説明

画像形成装置

【課題】容易で、かつ専用の部材を使用することなく長尺シートを積載支持することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】手差しトレイ11が開放された際、手差しトレイ11を、載置されたシートが手差し給紙ローラ12により給送され、中間搬送ガイド13により案内されてシート給送ローラ3に向かう第1開放位置に保持する。また、開放された手差しトレイ11にシート給送方向の長さが所定の長さよりも長い長尺シートが載置される際には、手差しトレイ11を第2開放位置に保持し、長尺シートが中間搬送ガイド13と給紙カセット2の間を通過してシート給送ローラ3に向かうようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に手差し給紙により長尺のシートを給送するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置としては、電子写真画像形成方式を用いてシートに画像を形成するものがあり、このような画像形成装置としては、複写機、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ、フアクシミリ装置及びワードプロセッサ等がある。このような従来の画像形成装置では、使用頻度の高い定形紙を、所定の枚数積載可能な給紙カセットに積載して給送し、厚紙に代表される使用頻度の低い定形紙や、長尺紙等の定形紙以外の特殊なシートは、手差しトレイに積載して給送するのが一般的である。
【0003】
しかし、省スペース化を図る画像形成装置において、手差しトレイは、画像形成装置本体の正面または一側面の一部を開くことでシートを積載する構成や、給紙搬送路に直接シートを挿入する構成となっている。そして、このように構成した場合、使用頻度の低い長尺シートは全長を手差しトレイに載置することが出来ず、シート給送方向上流端部である後部が手差しトレイからはみ出すこととなる。
【0004】
このため、従来は、長尺シートを給送する際、使用者が長尺シートの後部を手で保持するようにしていたが、この場合、シートの給送時の姿勢が不安定となるため、シートが斜行したり、シートの斜行に伴ってシートにしわ等が発生したりする恐れがあった。また、長尺シートに対する画像形成が終了するまで、使用者が画像形成装置から離れられないという問題があった。
【0005】
そこで、このような長尺シートを給送する際の問題を改善するため、従来、例えば円筒状のシートホルダを備え、長尺シートを円筒状に丸めて積載するようにしたものがある(特許文献1参照)。また、長尺シートを手差しトレイに積載した際に、手差しトレイの載置面よりはみ出す部分をU字状に曲げてその下面をシート受け部材により支持するようにしたものがある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−301582号公報
【特許文献2】特開平5−238607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このような従来の画像形成装置において、例えば、長尺シートを円筒状に巻いて積載する場合、予め長尺シートを円筒状に丸める作業が必要であった。また、円筒状に丸めることにより、長尺シートに丸まり癖がつき、給送途中でジャムが発生しやすいという問題もあった。
【0008】
また、長尺シートを積載した際、手差しトレイからはみ出す部分をU字状に曲げてその下面をシート受け部材により支持する場合は、使用頻度の低い長尺シート専用の部材を設ける必要がある。このため、コスト増を招く恐れや、長尺シートを印字しない使用者にはシート受け部材用のスペースが無駄となる恐れがあった。
【0009】
そこで本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、容易で、かつ専用の部材を使用することなく長尺シートを積載支持することのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、画像形成部と、装置本体の側面に開閉自在に設けられた手差しトレイと、前記装置本体に設けられたシート収納部に収納されたシートを前記画像形成部に給送するシート給送ローラと、を備え、前記手差しトレイに載置されたシートを前記シート給送ローラにより前記画像形成部に給送する画像形成装置において、前記シート収納部の上方に設けられ、前記手差しトレイに積載されたシートを前記シート給送ローラに案内するシート搬送ガイドを備え、シート給送方向の長さが所定の長さよりも長い長尺シートを、前記シート搬送ガイドと前記シート収納部の間を通過させて前記シート給送ローラに向かわせることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のように、長尺シートを、シート搬送ガイドとシート収納部の間を通過させてシート給送ローラに向かわせるようにすることにより、容易で、かつ専用の部材を使用することなく長尺シートを積載支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるカラーレーザビームプリンタの概略構成を示す図。
