説明

画像投写装置

【課題】 画面の位置ずれとそれに伴う歪みに対して、画面の上端及び下端両方の位置ずれを補正するとともに、画面の歪みも補正できる調整機構を得ることを目的とする。
【解決手段】 投写レンズからスクリーンまでの光線の経路の短い方の光線40bが反射する側、つまり、曲面ミラー18における光線40の角度変化に対する画面移動の感度の低い側に、先端が半球状の突起21を設け、すり鉢状の受け部22で支持して回動中心とするとともに、曲面ミラー18の左右に独立した高さ調整機構を設けることにより、画面下端の位置ずれと歪みを補正する。また、曲面ミラー18とは反対側に平面ミラー4の回動軸41を設け、平面ミラー4の角度を調整ねじ17で調整することによって、画面上端の画面の位置ずれを補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプロジェクタやプロジェクションテレビなど、歪みのない画像をスクリーンの正しい位置に投写するように補正できるミラーおよびその調整機構を有する画像投写装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタやプロジェクションテレビなど、画像を拡大してスクリーンに投写する画像投写装置においては、画像を拡大する曲面ミラーに高い位置精度が要求される。そのため、曲面ミラー及びその他の光学部品の形状に誤差が生じたり、固定位置が正規の位置から少しでもずれると、スクリーンに投写される画面の位置がずれたり、画面が台形状になる歪みが発生するという問題があった。
【0003】
従来のミラー調整機構では、投影光学手段が、屈折光学部から反射部へ光画像信号を反射する光路折曲手段を備え、反射部の光軸を含む水平面内で屈折光学部の光軸方向を適切な角度に折り曲げるようにしている。また、光軸を共通化して回転対称形で屈折光学部及び反射部が構成され、光軸近傍に設けられた凸部と、そのV溝に凸部を嵌るV溝支持体と、凸部の左右にその一端がそれぞれ固定され、反射部に対して引っ張り力を与える2つのスプリングと、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第2の反射部取付け機構に対してスライド保持される第2のネジ留部と、長方形の下辺以外の辺に設けられ、第3の反射部取付け機構に対してスライド保持される第3のネジ留部とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、他の例として、スクリーンの下方に向かう光を反射する部分の曲率が、スクリーンの上方に向かう光を反射する部分の曲率よりも大きい、もしくはスクリーンの下方に向かう光を反射する部分が該光の反射方向に凸の形状を為し、スクリーンの上方に向かう光を反射する部分が光の反射方向に凹の形状を為す自由曲面ミラーと、この自由曲面ミラーを当該自由曲面ミラーの略中心を中心軸として回転可能にするための機構を備えるようにしものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、他の例として、投写エンジン部からの光を調整することにより画像を補正する補正部を有するとともに、投写エンジン部の移動及び回転の少なくとも一方を行うための駆動機構を備えるようにしたものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−207168号公報(段落0026、0029、0072、図23、図73)
【特許文献2】特開2006−292900号公報(段落0011〜0012、図3、図8)
【特許文献3】特開2008−70694号公報(段落0010〜0011、図3、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1等により知られたミラー調整機構では、曲面ミラーの角度を調整する機構は備えるものの、投写レンズから曲面ミラーに向かう光線を反射する平面ミラーに調整機構が無いので、画面の歪みと光路長(光線の経路)が長い方の画面の位置ずれは補正できても、光路長の短い方の画面の位置ずれが残ってしまうという問題があった。
【0008】
また、特許文献2等により知られたミラー調整機構では、曲面ミラーの角度が調整できるようになっているが、前後方向に回動するだけなので、画面の歪みを左右別々に調整できない。また、曲面ミラーとスクリーンの間に平面ミラーを設けているが、角度調整機構が無いので画面の位置ずれが補正しきれないという問題があった。
【0009】
さらに、特許文献3等により知られたミラー調整機構では、投写レンズと曲面ミラーとの間に平面ミラーを有する構造は同じだが、両ミラーに調整機構は無く、エンジン自体を回転または移動することによって画面の調整を行うので、正確で緻密な補正ができないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画面の位置ずれとそれに伴う歪みに対して、画面の上端及び下端両方の位置ずれを補正するとともに、画面の歪みも補正できるミラーおよびその調整機構を装備した画像投写装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像投写装置は、光源を含む照明光学系と、画像信号が入力され、照明光学系からの光線を前記画像信号に応じて変調する光変調素子と、画像を表示するスクリーンに前記光変調素子からの変調光を拡大投写する投写光学系とを有し、前記投写光学系は、光線を前記スクリーンに斜めに投写するために、前記光変調素子に対して光軸をずらして配置され、前記光変調素子からの変調光を拡大投射