画像形成装置
【課題】複数枚の用紙が積層されてもそれらの用紙を一見して任意のグループ単位に区別できるようにする。
【解決手段】給紙部105から排紙部109に一枚ずつ搬送される記録紙Pの搬送経路上のプリンター部102によって、記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に原稿Mの原稿画像Iを複写印刷するインクジェット記録装置1において、プリンター部102と排紙部109との間に配置した小口プリンター部102aによって、印刷ジョブ毎に位置が異なるマーキング画像を記録紙Pの小口に印刷する。
【解決手段】給紙部105から排紙部109に一枚ずつ搬送される記録紙Pの搬送経路上のプリンター部102によって、記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に原稿Mの原稿画像Iを複写印刷するインクジェット記録装置1において、プリンター部102と排紙部109との間に配置した小口プリンター部102aによって、印刷ジョブ毎に位置が異なるマーキング画像を記録紙Pの小口に印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙の搬送経路上において用紙の片面又は両面の記録面に対して所定の画像を記録する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の排紙部には、印刷ジョブによって所定の画像が記録面に印刷された用紙が排紙される。この排紙された用紙をしばらく放置していると、次以降の印刷ジョブによって印刷、排紙された用紙が排紙部に積層される。そうなると、積層された用紙における前後の印刷ジョブの区切りがどこにあるのか、一見しただけでは区別が付かず、記録面に印刷された画像を見て判断しなければならなくなる。
【0003】
このような問題を解決するための1つの手法として、インデックス印刷を利用することが考えられる。このインデックス印刷では、用紙の一枚一枚にインデックス用の図柄が画像と一緒に印刷される。このインデックス用の図柄は、用紙の縁にかかるように、用紙の記録面のうち画像が印刷される部分の周囲の余白部分に印刷される。なお、印刷される図柄の位置は、インデックス単位でずらされる(例えば特許文献1)。
【0004】
そこで、インデックス印刷を応用し、図柄の位置を印刷ジョブ毎にずらして各用紙に印刷すれば、積層した記録紙の小口側から見える記録面の図柄の位置の違いにより、どこまでが同じ印刷ジョブで印刷、排紙された記録紙であるかを、一見して区別できるようにすることができる。
【特許文献1】特開2007−118221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したインデックス印刷を応用した手法では、本来は情報として必要のないインデックス用の図柄が画像と一緒に記録面上に印刷されてしまうことになる。そのため、特に、画像が美観を伴う内容のものである場合は、その美観をインデックス用の図柄が損ねてしまう恐れがある。しかも、1つの印刷ジョブで印刷した複数枚の用紙のうち一部しか複写する必要がない場合には、印刷した用紙を最早印刷ジョブ単位で管理する必要がないにも拘わらず、複写した用紙の記録面上に不要なインデックス用の図柄が複写されてしまうという不具合もある。
【0006】
なお、このような問題は、排紙部に積層された複数枚の用紙を印刷ジョブ単位で区別する場合だけに限らず、印刷した複数枚の用紙を何らかの単位で一見して区別しなければならない場合にも、同様に当てはまるものである。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、用紙を一枚ずつ搬送しながらその記録面に所定の画像を記録する画像形成装置において、複数枚の用紙が積層されてもそれらの用紙を一見して任意のグループ単位に区別できるようにするのに適した構成を有する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した本発明の画像形成装置は、用紙が一枚ずつ搬送される搬送経路上の主画像記録部において、前記用紙の片面又は両面に存在する記録面に対して、所定の画像を記録する画像形成装置であって、前記搬送経路上において、前記記録面を除く前記用紙の小口に対して、前記所定の画像とは異なるマーキング画像を、該マーキング画像の内容を所定の用紙グループ単位で異ならせて記録する、小口画像記録部をさらに備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載した本発明の画像形成装置によれば、用紙が一枚ずつ搬送される搬送経路上の主画像記録部において所定の画像が記録される用紙の小口に、所定の用紙グループ単位で内容の異なるマーキング画像が、搬送経路上の小口画像記録部において記録される。
【0010】
このため、用紙の小口に記録されたマーキング画像の内容によって、用紙を所定のグループ単位毎に区別することができるようになる。よって、所定の画像を記録し終えた用紙が複数枚積層されても、それらの用紙を小口のマーキング画像の内容で所定のグループ単位毎に容易に区別することができる。
【0011】
しかも、マーキング画像が用紙の記録面ではなく小口に記録されることから、記録面に記録された所定の画像を他の用紙の記録面に複写した際に、複写先の用紙の記録面に所定の画像と共にマーキング画像が複写記録されてしまうことがない。そのため、所定の画像が美観を伴うものであっても、複写先の用紙の記録面上において複写された所定の画像の美観が損なわれてしまうのを防止することができる。
【0012】
また、請求項2に記載した本発明の画像形成装置は、請求項1に記載した本発明の画像形成装置において、前記主画像記録部が、ジョブによって規定された枚数の前記用紙に対して、前記所定の画像の前記記録面への記録を連続して行い、前記小口画像記録部が、単一の前記ジョブにより連続して前記記録面に前記所定の画像が記録される複数枚の前記用紙を、前記所定の用紙グループの一単位として、前記ジョブの単位で積層された複数枚の前記用紙の前記小口部分に、前記ジョブ毎に異なる小口画像を表示させるための前記マーキング画像を、同一の前記ジョブによって前記所定の画像が前記記録面に記録される複数枚の前記用紙の前記小口にそれぞれ記録することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載した本発明の画像形成装置によれば、請求項1に記載した本発明の画像形成装置において、所定の画像を記録し終えた用紙が複数印刷ジョブ分積層されると、各印刷ジョブ毎の用紙を、所定の用紙グループの一単位として、それら各印刷ジョブ毎の用紙の小口に小口画像記録部が記録したマーキング画像によって構成される小口画像が、印刷ジョブ毎に異なるようになる。
【0014】
このため、所定の画像を記録し終えた用紙が複数印刷ジョブ分積層されても、同一の小口画像を構成するマーキング画像が小口に記録されている用紙どうしにそれらの用紙を区別することで、印刷ジョブ毎に用紙を容易に区別することができる。
【0015】
さらに、請求項3に記載した本発明の画像形成装置は、請求項1又は2に記載した本発明の画像形成装置において、前記主画像記録部が、ジョブによって規定された枚数の前記用紙に対して、前記所定の画像の前記記録面への記録を連続して行い、前記小口画像記録部が、単一の前記ジョブにより連続して前記記録面に前記所定の画像が記録される複数枚の前記用紙を、前記所定の用紙グループの一単位として、前記用紙の前記小口に記録する前記マーキング画像の色及び位置のうち少なくとも一方を、前記ジョブの単位で異ならせることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載した本発明の画像形成装置によれば、請求項1又は2に記載した本発明の画像形成装置において、所定の画像を記録し終えた用紙が複数印刷ジョブ分積層されると、各印刷ジョブ毎の用紙を、所定の用紙グループの一単位として、それら各印刷ジョブ毎の用紙の小口に小口画像記録部が記録したマーキング画像の色及び位置のうち少なくとも一方が、印刷ジョブ毎に異なるようになる。
【0017】
このため、所定の画像を記録し終えた用紙が複数印刷ジョブ分積層されても、それらの用紙を、同じ色又は位置のマーキング画像が小口に記録されている用紙どうしに区別することで、印刷ジョブ毎に用紙を容易に区別することができる。
【0018】
また、請求項4に記載した本発明の画像形成装置は、請求項1、2又は3に記載した本発明の画像形成装置において、前記小口画像記録部が、前記搬送経路上に対して進退可能に配置された記録ヘッドと、前記搬送経路上を搬送される前記用紙の前記記録ヘッドに対する相対位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段により検出された前記用紙の前記相対位置に応じたタイミングで前記記録ヘッドを前記搬送経路上に対して進退させるヘッド駆動手段とを有しており、前記記録ヘッドが、前記搬送経路上に進出した状態で該搬送経路を搬送される前記用紙の前記小口に接触して前記マーキング画像を記録するように構成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載した本発明の画像形成装置によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明の画像形成装置において、位置検出手段が検出する搬送経路上の用紙との相対位置に応じたタイミングでヘッド駆動手段が記録ヘッドを搬送経路上に進出させている間、搬送経路を搬送される用紙の小口に記録ヘッドが接触してマーキング画像が小口に記録される。
【0020】
このため、ヘッド駆動手段により記録ヘッドを搬送経路上に進出させるタイミングやパターンを所定の用紙グループ単位で変更するだけで、用紙の小口に記録されるマーキング画像の内容を所定の用紙グループ単位で容易に異ならせることができる。
【0021】
さらに、請求項5に記載した本発明の画像形成装置は、請求項1、2又は3に記載した本発明の画像形成装置において、前記搬送経路上の終端に、前記用紙が排紙される排紙部が設けられており、前記小口画像記録部が、前記排紙部に排紙される前記用紙の搬送方向における先端側から前記小口に接触して該小口に前記マーキング画像を記録する記録ヘッドと、該記録ヘッドを前記排紙部に排紙される前記用紙の前記小口の延在方向に沿って移動させるヘッド移動手段とを有していることを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載した本発明の画像形成装置によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明の画像形成装置において、排紙部に排紙される用紙のグループの変わり目で、ヘッド移動手段により記録ヘッドを小口の延在方向に移動させるだけで、小口上におけるマーキング画像の位置が用紙グループ毎に容易に異ならせることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、所定の画像を記録し終えた用紙が複数枚積層されても、それらの用紙を小口のマーキング画像の内容で所定のグループ単位毎に容易に区別することができる。また、記録面の所定の画像を他の用紙の記録面に複写する際に、複写先の用紙の記録面にマーキング画像が一緒に複写記録されてないようにして、所定の画像の美観等が損なわれるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明による画像形成装置の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す説明図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置1は、原稿M上の原稿画像I(図3(a)参照)を読み取って画像信号を出力するスキャナー部101と、スキャナー部101から出力された画像信号に基づいて記録紙(請求項中の用紙に相当)Pの記録面P1,P2(図3(c)参照、おもて面P1、又は、おもて面P1とうら面P2の両面)に原稿画像Iを印刷(記録)するプリンター部102(請求項中の主画像記録部に相当)と、記録紙Pの小口P3(図3(c)参照)に画像を記録(印刷)する小口プリンター部102a(請求項中の小口画像記録部に相当)とを備えている。
【0027】
