説明

画像形成装置

【課題】容易で、かつ専用の部材を使用することなく長尺シートを積載支持することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】給紙カセット2に、給紙カセット2のシート給送方向上流側端部分を覆うカバー部材22を設ける。そして、給紙カセット2に、シート給送方向の長さが給紙カセット2の長さよりも長い長尺シートを収納する場合には、カバー部材22の位置を長尺シートの、給紙カセット2からはみ出す部分を支持する位置に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に手差し給紙により長尺のシートを給送するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置としては、電子写真画像形成方式を用いてシートに画像を形成するものがあり、このような画像形成装置としては、複写機、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ、フアクシミリ装置及びワードプロセッサ等がある。このような従来の画像形成装置では、使用頻度の高い定形紙を、所定の枚数積載可能な給紙カセットに積載して給送し、厚紙に代表される使用頻度の低い定形紙や、長尺紙等の定形紙以外の特殊なシートは、手差しトレイに積載して給送するのが一般的である。
【0003】
しかし、省スペース化を図る画像形成装置において、手差しトレイは、画像形成装置本体の正面または一側面の一部を開くことでシートを積載する構成や、給紙搬送路に直接シートを挿入する構成となっている。そして、このように構成した場合、使用頻度の低い長尺シートは全長を手差しトレイに載置することが出来ず、シート給送方向上流端部である後部が手差しトレイからはみ出すこととなる。
【0004】
このため、従来は、長尺シートを給送する際、使用者が長尺シートの後部を手で保持するようにしていたが、この場合、シートの給送時の姿勢が不安定となるため、シートが斜行したり、シートの斜行に伴ってシートにしわ等が発生したりする恐れがあった。また、長尺シートに対する画像形成が終了するまで、使用者が画像形成装置から離れられないという問題があった。
【0005】
そこで、このような長尺シートを給送する際の問題を改善するため、従来、例えば円筒状のシートホルダを備え、長尺シートを円筒状に丸めて積載するようにしたものがある(特許文献1参照)。また、長尺シートを手差しトレイに積載した際に、手差しトレイの載置面よりはみ出す部分をU字状に曲げてその下面をシート受け部材により支持するようにしたものがある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−301582号公報
【特許文献2】特開平5−238607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このような従来の画像形成装置において、例えば、長尺シートを円筒状に巻いて積載する場合、予め長尺シートを円筒状に丸める作業が必要であった。また、円筒状に丸めることにより、長尺シートに丸まり癖がつき、給送途中でジャムが発生しやすいという問題もあった。
【0008】
また、長尺シートを積載した際、手差しトレイからはみ出す部分をU字状に曲げてその下面をシート受け部材により支持する場合は、使用頻度の低い長尺シート専用の部材を設ける必要がある。このため、コスト増を招く恐れや、長尺シートを印字しない使用者にはシート受け部材用のスペースが無駄となる恐れがあった。
【0009】
そこで本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、容易で、かつ専用の部材を使用することなく長尺シートを積載支持することのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
シート収納部に収納されたシートを画像形成部に給送してシートに画像を形成する画像形成装置において、前記シート収納部に、シート給送方向の長さが前記シート収納部の長さよりも長い長尺シートを前記シート収納部に収納する際、長尺シートの前記シート収納部からシート給送方向上流側にはみ出す部分を支持する支持部材を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のように、シート収納部に長尺シートを収納する場合には、シート収納部に設けた支持部材によって長尺シートのシート収納部からはみ出す部分を支持することにより、容易で、かつ専用の部材を使用することなく長尺シートを積載支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるカラーレーザビームプリンタの概略構成を示す図。
【図2】上記カラーレーザビームプリンタに設けられた給紙カセットの構成を説明する図。
【図3】上記給紙カセットの後端部が飛び出したときのカラーレーザビームプリンタの状態を示す斜視図。
【図4】上記給紙カセットに長尺シートを積載する積載方法を説明する第1の図。
