説明

画像形成装置

【課題】スリープ状態からの復帰後の操作に最適な画像形成装置の提供。
【解決手段】本発明は、ユーザにより登録されたユーザ登録データを記憶するハードディスク記憶手段を備えた画像形成装置を前提とする。そして、本発明の画像形成装置は、ユーザ登録データを選択可能に表示する表示手段と、ハードディスク記憶手段に電力を供給する電力供給手段と、電力供給手段にハードディスク記憶手段への電力供給を遮断または電力供給を開始させる電力供給制御手段を備える。更に、切替メモリと、アクセス切替手段とを備える。切替メモリは、ハードディスク記憶手段からユーザ登録データを記憶し、アクセス切替手段は、電力供給制御手段により、ハードディスク記憶手段へ電力供給が開始されると、表示手段に、切替メモリに記憶されたユーザ登録データを選択可能に表示させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特にスリープ状態から復帰後の操作に最適な画像形成装置である。
【背景技術】
【0002】
現在画像形成装置には様々な機能が付加されており、消費電力の削減のため、使用されていないときは、スリープ状態(休止状態)で待機する機能を持つものが多い。例えば、下記特許文献1の技術は、休止状態での印刷割り込み要求に対応した技術であり、印刷割り込みの要求を満足させつつ、休止状態に遷移できる技術である。
【0003】
上記機能を有する画像形成装置を使用する際には、まずスリープ状態の画像形成装置をアクティブ状態に遷移させる必要がある。このとき、ユーザは画像形成装置を直ぐに使用したいであろうから、スリープ状態からアクティブ状態への遷移時間は短い方が好ましい。スリープ状態からアクティブ状態への遷移で、HDD(ハードディスクドライブ)の動作準備が完了するまでの過程に最も時間がかかる。HDDは、電力が供給されてから、ディスクの回転が安定して,データを読み出せるようになるまで15秒程度の待ち時間が必要で、この待ち時間には当該HDDに記憶されたデータにはアクセスできない。このため、下記特許文献2の技術は、装置をアクティブ状態に復帰させるためのHDD内のプログラムを不揮発性メモリに記憶させて、当該アクティブ状態に復帰させる際に、上記不揮発性メモリから上記プログラムを読み込むことで、スリープ状態からアクティブ状態への遷移時間を短縮させる技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−74621
【特許文献2】特開2006−95741
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、プログラムは直ぐに起動できたとしても、当該プログラムを使用する際に、ユーザが登録したデータがHDDに記憶されていると、HDDの動作準備が完了するまでは当該データを使用することはできない。上記データとしては、例えば、ユーザが登録した、文書やFAX番号等のデータが考えられる。
【0006】
つまり、上記従来技術によって、アクティブ状態への遷移時間が短縮し、HDD以外の機器が動作準備を完了したとしても、HDDの動作準備が完了するまでは、HDD内のデータを利用することはできない。
【0007】
一方、上記HDDの動作準備が完了するまでの待ち時間内に、HDD内のデータを利用して画像形成装置を使用したいというユーザの要請があるので、例えば、HDD内の全てのデータを不揮発性のメモリに記憶させておき、当該メモリ内の上記データにアクセスする構成も考えられる。しかし、HDD内の全てのデータを記憶できる程度の容量を有する不揮発性のメモリはかなり高額なものになってしまうので現実的でない。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、スリープ状態から復帰する際、HDDの動作準備が完了するまでの待ち時間内にユーザが登録した文書や、FAX番号を使用することができる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するための本発明は、ユーザにより登録されたユーザ登録データを記憶するハードディスク記憶手段を備えた画像形成装置を前提とする。そして、本発明の画像形成装置は、ユーザ登録データを選択可能に表示する表示手段と、電力供給手段と当該電力供給手段を制御する電力供給制御手段と、切替メモリと、アクセス切替手段とを備える。電力供給手段は、ハードディスク記憶手段に電力を供給し、電力供給制御手段は、電力供給手段にハードディスク記憶手段への電力供給を遮断または電力供給を開始させる。そして、切替メモリは、ハードディスク記憶手段からユーザ登録データを記憶し、更に、アクセス切替手段は、電力供給制御手段により、ハードディスク記憶手段へ電力供給が開始されると、前記表示手段に、切替メモリに記憶されたユーザ登録データを選択可能に表示させることを特徴とする。
【0010】
切替メモリがハードディスク記憶手段からユーザ登録データを記憶し、表示手段が、切替メモリのユーザ登録データを選択的に表示することで、ハードディスク記憶手段の動作準備が完了する前にユーザ登録データを表示して、使用することが可能となる。
【0011】
上記の構成において、電力供給制御手段がハードディスク記憶手段へ電力供給を開始後、当該ハードディスク記憶手段の動作準備の完了を検知する起動検知手段を備え、アクセス切替手段が、ユーザによりハードディスク記憶手段のユーザ登録データを表示させる要求を受けると、起動検知手段によるハードディスク記憶手段の動作準備の完了の検知後、切替メモリのデータからハードディスク記憶手段のユーザ登録データへ表示を切り替えることが望ましい。
