画像表示装置及び画像表示方法とそのプログラム
【課題】共通の表示データを用いて長方形の操作パネルを操作者が操作する場合に、縦又は横方向で最適な操作性を維持して操作画面を表示する。
【解決手段】画像表示装置の操作表示方向を検知し、動作モード及びその検知した操作表示方向に応じて、表示データユニットを、表示メモリの所定のアドレスから展開して表示部に表示し、表示部に少なくとも2つの操作画面を表示する動作モードの場合、メイン及びサブの表示データユニットのそれぞれを表示部の画面に割り付けて表示する。
【解決手段】画像表示装置の操作表示方向を検知し、動作モード及びその検知した操作表示方向に応じて、表示データユニットを、表示メモリの所定のアドレスから展開して表示部に表示し、表示部に少なくとも2つの操作画面を表示する動作モードの場合、メイン及びサブの表示データユニットのそれぞれを表示部の画面に割り付けて表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体から着脱可能で、当該装置本体を操作するための操作画面を表示する画像表示装置及びその画像表示方法とそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より画像形成装置において、画像形成装置本体(以下、本体)を制御するための操作パネルを本体から着脱可能にし、より操作性を高めることが提案されている。また、表示器の配置方向に応じて適応的に表示方向を切り替えて表示する装置もある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−30969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置から着脱可能な操作パネルは、その表示方向が固定である。従って、その操作パネルの操作方向に応じた表示ができれば、より操作性を高めることができると考えられる。画像形成装置には、印刷機能に加えて複写機能やファクシミリ機能等のように各種機能を備えているものもあり、このような多機能装置では、このような操作パネルを使用して各種の複雑な設定操作を必要とする。
【0005】
また特許文献1に記載の装置では、表示器を縦横両方向のいずれでも共通して表示できる正方形の表示領域にのみ、表示データを共通に表示している。またその操作性も縦横方向で共通である。しかし、それだけでは、従来の画像形成装置の操作パネルを使用した場合の操作性と変わらない。そのため、着脱可能な操作パネルを使って、画像形成装置の操作性をいかに向上させるかが課題であった。
【0006】
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決することにある。
【0007】
本願発明の特徴は、1つの画面に複数の表示データユニットを表示する場合、各表示データユニット毎に画面上での関連付けを持たせ、動作モードを及び操作方向に応じて各表示データユニットの表示位置や表示方向を制御する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像表示装置は以下のような構成を備える。即ち、
画像表示装置の操作表示方向を検知する検知手段と、
表示メモリに記憶された画像データに基づいて画像を表示する表示手段と、
動作モードに応じて前記表示手段に表示する操作画面情報を、少なくともメインとサブの表示データユニットとして管理して記憶する記憶手段と、
動作モード及び前記検知手段により検知された前記操作表示方向に応じて、前記記憶手段に記憶されている前記表示データユニットを、前記表示メモリの所定のアドレスから展開して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記表示手段に少なくとも2つの操作画面を表示する動作モードの場合、前記メイン及びサブの表示データユニットのそれぞれを前記表示手段の画面に割り付けて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像表示装置の操作入力方向と動作モードに応じた操作画面を表示できるため、ユーザの操作性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の利用環境を示す概略図。
【図2】実施形態に係る本体、ホームポジション、操作パネルの構成を説明するブロック図。
【図3】実施形態1に係る操作パネルによる操作パネルの方向を検知する処理を説明するフローチャート。
【図4】操作パネルの操作表示方向を説明する図。
【図5】操作パネルに表示される表示データユニットの一例を示す図。
【図6】操作パネルに表示される表示データユニットの一例を示す図。
【図7】図3のS9の入力表示処理の詳細を説明するフローチャート。
【図8】ある起点から表示される画面情報のデータ構造を説明する図。
【図9】実施形態に係るメインメニュー画面の一例を示す図。
【図10】メインメニュー画面とボックス選択画面を表示した例を示す図。
【図11】ボックス文書一覧画面とボックスプレビュー画面を示す図。
【図12】実施形態に係るボックスプレビュー画面の一例を示す図。
【図13】実施形態に係るボックスプリント設定画面とボックスプリント詳細設定画面の一例を示す図。
【図14】実施形態に係るボックスプリント詳細設定画面の一例を示す図。
【図15】ボックスプリント実行中画面とジョブ状況画面の一例を示す図。
【図16】ジョブ状況画面の一例を示す図。
【図17】実施形態2に係る操作パネルの構成を示すブロック図。
【図18】の実施形態2に係る操作パネルによる方向を検知する処理を説明するフローチャート。
【図19】3次元ジャイロセンサを備えた操作パネルの構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。本実施形態では、画像表示装置として画像形成装置(画像処理装置)に着脱可能な操作パネルを例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の利用環境を示す概略図である。
【0013】
本実施形態に係る画像形成装置は、いわゆるプリントオンデマンド(POD)機で、中綴じ製本、裁断、折加工などを行うことができる様々なオプションを組み合わせることで、多彩な印刷・製本要求に応えるものである。この画像形成装置は、画像形成装置本体(以下、本体)1000に対して、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャ7000を組み合わせた例を示している。
【0014】
本体1000は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ(PC)9000と接続されている。PC9000では、各ページのデータの作成及び編集から、製本、裁断、折加工等の設定といった、印刷ジョブの生成が行われる。こうして生成された印刷ジョブは、PC9000からLAN8000を介して、本体1000に送られる。
【0015】
また、本実施形態の特徴である着脱可能な操作パネル3000が、本体1000上に実装されたホームポジション2000に装着されている。着脱可能な操作パネル3000は、ホームポジション2000に装着されているとき、ホームポジション2000から供給される電力により、内蔵している電池3211(図2)を充電するように構成されている。
【0016】
尚、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャ7000等のオプションは、本実施形態の趣旨に直接関係がないので、それらの詳細な説明を割愛する。
【0017】
図2は、実施形態に係る本体1000、ホームポジション2000、操作パネル3000の構成を説明するブロック図である。以下、本体1000、ホームポジション2000、操作パネル3000のそれぞれを構成するモジュールについて説明する。
【0018】
まず、本体1000について説明する。
【0019】
図2に示すように、本体1000は、コントローラボード1100、プリントエンジン1200、スキャナ1300、ハードディスクドライブ(HDD)1400、電源モジュール1500を有している。そして、これら各部は、電源モジュール1500から供給される電力によって動作する。
【0020】
コントローラボード1100は、CPU1101、フラッシュROM1102、RAM1103、ネットワークインタフェースカード(NIC)1104、メインチャネルコントローラ1105、サブチャネルコントローラ1106を有する。更に、ディスクコントローラ(DKC)1107、スキャナインタフェース(SIF)1108、プリンタインタフェース(PIF)1109を備えている。これらデバイス1101〜1109のそれぞれは、バス1110を介してCPU1101と接続されている。
【0021】
CPU1101は、バス1110に接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、フラッシュROM1102及びHDD1400に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。RAM1103は、CPU1101の主メモリ、ワークエリアとして使用される。NIC1104は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ9000や他の画像形成装置と双方向にデータのやり取りを行う。HDD1400は、DKC1107を介してアクセスされ、制御プログラムを格納するだけでなく、画像データの一時記憶場所としても使用される。
【0022】
スキャナ1300は、読み取りセンサや原稿搬送機構等を備える(いずれも不図示)。読み取りセンサや原稿搬送機構等は、コントローラボード1100に実装されたSIF1108及びスキャナ1300に実装されたSIF1301を介して、CPU1101で実行されるソフトウェアに従って制御される。その結果、読み取りセンサによって原稿を読み取り、得られたデータをSIF1301及びSIF1108を介してコントローラボード1100に転送する。
