画像形成装置
【課題】繁雑な作業やマシンの幅方向の充分なスペースを要することなく、キャリッジのガイド部材への脱着作業を容易に実施することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成手段を備えたキャリッジ4と、キャリッジを記録媒体の幅方向である主走査方向にガイドするためのガイド部材3とを有する画像形成装置において、キャリッジは、ガイド部材に摺動自在に支持される第1摺動部57と、ガイド部材に摺接してガイド部材に対する回転止めを行うための第2摺動部59と、ガイド部材に摺接して主走査方向と直交する副走査方向の位置を決めるための第3摺動部61とを有し、キャリッジは、ガイド部材によって鉛直方向に位置規制されず、キャリッジをガイド部材に対して鉛直方向に位置規制するための位置規制部品85が、キャリッジに着脱可能であることにより解決される。
【解決手段】記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成手段を備えたキャリッジ4と、キャリッジを記録媒体の幅方向である主走査方向にガイドするためのガイド部材3とを有する画像形成装置において、キャリッジは、ガイド部材に摺動自在に支持される第1摺動部57と、ガイド部材に摺接してガイド部材に対する回転止めを行うための第2摺動部59と、ガイド部材に摺接して主走査方向と直交する副走査方向の位置を決めるための第3摺動部61とを有し、キャリッジは、ガイド部材によって鉛直方向に位置規制されず、キャリッジをガイド部材に対して鉛直方向に位置規制するための位置規制部品85が、キャリッジに着脱可能であることにより解決される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリッジに搭載された記録ヘッドからインクを吐出して用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録ヘッドを搭載するキャリッジをガイド部材(ガイドロッド、ガイドレール)に沿って用紙の幅方向に往復動作させる機構を有するインクジェットプリンタにおいて、記録ヘッドの故障などのためにキャリッジを交換する際、キャリッジをガイド部材から用紙幅方向に引き抜く作業が生じていた。この作業は繁雑で、取り外すべきキャリッジだけでなく、他の多くの部品も取り外さなくてはならず、時間がかかった。また、キャリッジの取り付け・取り外しのために、マシンの幅方向に充分なスペースが必要だった。
【0003】
実情として、従来から、記録ヘッドをキャリッジ内に着脱可能とする構成が採られたり、キャリッジの交換頻度が少ないという理由から装置本体からのキャリッジの脱着性を改善する試みが実施されなかったりしている。そのため、キャリッジ交換の際、キャリッジの取り外しに先立って多くの部品を取り外す必要があり、作業が繁雑だった(特許文献1)。また、特に設置スペースに関しても、マシンの幅方向に充分なスペースが取れないことが多いため、キャリッジ交換の際の作業性の悪さは解消されていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、繁雑な作業やマシンの幅方向の充分なスペースを要することなく、キャリッジのガイド部材への脱着作業を容易に実施することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成手段を備えたキャリッジと、該キャリッジを該記録媒体の幅方向である主走査方向にガイドするためのガイド部材とを有する画像形成装置において、前記キャリッジは、前記ガイド部材に摺動自在に支持される第1摺動部と、前記ガイド部材に摺接して前記ガイド部材に対する回転止めを行うための第2摺動部と、前記ガイド部材に摺接して前記主走査方向と直交する副走査方向の位置を決めるための第3摺動部とを有し、前記キャリッジは、前記ガイド部材によって鉛直方向に位置規制されず、前記キャリッジを前記ガイド部材に対して鉛直方向に位置規制するための位置規制部品が、前記キャリッジに着脱可能である構成とした。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、キャリッジはガイド部材によって鉛直方向に位置規制されず、別部品として構成された、キャリッジをガイド部材に対して鉛直方向に位置規制するための位置規制部品がキャリッジに着脱可能であるため、位置規制部品をキャリッジに装着した状態では、キャリッジのガイド部材からの上方への抜けが防止される一方、位置規制部品を取り外した状態では、キャリッジをガイド部材に沿って主走査方向に引き抜く必要なく、上方に簡単に取り外すことができる。従って、キャリッジの取り外しに先立って多くの部品を取り外す必要も無く、キャリッジ交換のためにマシンの幅方向の充分なスペースも要しない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す外観斜視説明図である。
【図2】同装置の機構部の要部平面説明図である。
【図3】同じく機構部の要部斜視説明図である。
【図4】同じくキャリッジ部分の側面説明図である。
【図5】同じくキャリッジ部分の正面斜視説明図である。
【図6】同じくキャリッジ部分の正面説明図である。
【図7】キャリッジをガイドロッドでガイド支持する、1軸1レール支持と呼ばれる比較例を示す側面図である。
【図8】キャリッジをガイドロッドでガイド支持する、2軸支持と呼ばれる別な比較例を示す側面図である。
【図9】キャリッジを板金ガイドレールでガイド支持する、別な比較例を示す側面図である。
【図10】本発明に従うガイド部材に挿入されたキャリッジの側面図であって、キャリッジとガイドレールの間のがたつきを捩りコイルばねの付勢力で防止するための構成を示す図である。
【図11】本発明に従うキャリッジを覆うためのカバーを示す図である。
【図12】本発明に従うガイド部材に挿入されたキャリッジにカバーを装着した状態を示す側面図である。
【図13】本発明に従う別なガイド部材に挿入された別なキャリッジにカバーを装着した状態を示す側面図である。
【図14】カバーがセットされていない状態におけるガイド部材とキャリッジの斜視図である。
【図15】カバーがセットされた状態におけるガイド部材とキャリッジの斜視図である。
【図16】キャリッジをガイド部材に挿入し、キャリッジにカバーをセットしたときの内部の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る画像形成装置の一例の概要について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の外観斜視説明図、図2は同装置の機構部の平面説明図である。
【0009】
この画像形成装置は、シリアル型のインクジェット記録装置であり、装置本体100の上面側に開閉可能にカバー101が設けられ、このカバー101を開くことで内部の機構部にアクセスすることができる。
【0010】
機構部は、図2に示すように、左右のメイン側板1A、1Bに横架した案内部材であるガイド部材3にてキャリッジ4を主走査方向に摺動自在に支持し、主走査モータ5によって駆動プーリ6と従動プーリ7との間に張架されたタイミングベルト8を介してキャリッジ4を主走査方向に移動走査する。
【0011】
このキャリッジ4には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液滴を吐出する画像形成手段としての液体吐出ヘッド及びこの液体吐出ヘッドにインクを供給するヘッドタンクを含む記録ヘッドユニット(以下、単に「記録ヘッド」ともいう。)11を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0012】
