説明

画像表示システム、画像表示システムの制御方法、および画像表示装置

【課題】3Dメガネが正しく動作していないことをユーザーに認識させることができる画像表示システムを提供する。
【解決手段】画像表示システム1は、画像表示装置(プロジェクター100)とシャッターメガネ(液晶シャッターメガネ200(3Dメガネ))とを備える。シャッターメガネは、電源オンの状態において、第1の時間間隔で第1の信号を送信する。画像表示装置は、供給される画像情報が3Dの画像情報か否かを判定する3D画像判定部(画像信号判定部31)と、第1の信号を受信する第1の受信部(赤外線受信部52)と、第1の信号を受信できない時間が、第2の時間より長いか否かを判定する信号受信判定部(制御部20)と、3Dの画像情報であると判定され、且つ第1の信号を受信できない時間が第2の時間より長いと判定された場合に、所定の画像を表示させる画像表示制御部(制御部20、OSD処理部33)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示システム、画像表示システムの制御方法、および画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プロジェクター等の画像表示装置が表示する画像を鑑賞者に立体像として認識させるために、鑑賞者の右目および左目に、それぞれ異なる画像(視差画像)を視認させるシステムが提案されている。例えば、左目用の画像と右目用の画像とを画像表示装置が交互に時分割で表示する態様のシステムがある。このシステムでは、鑑賞者は、画像の変化に同期して左右交互に開閉するシャッターメガネを通して画像を鑑賞することにより、立体像を認識することができる。つまり、このような態様では、鑑賞者は、3D画像(立体像)を視認する際にはシャッターメガネを装着し、2D画像(平面画像)を視認する際にはシャッターメガネを外していた。
【0003】
また、特許文献1には、3D映像を2D映像に変換することが可能なディスプレイ装置であって、ユーザーが3Dメガネ(シャッターメガネ)を着用しているか否かの情報を3Dメガネから受信し、その情報に対応して、3D画像および2D画像のいずれかに切り替えて表示するディスプレイ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−91790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、3Dメガネ(シャッターメガネ)を装着すれば3D画像として鑑賞できるにもかかわらず、鑑賞者がそのことを認識していない場合がある。このように、画像表示装置が3D画像を表示している際に、鑑賞者が3Dメガネを正しく装着していないと、表示がぼやけて見えてしまう。しかし、例えば、視力の良くない人にとっては、単にぼやけているのか、あるいは3D画像のためぼやけているのか分からず、不自由を感じたまま鑑賞している場合がある。また、鑑賞者によっては、3Dメガネの使い方の分からない人もいる。例えば、3Dメガネの電源がオンになっていないことに気付かない場合や、画像表示装置から離れすぎているため、正常に通信ができず、3Dメガネが正しく動作していない場合もある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、鑑賞者に、3D画像を正しく鑑賞させることが可能な画像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係る画像表示システムは、画像供給装置から供給される画像情報に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に表示する表示部を有する画像表示装置と、左眼用のシャッターと右眼用のシャッターとを交互に開放させるシャッターメガネとを備えた画像表示システムであって、前記シャッターメガネは、電源オンの状態において、第1の時間間隔で第1の信号を送信する第1の送信部を有し、前記画像表示装置は、前記画像供給装置から供給される前記画像情報が3Dの画像情報か否かを判定する3D画像判定部と、前記第1の信号を受信する第1の受信部と、前記第1の受信部が前記第1の信号を受信できない時間が、第2の時間より長いか否かを判定する信号受信判定部と、前記3D画像判断部が3Dの画像情報であると判定し、且つ前記信号受信判定部が前記第1の信号を受信できない時間が前記第2の時間より長いと判定した場合に、所定の画像を前記表示部に表示させる画像表示制御部と、を有することを特徴とする。
【0009】
このような画像表示システムによれば、画像表示装置とシャッターメガネとを備えている。シャッターメガネは、第1の送信部を有している。第1の送信部は電源オンの状態において、第1の時間間隔で第1の信号を送信する。画像表示装置は、3D画像判定部と第1の受信部と信号受信判定部と画像表示制御部とを有している。3D画像判定部は、画像情報が3Dの画像情報か否かを判定する。第1の受信部は、第1の信号を受信する。信号受信判定部は、第1の信号を受信できない時間が第2の時間より長いか否かを判定する。画像表示制御部は、供給されている画像情報が3Dの画像情報であり、且つ第1の信号を受信できない時間が第2の時間より長い場合に、所定の画像を表示部に表示させる。これにより、3Dの画像を表示しているにもかかわらず、シャッターメガネが電源オン状態になっていることを検出できない場合に、画像表示装置は所定の画像を表示する。そして、ユーザーは、所定の画像を視認することで、シャッターメガネが正しく動作していないことを認識することができる。
【0010】
[適用例2]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記画像表示装置の前記信号受信判定部が、前記シャッターメガネから前記第1の信号を受信したと判定した場合に、前記画像表示制御部は、前記表示部に前記所定の画像の表示を停止させることを特徴とする。
【0011】
