説明

画像読取装置

【課題】本発明は、被写界深度が大きく、かつ小型である画像読取装置を提供する。
【解決手段】このような画像読取装置は、複数個のセル13と、各セルに対応して位置し、結像された像を撮像する撮像素子8とを有する。各セルは、第1焦点距離f1を有する第1レンズ3と、第1レンズから第1焦点距離にて位置するアパーチャー5と、第1焦点距離よりも小さい第2焦点距離f2にて撮像素子に対して位置する第2レンズ4とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機等に用いられる画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機、スキャナ、ファクシミリ等にて使用されている、一次元撮像素子を用いて読み取り位置における画像をスキャンすることによって画像全体を読み取る画像読取装置には、大きく分けて2種類の方式がある。尚、一般的に、一次元撮像素子が配列されている方向を主走査方向と呼び、スキャンする方向を副走査方向と呼ぶ。
【0003】
2種類の方式のうちの一方は、単眼のレンズにて主走査方向の画像全体を撮像素子上に縮小転写する方式であり、コピー機にて、おもて面の読み取りに主に用いられている。この方式では、通常、原稿側に位置する撮像素子やレンズは固定され、ミラーのみが副走査方向に移動され、原稿全体がスキャンされる。この方法では、原稿側の焦点深度(被写界深度という)が数mm程度、例えば6mmなど、と大きいので、コピー機の原稿読み取り面に対し、原稿が密着していなくても原稿を読み取れるという利点がある。例えば本の綴じ目のような、原稿読み取り面に密着させることができない場合でも、焦点ぼけなく読み取れるという利点があることから、コピー機のおもて面読み取りには、主にこの方式が用いられてきた。この方式に派生したさまざまな特許文献があるが、例えば特許文献1を挙げる(従来法1と呼ぶ)。
【0004】
上記2種類の方式の内の他方の方式は、主走査方向の画像を複数に分割して複眼レンズで画像を読み取る方式であり、密着型イメージセンサと通常呼ばれる。この方式は、コピー機の裏面読み取りや、ファクシミリの原稿読み取り、紙幣の認識センサ、パーソナルコンピュータ用のスキャナなどに用いられ、小型であることを特徴とする。この密着型イメージセンサの光学系として、現在主流となっている従来技術は、例えば特許文献2に開示されている。ここでは、複眼レンズ(文献中では、ロッドレンズアレイ)として、半径方向に、ある関数で規定される屈折率の分布をもつロッドレンズを複数本並べてアレイ化したものを用いて、正立等倍像を得るイメージ読取装置が開示されている(従来法2と呼ぶ)。
【0005】
密着型イメージセンサの光学系の中で代表的な方式のもう一つの例として、例えば特許文献3に開示されている方式がある。この方式では、主走査方向に分割されたセル毎に設置されているレンズにより、セルに対応する領域の画像が縮小転写されて、撮像素子に結像する。セル毎に設置されている撮像素子の出力信号を画像合成することにより、原稿面の画像が復元される(従来法3と呼ぶ)。
【0006】
また、上述した2つの代表的な方式ではないが、反射ミラーを用いた構成が特許文献4に開示されている。該特許文献4に記載する原稿読み取り装置は、原稿面をレンズアレイで転写して像を撮像素子で読み取るのではなく、原稿の極近傍に設置した撮像素子で原稿の画像を直接読み取る方式に属する。該原稿読み取り装置では、原稿面からの反射光を、薄い透明基板内を伝播させ、凹面ミラーによって撮像素子に集光している。特許文献4の図2からも明らかなように、凹面ミラーは、シリンドリカル形状であり、主走査方向の結像作用を有しない(従来法4と呼ぶ)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−308852号公報
【特許文献2】特開平8−204899号公報
【特許文献3】特開平5−14600号公報
【特許文献4】特開平3−99576号公報(P2、(ハ)欄)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来法1に関しては、上述したように被写界深度が大きいというメリットがあるが、光学系が大型化してしまうという問題がある。また、ミラーを移動する際に原稿面からレンズまでの光路が変化しないようにするために、光路途中の複数のミラーの移動速度を制御しなければならず、及び、これらのためにコストがかかる、という問題がある。
【0009】
従来法2に関しては、小型で低コストであるというメリットがあるものの、被写界深度が小さいという問題、色収差が大きいという問題がある。
従来法3に関しては、被写界深度を大きくする場合、装置が大型化するという問題、色収差が大きくなるという問題がある。
従来法4に関しては、原理的に被写界深度を大きくできないという問題がある。
