説明

画像読み取り装置、画像形成装置、画像読み取り方法、画像形成方法、画像読み取りプログラム、画像形成プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、千鳥状に配設された複数の密着イメージセンサを用いて読み取った原稿の画像品質を向上させる。
【解決手段】デジタル複写装置1は、読み取りセンサ部32が、原稿の搬送方向に所定量位置ずれして主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有するとともに、それぞれの端部の原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で千鳥状に配置されている複数のCISを用いて原稿の画像を読み取って、該重複部分で読み取った該各CISの出力する画像データを1ラインの画像データに合成する繋ぎ目補正処理を行うか否かを、システム制御部が、CISの原稿読み取り領域の主走査長さと原稿幅に基づいて判定して、繋ぎ目補正処理の実施を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り装置、画像形成装置、画像読み取り方法、画像形成方法、画像読み取りプログラム、画像形成プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、千鳥状に配設された複数の密着イメージセンサを用いて原稿の画像を読み取った画像の品質を向上させる画像読み取り装置、画像形成装置、画像読み取り方法、画像形成方法、画像読み取りプログラム、画像形成プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿の画像を読み取るスキャナ装置、複写装置、複合装置等の画像読み取り装置、特に、A0サイズ等の広幅の原稿の画像を読み取る画像読み取り装置においては、搬送ローラによって搬送される原稿の画像を、CIS(Contact Image Sensor:密着イメージセンサ)を用いて読み取っているが、コストを下げるために、読み取り最大原稿サイズよりも小さいサイズ、例えば、A3やA4サイズ等の密着イメージセンサを、その相隣接する側の原稿読み取り領域の端部を一部重ね合わせて千鳥状に並べて配置したセンサ部によって、広幅の原稿を読み取るように構成されている。
【0003】
複数の密着イメージセンサを千鳥配置したセンサ部を備えた画像読み取り装置においては、複数の密着イメージセンサの読み取った画像データを、適切に繋ぎ合せて単一の密着イメージセンサで読み取ったかのような画像データに合成する繋ぎ目補正処理(画像合成処理)を行う必要がある。
【0004】
そこで、従来、複数の汎用の密着型イメージセンサを千鳥状に配列したセンサ部を備えた画像読み取り装置では、千鳥状に配列された複数の密着型イメージセンサのうち、副走査方向(原稿搬送方向と平行の方向)の一方側に位置ずれして主走査方向に配置されている密着型イメージセンサが読み取った画像データをメモリに保管し、副走査方向の他方側に位置ずれして主走査方向に配置されている密着イメージセンサが読み取った画像データをメモリに保管する。そして、画像読み取り装置は、副走査方向において重なり合っている部分の密着イメージセンサの読み取った画像データについては、主走査方向においては、各密着イメージセンサの読み取り範囲を調整することにより画像データの繋ぎ合わせを行ない、副走査方向においては、メモリから画像データを読み出す遅延時間を、副走査方向の配置ずれ量と搬送速度に基づいて調整することにより繋ぎ合わせを行っている。そして、従来の画像読み取り装置は、端部の重なり合っている密着型イメージセンサの読み取った画像データを繋ぎ合わせるために、重なり合う両方の密着型イメージセンサの該重なり合う部分の中心を基準として画像データの調整を行っている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術にあっては、密着イメージセンサの原稿読み取り領域の重なり合う部分の画像データの調整を、密着型イメージセンサの原稿読み取り領域において重なり合う部分の中心を基準として行っているため、読み取り対象の原稿の端部が、密着イメージセンサの重なり合う部分を含めた該原稿の端部よりも内側に位置する密着型イメージセンサの原稿読み取り領域内で読み取り可能であっても、該重なり合っている密着イメージセンサの該原稿よりも外側の密着イメージセンサの読み取った画像データとの重なり合う部分の画像データの調整を行った画像データを、該原稿の読み取り画像データとして採用することとなり、画像データの調整を高精度に行っても画像データの継ぎ目が画像に現れて画像品質が劣化するおそれがある。特に、密着型イメージセンサで読み取った読み取り画像を拡大する変倍処理を行うと、密着イメージセンサの繋ぎ目部分の画像も拡大されて出力画像に現れ、画質が悪化するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、複数の千鳥状に配設された一次元の画像読み取りセンサで原稿を読み取った画像データの画像品質を向上させる画像読み取り装置、画像形成装置、画像読み取り方法、画像形成方法、画像読み取りプログラム、画像形成プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、原稿の搬送方向に所定量位置ずれして主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有するとともに、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で千鳥状に配置されている複数の一次元の画像読み取りセンサを用いて該原稿の画像を読み取って、該重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行うか否かを、画像読み取りセンサの原稿読み取り領域の主走査長さと原稿幅に基づいて判断して該画像合成処理の実施を制御することを特徴としている。
【0008】
また、本発明は、原稿の搬送方向に所定量位置ずれして主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有するとともに、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で千鳥状に配置されている複数の一次元の画像読み取りセンサを用いて該原稿の画像を読み取って、該読み取った画像データを主走査方向に変倍するとともに、該重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行うか否かを、画像読み取りセンサの原稿読み取り領域の主走査長さ、変倍率及び出力画像の幅に基づいて判断して該画像合成処理の実施を制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の千鳥状に配設された一次元の画像読み取りセンサで原稿を読み取った画像データの画像品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例を適用したデジタル複写装置の概略構成図。
【図2】画像読み取り部の上面図。
【図3】画像読み取り部の側面概略構成図。
【図4】デジタル複写装置の要部ブロック構成図。
【図5】画像読み取り処理を示すフローチャート。
【図6】図5の続きの処理を示すフローチャート。
【図7】画像読み取りタイミング図。
【図8】読み取り領域テーブルの一例を示す図。
【図9】画像処理部による画像処理を示すフローチャート。
【図10】繋ぎ目補正処理の説明図。
【図11】基準のCISの主走査方向長さが他のCISより長い場合の読み取り部上面図。
【図12】図11の読み取り部に対応する読み取り領域テーブルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0012】
図1〜図12は、本発明の画像読み取り装置、画像形成装置、画像読み取り方法、画像形成方法、画像読み取りプログラム、画像形成プログラム及び記録媒体の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像読み取り装置、画像形成装置、画像読み取り方法、画像形成方法、画像読み取りプログラム、画像形成プログラム及び記録媒体の第1実施例を適用したデジタル複写装置1の側面概略構成図である。
【0013】
図1において、デジタル複写装置(画像読み取り装置、画像形成装置)1は、本体筐体2内に、カセット給紙部3、ロール給紙部4、搬送部5、画像形成部6、排紙部7が収納されており、本体筐体2の上面には、排紙トレイ8が形成されていて、さらに、本体筐体2の上部に、画像読み取り部11、原稿テーブル12、操作表示部13及び原稿排出テーブル14等が配設されている。デジタル複写装置1は、広幅の用紙に対応している。
