説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置に対する外的衝撃及び画像形成装置の動作による内的衝撃衝撃に対して潜像書込装置の振動変位を抑制し、画像品質が維持可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、表面に潜像を担持する像担持体と、像担持体の一端側を支持する第1支持部材と、像担持体の他端側を支持する第2支持部材と、第1支持部材と第2支持部材とを架渡す支持部材間連結部材と、露光動作を行う動作位置と露光動作を行わない待避位置との間で移動可能且つ一端以上を支持部材間連結部材により支持される潜像書込装置と、を備え、支持部材間連結部材は、可撓性を有し、潜像書込装置第1支持領域と潜像書込装置第2支持領域とで構成され、且つ潜像書込装置第1支持領域と潜像書込装置第2支持領域における弾性率が互いに異なることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に対する外的衝撃及び画像形成装置の動作による内的衝撃に対して潜像書込装置の振動変位を抑制し、画像品質が維持可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンターや複写機、ファクシミリ等の静電作像方式の画像形成装置には潜像書込装置を備えるものがあるが、潜像書込装置が潜像書込中に画像形成装置の外部からの衝撃や画像形成装置の動作による内部からの衝撃を受けた場合には、潜像書込装置の位置変動による画像乱れの問題が発生する。
【0003】
潜像書込装置の位置変動による画像乱れを防止するには、潜像書込装置の位置精度確保が必要となる。
【0004】
潜像書込装置の位置精度確保を目的とする従来技術としては下記のものがある。
【0005】
特許文献1記載の画像形成装置は、潜像書込装置を必要に応じて潜像書込装置が動作を行う動作位置から動作を行わない待避位置へ移動させることにより、画像形成装置に対して大きく開放した開口より露出した潜像担持体やその周辺装置の着脱メンテナンス性を向上させ、且つ潜像書込装置の動作位置における位置精度を確保する構成としている。
【0006】
動作位置と待避位置との間を移動する潜像書込装置は、像担持体の支持部材間を架渡されたシャフトを中心に回動する構成を取っており、潜像書込装置の一端を像担持体の両端を支持するそれぞれの支持部材に、他端を回動軸となるシャフトによって3点支持させることにより、支持部の兼用と潜像書込装置の移動動作時におけるガタツキを防止する構成を取っている。
【0007】
この構成により、潜像書込装置を繰り返し移動させても、その動作位置における像担持体に対する潜像書込装置の位置精度再現性は確保でき、通常動作における画像の安定性を得ることが可能となっている。
【0008】
特許文献2及び3においては、特許文献1の基本構成を発展させている。潜像書込装置は、待避位置となる上カバーの開放状態では、付勢バネによってカバーフレームに突き当てる方式で支持されている。動作位置となる上カバーを閉じた状態では、同じ付勢バネによって筐体側板の位置決め部に突き当てる方式で支持され、カバーフレームとの支持係合は解除される構成となっている。
【0009】
特許文献4及び5記載の内容は、潜像書込装置へ伝達される外的振動を遮断あるいは減衰させるため、潜像書込装置と、潜像書込装置の支持フレームとの結合部に防振ゴムを介する構成としている。
【0010】
特許文献5では更に、その防振ゴムを複数種類のゴムで積層化し、広い範囲の周波数域での振動減衰を達成するものとして構成している。本構成によれば、潜像書込装置やその内部構成の絶対的な振動を軽減あるいは減衰させることが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記従来技術においては下記の問題が存在している。
【0012】
特許文献1は、潜像書込装置が画像形成装置の筐体に対して締結等による完全な固定状態とすることが出来ない構成となっている。よって特に潜像書込装置が像担持体へ潜像を形成している動作時においては、画像形成装置設置面近傍や、装置そのものに対する人為的な衝撃(例えば歩行振動、操作パネル等の操作衝撃等)や、装置内動作における間欠動作せしめるためのクラッチやソレノイド等の動作衝撃が発生した際には、その衝撃振動は画像形成装置から潜像書込装置に伝播し易い。衝撃振動を要因として潜像書込装置と像担持体との相対的位置関係の一時的な崩れを生じ易く、画像乱れを発生させる問題があった。
【0013】
特に、像担持体と潜像書込装置を同一支持体で支持している支持点においては、像担持体と潜像書込装置との相対的位置変動は小さく、影響が少ないが、像担持体の端部それぞれを支持する支持部材間を架渡されたシャフトによって潜像書込装置の一端を支持する本構成においては、上述した衝撃によってシャフト自身が梁として振動することとなる。その振幅により潜像書込装置の支持点が位置変動を起こし、像担持体に対する潜像書込装置の相対姿勢が変動することとなり、それに伴い像担持体上の潜像作成位置が変動し易くなるという問題があった。
【0014】
特許文献2及び3は、潜像書込装置の一端は、上カバーよりバネによる付勢を与えられカバーフレームへ突き当て係合させる構成となっており、上述と同様な衝撃が作用した場合においては、カバーフレーム自身の振動によって同様な問題が発生する。
【0015】
特にこの場合、カバーフレームが上カバーに固定され、即ち結合一体化されていることとなり、上カバーへ外的な衝撃が加わった時には、その衝撃はカバーフレームを介して直接潜像書込装置へ伝達されるため、特許文献1の構成よりも潜像書込装置の姿勢変動量は大きくなるという問題が発生する。
【0016】
上記問題の解決手段として、潜像書込装置を支持する部材の剛性を上げるべく、軸部材の外径を大きくすることや、支持部材の断面係数(曲げ剛性)を大きくすることも有効ではあるが、反面、支持部材の重量が増すことによる装置の重量増加や、部品サイズの大型化によるシャフトを配置する位置に制約が発生し、装置の大型化の問題が生じることとなる。
【0017】
特許文献4及び5の発明に対する課題は、像担持体と潜像書込装置との相対的な姿勢の変動の問題のみである。本発明の基本構成に置き換え、支持フレームに像担持体が支持されている場合、外的振動を与えられた支持フレームおよび像担持体は絶対的な振動を行うが、潜像書込装置は防振ゴムにより減衰され絶対的な振動が軽減されることとなる(すなわち、防振ゴムが伸縮運動をすることを意味する。)。
【0018】
