説明

画像形成装置

【課題】臭気除去フィルタの性能を効率的に利用して、排気口からの臭いを押さえた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置本体1の背面2に下方向に向けて排気ダクト3を取り付ける。排気ダクト3の排気口5内の排気の流れの上流側には、防塵フィルタ6、脱臭フィルタ8が設けてある。脱臭フィルタ8に流れる気流が均一になるように、脱臭フィルタ8の上流側には排気ダクト3の内部にV字形状に配置された整流リブ10が形成してある。排気ファン4から排気された気流が中心部では流れが弱くても、整流リブ10よって脱臭フィルタ8へ均一に分流され、脱臭フィルタ8の吸着面が均一に有効利用される。この時、画像形成装置本体1内で発生したトナーやオゾン等の臭気成分は脱臭フィルタ8に吸着され、排気口5に達するまでの臭気成分が減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの機能を複合した複合機である画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置では、臭気防止のために臭気除去フィルタを有した排気ダクトを設けているが、臭気除去フィルタを通過する排気流が臭気除去フィルタに均一に通過しにくく、臭気除去フィルタの性能を有効に利用できないという問題点があった。
【0003】
また従来の画像形成装置では、臭気除去フィルタの設定のない製品に後付けで臭気除去フィルタを取り付けた場合、製品への固定方法は両面テープでの固定になるため、臭気除去フィルタと防塵フィルタがメンテナンス時期に達した時に、経年変化した両面テープを剥がすという作業が必要になり、メンテナンスの作業工数が掛かってしまうという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、臭気除去フィルタを効率的に利用して、排気口からの臭いを押さえることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0005】
また本発明は、メンテナンス時期に達した時に、容易にメンテナンスが可能となり、また、密閉度を高め得るようにしたことで、画像形成装置本体内で発生した飛散トナーや粉塵を確実に吸着できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、画像形成装置本体の外装面に向けて排気ダクトが取り付けられ、該排気ダクト内部に着脱可能な脱臭フィルタが取り付けられ、前記排気ダクト内部にはV字形状に配置された整流リブが形成されてなることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係るものは、前記排気ダクト内部の上部コーナー部には角度約45°に形成した整流リブが、中心部には円形の整流リブが、下部には前記V字形状に形成した整流リブがそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係るものは、前記排気ダクト内部に着脱可能な脱臭フィルタがシール材を介して取り付けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係るものは、前記排気ダクト内部に着脱可能な防塵フィルタがシール材を介して取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係るものは、請求項1記載の画像形成装置において、前記ダクト外形部に取り付け代が形成されており、該取り付け代にマジックテープ(登録商標)が取り付けてあることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係るものは、前記排気ダクトを前記画像形成装置本体に固定するための口形状板部材を有し、該口形状板部材の一方の面に粘着部材が形成され、他方の面にはシール材とマジックテープ(登録商標)が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、臭気防止のための臭気除去フィルタを有した排気ダクト内部に、臭気除去フィルタを通過する排気流が臭気除去フィルタに均一に通過するための整流板を設けて、臭気除去フィルタの性能を効率的に利用して、排気口からの臭いを押さえることができる。
【0013】
また本発明によれば、着脱可能な防塵フィルタをシール材を介して取り付けるため、防塵フィルタがメンテナンス時期に達した時に、容易にメンテナンスが可能となり、また、シール材により密閉度が高められているため、防塵フィルタで画像形成装置本体内で発生した飛散トナーや粉塵が確実に吸着できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1に係る画像形成装置の排気ダクトの位置を示す断面図(A)、本発明の実施の形態に係る同断面図(B)、そして正面図(C)
【図2】本発明の実施例2に係る正面図
【図3】本発明の実施例3に係る正面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明では、従来の画像形成装置では解決できなかった、臭気防止に係る問題を解決するものである。臭気除去フィルタを有した排気ダクトを設けても、臭気除去フィルタを通過する排気流が臭気除去フィルタに均一に通過しにくいため、臭気除去フィルタの性能を有効に利用できなかったが、臭気除去フィルタに流れる気流が均一になるように、臭気除去フィルタへの気流の流れの上流側で排気ダクトの内部に整流リブを形成し、上述の問題を解決している。
【0016】
また本発明は、臭気除去フィルタをダクト内部に着脱可能な構成にすることにより、すなわち臭気除去フィルタをシール材を介して取り付け、臭気除去フィルタが寿命に達した時に、容易にメンテナンスができるようにするものであり、加えて、シール材により密閉度を高め、臭気除去フィルタで画像形成装置本体内で発生したトナーやオゾン等の臭気成分を確実に除去できるようにして、上述の問題を解決している。
【0017】
また、従来の画像形成装置では解決できていなかった、臭気除去フィルタの設定のない製品に後付けで臭気除去フィルタを取り付ける場合の両面テープ使用に起因する問題について、排気ダクト外形部の取り付け代に両面テープに代えてマジックテープ(登録商標)を設けておき、臭気除去フィルタと防塵フィルタがメンテナンス時期に達した時に、マジックテープ(登録商標)の着脱により容易にメンテナンスができるようにして、上述の問題を解決している。
【0018】
