説明

画像形成装置

【課題】胴内排紙部内の熱が胴内排紙部の上部に配置されるスキャナ部の底面に到達することを防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、胴内排紙部90、スキャナ部123および送風部200を備える。胴内排紙部90は、画像形成後の用紙を積載する排紙トレイ91を有し、画像形成装置100内に配置される。スキャナ部123は、原稿を読み取り可能であり、胴内排紙部90の上部に配置される。送風部200は、排紙トレイ91に積載可能な用紙の最大積載位置とスキャナ部123の底面との間にスキャナ部123の底面に沿った空気流を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真式の画像形成装置であって胴内排紙を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置の中には、設置スペースの縮小等を考慮して、排紙トレイを装置本体の胴内に設ける構成を採用しているものがある。このような電子写真式の画像形成装置においては、用紙は、画像形成された後に定着部を通過して装置本体の胴内の排紙トレイに排紙される。
【0003】
胴内排紙された用紙は、定着部で加えられた熱が十分に放熱されないまま装置本体の胴内の排紙トレイに積載されるため、当該排紙トレイの周囲の空気の温度が上昇する。この昇温した空気は装置本体の胴内にとどまるため、装置本体の胴内の排紙トレイの上部に配置されるスキャナの底面がその昇温した空気により熱せられて、スキャナ内の温度が上がる。スキャナ内の温度が上がると、スキャナの動作等に不具合が生じるという問題があった。この問題は、装置本体の胴内にインナーフィニッシャを設けた場合や装置本体の胴内に複数の排紙トレイを設けた場合に顕著であった。
【0004】
そこで、装置本体の胴内の排紙トレイの近傍に吸引ファンを設けて、当該排紙トレイに積載された用紙からの熱を吸引して装置本体外に排気する画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−062928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示されている画像形成装置は、装置本体の胴内の排紙トレイに積載された用紙からの熱を吸引ファンで吸引するだけであるため、装置本体の胴内の熱がスキャナの底面に到達することを防止するには十分ではなく、スキャナ内の温度上昇を抑制することができなかった。
【0007】
そこで本発明の目的は、上記課題に鑑み、胴内排紙部内の熱が胴内排紙部の上部に配置されるスキャナ部の底面に到達することを防止できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、胴内排紙部、スキャナ部および送風部を備える。胴内排紙部は、画像形成後の用紙を積載する排紙トレイを有し、画像形成装置本体内に配置される。スキャナ部は、原稿を読み取り可能であり、胴内排紙部の上部に配置される。送風部は、排紙トレイに積載可能な用紙の最大積載位置とスキャナ部の底面との間にスキャナ部の底面に沿った空気流を発生させる。
【0009】
この構成では、胴内排紙部における排紙トレイに積載可能な用紙の最大積載位置とスキャナ部の底面との間にスキャナ部の底面に沿った空気流を発生させるため、胴内排紙部内の熱が胴内排紙部の上部に配置されるスキャナ部の底面に到達することを防止できる。したがって、胴内排紙部内の熱によるスキャナ部内の温度上昇を抑制することができる。
【0010】
また、この構成では、当該排紙トレイに積載可能な用紙の最大積載位置の上側において空気流の流路が形成されるため、当該排紙トレイ上の用紙のスタック性に影響を与えることがない。
【0011】
さらに、この構成では、スキャナ部の底面に沿った空気流が発生するため、胴内排紙部へ排紙される用紙が帯電している場合においても、当該用紙がスキャナ部底面に吸着することを防止することができる。
【0012】
また、この構成では、スキャナ部の底面に沿った空気流が発生するため、スキャナ自体の熱も放熱しやすくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明における画像形成装置は、胴内排紙部内の熱が胴内排紙部の上部に配置されるスキャナ部の底面に到達することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の上面から送風部を見た図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の側面から送風部を見た図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における送風部の斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における送風部の斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置における送風部の斜視図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る画像形成装置における送風部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【0018】
