説明

画像形成装置

【課題】 搬送ローラの直径の変化を検出する変位センサーを用いなくとも搬送ローラの交換時期を予測可能とする。
【解決手段】 画像形成装置は、通過する記録媒体に対して所定の押圧力を付与することで、前記記録媒体の反りを抑制する駆動ローラと当該駆動ローラよりも表面の剛性が小さい従動ローラとからなる一対の搬送ローラと、駆動ローラに対する従動ローラのつぶし量を調整することで押圧力を変化させるローラ間隔調整部と、従動ローラの交換時期を報知する報知部と、従動ローラの回転時間を記憶し、回転時間及びつぶし量から一方の搬送ローラの交換時期を求め、当該交換時期になると報知部を制御して交換時期を報知させる制御部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においては、排出された画像形成後の記録媒体の反りを防止すべく、複数対ある搬送ローラのうち、排出口付近の搬送ローラでその反りを抑制している。具体的には反り抑制用の一対の搬送ローラでは、そのローラ間隔を調整することで記録媒体の反りを矯正するようになっている。
ところで、搬送ローラは長期にわたって使用すると交換が必要になる。この交換時期を予測するため、従来では搬送ローラの直径の変化を検出する変位センサーが設けられた画像形成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−294342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年においては製造コストを抑制するべく、部品点数の削減が望まれている。つまり、上述した変位センサーを省略したとしても搬送ローラの交換時期を予測できれば部品点数の削減に寄与することができる。
本発明の課題は、搬送ローラの直径の変化を検出する変位センサーを用いなくとも搬送ローラの交換時期を予測可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明に係る画像形成装置は、
通過する記録媒体に対して所定の押圧力を付与することで、前記記録媒体の反りを抑制する駆動ローラと当該駆動ローラよりも表面の剛性が小さい従動ローラとからなる一対の搬送ローラと、
前記駆動ローラに対する前記従動ローラのつぶし量を調整することで前記押圧力を変化させるローラ間隔調整部と、
前記従動ローラの交換時期を報知する報知部と、
前記従動ローラの回転時間を記憶し、前記回転時間及び前記つぶし量から前記従動ローラの交換時期を求め、当該交換時期になると前記報知部を制御して前記交換時期を報知させる制御部とを備えることを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の発明に係る画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記一対の搬送ローラ間を通過する前記記録媒体の枚数を基に前記従動ローラの回転時間を検出することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、搬送ローラの直径の変化を検出する変位センサーを用いなくとも搬送ローラの交換時期を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明で使用するデジタル画像形成装置の内部構成を示す正面図である。
【図2】図1の画像形成装置に備わる定着装置の概略構成を示す説明図である。
【図3】図1の画像形成装置に備わる一対の排紙デカーラローラの概略構成を示す正面図である。
【図4】図1の画像形成装置に備わる一対の両面デカーラローラの概略構成を示す正面図である。
【図5】図1の画像形成装置の主制御構成を示すブロック図である。
【図6】図3の排紙デカーラローラにおける記録媒体の種類とつぶし量の設定値との関係を示す一覧表である。
【図7】図4の両面デカーラローラにおける記録媒体の種類とつぶし量の設定値との関係を示す一覧表である。
【図8】図6、図7の大、中、小それぞれの実際のつぶし量の一例を示す一覧表である。
【図9】温度及び湿度によりつぶし量を調整する調整量を示す一覧表である。
【図10】つぶし量毎の補正係数を示す一覧表である。
【図11】図2の定着装置に備わる加圧ローラと定着ローラとにおける記録媒体の種類とつぶし量の設定値との関係を示す一覧表である。
【図12】図11の大、中、小それぞれの実際のつぶし量の一例を示す一覧表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
