画像表示方法
【課題】鑑賞者に違和感を与えることなく、縮小画像又は画像の一部が間引かれた画像を表示画面内の一部領域に表示させることが可能な画像表示方法を提供することを目的とする。
【解決手段】入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を表示画面内の第1領域に表示させると共に、この第1領域内に表示される画像を表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを表示画面内の第2領域に表示させる。
【解決手段】入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を表示画面内の第1領域に表示させると共に、この第1領域内に表示される画像を表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを表示画面内の第2領域に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力映像信号に対応した画像を表示する際の画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高精細画像を表示するディスプレイ装置として、40インチ以上の大画面を有するものが製品化されている。ところが、このような大画面の表示を比較的近距離から鑑賞する場合には、かえって画像が大き過ぎて見にくくなるという問題があった。
【0003】
そこで、入力映像信号に基づく画像を画面のサイズよりも縮小させて、その画面内の一部の領域に表示させるようにした映像装置が提案された(例えば特許文献1参照)。かかる映像装置では、画面内において、上述した如く縮小された画像が表示される領域以外の部分(背景領域)に対しては、所定の単色(例えば黒又は青色)表示を行うようにしている。
【0004】
しかしながら、このような表示によると、縮小された画像の外周部、つまり上記背景領域ではその縮小された画像とは何ら関連性の無い単色表示が為されるので、鑑賞者に違和感を与えてしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2003−58101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる問題を解決すべく為されたものであり、鑑賞者に違和感を与えることなく、縮小画像又は画像の一部が間引かれた画像を表示画面内の一部領域に表示させることが可能な画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載による画像表示方法は、入力映像信号に基づく画像を表示パネルによって表示する画像表示方法であって、前記表示パネルの表示画面を少なくとも2つの第1領域及び第2領域に分割し、前記入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を前記第1領域内に表示させると共に、前記第1領域内に表示される画像を前記表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを生成しこれを前記第2領域内に表示させる。
【0007】
又、請求項15記載による画像表示方法は、入力映像信号に基づく画像を表示パネルによって表示する画像表示方法であって、前記表示パネルの表示画面内において前記表示画面のサイズよりも小なる画像サイズを有する第1領域及びこの第1領域の周辺に存在する第2領域の内の前記第1領域には、前記入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を縮小させて表示させる一方、前記第2領域には前記第1領域内に表示される画像を前記表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを有する背景画像を表示させる。
【0008】
又、請求項16記載による画像表示方法は、入力映像信号に基づく画像を表示パネルによって表示する画像表示方法であって、前記表示パネルの表示画面を少なくとも2つの第1領域及び第2領域に分割し、前記入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を前記第1領域内に表示させると共に、前記第1領域内に設定された基準点を中心として前記表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを前記第2領域内に表示させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を表示画面内の第1領域に表示させると共に、この第1領域内に表示される画像を表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを表示画面内の第2領域に表示させる。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明に基づく画像表示方法に従って、入力映像信号に対応した画像を表示するプラズマディスプレイ装置の構成を示す図である。
【0011】
図1において、プラズマディスプレイパネルとしてのPDP10は、放電ガスが封入されている放電空間を挟んで対向配置された前面透明基板(図示せぬ)及び背面基板(図示せぬ)を備えている。前面透明基板の一方の面は表示画面を担う。又、前面透明基板の他方の面上には表示画面の横方向(水平方向)に夫々伸張して配列された行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Ynが形成されている。これら行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Ynは、夫々一対の行電極Xi及びYi(i:1〜n)にて、PDP10における第1〜第n表示ラインを担っている。背面基板上には、行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Yn各々と交叉するように、2次元表示画面の縦方向(垂直方向)に夫々伸張して配列された列電極D1〜Dmが形成されている。上記放電空間を含む各行電極対(X、Y)と列電極Dとの交叉部に、画素としての放電セル(表示セル)Pが形成される構造となっている。尚、放電セルP(1,1)〜P(n,m)の内で、第(3t−2)列(t:1〜m/3なる整数)に属する放電セル、つまり、第1列、第4列、第7列、・・・、第(m−2)列に属する放電セルP内には赤色発光を為す蛍光体が形成されており、放電に伴い赤色の表示光を放出する。又、放電セルP(1,1)〜P(n,m)の内で、第(3t−1)列(t:1〜m/3なる整数)に属する放電セル、つまり、第2列、第5列、第8列、・・・、第(m−1)列に属する放電セルP内には緑色発光を為す蛍光体が形成されており、放電に伴い緑色の表示光を放出する。又、放電セルP(1,1)〜P(n,m)の内で、第(3t)列(t:1〜m/3なる整数)に属する放電セル、つまり、第3列、第6列、第9列、・・・、第m列に属する放電セルP内には青色発光を為す蛍光体が形成されており、放電に伴い青色の表示光を放出する。
【0012】
A/D変換器1は、入力映像信号VDを各画素(放電セルP)毎にその輝度レベルを例えば8ビットで表す画素データDDに変換して画像処理回路2に供給する。
【0013】
画像処理回路2は、各画素毎の画素データDDに対して、リモコン200から供給された各種操作指令信号に応じた各種画像処理(後述する)を施して得られた各画素毎の画素データPDをSFデータ生成回路3に供給する。尚、リモコン200は、操作者からの各種操作(後述する)を受け付けその操作内容に対応した操作指令信号をこのプラズマディスプレイ装置に送信するものであり、上記画像処理回路2の他にチューナ部(図示せぬ)及びオーディオ部(図示せぬ)に対する操作制御をも行う。
【0014】
SFデータ生成回路3は、各画素データPDに対し、先ず、誤差拡散処理及びディザ処理等からなる多階調化処理を施す。例えば、SFデータ生成回路3は、画素データPDの上位ビット群を表示データ、残りの下位ビット群を誤差データと捉える。SFデータ生成回路3は、周辺画素各々に対応した画素データにおける上記誤差データを重み付け加算したものを、上記表示データに反映させることにより誤差拡散処理画素データを得る(誤差拡散処理)。次に、SFデータ生成回路3は、互いに隣接する複数の画素からなる画素群毎に、各画素に対応した上記誤差拡散処理画素データに夫々、互いに異なる係数値からなるディザ係数を夫々割り当てて加算し、その加算結果中の所定の上位ビット群を多階調化画素データとして得る(ディザ処理)。次に、SFデータ生成回路3は、上記多階調化画素データに基づき、図2に示す如きN個(N:整数)のサブフィールドSF1〜SF(N)各々において、放電セルPを点灯及び消灯モードの内のいずれの状態に設定するのかを各ビット毎に示すSFデータGDを生成する。SFデータ生成回路3は、各画素毎のSFデータGD各々を順次、SFメモリ4に供給する。
【0015】
SFメモリ4は、SFデータGDの各々を順次書き込み、1フレーム分の書き込みが終了する度に、以下の如き読み出し動作を行う。すなわち、SFメモリ4は、図2に示す如きサブフィールドSF1〜SF(N)各々において、1フレーム分のSFデータGD各々から、そのサブフィールドに対応したビット桁を分離して読み出し、夫々アドレスデータビットDBとしてアドレスドライバ6に供給する。
【0016】
駆動制御回路20は、図2に示す発光駆動シーケンスに従って、PDP10を駆動すべき各種駆動制御信号を、アドレスドライバ6、X電極ドライバ7及びY電極ドライバ8からなるパネルドライバに供給する。すなわち、駆動制御回路20は、1フレーム又は1フィールド表示期間(以下、単位表示期間と称する)毎に、図2に示すサブフィールドSF1〜SF(N)各々において、アドレス行程W及びサスティン行程Iに従った駆動を順次実施させるべき各種制御信号をパネルドライバに供給する。尚、駆動制御回路20は、先頭のサブフィールドSF1に限り、アドレス行程Wに先立ち、リセット行程Rに従った駆動を実施させるべき各種制御信号をパネルドライバに供給する。パネルドライバ(アドレスドライバ6、X電極ドライバ7及びY電極ドライバ8)は、駆動制御回路20から供給された各種制御信号に応じた駆動パルスを生成してPDP10の列電極D、行電極X及びYに供給する。
【0017】
先ず、先頭のサブフィールドSF1のリセット行程Rでは、X電極ドライバ7及びY電極ドライバ8が、リセットパルスを全ての行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Ynに印加する。かかるリセットパルスの印加に応じて、全ての放電セルP内においてリセット放電が生起され、全放電セルP内には所定量の壁電荷が形成される。これにより、全ての放電セルPは点灯モードの状態に初期化される。又、サブフィールドSF1〜SF(N)各々のアドレス行程Wでは、アドレスドライバ6が、SFメモリ4から供給されたアドレスデータビットDBの論理レベルに対応したパルス電圧を有する画素データパルスを生成する。例えば、アドレスドライバ6は、アドレスデータビットDBが論理レベル1である場合には高電圧、論理レベル0である場合には低電圧の画素データパルスを生成する。そして、アドレスドライバ6は、かかる画素データパルスを1表示ライン分(m個)ずつの画素データパルス群として列電極D1〜Dmに印加する。更に、アドレス行程Wでは、Y電極ドライバ8が、各画素データパルス群の印加タイミングと同一タイミングにて、走査パルスを行電極Y1〜Ynへと順次印加して行く。この際、走査パルスが印加された行電極と、高電圧の画素データパルスが印加された列電極との交叉部の放電セルPにのみ選択的に放電が生じ、その放電セルP内に残存していた壁電荷が消去される。つまり、壁電荷を失った放電セルPは消灯モードに設定されるのである。一方、かかる放電が生起されなかった放電セルPはその直前までの状態、つまり点灯モード又は消灯モードの状態を維持する。
【0018】
サブフィールドSF1〜SF(N)各々のサスティン行程Iでは、X電極ドライバ7及びY電極ドライバ8が、各サブフィールドの輝度重みに対応した回数分だけ、行電極X1〜Xn及びY1〜Ynに対して交互に繰り返しサスティンパルスを印加する。かかるサスティンパルスが印加される度に、壁電荷が残留したままとなっている放電セルP、すなわち点灯モードの状態にある放電セルPがサスティン放電し、そのサスティン放電に伴う発光状態を維持する。
【0019】
以上の如き駆動により、単位表示期間毎に、入力映像信号VDによって示される輝度レベルに対応した数の分だけサスティン放電が繰り返し生起され、そのサスティン放電の総数に対応した中間輝度が視覚される。
【0020】
尚、図1に示されるプラズマディスプレイ装置は、入力映像信号VDに基づく画像をPDP10による表示画面内に表示するにあたり、その画像全体のサイズを任意のサイズに変更、いわゆるリサイズすることが可能な画像サイズ調整機能を備えている。この画像サイズ調整機能を利用する場合、使用者は、先ず、図3に示す如くリモコン200の操作面に設けられているサイズモードキーSMを押圧する。かかるサイズモードキーSMの押圧操作に応じて、リモコン200は、サイズモード指令信号を送信する。画像処理回路2は、かかるサイズモード指令信号に応じて、
・スタンダード表示
・フル表示
・サイズ調整
の内のいずれのサイズモードで表示を実施させるのかを使用者側に選択させる為の画像(図示せぬ)を重畳表示させるべき画像処理を画素データDDに対して施す。尚、スタンダード表示モードは、入力映像信号VDによって表される画像のサイズ及びアスペクト比を維持したまま、その画像をPDP10の表示画面内に表示させる為のモードである。又、フル表示モードは、入力映像信号VDによって表される画像のアスペクト比を強制的にPDP10の表示画面のアスペクト比と一致させるべき処理を施してその画像を表示画面一杯に表示させる為のモードである。又、サイズ調整モードは、入力映像信号VDによって表される画像のアスペクト比を維持したまま、使用者が指定した任意のサイズにてPDP10の表示画面内にその画像を表示させる為のモードである。
【0021】
ここで、使用者が、図3に示す如きリモコン200の操作面に設けられている方向キーKYを操作することにより、上記の如きサイズモードの内からサイズ調整モードを指定すると、リモコン200は、サイズ調整モード指令信号を送信する。その後、使用者が、リモコン200の方向キーKYを操作することにより、PDP10の表示画面内に表示させるべき画像サイズ及びその画像を表示させるべき表示画面内での基点となる表示位置(以下、基点表示位置と称する)を指定すると、リモコン200は、これら指定された画像サイズ及び基点表示位置を夫々表す画像サイズ指定信号を送信する。
【0022】
画像処理回路2に搭載されているリサイズ画像表示処理部は、リモコン200から送信されてきたサイズ調整モード指令信号を受信すると、入力映像信号VDに基づく画像を上記画像サイズ指定信号によって指定された画像サイズ及び基点表示位置でPDP10の表示画面内に表示させるべき処理を各画素毎の画素データDDに対して施す。
【0023】
図4は、かかるリサイズ画像表示処理部の構成の一例を示す図である。
【0024】
図4において、リサイズ処理部21は、先ず、各フレーム毎に、1フレーム分の画素データDDに対して、その画像サイズを上記画像サイズ指定信号によって指定された画像サイズに拡大または縮小させるべきリサイズ処理を施すことにより、この画像サイズ内での各画素に対応したリサイズ処理画素データを生成する。例えば、1フレーム分の画素データDDによって表される画像(解像度:H[ドット」×V[ドット])のサイズを1/4に縮小させる場合、リサイズ処理部21は、この画像全体をH/2[ドット」×V/2[ドット]の画像サイズで表現した画像(以下、リサイズ画像と称する)における各画素毎のリサイズ処理画素データを生成するのである。
【0025】
次に、リサイズ処理部21は、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置を示すリサイズ画像座標位置データRCをアドレス情報生成部24に供給する。尚、ここで定義する画素の座標位置とは、PDP10の表示画面内での2次元座標位置ではなく、上記リサイズ画像の枠内での相対的な2次元座標位置である。例えば、図5に示す如く、各画素に対応した放電セルP(1,1)〜P(n,m)を備えたPDP10の表示画面10A内においてp[ドット」×q[ドット]のリサイズ画像RSZを表示させる場合には、座標位置(1,1)〜(p,q)を表すリサイズ画像座標位置データRCが生成される。
【0026】
そして、リサイズ処理部21は、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置に対応づけして各画素毎のリサイズ処理画素データを表すリサイズ処理画素データRDを、背景画素データ生成部22及びリサイズ画像メモリ23に供給する。
【0027】
リサイズ画像メモリ23は、リサイズ処理画素データRDによって表されるリサイズ処理画素データを、後述するリサイズ画素座標位置データDRCによって示されるリサイズ画像内での各画素の座標位置に対応させて順次書き込む。また、リサイズ画像メモリ23は、後述する画素データ出力指示部29から供給された読出指令信号RE及びリサイズ画素読出指定信号RRDに応じて、このリサイズ画素読出指定信号RRDによって示される座標位置の画素に対応したリサイズ処理画素データを読み出し、これを画素データPDとして図1に示すSFデータ生成回路3に供給する。
【0028】
アドレス情報生成部24は、リサイズ画像座標位置データRCに基づき、先ず、そのリサイズ画像内の所定の基準点から画像平面上において放射状に伸びる複数の放射状ラインを想定し、これら放射状ライン各々の内で互いに隣接するもの同士で囲まれた領域を放射状領域ERとして定義する。例えば、図6においては、PDP10の表示画面10Aに表示されるリサイズ画像RSZの中心点を基準点Gとし、この基準点Gから放射状に伸びる放射状ラインL1〜L12の内で互いに隣接する放射状ラインLで囲まれた放射状領域ER1〜ER12を定義する。次に、アドレス情報生成部24は、リサイズ画像座標位置データRCによって示される各座標位置毎に、その座標位置が上記放射状領域ER各々の内のいずれに含まれるのかを判別すると共に、その座標位置から基準点Gまでの直線距離を基準点間距離Kとして求める。例えば、図6において、リサイズ画像RSZ中の座標位置(T、M)は、放射状領域ER2に含まれており、その基準点間距離KはK1である。
【0029】
そして、アドレス情報生成部24は、上述した如きリサイズ画像内の各座標位置毎の放射状領域ER及び基準点間距離Kを、その座標位置に対応づけして表すアドレス情報AIを背景画素データ生成部22に供給する。
【0030】
背景画素データ生成部22は、アドレス情報AI及びリサイズ処理画素データRDに基づき、PDP10の表示画面内において、リサイズ画像が表示される領域(以下、有効領域と称する)外の領域(以下、背景領域と称する)に表示させるべき画像を担う各画素毎の画素データ(以下、背景画素データと称する)を生成する。
【0031】
すなわち、背景画素データ生成部22は、アドレス情報AIによって示される放射状領域ER各々毎に、その放射状領域ER内の全画素を対象とし、各画素の座標位置でのリサイズ処理画素データRDを用いた以下の如き加重平均演算を各画素色(赤、緑、青)毎に行う。これにより、各放射状領域ER毎に、その放射状領域ERを挟む2つの放射状ラインLに挟まれた背景領域内での領域(以下、背景放射状領域HRと称する)に表示させるべき画像を担う各色(R、G、B)毎の背景画素データWAR、WAG、WABを生成する。
【0032】
WAR=Σ(RDiR×F(Ki))/ Σ(F(Ki))
WAG=Σ(RDiG×F(Ki))/ Σ(F(Ki))
WAB=Σ(RDiB×F(Ki))/ Σ(F(Ki))
i:1〜Q(Q:各放射状領域ERに含まれる画素数)
F :一様増加特性の関数
RDiR:i画素目の赤色の画素データ
RDiG:i画素目の緑色の画素データ
RDiB:i画素目の青色の画素データ
Ki :i画素目の基準点間距離
つまり、上記加重平均演算により、背景放射状領域HR内の全ての赤色画素に共通の画素データとして背景画素データWAR、背景放射状領域HR内の全ての緑色画素に共通の画素データとして背景画素データWAG、及び背景放射状領域HR内の全ての青色画素に共通の画素データとして背景画素データWABが夫々生成されるのである。
【0033】
例えば、図6において、背景画素データ生成部22は、放射状領域ER1内の赤色画素各々に対応したリサイズ処理画素データRDと、各赤色画素の座標位置に対応した基準点間距離Kとを用いた加重平均演算により、背景放射状領域HR1に表示させるべき画像中の赤色画素各々に共通の背景画素データWARを生成する。又、図6において、背景画素データ生成部22は、放射状領域ER1内の緑色画素各々に対応したリサイズ処理画素データRDと、各緑色画素の座標位置に対応した基準点間距離Kとを用いた加重平均演算により、背景放射状領域HR1に表示させるべき画像中の緑色画素各々に共通の背景画素データWAGを生成する。更に、図6において、背景画素データ生成部22は、放射状領域ER1内の青色画素各々に対応したリサイズ処理画素データRDと、各青色画素の座標位置に対応した基準点間距離Kとを用いた加重平均演算により、背景放射状領域HR1に表示させるべき画像中の青色画素各々に共通の背景画素データWABを生成する。以下、同様にして背景画素データ生成部22は、下記の如き放射状領域ER2〜ER12各々と背景放射状領域HR2〜HR12各々との対応関係にて、ER2〜ER12各々でのリサイズ処理画素データRDに基づきHR2〜HR12各々に対応した背景画素データWAR、WAG及びWABを生成する。
