説明

画像読取装置

【課題】光ディスクに描画された画像を読み取ることのできる技術を提供する。
【解決手段】光ディスク記録装置1の振動信号発生器30は、トラッキングアクチュエータに振動信号を供給し、トラッキングアクチュエータは、供給される振動信号に応じて対物レンズ13を振動させる。これにより、レーザ光の照射位置が光ディスクの径方向に振動する。LPF26は、光ピックアップ14が受光した戻り光に応じた受光信号にローパスフィルタ処理を施す。コンパレータ27は、LPF26から出力される信号のレベルと予め定められたしきい値とを比較して、“H”レベル又は“L”レベルのパルス信号MIRを出力する。システム制御部19は、所定のドット領域毎にパルス信号MIRが“H”レベルか否かを判定し、バッファメモリ24に“1”又は“0”を書き込む。バッファメモリ24に記録されたピクセル列データは、ホスト装置200に転送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに描画された画像を読み取るための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
CD−R(Compact Disc-Recordable)、CD−RW(Compact Disc Rewritable)又はDVD−R(Digital Versatile Disk-Recordable)等の光ディスクにおいては、記録されたデータの内容を肉眼で識別することはできないので、ラベル貼付や印刷などが行われていなければディスク自体の外観からそれぞれの光ディスクを識別することは困難である。そこで、光ディスク自体に文字や記号或いは図形・絵柄などを描画することによって、光ディスクをその外観によって簡単に識別できるような技術が提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−155812号公報
【特許文献2】特開2003−16649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、光ディスクに描画された画像を編集したり、画像を追記したりする要求が生ずることも多いが、この場合に、光ディスクに既に描画されている画像を把握することができれば好適である。
本発明は上述した背景の下になされたものであり、光ディスクに描画された画像を読み取ることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の好適な態様である画像読取装置は、光ディスクを回転させる回転手段と、前記光ディスクの径方向に移動可能で、前記回転手段によって回転する光ディスクにレーザ光を照射する光照射手段と、前記光照射手段から前記光ディスクに向けて照射されるレーザ光の照射位置を操作する照射位置操作手段と、前記レーザ光の照射位置が前記光ディスクの径方向に振動するように、前記照射位置操作手段を制御する照射位置制御手段と、前記光照射手段によって前記光ディスクに照射されたレーザ光の反射光を予め定められたドット領域毎に受光し、受光した反射光に応じて前記ドット領域毎の階調度を特定する階調度特定手段と、前記階調度特定手段が特定した前記ドット領域毎の階調度を示すデータを出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0005】
上述の態様において、前記回転手段によって光ディスクが複数回の周回を重ねる毎に、前記光照射手段を、ドット配列の半径方向のピッチに相当する分、当該ディスクの略半径方向に移動させるフィード手段を備え、前記照射位置制御手段は、当該光ディスクに対するレーザ光の照射軌跡が周回毎に異なるように制御してもよい。
【0006】
また、上述の態様において、前記照射位置操作手段は、レーザ光の照射位置を、振動信号の電圧にしたがって操作し、前記照射位置制御手段は、光ディスクが複数回の周回を重ねるときに、一定振幅および一定周波数を有する振動信号を、その位相が周回毎に異なるように生成してもよい。
【0007】
また、上述の態様において、送り幅を示す送り幅情報を取得する送り幅情報取得手段を備え、前記フィード手段は、前記位置情報取得手段が取得した位置情報の示す径方向の読取開始位置から読取終了位置まで、前記光照射手段を、前記光ディスクが前記複数回回転する毎に前記送り幅情報取得手段が取得した送り幅情報の示す送り幅だけ径方向に移送してもよい。
【0008】
また、上述の態様において、前記ドット領域を示すドット領域情報を記憶するドット領域情報記憶手段を備え、前記階調度特定手段は、前記照射位置制御手段によって前記光ディスクに照射されたレーザ光の反射光を前記ドット領域記憶手段に記憶されたドット領域情報の示すドット領域毎に受光し、受光した反射光に応じて該ドット領域毎の階調度を特定してもよい。
【0009】
また、上述の態様において、前記ドット領域を示すドット領域情報を取得するドット領域情報取得手段を備え、前記階調度特定手段は、前記照射位置制御手段によって前記光ディスクに照射されたレーザ光の反射光を前記ドット領域情報取得手段が取得したドット領域情報の示すドット領域毎に受光し、受光した反射光に応じて該ドット領域毎の階調度を特定してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光ディスクに描画された画像を読み取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本実施形態に係る光ディスク記録装置1は、光ディスクに対して音楽データ等のデータを記録・再生する機能(データ記録・再生機能)と、その光ディスクに利用者が視認し得る画像を描く機能(描画機能)と、その光ディスクに描画された画像を読み取る機能(画像読取機能)とを有している。以下の説明では、はじめに、光ディスクそのものの構成を説明し、その次に、光ディスク記録装置1についての説明を行う。
