画像表示装置
【課題】使用環境を考慮して、ユーザの眼精疲労防止を図ることのできる画像表示装置を提供すること。
【解決手段】外光の一部が少なくともユーザのいずれかの眼に到達する状態で、表示画像に応じた画像光をユーザの眼に投射して当該ユーザに前記表示画像を視認させる表示部を備えた画像表示装置において、外光の明るさを計測する計測器と、前記表示画像の明るさを判定する判定手段と、前記外光の明るさと前記表示画像の明るさとの差を検出する検出手段と、ユーザによって前記表示部の使用が開始された後、前記検出手段による検出結果に基づいて、ユーザによる前記表示部の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定する決定手段と、前記決定手段で決定した休止タイミングで前記表示部の使用の休止をユーザに促す使用休止報知を行う報知処理手段とを備えた構成とした。
【解決手段】外光の一部が少なくともユーザのいずれかの眼に到達する状態で、表示画像に応じた画像光をユーザの眼に投射して当該ユーザに前記表示画像を視認させる表示部を備えた画像表示装置において、外光の明るさを計測する計測器と、前記表示画像の明るさを判定する判定手段と、前記外光の明るさと前記表示画像の明るさとの差を検出する検出手段と、ユーザによって前記表示部の使用が開始された後、前記検出手段による検出結果に基づいて、ユーザによる前記表示部の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定する決定手段と、前記決定手段で決定した休止タイミングで前記表示部の使用の休止をユーザに促す使用休止報知を行う報知処理手段とを備えた構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示画像に応じた画像光をユーザの眼に投射して当該ユーザに前記表示画像を視認させる表示部を備えた画像表示装置があり、その一例として、例えば前記表示部をユーザの頭部に装着する装着部を備えたヘッドマウント型ディスプレイ(HMD)が知られている。
【0003】
HMDは、表示部がユーザの頭部に装着されているため、眼を開いている限り、どこを向いても映像を視ている状態になり、連続使用した場合は眼精疲労になりやすいと考えられる。
【0004】
そこで、警告情報を発生する警告情報発生手段と、表示部による映像の表示開始に伴い連続表示時間を監視し、連続表示時間が所定時間に到達したか否かを判定する判定手段と、連続表示時間が所定時間に到達すると、警告情報を表示部に表示するように制御する制御手段と、を備えたHMDが提案された(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−235163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、外光の一部が少なくともユーザのいずれかの眼に到達する状態で使用される画像表示装置の場合、ユーザの眼精疲労の度合いは、外光の明るさとユーザが視認している画像の明るさとの関係によって大きく異なってくる。
【0007】
したがって、HMDの使用環境が考慮されていない特許文献1の技術は、眼精疲労防止を図るには未だ十分とは言えない。
【0008】
特に、表示部を一方の眼に装着する画像表示装置とした場合、他方の眼には目を開いている限り外光が入ってくるので、外光の明るさとユーザが視認している画像の明るさとの関係は眼の疲労度に大きく影響するものと考えられる。
【0009】
よって、所定の設定時間を越えて使用した場合に警告情報が表示されるという特許文献1の技術を採用した場合、設定時間によっては、目の疲労を全く感じていないにもかかわらず警告情報が表示されて煩く感じたり、逆に警告情報が表示される時間よりも前に眼が疲れたりするおそれがある。
【0010】
本発明では、上記課題を解決し、様々な使用環境に適応した時間で使用休止報知を行うことのできる画像表示装置、及び同画像表示装置を駆動するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明では、外光の一部が少なくともユーザのいずれかの眼に到達する状態で、表示画像に応じた画像光をユーザの眼に投射して当該ユーザに前記表示画像を視認させる表示部を備えた画像表示装置において、外光の明るさを計測する計測器と、前記表示画像の明るさを判定する判定手段と、前記外光の明るさと前記表示画像の明るさとの差を検出する検出手段と、ユーザによって前記表示部の使用が開始された後、前記検出手段による検出結果に基づいて、ユーザによる前記表示部の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定する決定手段と、前記決定手段で決定した休止タイミングで前記表示部の使用の休止をユーザに促す使用休止報知を行う報知処理手段と、を備えた画像表示装置とした。
【0012】
(2)本発明は、上記(1)に記載の画像表示装置において、前記決定手段は、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てられた値を単位時間毎に累積していき、累積された値が所定閾値以上となるタイミングを、前記休止タイミングとして決定することを特徴とする。
【0013】
(3)本発明は、上記(2)に記載の画像表示装置において、前記決定手段は、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てる値を前記外光の明るさに応じて変更することを特徴とする。
【0014】
(4)本発明は、上記(3)に記載の画像表示装置において、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てる値を前記外光の明るさに応じて設定したテーブルを記憶した記憶部を備え、前記決定手段は、前記記憶部に記憶したテーブルに基づいて、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てる値を決定することを特徴とする。
【0015】
(5)本発明は、上記(2)〜(4)の何れかに記載の画像表示装置において、ユーザによる前記表示部の使用回数をカウントするカウント手段を備え、前記決定手段は、前記カウント手段のカウント結果に応じた値を前記所定閾値とすることを特徴とする。
【0016】
(6)本発明は、上記(5)に記載の画像表示装置において、ユーザによる前記表示部の使用が休止されている時間を計時する計時手段を備え、前記決定手段は、前記計時手段の計時結果に基づいて前記カウント手段のカウント結果を補正し、当該補正結果に応じた値を前記所定閾値とすることを特徴とする。
【0017】
(7)本発明は、上記(1)〜(6)の何れかに記載の画像表示装置において、前記検出手段は、前記表示画像のデータから当該表示画像のピクセルの明るさの平均値を算出して、前記表示画像の明るさとすることを特徴とする。
【0018】
(8)本発明は、上記(1)〜(6)の何れかに記載の画像表示装置において、前記表示部で表示する表示画像の明るさの設定値を調整する調整部を備え、前記検出手段は、前記調整部により調整した設定値を検出して、前記表示画像の明るさとすることを特徴とする。
【0019】
(9)本発明は、上記(1)〜(8)の何れかに記載の画像表示装置において、前記報知処理手段は、前記表示部の使用の休止をユーザに促す画像に応じた画像光を、前記表示部からユーザの眼に投射することを特徴とする。
【0020】
(10)本発明は、上記(1)〜(9)の何れかに記載の画像表示装置において、音声を出力するイヤホンを備え、前記報知処理手段は、前記表示部の使用の休止をユーザに促す音声を、前記イヤホンから出力させることを特徴とする。
【0021】
(11)本発明は、上記(1)〜(10)の何れかに記載の画像表示装置において、前記表示部をユーザの頭部に装着する装着部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、様々な使用環境に適応した適切な時間で、表示部の使用の休止をユーザに促す使用休止報知を行うことができるため、本画像表示装置を使用するユーザの眼精疲労による健康への悪影響を可及的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係るHMDの使用状態を示す説明図である。
【図2】同HMDを使用しているユーザの眼への画像光と外光との進入状態を示す説明図である。
【図3】同HMDを使用しているユーザの視界を示す説明図である。
【図4】同HMDの概要説明図である。
【図5】警告画像の説明図である。
【図6】外光の明るさと表示画像の輝度とを関連付けたテーブルの一例を示す説明図である。
【図7】本実施形態に係るHMDの構成を示した説明図である。
【図8】同HMDの電気的構成及び光学的構成を示したブロック図である。
【図9】制御部のブロック図である。
【図10】輝度設定スイッチの使用状態を示す説明図である。
【図11】PCに組み込まれた映像アプリケーションによる表示制御処理の一例を示す説明図である。
【図12】疲れ判定テーブルを示す説明図である。
【図13】本実施形態に係るHMDのメイン処理を示したフローチャートである。
【図14】本実施形態に係るHMDのメイン処理を示したフローチャートである。
【図15】メイン処理にて実行される処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】メイン処理にて実行される処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図17】変形例に係るお疲れ度判定処理のフローチャートである。
【図18】イヤホンを具備するHMDの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施形態に係る画像表示装置の一例について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、画像表示装置を、ユーザの頭部に装着して使用する画像表示装置であって、画像信号に基づいて生成した画像光を2次元的に走査し、その走査された画像光をユーザの眼に投射して網膜上に結像させる網膜走査型のヘッドマウントディスプレイ(以下、「HMD:Head Mount Display」という。)として説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、外光の一部が少なくともユーザのいずれかの眼に到達する状態で、表示画像に応じた画像光をユーザの眼に投射して当該ユーザに前記表示画像を視認させる表示部を備えた画像表示装置であれば、全てに適用することができる。
【0025】
図1は本実施形態に係るHMDの使用状態を示す説明図であり、図2はこのHMDを使用しているユーザの眼への画像光と外光との進入状態を示す説明図、図3はこのHMDを使用しているユーザの視界を示す説明図、図4は本実施形態に係るHMDの概要説明図、図5は警告画像の説明図、図6は外光の明るさと表示画像の輝度とを関連付けたテーブルの一例を示す説明図である。
【0026】
(画像表示装置の概要)
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る画像表示装置の一例であるHMDは、外光400の一部が少なくともユーザ100のいずれかの眼101に到達する状態で、表示画像200に応じた画像光をユーザ100の眼101に投射して当該ユーザ100に表示画像200を視認させる表示部1を備えている。
【0027】
表示部1は、ユーザ100の頭部102に装着される投影ユニット1aと、この投影ユニット1aと光ファイバケーブル50を介して接続された光源ユニット1bとから構成されている。投影ユニット1aは、ユーザ100の頭部102に装着する装着部11に取り付けられ、光源ユニット1bは、投影ユニット1aとは別体のコントローラ3に内蔵されている。また、装着部11は、略眼鏡形状とした支持部材からなり、あたかも眼鏡のように装着することができる。
【0028】
図2に示すように、ユーザ100の両眼には外光400が進入している。特に、投影ユニット1aが装着された左の眼101には、外光400はハーフミラー10を透かして侵入し、投影ユニット1aから投射された画像光500はハーフミラー10で反射して進入している。したがって、ユーザ100が視認する表示画像200は、図3に示すように、ユーザ100の視界103の中で、外界の景色に重畳された状態で表示されている。なお、図1及び図3で符号104で示したものは、ユーザ100の視界103にある外界の景色の一例である所定の物体であり、ここではノート型パーソナルコンピュータが視界103内にある。また、ハーフミラー10を含むHMDの具体的な構成の詳細な説明は後述する。
【0029】
また、図4に示すように、HMDは、さらに、外光の明るさを計測する計測器としての明るさセンサ2と、表示画像200の明るさを判定する判定手段と、外光の明るさと表示画像200の明るさとの差を検出する検出手段と、ユーザ100によって表示部1の使用が開始された後、前記検出手段による検出結果に基づいて、ユーザ100による表示部1の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定する決定手段と、この決定手段で決定した休止タイミングで表示部1の使用の休止をユーザに促す使用休止報知を行う報知処理手段とを備えている。なお、これら各手段はコントローラ3に設けられた制御部30がその機能を担っている。また、明るさセンサ2は、フォトダイオードやフォトトランジスタ等の、HMDの周囲の明るさを示す光量を検出可能な光電変換素子を備えたもので、図1に示すように、装着部11に取付けておくことができる。
【0030】
かかる構成のHMDは、ユーザ100が眼101を開いている限りはどこを向いてもいつでも表示画像200を視ている状態が続くため、眼精疲労を引き起こしやすいものであり、しかも、表示画像200は、ユーザ100の視界103の中で、外界の景色に重畳された状態で表示されているシースルー型であるため、外光の一部が少なくともユーザ100のいずれかの眼101に到達する構造となっている。しかも、表示画像200の視認性は、当該表示画像200の明るさと、外界の光(外光)の明るさとの関係で異なってくるため、眼精疲労の防止を図るためにはこの点を考慮することが望ましい。つまり、HMDの連続使用時間については、その使用環境に応じて対応する必要がある。
【0031】
そこで、本実施形態では、上述した構成とすることにより、外光の明るさと、表示画像200の明るさとの差を検出し、その検出結果に応じて、表示部1の使用を休止するタイミングを決定し、そのタイミングになると、図5に示すように、表示画像200中に警告画像250を表示するようにして、表示部1の使用休止をユーザ100に促す報知を行うようにしている。また、警告画像250を表示した後も表示部1の使用が継続するようであれば、所定時間経過後には強制的に表示部1の駆動を停止したり、あるいは電源OFFとしたりすることもできる。
【0032】
このように、HMDの使用環境(外光の明るさ)に応じたきめ細かい使用休止報知を行うことによって、HMDを使用するユーザ100の眼精疲労による健康への悪影響を効果的に排除可能としている。
【0033】
ところで、本実施形態において、表示画像200の明るさと比較する外光の明るさは、所定時間の平均の値としている。これは、ユーザ100の挙動によっては、その顔の向きで、例えば照明の方を向いたり、下を向いたりすると明るさが大きく変化するからである。また、例えば太陽や照明などがある上方向を向いたときには、当然明るさ度合いが大きくなるので、これは平均には含めないようにすることが望ましい。さらに、例えば暗い部屋から明るい部屋に入ったときなどのように、環境の明るさが大きく変わった場合、変わった時点からの平均をとることが望ましい。
【0034】
また、休止タイミングを決定するには、例えば、図6に示すように、外光の明るさと、表示画像200の輝度(明るさ)とを関連付けたテーブルを後述するROMなどの記憶手段に記憶しておくとよい。例えば、外光が「暗い」、「最適」、「明るい」場合に対し、それぞれ表示画像200の輝度(明るさ)を「暗い」、「最適」、「明るい」と3区分しておき、明るさセンサ2で検出した実際の外光の明るさと表示画像200の明るさとその差を検出手段により検出し、テーブルを参照して3区分のいずれにあるかを判定する。なお、本実施形態では、表示画像200の輝度が外光に対して2倍以下を「暗い」、2〜5倍を「最適」、5倍以上を「明るい」と設定し、それぞれにユーザ100の眼101の疲れ度合いを決定するための所定の値を割り付けている。
【0035】
そして、決定手段は、検出手段による検出結果に応じて割り当てられた所定の値を、例えば1分などに設定した単位時間毎に累積していき、累積された値が所定閾値以上となるタイミングを休止タイミングとして決定するのである。なお、検出結果に応じて割り当てられた所定の値についても、上記テーブルに設定しておくとよく、かかるテーブルについては後に詳述する。
【0036】
このように、本実施形態によれば、HMDの様々な使用環境に適応した適切な時間で、表示部の使用の休止をユーザに促す使用休止報知を行うことができるため、ユーザ100の眼精疲労による健康への悪影響を可及的に防止することができる。
【0037】
上述したように、判定手段、検出手段、決定手段、及び報知処理手段は、コントローラ3に内蔵された制御部30がその機能を担っている(図4参照)。制御部30は、後に詳述するように、CPU31、プログラムROM32、フラッシュR0M33、RAM34など(図9参照)を備えたコンピュータからなり、プログラムROM32に格納された制御プログラムに従って、CPU31が各手段として機能することになる。
【0038】
なお、プログラムROM32に格納された制御プログラムは、例えば、CD−R、DVD―R等の記録媒体に記録されているものでもよく、その場合、コントローラ3に所定の外部接続端子を設けておき、例えば図示しない記録媒体ドライブをこれに接続し、記録媒体を介して、例えばフラッシュR0M33に読み込まれるようにしてもよい。