【0034】
ER1:HR1
ER2:HR2
ER3:HR3
ER4:HR4
ER5:HR5
ER6:HR6
ER7:HR7
ER8:HR8
ER9:HR9
ER10:HR10
ER11:HR11
ER12:HR12
そして、背景画素データ生成部22は、各背景放射状領域HRに対応づけして、上述した如き背景画素データWAR、WAG、WABを背景画像メモリ25に供給する。
【0035】
又、背景画素データ生成部22は、入力映像信号VDがγ補正処理の施されたものである場合には、データのリニアリティ確保の点から、リサイズ処理画素データRDに逆γ補正を施したもので上述した如き加重平均演算を実施する。この際、背景画素データ生成部22は、加重平均演算結果としての上記背景画素データWAR、WAG、WAB各々に対してγ補正処理を施すことにより元のγ補正状態に戻してから、これらを背景画像メモリ25に供給する。
【0036】
背景画像メモリ25は、背景画素データ生成部22から供給された背景画素データWAR、WAG、WAB各々をフレーム単位で記憶する。又、背景画像メモリ25は、画素データ出力指示部29から供給された読出指令信号RE及び背景放射状領域指定信号θRDに応じて、この背景放射状領域指定信号θRDによって示される背景放射状領域HRに対応した背景画素データWAR、WAG、又はWABを読み出し、これを図1に示すSFデータ生成回路3に供給すべき画素データPDとして出力する。
【0037】
表示座標発生部26は、PDP10の表示画面内の全ての画素各々の座標位置を示す表示座標データDCを各フレーム毎に生成し、これをリサイズ画素座標決定部27、表示画素放射角設定部28及び画素データ出力指示部29に供給する。
【0038】
リサイズ画面表示位置設定部30は、上記リモコン200から送信された画像サイズ指定信号によって示される画像サイズ及び基点表示位置に基づき、図5に示す如きリサイズ画像RSZの四隅の画素各々に対応する、PDP10の表示画面内での2次元の座標位置(以下、四隅座標位置と称する)を求める。そして、リサイズ画面表示位置設定部30は、この四隅座標位置を示す四隅画素座標位置データRDCをリサイズ画素座標決定部27及び画素データ出力指示部29に供給する。
【0039】
リサイズ画素座標決定部27は、上記表示座標データDC及び四隅画素座標位置データRDCに基づき、図5に示す如きリサイズ画像RSZの全ての画素各々に対するPDP10の表示画面内での2次元の座標位置(以下、リサイズ画素座標位置と称する)を求める。そして、リサイズ画素座標決定部27は、リサイズ画像RSZの全ての画素各々に対応したリサイズ画素座標位置を示すリサイズ画素座標位置データDRCをリサイズ画像メモリ23に供給する。
【0040】
基準点表示位置設定部31は、上記画像サイズ指定信号によって示される基点表示位置に基づき、図5に示す如きリサイズ画像RSZの基準点Gに対応したPDP10の表示画面内での2次元の座標位置(以下、基準点座標位置と称する)を求める。そして、基準点表示位置設定部31は、この基準点座標位置を示す基準点座標位置データSCを表示画素放射角設定部28に供給する。
【0041】
表示画素放射角設定部28は、基準点座標位置データSC及び表示座標データDCに基づき、PDP10の表示画面内での各画素の座標位置毎に、図5に示す如きリサイズ画像RSZの基準点Gに対応した基準点座標位置からその画素を眺めた際の方位角を求める。そして、かかる方位角をPDP10の表示画面内での各画素の座標位置に対応づけして示す表示画素角度データDCθを画素データ出力指示部29に供給する。
【0042】
画素データ出力指示部29は、先ず、表示座標データDCにて示される座標位置各々に対して順次、その座標位置が図5に示す表示画面10A内のリサイズ画像RSZが表示されるべき有効領域に含まれるか、又は背景領域に含まれるのかを、四隅画素座標位置データRDCに基づき判定する。ここで、有効領域であると判定された場合、画素データ出力指示部29は、その座標位置を示すリサイズ画素読出指定信号RRD及び読出指令信号REをリサイズ画像メモリ23に供給する。これにより、リサイズ画像メモリ23は、リサイズ画素読出指定信号RRDによって示される座標位置に対応したリサイズ処理画素データを読み出し、これを画素データPDとして図1に示すSFデータ生成回路3に供給する。
【0043】
一方、表示座標データDCによって示される座標位置が上記背景領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部29は、先ず、上記表示画素角度データDCθ中からその座標位置に対応した方位角を検索し、この方位角が、図6に示す如き背景放射状領域HR1〜HR12の内のいずれの領域の存在方向を示すのかを判定する。そして、画素データ出力指示部29は、その判定結果としての背景放射状領域HRを示す背景放射状領域指定信号θRDを生成し、これを読出指令信号REと共に背景画像メモリ25に供給する。これにより、背景画像メモリ25は、上記背景放射状領域指定信号θRDによって示される背景放射状領域HRに対応した背景画素データWAR、WAG、又はWABを読み出し、これを上記画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給する。
【0044】
以上の如きリサイズ画像表示処理部(図4に示す)の動作によれば、PDP10の表示画面10A内における、リモコン200によって指定された位置及び画像サイズにて、図6に示す如き、入力映像信号VDに基づくリサイズ画像RSZが表示される。更に、かかる表示画面10A内においてリサイズ画像RSZの表示領域以外の領域、つまり背景領域には、このリサイズ画像RSZの基準点Gを中心にして表示画面10Aの外枠に向けて放射状に広がるパターン(以下、放射状画像パターンと称する)が背景画像として表示されることになる。この放射状画像パターンは、図6に示す如く、夫々がリサイズ画像RSZの基準点Gから表示画面10Aの外枠に向けて放射状に広がる複数の領域(ER、HR)毎に、その領域ERに属するリサイズ画像RSZ内の各画素に対応したリサイズ処理画素データRDを、基準点Gからの距離が大なるほど重みを付けて加重平均化して得られたものである。よって、その背景画像は、リサイズ画像RSZによる全体的な色調を維持したまま、各領域(ER、HR)毎にPDP10の表示画面10Aの外枠に向けて放射状に広げた画像パターンーンを有するものとなる。
【0045】
これにより、PDP10の表示画面10A内に表示されたリサイズ画像と、その背景画像との間に画像の連続性が保たれるので、視聴者にとっては画面全体が一連の表示画像に視覚され、違和感の無い鑑賞が為されるようになる。更に、背景画像がリサイズ画像に基づく放射状画像パターンを有するので、表示画面全体の視聴者に対する視覚効果として立体感・奥行き感が増すことになり、迫力のある画像を視聴者に提供することができる。又、背景画像を、所定の一定色(黒又は青色等)にする場合に比して、リサイズ画像と背景画像との境界部での輝度差を少なくすることができるので、その境界部で焼き付きの発生を防止することが可能となる。
【0046】
又、図4に示すリサイズ画像表示処理部では、表示画面内にリサイズ画像を表示するにあたり、その画像サイズを任意に調整することが可能なサイズ調整モードを備えている。これにより、視聴者の好みに応じた画像サイズにてリサイズ画像をPDP10の表示画面内に表示させることができるようになる。この際、リサイズ画像の画像サイズを、視聴者の視線の移動が少なくなるような最低限の大きさに縮小すれば、目の疲れを軽減させることが可能となる。更に、表示画面の解像度に比べて低解像度の入力映像信号が入力された場合であっても、縮小表示を行えば、弊害なく見た目で解像感の高い画像の視聴が可能となる。又、PDP10の表示画面のアスペクト比と異なるアスペクト比を有する画像を担う入力映像信号が供給された場合であっても、そのアスペクト比に適合した縮小画像を表示させることができるので、表示されるオブジェクトの形状の幾何学的歪みをゼロにして視聴することができる。
【0047】
尚、画像処理回路2内に、図4に示すリサイズ画像表示処理部と共にオービット処理部(図示せぬ)を設けるようにしても良い。オービット処理部は、表示画面10A内において図6に示す如きリサイズ画像RSZを所定サイクル時間毎に徐々に円弧状に移動させることにより画面の焼き付きを防止する、いわゆるオービット処理を実行する。この際、リモコン200によってリサイズ画像RSZの画像サイズを小さくするほど、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの移動範囲が広がるので、焼き付き防止効果が高くなる。
【0048】
又、画像処理回路2内には、図7に示すように、上記リサイズ画像表示処理部と共に、インポーズ処理部35を設けるようにしても良い。かかるインポーズ処理部35は、図1に示されるプラズマディスプレイ装置のチューナ部(図示せぬ)から供給された時刻情報や緊急情報等の文字情報を、図6に示す如き表示画面10A内における画面枠近傍の所定領域IMPに重畳表示させるべき処理を、背景画像メモリ25から読み出された画素データに対して施す。これにより、表示画面10A内の背景領域に時刻情報や緊急情報等の文字情報が表示されるので、主となるリサイズ画像に対して視聴の妨げが生じない。
【0049】
又、画像処理回路2内には、図8に示すように、上記リサイズ画像表示処理部と共に輝度補正回路36を設けるようにしても良い。かかる輝度補正回路36は、表示座標発生部26から供給された表示座標データDCに基づき、表示画面10Aの中心点から画面枠に向けて徐々に輝度を低下させるべき輝度低下処理を、背景画像メモリ25から読み出された画素データに対して施す。これにより、背景領域に表示される放射状画像パターンにおいて、画面枠側へいく程、その輝度レベルが低下した表示が為されるようになる。従って、輝度レベルを低下させた分だけ省電力化が図られると共に、表示画面の外周へ向かう程周囲が暗くなる分だけ、視覚的にリサイズ画像部の輝度が高まるような効果を得ることができる。
【0050】
又、図4に示される構成によると、例えば図9(a)に示すように1フレーム画像内の上下端部に黒帯状のレターボックスBLを含む画像を表す入力映像信号VDが供給された場合、このレターボックスBLの上端及び下端部各々から放射状に広がる背景領域において、図9(a)に示す如き暗色の放射状画像パターンBKPが表示されてしまう。よって、この放射状画像パターンBKPの境界部において輝度差が大となり、視聴者に違和感を与えてしまう。
【0051】
そこで、画像処理回路2に搭載するリサイズ画像表示処理部として、図4に示されるものに代えて図10に示されるものを採用するようにしても良い。
【0052】
尚、図10に示されるリサイズ画像表示処理部は、図4に示すリサイズ処理部21に代わりリサイズ処理部41及び黒帯除去部42を設けた点を除く他の構成は、図4に示されるものと同一である。
【0053】
そこで、以下に、これらリサイズ処理部41及び黒帯除去部42を中心にして、図10に示されるリサイズ画像表示処理部の動作について説明する。
【0054】
リサイズ処理部41は、先ず、各フレーム毎に、1フレーム分の画素データDDに対して、その画像サイズをリモコン200から送信されてきた画像サイズ指定信号によって示される画像サイズに拡大または縮小させるべきリサイズ処理を施すことにより、この画像サイズ内での各画素に対応したリサイズ処理画素データを生成する。例えば、1フレーム分の画素データDDによって表される画像(解像度:H[ドット」×V[ドット])のサイズを1/4に縮小させる場合、リサイズ処理部41は、この画像全体をH/2[ドット」×V/2[ドット]の画像サイズで表現したリサイズ画像における各画素毎のリサイズ処理画素データを生成するのである。そして、リサイズ処理部41は、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置に対応づけして各画素毎のリサイズ処理画素データを表すリサイズ処理画素データRDPを、リサイズ画像メモリ23及び黒帯除去部42に供給する。尚、ここで定義する画素の座標位置とは、PDP10の表示画面内での2次元座標位置ではなく、上記リサイズ画像の枠内での相対的な2次元座標位置である。この際、リサイズ画像メモリ23は、かかるリサイズ処理画素データRDPによって表されるリサイズ画像内での各画素の座標位置の順に、その座標位置に対応した上記リサイズ処理画素データを書き込む。また、リサイズ画像メモリ23は、画素データ出力指示部29から読出指令信号REが供給されている間に亘り、その記憶内容、つまりリサイズ処理画素データを書き込まれた順、つまり座標位置の順に読み出し、これを画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給する。
【0055】
黒帯除去部42は、1フレーム分の上記リサイズ処理画素データRDP毎に、先ず、このリサイズ処理画素データRDPによって表されるリサイズ画像中の上端部、下端部、右端部又は左端部に黒帯状のレターボックスが存在するか否かを判定する。ここで、黒帯状のレターボックスが存在しないと判定された場合、黒帯除去部42は、上記リサイズ処理画素データRDPをそのままリサイズ処理画素データRDとして背景画素データ生成部22に供給する。更に、この際、黒帯除去部42は、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置を示すリサイズ画像座標位置データRCを生成してアドレス情報生成部24に供給する。例えば、図5に示す如き各画素に対応した放電セルP(1,1)〜P(n,m)を備えたPDP10の表示画面10A内においてp[ドット」×q[ドット]のリサイズ画像RSZを表示させる場合には、座標位置(1,1)〜(p,q)を表すリサイズ画像座標位置データRCが生成される。一方、黒帯状のレターボックスが存在すると判定された場合、黒帯除去部42は、1フレーム分の上記リサイズ処理画素データRDP中から、このレターボックスの領域に含まれる画素各々に対応した画素データを省いたものをリサイズ処理画素データRDとして背景画素データ生成部22に供給する。更に、この際、黒帯除去部42は、上記リサイズ画像中から上記レターボックスの領域に含まれる画素各々の座標位置を省いてこのリサイズ画像内での各画素の座標位置示すリサイズ画像座標位置データRCを生成してアドレス情報生成部24に供給する。
【0056】
よって、黒帯除去部42の動作によれば、例え、黒帯状のレターボックスを含むリサイズ画像を表示する場合であっても、このリサイズ画像中からレターボックスを省いた画像に基づきその背景領域に表示させるべき放射状画像パターンが生成されるようになる。これにより、図9(b)に示す如く、表示画面10A内において、レターボックスBLを含むリサイズ画像RSZと共に、このリサイズ画像RSZ中からレターボックスBLを省いた画像に基づく放射状画像パターンがその背景領域に表示される。従って、かかる背景領域内において、図9(a)に示す如き画像の連続性を妨げるような放射状画像パターンBKPが表示されることはないので、視聴者は違和感の無い画像鑑賞を行うことが可能となる。
【0057】
尚、図9(b)に示す如きリサイズ画像RSZ中に含まれるレターボックスBLを排除するようにしても良い。
【0058】
図11は、かかる点に鑑みて為された図10に示される構成の変形例を示す図である。
【0059】
尚、図11に示されるリサイズ画像表示処理部では、図10に示すリサイズ処理部41に代わりリサイズ処理部51、黒帯除去部42に代わり黒帯マスク除去部52を採用した点を除く他の構成は、図10に示されるものと同一である。
【0060】
そこで、以下に、これら黒帯マスク除去部52及びリサイズ処理部51を中心にして、図11に示されるリサイズ画像表示処理部の動作について説明する。
【0061】
黒帯マスク除去部52は、A/D変換器1から供給された1フレーム分の画素データDD毎に、先ず、この1フレーム分の画素データDDによって表される画像中の上端部、下端部、右端部又は左端部に黒帯状のレターボックスが存在するか否かを判定する。ここで、黒帯状のレターボックスが存在しないと判定された場合、黒帯マスク除去部52は、画素データDDをそのまま黒帯除去画素データDDMとしてリサイズ処理部51に供給する。一方、黒帯状のレターボックスが存在すると判定された場合、黒帯マスク除去部52は、1フレーム分の上記画素データDD中から、このレターボックスの領域に含まれる画素各々に対応した画素データを省いたものを黒帯除去画素データDDMとしてリサイズ処理部51に供給する。
【0062】
リサイズ処理部51は、先ず、各フレーム毎に、1フレーム分の黒帯除去画素データDDMに対して、その画像サイズを上記画像サイズ指定信号によって指定された画像サイズに拡大または縮小させるべきリサイズ処理を施すことにより、この画像サイズ内での各画素に対応したリサイズ処理画素データを生成する。例えば、1フレーム分の黒帯除去画素データDDMによって表される画像(解像度:H[ドット」×V[ドット])のサイズを1/4に縮小させる場合、リサイズ処理部51は、この画像全体をH/2[ドット」×V/2[ドット]の画像サイズで表現した画像(以下、リサイズ画像と称する)における各画素毎のリサイズ処理画素データを生成するのである。次に、リサイズ処理部51は、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置を示すリサイズ画像座標位置データRCをアドレス情報生成部24に供給する。尚、ここで定義する画素の座標位置とは、PDP10の表示画面内での2次元座標位置ではなく、上記リサイズ画像の枠内での相対的な2次元座標位置である。そして、リサイズ処理部51は、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置に対応づけして各画素毎のリサイズ処理画素データを表すリサイズ処理画素データRDを、背景画素データ生成部22及びリサイズ画像メモリ23に供給する。
【0063】
よって、図11に示される構成によれば、黒帯状のレターボックスを含む画像を表す入力映像信号VDが供給された場合であっても、図9(c)に示すように、このレターボックスを省いたリサイズ画像RSZを表示させることが可能となる。
【0064】
これにより、表示画面10A内にリサイズ画像を表示するにあたり、リサイズ画像と背景画像との輝度差が無くなり、この表示画面の焼き付きが防止される。
【0065】
尚、図11に示される構成を採用すると、リサイズ画像中からレターボックスが間引かれてしまうので、このレターボックス内に字幕やテレビ局名などの文字情報が含まれていた場合には、その情報を表示することができない。
【0066】
そこで、画像処理回路2に搭載するリサイズ画像表示処理部として、図10に示す構成に代わり図12に示す如き構成を採用しても良い。
【0067】
尚、図12に示されるリサイズ画像表示処理部では、図10に示す黒帯除去部42に代わり黒帯マスク除去部62、画素データ出力指示部29に代わり画素データ出力指示部69を夫々採用すると共に、出力スイッチ70A、70B及び混合処理部71を新たに設けた点を除く他の構成は、図10に示されるものと同一である。
【0068】
そこで、以下に、これら黒帯マスク除去部62、画素データ出力指示部69、出力スイッチ70A、70B及び混合処理部71を中心にして、図12に示されるリサイズ画像表示処理部の動作について説明する。
【0069】
黒帯マスク除去部62は、リサイズ処理部41から供給された各フレーム毎のリサイズ処理画素データRDPに基づき、先ず、リサイズ処理画素データRDPによって表されるリサイズ画像中の上端部、下端部、右端部又は左端部に黒帯状のレターボックスが存在するか否かを判定する。ここで、黒帯状のレターボックスが存在しないと判定された場合、黒帯マスク除去部62は、上記リサイズ処理画素データRDPをそのままリサイズ処理画素データRDとして背景画素データ生成部22に供給すると共に、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置を示すリサイズ画像座標位置データRCを生成してアドレス情報生成部24に供給する。一方、黒帯状のレターボックスが存在すると判定された場合、黒帯マスク除去部62は、1フレーム分の上記リサイズ処理画素データRDP中から、このレターボックスの領域に含まれる画素各々に対応した画素データを省いたものをリサイズ処理画素データRDとして背景画素データ生成部22に供給する。更に、この際、黒帯マスク除去部62は、上記リサイズ画像中からレターボックス領域に含まれる画素各々の座標位置を省いて、このリサイズ画像内での各画素の座標位置示すリサイズ画像座標位置データRCを生成してアドレス情報生成部24に供給すると共に、かかるレターボックス領域に含まれる画素各々の座標位置を示すレターボックス座標位置データRCLを画素データ出力指示部69に供給する。
