説明

画像形成装置

【課題】簡単な構成で、クリーニングブレードの異常をいち早く検出し、画像形成時におけるクリーニングブレードの異常に起因する問題の発生を未然に防止すること。
【解決手段】トナー像を担持して回転する像担持体と、トナー像を転写材に転写する転写手段と、転写後の前記像担持体に圧接してクリーニングするクリーニングブレードを備えたクリーニング装置と、を有し、かつ、画像を形成する通常の画像形成モードと、前記クリーニングブレードの異常確認のためのクリーニング不良が発生し易い条件設定を行い、前記条件設定の結果としてのクリーニング状態の表示がなされるブレードテストモードと、を備えていることを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニングブレードを備えたクリーニング装置を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真技術は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びそれらの機能を合わせ持つ複合機等に広く採用されている技術である。
【0003】
この電子写真技術は、先ず、感光体を一様に帯電して、次いで、画像データに対応する露光を行う書込手段によって感光体上に潜像を作り、前記潜像を現像手段によって現像して、可視化された画像であるトナー画像を形成するものである。感光体上に形成されたトナー画像は転写手段によって感光体から転写材としての記録紙あるいは中間転写体に転写される。感光体上に形成されたトナー画像は、その全てが記録紙や中間転写体に転写されることが望ましいが、実際には、転写工程終了後の感光体上にはわずかなトナーが残る。この感光体上に残った転写残トナーを除くために、クリーニング装置が設けられる。
【0004】
一般に、このようなクリーニング装置には、感光体表面から転写残トナーをかき取るクリーニングブレードが設けられる。クリーニングブレードは、弾性を有する樹脂、例えばポリウレタン系の樹脂で作られ、先端のエッジが感光体面の移動方向とは逆の方向を向くように、かつ、エッジ及びエッジ近傍部が感光体に接触するように配置される。従って感光体とクリーニングブレードとはある接触領域を介して摺擦する関係にあり、クリーニングブレードには、クリーニングブレードの帯電特性や、感光体とクリーニングブレードとの摩擦抵抗に関連する問題が生じることがある。
【0005】
例えば、ある極性に帯電したクリーニングブレードに、クリーニングブレードとは異なる極性のトナーが接触すると、このトナーは静電引力よりクリーニングブレードに付着し、徐々に蓄積される。この蓄積されたトナーは、何らかの機会に、クリーニングブレードと摺擦している感光体に移行して、その表面に強固に付着する。この付着したトナーは、更なるトナーや外添剤が感光体表面に付着するきっかけとなり、感光体表面に強固に付着したトナーや外添剤は、感光体表面を擦過するクリーニングブレードのエッジを変形させたり損傷させたりする懸念がある。
【0006】
更に、印字率の低い画像が連続して現像され、そのトナー画像が転写される場合には、感光体表面での転写残トナーも少なくなることから、クリーニングブレードのエッジ部でのめくれが発生し易くなる。これら、クリーニングブレードのエッジ部での異常を、クリーニングブレードに設けた圧電素子により検出し、クリーニングブレードの感光体への圧力を変え、また、クリーニングブレードの状態を検出して信号を発するという技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
然るに、感光体の表面には転写残トナーの他に記録紙から生じる紙粉が残ってしまうことがあり、紙粉がクリーニングブレードのエッジ部に挟み込まれる場合には、圧電素子ではエッジのめくれによる異常のように明確には検出できないという問題がある。また、圧電素子を用いる構成では機構が複雑となり、コストアップにもなる。
【0008】
一方、印字率の低い画像が連続すると感光体上の転写残トナーの不足により、クリーニングブレードのめくれの他に、感光体とクリーニングブレード間の摩擦が大となることから、感光体又はクリーニングブレードの寿命を低下させるという不都合が発生する。クリーニングブレードのめくれや短寿命等、転写残トナーの不足により発生する問題の対策として、感光体上の画像間の非画像領域(以下、紙間部と称す)に黒帯状画像を形成するという技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。印字率の低い画像形成が一定枚数以上継続したとき、感光体上の画像間の非画像領域(紙間部)に黒帯状のトナー画像(トナーバンド)を形成し、この画像に必要なトナーをクリーニングブレードに送るという提案である。
【0009】
この技術は、クリーニング用のトナー画像である黒帯を、感光体上の転写材に転写される画像の間(紙間部)に形成して、黒帯状画像に使われるトナー量によって決まる一定量のトナーをクリーニングブレードに送るものである。即ち、常に、ある定めたられた量のトナーをクリーニングブレードに送ることにより、感光体上の転写残トナーの不足による摩擦等の問題の発生を防止しようとするものである。この黒帯状画像の形成は、印字率の低い画像が連続する場合にも一定量のトナーを現像装置から供給するため、トナーが現像装置内に長期間滞留する現象を無くし、現像装置内におけるトナーの劣化を防止するという対策にもなっている。
【0010】
