説明

画像表示装置及びその制御方法

【課題】 バックライトの発光調整処理中に、ユーザが容易に情報を把握できるように提示すること。
【解決手段】 発光手段における複数の分割発光領域のうち選択された分割発光領域を発光させ、検出手段により検出された発光光量に基づいて、複数の分割発光領域毎の発光光量の調整を行う。発光光量の調整指示に応じて、選択された分割発光領域に対応した表示部の表示領域に、所定の情報を表示する制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の分割発光領域を有する発光部を備える画像表示装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)は、長寿命かつ低消費電力であることから、画像表示装置のバックライトの発光素子として使用されている。一定周期でLEDに流す電流のON/OFFを繰り返す制御を行い、ON/OFFの比率やLEDに流す電流値を変えることで、LEDの発光光量は制御することができる。
【0003】
LEDには、個体差や経年劣化等によって発光特性が異なるという性質がある。複数のLEDを画像表示装置の光源として使用する場合に、各LEDの発光光量がそれぞれ異なるため、LEDの発光光量にばらつきが生じる。そこで、特許文献1には、複数のLEDからなるチップ毎の発光光量のばらつきを調整することが可能なバックライト装置が記載されている。以下、このようにバックライト装置等において、発光素子の発光光量を所定値に調整することを発光調整処理と称する。
【0004】
一方、液晶プロジェクタにおいて、ランプの電源をオフにしてからも筺体内の熱を除去するために、ファンは運転を継続する。特許文献2には、ランプの電源をオフしてからあとどのくらいでファンの運転が終了するのかを示すために、LEDの発光色や発光状態を変えることで、ユーザにファンの運転が終了するまでの進捗状況を提示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−294385号公報
【特許文献2】特開2003−121929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発光調整処理を行う際には、バックライトの発光素子の発光光量を調整するために、任意にバックライトの発光素子を点灯させる。発光光量を調整する発光素子を随時点灯させるが、該発光素子の調整に関係しないその他の発光素子は点灯しないことがある。調整する発光素子の発光光量のみを検出する必要がある場合には、該発光素子の調整に関係しない発光素子は点灯しないほうが、より正確な発光光量の調整が可能となる。
【0007】
したがって、発光調整処理中のバックライトは、一部の発光素子しか点灯しないこともあるため、RGBの発光色が必要な通常の画像の表示は行えないことがある。また、バックライトの発光調整処理中は、調整する発光素子を順次変更すると発光素子の点灯領域及び消灯領域が時間と共に変化する。そのため、発光調整処理の進捗状況(発光調整処理がどの程度終了しているか等)を示す画像を表示した場合、バックライトが消灯している領域の画像は認識できないことがある。また、特許文献2のようにLEDによって進捗状況を提示するためには、表示画面以外の箇所にLEDを設ける必要がある上に、LEDの発光パターンと発光調整処理の進捗状況との対応を覚えておく必要があり、容易に進捗状況等の情報を把握することができない。
【0008】
そこで本発明は、バックライトの発光調整処理中に、ユーザが容易に情報を把握できるように提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、複数の分割発光領域を有する発光手段と、前記分割発光領域毎の発光光量を検出する検出手段と、発光光量の調整指示に応じて、前記複数の分割発光領域のうち、選択された分割発光領域を発光させ、他の分割発光領域の発光を停止させる発光制御手段と、前記検出手段による、前記選択された分割発光領域の発光光量の検出結果に基づいて、前記選択された分割発光領域の発光光量を調整する調整手段と、前記発光光量の調整指示に応じて、前記選択された分割発光領域に対応した表示部の表示領域に、所定の情報を表示する制御を行う表示制御手段と、を有する画像表示装置である。
【発明の効果】
【0010】
以上より本発明によれば、バックライトの発光調整処理中に、ユーザが容易に情報を把握できるように提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】画像表示装置のブロック図である。
【図2】発光部を示す概念図である。
【図3】分割発光領域の構成を示す概念図である。
【図4】実施例1における、画像表示装置の動作を表わすフローチャートである。
【図5】実施例1における、調整対象の分割発光領域及び進捗情報を示す画像データの概念図である。
【図6】調整対象の分割発光領域の点灯順を示す概念図である。