【図2】上記カラーレーザビームプリンタの斜視図。
【図3】上記カラーレーザビームプリンタの手差しトレイの構成を説明する図。
【図4】上記手差しトレイの2つの開放位置を示す図。
【図5】上記手差しトレイを第2開放位置に設定した状態を示す図。
【図6】上記手差しトレイを第2開放位置に設定したときのシートの動きを説明する図。
【図7】上記手差しトレイを第1開放位置及び第2開放位置に設定したときのシート載置面の長さの差を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるカラーレーザビームプリンタの概略構成を示す図であり、図2は、その斜視図である。図1及び図2において、1はカラーレーザビームプリンタ、50はカラーレーザビームプリンタ本体(以下、プリンタ本体という)である。このカラーレーザビームプリンタ1は、画像を形成する画像形成部1A、シート給送部1B、定着ローラ対8等を備えている。
【0014】
ここで、画像形成部1Aは、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色分、並設された4つの画像形成手段であるステーション61〜64を備えている。また、画像形成部1Aは、スキャナ部1C、無端状の中間転写体である中間転写ベルト5等を備えている。なお、各ステーション61〜64は、それぞれ回転可能に配置された感光体ドラム61a〜64a、不図示の一次帯電器、マゼンダ、イエロー、シアン、ブラックの各色トナーを収納した現像器、クリーニング部等を備えている。なお、感光体ドラム61a〜64aは、不図示の駆動モータにより画像形成動作に応じて反時計周り方向に回転するようになっており、スキャナ部1Cによる露光により表面に静電潜像が形成されるようになっている。
【0015】
一方、中間転写ベルト5は、上方に直列状に配置されたステーション61〜64の各感光体ドラム61a〜64aに接触すると共に駆動ローラ5a、テンションローラ5b等により張設されてカラー画像形成時に時計周り方向に回転する。そして、この回転により、感光体ドラム61a〜64aに形成されている各色トナー像が転写されるようになっている。
【0016】
また、この中間転写ベルト5には画像形成時に1次転写ローラ65が接触し、この1次転写ローラ65により、感光体ドラム61a〜64aに形成されている各色トナー像が中間転写ベルト5上に順次転写されるようになっている。さらに、この中間転写ベルト5上の各色トナー像は、2次転写ローラ7及び駆動ローラ5aにより構成される2次転写部によってシートS1が挟持搬送される際、シートS1に転写されるようになっている。
【0017】
また、定着ローラ対8は、転写されたトナー像をシートS1に定着させるものであり、シートS1を加熱する定着ローラ8aと、シートS1を定着ローラ8aに圧接させるための加圧ローラ8bとを備えている。そして、転写されたトナー像を保持したシートS1は定着ローラ8aと加圧ローラ8bにより搬送されると共に、定着ローラ対8を通過する際に熱及び圧力が加えられることによりトナー像が表面に定着される。
【0018】
シート給送部1Bは、画像形成装置本体であるプリンタ本体50に着脱自在に装着されたシート収納部である給紙カセット2と、給紙カセット2に収納されたシートS1を送り出すシート給送ローラ3を備えている。また、シート給送ローラ3により送り出されたシートをシート給送ローラ3と共に分離する分離部材である分離パッド3aを備えている。ここで、給紙カセット2に収納されるシートS1は定形シートである。また、本実施の形態において、給紙カセット2は、矢印Lに示す方向、すなわちプリンタ本体正面からプリンタ本体50に挿抜自在に装着されるフロントローディング構成となっている。なお、後述する手差し給紙の際の、シートS2の載置もプリンタ本体正面から行われるようになっている。
【0019】
次に、このように構成されたカラーレーザビームプリンタ1の画像形成動作について説明する。シートにカラー画像を形成する場合は、まず感光体ドラム61a〜64aを帯電させた後、不図示のコントローラから送信された各色成分の画像信号に基づいてスキャナ部1Cにより感光体ドラム61a〜64aに対して露光を行う。これにより、感光体ドラム表面に静電潜像が形成される。
【0020】