従って、結果的には像担持体と潜像書込装置との相対的な姿勢は振動により変動を起こしていることになり、特許文献1〜3に記載した問題点の解決にはなっていない。むしろ、相対的な姿勢の変動は、装置そのものに対する人為的な衝撃や、装置内動作における間欠動作せしめるため動作衝撃等の過渡的な加振による相対的な応答振幅に依存しており、双方の連結は剛体接続の方が望ましい。
【0019】
一般的にゴム材は金属やプラスチック等の高分子樹脂材料と比較して剛性は低いものであり、本問題に対しては有効ではない。更にゴム材による部品は、自身の寸法形状そのものに対するばらつきが大きく、支持フレームと潜像書込装置の間に介在させた場合には、本来の潜像書込装置そのものの動作位置における位置精度が低下するという問題が発生する。
【0020】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、外的衝撃や画像形成装置動作時の衝撃に対する潜像書込装置等の支持部の振動変位を抑制し、画像品質が維持可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の画像形成装置は、表面に潜像を担持する像担持体と、前記像担持体の一端側を支持する第1支持部材と、前記像担持体の他端側を支持する第2支持部材と、前記第1支持部材と前記第2支持部材とを架渡す支持部材間連結部材と、露光動作を行う動作位置と前記露光動作を行わない待避位置との間で移動可能且つ一端以上を前記支持部材間連結部材により支持される潜像書込装置と、を備え、前記支持部材間連結部材は、可撓性を有し、潜像書込装置第1支持領域と潜像書込装置第2支持領域とで構成され、且つ前記潜像書込装置第1支持領域と前記潜像書込装置第2支持領域における弾性率が互いに異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、画像形成装置における潜像書込装置の支持体の重量やサイズを大きくすることなく、潜像書込装置への外的・内的衝撃に対する振動変位抑制ができ、画像形成装置の画像品質維持が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る回転軸周辺の模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置のプロセスユニットを示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置の光書込ユニット左側位置決め部の断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る回転軸の振動モード図である。
【図7】本発明の実施形態に係る回転軸周辺の模式図である。
【図8】本発明の実施形態に係る回転軸周辺の斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る回転軸周辺の模式図である。
【図10】従来の実施形態に係る左側位置決め突起の変位を示す図である。
【図11】従来の実施形態に係る左側位置決め突起の変位を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の実施形態の例について、図面を用いて詳細に説明する。
【0025】
図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置として、電子写真方式のプリンター(以下、単にプリンターと記す)の基本的な構成例である概略断面図を示す。なおこの例は一般的な静電作像手法を用いたフルカラー画像形成装置について示したものであり、本発明の効果を限定するものではない。
【0026】
本プリンターは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下Y,M,C,Kと記す)のトナー像を形成するためのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様な構成になっており、寿命到達時に交換される。
【0027】
Kトナー像を形成するためのプロセスユニット1Kを例にすると、図3に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(図示しない)、帯電装置4K、現像装置5K等を備えている。画像形成ユニットたるプロセスユニット1Kは、プリンター本体に脱着可能であり、一度に消耗部品として交換できるようになっている。
【0028】
上記帯電装置4Kは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体2Kの表面を一様に帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、図示しないKトナーを用いる現像装置5KによってKトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト16上に転写される。
【0029】
ドラムクリーニング装置3Kは、中間転写ベルト16上に転写された後の感光体2K表面に残留している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット(1Y,M,C)においても、同様にして感光体(2Y,M,C)上にそれぞれY,M,Cトナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト16上に重畳転写される。
【0030】
上記現像装置5Kは、図示しないKトナーを収容するホッパ部6Kと、現像部7Kを有している。ホッパ部6K内には、図示しない駆動手段によって回転駆動されるアジテータ8Kと攪拌パドル9Kおよびトナー供給ローラ10Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のKトナーは、アジテータ8Kや攪拌パドル9Kの回転駆動によって攪拌されながら、自重によってトナー供給ローラ10Kに向けて移動する。トナー供給ローラ10Kは、金属製の芯金と、これの表面に被服された発砲樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部6K内のトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
【0031】
現像装置5Kの現像部7K内には、感光体2Kやトナー供給ローラ10Kに当接しながら回転する現像ローラ11Kやこれの表面に先端を当接させる薄層化ブレード12Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のトナー供給ローラ10Kに付着したKトナーは、現像ローラ11Kとトナー供給ローラ10Kとの当接部で現像ローラ11Kの表面に供給される。