【0023】
またプリントエンジン1200は、電子写真方式の記録部や記録紙カセット、用紙搬送部等を備える(いずれも不図示)。コントローラボード1100からは、印刷ジョブに基づく印刷要求がPIF1109及びプリントエンジン1200に実装されたPIF1201を介して送られる。記録部や用紙搬送部等は、同様にPIF1109及びPIF1201を介して、CPU1101で実行されるプログラムに基づいて制御される。その結果、印刷要求に応じた画像を用紙上に形成する。
【0024】
メインチャネルコントローラ1105及びサブチャネルコントローラ1106は、本体1000と、着脱可能な操作パネル3000とのやり取りを行う際に使用される。詳細は後述する。
【0025】
次に、ホームポジション2000について説明する。
【0026】
図2に示すように、ホームポジション2000は、主にメインボード2100とコネクタ2200とを備えている。メインボード2100は、主にIEEE802.11bモジュール2101、irDAモジュール2102、電源コントローラ2103を備えている。IEEE802.11bモジュール2101は、コントローラボード1100のメインチャネルコントローラ1105と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、操作パネル3000との無線通信を仲介する。また、irDAモジュール2102は、コントローラボード1100のサブチャネルコントローラ1106と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、操作パネル3000との赤外線通信を仲介する。電源コントローラ2103は、電源モジュール1500と接続されている。IEEE802.11bモジュール2101やirDAモジュール2102は、電源コントローラ2103を経由して電力の供給を受ける。また電源コントローラ2103は、コネクタ2200とも接続され、操作パネル3000のコネクタ3500が接触状態のとき、操作パネル3000にも電力を供給する。加えて、電源コントローラ2103は、電力の供給状態を監視し、ホームポジション2000に操作パネル3000が装着された状態にあるか否かを検出し、その検出結果をコントローラボード1100に伝達する。
【0027】
次に、操作パネル3000について説明する。
【0028】
着脱可能な操作パネル3000は、主にメインボード3100、表示部(LCD)3200、タッチパネル3300、ボタンデバイス3400、コネクタ3500を具備している。メインボード3100は、CPU3101、IEEE802.11bモジュール3102、irDAモジュール3103、電源コントローラ3104を有している。また更に、ディスプレイコントローラ(DISPC)3105、パネルコントローラ(PANELC)3106、フラッシュROM3107、RAM3108を有している。それぞれのモジュール3101〜3108は、コントローラボード1100と同様に、バス(不図示)によって接続されている。
【0029】
CPU3101は、バスに接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、フラッシュROM3107に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。RAM3108は、CPU3101の主メモリ、ワークエリア、及びLCD3200に表示するビデオデータの格納エリア(表示メモリ)として機能する。CPU3101は、傾きセンサ3113を用いて操作パネル3000の姿勢(縦方向か横方向か)を認識できる。縦方向とは、操作パネル3000を上下方向に傾けたときに操作パネル3000の短辺が地面とほぼ平行である姿勢をいい、横方向とは、操作パネル3000を上下方向に傾けたときに操作パネル3000の長辺が地面とほぼ平行である姿勢をいう。
【0030】
ディスプレイコントローラ(DISPC)3105は、CPU3101の要求に応じて、RAM3108に展開されたビデオデータをLCD(表示部)3200へ転送するとともに、LCD3200を制御して、そのビデオデータを表示する。パネルコントローラ(PANELC)3106は、CPU3101の要求に応じて、タッチパネル3300及びボタンデバイス3400を制御する。その制御によって、タッチパネル3300上の押下位置や、ボタンデバイス3400上の押下されたボタンに対応するキーコードなどがCPU3101に返送される。
【0031】
電源コントローラ3104はコネクタ3500と接続され、ホームポジション2000のコネクタ2200とコネクタ3500とが接続状態のとき、本体1000の電源モジュール1500から電力の供給を受ける。これによって、電源コントローラ3104に接続された電池3211を充電しながら、且つ、操作パネル3000全体に電力を供給する。もし、電源モジュール1500から電力が供給されないときは、その電池3211からの電力を操作パネル3000全体に供給する。
【0032】
IEEE802.11bモジュール3102は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のIEEE802.11bモジュール2101との無線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。irDAモジュール3103は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のirDAモジュール2102との赤外線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。
【0033】
次に、本実施形態に係るメインチャネルとしての無線通信について説明する。
【0034】
図2の説明で少し触れたように、本実施形態では、メインチャネルとしての無線通信は公知の技術であるIEEE802.11bの規格に準じて行われる。もう少し詳しく説明すると、本実施形態のシステムでは、本体1000がアクセスポイント(AP)、操作パネル3000が端末となるインフラストラクチャモードで無線通信が行われる。
【0035】
電波が届く範囲に複数の本体がある場合、既存のパーソナルコンピュータのように、操作パネル3000側に、通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちの一つを選択できるように構成されている。
【0036】
アソシエーションによって通信相手が確立した後、操作パネル3000は、本体動作を制御するために操作者がタッチパネル3300やボタンデバイス3400を使った入力の検出やLCD3200での表示を行うシンクライアントとして動作する。即ち、装置本体の状態の管理や記録信号の生成処理等のほとんどは、本体1000のCPU1101で実行される。本体1000の状態は予め定められたプロトコルで、本体1000から操作パネル3000に無線で送られる。一方、CPU3101は操作パネル3000のタッチパネル3300及びボタンデバイス3400に対するユーザの操作に関連する情報に応じてLCD3200の表示制御を行い、操作者の操作に応じた本体1000に関する情報を本体1000へ要求する。それと共に操作者により設定された条件での本体1000の動作開始等の指示は本体1000に無線で送る。
【0037】
以上のように、本実施形態のシステムは、本体1000と操作パネル3000とが無線通信可能なシステムである。
【0038】
次に、図3のフローチャートを参照して、操作パネル3000による方向検知処理を説明する。
【0039】
図3は、実施形態に係る操作パネル3000による操作パネルの方向を検知する処理を説明するフローチャートである。このフローチャートで示された処理を実行するプログラムはフラッシュROM31107に記憶されており、CPU3101がこのプログラムを実行することにより実現される。
【0040】
まずS1で、操作パネル3000のCPU3101は、メインチャネルの無線通信状態を判定し(通信状態判定処理)、本体1000と無線通信中か否かを判定する。そして、メインチャネルとしての無線通信による通信中でないと判定した場合はS2に進み、本体1000とメインチャネル通信を確立するための要求を本体1000に送信する。一方、通信中と判定するとS5に進む。尚、メインチャネルの電波が届く範囲に複数の本体がある場合、操作パネル3000側に、通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちの一つをユーザに選択させ、その選択されたESSIDの本体に上記要求を送信するものとする。そしてS3に進み、CPU3101は、本体1000からの通信を許可する旨の応答を受信したかどうかで本体1000を検出したか否かを判定し、本体1000を検出するまでS2〜S3の処理を繰り返す。
【0041】
そしてS3で、本体1000を検出したと判定した場合は、CPU3101は本体1000とのメインチャネル通信を確立してS7に処理を進める。S7では、CPU3101は、本体1000の装置IDや有効な機能等の装置情報の確認する。詳細には、CPU3101は、本体1000に装置情報確認要求(本体1000の装置IDや有効な機能等の装置情報の確認する要求)送信し、該装置情報を本体1000から受信する。そしてS5に処理を進める。S5では、CPU3101は、操作パネル3000が本体1000上のホームポジション2000に置かれ、操作パネル3000と本体1000とが接続されているか否かを判定する。そして、操作パネル3000と本体1000とが接続されていると判定した場合はS8に分岐し、一意に横方向での表示処理を行う。一方、S6で、操作パネル3000と本体1000とが接続されていないと判定した場合はS6に処理を進める。S6では、操作者が本体1000から操作パネル3000を着脱し、傾きセンサ3113の出力から、その操作方向(操作パネル3000の向き)が横方向か否かを判断する。傾きセンサ3113の出力に基づいて、横方向であると判断するとS8に分岐し、横方向での入力表示処理を行うための表示データのアドレス設定を行って入力表示処理(S9)に進む。一方、S6で、傾きセンサ3113の出力に基づいて、操作パネル3000の向きが縦方向であると判定するとS7に分岐し、縦方向での入力表示処理を行うための表示データのアドレス設定を行って入力表示処理(S9)に進む。尚、これらS1〜S9の処理は、操作パネル3000の電源供給がある限り繰り返される。
