画像形成装置
【課題】支持材を加熱定着する定着ユニットを備えた画像形成装置において、装置内に結露した水滴が支持材に付着することによる画像不良の発生等の不具合を防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、トナー像を支持した支持材を搬送して加熱定着する定着ユニットと、定着ユニットよりも搬送方向下流側に配置された排紙ユニットと、を備えている。排紙ユニットには、支持材の搬送経路の直下の位置に、水滴を保持する水滴保持部材11が設けられている。水滴保持部材11は、金属により構成された平板状の平板部2と、該平板部2から突出して支持材と接触する複数のリブ3,4と、平板部2を貫通した複数の貫通穴5と、で構成されている。複数の貫通穴5は、各リブ4の根元に設けられている。また、複数の貫通穴5は、その平面形状が円形に形成されている。
【解決手段】画像形成装置は、トナー像を支持した支持材を搬送して加熱定着する定着ユニットと、定着ユニットよりも搬送方向下流側に配置された排紙ユニットと、を備えている。排紙ユニットには、支持材の搬送経路の直下の位置に、水滴を保持する水滴保持部材11が設けられている。水滴保持部材11は、金属により構成された平板状の平板部2と、該平板部2から突出して支持材と接触する複数のリブ3,4と、平板部2を貫通した複数の貫通穴5と、で構成されている。複数の貫通穴5は、各リブ4の根元に設けられている。また、複数の貫通穴5は、その平面形状が円形に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真装置及び静電記録装置等の画像形成装置に関し、特に、トナー像を支持した支持材を搬送して加熱定着する定着ユニットを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタあるいはファクシミリ装置などの画像形成装置においては、潜像担持体上に形成された静電潜像が現像プロセスにおいて可視像処理された後、その可視像即ちトナー像が記録用紙等の支持材に転写され、加熱定着されて、複写物あるいは記録物として得られるようになっている。
【0003】
また、図8は、前述した従来の画像形成装置においてトナー像を支持材に加熱定着する定着ユニットの概略断面図である。また、図9は、図8に示された定着ユニットから搬送されてきた支持材を画像形成装置の筺体外部に排出する排紙ユニットの斜視図である。
【0004】
図8に示すように、上記定着ユニット110は、支持材1の搬送経路を挟んで互いに対向するように配置されるとともに互いに加圧接触して回転駆動される定着ローラ112及び加圧ローラ113と、これら定着ローラ112及び加圧ローラ113よりも支持材1の搬送方向下流側に配置された定着分離爪114と、を備えている。また、図8中の矢印Zは、支持材1の搬送経路及び搬送方向を表している。前記定着ローラ112は、アルミニウム等で構成された中空芯金の外周面がPTEF、PEA等の離型性の良い材料で被覆され、前記芯金の内側にハロゲンランプ等のヒータが収容されたものである。前記加圧ローラ113は、鉄やステンレス等で構成された芯金の外周がシリコーンゴム等の離型性を有する弾性体で被覆されたものである。
【0005】
図8に示す定着ユニット110及び図9に示す排紙ユニット300を備えた画像形成装置においては、定着ユニット110内に搬送されてきた支持材1が定着ローラ112と加圧ローラ113のニップ部を通過していくことにより、この支持材1に、定着ローラ112による熱と定着ローラ112及び加圧ローラ113による加圧力とが作用して、該支持材1の表面1aに支持された未定着トナーが永久固着像として加熱定着されていく。また、定着ローラ112と加圧ローラ113のニップ部を通過した支持材1は、定着分離爪114により定着ローラ112から分離され、排紙ユニット300へ搬送されて排紙トレイなどに排出される。また、図8中の1aは、支持材1の表面を表しており、1bは支持材1の裏面を表している。
【0006】
このような画像形成装置においては、以下に示す問題があった。即ち、紙等の支持材1は水分を含んでおり、定着ローラ112は150℃〜200℃程度に温調されているので、定着ローラ112通過直後の支持材1から水蒸気が発生して、画像形成装置の筺体内面や支持材1の搬送経路を構成する部材等に結露が生じる場合があった。このような結露により生じた水滴は排気によって取り除くことができず、機内昇温による蒸発あるいは電源OFF時等の自然乾燥を待つしかなかった。このため、連続プリント時においては、前述した水滴が徐々に肥大化し、いずれは筺体内面をつたって流れたり、機内に落下したり、搬送経路を移動する支持材1に付着したりするという問題があった。
【0007】
また、前述した水滴の発生は、画像形成装置の構成部品に錆びを生じさせたり、画像形成装置の寿命低下を引き起こすだけでなく、以下に示す様々な不具合の原因となってしまう。例えば、水滴が電気回路上に落下した場合、画像形成装置の誤作動、故障、ショート等の原因になってしまう。また、水滴が潜像担持体上に落下した場合、その時点での画像を乱すだけでなく、その後も画像流れを誘発し、潜像担持体上にトナー融着を発生させる原因になってしまう。さらに、水滴が排紙ユニット300に生じて支持材1に付着した場合、白スジといった画像不良や折れ、紙しわ、ジャムの原因になってしまう。
【0008】
さらに、前述した排紙ユニット300は、その入り口に支持材1の搬送をガイドする板金が配置されており、この板金は特に前述した結露が生じ易い部品であった。また、図10は、図9に示された排紙ユニット300を構成する板金の斜視図である。また、図11は、図10に示された板金に結露が生じた状態を示す斜視図である。
【0009】
図10及び図11に示すように、上記板金301は、金属板にプレス加工等が施されて得られるものであり、平板状の平板部2と、平板部2における表面2aから突出して支持材1と接触する複数のリブ3,4と、で構成されている。また、図10及び図11中の矢印Zは、支持材1の搬送経路及び搬送方向を表している。また、図10及び図11中の2aは、平板部2における表面を表しており、2bは平板部2における裏面を表している。また、前記複数のリブ3,4は、矢印Zと直交する方向に間隔をあけて並べられている。
【0010】
この板金301に、150℃〜200℃に温調された定着ローラ112と加圧ローラ113のニップ部を通過してきた支持材1が到達すると、板金301と支持材1との温度差によって図11に示すように平板部2の表面2aなどに水滴Wが発生する。このように平板部2の表面2aに水滴Wが発生すると、支持材1が短いリブ4に乗り上げる際に、支持材1と短いリブ4の間において水滴Wが毛細管現象により矢印Y方向、即ち搬送方向下流側、に持ち上げられ、この水滴Wが支持材1に付着して支持材1の先端から後端にまで影響を及ぼしてしまう。
【0011】
また、上述した画像形成装置内に結露が生じることによる問題に対応する従来技術として、特許文献1,2が公知である。
【0012】
上記特許文献1(特開平1−105978号公報)には、定着ローラと加圧ローラのニップ部を通過してきた支持材の搬送をガイドする支持材案内部材の表面に、吸湿部材として繊維状シートを貼った画像形成装置が開示されている。
【0013】
上記特許文献2(特許第4479667号公報)には、定着ローラと加圧ローラのニップ部を通過してきた支持材の搬送経路を挟んだ上下の位置に支持材案内部材を配置し、これら支持材案内部材各々に支持材と接触する複数のリブと、該リブと反対方向に窪んだ溝と、を設け、この溝に吸湿部材を設置した画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1においては、支持材案内部材の表面に吸湿部材を貼り付けたことによって、この吸湿部材に支持材が触れてしまい、逆に支持材を濡らしてしまうという問題があった。また、特許文献2においては、支持材の搬送経路を挟んだ上下の位置に支持材案内部材を配置することによって、画像形成装置内に占めるスペース増大や、支持材の上側に配置された支持材案内部材からの水滴の落下といった問題があり、さらに、溝の数、長さにあわせて吸湿部材を設置することによるコストアップの問題があった。
【0015】
