画像投射装置
【課題】画像表示素子と、画像表示素子に隣接して配置される光学部材とで形成される空間内の温度上昇を、防塵を図りつつ、軽減することができ、投射画像のコントラストが良好な画像投射装置を得ること。
【解決手段】画像を形成する画像表示素子と、光を放射する光源手段と、該光源手段からの光で前記画像表示素子を照明する照明光学系と、該画像表示素子で形成される画像を被照射面に投射する投射光学系と、を有する画像投射装置において、前記画像表示素子に隣接して光学素子が配置されており、該光学素子を保持する保持部材の一部は、該画像表示素子と該光学素子との間で形成される空間の一部を囲んでおり、該保持部材には、該空間と、その外側の外部空間とを連結する通風孔が形成されていること。
【解決手段】画像を形成する画像表示素子と、光を放射する光源手段と、該光源手段からの光で前記画像表示素子を照明する照明光学系と、該画像表示素子で形成される画像を被照射面に投射する投射光学系と、を有する画像投射装置において、前記画像表示素子に隣接して光学素子が配置されており、該光学素子を保持する保持部材の一部は、該画像表示素子と該光学素子との間で形成される空間の一部を囲んでおり、該保持部材には、該空間と、その外側の外部空間とを連結する通風孔が形成されていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示素子(液晶パネル、ライトガイド等)に形成される画像を投射光学系で被照射面に拡大投射する画像投射装置(プロジェクタ)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、拡大した投射画像を観察するための装置として画像表示素子(液晶パネル、ライトバルブ)の画像を投射光学系でスクリーンに拡大投射する画像投射装置(液晶プロジェクタ)が種々と提案されている。
【0003】
この液晶プロジェクタにおいて、液晶パネルの表面に塵や埃が付着していると、これらが投射画像と一緒に拡大投射され、投射画像の画質を低下させる原因となる。
【0004】
このため液晶パネルの表面に塵や埃が付着しないように液晶パネルと、液晶パネルと隣接する光学素子(例えばλ/4波長板)とで形成される空間を防塵カバーやゴムシート等で囲んで密閉空間としている。このような防塵構造を用いた液晶プロジェクタが知られている(特許文献1、2)。
【0005】
又、液晶プロジェクタでは光源手段からの光束で液晶パネルを照明している。液晶パネルは光源手段からの熱や光源手段から入射してくる光で温度が上昇し、液晶パネルの性能が劣化することがある。
【0006】
このときの液晶パネルの温度上昇を軽減するために、特許文献2では液晶パネル(ライトバルブ)の背面を熱伝導物質を介して冷却用部材に連結している。
【0007】
そして冷却用部材に設けた放熱用フィンに冷却用の風を当てて熱伝導物質を介して液晶パネルを背面より冷却することを開示している。
【特許文献1】特開平11−305676号公報
【特許文献2】特開2004−20603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
液晶プロジェクタでは光源手段(ランプ)からの光束で液晶パネルを照明している。近年、明るい投射画像を得るための強出力の光源手段が用いられている。
【0009】
このため液晶パネルと、液晶パネルに隣接する光学部材とで形成される密閉空間の温度が上昇し、液晶パネルや、それに隣接する光学部材の性能が劣化するという問題があった。
【0010】
例えば液晶パネルに隣接する光学部材として、有機フィルムの位相差板や偏光素子を用いることがある。
【0011】
この場合、これらの光学部材の温度が上昇すると光学性能が低下してくる。この結果、投射画像のコントラストが大きく低下するという問題があった。
【0012】
一方、液晶パネルと、液晶パネルに隣接して配置する光学部材との間で形成される空間は密閉し、防塵構造とする必要がある。
【0013】
このため、従来は防塵効果と冷却効果を得るために、液晶表示素子の背面(光入射側と反対側の面)に冷却用部材を設け、冷却用部材に冷却用の風を当てて、間接的に液晶表示素子を冷却する方法を用いていた。
【0014】
しかしながら、この方法は防塵効果は得られるが、冷却が必ずしも十分でなかった。
【0015】
本発明は、画像表示素子と、画像表示素子に隣接して配置される光学部材とで形成される空間内の温度上昇を、防塵を図りつつ、軽減することができ、投射画像のコントラストが良好な画像投射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の画像投射装置は、画像を形成する画像表示素子と、
光を放射する光源手段と、
該光源手段からの光で前記画像表示素子を照明する照明光学系と、
該画像表示素子で形成される画像を被照射面に投射する投射光学系と、
を有する画像投射装置において、
前記画像表示素子に隣接して光学素子が配置されており、該光学素子を保持する保持部材の一部は、該画像表示素子と該光学素子との間で形成される空間の一部を囲んでおり、該保持部材には、該空間と、その外側の外部空間とを連結する通風孔が形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像表示素子と、画像表示素子に隣接して配置される光学部材とで形成される空間内の温度上昇を、防塵を図りつつ、軽減することができ、投射画像のコントラストが良好な画像投射装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の画像投射装置の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
本発明の画像投射装置は、画像を形成する画像表示素子(液晶パネル、ライトガイド)と、光を放射する光源手段と、光源手段からの光で画像表示素子を照明する照明光学系と、画像表示素子で形成される画像を被照射面に投射する投射光学系とを有している。
【0020】
図1は、本発明の画像投射装置(投射表示装置)の実施例1の要部概略図を示している。
【0021】
図1において、1は光源手段(ランプ)、2はランプ1を保持するランプホルダ、3はランプ1の前方(光出射側)に配置する防爆ガラス、4は防爆ガラス3用のガラス押さえである。
【0022】
αはランプ1からの光を画像表示用の液晶表示素子(画像形成素子)側へ入射する照明光学系である。βは照明光学系αからの出射光を入射するR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色用の画像表示素子(ライトバルブ)を備えた色分解合成光学系である。
【0023】
5は色分解合成光学系βからの出射光を入射して図示せぬスクリーン(被投射面)に画像を投射する投射レンズ鏡筒である。投射レンズ鏡筒5内には後述する投射レンズ光学系(投射光学系)を収納している。6はランプ1、照明光学系α、色分解合成光学系βを収納するとともに投射レンズ鏡筒5が固定される光学ボックスである。
【0024】
光学ボックス6にはランプ1の周囲を囲むランプ周辺部材としてのランプケース部材が形成されている。
【0025】
7は光学ボックス6内に照明光学系α、色分解合成光学系βを収納した状態で蓋をする光学ボックス蓋である。8は電源、9は電源フィルターである。10は電源8と合体しランプ1を点灯する為のバラスト電源である。11は電源8からの電力によりライトバルブの駆動、及びランプ1の点灯指令を送る為の回路基板である。12(12A・12B)は後述する外装キャビネット21の吸気口21aから空気を吸い込むことで色分解合成光学系β内のライトバルブ等の光学素子(部材)を冷却する為の光学系用の冷却ファン(部材冷却ファン)(冷却ファンA・冷却ファンB)である。
【0026】
13は冷却ファン12による風を色分解合成光学系β内のライトバルブ等の光学素子に送る為のRGBダクト(ファンダクト)である。
【0027】
14はランプ1に対して吹き付け風を送り、ランプ1を冷却する為の光源ランプ用の冷却ファン(ランプ冷却ファン)である。
【0028】
15はランプ冷却ファン14を保持しつつ冷却風をランプ1に送るためのランプダクトである。16は冷却ファン14を押さえてランプダクト15と合わせてダクトを構築するためのランプダクトである。
【0029】
17は後述する外装キャビネット(外装ケース)21に設けた吸気口21bから空気を吸い込むことで電源8とバラスト電源10内に風を流通させて電源8及びバラスト電源10を同時に冷却する為の電源用の冷却ファン(筐体内排気ファン)である。
【0030】
18は排気ファン(ランプ排気ファン)である。排気ファン18は冷却ファン14からの風であってランプ1を通過した後の風を排出する。
【0031】
ランプ排気ファン18と筐体内排気ファン17は大風量が得られる軸流ファンから成っている。
【0032】
19はランプ排気ルーバー、20はランプ排気ルーバーであり、ランプ1からの光が装置外部に漏れないような遮光機能を有している。
【0033】
21は光学ボックス6等を収納する為の外装キャビネット(外装ケースの下部)、22は外装キャビネット21に光学ボックス6等を収納した状態で蓋をする為の外装キャビネット蓋(外装ケースの上部)である。
【0034】
23は側板、24は側板である。外装キャビネット21には上述した吸気口21a、21bが形成されており、側板24には排気口が形成されている。
【0035】
25は各種信号を取り込むコネクターが搭載されるインターフェース基板である。26は側板23の内側に取り付けられたインターフェース補強板である。
【0036】
27はランプ1からの排気熱を排気ファン18まで導き、装置内部に排気風を放散させないためのランプ排気ボックスで、ランプ排気ルーバー19とランプ排気ルーバー20を保持する。
【0037】
28はランプ蓋である。ランプ蓋28は外装キャビネット21の底面に着脱自在に設けられており、図示を省略したビスにより固定されている。29はセット調整脚で、セット調整脚29は外装キャビネット21に固定されており、その脚部29aの高さを調整可能となっている。脚部29aの高さ調整により、装置本体の傾斜角度を調整できるように構成されている。
【0038】
30は外装キャビネット21の吸気口21a外側に取り付く不図示のフィルターを押さえるRGB吸気プレートである。
【0039】
31は色分解合成光学系βを保持するプリズムベースである。32は、色分解合成光学系βを構成する各光学素子とライトバルブを冷却するために冷却ファン12A・冷却ファン12Bからの冷却風を導くためのダクト形状部を有するボックスサイドカバーである。
【0040】
33はボックスサイドカバー32と合わせることでダクトを形成するためのRGBダクトである。
【0041】
34は色分解合成光学系β内に配置されるところの、ライトバルブから出ているFPCが接続され、回路基板11に接続されるRGB基板(駆動回路基板)である。35はRGB基板34に電気ノイズが入り込まないようにするためのRGB基板カバーである。