【図7】外部光の影響を考慮した画像表示装置の動作を表わすフローチャートである。
【図8】進捗情報の表示例を示す概念図である。
【図9】実施例2における画像表示装置の動作を表わすフローチャートである。
【図10】調整対象の分割発光領域に対応する進捗情報表示領域を示すテーブルである。
【図11】実施例2における、調整対象の分割発光領域及び進捗情報を示す画像データの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
【0013】
(実施例1)
図1は、本実施例の画像表示装置100のブロック図である。画像表示装置100では、発光制御部101、進捗情報取得部102、調整部103、光検出部104、発光部105、画像入力部106、画像生成部107、表示制御部108、表示部109、記憶部110、操作受信部111及び制御部112がバス113を介して接続される。以上のように構成された画像表示装置100の動作を以下で説明する。
【0014】
発光制御部101は、発光部105の点灯及び消灯の制御と発光部105の発光光量の制御とを行う。発光部105は、表示部109の背面に配置されて表示部109のバックライトとして使用され、発光部105に対応した表示部109の表示領域に光を照射する。図2に示すように、発光部105は複数の分割発光領域201からなり、分割発光領域毎に発光可能である。発光制御部101は、分割発光領域毎に発光光量を調整する制御を行うことが可能である。発光制御部101は、発光部105の各分割発光領域の発光光量を調整する順序を決定する。発光光量の調整を行う分割発光領域の順序、及び発光光量の調整を行った(調整が完了した)分割発光領域を記憶部110に記憶させる制御も行う。本実施例において、発光部105は図2に示すように水平4×垂直3の計12個の分割発光領域201(D1〜D12)を有することとするが、特にこれに限られず、発光部105は複数の分割発光領域を有すればよい。
【0015】
進捗情報取得部102は、発光部105の発光調整処理の進捗情報を取得する。進捗情報とは、発光部105の複数の分割発光領域201(D1〜D12)のうち、発光光量の調整が完了した分割発光領域の割合を示す情報である。進捗情報の詳細な説明及び進捗情報の具体的な算出方法については後述する。
【0016】
調整部103は、発光部105の発光光量を検出する光検出部104の検出結果に基づいて、発光部105の発光光量が所定値になるように補正値を求める。光検出部104は、発光部105を構成する各分割発光領域の発光光量を検出する。画像入力部106は、画像表示装置100に接続されている不図示の外部画像入力装置から入力された画像データを受信する。画像生成部107は、表示部109に表示する画像データを生成する。
【0017】
表示制御部108は、画像入力部106が受信した画像データや画像生成部107で生成された画像データ、記憶部110に記憶された画像データを、表示部109に表示する制御を行う。表示部109は、液晶パネル等を有し、発光部105からの光の透過率を変えることにより画像データを表示する。記憶部110は、発光制御部101が決定した発光光量の調整を行う分割発光領域の順序、及び発光光量の調整が完了した分割発光領域や、画像データ、画像表示装置100を制御するプログラム等を記憶する。
【0018】
操作受信部111は、不図示のキーボードやマウス等を用いたユーザからの操作指示を受信する。制御部112はCPU等を有し、記憶部110に記憶されたプログラムを実行することにより、画像表示装置100内の各ブロックを制御することが可能である。
【0019】
分割発光領域201の構成図を図3に示す。本実施例において発光部105の各分割発光領域201は、1つの赤色(R)LED、1つの緑色(G)LED、1つの青色(B)LEDからなる3色(RGB)の発光素子の組が4組配置されているとする。なお、分割発光領域201の構成は上記に限られず、例えば、RGBのLEDを1組有するものであってもよいし、1つの赤色LED、2つの緑色LED、1つの青色LEDの計4つの発光素子を1組として複数組配置してもよい。また、分割発光領域は、RGBのLEDに代わって白色LEDで構成されるものであってもよい。
【0020】
本実施例おいて、光検出部104は、図3に示すように発光部105の複数の分割発光領域201(D1〜D12)に1つずつ配置されており、各分割発光領域201(D1〜D12)の発光光量を検出できるとする。光検出部104はRGBセンサであり、分割発光領域201のR、G、Bそれぞれの発光光量を測定できる位置に配置されている。
【0021】
本実施例における画像表示装置100の動作を、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0022】