このような画像表示システムによれば、画像表示装置は、シャッターメガネから第1の信号を受信したと判断した場合に、所定の画像の表示を停止する。これにより、シャッターメガネから第1の信号を受信できる状態、即ちシャッターメガネが正しく動作している状態にすると、画像表示装置は所定の画像の表示を停止するため、ユーザーはシャッターメガネを装着して3Dの画像を鑑賞することができる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記画像表示装置は、前記シャッターメガネを、前記左眼用の画像と右眼用の画像との切り替えに同期させるための同期信号を生成する同期信号生成部と、前記同期信号を送信する同期信号送信部と、をさらに有し、前記シャッターメガネは、前記同期信号を受信する同期信号受信部をさらに有し、前記シャッターメガネが、前記電源オンの状態で、且つ前記同期信号受信部が前記同期信号を受信している場合に、前記第1の送信部は第1の時間間隔で前記第1の信号を送信することを特徴とする。
【0013】
このような画像表示システムによれば、画像表示装置は、同期信号生成部と同期信号送信部を有する。シャッターメガネは、同期信号受信部を有する。そして、シャッターメガネは、電源オンの状態で、且つ同期信号を受信している場合に、第1の時間間隔で第1の信号を送信する。これにより、シャッターメガネが同期信号を受信できている場合に第1の信号を送信するため、画像表示装置は、シャッターメガネの同期信号の受信状態に応じて、所定の画像を表示することができる。
【0014】
[適用例4]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記所定の画像は、3D画像の表示中である旨を表していることを特徴とする。
【0015】
このような画像表示システムによれば、ユーザーは3D画像の表示中であることを認識することが可能になり、シャッターメガネを正しく動作させて装着しなければならないことを認識できる。
【0016】
[適用例5]上記適用例に係る画像表示システムにおいて、前記画像表示装置の前記画像表示制御部が前記表示部に表示させる前記所定の画像は、オンスクリーンディスプレイ画像であることを特徴とする。
【0017】
このような画像表示システムによれば、所定の画像はオンスクリーンディスプレイ画像である。これにより、画像表示装置は画像供給装置から供給される画像情報に基づいた画像に重畳して所定の画像を表示することができる。
【0018】
[適用例6]本適用例に係る画像表示システムの制御方法は、画像供給装置から供給される画像情報に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に表示する表示部を有する画像表示装置と、左眼用のシャッターと右眼用のシャッターとを交互に開放させるシャッターメガネとを備えた画像表示システムの制御方法であって、前記シャッターメガネは、電源オンの状態において、第1の時間間隔で第1の信号を送信する第1の送信ステップを有し、前記画像表示装置は、前記画像供給装置から供給される前記画像情報が3Dの画像情報か否かを判定する3D画像判定ステップと、前記第1の信号を受信する第1の受信ステップと、前記第1の受信ステップによって前記第1の信号を受信できない時間が、第2の時間より長いか否かを判定する信号受信判定ステップと、前記3D画像判断ステップによって3Dの画像情報であると判定され、且つ前記信号受信判定ステップによって前記第1の信号を受信できない時間が前記第2の時間より長いと判定された場合に、所定の画像を前記表示部に表示させる画像表示制御ステップと、を有することを特徴とする。
【0019】
このような画像表示システムの制御方法によれば、3Dの画像を表示しているにもかかわらず、シャッターメガネが電源オン状態になっていることを検出できない場合に、画像表示装置は所定の画像を表示する。そして、ユーザーは、所定の画像を視認することで、シャッターメガネが正しく動作していないことを認識することができる。
【0020】
[適用例7]本適用例に係る画像表示装置は、画像供給装置から供給される画像情報に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に表示する表示部を有する画像表示装置であって、前記画像供給装置から供給される前記画像情報が3Dの画像情報か否かを判定する3D画像判定部と、第1の信号を受信する第1の受信部と、前記第1の受信部が前記第1の信号を受信できない時間が、第2の時間より長いか否かを判定する信号受信判定部と、前記3D画像判断部が3Dの画像情報であると判定し、且つ前記信号受信判定部が前記第1の信号を受信できない時間が前記第2の時間より長いと判定した場合に、所定の画像を前記表示部に表示させる画像表示制御部と、を有することを特徴とする。
【0021】
このような画像表示装置によれば、画像表示制御部は、供給されている画像情報が3Dの画像情報であり、且つ第1の信号を受信できない時間が第2の時間より長い場合に、所定の画像を表示部に表示させる。これにより、3Dの画像を表示しているにもかかわらず、第1の信号を受信できない場合に、画像表示装置は所定の画像を表示する。そして、ユーザーは、所定の画像を視認することで、第1の信号が受信できていないことを認識することができる。
【0022】
また、上述した画像表示システム、画像表示装置、シャッターメガネ、および画像表示システムの制御方法が、画像表示装置、シャッターメガネに備えられたコンピューターを用いて構築されている場合には、上記形態および上記適用例は、その機能を実現するためのプログラム、あるいは当該プログラムを前記コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体等の態様で構成することも可能である。記録媒体としては、フレキシブルディスクやHDD(Hard Disk Drive)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu−ray Disc(登録商標)、光磁気ディスク、不揮発性メモリーカード、画像表示装置、シャッターメガネの内部記憶装置(RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体メモリー)、および外部記憶装置(USBメモリー等)等、前記コンピューターが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態に係る画像表示システムの概略構成を示す斜視図であり、(a)は、後方から見た図、(b)は、前方から見た図。