【0012】
上記の構成において、ハードディスク記憶手段へ電力供給が開始されてから、起動検知手段がハードディスク記憶手段の動作準備の完了を検知する待ち時間の終了まで、表示手段に、切替メモリに記憶されたユーザ登録データを選択的に表示させ、起動検知手段がハードディスク記憶手段の動作準備の完了を検知すると、切替メモリのデータからハードディスク記憶手段のユーザ登録データへ表示を切り替えることが望ましい。
【0013】
ハードディスク記憶手段の動作準備が完了するとアクセス切替手段がハードディスク記憶手段のユーザ登録データを表示することで、ハードディスク記憶手段が使用できない待ち時間であっても、ユーザ登録データを使用することができる。
【0014】
上記の構成において、ハードディスク記憶手段に記憶されているユーザ登録データの内、設定条件とされるユーザ登録データを受け付ける入力受付手段を更に備え、切替メモリが、入力受付手段が受け付けたユーザ登録データを記憶することで、使用されたユーザ登録データを切替メモリが記憶することができる。
【0015】
上記の構成において、表示手段により切替メモリのユーザ登録データを表示する際の応答時間を所定時間遅らせる遅延手段を更に備えると、切替メモリからハードディスク記憶手段にアクセスが切り替わる際にユーザに応答速度が遅くなったと感じさせることがない。
【0016】
上記の構成において、ハードディスク記憶手段が、ユーザ登録データと当該ユーザ登録データが使用された回数を関連付けて、ユーザ登録データテーブルとして記憶し、電力供給制御手段が電力供給手段にハードディスク記憶手段への電力供給を遮断させる際に、切替メモリが、ユーザ登録データテーブルに基づいて、ハードディスク記憶手段からユーザ登録データを記憶する構成を採用できる。上記の構成であると、頻繁に使用されるユーザ登録データを切替メモリに記憶させることができる。
【0017】
更に、切替メモリが電力供給手段又は、他の電源から常に電力供給を受ける揮発性メモリであることが望ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像形成装置によると、ハードディスク記憶手段への電力供給を開始してから、当該ハードディスク記憶手段の動作準備が完了するまでの待ち時間であっても、ファクシミリ番号や、文書ファイル、画像ファイル等のユーザが登録したユーザ登録データを使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の読取部の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の操作部を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置のアクセス切り替えの処理のフローチャートである。
【図7】操作部に表示される画面を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図9】ハードディスク記憶手段が記憶するテーブルを示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置のアクセス切り替えの処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(画像形成装置)
以下に、画像形成装置における基本的なコピーサービスの処理を説明する。本発明の実施形態に係る画像形成装置は、プリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機、デジタル複写機、プリンタ等が該当し、コピーサービス、スキャナサービス、ファクシミリサービス、プリンタサービス等を備えた画像形成装置として機能する。
【0021】
図1は、複合機の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。なお、一例として複合機を利用して原稿のコピーを行う際の画像形成装置の動作を簡単に説明する。
【0022】
ユーザが複合機100を利用して例えば原稿の印刷を行う場合、原稿を図1に示す原稿台103、或いは載置台105に配置し、原稿台103近傍に備えられた操作部400に対して印刷の指示を行う。当該指示があると、以下に示す各部(駆動部)が動作することで、印刷が行われる。
【0023】
即ち、図1に示すように、本実施の形態の複合機100は、本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102を備える。本体101の上面は原稿台103が設けられており、原稿台103は、プラテンカバー102によって開閉されるようになっている。プラテンカバー102は、自動原稿給紙装置104と載置台105と排紙台109が設けられている。
【0024】
原稿台103の下方には、読取部110が設けられており、図2にその詳細が示されている。読取部110は、原稿台103を照射する主走査方向に長い光源111と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット116と、原稿台からの光を導くミラー112とを備える第一の移動キャリッジ117や、第一の移動キャリッジ117からの反射光を再度反射するミラー113A、113Bを備える第二の移動キャリッジ118、さらにミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群119、当該レンズ群119より補正された光を受光する撮像素子115、撮像素子115にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正・修正などを行う画像データ生成部114とで構成されている。
