説明

画像表示装置およびその制御方法

【課題】電圧遷移時の変調パルス波形の乱れを抑制するための技術を提供する。
【解決手段】変調回路は、スロープ状に立ち上がる第1波形を生成する第1波形生成部と、波高値を規定する第2波形を生成する第2波形生成部と、スロープ状に立ち下がる第3波形を生成する第3波形生成部と、波形切替え部と、を備える。波形切替え部は、画像データから生成された制御信号に従って、第1波形と第3波形、又は、第1波形と第2波形と第3波形を組み合わせて、変調パルスの波形を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子放出素子を用いた表示装置(電子線表示装置)、液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機EL表示装置などの平面型表示装置が知られている。この種の画像表示装置は、多数の表示素子がマトリクス状に配列された表示パネル(マトリクスパネル)と、表示素子を駆動するための駆動回路と、を備えている。一般に、駆動対象となる表示素子には、画像信号に応じて変調された変調信号(変調パルス)が供給される。変調方式としては、パルス幅変調、振幅変調などが知られている。
【0003】
特許文献1は、パルス幅変調と振幅変調を組み合わせた変調方式を開示する。さらに特許文献1は、パルス波形の立ち上がりと立ち下がりを階段状にする変調回路を開示する。
【特許文献1】特開2003−173159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようにパルス波形の立ち上がりと立ち下がりを階段状にすることで、電圧遷移時の波形の乱れ(オーバーシュート、リンギングなど)をある程度は抑制することができる。
【0005】
しかしながら、表示パネルの高精細化や駆動の高速化に伴い、電圧遷移時の波形の乱れをより一層抑制し、安定した駆動を実現することが望まれている。特に電子線表示装置のようなマトリクス駆動タイプの画像表示装置では、マトリクスパネルの容量が大きく、駆動電圧も大きいことから、パルス波形に含まれる高周波成分を可及的に小さくすることが望まれる。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、電圧遷移時の変調パルス波形の乱れを抑制するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用する。
【0008】
本発明の第1態様は、
複数の表示素子が複数の列配線と複数の行配線でマトリクス配置された表示パネルと、
駆動対象の行配線に選択電位を出力する走査回路と、
画像データに基づき変調パルスを生成し、前記変調パルスを列配線に出力する変調回路と、を備え、
前記変調回路は、
スロープ状に立ち上がる第1波形を生成する第1波形生成部と、
波高値を規定する第2波形を生成する第2波形生成部と、
スロープ状に立ち下がる第3波形を生成する第3波形生成部と、
前記画像データから生成された制御信号に従って、前記第1波形と前記第3波形、又は、前記第1波形と前記第2波形と前記第3波形を組み合わせて、前記変調パルスの波形を生成する波形切替え部と、を備える画像表示装置である。
【0009】
本発明の第2態様は、
複数の表示素子が複数の列配線と複数の行配線でマトリクス配置された表示パネルを備える画像表示装置の制御方法であって、
駆動対象の行配線に選択電位を出力するステップと、
画像データに基づき変調パルスを生成し、前記変調パルスを列配線に出力するステップと、を備え、
前記変調パルスを出力するステップにおいて、
nを1以上の整数とし、t2をt1より大きい値とし、h2をh1より大きい値とし、kを1以上の整数とし、f(k)をkが大きくなるにしたがって大きくなる値として、
(1)階調値nに対応する変調パルスを出力する場合に、該変調パルスの出力開始時点から時間t1をかけてスロープ状に波高値をh1まで立ち上げ、該変調パルスの出力開始時点から時間t1経過した時点から波高値を立ち下げる制御を行い、
(2)階調値n+kに対応する変調パルスを出力する場合、該変調パルスの出力開始時点から時間t2をかけてスロープ状に波高値をh2まで立ち上げた後、該変調パルスの出力開始時点から時間t2+f(k)経過する時点まで波高値h2を維持し、その後、波高値を立ち下げる制御を行う画像表示装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電圧遷移時の変調パルス波形の乱れを抑制することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【0012】
本発明は、複数の表示素子が複数の列配線と複数の行配線でマトリクス配置された表示パネル(マトリクスパネル)を有する画像表示装置に好ましく適用できる。この種の画像表示装置としては、たとえば電子線表示装置、プラズマ表示装置、有機EL表示装置などがある。特に電子線表示装置は、マトリクスパネルの配線容量や素子容量が大きく、素子に供給する駆動電圧も大きいことから、本発明が適用される好ましい形態である。電子線表示装置では、表示素子として、FE型電子放出素子、MIM型電子放出素子、表面伝導型放出素子などの冷陰極素子(電子放出素子)が好ましく用いられる。
【0013】