【0014】
カセット給紙部3には、複数枚のシート状用紙(記録媒体)がセットされ、幅広サイズを含めて、各種サイズのシート状用紙をセットすることができる。カセット給紙部3は、収納するシート状用紙を1枚ずつ搬送部5に送り出し、搬送部5は、カセット給紙部3から送り出されてきたシート状用紙を画像形成部6に搬送する。なお、図示しないが、カセット給紙部3は、セットされたシート状用紙の少なくとも幅サイズ(幅)を検出する用紙センサが配設されている。
【0015】
ロール給紙部4は、2つのロール紙(記録媒体)を収納可能であり、各種幅サイズのロール紙を収納することができる。ロール給紙部4は、2つのロール紙のうち、選択された方のロール紙を搬送部5に送り出し、搬送部5は、ロール給紙部4から送り出されてきたロール紙を画像形成部6に搬送するとともに、図示しないカッターによって形成する画像長さに合わせてロール紙を切断する。なお、図示しないが、ロール給紙部4は、セットされたロール紙それぞれの少なくとも幅サイズ(幅)を検出する用紙センサが配設されている。また、以下の説明では、必要に応じて、シート状用紙及びロール紙を区別すること無く、用紙という。
【0016】
画像形成部(画像形成手段)6は、図1の反時計方向に回転駆動される感光体21を中心として、帯電チャージャ22、光書き込み部23、現像ユニット24、転写チャージャ25、分離チャージャ26及び図示しない除電部やクリーニング部等を備えているとともに、レジストローラ27及び定着部28等を備えており、帯電チャージャ22は、感光体21を一様に帯電(例えば、−900Vに帯電)させるグリッド付きのスコロトロンチャージャが用いられていて、非接触で帯電処理を行う。
【0017】
光書き込み部23は、発光素子であるLED(Light Emitting Diode)をアレイ状に配設された複数(の本実施例では、3つ)のLPH(LEDヘッド:LED Print Head、LEDアレイユニット)23a〜23c(図2参照)、SLA(セルフォックレンズアレイ)及び書き込み制御部23d等を備え、画像読み取り部11で読み取った原稿の画像データや外部のコンピュータ等の外部装置から送られてきた画像データに基づいて点灯制御される光をLEDアレイからSLAを介して感光体21表面に照射することで、感光体21の表面に、光の照射された部分の電荷を消滅させて静電潜像を形成する。すなわち、感光体21は、アースに接続されており、光書き込み部23から光が照射されると、光導電現象で感光体21の光照射された部分の電荷がアースに流れて消失する。デジタル複写装置1は、画像データに基づいて、例えば、原稿濃度の淡い部分については、光書き込み部23のLEDを発光させないようにし、原稿濃度の濃い部分については、LEDを発光させることで、感光体21の表面に、LED光の照射/非照射によって、画像の濃淡に対応した静電潜像を形成する。
【0018】
現像ユニット24は、ユニット内に撹拌によって負に帯電されているトナーを、静電潜像が形成されて、−700Vに印加されている感光体21に、LED光の照射部分にのみトナーを付着させて、トナー画像を形成する。
【0019】
画像形成部6は、レジストローラ27によって、搬送部5から搬送されてきたシート状用紙またはロール紙等の用紙を一旦停止させた後、感光体21上のトナー画像と位置合わせして、感光体21と転写チャージャ25との間に搬送し、転写チャージャ25によって、感光体21上のトナー画像を用紙上に転写させる。画像形成部6は、転写の完了した用紙を分離チャージャ26によって感光体21から分離させて定着部28に送り出す。定着部28は、トナー画像の転写された用紙を加熱・加圧しつつ搬送して、トナー画像を用紙に定着させ、排紙部7が、トナー画像の定着の完了した用紙を排紙トレイ8上またはデジタル複写装置1外に排出する。
【0020】
なお、本実施例においては、画像形成部6が、電子写真方式の画像形成部である場合について説明したが、画像形成部の画像形成方式としては、電子写真方式に限るものではなく、例えば、インク噴射方式等であってもよい。
【0021】
操作表示部(原稿幅入力手段、変倍率設定手段、出力画像幅設定手段)13は、テンキー、スタートキー、ストップキー、リセットキー、モード設定キー等の操作キー、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)、LED(Light Emitting Diode)等を備え、操作キーからは、デジタル複写装置1を利用した複写処理に必要な各種操作(例えば、変倍や集約等の画像処理のモード設定、コピー部数や解像度等のコヒー条件の設定操作等)が行われ、ディスプレイには、操作キーから入力された命令内容やデジタル複写装置1からユーザに通知する各種情報が表示される。特に、操作表示部13は、カセット給紙部3やロール給紙部4にセットした用紙の幅サイズの入力、原稿台12にセットした原稿Gの幅サイズの入力に使用される。
【0022】
画像読み取り部11は、原稿テーブル12にセットされた原稿を1枚ずつ搬送しつつ、該原稿の画像を読み取って、画像の読み取りの完了した原稿を排出テーブル14上に排出する。
【0023】
この画像読み取り部11は、図2及び図3に示すように、原稿Gの搬送方向(副走査方向)に対して上流側から下流側に向かって、前ローラ対31、読み取りセンサ部32、後ローラ対33の順に配置され、さらに、主走査方向中央部付近に副走査方向に並んで、前ローラ追31、読み取りセンサ部32及び後ローラ対33の原稿Gの搬送方向手前に原稿挿入センサ34、原稿レジストセンサ35及び原稿排出センサ36が配設されている。また、画像読み取り部11は、主走査方向中央部を原稿中央位置として、該原稿Gの主走査幅サイズを検知する複数の原稿幅サイズ検知センサ(原稿幅取得手段、原稿幅検出手段)37a〜37dが配設されており、原稿幅サイズ検知センサ37a〜37dは、例えば、原稿中央位置に近い方の原稿幅サイズ検知センサ37aが、A3サイズ幅検知用、原稿幅サイズ検知センサ37bが、A2サイズ幅検知用、原稿幅サイズ検知サイズ37cが、A1サイズ幅検知用、原稿幅サイズ検知サイズ37dが、A0サイズ幅検知用である。さらに、画像読み取り部11は、図3に示すように、読み取りセンサ部32の上部に、白基準板38が配設されており、白基準板38は、原稿Gの搬送をガイドするとともに、読み取りセンサ部32のレベルの調整にも使用される。本実施例のデジタル複写装置1は、読み取りセンサ部32が原稿Gの搬送面よりも下に配設されているため、原稿台12に載置された原稿Gの下面の画像を読み取りセンサ部32で読み取る。なお、本実施例の画像読み取り部11は、主走査方向中央位置を原稿中央位置とする中央基準方式が採用されているが、主走査方向一方側の端部を原稿端面位置とする端面基準方式であってもよい。また、本実施例の画像読み取り部11は、A系列(A0、A1、A2、A3、A4)に対応した原稿幅サイズ検知センサ37a〜37dが配置されているが、原稿幅サイズ検知センサは、B系列に対応したサイズ検知センサであってもよいし、画像読み取り部11を上面から見て、例えば、右側にA系列の原稿幅サイズ検知センサ37a〜37dを、左側にB系列の原稿幅サイズ検知センサを配置してもよい。
【0024】
また、画像読み取り部11は、前ローラ対31及び後ローラ対33を駆動させる原稿搬送モータ39が原稿搬送面の下部に配設されている。
【0025】
原稿挿入センサ34は、原稿台12への原稿Gの挿入の有無を検知し、原稿幅サイズ検知センサ37a〜37dは、原稿台12へ挿入された原稿Gの幅サイズを検知する。前ローラ対31は、原稿台12に挿入された原稿Gを読み取りセンサ部32を通過させて、後ローラ対33へと搬送し、原稿レジストセンサ35は、読み取りセンサ部32に搬送される原稿Gを検出して読み取りセンサ部32による原稿Gの読み取りタイミングを制御するための読み取りレジスト信号を出力する。原稿排出センサ36は、読み取りセンサ部32で画像の読み取られた原稿Gの後ローラ対33への搬送を検出する。
【0026】