【0010】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、被写界深度が大きく、かつ小型である画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の第1態様における画像読取装置は、撮像対象である被撮像物を照明するための照明装置と、上記被撮像物を結像する複数の結像光学系と、上記結像光学系に対応して位置し、結像された像を撮像する撮像素子と、上記撮像素子で得られた画像から元の被撮像物を復元する画像処理装置と、を備えた画像読取装置において、上記複数の結像光学系は、被撮像物に対する主走査方向に沿って互いに隣接して位置し、上記被撮像物を反転縮小して結像し、かつ、それぞれの上記結像光学系は、上記被撮像物から上記撮像素子に向かって配置される、第1焦点距離を有する第1光学素子と、上記第1光学素子の後側の焦点位置に位置するアパーチャと、上記アパーチャの後側に上記第1焦点距離よりも小さい第2焦点距離をもつ第2光学素子とを有することを特徴とする。
【0012】
又、それぞれの上記結像光学系は、上記被撮像物から上記撮像素子に向かう光路内に、光路を折り曲げるミラーをさらに有するように構成してもよい。
【0013】
又、上記アパーチャは、開口部に光路を折り曲げるミラーを有するように構成してもよい。
【0014】
又、上記第1光学素子及び上記第2光学素子の少なくとも一方は、反射型のミラーレンズであってもよい。
【0015】
上記第1光学素子及び上記第2光学素子の少なくとも一方は、隣接する結像光学系間で一体的に成形されてもよい。
【0016】
上記アパーチャは、開口部の大きさが異なるアパーチャと交換可能なように構成することができる。
【0017】
それぞれの上記結像光学系は、隣接する上記第2光学素子間に配置される遮光板をさらに有するように構成してもよい。
【0018】
上記結像光学系における縮小倍率は、上記各結像光学系において同じであり、0.85から0.6倍であるように構成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1態様における画像読取装置によれば、複数個の結像光学系と、撮像素子とを備え、各結像光学系は、被撮像物から撮像素子に向けて、第1光学素子、アパーチャ、第2光学素子の順で配置される。ここで、第1光学素子とアパーチャとは、第1光学素子の第1焦点距離にて配置されている。つまり、被撮像物側において結像光学系は、テレセントリック光学系にて構成されている。よって、被撮像物の各点から発せられた主光線、すなわち、各結像光学系の入射瞳の中心を通る光線は、被撮像物面に垂直になる。このため、被撮像物面の位置が変化しても転写倍率が変わらないので、被写界深度を大きくできる効果が得られる。
【0020】
さらに、上記結像光学系は、第2光学素子における第2焦点距離を、第1光学素子の第1焦点距離よりも小さく設定し、被撮像物を反転縮小して結像する。よって、画像読取装置を小型化することができる。又、隣接する結像光学系において画像が重なることがない。元の被撮像物を復元するには、各結像光学系で撮像された像を画像処理によって合成すればよい。すなわち、縮小光学系であることから、各結像光学系で倒立する像が得られても像が重なり合うことがないという効果が得られる。さらには、各結像光学系間のレンズの製造誤差、組み立て誤差等で各結像光学系間での像の位置ずれが発生しても、画像処理上の補正によりずれのない正立像を復元することが可能であり、光学系全体の製造誤差を緩和できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1における画像読取装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す画像読取装置の光学系の構成図である。
【図3】図2に示す画像読取装置において原稿面が移動した場合の状態を示す図である。
【図4】図2に示す画像読取装置において撮像素子面上の主走査方向の光強度分布を示すグラフである。
【図5】図2に示す画像読取装置における撮像素子の構成の一例を示す図である。
【図6】図2に示す画像読取装置における撮像素子の構成の他の例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2における画像読取装置の光学系の構成図である。
【図8】図7に示す画像読取装置に備わる透過型の第1及び第2のレンズアレイの斜視図である。
【図9】図7に示す画像読取装置に備わるアパーチャアレイの平面図である。
【図10】本発明の実施の形態3における画像読取装置の光学系の構成図である。
【図11】本発明の実施の形態4における画像読取装置の光学系の構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態6における画像読取装置の光学系の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態である画像読取装置について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。
