説明

画像形成装置

【課題】本構成を有さない場合に比べ、転写率が向上する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10が、磁気ドラム12上に水分を供給する水分供給部48と、現像装置16により磁気ドラム12上に供給された現像液の磁気ドラム12上における膜厚が予め定められた膜厚以下のときに磁気ドラム12上に水分を供給するように水分供給部48を制御するCPU60と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、像保持体表面に静電潜像を形成し、当該静電潜像が形成された像保持体表面にトナーを含む液体を塗布することで像保持体表面にトナー像を形成した後、像保持体表面の液体を除去し、トナー像を乾燥させ、当該トナー像を中間転写媒体を介して記録媒体上に転写する画像形成装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−102316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、液体現像剤を用いても、転写率が向上する画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像形成装置は、磁気潜像が形成されて保持される磁気潜像保持体と、磁気トナー及び水性媒体を含む液体現像剤を前記磁気潜像保持体に形成された磁気潜像に供給する液体現像剤供給手段と、前記磁気潜像を前記液体現像剤によって現像することにより形成された現像像が転写される被転写体と、前記磁気潜像保持体上に水分を供給する水分供給手段と、画像形成が行われる場合または前記磁気潜像保持体の清掃が行われる場合、前記液体現像剤供給手段により前記磁気潜像保持体上に供給された前記水性媒体の当該磁気潜像保持体上における膜厚が予め定められた膜厚以下のときに前記磁気潜像保持体上に水分を供給するように前記水分供給手段を制御する制御手段と、を含んで構成されている。
【0005】
また、請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1記載の発明において、前記磁気潜像保持体上の水分を除去する除去手段を更に含み、前記制御手段が、更に、前記磁気潜像保持体の表面温度が予め定められた温度を超えた場合、当該表面温度が前記予め定められた温度以下になるまで前記磁気潜像保持体上への水分の供給及び前記磁気潜像保持体上の水分の除去を順次に行わせるように前記水分供給手段及び前記除去手段を制御するものである。
【0006】
また、請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記磁気潜像保持体は中空部を有し、前記中空部に送風する送風手段を更に含み、前記制御手段が、更に、前記磁気潜像保持体の表面温度が予め定められた温度を超えた場合、当該表面温度が前記予め定められた温度以下になるまで前記送風手段により送風させる制御を行うものである。
【0007】
また、請求項4に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記液体現像剤供給手段により供給された前記液体現像剤の前記磁気潜像保持体上における膜厚を測定する膜厚測定手段と、前記磁気潜像保持体の周囲の環境の温度及び湿度の少なくとも一方を測定する環境物理量測定手段と、前記環境物理量測定手段により測定される温度及び湿度の少なくとも一方に対する前記膜厚の経時変化を示す経時変化情報を予め記憶した記憶手段と、前記環境物理量測定手段により測定された温度及び湿度の少なくとも一方に対応する前記経時変化情報を前記記憶手段から読み出し、当該経時変化情報及び前記膜厚測定手段により測定された膜厚に基づいて、前記現像像が前記被転写体に転写される時点での転写位置における膜厚を推定する推定手段と、前記磁気潜像保持体上に送風する送風手段と、を更に含み、前記制御手段が、更に、前記液体現像剤供給手段により供給された前記水性媒体の当該磁気潜像保持体上における膜厚が前記予め定められた膜厚以下のとき、前記推定手段により推定された膜厚を前記現像像が前記被転写体に転写される時点で予め定められた範囲に収めるために、前記磁気潜像保持体上への水分の供給及び前記磁気潜像保持体上への送風を順次に行わせるように前記水分供給手段及び前記送風手段を制御するものである。
【0008】
また、請求項5に記載の画像形成装置は、請求項4に記載の発明において、前記制御手段が、更に、前記推定手段により推定された膜厚が予め定められた膜厚を超えているか否かを判断し、超えていると判断した場合、当該膜厚を前記予め定められた範囲に収めるために、前記磁気潜像保持体上への送風を行わせるように前記送風手段を制御するものである。
【0009】
また、請求項6に記載の画像形成装置は、請求項4または請求項5に記載の発明において、前記膜厚測定手段が、前記磁気潜像保持体上における前記磁気潜像が形成されない領域の前記膜厚を測定するものである。
【0010】