操作受信部111が、発光部105の発光光量の調整指示を受信したことに応じて、ステップS401において発光制御部101は、発光調整処理の開始を示すフラグFを制御部112から受信する。発光部105の発光調整処理は、ユーザによる発光光量の調整指示を操作受信部111が受信したことに応じて行ってもよいし、定期的に行ってもよい。発光部105の発光調整処理を行う度に、図4に示す処理を繰り返し行う。本実施例での発光部105の発光調整処理は、分割発光領域201(D1)から順次分割発光領域201(D12)まで発光光量の調整を行うこととする。
【0023】
次に、進捗情報取得部102は進捗情報を取得する。発光制御部101がフラグFを受信してから発光光量の調整が完了した分割発光領域に関する情報に基づいて、進捗情報取得部102は進捗情報を取得する。進捗情報とは、発光部105の複数の分割発光領域のうち、発光光量の調整が完了した分割発光領域の割合を示す情報であり、発光部105の分割発光領域の個数、及び発光光量の調整が完了した分割発光領域の個数から得られる。例えば進捗情報は、発光部105の分割発光領域の個数m、及び発光光量の調整が完了した分割発光領域の個数nを用いた、以下の式により得られる進捗度合いを含む。
進捗度合い[%]=n/m×100 (式1)
【0024】
発光部105の分割発光領域の個数、及び発光光量の調整が完了した分割領域の個数は記憶部110に記憶されている。本実施例においては、図2に示すように分割発光領域が12個であるからm=12である。分割発光領域201(D1)から順次発光光量の調整を行い、分割発光領域201(D6)の発光光量の調整が完了した後から、分割発光領域201(D7)の発光光量の調整が完了するまでの期間において、発光光量の調整が完了した分割発光領域は6個である。この期間において、n=6とすると進捗度合いは50%となる。または上記期間において、発光光量の調整が完了した分割発光領域の個数に、発光光量の調整を実行している分割発光領域201(D7)を加えてn=7としてもよい。進捗情報取得部102は、上記のように取得した進捗情報を画像生成部107に送信する。
【0025】
ステップS403において画像生成部107は、進捗情報取得部102から取得した進捗情報を示す画像データを生成する。画像生成部107は、発光光量の調整を実行する(調整対象の)分割発光領域の情報を発光制御部101より取得し、該分割発光領域に対応する表示部の表示領域上に進捗情報が表示されるような画像データを生成する。ステップS404において表示制御部108は、ステップS403で生成された画像データを表示部109に出力する制御を行う。図5(A)及び(B)に、調整対象となる分割発光領域201(D7)及び、画像生成部107で生成され表示部109に表示される画像データの具体例を示す。画像生成部107で生成される画像データは、調整対象となる分割発光領域に対応する表示部109の表示領域に進捗情報を示す画像を生成し、それ以外の領域にはミュート(黒)画像を生成する。
【0026】
続いてステップS405において発光制御部101は、調整対象の分割発光領域の発光素子を点灯させ、調整対象の分割発光領域以外の分割発光領域の発光素子は発光を停止させる。ステップS406において光検出部104は、調整対象の分割発光領域の発光光量を検出する。ステップS407において調整部103は、光検出部104で検出された検出結果に基づいて、分割発光領域の発光光量が所定値になるように補正値を求め、発光制御部101は求められた補正値に基づいて分割発光領域の発光光量を調整する制御を行う。
【0027】
分割発光領域にRGBの発光素子が配置されている場合には、図6(A)〜(C)に示すように、ステップS405において調整対象の分割発光領域201(D1)内のRの発光素子、Gの発光素子、Bの発光素子を順次点灯させる。そしてステップS406において、各色の発光素子の発光光量を光検出部104で検出し、ステップS407において調整部103で補正値を求める。該分割発光領域内のRの発光素子、Gの発光素子、Bの発光素子それぞれの発光光量の調整が完了したら、次の分割発光領域201(D2)を調整対象として順次発光光量の調整を行っていく。
【0028】
ステップS408において発光制御部101は、調整対象の分割発光領域の発光光量の調整が完了したか否かを判定する。完了したらステップS409の処理へ進み、完了していない場合は、ステップS405へ戻る。ステップS409において発光制御部101は、発光部105の全ての分割発光領域201の発光光量の調整が完了したかどうかの判断を行う。発光光量の調整が完了していない分割発光領域がある場合には、調整対象の分割発光領域を、発光光量の調整が完了していない分割発光領域に変更し、ステップS402からの処理を、全ての分割発光領域201の発光光量の調整が完了するまで繰り返し行う。このようにして、全ての分割発光領域201の発光光量が所定値になるように調整され、発光光量のばらつきが調整される。
【0029】