【0039】
また、図4において、符号300はパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)を示している。HMDの表示部1により表示される表示画像200(図1〜図3参照)は、コントローラ3がPC300へ要求信号を送信し、この要求信号を受けたPC300からコントローラ3へ送信された画像データがV−RAM信号で表示部1へ送信されたものによっている。つまり、画像データはPC300のハードディスクなどの記憶装置に記憶されており、本実施形態に係るHMDは、表示部1で表示する表示画像200の画像データの供給をPC300から受けている。
【0040】
また、コントローラ3は、表示部1により表示される表示画像200の輝度設定を行う輝度設定スイッチ15を備えており(図7〜図9参照)、ユーザ100は、表示画像200を見る場合に、最も見やすい輝度に調整することが可能となっている。したがって、前述した判定手段は、輝度設定スイッチ15により設定された表示画像200の輝度(明るさ)を検出すれば簡単に表示画像200の明るさを判定することができる。
【0041】
なお、輝度設定スイッチ15は、コントローラ3ではなく、投影ユニット1aに設けてもよい。また、表示画像200の輝度は、後述するように、データを供給するPC300側で設定することも可能である。
【0042】
ところで、表示部1の休止をユーザ100に促す使用休止報知としては、使用休止を促す画像に応じた画像光を、表示部1からユーザ100の眼101に投射することもできるし、あるいはイヤホンを付設しておき、音声を出力することで表示部1の使用の休止をユーザ100に促すこともできる。当然ではあるが、画像光と音声との両方を組み合わせても構わない。
【0043】
(HMDの外観構成)
本実施形態に係るHMDの概要は上述してきた通りである。
ここで、HMDのより具体的な構成について以下に詳述する。図7はHMDの構成を示した説明図、図8はHMDの電気的構成及び光学的構成を示したブロック図、図9は制御部の構成を示したブロック図である。
【0044】
図7に示すように、HMDは、投影ユニット1aを収納した筐体13と、この筐体13を支持する眼鏡フレーム型の装着部11と、光源ユニット1bと制御部30(図8参照)を備えたコントローラ3とを備えている。
【0045】
投影ユニット1aを収納した筐体13は、頭部102へ装着されたときにユーザ100の左眼部分と左側こめかみ部分とを被覆するような平面視略L字形状の箱体からなり、この筐体13の頂面13aの所定位置に外界の明るさ(外光の明るさ)を検出するための明るさセンサ2が設けられ、画像光500が出射される筐体13の先端面13bには、左の眼101の前方に位置するようにハーフミラー10が取り付けられている。
【0046】
すなわち、本実施形態に係るHMDは、図2で示したように、外光400をハーフミラー10から透過させてユーザ100の左の眼101に入射させ、画像光500はハーフミラー10で反射させてユーザ100の眼101に入射させるようにしている。また、当然ながら、外光400は右の眼101にも入射している。したがって、ユーザ100は、両眼101,101を開けている場合は当然ながら、右の眼101を閉じた状態であっても、表示画像200を見ながら外界も見ることができる。
【0047】
装着部11は、眼鏡のレンズ枠を模したフロントフレーム11aと、このフロントフレーム11aの左右にそれぞれ取付けられた係止フレーム11b,11bとから構成され、あたかも眼鏡をかけるようにして、簡単に投影ユニット1aを収納した筐体13を頭部102へ装着することができる。
【0048】
コントローラ3の光源ユニット1bは、PC300と外部接続ケーブル4を介して接続するとともに、投影ユニット1aとは光ファイバケーブル50を介し、また明るさセンサ2とはセンサ接続ケーブル51を介して制御部30を介して接続されている(図8参照)。図中、符号5で示したものは光ファイバケーブル50とセンサ接続ケーブル51とを一体的に被覆した伝送ケーブルである。
【0049】
また、光源ユニット1bは、後述する画像信号供給回路6を備えており、PC300から送信される画像データに基づいて、画像の画素毎に強度変調された画像光500を形成し、この画像光500を光ファイバケーブル50を介して投影ユニット1aへ伝送し、投影ユニット1aでは、伝送された画像光500を走査してユーザ100に表示画像200(図1〜図3参照)を視認させることができる。
【0050】
また、コントローラ3のケーシング表面には、表示画像200の輝度(明るさ)をユーザ100が外部操作により設定できる輝度設定スイッチ15と、HMDを起動するための電源スイッチ7と、HMDが起動状態にあることを点灯表示する電源ランプ8とが接続されている。また、さらに、コントローラ3には前記外部接続ケーブル4を接続する外部入出力端子3aが設けられており、この外部入出力端子3aに外部接続ケーブル4を接続することによって、コントローラ3とPC300との間で画像データなどの各種データや各種制御信号の送受信を可能としている。
【0051】
(HMDの電気的構成及び光学的構成)
次に、図8を参照しながら、HMDの電気的構成及び光学的構成について説明する。
図示するように、HMDは投影ユニット1a、コントローラ3、及び明るさセンサ2を備え、コントローラ3内には、HMD全体の動作を統括制御する制御部30と、この制御部30から供給される映像信号をドットクロック毎に読み出し、読み出した映像信号に応じて強度変調された光束を生成して出射する光源ユニット1bが設けられている。本実施形態では、投影ユニット1aと光源ユニット1bとにより表示部1が構成されている。
【0052】
制御部30は、その内部に記憶されている制御プログラムにしたがって後述する所定の処理を実行することによって、前述した判定手段、検出手段、決定手段、及び報知処理手段等として機能する。
【0053】
光源ユニット1bには、画像を合成するための要素となる信号等を発生する画像信号供給回路6が設けられている。PC300から供給される画像信号が制御部30に入力されると、制御部30はそれに基づいて画像形成信号Sを生成して画像信号供給回路6に送る。画像信号供給回路6は、画像形成信号Sに基づいて、表示画像200を合成するための要素となる各信号を生成するのである。すなわち、画像信号供給回路6からは、R(赤色)画像信号60r、G(緑色)画像信号60g、B(青色)画像信号60bが生成されて出力される。また、画像信号供給回路6は、水平走査部80で使用される水平駆動信号61と、垂直走査部90で使用される垂直駆動信号62とをそれぞれ出力する。
【0054】
また、光源ユニット1bには、画像信号供給回路6からドットクロック毎に出力されるR(赤色)画像信号60r、G(緑色)画像信号60g、B(青色)画像信号60bの各画像信号60r、60g、60bをもとに、それぞれ強度変調されたレーザ光を出射するように、Rレーザ63,Gレーザ64,Bレーザ65をそれぞれ駆動するためのRレーザドライバ66,Gレーザドライバ67,Bレーザドライバ68が設けられている。なお、各レーザ63、64、65は、例えば、半導体レーザや高調波発生機構付き固体レーザとして構成することが可能である。なお、半導体レーザを用いる場合は駆動電流を直接変調して、光束の強度変調を行うことができるが、固体レーザを用いる場合は、各レーザそれぞれに外部変調器を備えて光束の強度変調を行う必要がある。
【0055】
さらに、光源ユニット1bは、各レーザ63、64、65より出射された光束を平行光にコリメートするように設けられたコリメート光学系71、72、73と、このコリメートされた光束を合成するためのダイクロイックミラー74、75、76と、合成された光束を光ファイバケーブル50に導く結合光学系77とが設けられている。
【0056】
すなわち、各レーザ63、64、65から出射したレーザ光は、コリメート光学系71、72、73によってそれぞれ平行化された後に、ダイクロイックミラー74、75、76に入射される。その後、これらのダイクロイックミラー74、75、76により、各光束が波長に関して選択的に反射・透過される。そして、これら3つのダイクロイックミラー74、75、76にそれぞれ入射した3原色の光束は、波長選択的に反射または透過して結合光学系77に達し、集光され光ファイバケーブル50へ出力されるのである。
【0057】
光源ユニット1bとユーザ100の眼101との間に位置する投影ユニット1aには、光源ユニット1bで生成され、光ファイバケーブル50を介して出射されるレーザビーム(以下、「光束」とする)を平行光化するコリメート光学系81と、このコリメート光学系81で平行光化された光束を画像表示のために水平方向に往復走査する水平走査部80と、水平走査部80で水平方向に走査された光束を垂直方向に走査する垂直走査部90と、水平走査部80と垂直走査部90との間に設けられた第1リレー光学系85と、このように水平方向と垂直方向に走査された光束を瞳孔101aへ出射するための第2リレー光学系95とが設けられている。
【0058】
水平走査部80及び垂直走査部90は、光ファイバケーブル50から入射された光束を画像として投影可能な状態にするために、水平方向と垂直方向に走査して走査光束とする光学系であり、水平走査部80は、光束を水平方向に走査するため偏向面を有する共振型偏向素子82と、この共振型偏向素子82を共振させ、共振型偏向素子82の偏向面を揺動させる駆動信号を発生する水平走査駆動回路83を備えている。
【0059】
一方、垂直走査部90は、垂直走査するガルバノミラー91と、このガルバノミラー91の駆動制御を行う垂直走査制御回路92とを備え、表示すべき画像の1フレームごとに、補助画像形成光を最初の走査線から最後の走査線に向かって垂直に垂直走査する。
【0060】
また、水平走査部80と垂直走査部90との間での光束を中継する第1リレー光学系85は、共振型偏向素子82によって水平方向に走査された光を通過させる。そして、通過した光がガルバノミラー91によって垂直方向に走査されて、走査光束からなる画像光500として正の屈折力を持つ2つのレンズが直列配置された第2リレー光学系95へ出射され、眼101の前方に位置させたハーフミラー10で反射されてユーザ100の瞳孔101aに入射する。入射した画像光500が網膜101b上に投影され、ユーザ100はこの画像光500を、表示画像200として認識することができる(図2及び図3を参照)。
【0061】
(制御部の構成)
次に、コントローラ3が備える制御部30の構成について、図9を参照しながら説明する。
【0062】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)31と、プログラムROM(Read Only Memory)32と、フラッシュメモリ(フラッシュROM33)と、RAM(Random Access Memory)34と、明るさセンサコントローラ35と、表示部インターフェイスコントローラ36と、表示部用VRAM37と、PC接続インターフェイスコントローラ38と、周辺(周辺機器用)インターフェイス39とを備えており、システムバス40を介して相互に接続されている。
【0063】
記憶部の一例であるプログラムROM32には制御プログラムが記憶されており、この制御プログラムを演算処理装置であるCPU31で実行することにより、後述するフローチャートに従った処理を実現して、前述の判定手段、検出手段、決定手段、及び報知処理手段(図4参照)として機能する。また、この制御部30は、後述するカウント手段、計時手段としても機能する。
【0064】
記憶部の一例であるフラッシュROM33には、後述する疲れ判定テーブル(図12参照)などの各種テーブルや各種フラグ、さらには画像データ、表示画像200の輝度の設定値などが記憶されている。
【0065】
RAM34は、CPU31にて参照される前記疲れ判定テーブルや各種フラグや画像データなどの一時記憶領域として機能する。
【0066】
明るさセンサコントローラ35は、明るさセンサ2との接続を担うものであり、明るさセンサ2に対し、外光のレベルを示す光量のデータの送信要求を行うとともに、受信したデータを表示画像200の輝度と比較できる値に演算加工することができる。
【0067】
表示部インターフェイスコントローラ36は、表示部1(画像信号供給回路6)との接続を担っており、表示部用VRAM37のデータに基づいて画像形成信号Sを生成し画像信号供給回路6に供給する。画像形成信号Sは、表示部1への映像信号や制御信号(電源スイッチ12のON/OFF、画像表示位置、ピントなどの制御信号)、輝度設定スイッチ15により設定された輝度に応じた明るさ制御信号(表示のON/OFFを含む)が含まれている。また、表示部1からは実際に表示されている表示画像200の輝度の状態を示す情報などを受信することができる。
【0068】
表示部用VRAM37は、ユーザ100が視認する表示画像200を形成するための画像形成データを記憶するものであり、表示部インターフェイスコントローラ36及びPC接続インターフェイスコントローラ38に接続している。
【0069】
PC接続インターフェイスコントローラ38はPC300との接続を担うものであり、PC300との間で映像信号の送受信を行い、CPU31により要求される画像データを表示部用VRAM37へ書き込む。
【0070】
周辺(機器用)インターフェイス39は、制御部30に接続された周辺機器類の動作制御や信号の送受信を担うものであり、同周辺インターフェイス39には、HMDを起動するための電源スイッチ12や輝度設定スイッチ15が接続されている。
【0071】
この輝度設定スイッチ15は表示部1で表示する表示画像200の輝度(明るさ)の設定値を調整する調整部であって、制御部30は、設定されたレベルに応じて白色を表示するときの各(RGB)レーザのピーク光出力を制御して全体の明るさを制御する明るさ制御信号として表示部1へ送信して表示画像200をユーザ100の所望する輝度とすることができる。
【0072】
図10は輝度設定スイッチ15の使用状態を示す説明図であり、図10(a)に示すように、表示画像200の明るさ(輝度)が、視界103内における外界の明るさよりも際立っており、あまりにも表示画像200が眩しすぎる場合など、ユーザ100は、コントローラ3に設けられた輝度設定スイッチ15を操作して輝度調整をすることができる。
【0073】
輝度設定スイッチ15を操作すると、図10(b)に示すように、表示画像200内には「明」→「暗」と輝度が示された明るさ設定画面が表示され、スイッチ操作に応じてポインタ201が移動するように表示される。ここでは、表示画像200が明るすぎるため、ポインタ201が「暗」側に移動するように輝度設定スイッチ15を操作する。その結果、図10(c)に示すように、表示画像200の輝度が低下して外界の明るさとの差が縮まり、眼101に負担をかけることなく表示画像200を見ることができる。
【0074】
このとき、制御部30は、判定手段として機能し、所定時間毎に輝度設定スイッチ15による設定輝度を監視している。したがって、制御部30は表示画像200の輝度を常時取得することが可能となっている。
【0075】
なお、表示画像200の輝度は、PC300側で設定(変更)することもできる。図11はPC300に組み込まれた所定の映像アプリケーションによる表示制御処理の一例を示す説明図であり、図示するように、映像表示処理の一環として明るさ設定が行えるようになっている。
【0076】
すなわち、図示するように、HMDのコントローラ3と接続されたPC300の電源が投入され、所定の映像アプリケーションを起動する(ステップS600)。CPUはアプリケーションに応じて初期設定処理を実行し(ステップS610)、次いで、HMDの表示部1より映像送信要求があるか否かを判定する(ステップS620)。要求がある場合(ステップS620:Yes)、CPUは、要求画像をVRAMに展開し、要求画像と、PC300でデフォルトに設定された明るさ設定値をHMDの表示部1へ送信し(ステップS640)、処理をステップS620に戻す。
【0077】
こうして、表示部1は、PC300から送信されてきた要求画像をデフォルトに設定された輝度で表示することが可能となる。
【0078】
また、ステップS620において、要求がない場合(ステップS620:No)、CPUは明るさ設定の操作がなされたか否かを判定する(ステップS650)。操作がない場合(ステップS650:No)、CPUはステップS690に処理を移し、映像アプリケーションを用いたその他の処理、例えば画像選択、ページ送りなどの処理を実行してステップS620に戻る。
【0079】
一方、ステップS650において明るさ設定操作があった場合(ステップS650:Yes)、CPUは明るさ設定処理を実行し(ステップS660)、次いで、設定値をPC300に搭載された明るさ設定メモリへ書き込み(ステップS670)、次いで、書き込まれた明るさ設定値をHMDの表示部1へ送信し(ステップS680)、処理をステップS620に戻す。
【0080】
こうして、表示部1は、表示中の表示画像200の輝度を、PC300から送られた輝度に変更することが可能となる。
【0081】
このように、表示部1で表示される表示画像200の輝度については、HMDが備える輝度設定スイッチ15の操作によっても、PC300側によっても、新たに設定したり、変更したりすることが可能である。
【0082】
ここで、フラッシュROM33に記憶されている各種テーブルのうちの一つである疲れ判定テーブルについて説明する。図12は疲れ判定テーブルを示す説明図である。
【0083】
図12(a)に示した疲れ判定テーブルは、外光の明るさ(単位:カンデラ毎平方メートル(cd/m2))と、表示画像200の輝度(明るさ)とが関連付けられている。本実施形態では、外光の明るさを、「95(cd/m2)以下」、「95〜477(cd/m2)」、「477(cd/m2)以上」の3段階に区分されている。なお、この3段階の区分は、数値の小さい順に、「暗い」、「最適」、「明るい」と読み替えて構わない。
【0084】