また、キャリッジ4の主走査方向に沿ってエンコーダスケール15を配置し、キャリッジ4側にはエンコーダスケール15の目盛り(スケール:位置識別部)を読み取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ16を取り付け、これらのエンコーダスケール15とエンコーダセンサ16とで位置検出装置としてのリニアエンコーダを構成している。
【0013】
一方、キャリッジ4の下側には、図示しない記録媒体を副走査方向に搬送する搬送手段としての搬送ベルト21を配置している。この搬送ベルト21は、無端状ベルトであり、搬送ローラ22とテンションローラ23との間に掛け渡されて、副走査モータ31によってタイミングベルト32及びタイミングプーリ33を介して搬送ローラ22が回転駆動されることによって副走査方向に周回移動される。
【0014】
さらに、キャリッジ4の主走査方向の一方側には搬送ベルト21の側方に記録ヘッド11の維持回復を行う維持回復機構41が配置されている。なお、維持回復機構41は、例えば記録ヘッド11のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材、ノズル面を払拭するワイパ部材、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出受けなどで構成されている。
【0015】
また、図1に示すように、記録媒体を収納してこれを搬送ベルト21に給紙する給紙手段を構成する給紙トレイ102や、画像形成手段としての記録ヘッド11から吐出された液体が付着して画像が形成された記録媒体を排紙する排紙手段を構成する排紙トレイ103などが設けられている。給紙トレイ102は装置本体100に対して着脱自在に装着される。
【0016】
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙された記録媒体を搬送ベルト21で間歇的に搬送し、キャリッジ4を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド11を駆動することにより、停止している記録媒体に液滴を吐出して規定の行数分を記録し、記録媒体を所定量搬送後、次の行の記録を行なう動作を繰り返して記録媒体上に画像を形成し、画像形成後記録媒体を排紙する。
【0017】
次に、この画像形成装置におけるキャリッジの支持構造について図3ないし図6を参照して説明する。なお、図3は同じく機構部の要部斜視説明図、図4は同じくキャリッジ部分の側面説明図、図5は同じくキャリッジ部分の正面斜視説明図、図6は同じくキャリッジ部分の正面説明図である。
【0018】
ガイド部材3は板金部材からなり、キャリッジ4を摺動自在に案内するための支持面となるガイド面51,53,55を有している。詳しくは、ガイド面53はガイド部材3の外側に形成され、ガイド面51,55はガイド部材3の内側に形成されている。そして、キャリッジ4は、ガイド部材3のガイド面51に摺動自在に支持される第1摺動部としての摺動部57と、ガイド面53に摺接する第2摺動部としての摺動部59と、ガイド面55に摺接する第3摺動部としての摺動部61とを有している。この場合、ガイド部材3のガイド面51は、キャリッジ4の高さ位置を決める面となり、ガイド面53は、キャリッジ4の自重によるモーメントを受ける面であって、ガイド部材3に対する回転止め部となり、ガイド面55はキャリッジ4の副走査方向位置を決める面となる。
【0019】
また、図2から分かるように、エンコーダスケール15は、ガイド部材3よりも装置本体手前側に設けられている。そして、キャリッジ4は、エンコーダスケール15をガイドするためのエンコーダスケールガイド部58を有している。エンコーダスケールガイド部58はキャリッジ4の上部から下方に突出している。キャリッジ4の回転止めのための摺動部59は、エンコーダスケールガイド部58からガイド部材3に向かって延出し、ガイド部材3に摺接している。従って、エンコーダスケールガイド部58は、エンコーダスケール15のガイド機能とキャリッジ4の回転止めの機能の両方を有している。
【0020】
ここで、図5,6に示すように、キャリッジ4の摺動部57には、主走査方向に延在する軸部材63がキャリッジ4に固定された4個の保持部材62にて回転自在に保持されている。この軸部材63には、ガイド部材3の支持面であるガイド面51に摺動自在に接する摺動面67を有する2つのカム部材65が設けられている。
【0021】
図7は、キャリッジをガイドロッドでガイド支持する、1軸1レール支持と呼ばれる比較例を示す側面図である。
キャリッジ70は、軸受71を貫通するガイドロッド72によりガイド支持され、記録媒体幅方向である主走査方向(紙面垂直方向)に往復運動するようになっている。ここで、キャリッジ70の上方にはガイドレール73が設けられ、これがキャリッジ70を支持することにより、キャリッジ70がガイドロッド72を中心に自重で回転してしまうのを抑えている。
【0022】
図8は、キャリッジをガイドロッドでガイド支持する、2軸支持と呼ばれる別な比較例を示す側面図である。
キャリッジ70の後方は、軸受71を貫通するガイドロッド72によりガイド支持され、主走査方向に往復運動する構成になっている。ここで、キャリッジ70の前方にはサブガイドロッド74が設けられ、これがキャリッジ70を支持することで、キャリッジ70がガイドロッド72を中心に自重で回転してしまうのを抑えている。
【0023】
このように、図7,8のどちらの構成においても、キャリッジ70にはガイドロッド72が貫通しているため、キャリッジ70をガイドロッド72から着脱するには、ガイドロッド72からキャリッジ70を主走査方向(紙面垂直方向)に引き抜く作業が必要になる。そして、このためには多数の他の部品を取り外す必要があり、繁雑な作業に時間がかかる。
【0024】
図9は、キャリッジを板金ガイドレールでガイド支持する、別な比較例を示す側面図である。
ここでは、キャリッジ70の後方は板金ガイドレール75のみにより支持されている。キャリッジ70は、部分76,77,78により3ヶ所で板金ガイドレール75の各ガイド面に位置決めされ、主走査方向(紙面垂直方向)に往復運動するようになっている。詳しくは、キャリッジ70は、部分76により鉛直方向に規制され、部分77により主走査方向と直交する副走査方向に規制され、部分78により板金ガイドレール75に対して回転止めされている。また、これら部分に加えて、各部分に隙間が生じることによるキャリッジのがたつきを無くすために、ばねなどによる付勢機構(不図示)がしばしば設けられる。
【0025】
この構成においては、部分78に隣接する、回転止めのための板金ガイドレール75の部分99が下向きに延在しており、鉤爪状になっている。よって、この鉤爪部分99がキャリッジ70の鉛直方向の抜け止め部として機能しているため、キャリッジ70を板金ガイドレール75から着脱するには、キャリッジ70を板金ガイドレール75から主走査方向(紙面垂直方向)に引き抜く必要がある。このためには多数の他の部品を取り外す必要があり、繁雑な作業に時間がかかる。
【0026】
図10は、本発明に従うガイド部材3に挿入されたキャリッジ4の側面図であって、キャリッジ4とガイドレール3の間のがたつきを捩りコイルばね80,81の付勢力で防止するための構成を示している。