次に、この静電潜像をマゼンダ、イエロー、シアン、ブラックの各色トナーによって現像して感光体ドラム上にトナー像を形成する。そして、この後、トナー像が感光体ドラム61a〜64aの回転に伴って感光体ドラム61a〜64aと中間転写ベルト5とが当接する転写部位に到来すると、1次転写ローラ65によって1次転写バイアスを印加する。これにより、感光体ドラム上のトナー像が時計周り方向に回転している中間転写ベルト5へ1次転写される。ここで、このトナー像は、中間転写ベルト5の回転に伴いマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの順で順次中間転写ベルト上に転写され、これにより中間転写ベルト上にカラートナー画像が形成される。
【0021】
一方、このようなカラートナー画像形成動作に並行して所定のシーケンス制御タイミングにてシート給送ローラ3により給紙カセット2からシートS1が送り出される。そして、送り出されたシートS1はシート給送ローラ3に当接する分離パッド3aにより1枚に分離された後、停止状態のレジストローラ4に搬送され、このレジストローラ4により斜行が補正される。この後、レジストローラ4は、中間転写ベルト上に形成されたカラートナー画像とシートS1の先端が一致するタイミングで回転を始める。
【0022】
これにより、一旦停止したシートS1は2次転写ローラ7と駆動ローラ5aとにより構成される2次転写部に搬送され、2次転写ローラ7に印加される転写バイアスによってカラートナー画像が転写される。そして、このようにカラートナー画像が転写された後、シートS1は2次転写部から定着ローラ対8に搬送され、この定着ローラ対8で加熱及び加圧されることによってシート上にカラートナー画像が定着される。さらに、カラートナー画像が定着されたシートS1は、この後、排紙ローラ対9によりプリンタ本体上面に設けられた排紙トレイ10に排紙される。
【0023】
ところで、本実施の形態では、手差し給紙が可能となるよう、プリンタ本体50の一側面に開閉自在に設けられた手差しトレイ11と、手差しトレイ上にセットされたシートを給送する手差し給紙ローラ12とを備えた手差し給紙部1Dを備えている。そして、手差し給紙を行う場合は、プリンタ本体50の一側面、本実施の形態においてはプリンタ本体正面に設けられた手差しトレイ11を開いた後、手差しトレイ上にシートをセットする。この後、セットしたシートを手差し給紙ローラ(手差し給送ローラ)12により1枚ずつ分離給送するようにしている。
【0024】
また、手差し給紙部(手差し給送部)1Dは、手差し給紙ローラ12に圧接し、分離部を構成する不図示の分離パッドと、搬送ローラ対14,15が配置されたシート搬送ガイドである中間搬送ガイド13を備えている。ここで、この中間搬送ガイド13は、定形シートを給送する際、分離部により分離されたシートが通過するシート搬送路Rを形成するものであり、給紙カセット2の上方に設けられている。そして、この中間搬送ガイド13により、手差し給紙部1Dから給送されたシートは、プリンタ本体50の手差し給紙部1Dとは反対側の側部に配置されているシート給送部1Bに向けて案内される。また、分離パッドは中間搬送ガイド13の上流側端部に設けられている。
【0025】
なお、図1において、16は手差し給紙ローラ12により給送された手差しシートの先端を検知する先端検知センサである。そして、不図示の制御部は、先端検知センサ16からのシート先端検出信号に基づき、中間搬送ガイド上を通過したシートの先端がシート給送ローラ3による給送が可能となる符号17で示す位置に達したとき搬送ローラ対14,15を停止する。これにより、この後、シート給送ローラ3が回転すると、手差しシートがシート給送ローラ3により給送される。
【0026】
ところで、この手差しトレイ11は、図3に示すように、プリンタ本体50に設けられた給送トレイヒンジ18により、プリンタ本体50の一側面に開閉可能に支持されている。そして、本実施の形態においては、手差しトレイ11は、給送トレイヒンジ18に係合するトレイラッチ19により、図4に示すように、角度の異なるd1とd2の2つの位置に切換自在な構成となっている。ここで、d1に示す位置は定形シートを給送するときの手差しトレイ11の位置であり、d2に示す位置は、シート給送方向の長さが所定の長さよりも長い長尺シートを給送するときの手差しトレイ11の位置である。
【0027】
なお、図3は、開放された手差しトレイ11が、定形シートを給送するときの位置(以下、第1開放位置という)にあるときの状態を示している。ここで、図3において、30は手差しトレイ11のシート給送方向と直交する幅方向の端部のシートの給送を妨げない位置に立設されたガイド部材である。このガイド部材30には、給送トレイヒンジ18の先端に設けられた不図示のリブが摺動する略シート給送方向に沿って伸びた長穴31が形成されている。
【0028】
そして、手差しトレイ11が開かれる際、給送トレイヒンジ18は、このガイド部材30の長穴31に沿って摺動する。なお、手差しトレイ11が第1開放位置にあるとき、給送トレイヒンジ18はガイド部材30の長穴31の側端に当接するようになっており、これにより回動軸6を回動中心として開かれた手差しトレイ11は第1開放位置に保持される。つまり、本実施の形態において、これら給送トレイヒンジ18、ガイド部材30及びトレイラッチ19により、手差しトレイ11を第1開放位置及び後述する第2開放位置に保持する保持部32が構成される。