なお、一般的に、明るさとしては300〜1500ルクス(lx)であれば、暗すぎず明るすぎない適正範囲とされていることから、本実施形態では、外光の最適な明るさとして、286カンデラ(900ルクス(lx))をセンター値として規定している。
ここで、1(lx)は1/π(cd/m2)に近似することが知られているため、900(lx)=286(cd/m2)となる。
【0085】
また、表示画像200の輝度(明るさ)としては、外光の明るさを基準とした時の表示画像200の白レベルの明るさとしており、この明るさの前記3区分した外光の明るさに対する割合が、それぞれさらに3区分に設定されている。そして、その各割合に応じて、ユーザ100の疲れ度合いを決定するために割り当てられる係数が設定されている。係数の値の大小は、疲れ度合いの大小に対応している。なお、表示画像200の輝度は、輝度設定スイッチ15により設定された輝度を検出すればよい。
【0086】
例えば、外光の明るさが「暗い「95(cd/m2)以下」であり、これに対して輝度設定スイッチ15により設定された表示画像200の白レベルの明るさが「2倍以下」であれば係数の値は「9」、「2〜5倍」であれば係数の値は「7」、「5倍以上」であれば係数の値は「9」と設定されている。なお、暗い部屋などで明るい表示画像200を見た場合は、表示画像200が際立つために見やすくなり、眼の疲労度合の進行も抑制されそうであるが、実際には、ユーザ100の眼101に暗い光と明るい光とが両方入ってくることになるので、眼101はいずれの環境に合わせてよいかの判断に迷い、結果的に緊張した状態となり、疲れやすい状態になることが知られている。よって、ここでは、外光の明るさが暗い場合に、表示画像200の白レベルの明るさが「5倍以上」のときに、最大の値「9」が割り付けられている。そして、外光の明るさが暗い場合に表示画像200の明るさも暗い場合、表示画像の明るさは最も暗く視認性が悪くなり疲れやすくなる。よって、係数の値として最大の「9」が割り付けられている。
【0087】
また、外光の明るさが「最適(「95〜477(cd/m2)」)」の場合、表示画像200の白レベルの明るさが「2倍以下」であれば係数の値は「7」、「2〜5倍」であれば係数の値は「5」、「5倍以上」であれば係数の値は「7」と設定されている。すなわち、外光の明るさは最適なので、係数の値として最大の「9」は設定されていない。そして、最適と考えられる表示画像200の白レベルの明るさ「2〜5倍」の場合は係数の値として最小の「5」が、その他の場合は係数の値として中間の「7」が割り付けられている。
【0088】
また、外光の明るさが「明るい(「477(cd/m2)以上」)の場合、表示画像200の白レベルの明るさが「2倍以下」であれば係数の値は「9」、「2〜5倍」であれば係数の値は「7」、「5倍以上」であれば係数の値は「9」と設定されている。すなわち、外光の明るさが明るいため、眼101への刺激が基本的に強い状態となっており、係数の値として最小の「5」は設定されていない。そして、最適と考えられる表示画像200の白レベルの明るさ「2〜5倍」の場合は係数の値として中間の「7」が割り付けられ、その他の場合は係数の値として最大の「9」が割り付けられている。
【0089】
また、かかる疲れ判定テーブルには、ユーザ100による表示部1の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定する指標となる係数の累積値が閾値として関連付けられている。この累積値は疲れ判定階級として、表示部1の使用回数に対応させたN段階に区分されており、階級が大になるにつれて閾値は小さくなっている。
【0090】
すなわち、制御部30は、ユーザ100による表示部1の連続使用回数をカウントするカウント手段としても機能しており、制御部30が表示部1の使用回数をカウントした結果に応じて設定されたN段階の疲れ判定階級毎に、係数の累積値の閾値が設定され、各閾値が休止タイミングの指標となっている。カウント数が大きいほど疲れ判定階級も大となり、閾値は小さくなる。なお、ここで連続使用回数とは、例えば係数の累積値が閾値近くになるまで表示部1を動作させた後、20分未満の中断を経て再度表示部1を駆動させて表示画像200を視認可能な状態にしたときにカウントされる回数である。
【0091】
このように、疲れ判定テーブルは、制御部30がユーザ100の疲れを判定するための基礎となる値(係数及びその累積値の閾値)を、外光の明るさと表示画像200の明るさとの差を検出した結果に応じて割り当てたテーブルであり、制御部30は、ユーザ100がHMDの使用を開始すると、外光の明るさと、表示画像200の明るさとの差を検出し、その検出結果に応じて疲れ判定テーブルから所定の値(係数)を選択するとともに、割り当てられた値を単位時間毎に累積していき、その累積値が疲れ判定テーブルに規定された各疲れ判定階級における閾値にどの程度近づいたかによって、ユーザ100が表示部1の使用を休止する休止タイミングを決定するのである。そして、かかる休止タイミングで図5に示したような所定の警告画像250を表示させたり、あるいは強制的に表示部1による表示画像200の表示をOFFにしたりするのである。
【0092】
すなわち、本実施形態では、1分毎に取得した係数の累積値の閾値に対する割合を疲れ判定値とし、この疲れ判定値によって、表示部1の使用休止を促す態様を変えている。例えば疲れ判定値が90〜100%の場合は警告画像250を表示し、100%以上であれば表示部1により表示されている表示画像200を強制的に表示されないようにする(光源ユニット1bからの画像光の出力停止)か、表示部1自体への電源供給自体を停止して電源OFFの状態にするのである。
【0093】
例えば、ユーザ100がHMDを使用するために、電源スイッチ12をオンした場合、制御部30のCPU31は、表示部インターフェイスコントローラ36を介して表示部1を作動させるとともに、使用回数「1」をカウントしてRAM34の所定記憶領域に記憶する。そして、この使用回数が「1」の場合、閾値は「300」である。
【0094】
また、制御部30は、ユーザ100による表示部1の使用が休止されている時間を計時する計時手段としても機能しており、図示しないクロック発生回路などによって時間計測が可能となっている。そして、表示部インターフェイスコントローラ36が表示部1への映像信号の出力を停止したときを表示部1の使用停止(映像表示中断)とみなし、その時点から次に表示部インターフェイスコントローラ36から表示部1への映像信号の出力がなされるまで、すなわち再表示されるまでの時間を計時し、その計時結果をRAM34の所定領域に記憶するようにしている。
【0095】
そして、この計時結果、すなわちユーザ100が眼101を休めた時間が、例えば10分〜20分しかなければ、休息が不十分とし、連続使用ではないものの連続使用に近い表示部1の疑似連続使用とみなし、疲れ判定の閾値を下げるために使用回数「2」をカウントしてRAM34の所定記憶領域に記憶する。そして、再表示された後も同様に、表示部1による表示が停止されて次に再表示されるまでを計時し、これが10分〜20分しかなければ、表示部1の疑似連続使用とみなし、表示部1の連続使用回数「3」をカウントし、使用回数「3」がRAM34の所定記憶領域に記憶されることになる。
【0096】
つまり、制御部30が前述した疲れ判定テーブルを参照してユーザ100による表示部1の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定するに際し、制御部30は、計時結果に基づいて、表示部1の使用回数を示すカウント結果を補正していく。例えば、計時時間が10分〜20分程度であれば、疑似連続使用とみなしてカウント値が「1」から「2」に書き換えられ、疲れ判定階級も1から2へ増加して、変更された疲れ判定階級における閾値を参照するのである。本実施形態では、カウント結果が連続2回目である場合、閾値を「250」としている。そして、同様にカウント結果が連続3回目である場合は疲れ判定階級がさらに3へ増加して閾値は「200」となり、カウント結果が連続4回目となれば疲れ判定階級がさらに増加して閾値は「150」となる。すなわち、連続使用時間が長くなるにつれて疲れ判定階級も増加方向に変更され、休止タイミングも短縮されていく。
【0097】
そして、各疲れ判定階級における疲れ判定値を算出し、前述したように、この疲れ判定値が90〜100%の場合は警告画像250を表示してユーザ100に眼101の休みを取らせるように促し、100%以上であれば表示画像200をOFFする、あるいは表示部1を電源OFFの状態にして強制的に眼101を休ませるようにしている。
【0098】
このように、本実施形態では、ユーザ100が表示部1の使用を、休みをとりながら行ったとしても、使用休止時間が10分〜20分であれば、次の使用休止を促すタイミングは早まっていき、休みをとることなく連続使用した場合は、表示画像200を強制的に見えない状態にして眼101を休ませることができる。
【0099】
なお、表示部1の使用停止時間(休み時間)が20分以上になった場合、制御部30はユーザ100が眼101を休めることができたと判断し、後述するように、閾値が大きくなるように疲れ判定階級を減じる処理を行う。
【0100】
図12(b)及び図12(c)に示したものは疲れ判定テーブルの変形例である。図12(b)に示す疲れ判定テーブルでは、外光の明るさを照度(単位:ルクス(lx))で規定したものである。ここでも最適な明るさのセンター値を900ルクス(lx)としている。
【0101】
また、図12(c)に示したものは、外光の明るさの最適値を900ルクス(lx)(=286カンデラ(cd/m2))とした時の外光の明るさを割合(%)で規定したものである。ここでは、明るさとして最適と規定した900ルクス(lx)(=286カンデラ(cd/m2))の±70パーセント以内であれば、表示画像200の視認性に大きな悪影響を与えない適正範囲である。
【0102】
(制御部の処理フロー)
次に、制御部30での処理について、図13〜図16を参照して説明する。図13及び図14は本実施形態に係るHMDのメイン処理を示したフローチャートであり、HMDのシステム電源スイッチがオン操作されたときから開始される処理を示している。なお、本実施形態に係るHMDは、図示しないが前記システム電源スイッチの他、表示部1で映像表示するための表示部電源スイッチを備えている。また、図15及び図16はメイン処理にて実行される処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0103】
図13に示すように、制御部30のCPU31は、先ず、RAM34のアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS100)。
【0104】
次にCPU31は、PC300に対し、表示部1により表示画像200として表示するための映像要求信号を出力する(ステップS110)。
【0105】
そして、ステップS120において、CPU31は、PC300から映像信号の入力が開始されたか否かを判定しながら待機し(ステップS120:No)、開始された場合(ステップS120:Yes)、表示部1において映像(表示画像200)の表示がなされていない状態(表示映像中断中)であるか否かを判定する(ステップS130)。
【0106】
ステップS130において、表示映像(表示画像200)の表示が中断中であるかを判定し、中断中でない場合(ステップS130:No)、CPU31は処理をステップS135に移し、表示画像200の表示を中断するために、ユーザ100による図示しない表示部電源スイッチの操作がなされたか否かを判定する。ユーザ100による表示中断操作が検出された場合(ステップS135:Yes)、CPU31は処理を後述するステップS260に移す一方、表示中断操作が検出されない場合(ステップS135:No)、CPU31は処理をステップS140に移す。
【0107】
このステップS140では表示部1へ映像出力をするための表示部電源スイッチ(図示せず)がオンされたか否かを判定する。すなわち、PCからの映像入力は開始されており、後述するステップS230におけるお疲れ度判定処理で表示映像の中断が決定されていないため、入力された映像(表示画像200)を表示部1へ出力するためのスイッチ操作がなされたか否かを判定するのである。
【0108】
また、ステップS130において、表示映像(表示画像200)の表示が中断中である場合(ステップS130:Yes)、CPU31は処理をステップS300に移す。
【0109】
ステップS140において、映像(表示画像200)を表示部1へ出力しないと判定した場合(ステップS140:No)、CPU31は処理をステップS170に移す一方、映像(表示画像200)を表示部1へ出力すると判定した場合(ステップS140:Yes)、CPU31は、表示部電源をオン(ステップS145)し、入力映像(表示画像200)を表示部1へ出力する(ステップS150)
【0110】
次いで、CPU31は、明るさ(輝度)設定値を表示部1に送信し(ステップS160)、その後、処理をステップS170に移す。なお、ステップS160で送信される明るさ(輝度)設定値は所定のデフォルト値である。
【0111】
ステップS170において、CPU31は、PC300から明るさ設定値を受信したか否かを判定し、受信していると判定した場合(ステップS170:Yes)、処理をステップS190に移す一方、受信していないと判定した場合(ステップS170:No)は、輝度(明るさ)設定スイッチ15が操作されたか否かを判定し(ステップS180)、操作されたと判定した場合(ステップS180:Yes)は処理をステップS190に移し、操作されていないと判定された場合は(ステップS180:No)処理をステップS220に移す。
【0112】
ステップS190では、CPU31は、明るさ設定値を明るさ設定メモリとして規定されたフラッシュROM33に書き込む。
【0113】
そして、フラッシュROM33に書き込まれた明るさ設定値を表示部1に送信し(ステップS210)、その後、処理をステップS220に移す。
【0114】
ステップS220では、CPU31は、例えば1分に設定されている、表示画像200の輝度及び外光の明るさをサンプリングする時間が経過したか否かを判定し、1分経過していない場合(ステップS220:No)は処理をステップS130に移してこれまでの処理が繰り返される。一方、1分経過している場合(ステップS220:Yes)はお疲れ度判定処理を実行する(ステップS230)。
【0115】
ここで、疲れ度判定処理を説明する前に、ステップS130において、ユーザ100の疲労軽減のために表示映像(表示画像200)の表示が中断中である場合(ステップS130:Yes)の処理であるステップS300(お疲れ度判定用中断時間計測処理)について、図15を用いて説明する。なお、以下のステップS400〜ステップS450の処理は、理解を容易にするために、ユーザ100が表示部1の使用を既に20分に満たない短い中断をはさんで4回使用している場合とする。
【0116】
図15に示すように、お疲れ度判定用中断時間計測処理では、CPU31は、先ず、表示部1への映像(表示画像200)の表示の中断時間を計測する(ステップS400)。
【0117】
次いで、CPU31は、中断時間が、後述するステップS270の処理により自動的に表示部電源がオフされた場合の再表示許可時間(例えば15分などに設定されている)が経過したか否かを判定する(ステップS410)。このとき、映像表示の中断が、ユーザ100による表示中断操作による場合、ステップS410の判断はスキップされる。再表示許可時間が経過している場合(ステップS410:Yes)、CPU31は、ユーザ100が表示部電源スイッチをオン操作したか否か、すなわち、表示部1へ映像出力するか否かを判定する(ステップS420)。
【0118】
ステップS410及びステップS420の判定でいずれもNoの場合はステップS400の中断時間計測処理が継続する。
【0119】
次いで、CPU31は、ステップS430の処理において、中断時間の計測結果に基づいて疲れ判定階級の更新処理を行う。すなわち、例えば中断時間が20分以上になった場合、ユーザ100は眼101を休めることができたものとして、疲れ判定階級を中断時間に応じてそのランクを減少させて閾値が大きくなるようにするのである。
【0120】
本実施形態では、20分以上経過している場合は1階級、40分以上経過している場合は2階級ランクを落とし、60分以上経過している場合はリセットするようにしている。ここでリセットとは連続使用回数がどれだけであれ、使用回数「1」の状態に復帰させることを意味する。
【0121】
ここでは、表示部1の20分に満たない短い中断をはさんでの使用が4回の状態から映像の表示が中断されたところである。その中断時間が20分以上40分未満であれば、疲れ判定階級を1ランク減少させる。すなわち、現時点では表示部1の連続使用が4回であるため、図12に示すように、連続使用回数及び疲れ判定階級はN=4で規定されているが、疲れ判定階級を1ランク減じてN=3で規定するのである。
【0122】
よって、通常の連続使用回数とカウントすれば5回となり、疲れ判定階級はN=5で規定されて閾値は「100」となって、表示部1の使用時間は大きく短縮されて不利益となるところ、休み(表示中断)時間が適度に設けられたことで、後の処理において使用回数が更新されても(ステップS440)、N=4となっているため、そのような不利益が回避されることになる。
【0123】
また、中断時間が40分以上の場合は、制御部30は、疲れ判定階級を2ランク減少させる。すなわち、図12において、連続使用回数及び疲れ判定階級がN=4で規定されていたものを、疲れ判定階級を2ランク減じてN=2で規定するのである。この場合も、通常の連続使用回数では5回となって、疲れ判定階級がN=5で規定されて閾値は「100」となり、表示部1の使用時間は大きく短縮されて不利益となるところ、休み(表示中断)時間がかなり設けられたということで、そのような不利益を回避するばかりでなく、使用回数が更新されても結果的には、疲れ判定階級は現状よりも2ランク減じられてN=3で規定される閾値「200」となり、現在のN=4で規定される閾値「150」よりも、表示部1の使用時間が延長されたことになる。