そこで、本発明は、支持材を加熱定着する定着ユニットを備えた画像形成装置において、装置内に結露した水滴が支持材に付着することによる画像不良の発生等の不具合を防止できる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、トナー像を支持した支持材を搬送して加熱定着する定着ユニットを備えた画像形成装置において、前記定着ユニットよりも搬送方向下流側かつ前記支持材の搬送経路の直下の位置に水滴を保持する水滴保持部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置である。
【0017】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記水滴保持部材が、平板状の平板部と、該平板部から突出して前記支持材と接触するリブと、前記平板部を貫通した貫通穴と、で構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載された発明において、前記貫通穴が複数設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項4に記載された発明は、請求項2または請求項3に記載された発明において、前記貫通穴が、前記リブの根元または前記リブを挟む位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項5に記載された発明は、請求項2ないし請求項4のうちいずれか1項に記載された発明において、前記貫通穴が、前記搬送経路側から前記搬送経路と反対側に貫通するように設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項6に記載された発明は、請求項2ないし請求項5のうちいずれか1項に記載された発明において、前記貫通穴の平面形状が円形であることを特徴とするものである。
【0022】
請求項7に記載された発明は、請求項2ないし請求項5のうちいずれか1項に記載された発明において、前記貫通穴の平面形状が多角形であることを特徴とするものである。
【0023】
請求項8に記載された発明は、請求項2ないし請求項7のうちいずれか1項に記載された発明において、前記水滴保持部材における前記搬送経路と反対側に、前記貫通穴に保持された水滴を吸収する吸湿部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項9に記載された発明は、請求項1ないし請求項8のうちいずれか1項に記載された発明において、前記水滴保持部材が、排紙ユニットに設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に記載された発明によれば、前記定着ユニットよりも搬送方向下流側かつ前記支持材の搬送経路の直下の位置に水滴を保持する水滴保持部材が設けられているので、装置内に結露した水滴が支持材に付着することによる画像不良の発生等の不具合を防止できる画像形成装置を提供することができる。
【0026】
請求項2に記載された発明によれば、前記水滴保持部材が、平板状の平板部と、該平板部から突出して前記支持材と接触するリブと、前記平板部を貫通した貫通穴と、で構成されているので、貫通穴に保持された水滴とリブ上を通過する支持材との距離を離すことができ、前記水滴が支持材に付着することを防止できる。
【0027】
請求項3に記載された発明によれば、前記貫通穴が複数設けられているので、水滴保持効率を高くすることができる。
【0028】
請求項4に記載された発明によれば、前記貫通穴が、前記リブの根元または前記リブを挟む位置に設けられているので、支持材がリブに乗り上げる際に支持材とリブとの間で水滴が搬送方向下流側に持ち上げられることを防止でき、前記水滴が支持材に付着することを防止できる。
【0029】
請求項5に記載された発明によれば、前記貫通穴が、前記搬送経路側から前記搬送経路と反対側に貫通するように設けられているので、貫通穴に溜まった水滴を搬送経路と反対側に排水することができ、前記水滴が支持材に付着することを防止できる。
【0030】
請求項6に記載された発明によれば、前記貫通穴の平面形状が円形であるので、該貫通穴内に水滴を保持することにより、表面張力により球形になろうとする液体の性質を妨げ、平板部表面と前記水滴の接線とがなす接触角を小さくすることができる。よって、貫通穴に保持された水滴とリブ上を通過する支持材との距離を離すことができ、前記水滴が支持材に付着することを防止できる。
【0031】
請求項7に記載された発明によれば、前記貫通穴の平面形状が多角形であるので、該貫通穴内に水滴を保持することにより、表面張力により球形になろうとする液体の性質を妨げ、平板部表面と前記水滴の接線とがなす接触角を小さくすることができる。よって、貫通穴に保持された水滴とリブ上を通過する支持材との距離を離すことができ、前記水滴が支持材に付着することを防止できる。
【0032】
請求項8に記載された発明によれば、前記水滴保持部材における前記搬送経路と反対側に、前記貫通穴に保持された水滴を吸収する吸湿部材が設けられているので、吸湿部材に支持材が触れることを防止できる。
【0033】
請求項9に記載された発明によれば、前記水滴保持部材が、排紙ユニットに設けられているので、結露が生じ易い位置に配置されている前記排紙ユニットを支持材が通過する際に、該支持材に水滴が付着することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材の斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材の斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材の斜視図である。
【図4】本発明の第4の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材の斜視図である。
【図5】本発明の第5の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材の斜視図である。
【図6】本発明にかかる画像形成装置を構成する排紙ユニットの斜視図である。
【図7】本発明にかかる画像形成装置の概略断面図である。
【図8】従来の画像形成装置を構成する定着ユニットの概略断面図である。
【図9】図8に示された定着ユニットから搬送されてきた支持材を画像形成装置の筺体外部に排出する排紙ユニットの斜視図である。
【図10】図9に示された排紙ユニットを構成する板金の斜視図である。
【図11】図10に示された板金に結露が生じた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材を、図1を参照して説明する。
【0036】
本発明の画像形成装置(図7を参照。)は、トナー像を支持した支持材を搬送して加熱定着する定着ユニット(図8を参照。)と、定着ユニットから搬送されてきた支持材を画像形成装置の筺体外部に排出する排紙ユニット(図6を参照。)と、を備えた画像形成装置である。また、前記「支持材」としては、一般にコピー等に用いられる普通紙や、OHPシートや、厚紙等を用いることができる。
【0037】
図1に示すように、上記水滴保持部材11は、前記定着ユニットよりも支持材の搬送方向下流側かつ前記支持材の搬送経路の直下の位置に設けられている。この水滴保持部材11は、金属板にプレス加工等が施されて得られるものであり、平板状の平板部2と、平板部2における表面2aから突出して支持材と接触する複数のリブ3,4と、平板部2を貫通した複数の貫通穴5と、で構成されている。また、図1中の矢印Zは、支持材の搬送経路及び搬送方向を表している。また、図1中の2aは、平板部2における表面を表しており、2bは平板部2における裏面を表している。
【0038】
上記複数のリブ3,4は、矢印Zと直交する方向に間隔をあけて並べられている。また、各リブ3,4は、矢印Z方向、即ち支持材の搬送方向、に直線状に延びている。また、符号3は、複数のリブ3,4のうち長さが長いものを示しており、符号4は、複数のリブ3,4のうち長さがリブ3よりも短いものを示している。また、リブ3は、平板部2における矢印Z方向の一端から他端に亘って設けられ、リブ4は、平板部2における矢印Z方向の中央から前記他端に亘って設けられている。これら長いリブ3と短いリブ4とは矢印Zと直交する方向に交互に並べられている。また、平板部2の矢印Z方向の一端は、他端よりも搬送方向上流側に位置する。
【0039】
