説明

画像形成装置

【課題】装置を持ち上げる必要がない時には、引退姿勢に切り換えてある把持部材を装置持ち上げ以外の用途に有効利用できるようにする。
【解決手段】装置持ち上げ時に把持される把持部材1を、装置外側面2よりも横外側方に突出していて把持可能な突出姿勢と、突出姿勢よりも装置側に引退している引退姿勢とに姿勢切換自在に設けてある画像形成装置であって、把持部材を、その把持部材の上下揺動操作によって、突出姿勢と、突出姿勢よりも装置側に引退し、かつ、装置底面12よりも下方に突出する引退姿勢とに姿勢切換自在に設けて、引退姿勢において装置支持用の脚部材13として使用可能に設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置持ち上げ時に把持される把持部材を、装置外側面よりも横外側方に突出していて把持可能な突出姿勢と、前記突出姿勢よりも装置側に引退している引退姿勢とに姿勢切換自在に設けてある画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置では、その装置を持ち上げる必要がない時には、把持部材を引退姿勢に切り換えて、邪魔にならないように装置内側に格納できるように設けてあり、把持部材を装置持ち上げ以外の用途に利用することができない(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−258969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、装置を持ち上げる必要がない時には、引退姿勢に切り換えてある把持部材を装置持ち上げ以外の用途に有効利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、装置持ち上げ時に把持される把持部材を、装置外側面よりも横外側方に突出していて把持可能な突出姿勢と、前記突出姿勢よりも装置側に引退している引退姿勢とに姿勢切換自在に設けてある画像形成装置であって、前記把持部材を、その把持部材の上下揺動操作によって、前記突出姿勢と、前記突出姿勢よりも装置側に引退し、かつ、装置底面よりも下方に突出する引退姿勢とに姿勢切換自在に設けて、前記引退姿勢において装置支持用の脚部材として使用可能に設けてある点にある。
【0006】
〔作用及び効果〕
把持部材の上下揺動操作によって、把持部材を、装置外側面よりも横外側方に突出していて把持可能な突出姿勢と、その突出姿勢よりも装置側に引退している引退姿勢とに簡便に切り換えることができるのであるが、装置持ち上げ時に突出姿勢に切り換えて把持される把持部材は、装置を設置面に設置してあるときには特に使用する必要が無く、また、装置を設置面に設置してあるときに必要な装置支持用の脚部材は、装置持ち上げ時には特に使用する必要が無い点に着目して、引退姿勢においては、把持部材が装置底面よりも下方に突出していて、その把持部材を装置支持用の脚部材として使用可能に設けてあるので、装置を持ち上げる必要がない時には、引退姿勢に切り換えてある把持部材を装置持ち上げ以外の用途に有効利用できる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記把持部材に、前記脚部材としての使用時に装置設置面との間に介在させる弾性材を設けてある点にある。
【0008】
〔作用及び効果〕
把持部材に、脚部材としての使用時に装置設置面との間に介在させる弾性材を設けてあるので、把持部材で設置面に支持してある画像形成装置に設置面からの振動が伝わりにくく、画像形成機能に支障が生じにくい。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記把持部材を、前記引退姿勢における前記装置底面よりも下方への突出長さを調節自在に設けてある点にある。
【0010】
〔作用及び効果〕
把持部材を、引退姿勢における装置底面よりも下方への突出長さを調節自在に設けてあるので、引退姿勢における把持部材の装置底面よりも下方への突出長さを調節して、がたつきが生じないように装置を設置し易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図3は本発明による画像形成装置の一例としての複写装置Aを示し、装置持ち上げ時に把持される四個の四角柱状の金属製把持部材1を、装置横外側面2よりも外側方に突出していてその把持部材1を把持可能な突出姿勢(図中、仮想線で示している)と、その突出姿勢よりも装置側に引退している引退姿勢(図中、実線で示している)とに姿勢切換自在に設けてある。
【0012】
前記複写装置Aは、感光体ドラムや帯電ユニット,現像ユニット,転写ユニット,定着ユニットなどを備えた電子写真式画像形成部を設けてある装置本体3と、装置本体3の下部に設けてある複数の給紙用トレイ4aを備えた給紙部4と、装置本体3の上部に設けてある原稿処理部5と操作パネル6とを設け、操作パネル6の操作に基づいて、複写原稿を原稿搬送部7で原稿読取部8に搬送してその画像情報を読み取り、その読み取った画像情報に基づいて形成したトナー像を給紙部4から給紙された用紙に転写して定着させた後、その用紙を排紙トレイ(図外)に排出できるように構成してある。
【0013】
前記把持部材1は、装置本体3の機枠前面側と機枠背面側との夫々に、装置左右方向に間隔を隔てて二個ずつ、装置前後方向に沿う横軸芯(揺動軸芯)X周りで装置左右方向に沿って上下揺動自在に支持してあり、図3にも示すように、把持部材1との接当でその揺動範囲を規制するストッパー9,10を機枠11にビス止めしてある。
【0014】