【0025】
自動原稿給紙装置104上の原稿を読み取る場合には、光源111は、読取位置Pを照射できる位置に移動して発光する。光源111からの光は、原稿台103を透過して読取位置Pを通過する原稿にて反射し、スリット116、ミラー112、113A、113B、レンズ群119によって撮像素子115に導かれる。撮像素子115は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部114に送信する。画像データ生成部114には、上記撮像素子115にて受光された光がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。さらに、画像データ生成部114では、順次変換されたデジタル信号を単位データとし、これら単位データを補正、修正等することで複数の単位データからなる画像データを生成する。
【0026】
また、読取部110が原稿台103に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ117は、光源111を発光しながら副走査方向に移動し、光源111から撮像素子115までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ118は第一の移動キャリッジ117の1/2の速度で撮像素子115方向に移動する。
【0027】
撮像素子115は、ミラー112、113A、113Bに導かれた光に基づいて原稿台103に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部114が画像データを生成する。
【0028】
本体101の読取部110の下方には、画像データを印刷する印刷部120を備えている。印刷部120が印刷できる画像は、上記のように画像データ生成部114にて生成されたものや、複合機100に接続された通信ケーブル150を介して、ネットワーク151から画像形成の指示とともに送信される場合もある。
【0029】
印刷部120が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム121を帯電器122で一様に帯電させ、その後レーザ123で感光ドラム121を照射して感光ドラム121に潜像を形成し、現像器124で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を用紙に転写する方式である。
【0030】
可視像が印刷される用紙は、手差しトレイ131、給紙カセット132、133、134などの給紙トレイに載置されたものである。
【0031】
印刷部120が印刷を行う際には、何れか1つの給紙トレイから用紙1枚を、ピックアップローラ135を用いて引き出し、引き出した用紙を搬送ローラ137やレジストローラ138で中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込む。用紙を引き出す場合、手差しトレイ131に載置された用紙を、手差しトレイ用ピックアップローラ136を用いて引き出しても構わない。
【0032】
印刷部120は、中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込んだ用紙に、上記中間転写ベルト125A上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト126で定着装置127に用紙を送る。定着装置127は、ヒータが内蔵された加熱ローラ128と、所定の圧力で加熱ローラ128に押し当てられた加圧ローラ129とで構成されている。加熱ローラ128と加圧ローラ129の間を用紙が通過すると、熱と用紙への押圧力によって可視像が用紙に定着する。印刷部120は、定着装置127を通過した用紙を排紙トレイ130に排紙する。
【0033】
以上が、複合機100における基本的なコピーサービスの処理である。なお、複合機100は、上述した各部(読取部110、印刷部120)を適宜協働的に動作することによって、他の機能、例えば、ファクシミリ送受信機能、プリント機能、スキャン機能、後処理機能、メモリ機能等をユーザに提供する。
【0034】
次に、図3を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、当該複合機100における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0035】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)記憶手段501、各駆動部に対応するドライバ305を内部バス306によって接続している。上記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、上記ROM302、ハードディスク記憶手段501等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ305と操作部400からのデータ、指示を授受し、上記図1、2に示した各駆動部等の動作を制御する。なお、上記RAM303を後述する切替メモリ512として構成してもよいし、RAM303とは別に切替メモリ512を備えてもよい。
【0036】
図4は、複合機100に備えられた操作部400の外観の一例を示す図である。ユーザは、上記操作部400を用いて、上述のような機能提供についての設定条件等を入力する。設定条件の入力、各サービスの実行開始等が行なわれる際に、上記操作部400に備えられたタッチパネル401、タッチペン402、操作キー403が用いられる。