【図5】上記給紙カセットに長尺シートを積載する積載方法を説明する第2の図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置に設けられた給紙カセットの構成を説明する図。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置に設けられた給紙カセットの構成を説明する図。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置に設けられた給紙カセットの構成を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるカラーレーザビームプリンタの概略構成を示す図である。図1において、1はカラーレーザビームプリンタ、50はカラーレーザビームプリンタ本体(以下、プリンタ本体という)である。このカラーレーザビームプリンタ1は、画像を形成する画像形成部1A、シート給送部1B、定着ローラ対8等を備えている。
【0014】
ここで、画像形成部1Aは、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色分、並設された4つの画像形成手段であるステーション61〜64を備えている。また、画像形成部1Aは、スキャナ部12、無端状の中間転写体である中間転写ベルト5等を備えている。なお、各ステーション61〜64は、それぞれ回転可能に配置された感光体ドラム61a〜64a、不図示の一次帯電器、マゼンダ、イエロー、シアン、ブラックの各色トナーを収納した現像器、クリーニング部等を備えている。なお、感光体ドラム61a〜64aは、不図示の駆動モータにより画像形成動作に応じて反時計周り方向に回転するようになっており、スキャナ部12による露光により表面に静電潜像が形成されるようになっている。
【0015】
一方、中間転写ベルト5は、上方に直列状に配置されたステーション61〜64の各感光体ドラム61a〜64aに接触すると共に駆動ローラ5a、テンションローラ5b等により張設されてカラー画像形成時に時計周り方向に回転する。そして、この回転により、感光体ドラム61a〜64aに形成されている各色トナー像が転写されるようになっている。
【0016】
また、この中間転写ベルト5には画像形成時に1次転写ローラ65が接触し、この1次転写ローラ65により、感光体ドラム61a〜64aに形成されている各色トナー像が中間転写ベルト5上に順次転写されるようになっている。さらに、この中間転写ベルト5上の各色トナー像は、2次転写ローラ7及び駆動ローラ5aにより構成される2次転写部によってシートS1が挟持搬送される際、シートS1に転写されるようになっている。
【0017】
また、定着ローラ対8は、転写されたトナー像をシートS1に定着させるものであり、シートS1を加熱する定着ローラ8aと、シートS1を定着ローラ8aに圧接させるための加圧ローラ8bとを備えている。そして、転写されたトナー像を保持したシートS1は定着ローラ8aと加圧ローラ8bにより搬送されると共に、定着ローラ対8を通過する際に熱及び圧力が加えられることによりトナー像が表面に定着される。
【0018】
シート給送部1Bは、画像形成装置本体であるプリンタ本体50に着脱自在に装着されたシート収納部である給紙カセット2と、給紙カセット2に収納されたシートS1を送り出すシート給送ローラ3を備えている。また、シート給送ローラ3により送り出されたシートをシート給送ローラ3と共に分離する分離部材である分離パッド3aを備えている。ここで、給紙カセット2に収納されるシートS1は定形シートである。また、本実施の形態において、給紙カセット2は、矢印Lに示す方向、すなわちプリンタ本体正面からプリンタ本体50に挿抜自在に装着されるフロントローディング構成となっている。なお、後述する手差し給紙の際の、シートS2の載置もプリンタ本体正面から行われるようになっている。
【0019】
次に、このように構成されたカラーレーザビームプリンタ1の画像形成動作について説明する。シートにカラー画像を形成する場合は、まず感光体ドラム61a〜64aを帯電させた後、不図示のコントローラから送信された各色成分の画像信号に基づいてスキャナ部12により感光体ドラム61a〜64aに対して露光を行う。これにより、感光体ドラム表面に静電潜像が形成される。
【0020】
次に、この静電潜像をマゼンダ、イエロー、シアン、ブラックの各色トナーによって現像して感光体ドラム上にトナー像を形成する。そして、この後、トナー像が感光体ドラム61a〜64aの回転に伴って感光体ドラム61a〜64aと中間転写ベルト5とが当接する転写部位に到来すると、1次転写ローラ65によって1次転写バイアスを印加する。これにより、感光体ドラム上のトナー像が時計周り方向に回転している中間転写ベルト5へ1次転写される。ここで、このトナー像は、中間転写ベルト5の回転に伴いマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの順で順次中間転写ベルト上に転写され、これにより中間転写ベルト上にカラートナー画像が形成される。
【0021】
一方、このようなカラートナー画像形成動作に並行して所定のシーケンス制御タイミングにてシート給送ローラ3により給紙カセット2からシートS1が送り出される。そして、送り出されたシートS1はシート給送ローラ3に当接する分離パッド3aにより1枚に分離された後、停止状態のレジストローラ4に搬送され、このレジストローラ4により斜行が補正される。この後、レジストローラ4は、中間転写ベルト上に形成されたカラートナー画像とシートS1の先端が一致するタイミングで回転を始める。
【0022】