【0124】
さらに、中断時間が1時間(60分)以上であれば、制御部30は、疲れ判定階級をリセットする。すなわち、図12において、連続使用回数及び疲れ判定階級がN=4で規定されていたものを、疲れ判定階級をN=1で規定するのである。すなわち、1時間以上の休み(表示中断)時間となれば、眼101の疲労を回復させるには十分であるため、初めて表示部1を使用する場合と同条件で使用できるようにしている。
【0125】
このように、本実施形態によれば、連続使用回数が増加したとしても、その間の休み(表示中断)時間が適度であれば、表示部1の使用時間の制限は大きく緩和されるため、健康重視のあまりに使い勝手を著しく損なったりするおそれがない。
【0126】
次いで、CPU31は、中断時間がリセット時間(1時間)未満であるか否かを判定し(ステップS440)、リセット時間(1時間)未満である場合、すなわちリセットされていない限りは、RAM34に記憶されている現在の使用回数に「1」を加えた値を、新たな表示部1の使用回数としてRAM34に記憶して、表示部1の使用回数を更新する(ステップS450)。
【0127】
お疲れ度判定要中断時間計測処理が終了すると、図13のメインフローに戻り、CPU31は、ステップS330において、表示映像中断中を示すフラグをOFFする。
【0128】
その後,CPU31は、前述したステップステップS145〜ステップS220の処理を実行する。
【0129】
ここで、1分おきに実行されるステップS230のお疲れ度判定処理について、図16を用いて説明する。
図示するように、このお疲れ度判定処理では、CPU31は、先ず、表示部1での表示画像200の明るさの設定値(輝度)を取得する(ステップS500)。この輝度は、通常、輝度設定スイッチ15の操作で設定された輝度である。
【0130】
次いで,CPU31は、明るさセンサ2が検出した外光の明るさを取得する(ステップS510)。なお、ステップS500の処理とステップS510の処理の順番は逆であってもよい。
【0131】
次いで、CPU31は、外光の明るさが照度(単位:ルクス(lx))であれば光度に換算し、両者の比率を計算する(ステップS520)。
【0132】
次に、CPU31は、フラッシュROM33に記憶されている疲れ判定テーブル(図12)を参照して、外光と表示部1の輝度との比率に応じた係数(5又は7又は9に設定されている)を求める(ステップS530)。
【0133】
そして、求めた係数の値を、疲れ度メモリとして機能するRAM34に記憶されているこれまでの累積値に加算する(ステップS540)。
【0134】
次いで、ステップS150でRAM34に記憶された連続使用回数(疲れ判定階級)、係数の累積値に基づいて、疲れ判定テーブル(図12)を参照し、前述したように、閾値との割合から疲れ判定値を算出する(ステップS550)。
【0135】
かかるお疲れで判定処理を終えると、CPU31は、次に、疲れ判定値が80%未満であるか否かを判定し(ステップS240)、80%未満であれば(ステップS240:Yes)、まだ疲れているとは言えないものとして、処理をステップS130に戻す。一方、80%未満でない場合(ステップS240:No)、今度は、疲れ判定値が90%以上かつ100%未満であるか否かを判定する(ステップS250)。
【0136】
疲れ判定値が90%以上かつ100%未満である場合(ステップS250:Yes)、既に、表示部1により表示されている表示画像200に、警告画像250(図5参照)が書き込まれているか否かを判定し(ステップS280)、書き込まれている場合(ステップS280:Yes)は直接処理をステップS130に戻し、書き込まれていない場合(ステップS280:No)は、入力映像(表示画像200)に警告画像250を書き込んで表示部1へ出力する処理を実行(ステップS290)した後、処理をステップS130に戻す。
【0137】
このステップS290において、警告画像250を表示部1に出力する処理としては、PC300から供給される警告画像250に応じた画像光を光源ユニット1bで生成し、投影ユニット1aからユーザ100の眼101に投射することにより、ユーザ100に警告画像250を視認させるようにしてもよい。
【0138】
また、ステップS250において、疲れ判定値が90%以上かつ100%未満でない場合、すなわち100%以上であると判定すると(ステップS250:No)、CPU31は、表示映像を中断させるためのフラグをRAM34に記憶させ、表示映像(表示画像200)が中断中の状態に設定する(ステップS260)。CPU31は、前述したステップS130において、このフラグにより表示映像が中断中であるか否かを判断することになる。
【0139】
そして、CPU31は、表示部1の電源をOFFにするか、あるいは光源ユニット1bからの画像光の出力を停止させ、強制的に、ユーザ100が表示画像200を視認できないようにして、処理をステップS130に戻す。
【0140】
このように、本実施形態に係るHMDでは、ユーザ100が表示部1を使用する場合、外光と表示画像200の明るさとの差に応じて、適切な使用時間が自動的に設定されて連続使用を制限することができるため、眼101を酷使しがちなユーザ100が眼精疲労に陥ることを未然に防止することができる。しかも、表示部1を連続使用した時間によっても使用休止報知がなされるタイミングを変えているため、眼精疲労の軽減がより効果的に実現される。
【0141】
ここで、ステップS230で実行されるお疲れ度判定処理(図16参照)の変形例について説明する。図17は変形例に係るお疲れ度判定処理のフローチャートである。
この変形例では、表示部1における明るさを、輝度設定スイッチ15による設定値から取得するのではなく、表示画像200のピクセルの輝度の値から取得するようにしたものであり、図16で示したステップS500の処理に代わり、以下に説明するステップS501〜ステップS504が実行される。
【0142】
すなわち、CPU31は、先ず、表示部用VRAM37から、R(赤)G(緑)B(青)の各有効ピクセル割合を検出する(ステップS501)。すなわち、各ピクセルの輝度は、そのON/OFF状態と、ON状態の場合のデューティ(時間)によって決まる。当然100%デューティがMAXである。こうして、RGBそれぞれに対しON状態ピクセルのデューティを累計し、総ピクセル数で除すことにより、各有効ピクセル割合を検出することができる。
【0143】
次いで、CPU31は、各RGBの有効ピクセル割合に所定の係数を乗じて実質的な明るさを計算する(ステップS502)。ここで、各RGBに乗じる係数は、R(赤):0.2、G(緑):1、B(青):0.1としている。これら係数は、比視感度によるものであり、人間の目が最も強く感じる波長555nm(ナノメートル)の光、すなわち、これに近似するG(緑)を1としている。また、本実施形態では表示部1における輝度のMAXは800(cd/m2)であり、これとそれぞれ係数が乗ぜられたRGBの有効ピクセル割合とから各RGBの実質的な明るさが求められる。なお、より厳密に計算するには、眼101の瞳孔の径を検出してその割合を乗ずるとよい。
【0144】
次いで、CPU31は、計算値を、後の処理で必要な光度(カンデラ(cd/m2))に換算する(ステップS503)。
【0145】
そして、CPU31は、明るさの換算処理を所定画像数分だけ実行する(ステップS504)。すなわち、ステップS501〜ステップS503の処理を所定画像数分だけ繰り返し、次いで各画像で得られた明るさの平均をとって記憶する(ステップS505)。
【0146】
その後は、図16で示したステップS510〜ステップS550と同じ処理を行ってメイン処理のステップS240に移行する(図14参照)。
【0147】
この処理によれば、表示部用VRAM37に記憶された表示画像200のデータから当該表示画像200のピクセルの明るさの平均値を算出して、表示画像200の明るさとすることができ、実際の表示画像200の輝度をより正確に取得することが可能となる。
【0148】
ところで、上述してきた実施形態では、表示部1の使用の休止を、警告画像250を用いてユーザ100に促すようにしたが、例えば音声を用いることもできる。
図18はイヤホン16を具備するHMDの説明図であり、図示するように、HMDに音声を出力するイヤホン16を設け、表示部1の使用の休止をユーザ100に促す音声を、このイヤホン16から出力させることもできる。当然ではあるが、音声と警告画像250とを同時に用いて表示部1の使用の休止を促すようにしてもよい。
【0149】
上述してきたように、本実施形態によれば、以下の効果が期待できる。
【0150】
(1)外光400の一部が少なくともユーザ100のいずれかの眼101に到達する状態で、表示画像200に応じた画像光500をユーザ100の眼101に投射して当該ユーザ100に前記表示画像200を視認させる表示部1(投影ユニット1aと光源ユニット1b)を備え、外光400の明るさを計測する明るさセンサ2(計測器)と、前記表示画像200の明るさを判定し、前記外光400の明るさと前記表示画像200の明るさとの差を検出し、ユーザ100によって前記表示部1の使用が開始された後、前記検出手段による検出結果に基づいて、ユーザ100による前記表示部1の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定するとともに、決定した休止タイミングで前記表示部1の使用の休止をユーザ100に促す使用休止報知を行う制御部30(判定手段、検出手段、決定手段、及び報知処理手段)とを備えたHMDとしたため、比較的に使用環境の自由度の高いHMDをどこで用いても、様々な使用環境に適応した適切な時間で、表示部1の使用の休止をユーザ100に促す使用休止報知を行うことができ、本HMDを使用するユーザ100の眼精疲労による健康への悪影響を可及的に防止することができる。よって、眼101の疲労を全く感じていないにもかかわらず使用休止報知がなされて煩く感じたり、逆に使用休止報知がなされる時間よりも前に眼101が疲れたりすることを可及的に防止することができる。
【0151】
(2)また、HMDは、決定手段としての機能を担う制御部30が、検出結果に応じて割り当てられた係数値を単位時間毎に累積していき、累積された累積値が所定の閾値以上となるタイミングを休止タイミングとして決定するため、使用環境に応じた適切な時間で報知される使用休止に従えば、ユーザ100自身は眼精疲労などを心配することなく、表示部1を使用することができる。
【0152】
(3)また、前記決定手段としての機能を担う制御部30は、検出結果に応じて割り当てる前記係数値を外光の明るさに応じて変更することができるため、使用環境に対応した時間をより正確に決定することができる。
【0153】
(4)また、前記検出手段としての機能を担う制御部30により検出した結果に応じて割り当てる係数値が前記外光の明るさに応じて設定された疲れ判定テーブルを記憶したフラッシュROM33などのフラッシュメモリ(記憶部)を備えており、前記制御部30(決定手段)は、前記記憶部に記憶した疲れ判定テーブルに基づいて、制御部30(検出手段)による検出結果に応じて割り当てる係数値を決定するようにしたため、例えば毎分ごとに、あるいは毎秒毎に係数値を決定する際の処理が容易となり、CPU31への負担も少なくなる。
【0154】
(5)制御部30が、ユーザ100による表示部1の使用回数をカウントするカウント手段としての機能を担うようにして、カウント結果に応じた値を前記所定閾値としているため、表示部1を連続して使用した場合などにおいて、使用回数に応じて使用中止の報知タイミングを異ならせるようにすることができ、眼精疲労の軽減がより効果的に実現される。
【0155】
(6)また、ユーザ100による表示部1の使用が休止されている時間を計時する計時手段として制御部30が機能し、計時結果に基づいて表示部1の使用回数のカウント結果を補正し、当該補正結果に応じた係数値を前記所定閾値としているため、例えば十分に眼101の休憩がとれたと想定できるカウント結果であれば、次回の表示部1の使用においては、使用休止報知するタイミングを遅らせて、表示部1の使用時間をこれまでよりも長く設定することができ、HMDとしての使い勝手を損なうこともない。
【0156】
(7)また、制御部30は、表示画像200のデータから当該表示画像のピクセルの明るさの平均値を算出して、前記表示画像200の明るさとすることもでき、実際の表示画像200の輝度を、より正確に取得することが可能となる。外光400の明るさと表示画像200の明るさとの差も正確に検出可能となる。
【0157】
(8)また、表示部1表示する表示画像200の明るさの設定値を調整する輝度設定スイッチ15(調整部)を備え、前記制御部30(検出手段)は、前記輝度設定スイッチ15により調整した設定値を検出して、前記表示画像200の明るさとすることができるため、外光400の明るさと表示画像200の明るさとの差をより簡単に検出することが可能となる。
【0158】
(9)また、前記制御部30(報知処理手段)は、表示部1の使用の休止をユーザ100に促す警告画像250に応じた画像光を、表示部1からユーザ100の眼に投射することもでき、網膜走査型のHMDであれば、通常の表示方法で警告画像250をユーザ100に認識させることができる。
【0159】
(10)また、音声を出力するイヤホン16を備え、前記制御部30(報知処理手段)は、表示部1の使用の休止をユーザ100に促す音声を、イヤホン16から出力させるように構成することもできるため、表示部1の使用休止をユーザ100に対して強く促すことができる。
【0160】
以上、実施形態を通して本発明を説明してきたが、表示画像200の輝度を取得するに際し、例えばレーザ63、64、65(図8参照。)が出力する光束の輝度の変化を検出する輝度センサを設けて、この輝度センサにより輝度を検出するように構成することもできる。
【0161】
また、表示部1として、投影ユニット1aと光源ユニット1bとを別体のものとして説明したが、これらは一体的に設けられていてもよい。さらに、HMDとして網膜走査型ディスプレイを採用しているが、LCD(liquid crystal display)を透過又は反射させて生成した画像光をユーザ100の眼101に投射して、ユーザ100に表示画像200を視認させるタイプのディスプレイを用いてもよい。このとき、表示部1にはLCD及び光源等を内蔵させ、所定の画像生成部から出力された画像信号に応じた画像をLCDに表示させ、光源からの光をLCDに入射し、透過又は反射させることによって画像光を生成することになる。
【符号の説明】
【0162】
1 表示部
1a 投影ユニット
1b 光源ユニット
2 明るさセンサ(計測器)
3 コントローラ
30 制御部(判定手段、検出手段、決定手段、及び報知処理手段)
100 ユーザ
101 眼
200 表示画像
400 外光
500 画像光
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示画像に応じた画像光をユーザの眼に投射して当該ユーザに前記表示画像を視認させる表示部を備えた画像表示装置があり、その一例として、例えば前記表示部をユーザの頭部に装着する装着部を備えたヘッドマウント型ディスプレイ(HMD)が知られている。
【0003】
HMDは、表示部がユーザの頭部に装着されているため、眼を開いている限り、どこを向いても映像を視ている状態になり、連続使用した場合は眼精疲労になりやすいと考えられる。
【0004】
そこで、警告情報を発生する警告情報発生手段と、表示部による映像の表示開始に伴い連続表示時間を監視し、連続表示時間が所定時間に到達したか否かを判定する判定手段と、連続表示時間が所定時間に到達すると、警告情報を表示部に表示するように制御する制御手段と、を備えたHMDが提案された(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−235163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、外光の一部が少なくともユーザのいずれかの眼に到達する状態で使用される画像表示装置の場合、ユーザの眼精疲労の度合いは、外光の明るさとユーザが視認している画像の明るさとの関係によって大きく異なってくる。
【0007】
したがって、HMDの使用環境が考慮されていない特許文献1の技術は、眼精疲労防止を図るには未だ十分とは言えない。
【0008】
特に、表示部を一方の眼に装着する画像表示装置とした場合、他方の眼には目を開いている限り外光が入ってくるので、外光の明るさとユーザが視認している画像の明るさとの関係は眼の疲労度に大きく影響するものと考えられる。
【0009】
よって、所定の設定時間を越えて使用した場合に警告情報が表示されるという特許文献1の技術を採用した場合、設定時間によっては、目の疲労を全く感じていないにもかかわらず警告情報が表示されて煩く感じたり、逆に警告情報が表示される時間よりも前に眼が疲れたりするおそれがある。
【0010】
本発明では、上記課題を解決し、様々な使用環境に適応した時間で使用休止報知を行うことのできる画像表示装置、及び同画像表示装置を駆動するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明では、外光の一部が少なくともユーザのいずれかの眼に到達する状態で、表示画像に応じた画像光をユーザの眼に投射して当該ユーザに前記表示画像を視認させる表示部を備えた画像表示装置において、外光の明るさを計測する計測器と、前記表示画像の明るさを判定する判定手段と、前記外光の明るさと前記表示画像の明るさとの差を検出する検出手段と、ユーザによって前記表示部の使用が開始された後、前記検出手段による検出結果に基づいて、ユーザによる前記表示部の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定する決定手段と、前記決定手段で決定した休止タイミングで前記表示部の使用の休止をユーザに促す使用休止報知を行う報知処理手段と、を備えた画像表示装置とした。