する投写レンズと、前記投写レンズから出射された光線を反射し、前記投写レンズから前記スクリーンまでの光線の経路の長い方の光線が反射する側に回動中心が設けられ、この回動中心を中心に回動することにより前記光線の角度を調整する平面ミラーと、前記平面ミラーからの光線を反射して拡大し、前記投写レンズから前記スクリーンまでの光線の経路の短い方の光線が反射する側に回動中心が設けられ、この回動中心を中心に回動することにより前記光線の角度を調整する曲面ミラーと、を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画面の上端及び下端両方の位置ずれを補正するとともに、画面の歪みも補正できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に示すミラー調整機構を含む投写光学系を表す断面図。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1に示すミラー調整機構を含む投写光学系を表す斜視図。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1に示すミラー調整機構を含む投写光学系から投写された光線の経路を表す側面図。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1に示す平面ミラーの調整機構を表す分解図。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1に示す平面ミラーの調整機構の回動軸の保持部を表す断面図。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1に示す平面ミラーの調整機構を表す断面図。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1に示す曲面ミラーの調整機構を表す斜視図。
【図8】図8は、本発明の実施の形態1に示す曲面ミラーの調整機構を表す分解図。
【図9】図9は、本発明の実施の形態1に示す曲面ミラーの調整機構を表す部分断面図。
【図10】図10は、本発明の実施の形態1に示す曲面ミラーの調整機構を表す部分断面図。
【図11】図11は、本発明の実施の形態1に示す曲面ミラーの側面図。
【図12】図12は、本発明の実施の形態1に示す曲面ミラーによる画面補正の状態を表す説明図。
【図13】図13は、本発明の実施の形態1に示す曲面ミラーによる画面補正の状態を表す説明図。
【図14】図14は、本発明の実施の形態1に示す平面ミラーによる画面補正の状態を表す説明図。
【図15】図15は、本発明の実施の形態1に示す曲面ミラーによる画面の再補正の状態を表す説明図。
【図16】図16は、本発明の実施の形態1に示す平面ミラーによる画面補正の状態を表す説明図。
【図17】図17は、本発明の実施の形態1に示す曲面ミラーによる画面の再補正の状態を表す説明図。
【図18】図18は、本発明の実施の形態2に示す画像投写装置の構成図。
【図19】図19は、本発明の実施の形態3に示す画像投写装置の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
以下、図面を用いて本発明の実施の形態1のミラー調整機構について説明する。図1は本実施の形態によるミラー調整機構を含む投写光学系100の断面図、図2はその斜視図である。図1及び図2に示すように、投写光学系100は、主要部品を保持するためのベース部材1と、光線40を拡大する投写レンズ2と、投写レンズ2を保持してベース部材1に固定されるフランジ3と、投写レンズ2からの光線40を反射して方向を変える平面ミラー4と、平面ミラー4の保持部材である平面ミラーホルダ5と、平面ミラーホルダ5が回動するときの中心軸である回動軸41と、平面ミラー4を平面ミラーホルダ5側に付勢する板ばね6と、その板ばね6を固定するねじ7と、ベース部材1と平面ミラーホルダ5との間に挟まれ、平面ミラーホルダ5を上方に付勢するコイルばね(弾性部材)12a、12bと、平面ミラーホルダ5の上面に橋渡しされる平板13と、平板13を平面ミラーホルダ5に固定するねじ14a、14bと、平面ミラーホルダ5の上部に覆い被さるように配置されたストッパ15と、ストッパ15の左右の端部をベース部材1に固定するねじ16a、16bと、ストッパ15に設けられたねじ穴に嵌合し、その半球状の先端部が平板13に当接する調整ねじ17と、平面ミラー4からの光線40を反射してさらに拡大する曲面ミラー18と、曲面ミラー18を保持する曲面ミラーホルダ19と、曲面ミラー18の端部の中央に設けられた保持部20と、保持部20から曲面ミラーホルダ19側に突出した先端が半球状の突起21(第1球状突起)と、曲面ミラーホルダ19に設けられ、突起21の先端と当接するすり鉢状の面を有する受け部22と、突起21とは反対側に設けられたボス(第3凸部)23と、ボス23と嵌合し保持部20の上面に当接するコイルばね(弾性部材)24と、コイルばね24の他端を押さえる押さえ部材25と、投写レンズ2の光軸42からシフトした位置に配置された反射型光変調素子50により構成されている。
【0015】
反射型光変調素子50は、例えばDMD(Digital Micro−mirror Device)などの反射型の光変調素子で、各画素に対応する可動式のマイクロミラーを多数(例えば、数十万個)平面的に配列したものであり、画素情報に応じて各マイクロミラーの傾角(チルト)を変化させるように構成されている。なお、反射型光変調素子50から光進行方向前方側を照明光学系、反射型光変調素子50から光進行方向後方側を投写光学系とするので、反射型光変調素子50は照明光学系と投写光学系のどちらに含めても良い。