発光制御部101が全ての分割発光領域201の発光光量の調整が完了したと判断したことに応じて、ステップS411において画像生成部107は、発光部105の発光調整処理の完了を示す画像データを生成する。表示制御部108は生成された画像データを表示部109に表示するように制御する。発光調整処理の完了を示す画像データは、最後の発光光量の調整を行った分割発光領域に対応する表示部の表示領域上に、発光調整処理の完了を示すことが表示されるような画像データである。発光調整処理の完了を示す画像データを表示する際は、少なくとも発光部105のうち最後の発光光量の調整を行った分割発光領域の発光素子を点灯させる。また、発光調整処理の完了を示す画像データは、発光部105の複数の分割発光領域に対応する表示領域上に表示されるような画像データでも良く、その場合には、該複数の発光領域の発光素子を点灯させる。以上で、発光部105の発光調整処理は終了する。
【0030】
上記実施例においては、光検出部104は、表示部109に画像データを表示させ、調整対象の分割発光領域の発光素子を点灯させた状態で、図4のステップS406において発光光量の検出を行った。表示部109に画像データを表示させた状態では、表示部109は光の透過率を変えて、発光部105からの光を透過させるようにするため、画像表示装置100の外部光も表示部109を透過してくるため、光検出部104によって検出されることになる。よって光検出部104は、分割発光領域の発光光量の検出の際に、表示部109に画像データを表示させない(またはミュート(黒)画像を表示させている)場合と比べて、表示部109を通した画像表示装置100の外部光の分だけ発光光量を多く検出している。よって、表示部109を通した画像表示装置100の外部光の影響を除去するために、図7に示すようなフローで発光調整処理を行ってもよい。図4と同符号の処理ステップは、図4と同様の処理を行うステップである。
【0031】
ステップS404において、表示制御部108が画像データを表示部に出力した後、ステップS701において光検出部104は、調整対象の分割発光領域の光量(検出値L0)を検出する。このように、表示制御部108により、進捗情報を示す画像データを表示するように表示部109が制御された状態での光検出部104の光量を検出する。このとき調整対象の分割発光領域を含む全ての分割発光領域の発光素子は発光を停止させている。
【0032】
ステップS405において発光制御部101により、調整対象の分割発光領域の発光素子のみを点灯させた状態で、ステップS702において光検出部104は、調整対象の分割発光領域の発光光量(検出値L1)を検出する。ステップS703において調整部103は、ステップS702で検出した検出値L1からステップS701で検出した検出値L0を差し引いた値を用いて、調整対象の分割発光領域の発光光量が所定値になるように補正値を求める。
【0033】
以上のように発光調整処理を行うことで、表示部に画像データを表示することによる、画像表示装置100の外部光の影響を抑制することが可能となる。
【0034】
図8に、画像生成部107が生成する画像データの、調整対象の分割発光領域に対応する表示部の表示領域部分の進捗情報の他の表示例を示す。画像生成部107が生成する進捗情報を示す画像データとして、図5(B)のように進捗情報を数字で表示する以外に、図8(A)に示すような進捗情報をプログレスバーで表示してもよい。また、図8(B)に示すように、進捗情報から得られる、発光部105の発光調整処理が完了するまで(発光部105の全ての分割発光領域の発光光量の調整が完了するまで)に必要な(概算の)時間を合わせて表示してもよい。発光部105の発光調整処理が完了するまでに必要な時間は、1箇所の分割発光領域の発光光量の調整に必要な時間に、発光光量の調整が完了していない分割発光領域の個数を乗算することで算出できる。また、ある調整対象の分割発光領域の調整を開始した時を0%、調整が完了した時を100%としたときに、該分割発光領域の発光光量の調整の進捗度合いを合わせて表示してもよい。
【0035】
画像生成部107が生成する画像データは、ユーザが発光部105の発光調整処理の進捗を把握できる画像データであればよい。また、調整対象の分割発光領域に対応する表示部の表示領域上に表示する画像に、発光調整処理の進捗情報だけでなく、発光調整処理中にユーザに通知したい情報(発光調整処理中の異常発生等)を表示してもよい。
【0036】
本実施例では、各分割発光領域内のRの発光素子、Gの発光素子、Bの発光素子の順に発光光量を調整する場合について説明したが、各分割発光領域内のRの発光素子の発光光量を全ての分割発光領域について調整した後に、G、Bの発光光量を調整してもよい。また、本実施例では調整対象の分割発光領域を、分割発光領域201(D1)から順次分割発光領域201(D12)までとして説明したが、調整対象の分割発光領域の選択の仕方としてはこれに限らずランダム(例えばD2→D5→D6→…)であってもよい。
【0037】
