説明

画像形成装置

【課題】本発明は、記録シートの端部のみに湿気を帯びた場合であっても、記録シートをベルトの搬送面上に一様に伸ばして載せることによって、画像品質の向上を図ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置は、記録シート(用紙51)を載せて搬送する搬送面73Aを有するベルト73と、ベルト73上の記録シートに画像を形成する画像形成部と、記録シートをベルト73の搬送面73Aに向けて案内する案内部材100と、を備えている。そして、案内部材100は、先端部111,121において記録シートを挟持する一対の可撓性の案内板110,120を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録シートをベルトの搬送面に向けて案内する案内部材を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、記録シートをベルトによって搬送しながら、そのベルトに対向するように配置されたプロセスユニット等の画像形成部によって記録シートに画像を形成する画像形成装置が提案されている。この種の画像形成装置では、ベルトの搬送面に記録シートを一様に伸ばして載せないと、記録シートに皺が生じて画像の一部が欠落する場合がある。
【0003】
そこで、記録シートを斜め上方からベルトの搬送面に向けて案内する案内部材に、記録シート幅方向中央からベルトの搬送面側に向けて突出した突起を設けることが提案されている(特許文献1参照)。このような突起を設けると、記録シートは、その幅方向中央部が突起によって下方にあるベルト側へ押圧され、その幅方向中央部から幅方向両端部に向かって徐々にベルトの搬送面に当接する。このようにして記録シートの幅方向中央部がベルトの搬送面に先に当接した後、幅方向中央部側から幅方向両端部側に向けて徐々に記録シートが搬送面に当接すると、記録シートとベルトとの間に空気が入らず、ベルトの搬送面に記録シートを一様に伸ばして載せることができる。
【0004】
【特許文献1】特開平9−175685号公報(段落0035,0036)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本願発明者は、湿度の高い環境(特に高温高湿環境)において多数枚重ねられた状態で長時間放置された記録シートが、上述の従来技術の装置において用いられると、画像品質が低下することを発見した。
【0006】
つまり、湿度の高い環境において多数枚重ねられた状態で長時間放置された記録シートは、記録シートの中央部が乾いたままで、記録シートの端部のみが湿気を帯びた状態となる。このように端部のみが湿気を帯びた記録シートは、中央部の剛性(コシ)が端部の剛性よりも強くなる。
【0007】
そのため、このような端部よりも中央部の剛性が強くなる記録シートがローラなどにより搬送されると、記録シートの幅方向中央部がローラ等により強く押し出されて幅方向両端部よりも搬送方向下流側に突出(先行)し、幅方向両端部に皺が発生することがあった。そして、このように幅方向中央部が先行した記録シートが案内部材に突入すると、先行した幅方向中央部が案内部材の突起でベルト側に押圧されることで、先行が助長され、幅方向両端部の皺の発生も助長されるといった問題があった。そのため、この状態の記録シートがベルトの搬送面に載せられると、記録シートとベルトの搬送面との間に隙間が形成され、その隙間から空気を十分に排除できず、画像品質が低下する可能性があった。
【0008】
そこで、本発明は、記録シートの端部のみに湿気を帯びた場合であっても、記録シートをベルトの搬送面上に一様に伸ばして載せることによって、画像品質の向上を図ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決する本発明は、記録シートを載せて搬送する搬送面を有するベルトと、前記ベルト上の記録シートに画像を形成する画像形成部と、記録シートを前記ベルトの搬送面に向けて案内する案内部材と、を備えた画像形成装置であって、前記案内部材は、先端部において記録シートを挟持する一対の可撓性の案内板を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、一対の案内板の先端部で記録シートが挟持されるので、記録シートの皺が矯正された状態で、記録シートがベルトの搬送面に案内される。この結果、記録シートとベルトの搬送面との間に空気が溜まることがないので、画像品質を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、記録シートの端部のみに湿気を帯びた場合であっても、一対の案内板の先端部で記録シートを挟持することで記録シートの皺が矯正されるので、記録シートをベルトの搬送面上に一様に伸ばして載せることができ、画像品質を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの全体構成を示す要部断面図である。なお、以下の説明においては、まず、カラーレーザプリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することとする。