【0016】
次に、投写光学系100における光線40の経路について説明する。図1において、図示されない照明光学系から照射され、反射型光変調素子50で反射された光線40は、投写レンズ2の入口に斜めに入射する。投写レンズ2を出た光線40は、光軸42に対し斜め方向に出射され、平面ミラー4の反射面4aにより、斜め下方に折り返すように反射される。光線40はさらに、曲面ミラー18の反射面18aで反射され、平面ミラーホルダ5との干渉を避け、その横を通過して上方へ向かう。また、図3は投写光学系100から投写された光線40の経路を示す図で、曲面ミラー18で反射された光線40は、上方へ向かう途中で交差し、交差後は広がりながらさらに上方に向かう。次に光線40は、装置天面に設けられた天板ミラー200で反射され、スクリーン300の背面に投写されて画像が映し出される。なお、本実施の形態では、平面ミラー4を下向きに傾け、光線40を縦方向に折り曲げたが、平面ミラー4を垂直に立てた状態で横方向に回動させ、光線40を横方向に折り曲げる配置にしても良い。
【0017】
説明のために、図1と図3の左側すなわちスクリーン300がある側を投写光学系100の前側、右側を投写光学系100の後側とする。投写レンズ2から照射された光線40の前側の光線40aは、平面ミラー4と曲面ミラー18の前側で反射される。前側の光線40aは上方に向かう途中で後側の光線40bと交差するために、天板ミラー200の後側に反射してスクリーン300の下端に投写される。また、投写レンズ2から照射された光線40の後側の光線40bは、平面ミラー4と曲面ミラー18の後側で反射され、天板ミラー200の前側に反射してスクリーン300の上端に投写される。
【0018】
本実施の形態では、反射型光変調素子50に対して投写レンズ2の光軸を前側にずらして配置し、光線40をスクリーン300に斜めに投写するようにしたので、前側の光線40aの投写レンズ2からスクリーン300までの経路、つまり光路長は、後側の光線40bの光路長よりも長くなる。また、光路長が長い光線40aの方が、光路長が短い光線40bよりもスクリーン300に対する光線の入射角が大きくなる。光線の入射角が大きいということは、スクリーン300に対して光線がより斜めに入射するということなので、光線の角度がずれた場合の画面の移動量も大きくなる。つまり、曲面ミラー18の反射面18aにおける光線の角度変化に対する画面移動の感度は、光線40aの方が光線40bよりも高いことになる。
【0019】
曲面ミラー18の前側で反射する光線40aは、反射面18aの角度変化に対する感度が高く、後側で反射する光線40bは感度が低い。そのため、曲面ミラー18の反射面18aの面精度が悪く、反射面18aの角度に誤差を生じた場合や、天板ミラー200やスクリーン300の角度が設計値からずれた場合、曲面ミラー18の前側で反射した光線40aが投写されるスクリーン300下端の画面の位置が大きくずれる。一方、曲面ミラー18の後側で反射した光線40bが投写されるスクリーン300上端の画面位置のずれ量は小さい。スクリーン300下端の画面の位置ずれを補正するためには、光線40bの角度はなるべく変えずに光線40aの角度を変えたい。そこで、曲面ミラー18の感度の低い後側の中央に、先端が半球状の突起21を設け、その半球の中心を支点として曲面ミラー18が枢動可能(周囲全方向に回動可能)に支持するようにして、曲面ミラー18の角度を調整できるようにした。
【0020】
このように、曲面ミラー18の後側を回動中心とすることにより、曲面ミラー18を回動させた際に、曲面ミラー18の前側の高さが変わる。高さが変わることにより、反射面18aの光線40aを反射する位置も変わる。曲面ミラー18は反射面18aが曲面であるため、反射する位置が変われば反射する角度も変わる。例えば、図1で曲面ミラー18が時計回りに回動する場合、光線40aの反射位置は前側にずれるため光線40aは右側に傾く。曲面ミラー18自体の角度が変わるのに加え、反射位置が変わることにより光線40aはさらに右に傾く。一方、曲面ミラー18の後側は回動中心に近いため、高さがほとんど変わらない。高さが変わらないので、反射面18aで反射する光線40bの反射位置は変わらず、反射面18aの角度が変わるだけなので角度の変化量は小さい。つまり、曲面ミラー18の角度を変えると、光線40aの角度は大きく変わり、スクリーン300下端の画面の位置は大きく移動するが、光線40bの角度の変化は小さく、スクリーン300上端の画面の位置はほとんど動かない。よって、スクリーン300下端の画面の位置ずれを補正することが可能となる。
【0021】
しかし、反射型光変調素子50の面内方向の位置ずれや、投写レンズ2の光軸42のずれ、及び曲面ミラー18の回動中心の位置ずれなどにより、スクリーン300上端の画面の位置がずれた場合、曲面ミラー18の角度調整だけでは、画面の位置ずれを補正しきれない。そこで、平面ミラー4も角度調整ができるようにし、スクリーン300上端の画面の位置を補正できるようにした。曲面ミラー18では、スクリーン300下端の画面の位置を補正するために、曲面ミラー18の後側に回動中心を設けたが、平面ミラー4では、スクリーン300上端の画面の位置を補正するために、曲面ミラー18とは反対に、平面ミラー4の前側に回動軸41を設けた。なお、曲面ミラー18と同様に、平面ミラー4の後側に回動軸を設け、前側を回動させるようにした場合、スクリーン300上端の画面位置はほとんど動かない。
【0022】