【0070】
画素データ出力指示部69は、先ず、表示座標データDCにて示される座標位置各々に対して順次、その座標位置が表示画面10A内のリサイズ画像RSZが表示されるべき有効領域に含まれるか又は背景領域に含まれるのかを、四隅画素座標位置データRDCに基づいて判定する。尚、表示座標データDCは、前述した如き表示座標発生部26から供給されたものであり、四隅画素座標位置データRDCはリサイズ画面表示位置設定部30から供給されたものである。ここで、表示座標データDCによって示される座標位置が背景領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部69は、先ず、上記表示画素角度データDCθ中からその座標位置に対応した方位角を検索し、この方位角が、図6に示す如き背景放射状領域HR1〜HR12の内のいずれの領域の存在方向を示すのかを判定する。そして、画素データ出力指示部69は、その判定結果としての背景放射状領域HRを示す背景放射状領域指定信号θRDを生成し、これを読出指令信号REと共に背景画像メモリ25に供給する。これにより、背景画像メモリ25は、上記背景放射状領域指定信号θRDによって示される背景放射状領域HRに対応した背景画素データWAR、WAG、又はWABを読み出し、これを背景画素データPDAとして出力スイッチ70Aに供給する。更に、この際、画素データ出力指示部69は、かかる背景画素データPDAを出力ラインOL及び混合処理部71の内の出力ラインOL側に供給させるべきスイッチング信号SWAを出力スイッチ70Aに供給する。
【0071】
一方、表示座標データDCによって示される座標位置が有効領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部69は、その座標位置を示すリサイズ画素読出指定信号RRD及び読出指令信号REをリサイズ画像メモリ23に供給する。これにより、リサイズ画像メモリ23は、リサイズ画素読出指定信号RRDによって示される座標位置に対応したリサイズ処理画素データを読み出し、これをリサイズ画素データPDBとして出力スイッチ70Bに供給する。又、この間、画素データ出力指示部69は、上記レターボックス座標位置データRCLに基づき、上記表示座標データDCによって示される座標位置がレターボックスに該当する座標位置であるか否かを判定する。ここで、レターボックスに該当しない座標位置であると判定された場合、画素データ出力指示部69は、かかるリサイズ画素データPDBを出力ラインOL及び混合処理部71の内の出力ラインOL側に供給させるべきスイッチング信号SWBを出力スイッチ70Bに供給する。一方、レターボックスに該当する座標位置であると判定された場合、画素データ出力指示部69は、上記表示画素角度データDCθ中からその座標位置に対応した方位角を検索し、この方位角が、図6に示す如き背景放射状領域HR1〜HR12の内のいずれの領域の存在方向を示すのかを判定する。そして、画素データ出力指示部69は、その判定結果としての背景放射状領域HRを示す背景放射状領域指定信号θRDを生成し、これを読出指令信号REと共に背景画像メモリ25に供給する。これにより、背景画像メモリ25は、上記背景放射状領域指定信号θRDによって示される背景放射状領域HRに対応した背景画素データWAR、WAG、又はWABを読み出し、これを背景画素データPDAとして出力スイッチ70Aに供給する。更に、この間、画素データ出力指示部69は、かかる背景画素データPDAを混合処理部71側に供給させるべきスイッチング信号SWAを出力スイッチ70Aに供給すると共に、上記リサイズ画素データPDBを混合処理部71側に供給させるべきスイッチング信号SWBを出力スイッチ70Bに供給する。
【0072】
出力スイッチ70Aは、背景画像メモリ25から読み出された背景画素データPDAを、スイッチング信号SWAに応じて、出力ラインOL及び混合処理部71の内の一方に供給する。この際、かかる背景画素データPDAを出力ラインOLに供給した場合には、この背景画素データPDAは画素データPDとして、出力ラインOLを介して図1に示すSFデータ生成回路3に供給される。
【0073】
出力スイッチ70Bは、リサイズ画像メモリ23から読み出されたリサイズ画素データPDBを、スイッチング信号SWBに応じて、出力ラインOL及び混合処理部71の内の一方に供給する。この際、かかるリサイズ画素データPDBを出力ラインOLに供給した場合には、このリサイズ画素データPDBは画素データPDとして、出力ラインOLを介してSFデータ生成回路3に供給される。
【0074】
混合処理部71は、出力スイッチ70Aから供給された背景画素データPDAと、出力スイッチ70Bから供給されたリサイズ画素データPDBとを、同一画素に該当する画素データ同士にて、その画素データによって示される輝度レベルを所定混合率にて混合したものを画素データPDとして、出力ラインOLを介してSFデータ生成回路3に供給する。
【0075】
従って、これら混合処理部71、出力スイッチ70A及び70Bによれば、黒帯状のレターボックスを含むリサイズ画像を表示させる場合には、以下の如き処理が為される。つまり、リサイズ画像中のレターボックスの表示領域に対しては、このレターボックスに対応した画像(リサイズ画素データPDB)と、リサイズ画像中からレターボックス部を省いた画像に基づいて生成された放射状パターンを有する背景画像(背景画素データPDA)とを混合した画像を表示させるべき画素データPDが生成されるのである。
【0076】
よって、かかる処理によれば、レターボックス内に字幕やテレビ局名などの文字情報が含まれていても、この文字情報を間引くこと無く、レターボックスの境界部での輝度差を小さくして画面の焼き付きを防止することが可能となる。
【0077】
尚、図12に示される構成において、混合処理部71では、背景画素データPDAとリサイズ画素データPDBとを混合することにより、SFデータ生成回路3に供給すべき画素データPDを生成するようにしているが、両者(PDA、PDB)の内で輝度レベルの高い方を画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給するようにしても良い。かかる構成によれば、レターボックス内の黒表示を担う画素に対してはこの黒表示よりも高輝度な背景画像を担う背景画素データPDAが画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給される。一方、レターボックス内の文字情報(白表示)を担う画素に対しては、背景画像よりも高輝度な文字情報を担うリサイズ画素データPDBが画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給される。これにより、リサイズ画像中のレターボックス内では、文字情報を担う画素以外の画素において背景画素データPDAに基づく背景画像表示が実行され、文字情報を担う画素においてリサイズ画素データPDBに基づく文字情報表示が為されるのである。
【0078】
又、上記実施例では、入力映像信号VDに基づく画像のサイズを縮小させて表示画面内に表示させる場合の動作について述べたが、この画像中から一部の領域を省いた画像を表示画面内に表示させる場合にも同様に適用可能である。
【0079】
図13は、かかる点に鑑みて為されたリサイズ画像表示処理部の構成を示す図である。
【0080】
尚、図13に示されるリサイズ画像表示処理部においては、図4に示すリサイズ処理部21に代わりリサイズ処理部81を採用した点を除く他の構成は、図4に示されるものと同一であるが、上記サイズ調整モードではなく、スタンダード表示モードにおいて動作するものである。
【0081】
以下に、リサイズ処理部81を中心にして、図13に示されるリサイズ画像表示処理部の動作について説明する。
【0082】
リサイズ処理部81には、PDP10の表示画面10A内において時計情報、天気予報等の文字情報を表示する為の図14(a)又は図14(b)に示す如き帯状の背景領域BYEの座標位置を示す情報が予め記憶されている。尚、図14(a)では、表示画面10A内の上端部(又は下端部)に背景領域BYEが形成され、その他の領域が、入力映像信号VDに基づく画像中から一部の領域を省いたリサイズ画像RSZが表示されるべき領域となる場合の一例を示す図である。又、図14(b)は、入力映像信号VDに基づく画像中から島状に一部の領域を省いたリサイズ画像RSZが表示画面10Aの全面に表示され、その一部の領域が背景領域BYEとなる場合の一例を示す図である。
【0083】
リサイズ処理部81は、先ず、各フレーム毎に、1フレーム分の画素データDD中から、上記背景領域BYEに属する画素各々に対応した画素データを間引いたものをリサイズ処理画素データRDとして生成し、背景画素データ生成部22及びリサイズ画像メモリ23に供給する。次に、リサイズ処理部81は、上記リサイズ処理画素データRDに基づく画像内での各画素の座標位置を示すリサイズ画像座標位置データRCをアドレス情報生成部24に供給する。
【0084】
かかるリサイズ処理部81の動作によれば、PDP10の表示画面10A内において、図14(a)又は図14(b)に示す如き背景領域BYEを除く領域、つまり有効領域EYEに、入力映像信号VDに基づく画像が表示されると共に、背景領域BYEには、かかる画像に基づいて生成された図6に示す如き放射状画像パターンを有する背景画像が表示される。よって、図13に示されるリサイズ画像表示処理部によって最終的に生成された画素データPDに対して、背景領域BYE内に時計情報、天気予報等の文字情報を重畳表示させるべき処理を施すようにすれば、視聴者に違和感を与えることなく表示画面の焼き付きを防止することが可能となる。
【0085】
又、図13に示す実施例において、図14(a)又は図14(b)に示す背景領域BYEと有効領域EYEとの境界付近に対しては、これら背景領域BYE及び有効領域EYE各々に表示されるべき画像同士を混合したものを表示するようにしても良い。
【0086】
図15は、かかる点に鑑みて為された、図13に示すリサイズ画像表示処理部の変形例を示す図である。
【0087】
尚、図15に示されるリサイズ画像表示処理部においては、図13に示すリサイズ画像メモリ23をリサイズ処理部81の後段ではなく前段に設け、画素データ出力指示部29に代わり画素データ出力指示部129を採用すると共に、出力スイッチ100A、100B及び混合処理部101を追加した点を除く他の構成は、図13に示すものと同一である。
【0088】
よって、以下にリサイズ画像メモリ23、出力スイッチ100A、100B、混合処理部101及び画素データ出力指示部129を中心にして、図15に示されるリサイズ画像表示処理部の動作について説明する。
【0089】
図15において、リサイズ画像メモリ23は、A/D変換器1から供給された1フレーム分の画素データDD各々を各画素毎にその座標位置の順に書き込む。また、リサイズ画像メモリ23は、画素データ出力指示部129から読出指令信号REが供給されている間に亘り、その記憶内容、つまり入力映像信号VDに基づく各画素毎の画素データを、書き込まれた順、つまり座標位置の順に読み出し、これをリサイズ画素データPDBとして出力スイッチ100Bに供給する。
【0090】
画素データ出力指示部129は、先ず、表示座標データDCにて示される座標位置各々に対して順次、その座標位置が、例えば図14(a)に示す如き表示画面10A内のリサイズ画像RSZが表示されるべき有効領域、背景領域BYE、或いは両者の境界部の境界領域KE(破線にて示す)のいずれの領域に含まれるのかを、上記四隅画素座標位置データRDCに基づいて判定する。
【0091】
ここで、表示座標データDCによって示される座標位置が背景領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部129は、先ず、上記表示画素角度データDCθ中からその座標位置に対応した方位角を検索し、この方位角が、図6に示す如き背景放射状領域HR1〜HR12の内のいずれの領域の存在方向を示すのかを判定する。そして、画素データ出力指示部129は、その判定結果としての背景放射状領域HRを示す背景放射状領域指定信号θRDを生成し、これを読出指令信号REと共に背景画像メモリ25に供給する。これにより、背景画像メモリ25は、上記背景放射状領域指定信号θRDによって示される背景放射状領域HRに対応した背景画素データWAR、WAG、又はWABを読み出し、これを背景画素データPDAとして出力スイッチ100Aに供給する。更に、この間、画素データ出力指示部129は、かかる背景画素データPDAを出力ラインOL及び混合処理部101の内の出力ラインOL側に供給させるべきスイッチング信号SWAを出力スイッチ100Aに供給する。
【0092】
また、表示座標データDCによって示される座標位置が有効領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部129は、その座標位置を示すリサイズ画素読出指定信号RRD及び読出指令信号REをリサイズ画像メモリ23に供給する。これにより、リサイズ画像メモリ23は、リサイズ画素読出指定信号RRDによって示される座標位置に対応したリサイズ処理画素データを読み出し、これをリサイズ画素データPDBとして出力スイッチ100Bに供給する。更に、この間、画素データ出力指示部129は、かかるリサイズ画素データPDBを出力ラインOL及び混合処理部101の内の出力ラインOL側に供給させるべきスイッチング信号SWBを出力スイッチ100Bに供給する。
【0093】
ここで、表示座標データDCによって示される座標位置が境界領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部129は、上記背景画素データPDA及びリサイズ画素データPDBを共に混合処理部101側に供給させるべきスイッチング信号SWA及びSWBを夫々出力スイッチ100A及び100Bに供給する。
【0094】
出力スイッチ100Aは、背景画像メモリ25から読み出された、放射状画像パターンを表す背景画素データPDAを、スイッチング信号SWAに応じて、出力ラインOL及び混合処理部101の内の一方に供給する。この際、かかる背景画素データPDAを出力ラインOLに供給した場合には、この背景画素データPDAは画素データPDとして図1に示すSFデータ生成回路3に供給される。
【0095】
出力スイッチ100Bは、リサイズ画像メモリ23から読み出されたリサイズ画素データPDBを、スイッチング信号SWBに応じて、出力ラインOL及び混合処理部101の内の一方に供給する。この際、かかるリサイズ画素データPDBを出力ラインOLに供給した場合には、このリサイズ画素データPDBは画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給される。
【0096】
混合処理部101は、出力スイッチ100Aから供給された背景画素データPDAと、出力スイッチ100Bから供給されたリサイズ画素データPDBとを、同一画素に該当する画素データ同士にて、その画素データによって示される輝度レベルを所定混合率にて混合したものを画素データPDとして、出力ラインOLを介してSFデータ生成回路3に供給する。
【0097】
従って、これら混合処理部101、出力スイッチ100A及び100Bによれば、入力映像信号に基づく画像中から一部の領域を間引き、その領域を文字情報を表示する為の背景領域とするにあたり、図14(a)に示す如き背景領域BYEと有効領域との境界領域KEでは、両領域に表示されるべき画像を混合した画像が表示されるようになる。よって、その境界部での輝度差が小さくなり、視聴者に対して違和感の少ない画像を提供することが可能となる。
【0098】
尚、図15に示される実施例では、背景領域BYE及び有効領域各々に表示させるべき画像同士を混合した画像を境界領域KEに表示させるようにしているが、背景領域BYEに対しても、この背景領域BYE及び有効領域各々に表示させるべき画像同士を混合した画像を表示させるようにしても良い。この際、図15に示すリサイズ処理部81は、各画素に対応した画素データDDをそのままリサイズ処理画素データRDとして背景画素データ生成部22及びリサイズ画像メモリ23に供給すると共に、上記リサイズ処理画素データRDに基づく画像内での各画素の座標位置を示すリサイズ画像座標位置データRCをアドレス情報生成部24に供給する。又、図15に示す画素データ出力指示部129は、表示座標データDCによって示される座標位置が背景領域に含まれると判定された場合には、境界領域KEであると判定された場合と同様に上記背景画素データPDA及びリサイズ画素データPDB各々を混合処理部101に供給させるべきスイッチング信号SWA及びSWBを夫々出力スイッチ100A及び100Bに供給する。かかる動作によれば、入力映像信号VDに基づく画像中の背景領域BYEに該当する部分に予め文字情報が含まれている場合に、この文字情報を半透明状態で表示画面10A内の背景領域BYEに表示させることが可能となる。
【0099】
又、図13に示される構成において、入力映像信号VDに基づく各フレーム毎の画素データDD中から、文字情報に対応した画像を担う画素データ(以下、文字画素データと称する)を抽出し、この文字画素データに基づく画像にのみオービット処理を施すようにしても良い。
【0100】
図16は、かかる点に鑑みて為された、図13に示す如きリサイズ画像表示処理部の変形例を示す図である。
【0101】
尚、図16に示されるリサイズ画像表示処理部においては、図13に示される画素データ出力指示部29に代わり画素データ出力指示部229を採用し、更に文字情報検出記憶部230を追加した点を除く他の構成は、図13に示されるものと同一である。
【0102】
よって、以下に画素データ出力指示部229及び文字情報検出記憶部230を中心にして、図16に示されるリサイズ画像表示処理部の動作について説明する。
【0103】
図16において、文字情報検出記憶部230は、入力映像信号VDに基づく各フレーム毎の画素データDD各々の内から、図14(a)又は図14(b)に示す如き背景領域BYEに含まれる文字情報に対応した文字画素データの検出を行う。この際、画素データDD各々の内から文字画素データの検出が為されたら、文字情報検出記憶部230は、この文字画素データに対応した画素の座標位置に対応づけして、かかる文字画素データを記憶する。更に、文字情報検出記憶部230は、文字画素データが検出されたことを示すと共にその文字画素データに対応した画素の座標位置を示す文字画素座標位置信号TDを画素データ出力指示部229に供給する。又、文字情報検出記憶部230は、画素データ出力指示部229から文字画素データに対応した画素の座標位置を示す文字画素データ読出信号TRが供給されたら、この文字画素データ読出信号TRによって示される座標位置に対応した文字画素データを読み出しこれを画素データPDとして図1に示されるSFデータ生成回路3に供給する。
【0104】
画素データ出力指示部229は、先ず、表示座標データDCにて示される座標位置各々に対して順次、その座標位置が図14(a)又は図14(b)の如き表示画面10A内のリサイズ画像RSZが表示されるべき有効領域に含まれるか、又は背景領域BYEに含まれるのかを、四隅画素座標位置データRDCに基づき判定する。ここで、有効領域であると判定された場合、画素データ出力指示部229は、その座標位置を示すリサイズ画素読出指定信号RRD及び読出指令信号REをリサイズ画像メモリ23に供給する。これにより、リサイズ画像メモリ23は、リサイズ画素読出指定信号RRDによって示される座標位置に対応したリサイズ処理画素データを読み出し、これを画素データPDとして図1に示すSFデータ生成回路3に供給する。一方、表示座標データDCによって示される座標位置が上記背景領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部229は、先ず、上記表示画素角度データDCθ中からその座標位置に対応した方位角を検索し、この方位角が、図6に示す如き背景放射状領域HR1〜HR12の内のいずれの領域の存在方向を示すのかを判定する。そして、画素データ出力指示部229は、その判定結果としての背景放射状領域HRを示す背景放射状領域指定信号θRDを生成し、これを読出指令信号REと共に背景画像メモリ25に供給する。これにより、背景画像メモリ25は、上記背景放射状領域指定信号θRDによって示される背景放射状領域HRに対応した背景画素データWAR、WAG、又はWABを読み出し、これを上記画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給する。
【0105】
又、画素データ出力指示部229は、文字情報検出記憶部230から文字画素座標位置信号TDが供給されたら、このフレームにおいて、かかる文字画素座標位置信号TDにて示される座標位置に対応した文字画素データを、この座標位置とは異なる所定座標位置に対応したタイミングで読み出すべき文字画素データ読出信号TRを文字情報検出記憶部230に供給する。この際、画素データ出力指示部229は、上記の所定座標位置を所定の一定周期毎に徐々に変更して行くことにより、文字情報表示に対してオービット処理を施す。
【0106】