【0032】
供給されたKトナーは、現像ローラ11Kの回転に伴ってローラと薄層化ブレード12Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のKトナーは、現像ローラ11Kと感光体2Kとの当接部である現像領域において、感光体2K表面の静電潜像に付着する。この付着により、K用の静電潜像がKトナー像に現像される。
【0033】
図3を用いてK用のプロセスユニットについて説明したが、Y,M,C用のプロセスユニット1Y,M,Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体2Y,M,C表面にY,M,Cトナー像が形成される。
【0034】
先に示した図2において、プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向上方には、光書込ユニット70が配設されている。潜像書込装置たる光書込ユニット70は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光Lにより、プロセスユニット1Y,M,C,Kにおける感光体2Y,M,C,Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット70は、光源から発したレーザー光Lを、ポリゴンモータ71aによって回転駆動したポリゴンミラー71bで主走査方向に偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
【0035】
プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向下方は、無端状の中間転写ベルト16を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。転写手段たる転写ユニット15は、中間転写ベルト16の他に、駆動ローラ18、従動ローラ17、4つの1次転写ローラ19Y,M,C,K、2次転写ローラ20、ベルトクリーニング装置21、クリーニングバックアップローラ22、残トナー回収装置23等を備えている。
【0036】
中間転写ベルト16は、そのループ内側に配設された駆動ローラ18、従動ローラ17、クリーニングバックアップローラ22および4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ18の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
【0037】
4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト16を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16の表面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
【0038】
1次転写ローラ19Y,M,C,Kには図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体2Y,M,C,Kの静電潜像と、1次転写ローラ19,Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。なお、1次転写ローラ19Y,M,C,Kに代えて、転写チャージャや転写ブラシ等を採用してもよい。
【0039】
K用のプロセスユニット1Kの感光体2K表面に形成されたKトナーは、感光体2Kの回転に伴って上述のK用の1次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2K上から転写ベルト16上に1次転写される。このようにしてKトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト16は、その無端移動に伴ってC,M,Y用1次転写ニップを通過する際に、感光体2C,M,Y上のC,M,Yトナー像がKトナー像上に順次重畳転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト16上には、4色トナー像が形成される。
【0040】
転写ユニット15の2次転写ローラ20は、中間転写ベルト16のループ外側に配設されながら、ループ内側の駆動ローラ18との間に中間転写ベルト16を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16の表面と、2次転写ローラ20とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ20には、図示しない転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加される。この印加により、2次転写ローラ20と、駆動ローラ18との間には、2次転写電界が形成される。
【0041】
転写ユニット15の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット30がプリンターの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット30は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ30aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回りに回転させることで、その記録紙Pを給紙路31に向けて送り出す。
【0042】
給紙路31の末端付近には、レジストローラ対32が配設されている。このレジストローラ対32は、給紙カセット30から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐにローラの回転を停止させる。そして挟み込んだ記録紙Pを上述の2次転写ニップ内で中間転写ベルト16上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転運動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。
【0043】
2次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト16上の4色トナー像は、2次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括2次転写され、記録紙P上にフルカラートナー像を形成させる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ20や中間転写ベルト16から曲率分離する。そして、転写後搬送路33を経由して、後述する定着装置34に送り込まれる。