【0037】
(実施の形態1)
次に本発明の画像形成装置のアクセス切り替えの処理について図面を参照しながら説明する。なお、図5は実施の形態1の複合機100の機能ブロック図であり、図6は実施の形態1の複合機100の表示切り替えの処理を示すフローチャートである。
【0038】
本発明の複合機100は、当該複合機100の各種機能をユーザに提供可能なアクティブ状態から、消費電力を抑えたスリープ状態へのどちらか一方から他方へ切り替えることが可能であり、スリープ状態からアクティブ状態に復帰する際に、ハードディスク記憶手段501の動作準備が完了していない間であっても、ファクシミリ番号のようなユーザにより登録されたデータを使用できるように構成されている。
【0039】
ここで、アクティブ状態とは、電力供給制御手段541が電力供給手段542に、複合機100へ電力供給を行わせて、複合機100の画像形成手段533(モータなどの駆動部)に電力が供給された状態のことであり、スリープ状態とは、上記電力供給制御手段541が電力供給手段542に、CPUなどの回路基板を駆動する程度の比較的少ない電力を供給させ、モータなどの各駆動部を駆動する電力を遮断させた状態のことである。
【0040】
上記アクティブ状態の複合機100に、ユーザ登録データ(文書やファクシミリ番号等のユーザが予め登録したデータをいう。)を使用する場合には、下記の操作を行う。ここで、ハードディスク記憶手段501には、上記ファクシミリ番号の他、ファイル格納領域であるボックスが割り当てられ、当該ボックス内のファイル(文書ファイルや画像ファイル)もユーザ登録データとして記憶される。ボックスは、いわゆるフォルダに相当するものであり、例えば、ユーザごとのユーザボックスや、複数人のユーザがアクセスを許可された共有のボックスが設けられる。
【0041】
まず、表示手段522は、図7(A)に示すような、コピー項目キー700、ファクシミリ項目キー710、ボックス項目キー750からなる機能項目キーを操作部400のタッチパネル401に表示する(図6:S101)。ここで、ユーザが、ユーザ登録データの例として、ファクシミリ番号を利用する場合、上記機能項目キーの内から、ファクシミリ項目キー710を押下すると、アクセス切替手段521がハードディスク記憶手段501に記憶されたファクシミリ番号にアクセスする旨を受け付け、ハードディスク記憶手段501にアクセスする。次に、アクセス切替手段521は、ユーザ登録データを選択可能すなわち、当該ユーザ登録データを使用して画像形成可能なように表示させる旨を表示手段522に指示する。これを受けて、表示手段522は、ユーザ登録データを選択可能に表示する。例えば、表示手段522は、図7(B)に示すような、予め登録されたファクシミリ番号一覧720をタッチパネル401に選択可能に表示すると共に、ファクシミリ番号の入力又はファクシミリ番号の選択を促す文言715を表示する。
【0042】
次に、タッチパネル401に表示された上記ファクシミリ番号一覧720の内から、ユーザがA株式会社のファクシミリ番号721を選択し、OKキー726を押下することで、入力受付手段513が、当該ファクシミリ番号を設定条件として受け付け、データ取得手段514に当該ファクシミリ番号をハードディスク記憶手段501から切替メモリ512へコピーして記憶する(以下コピーすると称す)旨指示する。これを受けて、データ取得手段514は、ハードディスク記憶手段501から切替メモリ512へ当該ファクシミリ番号をコピーする。
【0043】
なお、上記設定条件として受け付けたユーザ登録データを再度使用するか否かをユーザに問い合わせ、ユーザから再度使用する旨の指示があったユーザ登録データのみをハードディスク記憶手段501から切替メモリ512へコピーする構成を採用しても構わない。
【0044】
上記のように、表示手段522が表示した、ファクシミリ番号の入力を促す文言715に対して、ユーザが新たなファクシミリ番号を入力した場合は、当該新たなファクシミリ番号がユーザ登録データとしてハードディスク記憶手段501に記憶され、切替メモリ512にコピーされる。例えば、ユーザが、新たなファクシミリ番号を入力し、OKキー726を押下すると、入力受付手段513が当該新たなファクシミリ番号をユーザ登録データとして受け付けて、ハードディスク記憶手段501に記憶させる。次に、入力受付手段513はデータ取得手段514に上記ユーザ登録データがハードディスク記憶手段501に記憶された旨を通知し、これを受けてデータ取得手段514が当該ユーザ登録データをハードディスク記憶手段501から切替メモリ512へコピーする構成を採用できる。
【0045】
上記操作を繰り返すことで、入力受付手段513が受け付けたユーザ登録データ(例えばファクシミリ番号)が切替メモリ512に記憶されることになる(図6:S102YES→S103)。
【0046】
また、上記ハードディスク記憶手段501のユーザ登録データを切替メモリ512にコピーする際、当該切替メモリ512の容量を超える場合には、切替メモリ512内に現在コピーされているユーザ登録データの内から最も始めにコピーしたユーザ登録データを上書きしてコピーする。上記の構成を採用することで、頻繁に使用したユーザ登録データが切替メモリ512にコピーされることになり、表示手段522が表示する際に、頻繁にアクセスしたユーザ登録データを表示させることができる。なお、切替メモリ512の記憶容量がユーザ登録データを全て記憶可能なら、表示手段522が表示した上記ユーザ登録データを全てハードディスク記憶手段501から切替メモリ512へコピーする構成を採用してもよい。
【0047】