【0013】
<カラーレーザプリンタの全体構成>
図1に示すように、カラーレーザプリンタ1は、本体2内に記録シートの一例としての用紙51を供給する給紙部5や、給紙された用紙51に画像を形成する画像形成部6などを備えている。
【0014】
なお、以下の説明において、特に断りがないかぎり図1に示した上下方向を上下、図1における左側を手前、右側を奥、紙面の奥側を左、紙面の手前側を右として、各方向を示す。ここでの左右は、カラーレーザプリンタ1の手前側に立った者から見た方向を基準として規定してある。
【0015】
<給紙部の構成>
給紙部5は、本体2に着脱自在に装着される給紙トレイ50と、給紙トレイ50から用紙51を画像形成部6へ搬送する用紙供給機構58とからなる。
【0016】
用紙供給機構58は、給紙トレイ50の手前側端部に設けられた、給紙ローラ52、分離ローラ53、分離パッド54などからなり、これらにより用紙51が一枚ずつ分離されて上方へ送られる。上方へ向けて搬送された用紙51は、紙粉取りローラ55とピンチローラ56の間を通過する過程で紙粉が除去された後、搬送経路57を通って奥側へ方向転換され、案内部材100内を通ってベルト73の上に供給される。なお、案内部材100については後で詳述することとする。
【0017】
<画像形成部の構成>
画像形成部6は、スキャナ部61、プロセス部62、転写部63および定着部64を備えている。
【0018】
スキャナ部61は、本体2の上部に設けられており、図示はしないが、レーザ発光部、ポリゴンミラー、複数のレンズおよび反射鏡を備えている。スキャナ部61では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応させてレーザ発光部から発光されるレーザ光をポリゴンミラーで左右方向に高速で走査させ、複数のレンズおよび反射鏡を通過または反射させた後各感光ドラム31に照射している。
【0019】
プロセス部62は、スキャナ部61と転写部63の間に配置されており、複数(4つ)のドラムサブユニット30と、各ドラムサブユニット30に対応して設けられる複数の現像カートリッジ40とを備えている。ドラムサブユニット30は、感光ドラム31およびスコロトロン型帯電器(符号略)などを備え、現像カートリッジ40は、現像ローラ(符号略)などを備えている。
【0020】
そして、このプロセス部62では、スキャナ部61から出射されるレーザ光によって、感光ドラム31上に画像データに基づく静電潜像が形成され、この静電潜像に前述の現像ローラよりトナーが供給されることで、感光ドラム31上にトナー像が担持される。
【0021】
転写部63は、駆動ローラ71、従動ローラ72、ベルト73、転写ローラ74およびクリーニング部75を備えている。
【0022】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、離間して平行に配置され、これらの間にエンドレスベルトからなるベルト73が巻き掛けられている。ベルト73は、その外側の面が各感光ドラム31に接している。そして、ベルト73の内側には各感光ドラム31との間でベルト73を挟み込む転写ローラ74が配置されている。転写ローラ74には、図示しない高圧基板から転写バイアスが印加される。画像形成時には、ベルト73により搬送されてきた用紙51が感光ドラム31と転写ローラ74にベルト73を介して挟まれて、感光ドラム31上のトナー像が用紙51に転写される。
【0023】
クリーニング部75は、ベルト73の下方に配置され、ベルト73に付着したトナーを除去し、その下方に配置されたトナー貯留部76に除去したトナーを落下させるようになっている。
【0024】
定着部64は、加熱ローラ81および加圧ローラ82を備えている。そして、定着部64では、用紙51上に転写されたトナーを、用紙51が加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過する間に熱定着させている。なお、定着部64で熱定着された用紙51は、排紙ローラ92によって排紙トレイ93上に送り出される。
【0025】
<案内部材の構造>
次に、本発明の特徴部分となる案内部材100の構造について説明する。参照する図面において、図2は、案内部材を示す側面図(a)と、案内部材を図2(a)のX方向から見た矢視図(b)である。なお、以下の説明では、用紙51の搬送方向と直交する方向であって用紙51の端縁に沿って延びる方向(すなわち左右方向)を、幅方向とも呼ぶ。
【0026】
図2(a)に示すように、案内部材100は、用紙51をベルト73の搬送面73Aに向けて案内する部材であり、上下に並んだ一対の案内板110,120と、上下に並んだ一対の支持部130,140とを備えて構成されている。
【0027】
一対の案内板110,120は、可撓性のシート部材であり、先端部111,121が所定量だけはみ出すように一対の支持部130,140で基端部112,122を含む部分が支持されることによって、先端部111,121が撓み変形可能な自由端となっている。そして、一対の案内板110,120は、それぞれの先端部111,121で用紙51を挟持するために、それぞれの先端部111,121のみを当接させたV字状となるように配置されている。