【0012】
(1)構成
(1−1)光ディスクの構成
図1に、本実施形態に係る光ディスク100の断面図の一例を示す。光ディスク100は、例えばDVD−R、CD−R、CD−R/DVD−R混合型光ディスクである。図1に示すように、光ディスク100においては、記録面Dからレーベル面Lに向かって順番に、ポリカーボネート層101、データ記録層103、半透明層104、中間層105、描画層106、半透明層107及びポリカーボネート層108が積層されている。光ディスク100の厚さはおおよそ1.2(mm)であるが、そのうちポリカーボネート層101及びポリカーボネート層108がそれぞれ0.6(mm)程度を占めており、データ記録層103から半透明層107までの厚さdは全体の厚さに比べて微小である。
【0013】
データ記録層103の記録面D側には、螺旋状のグルーブ(案内溝)102が形成されている。データ記録時には、対物レンズ13の位置が矢印P方向の適切な位置に調整され、半透明層104からの反射光に基づいて、データ記録層103にレーザ光の焦点が合わせられる。そして、記録すべきデータに応じた強度のレーザ光が、データ記録層103のグルーブ102に沿って照射される。このときレーザ光が照射された箇所にはデータ長に対応するピットが形成され、これによりデータ記録が行われる。なお、記録したデータを読み出して再生を行う場合は、グルーブ102に沿って記録時よりも弱い強度のレーザ光が照射され、その反射光(戻り光)の強度が検知されることでデータ再生が実現される。
【0014】
描画層106は、或る強度のレーザ光が照射されると変色する物質によって形成されている。描画時には、対物レンズ13の位置が矢印P方向の適切な位置に調整され、半透明層107からの反射光に基づいて、描画層106にレーザ光laの焦点が合わせられる。そして、或る強度のレーザ光laが照射されると、レーザ光laが照射された描画層106の領域が変色する。この変色した領域と変色していない領域によって、ユーザが視認可能な画像が形成される。なお、図1では、描画層106に焦点が合わせられたレーザ光laが照射されている場合を示している。なお、描画された画像を読み取る場合は、描画時よりも弱い所定強度未満のレーザ光が、描画層106に焦点が合わせられて照射され、その反射光の強度を検知することで実現される。
【0015】
(1−2)システムの全体構成
図2は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示すブロック図である。本実施形態に係るシステムは、図2に示すように、ホスト装置200と光ディスク記録装置1とを相互に通信可能な状態に接続して構成される。なお、光ディスク記録装置1は、ホスト装置200に内蔵する形式でも外付けする形式でもよい。光ディスク記録装置1には光ディスク100が装填される。スピンドルモータ11は光ディスク100を回転させる回転手段である。スピンドルサーボ12は、スピンドルモータ11の回転を、記録時及び再生時は線速度一定に制御し(CLV制御)、描画時及び画像読取時は回転数一定に制御する(CAV制御)。光ピックアップ14は、光ディスク100の径方向に移動可能であり、スピンドルモータ11によって回転する光ディスク100にレーザ光を照射する光照射手段である。光ピックアップ14は、ステッピングモータ15で駆動される送りねじ等などによる送り機構16により、光ディスク100の径方向(図中左右方向)に移動される。モータドライバ17は、システム制御部19の指令に基づきステッピングモータ15を駆動する。
【0016】
フォーカスサーボ18は光ピックアップ14のフォーカス制御を行う。トラッキングサーボ20は、データ記録及び再生時に光ピックアップ14のトラッキングサーボ制御を行う。ただし、描画時及び画像読取時においては、トラッキングサーボ制御はオフされる。レーザドライバ22はレーザパワーをそれぞれ指示された値に制御する。ALPC(Automatic Laser Power Control)回路21はレーザパワーをそれぞれ指示させた値に制御する。光ピックアップ14は、システム制御部19の指令及び光ピックアップ14からの受光信号に基づいて、レーザドライバ22が光ピックアップ14のレーザダイオードを駆動する際のレーザ光の強度を制御する。
【0017】
振動信号発生器30は、描画時及び画像読取時に振動信号を発生し、これを光ピックアップ14のトラッキングアクチュエータ(図示略)に供給して対物レンズ13を振動させる。この実施形態では、レーザ光の照射位置が径方向に振動するように生成した交流信号、例えば三角信号をトラッキングアクチュエータに供給する。これにより、レーザ光が、光ディスク100の径方向に、光ピックアップ14の1マイクロステップ動作による単位送り量よりも大きい振幅で振動させられる。この振動動作によって、レーザ光は光ピックアップ14の単位送り量よりも広い幅で蛇行しながら描画層を走査することが可能となる。この実施形態では、光ディスク記録装置1は、描画時及び画像読取時において、光ピックアップ14を径方向のほぼ同一の位置に保ちつつ上記振動動作を行わせるとともに、光ディスク100を複数回回転させながら同一画像の重ね書き及び重ね読みを行う。なお、この重ね読み回数を、以下では「Nr」とする。