【0044】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト16には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト16の表面に当接しているベルトクリーニング装置21によって、ベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト16のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ22は、ベルトクリーニング装置21によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。ベルトクリーニング装置21によって中間転写ベルト16の表面よりクリーニングされた残トナーは残トナー回収装置23へ回収される。
【0045】
定着装置34は、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bとによって定着ニップを形成している。定着装置34内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ34aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化せしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
【0046】
定着装置34から排出された記録紙Pは、定着後搬送路35を経由した後、排紙ローラ対37のローラ間に挟み込まれ、排紙ローラ対37の回転により、上カバー50の上面であるスタック部にスタックされる。
【0047】
上カバー50および光書込ユニット70は、図中矢印で示すように、回転軸100を中心にして回動自在に支持されており、図中反時計回り方向に回転することで、筐体に対して開いた状態となる。そして、筐体の上部開口を外部に向けて大きく露出される。これにより、4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kはそれぞれ、その上部開口より図中矢印方向へ、容易に着脱することができる。
【0048】
以降、説明における簡便化のため、図2における図示面に直交する方向の手前側をプリンターの前面とし、奥側を後面として定義する。また、図中右側が右側面、左側が左側面とする。ただし、当然のことながら、この前後左右方向については、どのように設定しても良く、本発明の効果を限定するものではない。
【0049】
図4は、本プリンターの内部構成を示す斜視図である。プリンターの筐体内には、各種装置を支持するための本体フレームが立設せしめられており、この本体フレームは、前側板80、後側板90、回転軸100、図示しない左側板、梁板などから構成されている。前側板80は、プリンター筐体内における前面側に配設される側板であり、後側板90は、プリンター筐体内における後面側に配設される側板である。これら前側板80と後側板90は、所定の距離をおいて対向しながら直立するように、回転軸100および図示しない左側板、梁板によって連結されている。
【0050】
所定の距離をおいて相対向する前側板80と後側板90との間には、図示しない転写ユニット、4つのプロセスユニット、光書込ユニット70が配設されている。同図では、4つのプロセスユニットのうち、最も右側にあるK用のプロセスユニット1Kだけが見えており、他色のプロセスユニットは、光書込ユニット70の直下に位置しているため、同図では見えなくなっている。また、同図においては図示しないが、4つのプロセスユニットにおける、感光体2Y,M,C,Kの一端は前側板80、他端は後側板90により、回転自由に支持されている。
【0051】
光書込ユニット70と前側板80の間には前カバーフレーム72、光書込ユニット70と後側板90の間には後カバーフレーム73が配設されており、左端を回転軸100によって回転自由に支持されている。なお、前カバーフレーム72および後カバーフレーム73は、図示しない上カバー(図2記載)と締結、あるいは一体成形されたものでも良い。
【0052】
光書込ユニット70の前側面および後側面には、前側位置決め軸70a、後側位置決め軸70bが突設せしめられている。また、前カバーフレーム72には前側開口72a、後カバーフレーム73には後側開口73aを有しており、前側位置決め軸70a、後側位置決め軸70bは、それぞれ所定のガタツキを持って、前側開口72a、後側開口73aを貫通している。
【0053】
前側板80には前側位置決め溝81、後側板90には後位置決め溝91が形成されており、前側開口72a、後側開口73aを貫通した前側位置決め軸70a、後側位置決め軸70bは、前側位置決め溝81、後側位置決め溝91の位置で支持される。また、前カバーフレーム72と前側位置決め軸70aの間、および後カバーフレーム73と後側位置決め軸70bの間には、それぞれ光書込ユニットを所定の方向へ押付ける、前側押付バネ74および後側押付バネ75を配設しており、前側押付バネ74および後側押付バネ75による押付け方向における、前側位置決め溝81、後側位置決め溝91と前側位置決め軸70a、後側位置決め軸70bとのガタツキ量は、前側開口72a、後側開口73aと前側位置決め軸70a、後側位置決め軸70bとのガタツキ量よりも小さく設定している。
【0054】
これにより、光書込ユニット70の動作位置である図示の状態では、前側押付バネ74および後側押付バネ75により前側位置決め軸70a、後側位置決め軸70bが前側位置決め溝81、後側位置決め溝91の所定位置に押付け位置決めされ、光書込ユニット70の待避位置である、光書込ユニット70が回転軸100を中心に回転し、筐体に対して開放した状態では、前側押付バネ74および後側押付バネ75により前側位置決め軸70aおよび後側位置決め軸70bは、前側開口72aおよび後側開口73aに押付け付勢され、光書込ユニット70のガタツキが抑制された状態で支持される。
【0055】
一方、光書込ユニット70の左側面には、左側位置決め突起71が配設されており、回転軸100と係合している。これにより、光書込ユニット70は、前側位置決め軸70a、後側位置決め軸70b、左側位置決め突起71の3点支持で位置決めされる。図5に光書込ユニット70の左側位置決め部の断面図を示す。動作位置における左側位置決め突起71は、光書込ユニット70の自重により、回転軸100に対し鉛直方向下側への力を受け、回転軸100上で支持される。
【0056】