平面ミラー4は、曲面ミラー18のように光線40を拡大する作用がないので、平面ミラー4の前側に回動軸41を設けてもスクリーン300上端の画面位置は大きくは動かないが、平面ミラー4の後側に回動軸を設けた場合に比べれば画面位置を動かすことができる。また、平面ミラー4の角度を調整すると、曲面ミラー18に入射する光線40の角度も変わるため、スクリーン300上端の画面位置だけでなく下端の画面位置も動いてしまうが、その場合は、再度曲面ミラー18の角度を調整して下端の画面位置を補正すればよい。
【0023】
以上のように、曲面ミラー18の光線感度の低い後側、つまり、スクリーン300までの光路長が短い側に回動中心を設けたので、スクリーン300下端に投写された画面の位置がずれても、曲面ミラー18の角度を調整することにより、画面の位置を補正することができる。また、平面ミラー4の前側に回動軸41を設けたので、スクリーン300上端に投写された画面の位置がずれても、平面ミラー4の角度を調整することにより、画面の位置を補正することができる。
【0024】
次に、平面ミラー4の調整機構の具体的な構造について説明する。図4は平面ミラー4の調整機構の分解図で、平面ミラー4は平面ミラーホルダ5に反射面4aを下向きに乗せられ、上から板ばね6で押さえることにより保持される。板ばね6は平面ミラーホルダ5にねじ7で固定される。平面ミラーホルダ5の両側面には、回動軸となる2本の円柱形のボス(第1凸部及び第2凸部)8a、8bが同軸上に形成されており、ベース部材1に設けたV字溝9a、9bに嵌合する。ボス8a、8bは上方から板ばね(弾性部材)10a、10bにより押さえられ、板ばね10a、10bを、ねじ11a、11bでベース部材1の取付面1a、1bに固定することにより、回動可能に保持される。図5はボス8bの保持部を部分的に拡大した断面図で、ボス8bがV字溝9bに嵌合し、その上から板ばね10bで押さえられる。ボス8bの外周の一部を、ベース部材1の取付面1bから少し突出するようにしているので、板ばね10bをねじ11bで固定する際に、板ばね10bが撓んでボス8bをV字溝9b側に付勢する。なお、反対側のボス8aも同様の保持構造により保持されている。
【0025】
また、組立時にコイルばね12a、12bをベース部材1と平面ミラーホルダ5との間に縮めた状態に挟み込むことによって、平面ミラーホルダ5を上方に回動させる付勢力が発生する。平面ミラーホルダ5の回動範囲を規制するために、平面ミラーホルダ5の上面に、平板13をねじ14a、14bで固定し、その平板13に被せるようにして、ストッパ15をねじ16a、16bでベース部材1に固定する。ストッパ15には、ねじ穴15aが設けられており、そこにねじ込まれた調整ねじ17の半球状の先端が平板13に当接する。
【0026】
次に、平面ミラー4の調整機構の動作について説明する。図6は平面ミラー4の調整機構部分を拡大した断面図で、平面ミラーホルダ5は、ベース部材1との間に挟まれたコイルばね12a(12bは図示されず)の付勢力によって、ボス8a、8bによって形成される回動軸41を中心に反時計回りに回動しようとする。これに対し、ストッパ15に取付けられた調整ねじ17の先端が平板13に当接し、その動きを規制する。この状態で、調整ねじ17を回すことにより平面ミラーホルダ5を回動させ、平面ミラーホルダ5に保持された平面ミラー4の角度を調整する。
【0027】
以上のように、ボス8a、8bをV字溝9a、9bで受けるようにしたので、回動軸41の位置がずれることがなく、平面ミラーホルダ5を安定して回動させることができる。また、角度調整の自由度を1軸に限定したことにより、調整機構の構造が簡単になるのでコストが低減できる。さらに、ミラーを平面ミラーとしたことにより、ミラーが面内方向にずれても光線の反射角度は変わらないので、スクリーン上の画面がずれることがない。また、平面ミラーホルダ5の左右端にコイルばね12a、12bを配置したので、平面ミラー4に入射する光線40及び反射して曲面ミラー18に向かう光線40に干渉することがない。さらに、平面ミラーホルダ5を、コイルばね12a、12bで回動方向に付勢し、調整ねじ17に当接させ位置を規制したので、ガタつきなく緻密な角度調整が可能であるとともに、平面ミラーホルダ5は常にコイルばね12a、12bで付勢されているので、調整後に別の方法で平面ミラーホルダ5の位置を固定する必要がない。
【0028】
次に、曲面ミラー18の調整機構の具体的な構造について説明する。図7は曲面ミラー18の調整機構の斜視図で、図8はその分解図、図9は曲面ミラーホルダ19だけ断面をとった部分断面図、図10は反対側から見た部分断面図である。図8に示すように、曲面ミラー18の外周には、4つの突出部が形成されている。曲面ミラー18の上部中央に設けられた保持部20と、左右の同じ位置に設けられた保持部27a、27bは、曲面ミラー18を保持するために設けられたもので、それぞれの上面にはボス23(第3凸部)とボス(第4凸部及び第5凸部)29a、29bが形成されている。また、図9と図10に示すように、保持部20の下面には先端が半球形状の突起(第1球状突起)21が、保持部27a及び保持部27bの下面には同じく先端が半球形状の突起(第2球状突起)28a及び突起(第3球状突起)28bが形成されている。さらに、曲面ミラー4の下部中央には、位置決め用のボス(第6凸部)33が形成されている。
【0029】