画像表示装置は、表示パネルを駆動するための駆動手段として、走査回路と変調回路を備えている。走査回路は駆動対象の1または複数の行配線に選択電位を出力する回路であり、変調回路は画像データに基づき変調パルスを生成し、その変調パルスを列配線に出力する回路である。本実施形態の変調回路は、スロープ状に立ち上がる第1波形、波高値を規定する第2波形、スロープ状に立ち下がる第3波形を適宜組み合わせて、変調パルスの波形(源波形)を生成する。変調回路は、画像データに基づき、波形制御のための制御信号を生成するロジック回路を有している。この制御信号によって、第1波形、第2波形、第3波形を切替えるタイミングや第2波形の波高値などを自由に制御することができる。
【0014】
以下、本実施形態の変調回路で出力可能な変調パルスの例を挙げる。いずれの変調パルスも、立ち上がり及び立ち下がりが緩やかなスロープ状になっているため、電圧遷移時のオーバーシュート、アンダーシュート、リンギングなどの波形乱れを可及的に抑制できる。よって画像表示装置の階調性を向上することができる。
【0015】
(変調パルスの例1)
第1波形に続いて第3波形を出力することで、三角形状のパルスを生成することができる。第1波形から第3波形への切替えのタイミングを遅くしていくことにより、大きいパルス、すなわち大きい階調値に対応するパルスを生成することができる。
【0016】
(変調パルスの例2)
第1波形でパルスを波高値hまで立ち上げ、第2波形で波高値hを維持し、第3波形で波高値hから立ち下げることで、台形状のパルスを生成することができる。ここで、第2波形を出力する時間を長くしていくことにより、大きい階調値に対応するパルスを生成することができる。
【0017】
(変調パルスの例3)
階調値に応じて三角形状のパルスと台形状のパルスとを使い分けることもできる。たとえば、階調値n(nは1以上の整数)では下記(1)の制御を行い、階調値n+1からn+k(kは1以上の整数)までは下記(2)の制御を行う。
【0018】
(1)階調値nに対応する変調パルスを出力する場合
変調パルスの出力開始時点から時間t1をかけてスロープ状に波高値をh1まで立ち上げ、該変調パルスの出力開始時点から時間t1経過した時点から波高値を立ち下げる。
【0019】
(2)階調値n+kに対応する変調パルスを出力する場合
変調パルスの出力開始時点から時間t2をかけてスロープ状に波高値をh2まで立ち上げた後、該変調パルスの出力開始時点から時間t2+f(k)経過する時点まで波高値h2を維持し、その後、波高値を立ち下げる。
【0020】
ここで、t2>t1、h2>h1である。またf(k)はkが大きくなるにしたがって大きくなる値である。f(k)は典型的にはkの一次関数であるが、単調増加する関数であれば一次関数には限らない。
【0021】
上記(2)の制御は、階調値にしたがってパルス幅(台形波形の平坦部分の長さ)を伸ばしていく制御である。なお、k=1の時にf(k)が0である場合、(2)のパルスは三角形状のパルスとなる。上記(1)で得られる三角形状のパルスは、(2)でk=1の時に得られるパルスよりも1階調分小さいパルスに相当する。このような制御により、台形状パルスのパルス幅変調で表現可能な輝度(つまりk=1の時の輝度)よりも、さらに小さい輝度を実現でき、画像表示装置の階調性を向上できる。
【0022】
また、以下の(3)の制御を行うことも好ましい。
(3)階調値n−1に対応する変調パルスを出力する場合
変調パルスの出力開始時点から時間t3をかけてスロープ状に波高値をh3まで立ち上げ、該変調パルスの出力開始時点から時間t3経過した時点から波高値を立ち下げる。ここでt3<t1、h3<h1である。
【0023】
(3)の制御は、(1)のパルスよりもさらに小さい三角形状のパルスを生成するものである。これによりさらに小さい輝度を実現でき、画像表示装置の階調性を一層向上できる。なお同じようにして(3)のパルスよりもさらに小さい三角形状のパルスを生成してもよい。
【0024】
図1および図2は、変調パルスの波形の一例を示している。この例では、階調値1〜nまで三角形状パルスを徐々に大きくしていき、階調値n+1以降は、台形状パルスのパルス幅を徐々に長くしていく。なお、パルス波形の中の黒い部分は、1階調前のパルスとの差分を表している。図1は変調パルスの波高値がV4レベルであり、図2は波高値がV3レベルである(V4>V3)。図1の変調パルスのほうが高輝度表示が可能である。たとえば、高輝度が好ましい映像を表示する場合や、高輝度の表示モードが選択された場合には、図1の制御を採用すればよい。また低輝度が好ましい映像を表示する場合や、低輝度の表示モードが選択された場合には、図2の制御を採用すればよい。波高値をV1やV2にすればさらなる低輝度を実現できる。また後述するように、蛍光体の発光効率の違いを
補正するために、色毎に波高値を変えることも好ましい。
【0025】
(変調パルスの例4)
図3は、変調パルス波形の他の例を示している。a、b、c、dは整数であり、1<a<b<c<dである。階調値1〜aまでの制御は、変調パルスの例3で説明した(1)〜(3)の制御と同じである。階調値a+1〜bまでは、階調値aの台形状パルス(波高値V1)の上に、三角形状もしくは台形状のパルス(波高値V2)を積み重ねるような制御を行う。
【0026】
たとえば階調値a+1〜a+3の波形の場合、第1波形でVx(V1<Vx≦V2)まで立ち上げ、第3波形でVxからV1まで立ち下げ、第2波形でV1を維持した後、第3波形でV1からV0まで立ち下げる。階調値a+4の波形の場合、第1波形でV2まで立ち上げ、第2波形でV2を維持し、第3波形でV2からV1まで立ち下げ、第2波形でV1を維持し、第3波形でV1からV0まで立ち下げる。この場合、第2波形は複数種類の波高値(V1、V2)に制御される。階調値b+1〜c、c+1〜dまでの制御も同じように行われる。
【0027】
このような波形制御により、画像表示装置の階調性をさらに向上することが可能となる。
