画像補正方法、画像補正装置および画像補正プログラム
【課題】記録ヘッドの走査回数を増やすことで出力時間を増加させず、色再現域が極端に狭まることなく、ビーディングが認識されない高品位な画像が出力できる画像補正方法を提供する。
【解決手段】入力データに基づき複数色の液滴を吐出する記録ヘッドにより記録媒体上に液滴を吐出して画像を形成するインクジェット記録装置に用いる画像補正方法であって、パターン記録ステップS1ではCMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを記録媒体に記録し、画像評価ステップS2、S3では記録媒体に記録されたパターンの粒状度を測定し、閾値決定ステップS7では該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定し、ステップS11〜S15では入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断し、ステップS16では該判断結果と閾値nmaxとに基づいて画素毎にCMY値をより小さくなるように補正する。
【解決手段】入力データに基づき複数色の液滴を吐出する記録ヘッドにより記録媒体上に液滴を吐出して画像を形成するインクジェット記録装置に用いる画像補正方法であって、パターン記録ステップS1ではCMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを記録媒体に記録し、画像評価ステップS2、S3では記録媒体に記録されたパターンの粒状度を測定し、閾値決定ステップS7では該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定し、ステップS11〜S15では入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断し、ステップS16では該判断結果と閾値nmaxとに基づいて画素毎にCMY値をより小さくなるように補正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに応じて、紙面上の記録密度を異ならせるために記録ヘッドから大きさの異なるインクを吐出して画像を形成する画像補正方法、画像補正装置および画像補正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、及びこれらの機能を兼ね備えた複合機等における画像形成方法として、インクを液滴に分離し、画像信号に応じて記録対象に向けて吐出し、インクを対象物に付着させるインクジェット方式が知られている。
インクジェット方式では、記録対象に向けて非接触でインク滴を直接吐出するだけで記録が行えるため、記録対象を広範囲に選択でき、普通紙、はがき、コート紙、光沢紙、OHPなどの様々な記録媒体へのプリントが可能である。
【0003】
しかしながら、インク吸収性の低いメディアに濃度が高いパターン印字を行う場合には、着弾させたインクが定着する前に隣接してインクが着弾してしまうことがある。この場合、乾燥しきれていないインク滴同士が引き合って、凝集し、凝集した部分の色が濃くなるため、見た目では色ムラとして認識される。この現象をビーディングといい、画質劣化の要因の1つである。このビーディングを防止するための技術が提案されており、既に知られている。
【0004】
このようなビーディングを防止するための提案として、特許文献1では、マルチパス方式という印字方法が報告されている。特許文献1にあっては、マルチパス印字方式を用いた場合、主走査方向の印字ラインを異なるノズルを用いて形成するため、ドットの着弾位置ズレが分散されて目立たなくなるという利点を有している。
【0005】
特許文献2では、ビーディングを防止する目的で、複数の記録モードに対応した記録媒体以外の記録媒体を用いる場合について報告されている。特許文献2にあっては、インク付着量とパス数の条件をそれぞれ振った複数のパッチを記録し、それらのパッチをスキャナで読み取り、パッチ毎の粒状度とバンディング値を測定して、所定の粒状度とバンディング値以内であることを満たすパッチの中で最大インク付着量と最大パス数に最も近い値になるような記録モードを選択して印字を行うインクジェット記録装置について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術は下記のような課題を有している。
まず、特許文献1に記載された手法にあっては、マルチパス印字方式を用いて印字を行う場合、印字ライン上を、ヘッドを複数回走査させる必要があるため、画像の出力にかかる時間も大幅に増加してしまうといった問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載された手法にあっては、ビーディングが発生しないようなインクの最大打ち込み量とヘッドの走査回数を、粒状度を用いて決定し、記録モードを異ならせることによって、インクの最大付着量とヘッド走査回数を最適化している。この手法では、最大に付着可能なインク量を、複数色のインクにて混色表示したグレーの粒状度測定結果によって定めている。
【0008】
特許文献2に記載された手法を採用した実験によれば、ビーディングの発生が視覚に与える影響度は色相によって大きく異なる。つまり、色によってはビーディングが発生していても見た目には影響しない色もあるため、全色相一律にインク付着量を低減してしまうと、本来出力しても問題ない色域の付着量まで低減してしまうため全体的に色再現域が狭くなってしまうといった問題があった。よって、最大インク付着量は、色相毎に最適化する必要がある。しかしながら、特許文献2には、色相毎に最適化する点に関しては考慮されていない。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、記録ヘッドの走査回数を増やすことによって出力時間を増加させることなく、色再現域が極端に狭まることのないように、ビーディングが認識されない高品位な画像が出力できる画像補正方法、画像補正装置および画像補正プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するたに、請求項1記載の発明は、入力データに基づき複数色の液滴を吐出する記録ヘッドにより記録媒体上に液滴を吐出して画像を形成するインクジェット記録装置に用いられる画像補正方法であって、CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを前記記録媒体に記録するパターン記録ステップと、前記記録媒体に記録されたパターンの粒状度を測定する画像評価ステップと、該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定する閾値決定ステップと、入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断するステップと、該判断結果と前記閾値nmaxとに基づいて画素毎に前記CMY値をより小さくなるように補正するステップとを有することを特徴とする画像補正方法である。
【0011】
請求項5記載の発明は、複数色の液滴を吐出する記録ヘッドを備え、入力データに基づいて前記記録ヘッドから記録媒体上に液滴を吐出させて画像を形成するインクジェット記録装置に用いる画像補正装置であって、CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを前記記録媒体に記録するパターン記録手段と、前記記録媒体に記録されたパターンの粒状度を測定する画像評価手段と、該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定する閾値決定手段と、入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断する手段と、該判断結果と前記閾値nmaxとに基づいて画素毎に前記CMY値をより小さくなるように補正する手段とを備えることを特徴とする画像補正装置である。
