説明

画像形成装置

【課題】本発明は、補正用パターンをクリーニングローラによって、良好に回収することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】カラーレーザプリンタ1は、クリーニングローラ22の円周長さをR、搬送ベルト10の移動方向におけるパッチQの長さをL、搬送ベルトの移動方向におけるパッチQの形成間隔をT、搬送ベルト10の移動速さに対するクリーニングローラ22の周速の比をV、nを正の整数とした場合、1から任意の値nまでの全ての値において、それぞれの前記nに対して以下の数式(1)を満たす正の整数Nが存在するように構成されたを特徴とする。
(T×N+L)/n≦R/V≦(T×(N+1)−L)/n・・・数式(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なダイレクトタンデム方式の画像形成装置では、搬送ベルトに記録媒体を載せた状態で、画像形成手段を構成する4つのプロセスカートリッジに記録媒体を順次搬送しながら各色の画像を記録媒体に重ねて転写することによりカラー画像を形成している。
【0003】
このため、記録媒体に対する各色ごとの画像形成位置(レジストレーション)がずれて、各色の画像を正確に重ねて転写することが出来なくなると、良好なカラー画像を形成することが出来なくなる。
【0004】
そこで、このような画像形成装置では、搬送ベルトの記録媒体搬送面と対向する位置にセンサを設ける。そして、搬送ベルト上にレジストレーション補正用画像を形成し、このレジストレーション補正用画像をセンサで読み取ることにより、レジストレーションのずれを検出する。そして、露光装置による感光体表面への露光のタイミングを調整することで、レジストレーションのずれが発生することを防止している。
【0005】
また、装置の経年変化や環境の変化等により、トナー像の濃度の変化を防止することを目的として、搬送ベルト上に濃度補正用画像を形成し、濃度補正用画像の濃度をセンサ等で測定することで、画像濃度を制御することが行われている。
【0006】
そして、前述した補正用画像は、搬送ベルトの記録媒体搬送面と対向して設けられたクリーニング手段によって、搬送ベルト上から除去される。
【0007】
クリーニング手段は、搬送ベルトに当接して配置されるクリーニングローラを有するものが知られている(例えば特許文献1)。クリーニングローラは、搬送ベルトとの当接部で、搬送ベルトの移動方向と逆向きに回転し、搬送ベルト上の補正用パターンを除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−206520
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来のようなクリーニングローラによって搬送ベルト上の補正用パターンを除去する方法によると、クリーニングローラの周回ごとに、クリーニングローラ上の同じ箇所で、補正用画像を除去することがあった。そのため、クリーニングローラは、搬送ベルト上の補正用画像を効果的に除去できないという問題点があった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑み、補正用パターンをクリーニングローラによって、良好に回収することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記した目的を達成するために、請求項1に記載の画像形成装置は、所定方向に回転移動する像担持体と、前記所定方向において前記像担持体上に、画像形成条件を補正するための複数の補正用画像を形成する補正用画像形成手段と、前記像担持体上の補正用画像を清掃するクリーニングローラと、を備え、前記クリーニングローラの円周長さをR、前記担持体の移動方向における前記補正用画像の長さをL、前記像担持体の移動方向における前記補正用画像の形成間隔をT、前記像担持体の移動速さに対する前記クリーニングローラの周速の比をV、nを正の整数とした場合、1から任意の値nまでの全ての値において、それぞれの前記nに対して以下の数式(1)を満たす正の整数Nが存在するように構成されたことを特徴とする。
(T×N(n)+L)/n≦R/V≦(T×(N(n)+1)−L)/n・・・数式(1)
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記クリーニング手段は、前記クリーニングローラと接触して配置され、前記クリーニングローラの表面を清掃する2次クリーニング部材を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記nの値が1であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記nの値が2であることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記nの値が3であることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記担持体の移動速さに対する前記クリーニングローラの周速の比をV変更する変更手段を有し、前記補正用画像形成手段は、前記補正用画像の長さLと、前記補正用画像形成周期Tとが異なる、記録媒体対する各色の画像形成位置を補正するための位置補正用画像と、記録媒体に形成される画像の濃度を補正するための濃度補正用画像と、を形成し、前記変更手段は、前記位置補正用画像が形成されたときと、前記濃度補正用画像が形成されたときとで、前記像担持体の移動速さに対する前記クリーニングローラの周速の比Vを変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の画像形成装置によると、クリーニングローラは、注目する補正用画像の付着したクリーニングローラ表面の箇所に、次に補正用画像が付着するまでに、少なくともn+1回転する。従って、周回ごとにクリーニングローラ表面上の同じ箇所で、補正用画像を除去することを防ぎ、効果的なクリーニングが可能となる。