然るに、黒帯状画像によりクリーニング装置に送られるトナー量は、不足すると所定の目的が達成されず、また、望ましい量を超えるトナーが一度に送られた場合には、クリーニング不良を招いてしまう。従って、クリーニングブレードには、望ましいタイミングで、望ましい量のトナーが送られることが必要である。しかしながら、環境や経時変化に伴う感光体や現像剤の特性変化から、同じ作像条件で黒帯状画像を形成しても、常に同じ濃度のトナー画像が形成されるという保証はなく、その結果、必要量のトナーがクリーニングブレードに送られない問題が発生することがある。また、黒帯状画像の形成だけでは、前述した、トナーや外添剤が感光体の表面に付着するという問題や、紙粉がクリーニングブレードのエッジ部に挟み込まれるという問題の根本的な解決策にはなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平6−67585号公報
【特許文献2】特開平8−115036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような問題を解決し、紙粉等の検出が困難で、コスト高となる圧電素子を用いることなく、トナーや外添剤が感光体の表面に付着したり、紙粉がクリーニングブレードのエッジ部に挟み込まれたりするという問題にも対応しうるものである。即ち、本発明の目的は、簡単な構成でありながら、クリーニングブレードの異常をいち早く検出し、画像形成時におけるクリーニングブレードの異常に起因する問題の発生を未然に防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的は下記の発明により達成される。
【0014】
1.トナー像を担持して回転する像担持体と、
トナー像を転写材に転写する転写手段と、
転写後の前記像担持体に圧接してクリーニングするクリーニングブレードを備えたクリーニング装置と、を有し、かつ、
画像を形成する通常の画像形成モードと、
前記クリーニングブレードの異常確認のためのクリーニング不良が発生し易い条件設定を行い、前記条件設定の結果としてのクリーニング状態の表示がなされるブレードテストモードと、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【0015】
2.前記像担持体に担持されるトナー像に対して前記像担持体の回転方向の前後に位置する非画像領域に、転写材に転写されない帯状画像を形成する、帯状画像形成モードを備え、
前記転写手段は極性及び電圧が可変の電圧付与手段を有し、
前記電圧付与手段は、前記像担持体に形成される前記帯状画像に対し、前記通常の画像形成モードにおいては、トナーと同極性の電圧を付与し、前記ブレードテストモードにおいては、前記条件設定として、トナーと同極性で、かつ前記通常の画像形成モードにおいて前記帯状画像に付与される電圧より絶対値の大きな電圧を付与することを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0016】
3.前記条件設定として、前記ブレードテストモードにおける前記クリーニングブレードが前記像担持体に圧接する圧力は、前記通常の画像形成モードにおける圧力より小さいことを特徴とする前記1又は2に記載の画像形成装置。
【0017】
4.前記ブレードテストモードにおいて、前記クリーニング状態の表示として、クリーニング状態判定用の画像を転写材に形成して排出することを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0018】
5.画像形成装置は、前記像担持体のクリーニング状態を検出する、前記像担持体に対向して配設されるクリーニング状態検出手段、又は画像形成された転写材の白地部のクリーニング状態を検出するクリーニング状態検出手段と、
前記クリーニング状態の表示としての、前記像担持体又は前記転写材のクリーニング状態を表示する表示手段と、を有し、
前記ブレードテストモードにおいて、前記クリーニング状態検出手段は、前記像担持体、又は前記転写材、のクリーニング状態を検出して予め設定したクリーニング状態の基準値と比較し、検出されたクリーニング状態が前記クリーニング状態の基準値より低いレベルであれば、前記クリーニング状態の表示として、前記表示手段にクリーニングブレード状態の確認が必要である旨の表示を出させることを特徴とする前記1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0019】
6.前記クリーニング状態検出手段が検出するクリーニング状態の検出は、画像形成後にクリーニングされた前記像担持体、又は画像形成された前記転写材、における白地部の画像濃度を測定することにより行われることを特徴とする前記5に記載の画像形成装置。
【0020】
7.前記クリーニング状態検出手段によるクリーニング状態の検出は、画像形成装置の電源オン時、又は画像形成の累計枚数が予め設定した累計枚数の基準値に達したとき、に行われることを特徴とする前記5又は6に記載の画像形成装置。
【0021】
8.前記クリーニング状態検出手段によるクリーニング状態の検出は、画像形成の累計枚数が予め設定した累計枚数の基準値に達したときに行われ、前記クリーニング状態検出手段によるクリーニング状態の検出の回数は、画像形成の累計枚数が多くなる程、頻度を増すように設定されていることを特徴とする前記5又は6に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、簡単な構成でありながら、クリーニングブレードの異常をいち早く検出することにより、画像形成時におけるクリーニングブレードの異常に起因する画像不良の発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施形態の構成及び動作について説明するための概略構成図である。
