説明

画像表示装置、プロジェクタおよび電源制御方法

【課題】情報媒体が装着された状態であることを確実かつ容易に認識させると共に装着されている情報媒体を容易に取り外し可能とする。
【解決手段】光ディスク(情報媒体)の装着の有無を検出可能に構成されると共に光ディスクに対する再生処理を実行して画像データを出力する媒体再生部と、電源部と、電源部を制御すると共に画像データに基づく画像を表示部に表示させる制御部とを備え、制御部は、電源遮断が指示されたときに、光ディスクの非装着状態が検出されているときには(ステップ41,42)、電源の供給を停止させ(ステップ43,44)、光ディスクの装着状態が検出されているときには(ステップ41,42)、装着されていることを報知する第1のメッセージを表示部に表示させると共に(ステップ45)その後に光ディスクの非装着状態が検出されたときに(ステップ47,48)電源の供給を停止させる(ステップ43,44)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報媒体に対する再生処理を実行する媒体再生部を備えた画像表示装置およびプロジェクタ、並びに画像表示装置の電源部を制御する電源制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、光ディスク(情報媒体)を再生可能に構成された光ディスクプレーヤ(画像表示装置)が広く普及している。この種の画像表示装置では、光ディスクの再生中や再生完了後に電源スイッチを操作したときに、ディスクドライブ装置内に光ディスクが挿入されたまま電源が遮断される。この場合、電源が遮断された状態においては、ディスクドライブ装置内に光ディスクが挿入されているか否かを特定するのが困難となっている。したがって、例えばレンタル業者からレンタルした光ディスクの再生を完了した後に、ディスクドライブ装置から光ディスクを取り出すのを忘れて電源を遮断し、収容ケースだけをレンタル業者に返却してしまうおそれがある。この際には、返却期限経過後にディスクドライブ装置から光ディスクを取り出して返却することとなるが、延滞料金を請求されることになる。
【0003】
上記の問題点を解決すべく、特開昭63−217568号公報には、光ディスク媒体(以下、「光ディスク」ともいう)を取り出すことなく電源を遮断したときにアラーム音が出力される構成の光ディスク媒体保護アラーム機構(以下、「アラーム機構」ともいう)が開示されている。具体的には、このアラーム機構では、光ディスク装置に光ディスクを挿入したときに、ロードセンサーが光ディスクの挿入(ロード)を検出して判断制御コントローラに信号を出力する。一方、電源遮断時には、電源オフ状態検出回路が電源の遮断(電源オフ)を検出して判断制御コントローラに信号を出力する。この際に、判断制御コントローラは、ロードセンサーからの信号に基づいて光ディスクが挿入された状態であると判別すると共に、電源オフ状態検出回路からの信号に基づいて電源が遮断されたと判別し、アラーム回路に信号を出力する。これに応じて、応じてアラーム回路がアラーム音を出力する。これにより、光ディスクを挿入したままの状態であることを利用者に認識させることが可能となっている。
【特許文献1】特開昭63−217568号公報(第2頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来のアラーム機構には、以下の問題点がある。すなわち、従来のアラーム機構では、光ディスクを挿入したまま電源を遮断したときにアラーム音が出力される構成を採用している。しかしながら、従来のアラーム機構では、アラーム音の出力によって利用者が光ディスクを挿入したままの状態であるのに気付いたときに、光ディスク装置から光ディスクを取り出すためには、電源スイッチを操作して電源を投入し、光ディスク装置の起動が完了した後に、ディスク排出スイッチ等を操作する必要がある。このため、従来のアラーム機構には、光ディスクを挿入したまま電源を遮断したときに、光ディスクを取り出すための操作が煩雑であると共に、光ディスクを取り出すのに要する時間が非常に長いという問題点がある。また、前述したように、この種の光ディスク装置(記録再生装置)では、電源が遮断された状態において光ディスク装置内に光ディスクが挿入されているか否かを特定するのが困難なため、従来のアラーム機構では、アラーム音を聞き逃してしまったときに、光ディスクが挿入されたままの状態であることを利用者に認識させるのが困難であるという問題点も存在する。