上記のように、本発明では、切替メモリ512はユーザ登録データを何度もコピーすることになるので、切替メモリ512としては書き込み回数に制限の無い揮発性メモリを使用することが望ましい。
【0048】
更に、上記切替メモリ512として揮発性メモリを使用する場合、電力供給手段542又は、電池のような他の電源から常に電力の供給を受ける構成にする。揮発性メモリは電力供給が遮断されると記憶した内容が消滅してしまうので、上記のように、切替メモリ512を揮発性メモリで構成する場合、複合機100がスリープ状態であっても、切替メモリ512が常に電力の供給を受ける構成を採用することで、記憶した内容が消滅してしまうことを防ぐことができる。
【0049】
次に、ユーザが、複合機100の操作を終了すると、操作部400の電源ON/OFFキー409を押下する、若しくは、ユーザによるいずれの操作もされない所定時間が経過すると、電力供給制御手段541が、複合機100のスリープ状態への遷移指示を受け付ける。そして、上記複合機100のスリープ状態への遷移指示を受け付けた電力供給制御手段541は電力供給手段542にハードディスク記憶手段501や、モータ等の画像形成手段533への電力供給を遮断させて複合機100をスリープ状態に遷移させる。スリープ状態では、CPUなどの回路基板を駆動する程度の比較的少ない電力は供給されるが、モータなどの各駆動部を駆動する電力は遮断される(図6:S104YES→S105)。
【0050】
さて、上記スリープ状態の複合機100に対してユーザが電源ON/OFFキー409を押下する、若しくは、いずれかのキーを押下するとスリープ状態が解除される構成であれば、当該いずれかのキーを押下すると、上記キーの押下を電力供給制御手段541が受け付ける。そして、上記キーの押下を受け付けた電力供給制御手段541は電力供給手段542にハードディスク記憶手段501や、モータ等の画像形成手段533への電力供給を開始させる(図6:S106YES)。
【0051】
このとき、電力供給手段542が電力供給を開始してから、ハードディスク記憶手段501の動作準備が完了するまでの待ち時間が生じる。当該待ち時間は、ハードディスク記憶手段501に電力供給を開始してから、ハードディスク記憶手段501のディスクの回転が安定して,データを読み出せるまでに要する時間(スピンアップ時間)であり、この待ち時間の間はハードディスク記憶手段501にアクセスすることはできない。当該待ち時間は、ハードディスク記憶手段の性能、スペック、ハードディスク記憶手段501に対する読取部材の性能に応じて異なるものの、具体的には、約15秒である。
【0052】
ここで、上記ハードディスク記憶手段501の動作準備が完了したか否かは起動検知手段502が検知し、動作準備が完了した場合に、当該起動検知手段502がアクセス切替手段521にハードディスク記憶手段501の動作準備が完了した旨を通知する構成になっている。
【0053】
なお、起動に必要なプログラムや、ユーザ登録データを必要としないジョブ(例えば通常のコピーサービス)のためのプログラムは、ROM302に格納している。これにより、ハードディスク記憶手段501にアクセスすることができない上記待ち時間内にも、ユーザ登録データを使用しない通常のコピーサービスは提供できる。
【0054】
上記のように、電力供給手段542が電力供給を開始すると、表示手段522は、コピー項目キー700、ファクシミリ項目キー710、ボックス項目キー750からなる機能項目キーをタッチパネル401に表示する(図6:S107)。
【0055】
ハードディスク記憶手段501の動作準備が完了していない待ち時間内に、ユーザが、ユーザ登録データ(ファクシミリ番号や、ボックス内のファイル)を使用する場合には、上記切替メモリ512に記憶されたユーザ登録データを表示する。例えば、ユーザが、上記機能項目キーの内からファクシミリ項目キー710を押下すると、表示手段522がファクシミリ項目キー710の押下を受け付ける(図6:S108YES)。
【0056】
上記のように、表示手段522がファクシミリ項目キー710の押下を受け付けると、アクセス切替手段521が切替メモリ512にアクセスし、切替メモリ512に記憶されたユーザ登録データを表示手段522に表示させる。例えば表示手段522は図7(C)に示すような、切替メモリ512に記憶されたファクシミリ番号一覧730と共に、ファクシミリ番号の入力又はファクシミリ番号の選択を促す文言715を表示する(図6:S109)。
【0057】
次に、タッチパネル401に表示された上記ファクシミリ番号一覧730の内から、ユーザがA株式会社のファクシミリ番号731を選択し、OKキー736を押下することで、入力受付手段513が、当該ファクシミリ番号を設定条件として受け付け、画像形成手段533がファクシミリのジョブを行う。
【0058】
上記のように、切替メモリ512はハードディスク記憶手段501に記憶された全てのユーザ登録データを記憶せず、表示手段522は、上記切替メモリ512に記憶されたユーザ登録データを表示するため、ユーザが使用したいユーザ登録データが表示されない場合がありうる。このため、表示手段522は全てのユーザ登録データが表示されない旨及び、全てのユーザ登録データを表示させるか否かの確認を求める旨の文言737をタッチパネル401に表示する。上記のように、ユーザが使用したいユーザ登録データが表示されていない場合、ユーザが上記文言737を選択し、OKキー736を押下すると、切替要求受付手段525が、ハードディスク記憶手段501に記憶されたユーザ登録データを表示する指示を受け付ける(図6:S110YES)。
【0059】