【0023】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による画像読取装置101に備わる後述するセル13の内の一つにおける概略構成の一例を示している。図2は、画像読取装置101の構成の原理を示す平面図である。該画像読取装置101は、大別して、結像光学系の機能を果たす一例に相当するセル13と、それぞれのセル13に対応して設けられる撮像素子8とを備え、又、以下に説明する各実施形態においても同様であり、撮像対象である被撮像物を照明するための照明装置200が備えられている。それぞれのセル13は、上記被撮像物を反転縮小して結像する光学系であり、上記被撮像物に対する主走査方向、つまり図2に示すX方向に沿って互いに隣接して直線状に配置される。又、各セル13は、第1光学素子の機能を果たすものの一例に相当する第1レンズ3、アパーチャ5、第2光学素子の機能を果たすものの一例に相当する第2レンズ4を有し、これらは、上記被撮像物から撮像素子8へ向かって、第1レンズ3、アパーチャ5、第2レンズ4の順に配置される。撮像素子8で取得された画像信号は、画像読取装置においては通常用いられる画像処理装置201に送られる。画像処理装置201で処理された画像信号は信号出力され、その画像を用いる装置で使用される。その画像を用いる装置とは、例えば、ディスプレイ、原稿書き込み装置、紙幣の真贋判定装置などが挙げられる。尚、以下では、上記被撮像物の一例として原稿面1における例えば文字を例に採る。さらに図を参照して、画像読取装置101について、より詳しく説明する。
【0024】
それぞれのセル13は、X方向において幅M1の大きさを有し、かつX方向に沿って、上記幅と同寸法にてなる距離M1の間隔(ピッチ)にて配列される。尚、図2では、X方向に、セル13−1〜13−4の4つのセルを配列した構成を図示するが、これに限定されず、画像読取装置101は、複数のつまり2以上のセル13を有すればよい。
【0025】
この原理構成を示す図2では、レンズは、近軸近似の成り立つ薄肉レンズを仮定して作図されている。すなわち、第1レンズ3及び第2レンズ4における前側と後側との主平面は、レンズの肉厚方向中心位置で一致しているものとする。又、第1レンズ3の焦点距離(第1焦点距離に相当)はf1であり、第2レンズ4の焦点距離(第2焦点距離に相当)はf2である。
【0026】
原稿面1から一次元撮像素子8へ至る光路に沿って、原稿面1から第1レンズ3までの距離、より詳しくは、原稿面1から第1レンズ3の前側主平面までの距離L1は、おおよそ第1焦点距離f1である。又、第1レンズ3からアパーチャ5までの距離、より詳しくは、第1レンズ3の後側主平面からアパーチャ5までの距離L2は、第1焦点距離f1である。さらに、アパーチャ5から第2レンズ4までの距離、より詳しくは、アパーチャ5から第2レンズ4の前側主平面までの距離L3は、おおよそ第2焦点距離f2である。又、第2レンズ4から一次元撮像素子8までの距離、より詳しくは、第2レンズ4の後側主平面から一次元撮像素子8までの距離L4は、おおよそ第2焦点距離f2である。よって、原稿面1上の文字が結像する位置に、一次元撮像素子8が位置する。
【0027】
尚、上述のように、上記主走査方向に沿って、各セル13が配列されているので、それぞれのセル13に備わる第1レンズ3、アパーチャ5、及び第2レンズ4は、主走査方向に沿ってアレイ状に配置される。よって、以下では、第1レンズアレイ3、アパーチャアレイ5、第2レンズアレイ4と記す場合もある。
【0028】
又、一次元撮像素子8は、図5に示すように、基板上に、主走査方向(X方向)に連続して形成された受光領域9を形成したものでも良いし、図6に示すように、セル13ごとに分割され、像が結像される領域のみに受光領域9を形成したものでも良い。図5に示す構成は、撮像素子8の組み立てが容易であるという利点があり、図6に示す構成では、撮像素子8を形成するシリコンの使用量が少なく、コスト低減が図れるという利点がある。
【0029】
ここで、以下の説明を分かりやすくするために、具体的な数値を代入する。第1レンズ3及び第2レンズ4の焦点距離は、それぞれf1=12mm、f2=9mmとする。よって、距離L2=12mmである。距離L1は必ずしもf1と等しい必要はないが、ここでは距離L1=12mmとする。距離L3も同様にf2と等しい必要はないが、ここでは距離L3=9mmとする。このとき、距離L4=9mmである。また、主走査方向におけるセル13の幅M1は、M1=6mmとする。又、アパーチャ5の開口形状は円形であるとし、その直径は、φ1.2 mmとする。
【0030】
図2における光学系では、原稿面1におけるある点列からの光線の軌跡も図中に示されている。この光線の軌跡を用いて、上述のように構成された画像読取装置101における光学系の特徴について、動作とともに説明する。
【0031】
第一の特徴は、各セル13毎に反転縮小光学系になっていることである。よって、撮像対象である被撮像物の大きさに比して小型の画像読取装置101を構成することが可能である。
即ち、原稿面1上の点列A,B,C,D,Eから発した光線は、撮像素子8の面上で点A’,B’,C’,D’,E’に結像する。ただし、原稿面1上で、セル13の境界に存在する点A及び点Eからの光線は、点A”及び点E”にも結像する。第1レンズ3及び第2レンズ4の焦点距離の関係がf1>f2であるので、各セル13の転写関係は、反転縮小である。上述の具体的数値による例の場合、縮小倍率は、f2÷f1=0.75倍である。
【0032】