また、本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙部105からプリンター部102や小口プリンター部102aを介して排紙部109に記録紙Pを搬送するためのベルト搬送部106、両面用ベルト搬送部107、両面用スタックトレー108、及び、搬送路112と、各種の入力設定及び情報表示を行うディスプレイ110と、全体制御用の制御ユニット10(図10参照)等を備えている。
【0028】
スキャナー部101は、図2に示すように、原稿M上の原稿画像Iを光電的に読み取り、原稿画像Iを構成する各画素のR成分、G成分、及び、B成分の8ビットのデジタル信号を出力するものである。このスキャナー部101は、原稿読取部101aと自動原稿供給装置(以下ADFまたはADFユニットとする)101bとを有している。
【0029】
原稿読取部101aでは、ADFユニット101bの原稿セットトレー435にセットされた1又は複数枚の原稿Mや、原稿載置ガラス台429に載せた原稿Mからの、原稿画像Iの光学的な読み取りを行うことができる。
【0030】
このうち、ADFユニット101bの原稿セットトレー435にセットした1又は複数枚の原稿Mについては、光学式のADF原稿セットセンサ436により原稿セットトレー435にセットしたことを検出し、この状態で、後述するディスプレイ110の操作により印刷を開始させることで、セットされた原稿Mを1枚ずつ送りローラ群437により原稿排出トレー439へ送り出す。その途中でターゲットガラス板433上を原稿Mに通過させ、ターゲットガラス板433の下方の図2中の引用符号Cで示すホームポジションに移動させたラインイメージセンサ427により、原稿Mの原稿画像Iを読み取る。
【0031】
この場合、原稿Mのサイズ及び向きは、ラインイメージセンサ427による原稿検出幅と、送りローラ群437により原稿Mがラインイメージセンサ427を通過する所要時間とによって検出される。
【0032】
なお、ADFユニット101bの原稿セットトレー435に原稿Mを載置する場合にはは、図3(b)に示すように、原稿画像Iが原稿セットトレー435側となるよう原稿Mを裏向きに載置する。
【0033】
また、原稿載置ガラス台429に載せたブック等厚物の原稿Mの原稿画像Iは、図2中の引用符号A,Bで示す2つのポジション間で矢印a方向に移動させたラインイメージセンサ427によって読み取る。なお、厚物の原稿Mを原稿載置ガラス台429に載せる場合は、圧板431を使って、原稿載置ガラス台429に原稿Mを圧接させ、かつ、原稿Mの周囲からの読取光の漏光を防止する。
【0034】
ちなみに、図2中では簡略化して示しているが、原稿載置ガラス台429の下方に適切な間隔をおいて複数配置されている複数の圧板側原稿セットセンサ434によって、原稿載置ガラス台429上に原稿Mがセットされたことの他、セットされた原稿Mのサイズ及び向きを検出する。
【0035】
なお、原稿載置ガラス台429に原稿Mを載置する場合にも、図3(b)に示すように、原稿画像Iが原稿載置ガラス台429側となるよう原稿Mを裏向きに載置する。
【0036】
図4に示すように、プリンター部102は、制御基板103とインクジェットヘッドユニット104とを備えている。このプリンター部102では、スキャナー部101において原稿Mから読み取った原稿画像Iを基に制御基板103で生成したデジタル画像信号を用いて、給紙部105からベルト搬送部106により矢印b方向に搬送された記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に対して、インクジェットヘッドユニット104によって原稿画像Iを印刷する。
【0037】
そして、プリンター部102は、ディスプレイ110の操作に伴って、スキャナー部101で1又は複数枚の原稿Mから読み取った原稿画像Iを印刷する印刷ジョブが発生する毎に、後述する制御ユニット10(図10参照)からの指示に基づいて、その印刷ジョブ単位で記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に対する原稿画像Iの印刷を行う。つまり、本実施形態では、原稿画像Iが請求項中の所定の画像に相当する。
【0038】
なお、プリンター部102は、インクジェット記録装置1の外部からプリンタサーバ(図示せず)等を介して制御ユニット10に印刷ジョブが入力された場合にも、制御ユニット10からの指示に基づいて、各印刷ジョブ単位で記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に対する画像の印刷を行う。この場合には、外部から入力された印刷ジョブによって記録面P1(又は記録面P1,P2)に印刷される画像が、請求項中の所定の画像に相当することになる。
【0039】
記録紙Pに片面印刷する場合は、記録紙Pがベルト搬送部106により排紙部109に搬送されて排紙される。一方、記録紙Pに両面印刷する場合は、ベルト搬送部106と搬送路112と両面用ベルト搬送部107との連係によって、片面(例えば、おもて面P1)への印刷済みの記録紙Pが反転状態で矢印b方向から矢印c方向に連続して搬送され、両面用スタックトレー108に一旦排紙される。そして、再びベルト搬送部106によりインクジェットヘッドユニット104に記録紙Pが搬送されて、残る片面(例えば、うら面P2)にも画像が印刷される。両面印刷済みの記録紙Pは、片面印刷の場合と同様に、ベルト搬送部106により排紙部109に搬送されて排紙される。ベルト搬送部106の給紙部105寄りの箇所には、この箇所を通過する記録紙Pを検出する通過センサ114(請求項中の位置検出手段に相当)が設けられている。
【0040】
インクジェットヘッドユニット104は、図5に示すように、Y(イエロー)成分、M(マゼンダ)成分、C(シアン)成分、及び、K(ブラック)成分のデジタル画像信号の各成分に対応した記録ヘッド40〜43と、記録ヘッド40〜43を駆動するヘッドドライバー44とを備えている。
【0041】
図4に示す制御基板103においては、スキャナー部101から出力された原稿Mの1枚分の原稿画像Iがデジタル画像信号の形で記憶され、そのデジタル画像信号に所定の画像処理が施される。処理済デジタル画像信号は、インクジェットヘッドユニット104に対して出力される。そのために、制御基板103は、図6に示すように、記憶手段113、カラー画像処理部133、信号変換部123、及び、インク量を設定するインク量設定手段143を備えている。
【0042】
記憶手段113は、スキャナー部101から出力された原稿Mの1枚分の原稿画像Iに関する、R(レッド)成分、G(グリーン)成分、及び、B(ブルー)成分のデジタル画像信号と、所定の信号処理の施されたデジタル画像信号とを記憶する。
【0043】
カラー画像処理部133は、記憶手段113に記憶されたR成分、G成分、及び、B成分のデジタル画像信号を、Y成分、M成分、C成分、及び、K成分のデジタル画像信号に変換する。
【0044】
信号変換部123は、カラー画像処理部133によりY成分、M成分、C成分、及び、K成分のデジタル画像信号における各画素データを、3ビットのデータに変換する。
【0045】
インク量設定手段143は、信号変換部123において変換された3ビットの画素データに基づいてインクを吐出する際のインク量を設定する。インク量設定手段143が設定するインク量は、操作者がディスプレイ110により指定する濃度によっても変わる。
【0046】
記憶手段113は、スキャナー部101から出力された原稿Mの1枚分の原稿画像Iに関するR成分、G成分、及び、B成分のデジタル画像信号を、各成分毎に記憶するフレームメモリ30と、カラー画像処理部133により変換されたY成分、M成分、C成分、及び、K成分のデジタル画像信号などを記憶するワーキングメモリ31と、インク量設定手段143によりインク量の設定されたY成分、M成分、C成分、及び、K成分のデジタル画像信号を記憶する駆動メモリ32とを備えている。
【0047】
具体的には、スキャナー部101により光電的に読み取られた原稿画像Iに関する、R成分、G成分、及び、B成分に変換されたデジタル画像信号は、原稿Mの1枚分ずつ、各成分毎にフレームメモリ30に記憶される。
【0048】
そして、この印刷指示に応じてフレームメモリ30に記憶された原稿Mの1枚分の原稿画像Iに関するデジタル画像信号の画素データが、カラー画像処理部133において、R成分、G成分、及び、B成分からY成分、M成分、C成分、及び、K成分に変換され、二値化処理された後、ワーキングメモリ31に記憶される。
【0049】
上記のように二値化されたY成分、M成分、C成分、及び、K成分の画素データは、それぞれの成分について信号変換部123により3ビットのデータに変換され、再びワーキングメモリ31に各成分毎に記憶される。
【0050】
上記の処理によって、原稿Mの1枚分の原稿画像Iに関するデジタル画像信号の処理済デジタル画像データが生成されて、各成分毎にワーキングメモリ31に記憶される。そして、ワーキングメモリ31に記憶された各成分毎の処理済デジタル画像信号は駆動メモリ32に記憶される。駆動メモリ32に記憶された処理済デジタル画像信号は、所定のタイミングでインクジェットヘッドユニット104に出力される。
【0051】
そして、各成分毎の処理済デジタル画像信号が、図5に示すヘッドドライバー44に入力され、ヘッドドライバー44は、処理済デジタル画像信号を各成分に対応した記録ヘッド40〜43に出力し、各記録ヘッド40〜43に、処理済デジタル画像データに基づいて記録紙の搬送速度に同期させた所定のタイミングでインクを吐出させる。
【0052】
上記のような処理が、先に説明した、図4の給紙部105からインクジェットヘッドユニット104への記録紙Pの搬送に同期して行われ、記録ヘッド40〜43から吐出されたインクが記録紙Pに転写されて、原稿画像Iが記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に印刷される。
【0053】
図4に示すように、小口プリンター部102aは、制御基板103aとプリントパッドユニット104aとを備えている。この小口プリンター部102aは、スキャナー部101において原稿Mから読み取った原稿画像Iを印刷する印刷ジョブの発生に伴い、後述する制御ユニット10(図10参照)が生成するデジタルのマーキング画像信号に基づいて、どの印刷ジョブによって印刷された記録紙Pであるのかを区別するための白黒のマーキング画像を、プリントパッドユニット104aによって記録紙Pの小口P3に印刷する。
【0054】
プリントパッドユニット104aは、図8に示すように、パッドドライバー44a、パッドアクチュエータ44b、及び、パッドヘッド44cを備えている。
【0055】
本実施形態に係るインクジェット記録装置1の制御基板103aにおいては、マーキング画像が白黒であり、しかも、制御ユニット10の生成するマーキング画像信号がデジタルであることから、画像信号のR成分、G成分、及び、B成分からY成分、M成分、C成分、及び、K成分への変換を行わない。そのため、図7に示すように、制御基板103aは、プリンター部102の制御基板103とは異なり、カラー画像処理部133、信号変換部123、及び、インク量設定手段143が省略されて、記憶手段113aのみを有している。また、記憶手段113aについても、制御基板103の記憶手段113とは異なり、ワーキングメモリ31が省略されて、フレームメモリ30a及び駆動メモリ32aのみを有している。
【0056】
そして、記憶手段113aのフレームメモリ30aに記憶されるデジタルのマーキング画像信号が、制御ユニット10によって駆動メモリ32aに複写され、記録紙Pがプリントパッドユニット104aを通過するタイミングに合わせて、プリントパッドユニット104aに出力される。
【0057】
そして、デジタルのマーキング画像信号が、図8に示すパッドドライバー44aに入力され、パッドドライバー44aは、デジタルのマーキング画像信号によってパッドアクチュエータ44b(請求項中のヘッド駆動手段に相当)を駆動させ、デジタルのマーキング画像信号に基づいて記録紙Pの搬送速度に同期させた所定のタイミングでパッドヘッド44c(請求項中の記録ヘッドに相当)を記録紙Pの小口P3に接触させ、インクを転写させる。
【0058】
具体的には、パッドアクチュエータ44bは、図9に示すように、枢軸44dによって揺動可能に支持されたパッドヘッド44cを枢軸44dの周りに往復揺動させることで、給紙部105から排紙部109に至る記録紙Pの搬送経路に対してパッドヘッド44cを進退させる。これにより、給紙部105から排紙部109に搬送される途中の記録紙Pの小口P3にパッドヘッド44cを接離させる。
【0059】
