画像形成装置
【課題】フィルタを保持するケースを二分割してその一方にフィルタを溶着などで設け、一方のケースと他方のケースとを合わせて記録液漏れが生じないようにシールすることが難しい。
【解決手段】フィルタユニット210はフィルタ303の上流側及び下流側の流路を形成する下ケース301と上ケース302が熱カシメなどで繋ぎ合わされ、下ケース301と上ケース301の間にシール部材304が挟み込まれ、各ケース部材301、302のシール部材304と接触する面側にはフィルタ303の周囲に対応するリブ313、323a、323bが周状に形成されて、各リブ313、323a、323bでシール部材304を押圧して変形させることでシールした。
【解決手段】フィルタユニット210はフィルタ303の上流側及び下流側の流路を形成する下ケース301と上ケース302が熱カシメなどで繋ぎ合わされ、下ケース301と上ケース301の間にシール部材304が挟み込まれ、各ケース部材301、302のシール部材304と接触する面側にはフィルタ303の周囲に対応するリブ313、323a、323bが周状に形成されて、各リブ313、323a、323bでシール部材304を押圧して変形させることでシールした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、特に、ノズルから記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを備えた画像形成装置関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ/ファックス/コピア或いはこれらの機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを用いて、被記録媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、記録媒体、転写材なども同義で使用する。)を搬送しながら、記録液の液滴(以下、インク滴ともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうインクジェット方式の画像形成部を搭載したものが知られている。
【0003】
このようなインクジェット記録方式の画像形成装置において、記録ヘッドに対して記録液を供給する方式には、記録ヘッドを搭載するキャリッジに記録液を収容した記録液供給手段であるインクカートリッジを着脱自在に装着し、このインクカートリッジから記録ヘッドに記録液を供給する方式と、キャリッジ上に記録ヘッドに記録液を供給する記録液供給手段である小容量のヘッドタンク(サブタンクともいう。)を搭載し、記録液収容手段である大容量のメインカートリッジ(メインタンク)を装置本体側に設置し、ヘッドタンクに装置本体側のメインカートリッジから記録液(インク)を補充供給する方式とが知られている。
【0004】
そして、記録液供給手段から記録ヘッドに対する記録液供給流路内には記録液を濾過して異物などを除去するためのフィルタ部材が設けられる。従来のフィルタ部材を含むフィルタユニットとしては、特許文献1に記載されているように、一次側ハウジングと二次側ハウジングとを超音波溶着して形成されたハウジング内にフィルタを収納し、更に一次側ハウジングに超音波溶着部分より内側の位置でフィルタの一方の片面の外周部分に当接する一次側当接部を、二次側ハウジングに超音波溶着部分より内側の位置でフィルタの他方の片面の外周部分に当接する二次側当接部をそれぞれ設けたフィルタユニットがある。
【特許文献1】特開2005−225109号公報
【0005】
また、特許文献2には、記録ヘッドとインクカートリッジを接続する部分に弾性部材を入れてシールすることが記載されている。
【特許文献2】特開2000−229420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように記録液供給手段から記録ヘッドに対する流路中にフィルタ部材を配置する場合、特に大量印刷を用途とするインクジェット記録装置の場合、フィルタ部材としてはインク流路の数倍〜数十倍の面積が必要であり、フィルタ部材の上下空間を必要とすることから、フィルタを保持するケースを少なくとも二分割してその一方にフィルタを溶着などで設け、一方のケースと他方のケースとを合わせてインク漏れが生じないようにシールしなければならない。
【0007】
このように、2つのケースを合わせてシールする方法としては、超音波やレーザーによって接合面の樹脂を融着し接合する方法、シール剤を塗布し固着する方法、或いはシール材を挟みこみ、ねじ、熱カシメ、スナップフィットなどにより固定する方法が考えられる。
【0008】
上述した特許文献1はこのうち2つのケースを超音波融着によって接合するものであるが、このような接合方法は専用設備が必要であり、加工の際、ごみの発生や熱による変形が起こりやすいという課題がある。また、2つのケースの間にシール材を挟み込んで固定するという方法では、シール部材の挟み込みが十分でなく、インク漏れなどを生じ易くなるという課題がある。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、記録液漏れを生じることなくフィルタ部材を保持する信頼性の高い画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、フィルタ部材の上流側及び下流側の流路を形成するための少なくとも2つのケース部材が繋ぎ合わされ、2つのケース部材の間にシール部材が挟み込まれ、各ケース部材のシール部材と接触する面側にはフィルタ部材の周囲に対応するリブが周状に形成されて、各リブでシール部材を押圧して変形させることでシールしている構成とした。
【0011】
ここで、一方のケース部材に形成されたリブが他方のケース部材に形成されたリブの間に位置する関係でシール部材を押圧していることが好ましい。また、リブの先端形状が0.2ないし2RのR形状であることが好ましい。また、リブの高さはシール部材の厚みの1/3〜2/3の範囲内であることが好ましい。
【0012】
また、シール部材は板状であること、シリコンゴムから形成されていること、硬度が50度(新JIS K 6253)を越えないこと、厚みが0.5〜2mmであることが好ましい。
【0013】