これにより、一旦停止したシートS1は2次転写ローラ7と駆動ローラ5aとにより構成される2次転写部に搬送され、2次転写ローラ7に印加される転写バイアスによってカラートナー画像が転写される。そして、このようにカラートナー画像が転写された後、シートS1は2次転写部から定着ローラ対8に搬送され、この定着ローラ対8で加熱及び加圧されることによってシート上にカラートナー画像が定着される。さらに、カラートナー画像が定着されたシートS1は、この後、排紙ローラ対9によりプリンタ本体上面に設けられた排紙トレイ10に排紙される。
【0023】
ところで、本実施の形態において、給紙カセット2は、図2に示すように、給紙カセット本体2aと、給紙カセット本体2aにシート給送方向と平行に引き出し可能に設けられた引き出し部材である延長トレイ部25を備えている。また、給紙カセット2は、昇降可能に設けられると共に、不図示の付勢部材により付勢されてシートをシート給送ローラ3に押し付ける中板2bと、シートのシート給送方向上流端であるシートの後端の位置を規制する後端規制部材26を備えている。
【0024】
ここで、後端規制部材26は、給紙カセット本体2aの底面に、シート給送方向に沿って平行に延びたラック歯列2cに沿って移動すると共に、不図示のストッパをラック歯列2cに係脱自在に係止することにより、シートサイズに応じた位置に保持される。この後端規制部材26は、シート給送方向と逆方向に移動させ、ラック歯列2cを通過させることにより、給紙カセット本体2aから取り外すことができる。また、延長トレイ部25は、起伏可能に設けられた後端壁部25cを有しており、後述するように長尺のシートを積載する場合には、この後端壁部25cを倒すようにしている。
【0025】
さらに、給紙カセット2には、給紙カセット2のシート給送方向上流側端部である後端部を上方から覆うカバー部材22が着脱自在に取り付けられている。なお、このカバー部材22は、閉じられた際、位置決め部22aを延長トレイ部25のボス部25aに係合することより位置決めされると共に、延長トレイ部25が引き出される際、この延長トレイ部25の引き出し動作に連動して移動する。
【0026】
ここで、延長トレイ部25が引き出されると、図3に示すように、給紙カセット2の後端部がプリンタ本体50から外方に飛び出すようになる。そして、このように給紙カセット2の後端部が外方に飛び出した場合でも、カバー部材22により後端部が覆われているので、給紙カセット2に塵や埃等が入り込むのを防ぐことができる。また、このカバー部材22は、図2の(a)に示すように、後端側を開放することができるように給紙カセット2に取り付けられており、シート補給時や、後述するレバー21の動作時等の場合には、カバー部材22を開放するようにしている。
【0027】
さらに、このカバー部材22は、給紙カセット2に定形サイズ以上のシート、すなわちシート給送方向の長さが、給紙カセット2の長さよりも長い長尺シートを収納する場合には、一旦取り外されて、延長トレイ部25に取り付けられるようになっている。そして、このようにカバー部材22を延長トレイ部25に取り付けることにより、長尺シートのシート給送方向上流側にはみ出す部分をカバー部材22によって支持することができる。
【0028】
つまり、給紙カセット2に長尺シートを収納する場合、支持部材であるカバー部材22を延長トレイ部25に取り付けることにより、長尺シートのはみ出す部分をカバー部材22によって支持することができる。これにより、給紙カセット2のシート支持部分を延長させることができ、長尺シートの収納が可能になる。
【0029】
次に、このように構成された給紙カセット2に長尺シートを積載する積載方法について説明する。給紙カセット2に長尺シートを積載する場合、まず延長トレイ部25を引き出すため、図2の(a)に示すように、給紙カセット2の後端部を覆う第1位置にあるカバー部材22の後端側を開放した後、点線部のレバー21を摘む。これにより、レバー21に連結された図2の(b)に示すリンク部材23が回動して給紙カセット本体2aの底面に設けられた係合部24との係合が外れ、延長トレイ部25の引き出しが可能となる。これにより、給紙カセット2のシート給送方向の長さを延長することができる。
【0030】
次に、図2の(b)に示すように延長トレイ部25に設けられたロック部材25bを黒矢印方向に移動する。これにより、延長トレイ部25に対する後端壁部25cのロックが外れ、後端壁部25cを白矢印方向に倒すことができる。次に、カバー部材22を、引き出された延長トレイ部25のシート給送方向と平行な両壁面に突出して設けられたボス部25aにカバー部材22の位置決め部22aが係止するようにして閉じる。
【0031】
そして、この状態で、カバー部材22を、図4の(a)で示す矢印の方向に、延長トレイ部25のボス部25aを支点として回動させて延長トレイ部25の切り欠き部25dに差し込む。これにより、カバー部材22の位置は、給紙カセット2の後端部を覆う第1位置から、給紙カセット2からシート給送方向上流側に突出して、長尺シートのはみ出す部分を支持する第2位置に変更される。
【0032】
ここで、このようにカバー部材22が切り欠き部25dに差し込まれると、その位置でカバー部材22は後端壁部25cに設けられたリブ25eにより、シート給送方向下流側が低くなるように傾斜した状態で下方より支えられる。なお、このように切り欠き部25dに差し込まれて傾斜した状態のとき、カバー部材22のシート支持面となる裏面22bの先端の高さは、図5に示すように、給紙カセット本体2aのシートを支持する支持面である底面より高くなる。
【0033】