さらに、読み取りセンサ部(画像読み取り手段)32は、主走査方向に最大原稿幅サイズよりも長く、副走査方向に所定幅を有するセンサ本体筐体32hの上面部にコンタクトガラス(図示略)が配設されており、センサ本体筐体32h内には、5つの一次元の画像読み取りセンサであるCIS(密着イメージセンサ)32a、32b、32c、32d、32eが、中央のCIS32cを基準として、CIS32a、CIS32dが、副走査方向同じ位置に、CIS32b、32dがメカニカルレイアウト上、原稿搬送方向(副走査方向)に所定量位置ずれして、それぞれの原稿読み取り領域の端部が所定量重なり合う状態で、副走査方向に千鳥状に配設されている。すなわち、図2に示すように、中央部の基準のCIS32c及び両端部のCIS32a、32eが原稿Gの搬送方向手前側に位置しており、CIS32b及びCIS32dは、中央のCIS32c及び両端部のCIS32a、32eとの間で、副走査方向において、主走査方向所定長さにおいてその端部が重なり合っている。
【0027】
各CIS32a〜32eは、図示しないが、光源、レンズ及びイメージセンサアレイを備えており、イメージセンサアレイは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )やCCD(Charge Coupled Device )等のイメージセンサがアレイ状に並べられている。
【0028】
上記白基準板38は、副走査方向に少なくともCIS32a〜32eの副走査方向幅を有し、主走査方向に最大原稿幅を超える長さを有していて、コンタクトガラスとの間に搬送されてくる原稿Gをコンタクトガラスに押しつけつつ搬送させるとともに、CIS32a〜32e側の面が白色に施されていて、各CIS32a〜32eの光源の照射斑やイメージセンサアレイの感度バラツキを補正するシェーディング補正の白基準データを提供する。
【0029】
各CIS32a〜32eは、光源からコンタクトガラスを通して白基準板38に読み取り光を照射して、その反射光をレンズを通してイメージセンサアレイに集光し、イメージセンサアレイが入射光を光電変換することで、白基準データを取得する。また、CIS32a〜32eは、原稿Gの読み取り時、コンタクトガラスと白基準板38の間を搬送される原稿Gに、光源からコンタクトガラスを通して読み取り光を照射して、その反射光をレンズを通してイメージセンサアレイに集光し、イメージセンサアレイが入射光を光電変換することで、原稿Gの画像を読み取る。
【0030】
CIS32a〜32eは、上述のように、その原稿読み取り領域の端部が一部重なり合うように千鳥状に配設されており、主走査方向において重複読み取り範囲を有している。すなわち、CIS22aとCIS22b、CIS22bとCIS22c、CIS22cとCIS22d及びCIS22dとCIS22eは、その重なり部分において、有効画像範囲と原稿読み取り領域が端部において重複部分を有している。そこで、デジタル複写装置1は、これらの重複部分のうち、原稿読み取り領域における重複部分である繋ぎ部において読み取った画像信号(画素データ)を電気的に繋ぎ合わせることにより、主走査方向においてズレのない画像を得ている。この主走査方向のCIS32a〜32e間における繋ぎ部の画素位置は、各CIS32a〜32eで個別に設定可能であり、画像の繋ぎ位置を調整することができる。
【0031】
そして、デジタル複写装置1は、その要部が、図4に示すようにブロック構成されており、上記画像読み取り部11、システム制御部40、画像処理記憶部50、電源部60、操作表示部13、光書き込み部23等を備えている。
【0032】
画像読み取り部11は、上記CIS32a〜32e、各CIS32a〜32eに対応して配設されているAD(アナログ/デジタル)変換部11a〜11e、読み取り制御部11f、画像転送部11g、読み取り駆動部11h及び上記幅サイズ検知センサ37a〜37d等を備えており、読み取り制御部11fは、入力されるプログラムによって回路構成を構築する制御FPGA(Field Programmable Gate Array)11iを備えている。
【0033】
画像読み取り部11は、システム制御部40の制御下で、読み取り制御部11fが、制御FPGA11iによって各CIS32a〜32eへのFGATE信号を制御して、各CIS32a〜32eの駆動を制御し、各CIS32a〜32eから出力されるアナログの画像データを、AD変換部11a〜11eが、画素単位でデジタル変換して、読み取り制御部11fに入力する。読み取り制御部11fは、原稿幅サイズ検知センサ37a〜37dからの検出信号に基づいて、CIS32a〜32eの読み取った画像データのうち原稿Gの幅サイズに基づいて必要なCIS32a〜32eの読み取った画像データを決定して、決定したCIS32a〜32eの画像データを画像転送部11gに出力し、画像転送部11gは、読み取り制御部11fから入力される画像データを画像処理記憶部50に転送する。
【0034】
読み取り駆動部11hは、システム制御部40からの制御下で、原稿搬送モータ39を駆動させ、前ローラ対31及び後ローラ対33を回転させて原稿Gの搬送を行う。
【0035】
画像処理記憶部50は、画像処理部51及び画像メモリ部52等を備え、画像処理部51に画像読み取り部11の画像転送部11gからCIS32a〜32eの読み取った画像データが転送されてくる。画像処理部(画像処理手段)51は、画像メモリ部52を利用して、画像データに対して各種補正処理を行うとともに、CIS32a〜32eの原稿読み取り領域における重複部分である繋ぎ部で読み取った画像データ(画像信号)を電気的に繋ぎ合わせることにより、主走査方向においてズレのない画像とする繋ぎ目補正処理(画像合成処理)を行う。また、画像処理部51は、画像処理として、光書き込み部23で書き込みを行うのに適した2値の画像データに変換して、光書き込み部23に出力する。なお、本実施例では、モノクロのデジタル複写装置を前提として説明しているため、画像処理部51は、2値の画像データに変換しているが、カラーのデジタル複写装置の場合には、CMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラック)の画像データに変換する。
【0036】
システム制御部(制御手段)40は、CPU(Central Processing Unit)41、駆動制御回路42及び図示しないROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を備えており、ROM内には、デジタル複写装置1の基本プログラム及び本発明の画像処理プログラム等のプログラムやシステムデータが格納されている。システム制御部40は、操作表示部13との間で信号の授受を行って、操作表示部13でのデジタル複写装置1に対する動作設定内容を受け取るとともに、ユーザに通知する各種情報を操作表示部13に渡してディスプレイに表示させる。
【0037】
システム制御部40は、CPU41がROM内のプログラムに基づいてRAMをワークメモリとして利用しつつデジタル複写装置1の各部を制御して、デジタル複写装置1としての基本処理を実行するとともに、本発明のCIS32a〜32eの修正した繋ぎ目画像の採用を最小にする画像処理方法を実行する。
【0038】
駆動制御回路42は、CIS41の制御下で、画像読み取り部11の読み取り駆動部11hを介して原稿Gの搬送制御を行う。
【0039】
デジタル複写装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像処理方法を実行する画像処理プログラムを読み込んでシステム制御部40のROMやハードディスク等に導入することで、後述するCIS32a〜32eの繋ぎ部分の画像データを繋ぎ処理を施した画像データを採用するか、原稿G側のCIS32a〜32eのみを採用するかを原稿Gの画像データのサイズやコピーモードに基づいて決定して画像品質を向上させる画像処理方法を実行する画像読み取り装置及び画像形成装置として構築されている。この画像処理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0040】
光書き込み部23は、上述のように、LPH23a〜23c及び書き込み制御部23d等を備えており、画像処理記憶部50の画像処理部51から送られてきた画像データに基づいて、LPH23a〜23cを点灯制御して、感光体21表面に照射することで、感光体21の表面に静電潜像を形成する。LPH23a〜23cは、LEDアレイとセルフォックレンズ等の光学素子を一体化した発光素子アレイユニットであり、感光体21がA0幅の書込幅を有しているときには、それぞれA3幅の長さを有している。LPH23a〜23cは、感光体21の軸方向(主走査方向)にアレイ状に配設されているとともに、感光体21の回転方向(副走査方向)に位置ずれして千鳥状に配設されている。そして、各LPH23a〜23cは、図示しないが、所定数、例えば、40個のLEDアレイ(発光素子アレイ)が列状に等間隔で配列されており、各LEDアレイは、例えば、それぞれ192個のLED素子が列状に配列されて、総数で、7680(192×40=7680)個のLED素子が配列されている。各LED素子には、各LEDアレイ毎にドライバが接続されており、各ドライバには、書き込み制御部23dが接続されている。