【0018】
メモリ28には、光ディスク記録装置1において予め設定されている画像読取条件と、操作者が設定可能な画像読取条件が記憶されている。この「予め設定されている画像読取条件」としては、光ピックアップ14を光ディスク100の径方向に移送する単位送り量の算出に用いられる「ステッピングモータ15の1フルステップ動作による光ピックアップ14の送り量L」と、「ステッピングモータ15のマイクロステップ動作の分割数M」とが記憶されている。また、「操作者が設定可能な画像読取条件」としては、「光ディスクの回転速度」と、「エンコーダ23による画像データのエンコード速度」とを組み合わせた複数種類の「画像読取モード」の情報や、光ディスクの径方向の「読取開始位置R0」と「読取終了位置R1」、上述した「重ね読み回数Nr」が記憶されている。
【0019】
エンコーダ23は、データ記録時において、記録データを光ディスク100の形式に応じたフォーマットにエンコードする。レーザドライバ22はこのエンコードされた記録データに応じてレーザ光を変調し、この記録データを光ディスク100のデータ記録層103にピットとして記録する。一方、エンコーダ23は、描画時においては、画像データをエンコードすることで、当該画像データを構成する画素(ドット)の階調データに応じてデューティが変化するパルス信号を生成する。レーザドライバ22はこのデューティが変化するパルス信号に応じてレーザ光を変調し、光ディスク100の描画層106の可視光特性を変化させて(つまり変色させて)、モノクロ多階調による描画を行う。デコーダ25は、データ再生時に光ピックアップ14が受光した戻り光に応じた受光信号をEFM復調してデータ再生を行う。
【0020】
LPF(ローパスフィルタ)26は、画像読取時に光ピックアップ14が受光した戻り光に応じた受光信号にローパスフィルタ処理を施す。コンパレータ27は、LPF26から出力される信号のレベルと予め定められたしきい値とを比較し、その比較結果に応じて“H”レベル又は“L”レベルのパルス信号をシステム制御部19に出力する。具体的には、例えば、コンパレータ27は、LPF26から出力される信号のレベルがしきい値以上である場合には“H”レベルの信号をシステム制御部19に出力する一方、信号のレベルがしきい値よりも小さい場合には“L”レベルの信号をシステム制御部19に出力すればよい。N分周器29は、スピンドルモータ11から出力される1回転につきNパルスのパルス信号FGをN分周することによって、1回転につき1パルスのパルス信号FG´を生成する。このパルス信号FG´により、光ディスク100の回転数を検出することができる。
【0021】
ここで、画像読取に係る信号処理について、図3を参照しつつ説明する。図3は、画像読取時の各種信号のタイムチャートである。図3は、光ディスク100が1回転した場合の各種信号のタイムチャートを示している。図において、(a)は光ピックアップ14からLPF26に出力される受光信号RFの波形を示す。(b)は、受光信号RFにローパスフィルタ処理が施されてLPF26から出力される受光信号RF´の波形を示す。(c)は、受光信号RF´がコンパレータ27によって変換されたパルス信号MIRの波形を示す。(d)はスピンドルモータ11からN分周器29に出力されるパルス信号FGの波形を示す。(e)は、パルス信号FGをN分周したパルス信号FG´の波形を示す。図3の(a)〜(c)に示すように、光ピックアップ14からの受光信号RFは、強度が所定のしきい値以上である場合には“H”レベルとされる一方、それ以外の場合には“L”レベルとされる。
【0022】
システム制御部19は、コンパレータ27から出力されるパルス信号MIRを、予め定められたドット領域毎に“H”レベルであるか“L”レベルであるかを判定する。光ディスク100の表面に描画された画像は、変色された部分とそれ以外の部分とで反射率が異なるから、反射光の強度を参照することで、そのドット領域が変色されているか否かを判定することができる。システム制御部19は、パルス信号MIRが“H”レベルであるドット領域については、メモリ28に変色されていない旨を示す情報“1”を書き込む一方、パルス信号MIRのレベルが“L”レベルであるドット領域については、メモリ28に変色されている旨を示す情報“0”を書き込む。
【0023】
ここで、この実施形態において、光ディスク100から画像を読み取るドット領域について、図4を参照して説明する。図4(a)に示されるように、光ディスク100には、セクタが、内周から外周に向かって同心円上に1行からm行まで、さらに、光ディスク100の時計回りで一定角度毎に1列からn列までにわたって放射上に配列している。また、各セクタは、それぞれ図4(b)に示されるように、円周方向に25個に等分割された領域を有する。そして、この実施形態では、この1つの領域が画像のドットに相当する。したがって、この実施形態において、ドットは、m行×25・n列で配列することになる。
【0024】