図1は、本発明で使用するデジタル画像形成装置の内部構成を示す図である。
画像形成装置1は、それぞれ多数の記録媒体Pを収納可能な複数の記録媒体収納部20を装置下部に有している。記録媒体収納部20の上方には画像形成部40、中間転写ベルト50及び定着装置100が設置されており、装置本体の上部には原稿読取部30が設置されている。そして、画像形成装置1には、記録媒体Pを記録媒体収納部20から中間転写ベルト50及び定着装置100を介して排出口90に案内する搬送経路60が形成されている。
【0011】
記録媒体収納部20は、装置前面側(図1における紙面手前側)に引き出し可能となっている。
画像形成部40は、Y、M、C、Kの各色毎のトナー像を形成するための4組の画像形成手段400Y,400M,400C,400Kを有している、画像形成手段400Y,400M,400C,400Kは、この順で上から下方向に直線状に配列されており、各々同じ構成となっている。画像形成手段400Yを例にとって構成を説明すると、画像形成手段400Yは反時計方向に回転する感光体410、スコロトロン帯電手段420、露光手段430及び現像手段440を有する。
クリーニング手段450は、感光体410の最下部に対向した領域を含んで配置されている。
【0012】
装置本体の中央部に位置する中間転写ベルト50は、無端状であり、適宜の体積抵抗率を有する。また、中間転写ベルト50は、例えば、編成ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した半導電性フィルム基体の外側に、フッ素コーティングを行った2層から構成されている。また、シリコンゴムあるいはウレタンゴム等に導電材料を分散したものもあり得る。
一次転写電極510は、中間転写ベルト50を挟んで感光体410と対向する位置に設置されている。
【0013】
図2は、定着装置100の説明図である。図2に示すように、定着装置100は、加圧ローラ801と定着ローラ804により形成されたニップ領域に記録媒体Pを通過させトナー像を記録媒体Pに定着させている。
【0014】
加圧ローラ801及び定着ローラ804は、例えば中空のアルミ芯金の外周にゴムを被覆したローラである。定着ローラ804は、その内部にハロゲンランプが設けられており当該ハロゲンランプによって加熱されるようになっている。
加圧ローラ801の周囲には、当該加圧ローラ801の表面温度を検出する非接触型の温度センサ807が設けられている。
【0015】
搬送経路60には、記録媒体Pを記録媒体収納部20から中間転写ベルト50及び定着装置100まで案内し排出口90に案内する主経路61と、両面印刷を可能とするため記録媒体Pを反転させてから中間転写ベルト50よりも上流側で主経路61に合流させる副経路62とが設けられている。
副経路62には、主経路61の定着装置100の直下流で下方へと分岐し記録媒体収納部20の下方まで伸びる第一副経路621と、第一副経路621の途中から略水平に分岐し、中間転写ベルト50よりも上流側で反転ローラ624を介して主経路61に合流する第二副経路622と、第一副経路621から分岐し排出口90まで伸びる第三副経路623とが設けられている。各分岐地点には記録媒体Pの行き先を切り替える切替部(図示省略)が設けられている。また、主経路61及び副経路62には、記録媒体Pに対して推進力を付与する複数対の搬送ローラ80が所定の間隔を開けて配置されている。
【0016】
例えば、片面印刷であって印刷面が上を向いた状態で出力されるフェイスアップ印刷の場合の記録媒体Pの経路は、記録媒体収納部20から主経路61により案内され中間転写ベルト50及び定着装置100を通過してから排出口90に排出される経路となる。
また、片面印刷であって印刷面が下を向いた状態で出力されるフェイスダウン印刷の場合の記録媒体Pの経路は、記録媒体収納部20から主経路61により案内されて中間転写ベルト50及び定着装置100を通過してから第一副経路621に進入し、記録媒体Pの全体が第一副経路621に入ると、進行方向が逆転し排出口90に排出される経路となる。
そして、両面印刷の経路は、記録媒体収納部20から主経路61により案内され中間転写ベルト50及び定着装置100を通過してから、第一副経路621に進入し、記録媒体Pの全体が第二副経路622との分岐地点よりも下流側に入る。その後、進行方向が逆転し第二副経路622及び反転ローラ624を介して再度主経路61に進入し、中間転写ベルト50及び定着装置100を通過してから排出口90に排出される経路となる。