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙(記録用紙)に対して多色または単色の画像を形成するものである。画像形成装置100は、原稿処理装置120、給紙部80、画像形成部110、胴内排紙部90および送風部200から構成されている。
【0019】
原稿処理装置120は、原稿載置台121、原稿搬送装置122およびスキャナ部123を有する。原稿載置台121は、透明ガラスからなり、原稿が載置可能な構成となっている。原稿搬送装置122は、原稿トレイに積載された原稿を1枚ずつ搬送する。また、原稿搬送装置122は、矢印124方向に回動自在に構成され、原稿載置台121の上を開放することにより原稿載置台121に原稿を置くことができるようになっている。スキャナ部123は、原稿搬送装置121で搬送中の原稿または原稿載置台122に載置された原稿を読み取る。また、スキャナ部123は、胴内排紙部90の上部に配置されている。
【0020】
給紙部80は、給紙カセット81、手差し給紙カセット82、ピックアップローラ83およびピックアップローラ84が設けられている。給紙カセット81は、定形用紙を蓄積しておくためのトレイである。手差し給紙カセット82は、不定形用紙を載置することができるトレイである。ピックアップローラ83は、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路101に供給する。同様にピックアップローラ84は、手差し給紙カセット82の端部近傍に設けられ、手差し給紙カセット82から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路101に供給する。
【0021】
画像形成部110は、画像形成ステーション31,32,33,34、露光ユニット30、中間転写ベルトユニット50および定着ユニット70から構成されている。画像形成ステーション31,32,33,34は、それぞれ感光体ドラム10、帯電器20、現像器40およびクリーナユニット60が設けられており、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。本実施形態では、画像形成ステーション31について説明する。
【0022】
感光体ドラム10は、画像形成時に回転し、現像剤像を担持するためのものである。感光体ドラム10の周囲には、回転方向上流から帯電器20、露光ユニット30、現像器40、中間転写ベルトユニット50、クリーナユニット60の順に配置されている。定着ユニット70は、搬送路101上において画像形成部110の最も下流に位置する。
【0023】
帯電器20は、感光体ドラム10の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0024】
露光ユニット30は、帯電された感光体ドラム10を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。露光ユニット30は、レーザ射出部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット30は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム10に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット30としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書き込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0025】
現像器40は、感光体ドラム10上に形成された静電潜像をトナーにより顕像化するものである。
【0026】
中間転写ベルトユニット50は、中間転写ベルト51、中間転写ベルト駆動ローラ52、中間転写ベルト従動ローラ53、中間転写ローラ54および中間転写ベルトクリーニングユニット55を備えている。
【0027】
中間転写ベルト駆動ローラ52、中間転写ベルト従動ローラ53および中間転写ローラ54は、中間転写ベルト51を張架して回転駆動させる。また、中間転写ローラ54は、感光体ドラム10のトナー像を、中間転写ベルト51上に転写するための転写バイアスを与える。
【0028】
中間転写ベルト51は、感光体ドラム10に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム10に形成されたトナー像を中間転写ベルト51に転写することによって、中間転写ベルト51上にトナー像を形成する機能を有している。中間転写ベルト51は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0029】
感光体ドラム10から中間転写ベルト51へのトナー像の転写は、中間転写ベルト51の裏側に接触している中間転写ローラ54によって行われる。中間転写ローラ54には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ54は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト51に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0030】