この実施形態では、ドットを白または黒の2値表示するものとし、1つのドットの白黒を示すドットデータとして、1バイト(8ビット)が割り当てられる。ここで、“0”は黒のドットを示す一方、“0”以外は白のドットを示す。システム制御部19は、上述したドットの領域毎に、そのドット領域が変色しているか否かを判定し、変色されている場合にはその旨を示す信号(この実施形態では“0”)をメモリ28に書き込む一方、変色されていない場合にはその旨を示す信号(この実施形態では“1”)をメモリ28に書き込む。なお、以下の説明においては、説明の便宜上、システム制御部19がメモリ28に書き込むドット領域毎の“0”又は“1”の情報群を「ピクセル列データ」と称して説明する。
【0025】
図2の説明に戻る。ホスト装置200は、CPU(Central Processing Unit)などを備える制御部201と、制御部201によって実行されるコンピュータプログラム等を記憶する記憶部202と、光ディスク記録装置1とのデータの授受を行うための通信部203とを備えている。ホスト装置200は、操作者による指令を光ディスク記録装置1に送信する。この指令はインタフェース10を介してシステム制御部19に送信される。システム制御部19は該指令に応じた指令を光ディスク記録装置1内の各回路に送り、該当する動作を実行させる。例えば、データ記録時には、ホスト装置200は、記録データを光ディスク記録装置1に送信する。この記録データは、光ディスク記録装置1のインタフェース10で受信され、システム制御部19によってバッファメモリ24に書き込まれる。そして、システム制御部19は、バッファメモリ24から記録データを読み出してエンコーダ23に供給する。エンコーダ23は、上述したエンコード処理を実行してレーザドライバ22に供給する。また、データ再生時には、デコーダ25で再生したデータがインタフェース10を介してホスト装置200に転送される。一方、描画時においては、ホスト装置200は、画像データを光ディスク記録装置1に送信する。この画像データは、インタフェース10で受信され、システム制御部19によってバッファメモリ24に書き込まれる。システム制御部19は、バッファメモリ24から画像データを読み出し、エンコーダ23に供給する。一方、画像読取時には、システム制御部19がバッファメモリ24にピクセル列データを記憶し、記憶されたピクセル列データがインタフェース10を介してホスト装置200に転送される。表示機器300は、液晶ディスプレイ等を備え、ホスト装置200から供給されるデータに応じた画像を表示する表示手段である。
【0026】
(2)動作
次に、以上説明したシステムの動作説明を行う。光ディスク記録装置1に光ディスク100が挿入されると、システム制御部19は、ホスト装置200から何らかの処理を指示するコマンドを受信したか否かを判定する。コマンドを受信すると、システム制御部19は、受信したコマンドが、何の処理を指示するコマンドであるかを判定する。コマンドが画像読取を指示するコマンドでなければ、システム制御部19は、そのコマンドによって指示される処理(データ記録動作、再生動作又は描画動作)を実行する。なお、光ディスク100へのデータ記録動作及び再生動作については、従来と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0027】
次に、画像読取動作が指示された場合に動作について、図5に示すフローチャートを参照しつつ説明する。まず、システム制御部19は、バッファメモリ24においてピクセル列データを記憶するためのピクセル列データ記憶領域を確保し、確保したピクセル列データ記憶領域の各データの値を“0”にすることによって、ピクセル列データ記憶領域を初期化する(ステップS1)。次いで、システム制御部19は、スピンドルサーボ12を制御して、CAV制御によってスピンドルモータ11を駆動させ、光ディスク100を回転させる(ステップS2)。
【0028】
次いで、システム制御部19は、ALPC回路21にレーザパワーの制御を開始させる。これにより、ALPC回路21は、レーザパワーを画像読取用の強度に設定する。光ピックアップ14は、設定されたレーザパワーでレーザ光を照射する。また、システム制御部19は、フォーカスサーボ18を制御して、光ピックアップ14のフォーカス制御を行わせる(ステップS3)。
【0029】
次いで、システム制御部19は、光ピックアップ14の対物レンズ13のディスク径方向光軸位置を、メモリ28に記憶された読取開始位置R0の示す位置に移動する(ステップS4)。この制御は、ステッピングモータ15を駆動して光ピックアップ14を内周方向に一旦戻し、最内周の原点位置(リミットスイッチで検出される位置、或いはストッパで機械的に係止される位置)を検出したら、その位置から対物レンズ13が読取開始位置R0に到達するステップ数分、ステッピングモータ15を駆動することにより実現される。
【0030】
スピンドルモータ11が所定の回転数で安定にCAV制御され、かつ光ピックアップ14の対物レンズ13のディスク径方向の光軸位置が読取開始位置R0に位置決めされた状態に達したら、システム制御部19は、N分周器29から出力されるパルス信号FG´をモニタし、パルス信号FG´の立ち上がりエッジを検出するまで待機する(ステップS5;NO)。なお、この実施形態では、パルス信号FG´の立ち上がりエッジが検出される周方向位置をθ=0と定める。画像読取中は、システム制御部19は、スピンドルモータ11のCAV制御に用いられているのと同じ水晶発振クロックを分周して作成したクロックをカウントして、θ=0の位置に対する周方向位置をΔθ(周方向に隣接して描画する画素(ドット)間の偏角差)ごとに検出する。Δθは、周方向に隣接して描画する画素間の偏角差である。この偏角差Δθの値はディスク1周あたりのドット数に基づき、Δθ=2π/(1周あたりのドット数) の演算で求められる。