よって、原稿面1での画像情報は、結像面上では主走査方向(X方向)に0.75倍に縮小反転した像として得られる。そのことを模式的に示したのが、符号11を付した文字「あ」と、符号12を付した文字「あ」である。原稿面1上における一つのセル13内に文字「あ」11が存在したとき、そのセル13の撮像素子8では、文字「あ」11が反転縮小された文字「あ」12が得られる。このように、各セル13は、縮小光学系を構成しているので、たとえセル13毎に像が反転したとしても、各セル13間にて像が互いに重なり合うことはなく、画像補正によって元の被撮像物を再生することができる。上記の画像補正は、画像処理装置201で処理される。
【0033】
第二の特徴は、セル13が被撮像物面側のテレセントリック光学系を構成していることである。これは、距離L2が第1焦点距離f1と等しいことから導かれる結論で、アパーチャ5の開口部の中心を通る光線(主光線)は、原稿面1から垂直に発せられた光線である。つまり上記主光線と光軸とが平行になっている。このような構成では、図3に示すように、原稿面1が原稿面21へ、光軸方向(Z方向)にずれたとしても、転写倍率は0.75倍のままで変わらない。結像面でのジャストフォーカス位置は、主走査方向には変動せず光軸方向(Z方向)に変動するだけである。このようにテレセントリック光学系を構成することで、Z方向に大きな被写界深度をもった光学系の設計が可能となる。
【0034】
被写界深度の大きさは、光学系の開口数Fでほぼ決定される。例えば、上述の具体例の場合では、各セル13の光学系の開口数FはF=10である。一般的なコピー機の解像度(画素密度)は600dpi、すなわち1画素42μmである。光学系に要求されるMTFの値として、例えば空間周波数6lp/mmでの値で30%以上確保すること、という目安がある。上記F=10の場合、上記MTFの目安をクリアする被写界深度は、もちろん具体的なそれぞれのレンズ設計にて変動するが、あえて具体的数値を挙げると、±1mmである。被写界深度は、アパーチャ5の開口部の直径を変えるだけで任意に設定でき、上記開口部の直径を小さくしてF値を大きくすれば、より大きな被写界深度を得ることも可能である。
【0035】
よって、被写界深度を容易に変更可能とするため、画像読取装置101において、アパーチャ5を交換可能な構造を採用し、あるいは、アパーチャ開口部の大きさを可変とする構造を有するアパーチャを備えるようにしてもよい。尚、該構成は、以下に記載する各実施の形態においても採用することができる。
【0036】
第三の特徴は、幅M1のセル13が所定の間隔M1毎に隣接して直線状に配列されていることである。各セル13の中心付近、例えば点Cから発する光線は、一つのセル13内に配置された光学素子だけを通って撮像素子8上に結像する。一方、セル13の境界部分における原稿面1からの光線、例えばセル13−1とセル13−2との境界における点Aは、撮像素子8面上でセル13−2に属する点A’と、セル13−1に属する点A”に分離して結像される。つまり、第1レンズアレイ3上でセル13−1に属する光線は、セル13−1内の光路を通って点A”に到達し、第2レンズアレイ4上でセル13−2に属する光線は、セル13−2内の光路を通って点A’に到達する。点Aの近傍の点の場合も、第1レンズアレイ3に到達する光線の割合に応じて、セル13−1とセル13−2とに光線が分配され、点A’の近傍と点A”の近傍とに結像する。
【0037】
即ち、隣接するセル13間での境界付近の画像は、撮像素子8面上では、隣接する二つのセル13の画像として表れ、その光強度は、第1レンズアレイ3での光線の分配の割合に応じて小さなものになる。
仮に原稿面1に白い紙を置き、照明装置200によって、一様な強度分布の照明光で照らしたとする。即ち、原稿面1上のどの点からも一様な強度の発光があるとする。このときの撮像素子8面上での強度分布は、あるセル13における境界を原点にとると、図4のようになる。つまり、原稿面1上での各セル13の幅M1=6mmは、撮像素子8面上では幅M2=6×0.75=4.5mmに縮小される。原稿面1上のセル境界に相当する位置の光強度は、セル13の中心と比較して0.5である。幅M2の外で急に画像が消えるわけではなく、境界部に近づくにしたがって緩やかに強度が小さくなる。逆に、幅M2の内側であっても、境界部付近では光強度は完全に1ではない。図4に示すように、M2=4.5mmの幅を超えて、約5.25mmまで像が存在する。4.5mmの幅を超えた両側0.375mmずつの領域の像が、隣のセルの像のある部分と同じ画像を共有する。セルの単位は6mmであるから、隣のセルとの間の像が存在しない領域は0.75mmであり、これはマージンである。
【0038】
図4から分かることで重要なことは、セル13の境界部で光強度がゼロに達していることである。即ち、隣接するセル13における画像は、重なり合っていないことを意味している。このため、各セル13により反転画像が得られても、各セル13の画像を反転させて境界部を重ね合わせてもゴーストのない画像を得ることができる。さらに、光強度の弱い境界部に相当する画像を互いに重ね合わせることで、単一セル13では境界部で光強度の弱い画像になってしまっていても、元の光強度を復元することができる。
【0039】