上記複数の貫通穴5は、短いリブ4の根元に設けられている。また、「リブ4の根元」とは、リブ4の近傍かつリブ4よりも搬送方向上流側の位置を意味する。貫通穴5は、支持材の搬送経路側から前記搬送経路と反対側に貫通するように設けられている。即ち、貫通穴5は、平板部2における表面2a側から裏面2b側に貫通するように設けられている。また、貫通穴5は、その平面形状が円形に形成されている。
【0040】
上記構成の水滴保持部材11は、支持材の搬送経路において定着ユニットの直後に位置する、排紙ユニットの入り口に設けられている。このような水滴保持部材11は、トナー像を支持した支持材とリブ3,4で接触して支持材の搬送をガイドする。さらに、水滴保持部材11は、その表面に結露により生じた水滴を、貫通穴5に集めて該貫通穴5内に保持する。また、「保持する」とは、水滴を溜めた状態を意味する。また、前記結露は、定着ユニットを通過することで高温化した支持材が水滴保持部材11に到達することによる、支持材と水滴保持部材11との温度差などで発生する。
【0041】
また、本発明では、定着ユニットよりも搬送方向下流側かつ支持材の搬送経路の直下の位置のみに水滴保持部材11が設けられており、支持材の搬送経路の上側には水滴保持部材が設けられていない。これは、落下した水滴が支持材に付着することを防止するため、また、省スペース化を図るためである。
【0042】
このように、本発明では、定着ユニットよりも搬送方向下流側かつ支持材の搬送経路の直下の位置に水滴を保持する水滴保持部材11が設けられているので、画像形成装置内に結露した水滴が支持材に付着することによる画像不良の発生等の不具合を防止できる。また、水滴保持部材11が、平板部2と、支持材と接触するリブ3,4と、平板部2を貫通した複数の貫通穴5と、で構成されているので、貫通穴5に保持された水滴とリブ3,4上を通過する支持材との距離を離すことができ、水滴が支持材に付着することを防止できる。さらに、貫通穴5が複数設けられているので、水滴保持効率を高くすることができる。また、本発明では、水滴保持部材に貫通穴5が少なくとも1つ設けられていれば良い。また、貫通穴5が、短いリブ4の根元に設けられているので、支持材がリブ4に乗り上げる際に、平板部2の表面2aに付着した水滴が支持材とリブ4との間で搬送方向下流側に持ち上げられることを防止でき、水滴が支持材に付着することを防止できる。また、貫通穴5が、搬送経路側から搬送経路と反対側に貫通するように設けられているので、貫通穴5に溜まった水滴を搬送経路と反対側に排水することができ、水滴が支持材に付着することを防止できる。また、貫通穴5の平面形状が円形であるので、該貫通穴5内に水滴を保持することにより、表面張力により球形になろうとする液体の性質を妨げ、平板部2の表面2aと水滴の接線とがなす接触角を小さくすることができる。よって、貫通穴5に保持された水滴とリブ3,4上を通過する支持材との距離を離すことができ、水滴が支持材に付着することを防止できる。また、水滴保持部材11が、排紙ユニットに設けられているので、結露が生じ易い位置に配置されている前記排紙ユニットを支持材が通過する際に、該支持材に水滴が付着することを防止できる。
【0043】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材を、図2を参照して説明する。また、図2において、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0044】
図2に示すように、水滴保持部材12は、平板部2と、複数のリブ3,4と、複数の貫通穴5と、で構成されている。本実施形態では、貫通穴5が、短いリブ4の根元かつリブ4を挟む位置に設けられている。この水滴保持部材12は、貫通穴5の位置以外の構成については、前述した水滴保持部材11と同一構成である。
【0045】
本実施形態の水滴保持部材12は、支持材がリブ4に乗り上げる際に平板部2の表面2aに付着した水滴が支持材とリブ4との間で搬送方向下流側に持ち上げられることを、水滴保持部材11よりもさらに防止でき、水滴が支持材に付着することを防止できる。
【0046】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材を、図3を参照して説明する。また、図3において、前述した第1,2の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
図3に示すように、水滴保持部材13は、平板部2と、複数のリブ3,4と、複数の貫通穴6と、で構成されている。本実施形態では、貫通穴6が、短いリブ4の根元かつリブ4を挟む位置に設けられている。また、貫通穴6は、その平面形状が六角形、即ち多角形、に形成されている。この水滴保持部材13は、貫通穴6の位置及び平面形状以外の構成については、前述した水滴保持部材11と同一構成である。
【0048】
本実施形態の水滴保持部材13は、貫通穴6の平面形状が多角形であるので、該貫通穴6内に水滴を保持することにより、表面張力により球形になろうとする液体の性質を妨げ、平板部2の表面2aと水滴の接線とがなす接触角を、貫通穴の平面形状が円形である場合よりも小さくすることができる。よって、貫通穴6に保持された水滴とリブ3,4上を通過する支持材との距離を離すことができ、水滴が支持材に付着することを、水滴保持部材11よりもさらに防止できる。
【0049】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材を、図4を参照して説明する。また、図4において、前述した第1〜3の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
図4に示すように、水滴保持部材14は、平板部2と、複数のリブ3,4と、複数の貫通穴5と、で構成されている。また、水滴保持部材14における搬送経路と反対側、即ち平板部2の裏面2b、には、複数の貫通穴5を覆うように複数の吸湿部材7が貼り付けられている。これら吸湿部材7は、貫通穴5の大きさに合わせた大きさとされている。また、これら吸湿部材7は、貫通穴5に保持された水滴を吸収する。この水滴保持部材14は、平板部2の裏面2bに吸湿部材7が貼り付けられていること以外の構成については、前述した水滴保持部材11と同一構成である。
【0051】
本実施形態の水滴保持部材14は、搬送経路と反対側に、貫通穴5に保持された水滴を吸収する吸湿部材7が設けられているので、吸湿部材7に支持材が触れることを防止できる。また、本発明の吸湿部材7は、少なくとも貫通穴5を覆うことができる大きさであれば良く、コストアップを最小限に抑えることができる。
【0052】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材を、図5を参照して説明する。また、図5において、前述した第1〜4の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0053】
図5に示すように、水滴保持部材15は、平板部2と、複数のリブ3,4と、複数の貫通穴5と、で構成されている。また、水滴保持部材15における搬送経路と反対側、即ち平板部2の裏面2b、には、複数の貫通穴5を覆うように1つの長い吸湿部材8が貼り付けられている。この吸湿部材8は、貫通穴5に保持された水滴を吸収する。この水滴保持部材15は、吸湿部材8の長さ及び数以外の構成については、前述した水滴保持部材14と同一構成である。
【0054】
本実施形態の水滴保持部材15は、搬送経路と反対側に、貫通穴5に保持された水滴を吸収する吸湿部材8が設けられているので、吸湿部材8に支持材が触れることを防止できる。
【0055】
前述した第1〜第5の実施形態において説明した水滴保持部材11,12,13,14,15は、図7に示す画像形成装置120に適用される。即ち、水滴保持部材11,12,13,14,15は、図7に示す画像形成装置120を構成する排紙ユニット200に設けられている。
【0056】
上記画像形成装置120は、タンデム方式を採用してフルカラー画像を形成可能なカラープリンタである。なお、本発明では、図7に示すプリンタに限らず、複写機、ファクシミリ装置あるいは印刷機なども画像形成装置として含んでいる。
【0057】