上記のように、切替要求受付手段525が、ハードディスク記憶手段501に記憶されたユーザ登録データを表示する指示を受け付けると、切替要求受付手段525は、アクセス切替手段521に、ハードディスク記憶手段501にアクセス可能であるか問い合わせる。アクセス切替手段521は、起動検知手段502からハードディスク記憶手段501の動作準備が完了した旨が通知されている場合、当該アクセス切替手段521は、上記切替メモリ512へのアクセスをハードディスク記憶手段501に切り替えて、ハードディスク記憶手段501のユーザ登録データを表示手段522に表示させる(図6:S111YES→S112)。
【0060】
一方、上記のように、切替要求受付手段525が、アクセス切替手段521に、ハードディスク記憶手段501にアクセス可能であるか問い合わせた場合に、アクセス切替手段521が上記起動検知手段502からハードディスク記憶手段501の動作準備が完了した旨の通知を受けていない場合、アクセス切替手段521は、ハードディスク記憶手段501の動作準備が完了するまでの所定時間待機する(図6:S111NO→S113)。この待ち時間中は、アクセス切替手段521は、表示手段522に所定時間待機する旨をタッチパネル401に表示させてもよい。
【0061】
上記待ち時間が経過し、アクセス切替手段521が起動検知手段502からハードディスク記憶手段501の動作準備が完了した旨の通知を受けると、当該アクセス切替手段521は、上記切替メモリ512へのアクセスをハードディスク記憶手段501に切り替えて、ハードディスク記憶手段501のユーザ登録データを表示手段522に表示させる(図6:S114YES→S112)。
【0062】
一方、所定時間が経過してもハードディスク記憶手段501の動作準備が完了しない場合、起動検知手段502は当該旨をアクセス切替手段521に通知し、これを受けてアクセス切替手段521は、表示手段522に、ハードディスク記憶手段501が起動しない旨をタッチパネル401に表示させて終了することになる(図6:S114NO→S115→エンド)。
【0063】
(実施の形態2)
実施の形態2の画像形成装置を図10のフローチャートで説明する。ハードディスク記憶手段501の動作準備が完了すると、ハードディスク記憶手段501のユーザ登録データを表示させる旨のユーザからの指示を待つことなく、当該ハードディスク記憶手段501のユーザ登録データを表示させる点が実施の形態1と異なる。
【0064】
図10におけるステップS201からステップS208までは、実施の形態1のステップS101からステップS108までと同じ手順なので、説明を省略する。
【0065】
スリープ状態からの復帰の指示により、電力供給手段542が電力供給を開始すると、表示手段522は、コピー項目キー700、ファクシミリ項目キー710、ボックス項目キー750からなる機能項目キーをタッチパネル401に表示する。ハードディスク記憶手段501の動作準備が完了していない待ち時間内に、ユーザが、ユーザ登録データを使用する場合、ユーザが、ファクシミリ項目キー710を押下すると、表示手段522がファクシミリ項目キー710の内容を表示する旨を受け付ける(図10:S208YES)。
【0066】
上記のように、表示手段522がファクシミリ項目キー710の内容を表示する旨を受け付けると、表示手段522は、アクセス切替手段521に、ハードディスク記憶手段501にアクセス可能であるか問い合わせる。アクセス切替手段521は上記起動検知手段502からハードディスク記憶手段501の動作準備が完了した旨の通知がされていない場合、切替メモリ512にアクセスし、切替メモリ512に記憶されたユーザ登録データを表示手段522に表示させる(図10:S209NO→S210)。
【0067】
上記のように、切替メモリ512に記憶されたユーザ登録データを表示手段522に表示させる場合、ユーザが使用したいユーザ登録データが切替メモリ512にコピーされていなければ、ハードディスク記憶手段501の動作準備が完了するまでの待ち時間には、当該ユーザ登録データはタッチパネル401に表示されないことになる。この場合には、タッチパネル401に全てのユーザ登録データが表示されない旨及び、所定時間経過すれば、全てのユーザ登録データが表示される旨を表示手段522が、ユーザに通知する構成にすると、使用したいユーザ登録データが表示されない場合に対応できる。
【0068】
次に、上記待ち時間が終了し、起動検知手段502からアクセス切替手段521に、ハードディスク記憶手段501の動作準備が完了した旨が通知されると、アクセス切替手段521は、上記切替メモリ512へのアクセスをハードディスク記憶手段501に切り替えて、ハードディスク記憶手段501のユーザ登録データを表示手段522に表示させる(図10:S211YES→S212→エンド)。
【0069】
一方、ハードディスク記憶手段501の動作準備が完了した後に、ユーザが、ユーザ登録データを使用する場合には、表示手段522は、ハードディスク記憶手段501のユーザ登録データを表示する。すなわち、ハードディスク記憶手段501の動作準備が完了すると、起動検知手段502がアクセス切替手段521にハードディスク記憶手段501の動作準備が完了した旨を通知する。そして、上記のように、表示手段522がファクシミリ項目キー710の内容を表示する旨を受け付けると、アクセス切替手段521は、ハードディスク記憶手段501に記憶されたファクシミリ番号を表示手段522に表示させる(図10:S209YES→S212)。その後の手順は実施の形態1と同じなので説明を省略する。
【0070】
(実施の形態3)