一方、曲面ミラーホルダ19側には、中央にねじ穴37a、37bが切られたブッシュ36a、36bが、ねじ38a、38bとねじ38c、38dによって固定される。ブッシュ36a、36bには、曲面ミラーホルダ19の裏側から、調整ねじ39a、39bがねじ込まれる。また、曲面ミラーホルダ19の底部には、位置決め用のボス33と嵌合するためのガイド34a、34bと、投写レンズ2からの光線40が通過するための窓35が設けられている。ガイド34a、34bは内側の面が平行で、ボス33の外径とほぼ隙間なく嵌合する。なお、曲面ミラー18が移動しても、ボス33が曲面ミラーホルダ19の底部に接触せず、かつガイド34a、34bの外側に出ないように、ボス33と曲面ミラーホルダ19の底部と[JA2]の間の標準的な距離とガイド34a、34bの長さを調整しておく。
【0030】
組み立ては、まず、曲面ミラー18を曲面ミラーホルダ19に乗せる。このとき、曲面ミラー18の突起21を曲面ミラーホルダ19の受け部22に当接させるとともに、位置決め用のボス33をガイド34a、34bに挿入する。これにより、曲面ミラー18の位置決めがなされ、曲面ミラー18の左右の突起28a、28bは、調整ねじ39a、39bの先端に自動的に当接する。次に、コイルばね24をボス23に嵌合させ、押さえ部材25でコイルばね24を押さえながらねじ26で曲面ミラーホルダ19に固定する。これにより、突起21の半球状の先端が、受け部22のすり鉢状の面に付勢され、突起21の半球の中心を支点として枢動可能(周囲全方向に回動可能)とするピボット機構が構成される。また、ピボット機構のボス23の先端と押さえ部材25との間隔を、突起21が曲面ミラーホルダ19の受け部22に入り込む長さよりも短くなるように設定した。そして、ピボット機構と同様に、コイルばね(弾性部材)30a、30bをボス29a、29bに嵌合させ、押さえ部材31a、31bで押さえてねじ32a、32bで固定する。これにより、曲面ミラー18の角度を調整する調整機構が構成される。
【0031】
図11は、本実施の形態の曲面ミラー18を示す側面図で、反射面18aが投写レンズ2の光軸42と同軸の光軸43を中心とした回転対称形になっている。また、ボス33は外周の一部が軸に沿う平面にてカットされた円柱形を成し(円周方向に少なくとも180度以上の円柱形の曲面を有している)、その中心軸44が、曲面ミラー18の角度調整時の回動軸(突起21の回動の支点を通る直線)45とほぼ平行になるように配置されている。ここで、突起28b先端の半球と図示されない突起28a先端の半球に接触し、突起21の中心(支点)を通る平面と、曲面ミラー18の中央を分割するようにこの平面に垂直方向に延びる面が交差してできる直線が、曲面ミラー18の角度調整時の回動軸45になる。なお、調整によって曲面ミラー18の角度が変われば、回動軸45の角度も若干変わるので、ボス33の中心軸44の方向を曲面ミラー18の回動軸45に常に合わせることはできない。
【0032】
次に、曲面ミラー18の調整機構の動作について説明する。図9と図10において、曲面ミラー18のピボット機構では、突起21の中心が回動中心となり回動自在に支持されている。また、曲面ミラー18左右の調整機構では、突起28a、28bの半球状の先端が、調整ねじ39a、39bの平面状の先端に当接している。これにより、曲面ミラー18は、突起21と突起28a、28bの3つの突起によって3点で支持される。この状態で、調整ねじ39a、39bを回し、曲面ミラー18の左右の高さを個々に変えることにより、曲面ミラー18の角度を自由に調整することができる。また、ボス33がガイド34a、34bで左右方向に規制されているので、曲面ミラー18が突起21を中心に左右に回転してしまうことがない。
【0033】
以上のように、曲面ミラー18を3つの突起21、28a、28bの3点で支持したので、曲面ミラー18を乗せたときに、ガタつくようなことがなく安定して支持することができる。また、3つの突起21、28a、28bの反対側にボス23、29a、29bを形成し、コイルばね24、30a、30bを嵌合させ、押さえ部材25、31a、31bで押さえたので、曲面ミラー18がどのような姿勢になったとしても脱落することがない。そして、曲面ミラー18の突起21の半球状の先端を曲面ミラーホルダ19のすり鉢状の受け部22に当接させピボット機構を構成した。つまり、突起21の半球状の先端をすり鉢状の受け部22に当接させることにより、曲面ミラー18を、突起21を支点として枢動可能に支持するようにした。これにより、曲面ミラー18を、突起21を中心に円周方向全方向に回動可能に支持することができる。加えて、曲面ミラー18の基準となる回動中心の位置がずれることがないので、解像度や画質などの光学性能が確保される。
【0034】
また、ピボット機構のボス23の先端と押さえ部材25との間隔は、突起21が曲面ミラーホルダ19の受け部22に入り込む長さよりも短くなるように設定されている。すなわち、ピボット機構のボス23が進退動するストロークの長さが、突起21が曲面ミラーホルダ19の受け部22に入り込む長さよりも短くなるように設定されている。そのため、曲面ミラー18が衝撃などにより浮き上がったときにも、ボス23が押さえ部材25に当接し突起21が受け部22から外れないので、曲面ミラー18が脱落することがない。さらに、曲面ミラー18の左右端に独立した高さ調整機構を設けたので、曲面ミラー18の角度を自由に調整することができる。これにより、部品精度や組み立て精度が悪く、画面の位置がずれたり画面の外形が歪んだりしても、調整機構で補正することにより正規の位置と形状に近づけることができる。
【0035】