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、情報媒体が装着された状態であることを確実かつ容易に認識させると共に装着されている情報媒体を容易に取り外し可能な画像表示装置、プロジェクタおよび電源制御方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明に係る画像表示装置は、情報媒体の装着の有無を検出可能に構成されると共に装着された当該情報媒体に対する再生処理を実行して画像データを出力する媒体再生部と、電源部と、当該電源部を制御すると共に前記出力された画像データに基づく画像を表示部に表示させる制御部とを備えた画像表示装置であって、前記制御部は、電源遮断が指示されたときに、前記媒体再生部によって前記情報媒体の非装着状態が検出されているときには、前記電源部を制御して電源の供給を停止させ、当該媒体再生部によって当該情報媒体の装着状態が検出されているときには、当該情報媒体が装着されていることを報知する第1のメッセージを前記表示部に表示させると共にその後に当該媒体再生部によって当該情報媒体の非装着状態が検出されたときに前記電源部を制御して前記電源の供給を停止させる。
【0007】
また、本発明に係る電源制御方法は、装着された情報媒体に対する再生処理を実行して画像データを出力する媒体再生部を備えて当該画像データに基づく画像を表示部に表示可能に構成された画像表示装置の電源部を制御する電源制御方法であって、電源遮断が指示されたときに前記媒体再生部によって前記情報媒体の非装着状態が検出されているときには、前記電源部を制御して電源の供給を停止させ、当該媒体再生部によって当該情報媒体の装着状態が検出されているときには、前記情報媒体が装着されていることを報知する第1のメッセージを前記表示部に表示させると共にその後に当該媒体再生部によって当該情報媒体の非装着状態が検出されたときに前記電源部を制御して前記電源の供給を停止させる。
【0008】
この画像表示装置および電源制御方法では、電源遮断が指示されたときに、情報媒体の非装着状態が検出されているときには、電源部を制御して電源の供給を停止させ、情報媒体の装着状態が検出されているときには、情報媒体が装着されていることを報知する第1のメッセージを表示部に表示させると共にその後に非装着状態が検出されたときに電源部を制御して電源の供給を停止させる。したがって、この画像表示装置および電源制御方法によれば、情報媒体が装着されたままの状態であることを第1のメッセージの表示によって利用者に認識させるだけでなく、電源スイッチを操作したにも拘わらず電源が遮断されないとの画像表示装置の動作によって、利用者に対して情報媒体が装着されたままの状態であることを確実に認識させることができる。また、この画像表示装置およびその電源制御方法によれば、利用者が情報媒体を取り出す必要があると判断した際に、電源が遮断されていないため、情報媒体を取り出すために装置の電源を投入し直す必要がある従来のアラーム機構とは異なり、情報媒体を迅速かつ容易に取り出すことができる。
【0009】
また、本発明に係る画像表示装置は、前記制御部が、前記第1のメッセージを前記表示部に表示させた後に、前記媒体再生部によって前記情報媒体の装着状態が継続して検出されている状態において前記電源遮断が再び指示されたときに、前記電源部を制御して前記電源の供給を停止させる。
【0010】
この画像表示装置によれば、制御部が、第1のメッセージを表示部に表示させた後に、情報媒体の装着状態が継続して検出されている状態において電源遮断が再び指示されたときに、電源部を制御して電源の供給を停止させることにより、利用者が情報媒体を取り出す必要がないと判断した際には、電源スイッチの再操作によって電源を直ちに遮断することができる。このため、この画像表示装置によれば、情報媒体を取り出す必要がないときであっても電源が投入されている状態を維持する構成と比較して、電力が無用に消費される事態を回避することができる。
【0011】
さらに、本発明に係る画像表示装置は、前記制御部が、電源投入が指示されたときに前記電源部を制御して前記電源の供給を開始させると共に前記媒体再生部によって前記情報媒体の装着状態が検出されているときには、当該情報媒体が装着されていることを報知する第2のメッセージを前記表示部に表示させる。
【0012】
この画像表示装置によれば、制御部が、電源投入が指示されたときに電源部を制御して電源の供給を開始させると共に媒体再生部によって情報媒体の装着状態が検出されているときには、情報媒体が装着されていることを報知する第2のメッセージを表示部に表示させることにより、例えば、電源遮断時に情報媒体を取り出すのを忘れてしまったとしても、その後の電源投入時に第2のメッセージが表示されることで、利用者に対して情報媒体が装着されたままの状態であることを確実に認識させることができる。
【0013】
また、本発明に係る画像表示装置は、前記制御部が、入力ソースの切換えが指示されたときに前記媒体再生部によって前記情報媒体の装着状態が検出されているときには、当該情報媒体が装着されていることを報知する第3のメッセージを前記表示部に表示させる。