また、2つのケースは加圧された状態でネジ、熱カシメ及びスナップフィットの少なくともいずれかにより互いに固定されている構成とすることができる。さらに、記録液供給手段は、負圧発生機構を備えている構成、負圧発生機構を備えていない構成のいずれともできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る画像形成装置によれば、フィルタ部材の上流側及び下流側の流路を形成するための少なくとも2つのケース部材が繋ぎ合わされ、2つのケース部材の間にシール部材が挟み込まれ、各ケース部材のシール部材と接触する面側にはフィルタ部材の周囲に対応するリブが周状に形成されて、各リブでシール部材を押圧して変形させることでシールしている構成としたので、シール部材を確実挟み込むことができて記録液の漏れが防止され、信頼性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方側から見た斜視説明図である。
このインクジェット記録装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
【0016】
このカートリッジ装填部4には、色の異なる色材である記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の記録液収容手段としての記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。
【0017】
次に、このインクジェット記録装置の機構部について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の概要を示す側面模式的説明図、図3は同じく要部平面説明図である。
左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図3で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0018】
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0019】
記録ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
【0020】
記録ヘッド34を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0021】
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク35a、35b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられている。
【0022】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
【0023】
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
【0024】
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図3のベルト搬送方向に周回移動する。
【0025】
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
【0026】
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
【0027】
さらに、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。
【0028】
この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。
【0029】
また、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
【0030】
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0031】
このとき、帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
【0032】
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0033】
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
【0034】
なお、この画像形成装置のようにヘッドタンクを搭載する構成にすることによって多量に印刷を行う用途での記録液カートリッジの交換の手間が少なくなるという利点がある。これに対し、ヘッドタンクを搭載しない構成では、メインタンクからの記録液供給系が必要でなくなり、省スペース化やコストの低減を図ることができる。いずれの構成であっても本発明を適用することができる。
【0035】
次に、この画像形成装置におけるヘッドタンク35の具体的な一例について図9ないし図12を参照して説明する。なお、図9は同ヘッドタンクの正面説明図、図10は同ヘッドタンクの容器本体の概略斜視説明図、図11は同じく図10と反対側の面側から見た容器本体の概略斜視説明図、図12は同容器本体の底面説明図である。
【0036】
このヘッドタンク35は、1つの記録ヘッド34の2つのノズル列にそれぞれ異なる色の記録液を供給するため容器本体(タンク本体)202の両側にそれぞれ記録液収容部であるインク収容部201A、201B(区別しないときは「インク収容部201」という。)を形成し、これらのインク収容部201A、201Bの開口には可撓性を有するフィルム状部材(可撓性フィルム状部材)211(図5のみ図示)を接着又は溶着などで貼り付けて封止し、更にインク収容部201A、201B内部にはタンク本体202とフィルム状部材211との間にフィルム状部材211を外方に付勢するための弾性部材であるバネ(スプリング)212を配設し、これらのフィルム状部材211及び弾性部材212によって負圧発生機構を構成している。なお、フィルム状部材211の変位に応じて変位する負圧検知レバーを備えるが図示を省略している。
【0037】
フィルム状部材211は単層構成でもよいが、種類の異なる第1層と第2層とをラミネートした二層構成、例えばポリエチレンとナイロンのフィルム状部材をラミネートした構成としたり、第1層にシリカ蒸着層を形成した構成とすることができる。
【0038】
また、タンク本体202の上部にはインク収容部201を大気に開放するための大気開放通路203を形成し、この大気開放通路203を開閉する大気開放機構204を備えている。この大気開放機構204は、通路204aを開閉するボール弁体204bと、このボール弁体204bを弁座204c側に付勢するスプリング204dなどで構成している。
【0039】
そして、インク収容部201の天面と大気開放通路203との間に隔壁部205を設け、この隔壁部205にインク収容部201と大気開放通路203とを連通する、前述したように、インク収容部201に収容される記録液粘度や処方によって、ヘッドタンク35が輸送時などの振動で揺れたときでも表面張力によるメニスカスが形成されて大気連通路203内まで記録液が侵入しない形状等を有する小孔206を形成している。