縮小倍率を0.75倍よりも小さくすればするほど、境界部で像が重ね合わさることを防ぐことができる。一方で、センサの一画素サイズも縮小倍率に合わせて小さくする必要がある。よって、撮像素子の受光感度が落ちてしまうという問題が生じる。つまり、原稿面で600dpiの解像度を保つには、原稿面上では一画素42μm相当であるが、撮像素子上では31.5μmになる。固体撮像素子は、一般に受光面以外に信号の転送路などの不感領域がある。その不感領域の幅は、撮像素子の画素サイズを縮小しても不変であるため、相対的に受光面の割合が小さくなる。言い換えると、撮像素子の開口率が小さくなる。そのため、縮小倍率を小さくし過ぎることは、受光感度の低下を招く不都合が生じる。受光感度が低くなると、照明強度を強くする必要が生じ、消費電力、コストでの不具合が生じる。
【0040】
つまり、縮小倍率はマージンも考えると0.75倍程度が最も望ましいということが言える。もちろん上述したようにマージン分をどれだけとるかによって、縮小倍率は0.75倍の付近で変化させても良く、例えば0.85倍から0.6倍の範囲に設定しても良い。その縮小倍率を変えるのは、第一焦点距離f1と第二焦点距離f2の割合を変えれば良い。
【0041】
以上、説明したように、本実施形態1の画像読取装置101によれば、複数のセル13で構成されるために小型であるという通常の密着型イメージセンサの特徴を有し、かつ、原稿面1の位置が光軸方向(Z方向)に変動しても転写倍率が変わらず、被写界深度を大きくできるという、従来では見られない効果を奏することができる。
【0042】
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2による画像読取装置102の構成を示す平面図である。紙面に垂直な方向が主走査方向であり、該方向に実施の形態1で説明したセル13が並んでいる。つまり図7では、第1レンズアレイ3及び第2レンズアレイ4は、アレイ形状には図示できないが、紙面垂直方向に複数個のレンズが並んだ構成を有する。図8に第1レンズアレイ3及び第2レンズアレイ4の斜視図を示す。又、アパーチャ5は、図7に示すy方向から見た図では例えば図9に示すような構成である。
【0043】
実施の形態2による画像読取装置102では、照明装置200が原稿面1を照射し、原稿面1での拡散反射光を読み取る光路の途中に、光路を折り曲げる折り返しミラー120、121が挿入されている。詳しくは、原稿面1と第1レンズアレイ3との間に折り返しミラー120が設けられ、第2レンズアレイ4と撮像素子8との間に折り返しミラー121が設けられている。尚、このような構成を有する画像読取装置102においても、上述した各距離L1〜L4は、維持される。撮像素子8で取得された画像信号は、画像処理装置201に送られ、実施の形態1で述べたのと同様な画像補正が行なわれる。
【0044】
原稿面1側の被写界深度を大きくするには、焦点距離の大きなレンズを用いて、かつ光束を絞るためにアパーチャを挿入する構成を採る。しかしながら該構成によれば、光路長が長くなってしまう。これに対し、実施の形態2による画像読取装置102によれば、上述のように、折り返しミラー120、121を設けることで光路を折り返し、光学系を小型にすることができる。画像読取装置102では、図7に示すZ方向、つまり原稿面1に垂直な方向における装置厚さを小さくすることができる。よって、実施形態1に比して、さらにコンパクトな画像読取装置を構成することができるという効果を奏する。
尚、実施の形態2による画像読取装置102も、光学系の基本構成は実施形態1の構成に同じであることから、実施形態1の画像読取装置101が奏する効果を得ることができる。
【0045】
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3による画像読取装置103の構成を示す平面図である。該画像読取装置103では、上述の実施の形態2における構成に加えて、アパーチャ125における開口部に、光路を折り曲げる折り返しミラー125aが設けられている。尚、上述の実施の形態1における構成に対して、アパーチャ5に代えて、ミラー125aを有するアパーチャ125を設けることもできる。
【0046】
このような反射型のアパーチャアレイ125は、例えば、平面状のミラー上に、図9に示すようなパターンを印刷する方法、板に開口部用の穴を開けて図9に示すようなアパーチャアレイを作成して平面状のミラーと重ねる方法、等、種々の方法にて作製可能である。
【0047】
又、折り返しミラー120,121の設置角度を原稿面1に対して45°を超える角度とすることで、反射型のアパーチャアレイ125の入射光と反射光とを空間的に分離することができる。又、このような構成を有する画像読取装置103においても、上述した各距離L1〜L4は、維持される。
【0048】
実施の形態3による画像読取装置103によれば、上述の実施形態1の画像読取装置101が奏する効果を得ることができるのは勿論のこと、実施形態2の構成に比して、図10のy方向に縮小された、さらにコンパクトな画像読取装置を提供することができる。
【0049】
尚、上述の実施の形態1から実施の形態3において、第1レンズアレイ3及び第2レンズアレイ4が屈折型の単レンズであると、色収差が発生するという不具合が生じる。よってカラー画像を読み取る場合、得られる画像が色毎に分離してしまい、良好な画像が得られない。このような現象を防止するため、第1レンズアレイ3及び第2レンズアレイ4をそれぞれ色消しレンズにて構成すればよい。色消しレンズを構成する一般的な手法としては、屈折率とアッベ数の異なる2枚のレンズ材料を組み合わせる方法が採用可能である。
【0050】
実施の形態4.