【0012】
請求項6記載の発明は、複数色の液滴を吐出する記録ヘッドを備え、入力データに基づいて前記記録ヘッドから記録媒体上に液滴を吐出させて画像を形成するインクジェット記録装置に設けられたプロセッサに実行させるプログラムであって、CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを記録するパターン記録ステップと、前記記録されたパターンの粒状度を測定する画像評価ステップと、該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定する閾値決定ステップと、入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断するステップと、該判断結果と前記閾値nmaxとに基づいて画素毎に前記CMY値をより小さくなるように補正するステップとをプロセッサに実行させることを特徴とする画像補正プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを記録媒体に記録しておき、記録媒体に記録されたパターンの粒状度を測定し、該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定し、入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断し、該判断結果と閾値nmaxとに基づいて画素毎にCMY値をより小さくなるように補正するので、記録ヘッドの走査回数を増やすことによって出力時間を増加させることなく、色再現域が極端に狭まることのないように、ビーディングが認識されない高品位な画像を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の機構部の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置に用いるシリアルヘッド方式の記録ヘッド14の要部の平面図である。
【図3】図2に示す記録ヘッド14の構成を示す概略斜視図である。
【図4】ラインヘッドの概略構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置によりインクの色組み合わせ毎の付着量最適値を決定するためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置に用いるインク付着量規制値決定用チャートである。
【図7】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるビーディングが許容される粒状度の値の関係を説明する図である。
【図8】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置によりインク色組み合わせ毎の付着量を最適化するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置に用いるインク付着量規制値について説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置に用いるプログラムの処理の流れを説明するためのである。
【図11】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置によりインク付着量最適化処理を実行するか否かをユーザに選択させるための画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明においては、副走査方向に複数のノズルを有し、該ノズルから液滴を吐出する記録ヘッドを複数個備えたインクジェット記録装置において、記録装置に搭載されている複数のインク色の組み合わせにおいて単位面積あたりのインク打ち込み量を変化させたカラーパッチを印字して粒状度を測定する。ただし、高明度色(記録濃度最大で印字したときの単位面積あたりの明度が70以上の色、例えばイエロー)と低明度色(記録濃度最大で印字したときの単位面積あたりの明度が30以下の色、例えばブラック)は除く。その理由は、本発明の目的がビーディングが認識されない画像を提供することであり、前記高明度色、低明度色はインク付着量過多の状態でもビーディングの発生が認識されない、もしくは認識されにくい色であるためである。
【0016】
さらに、インク色の組み合わせ毎に、粒状度測定結果が所定の閾値を超えていないカラーパッチの中で、最も滴量が多いパッチにおけるインク打ち込み滴量をそのインク色組み合わせのインク付着量規制値とする。さらに入力データ(RGB値)をカラーマッチング処理によってCMY値に変換した後、各画素のデータを1次色(CMY等)、2次色(CM、MY、YC等)、3次色(CMY等)のどの組み合わせに属するかを判断し、前記インク付着量規制値を超えないようにCMY値に対する補正値C'M'Y'値に変換することを特徴としている。
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の一例について、図1〜図4を参照して説明する。図1はインクジェット記録装置の機構部全体の概略構成図である。図2はインクジェット記録装置の要部の概略平面図である。図3はインクジェット記録装置を構成する記録ヘッドの概略斜視図である。図4はラインヘッドの概略構成図である。
【0018】
図1に示すインクジェット記録装置においては、装置本体301の内部に画像形成部を有しており、この装置本体301の下方に、記録媒体(以下、単に「用紙」という)を積載可能な給紙トレイ303を備えており、給紙トレイ303から供給される用紙を取り込み、搬送機構によって搬送しながら画像形成部によって所要の画像を記録した後、装置本体301の前方に装着された排紙トレイ304に用紙を排紙するようになっている。画像読取部302は例えばCCDイメージセンサを有するスキャナ機能を備えており、本発明の実施形態に係るインク付着量規制値を決定するための粒状度を評価するのに用いるカラーパッチを読み取ることができる。若しくは、装置本体301外部に別途CCDカメラ等の画像読み取り装置を設けるようにしてもよい。
【0019】
ここで、記録ヘッド14としては、例えば、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドにより、独立した4個のインクジェットヘッド14y、14m、14c、14kにより構成されるものとしてもよい。しかしながら、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、各色のインク滴を吐出する複数のノズル列を有する1つ又は複数のヘッドを用いた構成としてもよい。さらに図2にはシリアルヘッド方式のみを提示しているが、図4に示すようなラインヘッドを備えた構成としてもよい。
【0020】
次に、本発明の実施形態に係るインクの色組み合わせ毎の付着量最適値を決定するためのフローチャートを図5に示す。なお、図1に示すインクジェット記録装置301は、ROM、RAM、CPUを備えた制御部(図示しない)を有し、この制御部により以下のフローチャートで示すプログラムが実行されることとする。
まず、ステップS1では、制御部は、インク付着量規制値を決定するための粒状度を評価するパターンを用紙に印刷して出力を行う。出力パターンとしては例えば図6に示すようなチャートが考えられる。
【0021】
図6において、括弧内の数値は入力データ(RGB値)を反転処理した後のCMY値を表しており、単色では0〜255、2次色、3次色ではCMY値をそれぞれ足し合わせた数値を表している。記録パターンはユーザによる操作指示に応じた出力命令に際して、指定された記録解像度に応じて出力される。記録パターンは図6に示すようなテストチャートとして記録してもいいが、広幅機などのようにロール紙を用いる場合には記録部の周辺の非記録部としてカットされる部分に記録してもよい。
【0022】