また、請求項7に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の発明において、前記磁気潜像保持体及び前記被転写体が、各々両端部が回転可能に支持された回転体であり、前記被転写体が、当該被転写体及び前記磁気潜像保持体が回転された状態で前記現像像が転写され、前記制御手段が、更に、前記現像像を前記被転写体に転写する際に前記被転写体の回転速度が前記磁気潜像保持体の回転速度よりも遅くなるように前記磁気潜像保持体及び前記被転写体を制御するものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、水分供給手段を有さない場合と比べ、転写率が向上する、という効果が得られる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明によれば、水分を除去する除去手段を有さない場合に比べ、転写率がより一層向上する、という効果が得られる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明によれば、磁気潜像保持体の中空部に送風する送風手段を有さない場合に比べ、転写率がより一層向上する、という効果が得られる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明によれば、転写率がより一層向上する、という効果が得られる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明によれば、膜厚を調整するための制御の不要な実行が回避される、という効果が得られる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明によれば、磁気潜像保持体上に形成された現像像を乱すことなく膜厚が測定される、という効果が得られる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明によれば、転写率がより一層向上する、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置10の要部構成を示す概略断面図である。
【0020】
同図に示すように、画像形成装置10は、後述するトナー粒子を用いて記録用紙Pに対して画像を形成するためのものであり、磁気ドラム12、磁気ヘッド14、現像装置16、中間転写体18、クリーニングブレード20、消磁装置22及び転写定着ローラ24を含んで構成されている。
【0021】
磁気ドラム12は、一端部が画像形成装置10の筐体(図示省略)の内壁に回転可能に取り付けられた円筒状の回転体であり、磁気ドラム12の外周に磁気ヘッド14、現像装置16、中間転写体18、クリーニングブレード20及び消磁装置22が順次に設けられている。また、磁気ドラム12は、モータ26の回転駆動力を受けて図の矢印A方向に回転駆動する。
【0022】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、磁気ドラム12の外周面が撥水性を有している。ここでいう「撥水性」とは水を弾く性質のことを意味し、具体的には純水との接触角が70度以上であることをいう。
【0023】
磁気ヘッド14は、後述する端末装置72(図6参照。)から入力された画像情報に応じた磁力線を磁気ドラム12の外周面上に放出することによって、磁気ドラム12上に磁気潜像を形成するものである。
【0024】
現像装置16は、磁気ドラム12上に形成された磁気潜像を現像するために、当該磁気潜像を現像するトナー粒子(現像剤)を含む液体(以下、「現像液」という。)を磁気ドラム12に供給するものであり、各々、液体貯留容器30及び現像ローラ32を含んで構成されている。なお、現像液は、水性媒体、界面活性剤及びトナー粒子を含んで構成されている。トナー粒子は磁性体を含んで構成される磁性トナーである。また、本実施形態に係る画像形成装置10では、イエローの磁気トナーを適用しているが、これに限らず、他色の磁気トナーを適用しても良いことは言うまでもない。
【0025】
液体貯留容器30は、現像液が貯留されるものであり、当該現像液を磁気ドラム12に供給するための開口(図示省略)が形成されている。現像装置16の液体貯留容器30にはイエローのトナー粒子を含む現像液が貯留されている。
【0026】
現像ローラ32は、上記トナー粒子を磁気ドラム12に付着させるものである。現像ローラ32は、両端部が液体貯留容器30の内壁に回転可能に取り付けられた円柱状の回転体であり、液体貯留容器30に貯留された現像液に一部が浸るように、かつ外周面が液体貯留容器30の開口を介して磁気ドラム12の外周面に接触するように設けられており、磁気ドラム12の回転に従動する。
【0027】
中間転写体18は、上記磁気潜像を現像液によって現像することにより磁気ドラム12上に形成されたトナー像(現像像)が転写されるものである。中間転写体18は、両端部が画像形成装置10の筐体の内壁に回転可能に取り付けられた円柱状の回転体であり、外周面が磁気ドラム12の外周面に接触するように設けられており、モータ28の回転駆動力を受けて図の矢印B方向に回転駆動する。また、中間転写体18は、内部にヒータ(図示省略)を備えており、当該ヒータによる加熱及び磁気ドラム12とのニップ圧によって磁気ドラム12上に形成されたトナー像が転写される。
【0028】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、画像形成処理を実行する際にモータ26により磁気ドラム12が10mm/sで回転されているが、これに限らず、これとは異なる回転速度で磁気ドラム12を回転させても良く、磁気ドラム12の回転速度は、画像形成装置10の設計仕様や使用目的等に応じて決定すればよい。
【0029】
また、本実施形態に係る画像形成装置10では、磁気ドラム12上に形成されたトナー像を中間転写体18に転写する際に中間転写体18の回転速度が磁気ドラム12の回転速度よりも遅くなるように磁気ドラム12及び中間転写体18が制御されている。
【0030】