【図2】本発明に係るブレードテストモードを備えた画像形成装置Gの制御系について説明するためのブロック図である。
【図3】本発明に係る帯状画像形成モードにおいて感光体31上に形成される帯状画像について説明するための感光体31表面の展開図である。
【図4】本発明に係るブレードテストモードにおける構成及び動作について説明するための模式的構成図である。
【図5】本発明に係るブレードテストモードの第3の実施形態の動作の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係るブレードテストモードの第4の実施形態の動作の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係るブレードテストモードの第5の実施形態についての動作の手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施形態について図1を基にして説明するが、本発明の適用はこの実施形態に限定されるものではない。
【0025】
図1は本発明に係る画像形成装置の実施形態の構成及び動作について説明するための概略構成図である。
【0026】
画像形成装置Gは、本体の上部に自動原稿送り装置Fを有し、本体は、読取手段1、書込手段2、画像形成部3、操作表示手段4、給紙手段5、排紙再給紙手段6、および、定着手段7、制御手段C等から構成されている。
【0027】
自動原稿送り装置Fは、原稿載置台11に載置された原稿を原稿分離手段12によって一枚ずつ原稿搬送手段13に送り出し、原稿搬送手段13は送られた原稿を原稿排紙手段14に搬送し、原稿排紙手段14は送られた原稿を原稿排紙台15に排紙する。原稿画像は原稿搬送路に設けられた、読取手段1の原稿画像読み取り位置であるスリット21にて読み取りがなされる。
【0028】
原稿両面の画像を読み取る場合には、一対のローラを有する原稿反転手段16によって、第1面を読み取られた原稿が表裏反転されて、再度、原稿搬送手段13に送り出されることにより第2面の読み取りがなされる。読み取りが終了した原稿は原稿排紙台15に排紙される。
【0029】
読取手段1は、原稿画像から画像データを得る手段であり、スリット21の位置にて、ランプ231により光照射された原稿画像を第1ミラーユニット23と、第2ミラーユニット24と、結像レンズ25とによりライン状CCDの撮像素子26に結像させている。撮像素子26から出力された信号は、制御手段Cの画像処理部においてA/D変換され、シェーディング補正、画像圧縮等の処理がなされてメモリMに画像データとして保存される。
【0030】
書込手段2は、メモリMから呼び出されて所定の画像処理が施された画像データに基づき、レーザビームとポリゴンミラーとにより、帯電手段32によって一様に帯電される、回転する像担持体としての感光体31の表面を走査する。この走査により、感光体31の面上に原稿画像に対応した静電潜像が形成される。
【0031】
前記静電潜像は、画像形成部3の現像手段としての現像手段34により反転現像されて、トナー画像が感光体31上に形成される。
【0032】
トナー画像形成のタイミングに対応して、手差し給紙手段55、もしくは、転写材である記録紙Pを収容するカセットやトレイを有する給紙手段5から記録紙Pが給送される。給送された記録紙Pは、搬送ローラ56により搬送され、タイミングローラ39によって感光体上に形成された前記トナー画像との位置合わせのための同期が取られて転写領域に送り出される。
【0033】
転写領域において、感光体31の表面に形成されたトナー画像は、転写手段35及び電圧付与手段E1の作用により反対極性に帯電された記録紙Pに転写される。トナー画像を担持した記録紙Pは、分離手段36の作用により、感光体31の表面から分離し、定着手段7に送られる。定着手段7において、トナー画像を担持した前記記録紙Pは、加熱ローラ71と加圧ローラ72により加熱加圧を受けながら搬送され、トナー画像が記録紙Pに定着されて、排出ローラ63によって装置外に送り出される。
【0034】
なお、記録紙Pを表裏反転して送り出す場合には、切換ガイド62により、記録紙Pを排紙再給紙手段6に導き、記録紙Pをスイッチバックさせて排出ローラ63に送る。また、記録紙Pの両面に画像形成をする場合には、第1面の定着を終えた記録紙Pを、切換ガイド62により排紙再給紙手段6に導き、反転部65にて反転させた後、給紙のための搬送路66に送り出し、第2面の画像形成に供する。
【0035】
一方、記録紙Pへのトナー画像の転写を終えた感光体31の表面は、クリーニング装置37により残留トナーが除去されて次なる画像形成に向けての準備がなされる。
【0036】
画像形成装置G内に配設される制御手段Cは、メモリMを内蔵し、画像形成装置Gの各部の動作を制御する。
【0037】
図2は、本発明に係るブレードテストモードを備えた画像形成装置Gの制御系について説明するためのブロック図である。
【0038】
制御手段CはCPU、メモリMを始め、図示しない演算ユニット、I/Oポート、通信用インターフェイス等を有するコンピュータシステムであり、各手段を駆動するための回路も有している。各手段の制御は、メモリMに格納してある画像形成モードやブレードテストモード等、各々のジョブに対応するプログラムを実行させることによりなされる。
【0039】