【0028】
一対の案内板110,120は、図2(b)に示すように、それぞれの幅(左右方向の長さ)が用紙51の幅よりも大きくなるように形成されている。そして、一対の案内板110,120のうち上側に配置される案内板110(以下、「上側案内板110」ともいう。)の先端縁113は、その幅方向中央部が搬送方向下流側に突出するような略円弧状に形成されている。これに対し、一対の案内板110,120のうち下側に配置される案内板120(以下、「下側案内板120」ともいう。)の先端縁123は、幅方向に沿った直線状に形成されるとともに、上側案内板110の先端縁113の幅方向中央部と一致する位置に配置されている。これにより、下側案内板120の先端縁123の両端部が、上側案内板110の先端縁113の両端部よりも搬送方向下流側に突出している。
【0029】
図2(a)に示すように、一対の支持部130,140は、それぞれ上下に配置されるとともに、それらの間の間隔が搬送方向下流側に向かうにつれて徐々に狭まるようなハ字状に配置されている。そして、これらの支持部130,140のうち下側に配置される支持部140(以下、「下側支持部140」ともいう。)の先端縁141は、上側に配置される支持部130(以下、「上側支持部130」ともいう。)の先端縁131よりも搬送方向下流側に突出するように形成されている。そのため、下側支持部140で支持される下側案内板120が、上側支持部130で支持される上側案内板110よりも撓み難くなっている。
【0030】
なお、支持部130,140は、四角い筒状の部品の対向する部分として一体に形成されていてもよいし、板状の部品でそれぞれ1枚ずつ別々に構成されていてもよい。
【0031】
次に、本実施形態に係る案内部材100の作用について説明する。
図2(a)に示すように、給紙部5から送られてくる用紙51は、まず、上側案内板110の基端部112付近に当接した後、上側案内板110の下面に沿って搬送される。その後、用紙51は、一対の案内板110,120の先端部111,121で挟持される。そのため、用紙51に皺が発生していた場合には、一対の案内板110,120で挟持されることにより、皺が伸ばされることとなる。
【0032】
なお、用紙51の幅方向両端部のみが湿気を帯びている場合には、用紙51の幅方向中央部が搬送方向下流側へ突出するように先行して用紙51が搬送される。しかし、このように用紙51の幅方向中央部が先行した場合には、この先行した幅方向中央部は、図2(b)に示すように、搬送方向下流側へ突出する上側案内板110の幅方向中央部と下側案内板120とで挟持されることでブレーキ(摩擦力)がかけられる。一方、用紙51の幅方向中央部よりも遅れていた幅方向両端部は、上側案内板110の両端部が下側案内板120の両端部よりも搬送方向上流側に位置することにより、挟持によるブレーキが早い段階で解除されるので、ブレーキがかけられている用紙51の幅方向中央部に追いつくように搬送される。そのため、先行していた用紙51の幅方向中央部と、遅れていた用紙51の幅方向両端部とが揃えられてベルト73に搬送される。
【0033】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
一対の案内板110,120の先端部111,121で用紙51を挟持するので、用紙51の端部のみに湿気を帯びた場合であっても、用紙51の皺を伸ばすことができ、用紙51をベルト73の搬送面73A上で一様に伸ばして画像品質の向上を図ることができる。
【0034】
上側案内板110の幅方向中央部が搬送方向下流側へ突出するので、用紙51の幅方向中央部が先行して搬送される場合には、その幅方向中央部を下側案内板120との間で挟持して幅方向中央部にブレーキをかけることができる。そのため、用紙51の先端をベルト73への搬送前に揃えることができるので、幅方向中央部の先行による皺の発生を抑えて、画像品質の向上を図ることができる。
【0035】
上側案内板110の幅方向中央部が搬送方向下流側へ突出するとともに、下側案内板120の幅方向両端部が上側案内板110の幅方向両端部よりも搬送方向下流側へ突出しているので、用紙51の幅方向両端部が下側案内板120の幅方向両端部で支持されて、用紙51の幅方向両端部の垂れ下がりが抑制される。そのため、用紙51の幅方向両端部がベルト73に先に当接することによって用紙51の幅方向中央部とベルト73との間に空気が溜まってしまうといった現象が発生し難くなり、画像品質の向上を図ることができる。
【0036】
下側支持部140の先端縁141が上側支持部130の先端縁131よりも搬送方向下流側に突出するように形成されることで、下側支持部140で支持される下側案内板120が上側支持部130で支持される上側案内板110よりも撓み難くなるので、この撓み難くなった下側案内板120によって用紙51のベルト73への突入方向(搬送方向)を一定にすることができる。さらに、下側案内板120が撓み難くなっているため、重力で垂れ下がる用紙51を下側案内板120で確実に支持することができ、用紙51の搬送方向を確実に定めることができる。