パッドヘッド44cには、不図示の供給路を介してヘッド内部に供給されるインクを常時含浸した状態にあり、パッドヘッド44cは、ヘッド周面を記録紙Pの小口P3に接触させることで、含浸したインクを小口P3に転写させる。
【0060】
なお、本実施形態の小口プリンター部102aは、制御ユニット10が生成するマーキング画像信号を基に制御基板103aで生成したデジタル画像信号を用いて、パッドアクチュエータ44bの動作を制御ユニット10で制御することで、給紙部105からベルト搬送部106により矢印b方向に搬送された記録紙Pの小口P3に対してマーキング画像を印刷する。
【0061】
記録紙Pへのマーキング画像の印刷は、インクジェットヘッドユニット104によって記録面P1(又は記録面P1,P2)に画像を印刷し終えた記録紙Pが、ベルト搬送部106によりインクジェットヘッドユニット104から排紙部109に搬送される途中で行われる。そのために、小口プリンター部102aのプリントパッドユニット104aは、インクジェットヘッドユニット104と排紙部109との間のベルト搬送部106部分の側部に配置されている。
【0062】
ディスプレイ110は、スキャナー部101と共にプリンター部102の上部に配置されている。ディスプレイ110の画面にはタッチセンサ(図示せず)が貼着されている。このタッチセンサにより、ディスプレイ110に表示される各ボタンの押圧操作を検出することができる。
【0063】
以上に説明したインクジェット記録装置1の各部の動作は、後述する制御ユニット10に設けられたCPU90(図10参照)によって制御される。
【0064】
図10は図1のインクジェット記録装置に設けられる制御ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【0065】
図10に示すように、インクジェット記録装置1の制御ユニット10はCPU90を備える。このCPU90は、ROM91に格納されているプログラム及び設定情報に基づいて、ディスプレイ110から入力設定される内容に応じたスキャナー部101やプリンター部102の動作を制御する。また、CPU90は、通過センサ114が検出する、ベルト搬送部106の給紙部105寄りの箇所を記録紙Pが通過するタイミングを参照しつつ、小口プリンター部102aの動作を制御する。なお、CPU90にはRAM92が設けられており、RAM92にはディスプレイ110から入力された印刷枚数や各種の設定内容が随時記憶される。
【0066】
インクジェット記録装置1においては、ディスプレイ110の各キーの操作で入力設定された内容にしたがって、制御ユニット10のCPU90の制御により、原稿Mの原稿画像Iがプリンター部102によって記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に印刷される。また、原稿画像Iを記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に印刷する際に、制御ユニット10のCPU90の制御により、印刷ジョブ単位を区別するためのが小口プリンター部102aによって記録紙Pの小口P3に印刷される。
【0067】
以下、そのような印刷を行うためにインクジェット記録装置1の制御ユニット10のCPU90が行う処理の手順について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0068】
インクジェット記録装置1の電源が投入された後、CPU90は、その電源が切断されることなく、ディスプレイ110の操作によって原稿Mの原稿画像Iの記録紙Pに対する印刷の印刷ジョブがスタートすると(ステップS1でYES)、RAM92の印刷ジョブカウンタのカウント値S(インクジェット記録装置1の起動時のデフォルト値は「0」)を「1」インクリメントする(ステップS3)。
【0069】
次に、CPU90は、スキャナー部101のADFユニット101bにおいて検出される原稿Mのサイズ及び向きに基づいてサイズが決定される記録紙Pの小口P3に対する、RAM92の印刷ジョブカウンタのカウント値に応じたユニークな(他のカウント値の場合と異なる内容の)デジタルのマーキング画像信号を生成し(ステップS5)、生成したマーキング画像信号を、記録紙Pがプリントパッドユニット104aを通過するタイミングに合わせて、小口プリンター部102aのプリントパッドユニット104aに出力する(ステップS7)。
【0070】
なお、記録紙Pがプリントパッドユニット104aを通過するタイミングは、プリントパッドユニット104aに対して位置が固定されている通過センサ114が検出する、ベルト搬送部106の給紙部105寄りの箇所を記録紙Pが通過するタイミングに基づいて、CPU90が判断することができる。
【0071】
続いて、CPU90は、ADFユニット101bのADF原稿セットセンサ436によって検出される原稿セットトレー435上の原稿Mの有無に基づいて、ステップS1でスタートした印刷ジョブによる原稿画像Iの記録紙Pに対する印刷が終了したか否かを判断し(ステップS9)、終了していない場合は(ステップS9でNO)、ステップS7にリターンする。また、終了した場合は(ステップS9でYES)、インクジェット記録装置1の電源が切断されるまでの間(ステップS11でYES)、上述したステップS1乃至ステップS9の処理を繰り返す。
【0072】
上述した手順による処理をCPU90が実行することで、インクジェット記録装置1の排紙部109に排紙されて積層された記録紙Pの小口P3には、図12に示すように、小口P3の延在方向(記録紙Pの搬送方向)における位置が印刷ジョブ毎に異なるマーキング画像M1,M2が印刷される。
【0073】
図12に示すマーキング画像M1,M2の例では、CPU90が生成するマーキング画像信号によってプリントパッドユニット104aのパッドアクチュエータ44bが枢軸44dの周りにパッドヘッド44cを揺動させて、プリントパッドユニット104aを通過する記録紙Pの小口P3にパッドヘッド44cを接触させるタイミングを、印刷ジョブ毎に異ならせている。これにより、小口P3の延在方向におけるマーキング画像M1,M2の位置が印刷ジョブ毎に異なり、同一の印刷ジョブで印刷されて積層された記録紙Pのマーキング画像M1,M2の全体で、帯状(乃至線状)を呈する小口画像が形成される。
【0074】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態のインクジェット記録装置1においては、一つの印刷ジョブにより連続して記録面P1(又は記録面P1,P2)への原稿画像Iの印刷が行われて排紙部109において積層される複数枚の記録紙P,P,…が、請求項中における所定の用紙グループの一単位に相当している。
【0075】
したがって、本実施形態のインクジェット記録装置1によれば、先に処理された印刷ジョブによって印刷された記録紙Pが排紙部109に排紙された後に、後から処理された印刷ジョブによって印刷された記録紙Pが排紙部109に排紙されて積層されても、小口P3に印刷されたマーキング画像M1,M2,…の位置の違いによって、各印刷ジョブで印刷された記録紙Pの範囲を容易に区別することができる。
【0076】
しかも、本実施形態のインクジェット記録装置1によれば、マーキング画像M1,M2を記録紙Pの小口P3に印刷することから、記録面P1(又は記録面P1,P2)の原稿画像Iを他の記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に複写する際に、小口P3のマーキング画像M1,M2が原稿画像Iと一緒に複写されることがない。
【0077】
このため、複写先の記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)上において、複写された原稿画像Iの美観等が、一緒に複写された記録面P1(又は記録面P1,P2)上のマーキング画像M1,M2によって損なわれないようにすることができる。
【0078】
さらに、本実施形態のインクジェット記録装置1によれば、パッドヘッド44cをパッドアクチュエータ44bによって記録紙Pの搬送経路に進出させている間、記録紙Pの小口P3にパッドヘッド44cが接触してマーキング画像M1,M2が小口P3に印刷される。このため、パッドヘッド44cをパッドアクチュエータ44bによって記録紙Pの搬送経路に進出させるタイミングやパターンを印刷ジョブ毎に変更するだけで、記録紙Pの小口P3に記録されるマーキング画像M1,M2の内容を印刷ジョブ単位で容易に異ならせることができる。
【0079】
なお、マーキング画像M1,M2の形態は、図12に示す例のような、同一の印刷ジョブで印刷されて積層された記録紙Pの全体で帯状(乃至線状)を呈するものに限定されない。
【0080】
例えば、図13に示す「マル秘」の印のような、同一の印刷ジョブで印刷されて積層された記録紙Pの全体で文字、記号、キャラクタ、デザインを構成するもの(いずれも、請求項中の小口画像に相当)を、各記録紙Pの小口P3に印刷するマーキング画像とすることができる。
【0081】
その場合、文字、記号、キャラクタ、デザインは、単に、他の印刷ジョブの記録紙Pとの区別を付けるだけでなく、その印刷ジョブにより記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に印刷された原稿画像I、あるいは、記録紙Pそのものの、取扱等の性質を表すような意味のあるものとしてもよく、単に、他の印刷ジョブの記録紙Pとの区別を付けるだけの無意味なものとしてもよい。
【0082】
そして、意味のあるものとするか無意味なものとするかに拘わらず、文字、記号、キャラクタ、デザインによるマーキング画像を印刷する場合には、小口に印刷するマーキング画像の色及び位置を印刷ジョブ毎に変えないようにすることもできる。
【0083】
反対に、各印刷ジョブで印刷されて積層された記録紙Pに、印刷ジョブ毎に異なる色でマーキング画像を印刷するようにすることもできる。この場合には、色によって印刷ジョブ毎の記録紙Pを区別することができるので、各印刷ジョブの記録紙Pに印刷するマーキング画像の内容(文字、記号、キャラクタ、デザイン等)や位置を、同じものとしても差し支えない。
【0084】
但し、印刷ジョブ毎に異なる色でマーキング画像を記録紙Pの小口に印刷するためには、制御基板103aに、プリンター部102の制御基板103が有するカラー画像処理部133、信号変換部123、及び、インク量設定手段143と同等の構成を設ける必要があり、かつ、記憶手段113aにも、プリンター部102の記憶手段113が有するワーキングメモリ31と同等の構成を設ける必要がある。
【0085】
さらに、インクジェット記録装置1の外部から入力されたドキュメントの印刷オーダーによって発生した印刷ジョブで画像が記録面P1(又は記録面P1,P2)印刷された記録紙Pの小口P3に、例えば、図14に示すように、その印刷ジョブの基となったドキュメントのファイルネーム(「conf.abc」、請求項中の小口画像に相当)を、マーキング画像として印刷するようにしてもよい。
【0086】
また、上述した第1実施形態では、プリンター部102と排紙部109との間の記録紙Pの搬送経路上に小口プリンター部102aを配置し、記録紙Pの搬送方向に沿って延在する小口P3にマーキング画像M1,M2を印刷する場合について説明した。しかし、小口プリンター部は第1実施形態で説明した場所に限らず他の場所に配置することもできる。
【0087】
そこで、小口プリンター部の配置が第1実施形態とは異なる本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置について、以下に説明する。
【0088】
第1実施形態のインクジェット記録装置1の説明において参照した図1に示すように、プリンター部102における原稿画像Iの記録面P1(又は記録面P1,P2)への印刷が終了した記録紙Pは、図1の装置右手にある排紙部109に排紙される。このとき、単位時間当たりに印刷できる枚数が多い、つまり、記録紙Pの搬送速度が高いインクジェット記録装置1においては、プリンター部102における原稿画像Iの印刷が終了した記録紙Pが排紙部109に勢いよく排紙される。
【0089】
そのため、排紙部109の先端付近には、排紙された記録紙Pがその勢いで排紙部109の先端から落下しないように、排紙フェンス111が立設される。排紙部109に排紙される全ての記録紙Pは、搬送方向の先端側の小口P4(図9参照)が排紙フェンス111に衝突することで排紙部109からの脱落を免れる。
【0090】
そこで、第2実施形態のインクジェット記録装置では、この排紙フェンス111に小口プリンター部を設けるようにしている。