図2において、制御手段Cは、電源スイッチSW、トータルカウンタTC、及びクリーニング状態検出手段10a、10b、及び操作表示手段4等からの情報を受け、メモリM内の画像形成モード、ブレードテストモード、又は帯状画像形成モード等を選択する。画像形成モード又は帯状画像形成モードが選択されたときには、画像形成装置各部の動作を制御する。また、ブレードテストモードが選択されたときには、電圧付与手段E1、クリーニングブレード圧接手段BA、ブレード状態表示手段BH、判定用画像形成手段GS、及び画像形成装置各部の動作を制御する。画像形成モードとブレードテストモードとを同時に選択することはできないが、帯状画像形成モードが選択されたときには、画像形成モード又はブレードテストモードのいずれかを同時に選択することができる。
【0040】
クリーニング状態検出手段としての画像濃度検知センサ10a、10bは、感光体31や記録紙Pの白地部の画像濃度を検出する、光センサ、又はCCDを用いた自動画像判定装置(画像をドットパターンに分解して画像の濃度の検出、判定を行う装置)からなる。画像濃度検知センサ10a、10bは、感光体31や記録紙Pの白地部の画像濃度を検出して制御手段Cに信号を出す。信号を受けた制御手段Cは、検出値と画像濃度の基準値とを比較してクリーニング不良の有無を判定し、異常が認められればブレード状態表示手段BH(後述)にクリーニングブレード確認要の表示を出させる。
【0041】
操作表示手段4は、画像形成装置Gに配設される各種のボタン、タッチパネル、表示部等からなる、画像形成装置Gの操作を行う入力手段である。操作表示手段4は、外部からオンラインで接続するパソコン等に設けることも可能である。
【0042】
トータルカウンタTCは、画像形成装置Gの累計画像形成枚数をカウントするカウンタである。
【0043】
電圧付与手段E1は、極性と電圧とが可変のDC高圧電源装置であり、通常の画像形成モードでは、トナーと逆極性の電圧を、帯状画像形成モードでは、トナーと同極性の電圧を付与する。
【0044】
本発明に係る表示手段としてのブレード状態表示手段BHは、操作表示手段4内に配設され、画像形成装置Gのクリーニング状態が悪いと推定されるときに、クリーニングブレード状態の確認が必要である旨の表示を出す表示手段である。ブレード状態表示手段BHは、操作表示手段4に液晶による文字表示、又はランプ表示等により表示が行われる。判定用画像形成手段GSは、ブレードテストモードでのクリーニング状態を確認したいとき、予めメモリMに格納されたクリーニング判定用画像を呼び出して記録紙Pに画像形成する、制御手段CとメモリMの一部と画像形成装置の各部からなる画像形成手段である。記録紙Pに形成される画像は、画像濃度検知センサ10bにより画像濃度を自動的に検出されるか、そのまま排出されて目視判定される。クリーニングブレード圧接手段BAの構成については、図4を用いて後述する。
【0045】
帯状画像形成モードは、通常の画像形成モードにおける、印字率の低い原稿画像が連続して形成される場合、又はブレードテストモードが選択される場合に同時に併用されるモードであり、感光体31の画像の紙間部に帯状画像を形成するモードである。この帯状画像は感光体31のみに形成される画像で、記録紙Pには転写されない。
【0046】
図3は、本発明に係る帯状画像形成モードを説明するための感光体31表面の展開図である。
【0047】
画像Z1、画像Z2は記録紙Pに連続して転写されるトナー像であり、感光体31の回転に伴い感光体31の回転方向X(用紙搬送方向)に移動するが、帯状画像は、それら二つのトナー像の前後(紙間)に形成される。帯状画像は記録紙Pに転写されない画像であるため、回転する感光体31の帯状画像を担持した面が転写手段35の位置に達するとき、転写手段35にはトナーと同極性の電圧が付与される。転写手段35にトナーと同極性の電圧を付与することにより、帯状画像部のトナーが感光体31から外部に飛散することを防いでいるが、特に中間転写ベルトや搬送ベルトを用いる構成の画像形成装置では、トナーを感光体31側に強く引きつけておく必要がある。
【0048】
実施の形態においては、帯状画像は、トナーの付着量が最大となる最大濃度を持つように設定されているが、より低い一定の濃度に設定しても良い。
【0049】
帯状画像形成モードは、通常の画像形成モードにおいて、低印字率の原稿が連続する場合に併用することにより、クリーニングブレード370(図4参照)に対し、適正量のトナーが送られ、感光体31との摩擦が軽減されて摩耗や損傷を抑制できる。更に、帯状画像の形成により、所定量のトナーが供給されることで現像装置34内のトナーの滞留が減少し、循環が円滑となってトナーの劣化が抑制される。ブレードテストモードにおける帯状画像の形成については図4を用いて後述する。
【0050】
図4は、本発明に係るブレードテストモードにおける構成及び動作について説明するための模式的構成図である。ブレードテストモードは、感光体31に対するクリーニング条件を厳しくしてクリーニング不良が発生し易い条件設定とし、クリーニングブレード370の異常をいち早く検出して対処し、画像形成時におけるクリーニング不良を防止するためのモードである。クリーニングブレード370の異常に対する対処としては、クリーニングブレード370の状態の確認、異物の除去、又はクリーニングブレード370の交換等がある。クリーニング不良が発生し易い条件設定の項目としては、クリーニングブレード370が感光体31に圧接する圧力、感光体31の紙間部に形成される帯状画像に付与する転写電圧、及び感光体31に画像形成するテスト用パターン画像の仕様等が考えられる。
【0051】