これにより、表示画面10A内において比較的高輝度で表示される文字情報のみにオービット処理が施されることになるので、オービット処理が施される領域とそれ以外の領域との境界部において大きな輝度差が生じない。それ故に、視聴者に違和感を与えることなく、焼き付きの発生をより強固に防ぎながら、文字情報を表示することが可能となる。
【0107】
尚、図16に示す実施例においては、入力映像信号VDに対応した各画素毎の画素データDD各々から文字に対応した画素データを検出するようにしているが、検出すべき対象は文字情報に限定されない。例えば、文字検出の代わりに周知のエッジ検出方法によって、輝度差が大きい急峻な段差のある画像領域を検出して切り出し、その領域のみに対して同様の方法でオービット処理を施してもよい。
【0108】
更に、図16に示す構成に、図15に示される出力スイッチ100A、10B及び混合処理部101を追加することにより、上記オービット処理による所定座標位置において、文字情報に対応する文字画素データと、この所定座標位置での画素データとを所定混合率で混合したものを画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給するようにしても良い。この場合、文字情報の表示が半透明状となり、更に焼き付きの防止効果を得ることができる。更に、図16に示されるリサイズ処理部81において、文字情報検出記憶部230と同様な文字情報検出を行うようにしても良い。この際、リサイズ処理部81は、文字情報検出によって検出された文字情報の座標位置を背景領域BYEとし、この座標位置を示す情報を画素データ出力指示部229に供給する。すなわち、文字情報に対応する画素のみを背景領域BYEとし、この部分だけにオービット処理を施すのである。かかる構成により、表示画面10A内において放射状画像パターンを表示させる領域を最小限にすることができるので、文字情報のみにオービット処理を施して焼き付き防止を図ると共に画像表示のリアリティを高めることが可能となる。
【0109】
又、上記実施例においては、リサイズ画像RSZによる2次元平面の中心点を、表示画面10A内の背景領域に表示させるべき放射状画像パターンを生成する為の基準点Gとしているが、基準点Gは、必ずしもリサイズ画像RSZの中心点でなくても良い。例えば、上記アドレス情報生成部24及び基準点表示位置設定部31各々にも画素データDDが供給される構成とし、両者において、各フレーム毎の画素データDDによって表される画像中から、消失点(透視図法における)を検出し、その消失点を基準点Gとして設定する。尚、消失点は、例えば、Hough変換等の直線検出を用いて複数の直線から確からしい交点を推定するなどの周知の手法により取得することができる。かかる構成によれば、視覚効果の集中線の中心である基準点が、画像の消失点と一致するので、表示画面10A内の全面に表示される画像が線遠近法を用いた透視図で表された様な画像となり、よりリアリティの高い画像となり、視聴者にとってはより違和感が無くなる。
【0110】
又、上記アドレス情報生成部24及び基準点表示位置設定部31各々において、各フレーム毎の画素データDDによって表される画像中から地平線や水平線検出を行い、基準点Gをリサイズ画像RSZの中心点ではなく、この地平線上に設定するようにしてもよい。以下に、かかる構成を採用したことによる効果について図17(a)及び図17(b)を参照しつつ説明する。尚、図17(a)及び図17(b)は、表示画面10A内において、例えば「空」及び「海」を夫々表す画像領域の境界線KQが水平線となる画像を表すリサイズ画像RSZが表示された場合を示すものである。この際、図17(a)は、リサイズ画像RSZの中心点を基準点Gとして「海」を表す画像E1に基づく放射状画像パターンを生成し、これを背景領域に表示させた場合での表示形態の一例を示す図である。図17(a)では、背景領域内において放射状画像領域HGによって形成される境界線MQの伸張方向と、リサイズ画像RSZ内での境界線KQの伸張方向(水平方向)と、が異なる為に視聴者に違和感を与える。一方、図17(b)は、リサイズ画像RSZ中において「空」及び「海」を夫々表す画像領域の境界線KQ上に基準点Gを設定した場合での放射状画像領域HGの形態を示す図である。この際、図17(b)に示すように、背景領域内において放射状画像領域HGによって形成される境界線の伸張方向は、境界線KQの伸張方向(水平方向)と同一となるので、リサイズ画像RSZ及び背景画像間で画像の連続性が保たれ、視聴者に対してよりリアリティのある画像が提供されるようになる。
【0111】
また、基準点Gを設定するにあたり、リサイズ画像RSZ中に含まれる複数の表示物体の内の1の表示物体を対象とし、その表示物体の重心を基準点Gとして設定するようにしても良い。この際、上記アドレス情報生成部24及び基準点表示位置設定部31は、リサイズ画像RSZ中に含まれる表示物体の内で、最もサイズが大なる表示物体、最も輝度レベルが高い表示物体、リサイズ画像RSZの中心点に最も近い位置に存在する表示物体、或いはこの中心点に存在する表示物体の重心を基準点Gとして設定する。すなわち、画像中で視聴者が一番注目しそうな表示物体の重心位置を基準点Gとして放射状に伸びる放射状画像パターンを背景領域に表示させるのである。これにより、視聴者にとってよりリアリティのある画像が視覚されることになる。
【0112】
又、上記実施例に示されるが如き放射状画像パターンを背景領域に表示させるようにした技術を、フィルムソースに基づく映像信号をNTSC(National Television Standards Committee)に準拠したテレビジョン映像信号に準ずるフレームレートに変換する際のフレームレート変換処理にも利用することも可能である。例えば、入力映像信号VDに基づく第1フレームの画像が図18(a)、それに続く第2フレームの画像が図18(b)である場合、フレームレート変換処理では図18(c)に示す如き両者の中間時点での補間画像を生成する。すなわち、図18(a)に示すように画面中央に存在した円形の表示物体DOPが、次のフレームにおいて図18(b)に示す如く画面右端に移動する場合、フレームレート変換処理では、先ず、図18(a)に示す画像中から領域AQに対応した画像のみを抽出し、これをそのまま図18(c)に示す領域BQでの画像とする。ここで、かかる領域BQの画像を新たにリサイズ画像RSZと定義すると共に、図18(c)に示す領域CQを背景領域と捉える。その上で、背景画素データ生成回路22において、この背景領域に表示させるべき放射状画像パターンを表す背景画素データWAを、上記リサイズ画像RSZに基づいて生成させるのである。
【0113】
又、入力映像信号VD中に、この映像信号の撮影元であるビデオカメラの撮影状況情報(画面パン方向、画面回転方向)が含まれている場合には、この撮影状況情報に基づいて、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの表示位置を移動させるようにしても良い。この際、リサイズ画面表示位置設定部30は、入力映像信号VDに含まれている撮影状況情報を取り込む。そして、リサイズ画面表示位置設定部30は、この撮影状況情報によって示される画面パン方向、又は画面回転方向によって示される方向にリサイズ画像RSZの表示画面10A内での表示位置を移動させた際のリサイズ画像RSZの四隅座標位置を求め、かかる四隅座標位置を示す四隅画素座標位置データRDCを生成する。これにより、表示画面10A内において、リサイズ画像RSZの表示位置が、入力映像信号の撮影元であるビデオカメラの撮影状況情報に従って自動的に移動する。例えば、図19(a)の如く、第1フレームにおいてリサイズ画像RSZに含まれる表示物体DOPが表示画面10A内の略中央に表示されていたとする。そして、次の第2フレームまでの間でビデオカメラが右方向にパンすると、本来、そのビデオカメラによって撮影された第2フレームの画像は、図19(b)の如く、表示物体DOPがリサイズ画像RSZ内の左端に移動したものとなる。この際、上記の如きリサイズ画面表示位置設定部30は、入力映像信号VDに含まれている撮影状況情報を取り込み、その情報によって示される画面パン方向が右方向であることから、現時点でのリサイズ画像RSZの表示位置を右方向に移動した際の新たなリサイズ画像RSZにおける四隅画素座標位置データRDCを生成する。これにより、次の第2フレームにおいて、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの表示位置は、図19(c)に示すように、画面右方向に移動したものとなる。これにより、動画像に対してもフレーム相関が大きくなるのでフレーム巡回ディザ処理を行う場合において、視聴者におけるディザノイズが認識されにくくなる。何故ならば、一般的にディザ処理は視聴者の視線が動かない場合に最適になる様に設定されており、この例の場合、表示物体DOPが表示画面10A内を移動する移動量が小となるので、かかる表示物体DOPを注視する視聴者の視線が殆ど移動しないからである。
【0114】
又、上記実施例に示されるが如き放射状画像パターンを背景領域に表示させるようにした技術を、ビデオカメラの手ブレ補正処理に利用することも可能である。例えば、手ブレ状態でビデオカメラによって撮影された第1フレームの画像が図20(a)、続く第2フレームの画像が図20(b)である場合、手ブレ補正処理では第2フレームの画像を図20(c)に示す如き状態に補正する。すなわち、図20(a)の如くリサイズ画像RSZの中央部に存在した円形の表示物体DOPが、手ブレの影響により、次の第2フレームにおいて図20(b)に示すようにリサイズ画像RSZ内の左端に移動してしまった場合、手ブレ補正処理では、先ず、図20(a)に示す画像中から領域AQに対応した画像のみを抽出し、これをそのまま図20(c)に示す領域BQでの画像とする。ここで、かかる領域BQの画像を新たにリサイズ画像RSZと定義すると共に、図20(c)に示す領域CQを背景領域と捉える。その上で、背景画素データ生成回路22において、この背景領域に表示させるべき放射状画像パターンを表す背景画素データWAを、上記リサイズ画像RSZに基づいて生成させるのである。
【0115】
又、前後のフレームで、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの表示位置が移動した場合、その移動量にあわせて基準点Gを移動させても良く、或いは固定しても良い。更に、前後のフレームで、基準点Gの表示画面10A内での位置を移動させた場合、その移動量に追従してリサイズ画像RSZの表示位置を移動させてもよい。
【0116】
以下に、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの移動に伴う、基準点Gの座標位置の移動例を図21(a)〜図21(c)を参照しつつ説明する。
【0117】
尚、図21(a)は第1フレームの画像、図21(b)及び図21(c)は夫々この第1フレームに後続する第2フレームの画像を表すものである。
【0118】
先ず、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの表示位置が図21(a)に示す如き第1フレームから図21(b)に示す第2フレームの状態に遷移した場合、つまり、画面右方向に移動した場合、図21(b)の状態では、リサイズ画像RSZの移動にあわせてその基準点Gも移動する。よって、かかるリサイズ画像RSZの移動に伴い、その背景領域に表示される放射状画像パターンの形態も図21(a)の状態から変化し、立体感・臨場感が維持される。一方、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの表示位置が図21(a)に示す如き第1フレームから図21(c)に示す第2フレームの状態に遷移した場合、リサイズ画像RSZの基準点Gの座標位置は変化しない。すなわち、この際、背景領域に表示される放射状画像パターンの形態も図21(a)の状態から変化しないので、その画像の立体感・臨場感は図21(b)の状態に比して低下する。しかしながら、たとえ表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの移動量が大きい場合であっても、図21(b)の状態に遷移する場合に比して視聴者への目の負担が軽減される。
【0119】
ここで、例えば、図22に示す如く、リサイズ画像RSZ中に人物等の表示物体が存在する場合、背景領域中における人物近傍の放射状領域ERa及びERb各々で表示させるべき放射状画像パターンは、リサイズ画像RSZ内の人物に対応した画素データに基づいて生成されることになる。この際、背景領域内において図22に示す如き放射状領域ERa及びERb以外の領域では、リサイズ画像RSZ中における人物以外の背景画像に基づき、放射状画像パターンが生成される。よって、表示画面10A内の背景領域において放射状に大きな輝度差のある境界部が発生してしまい視聴者に違和感を与えてしまうことになる。
【0120】
この様な場合、先ず、リサイズ画像RSZに対応した画素データに対して表示物体に該当する領域の検出を行い、表示物体が検出された領域を近景画像領域とする一方、表示物体が検出されなかった領域を背景部に該当する遠景画像領域とする。そして、遠景画像領域内のリサイズ処理画素データRDの比重を大きく、又は近景画像領域のリサイズ処理画素データRDを排除した上で、背景画素データ生成回路22において、放射状領域ERa及びERbに表示させるべき放射状画像パターンを表す背景画素データWAを生成させるのである。なお、上述した如き放射状領域ERa及びERbに対応するリサイズ画像RSZ内に遠景画像領域が存在しない場合、その周囲の遠景画素領域内のリサイズ処理画素データRDを代用して背景画素データWAを生成してもよい。以上の処理により、図22に示す如き表示画面10A内の背景領域の全領域が、リサイズ画像RSZ内での背景部を表すリサイズ処理画素データRDに基づいて生成された画像となる。よって、上述した如き輝度差の大きい境界部の発生を防ぐと共に、表示物体がより目立つようになり、視聴者にとって見やすい画像となる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明による画像表示方法に従って画像表示を行うプラズマディスプレイ装置の概略構成を示す図である。
【図2】PDP10を駆動する際の発光駆動シーケンスの一例を示す図である。
【図3】リモコン200の操作面の一部を示す図である。
【図4】図1に示される画像処理回路2に搭載されているリサイズ画像表示処理部の内部構成の一例を示す図である。
【図5】PDP10の表示画面10A内に表示されたリサイズ画像RSZと、各画素位置との対応関係を示す図である。
【図6】表示画面10A内のリサイズ画像RSZ内において定義された放射状領域(ER1〜ER12)及び背景領域内において定義された背景放射状領域(HR1〜HR12)の形態の一例を示す図である。
【図7】図4に示されるリサイズ画像表示処理部の他の一例を示す図である。
【図8】図4に示されるリサイズ画像表示処理部の他の一例を示す図である。
【図9】図10に示されるリサイズ画像表示処理部による表示動作の一例を示す図である。
【図10】図4に示されるリサイズ画像表示処理部の他の一例を示す図である。
【図11】図10に示されるリサイズ画像表示処理部の変形例の一例を示す図である。
【図12】図10に示されるリサイズ画像表示処理部の変形例の一例を示す図である。
【図13】図4に示されるリサイズ画像表示処理部の他の一例を示す図である。
【図14】図13に示されるリサイズ画像表示処理部の動作を説明する為の図である。
【図15】図13に示されるリサイズ画像表示処理部の変形例を示す図である。
【図16】図13に示されるリサイズ画像表示処理部の変形例を示す図である。
【図17】リサイズ画像表示処理部による表示動作の他の一例を示す図である。
【図18】リサイズ画像表示処理部による表示動作の他の一例を示す図である。
【図19】リサイズ画像表示処理部による表示動作の他の一例を示す図である。
【図20】リサイズ画像表示処理部による表示動作の他の一例を示す図である。
【図21】リサイズ画像表示処理部による表示動作の他の一例を示す図である。
【図22】リサイズ画像表示処理部による表示動作の他の一例を示す図である。
【主要部分の符号の説明】
【0122】
2 画像処理回路
10 PDP
200 リモコン
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力映像信号に対応した画像を表示する際の画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高精細画像を表示するディスプレイ装置として、40インチ以上の大画面を有するものが製品化されている。ところが、このような大画面の表示を比較的近距離から鑑賞する場合には、かえって画像が大き過ぎて見にくくなるという問題があった。
【0003】
そこで、入力映像信号に基づく画像を画面のサイズよりも縮小させて、その画面内の一部の領域に表示させるようにした映像装置が提案された(例えば特許文献1参照)。かかる映像装置では、画面内において、上述した如く縮小された画像が表示される領域以外の部分(背景領域)に対しては、所定の単色(例えば黒又は青色)表示を行うようにしている。
【0004】
しかしながら、このような表示によると、縮小された画像の外周部、つまり上記背景領域ではその縮小された画像とは何ら関連性の無い単色表示が為されるので、鑑賞者に違和感を与えてしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2003−58101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる問題を解決すべく為されたものであり、鑑賞者に違和感を与えることなく、縮小画像又は画像の一部が間引かれた画像を表示画面内の一部領域に表示させることが可能な画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載による画像表示方法は、入力映像信号に基づく画像を表示パネルによって表示する画像表示方法であって、前記表示パネルの表示画面を少なくとも2つの第1領域及び第2領域に分割し、前記入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を前記第1領域内に表示させると共に、前記第1領域内に表示される画像を前記表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを生成しこれを前記第2領域内に表示させる。
【0007】
又、請求項15記載による画像表示方法は、入力映像信号に基づく画像を表示パネルによって表示する画像表示方法であって、前記表示パネルの表示画面内において前記表示画面のサイズよりも小なる画像サイズを有する第1領域及びこの第1領域の周辺に存在する第2領域の内の前記第1領域には、前記入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を縮小させて表示させる一方、前記第2領域には前記第1領域内に表示される画像を前記表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを有する背景画像を表示させる。
【0008】
又、請求項16記載による画像表示方法は、入力映像信号に基づく画像を表示パネルによって表示する画像表示方法であって、前記表示パネルの表示画面を少なくとも2つの第1領域及び第2領域に分割し、前記入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を前記第1領域内に表示させると共に、前記第1領域内に設定された基準点を中心として前記表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを前記第2領域内に表示させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を表示画面内の第1領域に表示させると共に、この第1領域内に表示される画像を表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを表示画面内の第2領域に表示させる。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明に基づく画像表示方法に従って、入力映像信号に対応した画像を表示するプラズマディスプレイ装置の構成を示す図である。
【0011】
