画像検索装置、画像形成装置、画像処理システム及びプログラム
【課題】検索用の画像情報に類似する画像を登録済みの画像情報を用いて検索するにあたり、各々の画像の画素同士を比較する場合よりも高速かつ高精度に類似画像の検索を行なうことができる仕組みを提供する。
【解決手段】本発明の画像処理システムは、画像取得部2と、画像取得部2が取得した画像情報を用いて、複数の計数項目ごとに画素の数を計数する画素計数部3と、その計数結果に基づいてYMCKの画素色ごとに画素数の比率を算出する演算部4と、画像取得部3が取得した登録用の画像情報と当該画像情報に関して演算部4が算出した画素数の比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶部5と、画像取得部3が取得した検索用の画像情報と情報記憶部5に記憶されている画像情報について、それぞれ演算部4が算出した画素数の比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定部6とを備える。
【解決手段】本発明の画像処理システムは、画像取得部2と、画像取得部2が取得した画像情報を用いて、複数の計数項目ごとに画素の数を計数する画素計数部3と、その計数結果に基づいてYMCKの画素色ごとに画素数の比率を算出する演算部4と、画像取得部3が取得した登録用の画像情報と当該画像情報に関して演算部4が算出した画素数の比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶部5と、画像取得部3が取得した検索用の画像情報と情報記憶部5に記憶されている画像情報について、それぞれ演算部4が算出した画素数の比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定部6とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検索装置、画像形成装置、画像処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やファクシミリ装置には、過去に処理(コピー処理・ファクシミリ送受信処理)を行なった原稿の画像を、自装置内又は外部の装置に、イメージログとして蓄積しておく機能を備えたものがある。イメージログとして蓄積(登録)された画像情報は、あとで入力された画像情報に類似する類似画像を検索する場合に利用される。
【0003】
類似画像を検索する技術として、例えば、特許文献1には、入力画像の一部の画素を利用して、予め登録されている登録画像の中から類似部位の候補を探し、その候補内の全画素と入力画像の全画素との類似度(階調値の類似度)を算出して、類似度の高い領域を抽出する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、入力画像に対する所定サイズのウィンドウ走査を行なってウィンドウ射影データを作成し、この射影データと予め登録しておいた複数のテンプレートデータとの比較結果により入力画像の回転角度を検出し、当該入力画像の回転角度を補正する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−192307号公報
【特許文献2】特開2001−67481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、検索すべき画像情報に類似する画像を検索するにあたり、各々の画像の画素同士を比較する場合よりも高速に抽出することができる画像処理システム、画像形成装置、画像検索装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、画像の色情報ごとにその画素数の比率に関する比率情報を演算する演算手段と、前記画像情報と、当該画像情報に関する前記比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報とについて、それぞれの比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定手段と、前記判定手段が判定した画像情報を抽出する抽出手段とを備える画像検索装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の画像検索装置において、前記画像情報に対し、前記演算手段によって演算される前記比率情報に変化が生じる画像処理を行なう場合に、その変化量を予測して、前記情報記憶手段に記憶する画素数の比率情報を補正する手段を備えるものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の画像検索装置において、前記情報記憶手段は、前記演算手段が算出した比率情報の特徴事項に応じて検索される対象となる画像情報を複数の組に分類して記憶するものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の画像検索装置において、前記検索される対象となる画像情報について、前記演算手段が演算した前記比率情報の特徴事項を基に、検索対象となる画像情報の組を特定する特定手段を備え、前記判定手段は、前記特定手段が特定した組に属する画像情報を対象に、画像の類似性を判定するものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3記載の画像検索装置において、前記複数の計数項目のうち、予め設定されたn番目(nは自然数)に画素数の比率が高い計測項目を、前記特徴事項としたものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項3記載の画像検索装置において、前記複数の計測項目における画素数の比率の高低順を、前記特徴事項としたものである。
【0013】
請求項7に記載の発明は、画像情報を取得する画像取得手段と、前記画像情報の色情報ごとにその画素数の比率に関する比率情報を演算する演算手段と、前記画像取得手段が取得した検索される対象となる画像情報と当該画像情報に関して前記演算手段が演算した比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、前記画像取得手段が取得した検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報とについて、それぞれ前記演算手段が算出した比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定手段と、前記判定手段が判定した画像情報を抽出する抽出手段とを備える画像形成装置である。
【0014】
請求項8に記載の発明は、画像情報を取得する画像取得装置と、前記画像情報の色情報ごとにその画素数の比率に関する比率情報を演算する演算手段と、前記画像取得装置が取得した検索される対象となる画像情報と当該画像情報に関して前記演算手段が演算した比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、前記画像取得装置が取得した検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報とについて、それぞれ前記演算手段が算出した比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定手段と、前記判定手段が判定した画像情報を抽出する抽出手段とからなる画像検索装置とを備える画像処理システムである。
【0015】
請求項9に記載の発明は、検索される対象となる画像情報と、当該画像情報の画素数の比率情報とを対応付けて情報記憶手段に記憶する処理と、検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報について、それぞれに算出された画素数の比率情報を基に、画像の類似性を判定する処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、7、8、9に記載の発明によれば、検索用の画像情報に類似する画像を検索するにあたり、各々の画像の画素同士を比較する場合よりも高速に抽出することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、演算手段によって算出される画素数の比率に変化が生じる画像処理が行なわれた場合に、本構成を有しない場合に比較して、類似画像を精度良く検索することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、情報記憶手段に記憶された画像情報を用いて類似画像を検索する場合に、本構成を有しない場合に比較して、類似画像の検索対象範囲を狭い範囲に絞り込むことができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、情報記憶手段に記憶されているすべての画像情報を対象に、画像の類似性を判定する場合に比較して、類似画像の検索を短時間で終えることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、n番目に画素数の比率が高い画像情報同士を同じ組に分類することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、画素数の比率の高低順が等しい画像情報同士を同じ組に分類することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲は以下に記述する実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
【0023】
図1は本発明の実施の形態に係る画像処理システムの機能ブロック図である。図示のように、画像処理システム1は、画像取得部2と、画素計数部3と、演算部4と、情報記憶部5と、判定部6と、抽出部7とを備えた構成となっている。
【0024】
画像取得部2は、画像情報を取得するものである。画像取得部2は、それ自身が画像情報を入力する機能を有するものであってもよいし、外部の装置から画像情報を受信する機能を有するものであってもよいし、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、USBメモリなどの記録媒体から画像情報を読み出す機能を有するものであってもよい。また、画像取得部2は、それらの機能を複合的に備えたものであってもよい。
【0025】
画像情報を入力する機能としては、例えば、原稿の画像を光学的に読み取る画像読み取り機能がある。外部の装置から画像情報を受信する機能としては、例えば、ファクシミリ送受信機能やネットワーク通信機能、電子メール送受信機能などがある。記録媒体から画像情報を読み出す機能は、対象とする記録媒体の種類によって、種々の機能がある。
【0026】
画素計数部3は、画像取得部2が取得した画像情報を用いて、複数の計数項目ごとに画素の数を計数するものである。ここでは一例として、計数項目が画素の色である場合について説明する。計数項目となる画素の色(色情報)は、例えば、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の4つに区分される。そうした場合、画素計数部3は、YMCKの画素色ごとに画素の数を計数する。ただし、これに限らず、Kを除く3つの色(YMC)で画素の色を区分してもよい。