そして、各把持部材1を、把持部材1の上向き揺動操作によって上部ストッパー9に接当させて、装置横外側面2よりも横外側方に略水平に突出している突出姿勢に切り換え、把持部材1の下向き揺動操作によって、下部ストッパー10に接当させて、突出姿勢よりも装置側に引退し、かつ、装置底面12よりも下方に略垂直に突出する引退姿勢に切り換えて、引退姿勢において装置設置面14への設置時の装置支持用の脚部材13として使用可能に設けてある。
【0015】
前記把持部材1の揺動端側には、脚部材13としての使用時に装置設置面14との間に介在させるゴム製緩衝材(弾性材の一例)15を一体に形成してある有底筒状の滑り止めカバー材16を外嵌してある。
【0016】
〔第2実施形態〕
図4は本発明による画像形成装置の別実施形態を示し、突出姿勢に切り換えてある把持部材1(図中、仮想線で示している)の揺動端側を横外側方に突出させる上部切欠き17と、引退姿勢に切り換えてある把持部材1(図中、実線で示している)の揺動端側を下方に突出させる下部切欠き18とを形成してある外装カバー19を機枠11にビスなどで着脱自在に固定して、把持部材1の基部側を覆ってあるとともに、突出姿勢に切り換えてある把持部材1の下向き揺動や、引退姿勢に切り換えてある把持部材1の上向き揺動を外装カバー19との接当で防止して、把持部材1の姿勢を突出姿勢又は引退姿勢に固定できるように構成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0017】
〔第3実施形態〕
図5,図6は本発明による画像形成装置の別実施形態を示し、把持部材1を突出姿勢又は引退姿勢に固定するための共通の固定金具20を、図5に示すように、把持部材1を突出姿勢に切り換えたときには、その把持部材1を上部ストッパー9とで上下方向から挟み付けるように機枠11にビス止めして突出姿勢に固定でき、把持部材1を引退姿勢に切り換えるときには、その固定金具20を外して、図6に示すように、引退姿勢に切り換えた把持部材1を下部ストッパー10とで左右方向から挟み付けるように機枠11にビス止めして引退姿勢に固定できるようにしてある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0018】
〔第4実施形態〕
図7は本発明による画像形成装置の別実施形態を示し、把持部材1を、揺動軸芯X側の基部側部分21と、滑り止めカバー材16を外嵌してある揺動端側部分22とに分割し、基部側部分21に設けた雄ねじ部材23に揺動端側部分22を螺合連結できるように構成して、揺動端側部分22の雄ねじ部材23に対するねじ込み量を調節することにより、引退姿勢における把持部材1の装置底面12よりも下方への突出長さを調節自在に設けてある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0019】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による画像形成装置は、外装カバーなどの装置外側面の外側において、把持部材を突出姿勢と引退姿勢とに姿勢切換自在に設けてあっても良い。
2.本発明による画像形成装置は、装置の前後方向外側面よりも外側方に突出していて把持可能な突出姿勢と、その突出姿勢よりも装置側に引退している引退姿勢とに姿勢切換自在に設けてあっても良い。
3.本発明による画像形成装置は、画像形成装置を机の上などに設置するために、把持部材を引退姿勢において装置支持用の脚部材として使用可能に設けてあっても良い。
4.本発明による画像形成装置は、複写装置以外のプリンターやファックスなどの電子写真式画像形成装置であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】画像形成装置の正面図
【図2】画像形成装置の平面図
【図3】要部の斜視図
【図4】第2実施形態を示す要部の斜視図
【図5】第3実施形態を示す要部の斜視図
【図6】第3実施形態を示す要部の斜視図
【図7】第4実施形態を示す要部の一部断面側面図
【符号の説明】
【0021】
1 把持部材
2 装置外側面
12 装置底面
13 脚部材
14 装置設置面
15 弾性材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置持ち上げ時に把持される把持部材を、装置外側面よりも横外側方に突出していて把持可能な突出姿勢と、前記突出姿勢よりも装置側に引退している引退姿勢とに姿勢切換自在に設けてある画像形成装置であって、
前記把持部材を、その把持部材の上下揺動操作によって、前記突出姿勢と、前記突出姿勢よりも装置側に引退し、かつ、装置底面よりも下方に突出する引退姿勢とに姿勢切換自在に設けて、前記引退姿勢において装置支持用の脚部材として使用可能に設けてある画像形成装置。
【請求項2】
前記把持部材に、前記脚部材としての使用時に装置設置面との間に介在させる弾性材を設けてある請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記把持部材を、前記引退姿勢における前記装置底面よりも下方への突出長さを調節自在に設けてある請求項1又は2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−163870(P2007−163870A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−360575(P2005−360575)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】