【0014】
この画像表示装置によれば、制御部が、入力ソースの切換えが指示されたときに媒体再生部によって情報媒体の装着状態が検出されているときには、情報媒体が装着されていることを報知する第3のメッセージを前記表示部に表示させることにより、情報媒体が装着されたままの状態であることを第3のメッセージの表示によって利用者に認識させるだけではなく、入力ソース切換えスイッチを操作したにも拘わらず入力ソースが切り換わらないとの画像表示装置の動作によって、利用者に対して情報媒体が装着されたままの状態であることを確実に認識させることができる。
【0015】
また、本発明に係るプロジェクタは、上記のいずれかの画像表示装置と、前記表示部としての投写機構とを備えて構成されている。
【0016】
このプロジェクタによれば、上記のいずれかの画像表示装置と、表示部としての投写機構とを備えて構成したことにより、情報媒体を取り出すために電源を再投入する必要がないため、光源ランプ等の点灯回数を十分に減らすことができる。このため、このプロジェクタによれば、光源ランプ等の寿命を延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る画像表示装置、プロジェクタおよび電源制御方法の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。図1に示すプロジェクタ1は、本発明に係る画像表示装置の一例であるフロント投写型のプロジェクタであって、光ディスク再生部2、外部信号入力部3、映像処理部4、映像投写部5、音声処理部6、音声出力部7、信号処理部8、操作部9、電源部10および制御部11を備えて構成されている。光ディスク再生部2は、本発明における媒体再生部に相当し、本発明における情報媒体の一例である光ディスク(一例として、DVDやBD(登録商標))を装着可能なディスクドライブ装置(図示せず)を備えて、光ディスクに対する再生処理を実行可能に構成されている。具体的には、光ディスク再生部2は、光ディスクから読み出した映像音声データに基づき、映像信号Sv1(本発明における画像データの一例)を生成して映像処理部4に出力すると共に、音声信号Sa1を生成して音声処理部6に出力する。
【0018】
外部信号入力部3は、各種視聴覚機器(光ディスクプレーヤ、デジタルチューナおよびパーソナルコンピュータなど)から出力された映像音声信号Savに基づいて映像信号Sv1および音声信号Sa1を生成すると共に、生成した映像信号Sv1を映像処理部4に出力すると共に、生成した音声信号Sa1を音声処理部6に出力する。この外部信号入力部3は、いわゆる入力ソース切換部であって、後述するように、入力ソースの切換えを指示するスイッチ操作が行われたときに、制御部11の制御に従って複数の視聴覚機器のうちのいずれかを映像処理部4および音声処理部6に接続することにより、その視聴覚機器から出力された映像音声信号Savに基づいて上記のように生成した映像信号Sv1および音声信号Sa1を映像処理部4および音声処理部6にそれぞれ出力する。
【0019】
映像処理部4は、制御部11と相俟って本発明における制御部を構成し、光ディスク再生部2および外部信号入力部3のいずれかから出力された映像信号Sv1に基づいて映像信号Sv2を生成すると共に、生成した映像信号Sv2を映像投写部5に出力して映像音声信号Savの映像(画像)を表示させる。映像投写部5は、本発明における投写機構に相当し、光源ランプ、ランプ駆動部、液晶ライトバルブ(光変調素子の一例)、ライトバルブ駆動部(変調素子駆動部の一例)および投写レンズ等(いずれも図示せず)を備え、映像処理部4から出力された映像信号Sv2に基づいて光源ランプからの光を液晶ライトバルブによって光変調して投写レンズを介してスクリーン12(図3,6,7参照)に映像を投写する(映像信号Sv2に基づく映像をスクリーン12に表示させる)。この場合、映像投写部5に配設された光源ランプは、一例として、メタルハライドランプや高圧水銀ランプで構成されて、上記のランプ駆動部の制御に従って点灯することで白色光を射出する。
【0020】
音声処理部6は、光ディスク再生部2および外部信号入力部3のいずれかから出力された音声信号Sa1に基づいて音声信号Sa2を生成すると共に、生成した音声信号Sa2を音声出力部7に出力して映像音声信号Savの音声を出力させる。音声出力部7は、アンプやスピーカを備え(図示せず)、音声処理部6から出力された音声信号Sa2に基づく音声をスピーカから出力する。信号処理部8は、プロジェクタ1の本体部に配設された操作部9から操作信号S0が出力されたとき、または、リモートコントローラ(図示せず)から操作信号S0(一例として、赤外線信号)が出力されたときに、その操作信号S0に対応する操作信号S1を生成して制御部11に出力する。この場合、上記の操作部9およびリモートコントローラには、電源スイッチや入力ソース切換えスイッチなどの各種の操作スイッチが配設されている。電源部10は、制御部11の制御に従ってプロジェクタ1の各部に電源を供給する。