【0040】
また、タンク本体202にはインク収容部201にインクを供給するためのインク供給口部207を形成し、チューブ36が連結部材208で連結される。また、容器本体202の下部にはフィルタユニット部209が取り付けられ、このフィルタユニット部209を介して記録ヘッド34が取付けられる。さらに、タンク本体202の上部にはインク収容部201のインクを検出するための2本の検知電極216が設けられている。
【0041】
ここで、タンク本体202の底面には、インク収容部201A、201Bからフィルタユニット210に個別的にインクを供給するための供給口213A、213Bをそれぞれインク収容部201A、201Bの端部に形成し、また、供給口213A、213Bを中央部分に配置するためにインク収容部201A、201Bには他方の収容部に膨らんだ膨出部214A、214Bを形成している。
【0042】
このように構成したヘッドタンク35においては、弾性部材212によってフィルム状部材211が外方に押されることにより、インク収容部201内に負圧が発生する。
【0043】
そこで、このヘッドタンク35と記録ヘッド34との間に介在するフィルタユニット210の詳細について図8ないし図16を参照して説明する。
このフィルタユニット210は、繋ぎ合わされる2つのケース部材である下ケース301及び上ケース302と、下ケース301と上ケース302との間に配置したフィルタ303A、303B(区別しないときは「フィルタ303」という。以下、他の用語についても同様である。)、下ケース301と上ケース302との間に介在したシール部材(パッキンシート)304とを備えている。
【0044】
下ケース301には、フィルタ303A、303Bを通過したインクを受ける流路ないし空間となるインク受け部311A、311Bが形成され、このインク受け部311A、311Bには記録ヘッド34の各ノズル列に対応するインク供給口部と連結する連結部312A、312Bをそれぞれ形成している。この下ケース301にはインク受け部311A、311Bに対応して図9に示すように平面形状で略涙滴形状に形成したフィルタ303A,393Bが予め熱溶着されて取付けられる。
【0045】
また、この下ケース301のシール部材304と接触する面側には、図10及び図11にも示すように、フィルタ303の外周に沿って周状にリブ(凸部)313を形成している。このリブ313の先端部313aの形状はR形状(アール形状)とすることでシール部材304を押圧変形させたときにシール部材304を損傷することを防止できる。なお、図11ではフィルタ303を熱溶着した後の状態で示している。
【0046】
このリブ313の先端部313aのR形状については、シール部材304の硬度、厚み、下ケース301の材質など、及びレイアウトの余裕度によって選択することができるが、0.2〜2Rとすることが好ましい。ここでは、シール部材(パッキンシート)304の硬度を40度、厚み1mmとして、リブ313のR形状は0.4mmとしている。
【0047】
また、リブ313の高さHは、シール部材304の硬度、厚み、下ケース301の材質などによって選択することができるが、シール部材304の厚みの1/3〜2/3の範囲内とすることで、シール部材304を確実に押圧変形させてシール性を高めることができる。ここでは、リブ313の高さHは、シール部材304の厚みに対して1/2としている。
【0048】
一方、上ケース302には、ヘッドタンク35のインク収容部201A、201Bの供給口部213A、213Bにそれぞれ連結する連結部321A、321Bを設け、この連結部321内の流路でフィルタ303の上流側の流路ないし空間を形成している。
【0049】
そして、この上ケース302のシール部材304と接触する面側には、図12及び図13にも示すように、フィルタ303の外周に沿うように周状に2本のリブ(凸部)323a、323bを形成している。このリブ323a、323aの先端部の形状、高さについては、前述した下ケース301のリブ313と同様であるので説明を省略する。
【0050】
上述した下ケース301のリブ313と上ケース302のリブ323a、323bとの関係は、下ケース301と上ケース302とを繋ぎ合せたときに、一方のリブ313が他方のリブ323a、323bの間に位置する関係としている。
【0051】
また、下ケース301と上ケース302とを繋ぎ合わせるために、下ケース301には複数本の溶融可能なピン315を、上ケース302にはピン315が挿入される穴325をそれぞれ形成し、下ケース301と上ケース302とを合わせた状態でピン315
が穴325から突出するので、図8に示すように、ピン315の先端部を溶融して熱カシメ331〜336で下ケース301と上ケース302を固定している。
【0052】
パッキンシート(シール部材)304は、板状としている。シール部材を板状とすることにより、形状、大きさに対する制約が少なくなり、より幅広い対応が可能となる。このシール部材304をシリコンゴムで形成することにより、部品コストの低減を図れる。また、シール部材304の硬度は、50度(新JIS K 6253)を越えないことが好ましく、このように硬度にすることでシール性が向上する。さらに、シール部材304の厚みは0.5〜2mmであることが好ましく、このような厚みすることでシール性が向上する。
【0053】
このフィルタユニット210を組み立てるには、下ケース301にフィルタ303を熱溶着し、その上にパッキンシート(シール部材)304を載せ、更に、パッキンシート304の上に上ケース302をリブ323の面を下側にして載せる。これにより、図14(a)に示すように、下ケース301のリブ313上にパッキンシート304が載り、パッキンシート304に上ケース301のリブ323a、323bが載った状態になる。
【0054】
この図14(a)の状態から下ケース301と上ケース302とを加圧することによって、パッキンシート304は、下側から下ケース301のリブ313で押圧されて変形し、上側から上ケース302のリブ323a、323bで押圧されて変形して、同図(b)に示すように、パッキンシート304が潰され、下ケース301と上ケース302との間はシール部材304でシール(封止)された状態になる。ただし、リブ313、323a、323bの高さ分パッキンシート304が潰されたときにリブ313、323a、323bの平面部がパッキンシート304に接触し、抵抗が急激に上昇すると、パッキンシート304はそれ以上潰されない状態になって、最適なシール状態になる。つまり、リブの高さによってシール部材304の潰し量を管理することができる。
【0055】