図11は、本発明の実施の形態4による画像読取装置104の構成を示す斜視図である。本実施形態4における画像読取装置104は、実施形態1にて説明した構成を基本とし、上述した折り返しミラー120,121、及び反射型のアパーチャアレイ125を備え、さらに、第1レンズアレイ3及び第2レンズアレイ4をそれぞれ反射型の第1ミラーレンズアレイ123、及び第2ミラーレンズアレイ124にて形成した構成を有する。ここで、第1ミラーレンズアレイ123は、第1光学素子の機能を果たすものの一例に相当し、第2ミラーレンズアレイ124は、第2光学素子の機能を果たすものの一例に相当する。
【0051】
尚、ここでは、第1レンズアレイ3及び第2レンズアレイ4の両方を反射型の第1ミラーレンズアレイ123、及び第2ミラーレンズアレイ124としたが、第1レンズアレイ3及び第2レンズアレイ4のいずれか一方を反射型の第1ミラーレンズアレイ123、又は第2ミラーレンズアレイ124に変更してもよい。又、上述した実施形態1及び実施形態2における構成に対して、第1レンズアレイ3、及び第2レンズアレイ4の少なくとも一方を、第1ミラーレンズアレイ123、及び第2ミラーレンズアレイ124に変更してもよい。
【0052】
尚、光学原稿面1の下には、図11には示されていないが、通常、カバーガラスが存在する。カバーガラスは原稿を置くために必須の素子であり、光学系全体を保護する役割も果たす。各光学素子について、以下に詳しく説明する。又、図11において符号129にて示す物は、下記の実施の形態6にて説明する遮光板であるが、ここでの説明は省略する。
【0053】
実際には照明装置200が原稿面1を照射し、原稿面1での拡散反射光を読み取るのであるが、原稿面1上のある一点から発した光線束を考える。上記カバーガラスを透過した光線は、折り返しミラー120で光路を折り曲げられ、第1ミラーレンズアレイ123に達する。折り返しミラー120の設置角度は、本実施形態では、原稿面1に対して48°の角度に設定している。この設置角度により、第1ミラーレンズアレイ123への光線の入射角は、第1ミラーレンズアレイ123の法線方向に対して6°の角度となっている。このわずかな斜入射により、第1ミラーレンズアレイ123における反射光は、入射光と分離でき、次のミラー型のアパーチャアレイ125に達する。
【0054】
また、原稿面1から第1ミラーレンズアレイ123までの光学長は12mmである。また、第1ミラーレンズアレイ123において、各セル13に対応するレンズは、焦点距離f1=12mmの凹面鏡レンズであり、図8からも分かるように、レンズの開口形状は矩形である。各セル13に対応するレンズの開口形状の横幅、すなわち副走査方向における幅は6mmである。このような凹面鏡レンズの役割は、入射光をコリメートして略平行光にすることである。凹面鏡レンズの曲面形状は、球面でも良いが、より良い解像度を得るために非球面形状にしても良い。
【0055】
凹面鏡レンズにて形成した第1ミラーレンズアレイ123によりコリメートされた光線は、第1ミラーレンズアレイ123から光路距離L2=12mmを隔てて位置する反射型のアパーチャアレイ125に到達する。反射型アパーチャアレイ125におけるそれぞれの開口部125aは、各セル13の中央に対応して配置されている。また、反射型アパーチャアレイ125において、各セル13に対応する各開口部125aの開口径は、例えばφ1.2mmである。
【0056】
上述のように、本実施形態4の構成においても第1焦点距離f1=距離L2であることから、画像読取装置104でもテレセントリック光学系の条件を満たす。よって、反射型アパーチャアレイ125の開口部125aを通過する光線束の主光線は、原稿面1上を垂直に発した光線となる。よって、本実施形態4においても、実施の形態1で説明したように、原稿面1の位置が焦点方向に変化したとしても、光学系全体の転写倍率は変化しない。
【0057】