【0012】
(2)本発明は、上記(1)に記載の画像表示装置において、前記決定手段は、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てられた値を単位時間毎に累積していき、累積された値が所定閾値以上となるタイミングを、前記休止タイミングとして決定することを特徴とする。
【0013】
(3)本発明は、上記(2)に記載の画像表示装置において、前記決定手段は、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てる値を前記外光の明るさに応じて変更することを特徴とする。
【0014】
(4)本発明は、上記(3)に記載の画像表示装置において、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てる値を前記外光の明るさに応じて設定したテーブルを記憶した記憶部を備え、前記決定手段は、前記記憶部に記憶したテーブルに基づいて、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てる値を決定することを特徴とする。
【0015】
(5)本発明は、上記(2)〜(4)の何れかに記載の画像表示装置において、ユーザによる前記表示部の使用回数をカウントするカウント手段を備え、前記決定手段は、前記カウント手段のカウント結果に応じた値を前記所定閾値とすることを特徴とする。
【0016】
(6)本発明は、上記(5)に記載の画像表示装置において、ユーザによる前記表示部の使用が休止されている時間を計時する計時手段を備え、前記決定手段は、前記計時手段の計時結果に基づいて前記カウント手段のカウント結果を補正し、当該補正結果に応じた値を前記所定閾値とすることを特徴とする。
【0017】
(7)本発明は、上記(1)〜(6)の何れかに記載の画像表示装置において、前記検出手段は、前記表示画像のデータから当該表示画像のピクセルの明るさの平均値を算出して、前記表示画像の明るさとすることを特徴とする。
【0018】
(8)本発明は、上記(1)〜(6)の何れかに記載の画像表示装置において、前記表示部で表示する表示画像の明るさの設定値を調整する調整部を備え、前記検出手段は、前記調整部により調整した設定値を検出して、前記表示画像の明るさとすることを特徴とする。
【0019】
(9)本発明は、上記(1)〜(8)の何れかに記載の画像表示装置において、前記報知処理手段は、前記表示部の使用の休止をユーザに促す画像に応じた画像光を、前記表示部からユーザの眼に投射することを特徴とする。
【0020】
(10)本発明は、上記(1)〜(9)の何れかに記載の画像表示装置において、音声を出力するイヤホンを備え、前記報知処理手段は、前記表示部の使用の休止をユーザに促す音声を、前記イヤホンから出力させることを特徴とする。
【0021】
(11)本発明は、上記(1)〜(10)の何れかに記載の画像表示装置において、前記表示部をユーザの頭部に装着する装着部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、様々な使用環境に適応した適切な時間で、表示部の使用の休止をユーザに促す使用休止報知を行うことができるため、本画像表示装置を使用するユーザの眼精疲労による健康への悪影響を可及的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係るHMDの使用状態を示す説明図である。
【図2】同HMDを使用しているユーザの眼への画像光と外光との進入状態を示す説明図である。
【図3】同HMDを使用しているユーザの視界を示す説明図である。
【図4】同HMDの概要説明図である。
【図5】警告画像の説明図である。
【図6】外光の明るさと表示画像の輝度とを関連付けたテーブルの一例を示す説明図である。
【図7】本実施形態に係るHMDの構成を示した説明図である。
【図8】同HMDの電気的構成及び光学的構成を示したブロック図である。
【図9】制御部のブロック図である。
【図10】輝度設定スイッチの使用状態を示す説明図である。
【図11】PCに組み込まれた映像アプリケーションによる表示制御処理の一例を示す説明図である。
【図12】疲れ判定テーブルを示す説明図である。
【図13】本実施形態に係るHMDのメイン処理を示したフローチャートである。
【図14】本実施形態に係るHMDのメイン処理を示したフローチャートである。
【図15】メイン処理にて実行される処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】メイン処理にて実行される処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図17】変形例に係るお疲れ度判定処理のフローチャートである。
【図18】イヤホンを具備するHMDの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施形態に係る画像表示装置の一例について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、画像表示装置を、ユーザの頭部に装着して使用する画像表示装置であって、画像信号に基づいて生成した画像光を2次元的に走査し、その走査された画像光をユーザの眼に投射して網膜上に結像させる網膜走査型のヘッドマウントディスプレイ(以下、「HMD:Head Mount Display」という。)として説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、外光の一部が少なくともユーザのいずれかの眼に到達する状態で、表示画像に応じた画像光をユーザの眼に投射して当該ユーザに前記表示画像を視認させる表示部を備えた画像表示装置であれば、全てに適用することができる。
【0025】
図1は本実施形態に係るHMDの使用状態を示す説明図であり、図2はこのHMDを使用しているユーザの眼への画像光と外光との進入状態を示す説明図、図3はこのHMDを使用しているユーザの視界を示す説明図、図4は本実施形態に係るHMDの概要説明図、図5は警告画像の説明図、図6は外光の明るさと表示画像の輝度とを関連付けたテーブルの一例を示す説明図である。
【0026】
(画像表示装置の概要)
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る画像表示装置の一例であるHMDは、外光400の一部が少なくともユーザ100のいずれかの眼101に到達する状態で、表示画像200に応じた画像光をユーザ100の眼101に投射して当該ユーザ100に表示画像200を視認させる表示部1を備えている。
【0027】
表示部1は、ユーザ100の頭部102に装着される投影ユニット1aと、この投影ユニット1aと光ファイバケーブル50を介して接続された光源ユニット1bとから構成されている。投影ユニット1aは、ユーザ100の頭部102に装着する装着部11に取り付けられ、光源ユニット1bは、投影ユニット1aとは別体のコントローラ3に内蔵されている。また、装着部11は、略眼鏡形状とした支持部材からなり、あたかも眼鏡のように装着することができる。
【0028】
図2に示すように、ユーザ100の両眼には外光400が進入している。特に、投影ユニット1aが装着された左の眼101には、外光400はハーフミラー10を透かして侵入し、投影ユニット1aから投射された画像光500はハーフミラー10で反射して進入している。したがって、ユーザ100が視認する表示画像200は、図3に示すように、ユーザ100の視界103の中で、外界の景色に重畳された状態で表示されている。なお、図1及び図3で符号104で示したものは、ユーザ100の視界103にある外界の景色の一例である所定の物体であり、ここではノート型パーソナルコンピュータが視界103内にある。また、ハーフミラー10を含むHMDの具体的な構成の詳細な説明は後述する。
【0029】
また、図4に示すように、HMDは、さらに、外光の明るさを計測する計測器としての明るさセンサ2と、表示画像200の明るさを判定する判定手段と、外光の明るさと表示画像200の明るさとの差を検出する検出手段と、ユーザ100によって表示部1の使用が開始された後、前記検出手段による検出結果に基づいて、ユーザ100による表示部1の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定する決定手段と、この決定手段で決定した休止タイミングで表示部1の使用の休止をユーザに促す使用休止報知を行う報知処理手段とを備えている。なお、これら各手段はコントローラ3に設けられた制御部30がその機能を担っている。また、明るさセンサ2は、フォトダイオードやフォトトランジスタ等の、HMDの周囲の明るさを示す光量を検出可能な光電変換素子を備えたもので、図1に示すように、装着部11に取付けておくことができる。
【0030】
かかる構成のHMDは、ユーザ100が眼101を開いている限りはどこを向いてもいつでも表示画像200を視ている状態が続くため、眼精疲労を引き起こしやすいものであり、しかも、表示画像200は、ユーザ100の視界103の中で、外界の景色に重畳された状態で表示されているシースルー型であるため、外光の一部が少なくともユーザ100のいずれかの眼101に到達する構造となっている。しかも、表示画像200の視認性は、当該表示画像200の明るさと、外界の光(外光)の明るさとの関係で異なってくるため、眼精疲労の防止を図るためにはこの点を考慮することが望ましい。つまり、HMDの連続使用時間については、その使用環境に応じて対応する必要がある。
【0031】
そこで、本実施形態では、上述した構成とすることにより、外光の明るさと、表示画像200の明るさとの差を検出し、その検出結果に応じて、表示部1の使用を休止するタイミングを決定し、そのタイミングになると、図5に示すように、表示画像200中に警告画像250を表示するようにして、表示部1の使用休止をユーザ100に促す報知を行うようにしている。また、警告画像250を表示した後も表示部1の使用が継続するようであれば、所定時間経過後には強制的に表示部1の駆動を停止したり、あるいは電源OFFとしたりすることもできる。
【0032】
このように、HMDの使用環境(外光の明るさ)に応じたきめ細かい使用休止報知を行うことによって、HMDを使用するユーザ100の眼精疲労による健康への悪影響を効果的に排除可能としている。
【0033】
ところで、本実施形態において、表示画像200の明るさと比較する外光の明るさは、所定時間の平均の値としている。これは、ユーザ100の挙動によっては、その顔の向きで、例えば照明の方を向いたり、下を向いたりすると明るさが大きく変化するからである。また、例えば太陽や照明などがある上方向を向いたときには、当然明るさ度合いが大きくなるので、これは平均には含めないようにすることが望ましい。さらに、例えば暗い部屋から明るい部屋に入ったときなどのように、環境の明るさが大きく変わった場合、変わった時点からの平均をとることが望ましい。
【0034】
また、休止タイミングを決定するには、例えば、図6に示すように、外光の明るさと、表示画像200の輝度(明るさ)とを関連付けたテーブルを後述するROMなどの記憶手段に記憶しておくとよい。例えば、外光が「暗い」、「最適」、「明るい」場合に対し、それぞれ表示画像200の輝度(明るさ)を「暗い」、「最適」、「明るい」と3区分しておき、明るさセンサ2で検出した実際の外光の明るさと表示画像200の明るさとその差を検出手段により検出し、テーブルを参照して3区分のいずれにあるかを判定する。なお、本実施形態では、表示画像200の輝度が外光に対して2倍以下を「暗い」、2〜5倍を「最適」、5倍以上を「明るい」と設定し、それぞれにユーザ100の眼101の疲れ度合いを決定するための所定の値を割り付けている。
【0035】
そして、決定手段は、検出手段による検出結果に応じて割り当てられた所定の値を、例えば1分などに設定した単位時間毎に累積していき、累積された値が所定閾値以上となるタイミングを休止タイミングとして決定するのである。なお、検出結果に応じて割り当てられた所定の値についても、上記テーブルに設定しておくとよく、かかるテーブルについては後に詳述する。
【0036】
このように、本実施形態によれば、HMDの様々な使用環境に適応した適切な時間で、表示部の使用の休止をユーザに促す使用休止報知を行うことができるため、ユーザ100の眼精疲労による健康への悪影響を可及的に防止することができる。
【0037】
上述したように、判定手段、検出手段、決定手段、及び報知処理手段は、コントローラ3に内蔵された制御部30がその機能を担っている(図4参照)。制御部30は、後に詳述するように、CPU31、プログラムROM32、フラッシュR0M33、RAM34など(図9参照)を備えたコンピュータからなり、プログラムROM32に格納された制御プログラムに従って、CPU31が各手段として機能することになる。
【0038】
なお、プログラムROM32に格納された制御プログラムは、例えば、CD−R、DVD―R等の記録媒体に記録されているものでもよく、その場合、コントローラ3に所定の外部接続端子を設けておき、例えば図示しない記録媒体ドライブをこれに接続し、記録媒体を介して、例えばフラッシュR0M33に読み込まれるようにしてもよい。
【0039】
また、図4において、符号300はパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)を示している。HMDの表示部1により表示される表示画像200(図1〜図3参照)は、コントローラ3がPC300へ要求信号を送信し、この要求信号を受けたPC300からコントローラ3へ送信された画像データがV−RAM信号で表示部1へ送信されたものによっている。つまり、画像データはPC300のハードディスクなどの記憶装置に記憶されており、本実施形態に係るHMDは、表示部1で表示する表示画像200の画像データの供給をPC300から受けている。
【0040】
また、コントローラ3は、表示部1により表示される表示画像200の輝度設定を行う輝度設定スイッチ15を備えており(図7〜図9参照)、ユーザ100は、表示画像200を見る場合に、最も見やすい輝度に調整することが可能となっている。したがって、前述した判定手段は、輝度設定スイッチ15により設定された表示画像200の輝度(明るさ)を検出すれば簡単に表示画像200の明るさを判定することができる。
【0041】
なお、輝度設定スイッチ15は、コントローラ3ではなく、投影ユニット1aに設けてもよい。また、表示画像200の輝度は、後述するように、データを供給するPC300側で設定することも可能である。
【0042】
ところで、表示部1の休止をユーザ100に促す使用休止報知としては、使用休止を促す画像に応じた画像光を、表示部1からユーザ100の眼101に投射することもできるし、あるいはイヤホンを付設しておき、音声を出力することで表示部1の使用の休止をユーザ100に促すこともできる。当然ではあるが、画像光と音声との両方を組み合わせても構わない。
【0043】
(HMDの外観構成)
本実施形態に係るHMDの概要は上述してきた通りである。
ここで、HMDのより具体的な構成について以下に詳述する。図7はHMDの構成を示した説明図、図8はHMDの電気的構成及び光学的構成を示したブロック図、図9は制御部の構成を示したブロック図である。
【0044】
図7に示すように、HMDは、投影ユニット1aを収納した筐体13と、この筐体13を支持する眼鏡フレーム型の装着部11と、光源ユニット1bと制御部30(図8参照)を備えたコントローラ3とを備えている。
【0045】
投影ユニット1aを収納した筐体13は、頭部102へ装着されたときにユーザ100の左眼部分と左側こめかみ部分とを被覆するような平面視略L字形状の箱体からなり、この筐体13の頂面13aの所定位置に外界の明るさ(外光の明るさ)を検出するための明るさセンサ2が設けられ、画像光500が出射される筐体13の先端面13bには、左の眼101の前方に位置するようにハーフミラー10が取り付けられている。
【0046】
すなわち、本実施形態に係るHMDは、図2で示したように、外光400をハーフミラー10から透過させてユーザ100の左の眼101に入射させ、画像光500はハーフミラー10で反射させてユーザ100の眼101に入射させるようにしている。また、当然ながら、外光400は右の眼101にも入射している。したがって、ユーザ100は、両眼101,101を開けている場合は当然ながら、右の眼101を閉じた状態であっても、表示画像200を見ながら外界も見ることができる。
【0047】
装着部11は、眼鏡のレンズ枠を模したフロントフレーム11aと、このフロントフレーム11aの左右にそれぞれ取付けられた係止フレーム11b,11bとから構成され、あたかも眼鏡をかけるようにして、簡単に投影ユニット1aを収納した筐体13を頭部102へ装着することができる。
【0048】
コントローラ3の光源ユニット1bは、PC300と外部接続ケーブル4を介して接続するとともに、投影ユニット1aとは光ファイバケーブル50を介し、また明るさセンサ2とはセンサ接続ケーブル51を介して制御部30を介して接続されている(図8参照)。図中、符号5で示したものは光ファイバケーブル50とセンサ接続ケーブル51とを一体的に被覆した伝送ケーブルである。
【0049】
また、光源ユニット1bは、後述する画像信号供給回路6を備えており、PC300から送信される画像データに基づいて、画像の画素毎に強度変調された画像光500を形成し、この画像光500を光ファイバケーブル50を介して投影ユニット1aへ伝送し、投影ユニット1aでは、伝送された画像光500を走査してユーザ100に表示画像200(図1〜図3参照)を視認させることができる。
【0050】