【0041】
書き込み制御部23dは、各LPH23a〜23cの各ドライバにその時間だけそのLED素子を点灯させるストローブ信号、データ転送用のクロック、データ転送を開始するためのリセット信号、データをセレクトする信号、光量補正と通常画像のデータを切り換えるロード信号等を出力する。
【0042】
書き込み制御部23dは、画像データを、各LPH23a〜23cの各ドライバに転送し、各ドライバは、それぞれ内部で転送されてくる画像データをラッチして、各LED素子の点灯・消灯を行う。
【0043】
電源部60は、AC(交流)の商用電源をDC(直流)変換したり、整流、変圧して、デジタル複写装置1の各部にAC電力やDC電力を供給、例えば、画像読み取り部11の読み取り制御部11f、システム制御部40及び書き込み制御部23dにDC電力を供給する。
【0044】
次に、本実施例の作用について説明する。本実施例のデジタル複写装置1は、複数の千鳥状に配設された複数のCIS32a〜32eでの繋ぎ部分での読み取り画像データを原稿Gの幅サイズやコピー条件に応じて調整して、読み取った原稿の画像データの画像品質を向上させる。
【0045】
すなわち、デジタル複写装置1は、図5及び図6に示すように画像読み取り処理を行い、そのときの各部の動作タイミングが、図7のように示される。なお、図7において、図5及び図6のステップナンバーに対応するタイミングに対しては、図5及び図6のステップナンバーを付記している。
【0046】
デジタル複写装置1は、待機状態において、図5に示すように、ユーザによって、操作表示部13でコピーモードにおける原稿読み取り条件や画像形成条件等のコピー条件が設定操作され、この設定操作においては、出力用紙の選択(例えば、画像形成において、カセット給紙部3のシート状用紙とロール給紙部4のロール紙のいずれを使用するかを選択)、変倍率の設定等が行われる(ステップS101)。
【0047】
システム制御部40は、待機状態において、操作表示部13から設定情報が入力されると、原稿挿入センサ34がON(オン)したか、すなわち、原稿台12に原稿Gがセットされたかチェックし(ステップS102)、図7に示すように、原稿台12に原稿Gがセットされて原稿挿入センサ34がONすると、予め設定されている原稿突き立て時間を内蔵のタイマにセットして(ステップS103)、原稿挿入センサ34の状態がONの状態を維持しているかチェックする(ステップS104)。
【0048】
ステップS104で、NOのときには、システム制御部40は、原稿Gが原稿台12から引き抜かれたと判断して、ステップS102に戻って、上記同様の処理を行い(ステップS102〜S104)、YESのときには、原稿突き当て時間が経過したかチェックする(ステップS105)。
【0049】
ステップS105で、NOのとき、すなわち、原稿突き当て時間が経過していないときには、システム制御部40は、ステップS104に戻って、原稿挿入センサ34がONしたかのチェック処理から上記同様に処理し(ステップS104、S105)、ステップS015で、YESのとき、すなわち、原稿突き当て時間が経過すると、図7に示すように、駆動制御回路42から読み取り駆動部11hを介して原稿搬送モータ39を駆動させて原稿Gをプレフィードする(ステップS106)。
【0050】
システム制御部40は、原稿Gをプレフィードすると、原稿Gの読み取り動作を行うのに原稿サイズデータが必要か判断し(ステップS107)、YESのとき、すなわち、原稿サイズデータが必要なときには、図7に示すように、原稿幅サイズ検知センサ37a〜37dからの検知信号に基づいて原稿Gの幅サイズを検出する(ステップS108)。この場合、システム制御部40は、例えば、原稿挿入センサ34が原稿Gを検知して、原稿幅サイズ検知センサ37a〜37dのいずれもが原稿Gを検知しないときには、原稿Gの幅サイズが、最も中央よりの原稿幅サイズ検知センサ37aの検知サイズ幅であるA4サイズ以下であると判断する。
【0051】
システム制御部40は、原稿幅サイズを検出すると、検出した原稿幅サイズから原稿Gを読み取るに必要なCIS32a〜32eの領域を算出し(ステップS109)、CIS32a〜32eの継ぎ目部分の画像データを使用することなく読み取りが可能なCIS32a〜32eがあるか否かを判断して、読み取り制御部11fへフィードバックする(ステップS110)。
【0052】
そして、システム制御部40は、上記原稿幅サイズデータが必要か否かの判断及び原稿Gを読み取るのに必要なCIS32a〜32eの領域(必要領域)の算出を、ステップS101でのコピー条件の設定内容と原稿幅及びCIS32a〜32eの原稿読み取り領域の主走査長さ(以下、単に原稿読み取り領域の長さという。)に基づいて行う。
【0053】
すなわち、操作表示部13でのコピー条件の設定内容としては、以下の3つのパターンに大きく分けられる。
【0054】
パターンPa:自動用紙検知モードまたは用紙指定変倍が選択設定された場合
パターンPb:出力用紙サイズと変倍率が設定された場合
パターンPc:ズーム変倍または独立変倍で副走査方向の変倍率が設定された場合
パターンPaの場合、システム制御部40は、自動用紙検知モードが選択されると、原稿幅サイズ検知センサ37a〜37dの原稿Gの検出結果に基づいて、原稿Gの幅サイズを決定して、CIS32a〜32eの必要領域を判断し、読み取り制御部11fに出力する。また、システム制御部40は、用紙指定変倍が選択されると、指定された用紙幅と原稿幅サイズ検知センサ37a〜37dにより原稿Gの幅を検知して、用紙幅と原稿幅及びCIS32a〜32eの原稿読み取り領域の長さに基づいて、CIS32a〜32eの必要領域を判断し、読み取り制御部11fに出力する。この用紙の幅は、上述のように、カセット給紙部3やロール給紙部4の用紙センサの検出する用紙幅または操作表示部13から入力される用紙幅が用いられる。
【0055】
パターンPbの場合、システム制御部40は、CIS32a〜32eの原稿読み取り領域の長さと、図8に示すような読み取り領域テーブルTb1と、に基づいてCIS32a〜32eの必要領域を判断し、読み取り制御部11fに出力する。すなわち、読み取り領域テーブルTb1は、用紙サイズと変倍率に対して、CIS32cを基準として、原稿Gを読み取るのに必要なCIS32a〜32eが登録されたテーブルとなっており、システム制御部40は、例えば、操作表示部13で、「出力用紙サイズA0で、変倍率が400%」の設定操作が行われると、読み取り領域テーブルTb1を参照して、CIS32cのみを必要領域(すなわち、繋ぎ目補正処理が不要)と判断して、読み取り制御部11fに出力する。
【0056】
パターンPcの場合、ズーム変倍は、原稿の指定領域のみをズームレンズのように変倍する変倍処理であり、独立変倍は、通常の変倍処理が主走査方向及び副走査方向に同じ変倍率で変倍するのに対して、主走査方向と副走査方向それぞれが独立した変倍率で変倍処理を行うものである。この独立変倍は、数mと長い画像をロール紙に記録する場合に、ロール紙の有効利用を図るとともに不要なロール紙のカット処理を省くために、原稿画像をロール紙の幅に合わせて変倍する場合に多く用いられる。そして、システム制御部40は、例えば、ズーム変倍または独立変倍で、主走査方向の変倍率が400%に設定された場合、変倍率が設定された時点で、用紙幅と変倍率及びCIS32ak等32eの原稿読み取り領域の長さに基づいて、CIS32a〜32eの必要領域を判断し、読み取り制御部11fに出力する。
【0057】
すなわち、これらのパターンPa〜Pcのうち、パターンPbとパターンPcにおいては、原稿幅が不明であっても、用紙幅と変倍率及びCIS32a〜32eの原稿読み取り領域の長さに基づいて、原稿Gを読み取るのに必要なCIS32a〜32eを決定することができる。
【0058】
そして、システム制御部40は、ステップS107で、NOのとき、すなわち、原稿サイズデータが必要でないとき、例えば、原稿サイズが操作表示部13から入力されているときには、原稿幅サイズ検知センサ37a〜37dの検出結果に基づく原稿サイズ検出を行うことなく、原稿Gを読み取るに必要なCIS32a〜32eの領域を算出し、CIS32a〜32eの継ぎ目部分の画像データを使用することなく読み取りが可能なCIS32a〜32eがあるか否かを判断して、読み取り制御部11fへフィードバックする。
【0059】