この画像形成装置120は、原稿画像に応じた各色毎の画像を形成する作像装置121Y、121C、121M、121Kと、各作像装置121Y、121C、121M、121Kに対向して配置された転写装置122と、各作像装置121Y、121C、121M、121Kと転写装置122とが対向する転写領域に支持材1を供給する手差しトレイ123及び繰り出しローラ123Aと、前記転写領域に支持材1を供給する給紙装置124及び給紙カセット124Aと、該手差しトレイ123あるいは給紙カセット124Aから搬送されてきた支持材1を作像装置121Y、121C、121M、121Kによる作像タイミングに合わせて供給するレジストローラ133と、転写領域において支持材1に転写されたトナー像の定着を行う定着ユニット110と、トナー像が定着された支持財1を排紙トレイ132などに排出する排紙ユニット200と、を備えている。
【0058】
上記定着ユニット110は、図8に示されたものと同一構成であり、支持材1の搬送経路を挟んで互いに対向するように配置されるとともに互いに加圧接触して回転駆動される定着ローラ112及び加圧ローラ113を用いて熱および圧力の作用により支持材1上のトナー像を定着する熱ローラ定着方式が用いられている。
【0059】
上記排紙ユニット200は、図6及び図7に示すように、支持材1の搬送経路において定着ユニット110の直後に配置されている。また、排紙ユニット200は、ユニット構成とされており、この部分のみを画像形成装置120に対して着脱することができるようになっている。
【0060】
上記転写装置122は、転写体として複数のローラに掛け回されている転写ベルト122Aが用いられ、各作像装置における感光体ドラムと対向する位置には転写バイアスを印加する転写バイアス手段122Y、122C、122M、122Kがそれぞれ配置されてトナーと逆極性の転写バイアスを作用させることで各作像装置で形成されたトナー像を順次、重畳転写するようになっている。転写装置122には、転写ベルト122A上に重畳転写されたトナー像を支持材1に対して一括転写するための二次転写バイアス手段122Fが支持材1の搬送経路上に配置されている。
【0061】
上記各作像装置121Y、121C、121M、121Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタおよび黒の各色の現像を行うものであり、用いるトナーの色は異なるが、その構成が同様であるから、作像装置121Kの構成を各作像装置121Y、121C、121M、121Kの代表として説明する。作像装置121Kは、潜像担持体としての感光体ドラム125K、感光体ドラム125Kの回転方向に沿って順に配置されている帯電装置127K、現像装置126K、クリーニング装置128Kを有し、帯電装置127Kと現像装置126Mとの間で書き込み装置129からの書き込み光129Kにより色分解された色に対応する画像情報に応じた静電潜像を形成する構成が用いられる。
【0062】
上記構成の画像形成装置120では、以下のようにして画像形成が行われる。なお、以下の説明では、各作像装置を代表して符号121Kで示した黒トナーを用いて画像形成が行われる作像装置を対象として説明するが、他の作像装置も同様であることを前置きしておく。画像形成時において感光体ドラム125Kは、図示されないメインモータにより回転駆動され、帯電装置127Kに印加されたACバイアス(DC成分はゼロ)により除電され、その表面電位が略−50Vの基準電位に設定される。次に感光体ドラム125Kは、帯電装置127KにACバイアスを重畳したDCバイアスを印加されることによりほぼDC成分に等しい電位に均一に帯電されて、その表面電位がほぼ−500V〜−700Vに帯電される。感光体ドラム125Kは、一様帯電されると書き込み行程が実行される。書き込み対象となる画像は、図示しないコントローラ部からのデジタル画像情報に応じて書き込み装置129を用いて静電潜像形成のために書き込まれる。つまり、書き込み装置129では、デジタル画像情報に対応して各色毎で2値化されたレーザダイオード用発光信号に基づき発光するレーザ光源からのレーザ光がシリンダレンズ、ポリゴンモータ129A、fθレンズ129B、第1〜第3ミラー、およびWTLレンズを介して、各色毎の画像を担持する感光体ドラム、この場合には、便宜上、感光体ドラム125K上に照射され、照射された部分の感光体ドラム表面での表面電位が略−50Vとなり、画像情報に対応した静電潜像が作像される。感光体ドラム125K上に形成された静電潜像は、現像装置126Kにより色分解色と補色関係にある色のトナーを用いて可視像処理されるが、現像行程では、現像スリーブにACバイアスを重畳したDC:−300V〜−500Vが印加されることにより、書き込み光の照射により電位が低下した画像部分にのみトナー(Q/M:−20〜−30μC/g)が現像され、トナー像が形成される。現像行程により可視像処理された各色のトナー画像は、レジストローラ133によりレジストタイミングを設定されて繰り出される支持材1に転写されることになるが、支持材1は、転写ベルト122Aに達する前にローラで構成されたシート吸着用バイアス手段による吸着用バイアスの印加によって転写ベルト122Aに静電吸着されるようになっている。転写ベルト122Aは、各作像装置での感光体ドラムに対向する位置で転写装置122に装備されている転写バイアス手段122Y、122C、122M、122Kによるトナーと逆極性のバイアス印加によって感光体ドラムからトナー像を静電転写され、重畳転写されたトナー像が二次転写バイアス手段122Fにより支持材1に一括転写される。各色の転写工程を経た支持材1は、転写ベルトユニットの駆動側ローラ122A1で転写ベルト122Aから分離され、定着ユニット110に向けて搬送され、定着ローラ112と加圧ローラ113のニップ部を通過することによりトナー像が支持材1に定着されて、排紙ユニット200によって排紙トレイ132へと排出される。
【0063】
また、画像形成装置120では、定着後に排出される支持材1の片面への画像形成だけでなく両面への画像形成を行うことができるようになっており、両面への画像形成時には、定着後の支持材1が反転循環経路RPに搬送され、この循環路末端に位置して手差しトレイ123からのシート繰り出しを兼ねる繰り出しローラRP1によってレジストローラ133に向け繰り出されるようになっている。片面および両面への画像形成時での支持材1の搬送路の切り換えは、排出ユニット200に設けられた搬送路切り換え爪によって行われる。
【0064】
上述した帯電電位をはじめとする各物性は、上記値に限ることはなく、色彩や濃度などに応じて変更できること勿論である。また、図7において、符号T1〜T4は現像装置で使用されるトナーの補給タンクを示している。
【0065】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 支持材
2 平板部
3,4 リブ
5,6 貫通穴
7,8 吸湿部材
11,12,13,14,15 水滴保持部材
110 定着ユニット
120 画像形成装置
200 排紙ユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開平1−105978号公報
【特許文献2】特許第4479667号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真装置及び静電記録装置等の画像形成装置に関し、特に、トナー像を支持した支持材を搬送して加熱定着する定着ユニットを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタあるいはファクシミリ装置などの画像形成装置においては、潜像担持体上に形成された静電潜像が現像プロセスにおいて可視像処理された後、その可視像即ちトナー像が記録用紙等の支持材に転写され、加熱定着されて、複写物あるいは記録物として得られるようになっている。
【0003】
また、図8は、前述した従来の画像形成装置においてトナー像を支持材に加熱定着する定着ユニットの概略断面図である。また、図9は、図8に示された定着ユニットから搬送されてきた支持材を画像形成装置の筺体外部に排出する排紙ユニットの斜視図である。
【0004】
図8に示すように、上記定着ユニット110は、支持材1の搬送経路を挟んで互いに対向するように配置されるとともに互いに加圧接触して回転駆動される定着ローラ112及び加圧ローラ113と、これら定着ローラ112及び加圧ローラ113よりも支持材1の搬送方向下流側に配置された定着分離爪114と、を備えている。また、図8中の矢印Zは、支持材1の搬送経路及び搬送方向を表している。前記定着ローラ112は、アルミニウム等で構成された中空芯金の外周面がPTEF、PEA等の離型性の良い材料で被覆され、前記芯金の内側にハロゲンランプ等のヒータが収容されたものである。前記加圧ローラ113は、鉄やステンレス等で構成された芯金の外周がシリコーンゴム等の離型性を有する弾性体で被覆されたものである。