【0042】
図2(A)、(B)は図1の投射型画像表示装置の光学構成の平面図と側面図である。
【0043】
図2(A)、(B)は、前述したランプ1、照明光学系α、色分解合成光学系β、投射レンズ5にて構成されるライトバルブ(反射型液晶表示素子)を搭載した投射型画像表示装置の光学構成を示している。
【0044】
図2(A)、(B)において、図1で示した部材と同一部材には同符番を付している。
【0045】
図2(B)において、41は連続スペクトルで白色光を発光する発光管である。42は発光管41からの光を所定の方向に集光するリフレクターである。発光管41とリフレクター42によりランプ(光源手段)1を形成する。
【0046】
43aは水平方向(ランプ1からの光の進行方向における水平方向(図2(B)の紙面垂直方向))YZ面内において屈折力を有するレンズアレイで構成された第1のシリンダーアレイである。
【0047】
43bは第1のシリンダーアレイ43aの個々のレンズに対応したレンズアレイを有する第2のシリンダーアレイである。44は紫外線吸収フィルターである。45は無偏光光を所定の偏光光に揃える偏光変換素子である。
【0048】
46は垂直方向(Y方向)において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されたフロントコンプレッサである。47は光軸を88度変換する為の全反射ミラーである。43cは垂直方向(ランプ1からの光の進行方向における垂直方向(図2(B)の紙面垂直方向))において屈折力を有するレンズアレイで構成された第3のシリンダーアレイである。
【0049】
43dは第3のシリンダーアレイ43cの個々のレンズに対応したレンズアレイを有する第4のシリンダーアレイである。
【0050】
50は色座標を、ある値に調整するために特定波長域の色光を透過させるためのカラーフィルターである。48はコンデンサーレンズである。49は垂直方向において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されたリアコンプレッサである。
【0051】
以上の各部材は照明光学系αの一要素を構成している。
【0052】
図2(A)において、58は青色光(B)と赤色光(R)の波長領域の光を反射し、緑色光(G)の波長領域の光を透過するダイクロイックミラーである。59は透明基板に偏光素子を貼着したG用の入射側偏光板であり、P偏光光のみを透過する。60はP偏光光を透過し、S偏光光を反射する第1の偏光ビームスプリッターであり、偏光分離面を有する。
【0053】
61R,61G,61Bはそれぞれ入射した光を反射するとともに画像変調する赤色用の反射型液晶表示素子(ライトバルブ)、緑色用の反射型液晶表示素子(ライトバルブ)、青色用の反射型液晶表示素子(ライトバルブ)である。
【0054】
62R,62G,62Bはそれぞれ、赤色用の1/4波長板、緑色用の1/4波長板、青色用の1/4波長板である。64aはRの色純度を高めるためにオレンジ光をランプ1側に戻すトリミングフィルターである。64bは透明基板に偏光素子を貼着したR、B光用の入射側偏光板であり、P偏光のみを透過する。65はRの光の偏光方向を90度変換し、Bの光の偏光方向は変換しない色選択性位相差板である。66はP偏光を透過し、S偏光を反射する第2の偏光ビームスプリッターであり、偏光分離面を有する。
【0055】
68BはB用の出射側偏光板(偏光素子)であり、BのS偏光のみを整流する。68GはS偏光のみを透過させるG用出側偏光板である。69はRB光を透過し、G光を反射するダイクロイックプリズムである。
【0056】
以上のダイクロイックミラー58からダイクロイックプリズム69に至る各部材により、色分解合成光学系βが構成される。
【0057】
ここでP偏光とS偏光の定義を明確にすると、偏光変換素子45では、P偏光をS偏光に変換するが、ここで定義するP偏光とS偏光は45の偏光変換素子を基準として述べている。
【0058】
一方ダイクロイックミラー58に入射する光は偏光ビームスプリッター60、66基準で考えるのでP偏光光が入射するものとする。偏光変換素子45から射出された光はS偏光だが、同じS偏光光をダイクロイックミラーに入射する光をP偏光光として本実施例では定義するものである。
【0059】
次に光学的な作用を説明する。
【0060】
発光管41から発した光はリフレクター42により所定の方向に集光される。リフレクター42は放物面形状を有しており、放物面の焦点位置からの光は放物面の対称軸に平行な光束となる。
【0061】
但し、発光管41からの光源は理想的な点光源ではなく有限の大きさを有しているので、集光する光束には放物面の対称軸に平行でない光の成分も多く含まれている。
【0062】
これらの光束は、第1のシリンダーアレイ43aに入射する。第1のシリンダーアレイ43aに入射した光束はそれぞれのシリンダレンズに応じた複数の光束に分割、集光され(垂直方向に帯状の複数の光束)、紫外線吸収フィルター44を介して、第2のシリンダーアレイ43bに入射する。そして、第2のシリンダーアレイ43bを経て、複数の光束(垂直方向に帯状の複数の光束)を偏光変換素子45の近傍に形成する。
【0063】
偏光変換素子45は、偏光分離面と反射面と1/2波長板とからなり、複数の光束は、その列に対応した偏光分離面に入射し、透過するP偏光成分の光と反射するS偏光成分の光に分割される。反射されたS偏光成分の光は反射面で反射し、P偏光成分と同じ方向に出射する。
【0064】
一方、透過したP偏光成分の光は、1/2波長板を透過してS偏光成分と同じ偏光成分に変換され、偏光方向が揃った光として出射する。
【0065】
偏光変換された複数の光束(垂直方向に帯状の複数の光束)は、偏光変換素子45を出射した後、フロントコンプレッサ46を介して、反射ミラー47にて88度反射し、第3のシリンダーアレイ43cに入射する。第3のシリンダーアレイ43cに入射した光束はそれぞれのシリンダレンズに応じた複数の光束に分割、集光される(水平方向に帯状の複数の光束)。そして、その後、カラーフィルター50、第4のシリンダーアレイ43dを経て、複数の光束(水平方向に帯状の複数の光束)となり、コンデンサーレンズ48、リアコンプレッサ49に至る。
【0066】
ここで、フロントコンプレッサ46、コンデンサーレンズ48、リアコンプレッサ49の光学的作用の関係で、複数の光束は矩形形状の像が重なった形で矩形の均一な照明エリアが形成されることになる。この照明エリアに後述の反射型液晶表示素子61R、61G、61Bを配置する。
【0067】
次に、偏光変換素子45によりS偏光とされた光は、ダイクロイックミラー58に入射する。
【0068】
尚、ダイクロイックミラー58は、B(波長430nm〜495nm)とR(波長590nm〜650nm)の光は反射し、G(波長505nm〜580nm)の光は透過する。
【0069】
次に、Gの光路について説明する。
【0070】
ダイクロイックミラー58を透過したGの光は入射側偏光板59に入射する。尚、Gの光はダイクロイックミラー58によって分解された後もP偏光(45の偏光変換素子基準の場合はS偏光)となっている。
【0071】
そしてGの光は、入射側偏光板59から出射した後、第1の偏光ビームスプリッター60に対してP偏光として入射して偏光分離面で透過して、G用の反射型液晶表示素子61Gへと至る。G用の反射型液晶表示素子61Gにおいては、Gの光が画像変調されて反射される。
【0072】
画像変調されたGの反射光のうちP偏光成分は、再び第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面で透過して光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたGの反射光のうちS偏光成分は、第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面で反射され、投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。
【0073】
このとき、すべての偏光成分をP偏光に変換した状態(黒を表示した状態)において、第1の偏光ビームスプリッター60とG用の反射型液晶表示素子61Gとの間に設けられた1/4波長板62Gの遅相軸を所定の方向に調整している。
【0074】
これにより、第1の偏光ビームスプリッター60とG用の反射型液晶表示素子61Gで発生する偏光状態の乱れの影響を小さく抑えることができる。
【0075】
第1の偏光ビームスプリッター60から出射したGの光は、ダイクロイックプリズム69に対してS偏光として入射し、ダイクロイックプリズム69のダイクロイック膜面でG光を反射して投射レンズ70へと至る。
【0076】
一方、ダイクロイックミラー58を反射したRとBの光は、入射側偏光板64aに入射する。
【0077】
尚、RとBの光はダイクロイックミラー58によって分解された後もP偏光となっている。そしてRとBの光は、トリミングフィルター64aでオレンジ光をカットされた後、64bの入射側偏光板から出射し、色選択性位相差板65に入射する。
【0078】
色選択性位相差板65は、Rの光のみ偏光方向を90度回転する作用を持っており、これによりRの光はS偏光として、Bの光はP偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射する。S偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したRの光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射され、R用の反射型液晶表示素子61Rへと至る。
【0079】
また、P偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したBの光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過してB用の反射型液晶表示素子61Bへと至る。
【0080】
R用の反射型液晶表示素子61Rに入射したRの光は画像変調されて反射される。画像変調されたRの反射光のうちS偏光成分は、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射されて光源側に戻され、投射光から除去される。
【0081】
一方、画像変調されたRの反射光のうちP偏光成分は第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過して投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。
【0082】