図4において、現像装置34は現像ローラ340を備え、現像ローラ340には図示しない高圧電源が接続されており、現像バイアスとしてのバイアス電圧が付与される。現像バイアスは、図示しないAC電源とDC電源とにより、バイアス電圧が現像ローラ41を介して感光体ドラム31に付与される。帯電器32には図示しない高圧電源が接続されている。
【0052】
ブレードテストモードにおいて、電圧付与手段E1は、帯状画像に対しトナーと同極性で、かつ通常の画像形成モードにおける帯状画像に付与する電圧より値の大きな電圧を付与する。ブレードテストモードにおいて、通常の画像形成モードより値の大きな電圧を付与する理由は、トナーに、より大きな電圧を付与することにより、トナーが感光体31に静電吸着される力をより強くし、クリーニングされ難い状況にするためである。即ち、クリーニングされ難い状況を作ることによりクリーニングブレードの異常をいち早く検出して対処することで、画像形成時におけるクリーニング不良の発生を防止するものである。
【0053】
符号の10a、10bは、ブレードテストモードにおいてクリーニング不良を検出する、本発明に係るクリーニング状態検出手段としての画像濃度検知センサである。画像濃度検知センサ10aは、クリーニング後の感光体31表面のクリーニング状態を、画像濃度検知センサ10bは、感光体31からトナー画像を転写された記録紙P表面の白地部にトナーが残留していないかどうかを、それぞれ、画像濃度値として検出する。画像濃度検知センサ10aは、感光体31の周囲のクリーニング装置37の感光体31回転方向下流側に配設され、画像濃度検知センサ10bは、転写手段35の下流側に配設される。
【0054】
本発明に係るブレードテストモードの第1の実施形態は、クリーニングブレード圧接手段BAに関するもので、クリーニング装置37のクリーニングブレード370が感光体31に圧接する圧力を、通常の画像形成時より小さく設定するものである。クリーニングブレード圧接手段BAは、クリーニングブレード370と、クリーニングブレード370を回転軸371の回転方向に揺動自在に保持する回転軸371と、回転軸371に図示しない歯車を介して連結されるトルク可変の駆動モータM1と、からなる。回転軸371はクリーニングブレード370を揺動自在に保持するとともに、トルク可変の駆動モータM1に連結され、モータの回転トルクによってクリーニングブレード370を感光体31に圧接するという構成である。即ち、ブレードテストモード時における駆動モータM1のトルクを通常の画像形成時より小さくすることにより、クリーニングブレード370の感光体31への圧接の圧力を小さくし、クリーニング不良を発生し易くしている。
【0055】
本発明者は、クリーニングブレード370の感光体31への圧接の圧力を通常の80%に下げた実験において、クリーニングブレード370に異常があるとき、通常の圧力では発生しない感光体31回転方向へのスジ状のトナー汚れの発生を確認している。ここでのクリーニングブレード370の異常とは、部分的な摩耗や20〜30μm程度のエッジの欠け、紙粉の詰まり、等をいう。
【0056】
本発明に係るブレードテストモードの第1の実施形態によれば、クリーニング不良が発生し易い条件が設定されるため、クリーニングブレード370の異常をいち早く検出することが可能となる。
【0057】
本発明のブレードテストモードに係る第2の実施形態は、感光体31に形成される帯状画像に対し、転写手段35に接続される電圧付与手段E1により付与される電圧を、通常の画像形成時の電圧より絶対値の大きな電圧とするものである。
【0058】
感光体31に形成される帯状画像(図3参照)に対し、ブレードテストモードの第2の実施形態における電圧付与手段E1により付与される電圧は、通常の画像形成時において低印字率の原稿が連続する場合に付与される電圧より絶対値の大きな値に設定される。ブレードテストモードにおける帯状画像に付与する電圧を絶対値の大きな値に設定することにより、トナーが感光体31に静電吸着する力を大きくしてクリーニング不良の起きやすい環境として、クリーニングブレード370の異常をいち早く検出するためである。
【0059】
本発明に係るブレードテストモードの第1又は第2の実施形態において、制御手段Cは、判定用画像形成手段GSを駆動させ、レーザ光aにより感光体31上にクリーニング状態判定用としてのテスト用パターン画像を形成させる。判定用画像形成手段GSは、予めメモリMに格納されているテスト用パターン画像を呼び出し、レーザ光aで書き込みを行う書込手段2と、帯電手段32、現像装置34等で構成される。このテスト用パターン画像の白地部の濃度をクリーニング状態検出手段としての画像濃度検知センサ10aにより検出させ、検出値を基準値と比較する。検出値が基準値より大きい(画像濃度が高い)場合、制御手段は、クリーニング状態が悪く、クリーニングブレード370に異常が発生している可能性が高いと判断し、クリーニングブレード状態確認要の表示を出すよう、ブレード状態表示手段BHに指令する。
【0060】
クリーニング状態を検出する手段として、感光体31上に形成したテスト用パターン画像の画像濃度を検出する画像濃度検知センサ10aを用いる構成と、このテスト用パターン画像を記録紙Pに転写して白地部の濃度を検出する構成とがある。記録紙Pに転写するという構成は、テスト用パターン画像を転写された記録紙Pの転写手段35の白地部の濃度を、用紙搬送方向下流側に配設した画像濃度検知センサ10bを用いて検出するという構成である。
【0061】