図1において、プラズマディスプレイパネルとしてのPDP10は、放電ガスが封入されている放電空間を挟んで対向配置された前面透明基板(図示せぬ)及び背面基板(図示せぬ)を備えている。前面透明基板の一方の面は表示画面を担う。又、前面透明基板の他方の面上には表示画面の横方向(水平方向)に夫々伸張して配列された行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Ynが形成されている。これら行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Ynは、夫々一対の行電極Xi及びYi(i:1〜n)にて、PDP10における第1〜第n表示ラインを担っている。背面基板上には、行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Yn各々と交叉するように、2次元表示画面の縦方向(垂直方向)に夫々伸張して配列された列電極D1〜Dmが形成されている。上記放電空間を含む各行電極対(X、Y)と列電極Dとの交叉部に、画素としての放電セル(表示セル)Pが形成される構造となっている。尚、放電セルP(1,1)〜P(n,m)の内で、第(3t−2)列(t:1〜m/3なる整数)に属する放電セル、つまり、第1列、第4列、第7列、・・・、第(m−2)列に属する放電セルP内には赤色発光を為す蛍光体が形成されており、放電に伴い赤色の表示光を放出する。又、放電セルP(1,1)〜P(n,m)の内で、第(3t−1)列(t:1〜m/3なる整数)に属する放電セル、つまり、第2列、第5列、第8列、・・・、第(m−1)列に属する放電セルP内には緑色発光を為す蛍光体が形成されており、放電に伴い緑色の表示光を放出する。又、放電セルP(1,1)〜P(n,m)の内で、第(3t)列(t:1〜m/3なる整数)に属する放電セル、つまり、第3列、第6列、第9列、・・・、第m列に属する放電セルP内には青色発光を為す蛍光体が形成されており、放電に伴い青色の表示光を放出する。
【0012】
A/D変換器1は、入力映像信号VDを各画素(放電セルP)毎にその輝度レベルを例えば8ビットで表す画素データDDに変換して画像処理回路2に供給する。
【0013】
画像処理回路2は、各画素毎の画素データDDに対して、リモコン200から供給された各種操作指令信号に応じた各種画像処理(後述する)を施して得られた各画素毎の画素データPDをSFデータ生成回路3に供給する。尚、リモコン200は、操作者からの各種操作(後述する)を受け付けその操作内容に対応した操作指令信号をこのプラズマディスプレイ装置に送信するものであり、上記画像処理回路2の他にチューナ部(図示せぬ)及びオーディオ部(図示せぬ)に対する操作制御をも行う。
【0014】
SFデータ生成回路3は、各画素データPDに対し、先ず、誤差拡散処理及びディザ処理等からなる多階調化処理を施す。例えば、SFデータ生成回路3は、画素データPDの上位ビット群を表示データ、残りの下位ビット群を誤差データと捉える。SFデータ生成回路3は、周辺画素各々に対応した画素データにおける上記誤差データを重み付け加算したものを、上記表示データに反映させることにより誤差拡散処理画素データを得る(誤差拡散処理)。次に、SFデータ生成回路3は、互いに隣接する複数の画素からなる画素群毎に、各画素に対応した上記誤差拡散処理画素データに夫々、互いに異なる係数値からなるディザ係数を夫々割り当てて加算し、その加算結果中の所定の上位ビット群を多階調化画素データとして得る(ディザ処理)。次に、SFデータ生成回路3は、上記多階調化画素データに基づき、図2に示す如きN個(N:整数)のサブフィールドSF1〜SF(N)各々において、放電セルPを点灯及び消灯モードの内のいずれの状態に設定するのかを各ビット毎に示すSFデータGDを生成する。SFデータ生成回路3は、各画素毎のSFデータGD各々を順次、SFメモリ4に供給する。
【0015】
SFメモリ4は、SFデータGDの各々を順次書き込み、1フレーム分の書き込みが終了する度に、以下の如き読み出し動作を行う。すなわち、SFメモリ4は、図2に示す如きサブフィールドSF1〜SF(N)各々において、1フレーム分のSFデータGD各々から、そのサブフィールドに対応したビット桁を分離して読み出し、夫々アドレスデータビットDBとしてアドレスドライバ6に供給する。
【0016】
駆動制御回路20は、図2に示す発光駆動シーケンスに従って、PDP10を駆動すべき各種駆動制御信号を、アドレスドライバ6、X電極ドライバ7及びY電極ドライバ8からなるパネルドライバに供給する。すなわち、駆動制御回路20は、1フレーム又は1フィールド表示期間(以下、単位表示期間と称する)毎に、図2に示すサブフィールドSF1〜SF(N)各々において、アドレス行程W及びサスティン行程Iに従った駆動を順次実施させるべき各種制御信号をパネルドライバに供給する。尚、駆動制御回路20は、先頭のサブフィールドSF1に限り、アドレス行程Wに先立ち、リセット行程Rに従った駆動を実施させるべき各種制御信号をパネルドライバに供給する。パネルドライバ(アドレスドライバ6、X電極ドライバ7及びY電極ドライバ8)は、駆動制御回路20から供給された各種制御信号に応じた駆動パルスを生成してPDP10の列電極D、行電極X及びYに供給する。
【0017】
先ず、先頭のサブフィールドSF1のリセット行程Rでは、X電極ドライバ7及びY電極ドライバ8が、リセットパルスを全ての行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Ynに印加する。かかるリセットパルスの印加に応じて、全ての放電セルP内においてリセット放電が生起され、全放電セルP内には所定量の壁電荷が形成される。これにより、全ての放電セルPは点灯モードの状態に初期化される。又、サブフィールドSF1〜SF(N)各々のアドレス行程Wでは、アドレスドライバ6が、SFメモリ4から供給されたアドレスデータビットDBの論理レベルに対応したパルス電圧を有する画素データパルスを生成する。例えば、アドレスドライバ6は、アドレスデータビットDBが論理レベル1である場合には高電圧、論理レベル0である場合には低電圧の画素データパルスを生成する。そして、アドレスドライバ6は、かかる画素データパルスを1表示ライン分(m個)ずつの画素データパルス群として列電極D1〜Dmに印加する。更に、アドレス行程Wでは、Y電極ドライバ8が、各画素データパルス群の印加タイミングと同一タイミングにて、走査パルスを行電極Y1〜Ynへと順次印加して行く。この際、走査パルスが印加された行電極と、高電圧の画素データパルスが印加された列電極との交叉部の放電セルPにのみ選択的に放電が生じ、その放電セルP内に残存していた壁電荷が消去される。つまり、壁電荷を失った放電セルPは消灯モードに設定されるのである。一方、かかる放電が生起されなかった放電セルPはその直前までの状態、つまり点灯モード又は消灯モードの状態を維持する。
【0018】
サブフィールドSF1〜SF(N)各々のサスティン行程Iでは、X電極ドライバ7及びY電極ドライバ8が、各サブフィールドの輝度重みに対応した回数分だけ、行電極X1〜Xn及びY1〜Ynに対して交互に繰り返しサスティンパルスを印加する。かかるサスティンパルスが印加される度に、壁電荷が残留したままとなっている放電セルP、すなわち点灯モードの状態にある放電セルPがサスティン放電し、そのサスティン放電に伴う発光状態を維持する。
【0019】
以上の如き駆動により、単位表示期間毎に、入力映像信号VDによって示される輝度レベルに対応した数の分だけサスティン放電が繰り返し生起され、そのサスティン放電の総数に対応した中間輝度が視覚される。
【0020】
尚、図1に示されるプラズマディスプレイ装置は、入力映像信号VDに基づく画像をPDP10による表示画面内に表示するにあたり、その画像全体のサイズを任意のサイズに変更、いわゆるリサイズすることが可能な画像サイズ調整機能を備えている。この画像サイズ調整機能を利用する場合、使用者は、先ず、図3に示す如くリモコン200の操作面に設けられているサイズモードキーSMを押圧する。かかるサイズモードキーSMの押圧操作に応じて、リモコン200は、サイズモード指令信号を送信する。画像処理回路2は、かかるサイズモード指令信号に応じて、
・スタンダード表示
・フル表示
・サイズ調整
の内のいずれのサイズモードで表示を実施させるのかを使用者側に選択させる為の画像(図示せぬ)を重畳表示させるべき画像処理を画素データDDに対して施す。尚、スタンダード表示モードは、入力映像信号VDによって表される画像のサイズ及びアスペクト比を維持したまま、その画像をPDP10の表示画面内に表示させる為のモードである。又、フル表示モードは、入力映像信号VDによって表される画像のアスペクト比を強制的にPDP10の表示画面のアスペクト比と一致させるべき処理を施してその画像を表示画面一杯に表示させる為のモードである。又、サイズ調整モードは、入力映像信号VDによって表される画像のアスペクト比を維持したまま、使用者が指定した任意のサイズにてPDP10の表示画面内にその画像を表示させる為のモードである。
【0021】
ここで、使用者が、図3に示す如きリモコン200の操作面に設けられている方向キーKYを操作することにより、上記の如きサイズモードの内からサイズ調整モードを指定すると、リモコン200は、サイズ調整モード指令信号を送信する。その後、使用者が、リモコン200の方向キーKYを操作することにより、PDP10の表示画面内に表示させるべき画像サイズ及びその画像を表示させるべき表示画面内での基点となる表示位置(以下、基点表示位置と称する)を指定すると、リモコン200は、これら指定された画像サイズ及び基点表示位置を夫々表す画像サイズ指定信号を送信する。
【0022】
画像処理回路2に搭載されているリサイズ画像表示処理部は、リモコン200から送信されてきたサイズ調整モード指令信号を受信すると、入力映像信号VDに基づく画像を上記画像サイズ指定信号によって指定された画像サイズ及び基点表示位置でPDP10の表示画面内に表示させるべき処理を各画素毎の画素データDDに対して施す。
【0023】
図4は、かかるリサイズ画像表示処理部の構成の一例を示す図である。
【0024】
図4において、リサイズ処理部21は、先ず、各フレーム毎に、1フレーム分の画素データDDに対して、その画像サイズを上記画像サイズ指定信号によって指定された画像サイズに拡大または縮小させるべきリサイズ処理を施すことにより、この画像サイズ内での各画素に対応したリサイズ処理画素データを生成する。例えば、1フレーム分の画素データDDによって表される画像(解像度:H[ドット」×V[ドット])のサイズを1/4に縮小させる場合、リサイズ処理部21は、この画像全体をH/2[ドット」×V/2[ドット]の画像サイズで表現した画像(以下、リサイズ画像と称する)における各画素毎のリサイズ処理画素データを生成するのである。
【0025】
次に、リサイズ処理部21は、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置を示すリサイズ画像座標位置データRCをアドレス情報生成部24に供給する。尚、ここで定義する画素の座標位置とは、PDP10の表示画面内での2次元座標位置ではなく、上記リサイズ画像の枠内での相対的な2次元座標位置である。例えば、図5に示す如く、各画素に対応した放電セルP(1,1)〜P(n,m)を備えたPDP10の表示画面10A内においてp[ドット」×q[ドット]のリサイズ画像RSZを表示させる場合には、座標位置(1,1)〜(p,q)を表すリサイズ画像座標位置データRCが生成される。
【0026】
そして、リサイズ処理部21は、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置に対応づけして各画素毎のリサイズ処理画素データを表すリサイズ処理画素データRDを、背景画素データ生成部22及びリサイズ画像メモリ23に供給する。
【0027】
リサイズ画像メモリ23は、リサイズ処理画素データRDによって表されるリサイズ処理画素データを、後述するリサイズ画素座標位置データDRCによって示されるリサイズ画像内での各画素の座標位置に対応させて順次書き込む。また、リサイズ画像メモリ23は、後述する画素データ出力指示部29から供給された読出指令信号RE及びリサイズ画素読出指定信号RRDに応じて、このリサイズ画素読出指定信号RRDによって示される座標位置の画素に対応したリサイズ処理画素データを読み出し、これを画素データPDとして図1に示すSFデータ生成回路3に供給する。
【0028】
アドレス情報生成部24は、リサイズ画像座標位置データRCに基づき、先ず、そのリサイズ画像内の所定の基準点から画像平面上において放射状に伸びる複数の放射状ラインを想定し、これら放射状ライン各々の内で互いに隣接するもの同士で囲まれた領域を放射状領域ERとして定義する。例えば、図6においては、PDP10の表示画面10Aに表示されるリサイズ画像RSZの中心点を基準点Gとし、この基準点Gから放射状に伸びる放射状ラインL1〜L12の内で互いに隣接する放射状ラインLで囲まれた放射状領域ER1〜ER12を定義する。次に、アドレス情報生成部24は、リサイズ画像座標位置データRCによって示される各座標位置毎に、その座標位置が上記放射状領域ER各々の内のいずれに含まれるのかを判別すると共に、その座標位置から基準点Gまでの直線距離を基準点間距離Kとして求める。例えば、図6において、リサイズ画像RSZ中の座標位置(T、M)は、放射状領域ER2に含まれており、その基準点間距離KはK1である。
【0029】
そして、アドレス情報生成部24は、上述した如きリサイズ画像内の各座標位置毎の放射状領域ER及び基準点間距離Kを、その座標位置に対応づけして表すアドレス情報AIを背景画素データ生成部22に供給する。
【0030】
背景画素データ生成部22は、アドレス情報AI及びリサイズ処理画素データRDに基づき、PDP10の表示画面内において、リサイズ画像が表示される領域(以下、有効領域と称する)外の領域(以下、背景領域と称する)に表示させるべき画像を担う各画素毎の画素データ(以下、背景画素データと称する)を生成する。
【0031】
すなわち、背景画素データ生成部22は、アドレス情報AIによって示される放射状領域ER各々毎に、その放射状領域ER内の全画素を対象とし、各画素の座標位置でのリサイズ処理画素データRDを用いた以下の如き加重平均演算を各画素色(赤、緑、青)毎に行う。これにより、各放射状領域ER毎に、その放射状領域ERを挟む2つの放射状ラインLに挟まれた背景領域内での領域(以下、背景放射状領域HRと称する)に表示させるべき画像を担う各色(R、G、B)毎の背景画素データWAR、WAG、WABを生成する。
【0032】
WAR=Σ(RDiR×F(Ki))/ Σ(F(Ki))
WAG=Σ(RDiG×F(Ki))/ Σ(F(Ki))
WAB=Σ(RDiB×F(Ki))/ Σ(F(Ki))
i:1〜Q(Q:各放射状領域ERに含まれる画素数)
F :一様増加特性の関数
RDiR:i画素目の赤色の画素データ
RDiG:i画素目の緑色の画素データ
RDiB:i画素目の青色の画素データ
Ki :i画素目の基準点間距離
つまり、上記加重平均演算により、背景放射状領域HR内の全ての赤色画素に共通の画素データとして背景画素データWAR、背景放射状領域HR内の全ての緑色画素に共通の画素データとして背景画素データWAG、及び背景放射状領域HR内の全ての青色画素に共通の画素データとして背景画素データWABが夫々生成されるのである。
【0033】
例えば、図6において、背景画素データ生成部22は、放射状領域ER1内の赤色画素各々に対応したリサイズ処理画素データRDと、各赤色画素の座標位置に対応した基準点間距離Kとを用いた加重平均演算により、背景放射状領域HR1に表示させるべき画像中の赤色画素各々に共通の背景画素データWARを生成する。又、図6において、背景画素データ生成部22は、放射状領域ER1内の緑色画素各々に対応したリサイズ処理画素データRDと、各緑色画素の座標位置に対応した基準点間距離Kとを用いた加重平均演算により、背景放射状領域HR1に表示させるべき画像中の緑色画素各々に共通の背景画素データWAGを生成する。更に、図6において、背景画素データ生成部22は、放射状領域ER1内の青色画素各々に対応したリサイズ処理画素データRDと、各青色画素の座標位置に対応した基準点間距離Kとを用いた加重平均演算により、背景放射状領域HR1に表示させるべき画像中の青色画素各々に共通の背景画素データWABを生成する。以下、同様にして背景画素データ生成部22は、下記の如き放射状領域ER2〜ER12各々と背景放射状領域HR2〜HR12各々との対応関係にて、ER2〜ER12各々でのリサイズ処理画素データRDに基づきHR2〜HR12各々に対応した背景画素データWAR、WAG及びWABを生成する。
【0034】
ER1:HR1
ER2:HR2
ER3:HR3
ER4:HR4
ER5:HR5
ER6:HR6
ER7:HR7
ER8:HR8
ER9:HR9
ER10:HR10
ER11:HR11
ER12:HR12
そして、背景画素データ生成部22は、各背景放射状領域HRに対応づけして、上述した如き背景画素データWAR、WAG、WABを背景画像メモリ25に供給する。
【0035】
又、背景画素データ生成部22は、入力映像信号VDがγ補正処理の施されたものである場合には、データのリニアリティ確保の点から、リサイズ処理画素データRDに逆γ補正を施したもので上述した如き加重平均演算を実施する。この際、背景画素データ生成部22は、加重平均演算結果としての上記背景画素データWAR、WAG、WAB各々に対してγ補正処理を施すことにより元のγ補正状態に戻してから、これらを背景画像メモリ25に供給する。
【0036】
背景画像メモリ25は、背景画素データ生成部22から供給された背景画素データWAR、WAG、WAB各々をフレーム単位で記憶する。又、背景画像メモリ25は、画素データ出力指示部29から供給された読出指令信号RE及び背景放射状領域指定信号θRDに応じて、この背景放射状領域指定信号θRDによって示される背景放射状領域HRに対応した背景画素データWAR、WAG、又はWABを読み出し、これを図1に示すSFデータ生成回路3に供給すべき画素データPDとして出力する。
【0037】
表示座標発生部26は、PDP10の表示画面内の全ての画素各々の座標位置を示す表示座標データDCを各フレーム毎に生成し、これをリサイズ画素座標決定部27、表示画素放射角設定部28及び画素データ出力指示部29に供給する。
【0038】
リサイズ画面表示位置設定部30は、上記リモコン200から送信された画像サイズ指定信号によって示される画像サイズ及び基点表示位置に基づき、図5に示す如きリサイズ画像RSZの四隅の画素各々に対応する、PDP10の表示画面内での2次元の座標位置(以下、四隅座標位置と称する)を求める。そして、リサイズ画面表示位置設定部30は、この四隅座標位置を示す四隅画素座標位置データRDCをリサイズ画素座標決定部27及び画素データ出力指示部29に供給する。
【0039】
リサイズ画素座標決定部27は、上記表示座標データDC及び四隅画素座標位置データRDCに基づき、図5に示す如きリサイズ画像RSZの全ての画素各々に対するPDP10の表示画面内での2次元の座標位置(以下、リサイズ画素座標位置と称する)を求める。そして、リサイズ画素座標決定部27は、リサイズ画像RSZの全ての画素各々に対応したリサイズ画素座標位置を示すリサイズ画素座標位置データDRCをリサイズ画像メモリ23に供給する。
【0040】
基準点表示位置設定部31は、上記画像サイズ指定信号によって示される基点表示位置に基づき、図5に示す如きリサイズ画像RSZの基準点Gに対応したPDP10の表示画面内での2次元の座標位置(以下、基準点座標位置と称する)を求める。そして、基準点表示位置設定部31は、この基準点座標位置を示す基準点座標位置データSCを表示画素放射角設定部28に供給する。
【0041】
表示画素放射角設定部28は、基準点座標位置データSC及び表示座標データDCに基づき、PDP10の表示画面内での各画素の座標位置毎に、図5に示す如きリサイズ画像RSZの基準点Gに対応した基準点座標位置からその画素を眺めた際の方位角を求める。そして、かかる方位角をPDP10の表示画面内での各画素の座標位置に対応づけして示す表示画素角度データDCθを画素データ出力指示部29に供給する。
【0042】
画素データ出力指示部29は、先ず、表示座標データDCにて示される座標位置各々に対して順次、その座標位置が図5に示す表示画面10A内のリサイズ画像RSZが表示されるべき有効領域に含まれるか、又は背景領域に含まれるのかを、四隅画素座標位置データRDCに基づき判定する。ここで、有効領域であると判定された場合、画素データ出力指示部29は、その座標位置を示すリサイズ画素読出指定信号RRD及び読出指令信号REをリサイズ画像メモリ23に供給する。これにより、リサイズ画像メモリ23は、リサイズ画素読出指定信号RRDによって示される座標位置に対応したリサイズ処理画素データを読み出し、これを画素データPDとして図1に示すSFデータ生成回路3に供給する。
【0043】
一方、表示座標データDCによって示される座標位置が上記背景領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部29は、先ず、上記表示画素角度データDCθ中からその座標位置に対応した方位角を検索し、この方位角が、図6に示す如き背景放射状領域HR1〜HR12の内のいずれの領域の存在方向を示すのかを判定する。そして、画素データ出力指示部29は、その判定結果としての背景放射状領域HRを示す背景放射状領域指定信号θRDを生成し、これを読出指令信号REと共に背景画像メモリ25に供給する。これにより、背景画像メモリ25は、上記背景放射状領域指定信号θRDによって示される背景放射状領域HRに対応した背景画素データWAR、WAG、又はWABを読み出し、これを上記画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給する。
【0044】