【0031】
パルス信号FG´の立ち上がりエッジを検出すると(ステップS5;YES)、システム制御部19は、振動信号発生器30から振動信号を発生させることによって、トラッキングアクチュエータの振動を開始する(ステップS6)。振動信号発生器30により発生された振動信号は光ピックアップ14のトラッキングアクチュエータに供給される。トラッキングアクチュエータは、供給された振動信号に応じて対物レンズ13をディスク径方向に一定周期で振動させる。振動の周波数Hzをスピンドル回転数rpsよりも大きな値に設定することにより、スピンドル1回転あたりに1周期以上振動させる。この振動は描画が終了するまで継続して行われる。なお、画像読取時はトラッキングサーボはオフにされる。
【0032】
振動信号により対物レンズ13を振動させる場合、システム制御部19は、「振動の周波数Hz/スピンドル回転数rps」の値が循環桁数の長い循環小数となるように、「振動の周波数Hz」と「スピンドル回転数rps」の値を設定するのが望ましい。すなわち、このような設定にすると、重ね読み回数が多くても、レーザ光の照射位置が重ね読み中に相互に重ならないようにすることができる。例えばスピンドル回転数131.25rpsに対して振動の周波数を200Hzに設定すれば、「振動の周波数/スピンドル回転数rps」の値は循環桁数の長い循環小数となる。
【0033】
システム制御部19は、バッファメモリ24のピクセル列データ記憶領域にデータを書き込むアドレスを指し示すメモリアクセスポインタを初期化する(ステップS7)。この実施形態では、システム制御部19は、メモリアクセスポインタを周方向位置θ=0の位置のデータを格納するためのアドレスに初期化する。次いで、システム制御部19は、1回転に要する時間の測定を開始する(ステップS8)。システム制御部19は、コンパレータ27から出力されるパルス信号MIRのレベルを判定する(ステップS9)。パルス信号MIRが“H”レベルである場合には(ステップS9;“HIGH”)、メモリアクセスポインタが指し示すアドレスに格納されたデータの値が“0”か否かを判定する(ステップS10)。“0”である場合には(ステップS10;“0”)、システム制御部19は、メモリに“1”を書き込む(ステップS11)。一方、それ以外の場合には(ステップS10;“1”)、値を更新する必要がないため、システム制御部19は、メモリへの書き込み処理を行わず、ステップS12の処理へ進む。一方、ステップS9において、MIR信号のレベルが“L”レベルである場合には(ステップS9;“LOW”)、システム制御部19は、メモリへの書き込み処理を行わず、ステップS12の処理へ進む。
【0034】
次いで、システム制御部19は、メモリアクセスポインタをインクリメントし(ステップS12)、測定時間がディスク1周に要する時間に達したかを判定する(ステップS13)。達していないと判定された場合には(ステップS13;NO)、システム制御部19は、ステップS9の処理に戻り、次のドット領域の階調度判定処理を行う。一方、ステップS13において、達したと判定された場合には(ステップS13;YES)、システム制御部19は、スピンドルの回転が所定回数(重ね読み回数Nr)に達したかを判定する(ステップS14)。所定回数に達していないと判定された場合には(ステップS14;NO)、システム制御部19は、ステップS7の処理に戻り、画像の読取処理を続ける。
【0035】
このようにこの実施形態では、システム制御部19は、コンパレータ27からの出力信号に応じて2値の階調(白又は黒)を判定する。これにより、光ディスク100に描画された画像の画素(ドット)毎の階調度(白又は黒)を示すデータがバッファメモリ24のピクセル列データ記憶領域に記憶される。
【0036】
図6は、バッファメモリ24に記憶されるデータの内容の一例を示す図である。図において、(a)は、光ディスク100に描画された画像を示し、一方、(b)は、バッファメモリ24に記憶されたデータの内容の一例を示す図である。図示のように、実際の盤面上では濃淡の差のある場合でも、システム制御部19は、所定の反射率以上である場合には白(“1”)、それ以外は黒(“0”)と判断し、白黒2色のデータとして処理する。
【0037】
また、このとき、ステップS14に示されるように、システム制御部19は、レーザ光の照射位置(つまり光ピックアップ14の径方向の位置)を、一定の振幅の範囲に保ちつつ、スピンドルを重ね読み回数分Nrだけ回転させる。そして、その回数分の回転が終了したら、レーザ光の照射位置を外周方向へ所定距離Δrだけ移動させ、再びレーザ光の照射位置を上記振幅の範囲内に保ちつつ、スピンドルを重ね読み回数分Nrだけ回転させる、という処理を繰り返す。このようにこの実施形態においては、画像を検出するディスク半径位置において、所定回数(本実施形態では重ね読み回数Nr)だけ、スピンドルモータが回転する期間中、戻り光の検出を続け、各回転でのパルス信号MIRの論理和を求める。さらにその際にトラッキングアクチュエータをディスクの半径方向に振動させることにより、検出光の軌跡の重なりを最低限に抑えてより高精度に検出する。