【0005】
図8に示す定着ユニット110及び図9に示す排紙ユニット300を備えた画像形成装置においては、定着ユニット110内に搬送されてきた支持材1が定着ローラ112と加圧ローラ113のニップ部を通過していくことにより、この支持材1に、定着ローラ112による熱と定着ローラ112及び加圧ローラ113による加圧力とが作用して、該支持材1の表面1aに支持された未定着トナーが永久固着像として加熱定着されていく。また、定着ローラ112と加圧ローラ113のニップ部を通過した支持材1は、定着分離爪114により定着ローラ112から分離され、排紙ユニット300へ搬送されて排紙トレイなどに排出される。また、図8中の1aは、支持材1の表面を表しており、1bは支持材1の裏面を表している。
【0006】
このような画像形成装置においては、以下に示す問題があった。即ち、紙等の支持材1は水分を含んでおり、定着ローラ112は150℃〜200℃程度に温調されているので、定着ローラ112通過直後の支持材1から水蒸気が発生して、画像形成装置の筺体内面や支持材1の搬送経路を構成する部材等に結露が生じる場合があった。このような結露により生じた水滴は排気によって取り除くことができず、機内昇温による蒸発あるいは電源OFF時等の自然乾燥を待つしかなかった。このため、連続プリント時においては、前述した水滴が徐々に肥大化し、いずれは筺体内面をつたって流れたり、機内に落下したり、搬送経路を移動する支持材1に付着したりするという問題があった。
【0007】
また、前述した水滴の発生は、画像形成装置の構成部品に錆びを生じさせたり、画像形成装置の寿命低下を引き起こすだけでなく、以下に示す様々な不具合の原因となってしまう。例えば、水滴が電気回路上に落下した場合、画像形成装置の誤作動、故障、ショート等の原因になってしまう。また、水滴が潜像担持体上に落下した場合、その時点での画像を乱すだけでなく、その後も画像流れを誘発し、潜像担持体上にトナー融着を発生させる原因になってしまう。さらに、水滴が排紙ユニット300に生じて支持材1に付着した場合、白スジといった画像不良や折れ、紙しわ、ジャムの原因になってしまう。
【0008】
さらに、前述した排紙ユニット300は、その入り口に支持材1の搬送をガイドする板金が配置されており、この板金は特に前述した結露が生じ易い部品であった。また、図10は、図9に示された排紙ユニット300を構成する板金の斜視図である。また、図11は、図10に示された板金に結露が生じた状態を示す斜視図である。
【0009】
図10及び図11に示すように、上記板金301は、金属板にプレス加工等が施されて得られるものであり、平板状の平板部2と、平板部2における表面2aから突出して支持材1と接触する複数のリブ3,4と、で構成されている。また、図10及び図11中の矢印Zは、支持材1の搬送経路及び搬送方向を表している。また、図10及び図11中の2aは、平板部2における表面を表しており、2bは平板部2における裏面を表している。また、前記複数のリブ3,4は、矢印Zと直交する方向に間隔をあけて並べられている。
【0010】
この板金301に、150℃〜200℃に温調された定着ローラ112と加圧ローラ113のニップ部を通過してきた支持材1が到達すると、板金301と支持材1との温度差によって図11に示すように平板部2の表面2aなどに水滴Wが発生する。このように平板部2の表面2aに水滴Wが発生すると、支持材1が短いリブ4に乗り上げる際に、支持材1と短いリブ4の間において水滴Wが毛細管現象により矢印Y方向、即ち搬送方向下流側、に持ち上げられ、この水滴Wが支持材1に付着して支持材1の先端から後端にまで影響を及ぼしてしまう。
【0011】
また、上述した画像形成装置内に結露が生じることによる問題に対応する従来技術として、特許文献1,2が公知である。
【0012】
上記特許文献1(特開平1−105978号公報)には、定着ローラと加圧ローラのニップ部を通過してきた支持材の搬送をガイドする支持材案内部材の表面に、吸湿部材として繊維状シートを貼った画像形成装置が開示されている。
【0013】
上記特許文献2(特許第4479667号公報)には、定着ローラと加圧ローラのニップ部を通過してきた支持材の搬送経路を挟んだ上下の位置に支持材案内部材を配置し、これら支持材案内部材各々に支持材と接触する複数のリブと、該リブと反対方向に窪んだ溝と、を設け、この溝に吸湿部材を設置した画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1においては、支持材案内部材の表面に吸湿部材を貼り付けたことによって、この吸湿部材に支持材が触れてしまい、逆に支持材を濡らしてしまうという問題があった。また、特許文献2においては、支持材の搬送経路を挟んだ上下の位置に支持材案内部材を配置することによって、画像形成装置内に占めるスペース増大や、支持材の上側に配置された支持材案内部材からの水滴の落下といった問題があり、さらに、溝の数、長さにあわせて吸湿部材を設置することによるコストアップの問題があった。
【0015】
そこで、本発明は、支持材を加熱定着する定着ユニットを備えた画像形成装置において、装置内に結露した水滴が支持材に付着することによる画像不良の発生等の不具合を防止できる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、トナー像を支持した支持材を搬送して加熱定着する定着ユニットを備えた画像形成装置において、前記定着ユニットよりも搬送方向下流側かつ前記支持材の搬送経路の直下の位置に水滴を保持する水滴保持部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置である。
【0017】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記水滴保持部材が、平板状の平板部と、該平板部から突出して前記支持材と接触するリブと、前記平板部を貫通した貫通穴と、で構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載された発明において、前記貫通穴が複数設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項4に記載された発明は、請求項2または請求項3に記載された発明において、前記貫通穴が、前記リブの根元または前記リブを挟む位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項5に記載された発明は、請求項2ないし請求項4のうちいずれか1項に記載された発明において、前記貫通穴が、前記搬送経路側から前記搬送経路と反対側に貫通するように設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項6に記載された発明は、請求項2ないし請求項5のうちいずれか1項に記載された発明において、前記貫通穴の平面形状が円形であることを特徴とするものである。
【0022】
請求項7に記載された発明は、請求項2ないし請求項5のうちいずれか1項に記載された発明において、前記貫通穴の平面形状が多角形であることを特徴とするものである。
【0023】
請求項8に記載された発明は、請求項2ないし請求項7のうちいずれか1項に記載された発明において、前記水滴保持部材における前記搬送経路と反対側に、前記貫通穴に保持された水滴を吸収する吸湿部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項9に記載された発明は、請求項1ないし請求項8のうちいずれか1項に記載された発明において、前記水滴保持部材が、排紙ユニットに設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に記載された発明によれば、前記定着ユニットよりも搬送方向下流側かつ前記支持材の搬送経路の直下の位置に水滴を保持する水滴保持部材が設けられているので、装置内に結露した水滴が支持材に付着することによる画像不良の発生等の不具合を防止できる画像形成装置を提供することができる。
【0026】
請求項2に記載された発明によれば、前記水滴保持部材が、平板状の平板部と、該平板部から突出して前記支持材と接触するリブと、前記平板部を貫通した貫通穴と、で構成されているので、貫通穴に保持された水滴とリブ上を通過する支持材との距離を離すことができ、前記水滴が支持材に付着することを防止できる。