なお、光書込ユニット70の開放時におけるガタツキを防止するために、保持バネ76を光書込ユニット70に設置し、回転軸100を左側位置決め突起71と保持バネ76で挟み込んでいる。ただし、光書込ユニット70の開放時におけるガタツキを防止するための目的であるので、保持バネ76の回転軸100へは、弱い力で押付けられており、動作位置においては、保持バネ76と回転軸100は接触していなくとも良い。
【0057】
このような構成において、光書込ユニット70が動作位置にあって、先に図2で述べた感光体2Y,M,C,Kへ静電潜像を形成している時に、プリンター設置面近傍や、プリンターそのものに対する人為的な外部衝撃(例えば歩行振動、操作パネル等の操作衝撃等)や、給紙ローラ30aやレジストローラ対32等を所定のタイミングで駆動するクラッチやソレノイド等の間欠動作による衝撃が発生した際、その衝撃によりプリンター筐体全体が加振され、過渡的な振動を発生させる。
【0058】
この時、光書込ユニット70は、先に図4で述べたよう、プリンター筐体に対しては完全固定でなく、光書込ユニット70自身の自重や、前側押付バネ74、後側押付バネ75、保持バネ76というバネによる付勢支持であるため、感光体2Y,M,C,Kを保持している筐体である前側板80、後側板90に対して位置関係が一時的に崩れ易くなる。
【0059】
特に、感光体2Y,M,C,Kと光書込ユニット70を同一支持体である前側板80、後側板90で直接支持している前側位置決め軸70aおよび後側位置決め軸70bによる支持位置においては、感光体2Y,M,C,Kと光書込ユニット70との相対的位置変動は小さく、影響は少ないが、回転軸100により光書込ユニット70を支持している左側位置決め突起71による支持位置においては、回転軸100自身が梁として振動することにより、感光体2Y,M,C,Kと光書込ユニット70との相対的位置変動が発生する。
【0060】
具体的には、図10に本プリンターを左側から見た回転軸100周辺の模式図に示したように、回転軸100は、前側板80、後側板90に両端を保持された梁として振動する。なお、左側位置決め突起71の位置における回転軸100による変位量が最も大きい振動モードは、図中に破線で示したような、回転軸100の1次振動モードである。また、この振動は、外部衝撃や間欠動作により発生する加速度に応じた、回転軸100そのものの自重や、図示しない光書込ユニット70の自重の一部を受持つ左側位置決め突起71の支持力等の慣性力で加振される過渡応答振動である。
【0061】
これにより、図11に示した模式図ように、回転軸100の過渡応答振動振幅により、左側位置決め突起71の支持位置が図中矢印方向である鉛直方向に変位すると、前側位置決め軸70aおよび図示しない後側位置決め軸70bの感光体2Y,M,C,Kに対する相対的位置関係は変わらないが、左側位置決め突起71と感光体2Y,M,C,Kとの相対的位置関係が変わるため、図中破線で示したように、感光体2Y,M,C,Kの位置に対して光書込ユニット70の位置が傾いた姿勢となり、レーザー光Lの感光体2Y,M,C,K表面位置が副走査方向に変動し、画像の乱れとなる。
【0062】
前述の通り、回転軸100の加振力は、外部衝撃や間欠動作により発生する加速度に応じた、回転軸100そのものの自重を含む慣性力である。したがって、回転軸100の振幅を抑えるためには、回転軸の剛性を上げるか、質量を軽くすれば良い。これまでに述べたように、回転軸100は円柱棒状の形状をしており、同材質であれば、回転軸100の剛性は先に述べた図10におけるその外径Dの4乗に比例し、質量はその外径Dの2乗に比例するため、短絡的な手法としては、外径Dを大きくすれば振幅を緩和することが可能である。その反面、重量が増すことによるプリンターの重量増加や、大型化へつながることとなる。
【0063】
図1は、本発明によるプリンターの特徴的な構成である、本プリンターを左側から見た回転軸100周辺の模式図である。回転軸100と、前側板80、後側板90、および光書込ユニット70の自重の一部を受持つ左側位置決め突起71における、それぞれの部材の連結形態は、図10記載のものと同一であるが、回転軸100は、可撓性を有するものであり、段付部100a位置において、段付形状を形成している。
【0064】
なお、左側位置決め突起71は、後側板90との連結部である回転軸第1連結部90aから段付部100aまでの領域である左側第1支持領域100b内にあって、段付部100aと回転軸100の軸方向略同一位置である左側位置決め部101にて支持されている。これにより、左側第1支持領域100bと、前側板80と回転軸100との連結部である回転軸第2連結部80aまでの領域である左側第2支持領域100cとの間で、回転軸100は互いに異なる弾性率となるような形状を形成する。
【0065】
なお、左側第1支持領域100bにおける回転軸100の外径Daを、左側第2支持領域100cにおける回転軸100の外径Dbよりも太くしている(Da>Db)。回転軸100は中実円柱形状であるので、それぞれの領域における曲げ剛性はその断面2次モーメントにより外径の4乗に比例し、回転軸100の軸方向単位長さ当たりの質量はその体積により外径の2乗に比例する。したがって、左側第1支持領域100bにおける回転軸100の曲げ剛性をK1、単位長さ当たりの質量をM1、左側第2支持領域100cにおける回転軸100の曲げ剛性をK2、単位長さ当たりの質量をM2とすると、K1/M1>K2/M2と設定していることを意味する(Da2>Db2)。
【0066】
また、回転軸100における左側第1支持領域100bの長さLbを、左側第2支持領域100cの長さLcよりも短く構成している(Lb<Lc)。
【0067】
先に述べたように、外部衝撃や間欠動作により発生する回転軸100への加振力は、その衝撃加速度に応じた、回転軸100そのものの自重を含む慣性力である。本構成によれば、回転軸100の1次振動モードは、図中に破線で示した様に、振幅が左側第2支持領域100cへ偏ったモードとなる。すなわち、左側位置決め突起71の位置変動を引き起こす、回転軸100の振幅の大部分を、左側第2支持領域100cが受持つ構成とすることができる。
【0068】
更に詳細に、回転軸100の形状による振動モードの差を表す図6を用いて説明する。図6は、回転軸100の形状を変えた場合の回転軸100の振動モード図であり、縦軸は回転軸100の軸方向位置、横軸は回転軸100のたわみ量(振幅)を示すものである。図中、曲線Pで示す線が、図1に記載した本実施形態における回転軸100の振動モードである。
【0069】