【図2】実施形態に係るプロジェクターの内部構成を示すブロック図。
【図3】液晶シャッターメガネの内部構成を示すブロック図。
【図4】3D画像投写時におけるプロジェクターの処理を表すフローチャート。
【図5】3Dメッセージ画像のOSD表示の説明図。
【図6】3D画像投写時におけるプロジェクターおよび液晶シャッターメガネの動作を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施形態として、光源から射出された光を画像信号に基づいて変調して光学像を形成し、この光学像を外部のスクリーン等に投写する画像表示装置としてのプロジェクターと、シャッターメガネとしての液晶シャッターメガネと、を有する画像表示システムについて説明する。
【0025】
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る画像表示システムの概略構成を示す斜視図であり、(a)は、後方から見た図、(b)は、前方から見た図である。
図1(a)、(b)に示すように、画像表示システム1は、両眼視差を利用して鑑賞者に立体像を認識させるシステムであり、プロジェクター100と、液晶シャッターメガネ200とを備えて構成されている。
【0026】
プロジェクター100は、装置本体(後述する画像投写部10等)を収容する筐体5を備えて構成されており、筐体5の天面5tには、ユーザーにより入力操作が行われる操作受付部21が配置されている。筐体5の背面5bには、複数の入力端子を備えた画像信号入力部30が設けられており、画像信号入力部30には、外部の画像供給装置(図示省略)から画像信号が入力される。筐体5の前面5fには、投写レンズ13を露出させるための開口部6が形成されており、この投写レンズ13から、画像信号に基づく画像が前方の投写面(例えば、スクリーン)SCに投写される。
【0027】
画像信号入力部22には、左眼用の画像を表す左眼用の画像信号と、右眼用の画像を表す右眼用の画像信号とが入力され、プロジェクター100は、左眼用の画像と右眼用の画像とをフレーム単位で時分割して投写面SC上に交互に投写(表示)する。また、プロジェクター100は、左眼用の画像と右眼用の画像との切り替えに同期するための赤外線の同期信号を送信したり、液晶シャッターメガネ200から動作状態を示す第1の信号を受信したりする赤外線送受信部50を備えている。本実施形態では、筐体5の前面5fおよび背面5bに赤外線送受信部50(50aおよび50b)を備えて構成される。
【0028】
液晶シャッターメガネ200は、プロジェクター100が投写する画像を鑑賞する鑑賞者に装着されるものであり、鑑賞者の左眼に対峙する左眼用の液晶シャッター24Lと、右眼に対峙する右眼用の液晶シャッター24Rとを備えている。また、液晶シャッターメガネ200の側面(つるの部分)には、液晶シャッターメガネ200の電源のオン・オフを切り替える電源操作部(電源スイッチ)250を備えている。また、液晶シャッターメガネ200の前面には、プロジェクター100から送信される赤外線の同期信号を受信したり、第1の信号を送信したりするための赤外線送受信部210が設けられている。液晶シャッターメガネ200は、左眼用の画像が鑑賞者の左眼のみで認識され、右眼用の画像が鑑賞者の右眼のみで認識されるよう、同期信号に同期して左右の液晶シャッター24L,24Rを交互に開放させる。
【0029】
図2は、本実施形態に係るプロジェクター100の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、プロジェクター100は、表示部としての画像投写部10、制御部20、操作受付部21、画像信号入力部30、画像信号判定部31、画像処理部32、OSD処理部33、赤外線送受信部50等を備えている。
【0030】
画像投写部10は、光源装置11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等で構成されている。画像投写部10は、光源装置11から射出された光を液晶ライトバルブ12R,12G,12Bで変調して画像(画像光)を形成する。そして、形成した画像を、投写レンズ13から前方、即ち筐体5の前面5fに略垂直な方向に向けて拡大投写して、投写面SC等に表示する。
【0031】
光源装置11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R,12G,12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源装置11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
【0032】
液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bには、マトリクス状に配列された複数の画素が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。そして、液晶駆動部14の駆動により、入力される画像情報に応じた駆動電圧が各画素に印加されると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源装置11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラー画像となった後、投写レンズ13から拡大投写される。