【0042】
<実施形態1>
図4(A)〜(D)は、操作パネル3000の操作表示方向を説明する図である。ここでは縦方向は図4(A)(B)の2種類有り、同様に横方向も図4(C)(D)の2種類ある。
【0043】
S7の縦方向のアドレス設定は、操作パネル3000を縦方向にして操作する場合であるが、傾きセンサ3113によって図4(A)で示す縦方向が検知された場合、表示データの起点は、各表示データのユニットごとにP(0,0)とQ(511,0)とする。本実施形態1では、起点Pで始まる表示データのユニットをメイン表示データユニットとし、起点Qで始まる表示データのユニットをサブ表示データユニットとして説明する。本実施形態1で用いた表示部3200の画素は、(1024×768)画素の長方形であり、両起点から其々(512×768)画素を表示データの単位とする異なる2つの表示データユニットを、互いに重複することなく表示できる。
【0044】
図5(A)(B)、図6(A)(B)は、操作パネル3000に表示される表示データユニットの一例を示す図である。
【0045】
図5(A)は、図9の基本モード画面からボックス文書プリント機能が選択された場合に表示される表示データユニットであり、通常、起点Pを基にRAM3108上に(768×512)画素で展開される。図5(A)は、各ボックスにデータが記憶されているかどうかを、使用量で表示している。図5(B)は、ボックス文書プリントのために、特定のボックス文書を選択するための画面(ボックス文書一覧)の表示データユニットである。図6(A)は、ボックス文書のプリント設定用画面の表示データユニットで、図5(A)(B)及び図6(A)の表示データユニットは、いずれも起点PからRAM3108上に(768×512)画素で展開される。図5(A)(B)及び図6(A)で示す表示データユニットは、従来から本体1000に設けられていた8インチ程度のサイズの表示器で表示していた表示データである。また図6(B)は、ボックス文書を実際にプリント実行している時に表示される表示データユニットを示す。尚、これら表示データユニットの表示データは、フラッシュROM3107に格納されている。
【0046】
次に図7のフローチャートを参照して、図3のS9の入力表示処理の詳細を、ボックス文書をプリントする場合を例にして説明する。尚、このフローチャートに係るプログラムやデータは、操作部3000のフラッシュROM3107に記憶されており、RAM3108に読み出されCPU3101によって実行される。また、このプログラムは、操作パネル3000のタッチパネル3300やボタンデバイス3400からの指令により、IEEE802.11b3102とIEEE802.11b2101とを経由して、本体1000から供給されても良い。またIEEE802.11b3102は、通信規格の一例であり、この通信規格に限定されるものではない。
【0047】
この図7に示す処理では、パネルコントローラ(PANELC)3106は、最初に操作パネル3000の操作表示の向きに応じた表示データの起点アドレスを読み込む。尚、S701,S703,S705,S707,S709では、これらの入力表示の検知処理、データユニットの関係特定処理、更に、メイン表示データユニット及びサブ表示データユニットに関連付けられた画面を割りつけて表示する画面表示処理が行われる。
【0048】
入力表示の検知処理として、先の説明に従って図4(A)(B)に示す縦方向の場合は、起点Pと起点Q(0,0)及び(511,0)に対応する所定のアドレスが設定される。その際、表示すべき2つの表示データユニットは、それぞれフラッシュROM3107からRAM3108の起点Pを起点とするメイン表示データユニットと、起点Qを起点とするサブ表示データユニットに分けられる。そして、各表示データユニットの起点を、これら起点P,Qに合わせる。それと共に各起点から対角線方向に(768×512)画素の画像が表示されるように表示メモリに画像データを展開することにより表示部3200に、これら表示データユニットが表示される。それぞれ、起点P及び起点Qから表示される操作画面情報は、後述の図8の形式のデータ構造をとる。また図8に示すデータ構造のデータは、フラッシュROM3107、或いはHDD1400に記憶されている。
【0049】
以下に各ステップの処理を説明する。
【0050】
まずS701で、パネルコントローラ(PANELC)3106は、メインメニュー画面(図9)を表示する。次にS702に進み、操作者によって、メインメニュー画面ボックスキー902が押下されるとS702からS703に進み、パネルコントローラ(PANELC)3106は、図10に示すように、メインメニュー画面とボックス選択画面を表示する。
【0051】
図10は、実施形態1において、メインメニュー画面とボックス選択画面を表示した例を示す図である。
【0052】
この表示では、パネルコントローラ(PANELC)3106がボックス選択画面(図5(A))を起点Pから表示し、メインメニュー画面(図9)を起点Qから表示する。次にボックス選択画面(図5(A))中のボックス番号選択キー504が押下されるとS704からS705のボックス文書一覧表示に進む。S705で、パネルコントローラ(PANELC)3106は、図11に示すように、ボックス文書一覧画面とボックスプレビュー画面とを表示する。
【0053】
図11は、実施形態1に係るボックス文書一覧画面とボックスプレビュー画面を示す図である。
【0054】
このボックス文書一覧画面では、パネルコントローラ(PANELC)3106は起点Pからボックス文書一覧画面(図5(B))に書き換え、更に、起点Qからボックスプレビュー画面(図12)に書き換えた状態を表示する。図12は、図11のファイル名称で選択されたファイル(ここではファイルA)のプレビューを表示している。このボックス文書一覧画面から文書が選択されて印刷キー502が押下されるとS706からS707に進み、図13に示す、ボックスプリント設定画面とボックスプリント詳細設定画面に切り替わる。
【0055】
図13は、本実施形態1に係るボックスプリント設定画面とボックスプリント詳細設定画面の一例を示す図である。
【0056】
このボックスプリント設定画面では、パネルコントローラ(PANELC)3106は起点Pからボックスプリント設定画面(図6(A))に書き換え、更に、起点Qからボックスプリント詳細設定画面(図14)に書き換えた状態を表示する。このボックスプリント設定画面から、プリント開始キー601が押下されると、S708からS709に進み、図15に示すボックスプリント実行中画面とジョブ状況画面の表示に切り替わる。
【0057】
図15は、ボックスプリント実行中画面とジョブ状況画面の一例を示す図である。
【0058】
このボックスプリント実行中画面では、パネルコントローラ(PANELC)3106は、起点Pからボックスプリント実行中画面(図6(B))に書き換え、更に、起点Qからジョブ状況画面(図16)に書き換えた状態を表示する。このボックスプリント実行中画面で、ボックスプリントジョブが実行されるか、或いは画面を閉じるための閉じるキー1501が押下されると再びS702に戻る。
【0059】
尚、S702で、ボックス処理以外の設定操作の場合はS710に進んで、他の処理を実行するが、ここではその説明を省略する。
【0060】
また同様に、傾きセンサ3113によって図4(B)で示す縦方向が検知された場合、表示データユニットの起点は起点R(1023,767)と起点S(511,767)となる。この場合も先に説明したように画面が遷移する。尚、表示は同じだが、図4(B)で示す操作表示方向は、図4(A)で示す操作表示方向から操作パネル3000を180度回転した場合である。この場合、フラッシュROM3107に保持してある画面データユニットを起点に応じてRAM3108へ展開すれば画面の表示が操作パネル3000の180度の回転に追従して遷移して見える。
【0061】
次に傾きセンサ3113によって図4(C)で示す横方向が検知された場合について説明する。
【0062】
操作表示方向が図4(C)の場合、先に説明したボックス選択画面(図5(A))の表示データユニットを、起点点T(1023、0)から対角点(0,767)方向にRAM3108上に展開する。この場合、図4(A)に関して説明した各画面は、横方向が検知された場合用の画面である横方向の画面に置き換わって表示される。つまり、パネルコントローラ(PANELC)3106が、図15のボックス選択画面を図5(A)のボックス選択画面に、図11のボックス文書一覧画面を図5(B)のボックス文書一覧画面に書き換えて表示する。更に、パネルコントローラ(PANELC)3106は、図13のボックスプリント設定画面を、図6(A)のボックスプリント設定画面に、図15のボックスプリント実行中画面を、図6(B)のボックスプリント実行中画面に、それぞれ置き換えて表示する。即ち、操作パネル3000を横方向にすると、メイン表示データユニットのみを表示する。
【0063】
次に図8を参照して、操作パネル3000が横方向、或いは、縦方向であると検知した時に表示画面を制御するためのデータ構造を説明する。
【0064】
図8は、操作パネルの方向に応じた起点から表示される操作画面情報(表示データユニット)のデータ構造を説明する図である。