【0017】
ここで、複数対ある搬送ローラ80のうち、主経路61における排出口90直近の一対の搬送ローラ80と、副経路62における排出口90直近の一対の搬送ローラ80とが、ローラ間を通過する記録媒体Pに対して所定の押圧力を付与することで記録媒体Pの反りを抑制するデカーラローラである。以降、主経路側の一対のデカーラローラを排紙デカーラローラ81と称し、副経路側の一対のデカーラローラを両面デカーラローラと称す。
【0018】
図3は、一対の排紙デカーラローラ81の概略構成を示す正面図である。この図3に示すように一対の排紙デカーラローラ81は、上下に配置されており、上部の排紙デカーラローラ81aは金属から形成された駆動ローラである。また、下部の排紙デカーラローラ81bは上部の排紙デカーラローラ81aよりも表面の剛性が小さい素材により形成された従動ローラである。
【0019】
図4は、一対の両面デカーラローラ82の概略構成を示す正面図である。この図4に示すように一対の両面デカーラローラ82は、左右に配置されており、右側の両面デカーラローラ82aは金属から形成された駆動ローラである。また、左側の両面デカーラローラ82bは右側の両面デカーラローラ82aよりも表面の剛性が小さい素材により形成された従動ローラである。
【0020】
下部の排紙デカーラローラ81b及び左側の両面デカーラローラ82bの表面をなす素材としては、例えばJAS Aゴム硬度が40度以下のゴムや、アスカーC硬度が50度以下となる多孔質体等が挙げられる。
そして、一対の排紙デカーラローラ81及び一対の両面デカーラローラ82は互いの回転軸の間隔が調整自在となっている。この間隔が調整されることにより、剛性の小さい排紙デカーラローラ81b及び両面デカーラローラ82bのつぶし量Tが変更される。ここで、つぶし量Tとは、剛性の小さいデカーラローラ81b,82bが変形していない状態(図3,図4における点線部)から剛性の大きいデカーラローラ81a,82aによって押されてつぶれた量のことである。記録媒体Pの反りを戻す量をデカール量と称すと、つぶし量Tが大きければデカール量も大きくなり、つぶし量Tが小さければデカール量も小さくなる。
【0021】
図5は、画像形成装置1の主制御構成を示すブロック図である。この図5に示すように、画像形成装置1の制御部10には、各種情報を報知する報知部11と、各対の搬送ローラ80の駆動ローラ88と、一対の排紙デカーラローラ81のローラ間隔を調整する排紙デカーラ用ローラ間隔調整部12と、一対の両面デカーラローラ82のローラ間隔を調整する両面デカーラ用ローラ間隔調整部13と、一対の排紙デカーラローラ81の通紙枚数を記録する排紙デカーラローラ用通紙枚数記録部14と、一対の両面デカーラローラ82の通紙枚数を記録する両面デカーラローラ用通紙枚数記録部15とが電気的に接続されている。また、図示はしてないが制御部10には、これら以外の各駆動部が電気的に接続されている。
制御部10は、CPU(中央演算装置)と、メモリとを有して構成され、画像形成装置1の各構成要素を制御する。メモリは、記録媒体Pに形成する画像のデータや、画像形成装置1の各構成要素を制御するためのプログラムを記憶している。CPUは、メモリに格納された画像のデータやプログラムに基づいて演算を行ない、この演算結果に基づいて各構成要素に制御信号を送信する。
【0022】
制御部10のメモリには、排紙デカーラローラ81と両面デカーラローラ82とのそれぞれに対応する記録媒体Pの種類毎のつぶし量Tの設定値が記憶されている。
図6は排紙デカーラローラ81における記録媒体Pの種類とつぶし量Tの設定値との関係を示す一覧表である。図7は両面デカーラローラ82における記録媒体Pの種類とつぶし量Tの設定値との関係を示す一覧表である。フェイスダウン印刷においては両面デカーラローラ82を通過しないので図7にはフェイスダウンの項目がない。図8は図6、図7の大、中、小それぞれの実際のつぶし量Tの一例を示す一覧表である。
また、記録媒体Pの反りは環境条件によっても変化するため、温度及び湿度の違いによりつぶし量Tを変更することが望まれる。図9は温度及び湿度によりつぶし量Tを調整する調整量を示す一覧表である。
この図6〜図9の関係に基づいて、制御部10は画像形成する記録媒体Pの種類に対応するつぶし量Tを決定し、当該決定したつぶし量Tとなるように排紙デカーラ用ローラ間隔調整部12及び両面デカーラ用ローラ間隔調整部13を制御する。