【0021】
制御部11は、プロジェクタ1を総括的に制御する。具体的には、制御部11は、信号処理部8から出力された操作信号S1に応じて、光ディスク再生部2、外部信号入力部3、映像処理部4、映像投写部5、音声処理部6および音声出力部7の動作を制御する。また、制御部11は、後述するように、電源投入処理20(図2参照)および電源遮断処理40(図5参照)を実行して本発明に係る電源制御方法に従って電源部10の動作を制御する。さらに、制御部11は、後述するように、入力ソース切換え処理30(図4参照)を実行して、外部信号入力部3の動作を制御する。
【0022】
このプロジェクタ1では、電源が遮断されている状態において、例えば上記の操作部9における電源スイッチが操作されて操作信号S0が出力されたときに、信号処理部8が操作信号S1を生成して制御部11に出力する(「電源投入が指示されたとき」の一例)。これに応じて、制御部11は、図2に示す電源投入処理20を開始する。この電源投入処理20では、制御部11は、まず、電源部10に制御信号S5を出力して(電源部10を制御して)プロジェクタ1の各部に対する電源の供給を開始させる(ステップ21)。この際には、電源の供給に伴い、映像投写部5において光源ランプが点灯させられる。次いで、制御部11は、光ディスク再生部2に制御信号S2aを出力して、上記のディスクドライブ装置に光ディスクが装着されているか否かを検出させる(ステップ22)。
【0023】
この際に、光ディスクが装着されていないときには、光ディスク再生部2は、非装着状態を示す検出信号S2bを制御部11に出力する。これに応じて、制御部11は、光ディスク再生部2に光ディスクが装着されていないと判別して(ステップ23)、この電源投入処理20を終了する。一方、ディスクドライブ装置に光ディスクが装着されているときには、光ディスク再生部2は、装着状態を示す検出信号S2bを制御部11に出力する。これに応じて、制御部11は、光ディスク再生部2に光ディスクが装着されていると判別して(ステップ23)、映像処理部4に制御信号S3を出力して予め規定されたメッセージを表示させる(ステップ24)。この結果、映像処理部4が、制御部11からの制御信号S3に従い、メッセージを表示させるための映像信号Sv2を生成して映像投写部5に出力する。
【0024】
これに応じて、映像投写部5が光源ランプからの光を変調して出力することにより、図3に示すように、「光ディスクが入ったままです。」とのメッセージM1(本発明における「第2のメッセージ」の一例)をスクリーン12に投写する。このメッセージM1の投写によって、利用者は、ディスクドライブ装置に光ディスクが入ったままの状態であることを認識する。また、制御部11は、予め規定した所定時間(一例として、5秒)が経過した時点において(ステップ25)、この電源投入処理20を終了する。この後、光ディスク再生部2(ディスクドライブ装置)に光ディスクを装着した状態において操作部9の再生スイッチを操作することにより、光ディスク再生部2によって音声信号Sa1および映像信号Sv1が出力されて、映像投写部5が映像処理部4から出力された映像信号Sv2の映像(画像)をスクリーン12に投写すると共に、音声出力部7が音声処理部6から出力された音声信号Sa2の音声を出力する。
【0025】
一方、このプロジェクタ1では、例えば光ディスク再生部2による光ディスクの再生時において、外部装置としての視聴覚機器(一例として、デジタルチューナ)から出力された映像音声信号Savに基づく映像(画像)を表示させるために、入力ソースの切換え操作を行ったときに、制御部11が、図4に示す入力ソース切換え処理30を実行する。具体的には、操作部9における入力ソース切換えスイッチが操作されて、そのスイッチ操作に対応する操作信号S1が信号処理部8から出力されたときに(「入力ソースの切換えが指示されたとき」の一例)、制御部11は、この入力ソース切換え処理30を開始する。この入力ソース切換え処理30では、制御部11は、まず、光ディスク再生部2に制御信号S2aを出力して、上記のディスクドライブ装置に光ディスクが装着されているか否かを検出させる(ステップ31)。
【0026】