【0017】
請求項2に記載の画像形成装置によると、クリーニングローラは、2次クリーニング部材によって、クリーニングされることで、より良好に像担持体上をクリーニングすることが出来る。
【0018】
請求項3に記載の画像形成装置によると、クリーニングローラは、注目する補正用画像が付着する箇所に、次に補正用画像が付着するまで、少なくとも2回転する。従って、当該クリーニングローラの補正用画像が付着した箇所は、次に補正用画像が付着するまでに、2次クリーニング部材によって、少なくとも2回はクリーニングされる。よって、像担持体の表面は、クリーニングローラによって、良好にクリーニングされる。
【0019】
請求項4に記載の画像形成装置によると、クリーニングローラは、注目する補正用画像が付着する箇所に、次に補正用画像が付着するまで、少なくとも3回転する。従って、当該クリーニングローラの補正用画像が付着した箇所は、次に補正用画像が付着するまでに、2次クリーニング部材によって、少なくとも3回はクリーニングされる。よって、像担持体の表面は、クリーニングローラによって、良好にクリーニングされる。
【0020】
請求項5に記載の画像形成装置によると、クリーニングローラは、注目する補正用画像が付着する箇所に、次に補正用画像が付着するまで、少なくとも4回転する。従って、当該クリーニングローラの補正用画像が付着した箇所は、次に補正用画像が付着するまでに、2次クリーニング部材によって、少なくとも4回はクリーニングされる。よって、像担持体の表面は、クリーニングローラによって、良好にクリーニングされる。
【0021】
請求項6に記載の画像形成装置によると、補正用画像の長さL、形成周期Tに応じて、担持体の移動速さに対する前記クリーニングローラの周速の比Vを変更することで、より良好な補正用画像のクリーニングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】カラーレーザプリンタの側断面図を表す。
【図2】(a)第1パターンを表す図である。(b)第2パターンを表す図である。
【図3】第1パターンのパッチ長さLとパッチ形成周期Tを示す図である
【図4】(a)所定のパッチ長さL、パッチ形成周期Tで形成された第1パターンを表す。(b)クリーニングローラ22の1周目から5周目のそれぞれにおいて、クリーニングローラ上に吸着されたパッチQの位置関係を表す図である。
【図5】パッチ長さL、パッチ形成周期Tを一定とし、R/Vの値をかえた場合のクリーニングローラ22上に吸着されたパッチの位置関係を表す図である
【図6】パッチ長さL、パッチ形成周期Tを一定とし、R/Vの値をかえた場合のクリーニングローラ22上に吸着されたパッチの位置関係を表す図である。
【図7】実施例における第一パターンを表す図である。(第1例)
【図8】実施例における第一パターンを表す図である。(第2例)
【図9】濃度補正用のパッチを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
1.プリンタの全体構成
図1は、本発明の画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの側断面図である。以下、図面に定義される方向(上下、前後)を用いて実施形態の説明を行う。
【0024】
このカラーレーザプリンタ1は、タンデム型のカラーレーザプリンタである。本体ケーシング2内には、4つのプロセス部3が並列に配置されている。プロセス部3は、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色に対応して設けられ、後述する搬送ベルト10による用紙Pの搬送方向(前後方向)に、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの順に並べられている。また、プロセス部3の上方には、各色に対応した4本のレーザビームを出射する露光器4が配置されている。
【0025】
なお、図1において、各色のプロセス部3について、それらの参照符号の末尾に各色を表すK(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)を付している。
【0026】
各プロセス部3は、感光ドラム5、スコロトロン型帯電器6、現像ローラ7およびドラムクリーニングローラ8を備えている。感光ドラム5の回転に伴って、感光ドラム5の表面は、スコロトロン型帯電器6によって一様に帯電された後、露光器4からのレーザビームにより選択的に露光される。この露光によって、感光ドラム5の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム5の表面に静電潜像が形成される。現像ローラ7には、現像バイアスが印加されている。静電潜像が現像ローラ7に対向すると、静電潜像と現像ローラ7との間の電位差により、現像ローラ7から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム5の表面にトナー像が形成される。
【0027】
なお、露光器4に代えて、4つのLEDアレイが各プロセス部3に対応して設けられてもよい。
【0028】