【0091】
図15は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の小口プリンター部の概略構成を示す要部拡大正面図、図16は同要部拡大平面図である。
【0092】
図15に示す第2実施形態のインクジェット記録装置の小口プリンター部102bは、第1実施形態のインクジェット記録装置1の小口プリンター部102aにおけるプリントパッドユニット104aに代わるプリントパッドユニット104bを有している。
【0093】
本実施形態の小口プリンター部102bによる記録紙Pへのマーキング画像の印刷は、インクジェットヘッドユニット104による印刷のために給紙部105からベルト搬送部106により高速で搬送された記録紙Pが、インクジェットヘッドユニット104による印刷後に排紙部109から排紙フェンス111に向けて勢いよく排紙される際に行われる。そのために、小口プリンター部102bのプリントパッドユニット104bは、排紙フェンス111に設けられている。
【0094】
プリントパッドユニット104bは、排紙フェンス111の上部に配置されたパッドアクチュエータ44eと、排紙フェンス111の給紙部105側に配置されたパッドヘッド44fとを備えている。
【0095】
パッドアクチュエータ44e(請求項中のヘッド移動手段に相当)は、図16に示すように、排紙フェンス111のパッドヘッド44f(請求項中の記録ヘッドに相当)とは反対側の面で軸受されたスクリューシャフト44gと、このスクリューシャフト44gを回転させるステッピングモータ44hと、スクリューシャフト44gと螺合しスクリューシャフト44gの回転によりその軸方向にスライドされるスライダ44iとを有している。
【0096】
パッドヘッド44fは、図15に示すように、排紙部109における記録紙Pの積層方向に沿って上下に延在しており、その上端がスライダ44iによって支持されている。そして、パッドヘッド44fは、パッドアクチュエータ44eによってスクリューシャフト44gが回転されることで、スライダ44iと共に、排紙部109に排紙される記録紙Pの小口P4の延在方向にその全幅に亘って往復移動できるように構成されている。
【0097】
パッドヘッド44fには、不図示の供給路を介してヘッド内部に供給されるインクを常時含浸した状態にあり、パッドヘッド44fは、ヘッド周面に接触した記録紙Pの小口P4に、含浸したインクを転写させる。
【0098】
なお、本実施形態の小口プリンター部102bは、制御ユニット10が生成するマーキング画像信号を基に制御基板103aで生成したデジタル画像信号を用いて、パッドアクチュエータ44eの動作を制御ユニット10で制御することで、排紙部109から排紙フェンス111に向けて排紙された記録紙Pの小口P4に対してマーキング画像を印刷する。
【0099】
詳しくは、排紙フェンス111の手前に配置されたパッドヘッド44fの位置を印刷ジョブ毎に調整して、排紙部109から排紙フェンス111に向けて排紙される記録紙Pの小口P4をパッドヘッド44fに衝突させることで、例えば、図12に示す例のような、同一の印刷ジョブで印刷されて積層された記録紙Pの全体で帯状(乃至線状)を呈する形態のマーキング画像M1,M2を、記録紙Pの小口P4に印刷する。
【0100】
ちなみに、本実施形態のインクジェット記録装置における制御ユニット10のCPU90が行う処理の手順は、図11のフローチャートを参照して説明した、第1実施形態のインクジェット記録装置1における制御ユニット10のCPU90が行う処理の手順と、基本的に同様である。
【0101】
このような構成による第2実施形態のインクジェット記録装置によれば、第1実施形態のインクジェット記録装置1の小口プリンター部102aのように、積層された記録紙Pの全体で文字、記号、キャラクタ、デザインを構成する図13や図14の例のようなマーキング画像を印刷することができない点を除いて、第1実施形態のインクジェット記録装置1と同様の効果を得ることができる。
【0102】
しかも、第2実施形態のインクジェット記録装置によれば、印刷ジョブの変わり目でパッドヘッド44fを排紙部109に排紙される記録紙Pの小口P4の延在方向に移動させるだけで、小口P4上におけるマーキング画像M1,M2の位置を印刷ジョブ毎に容易に異ならせることができる。
【0103】
なお、上述した第1及び第2実施形態のインクジェット記録装置において搬送中の記録紙P(用紙)が通過する、給紙部105から排紙部109に至るまでの全ての部分が、本発明における用紙の搬送経路に該当し得る。したがって、記録紙Pの小口P3,P4にマーキング画像M1,M2を印刷する小口画像記録部は、第1及び第2実施形態で説明した小口プリンター部102a,102bの配置箇所以外の場所にも、配置することができる。
【0104】
例えば、小口プリンター部102aにおいて記録面P1(又は記録面P1,P2)に原稿画像Iを印刷する前の段階で、小口P3,P4に対するマーキング画像M1,M2の印刷が行われるような場所に、小口画像記録部を配置することもできる。また、両面印刷時にのみマーキング画像による記録紙Pの区別が必要な場合には、両面印刷時にのみ記録紙Pが通過する両面用ベルト搬送部107や両面用スタックトレー108、搬送路112に小口画像記録部を配置することもできる。
【0105】
さらに、上述した第1及び第2実施形態では、主画像記録部がインクジェット式のプリンター部102である画像形成装置(インクジェット記録装置1)を例に取って説明した。しかし、本発明は、用紙(記録紙)の記録面に対する所定の画像の記録(印刷)とは別に、用紙の小口にマーキング画像を記録(印刷)することのできるものであれば、主画像記録部が電子写真方式等、インクジェット方式以外の方式による画像形成装置についても適用可能である。
【0106】
また、上述した第1及び第2実施形態では、一つの印刷ジョブにより連続して記録面P1(又は記録面P1,P2)に原稿画像Iが印刷される複数枚の記録紙P,P,…を、請求項中における所定の用紙グループの一単位とし、各印刷ジョブによりマーキング画像M1,M2を記録紙Pの小口P3,P4に印刷することで、異なる印刷ジョブによって印刷された記録紙Pどうしを区別できるようにする場合を例に取って説明した。しかし、本発明は、用紙の小口に印刷したマーキング画像によって、例えば、一定枚数毎に記録紙(用紙)を区別できるようにする場合や、ソーターを用いない電子ソートで排紙された記録紙を部数毎に区別できるようにする場合等に、広く適用可能である。
【0107】
なお、小口のマーキング画像によって一定枚数毎に記録紙(用紙)を区別できるようにする場合は、一定枚数の記録紙(用紙)が請求項中における所定の用紙グループの一単位に相当し、また、小口のマーキング画像によって電子ソートで排紙された記録紙を部数毎に区別できるようにする場合は、ソートされた単一部数の記録紙の束が請求項中における所定の用紙グループの一単位に相当することになる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明による画像形成装置の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置のうちスキャナー部の概略構成を示す説明図である。
【図3】(a),(b)は図1のスキャナー部において原稿画像を読み取る原稿のセット方向を示す説明図、(c)は図1のプリンター部や小口プリンター部において原稿画像やマーキング画像が印刷される記録紙を示す説明図である。
【図4】図1のインクジェット記録装置のうちプリンター部や小口プリンター部の概略構成を示す説明図である。
【図5】図1のインクジェット記録装置のインクジェットヘッドユニットのブロック図である。
【図6】図4のプリンター部の画像処理部のブロック図である。
【図7】図4のプリンター部のプリントパッドユニットのブロック図である。
【図8】図4の小口プリンター部の画像処理部のブロック図である。
【図9】図4の小口プリンター部のプリントパッドの概略構成を示す斜視図である。
【図10】図1のインクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図11】図10のインクジェット記録装置の制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図4の小口プリンター部によって記録紙の小口に印刷ジョブ毎に印刷されるマーキング画像を示す説明図である。
【図13】図4の小口プリンター部によって記録紙の小口に印刷ジョブ毎に印刷されるマーキング画像の他の例を示す説明図である。
【図14】図4の小口プリンター部によって記録紙の小口に印刷ジョブ毎に印刷されるマーキング画像のさらに他の例を示す説明図である。
【図15】本発明による画像形成装置の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の小口プリンター部の概略構成を示す要部拡大正面図である。
【図16】本発明による画像形成装置の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の小口プリンター部の概略構成を示す要部拡大平面図である。
【符号の説明】
【0109】
1 インクジェット記録装置(画像形成装置)
10 制御ユニット
44b パッドアクチュエータ(ヘッド駆動手段)
44c,44f パッドヘッド(記録ヘッド)
44e パッドアクチュエータ(ヘッド移動手段)
90 CPU
102 プリンター部(主画像記録部)
102a,102b 小口プリンター部(小口画像記録部)
105 給紙部
106 ベルト搬送部(搬送経路)
107 両面用ベルト搬送部(搬送経路)
108 両面用スタックトレー(搬送経路)
109 排紙部
112 搬送路(搬送経路)
114 通過センサ(位置検出手段)
I 原稿画像(所定の画像)
M1,M2 マーキング画像
P 記録紙(用紙)
P1,P2 記録面
P3,P4 小口
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙の搬送経路上において用紙の片面又は両面の記録面に対して所定の画像を記録する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の排紙部には、印刷ジョブによって所定の画像が記録面に印刷された用紙が排紙される。この排紙された用紙をしばらく放置していると、次以降の印刷ジョブによって印刷、排紙された用紙が排紙部に積層される。そうなると、積層された用紙における前後の印刷ジョブの区切りがどこにあるのか、一見しただけでは区別が付かず、記録面に印刷された画像を見て判断しなければならなくなる。
【0003】
このような問題を解決するための1つの手法として、インデックス印刷を利用することが考えられる。このインデックス印刷では、用紙の一枚一枚にインデックス用の図柄が画像と一緒に印刷される。このインデックス用の図柄は、用紙の縁にかかるように、用紙の記録面のうち画像が印刷される部分の周囲の余白部分に印刷される。なお、印刷される図柄の位置は、インデックス単位でずらされる(例えば特許文献1)。
【0004】
そこで、インデックス印刷を応用し、図柄の位置を印刷ジョブ毎にずらして各用紙に印刷すれば、積層した記録紙の小口側から見える記録面の図柄の位置の違いにより、どこまでが同じ印刷ジョブで印刷、排紙された記録紙であるかを、一見して区別できるようにすることができる。
【特許文献1】特開2007−118221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したインデックス印刷を応用した手法では、本来は情報として必要のないインデックス用の図柄が画像と一緒に記録面上に印刷されてしまうことになる。そのため、特に、画像が美観を伴う内容のものである場合は、その美観をインデックス用の図柄が損ねてしまう恐れがある。しかも、1つの印刷ジョブで印刷した複数枚の用紙のうち一部しか複写する必要がない場合には、印刷した用紙を最早印刷ジョブ単位で管理する必要がないにも拘わらず、複写した用紙の記録面上に不要なインデックス用の図柄が複写されてしまうという不具合もある。
【0006】