転写定着ローラ24は、中間転写体18により搬送されたトナー像を記録用紙Pに転写させると同時に定着させるものである。本実施形態に係る画像形成装置10では、記録用紙Pが中間転写体18と転写定着ローラ24とによって挟まれることにより、中間転写体18上のトナー像が記録用紙Pに密着され、これによって記録用紙Pにトナー像が転写され、これと同時に記録用紙P上にトナー像が定着される。なお、これに限らず、トナー像の定着は、トナーの特性により加圧のみによって行ってもよいし、転写定着ローラ24に発熱体を設けて加圧及び加熱によって行ってもよい。
【0031】
クリーニングブレード20は、磁気ドラム12の転写残トナーを剥ぎ取って回収するものである。また、消磁装置22は、磁気ドラム12上の磁気潜像を消去するものである。なお、本実施形態に係るでは、クリーニングブレード20を適用しているが、これに限らず、クリーニングブラシやその他のクリーニング装置であってもよいことは言うまでもない。
【0032】
ところで、このように構成された画像形成装置10では、磁気ドラム12によってトナー像が中間転写体18との接触位置まで搬送されると、現像装置16により磁気ドラム12上に供給された現像液も当該接触位置まで搬送されることになる。
【0033】
しかし、磁気ドラム12上に形成されたトナー像は中間転写体18との接触位置に到達するまでの間に水分が蒸発し、界面活性剤及びトナー粒子が残り、糊状になってしまう。これではトナー像の磁気ドラム12に対する付着力が増大してしまい、トナー像を中間転写体18に十分な転写率で転写することができない。なお、ここでいう「転写率」とは、転写前の磁気ドラム12上のトナー像に含まれるトナー粒子の量に対する転写後の中間転写体18上のトナー像に含まれるトナー粒子の量の割合のことである。
【0034】
図2には、画像形成装置10において、磁気ドラム12の直径が150mm、中間転写体18の直径が49mm、中間転写体18の外周面の素材がシリコン樹脂材、中間転写体18の外周面の厚さが3mm、磁気ドラム12の回転速度が10mm/s、磁気ドラム12の回転速度に対する中間転写体18の回転速度の割合が1.0、磁気ドラム12の周囲の温度が22℃、磁気ドラム12の周囲の湿度が55%という条件下で磁気ドラム12上に形成したトナー像を放置した時間と転写率との関係を示すグラフが示されている。
【0035】
同図に示されるように、トナー像の放置時間が10分を超えた辺りから転写率が急減に低下している。この理由は、前述したように、時間経過と共にトナー像に含まれる水分が蒸発することでトナー像に含まれる界面活性剤が糊として作用し、磁気ドラム12との付着力を増大させるためである。実際の画像形成プロセスでトナー像を10分間放置することは考え難いが、記録用紙Pのジャムの発生から復旧までの経過時間が考えられる。この場合、磁気ドラム12上に形成されたトナー像をクリーニングブレード20を用いてクリーニングする場合、付着力が強力なため、十分にクリーニングを行うことができず、画像形成時に影響を与えてしまう。
【0036】
また、中間転写体18の熱が磁気ドラム12に伝わるので、磁気ドラム12の表面温度が上昇し、連続して画像形成が行われるとより一層磁気ドラム12の表面温度が上昇する。従って、中間転写体18から伝達される熱により磁気ドラム12上に形成されたトナー像の水分がより一層蒸発し、トナー像の磁気ドラム12に対する付着力が益々増大してしまい、トナー像の転写率をより一層悪化させてしまう。
【0037】
図3には、画像形成装置10において、磁気ドラム12の直径が150mm、中間転写体18の直径が20mm、中間転写体18の外周面の素材がシリコン樹脂材、中間転写体18の外周面の厚さが3mm、磁気ドラム12の回転速度が10mm/s、磁気ドラム12の回転速度に対する中間転写体18の回転速度の割合が0.97という条件下での磁気ドラム12の表面温度に対するイエローのトナー像の転写率を示すグラフが示されている。
【0038】
同図に示されるように、磁気ドラム12の表面温度が40℃を超えた辺りから転写率が急激に低下している。この理由は、前述したように、トナー像に含まれる水分が磁気ドラム12上で蒸発し、トナー像に含まれる界面活性剤が糊となり、磁気ドラム12との付着力を増大させるためである。
【0039】
そこで、本実施形態に係る画像形成装置10では、トナー像の転写率を向上させる転写率向上処理が実行される。そのために、本実施形態に係る画像形成装置10には、膜厚測定部36、温度測定部38、湿度測定部40、送風器42,44(図4を参照。)、表面温度センサ46、水分供給部48、水分除去部50及びヒートシンク52(図5を参照。)が備えられている。
【0040】
膜厚測定部36は、現像液に含まれる水性媒体の磁気ドラム12上における膜厚を測定するものである。なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、磁気ドラム12上における磁気潜像が形成されない領域(画像形成領域外)であって、磁気ドラム12の外周面の端部における水性媒体の膜厚を測定している。
【0041】
また、本実施形態に係る画像形成装置10では、膜厚測定部36として光透過型フォトセンサ(一例として、キーエンス社製LS7030)を適用している。この光透過型フォトセンサは、現像装置16と上記接触位置との間に設けられている。上記光透過型フォトセンサは、光を発する発光部と、当該光を受光し、受光した光量に応じた電流を出力する受光部と、を備えており、発光部から発せられた光の光軸が磁気ドラム12の外周面に接するように当該外周面に近接して設けられている。
【0042】
また、本実施形態に係る画像形成装置10では、上記光透過型フォトセンサの発光部と受光部との距離として10mmを適用しているが、これに限らず、画像形成装置10の設計仕様や設置環境などに応じて決定すればよい。
