説明

画像形成装置

【課題】カバー部材の設計を変えることなく、異なる大きさの液晶表示部材をカバー部材に配置することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】開口部28が形成され情報を入力するための情報入力部材32が設けられるカバー部材22、24と、開口部28から露出する液晶表示部材40と、液晶表示部材40の表示面42の面積が開口部28の開口面積よりも小さい場合に、液晶表示部材40を収容してカバー部材22、24に設けられる支持部材38と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネルを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置には、画像形成処理を指示するための操作パネル(操作部)が設けられている。操作パネルは、主として、外郭を構成するカバー部材と、カバー部材に収容される種々の制御回路基板と、カバー部材に収容されカバー部材側に形成された開口部から露出する液晶表示部材と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−168283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成装置の機種によっては、機能又はサイズが大きく異なることがあるため、液晶表示部材の大きさも機種に応じて異なるように設定される。しかしながら、液晶表示部材の大きさを変えると、カバー部材に形成された開口部の大きさも液晶表示部材の大きさに対応するように変えなければならない。この結果、多くの種類のカバー部材を用意しなければならず、カバー部材の設計及び製作工程が煩雑になるとともに、カバー部材の管理も複雑になる。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、カバー部材の設計を変えることなく、異なる大きさの液晶表示部材をカバー部材に配置することができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、開口部が形成され、情報を入力するための情報入力部材が設けられるカバー部材と、表示面が前記開口部から露出する液晶表示部材と、前記液晶表示部材の前記表示面の面積が前記開口部の開口面積よりも小さい場合に、前記液晶表示部材を収容して前記カバー部材に設けられる支持部材と、を有する。
【0007】
本発明によれば、液晶表示部材の表示面の面積がカバー部材の開口部の開口面積よりも小さい場合に、液晶表示部材が支持部材に収容されてカバー部材に設けられる。これにより、液晶表示部材が開口部に対して位置ずれすることがない。一方、液晶表示部材の表示面の面積が前記開口部の開口面積と同等の場合には、液晶表示部材は、支持部材に収容されることなく、カバー部材に直接、収容される。このように、カバー部材の設計を変えることなく、1つのカバー部材に、表示面の大きさが異なる液晶表示部材を収容することができる。
【0008】
この場合、前記支持部材は、前記液晶表示部材を前記開口部に対して位置決めする位置決め部材であることが好ましい。
【0009】
これにより、支持部材は、液晶表示部材を開口部に対して位置決めする位置決め部材であるため、液晶表示部材の表示面の面積が開口部の開口面積よりも小さい場合でも、液晶表示部材が開口部に対して位置ずれすることを防止できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カバー部材の設計を変えることなく、異なる大きさの液晶表示部材をカバー部材に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の画像形成装置の斜視図である。
【図2】本発明の画像形成装置の操作部であって内部に支持部材を収容していない状態の斜視図である。
【図3】本発明の画像形成装置の操作部であって内部に支持部材を収容していない状態の分解斜視図である
【図4】本発明の画像形成装置の操作部であって内部に支持部材を収容している状態の斜視図である。
【図5】本発明の画像形成装置の操作部であって内部に支持部材を収容している状態の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1に示すように、画像形成装置10は、画像形成装置10の外郭を構成する筐体12を備えている。筐体12の上部には、原稿情報を読み取るための原稿台14が設けられている。原稿台14の内部には、原稿の原稿情報を読み取る読取装置(図示省略)が設けられている。この読取装置は、従来から周知の構成であるため、説明を省略する。また、原稿台14の上面には、ADF装置(Auto Document Feeder:原稿自動送り装置)16が設けられている。ADF装置16は、原稿を載せるための原稿トレイ18と、原稿トレイ18の原稿を所定の読取ポイントに搬送する原稿搬送機構(図示省略)と、を備えている。
【0014】
図2及び図3に示すように、原稿台14の一辺には、画像形成装置10の作動を制御し、あるいは印字環境などを設定するための操作パネル(操作部)20が設けられている。操作パネル20は、操作パネル20の外郭を構成するパネルカバー22を備えている。パネルカバー22には、大開口部26が形成されている。パネルカバー22の大開口部26には、パネルオーバーレイ24が装着される。パネルオーバーレイ24には、後述する液晶表示装置34の表示面36を露出させるための第1開口部(開口部)28と、各種の操作ボタン(情報入力部材)32を露出させるための複数の第2開口部30と、が形成されている。なお、本実施形態では、パネルカバー22とパネルオーバーレイ24とを分離可能な別部材で構成した例を示したが、両者が分離不可能な同一部材で構成されていてもよい。
【0015】
本発明の「カバー部材」は、パネルカバー22とパネルオーバーレイ24とが別部材あるいは同一部材にかかわらず、パネルカバー22とパネルオーバーレイ24とを含んだ概念と定義する。
【0016】