【0029】
また、図3において、22は手差しトレイ11のシート給送方向下流側に昇降可能に設けられた昇降板である。ここで、手差しトレイ11が、第1開放位置にあるとき、手差しトレイ上のシートが手差し給紙ローラ12に圧接する事がないよう、手差しトレイ上のシートは給紙カム21に圧接している。言い換えれば、定形シートの給送時には、手差しトレイ上のシートが給紙カム21に圧接するように第1開放位置が設定されている。そして、このように手差しトレイ上のシートが給紙カム21に圧接することにより、手差しトレイ上のシートは、給紙カム21により、手差し給紙ローラ12よりもシート給送方向下流に移動することなく、停止している。
【0030】
一方、図5は、開放された手差しトレイ11が、d2に示す長尺シート給送時の位置(以下、第2開放位置という)にあるときの状態を示している。このとき、手差し給紙ローラ12の給紙カム21と昇降板22との間には、シートの通過が可能な隙間Gが形成されるようになっている。言い換えれば、長尺シートの給送時には、手差し給紙ローラ12と手差しトレイ11との間にシートの通過が可能な隙間Gが形成されるように第2開放位置が設定されている。
【0031】
そして、このように手差し給紙ローラ12との間に隙間Gが形成されることにより、図6に示すように、手差しトレイ上にセットされたシートS2は、この隙間Gを通過した後、中間搬送ガイド13の下方を通過して給紙カセット2の載置面へと導かれる。つまり、手差しトレイ11を第2開放位置に設定した場合、手差しトレイ11、給紙カセット2の載置面及び手差しトレイ11から給紙カセット2の載置面に到るまでの搬送路をシート載置面として用いることができる。この場合、図7に示すように、長尺シートS2の給送時のシート載置面長さT2は、定形シート給送時のシート載置面長さT1に対して2倍以上となる。なお、このとき給紙カセット2には、シートS1が積載されていても良い。
【0032】
なお、図5において、26は位置検知センサであり、この位置検知センサ26により、手差しトレイ11が第2開放位置に切換えられたことが検知される。そして、この位置検知センサ26の検知に応じて、不図示の制御部は、定着ローラ8aの温度やシート搬送中のジャム検知方法等の、給送されるシートに応じて設定される画像形成処理に関する処理モードを、長尺シートに適した処理モードへ切換える。つまり、本実施の形態においては、この検知部である位置検知センサ26の検知に基づきシートのシート給送方向の長さが所定の長さよりも長い長尺シートと判断すると、長尺シートに適した処理モードへ切換える。
【0033】
次に、このように構成された手差し給紙部1Dのシート給送動作について説明する。まず、定形シートの給送動作について説明する。この場合、まず図3に示すように回動軸6を回動中心として手差しトレイ11を開く。なお、このとき給送トレイヒンジ18は、既述した図5に示す位置からトレイラッチ19をラッチバネ20に抗して押し下げながらトレイラッチ19を通過してトレイラッチ19との係止が解除された状態となる。これにより、手差しトレイ11は、第1開放位置に保持される。なお、このようにトレイラッチ19との係止が解除されたとき、給送トレイヒンジ18はガイド部材30の長穴31により移動が規制され、これにより手差しトレイ11は第1開放位置に保持される。
【0034】
次に、手差しトレイ11上に手差しシートをセットし、この後、給紙カム21が回転することにより、昇降板22上のシートの先端部分が手差し給紙ローラ12に当接し、手差し給紙ローラ12によりシートの給送が開始される。この後、手差しシートは、1枚ずつ分離給送され、搬送ローラ対14,15によって図1に示す中間搬送ガイド13上を通過する。
【0035】
次に、先端検知センサ16によりシート先端位置が検出されると、制御部は、手差しシートを、この検出信号に基づいてシート先端位置がシート給送ローラ3による給送が可能となる位置で止める。この後、シート給送ローラ3を回転させることにより、手差しシートを再度給送する。この後、手差しシートは、既述した給紙カセット2から給送されたシートと同様に、画像が形成され、排紙トレイ10に排出される。
【0036】
ここで、本実施の形態のように、手差し給紙部1Dにより送り出された手差しシートをシート給送ローラ3によって搬送する場合、手差しシートは手差し給紙部1Dから給送されるときに手差し給紙ローラ12と分離パッドとにより構成される分離部を通過する。また、この後、シート給送部1Bのシート給送ローラ3と分離パッド3aとにより構成される他の分離部を通過する。つまり、手差し給紙部1Dにより手差しシートを給送する場合、手差しシートは2つの分離部を通過することになる。そして、このように構成にすることにより、手差し給紙部1Dにおいて重送が発生した場合でも、シート給送部1Bにより、手差しシートは1枚ずつ分離給送されるので、重送を防止することができる。