ステップS2では、制御部は、記録パターンが用紙に印刷されて出力された後、画像読取部302に用紙上に印刷されたパターン画像の読み込みを行わせ、ステップS3では、制御部は、各パターン画像の粒状度Gcolor(n)を求める。ここで、colorはインク色の組み合わせ(図6に示すところのC、C+Mなど)、nは前記CMY値(図6に示すところの括弧内の数値)をそれぞれ示すものとする。粒状度とは、画像上の濃度ばらつきに起因する粒状のランダムなテクスチャを指し、粒状性が悪い(粒が粗い)ほど画像がざらついた印象となる。粒状性の評価方法としてはRMS粒状度、自己相関関数、ウィナースペクトル等がある。
【0023】
ここではRMS粒状度とウィナースペクトラムについて説明する。
まず、RMS粒状度は粒状模様の、ある限られた範囲での濃度の変動や黒化銀粒子の感光特性を計測して得られる物理量であり、以下の式にて求められる。
【数1】
【0024】
次に、ウィナースペクトルを用いた粒状度評価式Gcolorについては以下の式にて表される。
【数2】
この式は、以下に示すDooleyらの評価式を色度成分にも適用し、明度成分との線形和をとったものである。
Dooleyらの粒状性(GS)評価式を以下に示す。
【数3】
【0025】
ここで、WSB(u)、WSC1(u)、WSC2(u)は明度成分および色度成分のウィナ−スペクトラム、VTFB(u)、VTFC1(u)、VTFC2(u)は明度成分および色度成分に対する視覚の空間周波数特性(VTF)である。
【数4】
は平均明度
【数5】
を変数とする関数であり、Dooleyらの評価式における平均濃度に対する補正関数と同様に平均明度が異なる場合でも(1)式が成り立つよう補正するための関数である。また、PB、PC1、PC2 は各成分(明度と2つの色度)の粒状性への寄与を表す重み、Cは定数である。
【0026】
粒状度を測定した後、ステップS4では、制御部は、粒状度Gcolor(n)とビーディング許容閾値T(color)との比較が行われる。
なお、記録パターンの粒状度Gcolor(n)は、粒状性を評価した値であって記録パターンの明度(L*)と彩度(a*、b*)の各成分に対する空間周波数に視覚の周波数特性の重み付けした特性を全周波数で積分した値(面積)を評価し、数値化した値である。また、記録パターンの粒状度Gcolor(n)は、粒状性を評価した値であって記録パターンの濃度のばらつきを、平均濃度からの偏差の二乗平均平方根で表したRMS粒状度の値であってもよい。
【0027】
一方、閾値T(color)は、ビーディングが発生した場合の許容ラインとなる粒状度を評価した値であって、粒状の濃度のばらつきを、平均濃度からの偏差の二乗平均平方根で表したRMS粒状度の値である。また、閾値T(color)は、画像形成装置に搭載されている液滴の色(例えばシアン、マゼンタ、イエロー)において1色で表示した場合の色(CMY等の単色)、2色で混色表示した場合の色(CM、MY、YC等の2次色)、3色で混色表示した場合の色(CMY等の3次色)といったインク色の組み合わせ毎に定められている値である。
【0028】
粒状度Gcolor(n)がビーディング許容閾値T(color)よりも小さい場合にはステップS5に進み、ステップS5では、制御部は、ビーディング発生予測フラグをBf=0と設定する。一方、粒状度Gcolor(n)がビーディング許容閾値T(color)よりも大きい場合にはステップS6に進み、ステップS6では、制御部は、ビーディング発生予測フラグをBf=1と設定する。
前記閾値T(color)はビーディングが発生した場合に、それが許容できなくなる(許容閾値となる)粒状度を評価した値をインク色の組み合わせ毎に定めたものである。本発明者らの実験結果によれば、ビーディングが発生した場合に許容される粒状度のレベルは色相毎に異なることが分かっており、例えば図7に示すような関係となる。
【0029】
図7に示すように、例えばマゼンタは粒状度が0.19でビーディングとして許容できなくなるのに対し、ブルーは粒状度0.31が許容閾値となっており、大きな差がある。
本実施形態では、インク色の組み合わせ毎に定められる粒状度の値をそのインク色組み合わせの閾値をビーディング許容閾値T(color)として定め、その値は画像形成装置毎(搭載されているインクの色数)に応じて固定で備えてある値である。
さらに、ステップS7では、制御部は、全colorについてnmax(color)を決定したか否かを判断し、全colorについて未決定の場合にはステップS2に戻る。全colorについて決定した場合には処理を終了する。これにより、制御部は、ビーディング許容閾値T(color)を超えない粒状度Gcolor(n)の中で最大となるnの値、つまりビーディングが発生していても許容されるインク付着量のレベルをインク付着量規制値nmax(color)として定める。
【0030】
次に、本発明の実施形態に係るインク色組み合わせ毎の付着量を最適化するフローチャートを図8に示す。
まず、ステップS11では、制御部は、入力データを読み込む。ステップS12では、制御部は、入力データ(RGB値)を反転処理によってCMY値に変換する。ここでCMY値とはCMYにそれぞれ0〜255までの数値が代入されていることを示す。
さらに、ステップS13では、制御部は、CMY値が1次色、2次色、3次色のどのインク色組み合わせであるかを判断する。例えばCMY値がそれぞれC=230、M=40、Y=0であればC+Mのインク組み合わせであると判断される。
ステップS14では、制御部は、インク色の組み合わせ毎のnmax(color)値を格納する。ステップS15では、制御部は、CMY値をそれぞれ足し合わせたC+M+Yがインク付着量許容規制値nmax(color)を超えていないかを判断する。nmax(color)は前記記録パターンの粒状度測定結果から求められており、例えば図9に示すように格納されているものとする。
【0031】
インク付着量規制値は図9に示す数値に限ったものではなく、上記記録パターンの評価結果に応じて流動的に変化するものである。ステップS15での判断の結果nmax(color)を超えると判断された場合は、ステップS16において、制御部は、nmax(color)の値を超えないC'M'Y'値にそれぞれ補正される。逆にnmax(color)を超えないと判断された場合は、補正を行わず次の画素のデータ判断にシフトする。
ここで、ステップS16における補正方法について説明する。例えばC=240、M=248、Y=0であった場合を考えるとC+M+Y=240+248+0=488となる。このCMY値はY=0であるので、図9におけるC+Mの組み合わせに属するためnmax(C+M)=430の値によって補正が行われる。
【0032】
このとき補正値C'M'Y'はそれぞれ以下の式にて表され、
C'=C*[nmax(C+M)/(C+M)]=240*(430488)=211
M'=M*[nmax(C+M)/(C+M)]=248*(430488)=219
Y'=0
となる。
ステップS17では、制御部は、全ての画素についての処理を終了したか否かを判断する。全ての画素についての処理が終了していない場合には、ステップS11に戻る。一方、全ての画素についての処理が終了した場合には、本フローチャートで示す処理を終了する。
【0033】
以上のように、複数色の液滴を吐出する記録ヘッド14を備え、入力データに記録媒体上に液滴を吐出させて画像を形成するインクジェット記録装置301に用いる画像補正方法であって、パターン記録ステップ(S1)ではCMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを記録し、画像評価ステップ(S2、S3)では記録されたパターンの粒状度を測定し、閾値決定ステップ(S7)では該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定し、ステップ(S11〜S15)では入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断し、ステップ(S16)では該判断結果と閾値nmaxとに基づいて画素毎にCMY値をより小さくなるように補正するので、記録ヘッド14の走査回数を増やすことによって出力時間を増加させることなく、色再現域が極端に狭まることのないように、ビーディングが認識されない高品位な画像を用紙に印刷して出力することができる。