【0065】
組合せID801は、縦方向の検知時に表示する2画面の組合せを管理するための識別子である。親画面ID802は、横方向の検知時に表示する画面を親画面(メイン表示データユニット)と定義して、その親画面を特定するための識別子である。親画面名称803は、親画面ID802の名称を示すデータである。子画面ID804は、縦方向の検知時に表示する2画面のうち、親画面以外に、表示される子画面(サブ表示データユニット)と定義して、その子画面を特定するための識別子である。子画面名称805は、子画面ID804の名称を示すデータである。表示種別806は、このデータがどのような画面構成のときに使用されるかを判断するためのデータである。
【0066】
このように組合せID801は、操作パネル3000で設定された動作モードに対応し、親画面及び子画面は、その動作モードの時に2つの画面を表示する操作表示方向であれば、第1の起点及び第2の起点から表示される各操作画面の画面情報に対応している。
【0067】
図8の組合せID801が「00001」の場合は、図10に示す画面表示に対応している。また図8の組合せID801が「00002」の場合は、図11に示す画面表示に対応している。また図8の組合せID801が「00003」の場合は、図13に示す画面表示に対応している。そして図8の組合せID801が「00004」の場合は、図15に示す画面表示に対応している。
【0068】
以上説明したように本実施形態1によれば、操作パネルの画面に表示する表示データユニットを、親画面、子画面と定義しておき、表示領域に1画面を表示する際には親画面を表示する。また表示領域に2画面を表示する際には、親画面に関連付けられた子画面を同時に表示する。これにより、操作パネル3000の方向検知に応じて、最適な画面を表示することができるため、ユーザの意図に応じた最適な操作性を提供することができる。
【0069】
本実施形態1では、操作パネルが縦方向の場合に、上下2画面を表示するという例をあげて、親画面と子画面を関連付ける点を説明した。しかし方向検知と、同時に表示する画面の数はこれに限定されるものでなく、例えば横方向の場合には左右2画面を表示しても良い。更に、親画面と子画面の関連についても、1対1という関係に限定するものではない。また、2つの表示データユニットがある場合に、親画面と子画面の組合せのデータがないとしても、代替として親画面のみを表示することも可能である。
【0070】
以上説明した実施形態1では、傾きセンサ3113を用いて操作パネル3000の方向を検知していた。一般に傾きセンサ3113は重力を利用しているため、操作パネル3000が水平面上に置かれた場合、縦か横はその操作方向は傾きセンサ3113では判別できない。
【0071】
<実施形態2>
図17は、操作パネル3000の操作方向を検知する手段として傾きセンサ3113に加えて3次元加速度センサ3111を有する実施形態2の操作パネルの構成を示すブロック図である。3次元加速度センサ3111は、半導体のチップ内に可動部分があり、外から加わる加速度によって可動部分のフィンが移動し、非可動部分のフィンとの間隔が変化して静電容量が変化する。これにより、操作パネル3000に対して外から加わる加速度を検出することができる。これら2つのセンサ3111,3113の出力を信号処理することで、例えば操作パネル3000が立面状態か平面状態か、又縦置きか横置きか、更には前後、左右、上下方向の3次元的なその動きを精度良く検出できる。尚、3次元加速度センサ3111には他に、ピエゾ抵抗型や熱検知型等が知られているが、本発明はこれら公知の全ての方式を用いて実施できる。
【0072】
尚、図17では省略しているが、ホームポジション2000及び本体1000の構成は前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
【0073】
図18は、本発明の実施形態2に係る操作パネルによる操作パネルの方向を検知する処理を説明するフローチャートである。先に説明した図3中の同じ処理は同じステップ番号で示す。
【0074】
操作パネル3000が水平状態で、傾きセンサ3113出力が小さく安定に検知できない場合はS601からS602に進み、加速度センサ3111の出力を処理して方向を検出する。S602では、傾きセンサ3113の出力を初期値とし、加速度センサ3111の出力を2回積分して初期値からの3次元各方向での移動距離を算出して、水平面上の方向を判定する。尚、水平状態で、操作パネル3000が電源投入されたりCPU3101がリセットされた場合で操作パネルの移動も無い場合は、傾きセンサ3113を用いても初期位置が不定である。このため、この場合をS603で傾きの検知が可能かどうかを判定し、その可能でないときはS7に進んで縦方向に決定する。一方、加速度センサ3111の出力から移動量が算出できる場合はS604で操作方向を判定し、その判定結果に応じてS7或いはS8に分岐する。
【0075】
図19は、前述のセンサに代えて3次元ジャイロセンサ3112を備えた他の実施形態に係る操作パネル3000の構成を示すブロック図である。
【0076】
3次元ジャイロセンサ3112は、操作パネル3000が如何なる状態にあっても、その方向を図3で先に説明したフローチャートに従って検知可能である。尚、3次元ジャイロセンサ3112は、コリオリの力を利用した方式の半導体素子である。
【0077】
上記いずれのセンサを用いた場合も、その検知した操作表示方向に応じて表示形態を変更する構成は、前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
【0078】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0079】
以上本発明に係る実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。尚、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0080】
以上示したように本実施形態によれば、本体1000と無線通信可能な操作パネル3000を、使用する操作者が縦方向或いは横方向で操作する場合に、少なくとも2つの表示データユニットと操作方向の検知手段を用いる。その検知手段により検知された操作方向に応じて、少なくとも2つの表示データユニットを適応的にレイアウト表示する。2つの表示データユニットで表示可能な際には、各画面に関連づいた画面を表示することによって、検知された操作方向に対応する、操作者のための操作画面を表示できる。
【0081】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体から着脱可能で、当該装置本体を操作するための操作画面を表示する画像表示装置及びその画像表示方法とそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より画像形成装置において、画像形成装置本体(以下、本体)を制御するための操作パネルを本体から着脱可能にし、より操作性を高めることが提案されている。また、表示器の配置方向に応じて適応的に表示方向を切り替えて表示する装置もある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−30969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置から着脱可能な操作パネルは、その表示方向が固定である。従って、その操作パネルの操作方向に応じた表示ができれば、より操作性を高めることができると考えられる。画像形成装置には、印刷機能に加えて複写機能やファクシミリ機能等のように各種機能を備えているものもあり、このような多機能装置では、このような操作パネルを使用して各種の複雑な設定操作を必要とする。
【0005】
また特許文献1に記載の装置では、表示器を縦横両方向のいずれでも共通して表示できる正方形の表示領域にのみ、表示データを共通に表示している。またその操作性も縦横方向で共通である。しかし、それだけでは、従来の画像形成装置の操作パネルを使用した場合の操作性と変わらない。そのため、着脱可能な操作パネルを使って、画像形成装置の操作性をいかに向上させるかが課題であった。
【0006】
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決することにある。
【0007】
本願発明の特徴は、1つの画面に複数の表示データユニットを表示する場合、各表示データユニット毎に画面上での関連付けを持たせ、動作モードを及び操作方向に応じて各表示データユニットの表示位置や表示方向を制御する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像表示装置は以下のような構成を備える。即ち、
画像表示装置の操作表示方向を検知する検知手段と、
表示メモリに記憶された画像データに基づいて画像を表示する表示手段と、
動作モードに応じて前記表示手段に表示する操作画面情報を、少なくともメインとサブの表示データユニットとして管理して記憶する記憶手段と、
動作モード及び前記検知手段により検知された前記操作表示方向に応じて、前記記憶手段に記憶されている前記表示データユニットを、前記表示メモリの所定のアドレスから展開して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記表示手段に少なくとも2つの操作画面を表示する動作モードの場合、前記メイン及びサブの表示データユニットのそれぞれを前記表示手段の画面に割り付けて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像表示装置の操作入力方向と動作モードに応じた操作画面を表示できるため、ユーザの操作性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の利用環境を示す概略図。