【0037】
次に、長尺シートの給送動作について説明する。この場合、まず図5に示すように手差しトレイ11を、回動軸6を回動中心として開く。なお、開かれた手差しトレイ11は、トレイラッチ19を乗り越えることなく、ラッチバネ20により付勢されたトレイラッチ19により給送トレイヒンジ18が係止されることで、第2開放位置に保持される。
【0038】
次に、手差しトレイ11上にシートをセットする。ここで、手差しトレイ11が、第2開放位置にあるとき、図6に示すように、セットされた手差しシートS2は、隙間Gを通過した後、中間搬送ガイド13の下方を通過して給紙カセット2へと導かれる。なお、このとき、手差し給送ローラ12によるシートの給送は行われない。
【0039】
そして、給紙カセット2の載置面へと導かれたシートS2は、この後、中間搬送ガイド13と給紙カセット2の間を通過してシート給送ローラ3に向かい、先端がシート給送ローラ3に当接した状態で停止する。この後、シート給送ローラ3が回転することにより、手差しシートS2が給送される。この後、手差しシートS2は、既述した給紙カセット2から給送されたシートと同様に、画像が形成され、排紙トレイ10に排出される。
【0040】
このように、本実施の形態においては、手差しトレイ11に手差しシートとして長尺シートが載置された際には、長尺シートが中間搬送ガイド13と給紙カセット2の間を通過してシート給送部1Bに向かうようにしている。そして、このように長尺シートを中間搬送ガイド13と給紙カセット2の間を通過してシート給送部1Bに向かわせるようにすることにより、長尺シートを積載支持するシート載置面長さを長くすることができる。この結果、容易で、かつ専用の部材を使用することなく長尺シートを積載支持することのできるカラーレーザビームプリンタを提供することができる。
【符号の説明】
【0041】
1…カラーレーザビームプリンタ、1A…画像形成部、1B…シート給送部、1D…手差し給紙部、2…給紙カセット、3…シート給送ローラ、11…手差しトレイ、12…手差し給紙ローラ、13…中間搬送ガイド、16…先端検知センサ、18…給送トレイヒンジ、19…トレイラッチ、26…位置検知センサ、32…保持部、50…カラーレーザビームプリンタ本体、G…隙間、S1…定形シート、S2…長尺シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部と、装置本体の側面に開閉自在に設けられた手差しトレイと、前記装置本体に設けられたシート収納部に収納されたシートを前記画像形成部に給送するシート給送ローラと、を備え、前記手差しトレイに載置されたシートを前記シート給送ローラにより前記画像形成部に給送する画像形成装置において、
前記シート収納部の上方に設けられ、前記手差しトレイに積載されたシートを前記シート給送ローラに案内するシート搬送ガイドを備え、
シート給送方向の長さが所定の長さよりも長い長尺シートを、前記シート搬送ガイドと前記シート収納部の間を通過させて前記シート給送ローラに向かわせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記手差しトレイに載置されたシートを給送する手差し給送ローラと、
前記手差しトレイが開放された際、前記手差しトレイを、載置されたシートが前記手差し給送ローラにより給送され、前記シート搬送ガイドにより案内されて前記シート給送ローラに向かう第1開放位置、又は前記手差しトレイに長尺シートが載置される場合には、前記手差しトレイを、長尺シートが前記シート搬送ガイドと前記シート収納部の間を通過して前記シート給送ローラに向かう第2開放位置に保持する保持部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記手差しトレイが前記第2開放位置にあるとき、前記手差しトレイと前記シート搬送ガイドとの間には、長尺シートの通過が可能な隙間が形成され、かつ前記手差し給送ローラによるシートの給送は行われないことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記手差しトレイが前記第2開放位置にあることを検知する検知部を設け、
前記検知部の検知に基づき前記手差しトレイに載置されたシートが、長尺シートと判断することを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−100143(P2013−100143A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243443(P2011−243443)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】