以上のように本実施例は、発光部の発光調整処理を行う際に、発光調整処理の進捗状況をユーザが容易に把握できるように提示することができる。
【0038】
(実施例2)
本実施例では、発光部105の発光調整処理の進捗情報を、発光光量の調整を実行する(調整対象の)分割発光領域に対応する表示部の表示領域とは異なる表示領域に表示する場合について説明する。本実施例においても実施例1と同様に図1に示す画像表示装置100のブロック図を用いて説明を行う。本実施例における画像表示装置100の動作を、図9のフローチャートを用いて説明する。図4と同符号の処理ステップは、図4と同様の処理を行うステップである。
【0039】
ステップS402において進捗情報取得部102が進捗情報を取得した後、ステップS901において発光制御部101は、発光部105における発光光量の調整を実行する(調整対象の)分割発光領域に基づいて進捗情報表示領域を決定する。調整対象の分割発光領域に対応する進捗情報表示領域は、図10に示すように予め定められており、テーブルデータとして記憶部110に記憶されている。例えば、調整対象の分割発光領域が分割発光領域201(D9)の場合、進捗情報表示領域は分割発光領域201(D4)である。進捗情報表示領域は、調整対象の分割発光領域での発光光量の検出の際に影響が少なくなるように、調整対象の分割発光領域から所定以上離れた位置の分割発光領域とすることが望ましい。進捗情報表示領域は、少なくとも調整対象の分割発光領域に隣接していない分割発光領域とすることが望ましい。発光制御部101は、調整対象の分割発光領域の情報と共に進捗情報表示領域の情報を画像生成部107へ送信する。
【0040】
ステップS902において画像生成部107は、進捗情報取得部102から進捗情報を取得し、進捗情報を示す画像データを生成する。画像生成部107は、発光制御部101から受信した進捗情報表示領域に対応した表示部の表示領域に進捗情報を示す画像を生成し、それ以外の領域にはミュート(黒)画像を生成する。例えば、調整対象の分割発光領域が分割発光領域201(D9)の場合、進捗情報が示す進捗度合いは、上記式1より67%である。図11(A)に、発光部105の調整対象の分割発光領域及び該分割発光領域に対応する進捗情報表示領域、図11(B)に、画像生成部107で生成される画像データの具体例を示す。
【0041】
ステップS404において表示制御部108は、ステップS902で生成された画像データを表示部109に出力する制御を行う。ステップS903において発光制御部101は、調整対象の分割発光領域の発光素子、及び進捗情報表示領域の発光素子を点灯させる。調整対象の分割発光領域においては、実施例1と同様に発光光量の調整を行う。このように、調整対象の分割発光領域の発光光量の調整を行っている間、進捗情報表示領域に対応する表示部の表示領域上に、発光部105の発光調整処理の進捗情報を表示することが可能となる。
【0042】
進捗情報表示領域の発光素子は、調整対象の分割発光領域の発光光量の検出に影響を与えないように発光光量を抑制することが好ましい。進捗情報表示領域の発光光量を、調整対象の分割発光領域と進捗情報表示領域との距離に応じて予め設定したものを、図10のテーブルと共に記憶部110に記憶させておいてもよい。図10では、分割発光領域201(D1)と分割発光領域201(D2)の進捗情報表示領域が、分割発光領域201(D12)に設定され、分割発光領域201(D1)及び分割発光領域201(D2)の発光調整処理中に進捗情報を表示する領域が変化しない。実施例1では、調整対象の分割発光領域の変化と共に、進捗情報の表示領域の位置も変化したが、実施例2では図10のように設定することで、進捗情報の表示領域の位置の変化を抑制することが可能となる。また、本実施例では、進捗情報表示領域を1つの分割発光領域としたが、複数の隣接した分割発光領域(例えば、調整対象の分割発光領域D1に対して、進捗情報表示領域をD11及びD12)としてもよい。また、進捗情報表示領域に対応する表示部の表示領域上に、発光調整処理の進捗情報でなく、発光調整処理中にユーザに通知したい情報(発光調整処理中の異常発生等)を表示してもよい。
【0043】
本実施例では、発光部105が図2に示すように水平4×垂直3の計12個の分割発光領域を有することとしたが、例えば水平2×垂直2の分割発光領域201(D1〜D4)の計4個の分割発光領域でも本発明を適用できる。発光部105の左上に位置する分割発光領域御201(D1)が調整対象の分割発光領域となる場合には、分割発光領域御201(D1)に対して斜め方向(右下方向)に位置する分割発光領域201(D4)を進捗情報表示領域とする。調整対象の分割発光領域の発光光量の検出に影響を与えないように進捗情報表示領域の発光光量を抑制することが可能であれば、進捗情報表示領域は、調整対象の分割発光領域に隣接する分割発光領域でもよい。
【0044】