また、B用の反射型液晶表示素子61Bに入射したBの光は画像変調されて反射される。画像変調されたBの反射光のうちP偏光成分は、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過して光源1側に戻され、投射光から除去される。
【0083】
一方、画像変調されたBの反射光のうちS偏光成分は第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射して投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。
【0084】
このとき、第2の偏光ビームスプリッター66とR用,B用の反射型液晶表示素子61R,61Bの間に設けられた1/4波長板62R,62Bの遅相軸を調整することにより、Gの場合と同じようにR,Bそれぞれの黒の表示の調整を行うことができる。
【0085】
こうして1つの光束に合成され、第2の偏光ビームスプリッター66から出射したRとBの投射光のうちBの光は、出射側偏光板68Bで検光されてダイクロイックプリズム69に入射する。
【0086】
また、Rの光はP偏光のまま偏光板68Bをそのまま透過し、ダイクロイックプリズム69に入射する。
【0087】
尚、出射側偏光板68Bで検光されることにより、Bの投射光は第2の偏光ビームスプリッター66とB用の反射型液晶表示素子61B、1/4波長板62Bを通ることによって生じた無効な成分をカットされた光となる。
【0088】
そして、ダイクロイックプリズム69に入射したR(P偏光)とB(S偏光)の投射光はダイクロイックプリズム69のダイクロイック膜面を透過し、前述した該ダイクロイック膜面にて反射したG(S偏光)の光と合成されて投射レンズ5に至る。
【0089】
そして、合成されたR,G,Bの投射光は、投射レンズ5によってスクリーンなどの被投射面に拡大投影される。
【0090】
以上説明した光路は反射型液晶表示素子が白表示の場合である為、以下に反射型液晶表示素子が黒表示の場合での光路を説明する。
【0091】
まず、Gの光路について説明する。
【0092】
ダイクロイックミラー58を透過したGの光のP偏光光は入射側偏光板59に入射し、その後、第1の偏光ビームスプリッター60に入射して偏光分離面で透過され、G用の反射型液晶表示素子61Gへと至る。
【0093】
しかし、反射型液晶表示素子61Gが黒表示の為、Gの光は画像変調されないまま反射される。
【0094】
従って、反射型液晶表示素子61Gで反射された後もGの光はP偏光光のままである為、再び第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面で透過し、入射側偏光板59を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。
【0095】
次に、RとBの光路について説明する。
【0096】
ダイクロイックミラー58を反射したRとBの光のP偏光光は、入射側偏光板64bに入射する。そしてRとBの光は、入射側偏光板64bから出射した後、色選択性位相差板65に入射する。
【0097】
色選択性位相差板65は、Rの光のみ偏光方向を90度回転する作用を持っており、これによりRの光はS偏光として、Bの光はP偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射する。
【0098】
S偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したRの光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射され、R用の反射型液晶表示素子61Rへと至る。
【0099】
また、P偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したBの光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過してB用の反射型液晶表示素子61Bへと至る。ここでR用の反射型液晶表示素子61Rは黒表示の為、R用の反射型液晶表示素子61Rに入射したRの光は画像変調されないまま反射される。
【0100】
従って、R用の反射型液晶表示素子61Rで反射された後もRの光はS偏光光のままである為、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射し、入射側偏光板64bを通過して光源1側に戻され、投射光から除去される為、黒表示となる。
【0101】
一方、B用の反射型液晶表示素子61Bに入射したP偏光光のBの光はB用の反射型液晶表示素子61Bが黒表示の為、画像変調されないまま反射される。
【0102】
従って、B用の反射型液晶表示素子61Bで反射された後もBの光はP偏光光のままである為、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過し、色選択性位相差板65により、P偏光に変換される。
【0103】
そして、その後、入射側偏光板64bを透過して光源側に戻されて投射光から除去される。
【0104】
以上が、反射型液晶表示素子(反射型液晶パネル)を使用した投射型画像表示装置での光学構成である。
【0105】
尚、反射型液晶表示素子の変わりに透過型液晶表示素子を用いても良い。
【0106】
次に図3から図7を用いて本実施例の特徴である液晶表示素子(ライトバルブ)の冷却構成について説明する。
【0107】
図3はプリズムユニットの要部斜視図である。
【0108】
図3において、31は色分離合成光学系βを保持するプリズムベースである。70(70R・70G・70B)は反射型液晶表示素子を保持し、かつ液晶表示素子からの熱を外部に放熱するためのヒートシンクである。73は1/4波長板62を保持するところの1/4波長板ホルダである。
【0109】
70R・70G・70B(70)はおのおのR光用・G光用・B光用の反射型液晶表示素子61R・61G・61Bを保持するヒートシンクである。73R・73G、73B(73)も同様にR光用・G光用・B光用の1/4波長板62R・62G・62Bを保持する1/4波長板ホルダである。
【0110】
尚、図3においては、RGB光用の反射型液晶表示素子の相対的位置関係を示している。
【0111】
図4は液晶表示素子61と、その近傍に配置した部材を含む液晶表示素子ユニット61bの説明図である。
【0112】
図5は液晶表示素子ユニット(画像表示素子ユニット)61bの要部斜視図である。
【0113】
図6は図5の一部分の説明図である。図7は図6の要部断面図である。
【0114】
図4ではR、G、B各色光の反射型液晶表示素子共通の構成であるところの、放熱のためのヒートシンク70から、1/4波長板ホルダ73までの構造を示すものである。
【0115】
図4において71はパネルマスクである。72は反射型液晶表示素子61の光入出射面に塵埃が付着しないようにするためのゴムシールドである。
【0116】
液晶表示素子61は、基板と導電体膜を形成したガラス基板との間に注入配置されている。61aは液晶表示素子61に接続されるフレキシブル基板である。
【0117】
図5においては、ヒートシンク70からパネルマスク71とゴムシールド72までが設計位置に配置され積層された状態を示している。
【0118】
この状態では、反射型液晶表示素子61の背面はヒートシンク70が取り囲んでいる。反射型液晶表示素子61の側面はパネルマスク71で取り囲んでいる。反射型液晶表示素子61の上面(光入射側)には光学部財として1/4波長板62が隣接して位置している。1/4波長板62は1/4波長板ホルダ(λ/4板ホルダ)73にて取り囲まれており、残る隙間をゴムシールド72にて取り囲んでいる。
【0119】
本構成では、液晶表示素子と、その光入射側に設けた1/4波長板62とで形成される空間を、略密閉空間で構築して、高い防塵性能を得ている。
【0120】
光源手段(ランプ)からの光が液晶パネルに入射すると、液晶表示素子の光入射側のλ/4波長板とで形成される空間81(以下「液晶表示素子の光入射側空間」ともいう。)内の温度が上昇する。
【0121】
各光学要素に耐熱性の高い部品を使用すれば液晶表示素子の光入射側の空間内の温度上昇の問題はない。しかしながら、反射型液晶表示素子内の液晶と、液晶のラビング膜と、1/4波長板62がポリカーボネート材料からなる有機物である。このため、熱による影響を受けやすく、昇温することで光学性能の劣化を招く場合がある。
【0122】
そこで本実施例では、液晶表示素子61に隣接する光学素子(1/4波長板)62を保持する保持部材73(1/4波長板ホルダ73)の一部に放熱用の複数の通風孔(溝形形状)73aを形成している。
【0123】
この複数の通風孔73aを形成することにより、液晶表示素子61の光入射側の空間81と外部空間82とを連通させて空間81内の温度の上昇を軽減している。
【0124】
図6は1/4波長板ホルダ73の概略を示すものである。図6、図7において、Z軸は光軸方向(液晶表示素子61の面法線方向)である。X軸、Y軸はZ軸に垂直方向(液晶表示素子61の面内方向)である。73aは通風孔(溝形状部)である。
【0125】
本実施例では、1/4波長板ホルダ73に複数の通風孔73を設ける。この部分の溝開口部側ゴムシールド72が当接すると、溝形状部73aの溝部開放面が塞がれて、1/4波長板ホルダ73の内部の溝は残り、溝形状断面を持つ微細な気孔(通風孔)となる。
【0126】
この複数の通風孔73aにより反射型液晶表示素子61と1/4波長板62との間で形成される空間81と外部とが連通される。これにより外部との換気が可能となる。この結果、液晶表示素子の光入射側の空間内部の高温となった空気と、外部の冷たい空気との入替えを行い、液晶表示素子61の光入射側の空間81内の熱を外部空間82へ放熱する。
【0127】
尚、83は外部空間82と連通する通風口である。
【0128】
本実施例及び以下の各実施例において、好ましくは微細な通風孔73aは、1回以上の折り曲がり部を有する形状又は曲線形状より成ることが良い。
【0129】
この微細な通風孔73aの形状は、一直線のものでも構わないが、できるだけ防塵性能を維持する必要があるので、一回以上の折れ曲がりやカーブ(曲線)を描くようにしている。これにより、塵埃の侵入を防いでいる。
【0130】
画像表示素子61に付着して問題となる塵埃の大きさを50μmとした場合には50μm以下の溝形状部断面径とすることが望ましい。
【0131】
本実施例では、換気放熱効率も上げたいので、溝形状部断面径を大きくして(50μm〜100μm)折れ曲がり個所を設けている。
【0132】
これは、溝形状部断面径が大きくなるので、風量を増やす工夫をしながらも、折れ曲がりによる抵抗で塵埃が容易に侵入できないようにしている。
【0133】
本実施例では、通風孔73aは、光入射側から見たとき、2回の折れ曲がり形状又は曲線形状を有するようにしている。これにより通風孔の径を比較的大きな気孔断面径としても塵埃があまり侵入しないようにしている。