このとき、下ケース301のリブ313は上ケース302のリブ323a、323b間に入り込んだ状態になり、シール部材304のシール面は上下三箇所のリブ313、323a、323bの先端に集中し、より高いシール性が得られ、また位置ずれしにくくなる。
【0056】
そして、図14(b)に示す状態でシール性が保たれるよう、図8に示すように上ケース302と下ケース301とを熱カシメで固定して繋ぎ合せる。なお、固定する方法は、ネジ止め、スナップフィットなどでもよい。
【0057】
このように、フィルタ部材の上流側及び下流側の流路を形成するための少なくとも2つのケース部材が繋ぎ合わされ、2つのケース部材の間にシール部材が挟み込まれ、各ケース部材のシール部材と接触する面側にはフィルタ部材の周囲に対応するリブが周状に形成されて、各リブでシール部材を押圧して変形させることでシールすることによって、シール部材を2つのケースの間に確実挟み込むことができて、記録液の漏れが防止され、ヘッド部及び装置の信頼性が向上する。
【0058】
次に、フィルタ303の形状に関して図15及び図16をも参照して説明する。上述したように、上ケース302の両端の連結部321A、3217Bからフィルタユニット210内に導入されるインクを、フィルタ303A、303Bを介して、下ケース301の中央部に配置した記録ヘッド34側との連結部312A、3125Bに導くために、フィルタ303A、303Bは、図示のように平面形状で略涙形状に形成したものを用いている。
【0059】
つまり、図16に示すように、記録ヘッド34側のインク供給口34A、34Bをノズル列34Nに沿う方向の中央部にとノズル列34Nに沿う方向と直交する方向に並べて形成している。この場合、1つの記録ヘッド34の2つのノズル列34N1、34N2に対応する共通液室に対して異なる色の記録液を供給する場合、ノズル列34Nに沿う方向のフィルタ303A、303Bの一端部にインクを導入し、フィルタ303A、303Bの他端部からインクを記録ヘッド34のインク供給口34A,34Bに導出することによって、フィルタ303A、303Bの略全面を使用することができて、フィルタリング効率が向上する。
【0060】
なお、上記実施形態では、負圧発生機構を有するヘッドタンク(記録液供給手段)と記録ヘッドとの間に介在するフィルタユニットに本発明を適用したが、ヘッドタンクを備えないで、キャリッジに交換可能に記録液カートリッジ(記録液供給手段)を搭載した場合に、記録液カートリッジから記録ヘッドに供給する流路中に配置するフィルタユニットなどにも同様に適用することができる。また、ヘッドタンクには負圧発生機構を有していないものを使用することもできる(この場合の負圧は例えばメインタンクとの水頭差などで形成することができる。)。さらに、本発明に係る画像形成装置は、プリンタ単機能構成のものに限らず、プリンタ/ファクシミリ/複写などの複合機能を有する画像形成装置であっても良く、また、インク以外の記録液などの液体を使用する装置であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の前方側から見た斜視説明図である。
【図2】同装置の機構部の全体構成を説明する側面概略構成図である。
【図3】同機構部の要部平面説明図である。
【図4】同画像形成装置のヘッドタンクの概略正面説明図である。
【図5】同ヘッドタンクのタンク本体の斜視説明図である。
【図6】同タンク本体を反対側から見た斜視説明図である。
【図7】同タンク本体の底面説明図である。
【図8】フィルタユニット部の斜視説明図である。
【図9】同フィルタユニットの分解斜視説明図である。
【図10】同フィルタユニットの下ケースの斜視説明図である。
【図11】図10のA部の拡大断面説明図である。
【図12】同フィルタユニットの上ケースの下側から見た斜視説明図である。
【図13】図12のA部の拡大断面説明図である。
【図14】同フィルタユニットの組立て時におけるリブ部分の拡大断面説明図である。
【図15】同フィルタユニットの模式的平面説明図である。
【図16】記録ヘッドのノズル配置及びインク供給口の配置の説明に供する模式的説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1…装置本体
2…給紙トレイ
3…排紙トレイ
4…カートリッジ装填部
10k、10c、10m、10y…インクカートリッジ
33…キャリッジ
34…記録ヘッド
35…ヘッドタンク
51…搬送ベルト
210…フィルタユニット
301…下ケース
302…上ケース
303…フィルタ
304…シール部材
313、323a、323b…リブ
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、特に、ノズルから記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを備えた画像形成装置関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ/ファックス/コピア或いはこれらの機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを用いて、被記録媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、記録媒体、転写材なども同義で使用する。)を搬送しながら、記録液の液滴(以下、インク滴ともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうインクジェット方式の画像形成部を搭載したものが知られている。
【0003】
このようなインクジェット記録方式の画像形成装置において、記録ヘッドに対して記録液を供給する方式には、記録ヘッドを搭載するキャリッジに記録液を収容した記録液供給手段であるインクカートリッジを着脱自在に装着し、このインクカートリッジから記録ヘッドに記録液を供給する方式と、キャリッジ上に記録ヘッドに記録液を供給する記録液供給手段である小容量のヘッドタンク(サブタンクともいう。)を搭載し、記録液収容手段である大容量のメインカートリッジ(メインタンク)を装置本体側に設置し、ヘッドタンクに装置本体側のメインカートリッジから記録液(インク)を補充供給する方式とが知られている。
【0004】
そして、記録液供給手段から記録ヘッドに対する記録液供給流路内には記録液を濾過して異物などを除去するためのフィルタ部材が設けられる。従来のフィルタ部材を含むフィルタユニットとしては、特許文献1に記載されているように、一次側ハウジングと二次側ハウジングとを超音波溶着して形成されたハウジング内にフィルタを収納し、更に一次側ハウジングに超音波溶着部分より内側の位置でフィルタの一方の片面の外周部分に当接する一次側当接部を、二次側ハウジングに超音波溶着部分より内側の位置でフィルタの他方の片面の外周部分に当接する二次側当接部をそれぞれ設けたフィルタユニットがある。