図示のように、板金部材からなるガイド部材3の断面は概ねコ字形状を有しており、ガイド部材3は、キャリッジ4を鉛直方向に位置規制するための部分を有していない。具体的には、ガイド部材3の上部のガイド面52は、鉛直方向に延在するガイド面53から水平に延長しており、その下部のガイド面51は、ガイド面53からガイド面52よりも長く水平に延長し、さらにガイド面55がガイド面51から鉛直上方に延長している。キャリッジ4は、このガイド部材3に対して図中右から左に向かって挿入することで装着されている。
【0027】
図示のように、キャリッジ4の両側面には、2つの突起部に嵌合された付勢手段としての2つの捩りコイルばね80,81が設置されている。
両側面の上側の捩りコイルばね80の一方のアームの先端には、ガイド部材3に沿って主走査方向(紙面垂直方向)に延在する摺動部材82が取り付けられている。摺動部材82は、例えば軽くて強固なプラスチックからなり、キャリッジ4の主走査方向の幅程度の長さを有し、ガイド面52に当接している。
【0028】
捩りコイルばね80の他方のアームは、ばねに付勢力を持たせるために引っ掛け部84に引っ掛けることができるが、図示の状態では引っ掛けられておらず、ばねの付勢力は解除されている。他方のアームを引っ掛け部84に引っ掛けると、ばねの付勢力が生じ、ガイド面52に当接した摺動部材82はガイド部材3に対して鉛直上方の力を加える。従って、捩りコイルばね80及び摺動部材82を介してキャリッジ4のガイド部材3に対するがたつき(回転)が抑えられる。
【0029】
一方、両側面の下側の捩りコイルばね81の一方のアームの先端にも、ガイド部材3に沿って主走査方向(紙面垂直方向)に延在する摺動部材83が取り付けられている。摺動部材83は、例えば軽くて強固なプラスチックからなり、キャリッジ4の主走査方向の幅程度の長さを有し、ガイド部材3のガイド面55に当接している。
【0030】
捩りコイルばね81の他方のアームは、ばねに付勢力を持たせるために引っ掛け部84に引っ掛けることができるが、図示の状態では引っ掛けられておらず、ばねの付勢力は解除されている。他方のアームを引っ掛け部84に引っ掛けると、ばねの付勢力が生じ、ガイド面55に当接した摺動部材83はガイド部材3のガイド面55に対して図中右方向の力を加える。一方、キャリッジ4の摺動部61はガイド面55に対して図中左方向の力を加えている。従って、摺動部材83とキャリッジ4の摺動部61がガイド部材3のガイド面55を挟み込むようになる。このようにして、捩りコイルばね81及び摺動部材83を介してキャリッジ4のガイド部材3に対するがたつき、特にキャリッジ4のガイド部材3に対する回転が抑えられる。
【0031】
キャリッジ4をガイド部材3から取り外す際には、先ず、キャリッジ4のガイド部材3に対するがたつき抑制(回転防止)のために設けられた捩りコイルばね80,81の付勢力を解除する必要があるが、指でばねのアームを引っ掛け部84から外すことで簡単にばねの付勢力を解除することができるため、キャリッジの取り外し作業が煩雑化することはない。
【0032】
ここで、ガイド部材3及びキャリッジ4は、キャリッジ4を鉛直方向に位置規制するための部分を有しておらず、キャリッジ4はガイド部材3によって鉛直方向に位置規制されていない。具体的には、ガイド部材3のガイド面52は鉛直方向に延在するガイド面53から水平にのみ延長しており、さらに下方には延長していない。よって、捩りコイルばね80,81の付勢力が解除されている図示の状態では、キャリッジ4をガイド部材3から負荷なく上方に取り外すことができる。従って、キャリッジ4をガイド部材3から主走査方向(紙面垂直方向)に引き抜く作業は不要となり、また、このために多数の他の部品を取り外す必要もなく、簡単且つ迅速にキャリッジの取り外し作業を行うことができる。
【0033】
なお、画像形成の際にキャリッジ4がガイド部材3に沿って摺動するとき、摺動部材82,83もキャリッジ4の移動に伴ってガイド部材3に沿って摺動するが、キャリッジ4のガイド部材3に対するがたつきが抑えるための捩りコイルばね80,81の付勢力は、キャリッジ4のガイド部材3に対する摺動を妨げる程大きくない。
【0034】
前述のように、ガイド部材3及びキャリッジ4は、キャリッジ4をガイド部材3に対して鉛直方向に位置規制するための部分を有しておらず、図10に示す状態では、キャリッジ4のガイド部材3からの鉛直方向の抜け止め措置は施されていない。よって、キャリッジ4は、これをガイド部材3から手で持ち上げることにより又は突発的に、ガイド部材3から鉛直方向に抜けてしまう恐れがある。そこで、キャリッジ4をガイド部材3に対して鉛直方向に位置規制するための位置規制部品としてのカバー85をキャリッジ4に装着することにより、これを防止する。
【0035】
図11は、本発明に従うキャリッジ4を覆うためのカバー85を示す図である。
ここで、上図は図15における矢印Xの方向から見たカバーの側面図、下図はカバーの平面図である。カバー85は、平坦な上面とその側方から鉛直下方に延在している側面からなる。
【0036】
カバー85の上面には、キャリッジ4の上部に形成された爪状の引っ掛け部98に対応する受け部79が形成されている。カバー85の側面には、キャリッジ4の上部の側面に形成された突起部90とスナップフィットする係合部86、キャリッジ4の上部の側面に形成された突出部91,92を受容する溝状の受容部87,89、ガイド部材3のガイド面52に引っ掛かりキャリッジ4の鉛直方向の抜けを防止する抜け止め部88が形成されている。
【0037】
係合部86は、カバー側面からその長手方向に沿って延在しており、その中央には開口が形成されている。抜け止め部88は、カバー側面からその長手方向に沿って延在した後上方に延在しており、鉤爪形状を有している。
【0038】
図12は、本発明に従うガイド部材3に挿入されたキャリッジ4にカバー85を装着した状態を示す側面図である。
カバー85は、キャリッジ4の上面に被せ、図中左側に向かって挿入することでキャリッジ4に装着される。このとき、キャリッジ4の突起部90はカバー85の係合部86の開口にスナップフィットし、カバー85はキャリッジ4に固定される。突起部90と係合部86のスナップフィット係合により、工具などを使用せずに手動によりワンアクションでカバー85の取り付け・取り外し作業をすることができ、作業が簡便化される。
【0039】
また、キャリッジ4の突出部91,92はそれぞれカバー85の受容部87,89の溝に嵌り、キャリッジ4に対するカバー85の固定が補強される。
なお、カバー85をキャリッジ4から取り外す際は、カバーを図中右側に引き出して突起部90と係合部86のスナップフィット係合を解除し、上方に持ち上げればよい。
【0040】
カバー85をキャリッジ4に装着した状態では、カバー85に設けられた鉤爪状の抜け止め部88が、ガイド部材3のガイド面52の下側に入り込むようになっており、これによりキャリッジ4がガイド部材3から上方に抜けることが防止される。また、カバー85はキャリッジ4側にのみ装着され、ガイド部材3自体には接触していない。このようにカバーを形成することで、カバーのサイズがコンパクトになり、カバーの操作性が高められ、カバーの取り付け・取り外し作業を容易に行うことができる。
【0041】
また、カバー85の抜け止め部88とガイド部材3のガイド面52の間に隙間を形成しておくことで、キャリッジ4は、カバー85を介してガイド部材3から余計な抵抗力を受けることなく、ガイド部材3上を滑らかに移動することができる。
【0042】
図13は、本発明に従う別なガイド部材3に挿入された別なキャリッジにカバー85を装着した状態を示す側面図である。