【0134】
これは、通風孔73aが形成する折れ曲がりや曲線により空気の流れ抵抗を発生させることで風速を落とし、塵埃を吸引する力を弱めることができるからである。
【0135】
又、画像表示素子61と光学素子(1/4波長板)との間で形成される空間81は、外部空間82と通風孔73aのみで連通されるようにしている。
【0136】
これにより空間81内の防塵効果を高めている。
【0137】
本実施例において、通風孔73aは画像表示素子61の面法線と直交方向に形成されている。
【0138】
本実施例及び後述する各実施例ではλ/4波長板ホルダ(保持部材)73に冷却風を送る冷却手段を配置している。
【0139】
このとき通風孔73aは1/4波長板ホルダ73の周囲であって、冷却風が当たらない領域に設けている。
【0140】
具体的には、図6に示すように通風孔73aは1/4波長板ホルダ73の4辺のうち3辺には設けているが、残り1辺には設けていない。
【0141】
通風孔73aを設けていない1辺は冷却手段(不図示)からの冷却風が吹き込まれてくる位置にあるためである。
【0142】
これにより、風速が大きい位置において塵埃が通風孔73aに強制的に吹き込まれることを防止している。残りの3辺は冷却風の流れに対して直交する方向の辺であるか、または冷却風の流れる方向であっても排出側に配置されているので、塵埃が通風孔73aに強制的に吹き込まれてしまう可能性を極めて低くすることができる。
【0143】
本実施例では、図7に示すように画像表示素子61と1/4波長板62との間で形成される空間81の一部はフッ素系のゴム材料より成るゴムシート73で覆っている。
【0144】
1/4波長板62は、液晶表示素子61で表示される画像のコントラストを確保するために光軸を中心に回転調整される。
【0145】
そのために1/4波長板ホルダ73が回転するが、その場合ゴムシールド72に当接しているため回転摺動時に摩擦抵抗が生じてくる。これにより、薄く柔らかなゴムシールド72は変形して、めくれや反り返りが起こり、塵埃が侵入できる程度の隙間ができることがある。
【0146】
本実施例では、ゴムシールド材料72にフッ素系ゴムを使用することで摩擦力を抑え、めくれや反り返り防止している。
【0147】
以上のように、1/4波長板ホルダ73の一部に通風孔73aを設けることで、自然対流的に換気を行うことで放熱性を高めながらも、防塵性能を維持している。
【0148】
また本実施例では摩擦の少ないゴムシールド72を選択することで、めくれや反り返りをも防止して、作業による塵埃侵入経路の生成を抑止している。
【実施例2】
【0149】
図8は本発明の実施例2に係る液晶表示素子ユニット61bの要部概略図である。
【0150】
図9は図8の要部断面図である。図8、図9において、図6、図7で示した部材と同一部材には同符番を付している。このことは以下の各図においても同様である。
【0151】
図6、図7に示す実施例1では、通風孔73aは1/4波長板ホルダ73のゴムシールド72と当接する面に設けて、ゴムシールド72と当接することで、微細気孔を形成していた。
【0152】
これに対して本実施例では溝形状部73aは1/4波長板ホルダ73aの一部で1/4波長板62との当接面62a側に設けている。1/4波長板62の平面と端面両方に接することから、光軸(画像表示素子61の面法線方向)と直交方向の溝73cと、光軸と平行方向の溝73dをつなげて、3次元的に展開する通風孔73aを形成している。
【0153】
84は1/4波長板62の端面の通風口である。
【0154】
本実施例では、通風孔73aを画像表示素子61の面法線と直交方向及び平行方向に形成され、これらは連通している。これによって実施例1と同様の効果を得ている。
【実施例3】
【0155】
図10は本発明の実施例3に係る液晶表示素子ユニット61bの要部概略図である。図11は図10の要部断面図である。
【0156】
実施例1、2では液晶表示素子の光入射側の空間と外部とを対向する溝同士で連通し、双方の空気の流入流出を行っている。
【0157】
一つの通風孔からは外気が流入して中央部に到達し、中央で暖められた内気は別の通風孔から排出する。これに対して実施例3においては、つながる1本の通風孔73aが外部と2箇所の通風口83、84でつながるようにしている。これにより風は、片端の通風孔から流入し、他端の通風孔から流出する。中央部から直接換気はされないが、中央部周辺部の温度差がなくなり飽和されるので、周辺部からのみ換気することでも実施例1と同様の効果が得られる。
【実施例4】
【0158】
図12は本発明の実施例4に係る液晶表示素子ユニット61bの要部概略図である。図13は図13の要部断面図である。本実施例の通風孔73aは1/4波長板ホルダ73の途中で途切れているが、その代わり1/4波長板ホルダ73の裏面への貫通穴73bとつながっている。これにより、内部の空間81と外部の空間82は換気されるようにしている。
【0159】
本実施例の通風孔73aの形状は実施例1〜3と異なるが、実施例1と折れ曲がり回数は同じである。これにより実施例1同様の効果を得ている。
【0160】
以上のように各実施例の画像投射装置では、画像表示素子61の光入射側に隣接して配置した1/4波長板62を保持する1/4波長板ホルダ73に通風孔73bを設けている。1/4波長板ホルダ73の一部は、画像表示素子61と1/4波長板62との間で形成される空間81の一部を囲んでいる。通風孔73bは空間81と、その外側の外部空間82とを連結する構成より成っている。
【0161】
各実施例では、以上のような構成をとることにより液晶表示素子ユニット61bの防塵性能を維持しながらも、放熱性を高めることができる。このため、高性能な有機フィルムによる位相差板や偏光素子を液晶表示素子に隣接して使用できるので、より高コントラストの画像が得られるプロジェクタを提供することができる。
【0162】
これは耐熱性の高い水晶など無機材料の偏向素子に比べて、耐熱性は低いがポリカなどの有機フィルムからなる偏向素子の方が位相保証波長巾が広く黒表示時の漏れ光が少なくなるからである。また高輝度モデルにおいても昇温を抑止可能なので、高コントラストの画像を得ることができる。
【0163】
特に液晶表示素子や、その周辺部の光学素子は熱的影響を受けやすく耐久年数にも影響する。これに対して各実施例では、放熱性を向上させることができるので、耐久性の高い製品を提供することができる。
【0164】
なお、各実施例では、画像表示素子の光入射側に光学素子が配置される場合を説明したが、画像表示素子の光出射側に光学素子が配置される場合も同様であり、通風孔を設けることにより本発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本発明の反射型液晶表示素子を搭載した画像投射装置の分解斜視図
【図2】本発明の反射型液晶表示素子を搭載した画像投射装置の光学構成図
【図3】本発明に係るプリズムユニットを示す斜視図。
【図4】本発明に係る液晶表示ユニットの主要構成部品を示す分解図。
【図5】本発明に係る液晶表示素子のユニットの形態を示す説明図。
【図6】本発明に係る液晶表示ユニットの特徴を表す部品形状図。
【図7】図6の要部断面図
【図8】本発明の実施例2に係る液晶表示素子のユニットの特徴を表す部品形状図。
【図9】図8の要部断面図
【図10】本発明の実施例3に係る液晶表示素子のユニットの特徴を表す部品形状図。
【図11】図10の要部断面図
【図12】本発明の実施例4に係る液晶表示素子のユニットの特徴を表す部品形状図。
【図13】図13の要部断面図
【符号の説明】
【0166】
1は光源ランプ、2はランプホルダ、3は防爆ガラス、4はガラス押さえ、5は投射レンズ、6は光学ボックス、7は光学ボックス蓋、8は電源、9は電源フィルター、10はバラスト電源、11は回路基板、12A・12Bは光学冷却ファンA・B、13はRGBダクトA、14はランプ冷却ファン(吹き付けファン)、15はランプダクトA、16はランプダクトB、17は電源用冷却ファン、18は排気ファン、19はランプ排気ルーバーA、20はランプ排気ルーバーB、21は外装キャビネット、22は外装キャビネット蓋(外装ケース)、23は側板A、24は側板B、25はインターフェース基板、26はインターフェース補強板、27は排気ボックス、28はランプ蓋、29はセット調整脚、30は外装キャビネット、31はプリズムベース、32はボックスサイドカバー、33はRGBダクトB、34はRGB基板、35RGB基板カバー、41はランプ発光管(光源)、42はリフレクター、43aは第1のシリンダーアレイ、43bは第2のシリンダーアレイ、43cは第3のシリンダーアレイ、43dは第4のシリンダーアレイ、44は紫外線吸収フィルター、45は偏光変換素子、46はフロントコンプレッサ、47は全反射ミラー、48はコンデンサーミラー、49はリアコンプレッサ、50はカラーフィルター、58はダイクロイックミラー、59はG用入射側偏光板、60は第1の偏光ビームスプリッター、61は反射型液晶表示素子、62は1/4波長板、64aはトリミングフィルター、64bはRB用入射側偏光板、65色選択性位相差板、66は第2の偏光ビームスプリッター、68BはB用出側偏光板、68GはG用出側偏光板、69はダイクロイックプリズム、70はヒートシンク、71はパネルマスク、72はゴムシールド、73は1/4波長板ホルダ。
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示素子(液晶パネル、ライトガイド等)に形成される画像を投射光学系で被照射面に拡大投射する画像投射装置(プロジェクタ)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、拡大した投射画像を観察するための装置として画像表示素子(液晶パネル、ライトバルブ)の画像を投射光学系でスクリーンに拡大投射する画像投射装置(液晶プロジェクタ)が種々と提案されている。
【0003】
この液晶プロジェクタにおいて、液晶パネルの表面に塵や埃が付着していると、これらが投射画像と一緒に拡大投射され、投射画像の画質を低下させる原因となる。
【0004】
このため液晶パネルの表面に塵や埃が付着しないように液晶パネルと、液晶パネルと隣接する光学素子(例えばλ/4波長板)とで形成される空間を防塵カバーやゴムシート等で囲んで密閉空間としている。このような防塵構造を用いた液晶プロジェクタが知られている(特許文献1、2)。
【0005】
又、液晶プロジェクタでは光源手段からの光束で液晶パネルを照明している。液晶パネルは光源手段からの熱や光源手段から入射してくる光で温度が上昇し、液晶パネルの性能が劣化することがある。
【0006】
このときの液晶パネルの温度上昇を軽減するために、特許文献2では液晶パネル(ライトバルブ)の背面を熱伝導物質を介して冷却用部材に連結している。
【0007】