【0028】
では、上述した変調パルスを出力するための画像表示装置の構成および制御方法について、具体的に説明する。
【0029】
<第1実施形態>
(画像表示装置)
図4は、本発明の実施形態に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。画像表示装置は、概略、表示パネル(画像表示部)としてのマルチ電子源A1と、マルチ電子源A1を駆動する駆動装置と、を備えている。
【0030】
駆動装置は、出力データ回路、変調回路A2、走査回路A3、変調電源回路A7、および走査電源回路A8で構成される。出力データ回路は、タイミング発生回路A4、データ変換回路A5、パラレル/シリアル変換回路A6などを備えている。
【0031】
マルチ電子源A1は、複数の電子放出素子、複数の行配線、複数の列配線を備えており、行配線と列配線の交差部のそれぞれに電子放出素子が形成されている。行配線に選択電位を供給し、列配線に変調パルスを供給すると、選択電位と変調パルスの電位差である駆動電圧が電子放出素子に印加される。この駆動電圧の印加時間や電圧値を適宜制御することにより、所望の素子を所望の輝度で発光させることができる。
【0032】
変調回路A2は、マルチ電子源A1の列配線に接続されている。この変調回路A2は、出力データ回路から供給される画像データに基づいて変調信号(変調パルス)を生成し、その変調信号をマルチ電子源A1の各列配線に出力する回路である。
【0033】
変調電源回路A7は、複数の電圧値を出力可能に構成された電源回路である。変調電源回路A7は、変調回路A2の回路動作用の電源であるとともに、変調回路A2から出力される変調パルスの電圧値を規定するための電源である。変調電源回路A7は、一般的に電圧源回路であるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0034】
走査回路A3は、マルチ電子源A1の行配線に接続されている。走査回路A3は、全行配線の中から駆動対象とする一本または数本の行配線を選択し、選択する行配線を順次切
り替えるための回路である。一般的には、一行ずつ順次行選択する線順次走査が行われるが、これに限定されるものではない。走査回路A3は、飛び越し走査(インタレース走査)、複数行を選択したり面状に選択したりすること(マルチライン走査)も可能である。走査回路A3は、駆動対象の行配線(選択ライン)に対しては選択電位を供給し、その他の行配線(非選択ライン)に対しては非選択電位を供給する。
【0035】
走査電源回路A8は、複数の電圧値(選択電位、非選択電位)を出力する電源回路である。一般的には電圧源回路であるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0036】
タイミング発生回路A4は、変調回路A2、走査回路A3、データ変換回路A5およびパラレル/シリアル変換回路A6のそれぞれ回路のタイミングを制御する制御データとしてのタイミング信号を発生する回路である。
【0037】
データ変換回路A5は、入力された輝度階調データを、変調回路A2およびマルチ電子源A1に適した画像データに変換する回路である。たとえば、データ変換回路A5は、輝度階調データに対して、逆γ変換、輝度補正、色補正、解像度変換、最大値調整(リミッタ)などの信号処理を施すことができる。
【0038】
パラレル/シリアル変換回路A6は、データ変換回路5から出力された画像データをパラレルデータからシリアルデータに変換し、変調回路A2に出力する回路である。
【0039】
(変調回路)
図5は、変調回路A2の回路構成を示すブロック図である。変調回路A2は、シリアル/パラレル変換回路A9、シフトレジスタA10、データサンプリング回路A11、ロジック回路A12、出力回路A13、で構成されている。
【0040】
第1実施形態における変調回路A2の動作を説明する。
【0041】
出力データ回路から出力された画像データは、シリアル/パラレル変換回路A9でパラレルデータに変換される。パラレルデータに変換された画像データは、シフトレジスタA10によって、順次データサンプリング回路A11に格納される。
【0042】
マルチ電子源A1の水平方向の画素数(以下、水平方向の画素数をMとする)に相当する画像データが、データサンプリング回路A11に格納される。その後、データサンプリング回路A11に格納された、各画素用の画像データをもとに、ロジック回路A12が、出力回路A13の制御信号(制御シーケンス)を生成し、出力回路A13に送出する。
【0043】
出力回路A13は、制御信号(制御シーケンス)に基づき、変調パルスを生成し、その変調パルスをマルチ電子源A1の列配線に出力する。
【0044】
(ロジック回路)
図6は、変調回路のロジック回路A12の構成を示すブロック図である。
【0045】
ロジック回路A12は、M個のロジック回路A14を備えている。それぞれのロジック回路A14は、各画素に対応している。以下、1画素分のロジック回路A14を例に、具体的な構成、動作を説明する。
【0046】
ロジック回路A14は、デコーダA14aとシーケンス発生回路A14bとを備えている。データサンプリング回路A11でサンプリングされた画像データは、デコーダA14aに入力される。デコーダA14aは、画像データと出力データ回路からのタイミング信
号とから、変調パルスの立ち上がり・立ち下がりタイミング用の制御データを生成する。その制御データは、シーケンス発生回路A14bに入力され、コンパレータ用データとして使用される。またデコーダA14aは、画像データとタイミング信号とから、変調パルスの出力レベルを規定するための制御信号Levelを生成する。制御信号Levelは出力回路A13に入力される。