また、本体ケーシング2の底部には、用紙Pを収容する給紙カセット9が配置されている。給紙カセット9に収容されている用紙Pは、各種ローラにより、像担持体の一例としての搬送ベルト10上に搬送される。搬送ベルト10は、1対の駆動ローラ11と従動ローラ12との間に掛け渡されて、4つの感光ドラム5に下方から対向して配置されている。各感光ドラム5に対して搬送ベルト10の上側部分を挟んで対向する各位置には、転写ローラ13が配置されている。搬送ベルト10上に搬送された用紙Pは、搬送ベルト10の走行により、搬送ベルト10と各感光ドラム5との間を順次に通過する。そして、感光ドラム5の表面上のトナー像は、用紙Pと対向したときに、転写ローラ13に印加された転写バイアスによって、用紙Pに転写される。
【0029】
搬送ベルト10に対して用紙Pの搬送方向における下流側には、定着部14が設けられている。トナー像が転写された用紙Pは、定着部14に搬送される。定着部14では、加熱および加圧により、トナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着した用紙Pは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ15に排出される。
【0030】
給紙カセット9と搬送ベルト10との間には、ベルトクリーナ20が設けられている。ベルトクリーナ20は、扁平な箱型のケース21を備えている。ケース21の前側には、図1に示すように、その周長がRであるクリーニングローラ22と2次クリーニング部材の一例としての回収ローラ23が互いに圧接した状態で回転可能に設けられている。クリーニングローラ22は、金属性の軸部材の周囲にシリコンゴムからなる発泡材が設けられている。そして、クリーニングローラ22が、本体ケーシング2に設けられた後述するメインモータ60からの駆動力により駆動される。また、クリーニングローラ22は、所定のバイアスが印加されることで、搬送ベルト10の表面に付着したトナーや紙粉が、搬送ベルト10から除去される。
【0031】
回収ローラ23は、金属製であって、クリーニングローラ22との間に所定のバイアスが印加されることで、クリーニングローラ22の表面に付着したトナー等を吸着する。更に、回収ローラ23の下側には、ゴム製の掻き取りブレード24が圧接しており、回収ローラ23の表面に付着したトナー等が、掻き取りブレード24によって掻き落とされケース21内に回収するようになっている。
【0032】
また、用紙Pへのトナー像の転写後に感光ドラム5の表面に残留するトナーは、ドラムクリーニングローラ8によって、感光ドラム5の表面から除去される。
【0033】
また、カラーレーザプリンタ1には、図1に示すように、搬送ベルト10の後側下方に光学センサ17が配置されている。この光学センサ17は、投光部と受光部を備える反射型のセンサである。
【0034】
(カラーレーザプリンタの電気的構成)
次に、カラーレーザプリンタ1電気的構成の説明をする。
【0035】
図1に示すように、カラーレーザプリンタ1は、CPU51、記憶手段52と、を有する。
【0036】
CPU51は、記憶手段52に記憶されたプログラムに従って、各構成要素を制御する。例えば、CPU51は、本体ケーシング2に設けられるメインモータ60を駆動することで、搬送ベルト10とクリーニングローラ22を回転駆動させる。
【0037】
記憶手段52には、カラーレーザプリンタ1を制御するためのプログラム等が記憶されている。また、後述する、記憶手段52には、搬送ベルト10の移動速さに対するクリーニングローラ22の周速の比V、クリーニングローラ22の円周長さをR、補正画像の長さの一例としてのパッチ長さL、補正用画像の形成間隔の一例としてのパッチ形成周期Tが予め記憶されている。
【0038】
CPU51は、クリーニングローラ22と搬送ベルト10を、搬送ベルト10の移動速さに対するクリーニングローラ22の周速の比が所定値Vとなるように、メインモータ60によって回転する。
【0039】
CPU51は、予め定められたタイミングで、搬送ベルト10上に各種の画像形成条件を補正するための補正用画像を形成する。予め定められたタイミングとは、例えば、前回補正用画像を形成したときからの経過時間、または、画像形成を行った用紙Pの枚数などが、ある基準値に達した場合が挙げられる。
【0040】
CPU51は、例えば、図2(a)、図2(b)に示すように、搬送ベルト10上に画像形成位置を補正するために第1パターン100と第2パターン110を形成する。第1パターン100および第2パターン110は、上記のタイミングで、プロセス部3によって形成される。
【0041】
第1パターン100は、搬送ベルト10の移動方向における画像形成位置のずれを検出されるために使用される。具体的には、第1パターン100は、棒状の左右方向に伸びる、各色の複数のパッチQによって形成される。パッチQは、搬送ベルト10の移動方向(回転方向)に所定の長さを持って形成される。更に、パッチQは、隣り合うパッチQ間の距離が、搬送ベルト10の移動方向に所定の間隔(周期)となるように規則的に形成される。
【0042】
第2パターン110は、搬送ベルト10の移動方向と直交する方向(図1において紙面に対して垂直な方向である左右方向)における、画像形成位置のずれ量を検出するために使用される。具体的には第2パターン110は、搬送ベルト10の移動方向に対して角度を有する、棒状のパッチQにより構成される。
【0043】
そして、第2パターン110のパッチQは、第1パターン100と同様に、隣り合うパッチQ間の距離が、搬送ベルト10の移動方向に所定の周期となるように、規則的に形成される。