実施の形態3の画像形成装置を図8及び図9で説明する。図8は、実施の形態3の複合機100の機能ブロック図、図9は、ハードディスク記憶手段501に記憶される後述のユーザ登録データテーブルを示す図である。
【0071】
複合機100の動作状態がアクティブ状態からスリープ状態に遷移する際に、上記切替メモリ512がハードディスク記憶手段501からユーザ登録データをコピーする点が上記実施の形態1及び2と異なる。
【0072】
まず、図9に示すように、ハードディスク記憶手段501はユーザ登録データと当該ユーザ登録データが使用された回数を示す履歴情報とを関連付けたユーザ登録データテーブル901を記憶する。例えば、ユーザ登録データの内、「A株式会社12345678」はA株式会社のファクシミリ番号902を示し、「ファイルB」はボックス内の「ファイルB」904を示している。
【0073】
実施の形態1のステップS102において、ユーザがユーザ登録データを使用したことを入力受付手段513が確認すると、当該入力受付手段513が、上記使用されたユーザ登録データに対応するユーザ登録データテーブル901内のユーザ登録データの履歴情報の回数を1増やす構成とする。
【0074】
次に、所定のジョブが終了し、ユーザが電源ON/OFFキー409を押下すると図8に示す検知手段540がスリープ状態への遷移を受け付け、データ取得手段514にハードディスク記憶手段501から切替メモリ512へユーザ登録データをコピーして記憶する旨を指示する。上記コピーする際に、データ取得手段514は、ユーザ登録データテーブル901の履歴情報を参照して、所定回数以上(例えば2以上)の履歴情報に対応するユーザ登録データをハードディスク記憶手段501から切替メモリ512にコピーする。すなわち、データ取得手段514は、例えば、履歴情報が「5」であるA株式会社のファクシミリ番号902をコピーし、履歴情報が「1」である「ファイルB」904はコピーしない。上記のようにコピーすることで、頻繁に使用されるユーザ登録データを切替メモリ512にコピーすることができる。
【0075】
上記のように、検知手段540がスリープ状態への遷移を受け付けると、検知手段540は、電力供給制御手段541に複合機100をスリープ状態に遷移させる旨を指示し、これを受けて、電力供給制御手段541は、複合機100をスリープ状態に遷移させる。
【0076】
次に、スリープ状態の複合機100にユーザが電源ON/OFFキー409を押下すると、検知手段540がアクティブ状態へ遷移の指示を受け付け、電力供給制御手段541に複合機100をアクティブ状態に遷移させる旨を指示する。これを受けて電力供給制御手段541は複合機100をアクティブ状態に遷移させ、実施の形態1及び2と同様に、表示手段522がタッチパネル401に切替メモリが記憶したユーザ登録データを選択可能に表示することになる。
【0077】
(その他)
ハードディスク記憶手段501へのアクセスには、ディスク上のアクセスする位置を探し、ヘッドをその位置まで移動する時間(シーク時間)が必要であるので、ハードディスク記憶手段の応答時間は、一般的に半導体メモリの応答時間より長い。アクセス切替手段521が、切替メモリ512からハードディスク記憶手段501へのアクセスに切り替えた場合、ユーザ登録データの表示のための応答時間が長くなってしまう。そこで、アクセス切替手段521は、切替メモリ512の応答時間をハードディスク記憶手段501の応答時間まで遅延させる遅延手段523を介して切替メモリ512にアクセスする。上記のように、遅延手段523が、切替メモリ512の応答時間をハードディスク記憶手段501の応答時間まで遅延することで、ユーザに応答時間が長くなったと感じさせることがない。上記遅延手段523による遅延の程度は、使用するハードディスク記憶手段501の応答時間まで遅延させることができる。
【0078】
なお、第一の実施形態乃至第三の実施形態におけるユーザ登録データに、ユーザが設定条件の入力を実行する際にユーザが押下する操作キーの操作手順をユーザ毎に含めるよう構成しても構わない。ユーザが複合機100を利用する場合、ユーザが操作部400の操作キーを押下する操作手順は、通常、ユーザ毎に所定の頻度で決定されることが多いため、例えば、1ジョブを実行する際に、ユーザ毎に前記操作手順を取得する操作手順取得手段を設けても構わない。なお、ユーザ毎の操作手順をユーザ登録データに含める場合、ユーザ認証手段により、予めユーザ情報(ユーザID)を取得するよう構成することは言うまでもない。当該構成では、例えば、アクセス切替手段521が、切替メモリ512から、ユーザ毎の操作手順を含むユーザ登録データを表示手段522に表示させることになるが、操作手順の場合、当該操作手順に関連する画面(初期画面、設定画面等)を表示させることになる。当該構成とすると、更に、ユーザに対する処理手順を記憶することで、ユーザは、頻繁に使用する処理手順を繰り返す必要がなくなる。
【0079】
また、第一の実施形態乃至第三の実施形態におけるユーザ登録データに、表示手段522に表示させる優先順位を示す優先度をユーザ毎に含めるよう構成しても構わない。切替メモリ512の容量は、ハードディスク記憶手段501の容量と比較すると通常小さいため、アクセス切替手段521が、上述した優先度に応じて所定のユーザ登録データ(ファクシミリ番号等)を表示手段522に表示させるように構成すると、切替メモリ512の容量が比較的少なくても、ユーザに対する操作性を損なうことなく、所定のユーザ登録データを表示させることが可能となる。
【0080】