【0027】
演算部4は、画素計数部3の計数結果に基づいて、画素数の比率を計数項目ごとに算出するものである。即ち、前述したように計数項目が画素の色である場合、演算部4は、Y色の画素数の比率と、M色の画素数の比率と、C色の画素数の比率と、K色の画素数の比率を、それぞれ演算によって求める。画素数の比率を求めるための計算式については、後段で記述する。
【0028】
情報記憶部5は、画像取得部2が取得した登録用の画像情報と当該画像情報に関して演算部4が算出した画素数の比率情報とを対応付けて記憶するものである。登録用の画像情報とは、画像取得部2が取得した画像情報の中で、情報記憶部5への蓄積が指示された画像情報をいう。情報記憶部5への蓄積が指示される画像情報には、例えば、コピー用に原稿から読み取られた画像情報や、ファクシミリ送信用に原稿から読み取られた画像情報、さらには外部の装置からプリント用又はファクシミリ用に受信した画像情報や、記録媒体からプリント用に読み出した画像情報などが含まれる。
【0029】
判定部6は、画像取得部2が取得した検索用の画像情報(検索すべき画像情報)と情報記憶部5に記憶されている画像情報について、それぞれ演算部4が算出した画素数の比率情報を基に、画像の類似性を判定するものである。検索用の画像情報とは、情報記憶部5に記憶されている画像情報の中から、当該検索用の画像情報に類似する類似画像を検索によって抽出するために、画像取得部2によって取得される画像情報をいう。
【0030】
抽出部7は、情報記憶部5に記憶されている画像情報の中から、判定部6の判定結果に基づいて、検索用の画像情報に類似する類似画像を抽出するものである。
【0031】
図2は本発明の実施の形態に係る画像処理システムを、ネットワークを利用して実現する場合の構成例を示す概略図である。図2においては、端末装置10と画像形成装置11と類似画像検索装置12とを、ネットワーク13を介して相互に接続している。このため、端末装置10、画像形成装置11及び類似画像検索装置12は、それぞれネットワーク13を介して相互に通信する仕組みになっている。ここでは一例として、画像形成装置11が複写機で構成されているものとする。ただし、これに限らず、例えば、プリンタ装置、ファクシミリ装置、複合機などを用いて画像形成装置を構成してもよい。複合機は、コピー機能(スキャナ機能を含む)、プリント機能及びファクシミリ機能を複合的に備える画像形成装置である。
【0032】
端末装置10は、例えばパーソナルコンピュータを用いて構成されるものである。端末装置10には、画像形成装置11の駆動を制御するドライバソフトフェアが組み込まれている。
【0033】
画像形成装置11は、画像入力部15と、画像処理部16と、画像形成部17と、操作部18と、ネットワーク通信部19と、画像形成制御部20とを備えた構成となっている。
【0034】
画像入力部15は、原稿台に置かれた原稿の画像を光学的に読み取ることにより、原稿画像を表す画像情報を入力するものである。画像処理部16は、画像入力部15が入力した画像情報に対して、予め設定された条件(利用者が指定した条件を含む)で画像処理を施すものである。画像形成部17は、画像入力部15が入力しかつ画像処理部16が処理した画像情報を用紙に形成するものである。画像形成部17は、例えば、画像の形成に用いられる用紙を搬送する用紙搬送機構と、当該用紙搬送機構によって搬送される用紙の紙面に電子写真方式に基づいて画像を形成(トナー画像を転写、定着)するプリンタ機構とによって構成される。
【0035】
操作部18は、画像形成装置11を利用する利用者が各種の情報を入力したり、利用者に対して各種の情報を表示したりするためのインターフェースとなるものである。操作部18は、例えば、各種のボタン、スイッチ、キー等を有する入力部と、タッチパネル付きの液晶ディスプレイからなる表示部とによって構成される。ネットワーク通信部19は、ネットワーク13を介して、外部の装置(端末装置10、類似画像検索装置12を含む)と通信(情報をやりとり)するためのインターフェースとなるものである。画像形成制御部20は、各々の機能部(15〜19)を用いた画像形成装置11の処理及び動作を統括的に制御するものである。このうち、画像入力部15は、前述した画像取得部2として機能する。また、画像処理部16は、画像処理機能の一つとして、前述した画素計数部3としての機能を果たす。
【0036】
類似画像検索装置12は、前述した演算部4、情報記憶部5、判定部6及び抽出部7の各機能部に加えて、画像分類部24と、特定部25と、表示部27と、ネットワーク通信部28と、制御部29とを備えた構成となっている。
【0037】
類似画像検索装置12は、コンピュータのハードウェア資源として、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入力装置、出力装置などを備え、これらの構成要素がバスラインを介して相互に接続された構成となっている。このハードウェア構成は、前述した端末装置10にも同様に適用される。
【0038】
画像分類部24は、画像形成装置1から自装置に送信された登録用の画像情報を、演算部4が算出した画素数の比率情報の特徴事項に応じて複数の組に分類するものである。ここでは一例として、前述した複数の計数項目のうち、予め設定されたn番目(nは自然数)に画素数の比率が高い計測項目を第1の特徴事項とする。また、複数の計測項目における画素数の比率の高低順を第2の特徴事項とする。これらの特徴事項については、いずれか一方を採用すればよい。
【0039】
第1の特徴事項に関しては、前述したように画素の数を計数する際の計数項目を、YMCKの4つの画素色で区分する場合は、nの採りうる値が、1,2,3,4となる。そして、n=1とした場合は、最も画素数の比率が高い計数項目(画素色)がいずれの項目であるかが第1の特徴事項となる。また、n=2とした場合は、2番目に画素数の比率が高い計数項目がいずれの項目であるかが第1の特徴事項となり、n=3とした場合は、3番目に画素数の比率が高い計数項目がいずれの項目であるかが第1の特徴事項となる。また、n=4とした場合は、最も画素数の比率が低い計数項目がいずれの項目であるかが第1の特徴事項となる。本実施の形態においては、一例として、n=1と規定する。この場合は、Y色の画素数の比率が最も高い組と、M色の画素数の比率が最も高い組と、C色の画素数の比率が最も高い組と、K色の画素数の比率が最も高い組の、計4つの組が存在することになる。
【0040】
第2の特徴事項に関しては、複数の計測項目について計数された画素数につき、画素数の比率が高い方から低い方に(又は低い方から高い方に)各々の計測項目を並べたときの順番(昇降順)を特徴事項としている。例えば、前述したように画素の数を計数する際の計数項目を、YMCKの4つの画素色で区分する場合は、画素数の比率が高い方から低い方に並べたときの画素色の順番が第2の特徴事項となる。この場合、Y色の画素数の比率が最も高いという条件を満たす組は、Y→M→C→Kの順で画素数の比率が高い組と、Y→C→K→Mの順で画素数の比率が高い組と、Y→K→M→Cの順で画素数の比率が高い組と、Y→M→K→Cの順で画素数の比率が高い組と、Y→C→M→Kの順で画素数の比率が高い組と、Y→K→C→Mの順で画素数の比率が高い組の、計6つが存在する。同様に、他の画素色(MCK)に関しても、それぞれ6つずつ組が存在する。このため、4色合計で24の組が存在することになる。
【0041】
情報記憶部5は、画像分類部24の分類結果に応じて、登録用の画像情報を複数の組に分類して記憶する。例えば、情報記憶部5は、少なくとも画像分類部24で分類される組の数だけ独立した複数のフォルダを有し、画像分類部24によって同じ組に分類された画像情報を同じフォルダに収容するように記憶する。例えば、登録用の画像情報を上記第1の特徴事項に応じて分類する場合は、図3に示すように、情報記憶部5に4つのフォルダFy,Fm,Fc,Fkを用意し、これら4つのフォルダFy,Fm,Fc,Fkを用いて画像情報を分類して記憶する。即ち、Y色の画素数の比率が最も高い画像情報はフォルダFyに収容し、M色の画素数の比率が最も高い画像情報はフォルダFmに収容する。また、C色の画素数の比率が最も高い画像情報はフォルダFcに収容し、K色の画素数の比率が最も高い画像情報はフォルダFkに収容する。また、図示はしないが、登録用の画像情報を上記第2の特徴事項に応じて分類する場合は、情報記憶部5に24個のフォルダを用意し、これら24個のフォルダを用いて画像情報を分類して記憶する。このため、情報記憶部5においては、複数の組(フォルダ)に分けて画像情報が記憶されることになる。
【0042】
特定部25は、演算部4が算出した画素数の比率情報の特徴事項を基に、検索対象となる画像情報の組を特定する。判定部6は、画像形成装置1から自装置に送信された検索用の画像情報と情報記憶部5に記憶されている画像情報について、それぞれ演算部4が算出した画素数の比率情報を比較し、この比較結果に基づいて画像の類似性を判定する。
【0043】
抽出部7に関しては、前述したとおりである。表示部27は、抽出部7で抽出された類似画像に関する情報を、抽出結果として表示するものである。表示部27は、例えば、液晶ディスプレイを用いて構成される。
【0044】
ネットワーク通信部28は、ネットワーク13を介して、外部の装置(端末装置10、画像形成装置11を含む)と通信(情報をやりとり)するためのインターフェースとなるものである。制御部29は、各々の機能部(4〜7、24〜28)を用いた類似画像検索装置12の処理及び動作を統括的に制御するものである。
【0045】
続いて、上記構成からなる画像処理システムで行なわれる処理について説明する。図4はコピー処理に際して画像形成装置11で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。まず、コピー処理に際しては、利用者が、画像入力部15の原稿台に原稿をセットした後、操作部18で必要な設定操作を行なってからスタートボタンを押す。そうすると、画像入力部15は、原稿台に置かれた原稿の画像を読み取り、これによって得られたコピー用の画像情報を入力する(ステップS501)。コピー用に入力(スキャン)される画像情報は、登録用の画像情報の一つとして取り扱われる。この場合、画像形成装置11では、画像処理部16及び画像形成部17によって実質的なコピー処理が行なわれ、当該コピー処理とあわせて次のような処理も行なわれる。
【0046】
即ち、画像処理部16は、画像入力部15から入力された画像情報を用いて、YMCKの画素色ごとに、該当する色の画素の数を計数する(ステップS502)。さらに詳述すると、画像処理部16は、画像入力部15から入力されるRGBの画像データを、YMCKの画像データに変換する。そして、各々の画素色(YMCK)ごとに、該当する画素の数を画素カウンタ等によって計数する。画素数の計数処理はページ単位で行なう。例えば、画像入力部15から入力される画像情報が、原稿の画像を読み取って得られるものであれば、原稿の一面から読み取られた画像情報が1ページ分の画像情報となる。そして、画像処理部16は、1ページ分の画像情報を用いて画素数の計数処理を行なう。ここでは便宜上、画像処理部16で計数したY色の画素の数をYg、M色の画素の数をMg、C色の画素の数をCg、K色の画素の数をKgと定義する。
【0047】