なお、このような問題は、排紙部に積層された複数枚の用紙を印刷ジョブ単位で区別する場合だけに限らず、印刷した複数枚の用紙を何らかの単位で一見して区別しなければならない場合にも、同様に当てはまるものである。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、用紙を一枚ずつ搬送しながらその記録面に所定の画像を記録する画像形成装置において、複数枚の用紙が積層されてもそれらの用紙を一見して任意のグループ単位に区別できるようにするのに適した構成を有する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した本発明の画像形成装置は、用紙が一枚ずつ搬送される搬送経路上の主画像記録部において、前記用紙の片面又は両面に存在する記録面に対して、所定の画像を記録する画像形成装置であって、前記搬送経路上において、前記記録面を除く前記用紙の小口に対して、前記所定の画像とは異なるマーキング画像を、該マーキング画像の内容を所定の用紙グループ単位で異ならせて記録する、小口画像記録部をさらに備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載した本発明の画像形成装置によれば、用紙が一枚ずつ搬送される搬送経路上の主画像記録部において所定の画像が記録される用紙の小口に、所定の用紙グループ単位で内容の異なるマーキング画像が、搬送経路上の小口画像記録部において記録される。
【0010】
このため、用紙の小口に記録されたマーキング画像の内容によって、用紙を所定のグループ単位毎に区別することができるようになる。よって、所定の画像を記録し終えた用紙が複数枚積層されても、それらの用紙を小口のマーキング画像の内容で所定のグループ単位毎に容易に区別することができる。
【0011】
しかも、マーキング画像が用紙の記録面ではなく小口に記録されることから、記録面に記録された所定の画像を他の用紙の記録面に複写した際に、複写先の用紙の記録面に所定の画像と共にマーキング画像が複写記録されてしまうことがない。そのため、所定の画像が美観を伴うものであっても、複写先の用紙の記録面上において複写された所定の画像の美観が損なわれてしまうのを防止することができる。
【0012】
また、請求項2に記載した本発明の画像形成装置は、請求項1に記載した本発明の画像形成装置において、前記主画像記録部が、ジョブによって規定された枚数の前記用紙に対して、前記所定の画像の前記記録面への記録を連続して行い、前記小口画像記録部が、単一の前記ジョブにより連続して前記記録面に前記所定の画像が記録される複数枚の前記用紙を、前記所定の用紙グループの一単位として、前記ジョブの単位で積層された複数枚の前記用紙の前記小口部分に、前記ジョブ毎に異なる小口画像を表示させるための前記マーキング画像を、同一の前記ジョブによって前記所定の画像が前記記録面に記録される複数枚の前記用紙の前記小口にそれぞれ記録することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載した本発明の画像形成装置によれば、請求項1に記載した本発明の画像形成装置において、所定の画像を記録し終えた用紙が複数印刷ジョブ分積層されると、各印刷ジョブ毎の用紙を、所定の用紙グループの一単位として、それら各印刷ジョブ毎の用紙の小口に小口画像記録部が記録したマーキング画像によって構成される小口画像が、印刷ジョブ毎に異なるようになる。
【0014】
このため、所定の画像を記録し終えた用紙が複数印刷ジョブ分積層されても、同一の小口画像を構成するマーキング画像が小口に記録されている用紙どうしにそれらの用紙を区別することで、印刷ジョブ毎に用紙を容易に区別することができる。
【0015】
さらに、請求項3に記載した本発明の画像形成装置は、請求項1又は2に記載した本発明の画像形成装置において、前記主画像記録部が、ジョブによって規定された枚数の前記用紙に対して、前記所定の画像の前記記録面への記録を連続して行い、前記小口画像記録部が、単一の前記ジョブにより連続して前記記録面に前記所定の画像が記録される複数枚の前記用紙を、前記所定の用紙グループの一単位として、前記用紙の前記小口に記録する前記マーキング画像の色及び位置のうち少なくとも一方を、前記ジョブの単位で異ならせることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載した本発明の画像形成装置によれば、請求項1又は2に記載した本発明の画像形成装置において、所定の画像を記録し終えた用紙が複数印刷ジョブ分積層されると、各印刷ジョブ毎の用紙を、所定の用紙グループの一単位として、それら各印刷ジョブ毎の用紙の小口に小口画像記録部が記録したマーキング画像の色及び位置のうち少なくとも一方が、印刷ジョブ毎に異なるようになる。
【0017】
このため、所定の画像を記録し終えた用紙が複数印刷ジョブ分積層されても、それらの用紙を、同じ色又は位置のマーキング画像が小口に記録されている用紙どうしに区別することで、印刷ジョブ毎に用紙を容易に区別することができる。
【0018】
また、請求項4に記載した本発明の画像形成装置は、請求項1、2又は3に記載した本発明の画像形成装置において、前記小口画像記録部が、前記搬送経路上に対して進退可能に配置された記録ヘッドと、前記搬送経路上を搬送される前記用紙の前記記録ヘッドに対する相対位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段により検出された前記用紙の前記相対位置に応じたタイミングで前記記録ヘッドを前記搬送経路上に対して進退させるヘッド駆動手段とを有しており、前記記録ヘッドが、前記搬送経路上に進出した状態で該搬送経路を搬送される前記用紙の前記小口に接触して前記マーキング画像を記録するように構成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載した本発明の画像形成装置によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明の画像形成装置において、位置検出手段が検出する搬送経路上の用紙との相対位置に応じたタイミングでヘッド駆動手段が記録ヘッドを搬送経路上に進出させている間、搬送経路を搬送される用紙の小口に記録ヘッドが接触してマーキング画像が小口に記録される。
【0020】
このため、ヘッド駆動手段により記録ヘッドを搬送経路上に進出させるタイミングやパターンを所定の用紙グループ単位で変更するだけで、用紙の小口に記録されるマーキング画像の内容を所定の用紙グループ単位で容易に異ならせることができる。
【0021】
さらに、請求項5に記載した本発明の画像形成装置は、請求項1、2又は3に記載した本発明の画像形成装置において、前記搬送経路上の終端に、前記用紙が排紙される排紙部が設けられており、前記小口画像記録部が、前記排紙部に排紙される前記用紙の搬送方向における先端側から前記小口に接触して該小口に前記マーキング画像を記録する記録ヘッドと、該記録ヘッドを前記排紙部に排紙される前記用紙の前記小口の延在方向に沿って移動させるヘッド移動手段とを有していることを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載した本発明の画像形成装置によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明の画像形成装置において、排紙部に排紙される用紙のグループの変わり目で、ヘッド移動手段により記録ヘッドを小口の延在方向に移動させるだけで、小口上におけるマーキング画像の位置が用紙グループ毎に容易に異ならせることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、所定の画像を記録し終えた用紙が複数枚積層されても、それらの用紙を小口のマーキング画像の内容で所定のグループ単位毎に容易に区別することができる。また、記録面の所定の画像を他の用紙の記録面に複写する際に、複写先の用紙の記録面にマーキング画像が一緒に複写記録されてないようにして、所定の画像の美観等が損なわれるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明による画像形成装置の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す説明図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置1は、原稿M上の原稿画像I(図3(a)参照)を読み取って画像信号を出力するスキャナー部101と、スキャナー部101から出力された画像信号に基づいて記録紙(請求項中の用紙に相当)Pの記録面P1,P2(図3(c)参照、おもて面P1、又は、おもて面P1とうら面P2の両面)に原稿画像Iを印刷(記録)するプリンター部102(請求項中の主画像記録部に相当)と、記録紙Pの小口P3(図3(c)参照)に画像を記録(印刷)する小口プリンター部102a(請求項中の小口画像記録部に相当)とを備えている。
【0027】
また、本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙部105からプリンター部102や小口プリンター部102aを介して排紙部109に記録紙Pを搬送するためのベルト搬送部106、両面用ベルト搬送部107、両面用スタックトレー108、及び、搬送路112と、各種の入力設定及び情報表示を行うディスプレイ110と、全体制御用の制御ユニット10(図10参照)等を備えている。
【0028】
スキャナー部101は、図2に示すように、原稿M上の原稿画像Iを光電的に読み取り、原稿画像Iを構成する各画素のR成分、G成分、及び、B成分の8ビットのデジタル信号を出力するものである。このスキャナー部101は、原稿読取部101aと自動原稿供給装置(以下ADFまたはADFユニットとする)101bとを有している。
【0029】
原稿読取部101aでは、ADFユニット101bの原稿セットトレー435にセットされた1又は複数枚の原稿Mや、原稿載置ガラス台429に載せた原稿Mからの、原稿画像Iの光学的な読み取りを行うことができる。
【0030】
このうち、ADFユニット101bの原稿セットトレー435にセットした1又は複数枚の原稿Mについては、光学式のADF原稿セットセンサ436により原稿セットトレー435にセットしたことを検出し、この状態で、後述するディスプレイ110の操作により印刷を開始させることで、セットされた原稿Mを1枚ずつ送りローラ群437により原稿排出トレー439へ送り出す。その途中でターゲットガラス板433上を原稿Mに通過させ、ターゲットガラス板433の下方の図2中の引用符号Cで示すホームポジションに移動させたラインイメージセンサ427により、原稿Mの原稿画像Iを読み取る。
【0031】
この場合、原稿Mのサイズ及び向きは、ラインイメージセンサ427による原稿検出幅と、送りローラ群437により原稿Mがラインイメージセンサ427を通過する所要時間とによって検出される。
【0032】
なお、ADFユニット101bの原稿セットトレー435に原稿Mを載置する場合にはは、図3(b)に示すように、原稿画像Iが原稿セットトレー435側となるよう原稿Mを裏向きに載置する。
【0033】
また、原稿載置ガラス台429に載せたブック等厚物の原稿Mの原稿画像Iは、図2中の引用符号A,Bで示す2つのポジション間で矢印a方向に移動させたラインイメージセンサ427によって読み取る。なお、厚物の原稿Mを原稿載置ガラス台429に載せる場合は、圧板431を使って、原稿載置ガラス台429に原稿Mを圧接させ、かつ、原稿Mの周囲からの読取光の漏光を防止する。
【0034】
ちなみに、図2中では簡略化して示しているが、原稿載置ガラス台429の下方に適切な間隔をおいて複数配置されている複数の圧板側原稿セットセンサ434によって、原稿載置ガラス台429上に原稿Mがセットされたことの他、セットされた原稿Mのサイズ及び向きを検出する。
【0035】
なお、原稿載置ガラス台429に原稿Mを載置する場合にも、図3(b)に示すように、原稿画像Iが原稿載置ガラス台429側となるよう原稿Mを裏向きに載置する。
【0036】
図4に示すように、プリンター部102は、制御基板103とインクジェットヘッドユニット104とを備えている。このプリンター部102では、スキャナー部101において原稿Mから読み取った原稿画像Iを基に制御基板103で生成したデジタル画像信号を用いて、給紙部105からベルト搬送部106により矢印b方向に搬送された記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に対して、インクジェットヘッドユニット104によって原稿画像Iを印刷する。
【0037】