【0047】
シーケンス発生回路A14bは、タイミング信号として供給されるクロック信号に基づき、クロック数をカウントする。シーケンス発生回路A14b内のコンパレータは、そのカウント値と、立ち上がり・立ち下がりタイミング用の制御データとを比較する。そして、コンパレータの値に基づき、変調パルスの立ち上がりタイミングを規定するための制御信号Trと、変調パルスの立ち下がりタイミングを規定するための制御信号Tfと、が生成される。制御信号Tr、Tfは出力回路A13に入力される。
【0048】
(出力回路)
図7は、変調回路の出力回路A13の構成を示すブロック図である。
【0049】
出力回路A13は、M個の出力回路A15を備えている。それぞれの出力回路A15は、各画素(各列配線)に対応している。以下、1画素分の出力回路A15を例に、具体的な構成、動作を説明する。
【0050】
出力回路A15は、レベルシフト回路A16、参照波形発生回路A17、出力段A18から構成される。
【0051】
ロジック回路A14から送出された制御信号Tr、Tf、Levelが出力回路A15に入力される。レベルシフト回路A16が、制御信号Tr、Tf、Levelの電圧をロジックレベルから出力回路A15の動作電圧レベルに変換する。レベルシフト回路A16から出力された制御信号Tr、Tf、Levelは、参照波形発生回路A17に入力される。
【0052】
図8は、参照波形発生回路A17の構成を示すブロック図である。参照波形発生回路A17は、立ち上がり参照波形生成部A17a、出力レベル生成部A17b、立ち下がり参照波形生成部A17c、波形切替え部A17dから構成される。
【0053】
この実施形態では、立ち上がり参照波形生成部A17a、出力レベル生成部A17b、立ち下がり参照波形生成部A17cが、それぞれ、本発明の第1波形生成部、第2波形生成部、第3波形生成部に対応する。また、波形切替え部A17dが、本発明の波形切替え部に対応する。
【0054】
(立ち上がり波形の生成)
立ち上がり波形生成動作を説明する。
【0055】
レベルシフトされた制御信号Trは、立ち上がり参照波形生成部A17aに入力される。立ち上がり参照波形生成部A17aは、制御信号Trが入力されると、所定の傾きを持つ立ち上がりスロープ波形を生成し、出力する。立ち上がりスロープ波形(第1波形)としては、スロープ状に緩やかに立ち上がる波形であればどのような波形を用いてもよい。好ましくは単調増加する波形、より好ましくは一定の傾きをもつ波形が好適である。階調制御が容易になるからである。
【0056】
図9は、立ち上がりスロープ波形を生成するための回路構成例である。この回路は、スイッチS1、S2と、電流源Itrと、容量Ctrから構成される。
【0057】
制御信号Trがオン状態(High)の時、スイッチS1はオン状態、スイッチS2はオフ状態となる。スイッチS1がオン状態に変化する事で、電流源Itrから一定の電流が流れ込み、電荷が容量Ctrに充電される。この動作により、出力電圧Tr_OUTは、一定の傾きを持つ波形となる。
【0058】
制御信号Trがオフ状態(Low)に変化すると、スイッチS1はオフ状態、スイッチS2はオン状態となる。この動作により、容量Ctrに充電された電荷は放電され、出力電圧Tr_OUTは0Vとなる。なお、本例では、スイッチS2側にグランドに向けての電流源を接続しても良い。
【0059】
(出力レベルの生成)
出力レベル生成動作を説明する。
【0060】
レベルシフトされた制御信号Levelは、出力レベル生成部A17bに入力される。出力レベル生成部A17bは、制御信号Levelをデジタル/アナログ変換して、一定電圧の電圧レベル信号LEVEL_OUTを出力する。この電圧レベル信号LEVEL_OUTが、変調パルスの波高値を規定するための波形(第2波形)である。
【0061】
(立ち下がり波形の生成)
立ち下がり波形生成動作を説明する。
【0062】
レベルシフトされた制御信号Tfは、立ち下がり参照波形生成部A17cに入力される。立ち下がり参照波形生成部A17cは、波形切替え部A17dから出力される参照波形REF_WFの電圧を常に受けている。立ち下がり参照波形生成部A17cが参照波形REF_WFの電圧を常に受ける理由は、波形切替え部A17dから出力されている電圧レベルからの立ち下がり波形を生成するためである。すなわち、制御信号Tfが入力されると、立ち下がり参照波形生成部A17cは、参照波形REF_WFの電圧値から、所定の傾きを持つ立ち下がりスロープ波形を生成し、出力電圧Tf_OUTを出力する。
【0063】
立ち下がりスロープ波形(第3波形)としては、スロープ状に緩やかに立ち下がる波形であればどのような波形を用いてもよい。好ましくは単調減少する波形、より好ましくは一定の傾きをもつ波形が好適である。階調制御が容易になるからである。
【0064】
図10は、立ち下がりスロープ波形を生成するための回路構成例である。この回路は、スイッチS3、S4と、電流源Itfと、容量Ctfとから構成される。
【0065】
制御信号Tfがオン状態(High)の時、スイッチS3はオン状態、スイッチS4はオフ状態となる。このため参照波形REF_WFと同じ電圧が入力され、容量Ctfが充電される。
【0066】
制御信号Tfがオフ状態(Low)の時、スイッチS3はオフ状態、スイッチS4はオン状態となる。この動作により、出力電圧Tf_OUTは、立ち下がり開始直前の参照波形REF_WFの電圧から、一定の傾きを持つ立ち下がり波形となり、やがてグランドレベルとなる。