本実施形態では、図12における実施形態と異なり、ガイド部材3は、キャリッジ4の第1摺動部及び第3摺動部と摺接する略円筒状の第1ガイド部材としてのガイドロッド94と、該ガイドロッド94とは別の部材で構成されキャリッジ4の第2摺動部と摺接する第2ガイド部材とで構成される。また、キャリッジ4の第1摺動部及び第3摺動部は、下方に開放した半円弧状の摺接部93として形成されている。摺接部93をガイド支持するガイドロッド94は主走査方向に装置本体に設けられている。このキャリッジ4をガイド部材3の第2ガイド部材に挿入すると、摺接部93はガイドロッド94上に載るようになっており、これによりキャリッジ4の鉛直方向及び副走査方向の位置が決められるとともに、キャリッジ4はガイドロッド94上を主走査方向に摺動することができる。
【0043】
ガイド部材3のガイド面52は、ガイド面53から水平に延長しているだけであり、鉤爪形状を有していない。従って、カバー85を取り付けた状態では、抜け止め部88がガイド部材3の上部のガイド面52に引っ掛かるため、キャリッジ4の上方への抜けが防止される。一方、カバー85を取り外し、捩りコイルばね80の付勢力を解除した状態では、キャリッジ4をガイド部材3から主走査方向(紙面垂直方向)に引き抜く必要なく、上方に簡単に取り外すことができる。
【0044】
なお、本実施形態において、カバー85の構成は図11におけるものと同様である。また、ガイド部材3の断面は略L字形状を有しており、その下部はガイド面53から水平に延長していないが、ガイド部材3はこのような形状に限られない。
【0045】
図14は、カバー85がセットされていない状態におけるガイド部材3とキャリッジ4の斜視図である。
キャリッジ4の上面には、インクの吐出を制御するための電子基板97が載置されており、キャリッジ4がガイド部材3に挿入されると、電子基板97が載置された部分はガイド部材3を越えて延在するようになっている。また、キャリッジ4の上部には、チューブガイド部品96が組み付けられており、チューブガイド部品96には、キャリッジに納められた記録ヘッド11内のヘッドタンク(不図示)から延びたインクチューブ95が這い回されている。図示の状態では、インクチューブ95、チューブガイド部品96及び電子基板97は外部に露出しており、特にインクチューブ95は鉛直方向に位置規制されていない。
【0046】
図15は、カバー85がセットされた状態におけるガイド部材3とキャリッジ4の斜視図である。
カバー85は、その両側面に設けられた係合部86とキャリッジ4の突起部90とのスナップフィット、その両側面に設けられた受容部87,89とキャリッジ4の突出部91,92の係合、及びその上面に形成された受け部79とキャリッジ4の引っ掛け部98の係合により、キャリッジ4に固定されている。図示のように、カバー85は、キャリッジ4内のインクチューブ95、電子基板97、記録ヘッド11などを含めて、キャリッジの上面を覆うように構成されており、キャリッジ内に埃やインクミストなどの異物が入り込むことを防止している。なお、カバー85は、矢印Yの方向にスライドさせることで容易に取り外せるようになっている。
【0047】
図16は、キャリッジ4をガイド部材3に挿入し、キャリッジ4にカバー85をセットしたときの内部の状態を示す断面図である。
図示のように、キャリッジ4の上部にセットされたチューブガイド部材96内に這い回されたインクチューブ95は、カバー85によって上から押さえられ、鉛直方向の動きを規制されている。これにより、キャリッジ4が画像形成のために主走査方向に往復運動する際、キャリッジ内に配置されたインクチューブ95が鉛直方向に浮いたり水平方向に振られたりして、負荷がかかり、インクチューブが損傷することが防がれる。
【0048】
また、カバー85は、例えばエラストマーなどの弾性材料で形成されると好ましい。これにより、カバー85を外さないままキャリッジ4を上方に持ち上げようとした場合における、カバーの抜け止め部88とガイド部材3の接触及びカバーとインクチューブ95の干渉による衝撃や擦れを低減し、部品の破損を防ぐことができる。
【0049】
また、これに代えて、キャリッジ4を鉛直方向に位置規制する抜け止め部88や、カバー85のうちのインクチューブ95をガイドする部分のみがエラストマーなどの弾性材料で形成されてもよい。このように、カバー85のうちの必要な箇所のみに弾性材料を用いることで、キャリッジ4の重量増加を抑えることができる。キャリッジの重量増加が低減されることで、キャリッジを動作させるのに必要な電力を減らすことができ、装置全体の省エネルギー化がもたらされる。
【0050】
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カバーの形状、受け部、係合部、受容部、抜け止め部などの形状や位置や個数は適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0051】
3 ガイド部材
4 キャリッジ
11 記録ヘッド(画像形成手段)
15 エンコーダスケール
57 摺動部(第1摺動部)
58 エンコーダスケールガイド部
59 摺動部(第2摺動部)
61 摺動部(第3摺動部)
80,81 捩りコイルばね(付勢手段)
82 摺動部材
85 カバー(位置規制部品)
93 摺接部
94 ガイドロッド(第2ガイド部材)
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開2008−137192号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリッジに搭載された記録ヘッドからインクを吐出して用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録ヘッドを搭載するキャリッジをガイド部材(ガイドロッド、ガイドレール)に沿って用紙の幅方向に往復動作させる機構を有するインクジェットプリンタにおいて、記録ヘッドの故障などのためにキャリッジを交換する際、キャリッジをガイド部材から用紙幅方向に引き抜く作業が生じていた。この作業は繁雑で、取り外すべきキャリッジだけでなく、他の多くの部品も取り外さなくてはならず、時間がかかった。また、キャリッジの取り付け・取り外しのために、マシンの幅方向に充分なスペースが必要だった。
【0003】
実情として、従来から、記録ヘッドをキャリッジ内に着脱可能とする構成が採られたり、キャリッジの交換頻度が少ないという理由から装置本体からのキャリッジの脱着性を改善する試みが実施されなかったりしている。そのため、キャリッジ交換の際、キャリッジの取り外しに先立って多くの部品を取り外す必要があり、作業が繁雑だった(特許文献1)。また、特に設置スペースに関しても、マシンの幅方向に充分なスペースが取れないことが多いため、キャリッジ交換の際の作業性の悪さは解消されていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、繁雑な作業やマシンの幅方向の充分なスペースを要することなく、キャリッジのガイド部材への脱着作業を容易に実施することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成手段を備えたキャリッジと、該キャリッジを該記録媒体の幅方向である主走査方向にガイドするためのガイド部材とを有する画像形成装置において、前記キャリッジは、前記ガイド部材に摺動自在に支持される第1摺動部と、前記ガイド部材に摺接して前記ガイド部材に対する回転止めを行うための第2摺動部と、前記ガイド部材に摺接して前記主走査方向と直交する副走査方向の位置を決めるための第3摺動部とを有し、前記キャリッジは、前記ガイド部材によって鉛直方向に位置規制されず、前記キャリッジを前記ガイド部材に対して鉛直方向に位置規制するための位置規制部品が、前記キャリッジに着脱可能である構成とした。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、キャリッジはガイド部材によって鉛直方向に位置規制されず、別部品として構成された、キャリッジをガイド部材に対して鉛直方向に位置規制するための位置規制部品がキャリッジに着脱可能であるため、位置規制部品をキャリッジに装着した状態では、キャリッジのガイド部材からの上方への抜けが防止される一方、位置規制部品を取り外した状態では、キャリッジをガイド部材に沿って主走査方向に引き抜く必要なく、上方に簡単に取り外すことができる。従って、キャリッジの取り外しに先立って多くの部品を取り外す必要も無く、キャリッジ交換のためにマシンの幅方向の充分なスペースも要しない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す外観斜視説明図である。