次に、画像処理部16は、画像入力部15から入力された画像情報を圧縮することにより、元(圧縮前)の画像情報よりも情報量が少ない画像情報(以下、「圧縮画像情報」)を生成する(ステップS503)。
【0048】
次に、画像処理部16は、上記ステップS502における画素数の計測結果(Yg,Mg,Cg,Kg)を、画像情報の属性情報の一つとして、上記ステップS503で生成された圧縮画像情報に付加する(ステップS504)。なお、属性情報には、利用者が画像形成装置11を利用した日付、日時などを示す情報や、利用者を識別する利用者識別情報を含むようにしてもよい。
【0049】
次に、ネットワーク通信部19は、画像処理部16での画素数の計測結果を付加した圧縮画像情報を、ネットワーク13経由で類似画像検索装置12に送信する(ステップS505)。これにより、登録用の画像情報が画像形成装置11から類似画像検索装置12に送られる。
【0050】
図5はコピー処理に際して類似画像検索装置12で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。まず、ネットワーク通信部28は、画像形成装置11から自装置宛てに送信された、画素数の計測結果付きの圧縮画像情報を受信する(ステップS601)。
【0051】
次に、演算部4は、ネットワーク通信部28が受信した情報に含まれる画素数の計測結果(Yg,Mg,Cg,Kg)を用いて、YMCKの画素色ごとに画素数の比率(%)を算出する(ステップS602)。画素数の比率は、画素色ごとに、分母となるパラメータを変えて2つずつ求める。一つは、画像形成装置11で画像入力部15が入力した画像情報に含まれるすべての画素数(=Tgと定義する)を分母として算出される画素数の比率(以下、「第1の画素数比率」)である。もう一つは、画像形成装置11で画像入力部15が入力した画像情報のすべての計数項目の画素数を加算して得られる加算画素数(Yg+Mg+Cg+Kg)を分母として算出される画素数の比率(以下、「第2の画素数比率」)である。
【0052】
第1の画素数比率に関しては、Y色の画素数の比率を「YT-ratio」と定義すると、次式で求められる。
YT-ratio=Yg÷Tg×100
【0053】
同様に、M色の画素数の比率を「MT-ratio」と定義し、C色の画素数の比率を「CT-ratio」と定義し、K色の画素数の比率を「KT-ratio」と定義すると、各色の画素数の比率は、次式で求められる。
MT-ratio=Mg÷Tg×100
CT-ratio=Cg÷Tg×100
KT-ratio=Kg÷Tg×100
【0054】
画像情報の総画素数であるTgの値は、画像入力部15が原稿の画像を読み取る場合に適用される読取解像度や原稿のサイズによって決まる。即ち、読取解像度が高くなると、それに応じてTgの値が大きくなり、原稿のサイズが大きくなると、それに応じてTgの値が大きくなる。
【0055】
第2の画素数比率に関しては、Y色の画素数の比率を「Yratio」と定義すると、次式で求められる。
Yratio=Yg÷(Yg+Mg+Cg+Kg)×100
【0056】
同様に、M色の画素数の比率を「Mratio」と定義し、C色の画素数の比率を「Cratio」と定義し、K色の画素数の比率を「Kratio」と定義すると、各色の画素数の比率は、次式で求められる。
Mratio=Mg÷(Yg+Mg+Cg+Kg)×100
Cratio=Cg÷(Yg+Mg+Cg+Kg)×100
Kratio=Kg÷(Yg+Mg+Cg+Kg)×100
【0057】
上記の計算式にしたがって算出される第1の画素数比率及び第2の画素数比率は、分母の値が異なるものの、分子の値は共通になる。このため、YMCKの画素色ごとに求められる画素数の比率の相対的な大小関係(高低の関係)に違いは生じない。例えば、第1の画素数比率で算出した場合に、M色の画素数の比率が最も高く、これに続いて、C色、Y色、K色の順に画素数の比率が高かった場合は、第2の画素数比率で算出した結果においても、それと同じ順で各色の画素数の比率が算出される。
【0058】
こうしてYMCKの画素色ごとに画素数の比率を求めたら、画像分類部24は、上記ステップS602で演算部4が演算した画素数の比率情報の特徴事項に応じて、予め用意された複数の組のうち、いずれか一つの組に今回受信した縮小画像情報を分類(振り分け)する(ステップS603)。ここで、例えば前述した第1の特徴事項(n=1)を適用して画像情報を分類するものとすると、先に求めた画素数の比率のうち、Y色の画素数の比率が最も高かった場合は、これに該当する組に縮小画像情報を分類する。また、M色の画素数の比率が最も高かった場合や、C色の画素数の比率が最も高かった場合、あるいはK色の画素数の比率が最も高かった場合は、それぞれ該当する組に縮小画像情報を分類する。なお、前述した第2の特徴事項を適用した場合は、第1の特徴事項を適用する場合よりも、分類する組の数が多くなるので、画像情報がより細かく分類されることになる。本発明を実施するにあたっては、どちらの特徴事項を適用してもかまわない。
【0059】
次に、情報記憶部5は、画像分類部24の分類結果に応じて、該当するフォルダに圧縮画像情報を収容し記憶する(ステップS604)。このとき、画像情報の属性情報として、上記ステップS602で演算部4の演算結果として得られる画素数の比率情報を圧縮画像情報に付加し、これを情報記憶部5に記憶しておく。
【0060】
図6は類似画像の検索に際して画像形成装置11で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。まず、類似画像の検索に際しては、利用者が、画像入力部15の原稿台に、検索の対象となる画像が記録された原稿をセットした後、操作部18で必要な設定操作を行なってからスタートボタンを押す。このとき、利用者は、設定操作の一つとして、類似画像を検索するために予め用意された画像検索モードを選択する操作を行なう。そうすると、画像入力部15は、原稿台に置かれた原稿の画像を読み取り、これによって得られた検索用の画像情報を入力する(ステップS701)。
【0061】
次に、画像処理部16は、画像入力部15から入力された画像情報を用いて、YMCKの画素色ごとに、画素の数を計数する(ステップS702)。この処理は、上記ステップS502と同様に行なわれる。これにより、YMCKの画素色ごとに画素数の計数結果(Yg,Mg,Cg,Kg)が得られる。
【0062】
次に、ネットワーク通信部19は、画像処理部16での画素数の計測結果(Yg,Mg,Cg,Kg)を、ネットワーク13経由で類似画像検索装置12に送信する(ステップS703)。
【0063】
図7は類似画像の検索に際して類似画像検索装置12で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。まず、ネットワーク通信部28は、画像形成装置11から自装置宛てに送信された画素数の計測結果を受信する(ステップS801)。
【0064】
次に、演算部4は、ネットワーク通信部28が受信した情報に含まれる画素数の計測結果(Yg,Mg,Cg,Kg)を用いて、YMCKの画素色ごとに画素数の比率を算出する(ステップS802)。具体的な算出方法は、上記ステップS602と同様である。
【0065】
次に、特定部25は、演算部4が算出した画素数の比率情報の特徴事項を基に、検索対象のフォルダを特定する(ステップS803)。例えば、前述した第1の特徴事項(n=1)を適用して画像情報を複数の組(フォルダ)に分類している場合は、上記ステップS802で演算部4が求めた画素数の比率情報の特徴事項が、いずれの組に該当するものであるかを判別することにより、検索対象の組となるフォルダを特定する。具体的な事例として、上記ステップS802で演算部4が求めた画素数の比率情報の特徴事項が「Y色の画素数の比率が最も高い」という内容であった場合は、当該特徴事項に適合するフォルダFy(図3参照)を検索対象に特定する。
【0066】
次に、判定部6は、上記ステップS802で演算部4が算出した画素数の比率情報と、上記ステップS803で特定部24が検索対象に特定したフォルダ内の縮小画像情報に付加されている画素数の比率情報とを比較することにより、画像の類似性を判定する(ステップS804)。検索対象として特定したフォルダ内に複数の縮小画像情報が収容されている場合は、各々の縮小画像情報に付加されている画素数の比率情報を、検索用の画像情報から求めた画素数の比率情報と順に比較する。画像の類似性は、例えば、画像の類似度を示す数値でアナログ的に判断してもよいし、「類似する/類似しない」といった具合にデジタル的に判断してもよい。ここでは一例として、「類似する/類似しない」で判断するものとする。
【0067】
画素数の比率情報の比較は、例えば、予め設定された閾値を用いて行なわれる。閾値は、例えば、±Th%といったパーセンテージの範囲で設定しておく。この閾値は、画素色ごとに個別に異なる値で設定してもよいし、画素色の違いにかかわらず共通の値で設定してもよい。実際の比較処理では、検索用の画像情報から求めた画素数の比率情報に上記閾値を適用することにより、画素色ごとに画素数の比率範囲を規定する。そして、検索対象のフォルダから読み出した縮小画像情報に付加されている画素数の比率情報が、上述のように規定した画素数の比率範囲内に収まっているかどうかを判別する。そして、収まっている場合は「類似する」と判断し、収まっていない場合は「類似しない」と判断する。
【0068】
なお、画像の類似度を数値で表す場合は、例えば、検索用の画像情報から得られた画素数の比率情報と登録用の画像情報から得られた画素数の比率情報との差分により、類似度を表すようにすればよい。その場合は、例えば、すべての画素色に関して求めた比率情報の合計の差分値が小さいほど画像の類似度が高く、逆に、差分値が大きいほど画像の類似度が低いというように画像の類似性を判定すればよい。そして、類似性の判定のために予め設定された基準値を用いて、比率情報の差分値が基準値以下の場合は「類似する」と判断し、比率情報の差分値が基準値を超えた場合は「類似しない」と判断すればよい。
【0069】
次に、抽出部7は、判定部6の判定結果に基づいて、検索対象のフォルダ内から、検索用の画像情報に類似する類似画像、即ち判定部6で「類似する」と判定された縮小画像情報を抽出する(ステップS805)。
【0070】
次に、表示部27は、抽出部7が検索対象のフォルダ内から抽出した縮小画像情報(類似画像)に関する情報として、当該縮小画像情報の可視画像とこれに付加されている属性情報(例えば、日時情報、利用者識別情報など)をディスプレイ画面に表示する(ステップS806)。このとき、類似画像として抽出した縮小画像情報に付加されている属性情報を画像形成装置11に送信し、当該画像形成装置11の操作部18に表示してもよい。
【0071】
上記図5及び図7に示す類似画像検索装置12の処理は、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現することもでき、このためのプログラムやこのプログラムを格納した記録媒体を発明として抽出してもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介した配信により提供されてもよい。
【0072】
<具体的な事例>