また、クリーニング状態を検出する他の手段として、クリーニング状態を自動的に検出せずに、感光体31上に形成したテスト用パターン画像の画像濃度を記録紙Pに転写し、その記録紙Pをそのまま排出する構成とし、目視で判定しても良い。
【0062】
本実施形態のテスト用パターン画像としては、クリーニングブレード370への負荷が大でクリーニング不良が起き易い画像として、画像の半分が黒ベタで残り半分が白地の画像や、画像部が低印字率で非画像部(紙間部)に帯状画像を形成する画像等が考えられる。
【0063】
本発明に係るブレードテストモードの第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、クリーニング不良が発生し易い条件が設定されるため、クリーニングブレード370の異常がいち早く検出できる。
【0064】
本発明に係るブレードテストモードにおける構成及び動作について説明するための模式的構成図である。ブレードテストモードの第3の実施形態は、ブレードテストモードを選択するタイミングに関するものであり、画像形成装置Gの電源をオンする毎にブレードテストモードを選択するという構成である。以下、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0065】
図5は、本発明に係るブレードテストモードの第3の実施形態の動作の手順を示すフローチャートである。
【0066】
図5において、制御手段Cは、画像形成装置Gの電源スイッチSWのオン動作(ステップS11)により、メモリMからブレードテストモードを選択して実施させる(ステップS12)。
【0067】
次いで制御手段Cは、画像濃度検知センサ10a又は10bにテスト用パターン画像の白地部の画像濃度を検出させ、予め設定した画像濃度の基準値と比較してクリーニング状態が正常であるかどうかを判定する(ステップS13)。検出した値が基準値より小さい場合(ステップS13肯定)には正常と判断し、ステップS15に進み、検出した値が基準値より大きい場合(ステップS13否定)には異常と判断してステップS14に進む。
【0068】
ステップS14において、制御手段Cは、ブレード状態表示手段BHに対し、クリーニングブレード状態確認要の表示を出すよう指令する。クリーニングブレード状態確認要の表示により、クリーニングブレード状態の確認が行われ、必要があればクリーニングブレード370の交換が行われる(ステップS14)。
【0069】
最後に、ステップS15において、制御手段Cは、ブレード状態表示手段BHに対し、クリーニングブレード状態確認要の表示を消すように指令し、ブレードテストモードを終了させる(ステップS15)。
【0070】
本発明に係るブレードテストモードの第3の実施形態によれば、電源オンの動作により自動的にブレードテストモードが選択されるため、クリーニングブレード370の異常の検出がいち早く行われることにより、以降の画像形成が不良となる問題を防止できる。例えば、朝の始業時に電源がオンされる場合、その日一日の画像形成がクリーニング不良となる危険性を少なくすることができる。また、ブレードテストモードにおいてクリーニング状態に異常が検出されたとき、クリーニングブレード状態確認要の表示が出されることにより、それ以降の画像形成を行う前にクリーニングブレード状態の確認が行われ、画像形成時の画像不良の発生を防止できる。
【0071】
なお、本実施の形態では、ブレードテストモードを選択するタイミングを電源オンのタイミングとしたが、電源オンに代えて画像形成装置Gのプラグを差し込むタイミングとしても良い。
【0072】
本発明に係るブレードテストモードにおける第4の実施形態は、ブレードテストモードを選択するタイミングに関する構成であり、画像形成装置Gの累計の画像形成枚数が予め設定した基準値に達したときにブレードテストモードを選択して実施する構成である。以下、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0073】
図6は、本発明に係るブレードテストモードの第4の実施形態の動作の手順を示すフローチャートである。
【0074】
図6において、ステップS21では、画像形成装置Gは通常の画像形成モードの状態にあり、通常の画像形成が行われる(ステップS21)。次に制御手段Cは、画像形成装置GのトータルカウンタTCからの枚数の情報により、累計の画像形成枚数がブレードテストモードを実施する時期(累計画像形成枚数の基準値)に達したかどうかを判断する(ステップS22)。この判断は予めメモリMに格納された累計画像形成枚数の基準値とトータルカウンタTCからの枚数の情報とを比較することにより行われる。トータルカウンタTCの枚数が基準値に達していないとき(ステップS22否定)にはステップS21に戻り、再度通常の画像形成が行われる。トータルカウンタTCの枚数が基準値に達したとき(ステップS22肯定)にはステップS23に進む。
【0075】
ステップS23において、制御手段Cは、画像形成装置Gに対し、ブレードテストモードを選択して実施させる(ステップS23)。次いで制御手段Cは、画像濃度検知センサ10a又は10bにテスト用パターン画像の白地部の画像濃度を検出させ、予め設定した画像濃度の基準値と比較してクリーニング状態が正常であるかどうかを判定する(ステップS24)。検出した値が基準値より小さい場合(ステップS24肯定)には正常と判断してステップS26に進み、検出した値が基準値より大きい場合(ステップS24否定)には異常と判断してステップS25に進む。
【0076】