【0038】
ステップS14において、スピンドルの回転が所定回数Nrに達したと判定された場合には(ステップS14;YES)、システム制御部19は、画像読出外周半径に達したかを判定する(ステップS15)。達していないと判定された場合には(ステップS15;NO)、システム制御部19は、ステップS4の処理に戻る。一方、ステップS15において、画像読出外周半径に達したと判定された場合には(ステップS15;YES)、システム制御部19は、トラッキングアクチュエータの振動を終了する(ステップS16)。
【0039】
すなわち、システム制御部19は、距離Δrの移動をθが2π×Nrに達するごとに行う。θ=2π×Nrに達したら、システム制御部19は、ステッピングモータ15を1マイクロステップ分駆動して、光ピックアップ14の光軸位置をディスク外周方向に距離Δr分移動させる。Δrは、光ピックアップ14のディスク径方向の単位送り幅、すなわちステッピングモータ15の1マイクロステップによる光ピックアップ14の移動量である。このΔrの値は、ホスト装置200からの指令に基づいた値である。このように、システム制御部19は、径を徐々に変更して測定し、ディスク径方向位置が読取終了位置R1に達したら、画像読取処理を終了する。
【0040】
ステップS4からステップS15の処理が繰り返し実行されることによって、光ディスク100のレーベル面に描画された画像を示すピクセル列データがバッファメモリ24に記憶される。ステップS16までの処理を終えると、システム制御部19は、バッファメモリ24に記憶されたデータをホスト装置200に転送する。このようにして、光ディスク100に描画された画像が読み取られ、読み取られた画像を表す周ごとのピクセル列データが、ホスト装置200に送信される。全てのピクセル列データの受信を完了すると、ホスト装置200は、取得したピクセル列を用いて表示機器300に描画面を再現する。
【0041】
ここで、レーザ光の照射位置が振動するようにトラッキングアクチュエータを制御する動作について、振動させずに画像読取を行う場合と比較しつつ、図面を参照して以下に説明する。図7は、光ディスク100に描画された画像の一例を示す図である。図7では、説明の便宜上、光ディスク100の円周を直線に展開して示している。なお、図7に示す例は、この実施形態である光ディスク記録装置1によって描画された画像であり、図示のように、描画線(レーザ光の照射軌跡)が蛇行して描画されている。
【0042】
図8(a)は、照射位置を振動させずに画像読取を行った場合の、画像読取時のレーザ光の軌跡を示す図である。図中の鎖線が、画像読取時のレーザ光の軌跡を示している。図8(b)は、理解を容易にするために、同図(a)に示す例において、(i+5)行のみに着目してこの部分を抽出し、さらにディスク1周の列数をJとして示したものである。また、図9は、図8(b)に示す描画像(図中に実線で図示)を、レーザ光が通過したときの各部波形を示したものである。図において、パルス信号MIRは、ディスク上の画像をある程度表してはいるが、より高精度に元の画像を再現したい場合がある。そのような場合、本実施形態の方法が有効である。
【0043】
図10は、この実施形態において、重ね読み回数Nrを「4」に設定した場合の1つの径方向位置でのレーザ光の走査位置の軌跡の一例を示す図である。図10では、説明の便宜上、光ディスク100の円周を直線に展開して示している。図10によれば、レーザ光は振動動作により、1マイクロステップによる光ピックアップ14の移動量Δrよりも広いディスク径方向範囲を走査している。しかも、レーザ光の振動数Hz/スピンドル回転rpsが循環小数となるように設定されているので、レーザ光の軌跡が周回ごとに相互に重ならない。したがって、レーザ光による個々の読取領域が狭くても、より高精度な画像読取が実現される。図9と図10とを比較すると明らかなように、本実施形態に係る光ディスク読取装置1は図9に示す例と比較してより高精度に画像を読み取ることができる。なお、図10に示す例では、スピンドル4周分の軌跡を重ねて図示しているが、図11は、スピンドル1周毎に分けて図示したものである。図11に示すように、各周でのレーザ光の軌跡が重ならないようにスピンドルの回転数とトラッキングアクチュエータの振動周波数を決めれば、より高精度に画像の検出をすることができる。
【0044】
このように、この実施形態では、レーザ光の照射位置が光ディスクの径方向に振動するように、トラッキングアクチュエータを制御するから、より高精度に画像を再現することができる。例えば、画像描画時にトラッキングずれが生じている場合等は、レーザ光を振動させずに画像読取を行った場合には、描画時のレーザ光の軌跡と画像読取時のレーザ光の軌跡とが交わることがなく、画像が読み取れない場合があり得る。これに対しこの実施形態では、レーザ光の照射位置を振動させるから、ある範囲でトラッキングずれが発生している場合であっても、レーザ光の照射軌跡がその範囲で振動することによって、少なくとも一部で描画線と交わることができ、これにより、従来と比較してより高精度に画像読取を行うことができる。
【0045】
(3)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