【0027】
請求項3に記載された発明によれば、前記貫通穴が複数設けられているので、水滴保持効率を高くすることができる。
【0028】
請求項4に記載された発明によれば、前記貫通穴が、前記リブの根元または前記リブを挟む位置に設けられているので、支持材がリブに乗り上げる際に支持材とリブとの間で水滴が搬送方向下流側に持ち上げられることを防止でき、前記水滴が支持材に付着することを防止できる。
【0029】
請求項5に記載された発明によれば、前記貫通穴が、前記搬送経路側から前記搬送経路と反対側に貫通するように設けられているので、貫通穴に溜まった水滴を搬送経路と反対側に排水することができ、前記水滴が支持材に付着することを防止できる。
【0030】
請求項6に記載された発明によれば、前記貫通穴の平面形状が円形であるので、該貫通穴内に水滴を保持することにより、表面張力により球形になろうとする液体の性質を妨げ、平板部表面と前記水滴の接線とがなす接触角を小さくすることができる。よって、貫通穴に保持された水滴とリブ上を通過する支持材との距離を離すことができ、前記水滴が支持材に付着することを防止できる。
【0031】
請求項7に記載された発明によれば、前記貫通穴の平面形状が多角形であるので、該貫通穴内に水滴を保持することにより、表面張力により球形になろうとする液体の性質を妨げ、平板部表面と前記水滴の接線とがなす接触角を小さくすることができる。よって、貫通穴に保持された水滴とリブ上を通過する支持材との距離を離すことができ、前記水滴が支持材に付着することを防止できる。
【0032】
請求項8に記載された発明によれば、前記水滴保持部材における前記搬送経路と反対側に、前記貫通穴に保持された水滴を吸収する吸湿部材が設けられているので、吸湿部材に支持材が触れることを防止できる。
【0033】
請求項9に記載された発明によれば、前記水滴保持部材が、排紙ユニットに設けられているので、結露が生じ易い位置に配置されている前記排紙ユニットを支持材が通過する際に、該支持材に水滴が付着することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材の斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材の斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材の斜視図である。
【図4】本発明の第4の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材の斜視図である。
【図5】本発明の第5の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材の斜視図である。
【図6】本発明にかかる画像形成装置を構成する排紙ユニットの斜視図である。
【図7】本発明にかかる画像形成装置の概略断面図である。
【図8】従来の画像形成装置を構成する定着ユニットの概略断面図である。
【図9】図8に示された定着ユニットから搬送されてきた支持材を画像形成装置の筺体外部に排出する排紙ユニットの斜視図である。
【図10】図9に示された排紙ユニットを構成する板金の斜視図である。
【図11】図10に示された板金に結露が生じた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材を、図1を参照して説明する。
【0036】
本発明の画像形成装置(図7を参照。)は、トナー像を支持した支持材を搬送して加熱定着する定着ユニット(図8を参照。)と、定着ユニットから搬送されてきた支持材を画像形成装置の筺体外部に排出する排紙ユニット(図6を参照。)と、を備えた画像形成装置である。また、前記「支持材」としては、一般にコピー等に用いられる普通紙や、OHPシートや、厚紙等を用いることができる。
【0037】
図1に示すように、上記水滴保持部材11は、前記定着ユニットよりも支持材の搬送方向下流側かつ前記支持材の搬送経路の直下の位置に設けられている。この水滴保持部材11は、金属板にプレス加工等が施されて得られるものであり、平板状の平板部2と、平板部2における表面2aから突出して支持材と接触する複数のリブ3,4と、平板部2を貫通した複数の貫通穴5と、で構成されている。また、図1中の矢印Zは、支持材の搬送経路及び搬送方向を表している。また、図1中の2aは、平板部2における表面を表しており、2bは平板部2における裏面を表している。
【0038】
上記複数のリブ3,4は、矢印Zと直交する方向に間隔をあけて並べられている。また、各リブ3,4は、矢印Z方向、即ち支持材の搬送方向、に直線状に延びている。また、符号3は、複数のリブ3,4のうち長さが長いものを示しており、符号4は、複数のリブ3,4のうち長さがリブ3よりも短いものを示している。また、リブ3は、平板部2における矢印Z方向の一端から他端に亘って設けられ、リブ4は、平板部2における矢印Z方向の中央から前記他端に亘って設けられている。これら長いリブ3と短いリブ4とは矢印Zと直交する方向に交互に並べられている。また、平板部2の矢印Z方向の一端は、他端よりも搬送方向上流側に位置する。
【0039】
上記複数の貫通穴5は、短いリブ4の根元に設けられている。また、「リブ4の根元」とは、リブ4の近傍かつリブ4よりも搬送方向上流側の位置を意味する。貫通穴5は、支持材の搬送経路側から前記搬送経路と反対側に貫通するように設けられている。即ち、貫通穴5は、平板部2における表面2a側から裏面2b側に貫通するように設けられている。また、貫通穴5は、その平面形状が円形に形成されている。
【0040】
上記構成の水滴保持部材11は、支持材の搬送経路において定着ユニットの直後に位置する、排紙ユニットの入り口に設けられている。このような水滴保持部材11は、トナー像を支持した支持材とリブ3,4で接触して支持材の搬送をガイドする。さらに、水滴保持部材11は、その表面に結露により生じた水滴を、貫通穴5に集めて該貫通穴5内に保持する。また、「保持する」とは、水滴を溜めた状態を意味する。また、前記結露は、定着ユニットを通過することで高温化した支持材が水滴保持部材11に到達することによる、支持材と水滴保持部材11との温度差などで発生する。
【0041】
また、本発明では、定着ユニットよりも搬送方向下流側かつ支持材の搬送経路の直下の位置のみに水滴保持部材11が設けられており、支持材の搬送経路の上側には水滴保持部材が設けられていない。これは、落下した水滴が支持材に付着することを防止するため、また、省スペース化を図るためである。
【0042】
このように、本発明では、定着ユニットよりも搬送方向下流側かつ支持材の搬送経路の直下の位置に水滴を保持する水滴保持部材11が設けられているので、画像形成装置内に結露した水滴が支持材に付着することによる画像不良の発生等の不具合を防止できる。また、水滴保持部材11が、平板部2と、支持材と接触するリブ3,4と、平板部2を貫通した複数の貫通穴5と、で構成されているので、貫通穴5に保持された水滴とリブ3,4上を通過する支持材との距離を離すことができ、水滴が支持材に付着することを防止できる。さらに、貫通穴5が複数設けられているので、水滴保持効率を高くすることができる。また、本発明では、水滴保持部材に貫通穴5が少なくとも1つ設けられていれば良い。また、貫通穴5が、短いリブ4の根元に設けられているので、支持材がリブ4に乗り上げる際に、平板部2の表面2aに付着した水滴が支持材とリブ4との間で搬送方向下流側に持ち上げられることを防止でき、水滴が支持材に付着することを防止できる。また、貫通穴5が、搬送経路側から搬送経路と反対側に貫通するように設けられているので、貫通穴5に溜まった水滴を搬送経路と反対側に排水することができ、水滴が支持材に付着することを防止できる。また、貫通穴5の平面形状が円形であるので、該貫通穴5内に水滴を保持することにより、表面張力により球形になろうとする液体の性質を妨げ、平板部2の表面2aと水滴の接線とがなす接触角を小さくすることができる。よって、貫通穴5に保持された水滴とリブ3,4上を通過する支持材との距離を離すことができ、水滴が支持材に付着することを防止できる。また、水滴保持部材11が、排紙ユニットに設けられているので、結露が生じ易い位置に配置されている前記排紙ユニットを支持材が通過する際に、該支持材に水滴が付着することを防止できる。