図8は原稿の向き、傾き、位置が異なる場合の事例を示す模式図である。図示のように、検索用の画像情報を取得するときと登録用の画像情報を取得するときで、原稿の向き、傾き、位置が異なる場合でも、それぞれの画像情報を用いて算出される画素数の比率情報は等しくなる。
【0073】
また、図9に示すように、検索用の画像情報と登録用の画像情報で、画像(例えば、「A」という文字画像)の描画位置が異なる場合も、それぞれの画像情報を用いて算出される画素数の比率情報は等しくなる。さらに、図10に示すように、検索用の画像情報と登録用の画像情報で、画像の描画サイズが異なる場合にも、それぞれの画像情報を用いて算出される上記第2の画素数比率が等しくなる。その理由は、画素数の比率を算出する際の計算式の分母に、画像全体のサイズや原稿のサイズに依存しない加算画素数(Yg+Mg+Cg+Kg)を適用しているからである。
【0074】
図11は原稿のサイズ、解像度が異なる場合の事例を示す模式図である。図示のように、検索用の画像情報を取得するときと登録用の画像情報を取得するときで、原稿のサイズや解像度が異なる場合でも、それぞれの画像情報を用いて算出される画素数の比率情報は等しくなる。
【0075】
図12は2枚の原稿から読み取った2つの画像を1枚の用紙にまとめて印刷した場合の事例を示す模式図である。検索用の画像情報に関しては、2枚の原稿から読み取った画像情報を別々に用いて、対応する画素数の比率情報を算出する。一方、登録用の画像情報に関しては、2枚の原稿から読み取った画像情報を別々に用いて、対応する画素数の比率情報を算出するとともに、それら2ページ分の画像情報を横並びに合成した合成画像情報についても、画素数の比率情報を算出する。これにより、一方の原稿から読み取った画像情報を検索用とした場合と、他方の原稿から読み取った画像情報を検索用とした場合の他に、合成画像情報を用紙に印刷して得られた原稿を用いて読み取った画像情報を検索用とした場合も、画素数の比率情報が等しい画像情報が登録用の画像情報の中に存在することになる。
【0076】
また、画像入力部15から入力される登録用(コピー用等)の画像情報に対して、画像処理部16で実施される画像処理の中には、演算部4によって算出される画素数の比率に変化が生じるような画像処理が行なわれる場合がある。具体的には、例えば、画像の色合いやカラーバランス、あるいはカラーモードなどの画像処理パラメータを、デフォルトの設定とは異なる設定で画像処理を行なう場合などが考えられる。そうした場合は、デフォルトと異なる設定で画像処理が行なわれた結果として、演算部4によって算出される画素数の比率に生じる変化量を予測して、情報記憶部5に記憶する画素数の比率情報を補正する構成を採用すればよい。
【0077】
例えば、図13に示すように、画像のカラーバランスを赤色が他の色よりも強くでる設定にして画像処理を行なったときに、M色の画素数がデフォルトの設定で画像処理した場合よりもαだけ増える場合は、画素計数部3での計測結果として得られるYMCKの各色の画素数のうち、M色の画素数の値を−αだけ補正し、当該補正後の画素数を用いて、演算部4がYMCKの画素色ごとに画素数の比率を算出する。ここでは、画素計数部3での計数結果として得られる画素数を補正しているが、演算部4の算出結果として得られる画素数の比率を補正してもよい。いずれの場合も、結果的に画素数の比率情報を補正することに変わりはない。また、これに加えて、カラーバランスの設定を変更しないデフォルトの設定で画像処理された画像情報を用いて、YMCKの画素色ごとに求めた画素数の比率情報を、上記変化量(−α)で補正して得られる画素数の比率情報と一緒に、縮小画像情報と対応付けて情報記憶部5に記憶しておいてもよい。
【0078】
なお、上記実施の形態においては、情報記憶部5で複数のフォルダを用いて画像情報を分類して記憶するものとしたが、これに限らず、登録用の画像情報がいずれの組に分類されるものであるかを示す属性値を、当該画像情報の属性情報に付加したかたちで情報記憶部5に記憶してもよい。
【0079】
また、演算部4の機能を類似画像検索装置12に代えて画像形成装置11に持たせ、演算部4の演算結果を画像形成装置11から類似画像検索装置12に送信する仕組みとしてもよい。また、図1に示す画像処理システム1のすべての機能部(2〜7)を画像形成装置11に持たせ、画像形成装置11単体で本発明を実現してもよい。
【0080】
また、登録用の画像情報や検索用の画像情報は、端末装置10から画像形成装置11に送信してもよい。その場合は、画像取得部2及び画素計数部3の機能部やこれに演算部4を加えた機能部を端末装置10に持たせ、画素数の計数結果や画素数比率の演算結果を端末装置10から類似画像検索装置12に送信する仕組みとしてもよい。
【0081】
また、画像形成装置11における画素数の計数処理は、例えば、画像入力部15を用いた画像読み取り時、画像処理部16を用いたデコンポーズ時、画像形成部17を用いた画像形成時、端末装置10からのプリント指示時のいずれかのタイミングで行なうものとする。デコンポーズ時には、縁消しやアノテーション合成前の画像情報を用いて、画素数を計数するものとする。また、カラーの画像が記録された原稿を白黒でコピーする場合は、原稿読み取り時にカラー(例えば、YMCKの画素色ごと)の画素数を計数し、白黒の画像が記録された原稿をカラーでコピーする場合は、原稿読み取り時に白黒(例えば、白画素と黒画素)の画素数を計数するものとする。
【0082】
また、上記実施の形態においては、YMCKの画素色ごとに画素数を計数し、この計数結果を用いて画素色ごとに画素数の比率を算出するものとしたが、YMCKやYMCに代えて、RGB、Lab、YCbCr等のその他の色空間の画素色ごとに画素数の計数や比率計算を行なう構成としてもよい。その場合は、例えばLab色空間で画像情報の画素値が0〜256の範囲の値をとるものとすると、画素値が128(予め設定された閾値)を超えるLとaとbとがどのくらいの割合になっているか、によって画像の類似性を判定すればよい。また、L、a、bのパラメータごとに、画素の採りうる値を複数の範囲に区分して、当該区分ごとに、該当する画素の数を計数する仕組みとしてもよい。また、これ以外にも、例えば、0〜255の画素値を採りうるグレースケールで、画素値を複数の範囲に区分して、当該区分ごとに、該当する画素の数を計数する仕組みとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理システムの機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理システムを、ネットワークを利用して実現する場合の構成例を示す概略図である。
【図3】画像情報の分類方式の一例を示す図である。
【図4】コピー処理に際して画像形成装置で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】コピー処理に際して類似画像検索装置で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】類似画像の検索に際して画像形成装置で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】類似画像の検索に際して類似画像検索装置で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】原稿の向き、傾き、位置が異なる場合の事例を示す模式図である。
【図9】描画位置が異なる場合の事例を示す模式図である。
【図10】描画サイズが異なる場合の事例を示す模式図である。
【図11】原稿のサイズ、解像度が異なる場合の事例を示す模式図である。
【図12】まとめ印刷の事例を示す模式図である。
【図13】色合い、カラーバランス、カラーモードが異なる事例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0084】
1…画像処理システム、2…画像取得部、3…画素計数部、4…演算部、5…情報記憶部、6…判定部、7…抽出部、11…画像形成装置、12…類似画像検索装置、15…画像入力部、16…画像処理部、17…画像形成部、18…操作部、19…ネットワーク通信部、20…画像形成制御部、24…画像分類部、25…特定部、27…表示部、28…ネットワーク通信部、29…制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検索装置、画像形成装置、画像処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やファクシミリ装置には、過去に処理(コピー処理・ファクシミリ送受信処理)を行なった原稿の画像を、自装置内又は外部の装置に、イメージログとして蓄積しておく機能を備えたものがある。イメージログとして蓄積(登録)された画像情報は、あとで入力された画像情報に類似する類似画像を検索する場合に利用される。
【0003】
類似画像を検索する技術として、例えば、特許文献1には、入力画像の一部の画素を利用して、予め登録されている登録画像の中から類似部位の候補を探し、その候補内の全画素と入力画像の全画素との類似度(階調値の類似度)を算出して、類似度の高い領域を抽出する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、入力画像に対する所定サイズのウィンドウ走査を行なってウィンドウ射影データを作成し、この射影データと予め登録しておいた複数のテンプレートデータとの比較結果により入力画像の回転角度を検出し、当該入力画像の回転角度を補正する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−192307号公報
【特許文献2】特開2001−67481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、検索すべき画像情報に類似する画像を検索するにあたり、各々の画像の画素同士を比較する場合よりも高速に抽出することができる画像処理システム、画像形成装置、画像検索装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、画像の色情報ごとにその画素数の比率に関する比率情報を演算する演算手段と、前記画像情報と、当該画像情報に関する前記比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報とについて、それぞれの比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定手段と、前記判定手段が判定した画像情報を抽出する抽出手段とを備える画像検索装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の画像検索装置において、前記画像情報に対し、前記演算手段によって演算される前記比率情報に変化が生じる画像処理を行なう場合に、その変化量を予測して、前記情報記憶手段に記憶する画素数の比率情報を補正する手段を備えるものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の画像検索装置において、前記情報記憶手段は、前記演算手段が算出した比率情報の特徴事項に応じて検索される対象となる画像情報を複数の組に分類して記憶するものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の画像検索装置において、前記検索される対象となる画像情報について、前記演算手段が演算した前記比率情報の特徴事項を基に、検索対象となる画像情報の組を特定する特定手段を備え、前記判定手段は、前記特定手段が特定した組に属する画像情報を対象に、画像の類似性を判定するものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3記載の画像検索装置において、前記複数の計数項目のうち、予め設定されたn番目(nは自然数)に画素数の比率が高い計測項目を、前記特徴事項としたものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項3記載の画像検索装置において、前記複数の計測項目における画素数の比率の高低順を、前記特徴事項としたものである。