【0043】
また、本実施形態に係る画像形成装置10では、膜厚測定部36として光透過型フォトセンサを適用しているが、これに限らず、磁気ドラム12上の水性媒体の膜厚を測定することができる他のセンサを用いても良いことは言うまでもない。
【0044】
また、本実施形態に係る画像形成装置10では、膜厚測定部36の測定位置として、画像形成時において磁気ドラム12上の現像液が現像装置16による現像液の供給位置から6秒後に到達する位置を適用しているが、これに限らず、膜厚測定部36の測定位置は画像形成装置10の設計仕様や設置環境等に応じて決定すればよい。
【0045】
温度測定部38及び湿度測定部40は、現像装置16と膜厚測定部36との間で、かつ磁気ドラム12の外周面に近接して設けられている。温度測定部38は、磁気ドラム12の周囲の温度を測定するものである。なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、温度測定部38としてサーミスタを適用しているが、これに限らず、白金測温抵抗体や熱電対などの他の温度センサを用いても良いことは言うまでもない。
【0046】
また、湿度測定部40は、磁気ドラム12の周囲の湿度を測定するものである。なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、湿度測定部40として高分子膜湿度センサを適用しているが、これに限らず、セラミック湿度センサや電解質湿度センサなどの他の湿度センサを用いても良いことは言うまでもない。
【0047】
送風器42は、磁気ドラム12上に送風するものであり、上記接触位置と膜厚測定部36との間で送風面が磁気ドラム12の外周面に対向して設けられている。なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、送風器42としてシロッコファンを適用しているが、これに限らず、ターボファン、サイレントファン、エアホイルファン等の他のファンを適用しても良いことは言うまでもない。
【0048】
表面温度センサ46は、磁気ドラム12の表面温度を測定するものであり、送風器42と膜厚測定部36との間に設けられており、トナー像の形成領域外であって、磁気ドラム12の外周面の端部における温度を測定している。なお、本実施形態では、表面温度センサ46として熱電対を適用しているが、これに限らず、白金測温抵抗体などの他の温度センサを用いても良いことは言うまでもない。
【0049】
水分供給部48は、磁気ドラム12におけるトナー像の形成領域に対してミスト状の水分を供給するものであり、送風器42と表面温度センサ46との間に設けられている。なお、水分の粒子径は、5〜10μmであることが好ましい。
【0050】
水分除去部50は、磁気ドラム12上の水分を除去するものであり、上記接触位置と送風器42との間に設けられている。なお、本実施形態に係る水分除去部50はスポンジであるが、これに限らず、布であってもよく、磁気ドラム12上に形成されたトナー像を乱すことなく磁気ドラム12上の水分を吸収するものであれば如何なるものも適用可能である。また、本実施形態に係る水分除去部50はソレノイド(図示省略)を含んで構成されており、ソレノイドのプランジャの先端がスポンジに固定されており、スポンジは、ソレノイドをオン・オフすることにより磁気ドラム12の表面に対して前後動するプランジャによって磁気ドラム12の表面に対して接触状態又は非接触状態となり、接触状態のときに磁気ドラム12上の水分を吸収することにより除去する。
【0051】
図4には、磁気ドラム12及びその周辺の構成を示す概略斜視図が示されている。
【0052】
同図に示されるように、磁気ドラム12は、中空部12aを有する円筒体であり、他端に開口12bが形成されている。送風器44は、中空部12aに送風可能となるように開口12bに対向するように設けられている。
【0053】
図5には、磁気ドラム12及び中間転写体18の構成を示す概略斜視図が示されている。
【0054】
同図に示されるように、磁気ドラム12の内周面にはヒートシンク52が磁気ドラム12の軸方向に沿って延在している。磁気ドラム12から熱を吸収して放出するものである。ヒートシンク52は、底板52a及びフィン部52bに大別される。底板52aは、磁気ドラム12の内周面の形状に対応する曲面形状とされ、磁気ドラム12の内周面に置かれている。フィン部52bは、複数のフィンからなり、底板52aに立設されており、底板52aで吸収した熱を放出させ易い構造となっている。従って、磁気ドラム12が回転すると、底板52aが磁気ドラム12の内周面上を摺動し、磁気ドラム12から底板52aを介してフィン部52bに熱が伝わり、その熱がフィン部52bを介して空気中に放出される。
【0055】
図6は、本実施形態に係る画像形成装置10の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0056】
同図に示すように、画像形成装置10は、CPU(中央処理装置)60、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)64、NVM(Non Volatile Memory)66、UI(ユーザ・インタフェース)パネル68、及び通信インタフェース70を含んで構成されている。
【0057】