【図2】実施形態に係る本体、ホームポジション、操作パネルの構成を説明するブロック図。
【図3】実施形態1に係る操作パネルによる操作パネルの方向を検知する処理を説明するフローチャート。
【図4】操作パネルの操作表示方向を説明する図。
【図5】操作パネルに表示される表示データユニットの一例を示す図。
【図6】操作パネルに表示される表示データユニットの一例を示す図。
【図7】図3のS9の入力表示処理の詳細を説明するフローチャート。
【図8】ある起点から表示される画面情報のデータ構造を説明する図。
【図9】実施形態に係るメインメニュー画面の一例を示す図。
【図10】メインメニュー画面とボックス選択画面を表示した例を示す図。
【図11】ボックス文書一覧画面とボックスプレビュー画面を示す図。
【図12】実施形態に係るボックスプレビュー画面の一例を示す図。
【図13】実施形態に係るボックスプリント設定画面とボックスプリント詳細設定画面の一例を示す図。
【図14】実施形態に係るボックスプリント詳細設定画面の一例を示す図。
【図15】ボックスプリント実行中画面とジョブ状況画面の一例を示す図。
【図16】ジョブ状況画面の一例を示す図。
【図17】実施形態2に係る操作パネルの構成を示すブロック図。
【図18】の実施形態2に係る操作パネルによる方向を検知する処理を説明するフローチャート。
【図19】3次元ジャイロセンサを備えた操作パネルの構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。本実施形態では、画像表示装置として画像形成装置(画像処理装置)に着脱可能な操作パネルを例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の利用環境を示す概略図である。
【0013】
本実施形態に係る画像形成装置は、いわゆるプリントオンデマンド(POD)機で、中綴じ製本、裁断、折加工などを行うことができる様々なオプションを組み合わせることで、多彩な印刷・製本要求に応えるものである。この画像形成装置は、画像形成装置本体(以下、本体)1000に対して、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャ7000を組み合わせた例を示している。
【0014】
本体1000は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ(PC)9000と接続されている。PC9000では、各ページのデータの作成及び編集から、製本、裁断、折加工等の設定といった、印刷ジョブの生成が行われる。こうして生成された印刷ジョブは、PC9000からLAN8000を介して、本体1000に送られる。
【0015】
また、本実施形態の特徴である着脱可能な操作パネル3000が、本体1000上に実装されたホームポジション2000に装着されている。着脱可能な操作パネル3000は、ホームポジション2000に装着されているとき、ホームポジション2000から供給される電力により、内蔵している電池3211(図2)を充電するように構成されている。
【0016】
尚、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャ7000等のオプションは、本実施形態の趣旨に直接関係がないので、それらの詳細な説明を割愛する。
【0017】
図2は、実施形態に係る本体1000、ホームポジション2000、操作パネル3000の構成を説明するブロック図である。以下、本体1000、ホームポジション2000、操作パネル3000のそれぞれを構成するモジュールについて説明する。
【0018】
まず、本体1000について説明する。
【0019】
図2に示すように、本体1000は、コントローラボード1100、プリントエンジン1200、スキャナ1300、ハードディスクドライブ(HDD)1400、電源モジュール1500を有している。そして、これら各部は、電源モジュール1500から供給される電力によって動作する。
【0020】
コントローラボード1100は、CPU1101、フラッシュROM1102、RAM1103、ネットワークインタフェースカード(NIC)1104、メインチャネルコントローラ1105、サブチャネルコントローラ1106を有する。更に、ディスクコントローラ(DKC)1107、スキャナインタフェース(SIF)1108、プリンタインタフェース(PIF)1109を備えている。これらデバイス1101〜1109のそれぞれは、バス1110を介してCPU1101と接続されている。
【0021】
CPU1101は、バス1110に接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、フラッシュROM1102及びHDD1400に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。RAM1103は、CPU1101の主メモリ、ワークエリアとして使用される。NIC1104は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ9000や他の画像形成装置と双方向にデータのやり取りを行う。HDD1400は、DKC1107を介してアクセスされ、制御プログラムを格納するだけでなく、画像データの一時記憶場所としても使用される。
【0022】
スキャナ1300は、読み取りセンサや原稿搬送機構等を備える(いずれも不図示)。読み取りセンサや原稿搬送機構等は、コントローラボード1100に実装されたSIF1108及びスキャナ1300に実装されたSIF1301を介して、CPU1101で実行されるソフトウェアに従って制御される。その結果、読み取りセンサによって原稿を読み取り、得られたデータをSIF1301及びSIF1108を介してコントローラボード1100に転送する。
【0023】
またプリントエンジン1200は、電子写真方式の記録部や記録紙カセット、用紙搬送部等を備える(いずれも不図示)。コントローラボード1100からは、印刷ジョブに基づく印刷要求がPIF1109及びプリントエンジン1200に実装されたPIF1201を介して送られる。記録部や用紙搬送部等は、同様にPIF1109及びPIF1201を介して、CPU1101で実行されるプログラムに基づいて制御される。その結果、印刷要求に応じた画像を用紙上に形成する。
【0024】
メインチャネルコントローラ1105及びサブチャネルコントローラ1106は、本体1000と、着脱可能な操作パネル3000とのやり取りを行う際に使用される。詳細は後述する。
【0025】
次に、ホームポジション2000について説明する。
【0026】
図2に示すように、ホームポジション2000は、主にメインボード2100とコネクタ2200とを備えている。メインボード2100は、主にIEEE802.11bモジュール2101、irDAモジュール2102、電源コントローラ2103を備えている。IEEE802.11bモジュール2101は、コントローラボード1100のメインチャネルコントローラ1105と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、操作パネル3000との無線通信を仲介する。また、irDAモジュール2102は、コントローラボード1100のサブチャネルコントローラ1106と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、操作パネル3000との赤外線通信を仲介する。電源コントローラ2103は、電源モジュール1500と接続されている。IEEE802.11bモジュール2101やirDAモジュール2102は、電源コントローラ2103を経由して電力の供給を受ける。また電源コントローラ2103は、コネクタ2200とも接続され、操作パネル3000のコネクタ3500が接触状態のとき、操作パネル3000にも電力を供給する。加えて、電源コントローラ2103は、電力の供給状態を監視し、ホームポジション2000に操作パネル3000が装着された状態にあるか否かを検出し、その検出結果をコントローラボード1100に伝達する。
【0027】
次に、操作パネル3000について説明する。
【0028】
着脱可能な操作パネル3000は、主にメインボード3100、表示部(LCD)3200、タッチパネル3300、ボタンデバイス3400、コネクタ3500を具備している。メインボード3100は、CPU3101、IEEE802.11bモジュール3102、irDAモジュール3103、電源コントローラ3104を有している。また更に、ディスプレイコントローラ(DISPC)3105、パネルコントローラ(PANELC)3106、フラッシュROM3107、RAM3108を有している。それぞれのモジュール3101〜3108は、コントローラボード1100と同様に、バス(不図示)によって接続されている。
【0029】
CPU3101は、バスに接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、フラッシュROM3107に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。RAM3108は、CPU3101の主メモリ、ワークエリア、及びLCD3200に表示するビデオデータの格納エリア(表示メモリ)として機能する。CPU3101は、傾きセンサ3113を用いて操作パネル3000の姿勢(縦方向か横方向か)を認識できる。縦方向とは、操作パネル3000を上下方向に傾けたときに操作パネル3000の短辺が地面とほぼ平行である姿勢をいい、横方向とは、操作パネル3000を上下方向に傾けたときに操作パネル3000の長辺が地面とほぼ平行である姿勢をいう。
【0030】