この際に、光ディスクが装着されていないときには、光ディスク再生部2は、非装着状体を示す検出信号S2bを制御部11に出力する。これに応じて、制御部11は、光ディスク再生部2に光ディスクが装着されていないと判別し(ステップ32)、外部信号入力部3に制御信号S6を出力して入力ソースを例えばデジタルチューナに切換えさせて(ステップ33)、この入力ソース切換え処理30を終了する。この際には、デジタルチューナから出力された映像音声信号Savに基づき、外部信号入力部3が、映像信号Sv1および音声信号Sa1を生成して映像処理部4および音声処理部6にそれぞれ出力する。これに応じて、映像処理部4が映像信号Sv2を生成して映像投写部5に出力すると共に、音声処理部6が音声信号Sa2を生成して音声出力部7に出力することにより、映像音声信号Savの映像(画像)がスクリーン12に表示されると共に(図示せず)、映像音声信号Savの音声が音声出力部7のスピーカから出力される。
【0027】
一方、ディスクドライブ装置に光ディスクが装着されているときには、光ディスク再生部2は、装着状態を示す検出信号S2bを制御部11に出力する。これに応じて、制御部11は、光ディスク再生部2に光ディスクが装着されていると判別して(ステップ32)、映像処理部4に制御信号S3を出力して予め規定されたメッセージを表示させる(ステップ34)。具体的には、制御部11からの制御信号S3に従い、映像処理部4がメッセージを表示させるための映像信号Sv2を生成して映像投写部5に出力する。これに応じて、映像投写部5が光源ランプからの光を変調して出力することにより、図6に示すように、「光ディスクが入ったままです。入力ソースを切換えますか?[入力切換]の操作で切換えます」とのメッセージM2(本発明における「第3のメッセージ」の一例)をスクリーン12に投写する。このメッセージM2の投写によって、利用者は、ディスクドライブ装置に光ディスクが入ったままの状態であることを認識する。
【0028】
次いで、制御部11は、入力ソース切換えスイッチが再び操作されたか否かの監視処理(ステップ35)、光ディスクがディスクドライブ装置から取り出されたか否かの監視処理(ステップ36,37)、および予め規定した所定時間が経過したか否かの監視処理(ステップ38)を繰り返して実行する。
【0029】
この際に、例えば、光ディスク再生部2に光ディスクが装着されていることを承知で入力ソースを切り換えるときには、利用者は、メッセージM2に従い、操作部9の入力ソース切換えスイッチ([入力切換]のスイッチ)を再び操作する。これに応じて、制御部11は、信号処理部8から出力された操作信号S1に基づいて、入力ソース切換えスイッチが再び操作されたと判別し(ステップ35)、外部信号入力部3に制御信号S6を出力して入力ソースを例えばデジタルチューナに切換えさせて(ステップ33)、この入力ソース切換え処理30を終了する。これにより、入力ソースの切換えが完了して、デジタルチューナからの映像音声信号Savに基づく映像(画像)がスクリーン12に表示されると共に、映像音声信号Savの音声がスピーカから出力される。
【0030】
一方、例えば、再生を完了した光ディスクをレンタル業者に返却するときには、操作部9のイジェクトスイッチ(図示せず)を操作して光ディスクを光ディスク再生部2から取り出す。この際には、操作部9からの操作信号S0に応じて信号処理部8がイジェクトスイッチの操作に対応する操作信号S1を生成して制御部11に出力する。これに応じて、制御部11は、光ディスク再生部2に制御信号S2aを出力して光ディスクを排出させると共に、光ディスクがディスクドライブ装置から取り出されたか否かを検出させる(ステップ36)。この際に、光ディスク再生部2からの検出信号S2bに基づいて光ディスクが取り出されたと判別したときには(ステップ37)、制御部11は、外部信号入力部3に制御信号S6を出力して入力ソースを例えばデジタルチューナに切換えさせて(ステップ33)、この入力ソース切換え処理30を終了する。
【0031】
また、このプロジェクタ1では、メッセージM2が表示された後に、入力ソース切換えスイッチの操作、および光ディスクの取り出しのいずれも行われることなく予め規定した所定時間(一例として、30秒分)が経過したときに、入力ソースの切換えが行われる。具体的には、メッセージM2の表示後に所定時間が経過したときには(ステップ38)、制御部11は、外部信号入力部3に制御信号S6を出力して入力ソースを例えばデジタルチューナに切換えさせて(ステップ33)、この入力ソース切換え処理30を終了する。これにより、入力ソースの切換えが完了して、デジタルチューナからの映像音声信号Savに基づく映像(画像)がスクリーン12に表示されると共に、映像音声信号Savの音声がスピーカから出力される。
【0032】
また、光ディスク再生部2による光ディスクの再生中、または、デジタルチューナ(外部装置)からの映像音声信号Savに基づく映像(画像)の表示中において、プロジェクタ1の電源を遮断する際には、制御部11が、図5に示す電源遮断処理40を実行する。具体的には、操作部9の電源スイッチが操作されて、そのスイッチ操作に対応する操作信号S1が信号処理部8から出力されたときに(「電源遮断が指示されたとき」の一例)、制御部11が、電源遮断処理40を開始する。この電源遮断処理40では、制御部11は、まず、光ディスク再生部2に制御信号S2aを出力して、上記のディスクドライブ装置に光ディスクが装着されているか否かを検出させる(ステップ41)。