また、曲面ミラー18の反射面18aを、投写レンズ2の光軸42と同軸の光軸43を中心とした回転対称形にしたので、曲面ミラー18の成型金型を製作する際に、光軸43を中心にした回転加工が可能なため、反射面18aの面精度が確保しやすい。さらに、曲面ミラー18の回動中心となる突起21とは反対側にボス33を設け、これを対向する平行な案間面を持つガイド34a、34bで挟み込み、曲面ミラー18が左右方向に回転するのを防止したので、投写された画面が左右にずれることがない。また、ボス33の中心軸44を曲面ミラー18の調整時の回動軸45とほぼ平行にしたので、曲面ミラー18の角度を調整する時に、ボス33がガイド34a、34bの間で回転しながら上下するので、曲面ミラー18の動きを妨げることがない。
【0036】
次に、画面の調整方法について説明する。図12と図13は、画面の下端61がずれた場合の調整の様子を示したもので、図3の左側からスクリーン300に映し出された長方形の画像を見ている状態を表している。図12では、点線の長方形で示した正規の画面位置60に対し、画面の下端61が大きく下側にずれるとともに、画面の左端63と右端64が傾いて画面が歪んでいる。本実施の形態の光学系では、曲面ミラー18や天板ミラー200、スクリーン300の傾きによって画面の下端61が下側にずれる場合、画面が拡大されるので下側に広がった台形の形になる。また、画面の下端61に到達する光線は、曲面ミラー18や天板ミラー200、スクリーン300の傾きに対する感度が高いため、正規の画面位置60からのずれ量が大きくなる。これに対し、画面の上端62に到達する光線は感度が低いため、画面の上端62のずれ量は画面の下端61のずれ量に比べ小さくなる。
【0037】
画面の左下61aの位置を補正するには、図10に示した曲面ミラー18の右側の調整ねじ39bを緩め、突起28bを下げることで、曲面ミラー18の反射面18aの角度が変わり、画面の左下61aが矢印の方向に移動する。曲面ミラー18から天板ミラー200に向かう光線40は、前後に交差するとともに左右にも交差しているので、曲面ミラー18の右側で反射された光線は、スクリーン300の左側に投写される。そのため、曲面ミラー18の右側の調整ねじ39bを回すと、画面の右下61bではなく画面の左下61aの位置が移動する。
【0038】
画面の右下61bの位置を補正するには、図9に示した曲面ミラー18の左側の調整ねじ39aを緩め、突起28aを下げることで、曲面ミラー18の反射面18aの角度が変わり、画面の右下61bが矢印の方向に移動する。曲面ミラー18の調整ねじ39a、39bを緩めると、画面の下端61は上側に移動しながら縮小するため、画面の下端61の位置だけではなく、画面の左端63と右端64の傾きも補正される。また、図12に示すように画面の下端61が傾いていても、曲面ミラー18の左右に独立した調整機構を設けたので、画面の左下61aと画面の右下61bの位置を別々に補正することができる。
【0039】
図13は、画面の下端61が正規の画面位置60から上側にずれた場合を示している。画面の下端61が上側にずれるとともに、画面の左端63と右端64が内側に倒れて画面が歪み、画面下側に狭まった台形の形になっている。画面の左下61aの位置を補正するには、図10に示した調整ねじ39bを締め、曲面ミラー18の右側の突起28bを上げることで、画面の左下61aが矢印の方向に移動する。画面の右下61bの位置を補正するには、図9に示した調整ねじ39aを締め、曲面ミラー18の左側の突起28aを上げることで、画面の右下61bが矢印の方向に移動する。曲面ミラー18の調整ねじ39a、39bを締めると、画面の下端61は下側に移動しながら拡大するため、画面の下端61の位置だけではなく、画面の左端63と右端64の傾きも補正される。以上のように、曲面ミラー18の左右に設けた調整機構により、画面の下端61の位置ずれと、それに伴い発生する画面の歪みを補正することが可能となる。
【0040】
次に、画面の上端62がずれた場合の調整方法について説明する。図14は、画面の上端62が正規の画面位置60から下側にずれた状態を示している。画面の上端62の位置を補正するには、図6に示した調整ねじ17を緩め、平面ミラー4を回動軸41を中心に反時計回りに回動させる。平面ミラー4を反時計回りに回動させることで、画面の上端62は上側に移動する。その結果、図15に示すように、画面の上端62は正規の位置に補正されるものの、画面の下端61が拡大を伴い下側に移動してしまう。しかし、この状態は図12と同様の状態であるため、曲面ミラー18の角度を調整することで補正できる。曲面ミラー18の調整機構の調整ねじ39bと調整ねじ39aを緩めることで、画面の左下61aと画面の右下61bが矢印の方向に移動する。このとき、画面の上端62に到達する光線は、曲面ミラー18の角度変化に対する感度が低いのでほとんど動かない。
【0041】
図16は、画面の上端62が正規の画面位置60から上側にずれた状態を示している。画面の上端62の位置を補正するには、図6に示した調整ねじ17を締め、平面ミラー4を回動軸41を中心に時計回りに回動させる。平面ミラー4を時計回りに回動させることで、画面の上端62は下側に移動する。その結果、図17に示すように、画面の上端62は正規の位置に補正されるものの、画面の下端61が縮小を伴い上側に移動してしまう。しかし、この状態は図13と同様の状態であるため、曲面ミラー18の角度を調整することで補正できる。曲面ミラー18の調整機構の調整ねじ39bと調整ねじ39aを締めることで、画面の左下61aと画面の右下61bが矢印の方向に移動する。以上のように、平面ミラー4の調整機構と曲面ミラー18の調整機構を併用することにより、画面の上端62の位置ずれを補正することが可能となる。
【0042】
実施の形態2.