以上の如きリサイズ画像表示処理部(図4に示す)の動作によれば、PDP10の表示画面10A内における、リモコン200によって指定された位置及び画像サイズにて、図6に示す如き、入力映像信号VDに基づくリサイズ画像RSZが表示される。更に、かかる表示画面10A内においてリサイズ画像RSZの表示領域以外の領域、つまり背景領域には、このリサイズ画像RSZの基準点Gを中心にして表示画面10Aの外枠に向けて放射状に広がるパターン(以下、放射状画像パターンと称する)が背景画像として表示されることになる。この放射状画像パターンは、図6に示す如く、夫々がリサイズ画像RSZの基準点Gから表示画面10Aの外枠に向けて放射状に広がる複数の領域(ER、HR)毎に、その領域ERに属するリサイズ画像RSZ内の各画素に対応したリサイズ処理画素データRDを、基準点Gからの距離が大なるほど重みを付けて加重平均化して得られたものである。よって、その背景画像は、リサイズ画像RSZによる全体的な色調を維持したまま、各領域(ER、HR)毎にPDP10の表示画面10Aの外枠に向けて放射状に広げた画像パターンーンを有するものとなる。
【0045】
これにより、PDP10の表示画面10A内に表示されたリサイズ画像と、その背景画像との間に画像の連続性が保たれるので、視聴者にとっては画面全体が一連の表示画像に視覚され、違和感の無い鑑賞が為されるようになる。更に、背景画像がリサイズ画像に基づく放射状画像パターンを有するので、表示画面全体の視聴者に対する視覚効果として立体感・奥行き感が増すことになり、迫力のある画像を視聴者に提供することができる。又、背景画像を、所定の一定色(黒又は青色等)にする場合に比して、リサイズ画像と背景画像との境界部での輝度差を少なくすることができるので、その境界部で焼き付きの発生を防止することが可能となる。
【0046】
又、図4に示すリサイズ画像表示処理部では、表示画面内にリサイズ画像を表示するにあたり、その画像サイズを任意に調整することが可能なサイズ調整モードを備えている。これにより、視聴者の好みに応じた画像サイズにてリサイズ画像をPDP10の表示画面内に表示させることができるようになる。この際、リサイズ画像の画像サイズを、視聴者の視線の移動が少なくなるような最低限の大きさに縮小すれば、目の疲れを軽減させることが可能となる。更に、表示画面の解像度に比べて低解像度の入力映像信号が入力された場合であっても、縮小表示を行えば、弊害なく見た目で解像感の高い画像の視聴が可能となる。又、PDP10の表示画面のアスペクト比と異なるアスペクト比を有する画像を担う入力映像信号が供給された場合であっても、そのアスペクト比に適合した縮小画像を表示させることができるので、表示されるオブジェクトの形状の幾何学的歪みをゼロにして視聴することができる。
【0047】
尚、画像処理回路2内に、図4に示すリサイズ画像表示処理部と共にオービット処理部(図示せぬ)を設けるようにしても良い。オービット処理部は、表示画面10A内において図6に示す如きリサイズ画像RSZを所定サイクル時間毎に徐々に円弧状に移動させることにより画面の焼き付きを防止する、いわゆるオービット処理を実行する。この際、リモコン200によってリサイズ画像RSZの画像サイズを小さくするほど、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの移動範囲が広がるので、焼き付き防止効果が高くなる。
【0048】
又、画像処理回路2内には、図7に示すように、上記リサイズ画像表示処理部と共に、インポーズ処理部35を設けるようにしても良い。かかるインポーズ処理部35は、図1に示されるプラズマディスプレイ装置のチューナ部(図示せぬ)から供給された時刻情報や緊急情報等の文字情報を、図6に示す如き表示画面10A内における画面枠近傍の所定領域IMPに重畳表示させるべき処理を、背景画像メモリ25から読み出された画素データに対して施す。これにより、表示画面10A内の背景領域に時刻情報や緊急情報等の文字情報が表示されるので、主となるリサイズ画像に対して視聴の妨げが生じない。
【0049】
又、画像処理回路2内には、図8に示すように、上記リサイズ画像表示処理部と共に輝度補正回路36を設けるようにしても良い。かかる輝度補正回路36は、表示座標発生部26から供給された表示座標データDCに基づき、表示画面10Aの中心点から画面枠に向けて徐々に輝度を低下させるべき輝度低下処理を、背景画像メモリ25から読み出された画素データに対して施す。これにより、背景領域に表示される放射状画像パターンにおいて、画面枠側へいく程、その輝度レベルが低下した表示が為されるようになる。従って、輝度レベルを低下させた分だけ省電力化が図られると共に、表示画面の外周へ向かう程周囲が暗くなる分だけ、視覚的にリサイズ画像部の輝度が高まるような効果を得ることができる。
【0050】
又、図4に示される構成によると、例えば図9(a)に示すように1フレーム画像内の上下端部に黒帯状のレターボックスBLを含む画像を表す入力映像信号VDが供給された場合、このレターボックスBLの上端及び下端部各々から放射状に広がる背景領域において、図9(a)に示す如き暗色の放射状画像パターンBKPが表示されてしまう。よって、この放射状画像パターンBKPの境界部において輝度差が大となり、視聴者に違和感を与えてしまう。
【0051】
そこで、画像処理回路2に搭載するリサイズ画像表示処理部として、図4に示されるものに代えて図10に示されるものを採用するようにしても良い。
【0052】
尚、図10に示されるリサイズ画像表示処理部は、図4に示すリサイズ処理部21に代わりリサイズ処理部41及び黒帯除去部42を設けた点を除く他の構成は、図4に示されるものと同一である。
【0053】
そこで、以下に、これらリサイズ処理部41及び黒帯除去部42を中心にして、図10に示されるリサイズ画像表示処理部の動作について説明する。
【0054】
リサイズ処理部41は、先ず、各フレーム毎に、1フレーム分の画素データDDに対して、その画像サイズをリモコン200から送信されてきた画像サイズ指定信号によって示される画像サイズに拡大または縮小させるべきリサイズ処理を施すことにより、この画像サイズ内での各画素に対応したリサイズ処理画素データを生成する。例えば、1フレーム分の画素データDDによって表される画像(解像度:H[ドット」×V[ドット])のサイズを1/4に縮小させる場合、リサイズ処理部41は、この画像全体をH/2[ドット」×V/2[ドット]の画像サイズで表現したリサイズ画像における各画素毎のリサイズ処理画素データを生成するのである。そして、リサイズ処理部41は、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置に対応づけして各画素毎のリサイズ処理画素データを表すリサイズ処理画素データRDPを、リサイズ画像メモリ23及び黒帯除去部42に供給する。尚、ここで定義する画素の座標位置とは、PDP10の表示画面内での2次元座標位置ではなく、上記リサイズ画像の枠内での相対的な2次元座標位置である。この際、リサイズ画像メモリ23は、かかるリサイズ処理画素データRDPによって表されるリサイズ画像内での各画素の座標位置の順に、その座標位置に対応した上記リサイズ処理画素データを書き込む。また、リサイズ画像メモリ23は、画素データ出力指示部29から読出指令信号REが供給されている間に亘り、その記憶内容、つまりリサイズ処理画素データを書き込まれた順、つまり座標位置の順に読み出し、これを画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給する。
【0055】
黒帯除去部42は、1フレーム分の上記リサイズ処理画素データRDP毎に、先ず、このリサイズ処理画素データRDPによって表されるリサイズ画像中の上端部、下端部、右端部又は左端部に黒帯状のレターボックスが存在するか否かを判定する。ここで、黒帯状のレターボックスが存在しないと判定された場合、黒帯除去部42は、上記リサイズ処理画素データRDPをそのままリサイズ処理画素データRDとして背景画素データ生成部22に供給する。更に、この際、黒帯除去部42は、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置を示すリサイズ画像座標位置データRCを生成してアドレス情報生成部24に供給する。例えば、図5に示す如き各画素に対応した放電セルP(1,1)〜P(n,m)を備えたPDP10の表示画面10A内においてp[ドット」×q[ドット]のリサイズ画像RSZを表示させる場合には、座標位置(1,1)〜(p,q)を表すリサイズ画像座標位置データRCが生成される。一方、黒帯状のレターボックスが存在すると判定された場合、黒帯除去部42は、1フレーム分の上記リサイズ処理画素データRDP中から、このレターボックスの領域に含まれる画素各々に対応した画素データを省いたものをリサイズ処理画素データRDとして背景画素データ生成部22に供給する。更に、この際、黒帯除去部42は、上記リサイズ画像中から上記レターボックスの領域に含まれる画素各々の座標位置を省いてこのリサイズ画像内での各画素の座標位置示すリサイズ画像座標位置データRCを生成してアドレス情報生成部24に供給する。
【0056】
よって、黒帯除去部42の動作によれば、例え、黒帯状のレターボックスを含むリサイズ画像を表示する場合であっても、このリサイズ画像中からレターボックスを省いた画像に基づきその背景領域に表示させるべき放射状画像パターンが生成されるようになる。これにより、図9(b)に示す如く、表示画面10A内において、レターボックスBLを含むリサイズ画像RSZと共に、このリサイズ画像RSZ中からレターボックスBLを省いた画像に基づく放射状画像パターンがその背景領域に表示される。従って、かかる背景領域内において、図9(a)に示す如き画像の連続性を妨げるような放射状画像パターンBKPが表示されることはないので、視聴者は違和感の無い画像鑑賞を行うことが可能となる。
【0057】
尚、図9(b)に示す如きリサイズ画像RSZ中に含まれるレターボックスBLを排除するようにしても良い。
【0058】
図11は、かかる点に鑑みて為された図10に示される構成の変形例を示す図である。
【0059】
尚、図11に示されるリサイズ画像表示処理部では、図10に示すリサイズ処理部41に代わりリサイズ処理部51、黒帯除去部42に代わり黒帯マスク除去部52を採用した点を除く他の構成は、図10に示されるものと同一である。
【0060】
そこで、以下に、これら黒帯マスク除去部52及びリサイズ処理部51を中心にして、図11に示されるリサイズ画像表示処理部の動作について説明する。
【0061】
黒帯マスク除去部52は、A/D変換器1から供給された1フレーム分の画素データDD毎に、先ず、この1フレーム分の画素データDDによって表される画像中の上端部、下端部、右端部又は左端部に黒帯状のレターボックスが存在するか否かを判定する。ここで、黒帯状のレターボックスが存在しないと判定された場合、黒帯マスク除去部52は、画素データDDをそのまま黒帯除去画素データDDMとしてリサイズ処理部51に供給する。一方、黒帯状のレターボックスが存在すると判定された場合、黒帯マスク除去部52は、1フレーム分の上記画素データDD中から、このレターボックスの領域に含まれる画素各々に対応した画素データを省いたものを黒帯除去画素データDDMとしてリサイズ処理部51に供給する。
【0062】
リサイズ処理部51は、先ず、各フレーム毎に、1フレーム分の黒帯除去画素データDDMに対して、その画像サイズを上記画像サイズ指定信号によって指定された画像サイズに拡大または縮小させるべきリサイズ処理を施すことにより、この画像サイズ内での各画素に対応したリサイズ処理画素データを生成する。例えば、1フレーム分の黒帯除去画素データDDMによって表される画像(解像度:H[ドット」×V[ドット])のサイズを1/4に縮小させる場合、リサイズ処理部51は、この画像全体をH/2[ドット」×V/2[ドット]の画像サイズで表現した画像(以下、リサイズ画像と称する)における各画素毎のリサイズ処理画素データを生成するのである。次に、リサイズ処理部51は、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置を示すリサイズ画像座標位置データRCをアドレス情報生成部24に供給する。尚、ここで定義する画素の座標位置とは、PDP10の表示画面内での2次元座標位置ではなく、上記リサイズ画像の枠内での相対的な2次元座標位置である。そして、リサイズ処理部51は、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置に対応づけして各画素毎のリサイズ処理画素データを表すリサイズ処理画素データRDを、背景画素データ生成部22及びリサイズ画像メモリ23に供給する。
【0063】
よって、図11に示される構成によれば、黒帯状のレターボックスを含む画像を表す入力映像信号VDが供給された場合であっても、図9(c)に示すように、このレターボックスを省いたリサイズ画像RSZを表示させることが可能となる。
【0064】
これにより、表示画面10A内にリサイズ画像を表示するにあたり、リサイズ画像と背景画像との輝度差が無くなり、この表示画面の焼き付きが防止される。
【0065】
尚、図11に示される構成を採用すると、リサイズ画像中からレターボックスが間引かれてしまうので、このレターボックス内に字幕やテレビ局名などの文字情報が含まれていた場合には、その情報を表示することができない。
【0066】
そこで、画像処理回路2に搭載するリサイズ画像表示処理部として、図10に示す構成に代わり図12に示す如き構成を採用しても良い。
【0067】
尚、図12に示されるリサイズ画像表示処理部では、図10に示す黒帯除去部42に代わり黒帯マスク除去部62、画素データ出力指示部29に代わり画素データ出力指示部69を夫々採用すると共に、出力スイッチ70A、70B及び混合処理部71を新たに設けた点を除く他の構成は、図10に示されるものと同一である。
【0068】
そこで、以下に、これら黒帯マスク除去部62、画素データ出力指示部69、出力スイッチ70A、70B及び混合処理部71を中心にして、図12に示されるリサイズ画像表示処理部の動作について説明する。
【0069】
黒帯マスク除去部62は、リサイズ処理部41から供給された各フレーム毎のリサイズ処理画素データRDPに基づき、先ず、リサイズ処理画素データRDPによって表されるリサイズ画像中の上端部、下端部、右端部又は左端部に黒帯状のレターボックスが存在するか否かを判定する。ここで、黒帯状のレターボックスが存在しないと判定された場合、黒帯マスク除去部62は、上記リサイズ処理画素データRDPをそのままリサイズ処理画素データRDとして背景画素データ生成部22に供給すると共に、上記リサイズ画像内での各画素の座標位置を示すリサイズ画像座標位置データRCを生成してアドレス情報生成部24に供給する。一方、黒帯状のレターボックスが存在すると判定された場合、黒帯マスク除去部62は、1フレーム分の上記リサイズ処理画素データRDP中から、このレターボックスの領域に含まれる画素各々に対応した画素データを省いたものをリサイズ処理画素データRDとして背景画素データ生成部22に供給する。更に、この際、黒帯マスク除去部62は、上記リサイズ画像中からレターボックス領域に含まれる画素各々の座標位置を省いて、このリサイズ画像内での各画素の座標位置示すリサイズ画像座標位置データRCを生成してアドレス情報生成部24に供給すると共に、かかるレターボックス領域に含まれる画素各々の座標位置を示すレターボックス座標位置データRCLを画素データ出力指示部69に供給する。
【0070】
画素データ出力指示部69は、先ず、表示座標データDCにて示される座標位置各々に対して順次、その座標位置が表示画面10A内のリサイズ画像RSZが表示されるべき有効領域に含まれるか又は背景領域に含まれるのかを、四隅画素座標位置データRDCに基づいて判定する。尚、表示座標データDCは、前述した如き表示座標発生部26から供給されたものであり、四隅画素座標位置データRDCはリサイズ画面表示位置設定部30から供給されたものである。ここで、表示座標データDCによって示される座標位置が背景領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部69は、先ず、上記表示画素角度データDCθ中からその座標位置に対応した方位角を検索し、この方位角が、図6に示す如き背景放射状領域HR1〜HR12の内のいずれの領域の存在方向を示すのかを判定する。そして、画素データ出力指示部69は、その判定結果としての背景放射状領域HRを示す背景放射状領域指定信号θRDを生成し、これを読出指令信号REと共に背景画像メモリ25に供給する。これにより、背景画像メモリ25は、上記背景放射状領域指定信号θRDによって示される背景放射状領域HRに対応した背景画素データWAR、WAG、又はWABを読み出し、これを背景画素データPDAとして出力スイッチ70Aに供給する。更に、この際、画素データ出力指示部69は、かかる背景画素データPDAを出力ラインOL及び混合処理部71の内の出力ラインOL側に供給させるべきスイッチング信号SWAを出力スイッチ70Aに供給する。
【0071】
一方、表示座標データDCによって示される座標位置が有効領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部69は、その座標位置を示すリサイズ画素読出指定信号RRD及び読出指令信号REをリサイズ画像メモリ23に供給する。これにより、リサイズ画像メモリ23は、リサイズ画素読出指定信号RRDによって示される座標位置に対応したリサイズ処理画素データを読み出し、これをリサイズ画素データPDBとして出力スイッチ70Bに供給する。又、この間、画素データ出力指示部69は、上記レターボックス座標位置データRCLに基づき、上記表示座標データDCによって示される座標位置がレターボックスに該当する座標位置であるか否かを判定する。ここで、レターボックスに該当しない座標位置であると判定された場合、画素データ出力指示部69は、かかるリサイズ画素データPDBを出力ラインOL及び混合処理部71の内の出力ラインOL側に供給させるべきスイッチング信号SWBを出力スイッチ70Bに供給する。一方、レターボックスに該当する座標位置であると判定された場合、画素データ出力指示部69は、上記表示画素角度データDCθ中からその座標位置に対応した方位角を検索し、この方位角が、図6に示す如き背景放射状領域HR1〜HR12の内のいずれの領域の存在方向を示すのかを判定する。そして、画素データ出力指示部69は、その判定結果としての背景放射状領域HRを示す背景放射状領域指定信号θRDを生成し、これを読出指令信号REと共に背景画像メモリ25に供給する。これにより、背景画像メモリ25は、上記背景放射状領域指定信号θRDによって示される背景放射状領域HRに対応した背景画素データWAR、WAG、又はWABを読み出し、これを背景画素データPDAとして出力スイッチ70Aに供給する。更に、この間、画素データ出力指示部69は、かかる背景画素データPDAを混合処理部71側に供給させるべきスイッチング信号SWAを出力スイッチ70Aに供給すると共に、上記リサイズ画素データPDBを混合処理部71側に供給させるべきスイッチング信号SWBを出力スイッチ70Bに供給する。
【0072】
出力スイッチ70Aは、背景画像メモリ25から読み出された背景画素データPDAを、スイッチング信号SWAに応じて、出力ラインOL及び混合処理部71の内の一方に供給する。この際、かかる背景画素データPDAを出力ラインOLに供給した場合には、この背景画素データPDAは画素データPDとして、出力ラインOLを介して図1に示すSFデータ生成回路3に供給される。
【0073】
出力スイッチ70Bは、リサイズ画像メモリ23から読み出されたリサイズ画素データPDBを、スイッチング信号SWBに応じて、出力ラインOL及び混合処理部71の内の一方に供給する。この際、かかるリサイズ画素データPDBを出力ラインOLに供給した場合には、このリサイズ画素データPDBは画素データPDとして、出力ラインOLを介してSFデータ生成回路3に供給される。
【0074】
混合処理部71は、出力スイッチ70Aから供給された背景画素データPDAと、出力スイッチ70Bから供給されたリサイズ画素データPDBとを、同一画素に該当する画素データ同士にて、その画素データによって示される輝度レベルを所定混合率にて混合したものを画素データPDとして、出力ラインOLを介してSFデータ生成回路3に供給する。
【0075】
従って、これら混合処理部71、出力スイッチ70A及び70Bによれば、黒帯状のレターボックスを含むリサイズ画像を表示させる場合には、以下の如き処理が為される。つまり、リサイズ画像中のレターボックスの表示領域に対しては、このレターボックスに対応した画像(リサイズ画素データPDB)と、リサイズ画像中からレターボックス部を省いた画像に基づいて生成された放射状パターンを有する背景画像(背景画素データPDA)とを混合した画像を表示させるべき画素データPDが生成されるのである。
【0076】
よって、かかる処理によれば、レターボックス内に字幕やテレビ局名などの文字情報が含まれていても、この文字情報を間引くこと無く、レターボックスの境界部での輝度差を小さくして画面の焼き付きを防止することが可能となる。
【0077】