【0013】
請求項7に記載の発明は、画像情報を取得する画像取得手段と、前記画像情報の色情報ごとにその画素数の比率に関する比率情報を演算する演算手段と、前記画像取得手段が取得した検索される対象となる画像情報と当該画像情報に関して前記演算手段が演算した比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、前記画像取得手段が取得した検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報とについて、それぞれ前記演算手段が算出した比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定手段と、前記判定手段が判定した画像情報を抽出する抽出手段とを備える画像形成装置である。
【0014】
請求項8に記載の発明は、画像情報を取得する画像取得装置と、前記画像情報の色情報ごとにその画素数の比率に関する比率情報を演算する演算手段と、前記画像取得装置が取得した検索される対象となる画像情報と当該画像情報に関して前記演算手段が演算した比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、前記画像取得装置が取得した検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報とについて、それぞれ前記演算手段が算出した比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定手段と、前記判定手段が判定した画像情報を抽出する抽出手段とからなる画像検索装置とを備える画像処理システムである。
【0015】
請求項9に記載の発明は、検索される対象となる画像情報と、当該画像情報の画素数の比率情報とを対応付けて情報記憶手段に記憶する処理と、検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報について、それぞれに算出された画素数の比率情報を基に、画像の類似性を判定する処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、7、8、9に記載の発明によれば、検索用の画像情報に類似する画像を検索するにあたり、各々の画像の画素同士を比較する場合よりも高速に抽出することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、演算手段によって算出される画素数の比率に変化が生じる画像処理が行なわれた場合に、本構成を有しない場合に比較して、類似画像を精度良く検索することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、情報記憶手段に記憶された画像情報を用いて類似画像を検索する場合に、本構成を有しない場合に比較して、類似画像の検索対象範囲を狭い範囲に絞り込むことができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、情報記憶手段に記憶されているすべての画像情報を対象に、画像の類似性を判定する場合に比較して、類似画像の検索を短時間で終えることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、n番目に画素数の比率が高い画像情報同士を同じ組に分類することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、画素数の比率の高低順が等しい画像情報同士を同じ組に分類することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲は以下に記述する実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
【0023】
図1は本発明の実施の形態に係る画像処理システムの機能ブロック図である。図示のように、画像処理システム1は、画像取得部2と、画素計数部3と、演算部4と、情報記憶部5と、判定部6と、抽出部7とを備えた構成となっている。
【0024】
画像取得部2は、画像情報を取得するものである。画像取得部2は、それ自身が画像情報を入力する機能を有するものであってもよいし、外部の装置から画像情報を受信する機能を有するものであってもよいし、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、USBメモリなどの記録媒体から画像情報を読み出す機能を有するものであってもよい。また、画像取得部2は、それらの機能を複合的に備えたものであってもよい。
【0025】
画像情報を入力する機能としては、例えば、原稿の画像を光学的に読み取る画像読み取り機能がある。外部の装置から画像情報を受信する機能としては、例えば、ファクシミリ送受信機能やネットワーク通信機能、電子メール送受信機能などがある。記録媒体から画像情報を読み出す機能は、対象とする記録媒体の種類によって、種々の機能がある。
【0026】
画素計数部3は、画像取得部2が取得した画像情報を用いて、複数の計数項目ごとに画素の数を計数するものである。ここでは一例として、計数項目が画素の色である場合について説明する。計数項目となる画素の色(色情報)は、例えば、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の4つに区分される。そうした場合、画素計数部3は、YMCKの画素色ごとに画素の数を計数する。ただし、これに限らず、Kを除く3つの色(YMC)で画素の色を区分してもよい。
【0027】
演算部4は、画素計数部3の計数結果に基づいて、画素数の比率を計数項目ごとに算出するものである。即ち、前述したように計数項目が画素の色である場合、演算部4は、Y色の画素数の比率と、M色の画素数の比率と、C色の画素数の比率と、K色の画素数の比率を、それぞれ演算によって求める。画素数の比率を求めるための計算式については、後段で記述する。
【0028】
情報記憶部5は、画像取得部2が取得した登録用の画像情報と当該画像情報に関して演算部4が算出した画素数の比率情報とを対応付けて記憶するものである。登録用の画像情報とは、画像取得部2が取得した画像情報の中で、情報記憶部5への蓄積が指示された画像情報をいう。情報記憶部5への蓄積が指示される画像情報には、例えば、コピー用に原稿から読み取られた画像情報や、ファクシミリ送信用に原稿から読み取られた画像情報、さらには外部の装置からプリント用又はファクシミリ用に受信した画像情報や、記録媒体からプリント用に読み出した画像情報などが含まれる。
【0029】
判定部6は、画像取得部2が取得した検索用の画像情報(検索すべき画像情報)と情報記憶部5に記憶されている画像情報について、それぞれ演算部4が算出した画素数の比率情報を基に、画像の類似性を判定するものである。検索用の画像情報とは、情報記憶部5に記憶されている画像情報の中から、当該検索用の画像情報に類似する類似画像を検索によって抽出するために、画像取得部2によって取得される画像情報をいう。
【0030】
抽出部7は、情報記憶部5に記憶されている画像情報の中から、判定部6の判定結果に基づいて、検索用の画像情報に類似する類似画像を抽出するものである。
【0031】
図2は本発明の実施の形態に係る画像処理システムを、ネットワークを利用して実現する場合の構成例を示す概略図である。図2においては、端末装置10と画像形成装置11と類似画像検索装置12とを、ネットワーク13を介して相互に接続している。このため、端末装置10、画像形成装置11及び類似画像検索装置12は、それぞれネットワーク13を介して相互に通信する仕組みになっている。ここでは一例として、画像形成装置11が複写機で構成されているものとする。ただし、これに限らず、例えば、プリンタ装置、ファクシミリ装置、複合機などを用いて画像形成装置を構成してもよい。複合機は、コピー機能(スキャナ機能を含む)、プリント機能及びファクシミリ機能を複合的に備える画像形成装置である。
【0032】
端末装置10は、例えばパーソナルコンピュータを用いて構成されるものである。端末装置10には、画像形成装置11の駆動を制御するドライバソフトフェアが組み込まれている。
【0033】
画像形成装置11は、画像入力部15と、画像処理部16と、画像形成部17と、操作部18と、ネットワーク通信部19と、画像形成制御部20とを備えた構成となっている。
【0034】
画像入力部15は、原稿台に置かれた原稿の画像を光学的に読み取ることにより、原稿画像を表す画像情報を入力するものである。画像処理部16は、画像入力部15が入力した画像情報に対して、予め設定された条件(利用者が指定した条件を含む)で画像処理を施すものである。画像形成部17は、画像入力部15が入力しかつ画像処理部16が処理した画像情報を用紙に形成するものである。画像形成部17は、例えば、画像の形成に用いられる用紙を搬送する用紙搬送機構と、当該用紙搬送機構によって搬送される用紙の紙面に電子写真方式に基づいて画像を形成(トナー画像を転写、定着)するプリンタ機構とによって構成される。
【0035】
操作部18は、画像形成装置11を利用する利用者が各種の情報を入力したり、利用者に対して各種の情報を表示したりするためのインターフェースとなるものである。操作部18は、例えば、各種のボタン、スイッチ、キー等を有する入力部と、タッチパネル付きの液晶ディスプレイからなる表示部とによって構成される。ネットワーク通信部19は、ネットワーク13を介して、外部の装置(端末装置10、類似画像検索装置12を含む)と通信(情報をやりとり)するためのインターフェースとなるものである。画像形成制御部20は、各々の機能部(15〜19)を用いた画像形成装置11の処理及び動作を統括的に制御するものである。このうち、画像入力部15は、前述した画像取得部2として機能する。また、画像処理部16は、画像処理機能の一つとして、前述した画素計数部3としての機能を果たす。
【0036】
類似画像検索装置12は、前述した演算部4、情報記憶部5、判定部6及び抽出部7の各機能部に加えて、画像分類部24と、特定部25と、表示部27と、ネットワーク通信部28と、制御部29とを備えた構成となっている。
【0037】
類似画像検索装置12は、コンピュータのハードウェア資源として、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入力装置、出力装置などを備え、これらの構成要素がバスラインを介して相互に接続された構成となっている。このハードウェア構成は、前述した端末装置10にも同様に適用される。