【図2】同装置の機構部の要部平面説明図である。
【図3】同じく機構部の要部斜視説明図である。
【図4】同じくキャリッジ部分の側面説明図である。
【図5】同じくキャリッジ部分の正面斜視説明図である。
【図6】同じくキャリッジ部分の正面説明図である。
【図7】キャリッジをガイドロッドでガイド支持する、1軸1レール支持と呼ばれる比較例を示す側面図である。
【図8】キャリッジをガイドロッドでガイド支持する、2軸支持と呼ばれる別な比較例を示す側面図である。
【図9】キャリッジを板金ガイドレールでガイド支持する、別な比較例を示す側面図である。
【図10】本発明に従うガイド部材に挿入されたキャリッジの側面図であって、キャリッジとガイドレールの間のがたつきを捩りコイルばねの付勢力で防止するための構成を示す図である。
【図11】本発明に従うキャリッジを覆うためのカバーを示す図である。
【図12】本発明に従うガイド部材に挿入されたキャリッジにカバーを装着した状態を示す側面図である。
【図13】本発明に従う別なガイド部材に挿入された別なキャリッジにカバーを装着した状態を示す側面図である。
【図14】カバーがセットされていない状態におけるガイド部材とキャリッジの斜視図である。
【図15】カバーがセットされた状態におけるガイド部材とキャリッジの斜視図である。
【図16】キャリッジをガイド部材に挿入し、キャリッジにカバーをセットしたときの内部の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る画像形成装置の一例の概要について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の外観斜視説明図、図2は同装置の機構部の平面説明図である。
【0009】
この画像形成装置は、シリアル型のインクジェット記録装置であり、装置本体100の上面側に開閉可能にカバー101が設けられ、このカバー101を開くことで内部の機構部にアクセスすることができる。
【0010】
機構部は、図2に示すように、左右のメイン側板1A、1Bに横架した案内部材であるガイド部材3にてキャリッジ4を主走査方向に摺動自在に支持し、主走査モータ5によって駆動プーリ6と従動プーリ7との間に張架されたタイミングベルト8を介してキャリッジ4を主走査方向に移動走査する。
【0011】
このキャリッジ4には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液滴を吐出する画像形成手段としての液体吐出ヘッド及びこの液体吐出ヘッドにインクを供給するヘッドタンクを含む記録ヘッドユニット(以下、単に「記録ヘッド」ともいう。)11を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0012】
また、キャリッジ4の主走査方向に沿ってエンコーダスケール15を配置し、キャリッジ4側にはエンコーダスケール15の目盛り(スケール:位置識別部)を読み取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ16を取り付け、これらのエンコーダスケール15とエンコーダセンサ16とで位置検出装置としてのリニアエンコーダを構成している。
【0013】
一方、キャリッジ4の下側には、図示しない記録媒体を副走査方向に搬送する搬送手段としての搬送ベルト21を配置している。この搬送ベルト21は、無端状ベルトであり、搬送ローラ22とテンションローラ23との間に掛け渡されて、副走査モータ31によってタイミングベルト32及びタイミングプーリ33を介して搬送ローラ22が回転駆動されることによって副走査方向に周回移動される。
【0014】
さらに、キャリッジ4の主走査方向の一方側には搬送ベルト21の側方に記録ヘッド11の維持回復を行う維持回復機構41が配置されている。なお、維持回復機構41は、例えば記録ヘッド11のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材、ノズル面を払拭するワイパ部材、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出受けなどで構成されている。
【0015】
また、図1に示すように、記録媒体を収納してこれを搬送ベルト21に給紙する給紙手段を構成する給紙トレイ102や、画像形成手段としての記録ヘッド11から吐出された液体が付着して画像が形成された記録媒体を排紙する排紙手段を構成する排紙トレイ103などが設けられている。給紙トレイ102は装置本体100に対して着脱自在に装着される。
【0016】
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙された記録媒体を搬送ベルト21で間歇的に搬送し、キャリッジ4を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド11を駆動することにより、停止している記録媒体に液滴を吐出して規定の行数分を記録し、記録媒体を所定量搬送後、次の行の記録を行なう動作を繰り返して記録媒体上に画像を形成し、画像形成後記録媒体を排紙する。
【0017】
次に、この画像形成装置におけるキャリッジの支持構造について図3ないし図6を参照して説明する。なお、図3は同じく機構部の要部斜視説明図、図4は同じくキャリッジ部分の側面説明図、図5は同じくキャリッジ部分の正面斜視説明図、図6は同じくキャリッジ部分の正面説明図である。
【0018】
ガイド部材3は板金部材からなり、キャリッジ4を摺動自在に案内するための支持面となるガイド面51,53,55を有している。詳しくは、ガイド面53はガイド部材3の外側に形成され、ガイド面51,55はガイド部材3の内側に形成されている。そして、キャリッジ4は、ガイド部材3のガイド面51に摺動自在に支持される第1摺動部としての摺動部57と、ガイド面53に摺接する第2摺動部としての摺動部59と、ガイド面55に摺接する第3摺動部としての摺動部61とを有している。この場合、ガイド部材3のガイド面51は、キャリッジ4の高さ位置を決める面となり、ガイド面53は、キャリッジ4の自重によるモーメントを受ける面であって、ガイド部材3に対する回転止め部となり、ガイド面55はキャリッジ4の副走査方向位置を決める面となる。
【0019】