ステップS25において、制御手段Cは、ブレード状態表示手段BHに対し、クリーニングブレード状態確認要の表示を出すよう指令する。クリーニングブレード状態確認要の表示により、クリーニングブレード状態の確認が行われ、必要があればクリーニングブレード370の交換が行われる(ステップS25)。
【0077】
最後に、ステップS26において、制御手段Cは、ブレード状態表示手段BHに対し、クリーニングブレード状態確認要の表示を消すように指令し、ブレードテストモードを終了させる(ステップS26)。
【0078】
本発明のブレードテストモードに係る第4の実施形態によれば、画像形成の累計枚数によりブレードテストモードを実施するように設定されているため、定期的にクリーニングブレード370の異常を検出することができる。
【0079】
本発明に係るブレードテストモードの第5の実施形態は、画像形成装置Gの累計の画像形成枚数がブレードテストモードの実施時期に達したかどうかを検出する検出の回数を、画像形成の累計枚数が多くなる程、頻度を増すように設定した構成を有するものである。例えば、当初の検出を5万プリント毎に行い、累計画像形成枚数がクリーニングブレード370の平均耐久枚数の50%を超えたら、検出の頻度を1万プリント毎に行うというように、累計枚数により検出の頻度を変える構成である。以下、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0080】
図7は、本発明に係るブレードテストモードの第5の実施形態についての動作の手順を説明するためのフローチャートである。
【0081】
図7において、ステップS31では、画像形成装置Gは通常の画像形成モードの状態にあり、通常の画像形成が行われる(ステップS31)。次に制御手段Cは、画像形成装置GのトータルカウンタTCからの情報により、累計の画像形成枚数がブレードテストモードを実施する第1段階の実施時期(累計画像形成枚数の第1段階の基準値)に達したかどうかを判断する(ステップS32)。この判断は予めメモリMに格納された累計画像形成枚数の第1段階の基準値とトータルカウンタTCからの累計枚数の情報とを比較することにより行われる。トータルカウンタTCの累計枚数が基準値に達していないとき(ステップS32否定)にはステップS31に戻り、再度通常の画像形成を行う。トータルカウンタTCの累計枚数が基準値に達したとき(ステップS32肯定)にはステップS33に進む。
【0082】
ステップS33において、制御手段Cは、画像形成装置Gに対しブレードテストモードを選択して実施させる(ステップS33)。次いで制御手段Cは、画像濃度検知センサ10a又は10bにテスト用パターン画像の白地部の画像濃度を検出させ、予め設定した画像濃度の基準値と比較してクリーニング状態が正常であるかどうかを判定する(ステップS34)。検出した値が基準値より小さい場合(ステップS34肯定)には正常と判断し、ステップS35に進み、検出した値が基準値より大きい場合(ステップS34否定)には異常と判断してステップS42に進む。ステップS35において、制御手段Cは、ブレードテストモードを終了させる(ステップS35)。次いで制御手段Cは、通常の画像形成モードを選択し、画像形成装置Gに通常の画像形成を行わせる(ステップS36)。
【0083】
次に、制御手段Cは、画像形成装置GのトータルカウンタTCからの枚数情報により、累計の画像形成枚数がブレードテストモードを実施する第2段階の移行時期(累計画像形成枚数の第2段階への移行の基準値)に達したかどうかを判断する(ステップS37)。この判断は予めメモリMに格納された累計画像形成枚数の第2段階への移行の基準値とトータルカウンタTCからの累計枚数の情報とを比較することにより行われる。トータルカウンタTCの累計枚数が第2段階への移行の基準値に達していないとき(ステップS37否定)にはステップS36に戻り、再度通常の画像形成を行う。トータルカウンタTCの累計枚数が第2段階への移行の基準値に達したとき(ステップS37肯定)にはステップS38に進む。ステップS38において、制御手段Cは、ブレードテストモードを実施する実施時期のトータルカウンタTCによる検出の頻度を第1段階より高い第2段階に移行させるとともに、画像形成装置Gに通常の画像形成を行わせる(ステップS38)。
【0084】
次いで、制御手段Cは、画像形成装置GのトータルカウンタTCからの枚数の情報により、累計の画像形成枚数がブレードテストモードを実施する第2段階の実施時期(累計画像形成枚数の第2段階実施の基準値)に達したかどうかを判断する(ステップS39)。この判断は予めメモリMに格納された累計画像形成枚数の第2段階実施の基準値とトータルカウンタTCからの累計枚数の情報とを比較することにより行われる。トータルカウンタTCの累計枚数が第2段階実施の基準値に達していないとき(ステップS39否定)にはステップS38に戻り、再度通常の画像形成を行う。トータルカウンタTCの累計枚数が第2段階実施の基準値に達したとき(ステップS39肯定)にはステップS40に進む。
【0085】
ステップS40において、制御手段Cは、ブレードテストモードを選択して実施させる(ステップS40)。次いで制御手段Cは、画像濃度検知センサ10a又は10bにテスト用パターン画像の白地部の画像濃度を検出させ、予め設定した画像濃度の基準値と比較してクリーニング状態が正常であるかどうかを判定する(ステップS41)。検出した値が基準値より小さい場合(ステップS41肯定)には正常と判断し、ステップS38に戻って通常の画像形成を行う。検出した値が基準値より大きい場合(ステップS41否定)には異常と判断してステップS42に進む。
【0086】