【0043】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材を、図2を参照して説明する。また、図2において、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0044】
図2に示すように、水滴保持部材12は、平板部2と、複数のリブ3,4と、複数の貫通穴5と、で構成されている。本実施形態では、貫通穴5が、短いリブ4の根元かつリブ4を挟む位置に設けられている。この水滴保持部材12は、貫通穴5の位置以外の構成については、前述した水滴保持部材11と同一構成である。
【0045】
本実施形態の水滴保持部材12は、支持材がリブ4に乗り上げる際に平板部2の表面2aに付着した水滴が支持材とリブ4との間で搬送方向下流側に持ち上げられることを、水滴保持部材11よりもさらに防止でき、水滴が支持材に付着することを防止できる。
【0046】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材を、図3を参照して説明する。また、図3において、前述した第1,2の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
図3に示すように、水滴保持部材13は、平板部2と、複数のリブ3,4と、複数の貫通穴6と、で構成されている。本実施形態では、貫通穴6が、短いリブ4の根元かつリブ4を挟む位置に設けられている。また、貫通穴6は、その平面形状が六角形、即ち多角形、に形成されている。この水滴保持部材13は、貫通穴6の位置及び平面形状以外の構成については、前述した水滴保持部材11と同一構成である。
【0048】
本実施形態の水滴保持部材13は、貫通穴6の平面形状が多角形であるので、該貫通穴6内に水滴を保持することにより、表面張力により球形になろうとする液体の性質を妨げ、平板部2の表面2aと水滴の接線とがなす接触角を、貫通穴の平面形状が円形である場合よりも小さくすることができる。よって、貫通穴6に保持された水滴とリブ3,4上を通過する支持材との距離を離すことができ、水滴が支持材に付着することを、水滴保持部材11よりもさらに防止できる。
【0049】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材を、図4を参照して説明する。また、図4において、前述した第1〜3の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
図4に示すように、水滴保持部材14は、平板部2と、複数のリブ3,4と、複数の貫通穴5と、で構成されている。また、水滴保持部材14における搬送経路と反対側、即ち平板部2の裏面2b、には、複数の貫通穴5を覆うように複数の吸湿部材7が貼り付けられている。これら吸湿部材7は、貫通穴5の大きさに合わせた大きさとされている。また、これら吸湿部材7は、貫通穴5に保持された水滴を吸収する。この水滴保持部材14は、平板部2の裏面2bに吸湿部材7が貼り付けられていること以外の構成については、前述した水滴保持部材11と同一構成である。
【0051】
本実施形態の水滴保持部材14は、搬送経路と反対側に、貫通穴5に保持された水滴を吸収する吸湿部材7が設けられているので、吸湿部材7に支持材が触れることを防止できる。また、本発明の吸湿部材7は、少なくとも貫通穴5を覆うことができる大きさであれば良く、コストアップを最小限に抑えることができる。
【0052】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態にかかる画像形成装置を構成する水滴保持部材を、図5を参照して説明する。また、図5において、前述した第1〜4の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0053】
図5に示すように、水滴保持部材15は、平板部2と、複数のリブ3,4と、複数の貫通穴5と、で構成されている。また、水滴保持部材15における搬送経路と反対側、即ち平板部2の裏面2b、には、複数の貫通穴5を覆うように1つの長い吸湿部材8が貼り付けられている。この吸湿部材8は、貫通穴5に保持された水滴を吸収する。この水滴保持部材15は、吸湿部材8の長さ及び数以外の構成については、前述した水滴保持部材14と同一構成である。
【0054】
本実施形態の水滴保持部材15は、搬送経路と反対側に、貫通穴5に保持された水滴を吸収する吸湿部材8が設けられているので、吸湿部材8に支持材が触れることを防止できる。
【0055】
前述した第1〜第5の実施形態において説明した水滴保持部材11,12,13,14,15は、図7に示す画像形成装置120に適用される。即ち、水滴保持部材11,12,13,14,15は、図7に示す画像形成装置120を構成する排紙ユニット200に設けられている。
【0056】
上記画像形成装置120は、タンデム方式を採用してフルカラー画像を形成可能なカラープリンタである。なお、本発明では、図7に示すプリンタに限らず、複写機、ファクシミリ装置あるいは印刷機なども画像形成装置として含んでいる。
【0057】
この画像形成装置120は、原稿画像に応じた各色毎の画像を形成する作像装置121Y、121C、121M、121Kと、各作像装置121Y、121C、121M、121Kに対向して配置された転写装置122と、各作像装置121Y、121C、121M、121Kと転写装置122とが対向する転写領域に支持材1を供給する手差しトレイ123及び繰り出しローラ123Aと、前記転写領域に支持材1を供給する給紙装置124及び給紙カセット124Aと、該手差しトレイ123あるいは給紙カセット124Aから搬送されてきた支持材1を作像装置121Y、121C、121M、121Kによる作像タイミングに合わせて供給するレジストローラ133と、転写領域において支持材1に転写されたトナー像の定着を行う定着ユニット110と、トナー像が定着された支持財1を排紙トレイ132などに排出する排紙ユニット200と、を備えている。
【0058】
上記定着ユニット110は、図8に示されたものと同一構成であり、支持材1の搬送経路を挟んで互いに対向するように配置されるとともに互いに加圧接触して回転駆動される定着ローラ112及び加圧ローラ113を用いて熱および圧力の作用により支持材1上のトナー像を定着する熱ローラ定着方式が用いられている。
【0059】
上記排紙ユニット200は、図6及び図7に示すように、支持材1の搬送経路において定着ユニット110の直後に配置されている。また、排紙ユニット200は、ユニット構成とされており、この部分のみを画像形成装置120に対して着脱することができるようになっている。
【0060】
上記転写装置122は、転写体として複数のローラに掛け回されている転写ベルト122Aが用いられ、各作像装置における感光体ドラムと対向する位置には転写バイアスを印加する転写バイアス手段122Y、122C、122M、122Kがそれぞれ配置されてトナーと逆極性の転写バイアスを作用させることで各作像装置で形成されたトナー像を順次、重畳転写するようになっている。転写装置122には、転写ベルト122A上に重畳転写されたトナー像を支持材1に対して一括転写するための二次転写バイアス手段122Fが支持材1の搬送経路上に配置されている。
【0061】
上記各作像装置121Y、121C、121M、121Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタおよび黒の各色の現像を行うものであり、用いるトナーの色は異なるが、その構成が同様であるから、作像装置121Kの構成を各作像装置121Y、121C、121M、121Kの代表として説明する。作像装置121Kは、潜像担持体としての感光体ドラム125K、感光体ドラム125Kの回転方向に沿って順に配置されている帯電装置127K、現像装置126K、クリーニング装置128Kを有し、帯電装置127Kと現像装置126Mとの間で書き込み装置129からの書き込み光129Kにより色分解された色に対応する画像情報に応じた静電潜像を形成する構成が用いられる。
【0062】