【0067】
(出力波形の生成)
波形切替え動作、および出力波形動作を説明する。
【0068】
波形切替え部A17dは、制御信号Tr、Tfに基づき、立ち上がり参照波形生成部A
17a、出力レベル生成部A17b、立ち下がり参照波形生成部A17cの参照波形(出力電圧)を切替えることで、参照波形REF_WFを生成し出力段A18に出力する。
【0069】
具体的には、波形切替え部A17dは、
制御信号TrがHighの時、立ち上がり参照波形生成部A17aの出力電圧Tr_OUTを選択し、
制御信号TrがLowの時、出力レベル生成部A17bの出力電圧LEVEL_OUTを選択する。
【0070】
また、波形切替え部A17dは、
制御信号TfがHighの時、制御信号Trの論理を優先し、
制御信号TfがLowの時、立ち下がり参照波形生成部A17cの出力電圧Tr_OUTを選択する。
【0071】
出力段A18は、波形切替え部A17dからの出力波形REF_WFを参照して、同形もしくは相似の波形をもつ変調パルスを生成する。変調パルスOUTは、マルチ電子源A1の列配線に出力される。出力段A18は、図8のようなオペアンプA18aを用いたユニティゲインバッファ構成が好適である。また、オペアンプの増幅段構成を出力段に採用してもよい。
【0072】
(動作例1)
図11および図12を参照して、出力回路A15の動作タイミングの一例を説明する。図11は出力回路A15の動作例1を示すタイミングチャートであり、図12は動作例1の論理表である。動作例1は、最大電圧レベル(V4)の変調パルスを出力する場合の制御である。
【0073】
制御信号Levelが、出力レベル生成部A17bに入力され、電圧レベル信号LEVEL_OUTが出力される。この例ではV4レベルが出力される。
【0074】
制御信号TrがHighレベルの時、立ち上がり参照波形生成部A17aから、一定の傾きを持つ立ち上がり波形Tr_OUTが出力される。制御信号TrがLowレベルの時、Tr_OUTは0V(グランドレベル)となる。
【0075】
制御信号TfがHighレベルの時、立ち下がり参照波形生成部A17cはREF_WFの電圧を取り込む。制御信号TfがLowレベルになるまで、立ち下がり参照波形生成部A17cはREF_WFの電圧を取り込み続け、その電圧をTf_OUTとして出力する。制御信号TfがLowレベルになると、Tf_OUTはREF_WFから一定の傾きで立ち下がり、やがて、0Vとなる。
【0076】
波形切替え部A17dは、制御信号TrがHighレベルになると、立ち上がり参照波形生成部A17aから出力された参照波形Tr_OUTを選択し、出力する。図11では、制御信号Trは、Tr_OUTの電圧がV4レベルに達するまでの期間、Highとなっている。
【0077】
波形切替え部A17dは、制御信号TrがLowレベルになると、制御信号TfがHighレベルの場合は、LEVEL_OUTを選択し、出力する。制御信号TfがLowレベルになると、波形切替え部A17dは、Tf_OUTを選択し、出力する。
【0078】
上記動作により、出力波形用の参照波形REF_WFは、グランドレベルから一定の傾きを持って立ち上がり、指定された電圧レベルを出力後、一定の傾きを持ってグランドレ
ベルまで立ち下がる。
【0079】
(動作例2)
図13および図14を参照して、出力回路A15の動作タイミングの一例を説明する。図13は出力回路A15の動作例2を示すタイミングチャートであり、図14は動作例2の論理表である。動作例2は、動作例1よりも低い出力レベル(V3)の変調パルスを出力する場合の制御である。
【0080】
動作例1と異なる点は、制御信号Levelの電圧がV3レベルである点と、制御信号TrのHigh期間が短くなっている点である。制御信号TrのHigh期間は、参照波形を出力電圧レベルV3まで立ち上げるのに必要な時間に合わせて決定される。このように出力電圧レベルに応じて制御信号TrのHigh期間を制御することで、スムーズな波形を生成することができる。
【0081】
出力電圧レベルを出力している期間PWは、制御信号Tr、TfのHigh期間を調整することで、制御可能である。これにより、参照波形REF_WFのパルス幅が制御できる。
【0082】
なお、他の出力電圧レベルV1、V2の出力波形も同じようにして生成することができる。
【0083】
(RGB独立調整)
上述した動作例1、2は共にパルス幅変調であるが、互いの波高値が異なっている。波高値が異なるパルス幅変調は、たとえば、色調整、色毎の階調制御特性の調整などに好適に利用することができる。
【0084】
本実施形態の画像表示装置は、マルチ電子源から放出される電子をRGB各色の蛍光体が塗布された面に衝突させることで、RGBの発光を得ている。しかし一般的に、これら蛍光体はRGB毎に発光効率が異なっている。このため、同一の放出電子量(電荷量)を各色の蛍光体に投入しても、得られる発光量は同一ではない。そこで、発光効率を考慮した駆動電圧値をRGB個別に設定し、その電圧レベルでパルス幅変調を行うことにより、RGBの発光量を一致させることができる。
【0085】
図15A〜図15Fを参照して具体例を説明する。
【0086】
図15Aは、マルチ電子源に形成されている電子放出素子の駆動電圧Vf−放出電流Ieの特性を示している。図15Bは、RGB各色の電子放出素子に印加した駆動波形を示している。ここでは、RGB各色に同一の駆動電圧Vdを与えている。図15Cは、RGB各色の、画像データに対する輝度特性を示している。この例では、蛍光体の発光効率がR>G>Bであり、RGBの各素子を同一の駆動電圧で駆動すると、同一の画像データを与えてもR>G>Bのように輝度が異なることが判る。