そして冷却用部材に設けた放熱用フィンに冷却用の風を当てて熱伝導物質を介して液晶パネルを背面より冷却することを開示している。
【特許文献1】特開平11−305676号公報
【特許文献2】特開2004−20603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
液晶プロジェクタでは光源手段(ランプ)からの光束で液晶パネルを照明している。近年、明るい投射画像を得るための強出力の光源手段が用いられている。
【0009】
このため液晶パネルと、液晶パネルに隣接する光学部材とで形成される密閉空間の温度が上昇し、液晶パネルや、それに隣接する光学部材の性能が劣化するという問題があった。
【0010】
例えば液晶パネルに隣接する光学部材として、有機フィルムの位相差板や偏光素子を用いることがある。
【0011】
この場合、これらの光学部材の温度が上昇すると光学性能が低下してくる。この結果、投射画像のコントラストが大きく低下するという問題があった。
【0012】
一方、液晶パネルと、液晶パネルに隣接して配置する光学部材との間で形成される空間は密閉し、防塵構造とする必要がある。
【0013】
このため、従来は防塵効果と冷却効果を得るために、液晶表示素子の背面(光入射側と反対側の面)に冷却用部材を設け、冷却用部材に冷却用の風を当てて、間接的に液晶表示素子を冷却する方法を用いていた。
【0014】
しかしながら、この方法は防塵効果は得られるが、冷却が必ずしも十分でなかった。
【0015】
本発明は、画像表示素子と、画像表示素子に隣接して配置される光学部材とで形成される空間内の温度上昇を、防塵を図りつつ、軽減することができ、投射画像のコントラストが良好な画像投射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の画像投射装置は、画像を形成する画像表示素子と、
光を放射する光源手段と、
該光源手段からの光で前記画像表示素子を照明する照明光学系と、
該画像表示素子で形成される画像を被照射面に投射する投射光学系と、
を有する画像投射装置において、
前記画像表示素子に隣接して光学素子が配置されており、該光学素子を保持する保持部材の一部は、該画像表示素子と該光学素子との間で形成される空間の一部を囲んでおり、該保持部材には、該空間と、その外側の外部空間とを連結する通風孔が形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像表示素子と、画像表示素子に隣接して配置される光学部材とで形成される空間内の温度上昇を、防塵を図りつつ、軽減することができ、投射画像のコントラストが良好な画像投射装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の画像投射装置の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
本発明の画像投射装置は、画像を形成する画像表示素子(液晶パネル、ライトガイド)と、光を放射する光源手段と、光源手段からの光で画像表示素子を照明する照明光学系と、画像表示素子で形成される画像を被照射面に投射する投射光学系とを有している。
【0020】
図1は、本発明の画像投射装置(投射表示装置)の実施例1の要部概略図を示している。
【0021】
図1において、1は光源手段(ランプ)、2はランプ1を保持するランプホルダ、3はランプ1の前方(光出射側)に配置する防爆ガラス、4は防爆ガラス3用のガラス押さえである。
【0022】
αはランプ1からの光を画像表示用の液晶表示素子(画像形成素子)側へ入射する照明光学系である。βは照明光学系αからの出射光を入射するR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色用の画像表示素子(ライトバルブ)を備えた色分解合成光学系である。
【0023】
5は色分解合成光学系βからの出射光を入射して図示せぬスクリーン(被投射面)に画像を投射する投射レンズ鏡筒である。投射レンズ鏡筒5内には後述する投射レンズ光学系(投射光学系)を収納している。6はランプ1、照明光学系α、色分解合成光学系βを収納するとともに投射レンズ鏡筒5が固定される光学ボックスである。
【0024】
光学ボックス6にはランプ1の周囲を囲むランプ周辺部材としてのランプケース部材が形成されている。
【0025】
7は光学ボックス6内に照明光学系α、色分解合成光学系βを収納した状態で蓋をする光学ボックス蓋である。8は電源、9は電源フィルターである。10は電源8と合体しランプ1を点灯する為のバラスト電源である。11は電源8からの電力によりライトバルブの駆動、及びランプ1の点灯指令を送る為の回路基板である。12(12A・12B)は後述する外装キャビネット21の吸気口21aから空気を吸い込むことで色分解合成光学系β内のライトバルブ等の光学素子(部材)を冷却する為の光学系用の冷却ファン(部材冷却ファン)(冷却ファンA・冷却ファンB)である。
【0026】
13は冷却ファン12による風を色分解合成光学系β内のライトバルブ等の光学素子に送る為のRGBダクト(ファンダクト)である。
【0027】
14はランプ1に対して吹き付け風を送り、ランプ1を冷却する為の光源ランプ用の冷却ファン(ランプ冷却ファン)である。
【0028】
15はランプ冷却ファン14を保持しつつ冷却風をランプ1に送るためのランプダクトである。16は冷却ファン14を押さえてランプダクト15と合わせてダクトを構築するためのランプダクトである。
【0029】
17は後述する外装キャビネット(外装ケース)21に設けた吸気口21bから空気を吸い込むことで電源8とバラスト電源10内に風を流通させて電源8及びバラスト電源10を同時に冷却する為の電源用の冷却ファン(筐体内排気ファン)である。
【0030】
18は排気ファン(ランプ排気ファン)である。排気ファン18は冷却ファン14からの風であってランプ1を通過した後の風を排出する。
【0031】
ランプ排気ファン18と筐体内排気ファン17は大風量が得られる軸流ファンから成っている。
【0032】
19はランプ排気ルーバー、20はランプ排気ルーバーであり、ランプ1からの光が装置外部に漏れないような遮光機能を有している。
【0033】
21は光学ボックス6等を収納する為の外装キャビネット(外装ケースの下部)、22は外装キャビネット21に光学ボックス6等を収納した状態で蓋をする為の外装キャビネット蓋(外装ケースの上部)である。
【0034】
23は側板、24は側板である。外装キャビネット21には上述した吸気口21a、21bが形成されており、側板24には排気口が形成されている。
【0035】
25は各種信号を取り込むコネクターが搭載されるインターフェース基板である。26は側板23の内側に取り付けられたインターフェース補強板である。
【0036】
27はランプ1からの排気熱を排気ファン18まで導き、装置内部に排気風を放散させないためのランプ排気ボックスで、ランプ排気ルーバー19とランプ排気ルーバー20を保持する。
【0037】
28はランプ蓋である。ランプ蓋28は外装キャビネット21の底面に着脱自在に設けられており、図示を省略したビスにより固定されている。29はセット調整脚で、セット調整脚29は外装キャビネット21に固定されており、その脚部29aの高さを調整可能となっている。脚部29aの高さ調整により、装置本体の傾斜角度を調整できるように構成されている。
【0038】
30は外装キャビネット21の吸気口21a外側に取り付く不図示のフィルターを押さえるRGB吸気プレートである。
【0039】
31は色分解合成光学系βを保持するプリズムベースである。32は、色分解合成光学系βを構成する各光学素子とライトバルブを冷却するために冷却ファン12A・冷却ファン12Bからの冷却風を導くためのダクト形状部を有するボックスサイドカバーである。
【0040】
33はボックスサイドカバー32と合わせることでダクトを形成するためのRGBダクトである。
【0041】
34は色分解合成光学系β内に配置されるところの、ライトバルブから出ているFPCが接続され、回路基板11に接続されるRGB基板(駆動回路基板)である。35はRGB基板34に電気ノイズが入り込まないようにするためのRGB基板カバーである。
【0042】
図2(A)、(B)は図1の投射型画像表示装置の光学構成の平面図と側面図である。
【0043】
図2(A)、(B)は、前述したランプ1、照明光学系α、色分解合成光学系β、投射レンズ5にて構成されるライトバルブ(反射型液晶表示素子)を搭載した投射型画像表示装置の光学構成を示している。
【0044】
図2(A)、(B)において、図1で示した部材と同一部材には同符番を付している。
【0045】
図2(B)において、41は連続スペクトルで白色光を発光する発光管である。42は発光管41からの光を所定の方向に集光するリフレクターである。発光管41とリフレクター42によりランプ(光源手段)1を形成する。
【0046】
43aは水平方向(ランプ1からの光の進行方向における水平方向(図2(B)の紙面垂直方向))YZ面内において屈折力を有するレンズアレイで構成された第1のシリンダーアレイである。
【0047】
43bは第1のシリンダーアレイ43aの個々のレンズに対応したレンズアレイを有する第2のシリンダーアレイである。44は紫外線吸収フィルターである。45は無偏光光を所定の偏光光に揃える偏光変換素子である。
【0048】
46は垂直方向(Y方向)において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されたフロントコンプレッサである。47は光軸を88度変換する為の全反射ミラーである。43cは垂直方向(ランプ1からの光の進行方向における垂直方向(図2(B)の紙面垂直方向))において屈折力を有するレンズアレイで構成された第3のシリンダーアレイである。
【0049】
43dは第3のシリンダーアレイ43cの個々のレンズに対応したレンズアレイを有する第4のシリンダーアレイである。
【0050】
50は色座標を、ある値に調整するために特定波長域の色光を透過させるためのカラーフィルターである。48はコンデンサーレンズである。49は垂直方向において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されたリアコンプレッサである。
【0051】
以上の各部材は照明光学系αの一要素を構成している。
【0052】
図2(A)において、58は青色光(B)と赤色光(R)の波長領域の光を反射し、緑色光(G)の波長領域の光を透過するダイクロイックミラーである。59は透明基板に偏光素子を貼着したG用の入射側偏光板であり、P偏光光のみを透過する。60はP偏光光を透過し、S偏光光を反射する第1の偏光ビームスプリッターであり、偏光分離面を有する。
【0053】
61R,61G,61Bはそれぞれ入射した光を反射するとともに画像変調する赤色用の反射型液晶表示素子(ライトバルブ)、緑色用の反射型液晶表示素子(ライトバルブ)、青色用の反射型液晶表示素子(ライトバルブ)である。