また、第三の実施形態におけるデータ取得手段514が、スリープ状態への遷移が開始される際に、ユーザ登録データを切替メモリ512に記憶する場合、データ取得手段514が、表示手段522に備えられたバックライトを予め消灯させるよう構成しても構わない。当該構成とすると、操作部400のタッチパネル401の画面は黒色となった状態で、データ取得手段514はユーザ登録データをコピーすることとなるが、ユーザは所定の処理が終了したことを視覚的に認識することができるため、データ取得手段514の処理に関して、ユーザへの違和感を解消することが可能となる。尚、データ取得手段514がユーザ登録データを取得する場合、複合機100の動作状態がアクティブ状態からスリープ状態に遷移するまでに要するスリープ遷移時間は、当該ユーザ登録データの量に応じて異なるため、データ取得手段と、電力供給制御手段と、電力供給手段とが協働して、当該スリープ遷移時間を調整するよう構成しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明を使用すると、ハードディスク記憶手段に電力供給が開始されてから、当該ハードディスク記憶手段の動作準備が完了するまでの待ち時間内に、ファクシミリ番号や文書等のユーザが登録したユーザ登録データを使用することができる。したがって、スリープ状態から復帰後直ぐにユーザ登録データを使用することができるので、その産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0082】
100 複合機
400 操作部
501 ハードディスク記憶手段
502 起動検知手段
512 切替メモリ
513 入力受付手段
514 データ取得手段
521 アクセス切替手段
522 表示手段
523 遅延手段
540 検知手段
541 電力供給制御手段
542 電力供給手段
901 ユーザ登録データテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより登録されたユーザ登録データを記憶するハードディスク記憶手段を備えた画像形成装置において、
前記ユーザ登録データを選択可能に表示する表示手段と、
前記ハードディスク記憶手段に電力を供給する電力供給手段と、
前記電力供給手段にハードディスク記憶手段へ電力供給を遮断または電力供給を開始させる電力供給制御手段と、
前記ハードディスク記憶手段から前記ユーザ登録データを記憶する切替メモリと、
前記電力供給制御手段により、前記ハードディスク記憶手段へ電力供給が開始されると、前記表示手段に、切替メモリに記憶されたユーザ登録データを選択可能に表示させるアクセス切替手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記電力供給制御手段が前記ハードディスク記憶手段へ電力供給を開始後、当該ハードディスク記憶手段の動作準備の完了を検知する起動検知手段を備え、
ユーザによりハードディスク記憶手段のユーザ登録データを表示させる要求を受けると、前記起動検知手段によるハードディスク記憶手段の動作準備の完了の検知後、前記アクセス切替手段が、切替メモリのデータからハードディスク記憶手段のユーザ登録データへ表示を切り替える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電力供給制御手段が前記ハードディスク記憶手段へ電力供給を開始後、当該ハードディスク記憶手段の動作準備の完了を検知する起動検知手段を備え、
前記アクセス切替手段が、前記ハードディスク記憶手段へ電力供給が開始されてから、前記起動検知手段がハードディスク記憶手段の動作準備の完了を検知する待ち時間の終了まで、前記表示手段に、切替メモリに記憶されたユーザ登録データを選択可能に表示させ、前記起動検知手段がハードディスク記憶手段の動作準備の完了を検知すると、切替メモリのデータからハードディスク記憶手段のユーザ登録データへ表示を切り替える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ハードディスク記憶手段に記憶されている前記ユーザ登録データの内、設定条件とされるユーザ登録データを受け付ける入力受付手段を更に備え、
前記切替メモリが、前記入力受付手段が受け付けた前記ユーザ登録データを記憶する請求項1から3いずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示手段により切替メモリのユーザ登録データを表示する際の応答時間を所定時間遅らせる遅延手段を更に備える請求項1から4いずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ハードディスク記憶手段が、ユーザ登録データと当該ユーザ登録データが使用された回数を関連付けて、ユーザ登録データテーブルとして記憶し、
前記電力供給制御手段が前記電力供給手段にハードディスク記憶手段への電力供給を遮断させる際に、前記切替メモリが、前記ユーザ登録データテーブルに基づいて、前記ハードディスク記憶手段から前記ユーザ登録データを記憶する請求項1から5いずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記切替メモリが、前記電力供給手段又は、他の電源から常に電力供給を受ける揮発性メモリである請求項1から6いずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−204428(P2010−204428A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−50468(P2009−50468)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】