【0033】
この際に、光ディスクが装着されていないときには、光ディスク再生部2は、非装着状態を示す検出信号S2bを制御部11に出力する。これに応じて、制御部11は、光ディスク再生部2に光ディスクが装着されていないと判別して(ステップ42)、映像投写部5に制御信号S4を出力してクールダウン処理を開始させる(ステップ43)。これに応じて、映像投写部5が、光源ランプを消灯させる。次いで、制御部11は、クールダウン処理が開始されてから所定時間が経過した時点(クールダウン処理が完了する時点)において、電源部10に制御信号S5を出力して(電源部10を制御して)プロジェクタ1の各部に対する電源の供給を停止させる(ステップ44)。これにより、プロジェクタ1の電源遮断処理が完了する。
【0034】
一方、ディスクドライブ装置に光ディスクが装着されているときには、光ディスク再生部2は、装着状態を示す検出信号S2bを制御部11に出力する。これに応じて、制御部11は、光ディスク再生部2に光ディスクが装着されていると判別して(ステップ42)、映像処理部4に制御信号S3を出力して予め規定されたメッセージを表示させる(ステップ45)。具体的には、映像処理部4が、制御部11からの制御信号S3に従い、メッセージを表示させるための映像信号Sv2を生成して映像投写部5に出力する。これに応じて、映像投写部5が光源ランプからの光を変調して出力することにより、図7に示すように、「光ディスクが入ったままです。電源オフしますか?[電源]の操作で電源オフします」とのメッセージM3(本発明における「第1のメッセージ」の一例)をスクリーン12に投写する。このメッセージM3の投写によって、利用者は、ディスクドライブ装置に光ディスクが入ったままの状態であることを認識する。
【0035】
次いで、制御部11は、電源スイッチが再び操作されたか否かの監視処理(ステップ46)、光ディスクがディスクドライブ装置から取り出されたか否かの監視処理(ステップ47,48)、および予め規定した所定時間が経過したか否かの監視処理(ステップ49)を繰り返して実行する。
【0036】
この際に、例えば、光ディスクの再生を一時的に中断するだけで、光ディスクの再生を後に再開するときには、利用者は、メッセージM3に従い、操作部9の電源スイッチを再び操作する。この際に、制御部11は、信号処理部8から出力された操作信号S1に基づいて、電源スイッチが再び操作されたと判別して(ステップ46)、映像投写部5に制御信号S4を出力してクールダウン処理を開始させると共に(ステップ43)、所定時間が経過した時点において、電源部10に制御信号S5を出力してプロジェクタ1の各部に対する電源の供給を停止させる(ステップ44)。これにより、プロジェクタ1の電源遮断処理が完了する。
【0037】
一方、例えば、再生を完了した光ディスクをレンタル業者に対して返却する必要があるときには、操作部9のイジェクトスイッチ(図示せず)を操作して光ディスクを光ディスク再生部2から取り出す。この際には、信号処理部8が、操作部9からの操作信号S0に応じて、イジェクトスイッチの操作に対応する操作信号S1を生成して制御部11に出力する。これに応じて、制御部11は、光ディスク再生部2に制御信号S2aを出力して光ディスクを排出させると共に、光ディスクがディスクドライブ装置から取り出されたか否かを検出させる(ステップ47)。この際に、光ディスク再生部2からの検出信号S2bに基づいて光ディスクが取り出されたと判別したときには(ステップ48)、制御部11は、映像投写部5に制御信号S4を出力してクールダウン処理を開始させると共に(ステップ43)、所定時間が経過した時点において、電源部10に制御信号S5を出力してプロジェクタ1の各部に対する電源の供給を停止させる(ステップ44)。これにより、プロジェクタ1の電源遮断処理が完了する。
【0038】
また、このプロジェクタ1では、メッセージM3が表示された後に、電源スイッチの操作、および光ディスクの取り出しのいずれも行われることなく予め規定した所定時間(一例として、1分)が経過したときに、電源が遮断される。具体的には、メッセージM3の表示後に所定時間が経過したときには(ステップ49)、制御部11は、映像投写部5に制御信号S4を出力してクールダウン処理を開始させると共に(ステップ43)、所定時間が経過した時点において、電源部10に制御信号S5を出力してプロジェクタ1の各部に対する電源の供給を停止させる(ステップ44)。これにより、プロジェクタ1の電源遮断処理が完了する。
【0039】