CPU60は、画像形成装置10全体の動作を司るものである。ROM62は、画像形成装置10の作動を制御する制御プログラム、後述する転写率向上処理プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する記憶手段として機能するものである。RAM64は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるものである。NVM66は、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶するものである。
【0058】
UIパネル68は、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等から構成され、各種情報がディスプレイの表示面に表示されると共に、ユーザがタッチパネルに触れることにより所望の情報や指示が入力される。
【0059】
通信インタフェース70は、パーソナル・コンピュータ等の端末装置72に接続され、端末装置72から記録用紙Pに形成する画像を示す画像情報等の各種情報を受信するためのものである。
【0060】
CPU60、ROM62、RAM64、NVM66、UIパネル68及び通信インタフェース70は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU60は、ROM62、RAM64、NVM66へのアクセスと、UIパネル68への各種情報の表示と、UIパネル68に対するユーザの操作指示内容の把握と、端末装置72からの通信インタフェース70を介した各種情報の受信と、を各々行う。
【0061】
また、画像形成装置10は、液体マグネトグラフィ方式にて記録用紙Pに対して画像形成を行う画像形成エンジン部74を含んで構成されている。画像形成エンジン部74は、前述した磁気ドラム12、磁気ヘッド14、現像装置16、中間転写体18、クリーニングブレード20、消磁装置22、転写定着ローラ24及びモータ26、28を含んで構成されている。
【0062】
画像形成エンジン部74もまた、システムバスBUSに接続されている。従って、CPU60は、画像形成エンジン部74の作動の制御を行う。
【0063】
更に、前述した膜厚測定部36、温度測定部38、湿度測定部40、送風器42,44、表面温度センサ46、水分供給部48及び水分除去部50もまた、システムバスBUSに接続されている。従って、CPU60は、膜厚測定部36により測定された膜厚を示す膜厚情報の取得と、温度測定部38により測定された温度を示す温度情報の取得と、湿度測定部40により測定された湿度を示す湿度情報の取得と、送風器42,44の作動の制御と、表面温度センサ46により測定された温度の把握と、水分供給部48の作動の制御と、水分除去部50の作動の制御と、を各々行う。
【0064】
一方、本実施形態に係る画像形成装置10では、ROM62に、前述した転写率向上処理を実行する際に用いられるものであり、温度測定部38により測定される温度と湿度測定部40により測定される湿度との組み合わせに対応する磁気ドラム12上に供給された現像液に含まれる水性媒体の膜厚の経時変化を示す経時変化情報が予め記憶されている。
【0065】
図7には、ROM62に記憶されている上記経時変化情報の一例を示すグラフが示されている。
【0066】
同図に示すように、経時変化情報は、温度が28℃で、かつ湿度が80%の条件(28℃/80%)、温度が22℃で、かつ湿度が55%の条件(22℃/55%)、及び温度が15℃で、かつ湿度が20%の条件(15℃/20%)の各々の条件下において、磁気ドラム12上で現像液を放置した際の経過時間に対する当該現像液の膜厚の変化を測定した結果を示している。
【0067】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。先ず、画像形成エンジン部74の処理の流れについて簡単に説明する。
【0068】
磁気ドラム12及び中間転写体18の回転駆動が開始されると、磁気ヘッド14により磁気ドラム12上に磁気潜像が形成される。そして、液体貯留容器30に貯留された現像液は現像ローラ32によって搬送され、磁気ドラム12上に形成された磁気潜像に供給される。これによって磁気潜像は顕像化されてトナー像となる。当該トナー像は、磁気ドラム12及び中間転写体18が回転された状態で中間転写体18に転写される。すなわち、当該トナー像は、図1の矢印A方向に回転する磁気ドラム12によって搬送され、中間転写体18の外周面に転写される。中間転写体18により矢印B方向に搬送されたトナー像は、転写定着ローラ24との接触位置において記録用紙Pに転写されると同時に定着される。
【0069】
中間転写体18にトナー像を転写した磁気ドラム12では、転写残トナーがクリーニングブレード20との接触位置まで運ばれ、クリーニングブレード20によって剥ぎ取られ回収される。クリーニングブレード20によって転写残トナーが回収された後、磁気潜像を保持したまま磁気ドラム12は消磁装置22の位置まで回転移動し、消磁装置22により、磁気ドラム12上の磁気潜像が消去される。これによって磁気ドラム12は画像形成前の磁気状態に戻される。
【0070】
次に、図8を参照して、前述した転写率向上処理を画像形成時に実行する際の画像形成装置10の作用を説明する。なお、図8は、画像形成エンジン部64が画像形成処理を実行している際に画像形成装置10のCPU60により実行される転写率向上処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM62の予め定められた領域に予め記憶されている。
【0071】