【0034】
ここで、本発明の実施形態に係るプログラム処理の流れの例について図10に示すフローチャートを参照して説明する。
本発明の実施形態に係るプログラムであるプリンタドライバは、ステップS410では、制御部は、アプリケーションソフトなどから与えられた画像データを入力する。
ステップS411では、制御部は、インク付着量最適化処理を実行するか否かを判断する。その際に、図11に示すようなインク付着量最適化処理を実行するか否かの選択画面を画像形成装置に備えてあるディスプレイ装置等に表示し、ユーザによる操作に応じて「はい」が選択された場合にステップS412に進む。ユーザによる操作に応じて「いいえ」が選択された場合にステップS420に進む。図11に示す画面表示の例は、インク付着量最適化処理を実行するか否かの選択画面表示を示している。
【0035】
インク付着量最適化処理を実行する場合、ステップS412では、制御部は、色毎インク付量決定処理を行う。ここで、ステップS412では、図5にフローチャートで示すプログラムである、インク色組み合わせ毎の付着量最適値決定処理を実行する。
ステップS413では、制御部は、アプリケーションソフトなどから与えられた画像データをモニタ表示用の色空間から記録装置(画像形成装置)用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行うCMM(Color Management Module)処理を行う。
ステップS414では、制御部は、インク付着量最適化処理を行う。ここで、ステップS414では、図8にフローチャートで示すプログラムである、インク色組み合わせ毎のインク付着量最適化処理を実行する。
【0036】
ステップS415では、制御部は、CMY値から黒生成/下色除去を行うBG/UCR(black generation/ Under Color Removal)処理を行う。
ステップS416では、制御部は、Γ補正を行う。ステップS417では、制御部は、中間調処理を行う。ステップS418では、制御部は、ラスタライジング処理を行う。ステップS419では、制御部は、上記処理後の画像データを用紙に印刷して出力し、処理を終了する。
【0037】
インク付着量最適化処理を実行しない場合、ステップS420では、制御部は、上記CMM処理を行う。ステップS421では、制御部は、上記BG/UCR処理を行う。ステップS422では、制御部は、総量規制処理を行う。ステップS423では、制御部は、上記Γ補正処理を行う。
ステップS424では、制御部は、中間調処理を行う。ステップS425では、制御部は、ラスタライジング処理を行う。ステップS426では、制御部は、上記処理後の画像データを用紙に印刷して出力し、処理を終了する。
【0038】
なお、ステップS411での判断により、ステップS420に分岐して以降の処理を実行した結果、換言すると、ステップS414でのインク付着量最適化処理を行わずに印刷出力した場合、その印刷出力結果がユーザの希望する結果でなかったときは、処理装置は、インク付着量最適化処理を行う旨のユーザによる指示を受け付けて再度同じ原稿について処理を行った上で印刷出力することができる。
【0039】
本発明の実施形態に係るインク付着量最適化処理は、ユーザの指示によって行われるものでありステップS411に示すように、ユーザによって記録紙・記録モードが決定されたタイミング、またはインク付着量最適化処理を実行しなかった場合の記録が終了したタイミングでインク付着量最適化処理を行うか否かを選択することができる。
こうすることで、記録紙と記録モードに合ったインク付着量を定めることができ、且つインク付着量最適化処理を実行しなかった場合でも、記録結果を確認して結果に満足いかなかった場合にのみ再度インク付着量最適化処理を実行した上での記録を行うことができる。
【0040】
以上のように、本実施形態による画像形成方法によれば、ビーディングの発生が認識しにくい高明度色、低明度色以外の色の組み合わせにおいてインク打ち込み滴量を変化させたカラー記録パターンを印字して粒状度を測定し、さらにある色の組み合わせにおいて、粒状度測定結果が所定の閾値を超えていないカラーパターンの中で、最も滴量が多いパターンにおけるインク打ち込み滴量をその色のインク組み合わせの付着量規制値として定め、それらの規制値を超える画像データのみを抽出して補正処理を行うことによって、全色一律にインクの付着量を低減してしまうことによって色再現域が狭くなってしまうことを最小限に抑えつつ、且つヘッドの走査回数が増加することによって出力時間を増加することもなくビーディングを防止した高品位な画像を提供することができる。
【符号の説明】
【0041】
14 記録ヘッド
14y インクジェットヘッド
14m インクジェットヘッド
14c インクジェットヘッド
14k インクジェットヘッド
301 インクジェット記録装置
303 給紙トレイ
304 排紙トレイ
302 画像読取部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0042】
【特許文献1】特開2002−96455号公報
【特許文献2】特開2008−149564号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに応じて、紙面上の記録密度を異ならせるために記録ヘッドから大きさの異なるインクを吐出して画像を形成する画像補正方法、画像補正装置および画像補正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、及びこれらの機能を兼ね備えた複合機等における画像形成方法として、インクを液滴に分離し、画像信号に応じて記録対象に向けて吐出し、インクを対象物に付着させるインクジェット方式が知られている。
インクジェット方式では、記録対象に向けて非接触でインク滴を直接吐出するだけで記録が行えるため、記録対象を広範囲に選択でき、普通紙、はがき、コート紙、光沢紙、OHPなどの様々な記録媒体へのプリントが可能である。
【0003】
しかしながら、インク吸収性の低いメディアに濃度が高いパターン印字を行う場合には、着弾させたインクが定着する前に隣接してインクが着弾してしまうことがある。この場合、乾燥しきれていないインク滴同士が引き合って、凝集し、凝集した部分の色が濃くなるため、見た目では色ムラとして認識される。この現象をビーディングといい、画質劣化の要因の1つである。このビーディングを防止するための技術が提案されており、既に知られている。
【0004】
このようなビーディングを防止するための提案として、特許文献1では、マルチパス方式という印字方法が報告されている。特許文献1にあっては、マルチパス印字方式を用いた場合、主走査方向の印字ラインを異なるノズルを用いて形成するため、ドットの着弾位置ズレが分散されて目立たなくなるという利点を有している。
【0005】
特許文献2では、ビーディングを防止する目的で、複数の記録モードに対応した記録媒体以外の記録媒体を用いる場合について報告されている。特許文献2にあっては、インク付着量とパス数の条件をそれぞれ振った複数のパッチを記録し、それらのパッチをスキャナで読み取り、パッチ毎の粒状度とバンディング値を測定して、所定の粒状度とバンディング値以内であることを満たすパッチの中で最大インク付着量と最大パス数に最も近い値になるような記録モードを選択して印字を行うインクジェット記録装置について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術は下記のような課題を有している。