ディスプレイコントローラ(DISPC)3105は、CPU3101の要求に応じて、RAM3108に展開されたビデオデータをLCD(表示部)3200へ転送するとともに、LCD3200を制御して、そのビデオデータを表示する。パネルコントローラ(PANELC)3106は、CPU3101の要求に応じて、タッチパネル3300及びボタンデバイス3400を制御する。その制御によって、タッチパネル3300上の押下位置や、ボタンデバイス3400上の押下されたボタンに対応するキーコードなどがCPU3101に返送される。
【0031】
電源コントローラ3104はコネクタ3500と接続され、ホームポジション2000のコネクタ2200とコネクタ3500とが接続状態のとき、本体1000の電源モジュール1500から電力の供給を受ける。これによって、電源コントローラ3104に接続された電池3211を充電しながら、且つ、操作パネル3000全体に電力を供給する。もし、電源モジュール1500から電力が供給されないときは、その電池3211からの電力を操作パネル3000全体に供給する。
【0032】
IEEE802.11bモジュール3102は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のIEEE802.11bモジュール2101との無線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。irDAモジュール3103は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のirDAモジュール2102との赤外線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。
【0033】
次に、本実施形態に係るメインチャネルとしての無線通信について説明する。
【0034】
図2の説明で少し触れたように、本実施形態では、メインチャネルとしての無線通信は公知の技術であるIEEE802.11bの規格に準じて行われる。もう少し詳しく説明すると、本実施形態のシステムでは、本体1000がアクセスポイント(AP)、操作パネル3000が端末となるインフラストラクチャモードで無線通信が行われる。
【0035】
電波が届く範囲に複数の本体がある場合、既存のパーソナルコンピュータのように、操作パネル3000側に、通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちの一つを選択できるように構成されている。
【0036】
アソシエーションによって通信相手が確立した後、操作パネル3000は、本体動作を制御するために操作者がタッチパネル3300やボタンデバイス3400を使った入力の検出やLCD3200での表示を行うシンクライアントとして動作する。即ち、装置本体の状態の管理や記録信号の生成処理等のほとんどは、本体1000のCPU1101で実行される。本体1000の状態は予め定められたプロトコルで、本体1000から操作パネル3000に無線で送られる。一方、CPU3101は操作パネル3000のタッチパネル3300及びボタンデバイス3400に対するユーザの操作に関連する情報に応じてLCD3200の表示制御を行い、操作者の操作に応じた本体1000に関する情報を本体1000へ要求する。それと共に操作者により設定された条件での本体1000の動作開始等の指示は本体1000に無線で送る。
【0037】
以上のように、本実施形態のシステムは、本体1000と操作パネル3000とが無線通信可能なシステムである。
【0038】
次に、図3のフローチャートを参照して、操作パネル3000による方向検知処理を説明する。
【0039】
図3は、実施形態に係る操作パネル3000による操作パネルの方向を検知する処理を説明するフローチャートである。このフローチャートで示された処理を実行するプログラムはフラッシュROM31107に記憶されており、CPU3101がこのプログラムを実行することにより実現される。
【0040】
まずS1で、操作パネル3000のCPU3101は、メインチャネルの無線通信状態を判定し(通信状態判定処理)、本体1000と無線通信中か否かを判定する。そして、メインチャネルとしての無線通信による通信中でないと判定した場合はS2に進み、本体1000とメインチャネル通信を確立するための要求を本体1000に送信する。一方、通信中と判定するとS5に進む。尚、メインチャネルの電波が届く範囲に複数の本体がある場合、操作パネル3000側に、通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちの一つをユーザに選択させ、その選択されたESSIDの本体に上記要求を送信するものとする。そしてS3に進み、CPU3101は、本体1000からの通信を許可する旨の応答を受信したかどうかで本体1000を検出したか否かを判定し、本体1000を検出するまでS2〜S3の処理を繰り返す。
【0041】
そしてS3で、本体1000を検出したと判定した場合は、CPU3101は本体1000とのメインチャネル通信を確立してS7に処理を進める。S7では、CPU3101は、本体1000の装置IDや有効な機能等の装置情報の確認する。詳細には、CPU3101は、本体1000に装置情報確認要求(本体1000の装置IDや有効な機能等の装置情報の確認する要求)送信し、該装置情報を本体1000から受信する。そしてS5に処理を進める。S5では、CPU3101は、操作パネル3000が本体1000上のホームポジション2000に置かれ、操作パネル3000と本体1000とが接続されているか否かを判定する。そして、操作パネル3000と本体1000とが接続されていると判定した場合はS8に分岐し、一意に横方向での表示処理を行う。一方、S6で、操作パネル3000と本体1000とが接続されていないと判定した場合はS6に処理を進める。S6では、操作者が本体1000から操作パネル3000を着脱し、傾きセンサ3113の出力から、その操作方向(操作パネル3000の向き)が横方向か否かを判断する。傾きセンサ3113の出力に基づいて、横方向であると判断するとS8に分岐し、横方向での入力表示処理を行うための表示データのアドレス設定を行って入力表示処理(S9)に進む。一方、S6で、傾きセンサ3113の出力に基づいて、操作パネル3000の向きが縦方向であると判定するとS7に分岐し、縦方向での入力表示処理を行うための表示データのアドレス設定を行って入力表示処理(S9)に進む。尚、これらS1〜S9の処理は、操作パネル3000の電源供給がある限り繰り返される。
【0042】
<実施形態1>
図4(A)〜(D)は、操作パネル3000の操作表示方向を説明する図である。ここでは縦方向は図4(A)(B)の2種類有り、同様に横方向も図4(C)(D)の2種類ある。
【0043】
S7の縦方向のアドレス設定は、操作パネル3000を縦方向にして操作する場合であるが、傾きセンサ3113によって図4(A)で示す縦方向が検知された場合、表示データの起点は、各表示データのユニットごとにP(0,0)とQ(511,0)とする。本実施形態1では、起点Pで始まる表示データのユニットをメイン表示データユニットとし、起点Qで始まる表示データのユニットをサブ表示データユニットとして説明する。本実施形態1で用いた表示部3200の画素は、(1024×768)画素の長方形であり、両起点から其々(512×768)画素を表示データの単位とする異なる2つの表示データユニットを、互いに重複することなく表示できる。
【0044】
図5(A)(B)、図6(A)(B)は、操作パネル3000に表示される表示データユニットの一例を示す図である。
【0045】
図5(A)は、図9の基本モード画面からボックス文書プリント機能が選択された場合に表示される表示データユニットであり、通常、起点Pを基にRAM3108上に(768×512)画素で展開される。図5(A)は、各ボックスにデータが記憶されているかどうかを、使用量で表示している。図5(B)は、ボックス文書プリントのために、特定のボックス文書を選択するための画面(ボックス文書一覧)の表示データユニットである。図6(A)は、ボックス文書のプリント設定用画面の表示データユニットで、図5(A)(B)及び図6(A)の表示データユニットは、いずれも起点PからRAM3108上に(768×512)画素で展開される。図5(A)(B)及び図6(A)で示す表示データユニットは、従来から本体1000に設けられていた8インチ程度のサイズの表示器で表示していた表示データである。また図6(B)は、ボックス文書を実際にプリント実行している時に表示される表示データユニットを示す。尚、これら表示データユニットの表示データは、フラッシュROM3107に格納されている。
【0046】
次に図7のフローチャートを参照して、図3のS9の入力表示処理の詳細を、ボックス文書をプリントする場合を例にして説明する。尚、このフローチャートに係るプログラムやデータは、操作部3000のフラッシュROM3107に記憶されており、RAM3108に読み出されCPU3101によって実行される。また、このプログラムは、操作パネル3000のタッチパネル3300やボタンデバイス3400からの指令により、IEEE802.11b3102とIEEE802.11b2101とを経由して、本体1000から供給されても良い。またIEEE802.11b3102は、通信規格の一例であり、この通信規格に限定されるものではない。
【0047】
この図7に示す処理では、パネルコントローラ(PANELC)3106は、最初に操作パネル3000の操作表示の向きに応じた表示データの起点アドレスを読み込む。尚、S701,S703,S705,S707,S709では、これらの入力表示の検知処理、データユニットの関係特定処理、更に、メイン表示データユニット及びサブ表示データユニットに関連付けられた画面を割りつけて表示する画面表示処理が行われる。
【0048】