ステップS42において、制御手段Cは、ブレード状態表示手段BHに対し、クリーニングブレード状態確認要の表示を出すよう指令する。クリーニングブレード状態確認要の表示により、クリーニングブレード状態の確認が行われ、必要があればクリーニングブレード370の交換が行われる(ステップS42)。
【0087】
最後に、ステップS43において、制御手段Cは、ブレード状態表示手段BHに対し、クリーニングブレード状態確認要の表示を消すように指令し、ブレードテストモードを終了させる(ステップS43)。
【0088】
本発明のブレードテストモードに係る第5の実施形態によれば、画像形成の累計枚数が多くなる程、頻度を増すように設定されているため、耐久枚数が近づいたクリーニングブレード370の異常をいち早く検出することができる。
【符号の説明】
【0089】
4 操作表示手段
C 制御手段
G 画像形成装置
M メモリ
P 記録紙
a レーザ光
X 感光体31の回転方向(用紙搬送方向)
10a 画像濃度検出センサ(クリーニング状態検出手段)
10b 画像濃度検出センサ(クリーニング状態検出手段)
31 感光体ドラム(像担持体)
35 転写手段
37 クリーニング装置
370 クリーニングブレード
BA クリーニングブレード圧接手段
BH ブレード状態表示手段(表示手段)
E1 電圧付与手段
GS 判定用画像形成手段
M1 駆動モータ
SW 電源スイッチ
TC トータルカウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持して回転する像担持体と、
トナー像を転写材に転写する転写手段と、
転写後の前記像担持体に圧接してクリーニングするクリーニングブレードを備えたクリーニング装置と、を有し、かつ、
画像を形成する通常の画像形成モードと、
前記クリーニングブレードの異常確認のためのクリーニング不良が発生し易い条件設定を行い、前記条件設定の結果としてのクリーニング状態の表示がなされるブレードテストモードと、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持体に担持されるトナー像に対して前記像担持体の回転方向の前後に位置する非画像領域に、転写材に転写されない帯状画像を形成する、帯状画像形成モードを備え、
前記転写手段は極性及び電圧が可変の電圧付与手段を有し、
前記電圧付与手段は、前記像担持体に形成される前記帯状画像に対し、前記通常の画像形成モードにおいては、トナーと同極性の電圧を付与し、前記ブレードテストモードにおいては、前記条件設定として、トナーと同極性で、かつ前記通常の画像形成モードにおいて前記帯状画像に付与される電圧より絶対値の大きな電圧を付与することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記条件設定として、前記ブレードテストモードにおける前記クリーニングブレードが前記像担持体に圧接する圧力は、前記通常の画像形成モードにおける圧力より小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ブレードテストモードにおいて、前記クリーニング状態の表示として、クリーニング状態判定用の画像を転写材に形成して排出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置は、前記像担持体のクリーニング状態を検出する、前記像担持体に対向して配設されるクリーニング状態検出手段、又は画像形成された転写材の白地部のクリーニング状態を検出するクリーニング状態検出手段と、
前記クリーニング状態の表示としての、前記像担持体又は前記転写材のクリーニング状態を表示する表示手段と、を有し、
前記ブレードテストモードにおいて、前記クリーニング状態検出手段は、前記像担持体、又は前記転写材、のクリーニング状態を検出して予め設定したクリーニング状態の基準値と比較し、検出されたクリーニング状態が前記クリーニング状態の基準値より低いレベルであれば、前記クリーニング状態の表示として、前記表示手段にクリーニングブレード状態の確認が必要である旨の表示を出させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記クリーニング状態検出手段が検出するクリーニング状態の検出は、画像形成後にクリーニングされた前記像担持体、又は画像形成された前記転写材、における白地部の画像濃度を測定することにより行われることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記クリーニング状態検出手段によるクリーニング状態の検出は、画像形成装置の電源オン時、又は画像形成の累計枚数が予め設定した累計枚数の基準値に達したとき、に行われることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記クリーニング状態検出手段によるクリーニング状態の検出は、画像形成の累計枚数が予め設定した累計枚数の基準値に達したときに行われ、前記クリーニング状態検出手段によるクリーニング状態の検出の回数は、画像形成の累計枚数が多くなる程、頻度を増すように設定されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−262022(P2010−262022A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110700(P2009−110700)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】