【0044】
光学センサ17は、搬送ベルト10上に形成された第1パターン100と第2パターン110を検出する。そして、検出の結果、CPU51は、各色の画像形成位置が、理想的な位置に対してどの程度ずれているかを導き出し、周知の方法を用いて画像形成条件の例であるレーザ光の露光位置の調整を行う。
【0045】
(パッチの形成とそのクリーニングについての詳細な説明)
次に、図3を用いて、搬送ベルト10上へのパッチQの形成方法や、クリーニングローラ22によるパッチQの除去について説明する。以下の説明では、第1パターン100を用いて実施形態の説明をする。第2パターン110については、第1パターン100と同一の思想に基づいて形成されるため説明を省略する。
【0046】
CPU51は、搬送ベルト10の移動方向に沿ってパッチQを形成する。また、CPU51は、クリーニングローラ22の回転軸線方向において略同じ位置となるように、搬送ベルト10上にパッチQを形成する。本実施形態においては、パッチQは、クリーニングローラ22の回転軸線方向において、搬送ベルト10上の端部側に形成される。
【0047】
CPU51によって形成された複数のパッチQは、搬送ベルト10移動方向において所定長さL、所定周期Tを有する。ここでパッチ形成周期Tは、図3においては、注目するパッチQの搬送ベルト10の移動方向下流側端部から、当該パッチQと隣接するパッチQの、搬送ベルト10の移動方向下流側端部までの距離をいう。
【0048】
そして、クリーニングローラ22の円周長がRである場合、パッチQの長さL、パッチQの形成周期T、搬送ベルト10の移動速さに対するクリーニングローラ22の周速の比Vは、自然数をn、Nとして次の関係式を満たす。
(T×N+L)/n≦R/V≦(T×(N+1)−L)/n・・・数式(1)
数式(1)において、T、L、Rの単位は、長さの単位である。
【0049】
(本発明の基本的概念の説明)
ここで、適宜図面を参照しながら、数式(1)を用いた本発明の基本的概念の説明を行う。
【0050】
図4(a)は、搬送ベルト10上に形成されたパッチQを表す。図4(b)は、クリーニングローラ22上に移動されたパッチQの位置関係を表す概念図である。図4(a)において搬送ベルト10は、紙面下方から上方に移動している。
【0051】
図4(a)にしめすように、パッチQは、搬送ベルト10上に、所定のパッチ長さL、パッチ形成周期Tとなるように形成されている。具体的には、パッチQは、パッチ長さLを1とした場合、パッチ形成周期Tが4となるように、搬送ベルト10の移動方向に沿って形成されている。
【0052】
そして、パッチQに示される番号は、第1パターン100の、搬送ベルト10の移動方向において最も下流側に位置するパッチQから数えた順番を表す。即ち、パッチQに示される番号は、クリーニングローラ22によって、搬送ベルト10上から除去される順番を示す。
【0053】
図4(b)に示す1つの長方形120は、クリーニングローラ22の表面を展開し、模式的に表したものである。図4に示すように、1つの長方形120の縦方向の長さは、クリーニングローラ22の周長Rを、搬送ベルト10の移動速さに対するクリーニングローラ22の周速の比Vで除した値、即ち数式(1)におけるR/Vである。つまり、1つの長方形120の縦方向の長さは、クリーニングローラ22が1回転する間に、搬送ベルト10が移動する長さを表す。
【0054】
そして、長方形120は、縦方向の長さを点線にて等分割され、複数のマスに分割されている。このマス1つ分の縦方向の長さは、パッチQの長さL=1に対応する。そして、R/V=11とした場合についてのパッチQのクリーニングについて、図4(b)を用いて説明する。
【0055】
図4(b)には、上記のように定義される5つの長方形120A〜長方形120Eが記載され、それぞれの長方形120は有色のマスがあり、有色のマスはパッチQが吸着された箇所をあらわす。
【0056】
そして、長方形120A〜長方形120Eは、この順番に、クリーニングローラ22のそれぞれの周回(1周目〜5周目)で、パッチQがクリーニングローラ22上に吸着される箇所を模式的に表したものである。
【0057】
具体的には、長方形120Aは、クリーニングローラ22が、図4(a)に示す第1パターン100の先頭のパッチQを吸着してから、1周する間に吸着したパッチQの位置関係を表す。クリーニングローラ22は、1周する間に、1番目から3番目のパッチQを吸着する。
【0058】
そして、長方形120Bは、クリーニングローラ22が2周目に吸着するパッチQの、クリーニングローラ22表面上における位置関係を表す。クリーニングローラ22は、2周目の回転で4番目から6番目のパッチQを吸着する。4番目から6番目のパッチQは、1周目にクリーニングローラ22上にパッチQが吸着した箇所と隣接した箇所に吸着される。
【0059】
同様に、長方形120Cは、クリーニングローラ22の3周目に、吸着されるパッチQの位置関係を表す。クリーニングローラ22の3周目は、7番目から9番目のパッチQがクリーニングローラ22上に吸着される。3周目に吸着されるパッチQは、それぞれ前の周回時にパッチQが吸着された箇所に隣接した箇所で、前の周回までにパッチQが吸着されていない箇所に吸着される。
【0060】
そして、クリーニングローラ22が4周目に入ると、10番目のパッチQが7番目のパッチQと2番目のパッチQとの間に吸着され、11番目のパッチQが8番目と3番目のパッチQとの間に吸着される。そして、12番目に回収されるパッチQは、1周目の1番目のパッチQと同じクリーニングローラ22上の箇所で回収される。即ち、クリーニングローラ22は、5周目で1周目にパッチQを吸着した箇所と重なる箇所でパッチQを吸着する。