【0038】
画像分類部24は、画像形成装置1から自装置に送信された登録用の画像情報を、演算部4が算出した画素数の比率情報の特徴事項に応じて複数の組に分類するものである。ここでは一例として、前述した複数の計数項目のうち、予め設定されたn番目(nは自然数)に画素数の比率が高い計測項目を第1の特徴事項とする。また、複数の計測項目における画素数の比率の高低順を第2の特徴事項とする。これらの特徴事項については、いずれか一方を採用すればよい。
【0039】
第1の特徴事項に関しては、前述したように画素の数を計数する際の計数項目を、YMCKの4つの画素色で区分する場合は、nの採りうる値が、1,2,3,4となる。そして、n=1とした場合は、最も画素数の比率が高い計数項目(画素色)がいずれの項目であるかが第1の特徴事項となる。また、n=2とした場合は、2番目に画素数の比率が高い計数項目がいずれの項目であるかが第1の特徴事項となり、n=3とした場合は、3番目に画素数の比率が高い計数項目がいずれの項目であるかが第1の特徴事項となる。また、n=4とした場合は、最も画素数の比率が低い計数項目がいずれの項目であるかが第1の特徴事項となる。本実施の形態においては、一例として、n=1と規定する。この場合は、Y色の画素数の比率が最も高い組と、M色の画素数の比率が最も高い組と、C色の画素数の比率が最も高い組と、K色の画素数の比率が最も高い組の、計4つの組が存在することになる。
【0040】
第2の特徴事項に関しては、複数の計測項目について計数された画素数につき、画素数の比率が高い方から低い方に(又は低い方から高い方に)各々の計測項目を並べたときの順番(昇降順)を特徴事項としている。例えば、前述したように画素の数を計数する際の計数項目を、YMCKの4つの画素色で区分する場合は、画素数の比率が高い方から低い方に並べたときの画素色の順番が第2の特徴事項となる。この場合、Y色の画素数の比率が最も高いという条件を満たす組は、Y→M→C→Kの順で画素数の比率が高い組と、Y→C→K→Mの順で画素数の比率が高い組と、Y→K→M→Cの順で画素数の比率が高い組と、Y→M→K→Cの順で画素数の比率が高い組と、Y→C→M→Kの順で画素数の比率が高い組と、Y→K→C→Mの順で画素数の比率が高い組の、計6つが存在する。同様に、他の画素色(MCK)に関しても、それぞれ6つずつ組が存在する。このため、4色合計で24の組が存在することになる。
【0041】
情報記憶部5は、画像分類部24の分類結果に応じて、登録用の画像情報を複数の組に分類して記憶する。例えば、情報記憶部5は、少なくとも画像分類部24で分類される組の数だけ独立した複数のフォルダを有し、画像分類部24によって同じ組に分類された画像情報を同じフォルダに収容するように記憶する。例えば、登録用の画像情報を上記第1の特徴事項に応じて分類する場合は、図3に示すように、情報記憶部5に4つのフォルダFy,Fm,Fc,Fkを用意し、これら4つのフォルダFy,Fm,Fc,Fkを用いて画像情報を分類して記憶する。即ち、Y色の画素数の比率が最も高い画像情報はフォルダFyに収容し、M色の画素数の比率が最も高い画像情報はフォルダFmに収容する。また、C色の画素数の比率が最も高い画像情報はフォルダFcに収容し、K色の画素数の比率が最も高い画像情報はフォルダFkに収容する。また、図示はしないが、登録用の画像情報を上記第2の特徴事項に応じて分類する場合は、情報記憶部5に24個のフォルダを用意し、これら24個のフォルダを用いて画像情報を分類して記憶する。このため、情報記憶部5においては、複数の組(フォルダ)に分けて画像情報が記憶されることになる。
【0042】
特定部25は、演算部4が算出した画素数の比率情報の特徴事項を基に、検索対象となる画像情報の組を特定する。判定部6は、画像形成装置1から自装置に送信された検索用の画像情報と情報記憶部5に記憶されている画像情報について、それぞれ演算部4が算出した画素数の比率情報を比較し、この比較結果に基づいて画像の類似性を判定する。
【0043】
抽出部7に関しては、前述したとおりである。表示部27は、抽出部7で抽出された類似画像に関する情報を、抽出結果として表示するものである。表示部27は、例えば、液晶ディスプレイを用いて構成される。
【0044】
ネットワーク通信部28は、ネットワーク13を介して、外部の装置(端末装置10、画像形成装置11を含む)と通信(情報をやりとり)するためのインターフェースとなるものである。制御部29は、各々の機能部(4〜7、24〜28)を用いた類似画像検索装置12の処理及び動作を統括的に制御するものである。
【0045】
続いて、上記構成からなる画像処理システムで行なわれる処理について説明する。図4はコピー処理に際して画像形成装置11で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。まず、コピー処理に際しては、利用者が、画像入力部15の原稿台に原稿をセットした後、操作部18で必要な設定操作を行なってからスタートボタンを押す。そうすると、画像入力部15は、原稿台に置かれた原稿の画像を読み取り、これによって得られたコピー用の画像情報を入力する(ステップS501)。コピー用に入力(スキャン)される画像情報は、登録用の画像情報の一つとして取り扱われる。この場合、画像形成装置11では、画像処理部16及び画像形成部17によって実質的なコピー処理が行なわれ、当該コピー処理とあわせて次のような処理も行なわれる。
【0046】
即ち、画像処理部16は、画像入力部15から入力された画像情報を用いて、YMCKの画素色ごとに、該当する色の画素の数を計数する(ステップS502)。さらに詳述すると、画像処理部16は、画像入力部15から入力されるRGBの画像データを、YMCKの画像データに変換する。そして、各々の画素色(YMCK)ごとに、該当する画素の数を画素カウンタ等によって計数する。画素数の計数処理はページ単位で行なう。例えば、画像入力部15から入力される画像情報が、原稿の画像を読み取って得られるものであれば、原稿の一面から読み取られた画像情報が1ページ分の画像情報となる。そして、画像処理部16は、1ページ分の画像情報を用いて画素数の計数処理を行なう。ここでは便宜上、画像処理部16で計数したY色の画素の数をYg、M色の画素の数をMg、C色の画素の数をCg、K色の画素の数をKgと定義する。
【0047】
次に、画像処理部16は、画像入力部15から入力された画像情報を圧縮することにより、元(圧縮前)の画像情報よりも情報量が少ない画像情報(以下、「圧縮画像情報」)を生成する(ステップS503)。
【0048】
次に、画像処理部16は、上記ステップS502における画素数の計測結果(Yg,Mg,Cg,Kg)を、画像情報の属性情報の一つとして、上記ステップS503で生成された圧縮画像情報に付加する(ステップS504)。なお、属性情報には、利用者が画像形成装置11を利用した日付、日時などを示す情報や、利用者を識別する利用者識別情報を含むようにしてもよい。
【0049】
次に、ネットワーク通信部19は、画像処理部16での画素数の計測結果を付加した圧縮画像情報を、ネットワーク13経由で類似画像検索装置12に送信する(ステップS505)。これにより、登録用の画像情報が画像形成装置11から類似画像検索装置12に送られる。
【0050】
図5はコピー処理に際して類似画像検索装置12で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。まず、ネットワーク通信部28は、画像形成装置11から自装置宛てに送信された、画素数の計測結果付きの圧縮画像情報を受信する(ステップS601)。
【0051】
次に、演算部4は、ネットワーク通信部28が受信した情報に含まれる画素数の計測結果(Yg,Mg,Cg,Kg)を用いて、YMCKの画素色ごとに画素数の比率(%)を算出する(ステップS602)。画素数の比率は、画素色ごとに、分母となるパラメータを変えて2つずつ求める。一つは、画像形成装置11で画像入力部15が入力した画像情報に含まれるすべての画素数(=Tgと定義する)を分母として算出される画素数の比率(以下、「第1の画素数比率」)である。もう一つは、画像形成装置11で画像入力部15が入力した画像情報のすべての計数項目の画素数を加算して得られる加算画素数(Yg+Mg+Cg+Kg)を分母として算出される画素数の比率(以下、「第2の画素数比率」)である。
【0052】
第1の画素数比率に関しては、Y色の画素数の比率を「YT-ratio」と定義すると、次式で求められる。
YT-ratio=Yg÷Tg×100
【0053】
同様に、M色の画素数の比率を「MT-ratio」と定義し、C色の画素数の比率を「CT-ratio」と定義し、K色の画素数の比率を「KT-ratio」と定義すると、各色の画素数の比率は、次式で求められる。
MT-ratio=Mg÷Tg×100
CT-ratio=Cg÷Tg×100
KT-ratio=Kg÷Tg×100
【0054】
画像情報の総画素数であるTgの値は、画像入力部15が原稿の画像を読み取る場合に適用される読取解像度や原稿のサイズによって決まる。即ち、読取解像度が高くなると、それに応じてTgの値が大きくなり、原稿のサイズが大きくなると、それに応じてTgの値が大きくなる。
【0055】
第2の画素数比率に関しては、Y色の画素数の比率を「Yratio」と定義すると、次式で求められる。
Yratio=Yg÷(Yg+Mg+Cg+Kg)×100
【0056】
同様に、M色の画素数の比率を「Mratio」と定義し、C色の画素数の比率を「Cratio」と定義し、K色の画素数の比率を「Kratio」と定義すると、各色の画素数の比率は、次式で求められる。
Mratio=Mg÷(Yg+Mg+Cg+Kg)×100
Cratio=Cg÷(Yg+Mg+Cg+Kg)×100
Kratio=Kg÷(Yg+Mg+Cg+Kg)×100
【0057】
上記の計算式にしたがって算出される第1の画素数比率及び第2の画素数比率は、分母の値が異なるものの、分子の値は共通になる。このため、YMCKの画素色ごとに求められる画素数の比率の相対的な大小関係(高低の関係)に違いは生じない。例えば、第1の画素数比率で算出した場合に、M色の画素数の比率が最も高く、これに続いて、C色、Y色、K色の順に画素数の比率が高かった場合は、第2の画素数比率で算出した結果においても、それと同じ順で各色の画素数の比率が算出される。
【0058】
こうしてYMCKの画素色ごとに画素数の比率を求めたら、画像分類部24は、上記ステップS602で演算部4が演算した画素数の比率情報の特徴事項に応じて、予め用意された複数の組のうち、いずれか一つの組に今回受信した縮小画像情報を分類(振り分け)する(ステップS603)。ここで、例えば前述した第1の特徴事項(n=1)を適用して画像情報を分類するものとすると、先に求めた画素数の比率のうち、Y色の画素数の比率が最も高かった場合は、これに該当する組に縮小画像情報を分類する。また、M色の画素数の比率が最も高かった場合や、C色の画素数の比率が最も高かった場合、あるいはK色の画素数の比率が最も高かった場合は、それぞれ該当する組に縮小画像情報を分類する。なお、前述した第2の特徴事項を適用した場合は、第1の特徴事項を適用する場合よりも、分類する組の数が多くなるので、画像情報がより細かく分類されることになる。本発明を実施するにあたっては、どちらの特徴事項を適用してもかまわない。