このように、このプロジェクタ1およびその電源制御方法では、制御部11が、電源遮断が指示されたとき(電源遮断を指示する操作信号S1が出力されたとき)に、光ディスク再生部2によって光ディスクの非装着状態が検出されているときには、電源部10を制御して電源の供給を停止させ、光ディスクの装着状態が検出されているときには、光ディスクが装着されていることを報知するメッセージM3(第1のメッセージ)を映像投写部5によってスクリーン12に表示させると共にその後に光ディスクの非装着状態が検出されたときに電源部10を制御して電源の供給を停止させる。したがって、このプロジェクタ1およびその電源制御方法によれば、光ディスクが装着されたままの状態であることをメッセージM3の表示によって利用者に認識させるだけでなく、電源スイッチを操作したにも拘わらず電源が遮断されないとのプロジェクタ1の動作によって、利用者に対して光ディスクが装着されたままの状態であることを確実に認識させることができる。また、このプロジェクタ1およびその電源制御方法によれば、利用者が光ディスクを取り出す必要があると判断した際に、電源が遮断されていないため、光ディスクを取り出すために装置の電源を投入し直す必要がある従来のアラーム機構とは異なり、光ディスクを迅速かつ容易に取り出すことができる。
【0040】
また、このプロジェクタ1によれば、制御部11が、メッセージM3を表示させた後に、光ディスク再生部2によって光ディスクの装着状態が継続して検出されている状態において電源遮断が再び指示されたとき(電源遮断を指示する操作信号S1が再び出力されたとき)に、電源部10を制御して電源の供給を停止させることにより、利用者が光ディスクを取り出す必要がないと判断した際には、電源スイッチの再操作によって電源を直ちに遮断することができる。このため、このプロジェクタ1によれば、光ディスクを取り出す必要がないときであっても電源が投入されている状態を維持する構成と比較して、電力が無用に消費される事態を回避することができる。
【0041】
さらに、このプロジェクタ1によれば、制御部11が、電源投入が指示されたとき(電源投入を指示する操作信号S1が出力されたとき)に電源部10を制御して電源の供給を開始させると共に光ディスク再生部2によって光ディスクの装着状態が検出されているときには、光ディスクが装着されていることを報知するメッセージM1(第2のメッセージ)を映像投写部5によってスクリーン12に表示させることにより、例えば、電源遮断時に光ディスクを取り出すのを忘れてしまったとしても、その後の電源投入時にメッセージM1が表示されることで、利用者に対して光ディスクが装着されたままの状態であることを確実に認識させることができる。
【0042】
また、このプロジェクタ1によれば、制御部11が、入力ソースの切換えが指示されたとき(入力ソースの切換えを指示する操作信号S1が出力されたとき)に光ディスク再生部2によって光ディスクの装着状態が検出されているときには、光ディスクが装着されていることを報知するメッセージM2(第3のメッセージ)を映像投写部5によってスクリーン12に表示させることにより、光ディスクが装着されたままの状態であることをメッセージM2の表示によって利用者に認識させるだけではなく、入力ソース切換えスイッチを操作したにも拘わらず入力ソースが切り換わらないとのプロジェクタ1の動作によって、利用者に対して光ディスクが装着されたままの状態であることを確実に認識させることができる。
【0043】
さらに、このプロジェクタ1によれば、本発明に係る画像表示装置と、本発明における表示部としての映像投写部5(投写機構)とを備えて構成したことにより、光ディスクを取り出すために電源を再投入する必要がないため、光源ランプ等の点灯回数を十分に減らすことができる。このため、このプロジェクタ1によれば、光源ランプ等の寿命を延ばすことができる。
【0044】
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、本発明における情報媒体の一例として光ディスクを例に挙げて説明したが、本発明に係る画像表示装置によって画像(映像)を表示させる対象の情報媒体は、光ディスクに限定されず、磁気テープカートリッジやリムーバブルメモリなどの各種の情報媒体がこれに含まれる。また、操作部9の電源スイッチの操作によって電源を投入する際に電源投入処理20を実行する例、および電源スイッチの操作によって電源を遮断する際に電源遮断処理40を実行する例について説明したが、例えば、タイマ機能を有する画像表示装置において、設定時刻に電源を投入する際に電源投入処理20を実行したり、設定時刻に電源を遮断する際に電源遮断処理40を実行したりする構成を採用することができる。このような構成においては、タイマから信号(設定時刻の到来を報知する信号)が出力されたことが本発明における「電源遮断または電源投入が指示された」に相当する。
【0045】