【0061】
このように、クリーニングローラ22が1番目のパッチQを吸着してから、クリーニングローラ22が5周目に入るまでの間、クリーニングローラ22は、搬送ベルト10上のパッチQを、1周目から4周目に回収された位置とは異なる位置で吸着している。
【0062】
そして、図5に示す長方形120は、図4(b)に示す長方形120A〜長方形120Eを重ね、1つの長方形で吸着されたパッチQの位置関係を表したものである。また、図5には、R/Vの値を変化させた場合の、長方形130から長方形170が記載されている。長方形130〜長方形170のR/Vの値は、順に、12、13、14、15、16である。
【0063】
長方形130から長方形170は、パッチ長さL=1とパッチ形成周期T=4に固定し、長方形120と同様に、1つに長方形でクリーニングローラ22上に吸着されたパッチQの位置関係を表している。
【0064】
例えば、図5に示す長方形130、長方形170は、そのR/Vの値がパッチ形成周期Tの倍数であることから、パッチQは、クリーニングローラ22の2周目の回転で、1周目にパッチQが吸着されたクリーニングローラ22上の箇所と重なる箇所で、クリーニングされていることが分かる。
【0065】
また、長方形150のR/Vの値は14である。図5より、クリーニングローラ22は、1周目で1番目から4番目までのパッチQを吸着し、2周目で5番目から7番目までのパッチQを吸着し、3周目に吸着する8番目のパッチQを、1周目の1番目に吸着したパッチQと同じ箇所で吸着している。即ち、クリーニングローラ22は、3周目で初めて、1周目にパッチQを吸着した箇所と重なる箇所で、パッチQを吸着している。
【0066】
また、長方形140と長方形160は、クリーニングローラ22の1周目で1番目から4番目までのパッチQを吸着している。そして、長方形140においては、3周目までに13番目のパッチQを吸着し、4周目に吸着される14番目のパッチで初めて、1番目に吸着したパッチQの箇所と重なる。
【0067】
長方形160も同様に、クリーニングローラ22は、1周目から3周目にかけて1番目から15番目のパッチQを順次吸着していき、4周目に吸着される16番目のパッチで初めて、1番目に吸着したパッチQの箇所と重なる。
【0068】
そして、図5の長方形120から長方形170に示される条件で、パッチQが形成され、クリーニングローラ22によってパッチQがクリーニングされる場合、数式(1)は、11≦R/V≦16において、次の数式(2)で表される。
【0069】
(4×N+1)/n≦R/V≦(4×(N+1)−1)/n・・・数式(2)
ここで、数式(2)において、n=1を代入する。このとき、数式(2)は、N=2において9≦R/V≦11、N=3において13≦R/V≦15、N=4において17≦R/V≦19である。図5においてこれを満たすR/Vの値は、11、13,14,15である。
【0070】
これは、例えば、長方形140から長方形170において、R/Vの値は、4番目のパッチQが形成される位置から、5番目のパッチQが形成される位置からパッチ長さL分戻った位置までの間にあればよいことを表している。言い換えると、N=3のときのR/Vの値は、4周期分のTの値より、少なくともパッチ長さL分短い必要がある。
【0071】
これにより、少なくともクリーニングローラ22の2周目に吸着されるパッチQは、1周目に吸着されたパッチQの間の箇所で吸着される。従って、パッチQは、クリーニングローラ22のn+1周目、即ち2周目において、1周目にパッチQが吸着されたクリーニングローラ22上の箇所と重ならない箇所で吸着される。
【0072】
次に、数式(2)において、n=2を代入する。このとき、数式(2)は、N=5において10.5≦R/V≦11.5、N=6において12.5≦R/V≦13.5、N=7において14.5≦R/V≦15.5、N=8において16.5≦R/V≦17.5である。
【0073】
すると、R/Vの値は、N=5のとき、10.5≦R/V≦11.5となる。このとき、数式(2)は、n=1において数式(3)を満たなかった、R/V=10.5を持たす。
【0074】
これは、n=2における数式(2)は、クリーニングローラ22が3周目で1番目に吸着されたパッチQと重ならないための条件だからである。しかし、R/V=14のときは、3周目で1番目のパッチQと重ならないものの、2周目において1番目のパッチQと重なる位置でパッチQは、吸着されている。
【0075】
このため、クリーニングローラ22上で、3周目において吸着されるパッチQが、1周目において吸着される箇所と重ならないためには、n=1とn=2のときの数式(2)を同時に満たすR/Vの値があることが必要である。このR/Vの値は、11、13、15である。
【0076】
従って、R/V=11、13、15の場合は、n+1周目、即ち3周目のクリーニングローラ22の回転時にパッチQを吸着する箇所が、1周目にパッチQが吸着された箇所と重なることを防ぐことができる。
【0077】
一方で、数式(2)は、n=2を代入したときにおいて、R/V=14を満たすNの値が存在しない。従って、R/V=14のとき、クリーニングローラ22は、3周目で初めて、1周目にパッチQを吸着した箇所と重なる箇所でパッチQを吸着する。これは、R/V=14の場合は、クリーニングローラ22が2回転することで、クリーニングローラ22の回転量が、パッチ形成周期Tの整数倍となるためである。
【0078】