以上のように本実施例は、発光部の発光調整処理を行う際に、発光調整処理の進捗情報を、分割発光領域の発光光量の調整への影響を抑えて表示部に表示することが可能となり、発光調整処理の進捗状況をユーザが容易に把握できるように提示することができる。
【符号の説明】
【0045】
100 画像表示装置
101 発光制御部
102 進捗情報取得部
103 調整部
104 光検出部
105 発光部
107 画像生成部
108 表示制御部
109 表示部
110 記憶部
111 操作受信部
112 制御部
201 分割発光領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の分割発光領域を有する発光手段と、
前記分割発光領域毎の発光光量を検出する検出手段と、
発光光量の調整指示に応じて、前記複数の分割発光領域のうち、選択された分割発光領域を発光させ、他の分割発光領域の発光を停止させる発光制御手段と、
前記検出手段による、前記選択された分割発光領域の発光光量の検出結果に基づいて、前記選択された分割発光領域の発光光量を調整する調整手段と、
前記発光光量の調整指示に応じて、前記選択された分割発光領域に対応した表示部の表示領域に、所定の情報を表示する制御を行う表示制御手段と、を有する画像表示装置。
【請求項2】
前記選択された分割発光領域において、前記発光制御手段により前記選択された分割発光領域の発光を停止させ、かつ前記表示制御手段により前記所定の情報が表示部に表示された状態での前記検出手段の検出結果、及び、前記発光制御手段により前記選択された分割発光領域を発光させ、前記表示制御手段により前記所定の情報が表示部に表示された状態での前記検出手段の検出結果を用いて、前記調整手段は、前記選択された分割発光領域の発光光量を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記調整手段は、分割発光領域の発光光量を所定値に調整することを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
複数の分割発光領域を有する発光手段と、
前記分割発光領域毎の発光光量を検出する検出手段と、
発光光量の調整指示に応じて、前記複数の分割発光領域のうち、選択された第1分割発光領域と前記第1分割発光領域に対応した所定の第2分割発光領域とを発光させ、他の分割発光領域の発光を停止させる発光制御手段と、
前記検出手段による、前記第1分割発光領域の発光光量の検出結果に基づいて、前記1分割発光領域の発光光量を調整する調整手段と、
前記発光光量の調整指示に応じて、前記第2分割発光領域に対応した表示部の表示領域に、所定の情報を表示する制御を行う表示制御手段と、を有する画像表示装置。
【請求項5】
前記発光制御手段は、前記第1分割発光領域と前記第2分割発光領域とを対応づけたテーブルを用いて、第2分割発光領域を決定することを特徴とする、請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記発光制御手段は、前記第2分割発光領域の発光光量を、前記前記第1分割発光領域の発光光量よりも低く制御することを特徴とする請求項4または5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
発光部における複数の分割発光領域の発光光量を検出する検出工程と、
発光光量の調整指示に応じて、前記複数の分割発光領域のうち、選択された分割発光領域を発光させ、他の分割発光領域の発光を停止させる発光制御工程と、
前記検出工程で検出された、前記選択された分割発光領域の発光光量の検出結果に基づいて、前記選択された分割発光領域の発光光量を調整する調整工程と、
前記発光光量の調整指示に応じて、前記選択された分割発光領域に対応した表示部の表示領域に、所定の情報を表示する制御を行う表示制御工程と、を有する画像表示装置の制御方法。
【請求項8】
発光部における複数の分割発光領域の発光光量を検出する検出工程と、
発光光量の調整指示に応じて、前記複数の分割発光領域のうち、選択された第1分割発光領域と前記第1分割発光領域に対応した所定の第2分割発光領域とを発光させ、他の分割発光領域の発光を停止させる発光制御工程と、
前記検出工程で検出された、前記第1分割発光領域の発光光量の検出結果に基づいて、前記1分割発光領域の発光光量を調整する調整工程と、
前記発光光量の調整指示に応じて、前記第2分割発光領域に対応した表示部の表示領域に、所定の情報を表示する制御を行う表示制御工程と、を有する画像表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−230351(P2012−230351A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−30884(P2012−30884)
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】