【0023】
また、制御部10は、画像形成指示が入力されると、その指示が両面印刷か、フェイスアップ印刷、フェイスダウン印刷かを判断し、その判断に基づいて排紙デカーラローラ用通紙枚数記録部14又は両面デカーラローラ用通紙枚数記録部15の記憶内容をカウントアップする。具体的には両面印刷の場合と、フェイスダウン印刷の場合とでは、画像形成枚数一枚毎に、排紙デカーラローラ用通紙枚数記録部14又は両面デカーラローラ用通紙枚数記録部15のそれぞれの記憶内容を更新する。また、フェイスダウン印刷では、画像形成枚数一枚毎に排紙デカーラローラ用通紙枚数記録部14のみの記憶内容を更新する。
この際、つぶし量Tの大きさ毎に補正係数を掛ける。補正係数の一例を図10に示す。つぶし量Tが大きければその分、剛性の小さいデカーラローラ81b,82bの変形量も大きくなってしまうので劣化も進んでしまう。逆に、つぶし量Tが小さければ、剛性の小さいデカーラローラ81b,82bの変形量も小さいために劣化の進行も小さい。これらの関係を考慮して交換時期を決定するため、補正係数を用いている。
【0024】
制御部10は、排紙デカーラローラ用通紙枚数記録部14又は両面デカーラローラ用通紙枚数記録部15の記憶内容から、剛性の小さいデカーラローラ81b,82bそれぞれの回転時間を検出し、逐次記憶している。この回転時間が、剛性の小さいデカーラローラ81b,82bの交換時期に達すると、制御部10は報知部11を制御して剛性の小さいデカーラローラ81b,82bが交換時期である旨を報知させる。交換が完了すると、制御部10は排紙デカーラローラ用通紙枚数記録部14又は両面デカーラローラ用通紙枚数記録部15の記憶内容をリセットする。
【0025】
次に、本実施形態の作用について説明する。
画像形成指示が入力されると、制御部10は、感光体410を駆動して、感光体410の表面に電圧供給し、スコロトロン帯電手段420の放電により正極性に帯電させる(本実施例では+800V)。次に、制御部10は、露光手段430によって画像情報に応じた光書込をさせ、感光体410上に静電潜像を形成させる。形成された静電潜像が現像手段440を通過すると、現像手段内で正極性に帯電されたトナーが正極性現像バイアスの印加により潜像画像の部分に付着し、感光体410上にトナー像が形成される。形成されたトナー像は感光体410と圧着する中間転写ベルト50に転写される。転写後に残留した感光体410上のトナーはクリーニング手段450により清掃される。画像形成手段400Y,400M,400C,400K各々で形成されたトナー像が中間転写ベルト50に重複して転写されることにより、中間転写ベルト50上にカラー画像が形成される。
記録媒体Pは記録媒体収納部20により1枚ずつ排出され、レジストローラ65の位置まで搬送される。レジストローラ65により記録媒体Pの先端が整列された後、中間転写ベルト50上のトナー像と画像位置が一致するタイミングで記録媒体Pがレジストローラ65より給送される。レジストローラ65により給送された記録媒体Pは、ガイド板より案内され、中間転写ベルト50と転写部70により形成された転写ニップ部へ送り込まれる。ローラにより構成される転写部70は記録媒体Pを中間転写ベルト50側へ押圧している。トナーと逆極性のバイアス(−500V)が転写部70に印可されることにより、静電気力の作用で、中間転写ベルト50上のトナー像が記録媒体Pへ転写させる。記録媒体Pは、除電針からなる分離手段(図示せず)により除電されて中間転写ベルト50から分離され、定着装置100へ送られる。その結果、トナー像が記録媒体Pへ定着され、画像形成された記録媒体Pが装置外へ排出される。
【0026】
この画像形成時に、制御部10は画像形成する記録媒体Pの種類に対応するつぶし量Tを決定し、当該決定したつぶし量Tとなるように排紙デカーラ用ローラ間隔調整部12及び両面デカーラ用ローラ間隔調整部13を制御している。
そして、制御部10は、剛性の小さいデカーラローラ81b,82bそれぞれの回転時間が交換時期に達すると、報知部11を制御して剛性の小さいデカーラローラ81b,82bが交換時期である旨を報知させる。
【0027】
以上のように、本実施形態によれば、剛性の小さいデカーラローラ81b,82bの回転時間及びつぶし量Tから交換時期を求め、当該交換時期になると報知部11が交換時期を報知するので、排紙デカーラローラ81及び両面デカーラローラ82においては、変位センサーを用いなくとも、搬送ローラ80である剛性の小さいデカーラローラ81b,82bの交換時期を予測することができる。