パネルオーバーレイ24のパネルカバー22には、液晶表示装置34が設けられる。液晶表示装置34の表示面36が第1開口部(開口部)28から露出するように位置決めされる。また、液晶表示装置34の表示面36には、操作ボタン32により入力した情報、あるいは画像形成装置10の動作に関する情報などが表示される。なお、液晶表示装置34には、液晶表示制御に関する制御回路基板(図示省略)が内蔵されている。
【0017】
パネルオーバーレイ24の第2開口部30には、各種の操作ボタン32が設けられる。操作ボタン32は、制御回路基板(図示省略)と電気的に接続されている。なお、制御回路基板は、パネルカバー22に収容されている。
【0018】
ここで、パネルオーバーレイ24の第1開口部28の開口面積と液晶表示装置34の表示面36の表示面積とが同じかあるいは略同じ場合には、液晶表示装置34は直接、パネルカバー22に収容される。そして、パネルオーバーレイ24の第1開口部28に、液晶表示装置34の表示面36が位置して露出する。このとき、パネルオーバーレイ24の第1開口部28の開口面積と液晶表示装置34の表示面36の表示面積とが同じかあるいは略同じであるため、パネルオーバーレイ24の第1開口部28と液晶表示装置34の表示面36との間に隙間が生じることがない。この結果、パネルオーバーレイ24の第1開口部28を全て利用した液晶表示が可能になる。
【0019】
一方、液晶表示装置34の表示面36の表示面積がパネルオーバーレイ24の第1開口部28の開口面積よりも小さい場合には、液晶表示装置34をパネルカバー22にそのまま収容した場合に、パネルオーバーレイ24の第1開口部28と液晶表示装置34の表示面36との間に隙間が生じる。この問題を解決するために、本実施形態では、ブラケット(支持部材)38(図4及び図5参照)が用いられる。
【0020】
すなわち、図4及び図5に示すように、ブラケット38は、パネルオーバーレイ24の第1開口部28の開口面積よりも小さい表示面積の表示面42を有する小型の液晶表示装置(液晶表示部材)40を装着し、かつ位置決めするものである。ブラケット38には、パネルオーバーレイ24の第1開口部28の開口面積よりも小さな開口面積となる小開口部44が形成されている。この小開口部44の開口面積は、前記小型の液晶表示装置40の表示面42の表示面積と同じか略同じになるように設定されている。これにより、小型の液晶表示装置40がブラケット38に装着されることにより、パネルオーバーレイ24の第1開口部28と小型の液晶表示装置40の表示面42との間に隙間が生じることを防止できる。また同時に、小型の液晶表示装置40の表示面42が第1開口部28に対して位置決めされるため、例えば画像形成装置40の使用時に、小型の液晶表示装置40の表示面42が第1開口部28に対して位置ずれすることを防止できる。
【0021】
なお、このブラケット38は、パネルオーバーレイ24の第1開口部28の開口面積と同じか略同じになる表示面積の表示面36を備えた液晶表示装置34(図2及び図3参照)を、パネルカバー22に装着する場合には、使用されない。
【0022】
本実施形態によれば、パネルオーバーレイ24の第1開口部28の開口面積と同じか略同じになる大きな表示面積の表示面36を有する液晶表示装置34をパネルカバー22に装着する場合には、ブラケット38を介することなく、液晶表示装置34がパネルカバー22に直接、装着される。これにより、パネルオーバーレイ24の第1開口部28の全ての領域を利用した液晶表示を実現することができる。
【0023】
一方、パネルオーバーレイ24の第1開口部28の開口面積よりも小さな表示面積の表示面42を有する小型の液晶表示装置40をパネルカバー22に収容する場合には、上述した通り、小型の液晶表示装置40がブラケット38に装着される。これにより、パネルオーバーレイ24の第1開口部28の内縁と小型の液晶表示装置40の表示面42の外縁との間には、ブラケット38の一部が隙間無く位置して露出した構造になる。この結果、パネルオーバーレイ24の第1開口部28の内縁と小型の液晶表示装置40の表示面42の外縁との間に隙間が生じることを防止できるとともに、小型の液晶表示装置40の表示面42がパネルオーバーレイ24の第1開口部28に対して位置決めすることができる。このように、パネルカバー22及びパネルオーバーレイ24の設計を変えることなく、既存のパネルカバー22及びパネルオーバーレイ24に、表示面36、42の表示面積の大きさが異なる液晶表示装置34、40を収容することができる。
【0024】
なお、ブラケット38の小開口部44の開口面積は、小型の液晶表示装置40の表示面42の表示面積に対応して設定されているが、表示面42の表示面積が異なる複数の小型の液晶表示装置が存在する場合には、それぞれの表示面の表示面積に対応した小開口部を有する複数種類のブラケットを準備しておくことが好ましい。
【符号の説明】
【0025】
10 画像形成装置
20 操作パネル(操作部)
22 パネルカバー(カバー部材)
24 パネルオーバーレイ(カバー部材)
28 第1開口部(開口部)
32 操作ボタン(情報入力部材)
38 ブラケット(支持部材)
40 液晶表示装置(液晶表示部材)
42 表示面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成され、情報を入力するための情報入力部材が設けられるカバー部材と、
表示面が前記開口部から露出する液晶表示部材と、
前記液晶表示部材の前記表示面の面積が前記開口部の開口面積よりも小さい場合に、前記液晶表示部材を収容して前記カバー部材に設けられる支持部材と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記液晶表示部材を前記開口部に対して位置決めする位置決め部材である請求項1に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−256801(P2010−256801A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109549(P2009−109549)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】