次に、数式(2)において、n=3を代入する。このとき数式(2)は、N=8のとき11.0≦R/V≦11.7、N=9のとき12.3≦R/V≦13.0、N=11のとき15.0≦R/V≦15.7である。従って、n=3のときR/V=11、13、15それぞれにおいて、Nの値が存在する。従って、R/V=11、13、15の場合は、n+1周目、即ち4周目のクリーニングローラ22の回転時にパッチQを吸着する箇所が、1周目にパッチQが吸着された箇所と重なることを防ぐことができる。
【0079】
次に、数式(2)において、n=4を代入する。このときクリーニングローラ22は、4回転し、R/Vの値は、必ずパッチ形成周期T=4の倍数となる。従って、クリーニングローラ22は、5周目で初めて、1周目にパッチQを吸着した箇所と重なる箇所でパッチQを吸着する。
【0080】
次に、図6を用いて、クリーニングローラ22によるパッチQのクリーニングについて説明する。
【0081】
図6は、パッチ長さL=3、パッチ形成周期T=11とした場合の、クリーニングローラ22上に吸着されたパッチQの位置関係を表す図である。図6において、パッチ長さLは、マス3つ分の縦方向の長さに相当している。
【0082】
図6に示す長方形220から長方形300は、それぞれR/Vの値が異なり、順番に、22〜30の値である。
【0083】
例えば、長方形200は、R/V=22でパッチ形成周期Tの整数倍となるため、クリーニングローラ22は、2周目に吸着されるパッチQを、1周目に吸着した箇所と重なる箇所でパッチQを吸着している。
【0084】
長方形210、長方形220は、3番目に吸着されるパッチQが、クリーニングローラ22の一回の間に、吸着されきらず、2周目の1番目に吸着された箇所にまたがっている。
【0085】
そして、長方形250から長方形300では、パッチQは、クリーニングローラ22の1周目に吸着された箇所とは重ならない箇所で吸着されている。また、R/Vの値が増えるにつれ、2周目以降に吸着されたパッチQの位置が、R/Vの増加量分だけずれているのが分かる。
【0086】
図6の長方形220から長方形300に示される条件で、パッチQがクリーニングローラ22によってクリーニングされる場合、数式(1)は、22≦R/V≦30において、
(11×N+3)/n≦R/V≦(11×(N+1)−3)/n・・・数式(3)
が、成り立つ。
【0087】
ここで、数式(3)において、n=1を代入する。このとき、数式(3)は、N=2のとき、25≦R/V≦30となる。例えば、長方形250は、R/Tの値がパッチ形成周期Tの整数倍となる長方形220からパッチ長さL分だけR/Vの値が増加している。そのため、クリーニングローラ22は、1周目にパッチQを吸着した箇所とは重ならない箇所で、パッチQを吸着することが出来る。
【0088】
長方形230から長方形300も同様であり、クリーニングローラ22は、1周目にパッチQを吸着した箇所とは重ならない箇所で、パッチQを吸着することが出来る。
【0089】
次に、数式(3)において、n=2を代入する。すると、R/Vの値は、N=4のとき、23.5≦R/V≦26となり、N=5のとき、29≦R/V≦31.5となる。このとき、数式(3)は、n=1において数式(3)を満たなかった、R/V=24を満たす。
【0090】
これは、n=2における数式(2)は、クリーニングローラ22が3周目に1番目に吸着されたパッチQと重ならないための条件だからである。しかし、R/V=24のときは、3周目で1番目のパッチQと重ならないものの、2周目において1番目のパッチQと重なる位置でパッチQは、吸着されている。
【0091】
このため、クリーニングローラ22上で、3周目において吸着されるパッチQが、1周目において吸着される箇所と重ならないためには、n=1とn=2のときの数式(2)を同時に満たすR/Vの値があることが必要である。
【0092】
従って、R/V=25、26、29、30のときは、クリーニングローラ22上で、3周目において吸着されるパッチQが、1周目および2周目において吸着される箇所と重ならない。
【0093】
R/V=27、28のときは、クリーニングローラ22は、3周目で初めて、1番目に吸着されたパッチQと重なる位置で、パッチQを吸着する。
【0094】
更に、数式(3)において、n=3を代入する。すると、R/Vの値は、N=7のとき、24.6≦R/V≦26.7であり、N=8のとき28.3≦R/V≦30.3である。従って、n=3のとき、n=1およびn=2をみたし、かつ、n=3のときも数式(6)を満たすR/Vの値は存在しない。従って、R/V=25、26、29、30のときにおいても4周目で、クリーニングローラ22は、1周目にパッチQを吸着した箇所と重なる箇所で、パッチQを吸着する。
【0095】
ここで、図5や図6より、n+1周目でパッチQをn周目までに吸着した箇所と重ならないようにするためには、n+1<T/Lを満たす必要があることが分かる。つまり、式(1)でnを1から任意のnまですべて満たすNが存在するには、n+1<T/Lを満たす必要がある。
【0096】
以上のように、数式(1)を満たすように、パッチQの長さL、パッチ形成周期T、クリーニングローラ22の円周長さR、搬送ベルト10の移動速さに対するクリーニングローラ22の周速の比V、を決定することで、クリーニングローラ22は、注目するパッチQの付着したクリーニングローラ22表面の箇所に、次にパッチQが付着するまでに、少なくともn+1回転する。従って、周回ごとにクリーニングローラ22表面上の同じ箇所で、補正用画像を除去することを防ぎ、効果的なクリーニングが可能となる。
【0097】
また、回収ローラ23を設けることで、回収ローラ23は、クリーニングローラ22上のパッチQが吸着した箇所を、次にパッチQが吸着されるまでにn+1回クリーニングすることが出来る。