【0059】
次に、情報記憶部5は、画像分類部24の分類結果に応じて、該当するフォルダに圧縮画像情報を収容し記憶する(ステップS604)。このとき、画像情報の属性情報として、上記ステップS602で演算部4の演算結果として得られる画素数の比率情報を圧縮画像情報に付加し、これを情報記憶部5に記憶しておく。
【0060】
図6は類似画像の検索に際して画像形成装置11で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。まず、類似画像の検索に際しては、利用者が、画像入力部15の原稿台に、検索の対象となる画像が記録された原稿をセットした後、操作部18で必要な設定操作を行なってからスタートボタンを押す。このとき、利用者は、設定操作の一つとして、類似画像を検索するために予め用意された画像検索モードを選択する操作を行なう。そうすると、画像入力部15は、原稿台に置かれた原稿の画像を読み取り、これによって得られた検索用の画像情報を入力する(ステップS701)。
【0061】
次に、画像処理部16は、画像入力部15から入力された画像情報を用いて、YMCKの画素色ごとに、画素の数を計数する(ステップS702)。この処理は、上記ステップS502と同様に行なわれる。これにより、YMCKの画素色ごとに画素数の計数結果(Yg,Mg,Cg,Kg)が得られる。
【0062】
次に、ネットワーク通信部19は、画像処理部16での画素数の計測結果(Yg,Mg,Cg,Kg)を、ネットワーク13経由で類似画像検索装置12に送信する(ステップS703)。
【0063】
図7は類似画像の検索に際して類似画像検索装置12で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。まず、ネットワーク通信部28は、画像形成装置11から自装置宛てに送信された画素数の計測結果を受信する(ステップS801)。
【0064】
次に、演算部4は、ネットワーク通信部28が受信した情報に含まれる画素数の計測結果(Yg,Mg,Cg,Kg)を用いて、YMCKの画素色ごとに画素数の比率を算出する(ステップS802)。具体的な算出方法は、上記ステップS602と同様である。
【0065】
次に、特定部25は、演算部4が算出した画素数の比率情報の特徴事項を基に、検索対象のフォルダを特定する(ステップS803)。例えば、前述した第1の特徴事項(n=1)を適用して画像情報を複数の組(フォルダ)に分類している場合は、上記ステップS802で演算部4が求めた画素数の比率情報の特徴事項が、いずれの組に該当するものであるかを判別することにより、検索対象の組となるフォルダを特定する。具体的な事例として、上記ステップS802で演算部4が求めた画素数の比率情報の特徴事項が「Y色の画素数の比率が最も高い」という内容であった場合は、当該特徴事項に適合するフォルダFy(図3参照)を検索対象に特定する。
【0066】
次に、判定部6は、上記ステップS802で演算部4が算出した画素数の比率情報と、上記ステップS803で特定部24が検索対象に特定したフォルダ内の縮小画像情報に付加されている画素数の比率情報とを比較することにより、画像の類似性を判定する(ステップS804)。検索対象として特定したフォルダ内に複数の縮小画像情報が収容されている場合は、各々の縮小画像情報に付加されている画素数の比率情報を、検索用の画像情報から求めた画素数の比率情報と順に比較する。画像の類似性は、例えば、画像の類似度を示す数値でアナログ的に判断してもよいし、「類似する/類似しない」といった具合にデジタル的に判断してもよい。ここでは一例として、「類似する/類似しない」で判断するものとする。
【0067】
画素数の比率情報の比較は、例えば、予め設定された閾値を用いて行なわれる。閾値は、例えば、±Th%といったパーセンテージの範囲で設定しておく。この閾値は、画素色ごとに個別に異なる値で設定してもよいし、画素色の違いにかかわらず共通の値で設定してもよい。実際の比較処理では、検索用の画像情報から求めた画素数の比率情報に上記閾値を適用することにより、画素色ごとに画素数の比率範囲を規定する。そして、検索対象のフォルダから読み出した縮小画像情報に付加されている画素数の比率情報が、上述のように規定した画素数の比率範囲内に収まっているかどうかを判別する。そして、収まっている場合は「類似する」と判断し、収まっていない場合は「類似しない」と判断する。
【0068】
なお、画像の類似度を数値で表す場合は、例えば、検索用の画像情報から得られた画素数の比率情報と登録用の画像情報から得られた画素数の比率情報との差分により、類似度を表すようにすればよい。その場合は、例えば、すべての画素色に関して求めた比率情報の合計の差分値が小さいほど画像の類似度が高く、逆に、差分値が大きいほど画像の類似度が低いというように画像の類似性を判定すればよい。そして、類似性の判定のために予め設定された基準値を用いて、比率情報の差分値が基準値以下の場合は「類似する」と判断し、比率情報の差分値が基準値を超えた場合は「類似しない」と判断すればよい。
【0069】
次に、抽出部7は、判定部6の判定結果に基づいて、検索対象のフォルダ内から、検索用の画像情報に類似する類似画像、即ち判定部6で「類似する」と判定された縮小画像情報を抽出する(ステップS805)。
【0070】
次に、表示部27は、抽出部7が検索対象のフォルダ内から抽出した縮小画像情報(類似画像)に関する情報として、当該縮小画像情報の可視画像とこれに付加されている属性情報(例えば、日時情報、利用者識別情報など)をディスプレイ画面に表示する(ステップS806)。このとき、類似画像として抽出した縮小画像情報に付加されている属性情報を画像形成装置11に送信し、当該画像形成装置11の操作部18に表示してもよい。
【0071】
上記図5及び図7に示す類似画像検索装置12の処理は、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現することもでき、このためのプログラムやこのプログラムを格納した記録媒体を発明として抽出してもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介した配信により提供されてもよい。
【0072】
<具体的な事例>
図8は原稿の向き、傾き、位置が異なる場合の事例を示す模式図である。図示のように、検索用の画像情報を取得するときと登録用の画像情報を取得するときで、原稿の向き、傾き、位置が異なる場合でも、それぞれの画像情報を用いて算出される画素数の比率情報は等しくなる。
【0073】
また、図9に示すように、検索用の画像情報と登録用の画像情報で、画像(例えば、「A」という文字画像)の描画位置が異なる場合も、それぞれの画像情報を用いて算出される画素数の比率情報は等しくなる。さらに、図10に示すように、検索用の画像情報と登録用の画像情報で、画像の描画サイズが異なる場合にも、それぞれの画像情報を用いて算出される上記第2の画素数比率が等しくなる。その理由は、画素数の比率を算出する際の計算式の分母に、画像全体のサイズや原稿のサイズに依存しない加算画素数(Yg+Mg+Cg+Kg)を適用しているからである。
【0074】
図11は原稿のサイズ、解像度が異なる場合の事例を示す模式図である。図示のように、検索用の画像情報を取得するときと登録用の画像情報を取得するときで、原稿のサイズや解像度が異なる場合でも、それぞれの画像情報を用いて算出される画素数の比率情報は等しくなる。
【0075】
図12は2枚の原稿から読み取った2つの画像を1枚の用紙にまとめて印刷した場合の事例を示す模式図である。検索用の画像情報に関しては、2枚の原稿から読み取った画像情報を別々に用いて、対応する画素数の比率情報を算出する。一方、登録用の画像情報に関しては、2枚の原稿から読み取った画像情報を別々に用いて、対応する画素数の比率情報を算出するとともに、それら2ページ分の画像情報を横並びに合成した合成画像情報についても、画素数の比率情報を算出する。これにより、一方の原稿から読み取った画像情報を検索用とした場合と、他方の原稿から読み取った画像情報を検索用とした場合の他に、合成画像情報を用紙に印刷して得られた原稿を用いて読み取った画像情報を検索用とした場合も、画素数の比率情報が等しい画像情報が登録用の画像情報の中に存在することになる。
【0076】
また、画像入力部15から入力される登録用(コピー用等)の画像情報に対して、画像処理部16で実施される画像処理の中には、演算部4によって算出される画素数の比率に変化が生じるような画像処理が行なわれる場合がある。具体的には、例えば、画像の色合いやカラーバランス、あるいはカラーモードなどの画像処理パラメータを、デフォルトの設定とは異なる設定で画像処理を行なう場合などが考えられる。そうした場合は、デフォルトと異なる設定で画像処理が行なわれた結果として、演算部4によって算出される画素数の比率に生じる変化量を予測して、情報記憶部5に記憶する画素数の比率情報を補正する構成を採用すればよい。
【0077】
例えば、図13に示すように、画像のカラーバランスを赤色が他の色よりも強くでる設定にして画像処理を行なったときに、M色の画素数がデフォルトの設定で画像処理した場合よりもαだけ増える場合は、画素計数部3での計測結果として得られるYMCKの各色の画素数のうち、M色の画素数の値を−αだけ補正し、当該補正後の画素数を用いて、演算部4がYMCKの画素色ごとに画素数の比率を算出する。ここでは、画素計数部3での計数結果として得られる画素数を補正しているが、演算部4の算出結果として得られる画素数の比率を補正してもよい。いずれの場合も、結果的に画素数の比率情報を補正することに変わりはない。また、これに加えて、カラーバランスの設定を変更しないデフォルトの設定で画像処理された画像情報を用いて、YMCKの画素色ごとに求めた画素数の比率情報を、上記変化量(−α)で補正して得られる画素数の比率情報と一緒に、縮小画像情報と対応付けて情報記憶部5に記憶しておいてもよい。
【0078】
なお、上記実施の形態においては、情報記憶部5で複数のフォルダを用いて画像情報を分類して記憶するものとしたが、これに限らず、登録用の画像情報がいずれの組に分類されるものであるかを示す属性値を、当該画像情報の属性情報に付加したかたちで情報記憶部5に記憶してもよい。
【0079】
また、演算部4の機能を類似画像検索装置12に代えて画像形成装置11に持たせ、演算部4の演算結果を画像形成装置11から類似画像検索装置12に送信する仕組みとしてもよい。また、図1に示す画像処理システム1のすべての機能部(2〜7)を画像形成装置11に持たせ、画像形成装置11単体で本発明を実現してもよい。
【0080】
また、登録用の画像情報や検索用の画像情報は、端末装置10から画像形成装置11に送信してもよい。その場合は、画像取得部2及び画素計数部3の機能部やこれに演算部4を加えた機能部を端末装置10に持たせ、画素数の計数結果や画素数比率の演算結果を端末装置10から類似画像検索装置12に送信する仕組みとしてもよい。
【0081】
また、画像形成装置11における画素数の計数処理は、例えば、画像入力部15を用いた画像読み取り時、画像処理部16を用いたデコンポーズ時、画像形成部17を用いた画像形成時、端末装置10からのプリント指示時のいずれかのタイミングで行なうものとする。デコンポーズ時には、縁消しやアノテーション合成前の画像情報を用いて、画素数を計数するものとする。また、カラーの画像が記録された原稿を白黒でコピーする場合は、原稿読み取り時にカラー(例えば、YMCKの画素色ごと)の画素数を計数し、白黒の画像が記録された原稿をカラーでコピーする場合は、原稿読み取り時に白黒(例えば、白画素と黒画素)の画素数を計数するものとする。