そして、プリンター部102は、ディスプレイ110の操作に伴って、スキャナー部101で1又は複数枚の原稿Mから読み取った原稿画像Iを印刷する印刷ジョブが発生する毎に、後述する制御ユニット10(図10参照)からの指示に基づいて、その印刷ジョブ単位で記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に対する原稿画像Iの印刷を行う。つまり、本実施形態では、原稿画像Iが請求項中の所定の画像に相当する。
【0038】
なお、プリンター部102は、インクジェット記録装置1の外部からプリンタサーバ(図示せず)等を介して制御ユニット10に印刷ジョブが入力された場合にも、制御ユニット10からの指示に基づいて、各印刷ジョブ単位で記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に対する画像の印刷を行う。この場合には、外部から入力された印刷ジョブによって記録面P1(又は記録面P1,P2)に印刷される画像が、請求項中の所定の画像に相当することになる。
【0039】
記録紙Pに片面印刷する場合は、記録紙Pがベルト搬送部106により排紙部109に搬送されて排紙される。一方、記録紙Pに両面印刷する場合は、ベルト搬送部106と搬送路112と両面用ベルト搬送部107との連係によって、片面(例えば、おもて面P1)への印刷済みの記録紙Pが反転状態で矢印b方向から矢印c方向に連続して搬送され、両面用スタックトレー108に一旦排紙される。そして、再びベルト搬送部106によりインクジェットヘッドユニット104に記録紙Pが搬送されて、残る片面(例えば、うら面P2)にも画像が印刷される。両面印刷済みの記録紙Pは、片面印刷の場合と同様に、ベルト搬送部106により排紙部109に搬送されて排紙される。ベルト搬送部106の給紙部105寄りの箇所には、この箇所を通過する記録紙Pを検出する通過センサ114(請求項中の位置検出手段に相当)が設けられている。
【0040】
インクジェットヘッドユニット104は、図5に示すように、Y(イエロー)成分、M(マゼンダ)成分、C(シアン)成分、及び、K(ブラック)成分のデジタル画像信号の各成分に対応した記録ヘッド40〜43と、記録ヘッド40〜43を駆動するヘッドドライバー44とを備えている。
【0041】
図4に示す制御基板103においては、スキャナー部101から出力された原稿Mの1枚分の原稿画像Iがデジタル画像信号の形で記憶され、そのデジタル画像信号に所定の画像処理が施される。処理済デジタル画像信号は、インクジェットヘッドユニット104に対して出力される。そのために、制御基板103は、図6に示すように、記憶手段113、カラー画像処理部133、信号変換部123、及び、インク量を設定するインク量設定手段143を備えている。
【0042】
記憶手段113は、スキャナー部101から出力された原稿Mの1枚分の原稿画像Iに関する、R(レッド)成分、G(グリーン)成分、及び、B(ブルー)成分のデジタル画像信号と、所定の信号処理の施されたデジタル画像信号とを記憶する。
【0043】
カラー画像処理部133は、記憶手段113に記憶されたR成分、G成分、及び、B成分のデジタル画像信号を、Y成分、M成分、C成分、及び、K成分のデジタル画像信号に変換する。
【0044】
信号変換部123は、カラー画像処理部133によりY成分、M成分、C成分、及び、K成分のデジタル画像信号における各画素データを、3ビットのデータに変換する。
【0045】
インク量設定手段143は、信号変換部123において変換された3ビットの画素データに基づいてインクを吐出する際のインク量を設定する。インク量設定手段143が設定するインク量は、操作者がディスプレイ110により指定する濃度によっても変わる。
【0046】
記憶手段113は、スキャナー部101から出力された原稿Mの1枚分の原稿画像Iに関するR成分、G成分、及び、B成分のデジタル画像信号を、各成分毎に記憶するフレームメモリ30と、カラー画像処理部133により変換されたY成分、M成分、C成分、及び、K成分のデジタル画像信号などを記憶するワーキングメモリ31と、インク量設定手段143によりインク量の設定されたY成分、M成分、C成分、及び、K成分のデジタル画像信号を記憶する駆動メモリ32とを備えている。
【0047】
具体的には、スキャナー部101により光電的に読み取られた原稿画像Iに関する、R成分、G成分、及び、B成分に変換されたデジタル画像信号は、原稿Mの1枚分ずつ、各成分毎にフレームメモリ30に記憶される。
【0048】
そして、この印刷指示に応じてフレームメモリ30に記憶された原稿Mの1枚分の原稿画像Iに関するデジタル画像信号の画素データが、カラー画像処理部133において、R成分、G成分、及び、B成分からY成分、M成分、C成分、及び、K成分に変換され、二値化処理された後、ワーキングメモリ31に記憶される。
【0049】
上記のように二値化されたY成分、M成分、C成分、及び、K成分の画素データは、それぞれの成分について信号変換部123により3ビットのデータに変換され、再びワーキングメモリ31に各成分毎に記憶される。
【0050】
上記の処理によって、原稿Mの1枚分の原稿画像Iに関するデジタル画像信号の処理済デジタル画像データが生成されて、各成分毎にワーキングメモリ31に記憶される。そして、ワーキングメモリ31に記憶された各成分毎の処理済デジタル画像信号は駆動メモリ32に記憶される。駆動メモリ32に記憶された処理済デジタル画像信号は、所定のタイミングでインクジェットヘッドユニット104に出力される。
【0051】
そして、各成分毎の処理済デジタル画像信号が、図5に示すヘッドドライバー44に入力され、ヘッドドライバー44は、処理済デジタル画像信号を各成分に対応した記録ヘッド40〜43に出力し、各記録ヘッド40〜43に、処理済デジタル画像データに基づいて記録紙の搬送速度に同期させた所定のタイミングでインクを吐出させる。
【0052】
上記のような処理が、先に説明した、図4の給紙部105からインクジェットヘッドユニット104への記録紙Pの搬送に同期して行われ、記録ヘッド40〜43から吐出されたインクが記録紙Pに転写されて、原稿画像Iが記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に印刷される。
【0053】
図4に示すように、小口プリンター部102aは、制御基板103aとプリントパッドユニット104aとを備えている。この小口プリンター部102aは、スキャナー部101において原稿Mから読み取った原稿画像Iを印刷する印刷ジョブの発生に伴い、後述する制御ユニット10(図10参照)が生成するデジタルのマーキング画像信号に基づいて、どの印刷ジョブによって印刷された記録紙Pであるのかを区別するための白黒のマーキング画像を、プリントパッドユニット104aによって記録紙Pの小口P3に印刷する。
【0054】
プリントパッドユニット104aは、図8に示すように、パッドドライバー44a、パッドアクチュエータ44b、及び、パッドヘッド44cを備えている。
【0055】
本実施形態に係るインクジェット記録装置1の制御基板103aにおいては、マーキング画像が白黒であり、しかも、制御ユニット10の生成するマーキング画像信号がデジタルであることから、画像信号のR成分、G成分、及び、B成分からY成分、M成分、C成分、及び、K成分への変換を行わない。そのため、図7に示すように、制御基板103aは、プリンター部102の制御基板103とは異なり、カラー画像処理部133、信号変換部123、及び、インク量設定手段143が省略されて、記憶手段113aのみを有している。また、記憶手段113aについても、制御基板103の記憶手段113とは異なり、ワーキングメモリ31が省略されて、フレームメモリ30a及び駆動メモリ32aのみを有している。
【0056】
そして、記憶手段113aのフレームメモリ30aに記憶されるデジタルのマーキング画像信号が、制御ユニット10によって駆動メモリ32aに複写され、記録紙Pがプリントパッドユニット104aを通過するタイミングに合わせて、プリントパッドユニット104aに出力される。
【0057】
そして、デジタルのマーキング画像信号が、図8に示すパッドドライバー44aに入力され、パッドドライバー44aは、デジタルのマーキング画像信号によってパッドアクチュエータ44b(請求項中のヘッド駆動手段に相当)を駆動させ、デジタルのマーキング画像信号に基づいて記録紙Pの搬送速度に同期させた所定のタイミングでパッドヘッド44c(請求項中の記録ヘッドに相当)を記録紙Pの小口P3に接触させ、インクを転写させる。
【0058】
具体的には、パッドアクチュエータ44bは、図9に示すように、枢軸44dによって揺動可能に支持されたパッドヘッド44cを枢軸44dの周りに往復揺動させることで、給紙部105から排紙部109に至る記録紙Pの搬送経路に対してパッドヘッド44cを進退させる。これにより、給紙部105から排紙部109に搬送される途中の記録紙Pの小口P3にパッドヘッド44cを接離させる。
【0059】
パッドヘッド44cには、不図示の供給路を介してヘッド内部に供給されるインクを常時含浸した状態にあり、パッドヘッド44cは、ヘッド周面を記録紙Pの小口P3に接触させることで、含浸したインクを小口P3に転写させる。
【0060】
なお、本実施形態の小口プリンター部102aは、制御ユニット10が生成するマーキング画像信号を基に制御基板103aで生成したデジタル画像信号を用いて、パッドアクチュエータ44bの動作を制御ユニット10で制御することで、給紙部105からベルト搬送部106により矢印b方向に搬送された記録紙Pの小口P3に対してマーキング画像を印刷する。
【0061】
記録紙Pへのマーキング画像の印刷は、インクジェットヘッドユニット104によって記録面P1(又は記録面P1,P2)に画像を印刷し終えた記録紙Pが、ベルト搬送部106によりインクジェットヘッドユニット104から排紙部109に搬送される途中で行われる。そのために、小口プリンター部102aのプリントパッドユニット104aは、インクジェットヘッドユニット104と排紙部109との間のベルト搬送部106部分の側部に配置されている。
【0062】
ディスプレイ110は、スキャナー部101と共にプリンター部102の上部に配置されている。ディスプレイ110の画面にはタッチセンサ(図示せず)が貼着されている。このタッチセンサにより、ディスプレイ110に表示される各ボタンの押圧操作を検出することができる。
【0063】
以上に説明したインクジェット記録装置1の各部の動作は、後述する制御ユニット10に設けられたCPU90(図10参照)によって制御される。
【0064】
図10は図1のインクジェット記録装置に設けられる制御ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【0065】
図10に示すように、インクジェット記録装置1の制御ユニット10はCPU90を備える。このCPU90は、ROM91に格納されているプログラム及び設定情報に基づいて、ディスプレイ110から入力設定される内容に応じたスキャナー部101やプリンター部102の動作を制御する。また、CPU90は、通過センサ114が検出する、ベルト搬送部106の給紙部105寄りの箇所を記録紙Pが通過するタイミングを参照しつつ、小口プリンター部102aの動作を制御する。なお、CPU90にはRAM92が設けられており、RAM92にはディスプレイ110から入力された印刷枚数や各種の設定内容が随時記憶される。
【0066】
インクジェット記録装置1においては、ディスプレイ110の各キーの操作で入力設定された内容にしたがって、制御ユニット10のCPU90の制御により、原稿Mの原稿画像Iがプリンター部102によって記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に印刷される。また、原稿画像Iを記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に印刷する際に、制御ユニット10のCPU90の制御により、印刷ジョブ単位を区別するためのが小口プリンター部102aによって記録紙Pの小口P3に印刷される。
【0067】
以下、そのような印刷を行うためにインクジェット記録装置1の制御ユニット10のCPU90が行う処理の手順について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0068】
インクジェット記録装置1の電源が投入された後、CPU90は、その電源が切断されることなく、ディスプレイ110の操作によって原稿Mの原稿画像Iの記録紙Pに対する印刷の印刷ジョブがスタートすると(ステップS1でYES)、RAM92の印刷ジョブカウンタのカウント値S(インクジェット記録装置1の起動時のデフォルト値は「0」)を「1」インクリメントする(ステップS3)。