尚、図12に示される構成において、混合処理部71では、背景画素データPDAとリサイズ画素データPDBとを混合することにより、SFデータ生成回路3に供給すべき画素データPDを生成するようにしているが、両者(PDA、PDB)の内で輝度レベルの高い方を画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給するようにしても良い。かかる構成によれば、レターボックス内の黒表示を担う画素に対してはこの黒表示よりも高輝度な背景画像を担う背景画素データPDAが画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給される。一方、レターボックス内の文字情報(白表示)を担う画素に対しては、背景画像よりも高輝度な文字情報を担うリサイズ画素データPDBが画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給される。これにより、リサイズ画像中のレターボックス内では、文字情報を担う画素以外の画素において背景画素データPDAに基づく背景画像表示が実行され、文字情報を担う画素においてリサイズ画素データPDBに基づく文字情報表示が為されるのである。
【0078】
又、上記実施例では、入力映像信号VDに基づく画像のサイズを縮小させて表示画面内に表示させる場合の動作について述べたが、この画像中から一部の領域を省いた画像を表示画面内に表示させる場合にも同様に適用可能である。
【0079】
図13は、かかる点に鑑みて為されたリサイズ画像表示処理部の構成を示す図である。
【0080】
尚、図13に示されるリサイズ画像表示処理部においては、図4に示すリサイズ処理部21に代わりリサイズ処理部81を採用した点を除く他の構成は、図4に示されるものと同一であるが、上記サイズ調整モードではなく、スタンダード表示モードにおいて動作するものである。
【0081】
以下に、リサイズ処理部81を中心にして、図13に示されるリサイズ画像表示処理部の動作について説明する。
【0082】
リサイズ処理部81には、PDP10の表示画面10A内において時計情報、天気予報等の文字情報を表示する為の図14(a)又は図14(b)に示す如き帯状の背景領域BYEの座標位置を示す情報が予め記憶されている。尚、図14(a)では、表示画面10A内の上端部(又は下端部)に背景領域BYEが形成され、その他の領域が、入力映像信号VDに基づく画像中から一部の領域を省いたリサイズ画像RSZが表示されるべき領域となる場合の一例を示す図である。又、図14(b)は、入力映像信号VDに基づく画像中から島状に一部の領域を省いたリサイズ画像RSZが表示画面10Aの全面に表示され、その一部の領域が背景領域BYEとなる場合の一例を示す図である。
【0083】
リサイズ処理部81は、先ず、各フレーム毎に、1フレーム分の画素データDD中から、上記背景領域BYEに属する画素各々に対応した画素データを間引いたものをリサイズ処理画素データRDとして生成し、背景画素データ生成部22及びリサイズ画像メモリ23に供給する。次に、リサイズ処理部81は、上記リサイズ処理画素データRDに基づく画像内での各画素の座標位置を示すリサイズ画像座標位置データRCをアドレス情報生成部24に供給する。
【0084】
かかるリサイズ処理部81の動作によれば、PDP10の表示画面10A内において、図14(a)又は図14(b)に示す如き背景領域BYEを除く領域、つまり有効領域EYEに、入力映像信号VDに基づく画像が表示されると共に、背景領域BYEには、かかる画像に基づいて生成された図6に示す如き放射状画像パターンを有する背景画像が表示される。よって、図13に示されるリサイズ画像表示処理部によって最終的に生成された画素データPDに対して、背景領域BYE内に時計情報、天気予報等の文字情報を重畳表示させるべき処理を施すようにすれば、視聴者に違和感を与えることなく表示画面の焼き付きを防止することが可能となる。
【0085】
又、図13に示す実施例において、図14(a)又は図14(b)に示す背景領域BYEと有効領域EYEとの境界付近に対しては、これら背景領域BYE及び有効領域EYE各々に表示されるべき画像同士を混合したものを表示するようにしても良い。
【0086】
図15は、かかる点に鑑みて為された、図13に示すリサイズ画像表示処理部の変形例を示す図である。
【0087】
尚、図15に示されるリサイズ画像表示処理部においては、図13に示すリサイズ画像メモリ23をリサイズ処理部81の後段ではなく前段に設け、画素データ出力指示部29に代わり画素データ出力指示部129を採用すると共に、出力スイッチ100A、100B及び混合処理部101を追加した点を除く他の構成は、図13に示すものと同一である。
【0088】
よって、以下にリサイズ画像メモリ23、出力スイッチ100A、100B、混合処理部101及び画素データ出力指示部129を中心にして、図15に示されるリサイズ画像表示処理部の動作について説明する。
【0089】
図15において、リサイズ画像メモリ23は、A/D変換器1から供給された1フレーム分の画素データDD各々を各画素毎にその座標位置の順に書き込む。また、リサイズ画像メモリ23は、画素データ出力指示部129から読出指令信号REが供給されている間に亘り、その記憶内容、つまり入力映像信号VDに基づく各画素毎の画素データを、書き込まれた順、つまり座標位置の順に読み出し、これをリサイズ画素データPDBとして出力スイッチ100Bに供給する。
【0090】
画素データ出力指示部129は、先ず、表示座標データDCにて示される座標位置各々に対して順次、その座標位置が、例えば図14(a)に示す如き表示画面10A内のリサイズ画像RSZが表示されるべき有効領域、背景領域BYE、或いは両者の境界部の境界領域KE(破線にて示す)のいずれの領域に含まれるのかを、上記四隅画素座標位置データRDCに基づいて判定する。
【0091】
ここで、表示座標データDCによって示される座標位置が背景領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部129は、先ず、上記表示画素角度データDCθ中からその座標位置に対応した方位角を検索し、この方位角が、図6に示す如き背景放射状領域HR1〜HR12の内のいずれの領域の存在方向を示すのかを判定する。そして、画素データ出力指示部129は、その判定結果としての背景放射状領域HRを示す背景放射状領域指定信号θRDを生成し、これを読出指令信号REと共に背景画像メモリ25に供給する。これにより、背景画像メモリ25は、上記背景放射状領域指定信号θRDによって示される背景放射状領域HRに対応した背景画素データWAR、WAG、又はWABを読み出し、これを背景画素データPDAとして出力スイッチ100Aに供給する。更に、この間、画素データ出力指示部129は、かかる背景画素データPDAを出力ラインOL及び混合処理部101の内の出力ラインOL側に供給させるべきスイッチング信号SWAを出力スイッチ100Aに供給する。
【0092】
また、表示座標データDCによって示される座標位置が有効領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部129は、その座標位置を示すリサイズ画素読出指定信号RRD及び読出指令信号REをリサイズ画像メモリ23に供給する。これにより、リサイズ画像メモリ23は、リサイズ画素読出指定信号RRDによって示される座標位置に対応したリサイズ処理画素データを読み出し、これをリサイズ画素データPDBとして出力スイッチ100Bに供給する。更に、この間、画素データ出力指示部129は、かかるリサイズ画素データPDBを出力ラインOL及び混合処理部101の内の出力ラインOL側に供給させるべきスイッチング信号SWBを出力スイッチ100Bに供給する。
【0093】
ここで、表示座標データDCによって示される座標位置が境界領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部129は、上記背景画素データPDA及びリサイズ画素データPDBを共に混合処理部101側に供給させるべきスイッチング信号SWA及びSWBを夫々出力スイッチ100A及び100Bに供給する。
【0094】
出力スイッチ100Aは、背景画像メモリ25から読み出された、放射状画像パターンを表す背景画素データPDAを、スイッチング信号SWAに応じて、出力ラインOL及び混合処理部101の内の一方に供給する。この際、かかる背景画素データPDAを出力ラインOLに供給した場合には、この背景画素データPDAは画素データPDとして図1に示すSFデータ生成回路3に供給される。
【0095】
出力スイッチ100Bは、リサイズ画像メモリ23から読み出されたリサイズ画素データPDBを、スイッチング信号SWBに応じて、出力ラインOL及び混合処理部101の内の一方に供給する。この際、かかるリサイズ画素データPDBを出力ラインOLに供給した場合には、このリサイズ画素データPDBは画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給される。
【0096】
混合処理部101は、出力スイッチ100Aから供給された背景画素データPDAと、出力スイッチ100Bから供給されたリサイズ画素データPDBとを、同一画素に該当する画素データ同士にて、その画素データによって示される輝度レベルを所定混合率にて混合したものを画素データPDとして、出力ラインOLを介してSFデータ生成回路3に供給する。
【0097】
従って、これら混合処理部101、出力スイッチ100A及び100Bによれば、入力映像信号に基づく画像中から一部の領域を間引き、その領域を文字情報を表示する為の背景領域とするにあたり、図14(a)に示す如き背景領域BYEと有効領域との境界領域KEでは、両領域に表示されるべき画像を混合した画像が表示されるようになる。よって、その境界部での輝度差が小さくなり、視聴者に対して違和感の少ない画像を提供することが可能となる。
【0098】
尚、図15に示される実施例では、背景領域BYE及び有効領域各々に表示させるべき画像同士を混合した画像を境界領域KEに表示させるようにしているが、背景領域BYEに対しても、この背景領域BYE及び有効領域各々に表示させるべき画像同士を混合した画像を表示させるようにしても良い。この際、図15に示すリサイズ処理部81は、各画素に対応した画素データDDをそのままリサイズ処理画素データRDとして背景画素データ生成部22及びリサイズ画像メモリ23に供給すると共に、上記リサイズ処理画素データRDに基づく画像内での各画素の座標位置を示すリサイズ画像座標位置データRCをアドレス情報生成部24に供給する。又、図15に示す画素データ出力指示部129は、表示座標データDCによって示される座標位置が背景領域に含まれると判定された場合には、境界領域KEであると判定された場合と同様に上記背景画素データPDA及びリサイズ画素データPDB各々を混合処理部101に供給させるべきスイッチング信号SWA及びSWBを夫々出力スイッチ100A及び100Bに供給する。かかる動作によれば、入力映像信号VDに基づく画像中の背景領域BYEに該当する部分に予め文字情報が含まれている場合に、この文字情報を半透明状態で表示画面10A内の背景領域BYEに表示させることが可能となる。
【0099】
又、図13に示される構成において、入力映像信号VDに基づく各フレーム毎の画素データDD中から、文字情報に対応した画像を担う画素データ(以下、文字画素データと称する)を抽出し、この文字画素データに基づく画像にのみオービット処理を施すようにしても良い。
【0100】
図16は、かかる点に鑑みて為された、図13に示す如きリサイズ画像表示処理部の変形例を示す図である。
【0101】
尚、図16に示されるリサイズ画像表示処理部においては、図13に示される画素データ出力指示部29に代わり画素データ出力指示部229を採用し、更に文字情報検出記憶部230を追加した点を除く他の構成は、図13に示されるものと同一である。
【0102】
よって、以下に画素データ出力指示部229及び文字情報検出記憶部230を中心にして、図16に示されるリサイズ画像表示処理部の動作について説明する。
【0103】
図16において、文字情報検出記憶部230は、入力映像信号VDに基づく各フレーム毎の画素データDD各々の内から、図14(a)又は図14(b)に示す如き背景領域BYEに含まれる文字情報に対応した文字画素データの検出を行う。この際、画素データDD各々の内から文字画素データの検出が為されたら、文字情報検出記憶部230は、この文字画素データに対応した画素の座標位置に対応づけして、かかる文字画素データを記憶する。更に、文字情報検出記憶部230は、文字画素データが検出されたことを示すと共にその文字画素データに対応した画素の座標位置を示す文字画素座標位置信号TDを画素データ出力指示部229に供給する。又、文字情報検出記憶部230は、画素データ出力指示部229から文字画素データに対応した画素の座標位置を示す文字画素データ読出信号TRが供給されたら、この文字画素データ読出信号TRによって示される座標位置に対応した文字画素データを読み出しこれを画素データPDとして図1に示されるSFデータ生成回路3に供給する。
【0104】
画素データ出力指示部229は、先ず、表示座標データDCにて示される座標位置各々に対して順次、その座標位置が図14(a)又は図14(b)の如き表示画面10A内のリサイズ画像RSZが表示されるべき有効領域に含まれるか、又は背景領域BYEに含まれるのかを、四隅画素座標位置データRDCに基づき判定する。ここで、有効領域であると判定された場合、画素データ出力指示部229は、その座標位置を示すリサイズ画素読出指定信号RRD及び読出指令信号REをリサイズ画像メモリ23に供給する。これにより、リサイズ画像メモリ23は、リサイズ画素読出指定信号RRDによって示される座標位置に対応したリサイズ処理画素データを読み出し、これを画素データPDとして図1に示すSFデータ生成回路3に供給する。一方、表示座標データDCによって示される座標位置が上記背景領域に含まれると判定された場合、画素データ出力指示部229は、先ず、上記表示画素角度データDCθ中からその座標位置に対応した方位角を検索し、この方位角が、図6に示す如き背景放射状領域HR1〜HR12の内のいずれの領域の存在方向を示すのかを判定する。そして、画素データ出力指示部229は、その判定結果としての背景放射状領域HRを示す背景放射状領域指定信号θRDを生成し、これを読出指令信号REと共に背景画像メモリ25に供給する。これにより、背景画像メモリ25は、上記背景放射状領域指定信号θRDによって示される背景放射状領域HRに対応した背景画素データWAR、WAG、又はWABを読み出し、これを上記画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給する。
【0105】
又、画素データ出力指示部229は、文字情報検出記憶部230から文字画素座標位置信号TDが供給されたら、このフレームにおいて、かかる文字画素座標位置信号TDにて示される座標位置に対応した文字画素データを、この座標位置とは異なる所定座標位置に対応したタイミングで読み出すべき文字画素データ読出信号TRを文字情報検出記憶部230に供給する。この際、画素データ出力指示部229は、上記の所定座標位置を所定の一定周期毎に徐々に変更して行くことにより、文字情報表示に対してオービット処理を施す。
【0106】
これにより、表示画面10A内において比較的高輝度で表示される文字情報のみにオービット処理が施されることになるので、オービット処理が施される領域とそれ以外の領域との境界部において大きな輝度差が生じない。それ故に、視聴者に違和感を与えることなく、焼き付きの発生をより強固に防ぎながら、文字情報を表示することが可能となる。
【0107】
尚、図16に示す実施例においては、入力映像信号VDに対応した各画素毎の画素データDD各々から文字に対応した画素データを検出するようにしているが、検出すべき対象は文字情報に限定されない。例えば、文字検出の代わりに周知のエッジ検出方法によって、輝度差が大きい急峻な段差のある画像領域を検出して切り出し、その領域のみに対して同様の方法でオービット処理を施してもよい。
【0108】
更に、図16に示す構成に、図15に示される出力スイッチ100A、10B及び混合処理部101を追加することにより、上記オービット処理による所定座標位置において、文字情報に対応する文字画素データと、この所定座標位置での画素データとを所定混合率で混合したものを画素データPDとしてSFデータ生成回路3に供給するようにしても良い。この場合、文字情報の表示が半透明状となり、更に焼き付きの防止効果を得ることができる。更に、図16に示されるリサイズ処理部81において、文字情報検出記憶部230と同様な文字情報検出を行うようにしても良い。この際、リサイズ処理部81は、文字情報検出によって検出された文字情報の座標位置を背景領域BYEとし、この座標位置を示す情報を画素データ出力指示部229に供給する。すなわち、文字情報に対応する画素のみを背景領域BYEとし、この部分だけにオービット処理を施すのである。かかる構成により、表示画面10A内において放射状画像パターンを表示させる領域を最小限にすることができるので、文字情報のみにオービット処理を施して焼き付き防止を図ると共に画像表示のリアリティを高めることが可能となる。
【0109】
又、上記実施例においては、リサイズ画像RSZによる2次元平面の中心点を、表示画面10A内の背景領域に表示させるべき放射状画像パターンを生成する為の基準点Gとしているが、基準点Gは、必ずしもリサイズ画像RSZの中心点でなくても良い。例えば、上記アドレス情報生成部24及び基準点表示位置設定部31各々にも画素データDDが供給される構成とし、両者において、各フレーム毎の画素データDDによって表される画像中から、消失点(透視図法における)を検出し、その消失点を基準点Gとして設定する。尚、消失点は、例えば、Hough変換等の直線検出を用いて複数の直線から確からしい交点を推定するなどの周知の手法により取得することができる。かかる構成によれば、視覚効果の集中線の中心である基準点が、画像の消失点と一致するので、表示画面10A内の全面に表示される画像が線遠近法を用いた透視図で表された様な画像となり、よりリアリティの高い画像となり、視聴者にとってはより違和感が無くなる。
【0110】
又、上記アドレス情報生成部24及び基準点表示位置設定部31各々において、各フレーム毎の画素データDDによって表される画像中から地平線や水平線検出を行い、基準点Gをリサイズ画像RSZの中心点ではなく、この地平線上に設定するようにしてもよい。以下に、かかる構成を採用したことによる効果について図17(a)及び図17(b)を参照しつつ説明する。尚、図17(a)及び図17(b)は、表示画面10A内において、例えば「空」及び「海」を夫々表す画像領域の境界線KQが水平線となる画像を表すリサイズ画像RSZが表示された場合を示すものである。この際、図17(a)は、リサイズ画像RSZの中心点を基準点Gとして「海」を表す画像E1に基づく放射状画像パターンを生成し、これを背景領域に表示させた場合での表示形態の一例を示す図である。図17(a)では、背景領域内において放射状画像領域HGによって形成される境界線MQの伸張方向と、リサイズ画像RSZ内での境界線KQの伸張方向(水平方向)と、が異なる為に視聴者に違和感を与える。一方、図17(b)は、リサイズ画像RSZ中において「空」及び「海」を夫々表す画像領域の境界線KQ上に基準点Gを設定した場合での放射状画像領域HGの形態を示す図である。この際、図17(b)に示すように、背景領域内において放射状画像領域HGによって形成される境界線の伸張方向は、境界線KQの伸張方向(水平方向)と同一となるので、リサイズ画像RSZ及び背景画像間で画像の連続性が保たれ、視聴者に対してよりリアリティのある画像が提供されるようになる。
【0111】
また、基準点Gを設定するにあたり、リサイズ画像RSZ中に含まれる複数の表示物体の内の1の表示物体を対象とし、その表示物体の重心を基準点Gとして設定するようにしても良い。この際、上記アドレス情報生成部24及び基準点表示位置設定部31は、リサイズ画像RSZ中に含まれる表示物体の内で、最もサイズが大なる表示物体、最も輝度レベルが高い表示物体、リサイズ画像RSZの中心点に最も近い位置に存在する表示物体、或いはこの中心点に存在する表示物体の重心を基準点Gとして設定する。すなわち、画像中で視聴者が一番注目しそうな表示物体の重心位置を基準点Gとして放射状に伸びる放射状画像パターンを背景領域に表示させるのである。これにより、視聴者にとってよりリアリティのある画像が視覚されることになる。
【0112】
又、上記実施例に示されるが如き放射状画像パターンを背景領域に表示させるようにした技術を、フィルムソースに基づく映像信号をNTSC(National Television Standards Committee)に準拠したテレビジョン映像信号に準ずるフレームレートに変換する際のフレームレート変換処理にも利用することも可能である。例えば、入力映像信号VDに基づく第1フレームの画像が図18(a)、それに続く第2フレームの画像が図18(b)である場合、フレームレート変換処理では図18(c)に示す如き両者の中間時点での補間画像を生成する。すなわち、図18(a)に示すように画面中央に存在した円形の表示物体DOPが、次のフレームにおいて図18(b)に示す如く画面右端に移動する場合、フレームレート変換処理では、先ず、図18(a)に示す画像中から領域AQに対応した画像のみを抽出し、これをそのまま図18(c)に示す領域BQでの画像とする。ここで、かかる領域BQの画像を新たにリサイズ画像RSZと定義すると共に、図18(c)に示す領域CQを背景領域と捉える。その上で、背景画素データ生成回路22において、この背景領域に表示させるべき放射状画像パターンを表す背景画素データWAを、上記リサイズ画像RSZに基づいて生成させるのである。