【0054】
62R,62G,62Bはそれぞれ、赤色用の1/4波長板、緑色用の1/4波長板、青色用の1/4波長板である。64aはRの色純度を高めるためにオレンジ光をランプ1側に戻すトリミングフィルターである。64bは透明基板に偏光素子を貼着したR、B光用の入射側偏光板であり、P偏光のみを透過する。65はRの光の偏光方向を90度変換し、Bの光の偏光方向は変換しない色選択性位相差板である。66はP偏光を透過し、S偏光を反射する第2の偏光ビームスプリッターであり、偏光分離面を有する。
【0055】
68BはB用の出射側偏光板(偏光素子)であり、BのS偏光のみを整流する。68GはS偏光のみを透過させるG用出側偏光板である。69はRB光を透過し、G光を反射するダイクロイックプリズムである。
【0056】
以上のダイクロイックミラー58からダイクロイックプリズム69に至る各部材により、色分解合成光学系βが構成される。
【0057】
ここでP偏光とS偏光の定義を明確にすると、偏光変換素子45では、P偏光をS偏光に変換するが、ここで定義するP偏光とS偏光は45の偏光変換素子を基準として述べている。
【0058】
一方ダイクロイックミラー58に入射する光は偏光ビームスプリッター60、66基準で考えるのでP偏光光が入射するものとする。偏光変換素子45から射出された光はS偏光だが、同じS偏光光をダイクロイックミラーに入射する光をP偏光光として本実施例では定義するものである。
【0059】
次に光学的な作用を説明する。
【0060】
発光管41から発した光はリフレクター42により所定の方向に集光される。リフレクター42は放物面形状を有しており、放物面の焦点位置からの光は放物面の対称軸に平行な光束となる。
【0061】
但し、発光管41からの光源は理想的な点光源ではなく有限の大きさを有しているので、集光する光束には放物面の対称軸に平行でない光の成分も多く含まれている。
【0062】
これらの光束は、第1のシリンダーアレイ43aに入射する。第1のシリンダーアレイ43aに入射した光束はそれぞれのシリンダレンズに応じた複数の光束に分割、集光され(垂直方向に帯状の複数の光束)、紫外線吸収フィルター44を介して、第2のシリンダーアレイ43bに入射する。そして、第2のシリンダーアレイ43bを経て、複数の光束(垂直方向に帯状の複数の光束)を偏光変換素子45の近傍に形成する。
【0063】
偏光変換素子45は、偏光分離面と反射面と1/2波長板とからなり、複数の光束は、その列に対応した偏光分離面に入射し、透過するP偏光成分の光と反射するS偏光成分の光に分割される。反射されたS偏光成分の光は反射面で反射し、P偏光成分と同じ方向に出射する。
【0064】
一方、透過したP偏光成分の光は、1/2波長板を透過してS偏光成分と同じ偏光成分に変換され、偏光方向が揃った光として出射する。
【0065】
偏光変換された複数の光束(垂直方向に帯状の複数の光束)は、偏光変換素子45を出射した後、フロントコンプレッサ46を介して、反射ミラー47にて88度反射し、第3のシリンダーアレイ43cに入射する。第3のシリンダーアレイ43cに入射した光束はそれぞれのシリンダレンズに応じた複数の光束に分割、集光される(水平方向に帯状の複数の光束)。そして、その後、カラーフィルター50、第4のシリンダーアレイ43dを経て、複数の光束(水平方向に帯状の複数の光束)となり、コンデンサーレンズ48、リアコンプレッサ49に至る。
【0066】
ここで、フロントコンプレッサ46、コンデンサーレンズ48、リアコンプレッサ49の光学的作用の関係で、複数の光束は矩形形状の像が重なった形で矩形の均一な照明エリアが形成されることになる。この照明エリアに後述の反射型液晶表示素子61R、61G、61Bを配置する。
【0067】
次に、偏光変換素子45によりS偏光とされた光は、ダイクロイックミラー58に入射する。
【0068】
尚、ダイクロイックミラー58は、B(波長430nm〜495nm)とR(波長590nm〜650nm)の光は反射し、G(波長505nm〜580nm)の光は透過する。
【0069】
次に、Gの光路について説明する。
【0070】
ダイクロイックミラー58を透過したGの光は入射側偏光板59に入射する。尚、Gの光はダイクロイックミラー58によって分解された後もP偏光(45の偏光変換素子基準の場合はS偏光)となっている。
【0071】
そしてGの光は、入射側偏光板59から出射した後、第1の偏光ビームスプリッター60に対してP偏光として入射して偏光分離面で透過して、G用の反射型液晶表示素子61Gへと至る。G用の反射型液晶表示素子61Gにおいては、Gの光が画像変調されて反射される。
【0072】
画像変調されたGの反射光のうちP偏光成分は、再び第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面で透過して光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたGの反射光のうちS偏光成分は、第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面で反射され、投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。
【0073】
このとき、すべての偏光成分をP偏光に変換した状態(黒を表示した状態)において、第1の偏光ビームスプリッター60とG用の反射型液晶表示素子61Gとの間に設けられた1/4波長板62Gの遅相軸を所定の方向に調整している。
【0074】
これにより、第1の偏光ビームスプリッター60とG用の反射型液晶表示素子61Gで発生する偏光状態の乱れの影響を小さく抑えることができる。
【0075】
第1の偏光ビームスプリッター60から出射したGの光は、ダイクロイックプリズム69に対してS偏光として入射し、ダイクロイックプリズム69のダイクロイック膜面でG光を反射して投射レンズ70へと至る。
【0076】
一方、ダイクロイックミラー58を反射したRとBの光は、入射側偏光板64aに入射する。
【0077】
尚、RとBの光はダイクロイックミラー58によって分解された後もP偏光となっている。そしてRとBの光は、トリミングフィルター64aでオレンジ光をカットされた後、64bの入射側偏光板から出射し、色選択性位相差板65に入射する。
【0078】
色選択性位相差板65は、Rの光のみ偏光方向を90度回転する作用を持っており、これによりRの光はS偏光として、Bの光はP偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射する。S偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したRの光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射され、R用の反射型液晶表示素子61Rへと至る。
【0079】
また、P偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したBの光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過してB用の反射型液晶表示素子61Bへと至る。
【0080】
R用の反射型液晶表示素子61Rに入射したRの光は画像変調されて反射される。画像変調されたRの反射光のうちS偏光成分は、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射されて光源側に戻され、投射光から除去される。
【0081】
一方、画像変調されたRの反射光のうちP偏光成分は第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過して投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。
【0082】
また、B用の反射型液晶表示素子61Bに入射したBの光は画像変調されて反射される。画像変調されたBの反射光のうちP偏光成分は、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過して光源1側に戻され、投射光から除去される。
【0083】
一方、画像変調されたBの反射光のうちS偏光成分は第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射して投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。
【0084】
このとき、第2の偏光ビームスプリッター66とR用,B用の反射型液晶表示素子61R,61Bの間に設けられた1/4波長板62R,62Bの遅相軸を調整することにより、Gの場合と同じようにR,Bそれぞれの黒の表示の調整を行うことができる。
【0085】
こうして1つの光束に合成され、第2の偏光ビームスプリッター66から出射したRとBの投射光のうちBの光は、出射側偏光板68Bで検光されてダイクロイックプリズム69に入射する。
【0086】
また、Rの光はP偏光のまま偏光板68Bをそのまま透過し、ダイクロイックプリズム69に入射する。
【0087】
尚、出射側偏光板68Bで検光されることにより、Bの投射光は第2の偏光ビームスプリッター66とB用の反射型液晶表示素子61B、1/4波長板62Bを通ることによって生じた無効な成分をカットされた光となる。
【0088】
そして、ダイクロイックプリズム69に入射したR(P偏光)とB(S偏光)の投射光はダイクロイックプリズム69のダイクロイック膜面を透過し、前述した該ダイクロイック膜面にて反射したG(S偏光)の光と合成されて投射レンズ5に至る。
【0089】
そして、合成されたR,G,Bの投射光は、投射レンズ5によってスクリーンなどの被投射面に拡大投影される。
【0090】
以上説明した光路は反射型液晶表示素子が白表示の場合である為、以下に反射型液晶表示素子が黒表示の場合での光路を説明する。
【0091】
まず、Gの光路について説明する。
【0092】
ダイクロイックミラー58を透過したGの光のP偏光光は入射側偏光板59に入射し、その後、第1の偏光ビームスプリッター60に入射して偏光分離面で透過され、G用の反射型液晶表示素子61Gへと至る。
【0093】
しかし、反射型液晶表示素子61Gが黒表示の為、Gの光は画像変調されないまま反射される。
【0094】
従って、反射型液晶表示素子61Gで反射された後もGの光はP偏光光のままである為、再び第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面で透過し、入射側偏光板59を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。
【0095】
次に、RとBの光路について説明する。
