データを送信する手段と、を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
主走査方向に配列された発熱抵抗体群と、
前記発熱抵抗体群に含まれる複数の発熱抵抗体の単位で、当該発熱抵抗体の動作を制御する複数のドライバ回路と、を備える記録ヘッドと、
前記ドライバ回路に画像データを送信するヘッド制御回路と、を有し、
前記記録ヘッドを副走査方向に走査して、記録紙に画像を形成する画像形成装置の制御方法であって、
前記記録紙に形成する画像のうちの指定領域の位置に基づいて、前記複数のドライバ回路の中から、当該指定領域に画像を形成するためのドライバ回路を導出する導出工程と、
前記指定領域に画像を形成するためのドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期が、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期よりも短くなるように、前記複数のドライバ回路のそれぞれに画像データを送信する送信工程とを有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項6】
前記送信工程は、前記画像データと、当該画像データの出力の同期をとるためのクロック信号とを、それぞれ前記複数のドライバ回路に個別に送信する工程であり、
前記指定領域に画像を生成するためのドライバ回路に対しては周期が相対的に短いクロック信号を送信し、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対しては周期が相対的に長いクロック信号を送信することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
前記ドライバ回路の何れかを選択するセレクタから、当該選択したドライバ回路に、前記画像データの出力の同期をとるためのクロック信号として、周期が相対的に短いクロック信号と周期が相対的に長いクロック信号との何れかを出力する出力工程を有し、
前記送信工程は、前記画像データを、それぞれ前記複数のドライバ回路に個別に送信すると共に、前記周期が相対的に短いクロック信号と前記周期が相対的に長いクロック信号とを、前記セレクタに送信し、
前記出力工程は、前記指定領域に画像を生成するためのドライバ回路に対しては前記周期が相対的に短いクロック信号を出力し、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対しては前記周期が相対的に長いクロック信号を出力することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
前記指定領域を跨ぐ領域に画像を形成するためのドライバ回路が前記複数のドライバ回路にあるか否かを判定する判定工程を有し、
前記送信工程は、前記指定領域を跨ぐ領域に画像を形成するためのドライバ回路に対して、当該指定領域と異なる領域の階調値が相対的に低く、当該指定領域の階調値が相対的に高い画像データを送信することを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項1】
主走査方向に配列された発熱抵抗体群と、
前記発熱抵抗体群に含まれる複数の発熱抵抗体の単位で、当該発熱抵抗体の動作を制御する複数のドライバ回路と、を備える記録ヘッドと、
前記ドライバ回路に画像データを送信するヘッド制御回路と、を有し、
前記記録ヘッドを副走査方向に走査して、記録紙に画像を形成する画像形成装置であって、
前記ヘッド制御回路は、前記記録紙に形成する画像のうちの指定領域の位置に基づいて、前記複数のドライバ回路の中から、当該指定領域に画像を形成するためのドライバ回路を導出する手段と、
前記指定領域に画像を形成するためのドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期が、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期よりも短くなるように、前記複数のドライバ回路のそれぞれに画像データを送信する手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ヘッド制御回路は、前記画像データと、当該画像データの出力の同期をとるためのクロック信号とを、それぞれ前記複数のドライバ回路に個別に送信するものであり、
前記指定領域に画像を生成するためのドライバ回路に対しては周期が相対的に短いクロック信号を送信し、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対しては周期が相対的に長いクロック信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ドライバ回路の何れかを選択するセレクタを有し、
前記ヘッド制御回路は、前記画像データを、それぞれ前記複数のドライバ回路に個別に送信すると共に、当該画像データの出力の同期をとるためのクロック信号として、周期が相対的に短いクロック信号と周期が相対的に長いクロック信号とを前記セレクタに送信する手段を有し、
前記セレクタは、前記指定領域に画像を生成するためのドライバ回路に対しては前記周期が相対的に短いクロック信号を出力し、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対しては前記周期が相対的に長いクロック信号を出力する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ヘッド制御回路は、前記指定領域を跨ぐ領域に画像を形成するためのドライバ回路が前記複数のドライバ回路にあるか否かを判定する手段と、
前記指定領域を跨ぐ領域に画像を形成するためのドライバ回路に対して、当該指定領域と異なる領域の階調値が相対的に低く、当該指定領域の階調値が相対的に高い画像データを送信する手段と、を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
主走査方向に配列された発熱抵抗体群と、
前記発熱抵抗体群に含まれる複数の発熱抵抗体の単位で、当該発熱抵抗体の動作を制御する複数のドライバ回路と、を備える記録ヘッドと、
前記ドライバ回路に画像データを送信するヘッド制御回路と、を有し、
前記記録ヘッドを副走査方向に走査して、記録紙に画像を形成する画像形成装置の制御方法であって、
前記記録紙に形成する画像のうちの指定領域の位置に基づいて、前記複数のドライバ回路の中から、当該指定領域に画像を形成するためのドライバ回路を導出する導出工程と、
前記指定領域に画像を形成するためのドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期が、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対して送信する画像データの送信周期よりも短くなるように、前記複数のドライバ回路のそれぞれに画像データを送信する送信工程とを有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項6】
前記送信工程は、前記画像データと、当該画像データの出力の同期をとるためのクロック信号とを、それぞれ前記複数のドライバ回路に個別に送信する工程であり、
前記指定領域に画像を生成するためのドライバ回路に対しては周期が相対的に短いクロック信号を送信し、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対しては周期が相対的に長いクロック信号を送信することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
前記ドライバ回路の何れかを選択するセレクタから、当該選択したドライバ回路に、前記画像データの出力の同期をとるためのクロック信号として、周期が相対的に短いクロック信号と周期が相対的に長いクロック信号との何れかを出力する出力工程を有し、
前記送信工程は、前記画像データを、それぞれ前記複数のドライバ回路に個別に送信すると共に、前記周期が相対的に短いクロック信号と前記周期が相対的に長いクロック信号とを、前記セレクタに送信し、
前記出力工程は、前記指定領域に画像を生成するためのドライバ回路に対しては前記周期が相対的に短いクロック信号を出力し、当該ドライバ回路と異なるドライバ回路に対しては前記周期が相対的に長いクロック信号を出力することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
前記指定領域を跨ぐ領域に画像を形成するためのドライバ回路が前記複数のドライバ回路にあるか否かを判定する判定工程を有し、
前記送信工程は、前記指定領域を跨ぐ領域に画像を形成するためのドライバ回路に対して、当該指定領域と異なる領域の階調値が相対的に低く、当該指定領域の階調値が相対的に高い画像データを送信することを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の画像形成装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−14067(P2013−14067A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148148(P2011−148148)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]