また、図2から分かるように、エンコーダスケール15は、ガイド部材3よりも装置本体手前側に設けられている。そして、キャリッジ4は、エンコーダスケール15をガイドするためのエンコーダスケールガイド部58を有している。エンコーダスケールガイド部58はキャリッジ4の上部から下方に突出している。キャリッジ4の回転止めのための摺動部59は、エンコーダスケールガイド部58からガイド部材3に向かって延出し、ガイド部材3に摺接している。従って、エンコーダスケールガイド部58は、エンコーダスケール15のガイド機能とキャリッジ4の回転止めの機能の両方を有している。
【0020】
ここで、図5,6に示すように、キャリッジ4の摺動部57には、主走査方向に延在する軸部材63がキャリッジ4に固定された4個の保持部材62にて回転自在に保持されている。この軸部材63には、ガイド部材3の支持面であるガイド面51に摺動自在に接する摺動面67を有する2つのカム部材65が設けられている。
【0021】
図7は、キャリッジをガイドロッドでガイド支持する、1軸1レール支持と呼ばれる比較例を示す側面図である。
キャリッジ70は、軸受71を貫通するガイドロッド72によりガイド支持され、記録媒体幅方向である主走査方向(紙面垂直方向)に往復運動するようになっている。ここで、キャリッジ70の上方にはガイドレール73が設けられ、これがキャリッジ70を支持することにより、キャリッジ70がガイドロッド72を中心に自重で回転してしまうのを抑えている。
【0022】
図8は、キャリッジをガイドロッドでガイド支持する、2軸支持と呼ばれる別な比較例を示す側面図である。
キャリッジ70の後方は、軸受71を貫通するガイドロッド72によりガイド支持され、主走査方向に往復運動する構成になっている。ここで、キャリッジ70の前方にはサブガイドロッド74が設けられ、これがキャリッジ70を支持することで、キャリッジ70がガイドロッド72を中心に自重で回転してしまうのを抑えている。
【0023】
このように、図7,8のどちらの構成においても、キャリッジ70にはガイドロッド72が貫通しているため、キャリッジ70をガイドロッド72から着脱するには、ガイドロッド72からキャリッジ70を主走査方向(紙面垂直方向)に引き抜く作業が必要になる。そして、このためには多数の他の部品を取り外す必要があり、繁雑な作業に時間がかかる。
【0024】
図9は、キャリッジを板金ガイドレールでガイド支持する、別な比較例を示す側面図である。
ここでは、キャリッジ70の後方は板金ガイドレール75のみにより支持されている。キャリッジ70は、部分76,77,78により3ヶ所で板金ガイドレール75の各ガイド面に位置決めされ、主走査方向(紙面垂直方向)に往復運動するようになっている。詳しくは、キャリッジ70は、部分76により鉛直方向に規制され、部分77により主走査方向と直交する副走査方向に規制され、部分78により板金ガイドレール75に対して回転止めされている。また、これら部分に加えて、各部分に隙間が生じることによるキャリッジのがたつきを無くすために、ばねなどによる付勢機構(不図示)がしばしば設けられる。
【0025】
この構成においては、部分78に隣接する、回転止めのための板金ガイドレール75の部分99が下向きに延在しており、鉤爪状になっている。よって、この鉤爪部分99がキャリッジ70の鉛直方向の抜け止め部として機能しているため、キャリッジ70を板金ガイドレール75から着脱するには、キャリッジ70を板金ガイドレール75から主走査方向(紙面垂直方向)に引き抜く必要がある。このためには多数の他の部品を取り外す必要があり、繁雑な作業に時間がかかる。
【0026】
図10は、本発明に従うガイド部材3に挿入されたキャリッジ4の側面図であって、キャリッジ4とガイドレール3の間のがたつきを捩りコイルばね80,81の付勢力で防止するための構成を示している。
図示のように、板金部材からなるガイド部材3の断面は概ねコ字形状を有しており、ガイド部材3は、キャリッジ4を鉛直方向に位置規制するための部分を有していない。具体的には、ガイド部材3の上部のガイド面52は、鉛直方向に延在するガイド面53から水平に延長しており、その下部のガイド面51は、ガイド面53からガイド面52よりも長く水平に延長し、さらにガイド面55がガイド面51から鉛直上方に延長している。キャリッジ4は、このガイド部材3に対して図中右から左に向かって挿入することで装着されている。
【0027】
図示のように、キャリッジ4の両側面には、2つの突起部に嵌合された付勢手段としての2つの捩りコイルばね80,81が設置されている。
両側面の上側の捩りコイルばね80の一方のアームの先端には、ガイド部材3に沿って主走査方向(紙面垂直方向)に延在する摺動部材82が取り付けられている。摺動部材82は、例えば軽くて強固なプラスチックからなり、キャリッジ4の主走査方向の幅程度の長さを有し、ガイド面52に当接している。
【0028】
捩りコイルばね80の他方のアームは、ばねに付勢力を持たせるために引っ掛け部84に引っ掛けることができるが、図示の状態では引っ掛けられておらず、ばねの付勢力は解除されている。他方のアームを引っ掛け部84に引っ掛けると、ばねの付勢力が生じ、ガイド面52に当接した摺動部材82はガイド部材3に対して鉛直上方の力を加える。従って、捩りコイルばね80及び摺動部材82を介してキャリッジ4のガイド部材3に対するがたつき(回転)が抑えられる。
【0029】
一方、両側面の下側の捩りコイルばね81の一方のアームの先端にも、ガイド部材3に沿って主走査方向(紙面垂直方向)に延在する摺動部材83が取り付けられている。摺動部材83は、例えば軽くて強固なプラスチックからなり、キャリッジ4の主走査方向の幅程度の長さを有し、ガイド部材3のガイド面55に当接している。
【0030】
捩りコイルばね81の他方のアームは、ばねに付勢力を持たせるために引っ掛け部84に引っ掛けることができるが、図示の状態では引っ掛けられておらず、ばねの付勢力は解除されている。他方のアームを引っ掛け部84に引っ掛けると、ばねの付勢力が生じ、ガイド面55に当接した摺動部材83はガイド部材3のガイド面55に対して図中右方向の力を加える。一方、キャリッジ4の摺動部61はガイド面55に対して図中左方向の力を加えている。従って、摺動部材83とキャリッジ4の摺動部61がガイド部材3のガイド面55を挟み込むようになる。このようにして、捩りコイルばね81及び摺動部材83を介してキャリッジ4のガイド部材3に対するがたつき、特にキャリッジ4のガイド部材3に対する回転が抑えられる。
【0031】
キャリッジ4をガイド部材3から取り外す際には、先ず、キャリッジ4のガイド部材3に対するがたつき抑制(回転防止)のために設けられた捩りコイルばね80,81の付勢力を解除する必要があるが、指でばねのアームを引っ掛け部84から外すことで簡単にばねの付勢力を解除することができるため、キャリッジの取り外し作業が煩雑化することはない。
【0032】
ここで、ガイド部材3及びキャリッジ4は、キャリッジ4を鉛直方向に位置規制するための部分を有しておらず、キャリッジ4はガイド部材3によって鉛直方向に位置規制されていない。具体的には、ガイド部材3のガイド面52は鉛直方向に延在するガイド面53から水平にのみ延長しており、さらに下方には延長していない。よって、捩りコイルばね80,81の付勢力が解除されている図示の状態では、キャリッジ4をガイド部材3から負荷なく上方に取り外すことができる。従って、キャリッジ4をガイド部材3から主走査方向(紙面垂直方向)に引き抜く作業は不要となり、また、このために多数の他の部品を取り外す必要もなく、簡単且つ迅速にキャリッジの取り外し作業を行うことができる。
【0033】
なお、画像形成の際にキャリッジ4がガイド部材3に沿って摺動するとき、摺動部材82,83もキャリッジ4の移動に伴ってガイド部材3に沿って摺動するが、キャリッジ4のガイド部材3に対するがたつきが抑えるための捩りコイルばね80,81の付勢力は、キャリッジ4のガイド部材3に対する摺動を妨げる程大きくない。