上述のように感光体ドラム10上で顕像化された静電像は中間転写ベルト51で積層される。このように積層された画像情報は、中間転写ベルト51の回転によって、用紙と中間転写ベルト51との接触位置に配置される転写ローラ56によって用紙上に転写される。
【0031】
このとき、中間転写ベルト51と転写ローラ56は所定ニップで圧接されるとともに、転写ローラ56にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ56は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ56もしくは中間転写ベルト駆動ローラ52のいずれか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0032】
また、上記のように、感光体ドラム10に接触することにより中間転写ベルト51に付着したトナーもしくは転写ローラ56によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト51上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット55によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット55には、中間転写ベルト51に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト51は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ53で支持されている。
【0033】
クリーナユニット60は、現像・画像転写後における感光体ドラム10上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
【0034】
定着ユニット70は、加熱ローラ71および加圧ローラ72を備えており、加熱ローラ71および加圧ローラ72は、用紙を挟んで回転するようになっている。また加熱ローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーを用紙に熱圧着することにより、用紙に転写されたトナー像を溶融・混合・圧接し、用紙に対して熱定着させる機能を有している。また、加熱ローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0035】
胴内排紙部90は、排紙トレイ91および排紙ローラ92を有する。定着ユニット70を通過した用紙は、排紙ローラ92を経て排紙トレイ91に排紙される。排紙トレイ91は、画像形成後の用紙を積載するためのトレイである。
【0036】
また、両面印字要求のときは、上記のように片面印字が終了し定着ユニット70を通過した用紙の後端が排紙ローラ92で把持されたときに、排紙ローラ92が逆回転することによって用紙を搬送ローラ102,103に導く。そしてその後レジストローラ104を経て用紙裏面に印字が行われた後に用紙が排紙トレイ91に排紙される。
【0037】
送風部200は、排紙トレイ91に積載可能な用紙の最大積載位置とスキャナ部123の底面との間にスキャナ部123の底面に沿った空気流を発生させる。以下、送風部200の構成、機能および作用効果を説明する。
【0038】
図2は、送風部200を画像形成装置100の上面から見た図である。図3は、送風部200を画像形成装置100の正面から見た図である。図4は、送風部200の斜視図である。
【0039】
送風部200は、送風ダクト210および送風ファン220を備えている。送風ダクト210は、第1送風ダクト211、第2送風ダクト212および第3送風ダクト213から構成される。
【0040】
送風ファン220は、第1送風ダクト211の開放端部に配置される。第1送風ダクト211の開放端部は、画像形成装置100の背面側の外部に面している。したがって、本実施形態の送風部200における送風ファン220は、外気を吸気して送風ダクト210に向けて送風している。
【0041】
第1送風ダクト211は、上述のように開放端部に送風ファン220が配置されているため、第1送風ダクト211の内部形状は、送風ファン220の大きさに合わせた形状を呈している。
【0042】
また、第3送風ダクト213は、その端部が胴内排紙部90と連結しており、その連結部において開口部240を形成している。送風ファン220によって発生した空気流が開口部240から放出して排紙トレイ91に積載可能な用紙の最大積載位置とスキャナ部123の底面との間に流路を形成する必要があるため、開口部240の形状は、水平方向を長軸とした形状を呈する必要がある。したがって、第3送風ダクト213の内部形状は、開口部240の形状と同様な形状を呈している。
【0043】
上述のように、第1送風ダクト211と第3送風ダクト213とは異なった形状を呈している。そこで、本実施形態では第2送風ダクト212によって第1送風ダクト211と第3送風ダクト213とを連結している。
【0044】
なお、本実施形態では、第1送風ダクト211と第3送風ダクト213とは異なった形状をしているが、第1送風ダクト211の鉛直断面積と第3送風ダクト213の鉛直断面積とが等しくなるように構成されているため、送風ファン220によって発生した空気流の第1送風ダクト211内における風量と第2送風ダクト212を通過した空気流の第3送風ダクト213内における風量、つまり開口部240から放出される空気流の風量とはほぼ同じである。したがって、送風ファン220の回転数を調整することによって開口部240から放出される空気流の風量を容易に調整することができる。