【特許文献1】特開2005−225109号公報
【0005】
また、特許文献2には、記録ヘッドとインクカートリッジを接続する部分に弾性部材を入れてシールすることが記載されている。
【特許文献2】特開2000−229420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように記録液供給手段から記録ヘッドに対する流路中にフィルタ部材を配置する場合、特に大量印刷を用途とするインクジェット記録装置の場合、フィルタ部材としてはインク流路の数倍〜数十倍の面積が必要であり、フィルタ部材の上下空間を必要とすることから、フィルタを保持するケースを少なくとも二分割してその一方にフィルタを溶着などで設け、一方のケースと他方のケースとを合わせてインク漏れが生じないようにシールしなければならない。
【0007】
このように、2つのケースを合わせてシールする方法としては、超音波やレーザーによって接合面の樹脂を融着し接合する方法、シール剤を塗布し固着する方法、或いはシール材を挟みこみ、ねじ、熱カシメ、スナップフィットなどにより固定する方法が考えられる。
【0008】
上述した特許文献1はこのうち2つのケースを超音波融着によって接合するものであるが、このような接合方法は専用設備が必要であり、加工の際、ごみの発生や熱による変形が起こりやすいという課題がある。また、2つのケースの間にシール材を挟み込んで固定するという方法では、シール部材の挟み込みが十分でなく、インク漏れなどを生じ易くなるという課題がある。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、記録液漏れを生じることなくフィルタ部材を保持する信頼性の高い画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、フィルタ部材の上流側及び下流側の流路を形成するための少なくとも2つのケース部材が繋ぎ合わされ、2つのケース部材の間にシール部材が挟み込まれ、各ケース部材のシール部材と接触する面側にはフィルタ部材の周囲に対応するリブが周状に形成されて、各リブでシール部材を押圧して変形させることでシールしている構成とした。
【0011】
ここで、一方のケース部材に形成されたリブが他方のケース部材に形成されたリブの間に位置する関係でシール部材を押圧していることが好ましい。また、リブの先端形状が0.2ないし2RのR形状であることが好ましい。また、リブの高さはシール部材の厚みの1/3〜2/3の範囲内であることが好ましい。
【0012】
また、シール部材は板状であること、シリコンゴムから形成されていること、硬度が50度(新JIS K 6253)を越えないこと、厚みが0.5〜2mmであることが好ましい。
【0013】
また、2つのケースは加圧された状態でネジ、熱カシメ及びスナップフィットの少なくともいずれかにより互いに固定されている構成とすることができる。さらに、記録液供給手段は、負圧発生機構を備えている構成、負圧発生機構を備えていない構成のいずれともできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る画像形成装置によれば、フィルタ部材の上流側及び下流側の流路を形成するための少なくとも2つのケース部材が繋ぎ合わされ、2つのケース部材の間にシール部材が挟み込まれ、各ケース部材のシール部材と接触する面側にはフィルタ部材の周囲に対応するリブが周状に形成されて、各リブでシール部材を押圧して変形させることでシールしている構成としたので、シール部材を確実挟み込むことができて記録液の漏れが防止され、信頼性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方側から見た斜視説明図である。
このインクジェット記録装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
【0016】
このカートリッジ装填部4には、色の異なる色材である記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の記録液収容手段としての記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。
【0017】
次に、このインクジェット記録装置の機構部について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の概要を示す側面模式的説明図、図3は同じく要部平面説明図である。
左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図3で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0018】
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0019】
記録ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
【0020】
記録ヘッド34を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0021】
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク35a、35b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられている。
【0022】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
【0023】
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
【0024】
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図3のベルト搬送方向に周回移動する。
【0025】
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
【0026】
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
【0027】
さらに、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。
【0028】
この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。
【0029】