また、コントローラ3のケーシング表面には、表示画像200の輝度(明るさ)をユーザ100が外部操作により設定できる輝度設定スイッチ15と、HMDを起動するための電源スイッチ7と、HMDが起動状態にあることを点灯表示する電源ランプ8とが接続されている。また、さらに、コントローラ3には前記外部接続ケーブル4を接続する外部入出力端子3aが設けられており、この外部入出力端子3aに外部接続ケーブル4を接続することによって、コントローラ3とPC300との間で画像データなどの各種データや各種制御信号の送受信を可能としている。
【0051】
(HMDの電気的構成及び光学的構成)
次に、図8を参照しながら、HMDの電気的構成及び光学的構成について説明する。
図示するように、HMDは投影ユニット1a、コントローラ3、及び明るさセンサ2を備え、コントローラ3内には、HMD全体の動作を統括制御する制御部30と、この制御部30から供給される映像信号をドットクロック毎に読み出し、読み出した映像信号に応じて強度変調された光束を生成して出射する光源ユニット1bが設けられている。本実施形態では、投影ユニット1aと光源ユニット1bとにより表示部1が構成されている。
【0052】
制御部30は、その内部に記憶されている制御プログラムにしたがって後述する所定の処理を実行することによって、前述した判定手段、検出手段、決定手段、及び報知処理手段等として機能する。
【0053】
光源ユニット1bには、画像を合成するための要素となる信号等を発生する画像信号供給回路6が設けられている。PC300から供給される画像信号が制御部30に入力されると、制御部30はそれに基づいて画像形成信号Sを生成して画像信号供給回路6に送る。画像信号供給回路6は、画像形成信号Sに基づいて、表示画像200を合成するための要素となる各信号を生成するのである。すなわち、画像信号供給回路6からは、R(赤色)画像信号60r、G(緑色)画像信号60g、B(青色)画像信号60bが生成されて出力される。また、画像信号供給回路6は、水平走査部80で使用される水平駆動信号61と、垂直走査部90で使用される垂直駆動信号62とをそれぞれ出力する。
【0054】
また、光源ユニット1bには、画像信号供給回路6からドットクロック毎に出力されるR(赤色)画像信号60r、G(緑色)画像信号60g、B(青色)画像信号60bの各画像信号60r、60g、60bをもとに、それぞれ強度変調されたレーザ光を出射するように、Rレーザ63,Gレーザ64,Bレーザ65をそれぞれ駆動するためのRレーザドライバ66,Gレーザドライバ67,Bレーザドライバ68が設けられている。なお、各レーザ63、64、65は、例えば、半導体レーザや高調波発生機構付き固体レーザとして構成することが可能である。なお、半導体レーザを用いる場合は駆動電流を直接変調して、光束の強度変調を行うことができるが、固体レーザを用いる場合は、各レーザそれぞれに外部変調器を備えて光束の強度変調を行う必要がある。
【0055】
さらに、光源ユニット1bは、各レーザ63、64、65より出射された光束を平行光にコリメートするように設けられたコリメート光学系71、72、73と、このコリメートされた光束を合成するためのダイクロイックミラー74、75、76と、合成された光束を光ファイバケーブル50に導く結合光学系77とが設けられている。
【0056】
すなわち、各レーザ63、64、65から出射したレーザ光は、コリメート光学系71、72、73によってそれぞれ平行化された後に、ダイクロイックミラー74、75、76に入射される。その後、これらのダイクロイックミラー74、75、76により、各光束が波長に関して選択的に反射・透過される。そして、これら3つのダイクロイックミラー74、75、76にそれぞれ入射した3原色の光束は、波長選択的に反射または透過して結合光学系77に達し、集光され光ファイバケーブル50へ出力されるのである。
【0057】
光源ユニット1bとユーザ100の眼101との間に位置する投影ユニット1aには、光源ユニット1bで生成され、光ファイバケーブル50を介して出射されるレーザビーム(以下、「光束」とする)を平行光化するコリメート光学系81と、このコリメート光学系81で平行光化された光束を画像表示のために水平方向に往復走査する水平走査部80と、水平走査部80で水平方向に走査された光束を垂直方向に走査する垂直走査部90と、水平走査部80と垂直走査部90との間に設けられた第1リレー光学系85と、このように水平方向と垂直方向に走査された光束を瞳孔101aへ出射するための第2リレー光学系95とが設けられている。
【0058】
水平走査部80及び垂直走査部90は、光ファイバケーブル50から入射された光束を画像として投影可能な状態にするために、水平方向と垂直方向に走査して走査光束とする光学系であり、水平走査部80は、光束を水平方向に走査するため偏向面を有する共振型偏向素子82と、この共振型偏向素子82を共振させ、共振型偏向素子82の偏向面を揺動させる駆動信号を発生する水平走査駆動回路83を備えている。
【0059】
一方、垂直走査部90は、垂直走査するガルバノミラー91と、このガルバノミラー91の駆動制御を行う垂直走査制御回路92とを備え、表示すべき画像の1フレームごとに、補助画像形成光を最初の走査線から最後の走査線に向かって垂直に垂直走査する。
【0060】
また、水平走査部80と垂直走査部90との間での光束を中継する第1リレー光学系85は、共振型偏向素子82によって水平方向に走査された光を通過させる。そして、通過した光がガルバノミラー91によって垂直方向に走査されて、走査光束からなる画像光500として正の屈折力を持つ2つのレンズが直列配置された第2リレー光学系95へ出射され、眼101の前方に位置させたハーフミラー10で反射されてユーザ100の瞳孔101aに入射する。入射した画像光500が網膜101b上に投影され、ユーザ100はこの画像光500を、表示画像200として認識することができる(図2及び図3を参照)。
【0061】
(制御部の構成)
次に、コントローラ3が備える制御部30の構成について、図9を参照しながら説明する。
【0062】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)31と、プログラムROM(Read Only Memory)32と、フラッシュメモリ(フラッシュROM33)と、RAM(Random Access Memory)34と、明るさセンサコントローラ35と、表示部インターフェイスコントローラ36と、表示部用VRAM37と、PC接続インターフェイスコントローラ38と、周辺(周辺機器用)インターフェイス39とを備えており、システムバス40を介して相互に接続されている。
【0063】
記憶部の一例であるプログラムROM32には制御プログラムが記憶されており、この制御プログラムを演算処理装置であるCPU31で実行することにより、後述するフローチャートに従った処理を実現して、前述の判定手段、検出手段、決定手段、及び報知処理手段(図4参照)として機能する。また、この制御部30は、後述するカウント手段、計時手段としても機能する。
【0064】
記憶部の一例であるフラッシュROM33には、後述する疲れ判定テーブル(図12参照)などの各種テーブルや各種フラグ、さらには画像データ、表示画像200の輝度の設定値などが記憶されている。
【0065】
RAM34は、CPU31にて参照される前記疲れ判定テーブルや各種フラグや画像データなどの一時記憶領域として機能する。
【0066】
明るさセンサコントローラ35は、明るさセンサ2との接続を担うものであり、明るさセンサ2に対し、外光のレベルを示す光量のデータの送信要求を行うとともに、受信したデータを表示画像200の輝度と比較できる値に演算加工することができる。
【0067】
表示部インターフェイスコントローラ36は、表示部1(画像信号供給回路6)との接続を担っており、表示部用VRAM37のデータに基づいて画像形成信号Sを生成し画像信号供給回路6に供給する。画像形成信号Sは、表示部1への映像信号や制御信号(電源スイッチ12のON/OFF、画像表示位置、ピントなどの制御信号)、輝度設定スイッチ15により設定された輝度に応じた明るさ制御信号(表示のON/OFFを含む)が含まれている。また、表示部1からは実際に表示されている表示画像200の輝度の状態を示す情報などを受信することができる。
【0068】
表示部用VRAM37は、ユーザ100が視認する表示画像200を形成するための画像形成データを記憶するものであり、表示部インターフェイスコントローラ36及びPC接続インターフェイスコントローラ38に接続している。
【0069】
PC接続インターフェイスコントローラ38はPC300との接続を担うものであり、PC300との間で映像信号の送受信を行い、CPU31により要求される画像データを表示部用VRAM37へ書き込む。
【0070】
周辺(機器用)インターフェイス39は、制御部30に接続された周辺機器類の動作制御や信号の送受信を担うものであり、同周辺インターフェイス39には、HMDを起動するための電源スイッチ12や輝度設定スイッチ15が接続されている。
【0071】
この輝度設定スイッチ15は表示部1で表示する表示画像200の輝度(明るさ)の設定値を調整する調整部であって、制御部30は、設定されたレベルに応じて白色を表示するときの各(RGB)レーザのピーク光出力を制御して全体の明るさを制御する明るさ制御信号として表示部1へ送信して表示画像200をユーザ100の所望する輝度とすることができる。
【0072】
図10は輝度設定スイッチ15の使用状態を示す説明図であり、図10(a)に示すように、表示画像200の明るさ(輝度)が、視界103内における外界の明るさよりも際立っており、あまりにも表示画像200が眩しすぎる場合など、ユーザ100は、コントローラ3に設けられた輝度設定スイッチ15を操作して輝度調整をすることができる。
【0073】
輝度設定スイッチ15を操作すると、図10(b)に示すように、表示画像200内には「明」→「暗」と輝度が示された明るさ設定画面が表示され、スイッチ操作に応じてポインタ201が移動するように表示される。ここでは、表示画像200が明るすぎるため、ポインタ201が「暗」側に移動するように輝度設定スイッチ15を操作する。その結果、図10(c)に示すように、表示画像200の輝度が低下して外界の明るさとの差が縮まり、眼101に負担をかけることなく表示画像200を見ることができる。
【0074】
このとき、制御部30は、判定手段として機能し、所定時間毎に輝度設定スイッチ15による設定輝度を監視している。したがって、制御部30は表示画像200の輝度を常時取得することが可能となっている。
【0075】
なお、表示画像200の輝度は、PC300側で設定(変更)することもできる。図11はPC300に組み込まれた所定の映像アプリケーションによる表示制御処理の一例を示す説明図であり、図示するように、映像表示処理の一環として明るさ設定が行えるようになっている。
【0076】
すなわち、図示するように、HMDのコントローラ3と接続されたPC300の電源が投入され、所定の映像アプリケーションを起動する(ステップS600)。CPUはアプリケーションに応じて初期設定処理を実行し(ステップS610)、次いで、HMDの表示部1より映像送信要求があるか否かを判定する(ステップS620)。要求がある場合(ステップS620:Yes)、CPUは、要求画像をVRAMに展開し、要求画像と、PC300でデフォルトに設定された明るさ設定値をHMDの表示部1へ送信し(ステップS640)、処理をステップS620に戻す。
【0077】
こうして、表示部1は、PC300から送信されてきた要求画像をデフォルトに設定された輝度で表示することが可能となる。
【0078】
また、ステップS620において、要求がない場合(ステップS620:No)、CPUは明るさ設定の操作がなされたか否かを判定する(ステップS650)。操作がない場合(ステップS650:No)、CPUはステップS690に処理を移し、映像アプリケーションを用いたその他の処理、例えば画像選択、ページ送りなどの処理を実行してステップS620に戻る。
【0079】
一方、ステップS650において明るさ設定操作があった場合(ステップS650:Yes)、CPUは明るさ設定処理を実行し(ステップS660)、次いで、設定値をPC300に搭載された明るさ設定メモリへ書き込み(ステップS670)、次いで、書き込まれた明るさ設定値をHMDの表示部1へ送信し(ステップS680)、処理をステップS620に戻す。
【0080】
こうして、表示部1は、表示中の表示画像200の輝度を、PC300から送られた輝度に変更することが可能となる。
【0081】
このように、表示部1で表示される表示画像200の輝度については、HMDが備える輝度設定スイッチ15の操作によっても、PC300側によっても、新たに設定したり、変更したりすることが可能である。
【0082】
ここで、フラッシュROM33に記憶されている各種テーブルのうちの一つである疲れ判定テーブルについて説明する。図12は疲れ判定テーブルを示す説明図である。
【0083】
図12(a)に示した疲れ判定テーブルは、外光の明るさ(単位:カンデラ毎平方メートル(cd/m2))と、表示画像200の輝度(明るさ)とが関連付けられている。本実施形態では、外光の明るさを、「95(cd/m2)以下」、「95〜477(cd/m2)」、「477(cd/m2)以上」の3段階に区分されている。なお、この3段階の区分は、数値の小さい順に、「暗い」、「最適」、「明るい」と読み替えて構わない。
【0084】
なお、一般的に、明るさとしては300〜1500ルクス(lx)であれば、暗すぎず明るすぎない適正範囲とされていることから、本実施形態では、外光の最適な明るさとして、286カンデラ(900ルクス(lx))をセンター値として規定している。
ここで、1(lx)は1/π(cd/m2)に近似することが知られているため、900(lx)=286(cd/m2)となる。
【0085】
また、表示画像200の輝度(明るさ)としては、外光の明るさを基準とした時の表示画像200の白レベルの明るさとしており、この明るさの前記3区分した外光の明るさに対する割合が、それぞれさらに3区分に設定されている。そして、その各割合に応じて、ユーザ100の疲れ度合いを決定するために割り当てられる係数が設定されている。係数の値の大小は、疲れ度合いの大小に対応している。なお、表示画像200の輝度は、輝度設定スイッチ15により設定された輝度を検出すればよい。
【0086】
例えば、外光の明るさが「暗い「95(cd/m2)以下」であり、これに対して輝度設定スイッチ15により設定された表示画像200の白レベルの明るさが「2倍以下」であれば係数の値は「9」、「2〜5倍」であれば係数の値は「7」、「5倍以上」であれば係数の値は「9」と設定されている。なお、暗い部屋などで明るい表示画像200を見た場合は、表示画像200が際立つために見やすくなり、眼の疲労度合の進行も抑制されそうであるが、実際には、ユーザ100の眼101に暗い光と明るい光とが両方入ってくることになるので、眼101はいずれの環境に合わせてよいかの判断に迷い、結果的に緊張した状態となり、疲れやすい状態になることが知られている。よって、ここでは、外光の明るさが暗い場合に、表示画像200の白レベルの明るさが「5倍以上」のときに、最大の値「9」が割り付けられている。そして、外光の明るさが暗い場合に表示画像200の明るさも暗い場合、表示画像の明るさは最も暗く視認性が悪くなり疲れやすくなる。よって、係数の値として最大の「9」が割り付けられている。
【0087】
また、外光の明るさが「最適(「95〜477(cd/m2)」)」の場合、表示画像200の白レベルの明るさが「2倍以下」であれば係数の値は「7」、「2〜5倍」であれば係数の値は「5」、「5倍以上」であれば係数の値は「7」と設定されている。すなわち、外光の明るさは最適なので、係数の値として最大の「9」は設定されていない。そして、最適と考えられる表示画像200の白レベルの明るさ「2〜5倍」の場合は係数の値として最小の「5」が、その他の場合は係数の値として中間の「7」が割り付けられている。
【0088】
また、外光の明るさが「明るい(「477(cd/m2)以上」)の場合、表示画像200の白レベルの明るさが「2倍以下」であれば係数の値は「9」、「2〜5倍」であれば係数の値は「7」、「5倍以上」であれば係数の値は「9」と設定されている。すなわち、外光の明るさが明るいため、眼101への刺激が基本的に強い状態となっており、係数の値として最小の「5」は設定されていない。そして、最適と考えられる表示画像200の白レベルの明るさ「2〜5倍」の場合は係数の値として中間の「7」が割り付けられ、その他の場合は係数の値として最大の「9」が割り付けられている。
【0089】
また、かかる疲れ判定テーブルには、ユーザ100による表示部1の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定する指標となる係数の累積値が閾値として関連付けられている。この累積値は疲れ判定階級として、表示部1の使用回数に対応させたN段階に区分されており、階級が大になるにつれて閾値は小さくなっている。
【0090】
すなわち、制御部30は、ユーザ100による表示部1の連続使用回数をカウントするカウント手段としても機能しており、制御部30が表示部1の使用回数をカウントした結果に応じて設定されたN段階の疲れ判定階級毎に、係数の累積値の閾値が設定され、各閾値が休止タイミングの指標となっている。カウント数が大きいほど疲れ判定階級も大となり、閾値は小さくなる。なお、ここで連続使用回数とは、例えば係数の累積値が閾値近くになるまで表示部1を動作させた後、20分未満の中断を経て再度表示部1を駆動させて表示画像200を視認可能な状態にしたときにカウントされる回数である。
【0091】