そして、このように構成することにより、給紙カセット2にシートを挿入する際、シートがカバー部材22と給紙カセット本体2aとの間でひっかかったりすることはなく、またシート給送時の抵抗となることはない。また、カバー部材22の位置が第2位置に変更された際、カバー部材22が傾斜していることにより、積載された長尺シートの姿勢を安定させることができる。
【0034】
次に、このように第1位置から第2位置に位置変更可能なカバー部材22をセットした後、後端規制部材26を図4の(b)に示す位置まで移動し、矢印方向に外す。なお、カバー部材22には、後端規制部材26の取り外しが可能となるように切り欠き部22cが設けられている。そして、このように後端規制部材26を取り外すことにより、後端規制部材26に邪魔されることなく、引き出された延長トレイ部25にカバー部材22がセットされた状態の給紙カセット2に長尺シートを収納することができる。
【0035】
なお、このように給紙カセット2に長尺シートを収納した後、給紙カセット2を図5に示すように、プリンタ本体50に装着する。そして、この後、給紙カセット2に載置された長尺シートS2は、給紙カセット2から給送され、定型シートの場合と同様のプロセスを経て、排紙トレイ10に排出される。
【0036】
このように、本実施の形態においては、給紙カセット2に長尺シートS2を収納する場合には、カバー部材22の位置を、給紙カセット2の後端部を覆う位置から、長尺シートS2の給紙カセット2からはみ出す部分を支持する位置に変更するようにしている。これにより、容易で、かつ専用の部材を使用することなく長尺シートを積載支持することができるカラーレーザビームプリンタ1を提供することができる。
【0037】
なお、これまでの説明においては、長尺シートS2を給紙カセット2に収納する際、後端規制部材26が邪魔にならないように後端規制部材26を取り外すようにしたが、本発明は、これに限らない。例えば、給紙カセット2のシート給送方向の長さが、給紙カセット延長時にプリンタ本体50から大きく飛び出すような長さである場合や、プリンタ本体50から飛び出すような長さの場合がある。このような場合には、後端規制部材26を取り外すことなく、給紙カセット2の後端側に移動させることにより、後端規制部材26に邪魔されることなく長尺シートS2を給紙カセット2に収納することができる。
【0038】
次に、このような後端規制部材26を取り外すことなく長尺シートS2を収納できるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は、本実施の形態に係る画像形成装置に設けられた給紙カセットの構成を説明する図である。なお、図6において、既述した図3と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0039】
図6において、27は給紙カセット2のカバー部材であり、この給紙カセット2のカバー部材27は、給紙カセット2の後端部に設けられた係合部27a,27bを支点として開閉回動可能に設けられている。なお、本実施の形態において、給紙カセット2は、延長トレイ部を有していないが、プリンタ本体50から飛び出すようなシート給送方向の長さを有している。
【0040】
そして、このような給紙カセット2では、長尺シートS2を収納する際、図6の(b)に示すようにカバー部材27を係合部27a,27bを支点として開放回動した後、長尺シートS2を収納するようにしている。ここで、このようにカバー部材27を開閉回動可能に設けた給紙カセット2の場合、容易に後端規制部材26を取り外すことができない。
【0041】
そこで、このような給紙カセット2の場合には、長尺シートS2を収納する前に、図6の(c)に示すように、後端規制部材26を給紙カセット2の後端側に移動させるようにしている。これにより、後端規制部材26に邪魔されることなく給紙カセット2に長尺シートS2を収納することができる。このように、本実施の形態においては、後端規制部材26を取り外すことなく移動させるだけで長尺シートS2の収納が可能となるので、構成を簡素化することができる。
【0042】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図7は、本実施の形態に係る画像形成装置に設けられた給紙カセットの構成を説明する図である。なお、図7において、既述した図4と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0043】
図7において、28はカバー部材であり、28aはカバー部材28の長尺シート積載面を構成する裏面である。そして、このカバー部材28の裏面28aは、図7の(a)に示すようにシート給送方向と直交する幅方向の両端部が持ち上がる円弧形状、あるいは図7の(b)に示すように幅方向の両端部が持ち上がる斜面を有している。つまり、裏面28aは、両端部が幅方向の中央部に対して高くなるような形状、つまり中央部が凹になるような形状を有している。
【0044】
そして、このようにカバー部材28の裏面28aを中央部が凹になるような形状とすることにより、長尺シートを給紙カセット2に収納した場合、シートの幅方向の両端部が高くなるようにすることができる。これにより、シートのコシが強くなり、長尺シートの姿勢を保つことができる。このように、本実施の形態においては、カバー部材28の裏面28aを中央部が凹になるような形状とすることにより、長尺シートの姿勢を保つことができる。なお、カバー部材28の裏面28aの形状は、シートの中央部が凹になる形状であれば、例えばV字形状等の形状としても良い。