また、液晶ライトバルブを備えたプロジェクタ1を例に挙げて説明したが、液晶ライトバルブに代えて、DMD(Digital Micromirror Device)等の光変調素子を採用してプロジェクタ1を構成することができる。なお、DMDは米国テキサスインスツルメンツ社の商標である。この場合、光変調素子として液晶ライトバルブを採用するときにも、透過型の液晶ライトバルブに限定されず、反射型の液晶ライトバルブを採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】プロジェクタ1の構成を示すブロック図である。
【図2】電源投入処理20のフローチャートである。
【図3】メッセージM1をスクリーン12に表示させた状態の表示画面図である。
【図4】入力ソース切換え処理30のフローチャートである。
【図5】電源遮断処理40のフローチャートである。
【図6】メッセージM2をスクリーン12に表示させた状態の表示画面図である。
【図7】メッセージM3をスクリーン12に表示させた状態の表示画面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 プロジェクタ、2 光ディスク再生部、3 外部信号入力部、4 映像処理部、5 映像投写部、10 電源部、11 制御部、12 スクリーン、20 電源投入処理、30 入力ソース切換え処理、40 電源遮断処理、M1〜M3 メッセージ、S0,S1 操作信号、S2a 制御信号、S2b 検出信号、S3〜S6 制御信号、Sa1,Sa2 音声信号、Sav 映像音声信号、Sv1,Sv2 映像信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報媒体の装着の有無を検出可能に構成されると共に装着された当該情報媒体に対する再生処理を実行して画像データを出力する媒体再生部と、電源部と、当該電源部を制御すると共に前記出力された画像データに基づく画像を表示部に表示させる制御部とを備えた画像表示装置であって、
前記制御部は、電源遮断が指示されたときに、前記媒体再生部によって前記情報媒体の非装着状態が検出されているときには、前記電源部を制御して電源の供給を停止させ、当該媒体再生部によって当該情報媒体の装着状態が検出されているときには、当該情報媒体が装着されていることを報知する第1のメッセージを前記表示部に表示させると共にその後に当該媒体再生部によって当該情報媒体の非装着状態が検出されたときに前記電源部を制御して前記電源の供給を停止させる画像表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1のメッセージを前記表示部に表示させた後に、前記媒体再生部によって前記情報媒体の装着状態が継続して検出されている状態において前記電源遮断が再び指示されたときに、前記電源部を制御して前記電源の供給を停止させる請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、電源投入が指示されたときに前記電源部を制御して前記電源の供給を開始させると共に前記媒体再生部によって前記情報媒体の装着状態が検出されているときには、当該情報媒体が装着されていることを報知する第2のメッセージを前記表示部に表示させる請求項1または2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、入力ソースの切換えが指示されたときに前記媒体再生部によって前記情報媒体の装着状態が検出されているときには、当該情報媒体が装着されていることを報知する第3のメッセージを前記表示部に表示させる請求項1から3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の画像表示装置と、前記表示部としての投写機構とを備えて構成されているプロジェクタ。
【請求項6】
装着された情報媒体に対する再生処理を実行して画像データを出力する媒体再生部を備えて当該画像データに基づく画像を表示部に表示可能に構成された画像表示装置の電源部を制御する電源制御方法であって、
電源遮断が指示されたときに前記媒体再生部によって前記情報媒体の非装着状態が検出されているときには、前記電源部を制御して電源の供給を停止させ、当該媒体再生部によって当該情報媒体の装着状態が検出されているときには、前記情報媒体が装着されていることを報知する第1のメッセージを前記表示部に表示させると共にその後に当該媒体再生部によって当該情報媒体の非装着状態が検出されたときに前記電源部を制御して前記電源の供給を停止させる電源制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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