次に、システム制御部40は、原稿セットされてから予め設定されている一時停止時間が経過するか、または、操作表示部13のスタートボタンが押下されるのを待って(ステップS111)、読み取り制御FPGAの各種設定、画像処理ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である画像処理部51の各種設定及び読み取りモードに応じたパラメータの設定を行い(ステップS112)、図6に示すように、まず、画像処理部51に、黒レベルのシェーディング(濃度レベルのむら)を補正する黒シェーディングの設定を行わせる(ステップS113)。
【0060】
読み取り制御部11fは、CIS32a〜32eのうち原稿Gの読み取りに必要なCIS32a〜32fに対してのみLEDを点灯させ(ステップS114)、システム制御部40は、LEDの光量が安定すると、画像処理部51に対して、白シェーディング補正設定を行なわせる(ステップS115)。
【0061】
次に、システム制御部40は、読み取り制御部11fの制御FPGA11iに、CIS32a〜32eのうち、原稿Gの読み取りに必要なCIS32a〜32eに対してのみ、読み取りモードを開始させて(ステップS116)、駆動制御回路42は、読み取り駆動部11hを介して原稿搬送モータ39を回転させて原稿Gの搬送を開始する(ステップS117)。システム制御部40は、原稿Gの搬送を開始して、原稿レジストセンサ35がONになると(ステップS118)、原稿Gをさらに一定量フィードさせて(ステップS119)、制御FPGA11iが、原稿Gの読み取りに必要なCIS32a〜32eに対してのみ、FGATE信号をアサートして画像データの転送を開始し、読み取った画像データを画像処理部51へ転送する(ステップS120)。
【0062】
システム制御部40は、原稿レジストセンサ35がOFF(オフ)になると(ステップS121)、原稿Gをさらに一定量フィードさせ(ステップS122)、制御FPGA11iが、FGATE信号をネゲート(画像データ送信終了)して、読み取り制御部11fの制御FPGA11iに、スキャンモード(読み取りモード)を終了させる(ステップS123)。
【0063】
その後、システム制御部40は、読み取り制御部11fに、点灯させていたCIS32a〜32eのLEDを消灯させ(ステップS125)、駆動制御回路42が、読み取り駆動部11hを介して、原稿搬送モータ39を減速させながら停止させて、原稿排出センサ36がOFFになると、待機モードに移行して画像読み取り処理を終了する(ステップS126)。
【0064】
デジタル複写装置1は、上記読み取り処理で読み取った画像データに対して、画像処理部51で、図9に示すように画像処理を行う。すなわち、画像処理部51は、画像読み取り部11の画像転送部11gから画像データが転送されてくると、図5及び図6の画像読み取り処理で設定された黒シェーディングデータや白シェーディングデータを用いたシェーディング補正処理及びその他の設定に応じた画像補正処理を、CIS32a〜32e毎に施し(ステップS201)、繋ぎ目補正処理(画像合成処理)が必要であるかチェックする(ステップS202)。すなわち、1つのCIS32cのみの画像データであって端部が重なり合っているCIS32b、32dの画像データを出力画像データとして必要であるか判断する。
【0065】
ステップS202で、YESのとき、すなわち、繋ぎ目補正処理が必要なときには、画像処理部51は、通常の繋ぎ目補正処理を行い(ステップS203)、繋ぎ目補正処理を行った画像データを光書き込み部23に出力して画像処理を終了する(ステップS204)。
【0066】
ステップS202で、NOのとき、すなわち、繋ぎ目補正処理が必要でないときには、画像処理部51は、繋ぎ目補正処理を行うこと無く、その他の各種補正処理(画像処理)を施した画像データを光書き込み部23に出力して画像処理を終了する(ステップS204)。
【0067】
そして、画像処理部51は、上記繋ぎ目補正処理を、例えば、図10に示すように行う。なお、図10では、CIS32cとCIS32bとの繋ぎ部の繋ぎ目補正処理について示されている。CIS32cは、上述のように、CIS32b及びCIS32dとの間で、矢印で示す原稿読み取り領域において、繋ぎ部で副走査方向に重なり合っており、図10では、CIS32cとCIS32bとの繋ぎ部分について、破線で囲まれている部分を拡大して模式的に繋ぎ目補正処理を示している。
【0068】
いま、CIS32cとCIS32bとが重なり合っている繋ぎ部が、128画素であるとすると、画像処理部51は、CIS32cとCIS32bから送られてきた画像データを、16画素単位で、CIS32bからの画像データについては、図10の左側の画素から順に7/8、6/8、・・・、1/8の重み付け係数を用いて演算処理し、CIS32cからの画像データについては、図10の右側の画素から順に、7/8、6/8、・・・、1/8の重み付け係数を用いて演算処理する。
【0069】
画像処理部51は、繋ぎ部画像データのうち、CIS32bとCIS32cの繋ぎ部における重み付け演算した同じ画素位置の画像データの濃度を、そのまま加算合成し、繋ぎ部の画像データの画像濃度とする。そして、画像処理部51は、繋ぎ部の繋ぎ目補正処理(画像合成処理)後の画像データに対しても読み取り時の画像濃度処理(補正処理)を行う。なお、CIS32cとCIS32d、CIS32aとCIS32b、CIS32dとCIS32eとの繋ぎ部についても、上記CIS32cとCIS32bの繋ぎ部の繋ぎ目補正処理と同様の処理を行う。
【0070】
なお、上記説明では、読み取りセンサ部32は、CIS32a〜32eとして、主走査方向の長さ(特に、原稿読み取り領域の長さ)が同じ5つのCIS32a〜32eを用いている場合について説明したが、CIS32a〜32eは、同じ長さに限るものではなく、例えば、図11に示すように、原稿Gの読み取りの基準となるCISである中央のCIS32kが、他のCIS32a、32b、32d、32eよりもその原稿読み取り領域が長くてもよい。図11では、CIS32kは、原稿読み取り領域の長さが、A3サイズの長さを有しており、他のCIS32a、32b、32d、32eは、原稿読み取り領域の長さがA4サイズの長さを有している場合が示されている。
【0071】
そして、図11のような基準CIS32kがA3サイズであり、その他のCIS32a、32b、32d、32eがA4サイズであると、上記パターンPbやパターンPcでの必要CISの範囲を判断する場合に使用する図8に示した読み取り領域テーブルTb1は、図12に示すようになる。すなわち、用紙サイズA4で、変倍率73%、用紙サイズA3で、変倍率100%、用紙サイズA2で、変倍率141%、用紙サイズA1で、変倍率200%、用紙サイズA0で、変倍率283%の場合に、図8の読み取り領域テーブルTb1では、CIS32b〜32dを使用するテーブルとなっているが、図12の読み取り領域テーブルTb2では、CIS32cのみを使用するテーブルとなっている。
【0072】
したがって、図11の場合、幅のより一層広い原稿Gに対して、1つのCIS32kのみを用いて画像の読み取りを行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【0073】
このように、本実施例のデジタル複写装置1は、原稿Gの搬送方向に所定量位置ずれして主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有するとともに、それぞれの端部の原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で千鳥状に配置されている複数の一次元の画像読み取りセンサであるCIS32a〜32eを用いて原稿Gの画像を読み取って、該重複部分で読み取った該各CIS32a〜32eの出力する画像データを1ラインの画像データに合成する繋ぎ目補正処理(画像合成処理)を画像処理部51で行うか否かを、システム制御部40が、CIS32a〜32eの原稿読み取り領域の主走査長さと原稿Gの幅(原稿幅)に基づいて判断して、画像処理部51での繋ぎ目補正処理の実施を制御している。
【0074】
したがって、CIS32a〜32eの重複部分の合成画像を用いることなく原稿Gの画像を読み取ることができる場合に、重複部分の繋ぎ目補正処理を行わない画像データを原稿画像データとして採用することができ、読み取り画像の画像品質を向上させることができる。
【0075】
また、本実施例のデジタル複写装置1は、原稿Gの幅を、画像読み取り部11の原稿搬送方向手前に配設された原稿幅サイズ検知センサ37a〜37dの検出結果、または、操作表示部13からのユーザによる原稿幅の設定入力に基づいて取得している。
【0076】