曲線Qで示す線は、図1における左側第1支持領域100bの回転軸100外径Daにより一様断面で形成した図11の形態での回転軸100の振動モードである(D=Da)。曲線Rで示す線は、図1における左側第2支持領域100cの回転軸100外径Dbにより一様断面で形成した図11の形態での回転軸100の振動モードである(D=Db)。曲線Sで示す線は、図1における回転軸100と同一の質量となる外径Dで、様断面で形成した図11の形態での回転軸100の振動モードである(Da>D>Db)。なお、光書込ユニット70の左側位置決め部101の位置は、同図では、それぞれ101P、101Q、101R、101Sで示している。
【0070】
外部衝撃や間欠動作により発生する回転軸100の振幅についてそれぞれを比較する。先ず、曲線QとRを比較すると、曲線Qで示した形態は、曲線Rで示した形態よりも、回転軸100の外径Dが大きいことが異なる点である。外径Dが大きくなると自重が増加することによる、加振力たる回転軸100の慣性力が増加することになるが、この影響よりも、曲げ剛性が増加する効果が大きいため、左側位置決め部101の変位量は小さくなる(101Q<101R)。
【0071】
次に、本実施形態である曲線Pとそれぞれを比較する。振動モードとしては、回転軸第1連結部90aに近接した軸方向位置では、曲線Pは曲線Qと略同一となり、回転軸第2連結部80aに近接した軸方向位置では、曲線Rと略同一となる。したがって、回転軸100の変位は左側第2支持領域100cに偏った形の振動モードとなり、左側位置決め部101の変位量を最も小さくすることができる(101P>101Q>101R)。更には、曲線Qにおける101Qの軸方向位置を101P位置と同位置、すなわち、左側位置決め部101を回転軸第1連結部90aへ単純に近づけた場合と曲線Pの101P位置で比較した場合でも101P位置での変位量は略同一である。
【0072】
つまり、回転軸100の外径を一様に大きくし、重量増加や大型化を引き起こさずとも、曲線Pは同等の効果が得られていることを意味する。また、曲線Pと曲線Sを比較すると分かるように、回転軸100の質量が同一の場合において、101P位置での変位量は101S位置での変位量の略1/4(差分SP1)、曲線Sにおいて、左側位置決め部101の回転軸101軸方向位置を101P位置と同位置としても曲線Pの101P位置での変位量は曲線Sのその変位量の略1/2(差分SP2)と、大きな効果を得ることができた。
【0073】
以上より、本発明の作用としては、左側第1支持領域100bの長さや、左側第1支持領域100bにおける回転軸100の剛性や質量を、左側第2支持領域100cのそれと異なるように形状の非連続性を持たせ、回転軸100の振動による変位を左側第2支持領域100cに受持たせることで、左側第1支持領域100bの振動による変位を削減させることで、光書込ユニット70の姿勢を安定化させることが可能となる。
【0074】
次に本発明に係わる、更なる効果を得ることができる実施例について説明する。図7は、本実施例における、プリンターを左側から見た回転軸100周辺の模式図である。基本的な構成は図1と同一であるが、左側第2支持領域100cに、振動減衰手段を追加したことが上述までの形態と異なっている。先に述べたように、左側第1支持領域100bの振動による変位を削減させるべく、回転軸100の振動による変位を剛性の低い左側第2支持領域100cに受持たせている。したがって、更にこの振動を減衰させるためには、この変位量の大きい左側第2支持領域100cに、一般的にそのものの変位によって振動減衰効果を付与する減衰手段を与えることが効果的である。
【0075】
図7に示す様に、振動減衰手段として、回転軸100の外径が小さい領域である左側第2支持領域100cの回転軸100外周に円筒状の防振ゴム102を被服している。防振ゴム102はウレタンゴムやEPDMゴム等を一体的に回転軸100へ加硫成形しても良いし、チューブ状の材料を回転軸100へ圧入あるいは接着して形成しても良い。勿論、天然ゴム、樹脂ゴム、エラストマー等の粘弾性体を用いることで、同様の効果を得ることができる。
【0076】
前述の通り、回転軸100は、左側第2支持領域100cに偏ったモードで振動する。すなわち、変形量の大きい左側第2支持領域100cに設けた防振ゴム102も同様に大きな曲げ変形をおこし、変形量の少ない左側第1支持領域100bに防振ゴム102を設置するよりも、より大きな減衰効果で回転軸100の振動を減衰させることができる。かつ、左側位置決め部101では防振ゴム102を介在させることなく、左側位置決め突起71を回転軸100上で直接支持できるため、加振を受けた際に発生する防振ゴム102の伸縮等の変形が、左側位置決め部101に影響を及ぼすことも無い。更には、防振ゴム102そのものの寸法バラツキや、継時寸法変化等による左側位置決め突起71の位置変動も発生せずに、目的を達成することができる。
【0077】
図8は、本発明の発展例を示す、回転軸100周辺の斜視図である。回転軸100は、これまでに述べた実施例と同様、軸方向途中で段付形状をしており、その外径の太い方端部は後側板90へ、細い方端部は前側板80へそれぞれ連結されている。なお、回転軸100と後側板90の連結部には、固定補助金具103を設けており、締結ネジ104によって、回転軸100は後側板90と強固に固定されている。
【0078】
一方、回転軸100と前側板80の連結部は、Eリング105により回転軸100の軸方向変位を規制しているのみとしており、回転軸100は、後側板90との連結強度の方が、前側板80との連結強度よりも相対的に高い構成を取っている。また、回転軸100の外径の細い方外周へは、防振ゴム102が被服されており、図示しない光書込ユニット70の左側位置決め突起71は、回転軸100の外径の太い領域で支持されている。
【0079】
本発展例におけるにおける、プリンターを左側から見た回転軸100周辺の模式図を図9に示す。図9に示したように、回転軸100の端部支持形態としては、後側板90との連結部である回転軸第1連結部90aは固定、前側板80との連結部である回転軸第2連結部80aは単純支持として簡略化することができる。回転軸100は、端部支持形態が固定であるよりも、単純支持である方が、同一の加振力である場合は、振幅は大きくなるので、図中破線で示したように、振動モードとしては、より左側第2支持領域100cへ振幅が偏った形状で振動することとなる。この左側第2支持領域100cへは、防振ゴム102が被服してあるので、より大きな振動エネルギーを防振ゴム102が吸収し、左側位置決め部101の振動を抑えることができる。
【0080】
以上のように上述した実施形態は以下の特徴を有する。
【0081】
第1の特徴として、前記支持部材間連結部材は、可撓性を有し、潜像書込装置第1支持領域と潜像書込装置第2支持領域とで構成され、且つ前記潜像書込装置第1支持領域と前記潜像書込装置第2支持領域における弾性率が互いに異なることが好ましい。