【0098】
従って、クリーニングローラ22上のパッチQが付着した箇所は、次にパッチQが付着するまでに、十分にクリーニングされる。よって、クリーニングローラ22は、良好に搬送ベルト10上のパッチQを除去することが出来る。
【0099】
ただし、上記のモデルにおいて、搬送ベルト10上に形成されたパッチQが、クリーニングローラ22上で、理想的な位置関係で吸着されるためには、パッチQは、クリーニングローラ22と搬送ベルト10との接触部の一点で完全に吸着されなければならない。
【0100】
実際には、搬送ベルト10の移動速さとクリーニングローラ22の周速とが異なり、特に本実施形態のように、クリーニングローラ22と搬送ベルト10とが、お互いの接触位置において、逆向きに回転する場合は、接触部でトナーを引きずるようなことが起こる。そのため、実際にクリーニングローラ22上に吸着されたパッチQの長さLは、搬送ベルト10上に形成されたパッチQの長さLよりも若干長くなることが考えられる。
【0101】
従って、例えば図4(b)において、クリーニングローラ22の1周目に吸着されたパッチQ(1番目〜3番目)は、隣接するマスに、若干はみ出して吸着されることが考えられる。
【0102】
しかし、クリーニングローラ22上に吸着されたパッチQの長さLが長くなることから、隣接するマスにはみ出して付着されたパッチQのトナー量は、僅かで有る。従って、隣接するマスにはみ出して付着されたパッチQによるトナーは、クリーニングローラ22が2周目に入る前に、回収ローラ23によって除去される。従って、2周目に吸着されるパッチQが、1周目に吸着された箇所と隣接した箇所であっても、クリーニングローラ22は、搬送ベルト10上からパッチQを除去することが出来る。
【0103】
(具体的実施例の説明)
次に、具体的な実施例について適宜図面を参照しながら説明をする。以下の実施例において、クリーニングローラ22の円周長さRは、47.12mmである。
【0104】
図7は、搬送ベルト10上に複数のパッチQによって形成された、第1パターン100を表す。
【0105】
図7に示すように、第1パターン100は、パッチQの長さLが1.80mm、パッチ形成周期Tが4.00mmとなるように搬送ベルト10上に形成される。そして、搬送ベルト10の移動速さに対するクリーニングローラ22の周速の比は、1.57となるように、CPU51によって制御されている。このとき、R/Vの値は、30.0となる。
【0106】
上記の値を式(1)に代入すると次式に様になる。
(4×N+1.8)/n≦30.0≦(4×(N+1)−1.8)/n・・・数式(4)数式(4)は、n=1とすると、N=7で29.8≦30.0≦30.2となり満たす。同様にn=2とすると、N=14のとき数式(4)の右辺が29.1であり、N=15のとき数式(4)の左辺が30.9となるため数式(4)を満たすNの値が存在しない。これは、T/L=2.22であることからも分かる。
【0107】
従って、図7に示す条件において、数式(4)を満たすnは1のみであるから、クリーニングローラ22は、n+1周目即ち2周目で、1番目にパッチQが付着した箇所と重ならない箇所でパッチQを吸着できる。
【0108】
そして、クリーニングローラ22は、3周目において、クリーニングローラ22の1番目のパッチQが吸着された箇所と重なって吸着される。
【0109】
図8は、搬送ベルト10上に複数のパッチQによって形成された、第1パターン100を表す。
【0110】
図8に示すように、第1パターン100は、パッチ長さLが1.8mm、パッチ形成周期Tが8mmとなるように搬送ベルト10上に形成される。そして、搬送ベルト10の移動速さに対するクリーニングローラ22の周速の比は、1.57となるように、CPU51によって制御されている。このとき、R/Vの値は、30.0となる。
【0111】
上記の条件を数式(1)に代入すると次式のようになる。
(8×N+1.8)/n≦30.0≦(8×(N+1)−1.8)/n・・・数式(5)
数式(5)は、n=1、2、3のとき、それぞれ、N=3、7、11を代入することで数式(5)を満たす。
【0112】
具体的には、n=1のときN=3で25.8≦30.0≦30.2であり、n=2のときN=7で28.9≦30.0≦31.1であり、n=3のときN=11で29.9≦30.0≦31.4である。
【0113】
そして、数式(5)は、n=4のとき、N=14で左辺が29.55となり、N=15で右辺が30.45となる。そのため、n=4のとき数式(7)を満たすNは存在しない。これは、T/L=4.44なのでn=4のときn+1<T/Lを満たさないことからも分かる。従って、クリーニングローラ22は、5周目で初めて、1番目にパッチQを吸着した箇所と重なる箇所で、パッチQを吸着する。
【0114】
即ち、数式(5)を満たす最大のnの値は3であるから、クリーニングローラ22のn+1周目即ち4周目で1番目のパッチQと重なる箇所でパッチQが吸着されることを防ぐことが出来る。
【0115】
<変形例>
次に図9を用いて、変形例の説明をする。変形例において、CPU51は、パッチQに加え、濃度補正用の画像であるパッチSを形成する。
【0116】
図10は、搬送ベルト10上に、所定のパッチ長さL、パッチ形成周期Tで形成された複数の濃度補正用のパッチSを表す。CPU51は、各色において、異なる濃度のパッチSを周知の方法を用いて複数形成する。図9では、5階調のパッチSが形成されていて、紙面上において、上から下に向かうにつれて、パッチSの濃度が高くなっている。
【0117】