【0096】
ダイクロイックミラー58を反射したRとBの光のP偏光光は、入射側偏光板64bに入射する。そしてRとBの光は、入射側偏光板64bから出射した後、色選択性位相差板65に入射する。
【0097】
色選択性位相差板65は、Rの光のみ偏光方向を90度回転する作用を持っており、これによりRの光はS偏光として、Bの光はP偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射する。
【0098】
S偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したRの光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射され、R用の反射型液晶表示素子61Rへと至る。
【0099】
また、P偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したBの光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過してB用の反射型液晶表示素子61Bへと至る。ここでR用の反射型液晶表示素子61Rは黒表示の為、R用の反射型液晶表示素子61Rに入射したRの光は画像変調されないまま反射される。
【0100】
従って、R用の反射型液晶表示素子61Rで反射された後もRの光はS偏光光のままである為、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射し、入射側偏光板64bを通過して光源1側に戻され、投射光から除去される為、黒表示となる。
【0101】
一方、B用の反射型液晶表示素子61Bに入射したP偏光光のBの光はB用の反射型液晶表示素子61Bが黒表示の為、画像変調されないまま反射される。
【0102】
従って、B用の反射型液晶表示素子61Bで反射された後もBの光はP偏光光のままである為、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過し、色選択性位相差板65により、P偏光に変換される。
【0103】
そして、その後、入射側偏光板64bを透過して光源側に戻されて投射光から除去される。
【0104】
以上が、反射型液晶表示素子(反射型液晶パネル)を使用した投射型画像表示装置での光学構成である。
【0105】
尚、反射型液晶表示素子の変わりに透過型液晶表示素子を用いても良い。
【0106】
次に図3から図7を用いて本実施例の特徴である液晶表示素子(ライトバルブ)の冷却構成について説明する。
【0107】
図3はプリズムユニットの要部斜視図である。
【0108】
図3において、31は色分離合成光学系βを保持するプリズムベースである。70(70R・70G・70B)は反射型液晶表示素子を保持し、かつ液晶表示素子からの熱を外部に放熱するためのヒートシンクである。73は1/4波長板62を保持するところの1/4波長板ホルダである。
【0109】
70R・70G・70B(70)はおのおのR光用・G光用・B光用の反射型液晶表示素子61R・61G・61Bを保持するヒートシンクである。73R・73G、73B(73)も同様にR光用・G光用・B光用の1/4波長板62R・62G・62Bを保持する1/4波長板ホルダである。
【0110】
尚、図3においては、RGB光用の反射型液晶表示素子の相対的位置関係を示している。
【0111】
図4は液晶表示素子61と、その近傍に配置した部材を含む液晶表示素子ユニット61bの説明図である。
【0112】
図5は液晶表示素子ユニット(画像表示素子ユニット)61bの要部斜視図である。
【0113】
図6は図5の一部分の説明図である。図7は図6の要部断面図である。
【0114】
図4ではR、G、B各色光の反射型液晶表示素子共通の構成であるところの、放熱のためのヒートシンク70から、1/4波長板ホルダ73までの構造を示すものである。
【0115】
図4において71はパネルマスクである。72は反射型液晶表示素子61の光入出射面に塵埃が付着しないようにするためのゴムシールドである。
【0116】
液晶表示素子61は、基板と導電体膜を形成したガラス基板との間に注入配置されている。61aは液晶表示素子61に接続されるフレキシブル基板である。
【0117】
図5においては、ヒートシンク70からパネルマスク71とゴムシールド72までが設計位置に配置され積層された状態を示している。
【0118】
この状態では、反射型液晶表示素子61の背面はヒートシンク70が取り囲んでいる。反射型液晶表示素子61の側面はパネルマスク71で取り囲んでいる。反射型液晶表示素子61の上面(光入射側)には光学部財として1/4波長板62が隣接して位置している。1/4波長板62は1/4波長板ホルダ(λ/4板ホルダ)73にて取り囲まれており、残る隙間をゴムシールド72にて取り囲んでいる。
【0119】
本構成では、液晶表示素子と、その光入射側に設けた1/4波長板62とで形成される空間を、略密閉空間で構築して、高い防塵性能を得ている。
【0120】
光源手段(ランプ)からの光が液晶パネルに入射すると、液晶表示素子の光入射側のλ/4波長板とで形成される空間81(以下「液晶表示素子の光入射側空間」ともいう。)内の温度が上昇する。
【0121】
各光学要素に耐熱性の高い部品を使用すれば液晶表示素子の光入射側の空間内の温度上昇の問題はない。しかしながら、反射型液晶表示素子内の液晶と、液晶のラビング膜と、1/4波長板62がポリカーボネート材料からなる有機物である。このため、熱による影響を受けやすく、昇温することで光学性能の劣化を招く場合がある。
【0122】
そこで本実施例では、液晶表示素子61に隣接する光学素子(1/4波長板)62を保持する保持部材73(1/4波長板ホルダ73)の一部に放熱用の複数の通風孔(溝形形状)73aを形成している。
【0123】
この複数の通風孔73aを形成することにより、液晶表示素子61の光入射側の空間81と外部空間82とを連通させて空間81内の温度の上昇を軽減している。
【0124】
図6は1/4波長板ホルダ73の概略を示すものである。図6、図7において、Z軸は光軸方向(液晶表示素子61の面法線方向)である。X軸、Y軸はZ軸に垂直方向(液晶表示素子61の面内方向)である。73aは通風孔(溝形状部)である。
【0125】
本実施例では、1/4波長板ホルダ73に複数の通風孔73を設ける。この部分の溝開口部側ゴムシールド72が当接すると、溝形状部73aの溝部開放面が塞がれて、1/4波長板ホルダ73の内部の溝は残り、溝形状断面を持つ微細な気孔(通風孔)となる。
【0126】
この複数の通風孔73aにより反射型液晶表示素子61と1/4波長板62との間で形成される空間81と外部とが連通される。これにより外部との換気が可能となる。この結果、液晶表示素子の光入射側の空間内部の高温となった空気と、外部の冷たい空気との入替えを行い、液晶表示素子61の光入射側の空間81内の熱を外部空間82へ放熱する。
【0127】
尚、83は外部空間82と連通する通風口である。
【0128】
本実施例及び以下の各実施例において、好ましくは微細な通風孔73aは、1回以上の折り曲がり部を有する形状又は曲線形状より成ることが良い。
【0129】
この微細な通風孔73aの形状は、一直線のものでも構わないが、できるだけ防塵性能を維持する必要があるので、一回以上の折れ曲がりやカーブ(曲線)を描くようにしている。これにより、塵埃の侵入を防いでいる。
【0130】
画像表示素子61に付着して問題となる塵埃の大きさを50μmとした場合には50μm以下の溝形状部断面径とすることが望ましい。
【0131】
本実施例では、換気放熱効率も上げたいので、溝形状部断面径を大きくして(50μm〜100μm)折れ曲がり個所を設けている。
【0132】
これは、溝形状部断面径が大きくなるので、風量を増やす工夫をしながらも、折れ曲がりによる抵抗で塵埃が容易に侵入できないようにしている。
【0133】
本実施例では、通風孔73aは、光入射側から見たとき、2回の折れ曲がり形状又は曲線形状を有するようにしている。これにより通風孔の径を比較的大きな気孔断面径としても塵埃があまり侵入しないようにしている。
【0134】
これは、通風孔73aが形成する折れ曲がりや曲線により空気の流れ抵抗を発生させることで風速を落とし、塵埃を吸引する力を弱めることができるからである。
【0135】
又、画像表示素子61と光学素子(1/4波長板)との間で形成される空間81は、外部空間82と通風孔73aのみで連通されるようにしている。
【0136】
これにより空間81内の防塵効果を高めている。
【0137】
本実施例において、通風孔73aは画像表示素子61の面法線と直交方向に形成されている。
【0138】
本実施例及び後述する各実施例ではλ/4波長板ホルダ(保持部材)73に冷却風を送る冷却手段を配置している。
【0139】
このとき通風孔73aは1/4波長板ホルダ73の周囲であって、冷却風が当たらない領域に設けている。
【0140】
具体的には、図6に示すように通風孔73aは1/4波長板ホルダ73の4辺のうち3辺には設けているが、残り1辺には設けていない。
【0141】
通風孔73aを設けていない1辺は冷却手段(不図示)からの冷却風が吹き込まれてくる位置にあるためである。
【0142】
これにより、風速が大きい位置において塵埃が通風孔73aに強制的に吹き込まれることを防止している。残りの3辺は冷却風の流れに対して直交する方向の辺であるか、または冷却風の流れる方向であっても排出側に配置されているので、塵埃が通風孔73aに強制的に吹き込まれてしまう可能性を極めて低くすることができる。
【0143】
本実施例では、図7に示すように画像表示素子61と1/4波長板62との間で形成される空間81の一部はフッ素系のゴム材料より成るゴムシート73で覆っている。
【0144】
1/4波長板62は、液晶表示素子61で表示される画像のコントラストを確保するために光軸を中心に回転調整される。
【0145】
そのために1/4波長板ホルダ73が回転するが、その場合ゴムシールド72に当接しているため回転摺動時に摩擦抵抗が生じてくる。これにより、薄く柔らかなゴムシールド72は変形して、めくれや反り返りが起こり、塵埃が侵入できる程度の隙間ができることがある。
【0146】
本実施例では、ゴムシールド材料72にフッ素系ゴムを使用することで摩擦力を抑え、めくれや反り返り防止している。
【0147】
以上のように、1/4波長板ホルダ73の一部に通風孔73aを設けることで、自然対流的に換気を行うことで放熱性を高めながらも、防塵性能を維持している。
【0148】
また本実施例では摩擦の少ないゴムシールド72を選択することで、めくれや反り返りをも防止して、作業による塵埃侵入経路の生成を抑止している。
【実施例2】
【0149】
図8は本発明の実施例2に係る液晶表示素子ユニット61bの要部概略図である。
【0150】