【0082】
第1の特徴の目的は、潜像担持体が支持されている筐体と非同一である潜像書込装置の支持体において、衝撃により発生する加振力を受けた際に、潜像書込装置の支持に直接寄与しない領域に支持体の振動を受持たせ、潜像書込装置の支持に直接寄与する領域の振動振幅を抑制すべく、支持体の変形モードを不均一にすることである。
【0083】
第1の特徴の効果は、潜像書込装置の支持体ならびに画像形成装置の重量やサイズを大きくすることなく、潜像書込装置支持部の振動変位を抑制することができることである。
【0084】
第1の特徴の作用は、支持体内におけるそれぞれの領域について、剛性あるいは質量に相対的な差を持たせ、加振力による支持体の変形を非対象とし、その振動を、潜像書込装置の支持に直接寄与しない領域に集中させ、潜像書込装置の支持部については振幅を軽減することである。
【0085】
第2の特徴として、前記支持部材間連結部材は、前記第1支持部材との連結部から前記潜像書込装置が支持されている第1潜像書込装置支持部までの潜像書込装置第1支持領域と、前記第2支持部材との連結部から前記潜像書込装置が支持されている前記第1潜像書込装置支持部手前までの潜像書込装置第2支持領域とが連接されて構成され、前記第1支持部材と前記第2支持部材とを架渡す方向に対し前記潜像書込装置第1支持領域における曲げ剛性をK1、単位長さ当たりの質量をM1とし、前記潜像書込装置第2支持領域における曲げ剛性をK2、単位長さ当たりの質量をM2とした場合、K1/M1>K2/M2であり、前記第1潜像書込装置支持部は、前記潜像書込装置第1支持領域と前記潜像書込装置第2支持領域の連接部の前記潜像書込装置第1支持領域側近傍とすることが好ましい。
【0086】
第2の特徴の目的は、潜像担持体が支持されている筐体と非同一である潜像書込装置の支持体において、衝撃により発生する加振力である、支持体そのものの自重による慣性力を極力小さくした上で、潜像書込装置の支持に直接寄与しない領域に支持体の振動を受持たせ、潜像書込装置の支持に直接寄与する領域の振動振幅を抑制することである。
【0087】
第2の特徴の作用は、潜像書込装置の支持体内におけるそれぞれの領域について、潜像書込装置の支持に直接寄与しない領域は、支持部領域に対して相対的に質量を下げ、支持部全体の自重による慣性力を小さくする、または相対的にその剛性を下げ、慣性力によって発生する変位を集中させる。すなわち、潜像書込装置の支持部における曲げ剛性を単位長さ当たりの質量で除したものが、支持に直接寄与しない領域に対して相対的に大きくなるように設定することにより、外部からの衝撃加振による発生する支持部材の振動を、潜像書込装置の支持に直接寄与しない領域に集中させることである。
【0088】
第3の特徴として、前記支持部材間連結部材は、前記潜像書込装置が前記動作位置と前記待避位置との間で回転移動する際の支軸として一体形成された支持部間軸部材であり、前記潜像書込装置第1支持領域における外径を、前記潜像書込装置第2支持領域における該支持部間軸部材の外径よりも太くすることが好ましい。
【0089】
第3の特徴の目的は、簡単な方法で支持体そのものの自重による慣性力を極力小さくした上で、潜像書込装置の支持に直接寄与しない領域に支持体の振動を受持たせ、潜像書込装置の支持に直接寄与する領域の振動振幅を抑制することである。
【0090】
第3の特徴の効果は、簡素な構成で上記目的を達成することである。
【0091】
第3の特徴の作用は、潜像書込装置の支持部材として共用化した潜像書込装置を動作位置から待避位置へ移動させための支軸について、潜像書込装置の支持部領域は、その外径を相対的に太くし、潜像書込装置の支持に直接寄与しない領域はその外径を相対的に細くすることにより、上記目的を容易に達成するようにすることである。
【0092】
第4の特徴として、前記支持部材間連結部材は、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間を架渡される方向に対し、前記潜像書込装置第1支持領域の長さを、前記潜像書込装置第2支持領域の長さよりも短くすることが好ましい。
【0093】
第4の特徴の課題は、潜像書込装置支持部の振動変位抑制効果について、更に高い効果が得られることである。
【0094】
第4の特徴の作用は、潜像書込装置の支持軸における、その支持領域の軸方向長さを短くすることで、その相対的な曲げ剛性を更に増すことができ、且つ潜像書込装置の支持を、支軸と筐体との連結部に近づけることで、支軸の振動による変形量の小さい場所で、潜像書込装置を支持することができることである。
【0095】
第5の特徴として、前記支持部材間連結部材は、前記潜像書込装置第2支持領域に連結された振動減衰手段を有することが好ましい。
【0096】
第5の特徴の目的は、振動を集中させた潜像書込装置の支持に直接寄与しない領域に振動減衰手段を設け、効率的な減衰効果を得ることである。
【0097】
第5の特徴の効果は、発生した振動を、早期に減衰することができることである。
【0098】
第5の特徴の作用は、局部的に集中させた振動部に振動減衰手段を設けることで、振動減衰手段に伝わる振動エネルギーを集中させる。これにより、振動減衰手段が効率的に振動エネルギーを吸収し、高い減衰効果を得ることができることである。
【0099】
第6の特徴として、前記振動減衰手段は、略円筒形の弾性部材であり前記潜像書込装置第2支持領域における前記支持部材間連結部材の外周に被服されていることが好ましい。
【0100】
第6の特徴の目的は、変形により減衰効果を発揮する略円筒形の弾性部材(防振ゴム等)を、変形量の大きい部分に設けることで、高い減衰効果を狙い、且つ潜像書込装置の支持位置精度へ悪影響を及ぼさない形態とすることである。
【0101】
第6の特徴の効果は、発生した振動を早期に減衰することができ、且つ、潜像書込装置の支持位置精度を確保することができることである。
【0102】
第6の特徴の作用は、外径を細くした潜像書込装置の支持に直接寄与しない領域の外周に防振ゴムを被服することにより、この領域においては、振動が局部的に集中され、防振ゴムの変形も大きくなり、高い振動減衰効果を発揮することができる。また、潜像書込装置の支持に直接寄与する領域は防振ゴムが被服されておらず、潜像書込装置と支持部材の間に寸法安定性の劣るゴム材が介在しないため、潜像書込装置の位置決め安定性を悪化させることなく、目的の効果を達成することができる。
【0103】