同図のステップ100では、表面温度センサ46に対して磁気ドラム12の表面温度を測定させ、次のステップ102にて、磁気ドラム12の表面温度が予め定められた温度を超えているか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ104からステップ112の処理を実行せずにステップ114へ移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ104へ移行する。なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、上記予め定められた温度として、磁気ドラム12上にトナー像を形成してから当該トナー像を中間転写体18に転写するまでの間にトナー像の水分が蒸発して水分過少で良好な転写を行うことができなくなるものとして、画像形成装置10の実機による実験や画像形成装置10の設計仕様に基づくコンピュータ・シミュレーション等によって予め得られた温度を適用している。
【0072】
ステップ104では、水分供給部48に対して磁気ドラム12の表面に水分を供給させ、次のステップ106にて、送風器42,44に対して磁気ドラム12上への送風を行わせ、次のステップ108にて、水分除去部50に対して磁気ドラム12の表面の水分を除去させる。
【0073】
次のステップ110では、表面温度センサ46に対して磁気ドラム12の表面温度を測定させ、次のステップ112にて、磁気ドラム12の表面温度が上記予め定められた温度を超えているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ104へ戻る一方、否定判定となった場合にはステップ114へ移行する。
【0074】
ステップ114では、画像形成エンジン部64により磁気ドラム12上にトナー像を形成させ、次のステップ116にて、膜厚測定部36により測定された膜厚を示す膜厚情報を膜厚測定部36から取得すると共に、温度測定部38により測定された温度を示す温度情報を温度測定部38から取得し、かつ湿度測定部40により測定された湿度を示す湿度情報を湿度測定部40から取得する。
【0075】
次のステップ118では、前述したように、上記ステップ116で取得した温度情報により示される温度と上記ステップ116で取得した湿度情報により示される湿度との各々に対応する経時変化情報をROM62から読み出す。
【0076】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、上記ステップ118の処理として、温度測定部38により測定された温度と湿度測定部40により測定された湿度の各々に最も適合する経時変化情報をROM52から読み出す処理を適用している。すなわち、前述した3種類の条件の経時変化情報のうち、温度測定部38により測定された温度に最も近い温度に対応する経時変化情報と、湿度測定部40により測定された湿度に最も近い湿度に対応する経時変化情報と、をROM62から読み出す処理を適用している。例えば、温度測定部38により測定された温度が30℃で、湿度測定部40により測定された湿度が50%の場合には、28℃/80%の条件に対応する経時変化情報と、22℃/55%の条件に対応する経時変化情報と、をROM62から読み出している。
【0077】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、上記ステップ118の処理として、温度測定部38により測定された温度が28℃と22℃との中央値又は22℃と28℃との中央値である場合には温度が高い方に対応する経時変化情報をROM62から読み出し、湿度測定部40により測定された湿度が80%と55%との中央値又は55%と20%との中央値である場合には湿度が高い方に対応する経時変化情報をROM62から読み出す処理を適用している。
【0078】
次のステップ120では、上記ステップ116で取得した温度情報により示される温度に対応する経時変化情報と上記ステップ116で取得した湿度情報により示される湿度に対応する経時変化情報との平均値を算出する。
【0079】
次のステップ122では、上記ステップ120で算出した平均値を用いて、上記ステップ116で取得した膜厚情報により示される膜厚に対応する時間から予め定められた時間が経過した時点でのトナー像の膜厚を推定する。なお、ここでいう「予め定められた時間」とは、トナー像が膜厚測定部36上を通過してから中間転写体18との接触位置に到達する迄の時間である。
【0080】
次のステップ124では、上記ステップ122で推定した膜厚が予め定められた膜厚以下であるか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ126へ移行する。なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、上記予め定められた膜厚として、磁気ドラム12上にトナー像を形成し、当該トナー像を中間転写体18に転写する際に水分過少で良好な転写を行うことができない上限値として、画像形成装置10の実機による実験や画像形成装置10の設計仕様に基づくコンピュータ・シミュレーション等によって予め得られた膜厚を適用している。
【0081】
ステップ126では、トナー像の水分が過多であるか否か、すなわち、トナー像の膜厚が予め定められた膜厚範囲に収まっていないか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ128へ移行し、送風器42に対してトナー像の膜厚が上記予め定められた膜厚範囲に収まるように磁気ドラム12上への送風を行わせた後、本転写率向上処理プログラムを終了する一方、否定判定となった場合にはステップ128の処理を実行せずに本転写率向上処理プログラムを終了する。