入力表示の検知処理として、先の説明に従って図4(A)(B)に示す縦方向の場合は、起点Pと起点Q(0,0)及び(511,0)に対応する所定のアドレスが設定される。その際、表示すべき2つの表示データユニットは、それぞれフラッシュROM3107からRAM3108の起点Pを起点とするメイン表示データユニットと、起点Qを起点とするサブ表示データユニットに分けられる。そして、各表示データユニットの起点を、これら起点P,Qに合わせる。それと共に各起点から対角線方向に(768×512)画素の画像が表示されるように表示メモリに画像データを展開することにより表示部3200に、これら表示データユニットが表示される。それぞれ、起点P及び起点Qから表示される操作画面情報は、後述の図8の形式のデータ構造をとる。また図8に示すデータ構造のデータは、フラッシュROM3107、或いはHDD1400に記憶されている。
【0049】
以下に各ステップの処理を説明する。
【0050】
まずS701で、パネルコントローラ(PANELC)3106は、メインメニュー画面(図9)を表示する。次にS702に進み、操作者によって、メインメニュー画面ボックスキー902が押下されるとS702からS703に進み、パネルコントローラ(PANELC)3106は、図10に示すように、メインメニュー画面とボックス選択画面を表示する。
【0051】
図10は、実施形態1において、メインメニュー画面とボックス選択画面を表示した例を示す図である。
【0052】
この表示では、パネルコントローラ(PANELC)3106がボックス選択画面(図5(A))を起点Pから表示し、メインメニュー画面(図9)を起点Qから表示する。次にボックス選択画面(図5(A))中のボックス番号選択キー504が押下されるとS704からS705のボックス文書一覧表示に進む。S705で、パネルコントローラ(PANELC)3106は、図11に示すように、ボックス文書一覧画面とボックスプレビュー画面とを表示する。
【0053】
図11は、実施形態1に係るボックス文書一覧画面とボックスプレビュー画面を示す図である。
【0054】
このボックス文書一覧画面では、パネルコントローラ(PANELC)3106は起点Pからボックス文書一覧画面(図5(B))に書き換え、更に、起点Qからボックスプレビュー画面(図12)に書き換えた状態を表示する。図12は、図11のファイル名称で選択されたファイル(ここではファイルA)のプレビューを表示している。このボックス文書一覧画面から文書が選択されて印刷キー502が押下されるとS706からS707に進み、図13に示す、ボックスプリント設定画面とボックスプリント詳細設定画面に切り替わる。
【0055】
図13は、本実施形態1に係るボックスプリント設定画面とボックスプリント詳細設定画面の一例を示す図である。
【0056】
このボックスプリント設定画面では、パネルコントローラ(PANELC)3106は起点Pからボックスプリント設定画面(図6(A))に書き換え、更に、起点Qからボックスプリント詳細設定画面(図14)に書き換えた状態を表示する。このボックスプリント設定画面から、プリント開始キー601が押下されると、S708からS709に進み、図15に示すボックスプリント実行中画面とジョブ状況画面の表示に切り替わる。
【0057】
図15は、ボックスプリント実行中画面とジョブ状況画面の一例を示す図である。
【0058】
このボックスプリント実行中画面では、パネルコントローラ(PANELC)3106は、起点Pからボックスプリント実行中画面(図6(B))に書き換え、更に、起点Qからジョブ状況画面(図16)に書き換えた状態を表示する。このボックスプリント実行中画面で、ボックスプリントジョブが実行されるか、或いは画面を閉じるための閉じるキー1501が押下されると再びS702に戻る。
【0059】
尚、S702で、ボックス処理以外の設定操作の場合はS710に進んで、他の処理を実行するが、ここではその説明を省略する。
【0060】
また同様に、傾きセンサ3113によって図4(B)で示す縦方向が検知された場合、表示データユニットの起点は起点R(1023,767)と起点S(511,767)となる。この場合も先に説明したように画面が遷移する。尚、表示は同じだが、図4(B)で示す操作表示方向は、図4(A)で示す操作表示方向から操作パネル3000を180度回転した場合である。この場合、フラッシュROM3107に保持してある画面データユニットを起点に応じてRAM3108へ展開すれば画面の表示が操作パネル3000の180度の回転に追従して遷移して見える。
【0061】
次に傾きセンサ3113によって図4(C)で示す横方向が検知された場合について説明する。
【0062】
操作表示方向が図4(C)の場合、先に説明したボックス選択画面(図5(A))の表示データユニットを、起点点T(1023、0)から対角点(0,767)方向にRAM3108上に展開する。この場合、図4(A)に関して説明した各画面は、横方向が検知された場合用の画面である横方向の画面に置き換わって表示される。つまり、パネルコントローラ(PANELC)3106が、図15のボックス選択画面を図5(A)のボックス選択画面に、図11のボックス文書一覧画面を図5(B)のボックス文書一覧画面に書き換えて表示する。更に、パネルコントローラ(PANELC)3106は、図13のボックスプリント設定画面を、図6(A)のボックスプリント設定画面に、図15のボックスプリント実行中画面を、図6(B)のボックスプリント実行中画面に、それぞれ置き換えて表示する。即ち、操作パネル3000を横方向にすると、メイン表示データユニットのみを表示する。
【0063】
次に図8を参照して、操作パネル3000が横方向、或いは、縦方向であると検知した時に表示画面を制御するためのデータ構造を説明する。
【0064】
図8は、操作パネルの方向に応じた起点から表示される操作画面情報(表示データユニット)のデータ構造を説明する図である。
【0065】
組合せID801は、縦方向の検知時に表示する2画面の組合せを管理するための識別子である。親画面ID802は、横方向の検知時に表示する画面を親画面(メイン表示データユニット)と定義して、その親画面を特定するための識別子である。親画面名称803は、親画面ID802の名称を示すデータである。子画面ID804は、縦方向の検知時に表示する2画面のうち、親画面以外に、表示される子画面(サブ表示データユニット)と定義して、その子画面を特定するための識別子である。子画面名称805は、子画面ID804の名称を示すデータである。表示種別806は、このデータがどのような画面構成のときに使用されるかを判断するためのデータである。
【0066】
このように組合せID801は、操作パネル3000で設定された動作モードに対応し、親画面及び子画面は、その動作モードの時に2つの画面を表示する操作表示方向であれば、第1の起点及び第2の起点から表示される各操作画面の画面情報に対応している。
【0067】
図8の組合せID801が「00001」の場合は、図10に示す画面表示に対応している。また図8の組合せID801が「00002」の場合は、図11に示す画面表示に対応している。また図8の組合せID801が「00003」の場合は、図13に示す画面表示に対応している。そして図8の組合せID801が「00004」の場合は、図15に示す画面表示に対応している。
【0068】
以上説明したように本実施形態1によれば、操作パネルの画面に表示する表示データユニットを、親画面、子画面と定義しておき、表示領域に1画面を表示する際には親画面を表示する。また表示領域に2画面を表示する際には、親画面に関連付けられた子画面を同時に表示する。これにより、操作パネル3000の方向検知に応じて、最適な画面を表示することができるため、ユーザの意図に応じた最適な操作性を提供することができる。
【0069】
本実施形態1では、操作パネルが縦方向の場合に、上下2画面を表示するという例をあげて、親画面と子画面を関連付ける点を説明した。しかし方向検知と、同時に表示する画面の数はこれに限定されるものでなく、例えば横方向の場合には左右2画面を表示しても良い。更に、親画面と子画面の関連についても、1対1という関係に限定するものではない。また、2つの表示データユニットがある場合に、親画面と子画面の組合せのデータがないとしても、代替として親画面のみを表示することも可能である。
【0070】
以上説明した実施形態1では、傾きセンサ3113を用いて操作パネル3000の方向を検知していた。一般に傾きセンサ3113は重力を利用しているため、操作パネル3000が水平面上に置かれた場合、縦か横はその操作方向は傾きセンサ3113では判別できない。
【0071】
<実施形態2>
図17は、操作パネル3000の操作方向を検知する手段として傾きセンサ3113に加えて3次元加速度センサ3111を有する実施形態2の操作パネルの構成を示すブロック図である。3次元加速度センサ3111は、半導体のチップ内に可動部分があり、外から加わる加速度によって可動部分のフィンが移動し、非可動部分のフィンとの間隔が変化して静電容量が変化する。これにより、操作パネル3000に対して外から加わる加速度を検出することができる。これら2つのセンサ3111,3113の出力を信号処理することで、例えば操作パネル3000が立面状態か平面状態か、又縦置きか横置きか、更には前後、左右、上下方向の3次元的なその動きを精度良く検出できる。尚、3次元加速度センサ3111には他に、ピエゾ抵抗型や熱検知型等が知られているが、本発明はこれら公知の全ての方式を用いて実施できる。
【0072】
尚、図17では省略しているが、ホームポジション2000及び本体1000の構成は前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
【0073】
図18は、本発明の実施形態2に係る操作パネルによる操作パネルの方向を検知する処理を説明するフローチャートである。先に説明した図3中の同じ処理は同じステップ番号で示す。
【0074】