また、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
【0030】
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0031】
このとき、帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
【0032】
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0033】
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
【0034】
なお、この画像形成装置のようにヘッドタンクを搭載する構成にすることによって多量に印刷を行う用途での記録液カートリッジの交換の手間が少なくなるという利点がある。これに対し、ヘッドタンクを搭載しない構成では、メインタンクからの記録液供給系が必要でなくなり、省スペース化やコストの低減を図ることができる。いずれの構成であっても本発明を適用することができる。
【0035】
次に、この画像形成装置におけるヘッドタンク35の具体的な一例について図9ないし図12を参照して説明する。なお、図9は同ヘッドタンクの正面説明図、図10は同ヘッドタンクの容器本体の概略斜視説明図、図11は同じく図10と反対側の面側から見た容器本体の概略斜視説明図、図12は同容器本体の底面説明図である。
【0036】
このヘッドタンク35は、1つの記録ヘッド34の2つのノズル列にそれぞれ異なる色の記録液を供給するため容器本体(タンク本体)202の両側にそれぞれ記録液収容部であるインク収容部201A、201B(区別しないときは「インク収容部201」という。)を形成し、これらのインク収容部201A、201Bの開口には可撓性を有するフィルム状部材(可撓性フィルム状部材)211(図5のみ図示)を接着又は溶着などで貼り付けて封止し、更にインク収容部201A、201B内部にはタンク本体202とフィルム状部材211との間にフィルム状部材211を外方に付勢するための弾性部材であるバネ(スプリング)212を配設し、これらのフィルム状部材211及び弾性部材212によって負圧発生機構を構成している。なお、フィルム状部材211の変位に応じて変位する負圧検知レバーを備えるが図示を省略している。
【0037】
フィルム状部材211は単層構成でもよいが、種類の異なる第1層と第2層とをラミネートした二層構成、例えばポリエチレンとナイロンのフィルム状部材をラミネートした構成としたり、第1層にシリカ蒸着層を形成した構成とすることができる。
【0038】
また、タンク本体202の上部にはインク収容部201を大気に開放するための大気開放通路203を形成し、この大気開放通路203を開閉する大気開放機構204を備えている。この大気開放機構204は、通路204aを開閉するボール弁体204bと、このボール弁体204bを弁座204c側に付勢するスプリング204dなどで構成している。
【0039】
そして、インク収容部201の天面と大気開放通路203との間に隔壁部205を設け、この隔壁部205にインク収容部201と大気開放通路203とを連通する、前述したように、インク収容部201に収容される記録液粘度や処方によって、ヘッドタンク35が輸送時などの振動で揺れたときでも表面張力によるメニスカスが形成されて大気連通路203内まで記録液が侵入しない形状等を有する小孔206を形成している。
【0040】
また、タンク本体202にはインク収容部201にインクを供給するためのインク供給口部207を形成し、チューブ36が連結部材208で連結される。また、容器本体202の下部にはフィルタユニット部209が取り付けられ、このフィルタユニット部209を介して記録ヘッド34が取付けられる。さらに、タンク本体202の上部にはインク収容部201のインクを検出するための2本の検知電極216が設けられている。
【0041】
ここで、タンク本体202の底面には、インク収容部201A、201Bからフィルタユニット210に個別的にインクを供給するための供給口213A、213Bをそれぞれインク収容部201A、201Bの端部に形成し、また、供給口213A、213Bを中央部分に配置するためにインク収容部201A、201Bには他方の収容部に膨らんだ膨出部214A、214Bを形成している。
【0042】
このように構成したヘッドタンク35においては、弾性部材212によってフィルム状部材211が外方に押されることにより、インク収容部201内に負圧が発生する。
【0043】
そこで、このヘッドタンク35と記録ヘッド34との間に介在するフィルタユニット210の詳細について図8ないし図16を参照して説明する。
このフィルタユニット210は、繋ぎ合わされる2つのケース部材である下ケース301及び上ケース302と、下ケース301と上ケース302との間に配置したフィルタ303A、303B(区別しないときは「フィルタ303」という。以下、他の用語についても同様である。)、下ケース301と上ケース302との間に介在したシール部材(パッキンシート)304とを備えている。
【0044】
下ケース301には、フィルタ303A、303Bを通過したインクを受ける流路ないし空間となるインク受け部311A、311Bが形成され、このインク受け部311A、311Bには記録ヘッド34の各ノズル列に対応するインク供給口部と連結する連結部312A、312Bをそれぞれ形成している。この下ケース301にはインク受け部311A、311Bに対応して図9に示すように平面形状で略涙滴形状に形成したフィルタ303A,393Bが予め熱溶着されて取付けられる。
【0045】
また、この下ケース301のシール部材304と接触する面側には、図10及び図11にも示すように、フィルタ303の外周に沿って周状にリブ(凸部)313を形成している。このリブ313の先端部313aの形状はR形状(アール形状)とすることでシール部材304を押圧変形させたときにシール部材304を損傷することを防止できる。なお、図11ではフィルタ303を熱溶着した後の状態で示している。
【0046】
このリブ313の先端部313aのR形状については、シール部材304の硬度、厚み、下ケース301の材質など、及びレイアウトの余裕度によって選択することができるが、0.2〜2Rとすることが好ましい。ここでは、シール部材(パッキンシート)304の硬度を40度、厚み1mmとして、リブ313のR形状は0.4mmとしている。
【0047】
また、リブ313の高さHは、シール部材304の硬度、厚み、下ケース301の材質などによって選択することができるが、シール部材304の厚みの1/3〜2/3の範囲内とすることで、シール部材304を確実に押圧変形させてシール性を高めることができる。ここでは、リブ313の高さHは、シール部材304の厚みに対して1/2としている。