【0037】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、上側案内板110の先端縁の113の幅方向中央部を搬送方向下流側に突出させたが、本発明はこれに限定されず、一対の案内板のうち少なくとも1つの案内板の先端縁の幅方向中央部を搬送方向下流側に突出させればよい。すなわち、前記実施形態において、下側案内板120の先端縁123の幅方向中央部のみを搬送方向下流側に突出させてもよいし、一対の案内板110,120の各先端縁113,123の幅方向中央部をともに搬送方向下流側に突出させてもよい。
【0038】
前記実施形態では、上側案内板110の先端縁113を略円弧状に形成したが、本発明はこれに限定されず、三角形状等、どのような形状としてもよい。例えば、図3(a)に示すように、上側案内板210の幅方向両端部を矩形に切り欠いたような形状、すなわち、上側案内板210の先端縁213の幅方向中央部213Aが先端縁213の幅方向両端部213Bよりも搬送方向下流側へ突出するような段付きの凸形状に形成してもよい。
【0039】
また、例えば、図3(b)に示すように、図3(a)と同構造となる上側案内板210の先端縁213の幅方向両端部213Bから部分的に搬送方向下流側へ突出する所定数の突出片214を設けてもよい。言い換えると、この上側案内板210は、矩形のシート状部材の幅方向両端部に切り欠きを形成した形状となっている。そのため、この構造によれば、一対の案内板210,120の幅方向中央部の挟持力と幅方向両端部の挟持力とに差を付けることができるので、用紙の幅方向中央部の先行を規制することができる。
【0040】
前記実施形態では、下側案内板120の先端縁123を上側案内板110の先端縁113の幅方向中央部に一致させたが、本発明はこれに限定されず、図3(c)に示すように、下側案内板220の先端縁223を、上側案内板110の先端縁113の幅方向中央部よりも搬送方向下流側に突出させてもよい。これによれば、用紙51が上側案内板110の先端縁113を通過した後においても、この上側案内板110の先端縁113よりも搬送方向下流側に突出した下側案内板220によって支持されるので、用紙51の先端部が重力により垂れ下がることが抑制される。したがって、用紙51を良好な角度でベルト73に突入させることができる。
【0041】
前記実施形態では、上側案内板110の先端縁113を略円弧状に形成したが、本発明はこれに限定されず、一対の案内板をともに矩形のシート状に形成してもよい。この場合であっても、用紙の皺を良好に伸ばすことができるので、画像品質の向上を図ることができる。
【0042】
また、この場合には、図4(a)および(b)に示すように、上側案内板310および下側案内板320を矩形のシート状に形成するとともに、下側案内板320の幅方向中央部の先端側の部位321を、上側案内板310から離れるような凹状に形成するのが望ましい。この構造によれば、上側案内板310と下側案内板320とが、幅方向において凹状の部位321を挟んだ両端部312,322で接触する。
【0043】
そのため、一対の案内板310,320の先端部において、用紙51の幅方向中央部が重力により下方に垂れ下がるとともに、用紙51の幅方向両端部が一対の案内板310,320の両端部312,322で挟持される。これにより、用紙51の幅方向両端部の皺が一対の案内板310,320の両端部312,322で良好に伸ばされるとともに、用紙51の幅方向中央部が幅方向両端部よりもベルト73に先に当接して、幅方向中央部から幅方向両端部に向けて順に用紙51がベルト73に当接していく。そのため、用紙51とベルト73との間に空気が入らずに、ベルト73の搬送面73Aに用紙51を一様に伸ばして載せることができる。
【0044】
なお、前述した効果を得るには、図5に示すように、下側案内板420を、幅方向中央部421から幅方向両端部422に向かうにつれて上方に傾斜する略V字形状に形成し、上側案内板410の幅方向両端部412を下側案内板420の幅方向両端部422に沿うように折り曲げてもよい。この場合には、用紙51が下側案内板420の上面に沿って湾曲するので、より確実に用紙51を幅方向中央部から幅方向両端部に向けて順にベルト73に当接させることができる。
【0045】
また、図6に示すように、上側案内板110の上面に接触するように除電ブラシ500を設けてもよい。これによれば、除電ブラシ500により一対の案内板110,120で挟持された用紙51の電荷が除去されるので、用紙51が静電気によってベルト73に張り付くことで用紙51に皺が発生するのを抑制することができる。
【0046】
なお、除電ブラシ500を接触させる部位としては、上側案内板110に限らず、下側案内板120や一対の支持部130,140のいずれかであってもよい。また、除電する手段としては、除電ブラシ500に限らず、SUS等の金属製の除電子を用いてもよい。
【0047】