まず、特許文献1に記載された手法にあっては、マルチパス印字方式を用いて印字を行う場合、印字ライン上を、ヘッドを複数回走査させる必要があるため、画像の出力にかかる時間も大幅に増加してしまうといった問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載された手法にあっては、ビーディングが発生しないようなインクの最大打ち込み量とヘッドの走査回数を、粒状度を用いて決定し、記録モードを異ならせることによって、インクの最大付着量とヘッド走査回数を最適化している。この手法では、最大に付着可能なインク量を、複数色のインクにて混色表示したグレーの粒状度測定結果によって定めている。
【0008】
特許文献2に記載された手法を採用した実験によれば、ビーディングの発生が視覚に与える影響度は色相によって大きく異なる。つまり、色によってはビーディングが発生していても見た目には影響しない色もあるため、全色相一律にインク付着量を低減してしまうと、本来出力しても問題ない色域の付着量まで低減してしまうため全体的に色再現域が狭くなってしまうといった問題があった。よって、最大インク付着量は、色相毎に最適化する必要がある。しかしながら、特許文献2には、色相毎に最適化する点に関しては考慮されていない。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、記録ヘッドの走査回数を増やすことによって出力時間を増加させることなく、色再現域が極端に狭まることのないように、ビーディングが認識されない高品位な画像が出力できる画像補正方法、画像補正装置および画像補正プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するたに、請求項1記載の発明は、入力データに基づき複数色の液滴を吐出する記録ヘッドにより記録媒体上に液滴を吐出して画像を形成するインクジェット記録装置に用いられる画像補正方法であって、CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを前記記録媒体に記録するパターン記録ステップと、前記記録媒体に記録されたパターンの粒状度を測定する画像評価ステップと、該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定する閾値決定ステップと、入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断するステップと、該判断結果と前記閾値nmaxとに基づいて画素毎に前記CMY値をより小さくなるように補正するステップとを有することを特徴とする画像補正方法である。
【0011】
請求項5記載の発明は、複数色の液滴を吐出する記録ヘッドを備え、入力データに基づいて前記記録ヘッドから記録媒体上に液滴を吐出させて画像を形成するインクジェット記録装置に用いる画像補正装置であって、CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを前記記録媒体に記録するパターン記録手段と、前記記録媒体に記録されたパターンの粒状度を測定する画像評価手段と、該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定する閾値決定手段と、入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断する手段と、該判断結果と前記閾値nmaxとに基づいて画素毎に前記CMY値をより小さくなるように補正する手段とを備えることを特徴とする画像補正装置である。
【0012】
請求項6記載の発明は、複数色の液滴を吐出する記録ヘッドを備え、入力データに基づいて前記記録ヘッドから記録媒体上に液滴を吐出させて画像を形成するインクジェット記録装置に設けられたプロセッサに実行させるプログラムであって、CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを記録するパターン記録ステップと、前記記録されたパターンの粒状度を測定する画像評価ステップと、該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定する閾値決定ステップと、入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断するステップと、該判断結果と前記閾値nmaxとに基づいて画素毎に前記CMY値をより小さくなるように補正するステップとをプロセッサに実行させることを特徴とする画像補正プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを記録媒体に記録しておき、記録媒体に記録されたパターンの粒状度を測定し、該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定し、入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断し、該判断結果と閾値nmaxとに基づいて画素毎にCMY値をより小さくなるように補正するので、記録ヘッドの走査回数を増やすことによって出力時間を増加させることなく、色再現域が極端に狭まることのないように、ビーディングが認識されない高品位な画像を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の機構部の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置に用いるシリアルヘッド方式の記録ヘッド14の要部の平面図である。
【図3】図2に示す記録ヘッド14の構成を示す概略斜視図である。
【図4】ラインヘッドの概略構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置によりインクの色組み合わせ毎の付着量最適値を決定するためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置に用いるインク付着量規制値決定用チャートである。
【図7】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるビーディングが許容される粒状度の値の関係を説明する図である。
【図8】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置によりインク色組み合わせ毎の付着量を最適化するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置に用いるインク付着量規制値について説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置に用いるプログラムの処理の流れを説明するためのである。
【図11】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置によりインク付着量最適化処理を実行するか否かをユーザに選択させるための画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明においては、副走査方向に複数のノズルを有し、該ノズルから液滴を吐出する記録ヘッドを複数個備えたインクジェット記録装置において、記録装置に搭載されている複数のインク色の組み合わせにおいて単位面積あたりのインク打ち込み量を変化させたカラーパッチを印字して粒状度を測定する。ただし、高明度色(記録濃度最大で印字したときの単位面積あたりの明度が70以上の色、例えばイエロー)と低明度色(記録濃度最大で印字したときの単位面積あたりの明度が30以下の色、例えばブラック)は除く。その理由は、本発明の目的がビーディングが認識されない画像を提供することであり、前記高明度色、低明度色はインク付着量過多の状態でもビーディングの発生が認識されない、もしくは認識されにくい色であるためである。
【0016】
さらに、インク色の組み合わせ毎に、粒状度測定結果が所定の閾値を超えていないカラーパッチの中で、最も滴量が多いパッチにおけるインク打ち込み滴量をそのインク色組み合わせのインク付着量規制値とする。さらに入力データ(RGB値)をカラーマッチング処理によってCMY値に変換した後、各画素のデータを1次色(CMY等)、2次色(CM、MY、YC等)、3次色(CMY等)のどの組み合わせに属するかを判断し、前記インク付着量規制値を超えないようにCMY値に対する補正値C'M'Y'値に変換することを特徴としている。