【0082】
また、上記実施の形態においては、YMCKの画素色ごとに画素数を計数し、この計数結果を用いて画素色ごとに画素数の比率を算出するものとしたが、YMCKやYMCに代えて、RGB、Lab、YCbCr等のその他の色空間の画素色ごとに画素数の計数や比率計算を行なう構成としてもよい。その場合は、例えばLab色空間で画像情報の画素値が0〜256の範囲の値をとるものとすると、画素値が128(予め設定された閾値)を超えるLとaとbとがどのくらいの割合になっているか、によって画像の類似性を判定すればよい。また、L、a、bのパラメータごとに、画素の採りうる値を複数の範囲に区分して、当該区分ごとに、該当する画素の数を計数する仕組みとしてもよい。また、これ以外にも、例えば、0〜255の画素値を採りうるグレースケールで、画素値を複数の範囲に区分して、当該区分ごとに、該当する画素の数を計数する仕組みとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理システムの機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理システムを、ネットワークを利用して実現する場合の構成例を示す概略図である。
【図3】画像情報の分類方式の一例を示す図である。
【図4】コピー処理に際して画像形成装置で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】コピー処理に際して類似画像検索装置で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】類似画像の検索に際して画像形成装置で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】類似画像の検索に際して類似画像検索装置で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】原稿の向き、傾き、位置が異なる場合の事例を示す模式図である。
【図9】描画位置が異なる場合の事例を示す模式図である。
【図10】描画サイズが異なる場合の事例を示す模式図である。
【図11】原稿のサイズ、解像度が異なる場合の事例を示す模式図である。
【図12】まとめ印刷の事例を示す模式図である。
【図13】色合い、カラーバランス、カラーモードが異なる事例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0084】
1…画像処理システム、2…画像取得部、3…画素計数部、4…演算部、5…情報記憶部、6…判定部、7…抽出部、11…画像形成装置、12…類似画像検索装置、15…画像入力部、16…画像処理部、17…画像形成部、18…操作部、19…ネットワーク通信部、20…画像形成制御部、24…画像分類部、25…特定部、27…表示部、28…ネットワーク通信部、29…制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の色情報ごとにその画素数の比率に関する比率情報を演算する演算手段と、
前記画像情報と、当該画像情報に関する前記比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、
検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報とについて、それぞれの比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定手段と、
前記判定手段が判定した画像情報を抽出する抽出手段と
を備える画像検索装置。
【請求項2】
前記画像情報に対し、前記演算手段によって演算される前記比率情報に変化が生じる画像処理を行なう場合に、その変化量を予測して、前記情報記憶手段に記憶する画素数の比率情報を補正する手段を備える
請求項1記載の画像検索装置。
【請求項3】
前記情報記憶手段は、前記演算手段が算出した比率情報の特徴事項に応じて検索される対象となる画像情報を複数の組に分類して記憶する
請求項1又は2記載の画像検索装置。
【請求項4】
前記検索される対象となる画像情報について、前記演算手段が演算した前記比率情報の特徴事項を基に、検索対象となる画像情報の組を特定する特定手段を備え、
前記判定手段は、前記特定手段が特定した組に属する画像情報を対象に、画像の類似性を判定する
請求項3記載の画像検索装置。
【請求項5】
前記特徴事項は、前記複数の計数項目のうち、予め設定されたn番目(nは自然数)に画素数の比率が高い計測項目である
請求項3記載の画像検索装置。
【請求項6】
前記特徴事項は、前記複数の計測項目における画素数の比率の高低順である
請求項3記載の画像検索装置。
【請求項7】
画像情報を取得する画像取得手段と、
前記画像情報の色情報ごとにその画素数の比率に関する比率情報を演算する演算手段と、
前記画像取得手段が取得した検索される対象となる画像情報と当該画像情報に関して前記演算手段が演算した比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、
前記画像取得手段が取得した検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報とについて、それぞれ前記演算手段が算出した比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定手段と、
前記判定手段が判定した画像情報を抽出する抽出手段と
を備える画像形成装置。
【請求項8】
画像情報を取得する画像取得装置と、
前記画像情報の色情報ごとにその画素数の比率に関する比率情報を演算する演算手段と、
前記画像取得装置が取得した検索される対象となる画像情報と当該画像情報に関して前記演算手段が演算した比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、
前記画像取得装置が取得した検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報とについて、それぞれ前記演算手段が算出した比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定手段と、
前記判定手段が判定した画像情報を抽出する抽出手段とからなる画像検索装置と
を備える画像処理システム。
【請求項9】
検索される対象となる画像情報と、当該画像情報の画素数の比率情報とを対応付けて情報記憶手段に記憶する処理と、
検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報について、それぞれに算出された画素数の比率情報を基に、画像の類似性を判定する処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
画像の色情報ごとにその画素数の比率に関する比率情報を演算する演算手段と、
前記画像情報と、当該画像情報に関する前記比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、
検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報とについて、それぞれの比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定手段と、
前記判定手段が判定した画像情報を抽出する抽出手段と
を備える画像検索装置。
【請求項2】
前記画像情報に対し、前記演算手段によって演算される前記比率情報に変化が生じる画像処理を行なう場合に、その変化量を予測して、前記情報記憶手段に記憶する画素数の比率情報を補正する手段を備える
請求項1記載の画像検索装置。
【請求項3】
前記情報記憶手段は、前記演算手段が算出した比率情報の特徴事項に応じて検索される対象となる画像情報を複数の組に分類して記憶する
請求項1又は2記載の画像検索装置。
【請求項4】
前記検索される対象となる画像情報について、前記演算手段が演算した前記比率情報の特徴事項を基に、検索対象となる画像情報の組を特定する特定手段を備え、
前記判定手段は、前記特定手段が特定した組に属する画像情報を対象に、画像の類似性を判定する
請求項3記載の画像検索装置。
【請求項5】
前記特徴事項は、前記複数の計数項目のうち、予め設定されたn番目(nは自然数)に画素数の比率が高い計測項目である
請求項3記載の画像検索装置。
【請求項6】
前記特徴事項は、前記複数の計測項目における画素数の比率の高低順である
請求項3記載の画像検索装置。
【請求項7】
画像情報を取得する画像取得手段と、
前記画像情報の色情報ごとにその画素数の比率に関する比率情報を演算する演算手段と、
前記画像取得手段が取得した検索される対象となる画像情報と当該画像情報に関して前記演算手段が演算した比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、
前記画像取得手段が取得した検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報とについて、それぞれ前記演算手段が算出した比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定手段と、
前記判定手段が判定した画像情報を抽出する抽出手段と
を備える画像形成装置。
【請求項8】
画像情報を取得する画像取得装置と、
前記画像情報の色情報ごとにその画素数の比率に関する比率情報を演算する演算手段と、
前記画像取得装置が取得した検索される対象となる画像情報と当該画像情報に関して前記演算手段が演算した比率情報とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、
前記画像取得装置が取得した検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報とについて、それぞれ前記演算手段が算出した比率情報を基に、画像の類似性を判定する判定手段と、
前記判定手段が判定した画像情報を抽出する抽出手段とからなる画像検索装置と
を備える画像処理システム。
【請求項9】
検索される対象となる画像情報と、当該画像情報の画素数の比率情報とを対応付けて情報記憶手段に記憶する処理と、
検索すべき画像情報と前記情報記憶手段に記憶されている画像情報について、それぞれに算出された画素数の比率情報を基に、画像の類似性を判定する処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−108122(P2010−108122A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277667(P2008−277667)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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