第7の特徴として、前記支持部材間連結部材は、第1連結部に前記支持部材間連結部材と前記第1支持部材の双方を固定する固定補助手段と、を備え、前記固定補助手段は、前記支持部材間連結部材と前記第2支持部材との連結強度よりも前記第支持部材間連結部材と前記第1支持部材との連結強度を高くすることが好ましい。
【0104】
第7の特徴の目的は、支持体の各領域における剛性の相対差を更に得られるべく、支持体の筐体への連結強度に相対差を与える形態を取ることである。
【0105】
第7の特徴の作用は、潜像書込装置の支持に直接寄与する領域における、支持体の筐体への連結部に固定補助部材を付与し、略完全固定状態とする。一方で、潜像書込装置の支持に直接寄与しない領域における、支持体の筐体への連結部は、略単純支持状態とする。これにより、支持体のそれぞれの領域における曲げ剛性は、略完全固定状態領域の方が、略単純支持状態領域に対して著しく高くなり、更なる局部的な振動集中をさせることができる。
【0106】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体的に様々な修正及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0107】
1Y,M,C,K プロセスユニット
2Y,M,C,K 感光体
3K ドラムクリーニング装置
4K 帯電装置
5K 現像装置
6K ホッパ部
7K 現像部
8K アジテータ
9K 攪拌パドル
10K トナー供給ローラ
11K 現像ローラ
12K 薄層化ブレード
15 転写ユニット
16 中間転写ベルト
17 従動ローラ
18 駆動ローラ
19Y,M,C,K 1次転写ローラ
20 二次転写ローラ
21 ベルトクリーニング装置
22 クリーニングバックアップローラ
23 残トナー回収装置
30 給紙カセット
30a 給紙ローラ
31 給紙路
32 レジストローラ対
33 搬送路
34 定着装置
34a 定着ローラ
34b 加圧ローラ
35 搬送路
37 排紙ローラ対
50 上カバー
70 光書込ユニット
70a 前側位置決め軸
70b 後側位置決め軸
71 左側位置決め突起
71a ポリゴンモータ
71b ポリゴンミラー
72 前カバーフレーム
72a 前側開口
73 後カバーフレーム
73a 後側開口
74 前側押付バネ
75 後側押付バネ
76 保持バネ
80 前側板
81 前側位置決め溝
90 後側板
91 後側位置決め溝
100 回転軸
100a 段付部
100b 左側第1支持領域
100c 左側第2支持領域
101 左側位置決め部
102 防振ゴム
L レーザー光
P 記録紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0108】
【特許文献1】特開2007−164141号公報
【特許文献2】特開2007−164128号公報
【特許文献3】特開2007−192894号公報
【特許文献4】特開2000−111822号公報
【特許文献5】特開2007−133252号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の一端側を支持する第1支持部材と、
前記像担持体の他端側を支持する第2支持部材と、
前記第1支持部材と前記第2支持部材とを架渡す支持部材間連結部材と、
露光動作を行う動作位置と前記露光動作を行わない待避位置との間で移動可能且つ一端以上を前記支持部材間連結部材により支持される潜像書込装置と、を備え、
前記支持部材間連結部材は、可撓性を有し、潜像書込装置第1支持領域と潜像書込装置第2支持領域とで構成され、且つ前記潜像書込装置第1支持領域と前記潜像書込装置第2支持領域における弾性率が互いに異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記支持部材間連結部材は、
前記第1支持部材との連結部から前記潜像書込装置が支持されている第1潜像書込装置支持部までの潜像書込装置第1支持領域と、
前記第2支持部材との連結部から前記潜像書込装置が支持されている前記第1潜像書込装置支持部手前までの潜像書込装置第2支持領域とが連接されて構成され、
前記第1支持部材と前記第2支持部材とを架渡す方向に対し前記潜像書込装置第1支持領域における曲げ剛性をK1、単位長さ当たりの質量をM1とし、前記潜像書込装置第2支持領域における曲げ剛性をK2、単位長さ当たりの質量をM2とした場合、K1/M1>K2/M2であり、
前記第1潜像書込装置支持部は、前記潜像書込装置第1支持領域と前記潜像書込装置第2支持領域の連接部の前記潜像書込装置第1支持領域側近傍とすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記支持部材間連結部材は、前記潜像書込装置が前記動作位置と前記待避位置との間で回転移動する際の支軸として一体形成された支持部間軸部材であり、前記潜像書込装置第1支持領域における外径を、前記潜像書込装置第2支持領域における該支持部間軸部材の外径よりも太くすることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記支持部材間連結部材は、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間を架渡される方向に対し、前記潜像書込装置第1支持領域の長さを、前記潜像書込装置第2支持領域の長さよりも短くすることを特徴とする請求項1から3何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記支持部材間連結部材は、前記潜像書込装置第2支持領域に連結された振動減衰手段を有することを特徴とする請求項1から4何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記振動減衰手段は、略円筒形の弾性部材であり前記潜像書込装置第2支持領域における前記支持部材間連結部材の外周に被服されていることを特徴とした請求項5に記載の画

像形成装置。
【請求項7】
前記支持部材間連結部材は、第1連結部に前記支持部材間連結部材と前記第1支持部材の双方を固定する固定補助手段と、を備え、
前記固定補助手段は、前記支持部材間連結部材と前記第2支持部材との連結強度よりも前記第支持部材間連結部材と前記第1支持部材との連結強度を高くしたことを特徴とする請求項1から6何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−59441(P2011−59441A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209735(P2009−209735)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】