図18は、本発明の実施の形態1に係るミラー調整機構を備えた画像投写装置500の構成図である。画像投写装置500は、スクリーン300の後側から光線40を投写し画像を映し出すリアプロジェクションテレビで、図において簡略表示された照明光学系150と、それに続く投写光学系100と、投写光学系100の上方に設けられた天板ミラー200と、画像投写装置500の前面に設けられ画像を映し出すスクリーン300と、構成部品を収納する筐体400から構成されている。
【0043】
光源であるランプ51から照射された光線52をリレーレンズ53で集光し、3枚のミラー54、55、56で反射してDMDなどの反射型光変調素子50を照明する。反射型光変調素子50で反射された光線40は、実施の形態1で説明した投写光学系100で拡大され上方へ照射される。上方へ照射された光線40は、天板ミラー200で反射されてスクリーン300に投写される。なお、照明光学系150の光源には、ランプ51ではなく、LED(Light Emitting Diode)やレーザ素子を用いても良い。
【0044】
スクリーン300の入射面はフレネルレンズになっており、スクリーン300に斜めに入射した光線40を曲げて水平方向(スクリーン300に直交する方向)の光線に変換する。このとき、スクリーン300の下端に投写される光線40aは、筐体400の下側の枠401のすぐ上から出射し、スクリーン300の上側に投写される光線40bは、筐体400の上側の枠402のすぐ下から出射されるのが好ましい。もし、光線40a、40bと枠401、402との間があいてしまうと、画像投写装置500を正面から(図18の右側から)見たとき、画面の外側に何も映らない部分ができてしまうので見栄えが悪い。
【0045】
しかし、光線40aと光線40bがスクリーン300に投写される位置は、投写光学系100内部の光学部品の面精度や取付け位置の問題、天板ミラー200の設置角度の誤差、スクリーン300の傾きなどにより、所望の位置からずれてしまうことが多い。例えば、光線40bの投写位置が上側にずれてしまうと、光線40bは枠402で遮られてしまうので、画面の上端部が欠けてしまうことになる。反対に下側にずれてしまうと、光線40bと枠402との間に隙間ができてしまうので、見栄えが悪い。そこで、実施の形態1に表したミラー調整機構を投写光学系100に採用し、スクリーン300に投写される光線40a、40bの位置を調整できるようにした。
【0046】
以上のように、画像投写装置500の投写光学系100に、実施の形態1に係るミラー調整機構を採用することにより、スクリーン300に投写される光線40a、40bの位置を調整することが可能になったので、画面の外周が欠けることなく、筐体400の枠401、402のすぐ内側から画面が始まる見栄えの良いリアプロジェクションテレビを得ることができる。
【0047】
実施の形態3.
図19は、本発明の実施の形態1に係るミラー調整機構を備えた画像投写装置510の構成図である。画像投写装置510は、スクリーン310に光線40を直接投写し、画像を映し出すフロント方式のプロジェクタで、図において簡略表示された照明光学系151と、それに続く投写光学系100と、画像投写装置510から投写された画像を映し出す反射型のスクリーン310と、構成部品を収納する筐体410と、筐体410の上面に設けられ、光線40が通過する窓411から構成されている。本実施の形態では、実施の形態1と2に設けられていた天板ミラー200は無く、光線40は投写光学系100から直接スクリーン310に投写される。
【0048】
光源であるランプ51から照射された光線52をリレーレンズ53で集光し、2枚のミラー55、56で反射してDMDなどの反射型光変調素子50を照明する。反射型光変調素子50で反射された光線は、実施の形態1で説明した投写光学系100で拡大され斜め上方へ照射される。斜め上方へ照射された光線40は、スクリーン310に投写される。
【0049】
なお、照明光学系151の光源には、ランプ51ではなく、LED(Light Emitting Diode)やレーザ素子を用いても良い。また、本実施の形態では、スクリーン310は画像投写装置510と別体としたが、例えば、ホワイトボードなどにブラケットで画像投写装置510を取り付けても良い。
【0050】
以上のように、画像投写装置510の投写光学系100に、実施の形態1に係るミラー調整機構を採用することにより、スクリーン310に投写される画像の位置と歪みを調整することが可能になる。また、投写光学系100は反射型光変調素子50に対して投写レンズ2の光軸をずらして配置したシフト投写を採用するとともに、光線40を曲面ミラー18で斜め上方に拡大投写するため、画像投写装置510をスクリーン310から近い距離に、しかもスクリーン300の下方に配置できる。そのため、本実施の形態の画像投写装置510では、一般的なフロント方式プロジェクタのように、机や台の上に置く必要がなく、床に直置きすることができる。これにより、机の上のスペースを占有することなく、邪魔にならないフロント方式のプロジェクタを得ることができる。
【0051】
さらに、本実施の形態の画像投写装置510は、一般的なフロント方式プロジェクタに比べ、光線40のスクリーン310に対する入射角が非常に大きい。つまり、光線40が斜め下方からスクリーン310に投写されるため、スクリーン310の前に人が立っても光線40を遮ることがなく、投写された画像が影になりくい効果がある。
【符号の説明】
【0052】
1 ベース部材
2 投写レンズ
4 平面ミラー
5 平面ミラーホルダ
8a、8b ボス(第1凸部及び第2凸部)
9a、9b V字溝
10a、10b 板ばね(弾性部材)