【0045】
送風ダクト210を通って開口部240から放出された空気流は、スキャナ部123の底面のほぼ全体に沿って矢印230方向に向けて流路を形成する。したがって、胴内排紙部90内の熱が胴内排紙部90の上部に配置されるスキャナ部123の底面に到達することを防止できる。よって、胴内排紙部90内の熱によるスキャナ部123内の温度上昇を抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態の構成では、排紙トレイ91に積載可能な用紙の最大積載位置の上側において空気流の流路が形成されるため、排紙トレイ91上の用紙のスタック性に影響を与えることがない。
【0047】
さらに、本実施形態の構成では、スキャナ部123の底面に沿った空気流が発生するため、胴内排紙部91へ排紙される用紙が帯電している場合においても、当該用紙がスキャナ部123の底面に吸着することを防止することができる。
【0048】
また、この構成では、スキャナ部の底面に沿った空気流が発生するため、スキャナ自体の熱も放熱しやすくなる。
【0049】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0050】
本実施形態では、第1実施形態の構成に加えて、胴内排紙部90における排紙ローラ92が配置される面と反対側の端面において壁部93が設けられている。そうすると、本実施形態の胴内排紙部90は、側面のうち一面だけが開放されており、残りの三面は壁部によって囲まれている構成となる。このような構成を採用することで、胴内排紙部90に排紙された用紙が画像形成装置100外へ落下することを防止することができる。
【0051】
本実施形態のように、壁部93を空気流の最下流に設けると、通常であれば空気流が壁部93に当たって反射し、胴内排紙部90内を循環するため、排紙トレイ91への用紙のスタック性に影響を与える虞がある。
【0052】
しかし、本実施形態の構成では、胴内排紙部90における空気流の最下流において、空気流を胴内排紙部90の外部に排気するための排気口94が壁部93に形成されている。排気口94は、本発明の排気部に相当する。したがって、空気流が壁部93に当たって反射することがなく、空気流が排気口94から効率良く胴内排紙部90の外部に排気される。よって、胴内排紙部90内で空気流が循環することがないため、排紙トレイ91上の用紙のスタック性に影響を与えることがない。
【0053】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0054】
本実施形態では、第1実施形態の構成に加えて、胴内排紙部90において画像形成装置100の背面側に吸気部300を備えている。吸気部300は、吸気ダクト310および吸気ファン320を有している。吸気ファン320は、吸気ダクト310の開放端部に配置されている。なお、吸気ダクト310の開放端部は、画像形成装置100の背面側の外部に面している。吸気ダクト310の他端部は、胴内排紙部90において吸気口330を形成している。
【0055】
本実施形態では、空気流は矢印230方向に流路を形成する。そして、吸気部300は、空気流の流路に直交する方向に配置されている。吸気部300の吸気ファン320が回転することにより、胴内排紙部90内に流れる空気流を、吸気口330を通して吸気ダクト310に吸気することができる。吸気ダクト310に吸気された空気は、吸気ファン320を通過して画像形成装置100の背面側の外部に排気される。
【0056】
したがって、胴内排紙部90内を流れる空気流が画像形成装置100の正面や側面から出ることがない。よって、画像形成装置100の正面や側面にいるユーザに空気流が当たることがないため、ユーザに不快な思いをさせることがない。
【0057】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0058】
図7(A)は、胴内排紙部90を画像形成装置100の上面から見た図である。図7(B)は、胴内排紙部90を図7(A)の左側面から見た図である。図7(C)は、送風部200を図7(A)の正面から見た図である。
【0059】
送風部200は、図7(A)および図7(B)に示すように、画像形成装置100の正面側に配置されている。そして、送風ダクト210は、画像形成装置100の右側面から左側面にかけて形成されている。送風ダクト210の端部には、送風ファン220が配置されている。
【0060】
また、図7(A)に示すように、送風ダクト210における開口部240は、胴内排紙部90に向けて開放された形状をしている。すなわち、送風ファン220から送風された空気が送風ダクト210内を矢印231方向に流れ、その空気が胴内排紙部90に対向する位置まで到達すると、送風ダクト210から胴内排紙部90内に流れるように構成されている。
【0061】
送風ダクト210の開口部240には、図7(A)および図7(C)に示すように、複数の偏向フィン250がほぼ等間隔で配置されている。偏向フィン250は、送風ダクト210の下流側に配置されるにつれてその先端部が画像形成装置100の正面側に突出するように構成されている。この構成により、送風ファン220から送風された空気を分流してスキャナ部123の底面全体に沿って矢印235方向に流すことができる。すなわち、本実施形態の送風部200は、空気流を画像形成装置100の正面側から背面側へ向けて発生させることができる。