【0034】
前述のように、ガイド部材3及びキャリッジ4は、キャリッジ4をガイド部材3に対して鉛直方向に位置規制するための部分を有しておらず、図10に示す状態では、キャリッジ4のガイド部材3からの鉛直方向の抜け止め措置は施されていない。よって、キャリッジ4は、これをガイド部材3から手で持ち上げることにより又は突発的に、ガイド部材3から鉛直方向に抜けてしまう恐れがある。そこで、キャリッジ4をガイド部材3に対して鉛直方向に位置規制するための位置規制部品としてのカバー85をキャリッジ4に装着することにより、これを防止する。
【0035】
図11は、本発明に従うキャリッジ4を覆うためのカバー85を示す図である。
ここで、上図は図15における矢印Xの方向から見たカバーの側面図、下図はカバーの平面図である。カバー85は、平坦な上面とその側方から鉛直下方に延在している側面からなる。
【0036】
カバー85の上面には、キャリッジ4の上部に形成された爪状の引っ掛け部98に対応する受け部79が形成されている。カバー85の側面には、キャリッジ4の上部の側面に形成された突起部90とスナップフィットする係合部86、キャリッジ4の上部の側面に形成された突出部91,92を受容する溝状の受容部87,89、ガイド部材3のガイド面52に引っ掛かりキャリッジ4の鉛直方向の抜けを防止する抜け止め部88が形成されている。
【0037】
係合部86は、カバー側面からその長手方向に沿って延在しており、その中央には開口が形成されている。抜け止め部88は、カバー側面からその長手方向に沿って延在した後上方に延在しており、鉤爪形状を有している。
【0038】
図12は、本発明に従うガイド部材3に挿入されたキャリッジ4にカバー85を装着した状態を示す側面図である。
カバー85は、キャリッジ4の上面に被せ、図中左側に向かって挿入することでキャリッジ4に装着される。このとき、キャリッジ4の突起部90はカバー85の係合部86の開口にスナップフィットし、カバー85はキャリッジ4に固定される。突起部90と係合部86のスナップフィット係合により、工具などを使用せずに手動によりワンアクションでカバー85の取り付け・取り外し作業をすることができ、作業が簡便化される。
【0039】
また、キャリッジ4の突出部91,92はそれぞれカバー85の受容部87,89の溝に嵌り、キャリッジ4に対するカバー85の固定が補強される。
なお、カバー85をキャリッジ4から取り外す際は、カバーを図中右側に引き出して突起部90と係合部86のスナップフィット係合を解除し、上方に持ち上げればよい。
【0040】
カバー85をキャリッジ4に装着した状態では、カバー85に設けられた鉤爪状の抜け止め部88が、ガイド部材3のガイド面52の下側に入り込むようになっており、これによりキャリッジ4がガイド部材3から上方に抜けることが防止される。また、カバー85はキャリッジ4側にのみ装着され、ガイド部材3自体には接触していない。このようにカバーを形成することで、カバーのサイズがコンパクトになり、カバーの操作性が高められ、カバーの取り付け・取り外し作業を容易に行うことができる。
【0041】
また、カバー85の抜け止め部88とガイド部材3のガイド面52の間に隙間を形成しておくことで、キャリッジ4は、カバー85を介してガイド部材3から余計な抵抗力を受けることなく、ガイド部材3上を滑らかに移動することができる。
【0042】
図13は、本発明に従う別なガイド部材3に挿入された別なキャリッジにカバー85を装着した状態を示す側面図である。
本実施形態では、図12における実施形態と異なり、ガイド部材3は、キャリッジ4の第1摺動部及び第3摺動部と摺接する略円筒状の第1ガイド部材としてのガイドロッド94と、該ガイドロッド94とは別の部材で構成されキャリッジ4の第2摺動部と摺接する第2ガイド部材とで構成される。また、キャリッジ4の第1摺動部及び第3摺動部は、下方に開放した半円弧状の摺接部93として形成されている。摺接部93をガイド支持するガイドロッド94は主走査方向に装置本体に設けられている。このキャリッジ4をガイド部材3の第2ガイド部材に挿入すると、摺接部93はガイドロッド94上に載るようになっており、これによりキャリッジ4の鉛直方向及び副走査方向の位置が決められるとともに、キャリッジ4はガイドロッド94上を主走査方向に摺動することができる。
【0043】
ガイド部材3のガイド面52は、ガイド面53から水平に延長しているだけであり、鉤爪形状を有していない。従って、カバー85を取り付けた状態では、抜け止め部88がガイド部材3の上部のガイド面52に引っ掛かるため、キャリッジ4の上方への抜けが防止される。一方、カバー85を取り外し、捩りコイルばね80の付勢力を解除した状態では、キャリッジ4をガイド部材3から主走査方向(紙面垂直方向)に引き抜く必要なく、上方に簡単に取り外すことができる。
【0044】
なお、本実施形態において、カバー85の構成は図11におけるものと同様である。また、ガイド部材3の断面は略L字形状を有しており、その下部はガイド面53から水平に延長していないが、ガイド部材3はこのような形状に限られない。
【0045】
図14は、カバー85がセットされていない状態におけるガイド部材3とキャリッジ4の斜視図である。
キャリッジ4の上面には、インクの吐出を制御するための電子基板97が載置されており、キャリッジ4がガイド部材3に挿入されると、電子基板97が載置された部分はガイド部材3を越えて延在するようになっている。また、キャリッジ4の上部には、チューブガイド部品96が組み付けられており、チューブガイド部品96には、キャリッジに納められた記録ヘッド11内のヘッドタンク(不図示)から延びたインクチューブ95が這い回されている。図示の状態では、インクチューブ95、チューブガイド部品96及び電子基板97は外部に露出しており、特にインクチューブ95は鉛直方向に位置規制されていない。
【0046】
図15は、カバー85がセットされた状態におけるガイド部材3とキャリッジ4の斜視図である。
カバー85は、その両側面に設けられた係合部86とキャリッジ4の突起部90とのスナップフィット、その両側面に設けられた受容部87,89とキャリッジ4の突出部91,92の係合、及びその上面に形成された受け部79とキャリッジ4の引っ掛け部98の係合により、キャリッジ4に固定されている。図示のように、カバー85は、キャリッジ4内のインクチューブ95、電子基板97、記録ヘッド11などを含めて、キャリッジの上面を覆うように構成されており、キャリッジ内に埃やインクミストなどの異物が入り込むことを防止している。なお、カバー85は、矢印Yの方向にスライドさせることで容易に取り外せるようになっている。
【0047】
図16は、キャリッジ4をガイド部材3に挿入し、キャリッジ4にカバー85をセットしたときの内部の状態を示す断面図である。
図示のように、キャリッジ4の上部にセットされたチューブガイド部材96内に這い回されたインクチューブ95は、カバー85によって上から押さえられ、鉛直方向の動きを規制されている。これにより、キャリッジ4が画像形成のために主走査方向に往復運動する際、キャリッジ内に配置されたインクチューブ95が鉛直方向に浮いたり水平方向に振られたりして、負荷がかかり、インクチューブが損傷することが防がれる。
【0048】
また、カバー85は、例えばエラストマーなどの弾性材料で形成されると好ましい。これにより、カバー85を外さないままキャリッジ4を上方に持ち上げようとした場合における、カバーの抜け止め部88とガイド部材3の接触及びカバーとインクチューブ95の干渉による衝撃や擦れを低減し、部品の破損を防ぐことができる。