操作パネル3000が水平状態で、傾きセンサ3113出力が小さく安定に検知できない場合はS601からS602に進み、加速度センサ3111の出力を処理して方向を検出する。S602では、傾きセンサ3113の出力を初期値とし、加速度センサ3111の出力を2回積分して初期値からの3次元各方向での移動距離を算出して、水平面上の方向を判定する。尚、水平状態で、操作パネル3000が電源投入されたりCPU3101がリセットされた場合で操作パネルの移動も無い場合は、傾きセンサ3113を用いても初期位置が不定である。このため、この場合をS603で傾きの検知が可能かどうかを判定し、その可能でないときはS7に進んで縦方向に決定する。一方、加速度センサ3111の出力から移動量が算出できる場合はS604で操作方向を判定し、その判定結果に応じてS7或いはS8に分岐する。
【0075】
図19は、前述のセンサに代えて3次元ジャイロセンサ3112を備えた他の実施形態に係る操作パネル3000の構成を示すブロック図である。
【0076】
3次元ジャイロセンサ3112は、操作パネル3000が如何なる状態にあっても、その方向を図3で先に説明したフローチャートに従って検知可能である。尚、3次元ジャイロセンサ3112は、コリオリの力を利用した方式の半導体素子である。
【0077】
上記いずれのセンサを用いた場合も、その検知した操作表示方向に応じて表示形態を変更する構成は、前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
【0078】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0079】
以上本発明に係る実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。尚、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0080】
以上示したように本実施形態によれば、本体1000と無線通信可能な操作パネル3000を、使用する操作者が縦方向或いは横方向で操作する場合に、少なくとも2つの表示データユニットと操作方向の検知手段を用いる。その検知手段により検知された操作方向に応じて、少なくとも2つの表示データユニットを適応的にレイアウト表示する。2つの表示データユニットで表示可能な際には、各画面に関連づいた画面を表示することによって、検知された操作方向に対応する、操作者のための操作画面を表示できる。
【0081】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示装置の操作表示方向を検知する検知手段と、
表示メモリに記憶された画像データに基づいて画像を表示する表示手段と、
動作モードに応じて前記表示手段に表示する操作画面情報を、少なくともメインとサブの表示データユニットとして管理して記憶する記憶手段と、
動作モード及び前記検知手段により検知された前記操作表示方向に応じて、前記記憶手段に記憶されている前記表示データユニットを、前記表示メモリの所定のアドレスから展開して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記表示手段に少なくとも2つの操作画面を表示する動作モードの場合、前記メイン及びサブの表示データユニットのそれぞれを前記表示手段の画面に割り付けて表示することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記表示手段に1つの操作画面だけを表示する動作モードの場合は、前記メインの表示データユニットだけを前記表示手段の画面に表示することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記操作表示方向が縦方向と検知された場合に、少なくとも2つの操作画面を表示し、前記操作表示方向が横方向と検知された場合に、1つの操作画面だけを表示することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記検知手段は、傾きセンサ、3次元ジャイロセンサ、3次元加速度センサの少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
画像表示装置における画像表示方法であって、
画像表示装置の操作表示方向を検知する検知工程と、
表示メモリに記憶された画像データに基づいて表示部に画像を表示する表示工程と、
動作モードに応じて前記表示部に表示する操作画面情報を、少なくともメインとサブの表示データユニットとして管理してメモリに記憶する記憶工程と、
動作モード及び前記検知工程で検知された前記操作表示方向に応じて、前記メモリに記憶されている前記表示データユニットを、前記表示メモリの所定のアドレスから展開して前記表示部に表示するように制御する表示制御工程とを有し、
前記表示制御工程は、前記表示部に少なくとも2つの操作画面を表示する動作モードの場合、前記メイン及びサブの表示データユニットのそれぞれを前記表示部の画面に割り付けて表示することを特徴とする画像表示方法。
【請求項6】
コンピュータを、
画像表示装置の操作表示方向を検知する検知手段と、
表示メモリに記憶された画像データに基づいて画像を表示する表示手段と、
動作モードに応じて前記表示手段に表示する操作画面情報を、少なくともメインとサブの表示データユニットとして管理して記憶する記憶手段と、
動作モード及び前記検知手段により検知された前記操作表示方向に応じて、前記記憶手段に記憶されている前記表示データユニットを、前記表示メモリの所定のアドレスから展開して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段とを有し、前記表示制御手段は、前記表示手段に少なくとも2つの操作画面を表示する動作モードの場合、前記メイン及びサブの表示データユニットのそれぞれを前記表示手段の画面に割り付けて表示する画像表示装置として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
画像表示装置の操作表示方向を検知する検知手段と、
表示メモリに記憶された画像データに基づいて画像を表示する表示手段と、
動作モードに応じて前記表示手段に表示する操作画面情報を、少なくともメインとサブの表示データユニットとして管理して記憶する記憶手段と、
動作モード及び前記検知手段により検知された前記操作表示方向に応じて、前記記憶手段に記憶されている前記表示データユニットを、前記表示メモリの所定のアドレスから展開して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記表示手段に少なくとも2つの操作画面を表示する動作モードの場合、前記メイン及びサブの表示データユニットのそれぞれを前記表示手段の画面に割り付けて表示することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記表示手段に1つの操作画面だけを表示する動作モードの場合は、前記メインの表示データユニットだけを前記表示手段の画面に表示することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記操作表示方向が縦方向と検知された場合に、少なくとも2つの操作画面を表示し、前記操作表示方向が横方向と検知された場合に、1つの操作画面だけを表示することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記検知手段は、傾きセンサ、3次元ジャイロセンサ、3次元加速度センサの少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
画像表示装置における画像表示方法であって、
画像表示装置の操作表示方向を検知する検知工程と、
表示メモリに記憶された画像データに基づいて表示部に画像を表示する表示工程と、
動作モードに応じて前記表示部に表示する操作画面情報を、少なくともメインとサブの表示データユニットとして管理してメモリに記憶する記憶工程と、
動作モード及び前記検知工程で検知された前記操作表示方向に応じて、前記メモリに記憶されている前記表示データユニットを、前記表示メモリの所定のアドレスから展開して前記表示部に表示するように制御する表示制御工程とを有し、
前記表示制御工程は、前記表示部に少なくとも2つの操作画面を表示する動作モードの場合、前記メイン及びサブの表示データユニットのそれぞれを前記表示部の画面に割り付けて表示することを特徴とする画像表示方法。
【請求項6】
コンピュータを、
画像表示装置の操作表示方向を検知する検知手段と、
表示メモリに記憶された画像データに基づいて画像を表示する表示手段と、
動作モードに応じて前記表示手段に表示する操作画面情報を、少なくともメインとサブの表示データユニットとして管理して記憶する記憶手段と、
動作モード及び前記検知手段により検知された前記操作表示方向に応じて、前記記憶手段に記憶されている前記表示データユニットを、前記表示メモリの所定のアドレスから展開して前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段とを有し、前記表示制御手段は、前記表示手段に少なくとも2つの操作画面を表示する動作モードの場合、前記メイン及びサブの表示データユニットのそれぞれを前記表示手段の画面に割り付けて表示する画像表示装置として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−159531(P2012−159531A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17115(P2011−17115)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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