反射型アパーチャアレイ125の開口部125aを通過した光線は、第2ミラーレンズアレイ124に到達する。第2ミラーレンズアレイ124においても、各セル13に対応するレンズは矩形形状であり、第2焦点距離f2=9mmを持つ。反射型アパーチャアレイ125から第2ミラーレンズアレイ124までの光路距離L3、及び第2ミラーレンズアレイ124から撮像素子8までの光路距離L4は、必ずしも第2焦点距離f2=9mmに等しい必要はないが、この例では、距離L3=距離L4=9mmとする。又、距離L3=f2であれば、像面側もテレセントリック光学系の条件を満たすので、撮像素子8の焦点方向の位置ずれに対して転写倍率が変化することを防ぐことができる。
【0058】
撮像素子8側は、原稿面1側とは異なり、第2ミラーレンズアレイ124から撮像素子8までの光路距離は、基本的には固定されているので、テレセントリック光学系の条件を満たす必要は必ずしもない。しかし、像面側もテレセントリック光学系にすれば、組み立て調整の誤差や、温度変化による距離変動に対して、転写倍率のばらつきや変動の少ない光学系にすることができる。第2ミラーレンズアレイ124の曲面形状も、必要によって非球面形状とし、転写光学系全体の解像度を上げることができる。
第2ミラーレンズアレイ124にて反射した光線束は、折り返しミラー121によって垂直方向に折り曲げられ、撮像素子8面にて像を結ぶ。撮像素子8で取得された画像信号は、画像処理装置201に送られ、実施の形態1で述べたのと同様な画像補正が行なわれる。
【0059】
本実施形態4の画像読取装置104における構成は、以上述べた通りであるが、得られる光学像の画像の特徴や、画像処理方法については、実施の形態1にて述べたことと同様であるので、ここでは割愛する。
【0060】
上述した画像読取装置104によれば、上述の実施形態1の画像読取装置101が奏する効果を得ることができるのは勿論のこと、さらに以下の2つの特有の効果が得られる。
一つは、第1レンズアレイ及び第2レンズアレイが反射型のミラーレンズアレイにて構成されていることより、光路が折り返され、さらにコンパクトな光学系を構成することができる点である。
【0061】
他の一つは、反射には色分散がないので、反射型のミラーレンズアレイ123,124を使用することで、色収差が発生しない点である。長尺のアレイ状のレンズでは、現実的に2枚の異種ガラスを張り合わせてレンズを製作するのはコスト上難しい。よって、色収差補正が必要なカラー画像の読取装置では、本実施の形態4のような、反射型のミラーレンズアレイを用いることで色収差補正が容易になる。
【0062】
実施の形態5.
本実施の形態5は、上述した実施形態1〜4において、第1レンズアレイ3及び第2レンズアレイ4の少なくとも一方、並びに、第1ミラーレンズアレイ123及び第2ミラーレンズアレイ124の少なくとも一方において、隣接するセル13に対応するレンズ部が樹脂材にて一体成型された構成である。
【0063】
上述の実施の形態4で説明した反射型のミラーレンズアレイを用いた構成、即ち、図11に示す画像読取装置104における構成では、第1ミラーレンズアレイ123と、第2ミラーレンズアレイ124とは近接した構成になり、両者を一体的に樹脂成型することが可能である。よって、実施の形態5の構成は、実施形態4のような構成に対して特に効果が大きく、位置決め精度の向上、保持部品の低減により装置の組み立ての簡素化、及びコスト低減に大きく寄与することができる。
【0064】
例えば、A3用紙サイズの原稿を読み取る場合、主走査方向には約300mmの長さが必要となる。一つのセル13の幅を6mmとすると、50個のセル13を並べる必要が生じる。50個のセル13に対応して並んで配列された、第1レンズアレイ3、第2レンズアレイ4、第1ミラーレンズアレイ123、及び第2ミラーレンズアレイ124を一体的に樹脂成型することもできる。しかしながら、製造上、このような大型のレンズアレイを作製できない場合には、複数セル13に対応したレンズ部分を1ユニットとして一体成型し、それを組み立ての際に並べて配置してもよい。例えば、5セルに対応した分を1ユニットとして一体成型したレンズアレイを作製した場合、主走査方向におけるレンズアレイの幅は30mmとなり、成型用金型の加工及び樹脂成型が容易となる。
【0065】
実施の形態6.