【0069】
次に、CPU90は、スキャナー部101のADFユニット101bにおいて検出される原稿Mのサイズ及び向きに基づいてサイズが決定される記録紙Pの小口P3に対する、RAM92の印刷ジョブカウンタのカウント値に応じたユニークな(他のカウント値の場合と異なる内容の)デジタルのマーキング画像信号を生成し(ステップS5)、生成したマーキング画像信号を、記録紙Pがプリントパッドユニット104aを通過するタイミングに合わせて、小口プリンター部102aのプリントパッドユニット104aに出力する(ステップS7)。
【0070】
なお、記録紙Pがプリントパッドユニット104aを通過するタイミングは、プリントパッドユニット104aに対して位置が固定されている通過センサ114が検出する、ベルト搬送部106の給紙部105寄りの箇所を記録紙Pが通過するタイミングに基づいて、CPU90が判断することができる。
【0071】
続いて、CPU90は、ADFユニット101bのADF原稿セットセンサ436によって検出される原稿セットトレー435上の原稿Mの有無に基づいて、ステップS1でスタートした印刷ジョブによる原稿画像Iの記録紙Pに対する印刷が終了したか否かを判断し(ステップS9)、終了していない場合は(ステップS9でNO)、ステップS7にリターンする。また、終了した場合は(ステップS9でYES)、インクジェット記録装置1の電源が切断されるまでの間(ステップS11でYES)、上述したステップS1乃至ステップS9の処理を繰り返す。
【0072】
上述した手順による処理をCPU90が実行することで、インクジェット記録装置1の排紙部109に排紙されて積層された記録紙Pの小口P3には、図12に示すように、小口P3の延在方向(記録紙Pの搬送方向)における位置が印刷ジョブ毎に異なるマーキング画像M1,M2が印刷される。
【0073】
図12に示すマーキング画像M1,M2の例では、CPU90が生成するマーキング画像信号によってプリントパッドユニット104aのパッドアクチュエータ44bが枢軸44dの周りにパッドヘッド44cを揺動させて、プリントパッドユニット104aを通過する記録紙Pの小口P3にパッドヘッド44cを接触させるタイミングを、印刷ジョブ毎に異ならせている。これにより、小口P3の延在方向におけるマーキング画像M1,M2の位置が印刷ジョブ毎に異なり、同一の印刷ジョブで印刷されて積層された記録紙Pのマーキング画像M1,M2の全体で、帯状(乃至線状)を呈する小口画像が形成される。
【0074】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態のインクジェット記録装置1においては、一つの印刷ジョブにより連続して記録面P1(又は記録面P1,P2)への原稿画像Iの印刷が行われて排紙部109において積層される複数枚の記録紙P,P,…が、請求項中における所定の用紙グループの一単位に相当している。
【0075】
したがって、本実施形態のインクジェット記録装置1によれば、先に処理された印刷ジョブによって印刷された記録紙Pが排紙部109に排紙された後に、後から処理された印刷ジョブによって印刷された記録紙Pが排紙部109に排紙されて積層されても、小口P3に印刷されたマーキング画像M1,M2,…の位置の違いによって、各印刷ジョブで印刷された記録紙Pの範囲を容易に区別することができる。
【0076】
しかも、本実施形態のインクジェット記録装置1によれば、マーキング画像M1,M2を記録紙Pの小口P3に印刷することから、記録面P1(又は記録面P1,P2)の原稿画像Iを他の記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に複写する際に、小口P3のマーキング画像M1,M2が原稿画像Iと一緒に複写されることがない。
【0077】
このため、複写先の記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)上において、複写された原稿画像Iの美観等が、一緒に複写された記録面P1(又は記録面P1,P2)上のマーキング画像M1,M2によって損なわれないようにすることができる。
【0078】
さらに、本実施形態のインクジェット記録装置1によれば、パッドヘッド44cをパッドアクチュエータ44bによって記録紙Pの搬送経路に進出させている間、記録紙Pの小口P3にパッドヘッド44cが接触してマーキング画像M1,M2が小口P3に印刷される。このため、パッドヘッド44cをパッドアクチュエータ44bによって記録紙Pの搬送経路に進出させるタイミングやパターンを印刷ジョブ毎に変更するだけで、記録紙Pの小口P3に記録されるマーキング画像M1,M2の内容を印刷ジョブ単位で容易に異ならせることができる。
【0079】
なお、マーキング画像M1,M2の形態は、図12に示す例のような、同一の印刷ジョブで印刷されて積層された記録紙Pの全体で帯状(乃至線状)を呈するものに限定されない。
【0080】
例えば、図13に示す「マル秘」の印のような、同一の印刷ジョブで印刷されて積層された記録紙Pの全体で文字、記号、キャラクタ、デザインを構成するもの(いずれも、請求項中の小口画像に相当)を、各記録紙Pの小口P3に印刷するマーキング画像とすることができる。
【0081】
その場合、文字、記号、キャラクタ、デザインは、単に、他の印刷ジョブの記録紙Pとの区別を付けるだけでなく、その印刷ジョブにより記録紙Pの記録面P1(又は記録面P1,P2)に印刷された原稿画像I、あるいは、記録紙Pそのものの、取扱等の性質を表すような意味のあるものとしてもよく、単に、他の印刷ジョブの記録紙Pとの区別を付けるだけの無意味なものとしてもよい。
【0082】
そして、意味のあるものとするか無意味なものとするかに拘わらず、文字、記号、キャラクタ、デザインによるマーキング画像を印刷する場合には、小口に印刷するマーキング画像の色及び位置を印刷ジョブ毎に変えないようにすることもできる。
【0083】
反対に、各印刷ジョブで印刷されて積層された記録紙Pに、印刷ジョブ毎に異なる色でマーキング画像を印刷するようにすることもできる。この場合には、色によって印刷ジョブ毎の記録紙Pを区別することができるので、各印刷ジョブの記録紙Pに印刷するマーキング画像の内容(文字、記号、キャラクタ、デザイン等)や位置を、同じものとしても差し支えない。
【0084】
但し、印刷ジョブ毎に異なる色でマーキング画像を記録紙Pの小口に印刷するためには、制御基板103aに、プリンター部102の制御基板103が有するカラー画像処理部133、信号変換部123、及び、インク量設定手段143と同等の構成を設ける必要があり、かつ、記憶手段113aにも、プリンター部102の記憶手段113が有するワーキングメモリ31と同等の構成を設ける必要がある。
【0085】
さらに、インクジェット記録装置1の外部から入力されたドキュメントの印刷オーダーによって発生した印刷ジョブで画像が記録面P1(又は記録面P1,P2)印刷された記録紙Pの小口P3に、例えば、図14に示すように、その印刷ジョブの基となったドキュメントのファイルネーム(「conf.abc」、請求項中の小口画像に相当)を、マーキング画像として印刷するようにしてもよい。
【0086】
また、上述した第1実施形態では、プリンター部102と排紙部109との間の記録紙Pの搬送経路上に小口プリンター部102aを配置し、記録紙Pの搬送方向に沿って延在する小口P3にマーキング画像M1,M2を印刷する場合について説明した。しかし、小口プリンター部は第1実施形態で説明した場所に限らず他の場所に配置することもできる。
【0087】
そこで、小口プリンター部の配置が第1実施形態とは異なる本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置について、以下に説明する。
【0088】
第1実施形態のインクジェット記録装置1の説明において参照した図1に示すように、プリンター部102における原稿画像Iの記録面P1(又は記録面P1,P2)への印刷が終了した記録紙Pは、図1の装置右手にある排紙部109に排紙される。このとき、単位時間当たりに印刷できる枚数が多い、つまり、記録紙Pの搬送速度が高いインクジェット記録装置1においては、プリンター部102における原稿画像Iの印刷が終了した記録紙Pが排紙部109に勢いよく排紙される。
【0089】
そのため、排紙部109の先端付近には、排紙された記録紙Pがその勢いで排紙部109の先端から落下しないように、排紙フェンス111が立設される。排紙部109に排紙される全ての記録紙Pは、搬送方向の先端側の小口P4(図9参照)が排紙フェンス111に衝突することで排紙部109からの脱落を免れる。
【0090】
そこで、第2実施形態のインクジェット記録装置では、この排紙フェンス111に小口プリンター部を設けるようにしている。
【0091】
図15は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の小口プリンター部の概略構成を示す要部拡大正面図、図16は同要部拡大平面図である。
【0092】
図15に示す第2実施形態のインクジェット記録装置の小口プリンター部102bは、第1実施形態のインクジェット記録装置1の小口プリンター部102aにおけるプリントパッドユニット104aに代わるプリントパッドユニット104bを有している。
【0093】
本実施形態の小口プリンター部102bによる記録紙Pへのマーキング画像の印刷は、インクジェットヘッドユニット104による印刷のために給紙部105からベルト搬送部106により高速で搬送された記録紙Pが、インクジェットヘッドユニット104による印刷後に排紙部109から排紙フェンス111に向けて勢いよく排紙される際に行われる。そのために、小口プリンター部102bのプリントパッドユニット104bは、排紙フェンス111に設けられている。
【0094】
プリントパッドユニット104bは、排紙フェンス111の上部に配置されたパッドアクチュエータ44eと、排紙フェンス111の給紙部105側に配置されたパッドヘッド44fとを備えている。
【0095】
パッドアクチュエータ44e(請求項中のヘッド移動手段に相当)は、図16に示すように、排紙フェンス111のパッドヘッド44f(請求項中の記録ヘッドに相当)とは反対側の面で軸受されたスクリューシャフト44gと、このスクリューシャフト44gを回転させるステッピングモータ44hと、スクリューシャフト44gと螺合しスクリューシャフト44gの回転によりその軸方向にスライドされるスライダ44iとを有している。
【0096】
パッドヘッド44fは、図15に示すように、排紙部109における記録紙Pの積層方向に沿って上下に延在しており、その上端がスライダ44iによって支持されている。そして、パッドヘッド44fは、パッドアクチュエータ44eによってスクリューシャフト44gが回転されることで、スライダ44iと共に、排紙部109に排紙される記録紙Pの小口P4の延在方向にその全幅に亘って往復移動できるように構成されている。
【0097】
パッドヘッド44fには、不図示の供給路を介してヘッド内部に供給されるインクを常時含浸した状態にあり、パッドヘッド44fは、ヘッド周面に接触した記録紙Pの小口P4に、含浸したインクを転写させる。
【0098】
なお、本実施形態の小口プリンター部102bは、制御ユニット10が生成するマーキング画像信号を基に制御基板103aで生成したデジタル画像信号を用いて、パッドアクチュエータ44eの動作を制御ユニット10で制御することで、排紙部109から排紙フェンス111に向けて排紙された記録紙Pの小口P4に対してマーキング画像を印刷する。
【0099】
詳しくは、排紙フェンス111の手前に配置されたパッドヘッド44fの位置を印刷ジョブ毎に調整して、排紙部109から排紙フェンス111に向けて排紙される記録紙Pの小口P4をパッドヘッド44fに衝突させることで、例えば、図12に示す例のような、同一の印刷ジョブで印刷されて積層された記録紙Pの全体で帯状(乃至線状)を呈する形態のマーキング画像M1,M2を、記録紙Pの小口P4に印刷する。
【0100】
ちなみに、本実施形態のインクジェット記録装置における制御ユニット10のCPU90が行う処理の手順は、図11のフローチャートを参照して説明した、第1実施形態のインクジェット記録装置1における制御ユニット10のCPU90が行う処理の手順と、基本的に同様である。
【0101】
このような構成による第2実施形態のインクジェット記録装置によれば、第1実施形態のインクジェット記録装置1の小口プリンター部102aのように、積層された記録紙Pの全体で文字、記号、キャラクタ、デザインを構成する図13や図14の例のようなマーキング画像を印刷することができない点を除いて、第1実施形態のインクジェット記録装置1と同様の効果を得ることができる。