上記構成の画像形成装置120では、以下のようにして画像形成が行われる。なお、以下の説明では、各作像装置を代表して符号121Kで示した黒トナーを用いて画像形成が行われる作像装置を対象として説明するが、他の作像装置も同様であることを前置きしておく。画像形成時において感光体ドラム125Kは、図示されないメインモータにより回転駆動され、帯電装置127Kに印加されたACバイアス(DC成分はゼロ)により除電され、その表面電位が略−50Vの基準電位に設定される。次に感光体ドラム125Kは、帯電装置127KにACバイアスを重畳したDCバイアスを印加されることによりほぼDC成分に等しい電位に均一に帯電されて、その表面電位がほぼ−500V〜−700Vに帯電される。感光体ドラム125Kは、一様帯電されると書き込み行程が実行される。書き込み対象となる画像は、図示しないコントローラ部からのデジタル画像情報に応じて書き込み装置129を用いて静電潜像形成のために書き込まれる。つまり、書き込み装置129では、デジタル画像情報に対応して各色毎で2値化されたレーザダイオード用発光信号に基づき発光するレーザ光源からのレーザ光がシリンダレンズ、ポリゴンモータ129A、fθレンズ129B、第1〜第3ミラー、およびWTLレンズを介して、各色毎の画像を担持する感光体ドラム、この場合には、便宜上、感光体ドラム125K上に照射され、照射された部分の感光体ドラム表面での表面電位が略−50Vとなり、画像情報に対応した静電潜像が作像される。感光体ドラム125K上に形成された静電潜像は、現像装置126Kにより色分解色と補色関係にある色のトナーを用いて可視像処理されるが、現像行程では、現像スリーブにACバイアスを重畳したDC:−300V〜−500Vが印加されることにより、書き込み光の照射により電位が低下した画像部分にのみトナー(Q/M:−20〜−30μC/g)が現像され、トナー像が形成される。現像行程により可視像処理された各色のトナー画像は、レジストローラ133によりレジストタイミングを設定されて繰り出される支持材1に転写されることになるが、支持材1は、転写ベルト122Aに達する前にローラで構成されたシート吸着用バイアス手段による吸着用バイアスの印加によって転写ベルト122Aに静電吸着されるようになっている。転写ベルト122Aは、各作像装置での感光体ドラムに対向する位置で転写装置122に装備されている転写バイアス手段122Y、122C、122M、122Kによるトナーと逆極性のバイアス印加によって感光体ドラムからトナー像を静電転写され、重畳転写されたトナー像が二次転写バイアス手段122Fにより支持材1に一括転写される。各色の転写工程を経た支持材1は、転写ベルトユニットの駆動側ローラ122A1で転写ベルト122Aから分離され、定着ユニット110に向けて搬送され、定着ローラ112と加圧ローラ113のニップ部を通過することによりトナー像が支持材1に定着されて、排紙ユニット200によって排紙トレイ132へと排出される。
【0063】
また、画像形成装置120では、定着後に排出される支持材1の片面への画像形成だけでなく両面への画像形成を行うことができるようになっており、両面への画像形成時には、定着後の支持材1が反転循環経路RPに搬送され、この循環路末端に位置して手差しトレイ123からのシート繰り出しを兼ねる繰り出しローラRP1によってレジストローラ133に向け繰り出されるようになっている。片面および両面への画像形成時での支持材1の搬送路の切り換えは、排出ユニット200に設けられた搬送路切り換え爪によって行われる。
【0064】
上述した帯電電位をはじめとする各物性は、上記値に限ることはなく、色彩や濃度などに応じて変更できること勿論である。また、図7において、符号T1〜T4は現像装置で使用されるトナーの補給タンクを示している。
【0065】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 支持材
2 平板部
3,4 リブ
5,6 貫通穴
7,8 吸湿部材
11,12,13,14,15 水滴保持部材
110 定着ユニット
120 画像形成装置
200 排紙ユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開平1−105978号公報
【特許文献2】特許第4479667号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を支持した支持材を搬送して加熱定着する定着ユニットを備えた画像形成装置において、
前記定着ユニットよりも搬送方向下流側かつ前記支持材の搬送経路の直下の位置に水滴を保持する水滴保持部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記水滴保持部材が、平板状の平板部と、該平板部から突出して前記支持材と接触するリブと、前記平板部を貫通した貫通穴と、で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記貫通穴が複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記貫通穴が、前記リブの根元または前記リブを挟む位置に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記貫通穴が、前記搬送経路側から前記搬送経路と反対側に貫通するように設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記貫通穴の平面形状が円形であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記貫通穴の平面形状が多角形であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記水滴保持部材における前記搬送経路と反対側に、前記貫通穴に保持された水滴を吸収する吸湿部材が設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項7のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記水滴保持部材が、排紙ユニットに設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
トナー像を支持した支持材を搬送して加熱定着する定着ユニットを備えた画像形成装置において、
前記定着ユニットよりも搬送方向下流側かつ前記支持材の搬送経路の直下の位置に水滴を保持する水滴保持部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記水滴保持部材が、平板状の平板部と、該平板部から突出して前記支持材と接触するリブと、前記平板部を貫通した貫通穴と、で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記貫通穴が複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記貫通穴が、前記リブの根元または前記リブを挟む位置に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記貫通穴が、前記搬送経路側から前記搬送経路と反対側に貫通するように設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記貫通穴の平面形状が円形であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記貫通穴の平面形状が多角形であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記水滴保持部材における前記搬送経路と反対側に、前記貫通穴に保持された水滴を吸収する吸湿部材が設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項7のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記水滴保持部材が、排紙ユニットに設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のうちいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−168224(P2012−168224A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26849(P2011−26849)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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