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の一例について、図1〜図4を参照して説明する。図1はインクジェット記録装置の機構部全体の概略構成図である。図2はインクジェット記録装置の要部の概略平面図である。図3はインクジェット記録装置を構成する記録ヘッドの概略斜視図である。図4はラインヘッドの概略構成図である。
【0018】
図1に示すインクジェット記録装置においては、装置本体301の内部に画像形成部を有しており、この装置本体301の下方に、記録媒体(以下、単に「用紙」という)を積載可能な給紙トレイ303を備えており、給紙トレイ303から供給される用紙を取り込み、搬送機構によって搬送しながら画像形成部によって所要の画像を記録した後、装置本体301の前方に装着された排紙トレイ304に用紙を排紙するようになっている。画像読取部302は例えばCCDイメージセンサを有するスキャナ機能を備えており、本発明の実施形態に係るインク付着量規制値を決定するための粒状度を評価するのに用いるカラーパッチを読み取ることができる。若しくは、装置本体301外部に別途CCDカメラ等の画像読み取り装置を設けるようにしてもよい。
【0019】
ここで、記録ヘッド14としては、例えば、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドにより、独立した4個のインクジェットヘッド14y、14m、14c、14kにより構成されるものとしてもよい。しかしながら、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、各色のインク滴を吐出する複数のノズル列を有する1つ又は複数のヘッドを用いた構成としてもよい。さらに図2にはシリアルヘッド方式のみを提示しているが、図4に示すようなラインヘッドを備えた構成としてもよい。
【0020】
次に、本発明の実施形態に係るインクの色組み合わせ毎の付着量最適値を決定するためのフローチャートを図5に示す。なお、図1に示すインクジェット記録装置301は、ROM、RAM、CPUを備えた制御部(図示しない)を有し、この制御部により以下のフローチャートで示すプログラムが実行されることとする。
まず、ステップS1では、制御部は、インク付着量規制値を決定するための粒状度を評価するパターンを用紙に印刷して出力を行う。出力パターンとしては例えば図6に示すようなチャートが考えられる。
【0021】
図6において、括弧内の数値は入力データ(RGB値)を反転処理した後のCMY値を表しており、単色では0〜255、2次色、3次色ではCMY値をそれぞれ足し合わせた数値を表している。記録パターンはユーザによる操作指示に応じた出力命令に際して、指定された記録解像度に応じて出力される。記録パターンは図6に示すようなテストチャートとして記録してもいいが、広幅機などのようにロール紙を用いる場合には記録部の周辺の非記録部としてカットされる部分に記録してもよい。
【0022】
ステップS2では、制御部は、記録パターンが用紙に印刷されて出力された後、画像読取部302に用紙上に印刷されたパターン画像の読み込みを行わせ、ステップS3では、制御部は、各パターン画像の粒状度Gcolor(n)を求める。ここで、colorはインク色の組み合わせ(図6に示すところのC、C+Mなど)、nは前記CMY値(図6に示すところの括弧内の数値)をそれぞれ示すものとする。粒状度とは、画像上の濃度ばらつきに起因する粒状のランダムなテクスチャを指し、粒状性が悪い(粒が粗い)ほど画像がざらついた印象となる。粒状性の評価方法としてはRMS粒状度、自己相関関数、ウィナースペクトル等がある。
【0023】
ここではRMS粒状度とウィナースペクトラムについて説明する。
まず、RMS粒状度は粒状模様の、ある限られた範囲での濃度の変動や黒化銀粒子の感光特性を計測して得られる物理量であり、以下の式にて求められる。
【数1】
【0024】
次に、ウィナースペクトルを用いた粒状度評価式Gcolorについては以下の式にて表される。
【数2】
この式は、以下に示すDooleyらの評価式を色度成分にも適用し、明度成分との線形和をとったものである。
Dooleyらの粒状性(GS)評価式を以下に示す。
【数3】
【0025】
ここで、WSB(u)、WSC1(u)、WSC2(u)は明度成分および色度成分のウィナ−スペクトラム、VTFB(u)、VTFC1(u)、VTFC2(u)は明度成分および色度成分に対する視覚の空間周波数特性(VTF)である。
【数4】
は平均明度
【数5】
を変数とする関数であり、Dooleyらの評価式における平均濃度に対する補正関数と同様に平均明度が異なる場合でも(1)式が成り立つよう補正するための関数である。また、PB、PC1、PC2 は各成分(明度と2つの色度)の粒状性への寄与を表す重み、Cは定数である。
【0026】
粒状度を測定した後、ステップS4では、制御部は、粒状度Gcolor(n)とビーディング許容閾値T(color)との比較が行われる。
なお、記録パターンの粒状度Gcolor(n)は、粒状性を評価した値であって記録パターンの明度(L*)と彩度(a*、b*)の各成分に対する空間周波数に視覚の周波数特性の重み付けした特性を全周波数で積分した値(面積)を評価し、数値化した値である。また、記録パターンの粒状度Gcolor(n)は、粒状性を評価した値であって記録パターンの濃度のばらつきを、平均濃度からの偏差の二乗平均平方根で表したRMS粒状度の値であってもよい。
【0027】
一方、閾値T(color)は、ビーディングが発生した場合の許容ラインとなる粒状度を評価した値であって、粒状の濃度のばらつきを、平均濃度からの偏差の二乗平均平方根で表したRMS粒状度の値である。また、閾値T(color)は、画像形成装置に搭載されている液滴の色(例えばシアン、マゼンタ、イエロー)において1色で表示した場合の色(CMY等の単色)、2色で混色表示した場合の色(CM、MY、YC等の2次色)、3色で混色表示した場合の色(CMY等の3次色)といったインク色の組み合わせ毎に定められている値である。
【0028】
粒状度Gcolor(n)がビーディング許容閾値T(color)よりも小さい場合にはステップS5に進み、ステップS5では、制御部は、ビーディング発生予測フラグをBf=0と設定する。一方、粒状度Gcolor(n)がビーディング許容閾値T(color)よりも大きい場合にはステップS6に進み、ステップS6では、制御部は、ビーディング発生予測フラグをBf=1と設定する。
前記閾値T(color)はビーディングが発生した場合に、それが許容できなくなる(許容閾値となる)粒状度を評価した値をインク色の組み合わせ毎に定めたものである。本発明者らの実験結果によれば、ビーディングが発生した場合に許容される粒状度のレベルは色相毎に異なることが分かっており、例えば図7に示すような関係となる。
【0029】
図7に示すように、例えばマゼンタは粒状度が0.19でビーディングとして許容できなくなるのに対し、ブルーは粒状度0.31が許容閾値となっており、大きな差がある。
本実施形態では、インク色の組み合わせ毎に定められる粒状度の値をそのインク色組み合わせの閾値をビーディング許容閾値T(color)として定め、その値は画像形成装置毎(搭載されているインクの色数)に応じて固定で備えてある値である。
さらに、ステップS7では、制御部は、全colorについてnmax(color)を決定したか否かを判断し、全colorについて未決定の場合にはステップS2に戻る。全colorについて決定した場合には処理を終了する。これにより、制御部は、ビーディング許容閾値T(color)を超えない粒状度Gcolor(n)の中で最大となるnの値、つまりビーディングが発生していても許容されるインク付着量のレベルをインク付着量規制値nmax(color)として定める。