【0048】
一方、上ケース302には、ヘッドタンク35のインク収容部201A、201Bの供給口部213A、213Bにそれぞれ連結する連結部321A、321Bを設け、この連結部321内の流路でフィルタ303の上流側の流路ないし空間を形成している。
【0049】
そして、この上ケース302のシール部材304と接触する面側には、図12及び図13にも示すように、フィルタ303の外周に沿うように周状に2本のリブ(凸部)323a、323bを形成している。このリブ323a、323aの先端部の形状、高さについては、前述した下ケース301のリブ313と同様であるので説明を省略する。
【0050】
上述した下ケース301のリブ313と上ケース302のリブ323a、323bとの関係は、下ケース301と上ケース302とを繋ぎ合せたときに、一方のリブ313が他方のリブ323a、323bの間に位置する関係としている。
【0051】
また、下ケース301と上ケース302とを繋ぎ合わせるために、下ケース301には複数本の溶融可能なピン315を、上ケース302にはピン315が挿入される穴325をそれぞれ形成し、下ケース301と上ケース302とを合わせた状態でピン315
が穴325から突出するので、図8に示すように、ピン315の先端部を溶融して熱カシメ331〜336で下ケース301と上ケース302を固定している。
【0052】
パッキンシート(シール部材)304は、板状としている。シール部材を板状とすることにより、形状、大きさに対する制約が少なくなり、より幅広い対応が可能となる。このシール部材304をシリコンゴムで形成することにより、部品コストの低減を図れる。また、シール部材304の硬度は、50度(新JIS K 6253)を越えないことが好ましく、このように硬度にすることでシール性が向上する。さらに、シール部材304の厚みは0.5〜2mmであることが好ましく、このような厚みすることでシール性が向上する。
【0053】
このフィルタユニット210を組み立てるには、下ケース301にフィルタ303を熱溶着し、その上にパッキンシート(シール部材)304を載せ、更に、パッキンシート304の上に上ケース302をリブ323の面を下側にして載せる。これにより、図14(a)に示すように、下ケース301のリブ313上にパッキンシート304が載り、パッキンシート304に上ケース301のリブ323a、323bが載った状態になる。
【0054】
この図14(a)の状態から下ケース301と上ケース302とを加圧することによって、パッキンシート304は、下側から下ケース301のリブ313で押圧されて変形し、上側から上ケース302のリブ323a、323bで押圧されて変形して、同図(b)に示すように、パッキンシート304が潰され、下ケース301と上ケース302との間はシール部材304でシール(封止)された状態になる。ただし、リブ313、323a、323bの高さ分パッキンシート304が潰されたときにリブ313、323a、323bの平面部がパッキンシート304に接触し、抵抗が急激に上昇すると、パッキンシート304はそれ以上潰されない状態になって、最適なシール状態になる。つまり、リブの高さによってシール部材304の潰し量を管理することができる。
【0055】
このとき、下ケース301のリブ313は上ケース302のリブ323a、323b間に入り込んだ状態になり、シール部材304のシール面は上下三箇所のリブ313、323a、323bの先端に集中し、より高いシール性が得られ、また位置ずれしにくくなる。
【0056】
そして、図14(b)に示す状態でシール性が保たれるよう、図8に示すように上ケース302と下ケース301とを熱カシメで固定して繋ぎ合せる。なお、固定する方法は、ネジ止め、スナップフィットなどでもよい。
【0057】
このように、フィルタ部材の上流側及び下流側の流路を形成するための少なくとも2つのケース部材が繋ぎ合わされ、2つのケース部材の間にシール部材が挟み込まれ、各ケース部材のシール部材と接触する面側にはフィルタ部材の周囲に対応するリブが周状に形成されて、各リブでシール部材を押圧して変形させることでシールすることによって、シール部材を2つのケースの間に確実挟み込むことができて、記録液の漏れが防止され、ヘッド部及び装置の信頼性が向上する。
【0058】
次に、フィルタ303の形状に関して図15及び図16をも参照して説明する。上述したように、上ケース302の両端の連結部321A、3217Bからフィルタユニット210内に導入されるインクを、フィルタ303A、303Bを介して、下ケース301の中央部に配置した記録ヘッド34側との連結部312A、3125Bに導くために、フィルタ303A、303Bは、図示のように平面形状で略涙形状に形成したものを用いている。
【0059】
つまり、図16に示すように、記録ヘッド34側のインク供給口34A、34Bをノズル列34Nに沿う方向の中央部にとノズル列34Nに沿う方向と直交する方向に並べて形成している。この場合、1つの記録ヘッド34の2つのノズル列34N1、34N2に対応する共通液室に対して異なる色の記録液を供給する場合、ノズル列34Nに沿う方向のフィルタ303A、303Bの一端部にインクを導入し、フィルタ303A、303Bの他端部からインクを記録ヘッド34のインク供給口34A,34Bに導出することによって、フィルタ303A、303Bの略全面を使用することができて、フィルタリング効率が向上する。
【0060】
なお、上記実施形態では、負圧発生機構を有するヘッドタンク(記録液供給手段)と記録ヘッドとの間に介在するフィルタユニットに本発明を適用したが、ヘッドタンクを備えないで、キャリッジに交換可能に記録液カートリッジ(記録液供給手段)を搭載した場合に、記録液カートリッジから記録ヘッドに供給する流路中に配置するフィルタユニットなどにも同様に適用することができる。また、ヘッドタンクには負圧発生機構を有していないものを使用することもできる(この場合の負圧は例えばメインタンクとの水頭差などで形成することができる。)。さらに、本発明に係る画像形成装置は、プリンタ単機能構成のものに限らず、プリンタ/ファクシミリ/複写などの複合機能を有する画像形成装置であっても良く、また、インク以外の記録液などの液体を使用する装置であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の前方側から見た斜視説明図である。
【図2】同装置の機構部の全体構成を説明する側面概略構成図である。
【図3】同機構部の要部平面説明図である。
【図4】同画像形成装置のヘッドタンクの概略正面説明図である。
【図5】同ヘッドタンクのタンク本体の斜視説明図である。