【0033】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)、不揮発性のROM(Read Only Memory)等を備えており、ROMに記憶されている制御プログラムに従ってCPUが動作することによりプロジェクター100の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、コンピューターとして機能する。また、制御部20は、タイマー(図示せず)を内蔵しており、第2の時間を計測して、液晶シャッターメガネ200から送信された第1の信号の受信確認を行う。また、第2の時間内に第1の信号の受信が確認された場合には、制御部20は、上述したRAMに第1の信号が受信されたことを一時的に記憶する。
【0034】
操作受付部21は、ユーザーの入力操作を受け付けるものであり、ユーザーがプロジェクター100に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。本実施形態の操作受付部21が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを切り替えるための電源キー、各種設定用のメニュー画像を表示させるメニューキー、メニュー画像における項目の選択等に用いられる方向キー、選択した項目を確定させるための決定キー等がある。ユーザーが操作受付部21の各種操作キーを操作すると、操作受付部21は、この入力操作を受け付けて、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。なお、操作受付部21として、遠隔操作が可能なリモコン(図示せず)を用いた構成としてもよい。この場合、リモコンは、ユーザーの操作内容に応じた赤外線の操作信号を発信し、図示しない受信手段がこれを受信して制御部20に伝達する。なお、受信手段は、赤外線送受信部50に含まれる赤外線受信部52を利用してもよい。
【0035】
画像信号入力部30には、パーソナルコンピューターや各種映像再生装置等、図示しない外部の画像供給装置から、左眼用および右眼用の画像信号が入力される。そして、画像信号入力部30は、入力された画像信号を画像信号判定部31に出力する。
【0036】
画像信号判定部31は、画像信号入力部30から入力される画像信号を解析し、3Dの画像信号か2Dの画像信号かを判定して、制御部20に通知する。このときの画像信号判定部31が、3D画像判定部に相当する。さらに、画像信号判定部31は、画像信号を画像処理部32で処理可能な形式の画像情報に変換して、画像処理部32に出力する。
【0037】
画像処理部32は、画像信号入力部30から入力される左眼用および右眼用の画像情報を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R,12G,12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素から射出する光の強弱(階調)が規定される。また、画像処理部32は、制御部20の指示に基づき、変換した画像情報に対して、明るさやコントラスト等を調整するための画質調整処理等を必要に応じて行う。
【0038】
画像処理部32は、画像情報を一時的に記憶する画像メモリー(図示省略)を備えており、左眼用および右眼用の画像情報は、各種処理が施された後、フレーム単位で画像メモリーに記憶される。そして、画像処理部32は、制御部20からの指示に基づいて、画像メモリーに記憶されている左眼用および右眼用の画像情報を1フレームずつ交互にOSD処理部33に出力する。
【0039】
OSD処理部33は、制御部20の指示に基づいて、入力された画像情報に基づく画像(以降、「入力画像」と呼ぶ。)上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部33は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。本実施形態では、OSDメモリーは、後述する3Dメッセージ画像の画像情報を記憶している。制御部20が、OSD画像の重畳を指示すると、OSD処理部33は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、入力画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像処理部32から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動部14に出力される。なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部33は、画像処理部32から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部14に出力する。
【0040】
液晶駆動部14が、OSD処理部33から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。この結果、投写面SCには、左眼用の画像と右眼用の画像がフレーム単位で交互に表示される。
【0041】
赤外線送受信部50は、赤外線送信部51および赤外線受信部52を有している。赤外線送信部51は、赤外線通信用のエンコーダーや赤外線発光装置(いずれも図示せず)等で構成され、制御部20から入力される同期信号の情報をエンコーダーで変調し、赤外線発光装置により赤外線の点滅信号として外部に送信する。このときの制御部20および赤外線送信部51が、同期信号生成部および同期信号送信部に相当する。赤外線受信部52は、赤外線受信モジュール等を有して構成され、液晶シャッターメガネ200から発せられた赤外線信号である第1の信号を受信し、制御部20に通知する。赤外線受信部52が、第1の受信部に相当する。なお、赤外線送受信部50は、複数の赤外線送受信部50a、50b(図1参照)を含んでいる。赤外線送受信部50aおよび50bは同様の構成と機能を有しており、赤外線信号の送信や受信を同時に行う。また、本実施形態では、赤外線送受信部50は、プロジェクター100に内蔵するものとしているが、プロジェクター100にケーブル等で外付けされる外部装置の態様としてもよい。