このように、疲れ判定テーブルは、制御部30がユーザ100の疲れを判定するための基礎となる値(係数及びその累積値の閾値)を、外光の明るさと表示画像200の明るさとの差を検出した結果に応じて割り当てたテーブルであり、制御部30は、ユーザ100がHMDの使用を開始すると、外光の明るさと、表示画像200の明るさとの差を検出し、その検出結果に応じて疲れ判定テーブルから所定の値(係数)を選択するとともに、割り当てられた値を単位時間毎に累積していき、その累積値が疲れ判定テーブルに規定された各疲れ判定階級における閾値にどの程度近づいたかによって、ユーザ100が表示部1の使用を休止する休止タイミングを決定するのである。そして、かかる休止タイミングで図5に示したような所定の警告画像250を表示させたり、あるいは強制的に表示部1による表示画像200の表示をOFFにしたりするのである。
【0092】
すなわち、本実施形態では、1分毎に取得した係数の累積値の閾値に対する割合を疲れ判定値とし、この疲れ判定値によって、表示部1の使用休止を促す態様を変えている。例えば疲れ判定値が90〜100%の場合は警告画像250を表示し、100%以上であれば表示部1により表示されている表示画像200を強制的に表示されないようにする(光源ユニット1bからの画像光の出力停止)か、表示部1自体への電源供給自体を停止して電源OFFの状態にするのである。
【0093】
例えば、ユーザ100がHMDを使用するために、電源スイッチ12をオンした場合、制御部30のCPU31は、表示部インターフェイスコントローラ36を介して表示部1を作動させるとともに、使用回数「1」をカウントしてRAM34の所定記憶領域に記憶する。そして、この使用回数が「1」の場合、閾値は「300」である。
【0094】
また、制御部30は、ユーザ100による表示部1の使用が休止されている時間を計時する計時手段としても機能しており、図示しないクロック発生回路などによって時間計測が可能となっている。そして、表示部インターフェイスコントローラ36が表示部1への映像信号の出力を停止したときを表示部1の使用停止(映像表示中断)とみなし、その時点から次に表示部インターフェイスコントローラ36から表示部1への映像信号の出力がなされるまで、すなわち再表示されるまでの時間を計時し、その計時結果をRAM34の所定領域に記憶するようにしている。
【0095】
そして、この計時結果、すなわちユーザ100が眼101を休めた時間が、例えば10分〜20分しかなければ、休息が不十分とし、連続使用ではないものの連続使用に近い表示部1の疑似連続使用とみなし、疲れ判定の閾値を下げるために使用回数「2」をカウントしてRAM34の所定記憶領域に記憶する。そして、再表示された後も同様に、表示部1による表示が停止されて次に再表示されるまでを計時し、これが10分〜20分しかなければ、表示部1の疑似連続使用とみなし、表示部1の連続使用回数「3」をカウントし、使用回数「3」がRAM34の所定記憶領域に記憶されることになる。
【0096】
つまり、制御部30が前述した疲れ判定テーブルを参照してユーザ100による表示部1の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定するに際し、制御部30は、計時結果に基づいて、表示部1の使用回数を示すカウント結果を補正していく。例えば、計時時間が10分〜20分程度であれば、疑似連続使用とみなしてカウント値が「1」から「2」に書き換えられ、疲れ判定階級も1から2へ増加して、変更された疲れ判定階級における閾値を参照するのである。本実施形態では、カウント結果が連続2回目である場合、閾値を「250」としている。そして、同様にカウント結果が連続3回目である場合は疲れ判定階級がさらに3へ増加して閾値は「200」となり、カウント結果が連続4回目となれば疲れ判定階級がさらに増加して閾値は「150」となる。すなわち、連続使用時間が長くなるにつれて疲れ判定階級も増加方向に変更され、休止タイミングも短縮されていく。
【0097】
そして、各疲れ判定階級における疲れ判定値を算出し、前述したように、この疲れ判定値が90〜100%の場合は警告画像250を表示してユーザ100に眼101の休みを取らせるように促し、100%以上であれば表示画像200をOFFする、あるいは表示部1を電源OFFの状態にして強制的に眼101を休ませるようにしている。
【0098】
このように、本実施形態では、ユーザ100が表示部1の使用を、休みをとりながら行ったとしても、使用休止時間が10分〜20分であれば、次の使用休止を促すタイミングは早まっていき、休みをとることなく連続使用した場合は、表示画像200を強制的に見えない状態にして眼101を休ませることができる。
【0099】
なお、表示部1の使用停止時間(休み時間)が20分以上になった場合、制御部30はユーザ100が眼101を休めることができたと判断し、後述するように、閾値が大きくなるように疲れ判定階級を減じる処理を行う。
【0100】
図12(b)及び図12(c)に示したものは疲れ判定テーブルの変形例である。図12(b)に示す疲れ判定テーブルでは、外光の明るさを照度(単位:ルクス(lx))で規定したものである。ここでも最適な明るさのセンター値を900ルクス(lx)としている。
【0101】
また、図12(c)に示したものは、外光の明るさの最適値を900ルクス(lx)(=286カンデラ(cd/m2))とした時の外光の明るさを割合(%)で規定したものである。ここでは、明るさとして最適と規定した900ルクス(lx)(=286カンデラ(cd/m2))の±70パーセント以内であれば、表示画像200の視認性に大きな悪影響を与えない適正範囲である。
【0102】
(制御部の処理フロー)
次に、制御部30での処理について、図13〜図16を参照して説明する。図13及び図14は本実施形態に係るHMDのメイン処理を示したフローチャートであり、HMDのシステム電源スイッチがオン操作されたときから開始される処理を示している。なお、本実施形態に係るHMDは、図示しないが前記システム電源スイッチの他、表示部1で映像表示するための表示部電源スイッチを備えている。また、図15及び図16はメイン処理にて実行される処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0103】
図13に示すように、制御部30のCPU31は、先ず、RAM34のアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS100)。
【0104】
次にCPU31は、PC300に対し、表示部1により表示画像200として表示するための映像要求信号を出力する(ステップS110)。
【0105】
そして、ステップS120において、CPU31は、PC300から映像信号の入力が開始されたか否かを判定しながら待機し(ステップS120:No)、開始された場合(ステップS120:Yes)、表示部1において映像(表示画像200)の表示がなされていない状態(表示映像中断中)であるか否かを判定する(ステップS130)。
【0106】
ステップS130において、表示映像(表示画像200)の表示が中断中であるかを判定し、中断中でない場合(ステップS130:No)、CPU31は処理をステップS135に移し、表示画像200の表示を中断するために、ユーザ100による図示しない表示部電源スイッチの操作がなされたか否かを判定する。ユーザ100による表示中断操作が検出された場合(ステップS135:Yes)、CPU31は処理を後述するステップS260に移す一方、表示中断操作が検出されない場合(ステップS135:No)、CPU31は処理をステップS140に移す。
【0107】
このステップS140では表示部1へ映像出力をするための表示部電源スイッチ(図示せず)がオンされたか否かを判定する。すなわち、PCからの映像入力は開始されており、後述するステップS230におけるお疲れ度判定処理で表示映像の中断が決定されていないため、入力された映像(表示画像200)を表示部1へ出力するためのスイッチ操作がなされたか否かを判定するのである。
【0108】
また、ステップS130において、表示映像(表示画像200)の表示が中断中である場合(ステップS130:Yes)、CPU31は処理をステップS300に移す。
【0109】
ステップS140において、映像(表示画像200)を表示部1へ出力しないと判定した場合(ステップS140:No)、CPU31は処理をステップS170に移す一方、映像(表示画像200)を表示部1へ出力すると判定した場合(ステップS140:Yes)、CPU31は、表示部電源をオン(ステップS145)し、入力映像(表示画像200)を表示部1へ出力する(ステップS150)
【0110】
次いで、CPU31は、明るさ(輝度)設定値を表示部1に送信し(ステップS160)、その後、処理をステップS170に移す。なお、ステップS160で送信される明るさ(輝度)設定値は所定のデフォルト値である。
【0111】
ステップS170において、CPU31は、PC300から明るさ設定値を受信したか否かを判定し、受信していると判定した場合(ステップS170:Yes)、処理をステップS190に移す一方、受信していないと判定した場合(ステップS170:No)は、輝度(明るさ)設定スイッチ15が操作されたか否かを判定し(ステップS180)、操作されたと判定した場合(ステップS180:Yes)は処理をステップS190に移し、操作されていないと判定された場合は(ステップS180:No)処理をステップS220に移す。
【0112】
ステップS190では、CPU31は、明るさ設定値を明るさ設定メモリとして規定されたフラッシュROM33に書き込む。
【0113】
そして、フラッシュROM33に書き込まれた明るさ設定値を表示部1に送信し(ステップS210)、その後、処理をステップS220に移す。
【0114】
ステップS220では、CPU31は、例えば1分に設定されている、表示画像200の輝度及び外光の明るさをサンプリングする時間が経過したか否かを判定し、1分経過していない場合(ステップS220:No)は処理をステップS130に移してこれまでの処理が繰り返される。一方、1分経過している場合(ステップS220:Yes)はお疲れ度判定処理を実行する(ステップS230)。
【0115】
ここで、疲れ度判定処理を説明する前に、ステップS130において、ユーザ100の疲労軽減のために表示映像(表示画像200)の表示が中断中である場合(ステップS130:Yes)の処理であるステップS300(お疲れ度判定用中断時間計測処理)について、図15を用いて説明する。なお、以下のステップS400〜ステップS450の処理は、理解を容易にするために、ユーザ100が表示部1の使用を既に20分に満たない短い中断をはさんで4回使用している場合とする。
【0116】
図15に示すように、お疲れ度判定用中断時間計測処理では、CPU31は、先ず、表示部1への映像(表示画像200)の表示の中断時間を計測する(ステップS400)。
【0117】
次いで、CPU31は、中断時間が、後述するステップS270の処理により自動的に表示部電源がオフされた場合の再表示許可時間(例えば15分などに設定されている)が経過したか否かを判定する(ステップS410)。このとき、映像表示の中断が、ユーザ100による表示中断操作による場合、ステップS410の判断はスキップされる。再表示許可時間が経過している場合(ステップS410:Yes)、CPU31は、ユーザ100が表示部電源スイッチをオン操作したか否か、すなわち、表示部1へ映像出力するか否かを判定する(ステップS420)。
【0118】
ステップS410及びステップS420の判定でいずれもNoの場合はステップS400の中断時間計測処理が継続する。
【0119】
次いで、CPU31は、ステップS430の処理において、中断時間の計測結果に基づいて疲れ判定階級の更新処理を行う。すなわち、例えば中断時間が20分以上になった場合、ユーザ100は眼101を休めることができたものとして、疲れ判定階級を中断時間に応じてそのランクを減少させて閾値が大きくなるようにするのである。
【0120】
本実施形態では、20分以上経過している場合は1階級、40分以上経過している場合は2階級ランクを落とし、60分以上経過している場合はリセットするようにしている。ここでリセットとは連続使用回数がどれだけであれ、使用回数「1」の状態に復帰させることを意味する。
【0121】
ここでは、表示部1の20分に満たない短い中断をはさんでの使用が4回の状態から映像の表示が中断されたところである。その中断時間が20分以上40分未満であれば、疲れ判定階級を1ランク減少させる。すなわち、現時点では表示部1の連続使用が4回であるため、図12に示すように、連続使用回数及び疲れ判定階級はN=4で規定されているが、疲れ判定階級を1ランク減じてN=3で規定するのである。
【0122】
よって、通常の連続使用回数とカウントすれば5回となり、疲れ判定階級はN=5で規定されて閾値は「100」となって、表示部1の使用時間は大きく短縮されて不利益となるところ、休み(表示中断)時間が適度に設けられたことで、後の処理において使用回数が更新されても(ステップS440)、N=4となっているため、そのような不利益が回避されることになる。
【0123】
また、中断時間が40分以上の場合は、制御部30は、疲れ判定階級を2ランク減少させる。すなわち、図12において、連続使用回数及び疲れ判定階級がN=4で規定されていたものを、疲れ判定階級を2ランク減じてN=2で規定するのである。この場合も、通常の連続使用回数では5回となって、疲れ判定階級がN=5で規定されて閾値は「100」となり、表示部1の使用時間は大きく短縮されて不利益となるところ、休み(表示中断)時間がかなり設けられたということで、そのような不利益を回避するばかりでなく、使用回数が更新されても結果的には、疲れ判定階級は現状よりも2ランク減じられてN=3で規定される閾値「200」となり、現在のN=4で規定される閾値「150」よりも、表示部1の使用時間が延長されたことになる。
【0124】
さらに、中断時間が1時間(60分)以上であれば、制御部30は、疲れ判定階級をリセットする。すなわち、図12において、連続使用回数及び疲れ判定階級がN=4で規定されていたものを、疲れ判定階級をN=1で規定するのである。すなわち、1時間以上の休み(表示中断)時間となれば、眼101の疲労を回復させるには十分であるため、初めて表示部1を使用する場合と同条件で使用できるようにしている。
【0125】
このように、本実施形態によれば、連続使用回数が増加したとしても、その間の休み(表示中断)時間が適度であれば、表示部1の使用時間の制限は大きく緩和されるため、健康重視のあまりに使い勝手を著しく損なったりするおそれがない。
【0126】
次いで、CPU31は、中断時間がリセット時間(1時間)未満であるか否かを判定し(ステップS440)、リセット時間(1時間)未満である場合、すなわちリセットされていない限りは、RAM34に記憶されている現在の使用回数に「1」を加えた値を、新たな表示部1の使用回数としてRAM34に記憶して、表示部1の使用回数を更新する(ステップS450)。
【0127】
お疲れ度判定要中断時間計測処理が終了すると、図13のメインフローに戻り、CPU31は、ステップS330において、表示映像中断中を示すフラグをOFFする。
【0128】
その後,CPU31は、前述したステップステップS145〜ステップS220の処理を実行する。
【0129】
ここで、1分おきに実行されるステップS230のお疲れ度判定処理について、図16を用いて説明する。
図示するように、このお疲れ度判定処理では、CPU31は、先ず、表示部1での表示画像200の明るさの設定値(輝度)を取得する(ステップS500)。この輝度は、通常、輝度設定スイッチ15の操作で設定された輝度である。
【0130】
次いで,CPU31は、明るさセンサ2が検出した外光の明るさを取得する(ステップS510)。なお、ステップS500の処理とステップS510の処理の順番は逆であってもよい。
【0131】
次いで、CPU31は、外光の明るさが照度(単位:ルクス(lx))であれば光度に換算し、両者の比率を計算する(ステップS520)。
【0132】
次に、CPU31は、フラッシュROM33に記憶されている疲れ判定テーブル(図12)を参照して、外光と表示部1の輝度との比率に応じた係数(5又は7又は9に設定されている)を求める(ステップS530)。
【0133】
そして、求めた係数の値を、疲れ度メモリとして機能するRAM34に記憶されているこれまでの累積値に加算する(ステップS540)。
【0134】
次いで、ステップS150でRAM34に記憶された連続使用回数(疲れ判定階級)、係数の累積値に基づいて、疲れ判定テーブル(図12)を参照し、前述したように、閾値との割合から疲れ判定値を算出する(ステップS550)。
【0135】
かかるお疲れで判定処理を終えると、CPU31は、次に、疲れ判定値が80%未満であるか否かを判定し(ステップS240)、80%未満であれば(ステップS240:Yes)、まだ疲れているとは言えないものとして、処理をステップS130に戻す。一方、80%未満でない場合(ステップS240:No)、今度は、疲れ判定値が90%以上かつ100%未満であるか否かを判定する(ステップS250)。
【0136】
疲れ判定値が90%以上かつ100%未満である場合(ステップS250:Yes)、既に、表示部1により表示されている表示画像200に、警告画像250(図5参照)が書き込まれているか否かを判定し(ステップS280)、書き込まれている場合(ステップS280:Yes)は直接処理をステップS130に戻し、書き込まれていない場合(ステップS280:No)は、入力映像(表示画像200)に警告画像250を書き込んで表示部1へ出力する処理を実行(ステップS290)した後、処理をステップS130に戻す。
【0137】
このステップS290において、警告画像250を表示部1に出力する処理としては、PC300から供給される警告画像250に応じた画像光を光源ユニット1bで生成し、投影ユニット1aからユーザ100の眼101に投射することにより、ユーザ100に警告画像250を視認させるようにしてもよい。
【0138】
また、ステップS250において、疲れ判定値が90%以上かつ100%未満でない場合、すなわち100%以上であると判定すると(ステップS250:No)、CPU31は、表示映像を中断させるためのフラグをRAM34に記憶させ、表示映像(表示画像200)が中断中の状態に設定する(ステップS260)。CPU31は、前述したステップS130において、このフラグにより表示映像が中断中であるか否かを判断することになる。