12a、12b コイルばね(弾性部材)
13 平板
17 調整ねじ
18 曲面ミラー
19 曲面ミラーホルダ
21 突起(第1球状突起)
22 受け部
23 ボス(第3凸部)
24 コイルばね(弾性部材)
25 押さえ部材
28a、28b 突起(第2球状突起及び第3球状突起)
29a、29b ボス(第4凸部及び第5凸部)
30a、30b コイルばね(弾性部材)
31a、31b 押さえ部材
33 ボス(第6凸部)
34a、34b ガイド
39a、39b 調整ねじ
40 光線
40a 前側の光線(光路長が長い方の光線)
40b 後側の光線(光路長が短い方の光線)
41 回動軸(回動中心)
42 光軸
43 光軸
44 中心軸
45 回動軸
50 反射型光変調素子
100 投写光学系
150、151 照明光学系
300、310 スクリーン
400、410 筐体
500、510 画像投写装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を含む照明光学系と、
画像信号が入力され、照明光学系からの光線を前記画像信号に応じて変調する光変調素子と、
画像を表示するスクリーンに前記光変調素子からの変調光を拡大投写する投写光学系とを有し、
前記投写光学系は、
光線を前記スクリーンに斜めに投写するために、前記光変調素子に対して光軸をずらして配置され、前記光変調素子からの変調光を拡大投射する投写レンズと、
前記投写レンズから出射された光線を反射し、前記投写レンズから前記スクリーンまでの光線の経路の長い方の光線が反射する側に回動中心が設けられ、この回動中心を中心に回動することにより前記光線の角度を調整する平面ミラーと、
前記平面ミラーからの光線を反射して拡大し、前記投写レンズから前記スクリーンまでの光線の経路の短い方の光線が反射する側に回動中心が設けられ、この回動中心を中心に回動することにより前記光線の角度を調整する曲面ミラーと、を含む
ことを特徴とする画像投写装置。
【請求項2】
前記平面ミラーの回動中心が、前記スクリーンに平行な回動軸である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像投写装置。
【請求項3】
前記平面ミラーを保持する平面ミラーホルダと、前記平面ミラーホルダの両側部に同軸に突出し前記回動軸となる一対の円柱形の第1凸部及び第2凸部と、前記第1凸部及び第2凸部と嵌合するV字溝を有するベース部材と、前記第1凸部及び第2凸部を前記V字溝の方向に付勢する弾性部材とを備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像投写装置。
【請求項4】
前記平面ミラーホルダに当接し回動方向に付勢する弾性部材と、前記平面ミラーホルダの回動を止める方向に、前記平面ミラーホルダもしくは前記平面ミラーホルダに取付けられた部品に当接する調整ねじとを備え、前記調整ねじを回すことで前記平面ミラーの角度を調整可能とする
ことを特徴とする請求項3に記載の画像投写装置。
【請求項5】
前記曲面ミラーの反射面が、前記投写レンズの光軸を中心とした回転対称形である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の画像投写装置。
【請求項6】
すり鉢状の受け部を有する曲面ミラーホルダを備え、
前記曲面ミラーに設けられた先端が球面形状の第1球状突起が前記受け部に当接し、前記曲面ミラーは前記第1球状突起を支点として当該支点を中心に全方向に回動可能に前記曲面ミラーホルダに支持されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の画像投写装置。
【請求項7】
前記曲面ミラーは、前記スクリーンまでの光線の経路が長い方の光線が反射する側に、前記曲面ミラーの反射面より外側で左右対称な位置に、先端が球面形状の第2球状突起及び第3球状突起を有し、前記第2球状突起及び前記第3球状突起のそれぞれの先端と当接する調整ねじの高さを調整することで、前記第1球状突起の支点中心を通る回転軸回りに前記曲面ミラーの角度を調整可能とする
ことを特徴とする請求項6に記載の画像投写装置。
【請求項8】
前記第1球状突起、前記第2球状突起及び第3球状突起のそれぞれの位置に対応する前記曲面ミラーの裏側の位置にそれぞれ設けられた第3凸部、第4凸部及び第5凸部と、前記第3凸部、第4凸部及び第5凸部にそれぞれ対応して設けられ、前記曲面ミラーを前記曲面ミラーホルダ側に付勢する3つの弾性部材と、前記弾性部材を押さえる3つの押さえ部材を備えた
ことを特徴とする請求項7に記載の画像投写装置。
【請求項9】
前記第3凸部の進退動可能なストロークが、前記第1球状突起が対応する受け部に入り込む長さよりも短い
ことを特徴とする請求項8に記載の画像投写装置。
【請求項10】
前記第1球状突起と反対側の前記曲面ミラーの端部中央に前記第1球状突起の中心を通る回転軸と略平行に凸状に設けられ、周方向に少なくとも180度以上の円柱形の外周を有する第6凸部と、前記第6凸部の円柱形の外周部分を左右方向から挟み込むガイドを備えた
ことを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか1つに記載の画像投写装置。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−186434(P2011−186434A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282272(P2010−282272)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】