【0042】
図3は、液晶シャッターメガネ200の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、液晶シャッターメガネ200は、上述した液晶シャッター24L,24Rに加えて、赤外線送受信部210と、制御部220と、シャッター駆動部230と、電源操作部250とを有している。
【0043】
赤外線送受信部210は、赤外線受信部211および赤外線送信部212を有している。赤外線受信部211は、赤外線受信モジュール等を有して構成され、プロジェクター100から発せられた赤外線信号である同期信号を受信し、制御部20に通知する。赤外線受信部211が、同期信号受信部に相当する。赤外線送信部212は、赤外線通信用のエンコーダーや赤外線発光装置(いずれも図示せず)等で構成され、制御部220から入力される第1の信号の情報をエンコーダーで変調し、赤外線発光装置により赤外線の点滅信号として外部に送信する。赤外線送信部212が、第1の送信部に相当する。
【0044】
制御部220は、受信した同期信号に基づいて、液晶シャッター24L,24Rの開閉を制御するための制御信号を生成し、シャッター駆動部230に出力する。また、制御部220は、液晶シャッターメガネ200の電源がオンの状態では、内蔵するタイマー(図示せず)に基づいて、第1の時間間隔で、第1の信号を生成し、赤外線送信部212に送信させる。この第1の信号は、液晶シャッターメガネ200が電源オンの状態であることをプロジェクター100に通知するための信号であり、以降、アクティブ信号と呼ぶ。なお、第1の時間は、例えば1秒とする。
【0045】
シャッター駆動部230は、入力される制御信号に基づいて液晶シャッター24L,24Rの開閉(開放および閉塞)を駆動する。
【0046】
液晶シャッター24L,24Rは、それぞれ液晶パネルの表裏両側に偏光板が貼り付けられた構成を有している。液晶シャッター24Lは、シャッター駆動部230の駆動により、左眼に入射する光を透過させる開放状態と、左眼に入射する光を遮蔽する閉塞状態とを切り替え、液晶シャッター24Rは、シャッター駆動部230の駆動により、右眼に入射する光を透過させる開放状態と、右眼に入射する光を遮蔽する閉塞状態とを切り替える。
【0047】
電源操作部250は、ユーザーが液晶シャッターメガネ200に対して電源のオン・オフ指示を行うための電源スイッチである。電源操作部250は、ユーザーによる電源のオン・オフ操作を受け付けると、制御部220に電源スイッチの操作信号を出力する。
【0048】
画像表示システム1は、上記のように構成されているため、プロジェクター100の画像処理部32が、制御部20からの指示に基づいて、左眼用の画像の表示と右眼用の画像の表示とを切り替える。そして、液晶シャッターメガネ200が、プロジェクター100から送信される同期信号に基づいて、開放する液晶シャッター24L,24Rを切り替えることにより、左眼用の画像を左眼のみに認識させ、右眼用の画像を右眼のみに認識させることができる。
【0049】
ここで、プロジェクター100の処理について説明する。プロジェクター100は、3D画像信号が入力されている場合に、液晶シャッターメガネ200からのアクティブ信号の受信状態に応じて、投写画面に所定の画像として3Dメッセージ画像の表示を行う。なお、プロジェクター100に3D画像信号が入力されていない場合には、3Dメッセージ画像の表示は行わない。なお、3D画像信号が入力されているか否かについての情報は、画像信号判定部31が制御部20に通知する。
【0050】
図4は、3D画像投写時におけるプロジェクター100の処理を表すフローチャートである。
図5は、3Dメッセージ画像のOSD表示の説明図である。
【0051】
プロジェクター100が画像投写している際に、3D画像信号が入力されると、制御部20は、内蔵するタイマーで第2の時間の経過を待つ(ステップS101)。第2の時間は、例えば1.5秒とする。第2の時間が経過すると(ステップS101:YES)、制御部20は、赤外線受信部52が液晶シャッターメガネ200から、アクティブ信号を受信したか否かを判断する(ステップS102)。即ち、第2の時間の経過を待っている間にアクティブ信号を受信できたか否かを判断する。このときの制御部20が、アクティブ信号を受信できない時間が、第2の時間より長いか否かを判定する信号受信判定部に相当する。
【0052】
アクティブ信号を受信した場合(ステップS102:YES)、制御部20は、OSD処理部33に指示を出して、3Dメッセージ画像M1を消去させる(ステップS103)。なお、3Dメッセージ画像M1が表示されていなかった場合には、表示されていない状態を維持する。そして、ステップS101に移行して、再度、第2の時間経過を待つ。
【0053】
アクティブ信号を受信していない場合(ステップS102:NO)、制御部20は、OSD処理部33に指示を出して、3Dメッセージ画像M1を表示させる(ステップS104)。このときの制御部20が、画像表示制御部に相当する。なお、3Dメッセージ画像M1が表示されていた場合には、表示されている状態を維持する。そして、ステップS101に移行して、再度、第2の時間経過を待つ。
【0054】
3Dメッセージ画像M1は、図5に示すように、入力画像に基づく投写画面G1に対して、重畳して表示されるOSD画像である。本実施形態では、入力画像に基づく投写画面G1として、三角や丸の画像が表示されており、投写画面G1の右上に、OSD画像として3Dメッセージ画像M1の「3D表示です」という文字列が表示されている。この「3D表示です」という文字列は、投写画面G1で表示されている画像が3D画像であることを表している。