光ディスク100の描画層106は、熱又は光の少なくともいずれか一方に応じて変色するものであればよい。また、光ディスク100における描画層の位置は、図1に示したものに限らず、要するにデータ記録層とは異なる(光ディスク100の記録面又はレーベル面からの距離が異なる)位置に設けられていればよい。また、光ディスク100は各メーカにより提供されるが、メーカごとにデータ記録層や描画層の特性は異なっていることが考えられる。例えば、データ記録層の熱吸収率が異なる場合は、ピットを形成するために照射すべきレーザ光のレベルや変色させるために照射すべきレーザ光のレベルが異なることも想定される。描画層にしても同様である。このため、予め多数のメーカの光ディスク100に対してデータ記録及び描画を実際に行い、どの程度のレーザ光を照射するのが適しているのかを求めておき、かかる値をメモリ28に格納しておくようにしてもよい。この場合、光ディスク100の種類を示す識別情報(ディスクID情報)と対応付けて格納しておけば、セットされた光ディスク100のディスクID情報を読み取った上で、ディスク種類に沿ったレーザ光照射をすることができる。
なお、上述した実施形態では、CD−R等の書き換え不可能な光ディスクを用いたが、CD−RW、DVD−RW、CD/DVD−RWなどの書き換え可能な光ディスクを用いてもよい。
【0046】
実施形態では画像読取を開始した周方向位置をθ=0としたが、これに代えて、光ディスク100の画像読取領域よりも内周側に、特定の認識コードを形成し、画像読取に先立ち光ピックアップ14でこの認識コードの周方向位置を検出し、その位置をθ=0と定めて、この周方向位置から画像読取を開始することもできる。このようにすれば、光ディスク100を光ディスク記録装置1から出し入れしても、θ=0の位置は変わらないので、画像読取の読み継ぎを行うことができる。
【0047】
上述した実施形態では、光ディスク100を角速度一定で回転させたが、線速度一定で回転させてもよい。角速度一定で回転させる場合には1回転あたりのピクセル列データの長さは半径位置に因らずサンプリング数によって一意に決まる。一方、線速度一定で回転させる場合には、1回転あたりのピクセル列データの長さは、半径位置が外周に近くなるほど長くなる。
【0048】
上述した実施形態では、光ディスク100の円周上の階調データをサンプリングして2値化して、画像を2階調で読み取るようにしたが、階調度は2に限定されるものではなく、3以上であってもよい。この場合は、例えば、判定に用いるしきい値を回転毎に変更しながら光ディスクを複数回回転させ、複数のしきい値との判定結果に応じて階調度を判定してもよい。また、例えば、しきい値が各々異なる複数のコンパレータを用いて、それら複数のコンパレータの出力値に応じて階調度を判定してもよい。
【0049】
なお、1回転当たりのサンプリング数が多ければ多いほど解像度は高くなり画像の再現度も高くなる。また、半径方向の送り幅を細かくすればするほど解像度は高くなる。ただし、サンプリング数を多くするためには回転速度を低速にする必要があり、送り幅を細かくすればするほど読み出しにかかる時間は長くなる。したがって、目的等に合わせて適切な回転速度や送り幅を選択することが好ましい。
【0050】
上述した実施形態では、光ディスク100に描画された可視画像を読み取る場合について説明したが、光ディスク記録装置1が読み取る画像は可視画像に限らず、例えば、赤外線によって書き込まれた不可視画像を読み取ることもできる。この場合も、光ディスク100にレーザ光を照射し、その反射光の光量に応じて、光ディスク100上の各ドット領域の階調度(例えば、白又は黒)を判定すればよい。
【0051】
上述した実施形態では、光ディスク100の径方向の読取開始位置R0と読取終了位置R1とを光ディスク記録装置1のメモリ28に記憶させておき、システム制御部19がメモリ28から読取開始位置R0と読取終了位置R1とを読み出す構成とした。これに代えて、ホスト装置200が、光ディスク100の径方向の読取開始位置R0と読取終了位置R1とを光ディスク記録装置1に指示してもよい。この場合は、光ディスク記録装置1は、指示された範囲で光ディスク100の画像を読み取ればよい。
【0052】
上述した実施形態では、ホスト装置200は、光ピックアップ14の単位移動量Δrを光ディスク記録装置1に指示し、システム制御部19は、光ピックアップ14をディスク外周方向に距離Δrずつ移動させた。これに代えて、光ピックアップ14の単位移動量Δrを光ディスク記録装置1のメモリ28に予め記憶しておいてもよい。また、上述した実施形態では、光ディスク100の1周あたりのドット数Sをホスト装置200が光ディスク記録装置1に指示するようにしたが、これに代えて、1周あたりのドット数をメモリ28に予め記憶させておいてもよい。
【0053】
上述した実施形態では、1サンプル(1ドット)につき1バイトを割り当てたが、1サンプル(1ドット)につき1ビットを割り当てるようにしてもよい。なお、この場合は1周当たりのサンプリング数は8の倍数であることが好ましい。
【0054】
上述の実施形態では、画像読取時の振動信号として、レーザ光の照射位置が径方向に振動するように生成した交流信号、例えば三角波信号を与える構成を採用したが、レーザ光の照射軌跡が径方向に振動して、回転する光ディスク100のグルーブ102と交差するのであれば、振動信号としては十分である。従って、振動信号として、三角波信号のほかにも、正弦波信号などの種々の交流信号を与えることもできる。このように、振動信号発生器30は、光ディスク100が複数回の周回を重ねるときに、一定振幅および一定周波数を有する振動信号を、その位相が周回毎に異なるように生成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態に係る光ディスクの断面図である。