【0102】
しかも、第2実施形態のインクジェット記録装置によれば、印刷ジョブの変わり目でパッドヘッド44fを排紙部109に排紙される記録紙Pの小口P4の延在方向に移動させるだけで、小口P4上におけるマーキング画像M1,M2の位置を印刷ジョブ毎に容易に異ならせることができる。
【0103】
なお、上述した第1及び第2実施形態のインクジェット記録装置において搬送中の記録紙P(用紙)が通過する、給紙部105から排紙部109に至るまでの全ての部分が、本発明における用紙の搬送経路に該当し得る。したがって、記録紙Pの小口P3,P4にマーキング画像M1,M2を印刷する小口画像記録部は、第1及び第2実施形態で説明した小口プリンター部102a,102bの配置箇所以外の場所にも、配置することができる。
【0104】
例えば、小口プリンター部102aにおいて記録面P1(又は記録面P1,P2)に原稿画像Iを印刷する前の段階で、小口P3,P4に対するマーキング画像M1,M2の印刷が行われるような場所に、小口画像記録部を配置することもできる。また、両面印刷時にのみマーキング画像による記録紙Pの区別が必要な場合には、両面印刷時にのみ記録紙Pが通過する両面用ベルト搬送部107や両面用スタックトレー108、搬送路112に小口画像記録部を配置することもできる。
【0105】
さらに、上述した第1及び第2実施形態では、主画像記録部がインクジェット式のプリンター部102である画像形成装置(インクジェット記録装置1)を例に取って説明した。しかし、本発明は、用紙(記録紙)の記録面に対する所定の画像の記録(印刷)とは別に、用紙の小口にマーキング画像を記録(印刷)することのできるものであれば、主画像記録部が電子写真方式等、インクジェット方式以外の方式による画像形成装置についても適用可能である。
【0106】
また、上述した第1及び第2実施形態では、一つの印刷ジョブにより連続して記録面P1(又は記録面P1,P2)に原稿画像Iが印刷される複数枚の記録紙P,P,…を、請求項中における所定の用紙グループの一単位とし、各印刷ジョブによりマーキング画像M1,M2を記録紙Pの小口P3,P4に印刷することで、異なる印刷ジョブによって印刷された記録紙Pどうしを区別できるようにする場合を例に取って説明した。しかし、本発明は、用紙の小口に印刷したマーキング画像によって、例えば、一定枚数毎に記録紙(用紙)を区別できるようにする場合や、ソーターを用いない電子ソートで排紙された記録紙を部数毎に区別できるようにする場合等に、広く適用可能である。
【0107】
なお、小口のマーキング画像によって一定枚数毎に記録紙(用紙)を区別できるようにする場合は、一定枚数の記録紙(用紙)が請求項中における所定の用紙グループの一単位に相当し、また、小口のマーキング画像によって電子ソートで排紙された記録紙を部数毎に区別できるようにする場合は、ソートされた単一部数の記録紙の束が請求項中における所定の用紙グループの一単位に相当することになる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明による画像形成装置の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置のうちスキャナー部の概略構成を示す説明図である。
【図3】(a),(b)は図1のスキャナー部において原稿画像を読み取る原稿のセット方向を示す説明図、(c)は図1のプリンター部や小口プリンター部において原稿画像やマーキング画像が印刷される記録紙を示す説明図である。
【図4】図1のインクジェット記録装置のうちプリンター部や小口プリンター部の概略構成を示す説明図である。
【図5】図1のインクジェット記録装置のインクジェットヘッドユニットのブロック図である。
【図6】図4のプリンター部の画像処理部のブロック図である。
【図7】図4のプリンター部のプリントパッドユニットのブロック図である。
【図8】図4の小口プリンター部の画像処理部のブロック図である。
【図9】図4の小口プリンター部のプリントパッドの概略構成を示す斜視図である。
【図10】図1のインクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図11】図10のインクジェット記録装置の制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図4の小口プリンター部によって記録紙の小口に印刷ジョブ毎に印刷されるマーキング画像を示す説明図である。
【図13】図4の小口プリンター部によって記録紙の小口に印刷ジョブ毎に印刷されるマーキング画像の他の例を示す説明図である。
【図14】図4の小口プリンター部によって記録紙の小口に印刷ジョブ毎に印刷されるマーキング画像のさらに他の例を示す説明図である。
【図15】本発明による画像形成装置の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の小口プリンター部の概略構成を示す要部拡大正面図である。
【図16】本発明による画像形成装置の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の小口プリンター部の概略構成を示す要部拡大平面図である。
【符号の説明】
【0109】
1 インクジェット記録装置(画像形成装置)
10 制御ユニット
44b パッドアクチュエータ(ヘッド駆動手段)
44c,44f パッドヘッド(記録ヘッド)
44e パッドアクチュエータ(ヘッド移動手段)
90 CPU
102 プリンター部(主画像記録部)
102a,102b 小口プリンター部(小口画像記録部)
105 給紙部
106 ベルト搬送部(搬送経路)
107 両面用ベルト搬送部(搬送経路)
108 両面用スタックトレー(搬送経路)
109 排紙部
112 搬送路(搬送経路)
114 通過センサ(位置検出手段)
I 原稿画像(所定の画像)
M1,M2 マーキング画像
P 記録紙(用紙)
P1,P2 記録面
P3,P4 小口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙が一枚ずつ搬送される搬送経路上の主画像記録部において、前記用紙の片面又は両面に存在する記録面に対して、所定の画像を記録する画像形成装置であって、
前記搬送経路上において、前記記録面を除く前記用紙の小口に対して、前記所定の画像とは異なるマーキング画像を、該マーキング画像の内容を所定の用紙グループ単位で異ならせて記録する、小口画像記録部をさらに備えている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記主画像記録部は、ジョブによって規定された枚数の前記用紙に対して、前記所定の画像の前記記録面への記録を連続して行い、前記小口画像記録部は、単一の前記ジョブにより連続して前記記録面に前記所定の画像が記録される複数枚の前記用紙を、前記所定の用紙グループの一単位として、前記ジョブの単位で積層された複数枚の前記用紙の前記小口部分に、前記ジョブ毎に異なる小口画像を表示させるための前記マーキング画像を、同一の前記ジョブによって前記所定の画像が前記記録面に記録される複数枚の前記用紙の前記小口にそれぞれ記録することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記主画像記録部は、ジョブによって規定された枚数の前記用紙に対して、前記所定の画像の前記記録面への記録を連続して行い、前記小口画像記録部は、単一の前記ジョブにより連続して前記記録面に前記所定の画像が記録される複数枚の前記用紙を、前記所定の用紙グループの一単位として、前記用紙の前記小口に記録する前記マーキング画像の色及び位置のうち少なくとも一方を、前記ジョブの単位で異ならせることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記小口画像記録部は、前記搬送経路上に対して進退可能に配置された記録ヘッドと、前記搬送経路上を搬送される前記用紙の前記記録ヘッドに対する相対位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段により検出された前記用紙の前記相対位置に応じたタイミングで前記記録ヘッドを前記搬送経路上に対して進退させるヘッド駆動手段とを有しており、前記記録ヘッドは、前記搬送経路上に進出した状態で該搬送経路を搬送される前記用紙の前記小口に接触して前記マーキング画像を記録するように構成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記搬送経路上の終端には、前記用紙が排紙される排紙部が設けられており、前記小口画像記録部は、前記排紙部に排紙される前記用紙の前記小口に接触して該小口に前記マーキング画像を記録する記録ヘッドと、該記録ヘッドを前記排紙部に排紙される前記用紙の前記小口の延在方向に沿って移動させるヘッド移動手段とを有していることを特徴とする請求項1、2又は3記載の画像形成装置。
【請求項1】
用紙が一枚ずつ搬送される搬送経路上の主画像記録部において、前記用紙の片面又は両面に存在する記録面に対して、所定の画像を記録する画像形成装置であって、
前記搬送経路上において、前記記録面を除く前記用紙の小口に対して、前記所定の画像とは異なるマーキング画像を、該マーキング画像の内容を所定の用紙グループ単位で異ならせて記録する、小口画像記録部をさらに備えている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記主画像記録部は、ジョブによって規定された枚数の前記用紙に対して、前記所定の画像の前記記録面への記録を連続して行い、前記小口画像記録部は、単一の前記ジョブにより連続して前記記録面に前記所定の画像が記録される複数枚の前記用紙を、前記所定の用紙グループの一単位として、前記ジョブの単位で積層された複数枚の前記用紙の前記小口部分に、前記ジョブ毎に異なる小口画像を表示させるための前記マーキング画像を、同一の前記ジョブによって前記所定の画像が前記記録面に記録される複数枚の前記用紙の前記小口にそれぞれ記録することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記主画像記録部は、ジョブによって規定された枚数の前記用紙に対して、前記所定の画像の前記記録面への記録を連続して行い、前記小口画像記録部は、単一の前記ジョブにより連続して前記記録面に前記所定の画像が記録される複数枚の前記用紙を、前記所定の用紙グループの一単位として、前記用紙の前記小口に記録する前記マーキング画像の色及び位置のうち少なくとも一方を、前記ジョブの単位で異ならせることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記小口画像記録部は、前記搬送経路上に対して進退可能に配置された記録ヘッドと、前記搬送経路上を搬送される前記用紙の前記記録ヘッドに対する相対位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段により検出された前記用紙の前記相対位置に応じたタイミングで前記記録ヘッドを前記搬送経路上に対して進退させるヘッド駆動手段とを有しており、前記記録ヘッドは、前記搬送経路上に進出した状態で該搬送経路を搬送される前記用紙の前記小口に接触して前記マーキング画像を記録するように構成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記搬送経路上の終端には、前記用紙が排紙される排紙部が設けられており、前記小口画像記録部は、前記排紙部に排紙される前記用紙の前記小口に接触して該小口に前記マーキング画像を記録する記録ヘッドと、該記録ヘッドを前記排紙部に排紙される前記用紙の前記小口の延在方向に沿って移動させるヘッド移動手段とを有していることを特徴とする請求項1、2又は3記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−248507(P2009−248507A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101460(P2008−101460)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】
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