【0030】
次に、本発明の実施形態に係るインク色組み合わせ毎の付着量を最適化するフローチャートを図8に示す。
まず、ステップS11では、制御部は、入力データを読み込む。ステップS12では、制御部は、入力データ(RGB値)を反転処理によってCMY値に変換する。ここでCMY値とはCMYにそれぞれ0〜255までの数値が代入されていることを示す。
さらに、ステップS13では、制御部は、CMY値が1次色、2次色、3次色のどのインク色組み合わせであるかを判断する。例えばCMY値がそれぞれC=230、M=40、Y=0であればC+Mのインク組み合わせであると判断される。
ステップS14では、制御部は、インク色の組み合わせ毎のnmax(color)値を格納する。ステップS15では、制御部は、CMY値をそれぞれ足し合わせたC+M+Yがインク付着量許容規制値nmax(color)を超えていないかを判断する。nmax(color)は前記記録パターンの粒状度測定結果から求められており、例えば図9に示すように格納されているものとする。
【0031】
インク付着量規制値は図9に示す数値に限ったものではなく、上記記録パターンの評価結果に応じて流動的に変化するものである。ステップS15での判断の結果nmax(color)を超えると判断された場合は、ステップS16において、制御部は、nmax(color)の値を超えないC'M'Y'値にそれぞれ補正される。逆にnmax(color)を超えないと判断された場合は、補正を行わず次の画素のデータ判断にシフトする。
ここで、ステップS16における補正方法について説明する。例えばC=240、M=248、Y=0であった場合を考えるとC+M+Y=240+248+0=488となる。このCMY値はY=0であるので、図9におけるC+Mの組み合わせに属するためnmax(C+M)=430の値によって補正が行われる。
【0032】
このとき補正値C'M'Y'はそれぞれ以下の式にて表され、
C'=C*[nmax(C+M)/(C+M)]=240*(430488)=211
M'=M*[nmax(C+M)/(C+M)]=248*(430488)=219
Y'=0
となる。
ステップS17では、制御部は、全ての画素についての処理を終了したか否かを判断する。全ての画素についての処理が終了していない場合には、ステップS11に戻る。一方、全ての画素についての処理が終了した場合には、本フローチャートで示す処理を終了する。
【0033】
以上のように、複数色の液滴を吐出する記録ヘッド14を備え、入力データに記録媒体上に液滴を吐出させて画像を形成するインクジェット記録装置301に用いる画像補正方法であって、パターン記録ステップ(S1)ではCMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを記録し、画像評価ステップ(S2、S3)では記録されたパターンの粒状度を測定し、閾値決定ステップ(S7)では該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定し、ステップ(S11〜S15)では入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断し、ステップ(S16)では該判断結果と閾値nmaxとに基づいて画素毎にCMY値をより小さくなるように補正するので、記録ヘッド14の走査回数を増やすことによって出力時間を増加させることなく、色再現域が極端に狭まることのないように、ビーディングが認識されない高品位な画像を用紙に印刷して出力することができる。
【0034】
ここで、本発明の実施形態に係るプログラム処理の流れの例について図10に示すフローチャートを参照して説明する。
本発明の実施形態に係るプログラムであるプリンタドライバは、ステップS410では、制御部は、アプリケーションソフトなどから与えられた画像データを入力する。
ステップS411では、制御部は、インク付着量最適化処理を実行するか否かを判断する。その際に、図11に示すようなインク付着量最適化処理を実行するか否かの選択画面を画像形成装置に備えてあるディスプレイ装置等に表示し、ユーザによる操作に応じて「はい」が選択された場合にステップS412に進む。ユーザによる操作に応じて「いいえ」が選択された場合にステップS420に進む。図11に示す画面表示の例は、インク付着量最適化処理を実行するか否かの選択画面表示を示している。
【0035】
インク付着量最適化処理を実行する場合、ステップS412では、制御部は、色毎インク付量決定処理を行う。ここで、ステップS412では、図5にフローチャートで示すプログラムである、インク色組み合わせ毎の付着量最適値決定処理を実行する。
ステップS413では、制御部は、アプリケーションソフトなどから与えられた画像データをモニタ表示用の色空間から記録装置(画像形成装置)用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行うCMM(Color Management Module)処理を行う。
ステップS414では、制御部は、インク付着量最適化処理を行う。ここで、ステップS414では、図8にフローチャートで示すプログラムである、インク色組み合わせ毎のインク付着量最適化処理を実行する。
【0036】
ステップS415では、制御部は、CMY値から黒生成/下色除去を行うBG/UCR(black generation/ Under Color Removal)処理を行う。
ステップS416では、制御部は、Γ補正を行う。ステップS417では、制御部は、中間調処理を行う。ステップS418では、制御部は、ラスタライジング処理を行う。ステップS419では、制御部は、上記処理後の画像データを用紙に印刷して出力し、処理を終了する。
【0037】
インク付着量最適化処理を実行しない場合、ステップS420では、制御部は、上記CMM処理を行う。ステップS421では、制御部は、上記BG/UCR処理を行う。ステップS422では、制御部は、総量規制処理を行う。ステップS423では、制御部は、上記Γ補正処理を行う。
ステップS424では、制御部は、中間調処理を行う。ステップS425では、制御部は、ラスタライジング処理を行う。ステップS426では、制御部は、上記処理後の画像データを用紙に印刷して出力し、処理を終了する。
【0038】
なお、ステップS411での判断により、ステップS420に分岐して以降の処理を実行した結果、換言すると、ステップS414でのインク付着量最適化処理を行わずに印刷出力した場合、その印刷出力結果がユーザの希望する結果でなかったときは、処理装置は、インク付着量最適化処理を行う旨のユーザによる指示を受け付けて再度同じ原稿について処理を行った上で印刷出力することができる。
【0039】
本発明の実施形態に係るインク付着量最適化処理は、ユーザの指示によって行われるものでありステップS411に示すように、ユーザによって記録紙・記録モードが決定されたタイミング、またはインク付着量最適化処理を実行しなかった場合の記録が終了したタイミングでインク付着量最適化処理を行うか否かを選択することができる。
こうすることで、記録紙と記録モードに合ったインク付着量を定めることができ、且つインク付着量最適化処理を実行しなかった場合でも、記録結果を確認して結果に満足いかなかった場合にのみ再度インク付着量最適化処理を実行した上での記録を行うことができる。
【0040】
以上のように、本実施形態による画像形成方法によれば、ビーディングの発生が認識しにくい高明度色、低明度色以外の色の組み合わせにおいてインク打ち込み滴量を変化させたカラー記録パターンを印字して粒状度を測定し、さらにある色の組み合わせにおいて、粒状度測定結果が所定の閾値を超えていないカラーパターンの中で、最も滴量が多いパターンにおけるインク打ち込み滴量をその色のインク組み合わせの付着量規制値として定め、それらの規制値を超える画像データのみを抽出して補正処理を行うことによって、全色一律にインクの付着量を低減してしまうことによって色再現域が狭くなってしまうことを最小限に抑えつつ、且つヘッドの走査回数が増加することによって出力時間を増加することもなくビーディングを防止した高品位な画像を提供することができる。