したがって、正確な原稿幅に基づいて、CIS32a〜32eの重複部分の合成画像を用いる必要があるか否か判断して、重複部分の繋ぎ目補正処理を行わない画像データを適切に原稿画像データとして採用することができ、読み取り画像の画像品質を向上させることができる。
【0077】
さらに、本実施例のデジタル複写装置1は、画像処理部51でのCIS32a〜32eの出力する画像データに対する主走査方向の変倍率が操作表示部13で設定されると、システム制御部40が、CIS32a〜32eの原稿読み取り領域の主走査長さ、原稿幅及び変倍率に基づいて、画像処理部51での重複部分の繋ぎ目補正処理の要否を判断して該繋ぎ目補正処理の実施を制御している。
【0078】
したがって、変倍率によって重複部分の繋ぎ目補正処理後の画像が目立つ場合等に繋ぎ目補正処理を行わないようにことができ、画像品質を適切に向上させることができる。
【0079】
また、本実施例のデジタル複写装置1は、操作表示部13で、画像処理部51でのCIS32a〜32eの出力する画像データに対する主走査方向の変倍率及び出力画像幅が設定されると、システム制御部40が、CIS32a〜32eの原稿読み取り領域の主走査長さ、該変倍率及び該出力画像の幅に基づいて画像処理部51での繋ぎ目補正処理の要否を判断して該繋ぎ目補正処理の実施を制御している。
【0080】
したがって、原稿Gの幅を検出したり、設定入力することなく、変倍率と出力画像の幅に基づいて、CIS32a〜32eの重複部分の合成画像を用いる必要があるか否か判断して、重複部分の繋ぎ目補正処理を行わない画像データを適切に原稿画像データとして採用することができ、読み取り画像の画像品質を向上させることができる。
【0081】
さらに、本実施例のデジタル複写装置1は、システム制御部40が、複数のCIS32a〜32eのうち、主走査方向中央位置または一方側端部位置に配設され、原稿Gを読み取る基準となる基準CIS(例えば、CIS32c)と、基準CISとその端部が重なり合っている他のCIS(例えば、CIS32b、32d)の重複部分が読み取った画像データに対する繋ぎ目補正処理の要否を判断している。
【0082】
したがって、基準CIS32cのみで原稿Gの画像読み取ることができるか否かを判断して、重複部分の繋ぎ目補正処理を行わない画像データを適切に原稿画像データとして採用することができ、読み取り画像の画像品質を向上させることができる。
【0083】
また、本実施例のデジタル複写装置1は、読み取りセンサ部32が、複数のCIS32a〜32eのうち、原稿Gを読み取る基準となる基準CIS32kが、主走査方向中央位置または主走査方向一方側端部位置に配設され、他のCISCIS32a、32b、32d、32eよりも原稿読み取り領域の長さが長い。
【0084】
したがって、幅のより一層広い原稿Gに対して、1つのCIS32kのみを用いて画像の読み取りを行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【0085】
さらに、本実施例のデジタル複写装置1は、システム制御部40が、画像処理部51による繋ぎ目補正処理の要否を判断するとともに、複数のCIS32a〜32eのうち原稿Gを読み取るのに使用するCIS32a〜32eを決定して、画像読み取り部11に、決定した該CIS32a〜32eのみを用いて原稿Gを読み取らせている。
【0086】
したがって、原稿Gの読み取りに不必要なCIS32a〜32eを駆動させることなく、原稿Gの画像を適切に読み取ることができるとともに、基準CIS32cのみで原稿Gの画像読み取ることができるか否かを判断して、重複部分の繋ぎ目補正処理を行わない画像データを適切に原稿画像データとして採用することができ、読み取り画像の画像品質を向上させることができる。
【0087】
また、本実施例のデジタル複写装置1は、システム制御部40が、原稿Gの幅と用紙の幅及びCIS32a〜32eの原稿読み取り領域の主走査長さに基づいて、画像処理部51による繋ぎ目補正処理の要否を判断して、画像処理部51による繋ぎ目補正処理の実施を制御している。
【0088】
したがって、原稿幅と用紙幅に基づいて、重複部分の繋ぎ目補正処理の要否を判断して、繋ぎ目補正処理を行わない画像データを適切に原稿画像データとして採用することができ、読み取り画像の画像品質を向上させることができる。
【0089】
さらに、本実施例のデジタル複写装置1は、用紙幅と変倍率及びCIS32a〜32eの原稿読み取り領域の主走査長さに基づいて、画像処理部51による繋ぎ目補正処理の要否を判断して、画像処理部51による繋ぎ目補正処理の実施を制御している。
【0090】
したがって、用紙幅と変倍率に基づいて、重複部分の繋ぎ目補正処理の要否を判断して、繋ぎ目補正処理を行わない画像データを適切に原稿画像データとして採用することができ、読み取り画像の画像品質を向上させることができる。
【0091】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、千鳥状に配列された複数のCIS等の密着イメージセンサを用いて原稿の画像を良好な画像品質で読み取るスキャナ装置、複写装置等の画像読み取り装置、該画像読み取り装置を搭載する画像形成装置、、画像読み取り方法、画像形成方法、画像読み取りプログラム、画像形成プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 デジタル複写装置
2 本体筐体
3 カセットカセット給紙部
4 ロール給紙部
5 搬送部
6 画像形成部
7 排紙部
8 排紙トレイ
11 画像読み取り部
11a〜11e AD変換部
11f 読み取り制御部
11g 画像転送部
11h 読み取り駆動部
11i 制御FPGA
12 原稿テーブル
13 操作表示部
14 原稿排出テーブル
21 感光体
22 帯電チャージャ
23a〜23c LPH
23d 書き込み制御部
23 光書き込み部
24 現像ユニット
25 転写チャージャ
26 分離チャージャ
27 レジストローラ
28 定着部
31 前ローラ対
32 読み取りセンサ部
32a、32b、32c、32d、32e、32k CIS
33 後ローラ対
34 原稿挿入センサ
35 原稿レジストセンサ
36 原稿排出センサ
37a〜37d 原稿幅サイズ検知センサ
38 白基準板
39 原稿搬送モータ
40 システム制御部
41 CPU
42 駆動制御回路
50 画像処理記憶部
51 画像処理部
52 画像メモリ部
60 電源部
G 原稿
Tb1、Tb2 読み取り領域テーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0094】
【特許文献1】特開2003−46736号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を搬送する原稿搬送手段と、
前記原稿の搬送方向に所定量位置ずれして該原稿の搬送方向と直交する主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有する複数の一次元の画像読み取りセンサが、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で、千鳥状に配置されて該原稿の画像を読み取る画像読み取り手段と、
前記原稿の幅を取得する原稿幅取得手段と、
前記画像読み取りセンサが前記重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行う画像処理手段と、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さと前記原稿幅に基づいて前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
複数の前記画像読み取りセンサのうち1つの画像読み取りセンサで前記画像の読み取りが可能である場合には、前記画像合成処理が不要であると判断して該画像合成処理の実施を禁止することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記原稿幅取得手段は、
前記原稿搬送手段によって前記画像読み取り手段へ搬送される前記原稿の幅を検出する原稿幅検出手段または該原稿の幅が設定入力される原稿幅入力手段であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記画像読み取り装置は、
前記画像読み取りセンサの出力する画像データを少なくとも主走査方向に変倍する変倍手段と、
少なくとも主走査方向の変倍率が設定入力される変倍率設定手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さ、前記原稿幅及び前記変倍率に基づいて前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