図9は図8の要部断面図である。図8、図9において、図6、図7で示した部材と同一部材には同符番を付している。このことは以下の各図においても同様である。
【0151】
図6、図7に示す実施例1では、通風孔73aは1/4波長板ホルダ73のゴムシールド72と当接する面に設けて、ゴムシールド72と当接することで、微細気孔を形成していた。
【0152】
これに対して本実施例では溝形状部73aは1/4波長板ホルダ73aの一部で1/4波長板62との当接面62a側に設けている。1/4波長板62の平面と端面両方に接することから、光軸(画像表示素子61の面法線方向)と直交方向の溝73cと、光軸と平行方向の溝73dをつなげて、3次元的に展開する通風孔73aを形成している。
【0153】
84は1/4波長板62の端面の通風口である。
【0154】
本実施例では、通風孔73aを画像表示素子61の面法線と直交方向及び平行方向に形成され、これらは連通している。これによって実施例1と同様の効果を得ている。
【実施例3】
【0155】
図10は本発明の実施例3に係る液晶表示素子ユニット61bの要部概略図である。図11は図10の要部断面図である。
【0156】
実施例1、2では液晶表示素子の光入射側の空間と外部とを対向する溝同士で連通し、双方の空気の流入流出を行っている。
【0157】
一つの通風孔からは外気が流入して中央部に到達し、中央で暖められた内気は別の通風孔から排出する。これに対して実施例3においては、つながる1本の通風孔73aが外部と2箇所の通風口83、84でつながるようにしている。これにより風は、片端の通風孔から流入し、他端の通風孔から流出する。中央部から直接換気はされないが、中央部周辺部の温度差がなくなり飽和されるので、周辺部からのみ換気することでも実施例1と同様の効果が得られる。
【実施例4】
【0158】
図12は本発明の実施例4に係る液晶表示素子ユニット61bの要部概略図である。図13は図13の要部断面図である。本実施例の通風孔73aは1/4波長板ホルダ73の途中で途切れているが、その代わり1/4波長板ホルダ73の裏面への貫通穴73bとつながっている。これにより、内部の空間81と外部の空間82は換気されるようにしている。
【0159】
本実施例の通風孔73aの形状は実施例1〜3と異なるが、実施例1と折れ曲がり回数は同じである。これにより実施例1同様の効果を得ている。
【0160】
以上のように各実施例の画像投射装置では、画像表示素子61の光入射側に隣接して配置した1/4波長板62を保持する1/4波長板ホルダ73に通風孔73bを設けている。1/4波長板ホルダ73の一部は、画像表示素子61と1/4波長板62との間で形成される空間81の一部を囲んでいる。通風孔73bは空間81と、その外側の外部空間82とを連結する構成より成っている。
【0161】
各実施例では、以上のような構成をとることにより液晶表示素子ユニット61bの防塵性能を維持しながらも、放熱性を高めることができる。このため、高性能な有機フィルムによる位相差板や偏光素子を液晶表示素子に隣接して使用できるので、より高コントラストの画像が得られるプロジェクタを提供することができる。
【0162】
これは耐熱性の高い水晶など無機材料の偏向素子に比べて、耐熱性は低いがポリカなどの有機フィルムからなる偏向素子の方が位相保証波長巾が広く黒表示時の漏れ光が少なくなるからである。また高輝度モデルにおいても昇温を抑止可能なので、高コントラストの画像を得ることができる。
【0163】
特に液晶表示素子や、その周辺部の光学素子は熱的影響を受けやすく耐久年数にも影響する。これに対して各実施例では、放熱性を向上させることができるので、耐久性の高い製品を提供することができる。
【0164】
なお、各実施例では、画像表示素子の光入射側に光学素子が配置される場合を説明したが、画像表示素子の光出射側に光学素子が配置される場合も同様であり、通風孔を設けることにより本発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本発明の反射型液晶表示素子を搭載した画像投射装置の分解斜視図
【図2】本発明の反射型液晶表示素子を搭載した画像投射装置の光学構成図
【図3】本発明に係るプリズムユニットを示す斜視図。
【図4】本発明に係る液晶表示ユニットの主要構成部品を示す分解図。
【図5】本発明に係る液晶表示素子のユニットの形態を示す説明図。
【図6】本発明に係る液晶表示ユニットの特徴を表す部品形状図。
【図7】図6の要部断面図
【図8】本発明の実施例2に係る液晶表示素子のユニットの特徴を表す部品形状図。
【図9】図8の要部断面図
【図10】本発明の実施例3に係る液晶表示素子のユニットの特徴を表す部品形状図。
【図11】図10の要部断面図
【図12】本発明の実施例4に係る液晶表示素子のユニットの特徴を表す部品形状図。
【図13】図13の要部断面図
【符号の説明】
【0166】
1は光源ランプ、2はランプホルダ、3は防爆ガラス、4はガラス押さえ、5は投射レンズ、6は光学ボックス、7は光学ボックス蓋、8は電源、9は電源フィルター、10はバラスト電源、11は回路基板、12A・12Bは光学冷却ファンA・B、13はRGBダクトA、14はランプ冷却ファン(吹き付けファン)、15はランプダクトA、16はランプダクトB、17は電源用冷却ファン、18は排気ファン、19はランプ排気ルーバーA、20はランプ排気ルーバーB、21は外装キャビネット、22は外装キャビネット蓋(外装ケース)、23は側板A、24は側板B、25はインターフェース基板、26はインターフェース補強板、27は排気ボックス、28はランプ蓋、29はセット調整脚、30は外装キャビネット、31はプリズムベース、32はボックスサイドカバー、33はRGBダクトB、34はRGB基板、35RGB基板カバー、41はランプ発光管(光源)、42はリフレクター、43aは第1のシリンダーアレイ、43bは第2のシリンダーアレイ、43cは第3のシリンダーアレイ、43dは第4のシリンダーアレイ、44は紫外線吸収フィルター、45は偏光変換素子、46はフロントコンプレッサ、47は全反射ミラー、48はコンデンサーミラー、49はリアコンプレッサ、50はカラーフィルター、58はダイクロイックミラー、59はG用入射側偏光板、60は第1の偏光ビームスプリッター、61は反射型液晶表示素子、62は1/4波長板、64aはトリミングフィルター、64bはRB用入射側偏光板、65色選択性位相差板、66は第2の偏光ビームスプリッター、68BはB用出側偏光板、68GはG用出側偏光板、69はダイクロイックプリズム、70はヒートシンク、71はパネルマスク、72はゴムシールド、73は1/4波長板ホルダ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する画像表示素子と、
光を放射する光源手段と、
該光源手段からの光で前記画像表示素子を照明する照明光学系と、
該画像表示素子で形成される画像を被照射面に投射する投射光学系と、
を有する画像投射装置において、
前記画像表示素子に隣接して光学素子が配置されており、該光学素子を保持する保持部材の一部は、該画像表示素子と該光学素子との間で形成される空間の一部を囲んでおり、該保持部材には、該空間と、その外側の外部空間とを連結する通風孔が形成されていることを特徴とする画像投射装置。
【請求項2】
前記通風孔は、1回以上の折り曲がり部を有する形状又は曲線形状より成ることを特徴とする請求項1の画像投射装置。
【請求項3】
前記画像表示素子と前記光学素子との間で形成される空間は、外部空間と前記通風孔のみで連通されていることを特徴とする請求項1又は2の画像投射装置。
【請求項4】
前記通風孔は前記画像表示素子の面法線と直交方向に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3の画像投射装置。
【請求項5】
前記通風孔は前記画像表示素子の面法線と直交方向及び平行方向に形成され、これらは連通されていることを特徴とする請求項1、2又は3の画像投射装置。
【請求項6】
前記画像表示素子と前記光学素子との間で形成される空間の一部はフッ素系のゴム材料より成るゴムシートで覆われていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項の画像投射装置。
【請求項7】
前記保持部材に冷却風を送る冷却手段を有し、該保持部材の周囲であって、該冷却風が当たらない領域に前記通風孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項の画像投射装置。
【請求項1】
画像を形成する画像表示素子と、
光を放射する光源手段と、
該光源手段からの光で前記画像表示素子を照明する照明光学系と、
該画像表示素子で形成される画像を被照射面に投射する投射光学系と、
を有する画像投射装置において、
前記画像表示素子に隣接して光学素子が配置されており、該光学素子を保持する保持部材の一部は、該画像表示素子と該光学素子との間で形成される空間の一部を囲んでおり、該保持部材には、該空間と、その外側の外部空間とを連結する通風孔が形成されていることを特徴とする画像投射装置。
【請求項2】
前記通風孔は、1回以上の折り曲がり部を有する形状又は曲線形状より成ることを特徴とする請求項1の画像投射装置。
【請求項3】
前記画像表示素子と前記光学素子との間で形成される空間は、外部空間と前記通風孔のみで連通されていることを特徴とする請求項1又は2の画像投射装置。
【請求項4】
前記通風孔は前記画像表示素子の面法線と直交方向に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3の画像投射装置。
【請求項5】
前記通風孔は前記画像表示素子の面法線と直交方向及び平行方向に形成され、これらは連通されていることを特徴とする請求項1、2又は3の画像投射装置。
【請求項6】
前記画像表示素子と前記光学素子との間で形成される空間の一部はフッ素系のゴム材料より成るゴムシートで覆われていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項の画像投射装置。
【請求項7】
前記保持部材に冷却風を送る冷却手段を有し、該保持部材の周囲であって、該冷却風が当たらない領域に前記通風孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項の画像投射装置。
【図6】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−25367(P2009−25367A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185640(P2007−185640)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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