【0049】
また、これに代えて、キャリッジ4を鉛直方向に位置規制する抜け止め部88や、カバー85のうちのインクチューブ95をガイドする部分のみがエラストマーなどの弾性材料で形成されてもよい。このように、カバー85のうちの必要な箇所のみに弾性材料を用いることで、キャリッジ4の重量増加を抑えることができる。キャリッジの重量増加が低減されることで、キャリッジを動作させるのに必要な電力を減らすことができ、装置全体の省エネルギー化がもたらされる。
【0050】
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カバーの形状、受け部、係合部、受容部、抜け止め部などの形状や位置や個数は適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0051】
3 ガイド部材
4 キャリッジ
11 記録ヘッド(画像形成手段)
15 エンコーダスケール
57 摺動部(第1摺動部)
58 エンコーダスケールガイド部
59 摺動部(第2摺動部)
61 摺動部(第3摺動部)
80,81 捩りコイルばね(付勢手段)
82 摺動部材
85 カバー(位置規制部品)
93 摺接部
94 ガイドロッド(第2ガイド部材)
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開2008−137192号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成手段を備えたキャリッジと、該キャリッジを該記録媒体の幅方向である主走査方向にガイドするためのガイド部材とを有する画像形成装置において、
前記キャリッジは、前記ガイド部材に摺動自在に支持される第1摺動部と、前記ガイド部材に摺接して前記ガイド部材に対する回転止めを行うための第2摺動部と、前記ガイド部材に摺接して前記主走査方向と直交する副走査方向の位置を決めるための第3摺動部とを有し、
前記キャリッジは、前記ガイド部材によって鉛直方向に位置規制されず、
前記キャリッジを前記ガイド部材に対して鉛直方向に位置規制するための位置規制部品が、前記キャリッジに着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記位置規制部品は前記キャリッジにのみ装着され、前記ガイド部材に接触しないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記位置規制部品は前記キャリッジの上面を覆うカバーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記位置規制部品は、前記キャリッジにスナップフィット係合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記位置規制部品は、前記キャリッジ内に配置されたインクチューブの鉛直方向の動きを規制することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記キャリッジには、前記キャリッジと前記ガイド部材の間のがたつきを抑える付勢手段が設置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記付勢手段に、前記ガイド部材に沿って延在する摺動部材が取り付けられ、該摺動部材は、前記付勢手段の付勢力によって前記ガイド部材に当接することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
エンコーダスケールが、前記ガイド部材よりも装置本体手前側に設けられ、前記キャリッジは、前記キャリッジの上部から下方に突出する、該エンコーダスケールをガイドするためのエンコーダスケールガイド部を有し、前記第2摺動部は、該エンコーダスケールガイド部から前記ガイド部材に向かって延出して前記ガイド部材に摺接していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ガイド部材は、前記第1摺動部及び前記第3摺動部と摺接する略円筒状の第1ガイド部材と、該第1ガイド部材とは別の部材で構成され前記第2摺動部と摺接する第2ガイド部材とで構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成手段を備えたキャリッジと、該キャリッジを該記録媒体の幅方向である主走査方向にガイドするためのガイド部材とを有する画像形成装置において、
前記キャリッジは、前記ガイド部材に摺動自在に支持される第1摺動部と、前記ガイド部材に摺接して前記ガイド部材に対する回転止めを行うための第2摺動部と、前記ガイド部材に摺接して前記主走査方向と直交する副走査方向の位置を決めるための第3摺動部とを有し、
前記キャリッジは、前記ガイド部材によって鉛直方向に位置規制されず、
前記キャリッジを前記ガイド部材に対して鉛直方向に位置規制するための位置規制部品が、前記キャリッジに着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記位置規制部品は前記キャリッジにのみ装着され、前記ガイド部材に接触しないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記位置規制部品は前記キャリッジの上面を覆うカバーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記位置規制部品は、前記キャリッジにスナップフィット係合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記位置規制部品は、前記キャリッジ内に配置されたインクチューブの鉛直方向の動きを規制することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記キャリッジには、前記キャリッジと前記ガイド部材の間のがたつきを抑える付勢手段が設置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記付勢手段に、前記ガイド部材に沿って延在する摺動部材が取り付けられ、該摺動部材は、前記付勢手段の付勢力によって前記ガイド部材に当接することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
エンコーダスケールが、前記ガイド部材よりも装置本体手前側に設けられ、前記キャリッジは、前記キャリッジの上部から下方に突出する、該エンコーダスケールをガイドするためのエンコーダスケールガイド部を有し、前記第2摺動部は、該エンコーダスケールガイド部から前記ガイド部材に向かって延出して前記ガイド部材に摺接していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ガイド部材は、前記第1摺動部及び前記第3摺動部と摺接する略円筒状の第1ガイド部材と、該第1ガイド部材とは別の部材で構成され前記第2摺動部と摺接する第2ガイド部材とで構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−932(P2013−932A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132100(P2011−132100)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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