原稿を搬送する原稿搬送手段と、
前記原稿の搬送方向に所定量位置ずれして該原稿の搬送方向と直交する主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有する複数の一次元の画像読み取りセンサが、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で、千鳥状に配置されて該原稿の画像を読み取る画像読み取り手段と、
前記画像読み取りセンサの出力する画像データを少なくとも主走査方向に変倍する変倍手段と、
少なくとも主走査方向の変倍率が設定入力される変倍率設定手段と、
出力する画像の幅が設定入力される出力画像幅設定手段と、
前記画像読み取りセンサが前記重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行う画像処理手段と、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さ、前記変倍率及び前記出力画像の幅に基づいて前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
複数の前記画像読み取りセンサのうち、前記主走査方向中央位置または一方側端部位置に配設され、前記原稿を読み取る基準となる基準画像読み取りセンサと、該基準画像読み取りセンサとその端部が重なり合っている他の画像読み取りセンサの該重複部分が読み取った画像データに対する前記画像合成処理の要否を判断することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項7】
前記画像読み取り手段は、
複数の前記画像読み取りセンサのうち、前記原稿を読み取る基準となる基準画像読み取りセンサが、主走査方向中央位置または主走査方向一方側端部位置に配設され、他の該画像読み取りセンサよりも前記原稿読み取り領域の長さが長いことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項8】
前記制御手段は、
前記画像合成処理の要否を判断するとともに、複数の前記画像読み取りセンサのうち前記原稿を読み取るのに使用する該画像読み取りセンサを決定して、前記画像読み取り手段に、決定した該画像読み取りセンサのみを用いて該原稿を読み取らせることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項9】
原稿を搬送する原稿搬送手段と、
前記原稿の搬送方向に所定量位置ずれして該原稿の搬送方向と直交する主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有する複数の一次元の画像読み取りセンサが、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で、千鳥状に配置されて前記原稿の画像を読み取る画像読み取り手段と、
画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記原稿の幅を取得する原稿幅取得手段と、
前記記録媒体の幅を取得する記録媒体幅取得手段と、
前記画像読み取りセンサの出力する画像データを少なくとも主走査方向に変倍する変倍手段と、
前記原稿幅を前記記録媒体幅に合わせた媒体幅変倍要求が設定される変倍設定手段と、
前記画像読み取りセンサが前記重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行う画像処理手段と、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さ、前記原稿幅及び前記記録媒体幅に基づいて前記画像処理手段による前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
原稿を搬送する原稿搬送手段と、
前記原稿の搬送方向に所定量位置ずれして該原稿の搬送方向と直交する主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有する複数の一次元の画像読み取りセンサが、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で、千鳥状に配置されて前記原稿の画像を読み取る画像読み取り手段と、
画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記記録媒体の幅を取得する記録媒体幅取得手段と、
前記画像読み取りセンサの出力する画像データを少なくとも主走査方向に変倍する変倍手段と、
少なくとも主走査方向の変倍率が設定入力される変倍率設定手段と、
前記画像読み取りセンサが前記重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行う画像処理手段と、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さ、前記記録媒体幅及び前記変倍率に基づいて前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
原稿を搬送する原稿搬送処理ステップと、
前記原稿の搬送方向に所定量位置ずれして前記原稿の搬送方向と直交する主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有するとともに、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で千鳥状に配置されている複数の一次元の画像読み取りセンサを用いて該原稿の画像を読み取る画像読み取り処理ステップと、
前記原稿の幅を取得する原稿幅取得処理ステップと、
前記画像読み取りセンサが前記重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行う画像処理ステップと、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さと前記原稿幅に基づいて前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御する制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像読み取り方法。
【請求項12】
原稿を搬送する原稿搬送処理ステップと、
前記原稿の搬送方向に所定量位置ずれして前記原稿の搬送方向と直交する主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有するとともに、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で千鳥状に配置されている複数の一次元の画像読み取りセンサを用いて該原稿の画像を読み取る画像読み取り処理ステップと、
前記画像読み取りセンサの出力する画像データを少なくとも主走査方向に変倍する変倍処理ステップと、
設定入力される少なくとも主走査方向の変倍率を取得する変倍率取得処理ステップと、
設定入力される出力画像の幅を取得する出力画像幅取得処理ステップと、
前記画像読み取りセンサが前記重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行う画像処理ステップと、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さ、前記変倍率及び前記出力画像の幅に基づいて前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御する制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像読み取り方法。
【請求項13】
原稿を搬送する原稿搬送処理ステップと、
前記原稿の搬送方向に所定量位置ずれして前記原稿の搬送方向と直交する主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有するとともに、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で千鳥状に配置されている複数の一次元の画像読み取りセンサを用いて該原稿の画像を読み取る画像読み取り処理ステップと、
画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成処理ステップと、
前記原稿の幅を取得する原稿幅取得処理ステップと、
前記記録媒体の幅を取得する記録媒体幅取得処理ステップと、