【0055】
ここで、プロジェクター100と液晶シャッターメガネ200との通信についてシーケンス図を用いて説明する。
図6は、3D画像投写時におけるプロジェクター100および液晶シャッターメガネ200の動作を示すシーケンス図である。当シーケンス図では、縦軸が時間軸を表している。ここでは、この時間軸に沿って説明する。なお、プロジェクター100から液晶シャッターメガネ200に対しては、同期信号が定期的に送信されているが、当シーケンス図では記載を省略する。
【0056】
プロジェクター100の電源がオンされて、3D画像信号が入力される(SQ01)と、プロジェクター100は、第2の時間t2(例えば1.5秒)の計測を開始する。第2の時間t2が経過すると、プロジェクター100は、液晶シャッターメガネ200からアクティブ信号が受信されたか否かを確認する(SQ02)。以降、第2の時間t2間隔でアクティブ信号が受信されたか否かの確認を行うが、この確認を単に「受信確認」とも呼ぶ。受信確認の結果、アクティブ信号が受信されていなければ、プロジェクター100は、3Dメッセージ画像M1のOSD表示を開始する(SQ03)。
【0057】
プロジェクター100は、前回の受信確認SQ02から第2の時間t2が経過すると、液晶シャッターメガネ200からアクティブ信号が受信されたか否かを確認する(SQ04)。受信確認の結果、アクティブ信号が受信されていないため、プロジェクター100は、3Dメッセージ画像M1のOSD表示を継続する。なお、このとき、3Dメッセージ画像M1のOSD表示を上書き表示してもよい。同様に、プロジェクター100は、前回の受信確認SQ04から第2の時間t2が経過すると、液晶シャッターメガネ200からアクティブ信号が受信されたか否かを確認する(SQ05)。受信確認の結果、アクティブ信号が受信されていないため、プロジェクター100は、3Dメッセージ画像M1のOSD表示を継続する。
【0058】
液晶シャッターメガネ200の電源がオンされると(SQ06)、液晶シャッターメガネ200は、動作していることを示すアクティブ信号をプロジェクター100に送信する(SQ07)。そして、液晶シャッターメガネ200は、第1の時間t1(例えば1秒)の計測を開始する。アクティブ信号(SQ07)を受信すると、プロジェクター100は、次の受信確認を行うまで、制御部20のRAMに受信したことを記憶しておく。そして、前回の受信確認SQ05から第2の時間t2が経過すると、プロジェクター100は、液晶シャッターメガネ200からアクティブ信号が受信されたか否かを確認する(SQ08)。受信確認の結果、アクティブ信号(SQ07)が受信されているため、プロジェクター100は、3Dメッセージ画像M1のOSD表示を停止する。
【0059】
SQ06から第1の時間t1が経過すると、液晶シャッターメガネ200は、プロジェクター100にアクティブ信号を送信する(SQ09)。以降、液晶シャッターメガネ200は、電源がオンされている状態では、第1の時間t1間隔でアクティブ信号を送信する。プロジェクター100は、第2の時間t2が経過すると、アクティブ信号の受信確認を行う(SQ10)。受信確認の結果、アクティブ信号(SQ09)が受信されているため、プロジェクター100は、3Dメッセージ画像M1のOSD表示の停止を継続する。アクティブ信号(SQ09)から第1の時間t1が経過すると、液晶シャッターメガネ200は、プロジェクター100にアクティブ信号を送信する(SQ11)。プロジェクター100は、制御部20のRAMにアクティブ信号を受信したことを記憶しておく。
【0060】
ここで、液晶シャッターメガネ200の電源がオフされると(SQ12)、液晶シャッターメガネ200は、アクティブ信号の送信を停止する。プロジェクター100は、受信確認を行う(SQ13)が、前回、アクティブ信号(SQ11)を受信したことを記憶しているため、3Dメッセージ画像M1のOSD表示は停止を継続する。次に、プロジェクター100が受信確認を行うと(SQ14)、アクティブ信号を受信していないため、プロジェクター100は、3Dメッセージ画像M1のOSD表示を開始する(SQ15)。
【0061】
さらに、プロジェクター100は、前回の受信確認SQ14から第2の時間t2が経過すると、受信確認を行う(SQ16)。受信確認の結果、アクティブ信号が受信されていないため、プロジェクター100は、3Dメッセージ画像M1のOSD表示を継続する。
【0062】
液晶シャッターメガネ200の電源がオンされると(SQ17)、液晶シャッターメガネ200は、アクティブ信号をプロジェクター100に送信する(SQ18)。そして、プロジェクター100は、液晶シャッターメガネ200からアクティブ信号が受信されたか否かを確認する(SQ19)。受信確認の結果、アクティブ信号(SQ18)が受信されているため、プロジェクター100は、3Dメッセージ画像M1のOSD表示を停止する。
【0063】
以降、電源がオンされている状態では、液晶シャッターメガネ200は、アクティブ信号を第1の時間t1間隔で送信する(SQ20,SQ22,SQ23)。プロジェクター100は、第2の時間t2間隔で受信確認を行う(SQ21,SQ24)。そして、アクティブ信号が受信されていれば、3Dメッセージ画像M1の表示は行わない。
【0064】
上述したように、液晶シャッターメガネ200は、電源オンされている間、第1の時間t1間隔でアクティブ信号を送信し、プロジェクター100は、第1の時間t1より長い第2の時間t2間隔で受信確認を行う。これにより、プロジェクター100は、アクティブ信号を受信できない時間が第2の時間t2よりも長いか否かを判定することができる。そして、判定結果に応じて3Dメッセージ画像M1の表示を変更することができる。
【0065】