【図2】本実施形態に係るシステム全体の構成を示す図である。
【図3】画像読取時に各種信号のタイムチャートである。
【図4】光ディスクに形成すべき画像のドットを説明するための図である。
【図5】システム制御部によって実行される処理を示すフローチャートである。
【図6】バッファメモリに記憶されるデータの内容の一例を示す図である。
【図7】光ディスクに描画された画像の一例を示す図である。
【図8】照射位置を振動させずに画像読取を行った場合の処理の内容を説明するための図である。
【図9】照射位置を振動させずに画像読取を行った場合の処理の内容を説明するための図である。
【図10】本実施形態の画像読取処理を説明するための図である。
【図11】本実施形態の画像読取処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0056】
1…光ディスク記録装置、10…インタフェース、11…スピンドルモータ、12…スピンドルサーボ、13…対物レンズ、14…光ピックアップ、15…ステッピングモータ、16…送り機構、17…モータドライバ、18…フォーカスサーボ、19…システム制御部、20…トラッキングサーボ、21…ALPC回路、22…レーザドライバ、23…エンコーダ、24…バッファメモリ、25…デコーダ、26…LPF、27…コンパレータ、28…メモリ、29…N分周器、30…振動信号発生器、100…光ディスク、101…ポリカーボネート層、102…グルーブ、103…データ記録層、104…半透明層、105…中間層、106…描画層、107…半透明層、108…ポリカーボネート層、200…ホスト装置、201…制御部、202…記憶部、203…通信部、300…表示機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクを回転させる回転手段と、
前記光ディスクの径方向に移動可能で、前記回転手段によって回転する光ディスクにレーザ光を照射する光照射手段と、
前記光照射手段から前記光ディスクに向けて照射されるレーザ光の照射位置を操作する照射位置操作手段と、
前記レーザ光の照射位置が前記光ディスクの径方向に振動するように、前記照射位置操作手段を制御する照射位置制御手段と、
前記光照射手段によって前記光ディスクに照射されたレーザ光の反射光を予め定められたドット領域毎に受光し、受光した反射光に応じて前記ドット領域毎の階調度を特定する階調度特定手段と、
前記階調度特定手段が特定した前記ドット領域毎の階調度を示すデータを出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記回転手段によって光ディスクが複数回の周回を重ねる毎に、前記光照射手段を、ドット配列の半径方向のピッチに相当する分、当該ディスクの略半径方向に移動させるフィード手段
を備え、
前記照射位置制御手段は、当該光ディスクに対するレーザ光の照射軌跡が周回毎に異なるように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記照射位置操作手段は、レーザ光の照射位置を、振動信号の電圧にしたがって操作し、
前記照射位置制御手段は、光ディスクが複数回の周回を重ねるときに、一定振幅および一定周波数を有する振動信号を、その位相が周回毎に異なるように生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
送り幅を示す送り幅情報を取得する送り幅情報取得手段を備え、
前記フィード手段は、前記位置情報取得手段が取得した位置情報の示す径方向の読取開始位置から読取終了位置まで、前記光照射手段を、前記光ディスクが前記複数回回転する毎に前記送り幅情報取得手段が取得した送り幅情報の示す送り幅だけ径方向に移送する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記ドット領域を示すドット領域情報を記憶するドット領域情報記憶手段を備え、
前記階調度特定手段は、前記照射位置制御手段によって前記光ディスクに照射されたレーザ光の反射光を前記ドット領域記憶手段に記憶されたドット領域情報の示すドット領域毎に受光し、受光した反射光に応じて該ドット領域毎の階調度を特定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記ドット領域を示すドット領域情報を取得するドット領域情報取得手段を備え、
前記階調度特定手段は、前記照射位置制御手段によって前記光ディスクに照射されたレーザ光の反射光を前記ドット領域情報取得手段が取得したドット領域情報の示すドット領域毎に受光し、受光した反射光に応じて該ドット領域毎の階調度を特定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−276865(P2008−276865A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−119463(P2007−119463)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】