【0082】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、上記予め定められた膜厚範囲として、トナー像の磁気ドラム12から中間転写体18への良好な転写を行うことができるものとして画像形成装置10の実機による実験や画像形成装置10の設計仕様に基づくコンピュータ・シミュレーション等によって予め得られた膜厚範囲を適用している。
【0083】
一方、ステップ124において肯定判定となった場合には、ステップ130へ移行し、水分供給部48に対して磁気ドラム12の表面に水分を供給させ、次のステップ132にて、送風器42に対してトナー像の膜厚が上記予め定められた膜厚範囲に収まるように磁気ドラム12上への送風を行わせた後、本転写率向上処理プログラムを終了する。
【0084】
このように、上記ステップ122で推定された膜厚が上記予め定められた膜厚以下とされた場合には磁気ドラム12の表面に水分を供給する。これにより、図9に示すように、トナー像の膜厚は上記予め定められた膜厚範囲を超えてしまうが、送風器42により送風を行わせることにより上記予め定められた膜厚範囲内に収められる。
【0085】
以上、本発明を上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の主旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0086】
また、上記実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、また、上記実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における状況に応じた組み合わせにより種々の発明を抽出できる。上記実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0087】
例えば、上記実施形態では、転写率向上処理を画像形成時に行う場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、画像形成装置10が磁気ドラム12をクリーニングブレード20を用いて清掃する清掃モードになっているときに転写率向上処理を実行してもよい。なお、この場合、磁気ドラム上にトナー像を形成する必要はない。
【0088】
また、上記実施形態では、温度及び湿度の組み合わせに対応する経時変化情報を用いて膜厚を調整する場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、温度及び湿度の一方に対応する経時変化情報を用いて膜厚を調整するようにしてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、3種類の経時変化情報がROM62に予め記憶されている場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、ROM62に記憶される経時変化情報は何種類であっても良い。但し、高精度な制御を行うためにはある程度の種類が必要である。
【0090】
また、上記実施形態では、磁気ドラム12の表面に水分を供給した後に送風器42により送風を行わせることにより磁気ドラム12上のトナー像の膜厚を予め定められた膜厚範囲に収めるようにしたが、これに限らず、磁気ドラム12上のトナー像の膜厚、すなわち、磁気ドラム12上の現像液の膜厚が予め定められた膜厚となるように磁気ドラム12の表面に水分を供給するようにしてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、中間転写体18として円柱状のものを適用したが、ベルト状のものを適用してもよい。この場合、ベルトの搬送方向に沿って、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成装置をタンデム状に配設し、カラー画像形成を行うようにしてもよい。また、磁気ドラム12の外周面に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの現像装置を配設することによりカラー画像形成を行うようにしてもよい。
【0092】
その他、上記実施形態で説明した画像形成装置10の構成(図1参照。)は一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。
【0093】
また、上記実施形態では、本発明の現像剤としてトナー粒子を適用した場合の形態例を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、トナー粒子以外の他の現像剤を適用しても良いことは言うまでもない。
【0094】
また、上記実施形態で説明した転写率向上処理プログラムの処理の流れ(図8参照。)も一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の要部構成を示す概略断面図である。
【図2】実施形態に係る画像形成装置により予め定められた条件下で磁気ドラム上に形成したトナー像を放置した時間と転写率との関係を示すグラフである。
【図3】実施形態に係る画像形成装置における予め定められた条件下での磁気ドラムの表面温度に対するイエローのトナー像の転写率を示すグラフである。
【図4】実施形態に係る磁気ドラム及びその周辺の構成を示す概略斜視図である。
【図5】実施形態に係る磁気ドラム及び中間転写体の構成を示す概略斜視図である。