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)画像表示システム1は、プロジェクター100と液晶シャッターメガネ200とを備えている。液晶シャッターメガネ200の赤外線送信部212は、電源オンの状態において、第1の時間t1間隔でアクティブ信号をプロジェクター100に送信する。プロジェクター100の制御部20は、入力されている画像信号が3D画像信号の場合、アクティブ信号を受信できない時間が第2の時間t2より長いか否かを判定する。制御部20は、アクティブ信号を受信できない時間が第2の時間t2より長い場合に、3Dメッセージ画像M1をOSD処理部33に表示させる。これにより、3D画像の投写をしているにもかかわらず、液晶シャッターメガネ200が電源オン状態になっていない場合に、プロジェクター100は3Dメッセージ画像M1を表示するため、ユーザーは、3Dメッセージ画像M1を視認することで、3D画像が投写されていることを認識することができる。そして、液晶シャッターメガネ200が正しく使用されていない(正しく動作していない)ことを認識することができる。例えば、液晶シャッターメガネ200の電源がオンされていなかったり、液晶シャッターメガネ200がプロジェクター100から離れすぎていて、プロジェクター100がアクティブ信号を受信できなかったりする場合についても、認識することができる。よって、プロジェクター100が3D画像の投写をしている際に、液晶シャッターメガネ200を正しく装着しないで、ユーザーがぼやけた画像を鑑賞してしまうことを回避することができる。
【0066】
(2)画像表示システム1のプロジェクター100は、液晶シャッターメガネ200からアクティブ信号を受信すると、3Dメッセージ画像M1のOSD表示を停止する。即ち、液晶シャッターメガネ200が電源オンされて正しく動作している場合には、3Dメッセージ画像M1が表示されないため、ユーザーはシャッターメガネを装着して、3Dメッセージ画像M1のない投写画像を鑑賞することができる。
【0067】
(3)画像表示システム1のプロジェクター100が表示する3Dメッセージ画像M1は、オンスクリーンディスプレイ(OSD)画像であるため、画像供給装置から供給される画像信号に基づいた投写画面G1に部分的に重畳して表示することができる。これにより、3Dメッセージ画像M1が投写画面G1の全てを遮ることがなく、ユーザーは、投写画面G1および3Dメッセージ画像M1の両方を視認することが可能となるため、有益である。
【0068】
なお、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良等を加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
【0069】
(変形例1)上記実施形態では、液晶シャッターメガネ200は、電源オンの状態において、アクティブ信号を送信するものとしたが、電源オンの状態で、且つプロジェクター100から同期信号を受信している場合に、第1の時間t1間隔でアクティブ信号を送信してもよい。つまり、液晶シャッターメガネ200が同期信号を受信して、同期できている場合にアクティブ信号を送信する。これにより、プロジェクター100と液晶シャッターメガネ200との同期信号およびアクティブ信号の受信状態に応じて、3Dメッセージ画像M1を表示することができるため、送受信が確立されていることを正しく認識することができる。
【0070】
(変形例2)上記実施形態では、プロジェクター100は、第2の時間t2間隔で、アクティブ信号の受信確認を行うものとしたが、これに限定するものではない。例えば、プロジェクター100は、アクティブ信号を受信したら、直ちに3Dメッセージ画像M1の表示を停止するものとしてもよい。そして、プロジェクター100は、アクティブ信号を所定の時間受信しなければ、3Dメッセージ画像M1の表示を直ちに行うものとしてもよい。
【0071】
(変形例3)上記実施形態では、液晶シャッターメガネ200は、電源オンの状態において、自らアクティブ信号を送信するものとした。しかし、液晶シャッターメガネ200は、プロジェクター100から問い合わせの信号(図示せず)を受信した際に、電源オンの状態ならば、アクティブ信号を送信するものとしてもよい。また、液晶シャッターメガネ200は、電源オンの状態でなければ、アクティブ信号の送信をしない。この場合、プロジェクター100は、所定の時間間隔で問い合わせの信号を送信するものとする。
【0072】
(変形例4)上記実施形態では、画像表示システム1の画像表示装置としてプロジェクター100を例にして説明しているが、画像表示装置はプロジェクターに限定するものではない。例えば、透過型のスクリーンを一体的に備えたリアプロジェクター、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、テレビ受信機等に適用することも可能である。
【0073】
(変形例5)上記実施形態では、プロジェクター100の赤外線送受信部50と、液晶シャッターメガネ200の赤外線送受信部210との間で、赤外線のアクティブ信号および同期信号を送受信する態様を示したが、アクティブ信号および同期信号は、赤外線に限定されない。例えば、赤外線以外の光通信や無線通信用電波等を利用するようにしてもよい。
【0074】
(変形例6)上記実施形態では、光源装置11は、放電型の光源ランプ11aを有して構成されているが、LED(Light Emitting Diode)光源やレーザー等の固体光源や、その他の光源を用いることもできる。
【0075】
(変形例7)上記実施形態では、プロジェクター100は、光変調装置として、透過型の液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いているが、反射型の液晶ライトバルブ等、反射型の光変調装置を用いることも可能である。また、入射した光の射出方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することにより、光源から射出した光を変調する微小ミラーアレイデバイス等を用いることもできる。
【符号の説明】
【0076】