【0045】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図8は、本実施の形態に係る画像形成装置に設けられた給紙カセットの構成を説明する図である。なお、図8において、既述した図4と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0046】
図8において、29はカバー部材であり、29aはカバー部材29の長尺シート積載面を構成する裏面である。そして、このカバー部材29の裏面29aには、シート給送方向に沿って平行に延びたラック歯列29bが設けられている。そして、本実施の形態においては、既述した図4の(b)に示すように、カバー部材22をセットした後、後端規制部材26を矢印方向に外すようにしている。
【0047】
なお、本実施の形態においては、一旦取り外した後端規制部材26を、図8の(a)に示すように、ラック歯列29bを介してカバー部材29の裏面29aに取り付けるようにしている。これにより、長尺シートS2を給紙カセット2に収納した際、図8の(b)に示すように後端規制部材26によって長尺シートS2の後端を規制することができ、シートS2の分離給送時の姿勢を安定に保つことができる。
【0048】
このように、本実施の形態においては、後端規制部材26を、カバー部材29の裏面29aに取り付けることにより、長尺シートS2を給紙カセット2に収納した際、シートS2の分離給送時の姿勢を安定に保つことができる。
【符号の説明】
【0049】
1…カラーレーザビームプリンタ、1A…画像形成部、1B…シート給送部、2…給紙カセット、3…シート給送ローラ、22…カバー部材、25…延長トレイ部、26…後端規制部材、27…カバー部材、28…カバー部材、28a…カバー部材の裏面、29…カバー部材、29a…カバー部材の裏面、50…カラーレーザビームプリンタ本体、S1…定形シート、S2…長尺シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート収納部に収納されたシートを画像形成部に給送してシートに画像を形成する画像形成装置において、
前記シート収納部に、シート給送方向の長さが前記シート収納部の長さよりも長い長尺シートを前記シート収納部に収納する際、長尺シートの前記シート収納部からシート給送方向上流側にはみ出す部分を支持する支持部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記シート収納部のシート給送方向上流側端部を覆う第1位置と、長尺シートの前記シート収納部からはみ出す部分を支持する第2位置とに位置変更が可能なカバー部材であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
長尺シートを収納する場合には、前記カバー部材を取り外して前記カバー部材の位置を前記第1位置から前記第2位置に変更するよう前記カバー部材を前記シート収納部に取り外し可能に設けたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記シート収納部は、シート給送方向と平行に引き出し可能に設けられ、前記シート収納部に長尺シートを収納する場合には、引き出されて前記カバー部材がシート給送方向上流側に突出するように取り付けられる引き出し部材を備えていることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
長尺シートを収納する場合には、前記カバー部材を回動させて前記カバー部材の位置を前記第1位置から前記第2位置に変更するよう前記カバー部材を前記シート収納部に回動可能に設けたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カバー部材の位置を前記第2位置に変更した際、前記カバー部材はシート給送方向下流側が低くなるように傾斜することを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
傾斜した前記カバー部材の長尺シートを支持する支持面が、前記シート収納部のシート支持面より高くなることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記カバー部材の支持面の形状を、シート給送方向と直交する幅方向の中央部が凹になるような形状としたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
シートのシート給送方向上流端の位置を規制する後端規制部材を、前記カバー部材の位置を前記第2位置に変更した際、取り外すことができるよう前記シート収納部に取り外し可能に設けたことを特徴とする請求項2乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
シートのシート給送方向上流端の位置を規制する後端規制部材を、前記カバー部材の位置を前記第2位置に変更した際、前記カバー部材の支持面に取り付けることができるよう前記シート収納部に取り外し可能に設けたことを特徴とする請求項2乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−103777(P2013−103777A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246636(P2011−246636)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】