特に、デカーラローラ81,82は、記録媒体Pの搬送時には所定のつぶし量Tでつぶされているために、つぶされていない状態の直径を計測したとしても交換時期を正確に把握できないおそれがある。つまり、従来用いられていた変位センサーをデカーラローラ81,82に適用したとしても正確性に疑問があるのが実状である。一方、上述したように剛性の小さいデカーラローラ81b,82bの回転時間及びつぶし量Tの両者を考慮して交換時期を求めるのであれば、より正確な交換時期を把握することができ、剛性の小さいデカーラローラ81b,82bを寿命ぎりぎりまで使用することも可能である。
【0028】
また、排紙デカーラローラ81及び両面デカーラローラ82のローラ間を通過する記録媒体Pの枚数を基に剛性の小さいデカーラローラ81b,82bの回転時間を検出しているので、回転時間を直接計測するよりも簡易に回転時間を検出することができる。
【0029】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、排紙デカーラローラ81及び両面デカーラローラ82を通過する記録媒体の枚数をカウントすることで、従動ローラたる下部の排紙デカーラローラ81b及び左側の両面デカーラローラ82bの回転時間を計測している場合を例示して説明したが、従動ローラの回転時間を直接計測する構成であってもよい。
【0030】
また、上記実施形態では排紙デカーラローラ81及び両面デカーラローラ82の少なくとも一方で記録媒体の反りを抑えているが、これに加えて定着装置100でも記録媒体の反りを抑えるようにすることも可能である。この場合、定着装置100の加圧ローラ801と、定着ローラ804との間隔を調整自在とし、この間隔が調整されることにより、加圧ローラ801と定着ローラ804とのつぶし量を変更されるようにする必要がある。そして、加圧ローラ801と定着ローラ804とにおける記録媒体Pの種類とつぶし量の設定値との関係を図11に示し、図11の大、中、小それぞれの実際のつぶし量の一例を図12に示す。また、補正係数においては図10に示したものと同様である。
【符号の説明】
【0031】
1 画像形成装置
10 制御部
11 報知部
12 排紙デカーラ用ローラ間隔調整部(ローラ間調整部)
13 両面デカーラ用ローラ間隔調整部(ローラ間調整部)
14 排紙デカーラローラ用通紙枚数記録部
15 両面デカーラローラ用通紙枚数記録部
20 記録媒体収納部
30 原稿読取部
40 画像形成部
50 中間転写ベルト
60 搬送経路
61 主経路
62 副経路
70 転写部
80 搬送ローラ
81 排紙デカーラローラ(搬送ローラ)
81a 排紙デカーラローラ(駆動ローラ)
81b 排紙デカーラローラ(従動ローラ)
82 両面デカーラローラ(搬送ローラ)
82a 両面デカーラローラ(駆動ローラ)
82b 両面デカーラローラ(従動ローラ)
88 駆動ローラ
90 排出口
100 定着装置
P 記録媒体
T つぶし量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通過する記録媒体に対して所定の押圧力を付与することで、前記記録媒体の反りを抑制する駆動ローラと当該駆動ローラよりも表面の剛性が小さい従動ローラとからなる一対の搬送ローラと、
前記駆動ローラに対する前記従動ローラのつぶし量を調整することで前記押圧力を変化させるローラ間隔調整部と、
前記従動ローラの交換時期を報知する報知部と、
前記従動ローラの回転時間を記憶し、前記回転時間及び前記つぶし量から前記従動ローラの交換時期を求め、当該交換時期になると前記報知部を制御して前記交換時期を報知させる制御部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記一対の搬送ローラ間を通過する前記記録媒体の枚数を基に前記従動ローラの回転時間を検出することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−215728(P2012−215728A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81471(P2011−81471)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】