【0087】
そこで、図15Dのように、発光効率の高い蛍光体に対応する電子放出素子ほど駆動電圧が小さくなるように、各色の駆動電圧を設定する。図15Dの例では、Rの駆動電圧VrをVdよりも小さく、Gの駆動電圧VgをVdと同じに、Bの駆動電圧VbをVdよりも大きくする。これにより、図15Eのように、RGB毎で波高値(出力電圧レベル)の異なるパルス幅変調が行われる。このような変調パルスで駆動することにより、図15Fに示すように、RGBの輝度特性を一致させることができる。
【0088】
以上のように、RGB毎に駆動電圧値を適宜選ぶことで、RGB毎の階調特性を調整す
る事が可能となる。なおγ特性等の調整など、非線形の階調制御を実施する際には、適宜画像データを選択する事で、非線形性の階調制御が可能となる。
【0089】
(動作例3)
図16および図17を参照して、出力回路A15の動作タイミングの一例を説明する。図16は出力回路A15の動作例3を示すタイミングチャートであり、図17は動作例3の論理表である。
【0090】
動作例1、2と異なる点は、一定電圧の電圧レベル信号LEVEL_OUTを出力せずに、立ち上がり波形からすぐに立ち下がり波形に切り替わる点である。つまり、動作例1、2の変調パルスは台形波形であったのに対し、動作例3の変調パルスは三角波形である。三角波形はたとえば低階調の駆動に好適に利用できる。
【0091】
図16は、0VからV1レベルまでの間で三角波形を生成する例を示している。
【0092】
図16および図17から判るように、制御信号Tr、Tfの両方が同じタイミングでHighレベルからLowレベルに切り替わることで、三角波形の参照波形REF_WFが生成される。そして制御信号Tr、TfのHigh期間を長くするほど、三角波形を大きくすることができる。図16の例では、High期間の長さが(a)>(b)>(c)>(d)であり、(d)の時に三角波形の波高値がV1レベルに達している。
【0093】
図16では、0VからV1レベルの間の三角波形の例を説明したが、他の電圧レベル間においても、制御信号TrとTfを適宜設定する事で、三角波形を出力する事が可能である。
【0094】
なお、本実施形態の回路構成では、それぞれの出力回路A15が、立ち上がり参照波形生成部A17a、出力レベル生成部A17b、立ち下がり参照波形生成部A17cを備えている。よって、M画素分の出力回路A15のそれぞれが、変調パルスの立ち上がりタイミング、電圧レベルとその出力期間、および立ち下がりタイミングを、独立で制御可能である。言い換えれば、画素毎(列配線毎)に、変調パルスの立ち上がりや立ち下がりのタイミングを異ならせたり、電圧レベルを異ならせたりすることができる。
【0095】
<第2実施形態>
図18は、本発明の第2実施形態に係る参照波形発生回路A17の構成を示すブロック図である。
【0096】
第1実施形態と異なる点は、複数の参照波形発生回路A17が共通の立ち上がり参照波形生成部A17aを共有している点と、電圧レベル信号LEVEL_OUTを出力するタイミングを規定する制御信号LEVEL_contを有している点である。つまり、本実施形態では、出力レベル生成部A17b、立ち下がり参照波形生成部A17c、および、波形切替え部A17dは列配線毎に設けられているが、立ち上がり参照波形部A17aの数は列配線の数よりも少ない。一般に、変調回路A2は、1つまたは複数の集積回路(ICチップ)で構成され、1つの集積回路内に複数の出力回路A15が設けられている。集積回路内の全ての出力回路A15が1つの立ち上がり参照波形部A17aを共通に利用する構成を採用することで、チップサイズを縮小することができる。なお、第2実施形態の構成は、立ち上がり波形の開始タイミング・動作タイミングが常に一定である制御に適用可能である。
【0097】
(動作例4)
図19および図20を参照して、第2実施形態の出力回路A15の動作タイミングの一
例を説明する。図19は出力回路A15の動作例4を示すタイミングチャートであり、図20は動作例4の論理表である。
【0098】
制御信号Levelが、出力レベル生成部A17bに入力され、電圧レベル信号LEVEL_OUTが出力される。この例ではV4レベルが出力されるが、V4以外のレベルの場合も同様の動作となる。
【0099】
制御信号LEVEL_contは、電圧レベル信号LEVEL_OUTの電圧を出力するタイミングを規定する信号である。第1実施形態では、出力回路毎に制御信号TrをLowにする事により信号LEVEL_OUTを選択する事が可能であった。しかし第2実施形態のように、立ち上がり参照波形生成部A17aを共通化する場合は、立ち上がりスロープ波形から一定レベルの出力へと切り替えるタイミングが出力回路毎に異なる可能性があるため、LEVEL_OUTのような制御信号が必要となる。
【0100】
制御信号TrがHighレベルの時、立ち上がり参照波形生成部A17aから、一定の傾きを持つ立ち上がり波形Tr_OUTが出力される。制御信号TrがLowレベルの時、Tr_OUTは0V(グランドレベル)となる。
【0101】
制御信号TfがHighレベルの時、立ち下がり参照波形生成部A17cはREF_WFの電圧を取り込む。制御信号TfがLowレベルになるまで、立ち下がり参照波形生成部A17cはREF_WFの電圧を取り込み続け、その電圧をTf_OUTとして出力する。制御信号TfがLowレベルになると、Tf_OUTはREF_WFから一定の傾きで立ち下がり、やがて、0Vとなる。
【0102】
制御信号Levelは、出力レベル生成部A17bに入力され、一定レベルの電圧レベル信号LEVEL_OUTが出力される。