前記実施形態では、下側支持部140の先端縁141を上側支持部130の先端縁131よりも搬送方向下流側に突出させたが、本発明はこれに限定されず、図7に示すように、上側支持部630の先端縁631を下側支持部640の先端縁641よりも搬送方向下流側に突出させてもよい。この場合、上側案内板110が下側案内板120よりも撓み難くなるので、この撓み難くなった上側案内板110によって用紙51のベルト73への突入方向(搬送方向)を一定にすることができる。
【0048】
前記実施形態では、カラーレーザプリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
【0049】
前記実施形態では、記録シートの一例として、厚紙、はがき、薄紙などの用紙51を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばOHPシートであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの全体構成を示す要部断面図である。
【図2】案内部材を示す断面図(a)と、案内部材を図2(a)のX方向から見た矢視図(b)である。
【図3】案内板の変形例を示す図であり、上側案内板が段付きの凸形状に形成された形態を示す矢視図(a)と、図3(a)の上側案内板の幅方向両端部に複数の突出片を設けた形態を示す矢視図(b)と、下側案内板を上側案内板の幅方向中央部よりも搬送方向下流側へ突出させた形態を示す矢視図(c)である。
【図4】下側案内板を下方に凹ませた形態を示す矢視図(a)と、図4(a)のY−Y断面図(b)である。
【図5】図4の下側案内板の変形例を示す断面図である。
【図6】上側案内板に除電ブラシを設けた形態を示す断面図である。
【図7】上側支持部の先端を下側支持部の先端よりも搬送方向下流側に突出させた形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 カラーレーザプリンタ
6 画像形成部
51 用紙
73 ベルト
73A 搬送面
100 案内部材
110 上側案内板
111 先端部
112 基端部
113 先端縁
120 下側案内板
123 先端縁
130 上側支持部
131 先端縁
140 下側支持部
141 先端縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録シートを載せて搬送する搬送面を有するベルトと、
前記ベルト上の記録シートに画像を形成する画像形成部と、
記録シートを前記ベルトの搬送面に向けて案内する案内部材と、を備えた画像形成装置であって、
前記案内部材は、
先端部において記録シートを挟持する一対の可撓性の案内板を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記一対の案内板の先端部の中央部の挟持力よりも両端部の挟持力が小さくなるように、各先端部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記一対の案内板のうち少なくとも1つの案内板の先端縁の中央部は、記録シートの搬送方向下流側に突出するように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記一対の案内板のうち上側に配置される上側案内板の先端縁の中央部が、前記搬送方向下流側に突出するように形成され、
前記一対の案内板のうち下側に配置される下側案内板の先端縁の両端部が、前記上側案内板よりも前記搬送方向下流側に突出するように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記下側案内板の先端縁の全てが、前記上側案内板の先端縁の中央部よりも前記搬送方向下流側に突出するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記一対の案内板のうち下側に配置される下側案内板は、記録シートの搬送方向に直交する幅方向における中央部の先端側が、前記一対の案内板のうち上側に配置される上側案内板から離れるように凹状に形成されるとともに、
前記上側案内板と前記下側案内板とが、前記幅方向において前記凹状の部位を挟んだ両端部で接触するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記各案内板の基端側を支持する支持部をさらに備え、
前記支持部のうち一方の先端縁が、他方の先端縁よりも記録シートの搬送方向下流側に突出するように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記支持部のうち下側に配置される下側支持部の先端縁が、上側に配置される上側支持部の先端縁よりも記録シートの搬送方向下流側に突出するように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−179422(P2009−179422A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18588(P2008−18588)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】