前記画像読み取りセンサの出力する画像データを少なくとも主走査方向に変倍する変倍処理ステップと、
前記原稿幅を前記記録媒体幅に合わせた変倍を要求する媒体幅変倍要求を取得する変倍要求取得処理ステップと、
前記画像読み取りセンサが前記重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行う画像処理ステップと、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さ、前記原稿幅及び前記記録媒体幅に基づいて前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御する制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像形成方法。
【請求項14】
原稿を搬送する原稿搬送処理ステップと、
前記原稿の搬送方向に所定量位置ずれして前記原稿の搬送方向と直交する主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有するとともに、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で千鳥状に配置されている複数の一次元の画像読み取りセンサを用いて該原稿の画像を読み取る画像読み取り処理ステップと、
画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成処理ステップと、
前記記録媒体の幅を取得する記録媒体幅取得処理ステップと、
前記画像読み取りセンサの出力する画像データを少なくとも主走査方向に変倍する変倍処理ステップと、
設定入力される少なくとも主走査方向の変倍率を取得する変倍率取得処理ステップと、
前記画像読み取りセンサが前記重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行う画像処理ステップと、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さ、前記記録媒体幅及び前記変倍率に基づいて前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御する制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像形成方法。
【請求項15】
コンピュータに、
原稿を搬送する原稿搬送処理と、
前記原稿の搬送方向に所定量位置ずれして前記原稿の搬送方向と直交する主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有するとともに、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で千鳥状に配置されている複数の一次元の画像読み取りセンサを用いて該原稿の画像を読み取る画像読み取り処理と、
前記原稿の幅を取得する原稿幅取得処理と、
前記画像読み取りセンサが前記重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行う画像処理と、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さと前記原稿幅に基づいて前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御する制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像読み取りプログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
原稿を搬送する原稿搬送処理と、
前記原稿の搬送方向に所定量位置ずれして前記原稿の搬送方向と直交する主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有するとともに、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で千鳥状に配置されている複数の一次元の画像読み取りセンサを用いて該原稿の画像を読み取る画像読み取り処理と、
前記画像読み取りセンサの出力する画像データを少なくとも主走査方向に変倍する変倍処理と、
設定入力される少なくとも主走査方向の変倍率を取得する変倍率取得処理と、
設定入力される出力画像の幅を取得する出力画像幅取得処理と、
前記画像読み取りセンサが前記重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行う画像処理と、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さ、前記変倍率及び前記出力画像の幅に基づいて前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御する制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像読み取りプログラム。
【請求項17】
コンピュータに、
原稿を搬送する原稿搬送処理と、
前記原稿の搬送方向に所定量位置ずれして前記原稿の搬送方向と直交する主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有するとともに、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で千鳥状に配置されている複数の一次元の画像読み取りセンサを用いて該原稿の画像を読み取る画像読み取り処理と、
画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成処理と、
前記原稿の幅を取得する原稿幅取得処理と、
前記記録媒体の幅を取得する記録媒体幅取得処理と、
前記画像読み取りセンサの出力する画像データを少なくとも主走査方向に変倍する変倍処理と、
前記原稿幅を前記記録媒体幅に合わせた変倍を要求する媒体幅変倍要求を取得する変倍要求取得処理と、
前記画像読み取りセンサが前記重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行う画像処理と、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さ、前記原稿幅及び前記記録媒体幅に基づいて前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御する制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像形成プログラム。
【請求項18】
コンピュータに、
原稿を搬送する原稿搬送処理と、
前記原稿の搬送方向に所定量位置ずれして前記原稿の搬送方向と直交する主走査方向に所定長さの原稿読み取り領域を有するとともに、それぞれの端部の該原稿読み取り領域が所定量重なり合った重複部分を有する状態で千鳥状に配置されている複数の一次元の画像読み取りセンサを用いて該原稿の画像を読み取る画像読み取り処理と、
画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成処理と、
前記記録媒体の幅を取得する記録媒体幅取得処理と、
前記画像読み取りセンサの出力する画像データを少なくとも主走査方向に変倍する変倍処理と、
設定入力される少なくとも主走査方向の変倍率を取得する変倍率取得処理と、
前記画像読み取りセンサが前記重複部分で読み取った該各画像読み取りセンサの画像データを1ラインの画像データに合成する画像合成処理を行う画像処理と、
前記画像読み取りセンサの前記原稿読み取り領域の主走査長さ、前記記録媒体幅及び前記変倍率に基づいて前記画像合成処理の要否を判断して該画像合成処理の実施を制御する制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像形成プログラム。
【請求項19】
請求項15または請求項16記載の画像読み取りプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【請求項20】
請求項17または請求項18記載の画像形成プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−65161(P2012−65161A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207980(P2010−207980)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】