本実施の形態6は、上述した、実施形態1〜4における第2レンズアレイ4及び第2ミラーレンズアレイ124において、隣接するレンズの間に遮光壁129を設けた構成である。
図12は、このような実施形態6の構成を有する画像読取装置106の構成を示す平面図である。図12に示す画像読取装置106では、例えば実施形態1の画像読取装置101に対して、隣接する第2レンズ4間にそれぞれ遮光壁129が設けられた構成である。又、図11に示す画像読取装置104では、第2ミラーレンズアレイ124において、各セル13に対応するそれぞれの第2ミラーレンズ間に遮光壁129が設けられた構成である。
【0066】
遮光壁129は、図示するように板状体であり、上記主走査方向に対して直角な副走査方向に沿って配置される。図11に示す画像読取装置104では、遮光壁129は、第2ミラーレンズアレイ124のセルの境界から延びている。図12に示す画像読取装置106では、遮光壁129は、第2レンズ4を中心にして、アパーチャアレイ5側へ、及び撮像素子8側へ、それぞれ等距離にて延在する。尚、図11に示す画像読取装置104、及び図12に示す画像読取装置106において、遮光壁129の延在する長さは、上述の長さに限定するものではない。
【0067】
このような遮光壁129は以下のように作用する。
図12には、遮光壁129がない場合の光線追跡の一例が、符号20にて示されている。符号20は、迷光光線である。迷光光線20は、図12に示すように、第1レンズアレイ3にて正規の光路をたどるにもかかわらず、第2レンズアレイ4の位置にて、隣のセル13に紛れ込む光線である。このような迷光光線20は、像の劣化を招くことから、除去する必要がある。
【0068】
よって、図12に示すように、遮光壁129を設けることで、隣接するセル13へ侵入しようとする迷光光線20を遮光し、除去することができる。さらに、第2レンズアレイ4の位置では、結像に寄与する主たる光線束は、縮小されているので、各第2レンズ4間の境界に遮光壁129を設置しても、結像に寄与する主たる光線束を遮光壁129が遮ることはない。
【0069】
又、上述のように、図11に示す画像読取装置104のような反射型光学系の構成においても、遮光壁129を設けることが可能である。
【0070】
このように、実施形態6の画像読取装置106によれば、上述の実施形態1の画像読取装置101から実施形態4の画像読取装置104が奏する効果を得ることができるのは勿論のこと、第2レンズアレイ4における各セル13の境界部分に遮光壁129を設置することで、効果的に迷光のみを除去することができ、像の劣化を防止するという効果が得られる。
【0071】
尚、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0072】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【0073】
又、2007年7月13日に出願された、日本国特許出願No.特願2007−183925号の明細書、図面、特許請求の範囲、及び要約書の開示内容の全ては、参考として本明細書中に編入されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、コピー機等に用いられる画像読取装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 原稿面、3 第1レンズアレイ、4 第2レンズアレイ、
5 アパーチャアレイ、8 撮像素子、13 セル、
101〜106 画像読取装置、
120,121 折り返しミラー、
123 第1ミラーレンズアレイ、124 第2ミラーレンズアレイ、
125 反射型アパーチャアレイ、125a 開口部、129 遮光壁、
200 照明装置、201 画像処理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被撮像物を照明する照明装置と、
主走査方向に沿って互いに隣接して位置し、上記被撮像物を結像する複数の結像光学系と、
それぞれの上記結像光学系に対応して位置し、上記結像光学系で結像された像を撮像する複数の撮像素子と、
この撮像素子で得られた画像から元の上記被撮像物の画像を復元する画像処理装置と、
を備え、
上記結像光学系は、上記被撮像物から上記撮像素子に向かう光路内に配置される、第1焦点距離を有する第1光学素子と、上記第1光学素子から上記第1焦点距離後ろ側に位置するアパーチャと、上記アパーチャから上記第1焦点距離よりも小さい第2焦点距離後ろ側に位置する上記第2焦点距離をもつ第2光学素子とを有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
それぞれの上記結像光学系は、上記被撮像物から上記撮像素子に向かう光路内に、光路を折り曲げるミラーをさらに有する、請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
上記アパーチャは、開口部に光路を折り曲げるミラーを有する、請求項1又は2記載の画像読取装置。
【請求項4】
上記第1光学素子及び上記第2光学素子の少なくとも一方は、反射型のミラーレンズである、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
上記第1光学素子及び上記第2光学素子の少なくとも一方は、隣接する上記結像光学系間で一体に成形される、請求項1から4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
それぞれの上記結像光学系は、隣接する上記第2光学素子間に配置される遮光板をさらに有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
上記結像光学系における縮小倍率は、上記各結像光学系において同じであり、0.85から0.6倍である、請求項1から6のいずれか1項に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−235538(P2012−235538A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197069(P2012−197069)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【分割の表示】特願2009−523560(P2009−523560)の分割
【原出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】