【符号の説明】
【0041】
14 記録ヘッド
14y インクジェットヘッド
14m インクジェットヘッド
14c インクジェットヘッド
14k インクジェットヘッド
301 インクジェット記録装置
303 給紙トレイ
304 排紙トレイ
302 画像読取部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0042】
【特許文献1】特開2002−96455号公報
【特許文献2】特開2008−149564号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データに基づき複数色の液滴を吐出する記録ヘッドにより記録媒体上に液滴を吐出して画像を形成するインクジェット記録装置に用いられる画像補正方法であって、
CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを前記記録媒体に記録するパターン記録ステップと、
前記記録媒体に記録されたパターンの粒状度を測定する画像評価ステップと、
該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定する閾値決定ステップと、
入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断するステップと、
該判断結果と前記閾値nmaxとに基づいて画素毎に前記CMY値をより小さくなるように補正するステップとを有することを特徴とする画像補正方法。
【請求項2】
前記閾値決定ステップは、予め定められた限界付着量Tを超えない最大の粒状度に対応するCMY値に基づいて前記閾値を決定することを特徴とする請求項1記載の画像補正方法。
【請求項3】
前記閾値決定ステップにより決定される前記閾値は、前記複数色の液滴の色のうち、1色乃至複数色を組み合わせた混色毎に定められている値であることを特徴とする請求項1に記載の画像補正方法。
【請求項4】
前記画像評価ステップにより測定される粒状度は、画像読取手段によって得られたデジタルイメージから検出される値であることを特徴とする請求項1に記載の画像補正方法。
【請求項5】
複数色の液滴を吐出する記録ヘッドを備え、
入力データに基づいて前記記録ヘッドから記録媒体上に液滴を吐出させて画像を形成するインクジェット記録装置に用いる画像補正装置であって、
CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを前記記録媒体に記録するパターン記録手段と、
前記記録媒体に記録されたパターンの粒状度を測定する画像評価手段と、
該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定する閾値決定手段と、
入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断する手段と、
該判断結果と前記閾値nmaxとに基づいて画素毎に前記CMY値をより小さくなるように補正する手段とを備えることを特徴とする画像補正装置。
【請求項6】
複数色の液滴を吐出する記録ヘッドを備え、入力データに基づいて前記記録ヘッドから記録媒体上に液滴を吐出させて画像を形成するインクジェット記録装置に設けられたプロセッサに実行させるプログラムであって、
CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを記録するパターン記録ステップと、
前記記録されたパターンの粒状度を測定する画像評価ステップと、
該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定する閾値決定ステップと、
入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断するステップと、
該判断結果と前記閾値nmaxとに基づいて画素毎に前記CMY値をより小さくなるように補正するステップとをプロセッサに実行させることを特徴とする画像補正プログラム。
【請求項1】
入力データに基づき複数色の液滴を吐出する記録ヘッドにより記録媒体上に液滴を吐出して画像を形成するインクジェット記録装置に用いられる画像補正方法であって、
CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを前記記録媒体に記録するパターン記録ステップと、
前記記録媒体に記録されたパターンの粒状度を測定する画像評価ステップと、
該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定する閾値決定ステップと、
入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断するステップと、
該判断結果と前記閾値nmaxとに基づいて画素毎に前記CMY値をより小さくなるように補正するステップとを有することを特徴とする画像補正方法。
【請求項2】
前記閾値決定ステップは、予め定められた限界付着量Tを超えない最大の粒状度に対応するCMY値に基づいて前記閾値を決定することを特徴とする請求項1記載の画像補正方法。
【請求項3】
前記閾値決定ステップにより決定される前記閾値は、前記複数色の液滴の色のうち、1色乃至複数色を組み合わせた混色毎に定められている値であることを特徴とする請求項1に記載の画像補正方法。
【請求項4】
前記画像評価ステップにより測定される粒状度は、画像読取手段によって得られたデジタルイメージから検出される値であることを特徴とする請求項1に記載の画像補正方法。
【請求項5】
複数色の液滴を吐出する記録ヘッドを備え、
入力データに基づいて前記記録ヘッドから記録媒体上に液滴を吐出させて画像を形成するインクジェット記録装置に用いる画像補正装置であって、
CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを前記記録媒体に記録するパターン記録手段と、
前記記録媒体に記録されたパターンの粒状度を測定する画像評価手段と、
該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定する閾値決定手段と、
入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断する手段と、
該判断結果と前記閾値nmaxとに基づいて画素毎に前記CMY値をより小さくなるように補正する手段とを備えることを特徴とする画像補正装置。
【請求項6】
複数色の液滴を吐出する記録ヘッドを備え、入力データに基づいて前記記録ヘッドから記録媒体上に液滴を吐出させて画像を形成するインクジェット記録装置に設けられたプロセッサに実行させるプログラムであって、
CMY値がそれぞれ異なる複数のパターンを記録するパターン記録ステップと、
前記記録されたパターンの粒状度を測定する画像評価ステップと、
該粒状度に基づいて閾値nmaxを決定する閾値決定ステップと、
入力データにおけるRGB値を色変換したCMY値に基づいて画素毎にインク色の組み合わせ状態を判断するステップと、
該判断結果と前記閾値nmaxとに基づいて画素毎に前記CMY値をより小さくなるように補正するステップとをプロセッサに実行させることを特徴とする画像補正プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−6382(P2013−6382A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141716(P2011−141716)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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