【0139】
そして、CPU31は、表示部1の電源をOFFにするか、あるいは光源ユニット1bからの画像光の出力を停止させ、強制的に、ユーザ100が表示画像200を視認できないようにして、処理をステップS130に戻す。
【0140】
このように、本実施形態に係るHMDでは、ユーザ100が表示部1を使用する場合、外光と表示画像200の明るさとの差に応じて、適切な使用時間が自動的に設定されて連続使用を制限することができるため、眼101を酷使しがちなユーザ100が眼精疲労に陥ることを未然に防止することができる。しかも、表示部1を連続使用した時間によっても使用休止報知がなされるタイミングを変えているため、眼精疲労の軽減がより効果的に実現される。
【0141】
ここで、ステップS230で実行されるお疲れ度判定処理(図16参照)の変形例について説明する。図17は変形例に係るお疲れ度判定処理のフローチャートである。
この変形例では、表示部1における明るさを、輝度設定スイッチ15による設定値から取得するのではなく、表示画像200のピクセルの輝度の値から取得するようにしたものであり、図16で示したステップS500の処理に代わり、以下に説明するステップS501〜ステップS504が実行される。
【0142】
すなわち、CPU31は、先ず、表示部用VRAM37から、R(赤)G(緑)B(青)の各有効ピクセル割合を検出する(ステップS501)。すなわち、各ピクセルの輝度は、そのON/OFF状態と、ON状態の場合のデューティ(時間)によって決まる。当然100%デューティがMAXである。こうして、RGBそれぞれに対しON状態ピクセルのデューティを累計し、総ピクセル数で除すことにより、各有効ピクセル割合を検出することができる。
【0143】
次いで、CPU31は、各RGBの有効ピクセル割合に所定の係数を乗じて実質的な明るさを計算する(ステップS502)。ここで、各RGBに乗じる係数は、R(赤):0.2、G(緑):1、B(青):0.1としている。これら係数は、比視感度によるものであり、人間の目が最も強く感じる波長555nm(ナノメートル)の光、すなわち、これに近似するG(緑)を1としている。また、本実施形態では表示部1における輝度のMAXは800(cd/m2)であり、これとそれぞれ係数が乗ぜられたRGBの有効ピクセル割合とから各RGBの実質的な明るさが求められる。なお、より厳密に計算するには、眼101の瞳孔の径を検出してその割合を乗ずるとよい。
【0144】
次いで、CPU31は、計算値を、後の処理で必要な光度(カンデラ(cd/m2))に換算する(ステップS503)。
【0145】
そして、CPU31は、明るさの換算処理を所定画像数分だけ実行する(ステップS504)。すなわち、ステップS501〜ステップS503の処理を所定画像数分だけ繰り返し、次いで各画像で得られた明るさの平均をとって記憶する(ステップS505)。
【0146】
その後は、図16で示したステップS510〜ステップS550と同じ処理を行ってメイン処理のステップS240に移行する(図14参照)。
【0147】
この処理によれば、表示部用VRAM37に記憶された表示画像200のデータから当該表示画像200のピクセルの明るさの平均値を算出して、表示画像200の明るさとすることができ、実際の表示画像200の輝度をより正確に取得することが可能となる。
【0148】
ところで、上述してきた実施形態では、表示部1の使用の休止を、警告画像250を用いてユーザ100に促すようにしたが、例えば音声を用いることもできる。
図18はイヤホン16を具備するHMDの説明図であり、図示するように、HMDに音声を出力するイヤホン16を設け、表示部1の使用の休止をユーザ100に促す音声を、このイヤホン16から出力させることもできる。当然ではあるが、音声と警告画像250とを同時に用いて表示部1の使用の休止を促すようにしてもよい。
【0149】
上述してきたように、本実施形態によれば、以下の効果が期待できる。
【0150】
(1)外光400の一部が少なくともユーザ100のいずれかの眼101に到達する状態で、表示画像200に応じた画像光500をユーザ100の眼101に投射して当該ユーザ100に前記表示画像200を視認させる表示部1(投影ユニット1aと光源ユニット1b)を備え、外光400の明るさを計測する明るさセンサ2(計測器)と、前記表示画像200の明るさを判定し、前記外光400の明るさと前記表示画像200の明るさとの差を検出し、ユーザ100によって前記表示部1の使用が開始された後、前記検出手段による検出結果に基づいて、ユーザ100による前記表示部1の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定するとともに、決定した休止タイミングで前記表示部1の使用の休止をユーザ100に促す使用休止報知を行う制御部30(判定手段、検出手段、決定手段、及び報知処理手段)とを備えたHMDとしたため、比較的に使用環境の自由度の高いHMDをどこで用いても、様々な使用環境に適応した適切な時間で、表示部1の使用の休止をユーザ100に促す使用休止報知を行うことができ、本HMDを使用するユーザ100の眼精疲労による健康への悪影響を可及的に防止することができる。よって、眼101の疲労を全く感じていないにもかかわらず使用休止報知がなされて煩く感じたり、逆に使用休止報知がなされる時間よりも前に眼101が疲れたりすることを可及的に防止することができる。
【0151】
(2)また、HMDは、決定手段としての機能を担う制御部30が、検出結果に応じて割り当てられた係数値を単位時間毎に累積していき、累積された累積値が所定の閾値以上となるタイミングを休止タイミングとして決定するため、使用環境に応じた適切な時間で報知される使用休止に従えば、ユーザ100自身は眼精疲労などを心配することなく、表示部1を使用することができる。
【0152】
(3)また、前記決定手段としての機能を担う制御部30は、検出結果に応じて割り当てる前記係数値を外光の明るさに応じて変更することができるため、使用環境に対応した時間をより正確に決定することができる。
【0153】
(4)また、前記検出手段としての機能を担う制御部30により検出した結果に応じて割り当てる係数値が前記外光の明るさに応じて設定された疲れ判定テーブルを記憶したフラッシュROM33などのフラッシュメモリ(記憶部)を備えており、前記制御部30(決定手段)は、前記記憶部に記憶した疲れ判定テーブルに基づいて、制御部30(検出手段)による検出結果に応じて割り当てる係数値を決定するようにしたため、例えば毎分ごとに、あるいは毎秒毎に係数値を決定する際の処理が容易となり、CPU31への負担も少なくなる。
【0154】
(5)制御部30が、ユーザ100による表示部1の使用回数をカウントするカウント手段としての機能を担うようにして、カウント結果に応じた値を前記所定閾値としているため、表示部1を連続して使用した場合などにおいて、使用回数に応じて使用中止の報知タイミングを異ならせるようにすることができ、眼精疲労の軽減がより効果的に実現される。
【0155】
(6)また、ユーザ100による表示部1の使用が休止されている時間を計時する計時手段として制御部30が機能し、計時結果に基づいて表示部1の使用回数のカウント結果を補正し、当該補正結果に応じた係数値を前記所定閾値としているため、例えば十分に眼101の休憩がとれたと想定できるカウント結果であれば、次回の表示部1の使用においては、使用休止報知するタイミングを遅らせて、表示部1の使用時間をこれまでよりも長く設定することができ、HMDとしての使い勝手を損なうこともない。
【0156】
(7)また、制御部30は、表示画像200のデータから当該表示画像のピクセルの明るさの平均値を算出して、前記表示画像200の明るさとすることもでき、実際の表示画像200の輝度を、より正確に取得することが可能となる。外光400の明るさと表示画像200の明るさとの差も正確に検出可能となる。
【0157】
(8)また、表示部1表示する表示画像200の明るさの設定値を調整する輝度設定スイッチ15(調整部)を備え、前記制御部30(検出手段)は、前記輝度設定スイッチ15により調整した設定値を検出して、前記表示画像200の明るさとすることができるため、外光400の明るさと表示画像200の明るさとの差をより簡単に検出することが可能となる。
【0158】
(9)また、前記制御部30(報知処理手段)は、表示部1の使用の休止をユーザ100に促す警告画像250に応じた画像光を、表示部1からユーザ100の眼に投射することもでき、網膜走査型のHMDであれば、通常の表示方法で警告画像250をユーザ100に認識させることができる。
【0159】
(10)また、音声を出力するイヤホン16を備え、前記制御部30(報知処理手段)は、表示部1の使用の休止をユーザ100に促す音声を、イヤホン16から出力させるように構成することもできるため、表示部1の使用休止をユーザ100に対して強く促すことができる。
【0160】
以上、実施形態を通して本発明を説明してきたが、表示画像200の輝度を取得するに際し、例えばレーザ63、64、65(図8参照。)が出力する光束の輝度の変化を検出する輝度センサを設けて、この輝度センサにより輝度を検出するように構成することもできる。
【0161】
また、表示部1として、投影ユニット1aと光源ユニット1bとを別体のものとして説明したが、これらは一体的に設けられていてもよい。さらに、HMDとして網膜走査型ディスプレイを採用しているが、LCD(liquid crystal display)を透過又は反射させて生成した画像光をユーザ100の眼101に投射して、ユーザ100に表示画像200を視認させるタイプのディスプレイを用いてもよい。このとき、表示部1にはLCD及び光源等を内蔵させ、所定の画像生成部から出力された画像信号に応じた画像をLCDに表示させ、光源からの光をLCDに入射し、透過又は反射させることによって画像光を生成することになる。
【符号の説明】
【0162】
1 表示部
1a 投影ユニット
1b 光源ユニット
2 明るさセンサ(計測器)
3 コントローラ
30 制御部(判定手段、検出手段、決定手段、及び報知処理手段)
100 ユーザ
101 眼
200 表示画像
400 外光
500 画像光
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外光の一部が少なくともユーザのいずれかの眼に到達する状態で、表示画像に応じた画像光をユーザの眼に投射して当該ユーザに前記表示画像を視認させる表示部を備えた画像表示装置において、
外光の明るさを計測する計測器と、
前記表示画像の明るさを判定する判定手段と、
前記外光の明るさと前記表示画像の明るさとの差を検出する検出手段と、
ユーザによって前記表示部の使用が開始された後、前記検出手段による検出結果に基づいて、ユーザによる前記表示部の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定する決定手段と、
前記決定手段で決定した休止タイミングで前記表示部の使用の休止をユーザに促す使用休止報知を行う報知処理手段と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てられた値を単位時間毎に累積していき、累積された値が所定閾値以上となるタイミングを、前記休止タイミングとして決定することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てる値を前記外光の明るさに応じて変更することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記検出手段による検出結果に応じて割り当てる値を前記外光の明るさに応じて設定したテーブルを記憶した記憶部を備え、
前記決定手段は、前記記憶部に記憶したテーブルに基づいて、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てる値を決定することを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
ユーザによる前記表示部の使用回数をカウントするカウント手段を備え、
前記決定手段は、前記カウント手段のカウント結果に応じた値を前記所定閾値とすることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
ユーザによる前記表示部の使用が休止されている時間を計時する計時手段を備え、
前記決定手段は、前記計時手段の計時結果に基づいて前記カウント手段のカウント結果を補正し、当該補正結果に応じた値を前記所定閾値とすることを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記検出手段は、前記表示画像のデータから当該表示画像のピクセルの明るさの平均値を算出して、前記表示画像の明るさとすることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記表示部で表示する表示画像の明るさの設定値を調整する調整部を備え、
前記検出手段は、前記調整部により調整した設定値を検出して、前記表示画像の明るさとすることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記報知処理手段は、前記表示部の使用の休止をユーザに促す画像に応じた画像光を、前記表示部からユーザの眼に投射することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
音声を出力するイヤホンを備え、
前記報知処理手段は、前記表示部の使用の休止をユーザに促す音声を、前記イヤホンから出力させることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記表示部をユーザの頭部に装着する装着部を備えたことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項1】
外光の一部が少なくともユーザのいずれかの眼に到達する状態で、表示画像に応じた画像光をユーザの眼に投射して当該ユーザに前記表示画像を視認させる表示部を備えた画像表示装置において、
外光の明るさを計測する計測器と、
前記表示画像の明るさを判定する判定手段と、
前記外光の明るさと前記表示画像の明るさとの差を検出する検出手段と、
ユーザによって前記表示部の使用が開始された後、前記検出手段による検出結果に基づいて、ユーザによる前記表示部の使用を一時的に休止させる休止タイミングを決定する決定手段と、
前記決定手段で決定した休止タイミングで前記表示部の使用の休止をユーザに促す使用休止報知を行う報知処理手段と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てられた値を単位時間毎に累積していき、累積された値が所定閾値以上となるタイミングを、前記休止タイミングとして決定することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てる値を前記外光の明るさに応じて変更することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記検出手段による検出結果に応じて割り当てる値を前記外光の明るさに応じて設定したテーブルを記憶した記憶部を備え、
前記決定手段は、前記記憶部に記憶したテーブルに基づいて、前記検出手段による検出結果に応じて割り当てる値を決定することを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
ユーザによる前記表示部の使用回数をカウントするカウント手段を備え、
前記決定手段は、前記カウント手段のカウント結果に応じた値を前記所定閾値とすることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
ユーザによる前記表示部の使用が休止されている時間を計時する計時手段を備え、
前記決定手段は、前記計時手段の計時結果に基づいて前記カウント手段のカウント結果を補正し、当該補正結果に応じた値を前記所定閾値とすることを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記検出手段は、前記表示画像のデータから当該表示画像のピクセルの明るさの平均値を算出して、前記表示画像の明るさとすることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記表示部で表示する表示画像の明るさの設定値を調整する調整部を備え、
前記検出手段は、前記調整部により調整した設定値を検出して、前記表示画像の明るさとすることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記報知処理手段は、前記表示部の使用の休止をユーザに促す画像に応じた画像光を、前記表示部からユーザの眼に投射することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
音声を出力するイヤホンを備え、
前記報知処理手段は、前記表示部の使用の休止をユーザに促す音声を、前記イヤホンから出力させることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記表示部をユーザの頭部に装着する装着部を備えたことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−164782(P2010−164782A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6978(P2009−6978)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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