【0103】
制御信号LEVEL_contは波形切替え部A17dに入力される。波形切替え部A17dは、制御信号LEVEL_contがHighの場合、LEVEL_OUTを選択し、制御信号LEVEL_contがLowの場合、他の論理を優先する。
【0104】
以下に出力動作を説明する。波形切替え部A17dは、制御信号TrがHighレベルになると、立ち上がり参照波形生成部A17aから出力された参照波形Tr_OUTを選択し、立ち上がり波形を出力する。制御信号LEVEL_contがHighレベルになると、波形切替え部A17dは、LEVEL_OUTを選択し、レベル電圧(ここではV4)を出力する。制御信号LEVEL_contがLowレベルになり、制御信号TfがHighレベルになると、波形切替え部A17dは、Tf_OUTを選択し、立ち下がり波形を出力する。
【0105】
なお、制御信号Trは、複数の出力回路のタイミング信号として用いられるため、少なくとも1つの出力回路が立ち上がり中の場合はHighレベルをとり、全ての出力回路が立ち上がった後でLowレベルとなる。
【0106】
本実施形態では、出力電圧レベルがV4の例を説明したが、他の電圧レベルの出力波形も同じようにして生成することができる。
【0107】
また本実施形態の回路構成では、それぞれの出力回路A15が出力レベル生成部A17bと立ち下がり参照波形生成部A17cとを備えている。よって、M画素分の出力回路A15のそれぞれが、電圧レベルとその出力期間、および立ち下がりタイミングを、独立で制御可能である。言い換えれば、画素毎(列配線毎)に、変調パルスの立ち下がりのタイ
ミングを異ならせたり、電圧レベルを異ならせたりすることができる。
【0108】
(動作例5)
前述の動作例1〜4では、LEVEL_OUTが一定であったが、1水平期間(1H)内に、制御信号Levelの指示値を変更することで、LEVEL_OUTの電圧レベルを変更することもできる。
【0109】
図21は、出力回路A15の動作例5を示すタイミングチャートであり、図22は動作例5の論理表である。
【0110】
動作例4では制御信号LevelがHighレベルの期間はLEVEL_OUTが常にV4レベルであったのに対し、動作例5では、LEVEL_OUTが途中でV4レベルからV3レベルに切り替わっている。これにより、1水平期間(1H)内で出力レベルを変更することが可能となる。
【0111】
なお、ここでは出力レベルがV4からV3に変化する例を説明したが、制御信号Levelを制御することで出力レベルを任意に変更可能である。また1H内で出力レベルを2段階以上変更することも可能である。さらに、ここでは第2実施形態の回路構成で動作例5を実現したが、第1実施形態の回路構成を用いて同様の変調パルス波形を生成することも可能である。
【0112】
(出力段の変形例)
上記実施形態の出力段A18は、参照波形をアンプもしくはバッファで出力する構成を採用している。ここで、電源電圧と同じレベルの出力が必要な場合は、図23に示すように、電源電圧出力用のスイッチSH、SLを設けるとよい。これにより電源電圧VCC、VSSと同レベルの出力を安定して得ることができる。
【0113】
具体的には、立ち上がり部分はオペアンプA18aで立ち上げ、その後、スイッチSHをオンすることで電源電圧VCCを直接出力することができる。立ち下がり時は、スイッチSHをオフすると同時に、オペアンプA18aで電圧を下げきった後、スイッチSLをオンすることで電源電圧(基準電圧)VSSを直接出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】図1は、変調パルスの波形の一例を示す図である。
【図2】図2は、変調パルスの波形の一例を示す図である。
【図3】図3は、変調パルスの波形の一例を示す図である。
【図4】図4は、画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、変調回路の回路構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、変調回路のロジック回路の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、変調回路の出力回路の構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、第1実施形態の参照波形発生回路の構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、立ち上がりスロープ波形を生成するための回路構成例である。
【図10】図10は、立ち下がりスロープ波形を生成するための回路構成例である。
【図11】図11は、出力回路の動作例1を示すタイミングチャートである。
【図12】図12は、動作例1の論理表である。
【図13】図13は、出力回路の動作例2を示すタイミングチャートである。
【図14】図14は、動作例2の論理表である。
【図15】図15Aおよび図15Dは、電子放出素子の駆動電圧−放出電流特性であり、図15Bおよび図15Eは、RGB各色の変調パルスの波形であり、図15Cおよび図15Fは、RGB各色の画像データに対する輝度特性である。
【図16】図16は、出力回路の動作例3を示すタイミングチャートである。
【図17】図17は、動作例3の論理表である。
【図18】図18は、第2実施形態の参照波形発生回路の構成を示すブロック図である。
【図19】図19は、出力回路の動作例4を示すタイミングチャートである。
【図20】図20は、動作例4の論理表である。
【図21】図21は、出力回路の動作例5を示すタイミングチャートである。