【図6】同タンク本体を反対側から見た斜視説明図である。
【図7】同タンク本体の底面説明図である。
【図8】フィルタユニット部の斜視説明図である。
【図9】同フィルタユニットの分解斜視説明図である。
【図10】同フィルタユニットの下ケースの斜視説明図である。
【図11】図10のA部の拡大断面説明図である。
【図12】同フィルタユニットの上ケースの下側から見た斜視説明図である。
【図13】図12のA部の拡大断面説明図である。
【図14】同フィルタユニットの組立て時におけるリブ部分の拡大断面説明図である。
【図15】同フィルタユニットの模式的平面説明図である。
【図16】記録ヘッドのノズル配置及びインク供給口の配置の説明に供する模式的説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1…装置本体
2…給紙トレイ
3…排紙トレイ
4…カートリッジ装填部
10k、10c、10m、10y…インクカートリッジ
33…キャリッジ
34…記録ヘッド
35…ヘッドタンク
51…搬送ベルト
210…フィルタユニット
301…下ケース
302…上ケース
303…フィルタ
304…シール部材
313、323a、323b…リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルから記録液の液滴を吐出する記録ヘッドに対して記録液を濾過するためのフィルタ部材を介して記録液供給手段から記録液を供給する画像形成装置において、前記フィルタ部材の上流側及び下流側の流路を形成する少なくとも2つのケース部材が繋ぎ合わされ、2つのケース部材の間にシール部材が挟み込まれ、各ケース部材の前記シール部材と接触する面側には前記フィルタ部材の周囲に対応するリブが周状に形成されて、各リブで前記シール部材を押圧して変形させることでシールしていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、一方のケース部材に形成されたリブが他方のケース部材に形成されたリブの間に位置する関係で前記シール部材を押圧していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記リブの先端形状が0.2ないし2RのR形状であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記リブの高さは前記シール部材の厚みの1/3〜2/3の範囲内であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記シール部材は板状であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記シール部材はシリコンゴムから形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記シール部材は硬度が50度(新JIS K 6253)を越えないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記シール部材は厚みが0.5〜2mmであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記2つのケースは加圧された状態でネジ、熱カシメ及びスナップフィットの少なくともいずれかにより互いに固定されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録液供給手段は負圧発生機構を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録液供給手段は負圧発生機構を備えていないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
ノズルから記録液の液滴を吐出する記録ヘッドに対して記録液を濾過するためのフィルタ部材を介して記録液供給手段から記録液を供給する画像形成装置において、前記フィルタ部材の上流側及び下流側の流路を形成する少なくとも2つのケース部材が繋ぎ合わされ、2つのケース部材の間にシール部材が挟み込まれ、各ケース部材の前記シール部材と接触する面側には前記フィルタ部材の周囲に対応するリブが周状に形成されて、各リブで前記シール部材を押圧して変形させることでシールしていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、一方のケース部材に形成されたリブが他方のケース部材に形成されたリブの間に位置する関係で前記シール部材を押圧していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記リブの先端形状が0.2ないし2RのR形状であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記リブの高さは前記シール部材の厚みの1/3〜2/3の範囲内であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記シール部材は板状であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記シール部材はシリコンゴムから形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記シール部材は硬度が50度(新JIS K 6253)を越えないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記シール部材は厚みが0.5〜2mmであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記2つのケースは加圧された状態でネジ、熱カシメ及びスナップフィットの少なくともいずれかにより互いに固定されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録液供給手段は負圧発生機構を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録液供給手段は負圧発生機構を備えていないことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−136871(P2007−136871A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−334202(P2005−334202)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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