【0062】
また、吸気部300は、図7(A)および図7(B)に示すように、画像形成装置100の背面側に配置されている。そして、吸気ダクト310は、図7(A)に示すように、吸気口330が胴内排紙部90の上面全体にわたるように形成されている。吸気ダクト310における吸気口330の他端部には、吸気ファン320が配置されている。この構成により、本実施形態の吸気部300は、画像形成装置100の正面側から背面側へ向けて発生する空気流を吸気し、吸気した空気を画像形成装置100の背面側の外部に排気することができる。
【0063】
吸気ファン320の吸気量は、送風ファン220の送風量よりも多くなるように設定している。このように設定することで、スキャナ部123の底面に沿って流れてきた空気を漏れなく吸気することができる。すなわち、余分な空気が胴内排紙部90内を循環することがないため、排紙トレイ91上の用紙のスタック性に影響を与えることがない。
【0064】
さらに、図7(B)に示すように、吸気ダクト310における吸気口330は、送風部200における開口部240よりも鉛直方向に幅広く形成されている。この構成により、開口部240から放出された空気流の流路幅が鉛直方向に広がっても、すべての空気流を吸気口330に流入させることができる。
【0065】
本実施形態の構成により、ユーザが画像形成装置100の操作をする可能性が高い正面側や側面側から空気が排気されないため、ユーザが胴内排紙部90から用紙を取る際にかがんでもユーザの顔等に空気流が当たることがなく、ユーザが不快になることがない。
【0066】
第1実施形態〜第3実施形態では、空気流が矢印230方向に流路を形成するように送風部200を配置しているが、これに限るものではない。排紙トレイ91に積載可能な用紙の最大積載位置とスキャナ部123の底面との間にスキャナ部123の底面に沿った空気流が発生する構成であれば、送風部200を自由に配置できる。
【0067】
また、第2実施形態において、胴内排紙部90における排紙ローラ92が配置される面と反対側の端面において設けられた壁部93に排気口94が形成されているが、これに限るものではない。排気口94は、空気流の下流側に壁面が設けられている場合において、当該壁面に形成されていればよい。
【0068】
さらに、第3実施形態において、吸気部300が空気流の流路に直交する方向に配置されているが、これに限るものではない。吸気部300は、空気流を吸気できるのであれば、どのように配置されてもかまわない。
【0069】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0070】
90−胴内排紙部
91−排紙トレイ
94−排気口
100−画像形成装置
123−スキャナ部
200−送風部
300−吸気部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成後の用紙を積載する排紙トレイを有し、画像形成装置本体内に配置される胴内排紙部と、
原稿を読み取り可能なスキャナ部であって前記胴内排紙部の上部に配置されるスキャナ部と、
前記排紙トレイに積載可能な用紙の最大積載位置と前記スキャナ部の底面との間に前記スキャナ部の底面に沿った空気流を発生させる送風部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記胴内排紙部における前記空気流の最下流において、前記空気流を前記胴内排紙部の外部に排気するための排気部をさらに備える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記胴内排紙部における前記空気流の最下流における前記空気流を吸気し、吸気した空気を画像形成装置本体の背面側の外部に排気する吸気部をさらに備える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記送風部は、前記画像形成装置本体の正面側に配置され、前記空気流を前記画像形成装置本体の正面側から背面側へ向けて発生させ、
前記吸気部は、前記画像形成装置本体の背面側に配置され、前記画像形成装置本体の正面側から背面側へ向けて発生する前記空気流を吸気し、吸気した空気を前記画像形成装置本体の背面側の外部に排気する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記送風部は、前記画像形成装置本体の側面側に配置され、前記空気流を前記画像形成装置本体の側面側から他の側面側へ向けて発生させ、
前記吸気部は、前記画像形成装置本体の背面側に配置され、前記画像形成装置本体の側面側から他の側面側へ向けて発生する前記空気流を吸気し、吸気した空気を前記画像形成装置本体の背面側の外部に排気する請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−102936(P2011−102936A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258373(P2009−258373)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】