そして、CPU51は、光学センサ17によるパッチSの検出結果から、周知の方法を用いて現像ローラ7に印加される現像バイアスや、転写ローラ13に印加される転写バイアスの補正を行う。
【0118】
図9に示すように、パッチSのパッチ長さLは12mmで、パッチ形成周期Tは、25mmである。このように、パッチQとパッチSとは、パッチ長さLとパッチ形成周期Tの値が異なる。
【0119】
そこで、変更手段としてのCPU51は、搬送ベルト10の移動速さに対するクリーニングローラの周速の比Vを、パッチQの形成時と、パッチSの形成時とで変更する。これにより、クリーニングローラ22は、搬送ベルト10上からより効率よく、パッチQおよびパッチSを除去することができる。
【0120】
例えば、CPU51は、図7に示す条件でパッチQを形成する。即ち、パッチ長さLは1.8mmであり、パッチ形成周期Tは4.0mmとする。
【0121】
そして、CPU51は、搬送ベルト10に対するクリーニングローラ22の周速の比が1.57となるように、搬送ベルト10とクリーニングローラ22の周速を制御する。この条件を数式(1)に代入したものは、数式(4)と等しい。
【0122】
一方、CPU51は、パッチQが形成されるときとは異なるときに、図9に示す条件でパッチSを形成する。このとき、CPU51は、搬送ベルト10に対するクリーニングローラ22の周速の比が1.26となるように、搬送ベルト10とクリーニングローラ22の周速を制御する。この条件において数式(1)は、次式となる。
(25×N+12)/n≦37.5≦(25×(N+1)−12)/n・・・数式(6)
数式(1)は、n=1のときN=1で37≦37.5≦38となり、これを満たすNが存在する。また、n=2のときは、数式(6)を満たすNが存在しない。従って、クリーニングローラ22は、3周目で、1周目にパッチSが付着した箇所と重なる箇所で、パッチSを吸着する。
【0123】
一方、搬送ベルト10に対するクリーニングローラ22の周速の比Vの値を1.26、即ちR/V=30.0としてパッチSを除去する場合、数式(1)は、
(25×N+12)/n≦30.0≦(25×(N+1)−12)/n・・・数式(7)となるが、これを満たすn、Nは、存在しない。
【0124】
このように、形成されるパッチQ、Rのパッチ長さLやパッチ形成周期Tに応じて、CPU51は、搬送ベルト10に対するクリーニングローラ22の周速の比Vを変更することで、良好に搬送ベルト22上のパッチQ、Rを除去することが出来る。
【0125】
また、本実施形態では、搬送ベルト10上にパッチQ、Rを形成したが、画像形成装置の形態によっては、感光ドラム上や、中間転写ベルト(または中間転写体)上にパッチQ、Rを形成し、光学センサ等で検出を行ってもよい。
【0126】
また、クリーニングローラ22は、表面がブラシで形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0127】
10 搬送ベルト
17 光学センサ
22 クリーニングローラ
23 回収ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に回転移動する像担持体と、前記所定方向において前記像担持体上に、画像形成条件を補正するための複数の補正用画像を形成する補正用画像形成手段と、前記像担持体上の補正用画像を清掃するクリーニングローラと、を備え、
前記クリーニングローラの円周長さをR、前記像担持体の移動方向における前記補正用画像の長さをL、前記像担持体の移動方向における前記補正用画像の形成間隔をT、前記像担持体の移動速さに対する前記クリーニングローラの周速の比をV、nを正の整数とした場合、1から任意の値nまでの全ての値において、それぞれの前記nに対して以下の数式(1)を満たす正の整数Nが存在するように構成されたことを特徴とする画像形成装置。
(T×N+L)/n≦R/V≦(T×(N+1)−L)/n・・・数式(1)
【請求項2】
前記クリーニングローラと接触して配置され、前記クリーニングローラの表面を清掃する2次クリーニング部材を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記nの値が1であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記nの値が2であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記nの値が3であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記担持体の移動速さに対する前記クリーニングローラの周速の比Vを変更する変更手段を有し、
前記補正用画像形成手段は、前記補正用画像の長さLと、前記補正用画像形成周期Tとがそれぞれで異なる、記録媒体に対する各色の画像形成位置を補正するための位置補正用画像と、記録媒体に形成される画像の濃度を補正するための濃度補正用画像と、を形成し、
前記変更手段は、前記位置補正用画像が形成されたときと、前記濃度補正用画像が形成されたときとで、前記像担持体の移動速さに対する前記クリーニングローラの周速の比Vを変更することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−73320(P2012−73320A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216672(P2010−216672)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】