【0113】
又、入力映像信号VD中に、この映像信号の撮影元であるビデオカメラの撮影状況情報(画面パン方向、画面回転方向)が含まれている場合には、この撮影状況情報に基づいて、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの表示位置を移動させるようにしても良い。この際、リサイズ画面表示位置設定部30は、入力映像信号VDに含まれている撮影状況情報を取り込む。そして、リサイズ画面表示位置設定部30は、この撮影状況情報によって示される画面パン方向、又は画面回転方向によって示される方向にリサイズ画像RSZの表示画面10A内での表示位置を移動させた際のリサイズ画像RSZの四隅座標位置を求め、かかる四隅座標位置を示す四隅画素座標位置データRDCを生成する。これにより、表示画面10A内において、リサイズ画像RSZの表示位置が、入力映像信号の撮影元であるビデオカメラの撮影状況情報に従って自動的に移動する。例えば、図19(a)の如く、第1フレームにおいてリサイズ画像RSZに含まれる表示物体DOPが表示画面10A内の略中央に表示されていたとする。そして、次の第2フレームまでの間でビデオカメラが右方向にパンすると、本来、そのビデオカメラによって撮影された第2フレームの画像は、図19(b)の如く、表示物体DOPがリサイズ画像RSZ内の左端に移動したものとなる。この際、上記の如きリサイズ画面表示位置設定部30は、入力映像信号VDに含まれている撮影状況情報を取り込み、その情報によって示される画面パン方向が右方向であることから、現時点でのリサイズ画像RSZの表示位置を右方向に移動した際の新たなリサイズ画像RSZにおける四隅画素座標位置データRDCを生成する。これにより、次の第2フレームにおいて、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの表示位置は、図19(c)に示すように、画面右方向に移動したものとなる。これにより、動画像に対してもフレーム相関が大きくなるのでフレーム巡回ディザ処理を行う場合において、視聴者におけるディザノイズが認識されにくくなる。何故ならば、一般的にディザ処理は視聴者の視線が動かない場合に最適になる様に設定されており、この例の場合、表示物体DOPが表示画面10A内を移動する移動量が小となるので、かかる表示物体DOPを注視する視聴者の視線が殆ど移動しないからである。
【0114】
又、上記実施例に示されるが如き放射状画像パターンを背景領域に表示させるようにした技術を、ビデオカメラの手ブレ補正処理に利用することも可能である。例えば、手ブレ状態でビデオカメラによって撮影された第1フレームの画像が図20(a)、続く第2フレームの画像が図20(b)である場合、手ブレ補正処理では第2フレームの画像を図20(c)に示す如き状態に補正する。すなわち、図20(a)の如くリサイズ画像RSZの中央部に存在した円形の表示物体DOPが、手ブレの影響により、次の第2フレームにおいて図20(b)に示すようにリサイズ画像RSZ内の左端に移動してしまった場合、手ブレ補正処理では、先ず、図20(a)に示す画像中から領域AQに対応した画像のみを抽出し、これをそのまま図20(c)に示す領域BQでの画像とする。ここで、かかる領域BQの画像を新たにリサイズ画像RSZと定義すると共に、図20(c)に示す領域CQを背景領域と捉える。その上で、背景画素データ生成回路22において、この背景領域に表示させるべき放射状画像パターンを表す背景画素データWAを、上記リサイズ画像RSZに基づいて生成させるのである。
【0115】
又、前後のフレームで、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの表示位置が移動した場合、その移動量にあわせて基準点Gを移動させても良く、或いは固定しても良い。更に、前後のフレームで、基準点Gの表示画面10A内での位置を移動させた場合、その移動量に追従してリサイズ画像RSZの表示位置を移動させてもよい。
【0116】
以下に、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの移動に伴う、基準点Gの座標位置の移動例を図21(a)〜図21(c)を参照しつつ説明する。
【0117】
尚、図21(a)は第1フレームの画像、図21(b)及び図21(c)は夫々この第1フレームに後続する第2フレームの画像を表すものである。
【0118】
先ず、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの表示位置が図21(a)に示す如き第1フレームから図21(b)に示す第2フレームの状態に遷移した場合、つまり、画面右方向に移動した場合、図21(b)の状態では、リサイズ画像RSZの移動にあわせてその基準点Gも移動する。よって、かかるリサイズ画像RSZの移動に伴い、その背景領域に表示される放射状画像パターンの形態も図21(a)の状態から変化し、立体感・臨場感が維持される。一方、表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの表示位置が図21(a)に示す如き第1フレームから図21(c)に示す第2フレームの状態に遷移した場合、リサイズ画像RSZの基準点Gの座標位置は変化しない。すなわち、この際、背景領域に表示される放射状画像パターンの形態も図21(a)の状態から変化しないので、その画像の立体感・臨場感は図21(b)の状態に比して低下する。しかしながら、たとえ表示画面10A内でのリサイズ画像RSZの移動量が大きい場合であっても、図21(b)の状態に遷移する場合に比して視聴者への目の負担が軽減される。
【0119】
ここで、例えば、図22に示す如く、リサイズ画像RSZ中に人物等の表示物体が存在する場合、背景領域中における人物近傍の放射状領域ERa及びERb各々で表示させるべき放射状画像パターンは、リサイズ画像RSZ内の人物に対応した画素データに基づいて生成されることになる。この際、背景領域内において図22に示す如き放射状領域ERa及びERb以外の領域では、リサイズ画像RSZ中における人物以外の背景画像に基づき、放射状画像パターンが生成される。よって、表示画面10A内の背景領域において放射状に大きな輝度差のある境界部が発生してしまい視聴者に違和感を与えてしまうことになる。
【0120】
この様な場合、先ず、リサイズ画像RSZに対応した画素データに対して表示物体に該当する領域の検出を行い、表示物体が検出された領域を近景画像領域とする一方、表示物体が検出されなかった領域を背景部に該当する遠景画像領域とする。そして、遠景画像領域内のリサイズ処理画素データRDの比重を大きく、又は近景画像領域のリサイズ処理画素データRDを排除した上で、背景画素データ生成回路22において、放射状領域ERa及びERbに表示させるべき放射状画像パターンを表す背景画素データWAを生成させるのである。なお、上述した如き放射状領域ERa及びERbに対応するリサイズ画像RSZ内に遠景画像領域が存在しない場合、その周囲の遠景画素領域内のリサイズ処理画素データRDを代用して背景画素データWAを生成してもよい。以上の処理により、図22に示す如き表示画面10A内の背景領域の全領域が、リサイズ画像RSZ内での背景部を表すリサイズ処理画素データRDに基づいて生成された画像となる。よって、上述した如き輝度差の大きい境界部の発生を防ぐと共に、表示物体がより目立つようになり、視聴者にとって見やすい画像となる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明による画像表示方法に従って画像表示を行うプラズマディスプレイ装置の概略構成を示す図である。
【図2】PDP10を駆動する際の発光駆動シーケンスの一例を示す図である。
【図3】リモコン200の操作面の一部を示す図である。
【図4】図1に示される画像処理回路2に搭載されているリサイズ画像表示処理部の内部構成の一例を示す図である。
【図5】PDP10の表示画面10A内に表示されたリサイズ画像RSZと、各画素位置との対応関係を示す図である。
【図6】表示画面10A内のリサイズ画像RSZ内において定義された放射状領域(ER1〜ER12)及び背景領域内において定義された背景放射状領域(HR1〜HR12)の形態の一例を示す図である。
【図7】図4に示されるリサイズ画像表示処理部の他の一例を示す図である。
【図8】図4に示されるリサイズ画像表示処理部の他の一例を示す図である。
【図9】図10に示されるリサイズ画像表示処理部による表示動作の一例を示す図である。
【図10】図4に示されるリサイズ画像表示処理部の他の一例を示す図である。
【図11】図10に示されるリサイズ画像表示処理部の変形例の一例を示す図である。
【図12】図10に示されるリサイズ画像表示処理部の変形例の一例を示す図である。
【図13】図4に示されるリサイズ画像表示処理部の他の一例を示す図である。
【図14】図13に示されるリサイズ画像表示処理部の動作を説明する為の図である。
【図15】図13に示されるリサイズ画像表示処理部の変形例を示す図である。
【図16】図13に示されるリサイズ画像表示処理部の変形例を示す図である。
【図17】リサイズ画像表示処理部による表示動作の他の一例を示す図である。
【図18】リサイズ画像表示処理部による表示動作の他の一例を示す図である。
【図19】リサイズ画像表示処理部による表示動作の他の一例を示す図である。
【図20】リサイズ画像表示処理部による表示動作の他の一例を示す図である。
【図21】リサイズ画像表示処理部による表示動作の他の一例を示す図である。
【図22】リサイズ画像表示処理部による表示動作の他の一例を示す図である。
【主要部分の符号の説明】
【0122】
2 画像処理回路
10 PDP
200 リモコン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力映像信号に基づく画像を表示パネルによって表示する画像表示方法であって、
前記表示パネルの表示画面を少なくとも2つの第1領域及び第2領域に分割し、
前記入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を前記第1領域内に表示させると共に、前記第1領域内に表示される画像を前記表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを生成しこれを前記第2領域内に表示させることを特徴とする画像表示方法。
【請求項2】
前記第1領域内における所定の座標位置を基準点とし、夫々が前記基準点から前記表示画面の外枠に向けて放射状に広がる複数の放射状領域毎に前記第1領域内に含まれる画素各々に対応した前記入力映像信号に基づく画素データを加重平均することにより前記放射状画像パターンを表す背景画素データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像表示方法。
【請求項3】
前記基準点は、前記第1領域内の中心点、前記第1領域内において表示させるべき画像の消失点、或いは前記第1領域に表示される表示物体の重心点の内の1であることを特徴とする請求項2に記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項4】
前記表示画面内における前記第1領域の位置を所定時間毎に移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示方法。
【請求項5】
前記第1領域における2次元平面での大きさ示す画像サイズ指定信号に応じて、前記表示画面内において前記第1領域の大きさを変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示方法。
【請求項6】
前記放射状領域毎に、前記第1領域内において一部の領域を省いた領域に含まれる画素各々に対応した前記画素データを加重平均することにより前記背景画素データを生成することを特徴とする請求項2に記載の画像表示方法。
【請求項7】
前記第1領域中における前記一部の領域に対しては、前記背景画素データに基づく表示を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像表示方法。
【請求項8】
前記第1領域中における前記一部の領域に対しては、この領域に含まれる各画素毎の前記画素データ及び前記背景画素データを混合して得られた混合画素データに基づく表示を行うことを特徴とする請求項6に記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項9】
前記第2領域中に文字情報を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示方法。
【請求項10】
前記第2領域中では、前記基準点から離れた位置に存在する画素ほど強制的に輝度を低下させることを特徴とする請求項2に記載の画像表示方法。
【請求項11】
前記画像サイズ指定信号は前記表示画面内での前記第1領域の位置を指定する為の位置情報を含み、
前記表示画面内における前記第1領域の位置を前記画像サイズ指定信号によって指定された位置に変更することを特徴とする請求項5に記載の画像表示方法。
【請求項12】
時間的に前後するフレーム間で前記第1領域が前記表示画面内において移動した場合、その移動に追従させて前記基準点を前記フレーム間で移動させることを特徴とする請求項2に記載の画像表示方法。
【請求項13】
時間的に前後するフレーム間で前記第1領域が前記表示画面内において移動した場合であっても、前記基準点の前記表示画面内での位置は前記フレーム間で同一であることを特徴とする請求項2に記載の画像表示方法。
【請求項14】
前記第2領域は、前記表示画面内における前記第1領域の周辺に存在する画素各々を含む同心長方形状の領域であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像表示方法。
【請求項15】
入力映像信号に基づく画像を表示パネルによって表示する画像表示方法であって、
前記表示パネルの表示画面内において前記表示画面のサイズよりも小なる画像サイズを有する第1領域及びこの第1領域の周辺に存在する第2領域の内の前記第1領域には、前記入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を縮小させて表示させると共に、前記第2領域には前記第1領域内に表示される画像を前記表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを有する背景画像を表示させることを特徴とする画像表示方法。
【請求項16】
入力映像信号に基づく画像を表示パネルによって表示する画像表示方法であって、
前記表示パネルの表示画面を少なくとも2つの第1領域及び第2領域に分割し、
前記入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を前記第1領域内に表示させると共に、前記第1領域内に設定された基準点を中心として前記表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを前記第2領域内に表示させることを特徴とする画像表示方法。
【請求項1】
入力映像信号に基づく画像を表示パネルによって表示する画像表示方法であって、
前記表示パネルの表示画面を少なくとも2つの第1領域及び第2領域に分割し、
前記入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を前記第1領域内に表示させると共に、前記第1領域内に表示される画像を前記表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを生成しこれを前記第2領域内に表示させることを特徴とする画像表示方法。
【請求項2】
前記第1領域内における所定の座標位置を基準点とし、夫々が前記基準点から前記表示画面の外枠に向けて放射状に広がる複数の放射状領域毎に前記第1領域内に含まれる画素各々に対応した前記入力映像信号に基づく画素データを加重平均することにより前記放射状画像パターンを表す背景画素データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像表示方法。
【請求項3】
前記基準点は、前記第1領域内の中心点、前記第1領域内において表示させるべき画像の消失点、或いは前記第1領域に表示される表示物体の重心点の内の1であることを特徴とする請求項2に記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項4】
前記表示画面内における前記第1領域の位置を所定時間毎に移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示方法。
【請求項5】
前記第1領域における2次元平面での大きさ示す画像サイズ指定信号に応じて、前記表示画面内において前記第1領域の大きさを変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示方法。
【請求項6】
前記放射状領域毎に、前記第1領域内において一部の領域を省いた領域に含まれる画素各々に対応した前記画素データを加重平均することにより前記背景画素データを生成することを特徴とする請求項2に記載の画像表示方法。
【請求項7】
前記第1領域中における前記一部の領域に対しては、前記背景画素データに基づく表示を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像表示方法。
【請求項8】
前記第1領域中における前記一部の領域に対しては、この領域に含まれる各画素毎の前記画素データ及び前記背景画素データを混合して得られた混合画素データに基づく表示を行うことを特徴とする請求項6に記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項9】
前記第2領域中に文字情報を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示方法。
【請求項10】
前記第2領域中では、前記基準点から離れた位置に存在する画素ほど強制的に輝度を低下させることを特徴とする請求項2に記載の画像表示方法。
【請求項11】
前記画像サイズ指定信号は前記表示画面内での前記第1領域の位置を指定する為の位置情報を含み、
前記表示画面内における前記第1領域の位置を前記画像サイズ指定信号によって指定された位置に変更することを特徴とする請求項5に記載の画像表示方法。
【請求項12】
時間的に前後するフレーム間で前記第1領域が前記表示画面内において移動した場合、その移動に追従させて前記基準点を前記フレーム間で移動させることを特徴とする請求項2に記載の画像表示方法。
【請求項13】
時間的に前後するフレーム間で前記第1領域が前記表示画面内において移動した場合であっても、前記基準点の前記表示画面内での位置は前記フレーム間で同一であることを特徴とする請求項2に記載の画像表示方法。
【請求項14】
前記第2領域は、前記表示画面内における前記第1領域の周辺に存在する画素各々を含む同心長方形状の領域であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像表示方法。
【請求項15】
入力映像信号に基づく画像を表示パネルによって表示する画像表示方法であって、
前記表示パネルの表示画面内において前記表示画面のサイズよりも小なる画像サイズを有する第1領域及びこの第1領域の周辺に存在する第2領域の内の前記第1領域には、前記入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を縮小させて表示させると共に、前記第2領域には前記第1領域内に表示される画像を前記表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを有する背景画像を表示させることを特徴とする画像表示方法。
【請求項16】
入力映像信号に基づく画像を表示パネルによって表示する画像表示方法であって、
前記表示パネルの表示画面を少なくとも2つの第1領域及び第2領域に分割し、
前記入力映像信号によって表される各フレーム毎の画像を前記第1領域内に表示させると共に、前記第1領域内に設定された基準点を中心として前記表示画面枠に向けて放射状に広げた放射状画像パターンを前記第2領域内に表示させることを特徴とする画像表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−162899(P2009−162899A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340590(P2007−340590)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
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