1…画像表示システム、5…筐体、5b…背面、5f…前面、5t…天面、6…開口部、10…画像投写部、11…光源装置、11a…光源ランプ、11b…反射するリフレクター、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、20…制御部、21…操作受付部、22…画像信号入力部、24L…左眼用の液晶シャッター、24R…右眼用の液晶シャッター、30…画像信号入力部、31…画像信号判定部、32…画像処理部、33…OSD処理部、50…赤外線送受信部、50a,50b…赤外線送受信部、51…赤外線送信部、52…赤外線受信部、100…プロジェクター、200…液晶シャッターメガネ、210…赤外線送受信部、211…赤外線受信部、212…赤外線送信部、220…制御部、230…シャッター駆動部、250…電源操作部、SC…投写面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像供給装置から供給される画像情報に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に表示する表示部を有する画像表示装置と、左眼用のシャッターと右眼用のシャッターとを交互に開放させるシャッターメガネとを備えた画像表示システムであって、
前記シャッターメガネは、
電源オンの状態において、第1の時間間隔で第1の信号を送信する第1の送信部を有し、
前記画像表示装置は、
前記画像供給装置から供給される前記画像情報が3Dの画像情報か否かを判定する3D画像判定部と、
前記第1の信号を受信する第1の受信部と、
前記第1の受信部が前記第1の信号を受信できない時間が、第2の時間より長いか否かを判定する信号受信判定部と、
前記3D画像判断部が3Dの画像情報であると判定し、且つ前記信号受信判定部が前記第1の信号を受信できない時間が前記第2の時間より長いと判定した場合に、所定の画像を前記表示部に表示させる画像表示制御部と、
を有することを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示システムであって、
前記画像表示装置の前記信号受信判定部が、前記シャッターメガネから前記第1の信号を受信したと判定した場合に、前記画像表示制御部は、前記表示部に前記所定の画像の表示を停止させることを特徴とする画像表示システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像表示システムであって、
前記画像表示装置は、
前記シャッターメガネを、前記左眼用の画像と右眼用の画像との切り替えに同期させるための同期信号を生成する同期信号生成部と、
前記同期信号を送信する同期信号送信部と、
をさらに有し、
前記シャッターメガネは、
前記同期信号を受信する同期信号受信部をさらに有し、
前記シャッターメガネが、前記電源オンの状態で、且つ前記同期信号受信部が前記同期信号を受信している場合に、前記第1の送信部は第1の時間間隔で前記第1の信号を送信することを特徴とする画像表示システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像表示システムであって、
前記所定の画像は、3D画像の表示中である旨を表していることを特徴とする画像表示システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像表示システムであって、
前記画像表示装置の前記画像表示制御部が前記表示部に表示させる前記所定の画像は、オンスクリーンディスプレイ画像であることを特徴とする画像表示システム。
【請求項6】
画像供給装置から供給される画像情報に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に表示する表示部を有する画像表示装置と、左眼用のシャッターと右眼用のシャッターとを交互に開放させるシャッターメガネとを備えた画像表示システムの制御方法であって、
前記シャッターメガネは、
電源オンの状態において、第1の時間間隔で第1の信号を送信する第1の送信ステップを有し、
前記画像表示装置は、
前記画像供給装置から供給される前記画像情報が3Dの画像情報か否かを判定する3D画像判定ステップと、
前記第1の信号を受信する第1の受信ステップと、
前記第1の受信ステップによって前記第1の信号を受信できない時間が、第2の時間より長いか否かを判定する信号受信判定ステップと、
前記3D画像判断ステップによって3Dの画像情報であると判定され、且つ前記信号受信判定ステップによって前記第1の信号を受信できない時間が前記第2の時間より長いと判定された場合に、所定の画像を前記表示部に表示させる画像表示制御ステップと、
を有することを特徴とする画像表示システムの制御方法。
【請求項7】
画像供給装置から供給される画像情報に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に表示する表示部を有する画像表示装置であって、
前記画像供給装置から供給される前記画像情報が3Dの画像情報か否かを判定する3D画像判定部と、
第1の信号を受信する第1の受信部と、
前記第1の受信部が前記第1の信号を受信できない時間が、第2の時間より長いか否かを判定する信号受信判定部と、
前記3D画像判断部が3Dの画像情報であると判定し、且つ前記信号受信判定部が前記第1の信号を受信できない時間が前記第2の時間より長いと判定した場合に、所定の画像を前記表示部に表示させる画像表示制御部と、
を有することを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−12878(P2013−12878A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143846(P2011−143846)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】