【図6】実施形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図7】実施形態に係る画像形成装置のROMに記憶されている経時変化情報の一例を示すグラフである。
【図8】実施形態に係る転写率向上処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施形態に係る転写率向上処理の実行前後の磁気ドラム上のトナー像の膜厚の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0096】
10 画像形成装置
12 磁気ドラム(磁気潜像保持体)
12a 中空部
16 現像装置(液体現像剤供給手段)
18 中間転写体(被転写体)
36 膜厚測定部(膜厚測定手段)
38 温度測定部(環境物理量測定手段)
40 湿度測定部(環境物理量測定手段)
42,44 送風器(送風手段)
48 水分供給部(水分供給手段)
50 水分除去部(除去手段)
60 CPU(制御手段、推定手段)
62 ROM(記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気潜像が形成されて保持される磁気潜像保持体と、
磁気トナー及び水性媒体を含む液体現像剤を前記磁気潜像保持体に形成された磁気潜像に供給する液体現像剤供給手段と、
前記磁気潜像を前記液体現像剤によって現像することにより形成された現像像が転写される被転写体と、
前記磁気潜像保持体上に水分を供給する水分供給手段と、
画像形成が行われる場合または前記磁気潜像保持体の清掃が行われる場合、前記液体現像剤供給手段により前記磁気潜像保持体上に供給された前記水性媒体の当該磁気潜像保持体上における膜厚が予め定められた膜厚以下のときに前記磁気潜像保持体上に水分を供給するように前記水分供給手段を制御する制御手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記磁気潜像保持体上の水分を除去する除去手段を更に含み、
前記制御手段は、更に、前記磁気潜像保持体の表面温度が予め定められた温度を超えた場合、当該表面温度が前記予め定められた温度以下になるまで前記磁気潜像保持体上への水分の供給及び前記磁気潜像保持体上の水分の除去を順次に行わせるように前記水分供給手段及び前記除去手段を制御する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記磁気潜像保持体は中空部を有し、
前記中空部に送風する送風手段を更に含み、
前記制御手段は、更に、前記磁気潜像保持体の表面温度が予め定められた温度を超えた場合、当該表面温度が前記予め定められた温度以下になるまで前記送風手段により送風させる制御を行う請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記液体現像剤供給手段により供給された前記液体現像剤の前記磁気潜像保持体上における膜厚を測定する膜厚測定手段と、
前記磁気潜像保持体の周囲の環境の温度及び湿度の少なくとも一方を測定する環境物理量測定手段と、
前記環境物理量測定手段により測定される温度及び湿度の少なくとも一方に対する前記膜厚の経時変化を示す経時変化情報を予め記憶した記憶手段と、
前記環境物理量測定手段により測定された温度及び湿度の少なくとも一方に対応する前記経時変化情報を前記記憶手段から読み出し、当該経時変化情報及び前記膜厚測定手段により測定された膜厚に基づいて、前記現像像が前記被転写体に転写される時点での転写位置における膜厚を推定する推定手段と、
前記磁気潜像保持体上に送風する送風手段と、を更に含み、
前記制御手段は、更に、前記液体現像剤供給手段により供給された前記水性媒体の当該磁気潜像保持体上における膜厚が前記予め定められた膜厚以下のとき、前記推定手段により推定された膜厚を前記現像像が前記被転写体に転写される時点で予め定められた範囲に収めるために、前記磁気潜像保持体上への水分の供給及び前記磁気潜像保持体上への送風を順次に行わせるように前記水分供給手段及び前記送風手段を制御する請求項1から請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、更に、前記推定手段により推定された膜厚が予め定められた膜厚を超えているか否かを判断し、超えていると判断した場合、当該膜厚を前記予め定められた範囲に収めるために、前記磁気潜像保持体上への送風を行わせるように前記送風手段を制御する請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記膜厚測定手段は、前記磁気潜像保持体上における前記磁気潜像が形成されない領域の前記膜厚を測定する請求項4または請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記磁気潜像保持体及び前記被転写体は、各々両端部が回転可能に支持された回転体であり、
前記被転写体は、当該被転写体及び前記磁気潜像保持体が回転された状態で前記現像像が転写され、
前記制御手段は、更に、前記現像像を前記被転写体に転写する際に前記被転写体の回転速度が前記磁気潜像保持体の回転速度よりも遅くなるように前記磁気潜像保持体及び前記被転写体を制御する請求項1から請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−143188(P2010−143188A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325847(P2008−325847)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】