【図22】図22は、動作例5の論理表である。
【図23】図23は、出力段の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
【0115】
A1 マルチ電子源(表示パネル)
A2 変調回路
A3 走査回路
A17 参照波形発生回路
A17a 立ち上がり参照波形生成部(第1波形生成部)
A17b 出力レベル生成部(第2波形生成部)
A17c 立ち下がり参照波形生成部(第3波形生成部)
A17d 波形切替え部
A18 出力段
A7 変調電源回路
A8 走査電源回路
SH スイッチ
SL スイッチ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示素子が複数の列配線と複数の行配線でマトリクス配置された表示パネルと、
駆動対象の行配線に選択電位を出力する走査回路と、
画像データに基づき変調パルスを生成し、前記変調パルスを列配線に出力する変調回路と、を備え、
前記変調回路は、
スロープ状に立ち上がる第1波形を生成する第1波形生成部と、
波高値を規定する第2波形を生成する第2波形生成部と、
スロープ状に立ち下がる第3波形を生成する第3波形生成部と、
前記画像データから生成された制御信号に従って、前記第1波形と前記第3波形、又は、前記第1波形と前記第2波形と前記第3波形を組み合わせて、前記変調パルスの波形を生成する波形切替え部と、を備える
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記第2波形生成部、前記第3波形生成部、および、前記波形切替え部が、前記列配線ごとに設けられており、
前記第1波形生成部の数が、前記列配線の数よりも少なく、
前記第1波形生成部から出力される第1波形が複数の波形切替え部に入力される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記第3波形生成部が、前記波形切替え部の出力を参照することにより、前記波形切替え部の出力の波高値から立ち下がる第3波形を生成する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第2波形生成部が、複数種類の波高値を出力可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記変調回路が、電源から供給される電源電圧に基づいて、前記波形切替え部から出力される波形に応じた変調パルスを出力する出力段を備えており、
前記出力段は、前記変調パルスの波高値が前記電源電圧に等しい場合に前記電源電圧を直接出力するスイッチを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第1波形の傾きが単調増加であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記第1波形の傾きが一定であることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記第3波形の傾きが単調減少であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記第3波形の傾きが一定であることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
複数の表示素子が複数の列配線と複数の行配線でマトリクス配置された表示パネルを備える画像表示装置の制御方法であって、
駆動対象の行配線に選択電位を出力するステップと、
画像データに基づき変調パルスを生成し、前記変調パルスを列配線に出力するステップと、を備え、
前記変調パルスを出力するステップにおいて、
nを1以上の整数とし、t2をt1より大きい値とし、h2をh1より大きい値とし、kを1以上の整数とし、f(k)をkが大きくなるにしたがって大きくなる値として、
(1)階調値nに対応する変調パルスを出力する場合に、該変調パルスの出力開始時点から時間t1をかけてスロープ状に波高値をh1まで立ち上げ、該変調パルスの出力開始時点から時間t1経過した時点から波高値を立ち下げる制御を行い、
(2)階調値n+kに対応する変調パルスを出力する場合、該変調パルスの出力開始時点から時間t2をかけてスロープ状に波高値をh2まで立ち上げた後、該変調パルスの出力開始時点から時間t2+f(k)経過する時点まで波高値h2を維持し、その後、波高値を立ち下げる制御を行う
ことを特徴とする画像表示装置の制御方法。
【請求項11】
前記変調パルスを出力するステップにおいて、
t3をt1よりも小さい値とし、h3をh1よりも小さい値として、
(3)階調値n−1に対応する変調パルスを出力する場合に、該変調パルスの出力開始時点から時間t3をかけてスロープ状に波高値をh3まで立ち上げ、該変調パルスの出力開始時点から時間t3経過した時点から波高値を立ち下げる制御を行う
ことを特徴とする請求項10に記載の画像表示装置の制御方法。
【請求項12】
前記変調パルスを出力するステップにおいて、前記変調パルスの波高値をスロープ状に立ち下げることを特徴とする請求項10または11に記載の画像表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−251046(P2009−251046A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95453(P2008−95453)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】