さらに、排気ダクトを画像形成装置本体に固定するための口形状板部材を設け、この一方の面に粘着部材を設け、他方の面にはシール材とマジックテープ(登録商標)を設け、臭気除去フィルタの設定のない製品に後付けで臭気除去フィルタを取り付ける場合、口形状板部材の一方の面に設けた粘着部材により口形状板部材を製品排気口の周囲に貼り付けることで、製品側の臭気除去フィルタの着脱可能な固定構造が容易に作ることができるようにして、上述の問題を解決している。
【実施例】
【0019】
以下、本発明を適用した画像形成装置について説明を行う。
<実施例1>
図1は本発明の実施例1に係る画像形成装置の排気ダクトの位置を示す断面図(A)、本発明の実施の形態に係る同断面図(B)、そして正面図(C)である。本実施例の画像形成装置の排気ダクト3は、画像形成装置本体1の背面2にあって、下方向に向けて取り付けられている。そして排気ダクト3の排気口5は、水平方向の断面で形成してある。排気口5内の排気の流れの上流側には、防塵フィルタ6、脱臭フィルタ8が設けられている。
【0020】
また、脱臭フィルタ8に流れる気流が均一になるように、脱臭フィルタ8の上流側には排気ダクト3の内部にV字形状に配置された整流リブ10が形成されている。
【0021】
次に本実施例の機能、動作について説明する。排気ファン4は軸流ファンで、軸流ファンから排気された気流は、軸流ファンの中心部では気流の流れが弱い特性があるが、排気ダクト3内部にV字形状に配置された整流リブ10よって脱臭フィルタ8へ均一に分流され、脱臭フィルタ8の吸着面が均一に有効利用される。この時、画像形成装置本体1内で発生したトナーやオゾン等の臭気成分は脱臭フィルタ8に吸着され、排気口5に達するまでの臭気成分が減少する。さらに、排気ダクト3の排気口5を下方向の排気としているため、下向きの排気方向の効果とあいまって臭気が押さえられる。
【0022】
なお本実施例では、着脱可能な脱臭フィルタ8がシール材9を介して取り付けられている。そのため、臭気除去フィルタ8が寿命に達した時に容易にメンテナンスが可能となる。また、シール材9により密閉度が高められているため、脱臭フィルタ8に画像形成装置本体1内で発生したトナーやオゾン等の臭気成分が確実に吸着される。
【0023】
さらに本実施例では、着脱可能な防塵フィルタ6がシール材7を介して取り付けられているため、防塵フィルタ6がメンテナンス時期に達した時に容易にメンテナンスが可能となる。また、シール材9により密閉度が高められているため、防塵フィルタ6に画像形成装置本体1内で発生した飛散トナーや粉塵が確実に吸着される。
【0024】
<実施例2>
図2は本発明の実施例2に係る正面図である。実施例1に対して、脱臭フィルタ8に流れる気流が均一になるように、脱臭フィルタ8の上流側に、排気ダクト3の上部コーナー部に角度約45°の整流リブ12、中心部に円形の整流リブ11、下部にはV字形状に配置されたた整流リブ10が形成されている。
【0025】
本実施例の機能、動作について説明する。排気ファン4から排気された気流(やはり軸流ファンなので、その中心部は気流の流れが弱い特性がある)、排気ダクト3内部にV字形状に配置された整流リブ10よって脱臭フィルタ8へ均一に分流され、脱臭フィルタ8の吸着面が均一に有効利用される。また、排気効率を向上させるため、気流の流れが弱い中心部には気流を流さないための円形の整流リブ11によって排気効率が高まる。さらに、排気ダクト3内部のコーナー部に渦が発生するのを防止するための整流リブ12によってさらに排気効率が高まる。
【0026】
<実施例3>
図3は本発明の実施例3に係る正面図である。図5は、排気ダクト3を画像形成装置本体1に固定するための口形状の板部材14である。この板部材14の一方の面に粘着部材(図示を省略する)が形成され、もう一方の面にはシール材16とマジックテープ(登録商標)15が形成されている。
【0027】
本実施例の板部材14の機能、動作について説明すると、臭気除去フィルタの設定のない製品に後付けで臭気除去フィルタを取り付ける場合、口形状板部材14の一方の面に形成された粘着部材により口形状板部材14を製品排気口の周囲に貼り付けることで、製品側の臭気除去フィルタの着脱可能な固定構造が容易に作ることができる。
【符号の説明】
【0028】
1:画像形成装置本体
2:画像形成装置本体の背面
3:排気ダクト
4:排気ファン
5:排気ダクトの排気口
6:防塵フィルタ
7、9:シール材
8:脱臭フィルタ
10、11、12:整流リブ
14:板部材
15:マジックテープ(登録商標)
16:シール材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】特開2005-321551号公報
【特許文献2】特開平11-249510号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体の外装面に向けて排気ダクトが取り付けられ、
該排気ダクト内部に着脱可能な脱臭フィルタが取り付けられ、
前記排気ダクト内部にはV字形状に配置された整流リブが形成されてなる、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記排気ダクト内部の上部コーナー部には角度約45°に形成した整流リブが、中心部には円形の整流リブが、下部には前記V字形状に形成した整流リブがそれぞれ形成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置の排気ダクトにおいて、
前記排気ダクト内部に着脱可能な脱臭フィルタがシール材を介して取り付けられている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像形成装置の排気ダクトにおいて、
前記排気ダクト内部に着脱可能な防塵フィルタがシール材を介して取り付けられている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像形成装置において、前記ダクト外形部に取り付け代が形成されており、該取り付け代にマジックテープ(登録商標)が取り付けてある、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像形成装置の排気ダクトにおいて、
前記排気ダクトを前記画像形成装置本体に固定するための口形状板部材を有し、
該口形状板部材の一方の面に粘着部材が形成され、他方の面にはシール材とマジックテープ(登録商標)が形成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−164510(P2011−164510A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29865(P2010−29865)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】